(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2021026680
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】野田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】椿谷 悠
(72)【発明者】
【氏名】加治佐 隆恭
【審査官】大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-153020(JP,A)
【文献】特開2012-248391(JP,A)
【文献】特開2017-063023(JP,A)
【文献】実開平03-052975(JP,U)
【文献】特開2017-140501(JP,A)
【文献】実開昭60-029366(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の基板と、これら第1及び第2の基板を平面方向に並べて収容する基板ケースと、前記第1及び第2の基板を電気的に接続するワイヤハーネスと、を有する遊技機において、
前記ワイヤハーネスは、複数の電線を束にしてなる集合電線と、前記集合電線の末端に備えられて、前記第1及び第2の基板に搭載された基板側コネクタに対して、前記平面方向と交差する方向から挿入されて嵌合するハーネス側コネクタと、を有し、
前記集合電線は、前記ハーネス側コネクタから前記平面方向に沿って延びていて、
前記ハーネス側コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングと、前記集合電線を構成する前記複数の電線と接続しかつ前記基板側コネクタに備えられた複数のプラグ端子に嵌合する複数のソケット端子と、を備え、
前記コネクタハウジングは、各前記ソケット端子を収容する複数の収容孔を備えたコネクタ本体部と、前記集合電線の末端を収容するケーブル保持部と、を有し、
前記ケーブル保持部は、前記集合電線の末端がその延伸方向と平行な同一平面上に配置されるように保持し、
前記コネクタ本体部は、前記複数の収容孔の開口を、前記集合電線の末端が延びる方向と交差する方向に備えていて、
前記ワイヤハーネスの全体が前記基板ケース内に収容されている遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機として、基板間で信号を送受信するために、基板同士がワイヤハーネスにより電気的に接続されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-158850号公報(段落[0051]、
図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の遊技機では、基板にコネクタ接続されて遊技機の後方に導出されたワイヤハーネスの集合電線が異物に引っかかる等して破損することがあり、その対策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、第1及び第2の基板と、これら第1及び第2の基板を平面方向に並べて収容する基板ケースと、前記第1及び第2の基板を電気的に接続するワイヤハーネスと、を有する遊技機において、前記ワイヤハーネスは、複数の電線を束にしてなる集合電線と、前記集合電線の末端に備えられて、前記第1及び第2の基板に搭載された基板側コネクタに対して、前記平面方向と交差する方向から挿入されて嵌合するハーネス側コネクタと、を有し、前記集合電線は、前記ハーネス側コネクタから前記平面方向に沿って延びていて、前記ハーネス側コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングと、前記集合電線を構成する前記複数の電線と接続しかつ前記基板側コネクタに備えられた複数のプラグ端子に嵌合する複数のソケット端子と、を備え、前記コネクタハウジングは、各前記ソケット端子を収容する複数の収容孔を備えたコネクタ本体部と、前記集合電線の末端を収容するケーブル保持部と、を有し、前記ケーブル保持部は、前記集合電線の末端がその延伸方向と平行な同一平面上に配置されるように保持し、前記コネクタ本体部は、前記複数の収容孔の開口を、前記集合電線の末端が延びる方向と交差する方向に備えていて、前記ワイヤハーネスの全体が前記基板ケース内に収容されている遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、ワイヤハーネスが基板ケース内に収容されるので集合電線の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】基板側コネクタとハーネス側コネクタの側断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図7を参照して、本開示の第1実施形態に係る遊技機10について説明する。
図1に示すように、本実施形態の遊技機10はパチンコ遊技機であって、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技盤11の遊技領域R1が視認可能になっている。ガラス窓10Wの上方には、両角部にスピーカ25Sが備えられている。以下の説明において、遊技機10のうち遊技者に近い側を「前側」、その反対側を「後側」といい、遊技機10のうち、その前側から対峙した遊技者にとっての「右側」及び「左側」を単に「右側」及び「左側」ということとする。
【0009】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。遊技領域R1の中央には、遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技盤表示窓11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面13Gとなっている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。また、遊技に関する種々の演出に応じて、スピーカ25Sから音楽や効果音等の音声が発生されると共に、図示しない役物に搭載された役物装飾ランプ等が点灯する。
【0011】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から遊技盤表示窓11Hに嵌め込まれて、遊技盤表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
【0012】
遊技領域R1のうち表示装置13の下方には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、これら入賞口14A,14B,15を挟む左右の両側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装置13の左側には、始動ゲート18が設けられている。また、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
【0013】
一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として付与される。
【0014】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。そして、遊技球が始動ゲート18を通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示部(図示せず)にて判定結果が表示される。
【0015】
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えたポケット構造をなしている。上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14Cが備えられている。これら両可動翼片14Cは、常には起立状態になっており、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている(
図1に示す状態)。そして、上述した普通図柄当否判定で当りとなった場合に、可動翼片14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる。
【0016】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、予め定められた所定数の遊技球が賞球として付与されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、表示装置13の表示画面13Gにおいて特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせで表示される。
【0017】
具体的には、表示画面13Gには、
図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」~「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。そして、判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技状態」に移行する。これに対し、判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技状態」ではない通常遊技状態が続く。
【0018】
大入賞口15は、遊技盤11の前面に開放して横長形状をなしており、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、上記したように「大当り遊技状態」になると、可動扉15Tが前側に倒れて大入賞口15が開放し、可動扉15Tをガイドにして大入賞口15に遊技球が入賞可能になる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として付与される。
【0019】
図2には、遊技機10の電気的な構成が示されている。同図において、符号50は、主制御基板50であって、CPU50A、RAM50B、ROM50C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータとサブ制御基板52を結ぶ入出力回路を備えると共に、第1始動入賞センサ、第2始動入賞センサ、ゲートセンサ、一般入賞センサ、大入賞センサ等が接続された中継回路、及び、操作ハンドル28のタッチセンサや払い出される賞球を検出する払出センサ等が接続された払出制御基板、と接続される入出力回路も備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特図判定や普図判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている。
【0020】
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、表示制御基板54、音声制御基板55、ランプ制御基板56等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板54、音声制御基板55、ランプ制御基板56等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、各種演出のデータ等が記憶されている。
【0021】
表示制御基板54は、表示装置13に設けられていて、CPU、RAM及びROMを有している。表示制御基板54のCPUは、サブ制御基板52から出力される制御信号に基づき、画像データをROMから取得し、その画像データに基づいて表示画面13Gに画像を表示する。
【0022】
音声制御基板55は、スピーカ25Sに接続され、サブ制御基板52から出力される制御信号から出力された音声の制御信号を中継するための基板である。
【0023】
ランプ制御基板56は、役物に搭載された役物装飾ランプ等のランプに接続され、サブ制御基板52から出力されたランプの制御信号を中継するための基板である。
【0024】
なお、主制御基板50及びサブ制御基板52その他の基板(払出制御基板等)は、電源基板57からの電源供給を受けて作動する。
【0025】
図3に示すように、主制御基板50、サブ制御基板52及び電源基板57は、1つの基板ケース100に収容されている。各基板50,52,57は、矩形状、その他の適宜形状であって、その表面にCPU、その他の電子部品が実装されると共に、基板ケース100内で、表面が遊技機10の後方を向くように、かつ互いに重ならないように配置されている。基板ケース100は、
図4に示すように、遊技機10の前方に開口する箱形状の第1ケース体101と、各基板50,52,57の前側で、第1ケース体101の開口を閉塞する板状の第2ケース体102とで構成される扁平な形状をなして、遊技盤11の後面に固定されている。なお、基板ケース100は、透明な樹脂材料により構成され、内部の各基板50,52,57等の電子部品が視認可能となっている。
【0026】
さて、主制御基板50とサブ制御基板52とは、所定の制御信号を送受信するため、
図3に示すように、ワイヤハーネス40により接続されている。具体的には、主制御基板50とサブ制御基板52とは、左右方向に隣接し、遊技機10の後方を向く表面のうち、隣り合う2辺の周辺部にその各辺に沿って、それぞれ基板側コネクタ30A,30Bが装着されている。そして、これら基板側コネクタ30A,30Bに、それぞれワイヤハーネス40に備えられたハーネス側コネクタ41が挿抜可能に嵌合される(
図4参照)。
【0027】
図5に示すように、各基板側コネクタ30A,30Bは、樹脂製のコネクタハウジング31と、導電性の金属によって形成された棒状の複数のプラグ端子34とを備えている。コネクタハウジング31は、遊技機10の後方に開口する断面コの字状をなし、各基板50,52の表面に重ねられる底面31Tと、底面31Tの外縁から立設された角筒状の側壁31Sとを有している。複数のプラグ端子34は、コネクタハウジング31の底面31Tに、厚み方向(遊技機10の前後方向)に挿通され、遊技機10の上下方向で所定の間隔を開けて配列した状態(
図3参照)で固着されている。各プラグ端子34の先端部は、側壁31Sの内側に収容され、各プラグ端子34の基端部は、主制御基板50及びサブ制御基板52に接続される。
【0028】
なお、主制御基板50及びサブ制御基板52には、各プラグ端子34と対応する位置に、厚み方向(遊技機10の前後方向)に貫通する複数の取付孔50A,52Aが設けられている。これら取付孔50A,52Aに各プラグ端子34の基端部を挿通して半田付けを行うことによって、各プラグ端子34は、主制御基板50及びサブ制御基板52の入出力回路に接続される。
【0029】
ワイヤハーネス40は、上述のハーネス側コネクタ41と、複数本の電線Dで構成される集合電線60と、を備えている。集合電線60は、複数本の電線Dを同一平面上に平行に配置してフラットケーブルとして形成されている。ハーネス側コネクタ41は、断面L字状の樹脂製のコネクタハウジング42を備え、コネクタハウジング42は、集合電線60の延伸方向と平行に延在するケーブル保持部43と、集合電線60の延伸方向と交差する方向に延在して先端が基板側コネクタ30A,30Bに挿入されるコネクタ本体部44と、を有している。
【0030】
ケーブル保持部43は、集合電線60の末端を収容する。ケーブル保持部43は、集合電線60の末端を、その延伸方向と同一平面上に配置された状態に保持している。
【0031】
コネクタ本体部44には、先端面に開口し、集合電線60の延伸方向と交差する方向に延びる複数の挿入孔45が形成されている。複数の挿入孔45は、基板側コネクタ30A,30Bの複数のプラグ端子34と対応するように所定の間隔を開けて配列され、各挿入孔45に、導電性の金属で構成される角筒状のソケット端子46が挿入されている。複数のソケット端子46は、集合電線60を構成する各電線Dと電気的に接続されている。
【0032】
そして、コネクタ本体部44の先端側が基板側コネクタ30A,30Bのコネクタハウジング31に対して遊技機10の後方から挿入されると、ソケット端子46はプラグ端子34に嵌合し、電気的に接続される。このとき、ケーブル保持部43は、各基板50,52と平行な方向に延在する。これにより、集合電線60は、各基板50,52と平行な平面上に延びた状態に維持される(
図4参照)。すなわち、ハーネス側コネクタ41の基板側コネクタ30A,30Bへの挿入方向と、集合電線60の末端が延びる方向は交差するようになっている。なお、集合電線60の中間部は、撓んでいてもよく、同一平面上に延びていればよい。
【0033】
また、
図6に示すように、基板ケース100の第1ケース体101のうち、各基板50,52,57の表面と対向する外側面101Aには、ハーネス側コネクタ41のケーブル保持部43と対向する位置に、1対の円形の放熱孔103が貫通形成されている。詳細には、放熱孔103は、ケーブル保持部43の遊技機の後方を向く側面43Aのうち、遊技機10の上下方向の中間位置でかつ、コネクタ本体部44と対向する位置に形成されている(
図7参照)。また、放熱孔103の径は、コネクタ本体部44の左右方向の幅よりも小さくなっている。
【0034】
ワイヤハーネス40の基板側コネクタ30A,30Bへの挿入は、基板ケース100が閉塞される前に行われる。つまり、第2ケース体102に主制御基板50、サブ制御基板52及び電源基板57が固定された状態で、ワイヤハーネス40の各ハーネス側コネクタ41を基板側コネクタ30A,30Bに挿入し、その後で、第1ケース体101を第2ケース体102に取り付ける。このようにして、ワイヤハーネス40全体が基板ケース100内部に収容された状態となる(
図4参照)。これにより、量産時や、運搬時に、集合電線60が異物に引っかかることが防止され、集合電線60の破損を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、ハーネス側コネクタ41の基板側コネクタ30A,30Bへの挿入方向が遊技機10の前後方向と平行となっている。ここで、挿入方向が各基板50,52と平行であると、基板側コネクタ30A,30Bへのハーネス側コネクタ41のソケット端子46を基板側コネクタ30A,30Bのプラグ端子34へ嵌合させる際に、集合電線60によりスペースが狭くなり、嵌合させにくくなるが、挿入方向が遊技機10の前後方向と平行となっているので、嵌合作業が容易となる。
【0036】
ところで、従来では、挿入方向が遊技機10の前後方向と平行である場合に、集合電線60は、遊技機10の後方に一旦延びてから、基板50,52と平行な方向に湾曲するように折り曲げられていた。これに対して、本実施形態では、ハーネス側コネクタ41の基板側コネクタ30A,30Bへの挿入方向が遊技機10の前後方向と平行である一方、集合電線60の末端が、ケーブル保持部43に保持されて各基板50,52と平行な平面上に延びた状態に維持される構成となっている。これにより、集合電線60の末端が、一旦遊技機10の後方に延びてから折り曲げられる構成に比べて、嵌合の作業性を確保しつつ遊技機10の前後方向の厚さを抑えてコンパクトにすることができる。
【0037】
しかも、ハーネス側コネクタ41のコネクタハウジング42には、遊技機10の後方を向く側面43Aが備えられているので、その側面43Aをコネクタ本体部44の先端側に向かって押圧することでハーネス側コネクタ41を基板側コネクタ30A,30Bに挿入することができ、嵌合の作業性の向上を図ることができる。
【0038】
さらに、本実施形態では、基板ケース100内の各基板50,52,53等の電子部品から発生した熱を外部に放熱する放熱孔103が、基板ケース100のうち、ハーネス側コネクタ41のコネクタ本体部44と対向する位置に形成されている。上述したように、本実施形態では、ハーネス側コネクタ41の基板側コネクタ30A,30Bへの挿入方向が遊技機10の前後方向と平行になっているので、ハーネス側コネクタ41のソケット端子46が基板側コネクタ30A,30Bのプラグ端子34に対して抜け方向に位置ずれしていた場合に、放熱孔101から、細長い棒状のものを差し込んで、ハーネス側コネクタ41のケーブル保持部43の側面43Aを押圧することでハーネス側コネクタ41を基板側コネクタ30A,30Bを挿入することができる。これにより、ソケット端子46をプラグ端子34に嵌合させることが可能になる。つまり、基板ケース100の組立が完了した後に、ハーネス側コネクタ41と基板側コネクタ30A,30Bとの接続不良が見つかったとしても、基板ケース101を分解する必要がなくなり、さらなる作業性の向上を図ることができる。
【0039】
しかも、放熱孔103は、コネクタ本体部44の左右方向の幅よりも小さくなっているので、基板側コネクタ30A,30Bやハーネス側コネクタ41、集合電線60に対する不正なアクセスを防止することができる。
【0040】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、ワイヤハーネス40により接続される基板が、主制御基板50とサブ制御基板52であったが、その他の基板同士、例えば、サブ制御基板52と、表示制御基板54、音声制御基板55、又はランプ制御基板56との間の接続に適用してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、放熱孔103は、コネクタ本体部44と対向する位置に1つ設けられていたが、コネクタ本体部44と対向する位置に複数設けられていてもよい。
【0042】
また、放熱孔103は、コネクタ本体部44の左右方向の幅よりも小さい径の円形であったが、コネクタ本体部44の上下方向に延びる長孔でもよい。
【0043】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【0044】
<付記1>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0045】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「基板を備えた」遊技機に関し、「特許文献A(特開2006-158850号)に開示の遊技機では、基板間で信号を送受信するために、基板同士がワイヤハーネスにより電気的に接続される。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、基板にコネクタ接続されて遊技機の後方に導出されたワイヤハーネスの集合電線が異物に引っかかる等して破損するという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0046】
[特徴A1]
第1及び第2の基板(主制御基板50及びサブ制御基板52)と、これら第1及び第2の基板を平面方向に並べて収容する基板ケース(基板ケース100)と、前記第1及び第2の基板を電気的に接続するワイヤハーネス(ワイヤハーネス40)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記ワイヤハーネスの全体が前記基板ケース内に収容されている遊技機である。
【0047】
本特徴に示す構成によれば、ワイヤハーネスが基板ケース内に収容されるので集合電線の破損を防止することができる。
【0048】
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機において、
前記ワイヤハーネスは、複数の電線(電線D)を束にしてなる集合電線(集合電線60)と、前記集合電線の末端に備えられて、前記第1及び第2の基板に搭載された基板側コネクタ(基板側コネクタ30A,30B)に対して、前記平面方向と交差する方向から挿入されて嵌合するハーネス側コネクタ(ハーネス側コネクタ41)と、を有し、
前記集合電線は、前記ハーネス側コネクタから前記平面方向に沿って延びている遊技機である。
【0049】
本特徴の構成によれば、ハーネス側コネクタの基板側コネクタへの挿入方向が遊技機の前後方向と平行となっているので、嵌合作業が容易となる。
【0050】
[特徴A3]
特徴A2に記載の遊技機において、
前記ハーネス側コネクタは、絶縁性のコネクタハウジング(コネクタハウジング42)と、前記集合電線を構成する前記複数の電線と接続しかつ前記基板側コネクタに備えられた複数のプラグ端子(プラグ端子34)に嵌合する複数のソケット端子(ソケット端子46)と、を備え、
前記コネクタハウジングは、各前記ソケット端子を収容する複数の収容孔(収容孔45)を備えたコネクタ本体部(コネクタ本体部44)と、前記集合電線の末端を収容するケーブル保持部(ケーブル保持部43)と、を有し、
前記ケーブル保持部は、前記集合電線の末端がその延伸方向と平行な同一平面上に配置されるように保持し、
前記コネクタ本体部は、前記複数の収容孔の開口を、前記集合電線の末端が延びる方向と交差する方向に備えている遊技機である。
【0051】
本特徴の構成によれば、集合電線の末端が、一旦遊技機の後方に延びてから折り曲げられる構成に比べて、嵌合の作業性を確保しつつ遊技機の前後方向の厚さを抑えてコンパクトにすることができる。
【0052】
[特徴A4]
特徴A2又は3に記載の遊技機において、
前記基板ケースには、前記ハーネス側コネクタと対向する位置に、貫通孔(放熱孔103)が設けられている遊技機である。
【0053】
本特徴の構成によれば、貫通孔から、細長い棒状のものを差し込んで、ハーネス側コネクタのケーブル保持部の側面を押圧することでハーネス側コネクタを基板側コネクタを挿入することができる。これにより、ソケット端子をプラグ端子に嵌合させることが可能になる。
【0054】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「基板を備えた」遊技機に関し、「特許文献A(特開2006-158850号)に開示の遊技機では、基板間で信号を送受信するために、基板同士がワイヤハーネスにより電気的に接続される。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、ワイヤハーネスは、基板の平面方向と交差する方向から基板にコネクタ接続され、集合電線が基板に対して平面方向と交差する方向に導出されて遊技機の前後方向に嵩張るという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0055】
[特徴B1]
複数の電線を束にしてなる集合電線と、前記集合電線と接続されて、基板の基板側コネクタと嵌合するハーネス側コネクタと、を有するワイヤハーネスを有する遊技機において、
前記ハーネス側コネクタの前記基板側コネクタとの嵌合方向と、前記ハーネス側コネクタから前記集合電線が延びる方向とが交差している遊技機である。
【0056】
本特徴に示す構成によれば、集合電線が基板の平面方向に延びるように配置されるので、遊技機の前後方向の厚みを抑えてコンパクトにすることができる。
【符号の説明】
【0057】
10 遊技機
30A,30B 基板側コネクタ
34 プラグ端子
40 ワイヤハーネス
41 ハーネス側コネクタ
42 コネクタハウジング
43 ケーブル保持部
44 コネクタ本体部
45 収容孔
46 ソケット端子
50 主制御基板(第1の基板)
52 サブ制御基板(第2の基板)
60 集合電線
100 基板ケース
103 放熱孔(貫通孔)
D 電線