(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】液体検知センサ
(51)【国際特許分類】
G01F 23/292 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
G01F23/292 B
G01F23/292 A
(21)【出願番号】P 2020089041
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000143031
【氏名又は名称】コーデンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】氏家 篤将
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-216789(JP,A)
【文献】特開2013-122412(JP,A)
【文献】特開昭49-036366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0138824(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/292
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有するチューブ内における液体の有無を非接触で検知するものであって、
前記チューブに向けて光を出射する光源と、
前記チューブ内で反射した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第1受光素子と、
前記チューブを透過した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第2受光素子と、
前記第1受光素
子と前記第2受光素子
の両方の出力結果に基づいて液体の有無を検知する検知部とを備える液体検知センサ。
【請求項2】
前記チューブ内に液体が存在しない場合又は液体で満たされている場合の出力を基準とする前記第1受光素子の出力の比率を第1出力変化率とし、
前記チューブ内に液体が存在しない場合又は液体で満たされている場合の出力を基準とする前記第2受光素子の出力の比率を第2出力変化率として、
前記検知部が、前記第1出力変化率と前記第2出力変化率との比に基づいて、液体の有無を検知する請求項1に記載の液体検知センサ。
【請求項3】
前記検知部が、前記第1出力変化率に対する前記第2出力変化率の比が所定範囲内にある場合に、前記チューブ内に液体が有ると判定する請求項2に記載の液体検知センサ。
【請求項4】
前記光源及び前記第1受光素子と、前記第2受光素子とは、前記チューブを挟んで互いに反対側に位置するように配置されている請求項1~3の何れか一項に記載の液体検知センサ。
【請求項5】
前記光源の光軸と、前記第1受光素子の光軸とが、前記チューブの外壁面における、前記第2受光素子と対向する面の近傍で一致するように配置されている請求項4に記載の液体検知センサ。
【請求項6】
前記第1受光素子及び前記第2受光素子が、前記チューブ内に液体が満たされている場合の出力が、前記チューブ内に液体が存在しない場合の出力よりも大きくなるように配置されている請求項1~5のいずれか一項に記載の液体検知センサ。
【請求項7】
透光性を有するチューブ内における液体の有無を非接触で検知するものであって、
前記チューブに向けて光を出射する光源と、
前記チューブ内で反射した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第1受光素子と、
前記チューブを透過した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第2受光素子と、
前記第1受光素子の出力と前記第2受光素子の出力とに基づいて液体の有無を検知する検知部とを備えるものであり、
前記光源及び前記第1受光素子と、前記第2受光素子とは、前記チューブを挟んで互いに反対側に位置するように配置されており、
前記光源の光軸と、前記第1受光素子の光軸とが、前記チューブの外壁面における、前記第2受光素子と対向する面の近傍で一致するように配置されている液体検知センサ。
【請求項8】
透光性を有するチューブ内における液体の有無を非接触で検知するものであって、
前記チューブに向けて光を出射する光源と、
前記チューブ内で反射した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第1受光素子と、
前記チューブを透過した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第2受光素子と、
前記第1受光素子の出力と前記第2受光素子の出力とに基づいて液体の有無を検知する検知部とを備え、
前記第1受光素子及び前記第2受光素子が、前記チューブ内に液体が満たされている場合の出力が、前記チューブ内に液体が存在しない場合の出力よりも大きくなるように配置されている液体検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性を有するチューブ内における液体の有無を非接触で検知する液体検知センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、透光性を有するチューブ内における液体の有無を検知する液体検知センサとしては、液体の有無による光の屈折率の変化を利用した光屈折方式のものが知られている。このような液体検知センサとして、例えば特許文献1には、チューブに対して光を出射する光源と、チューブの内壁面で反射した光を受光する受光素子とを備えるものが開示されている。この液体検知センサでは、チューブ内に液体が無い場合には液体チューブと空気の屈折率の差が大きいため、チューブの内壁面で光が反射し、受光素子での受光量が大きくなる。一方で、チューブ内に液体が有る場合には、液体チューブと液体の屈折率の差が小さくなるため、光源から出射された光はチューブ内の内壁面で反射されることなく通り抜け、受光素子での受光量が小さくなる。液体検知センサは、受光素子における受光量の違いにより、チューブ内における液体の有無を判定するように構成されている。
【0003】
しかしながら、上記した液体検知センサでは、チューブ内に水滴が残っている場合や液体中に気泡が存在している場合に誤検知を生じてしまうという問題がある。すなわち、チューブ内に僅かな水滴が残っている場合には、光源からの光がチューブの内壁面で反射することなく通り抜けてしまうことにより受光素子の受光量が低下し、チューブ内に液体が有ると判定してしまうことがある。逆に、チューブ内を液体があるものの、液体中に気泡が存在している場合、光源からの光がチューブの内壁面で反射されてしまい、チューブ内に液体が無いと判定してしまうことがある。光源と受光素子とを複数対設けることにより水滴や気泡による誤検知を低減することができるが、設置スペースが大きくなるため望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、省スペース化を図りつつ、チューブ内に残った水滴や液体中の気泡に起因する誤検知を低減できる液体検知センサを提供することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る液体検知センサは、透光性を有するチューブ内における液体の有無を非接触で検知する液体検知センサであって、前記チューブに向かって光を出射する光源と、前記チューブ内で反射した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第1受光素子と、前記チューブを透過した光を受光するように配置され、受光した光量に比例した信号を出力する第2受光素子と、前記第1受光素子の出力と前記第2受光素子の出力とに基づいて液体の有無を検知する検知部とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成であれば、チューブ内で反射した光をセンシングする第1受光素子と、チューブを透過した透過光をセンシングする第2受光素子とを備えるので、これら複数の受光素子の出力結果に基づいて液体の有無を判定するので、チューブ内に残った水滴や液体中の気泡に起因する誤検知を低減することができる。また、光源と受光素子を複数対設けるのではなく、1つの光源に対して2つの受光素子でセンシングするようにしているので、省スペース化に寄与することができる。
【0008】
前記液体検知センサの具体的態様としては、前記チューブ内に液体が存在しない場合又は液体で満たされている場合の出力を基準とする前記第1受光素子の出力の比率を第1出力変化率とし、前記チューブ内に液体が存在しない場合又は液体で満たされている場合の出力を基準とする前記第2受光素子の出力の比率を第2出力変化率として、前記検知部が、前記第1出力変化率と前記第2出力変化率との比に基づいて、液体の有無を検知するものが挙げられる。この場合、前記検知部が、前記第1出力変化率に対する前記第2出力変化率の比が所定範囲内にある場合に、前記チューブ内に液体が有ると判定することが好ましい。
【0009】
前記液体検知センサは、前記検知部が、前記第1出力変化率が所定の第1閾値以上であり、かつ前記第2出力変化率が所定の第2閾値以上であり、かつ前記第1出力変化率に対する前記第2出力変化率の比が前記所定範囲内にある場合に、前記チューブ内に液体が有ると判定することが好ましい。
このようにすれば、液体の有無の判定基準を増やすことにより、誤検知をより一層低減することができる。
【0010】
チューブ内で反射した光と、チューブを透過した光とを効率よく受光するには、前記光源及び前記第1受光素子と、前記第2受光素子とは、前記チューブを挟んで互いに反対側に位置するように配置されていればよい。
【0011】
前記液体検知センサにおいて、前記光源の光軸と、前記第1受光素子の光軸とが、前記チューブの外壁面における、前記第2受光素子と対向する面の近傍で一致するように配置されていることが好ましい。
このようにすれば、一つの光源から出た光の反射光と透過光を、第1受光素子と第2受光素子のそれぞれで効率よく受光することができるので、誤検知をより一層低減することができる。
【0012】
前記液体検知センサの特徴の一つとして、前記第1受光素子及び前記第2受光素子が、前記チューブ内に液体が満たされている場合の出力が、前記チューブ内に液体が存在しない場合の出力よりも大きくなるように配置されていることが挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
このようにした本発明によれば、省スペース化を図りつつ、チューブ内に残った水滴や液体中の気泡に起因する誤検知を低減できる液体検知センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態における液体検知センサの構成を模式的に示す斜視図。
【
図2】同実施形態の液体検知センサの構成を模式的に示す平面図。
【
図3】同実施形態の液体検知センサの使用時における光の進行方向を説明する平面図。
【
図4】同実施形態の液体検知センサの使用時における光の進行方向を説明する平面図。
【
図5】同実施形態の液体検知センサの使用時における光の進行方向を説明する平面図。
【
図6】他の実施形態における液体検知センサの構成を模式的に示す斜視図。
【
図7】他の実施形態の液体検知センサの構成を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態に係る液体検知センサ100について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る液体検知センサ100は、例えば病院等において薬液等の液体を供給する透光性を有するチューブTに取り付けられて、当該チューブT内における液体の有無を検知するためのものである。具体的にこの液体検知センサ100は、
図1に示すように、チューブTがセットされる検知空間Sを形成するホルダ4と、検知空間Sを取り囲むようにホルダ4に取り付けられた光源1及び受光素子2とを備えている。この液体検知センサ100は、検知空間SにセットされたチューブT向けて光源1から出射した光を受光素子2によりセンシングするように構成されている。チューブT内に液体が有る場合と無い場合とで受光素子2の受光量が変化し、これによりチューブT内における液体の有無を検知することができる。
【0017】
以下、液体検知センサ100を構成する各部について説明する。なお以下の説明においては、セットされるチューブTの軸方向をz方向とし、z方向に垂直な方向であって互いに直交する2方向をそれぞれx方向及びy方向とする。
【0018】
ホルダ4は、透光性の低い樹脂からなる概略箱状のものである。
図2に示すように、このホルダ4は、z方向から視ると、その一辺に凹部41が形成されたU字形状を成している。この凹部41の内側に形成される空間が、チューブTがセットされる検知空間Sとなる。凹部41の側面には、光を出射する投光面42と、投光面42から出射された光を受光する受光面43とが形成されている。投光面42と受光面43は、互いに平行であり、かつz方向に平行になるように形成されている。
【0019】
光源1は、検知空間Sに向けて光を出射するものであり、具体的には発光ダイオードである。この光源1は、ホルダ4の投光面42に設けられた光源収容部42aに、その主光線の光路がz軸と直交するように収容されている。この光源収容部42aは、具体的には投光面42に開口するように形成された凹部からなる。この凹部内における光源1の光射出方向の前方には、光源1から出た光を集光するレンズが設けられている。
【0020】
受光素子2は、光源1から出射された光をセンシングするものである。この受光素子2は光起電力効果を利用するものであり、具体的には例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等である。受光素子2は、光を受光する受光部を有しており、この受光部で受光した光量に比例した信号を出力するように構成されている。受光素子2は、ホルダ4の受光面43に設けられた受光素子収容部43aに収容されている。この受光素子収容部43aは、受光面43に開口するように形成された凹部からなる。受光素子2は、その受光面43がz方向と平行になるように凹部内に収容されている。
【0021】
液体検知センサ100は、受光素子2の出力に基づいて液体の有無を検知する検知部3を更に備えている。検知部3は、CPU及びメモリ等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、メモリの所定領域に格納された所定プログラムに従ってCPUや周辺機器を協働させることによりその機能が実現されるものである。検知部3は、ここではホルダ4内に収容されて、受光素子2から出力された信号を受け付けるように構成されている。
【0022】
しかして、本実施形態の液体検知センサ100は、省スペース化を図りつつも、チューブT内に残った水滴や液体中の気泡に起因する誤検知を低減すべく、受光素子2として、チューブT内で反射した光(以下、単に反射光ともいう)を受光するように配置された第1受光素子21と、チューブTを透過した光(以下、単に透過光ともいう)を受光するように配置された第2受光素子22とを備え、検知部3が第1受光素子21の出力と第2受光素子22の出力とに基づいてチューブT内における液体の有無を検知するように構成されている。
【0023】
具体的にこの液体検知センサ100では、
図2に示すように、凹部41の側面には、反射光を受光する第1受光面431と、透過光を受光する第2受光面432とが受光面43として形成されている。第1受光面431に設けられた受光素子収容部43aに第1受光素子21が収容され、第2受光面432に設けられた受光素子収容部43aには第2受光素子22が収容されている。前記投光面42及び第1受光面431と、第2受光面432とは、検知空間Sを挟んで対向するように形成されている。これにより、光源1及び第1受光素子21と、第2受光素子22とは、チューブTを挟んで互いに反対側に位置するようにホルダ4に取り付けられている。ここでは、第2受光素子22は、光源1と第1受光素子21のそれぞれからの距離が略均等になるように配置されている。
【0024】
図2に示すように、光源1と第1受光素子21は、互いの光軸が、チューブTの外壁面W
оにおける、第2受光素子22と対向する面(以下において、出射面T
оともいう)の近傍(あるいは、第2受光面432の近傍)で一致するように配置されている。これにより第1受光素子21は、光源1から出射され、チューブT内を通ってその外壁面W
оと空気との境界で反射した反射光を効率よく受光することができる。そして第2受光素子22は、光源1から出射され、チューブT内を透過した透過光を効率よく受光することができる。また、光源1、第1受光素子21及び第2受光素子22をこのように配置することで、第1受光素子21及び第2受光素子22は、チューブT内に液体が満たされている場合の出力がチューブT内に液体が存在しない場合の出力よりも大きくなる。またここでは、光源1と第1受光素子21は、互いを結ぶ光軸線によって形成される仮想的な面がz方向に対して直交するように設けられている。
【0025】
ここで使用時における光源1から出射された光の進行方向のイメージを、
図3~
図5を用いて説明する。
【0026】
(チューブT内に液体が有る場合)
図3に示すように、チューブT内に液体が有る(すなわち液体が十分に満たされている)場合、チューブTの屈折率と液体の屈折率が同程度であるため、光源1から出た光の大部分は、チューブTの外壁面W
оにおける入射面T
i(投光面42と対向する面)から入射し、内壁面W
iで反射されることなくチューブT内を通り抜ける。そして入射した光の一部は、チューブTの外壁面W
оの出射面T
оを透過して第2受光素子22で受光される。また入射した光の別の一部は、チューブTの外壁面W
оの出射面T
оにおいて反射され、第1受光素子21で受光される。
【0027】
(チューブT内に液体が無い場合)
図4に示すように、チューブT内に液体が無い場合、チューブTの屈折率とチューブT内の空気との屈折率の差が大きいため、チューブTの入射面T
iから入射した光の大部分は、チューブTの内壁面W
iで反射及び拡散される。このため、第1受光素子21と第2受光素子22の受光量は小さくなる。
【0028】
(チューブT内に水滴が残っている場合)
図5に示すように、チューブT内(特に光源1の光軸上)に水滴が残っている場合、水滴の屈折率とチューブT内の空気との屈折率の差が大きいため、チューブTの入射面T
iから入射した光は、チューブT内を通り抜けることなく水滴と空気との境界で反射及び拡散される。
【0029】
そして本実施形態の検知部3は、チューブT内に液体がない場合の出力を基準とする第1受光素子21の出力の比率を第1出力変化率とし、チューブT内に液体がない場合の出力を基準とする第2受光素子22の出力の比率を第2出力変化率として、第1出力変化率と前記第2出力変化率との比(以下、出力変化率比ともいう)に基づいて、液体の有無を検知する。具体的にこの検知部3は、出力変化率比の値が予め設定した所定範囲内にある場合に、チューブT内に液体が有ると判定し、出力変化率比が所定範囲から外れる場合に、チューブT内に液体が無いと判定する。この所定範囲は、チューブTの設置環境(具体的には、チューブの径、材質、検知する液体の種類等)に応じて、ユーザにより任意に設定されてよい。つまりこの検知部3は、第1受光素子21と第2受光素子22の出力変化率の偏りが大きい場合(すなわち、第1受光素子21と第2受光素子22の一方に十分な量の光が到達しない場合)に、チューブT内に液体が無いと判定するように構成されている。
【0030】
このように構成された本実施形態の液体検知センサ100によれば、チューブT内で反射した光をセンシングする第1受光素子21と、チューブTを透過した透過光をセンシングする第2受光素子22とを備え、これら複数の受光素子21、22の出力結果に基づいて液体の有無を判定するので、チューブT内に残った水滴や液体中の気泡に起因する誤検知を低減し、液体の有無を精度よく検知することができる。また、光源1と受光素子2を複数対設けるのではなく、1つの光源1に対して2つの受光素子21、22でセンシングするようにしているので、省スペース化に寄与することができる。
【0031】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0032】
前記実施形態の検知部3は、出力変化率比のみに基づいて液体の有無を検知するものであったが、これに限らない。他の実施形態の検知部3は、第1出力変化率が所定の第1閾値以上であり、かつ第2出力変化率が所定の第2閾値以上であり、かつ出力変化率比が前記所定範囲内にある場合に、チューブT内に液体が有ると判定するように構成されていてもよい。
このようにすれば、液体の有無の判定基準が増えることで、誤検知をより低減することができる。
【0033】
また前記実施形態では、検知部3は、チューブT内に液体がない場合の出力を基準とした第1出力変化率と第2出力変化率により液体の有無を判定していたが、これに限らない。他の実施形態では、検知部3は、チューブT内に液体が満たされている場合の出力を基準とする第1受光素子21の出力の比率を第1出力変化率とし、チューブT内に液体が満たされている場合の出力を基準とする第2受光素子22の出力の比率を第2出力変化率として、この第1出力変化率と前記第2出力変化率との比に基づいて液体の有無を検知するように構成されてもよい。
【0034】
前記実施形態において光源1は発光ダイオードであったが限らない。他の実施形態では、光源1は、例えばレーザダイオード等のレーザー光を発するものであってもよい。またこれに限らず、光源1は拡散光を出射するハロゲンランプ等であってもよい。
【0035】
前記実施形態では、検知部3はホルダ4内に収容されていたが、これに限らない。他の実施形態では、検知部3は、ホルダ4外に設けられたコンピュータ等によりその機能が発揮されてもよい。
【0036】
前記実施形態では、光源1と第1受光素子21は、互いを結ぶ光軸線によって形成される仮想的な面がz方向に対して垂直になるように設けられていたがこれに限らない。他の実施形態では、
図6及び
図7に示すように、光源1と第1受光素子21はz方向に沿って設けられ、互いを結ぶ光軸線によって形成される仮想的な面がz方向に対して平行になるように設けられていてもよい。
【0037】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
100・・・液体検知センサ
1 ・・・光源
21 ・・・第1受光素子
22 ・・・第2受光素子
3 ・・・検知部
S ・・・検知空間
T ・・・チューブ