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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021121887
(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公開番号】P2023017547
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】續木 清貴
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-050640(JP,A)
【文献】特開2004-188162(JP,A)
【文献】特開2017-123956(JP,A)
【文献】特開2009-142583(JP,A)
【文献】特開2019-141289(JP,A)
【文献】特開2018-143611(JP,A)
【文献】特開2011-239952(JP,A)
【文献】特開2015-228896(JP,A)
【文献】特開2012-029951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
装飾図柄が変動を開始してから、当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、前記操作手段の操作を契機として表示装置に表示される演出映像の種類が切り替わる映像切替演出を実行する演出実行手段と、
を備え
前記映像切替演出が実行されている最中は、異なる画像レイヤで表される二種以上の演出映像が前記表示装置に出力された状態となることがあり、当該二種以上の演出映像が前記表示装置に出力されている際には最前面の画像レイヤにて表される演出映像が実際に表示されるものの、それ以外の画像レイヤにて表される演出映像は表示されず、
前記操作手段の操作を契機として、最前面の画像レイヤにて表される演出映像の種類が変化するものであり、
前記演出映像の一種である特定演出映像は、前記映像切替演出が開始されてから所定時間経過した特定時点にて、当該特定演出映像とは異なる種類の前記演出映像が表示されていた場合には把握不可能である、当否抽選結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定要素を含む態様となる場合があることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が操作可能な操作手段と、
装飾図柄が変動を開始してから、当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、前記操作手段の操作を契機として表示装置に表示される演出映像の種類が切り替わる映像切替演出を実行する演出実行手段と、
を備え
前記映像切替演出は、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと敵キャラクタが戦うものであり、当該味方キャラクタとして複数種のキャラクタが登場する演出であって、
前記操作手段の操作を契機として、ある種類の前記味方キャラクタの視点を表した前記演出映像から、別の種類の前記味方キャラクタの視点を表した前記演出映像に変化することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
リーチ演出等の各種演出において出力される映像は、同じ種類の演出であれば基本的には毎回同じである(例えば、下記特許文献1参照)。そのため、同じ演出に接する回数が多くなると遊技者が飽きてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-183784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、飽きにくい演出を実行することが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、装飾図柄が変動を開始してから、当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、前記操作手段の操作を契機として表示装置に表示される演出映像の種類が切り替わる映像切替演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、飽きにくい演出(映像切替演出)を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】表示領域に表示された装飾図柄および保留図柄等を示した図である。
図3】本実施形態にかかる遊技機のスペックを説明するための図である。
図4】(a)は開始条件および終了条件成立のタイミングを説明するための図であり、(b)は時間画像を説明するための図であり、(c)は結果画像(最終的な経過時間の表示を含む)を説明するための図である。
図5】時間演出を説明するための図である。
図6】具体例1-3を説明するための図である。
図7】具体例1-5を説明するための図である。
図8】具体例1-6を説明するための図である。
図9】具体例1-6(変位状態における基準画像の違いにより時間演出が発生する蓋然性が異なる例)を説明するための図である。
図10】具体例1-7を説明するための図である。
図11】具体例1-8を説明するための図である。
図12】映像切替演出を説明するための図である。
図13】切替可能期間における表示される演出映像の切り替わりおよび各演出映像の態様を説明するための図である。
図14】切替可能期間における表示される演出映像の切り替わりを説明するためのタイミングチャートである。
図15】具体例2-1を説明するための図である。
図16】具体例2-2を説明するための図である。
図17】具体例2-4-1を説明するための図である。
図18】具体例2-4-2、具体例2-4-3を説明するための図である。
図19】(a)は個別背景モードにて表示される装飾図柄の態様を示した図であり、(b)は個別背景画像、共通背景画像を示した図である。
図20】個別背景モードにおける背景画像の制御を説明するための図である。
図21】具体例3-1を説明するための図である。
図22】具体例3-2を説明するための図である。
図23】具体例3-4を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明にて特に明示することなく画像というときは、静止画だけでなく、動画を含むものとする。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大当たり領域21、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大当たり領域21等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
2)スペック
遊技者は、始動領域904に遊技球が進入することを契機として実行される当否抽選を経て、大当たり(特典)の獲得を目指す。当該当否抽選に当選しなければ大当たりを獲得することができない。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)および第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている(図1参照)。以下、第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として実行される当否抽選を第一当否抽選(特図1抽選)と、第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として実行される当否抽選を第二当否抽選(特図2抽選)と称することもある。
【0014】
当否抽選の当たりの態様としては、「大当たり」および「小当たり」がある。大当たりおよび小当たりのいずれにも当選しない場合は「はずれ」となる。後述する遊技状態によらず、第一当否抽選および第二当否抽選のいずれが実行された場合であっても大当たり確率は約1/319である。また、後述する遊技状態によらず、第二当否抽選が実行された場合の小当たり確率は約1/1.8である。なお、本実施形態では、第一当否抽選が実行されても小当たりには当選しないものとされている。
【0015】
大当たりに当選した場合には、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、常態においては閉鎖されている大当たり領域21(図1参照)が所定の閉鎖条件成立まで開放されるラウンド遊技(単位遊技)を複数回繰り返すものである。ラウンド遊技が○回実行される大当たりは、「○ラウンド大当たり」等と称される(ラウンド遊技の数は、「ラウンド数」等と称される)。一方、小当たりに当選した場合には、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、常態においては閉鎖されている小当たり領域22(図1参照)が開放されるものである。小当たり領域22に進入した遊技球が進入可能な領域として特典領域221(図1参照)が設けられており、当該特典領域221内に遊技球が進入した際には特典である大当たり(大当たり遊技)が付与される。なお、小当たり領域22は、大当たり領域21と同じ領域であってもよいし、別の領域であってもよい(図1に示した例は、大当たり領域21と小当たり領域22が別である)。
【0016】
このように、大当たり(大当たり遊技)を獲得するためのルートとして、大当たりに当選する「直当たりルート」と、小当たりに当選した上で特典領域221への遊技球の進入を実現する「小当たりルート」がある。このような二つの大当たり獲得ルートが設けられたぱちんこ遊技機は、一般的には一種・二種混合機等と称される。なお、小当たり経由で大当たり遊技を獲得した場合、小当たり遊技は1回目のラウンド遊技として取り扱われる。例えば、小当たり当選を経た後、9回のラウンド遊技が実行される大当たりは、「10ラウンド大当たり」とされる。
【0017】
本実施形態では、小当たり当選した場合、小当たり領域22(特典領域221)を狙って継続的に遊技球を発射し続けていれば(本実施形態では継続的に右打ちしていれば)、ほぼ確実に遊技球が特典領域221に進入するように設定されている。したがって、実質的には「小当たり当選=大当たり当選」であるということになる。
【0018】
当否抽選結果は、基本的には表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(図2参照)の組み合わせによって遊技者に報知される。具体的には、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80が選択されて停止する。当否抽選結果が当たり(本実施形態では、大当たりまたは小当たり)に当選している場合には各装飾図柄群80gから選択されて停止した装飾図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ種類の装飾図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。以下、装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出を変動中演出と称する(単に「変動」や「回転」と称することもある)。なお、装飾図柄群80gの数(当否抽選結果を報知する組み合わせを構成する装飾図柄80の数)は二以上であればよく、その数は適宜変更可能である。
【0019】
なお、当該装飾図柄80とは別の図柄(図示せず)が表示領域911の外縁近傍に小さく表示されるものとしてもよい。当否抽選結果が当たりとなった場合、装飾図柄80のみでは大当たりおよび小当たりのいずれに当選したかが明確に区別できないため、当該別の図柄により大当たりおよび小当たりのいずれに当選したのかが報知されるようにしてもよい。しかし、上述した通り、実質的には「小当たり=大当たり」であるため、遊技者は当該別の図柄を意識することなく遊技することができる。
【0020】
大当たり(特典)の獲得を目指して遊技する遊技状態として、通常遊技状態および当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態が設定されている(図3(a)参照)。通常遊技状態は、遊技領域の左側(表示装置91の左側)を遊技球が流下するように遊技球を発射すべき状態(「左打ち」すべき状態)である。左打ちを行った場合には、第一始動領域904aに遊技球が進入する可能性がある。つまり、通常遊技状態は、第一当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態である。なお、左打ちを行った場合、第二始動領域904bに遊技球が進入する可能性はない。上述した通り、本実施形態では、第一当否抽選により小当たりに当選することはないから、通常遊技状態においては、小当たり経由の大当たり獲得は不可能とされている。なお、第一当否抽選により小当たりに当選しうるものの、その際の特典領域221の開放時間は極めて短く、特典領域221に遊技球を進入させることは事実上不可能である構成とすることで、通常遊技状態にて小当たり経由の大当たり獲得が不可能である設定としてもよい。
【0021】
このように、通常遊技状態においては、第一当否抽選にて大当たりに当選すること(本実施形態では約1/319に当選すること)を目指して遊技することになる。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として、乱数源から数値(以下、第一当否抽選情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、第一当否抽選情報が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動が開始される)。また、未だ対応する当否抽選結果の報知が完了していない第一当否抽選情報は、記憶手段(図示せず)に記憶される。当該第一当否抽選情報は、対応する変動中演出が開始されている第一変動中情報と、対応する変動中演出が開始されていない第一保留情報とに区分けされる。本実施形態は、記憶手段が記憶可能な第一保留情報の数は「4」である(「特図1保留の上限=4」である)。
【0022】
記憶手段に第一変動中情報が記憶されていることは、表示領域911に変動中図柄11(いわゆる「当該変動保留(図柄)」)が表示されることにより示される。記憶手段に第一保留情報が記憶されていることは、表示領域911に保留図柄12が表示されることにより示される。保留図柄12は第一保留情報の数分表示される。本実施形態では、変動中図柄11と保留図柄12の基本的な形態は同じであるがその大きさが異なる(図2参照)。変動中図柄11と保留図柄12の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中図柄11が表示されない構成としてもよい。なお、保留図柄12は、対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる「消化順」)で並べて表示される。
【0023】
特別遊技状態は、遊技領域の右側(表示装置91の右側)を遊技球が流下するように遊技球を発射すべき状態(「右打ち」すべき状態)である。右打ちを行った場合には、第二始動領域904bに遊技球が進入する可能性がある。つまり、第二当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態である。なお、右打ちを行った場合、第一始動領域904aに遊技球が進入する可能性はない。上述した通り、本実施形態では、第二当否抽選が実行された場合、大当たりに当選する可能性だけでなく、小当たりに当選する可能性もある。したがって、特別遊技状態は、大当たり当選(直当たり)による大当たり(特典)獲得の可能性もあれば、小当たり経由での大当たり(特典)獲得の可能性もある状態である。小当たり当選確率(約1/1.8)は、大当たり当選確率(約1/319)に比して著しく高いため、実質的には小当たり当選(小当たり経由の大当たり獲得)を目指して遊技する状態であるともいえる。このように小当たり経由での大当たり獲得が望める分、特別遊技状態は、(小当たり経由の大当たり獲得ができない)通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態であるといえる。
【0024】
常時開放された領域である第一始動領域904aとは異なり、第二始動領域904b(図1参照)は常態において閉鎖された領域である。第二始動領域904bは、普通抽選に当選することを契機として開放される。普通抽選は、普通始動領域905(図1参照)に遊技球が進入することを契機として実行される。普通始動領域905は、右打ちされた遊技球が進入可能な常時開放された領域である(左打ちされた遊技球が進入する可能性はない)。特別遊技状態では、(通常遊技状態に比して)当該普通抽選に当選する確率が極めて高いし、当該普通抽選に当選したときの第二始動領域904bの開放時間も比較的長い。したがって、ある程度継続的に右打ちを行っていれば、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が進入する(第二当否抽選を受けることができる)。なお、通常遊技状態では、当該普通抽選に当選する確率が極めて低く設定されている。また、当選したとしても、第二始動領域904bの開放時間は極めて短い。したがって、通常遊技状態にて、第二当否抽選を受けることは実質的に不可能とされている(通常遊技状態にて右打ちすることは、左打ちすることよりも遊技者に不利な設定とされている)。
【0025】
第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として、乱数源から数値(以下、第二当否抽選情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、予め定められた小当たりの数値(大当たりの数値とは異なる)と同じである場合には小当たりとなり、そのいずれとも異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、第二当否抽選情報が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動が開始される)。また、未だ対応する当否抽選結果の報知が完了していない第二当否抽選情報は、対応する変動中演出が開始されている第二変動中情報と、対応する変動中演出が開始されていない第二保留情報とに区分けされる。本実施形態は、記憶手段が記憶可能な第二保留情報の数は「1」である(「特図2保留の上限=1」である)。
【0026】
なお、本実施形態では、記憶手段に第二変動中情報や第二保留情報が記憶されていることを示す図柄(上述した変動中図柄11や保留図柄12に相当する図柄)は表示されない。その代わりに、表示領域911の外縁近傍に表示される小さな文字(数字等)(図示せず)により、第二変動中情報や第二保留情報が存在することが示される。ただし、第二当否抽選情報についても、上述した変動中図柄11や保留図柄12に相当する図柄が表示される構成とすることを否定するわけではない。
【0027】
記憶手段に第一当否抽選情報および第二当否抽選情報の両方が記憶されている場合、第二当否抽選情報に基づく当否抽選結果の報知が優先される。すなわち、本実施形態では「特図2優先消化」である。
【0028】
大当たり(小当たり経由を含む)は、大まかに、通常大当たりと特別大当たりに区分けされる(図3参照)。通常大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となるものである。特別大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別大当たりとなるものである。大当たり遊技終了後の遊技状態という点についてみれば、通常大当たりよりも特別大当たりの方が遊技者にとって有利な大当たりであるといえる。なお、大当たりのラウンド数(いわゆるラウンド振分)はどのようなものであってもよい。ラウンド数が一定であるものとしてもよいし、ラウンド数が異なる二種以上の通常大当たりや特別大当たりが設定されたものとしてよい。
【0029】
遊技者に有利な特別遊技状態で空台となっていることは稀であるため、普通であれば遊技者は通常遊技状態から遊技を開始することになる。つまり、第一当否抽選を経て大当たりを獲得することを目指して遊技(左打ち)する。第一当否抽選を経て獲得した大当たりは、その50%が通常大当たりであり、残りの50%が特別大当たりとなる(図3(b)参照)。通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後、再び通常遊技状態に移行し、当該通常遊技状態にて大当たり獲得を目指して遊技する。特別大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後、特別遊技状態に移行する(図3(a)参照)。
【0030】
特別遊技状態においては、第二当否抽選を経て大当たりを獲得することを目指して遊技(右打ち)する。第二当否抽選を経て獲得した大当たり(直当たりまたは小当たり経由で獲得した大当たり)は、100%が特別大当たりとなる(図3(b)参照)。したがって、第二当否抽選を経て大当たりを獲得した場合には、その大当たり遊技終了後、再び特別遊技状態に移行する(図3(a)参照)。
【0031】
特別遊技状態は、特別遊技状態に移行してから実行された第二当否抽選のはずれの連続回数が所定回数となることをもって終了し、通常遊技状態に移行する。本実施形態では、所定回数(いわゆる時短回数)=1とされている。つまり、基本的には、特別遊技状態に移行してから第二当否抽選が一回はずれとなることをもって通常遊技状態に移行する。ただし、本実施形態では、記憶手段は、一つの第二保留情報を記憶可能である(「特図2保留の上限=1」である)。したがって、特別遊技状態が終了し、通常遊技状態に移行しても、記憶手段に第二保留情報が記憶されていれば(特図2保留が満タンであれば)、一回の第二当否抽選が実行される(以下、特別遊技状態が終了して通常遊技状態に移行したときに記憶手段に記憶されている第二保留情報を「残保留(情報)」と、当該残保留情報に基づく抽選を「残保留抽選」と称することもある)。本実施形態では、特別遊技状態に移行した後、一回目の変動中演出の時間(変動時間)は、第二保留情報を取得するのに必要な十分な長さが確保されている。したがって、特別遊技状態に移行してから継続的に右打ちを行っていれば、上記一回目の変動中演出が終了するまでの間にほぼ確実に第二保留情報が取得される(特図2保留満タンとなる)。なお、本実施形態では、上記一回目の変動中演出にて、第二保留情報を取得することを促す指示がなされる。また、上記一回目の変動中演出の途中で、第二保留情報が取得されない状況にあることが検出された場合には、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射するよう(右打ちするよう)警告するように設定されている。
【0032】
このように構成されているため、特別遊技状態に移行した場合には、最大で二回の第二当否抽選を受けることができる(以下、特別遊技状態移行時に第二当否抽選を受けることができる最大の回数をチャンス回数と称する)ことになる。つまり、約1/1.8の小当たり当選を経た特別大当たりを獲得できるチャンスが二回あるということである。当該二回のチャンスで約1/1.8の小当たりおよび約1/319の大当たりのいずれかに当選した場合には、特別大当たり獲得となるため、その大当たり遊技終了後、再び特別遊技状態に移行し、二回の第二当否抽選を受けられることになる。換言すれば、当該二回の第二当否抽選にて約1/1.8の小当たりおよび約1/319の大当たりのいずれかに当選した場合には「連荘」となり、当該二回の第二当否抽選のいずれもがはずれとなった場合には「連荘終了」となる(図3(a)参照)。特別遊技状態が開始されてから二回目の第二当否抽選にて小当たりおよび大当たりのいずれかに当選した場合は、厳密には通常遊技状態での大当たり獲得ということになるものの、通常遊技状態に応じた遊技(左打ち)を行わずに大当たりを獲得したということになるから、事実上(遊技者の見た目には)「特別遊技状態が継続している」ように見える。特別遊技状態の名称を例えば「〇〇RUSH」とするのであれば、特別遊技状態に移行してから一回目の第二当否抽選にて大当たり獲得となった場合(特別遊技状態で大当たり獲得となった場合)、二回目の第二当否抽選にて大当たり獲得となった場合(通常遊技状態で大当たり獲得となった場合)のいずれであっても「〇〇RUSH」継続という表示がなされる。「連荘終了」となった場合には、再び通常遊技状態(第一当否抽選)での大当たり獲得を目指して遊技することになる。
【0033】
特別遊技状態が終了する条件となる第二当否抽選のはずれ回数(上記所定回数)を一回とすることはあくまで一例である。また、記憶手段が記憶可能な第二保留情報の数を一つ(「特図2保留の上限=1」である)とすることはあくまで一例である。これらの数が異なれば、上記チャンス回数が変化することになる。例えば、特別遊技状態に移行してから6回連続して第二当否抽選がはずれとなることで特別遊技状態が終了する設定とし、特図2保留の上限=4とするのであれば、上記チャンス回数は10回ということになる(特別遊技状態に移行してから10回の第二当否抽選が実行されるまでの間に大当たりまたは小当たりに当選することが「連荘」の条件となる遊技性となる)。
【0034】
このようなスペックとすることは一例であり、以下で説明する各種演出等は、上記スペックでなければ成り立たないものを除き、異なるスペックとされる遊技機にも適用可能である。
【0035】
3)時間画像を用いた演出
3-1)時間画像
本実施形態では、表示装置91の表示領域911に時間画像30が表示されることがある。当該時間画像30は、特別遊技状態に移行することを条件として表示されうるものである。上述した通り、特別遊技状態は、通常遊技状態よりも大当たり獲得に期待ができる状態であり、大当たり遊技終了後も再び特別遊技状態に移行して大当たり獲得に繋がる可能性がある(いわゆる連荘が生じ、出玉が増加する可能性がある)ものであるところ、連荘状態中(連荘に期待ができる状態中)における出玉の増加速度(時間あたりの大当たりの獲得回数)の目安を遊技者に示すために、実際の時間の経過を表す時間画像30(図4(b)参照)を表示する。なお、メインの表示装置91(装飾図柄80が表示される表示装置91)とは異なる装置に時間画像30が表示されるようにしてもよい。また、時間画像30により表される時間の単位はどのようなものであってもよい。本実施形態では、百分の一秒単位で時間経過が表される(百分の一秒単位でカウントアップされる)。
【0036】
時間画像30は、特別遊技期間に要した実際の時間(リアルタイム)を示すものである。特別遊技期間は、少なくとも特別遊技状態が設定された状態(高ベース状態)にある期間を含むものであり、端的にいえば遊技者が連荘中であると認識できる期間である。当該特別遊技期間が開始される条件を開始条件とし、終了する条件を終了条件とすると、基本的には、時間画像30による実際の時間の計測は、開始条件の成立を契機として開始され、終了条件の成立を契機として終了することになる(図3(a)、図4(a)参照)。
【0037】
開始条件は、通常遊技状態から特別遊技状態に移行することが決まらなければ成立することがない条件である。通常遊技状態にて特別大当たりを獲得すること(いわゆる「初当たり」として特別大当たりを獲得すること)が特別遊技状態に移行する条件である。したがって、開始条件は、通常遊技状態にて特別大当たり(大当たり遊技終了後特別遊技状態に移行する大当たり)を獲得しなければ成立することがない条件であるといえる。例えば、通常遊技状態にて獲得した特別大当たりの大当たり遊技の開始を開始条件の成立とすることができる。このようにすれば、「初当たり」(特別大当たり)の大当たり遊技の開始を起算点とした実際の時間が表示されることになる。本実施形態では、「初当たり」(特別大当たり)の大当たり遊技の終了後、特別遊技状態が開始されることが開始条件とされている(図3(a)、図4(a)参照)。つまり、新たに特別遊技状態が開始されることを起算点とした実際の時間が表示されるものとされている。
【0038】
終了条件は、特別遊技状態が終了しなければ成立することがない条件である。ただし、特別遊技状態が終了した場合(通常遊技状態に移行した場合)に必ず終了条件が成立するような設定としなければならないわけではない。本実施形態のように、特別遊技状態から通常遊技状態に移行しても、残保留抽選により特別大当たりを獲得し、その大当たり遊技終了後に再び特別遊技状態に移行することに期待が持てるスペックとするのであれば、特別遊技状態が終了した上で、残保留抽選がはずれとなることが決まった際に終了条件が成立することになる(図3(a)、図4(a)参照)。端的にいえば、終了条件は、遊技者が通常遊技状態にて大当たり獲得を目指して継続的に遊技する(本実施形態では継続的に左打ちを行い、第一当否抽選を経た大当たり獲得を目指す)べき状況となることが決まった際(すなわち「連荘」の終了が決まった際)に成立するものである。別の見方をすれば、持ち球を減らしつつ大当たり獲得を目指して遊技すべき状況となる(低ベース状態にて遊技すべき状況となる)ことが決まった際に成立するものであるともいえる。本実施形態では、残保留抽選がはずれとなり、「初当たり」(特別大当たり)後に払い出された賞球の総数等を示す結果画像(図4(c)参照)の表示が開始される時点を終了条件としている。当該結果画像は、開始条件成立から終了条件成立までに要した実際の時間(図4(c)「TIME」参照)を含む。なお、本実施形態とは異なり、特別遊技状態の終了が終了条件の成立となる設定としてもよい(例えば、残保留抽選による大当たり獲得にそれほど期待が持てないスペックとする(例えば、残保留抽選による大当たり獲得の確率が通常遊技状態の大当たり確率と同じスペックとする)のであれば、特別遊技状態の終了を終了条件とすればよい)。
【0039】
本実施形態では、特別遊技期間(開始条件の成立から終了条件の成立まで)においては、時間画像30が表示され続ける(実際の時間経過が常時把握できる)。すなわち、特別遊技状態(図4(b-1)参照)→大当たり遊技(特別大当たり)(図4(b-2)参照)→特別遊技状態→大当たり遊技(特別大当たり)・・・というように、特別遊技状態と大当たり遊技が交互に訪れる状況においても時間画像30が表示され続ける(特別遊技状態と大当たり遊技の一方から他方への切り替わりを跨いで時間画像30が表示され続ける)。ただし、時間画像30が表示されない状況が生じることがある構成とすることを否定するわけではない。例えば、所定の演出が実行されている際には、当該演出が終了するまで、時間画像30が非表示となる設定としてもよい。ただし、時間画像30が非表示にあっても、遊技機1内部では経過時間の計測が継続される。上記演出に要する時間がちょうど5秒であるとすれば、非表示となった時点に5秒追加された値から時間画像30の表示が再開されることになる。
【0040】
本実施形態では、開始条件が成立した後は、終了条件が成立するまで、経過時間の計測が停止されることはない(所定のリセット操作等がなされた場合を除く)。例えば、遊技者が一時的に席を立ったとしても(遊技球の発射を停止したとしても)、時間画像30は実際の時間経過に合わせて変化し続ける。ただし、遊技者が遊技を停止していると判断された場合には、経過時間の計測が停止される(時間画像30の変化が停止する)ような構成としてもよい。
【0041】
3-2)特定演出および時間演出
上記経時的に変化する時間画像30が表示されている最中(特別遊技期間中)に、特定演出(図5参照)が発生することがある。本実施形態では、特別遊技状態中における変動中演出を構成する演出として特定演出が発生することがある。なお、残保留抽選に対応する変動中演出として、当該特定演出が発生するものとしてもよい。本実施形態における特定演出は、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと敵キャラクタが戦う、いわゆるバトル演出である。特定演出は、遊技者に有利な有利結末(図5(c)参照)または不利な不利結末(図示せず)に至る。有利結末は味方キャラクタが勝利する結末(一旦敗北したかのように見せかけてそれが覆される逆転パターンを含む)である。不利結末は味方キャラクタが敗北する(敵キャラクタが勝利する)結末である。本実施形態における特定演出は、当否抽選結果に応じた結末に至るというもの(いわゆるリーチ演出の一種)である。すなわち、ある変動中演出にて特定演出が発生した場合、当該変動中演出に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)が当たり(本実施形態では小当たりまたは大当たり)である場合には有利結末に至り、はずれである場合には不利結末に至る。
【0042】
当該特定演出が実行されている最中に時間画像30を用いた演出(以下、時間演出と称することもある)が発生することがある。本実施形態では、特定演出中に当該時間演出が発生した場合、特定演出が有利結末に至ることが確定する。つまり、時間演出は、特定演出が有利結末に至る場合(対象当否抽選結果が当たりである場合)にしか発生しない。なお、有利結末に至ることになる特定演出にて、時間演出が発生する確率は、時間演出が発生しない確率よりも低い。すなわち、時間演出は当たり確定のプレミア演出であり、基本的に特定演出にて時間演出が発生することは稀である(時間演出が発生しないことが特定演出の「デフォルト」である)。
【0043】
時間演出は、特定演出が発生している最中に、時間画像30が通常態様30n(常態)(図5(a)参照)から特殊態様30s(図5(b)参照)となる演出である。通常態様30nは、開始条件が成立してからの経過時間(実際の時間)を表している態様である。つまり、当該経過時間を表す数字を含む態様であり、経時的に変化するのが通常態様30nである。特殊態様30sは、当該経過時間を把握することができない態様である。本実施形態では、「解読不能な要素」を含むものである。当該「解読不能な要素」には、文字の体をなしていない記号のようなものや、それ自体は文字ではあるものの「時間」を表すものとして適当ではないものが含まれるものとする。例えば、「ひらがな」や「カタカナ」、「漢字」といった数的概念を示すものではない文字は、「解読不能な要素」に含まれるものとする。本実施形態では、文字の体をなしていない意味不明な記号を含むものが特殊態様30sとして設定されている。具体的には、本実施形態における時間画像30は、通常態様30n(常態)にて、経過時間を表す数字が(仮想的な)「ディスプレイ」に表示されているかのように見せるものであるところ、当該「ディスプレイ」にて数字ではない解読不能な記号のような要素を含むものが特殊態様30sとされている。このようにすることで、時間画像30が特殊態様30sとなることは、時間を表示するディスプレイが壊れたかのように遊技者には見えることになる。図示しないが、時間画像30の周囲に所定の画像(例えば、「煙」を表す画像)を表示することで「ディスプレイ」が壊れたかのように見える作用が強調されるようにしてもよい。
【0044】
特定演出にて時間演出が発生する可能性があるタイミング(規定タイミング)は予め決まっており、本実施形態では当該規定タイミング以外のタイミングでは時間演出は発生しない。本実施形態における特定演出は、上述した通り味方キャラクタと敵キャラクタが戦う「バトル演出」ある。当該演出として表示領域911に表示される映像は、「味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃する」ことを表すもの、および「敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃する」ことを表すもの少なくとも一方を含む。時間演出が発生する場合、味方キャラクタおよび敵キャラクタの一方が他方に向かって攻撃する際に発生する(当該攻撃が発生するタイミングが上記規定タイミングである)(図5(b)参照)。したがって、遊技者には、あたかも、当該攻撃が実行され、それにより発生した衝撃により、時間画像30(時間を表示するディスプレイ)が壊れたかのように見える。
【0045】
図示しないが、時間演出が発生しない場合には、規定タイミングに到達しても、時間画像30は通常態様30nのままである。すなわち、そのまま経過時間の表示が継続する。
【0046】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、通常であれば時間経過(連荘に要する時間)を示す役割のみを果たす時間画像30を、特定演出の結末(有利結末)示唆にも用いた面白みのある時間演出を実行することが可能である。一般的には、時間画像30は、開始条件成立から終了条件成立までの時間経過そのものを示すものであるため、変動中演出を構成する各種演出とは関係なく淡々と変化する(カウントアップされる)ものであると遊技者が認識しているところ、本実施形態における時間演出は変動中演出を構成する演出を契機として当該時間画像30が通常態様30nから特殊態様30sに変化するから、遊技者の予測を超えた面白みのある演出形態となる。
【0047】
特に、本実施形態では、特定演出が「バトル演出」であることを利用し、味方キャラクタと敵キャラクタの一方から他方に向かう攻撃が発生することを契機として、時間演出が発生しうるようにしている。そのため、当該攻撃が発生した結果、時間画像30が壊れたかのように見えるという演出効果が発現される。
【0048】
なお、時間演出が発生した場合、時間画像30は特殊態様30sにあるから、実際の時間経過は表示されない状態となる。しかし、その際であっても遊技機1内部では実際の時間の計測が継続されている。その後、所定の復帰タイミングにて時間画像30が通常態様30nに戻る(経過時間の表示が再開される)。本実施形態では、時間演出が発生した特定演出を経て実行される大当たり遊技の開始が復帰タイミングとされている(図5(d)参照)。その他、例えば有利結末に至ったことが示されるタイミングを復帰タイミングとしてもよい。
【0049】
以下、上記時間画像30を用いた演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0050】
〇具体例1-1
上記実施形態では、特定演出にて時間演出が発生した場合、特定演出が有利結末に至ることが確定することを説明したが、特定演出にて時間演出が発生しても有利結末に至るとは限らず、時間演出が発生した場合の方が、時間演出が発生しなかった場合に比して、有利結末に至る蓋然性が高い(時間演出の発生がいわゆる「チャンスアップ」に留まる)という設定としてもよい。
【0051】
〇具体例1-2
上記実施形態では、変動中演出を構成する演出として特定演出が発生することを説明したが、経時的に変化する時間画像30が表示されている状態(時間計測がなされている状態)にて発生するものであればよい。時間画像30は大当たり遊技(特別大当たり)中も表示されているのであるから、当該大当たり遊技中に特定演出が発生しうるものとしてもよい。すなわち、大当たり遊技中に特定演出が発生し、有利結末に至った場合には遊技者に有利な事象が発生する構成とし、当該特定演出にて時間演出が発生した場合には当該特定演出の結末が有利結末となる設定とする。
【0052】
なお、特定演出の結末が有利結末となることにより発生する上記「有利な事象」は種々考えられる。例えば、当該大当たり遊技終了後、特別大当たりの獲得が確定したこと(いわゆる保留内連荘が確定したこと)が「有利な事象」とされる構成とすることが考えられる。
【0053】
〇具体例1-3
特定演出として上記実施形態のようなバトル演出が発生するものとし、当該バトル演出においては「味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃するパターン」(味方キャラクタが有利な状況であることを示すパターン;以下、味方攻撃パターンと称する)(図6(b-1)参照)と「敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃するパターン」(味方キャラクタが不利な状況であることを示すパターン;以下、敵攻撃パターンと称する)(図6(b-2)参照)のいずれかが発生するものとする。すなわち、特定演出における所定の分岐点後、味方攻撃パターンおよび敵攻撃パターンのいずれかが発生するものとする。
【0054】
これを前提とし、味方攻撃パターンおよび敵攻撃パターンの一方が発生した場合の方が、他方が発生した場合よりも、規定タイミング(図6(c-1)、(c-2)のタイミング)にて時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sとなる)蓋然性が高い設定とする。時間演出が発生した場合には特定演出が有利結末に至るのであるから、遊技者側が有利な状況であることを示す味方攻撃パターンが発生した場合の方が、遊技者側が不利な状況であることを示す敵攻撃パターンが発生した場合よりも、時間演出が発生する蓋然性が高い設定とすることが好ましい(図6(b-1)、(b-2)参照)。本例のようにすることで、特定演出における分岐点後の演出態様に遊技者が注目しつつ、その演出態様に応じて、時間演出が発生する期待度が異なるという面白みのある遊技性が実現される。
【0055】
〇具体例1-4
上記実施形態における特殊態様30sは、解読不能な要素を含むものとしなくてもよい。時間経過を示すものではないことを遊技者が把握できる態様であれば、その他の態様とすることも考えられる。例えば、数字等の情報が全く表示されない態様(非表示)となることが特殊態様30sとして設定された構成としてもよい。
【0056】
また、時間画像30のカウントアップが停止することが通常態様30nから特殊態様30sへの変化として設定された構成としてもよい。このようにする場合、停止する時間が所定の法則を満たすものとすることが好ましい。例えば、下二桁(小数点以下の桁)の数字が「77」となって停止することが特殊態様30sとして設定された構成とすることが考えられる。規定タイミングに到達する時点での経過時間は毎回異なる(開始条件の成立から規定タイミングまでの実際の時間は不定である)ため、常に同じ時間で停止させることは困難であるが、時間画像30の下N桁(Nは2以上とするとよい)のみを強制的に所定の数字(例えば「77」)とするのであればそれほど違和感のない演出態様となる。
【0057】
ただし、上記実施形態のように、特殊態様30sが、解読不能な要素を含むものとすることで、「異常」が発生したということを分かりやすく示すことができるという利点がある。すなわち、単に時間(数字)が「非表示」となったり、「停止」したりする構成とすると、経過時間の表示が一時的に停止しているだけであると遊技者が捉える可能性があるが、上記実施形態のように「解読不能な要素」を表示して「異常」が発生したということを明確に示すことで、通常態様30nから特殊態様30sへの変化が何らかの示唆ではないかと遊技者が感じ取る蓋然性が高くなる。
【0058】
〇具体例1-5
上記実施形態では、時間演出が発生した場合、所定の復帰タイミング(例えば、大当たり遊技の開始時点)で時間画像30が通常態様30nに戻る(経過時間の表示が再開される)ことを説明したが、時間演出が発生した(図7(a)参照)後、時間画像30が通常態様30nに戻ることを示す演出(以下、復帰演出と称する)が発生する(図7(b)参照)ものとする。具体的には、特殊態様30sの時間画像30に作用する復帰画像39が表示されることを契機として時間画像30が通常態様30nに戻るような復帰演出が発生するものとする。例えば、表示領域911に所定のキャラクタが復帰画像39として表示され、当該キャラクタが特殊態様30sの時間画像30を叩くようなアクションをした結果、時間画像30が通常態様30nに戻る、といった演出形態とすること(図7(b)参照)が考えられる。このようにすることで、経過時間の表示が再開されたことを遊技者に分かりやすく示すことができる。
【0059】
本例のようにする場合、復帰演出(図7(b)参照)は特定演出が結末に至る(図7(c)参照)よりも前に発生するようにするとよい。復帰演出は、時間演出の発生を前提として発生するものであるから、復帰演出の発生は時間演出が発生していたことを示すものになる。よって、時間演出の発生に気付いていない遊技者であっても、復帰演出の発生に気付き、それにより時間演出が発生したことに気付く可能性がある(復帰演出が、経過時間の表示を再開させるという役割だけでなく、時間演出の見落としを防止するという役割を果たす)。
【0060】
〇具体例1-6
画像変位演出の発生を契機として時間演出が発生しうる構成とする。画像変位演出は、表示領域911に表示されている画像(基準画像33)が、当該表示領域911に対してずれたかのように表示される(遊技者には画像が「ずれた」ように見える)演出である。一般的には、この種の演出はシェイク演出等と称されている。基準画像33が表示領域911に対して変位していない(「ずれて」いない)状態を基準状態と、変位している状態を変位状態とすれば、基準状態(事前基準状態)(図8(a)参照)→変位状態(図8(b)参照)→基準状態(事後基準状態)(図8(c)参照)というように推移する。本例では、基準画像33は、事前基準状態にて表示領域911の全体に表示されている画像である(基準画像33は、少なくとも特定演出としての「画像」である。装飾図柄80や保留図柄12は基準画像33に含めてもよいし、含めなくてもよい)。すなわち、表示領域911の全体に表示されている画像が、変位状態にて「ずれた」ように見える演出である。ただし、表示領域911の一部に表示される画像を基準画像33とする演出形態としてもよい。また、本例では、基準画像33が表示領域911に対して「三次元的」に変位したかのように表示される。したがって、変位状態においては、基準画像33はその外縁が略平行四辺形状になる態様となる。また、本例では、基準画像33は、時間画像30(通常態様30nまたは特殊態様30s)を含むものとされる。
【0061】
このような画像変位演出が規定タイミングにて発生することを契機として、時間画像30が通常態様30nから特殊態様30sに変化する。具体的には、事前基準状態においては、時間画像30は通常態様30nにある(図8(a)参照)。その後、変位状態(図8(b)参照)または事後基準状態(図8(c)参照)に移行することを契機として、時間画像30が特殊態様30sに変化する。つまり、少なくとも事後基準状態においては、時間画像30は特殊態様30sにある(図8(c)参照)。特殊態様30s画像変位演出は、画像が表示領域911に対してずれたかのように見せることで、「衝撃」が発生したかのように感じる演出であるところ、当該「衝撃」により、時間画像30が通常態様30nから特殊態様30sに変化した(「衝撃」によりディスプレイが壊れた)かのように感じる演出形態となる。
【0062】
なお、規定タイミングにて画像変位演出が発生した場合には必ず時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sとなる)設定としてもよいし、画像変位演出が発生しても時間演出が発生するとは限らない(時間画像30が通常態様30nのままとなる場合もある)設定としてもよい。前者のようにすると、画像変位演出の発生が時間演出の発生に結びつくため、画像変位演出が発生した場合には有利結末となることが確定するという遊技性となる。一方、後者のようにした場合、画像変位演出が発生したときに時間画像30が特殊態様30sに変化するかどうかに遊技者が注目する遊技性となる。
【0063】
後者のような設定とする場合、規定タイミングにおける演出形態としては、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称する)が高い順に、「画像変位演出および時間演出の両方とも非発生」(信頼度が最も低い)、「画像変位演出発生、時間演出非発生」、「画像演出および時間演出の両方とも発生」(信頼度が最も高い)の三形態が考えられる。したがって、遊技者は、規定タイミングにて、まずは画像変位演出が発生することに期待し、画像変位演出が発生した場合にはさらに時間演出が発生することに期待するという遊技性が実現される。
【0064】
また、後者のような設定とする場合、画像変位演出の態様により、時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sに変化する)蓋然性が示唆されるようにしてもよい。例えば、画像変位演出として、表示領域911に対する「ずれ」が相対的に小さい第一画像変位演出(図9(a)参照)および「ずれ」が相対的に大きい第二画像変位演出(図9(b)参照)のいずれかが発生するようにし、第一画像変位演出が発生した場合よりも、第二画像変位演出が発生した場合の方が、時間画像30が特殊態様30sに変化する蓋然性が高い設定とする(なお、図9においては、変位状態における基準画像33の形状のみを示している)。換言すれば、画像変位演出が発生した状態にて、表示領域911における基準画像33が占める範囲が相対的に大きいときよりも、基準画像33が占める範囲が相対的に小さいときの方が、時間画像30が特殊態様30sに変化する蓋然性が高い設定とする。つまり、「衝撃」が大きい場合の方が、時間画像30が「壊れる」蓋然性が高いという演出形態とする。このようにすることで、画像変位演出の態様に遊技者が注目するという遊技性が実現される。
【0065】
〇具体例1-7
通常態様30nにある時間画像30に作用する画像(以下、作用画像35とする)が表示領域911に表示された上で、時間画像30が特殊態様30sに変化する(時間演出が発生する)可能性がある構成とする。例えば、作用画像35が通常態様30nにある時間画像30に接触するアクションが発生する(図10(b)参照)ことを契機として当該時間画像30が特殊態様30sに変化する(図10(c)参照)ものとする。このようにすることで、作用画像35が作用した結果、時間画像30が特殊態様30sに変化するという分かりやすい演出形態となる。また、作用画像35が表示されるため、遊技者が時間演出の発生を見落としてしまう蓋然性が低くなる。
【0066】
なお、作用画像35が表示された場合には必ず時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sとなる)設定としてもよいし、作用画像35が表示されても時間演出が発生するとは限らない(時間画像30が通常態様30nのままとなる場合もある)設定としてもよい。前者のようにすると、作用画像35の表示が時間演出の発生に結びつくため、作用画像35が表示された場合には有利結末となることが確定するという遊技性となる。一方、後者のようにした場合、作用画像35が表示されたときに時間画像30が特殊態様30sに変化するかどうかに遊技者が注目する遊技性となる。
【0067】
また、後者のような設定とする場合、作用画像35の態様により、時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sに変化する)蓋然性が示唆されるようにしてもよい。例えば、作用画像35として、第一作用画像351(図10(d-1)参照)および(第一作用画像351)とは態様が異なる第二作用画像352(図10(d-2)参照)のいずれかが表示されるようにし、第一作用画像351が表示された場合よりも、第二作用画像352が表示された場合の方が、時間画像30が特殊態様30sに変化する蓋然性が高い設定とする。例えば、第一作用画像351よりも第二作用画像352の方が大きいものとすることで、より大きなものが時間画像30に作用した場合の方が、時間画像30が「壊れる」蓋然性が高いという演出形態となる。このようにすることで、作用画像35の態様に遊技者が注目するという遊技性が実現される。
【0068】
〇具体例1-8
通常態様30nにある時間画像30を覆う被覆画像36が表示された上で、時間画像30が特殊態様30sに変化する(時間演出が発生する)可能性がある構成とする(図11(a)~(c)参照)。被覆画像36が表示されている間は、時間画像30が視認できない状態となる(図11(b)参照)。当該被覆画像36が消去された結果、再び時間画像30が視認可能な状態となるが、その結果表れた時間画像30が特殊態様30sに変化している可能性がある演出形態とする。時間画像30を表す画像レイヤよりも、被覆画像36を表す画像レイヤの方を手前に設定することで、このような演出形態を実現することができる。
【0069】
また、後者のような設定とする場合、被覆の態様により、時間演出が発生する(時間画像30が特殊態様30sに変化する)蓋然性が示唆されるようにしてもよい。例えば、被覆画像36として、第一被覆画像361(図11(d-1)参照)および(第一被覆画像361)とは態様が異なる第二被覆画像362(図11(d-2)参照)のいずれかが表示されるようにし、第一被覆画像361が表示された場合よりも、第二被覆画像362が表示された場合の方が、時間画像30が特殊態様30sに変化する蓋然性が高い設定とする。例えば、第一被覆画像361よりも第二被覆画像362の方が大きいものとすることで、より大きな画像により時間画像30が覆われた場合の方が、時間画像30が「壊れる」蓋然性が高いという演出形態となる。このようにすることで、被覆画像36の態様に遊技者が注目するという遊技性が実現される。
【0070】
〇具体例1-9
上記実施形態における時間演出に用いられる時間画像30は、特別遊技期間に要した実際の時間を表示するものであることを説明したが、それ以外の期間の時間経過を示す時間画像30を用いた時間演出が発生するようにしてもよい。例えば、いわゆるタイマ演出の発生時に表示される時間画像30を用いた時間演出が発生するようにしてもよい。タイマ演出自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、変動中演出中に実際の時間に応じてカウントダウンがなされ、当該時間がタイムアップすることを契機として何らかの好機事象(チャンスアップ演出)が発生するという演出である。
【0071】
このようなタイマ演出にて表示される時間画像30が、タイムアップするよりも前に通常態様30nから特殊態様30sに変化する時間演出が発生しうる構成とする。このようにすることで、時間画像30がタイムアップすると考えている遊技者に驚きを与える遊技性が実現される。なお、時間演出が発生した後はタイマ演出が終了する設定としてもよいし、時間演出が発生した後、時間画像30が通常態様30nに戻った上で(カウントダウンが再開された上で)、タイムアップする(好機事象が発生する)設定としてもよい。
【0072】
4)映像切替演出
本実施形態にかかる遊技機1は、通常遊技状態における変動中演出(ただし、残保留抽選の変動中演出を除く)を構成する演出として、映像切替演出が発生することがある。当該映像切替演出が、特別遊技状態における変動中演出を構成するものとして発生するものとすることを否定するわけではない。
【0073】
映像切替演出は、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと敵キャラクタが戦ういわゆるバトル演出(なお、映像切替演出は、上述した特定演出とは異なるバトル演出である)の一種である。また、本実施形態における映像切替演出は、その結末により映像切替演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)を示すリーチ演出でもある。対象当否抽選結果が大当たりである場合には味方キャラクタが勝利する(敵キャラクタを倒す)勝利結末(一旦敗北したと見せかけてそれが覆される逆転パターンを含む)に至り、はずれである場合には味方キャラクタが敗北する敗北結末に至る。
【0074】
映像切替演出(図12参照)は、味方キャラクタとして複数種のキャラクタ(各キャラクタは、遊技者が互いに異なるキャラクタであることを認識可能な態様とされる)が登場する演出である。本実施形態では第一キャラクタ~第三キャラクタの三種が登場する。なお、図面においては、第一キャラクタは「A」で、第二キャラクタは「B」で、第三キャラクタは「C」で示す。映像切替演出は、当該三種のキャラクタと敵キャラクタ(一体)が戦う演出である。本実施形態では、後述する切替可能期間が開始されるよりも前の段階(後述する前半部分)にて、当該三種のキャラクタと敵キャラクタが戦う演出であることを把握可能な画像が表示領域911に表示される(図12(a)参照)。
【0075】
映像切替演出が実行されている期間の少なくとも一部は、切替可能期間とされる。本実施形態における映像切替演出は、大きく、前半部分(図12(a)参照)、それに続く中間部分(図12(b)参照)、および、それに続く後半部分(図12(c)参照)に区分けされ、当該中間部分が切替可能期間とされている。前半部分および後半部分は、切替可能期間ではない。後半部分は、映像切替演出の結末(勝利結末または敗北演出)を含む部分である。切替可能期間は、遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段70(本実施形態では押ボタン;図1参照)の操作が有効となる(演出に反映される)期間である。本実施形態では、切替可能期間にて操作手段70の操作がなされることを契機として、表示装置91の表示領域911に表示される演出映像の種類が切り替わる。具体的には以下の通りである。
【0076】
各種演出映像は異なる画像(映像)レイヤにより表される。第一演出映像を表す画像レイヤを第一レイヤ41と、第二演出映像を表す画像レイヤを第二レイヤ42と、第三演出映像を表す画像レイヤを第三レイヤ43とする。切替可能期間においては、第一レイヤ41~第三レイヤ43の三つが表示装置91から出力されている状態にある。なお、「出力」とは映像のデータが出力されている状態にあることをいうが、以下で説明する通り「出力」されているからといって実際に視認可能であるとは限らない(一方、「表示」は実際に視認可能である状態であるとする)。各画像レイヤは、最前面に第一レイヤ41、その後ろに第二レイヤ42、さらにその後ろ(最後面)に第三レイヤ43というように並ぶ。したがって、第一レイヤ41にて表される第一演出映像は実際に表示される(視認可能である)ものの、第二レイヤ42および第三レイヤ43にて表される第二演出映像は非表示(視認不能)である(図13(a)参照)。
【0077】
第一演出映像が実際に表示された状態で切替可能期間内に操作手段70の操作が検出されたときには、前から、第二レイヤ42、第三レイヤ43、第一レイヤ41の順で並んだ状態となり(最前面が第二レイヤ42となり)、第二レイヤ42にて表される第二演出映像が実際に表示された(視認可能な)状態となる(図13(b)参照)。なお、第二レイヤ42に覆われる第三レイヤ43(第三演出映像)、第一レイヤ41(第一演出映像)は非表示(視認不能)である。
【0078】
第二演出映像が実際に表示された状態で切替可能期間内に操作手段70の操作が検出されたときには、前から、第三レイヤ43、第一レイヤ41、第二レイヤ42の順で並んだ状態となり(最前面が第三レイヤ43となり)、第三レイヤ43にて表される第三演出映像が実際に表示された(視認可能な)状態となる(図13(c)参照)。なお、第三レイヤ43に覆われる第一レイヤ41(第一演出映像)、第二レイヤ42(第二演出映像)は非表示(視認不能)である。
【0079】
第三演出映像が実際に表示された状態で切替可能期間内に操作手段70の操作が検出されたときには、前から、第一レイヤ41、第二レイヤ42、第三レイヤ43の順で並んだ状態となり(最前面が第一レイヤ41となり)、最前面の第一レイヤ41にて表される第一演出映像が実際に表示された(視認可能な)状態(切替可能期間の開始時点と同じ出力態様)に戻る(図13(a)参照)。
【0080】
このようにして、切替可能期間にて操作手段70が操作される度に、実際に表示される演出映像の種類が切り替わっていく。実際に表示される演出映像を対象演出映像とすると、本実施形態では、操作手段70の操作の度に、第一演出映像→第二演出映像→第三演出映像→第一演出映像・・・というように、対象演出映像が切り替わっていくことになる。上記の通り、二種以上の画像レイヤが出力された状態にあるときには最前面の画像レイヤにて表される演出映像のみが実際に表示される構成を前提とし、操作手段70の操作を契機として当該最前面の画像レイヤの種類が変化することで、実際に表示される演出映像の種類が変化していくことになる。なお、このように演出映像の種類を切り替えることが可能であるから、いずれの演出映像が出力されるかは対象当否抽選結果についての信頼度に関係するものではない。
【0081】
また、実際に表示される演出映像は当然のこと、最前面の画像レイヤに覆われて視認できない演出映像も、時間経過(映像切替演出(切替可能期間)の進行)に応じて進行する(内部で進行する)。各演出映像の長さは切替可能期間と同じである。例えば、切替可能期間が15秒であれば、第一演出映像~第三演出映像のいずれも15秒とされる。そのため、実際に表示される演出映像をある種の演出映像から別種の演出映像に切り替えた際、別種の演出映像は操作手段70の操作タイミングに応じた箇所から出力される(最初から表示されるというわけではない)(図14参照)。例えば、切替可能期間の開始から10秒後に第一演出映像から第二演出映像に切り替えたとすれば、既に第二演出映像は10秒分進行した状態にある。
【0082】
なお、このような画像レイヤの制御態様はあくまで一例である。例えば、「三つの画像レイヤが出力され、第一画像レイヤが最前面である状態A」から、操作手段70が操作されることを契機として「第一画像レイヤの出力が停止され、第二画像レイヤおよび第三画像レイヤが出力され、第二画像レイヤが最前面である状態B」に移行し、さらに操作手段70が操作されることを契機として「第二画像レイヤの出力が停止され、第三画像レイヤのみが出力された状態(第三画像レイヤが最前面である状態)C」に移行し、さらに操作手段70が操作されることを契機として状態Aに戻る、といった構成としてもよい。すなわち、表示装置91から出力される画像レイヤの数を増減させる制御を行うことで、実際に表示される演出映像の種類が変化していくようにしてもよい。
【0083】
切替可能期間を通じて表示領域911に表示されるべき要素は、演出映像を表す画像レイヤのうちの最前面の画像レイヤよりも手前に表示されるようにする。当該要素としては、装飾図柄80や変動中図柄11、保留図柄12等が考えられる。すなわち、装飾図柄80や保留図柄12等を表す画像レイヤは、演出映像を表す画像レイヤのうちの最前面の画像レイヤ(実際に表示される演出映像)よりも手前に設定される。したがって、どの種の演出映像が実際に表示されているときであっても、当該要素(装飾図柄80や変動中図柄11、保留図柄12(ただし本実施形態では切替可能期間中に変動中図柄11および保留図柄12は表示されない構成とされている)等)は表示された状態(視認可能な状態)にある(図13参照)。
【0084】
本実施形態における第一演出映像~第三演出映像は、互いに異なる味方キャラクタの視点を表したものとされる。具体的には、第一キャラクタ(キャラクタA)の視点で見た映像が第一演出映像であり(図13(a)参照)、第二キャラクタ(キャラクタB)の視点で見た映像が第二演出映像であり(図13(b)参照)、第三キャラクタ(キャラクタC)の視点で見た映像が第三演出映像である(図13(c)参照)。したがって、本実施形態では、切替可能期間にて操作手段70が操作されることを契機として、ある種のキャラクタの視点を表した映像から、別種のキャラクタの視点を表した映像に変化することになる。このように各演出映像は対応するキャラクタの「視点」での映像であるから、ある種の演出映像が表示されている状態においては、当該ある種の演出映像に対応するキャラクタが表示されることはない。すなわち、第一演出映像は第一キャラクタ(キャラクタA)が表示される映像ではなく(図13(a)参照)、第二演出映像は第二キャラクタ(キャラクタB)が表示される映像ではなく(図13(b)参照)、第三演出映像は第三キャラクタ(キャラクタC)が表示される映像ではない(図13(c)参照)。ただし、ある種の演出映像は、当該ある種の演出映像に対応しないキャラクタは表示されることがある。すなわち、第一演出映像は第二キャラクタや第三キャラクタが表示される状況が発生するものであり、第二演出映像は第一キャラクタや第三キャラクタが表示される状況が発生するものであり、第三演出映像は第一キャラクタや第二キャラクタが表示される状況が発生するものである。また、いずれの種類の演出映像であっても、敵キャラクタが表示される状況は発生する。
【0085】
切替可能期間においては、操作手段70を操作することで映像が変化することを示す表示(切替操作表示45)がなされる(第一演出映像~第三演出映像のいずれが表示されていても切替表示が表示されている)(図13参照)。このような表示がなされることで、演出映像を切り替えることが可能であることに遊技者が気付かない状況となってしまうことが防止される。なお、このような切替操作表示45がなされないようにしてもよい。これにより、演出映像の切り替えが、いわゆる「隠れ演出」(裏ボタン演出)として機能することになる。
【0086】
このように、本実施形態における映像切替演出は、表示装置91に実際に表示される演出映像の種類を遊技者が任意に切り替えることが可能であるため飽きにくく、遊技の趣向性向上に資する。
【0087】
映像切替演出を本実施形態のようなバトル演出とするのであれば、各演出映像を、味方キャラクタの視点に応じたものとすることができる。バトル演出は、遊技者自らが敵と戦っているように感じる演出でもあるところ、本実施形態のようにすることで、遊技者が任意に視点を変更することができるという面白みのある演出形態となる。
【0088】
以下、映像切替演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0089】
〇具体例2-1
複数種の演出映像のうちのいずれかである特定演出映像が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆する要素(以下、特定要素T)を含む態様となる可能性があるとする。例えば、第二演出映像が特定演出映像とされ、当該第二演出映像が特定要素Tを含む態様となった場合(図15(b)参照)の方が、特定要素Tを含む態様とならなかった場合(図示せず;図15(b)の特定態様を除いた映像が出力される態様となる)よりも、大当たり信頼度が高いという設定とする。すなわち、特定要素Tは、いわゆる「チャンスアップ」である(大当たり確定である設定としてもよい)。第二演出映像が特定要素Tを含むものとされるか否かは、対象当否抽選結果を踏まえ予め決定されている。
【0090】
第二演出映像が特定要素Tを含む態様となる可能性があるのは、切替可能期間の一部である特定期間中(図15(a)参照)であるとする。切替可能期間における特定期間以外の期間中は、第二演出映像が実際に表示されていたとしても特定要素Tが表示されないものとする。このような構成であることを前提とし、特定期間中に第二演出映像(特定演出映像)が実際に表示されておらず、その他の種類の演出映像(上記実施形態に即して言えば第一演出映像または第三演出映像)が実際に表示されていた場合には、特定要素Tの有無が把握できないものとする。すなわち、第二演出映像が特定要素Tを含むものとされることが予め決定されていたとしても、特定期間中に実際に表示されている演出映像(対象演出映像)が第一演出映像(図15(c-1)参照)や第三演出映像(図15(c-2)参照)である場合には、遊技者は特定要素Tの有無を把握することはできない(図15(c)参照)。一方、特定期間中に第二演出映像が実際に表示されている場合には、遊技者は特定要素Tの有無を把握することができる(図15(b)参照)。
【0091】
本例のようにすれば、特定要素Tによる信頼度示唆作用を享受することができるのは、特定期間中に特定演出映像が実際に表示されている場合であり、それ以外の演出映像が実際に表示されている場合には当該作用を享受することができないという面白みのある演出形態とすることができる。
【0092】
〇具体例2-2(具体例2-1をより具体化した例)
複数種の演出映像の二種以上が特定演出映像である(特定要素Tを含みうる)設定としてもよい。この場合、ある種の特定演出映像に設定される特定期間と、別種の特定演出映像に設定される特定期間は、重複しないようにすることが好ましい。例えば、第一演出映像~第三演出映像の全てが特定演出映像である設定とすることもできるが、第一演出映像に設定される第一特定期間と、第二演出映像に設定される第二特定期間と、第三演出映像に設定される第三特定期間は、重複しない期間とされる(図16(a)参照)。このような設定とすることで、第一演出映像による信頼度示唆を享受するためには第一特定期間にて第一演出映像が実際に表示されていることが必要であり、第二演出映像による信頼度示唆を享受するためには第二特定期間にて第二演出映像が実際に表示されていることが必要であり、第三演出映像による信頼度示唆を享受するためには第三特定期間にて第三演出映像が実際に表示されていることが必要となるという演出形態となる。なお、特定要素Tは、対応する演出映像に応じて異なるものとされるとよい。すなわち、第一演出映像は第一特定期間にて第一特定要素を含むことがあり、第二演出映像は第二特定期間にて第二特定要素を含むことがあり、第三演出映像は第三特定期間にて第三特定要素を含むことがあるものとし、第一特定要素~第三特定要素は、互いに異なる態様(異なる画像)であるとする。
【0093】
また、一回の映像切替演出(切替可能期間)にて、ある種の演出映像は特定要素Tを含むものの、別種の演出映像は特定要素Tを含まないといったケースが生じうるものとするとよい。例えば、第三演出映像は特定要素T(チャンスアップ)を含む(特定期間が設定される)ものの、第一演出映像や第二演出映像は特定要素Tを含まない(特定期間が設定されない)という映像切替演出が発生しうるものとする(図16(b)参照)。チャンスアップを発生させることが予め決定された場合には、複数種の演出映像のいずれも特定要素Tを含む、といった構成(図16(a)のような構成)とすると、実際に表示されるのがどの演出映像であっても特定要素Tの有無を把握できてしまうことになり面白みに欠ける。したがって、切替可能期間のほとんどで同じ種類の演出映像が表示され続けると仮定した場合にて、ある種の演出映像が表示されていれば特定要素Tの存在を確認できるものの、別種の特定演出映像が表示されていれば特定要素Tの存在を確認できない、という状況が生じうるようにするとよい。チャンスアップを発生させることが決定された場合には毎回抽選が実行され、当該抽選により、特定要素Tを含ませる演出映像の種類が決定される構成としてもよい。
【0094】
〇具体例2-3
上記実施形態における映像切替演出は、バトル演出であることを説明したが、それはあくまで一例に過ぎない。同じ演出を表していることが認識できる範囲で、態様の異なる演出映像を複数種用意すればよい。
【0095】
また、上記実施形態のようなバトル演出を映像切替演出とする場合にて、各種演出映像は味方キャラクタの視点を表したものとすることはあくまで一例である。例えば、バトル演出に複数種の敵キャラクタが登場するものとし、各演出映像は敵キャラクタの視点を表したものとすることが考えられる。また、味方キャラクタと敵キャラクタのバトルを捉える方向を異ならせたものが各演出映像である設定とすることが考えられる。このようにすると、バトルを撮影する仮想的なカメラが複数台設置されているかのような印象を与える演出形態となる。
【0096】
〇具体例2-4
切替可能期間における演出映像の切替操作等により、対象当否抽選結果の信頼度が示唆されるものとする。具体的には次のような構成とすることが考えられる。
【0097】
(イ)具体例2-4-1
対象演出(上記実施形態でいうバトル演出)にて、上記実施形態にて説明したように切替可能期間が設定される場合もあれば、切替可能期間が設定されない場合もある構成とする。すなわち、操作手段70の操作により演出映像を切り替えることが可能な対象演出(上記実施形態にて説明した映像切替演出)(図17(a)(b-1)参照)と、操作手段70を操作しても演出映像を切り替えることができない対象演出(映像切替不能演出)(図17(a)(b-2)参照)が発生し、一方が発生した場合よりも、他方が発生した場合の方が対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定とする。本例のようにすることで、演出映像が切り替えられるかどうかに遊技者が注目する演出形態となる。また、本例のようにする場合には、操作手段70の操作で演出画像の切り替えがなされない(映像切替不能演出となる)こともあるのであるから、上述した切替操作表示45が表示されないようにすることが好ましい。
【0098】
なお、映像切替演出と映像切替不能演出とは、映像切替演出であったと仮定した場合における切替可能期間(中間部分)にて操作手段70を操作して演出映像の切り替えがなされるか否かを確認しない限り、区別がつかない態様とされる。つまり、実際に操作手段70を操作して演出映像の切り替えがなされるかどうかを確認しない以上、遊技者には映像切替演出が発生しているのか映像切替不能演出が発生しているのか判別することはできない。映像切替不能演出の中間部分においては、映像切替演出であったと仮定した場合に、その切替可能期間の開始時点にて表示されている演出映像(上記実施形態に即して言えば第一演出映像)が表示されるようにする(図17(a)(b-2)参照)とよい。このようにすることで、映像切替演出および映像切替不能演出のいずれが発生した場合であっても、中間部分に到達した時点では第一演出映像に相当する映像が表示される(図17(a)参照)ことになるから、操作手段70を操作して演出映像の切り替えがなされるかどうかを確認しない限り、いずれの演出が発生しているのか見分けがつかない構成となる。
【0099】
(ロ)具体例2-4-2
複数種の演出映像のうち、実際に表示させることが可能な演出映像の数が、映像切替演出の度に変化しうるものとする。例えば、上記実施形態のように第一演出映像~第三演出映像の三種が設定されている構成を前提とし、選択(切替)可能な演出映像が、第一演出映像のみである(演出映像を切り替えることが不可能である)第一パターン、第一演出映像および第二演出映像の二種である第二パターン、第一演出映像~第三演出映像の三種である第三パターンが発生しうるものとする(図18(a)参照)。そして、当該第一パターン~第三パターンのいずれが発生したかに応じ、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が異なるものとする。選択可能な演出映像の数が多いほど信頼度が高い、という設定とするのであれば、「第一パターン<第二パターン<第三パターン」という信頼度の大小関係を設定すればよい。
【0100】
(イ)具体例2-4-3
実際に表示される可能性がある複数種の演出映像のうちの少なくとも一つが特別演出映像として設定されたものとする。例えば、上記実施形態のように第一演出映像~第三演出映像の三種から実際に表示される映像を選択することが可能なパターンを通常パターンと、これら三種の演出映像に加え、特別演出映像として第四演出映像も選択することが可能なパターンを特別パターンとし(図18(b)参照)、通常パターンの映像切替演出が発生した場合よりも、特別パターンの映像切替演出が発生した場合の方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い構成とする。このようにすることで、切替可能期間にて、特別演出映像が実際に表示された状態となるか否かに遊技者が注目する演出形態となる。
【0101】
なお、上記実施形態のように、第一演出映像~第三演出映像のそれぞれが、味方キャラクタである第一キャラクタ~第三キャラクタの視点を表したものとするのであれば、特別演出映像とされる第四演出映像は、味方キャラクタとして登場する第四キャラクタ(第一キャラクタ~第三キャラクタのいずれとも異なるキャラクタ)の視点を表したものとするとよい。通常パターンおよび特別パターンのいずれであっても、味方キャラクタとして第四キャラクタが登場していることは切替可能期間前に示されるが、通常パターンは当該第四キャラクタの視点を表した映像が表示されることはなく、特別パターンは当該第四キャラクタの視点を表した映像が表示される構成とする。
【0102】
これとは異なり、敵キャラクタの視点を表した映像が第四演出映像として設定された構成としてもよい。
【0103】
5)個別背景モード
本実施形態では、通常遊技状態に設定されることがある演出モード(ステージ等とも称される。変動中演出の基本的態様は当該演出モードによって決まる)の一種として個別背景モードが設けられている。なお、当該個別背景モードが、特別遊技状態にて設定されうるものであってもよい。また、当該個別背景モードが設定されている状態においては、当該モードの名称を含む表示(例えば「○○モード」といった文字を含む表示)が表示領域911になされるようにしてもよい(当該表示については図示せず)。
【0104】
個別背景モードにて表示領域911に表示される装飾図柄80は、その種類を示す主要素部80mと、当該主要素部80mに付随する副要素部80sを含むものとされる(図19(a)参照)。主要素部80mは、「1」~「7」までの数字のいずれかを含む。当該数字が同じであるものは、同じ種類の装飾図柄80ということになる。副要素部80sは、演出上のキャラクタを表したものとされる。本実施形態では、「1」~「7」のそれぞれに異なるキャラクタ「A」~「G」が対応づけられている(図面においては当該キャラクタの種類を「文字」で表す)。なお、個別背景モード以外の演出モードが設定されている状態にて表示される装飾図柄80も主要素部80mおよび副要素部80sを含む態様としてもよい(個別背景モードを説明するための図面以外の図面においては、装飾図柄80は「数字」のみを含むものとして表している)。
【0105】
表示領域911には、装飾図柄80の背景として背景画像が表示される。背景画像を表すレイヤよりも装飾図柄80を表すレイヤの方が手前に設定されることにより、背景画像が装飾図柄80の背景として存在しているように見える。なお、本実施形態では、当該背景画像は変動中図柄11や保留図柄12の背景でもある。個別背景モードにて表示されうる背景画像は、個別背景画像51(図19(b-1)参照)および共通背景画像52(図19(b-2)参照)に区分けされる。
【0106】
個別背景画像51は、複数種の装飾図柄80のそれぞれに対応づけられたものである。したがって、個別背景画像51の種類は、装飾図柄80の種類と同数(本実施形態では七種)である。本実施形態では、複数種の装飾図柄80それぞれの副要素部80sに対応づけられた個別背景画像51が設けられている。具体的には、キャラクタAに対応する個別背景画像A、キャラクタBに対応する個別背景画像B・・・キャラクタGに対応する個別背景画像Gというように、各キャラクタに対応する互いに態様が異なる七種の個別背景画像51が予め用意されている(図19(b-1)参照)。遊技機1は、漫画やアニメ等の原作をモチーフとされたものであり、キャラクタA~Gは当該原作に登場するキャラクタであるところ、各キャラクタにふさわしい画像が対応する個別背景画像51として用意されている(原作を知っている遊技者であればキャラクタと画像の対応関係が把握できるようなものとされる。例えば、各キャラクタの出身地を表した画像が個別背景画像51とされる)。複数種の個別背景画像51は、いずれも、個別背景モード以外の演出モードが設定されている状態にて表示されることはない。なお、図面においては、各個別背景画像51を模式的に示している(個別背景画像Aは「A」の文字(点線で表す)がマトリクス状に並べられた態様で、個別背景画像は「B」の文字(点線で表す)がマトリクス状に並べられた態様で、・・・というように模式的に示している)。
【0107】
共通背景画像52(図19(b-2)参照)は、複数種の個別背景画像51のいずれとも態様が異なるものである。当該共通背景画像52は、個別背景モード以外の演出モードが設定されている状態にて表示されることはない。本実施形態における共通背景画像52は一種のみであるが、二種以上の共通背景画像52が設定された構成としてもよい。なお、図面においては、共通背景画像52を点線で示している。
【0108】
個別背景モードでの変動中演出においては、次のように背景画像が制御される。変動中演出が開始されてからいずれの装飾図柄群80gも変動中である状態、すなわちいずれの装飾図柄群80gも変動が停止または疑似停止(遊技者には停止しているように見えるものの完全に停止していない(例えばわずかに揺れ動いている状態)をいう)していない状態においては、共通背景画像52が表示された状態にある(図20(a)参照)。すなわち、共通背景画像52は、いずれも変動中である三つの装飾図柄群80gの背景として表示されるものである。
【0109】
その後、三つの装飾図柄群80g(三つの装飾図柄群80gはいずれも「1」~「7」の装飾図柄80を含む)のうちの一つである左装飾図柄群80gLの変動が停止または疑似停止することになる(図20(b)参照)。当該左装飾図柄群80gLは、三つの装飾図柄群80gのうち、変動中演出が開始されてから最初に変動が停止または疑似停止するものである。本実施形態では、当該左装飾図柄群80gL(最初に変動が停止する装飾図柄群80g)が「対象装飾図柄群80gT」とされる。対象装飾図柄群80gTの変動が停止または疑似停止することで、当該対象装飾図柄群80gTから選択された一の装飾図柄80(以下、「対象装飾図柄80T」と称する)が示される。対象装飾図柄群80gTは左装飾図柄群80gLであるため、表示領域911の中央よりも左に表示される左装飾図柄80Lが「対象装飾図柄80T」である。
【0110】
対象装飾図柄群80gTの変動が停止または疑似停止して対象装飾図柄80Tが示されることを契機として、背景画像が共通背景画像52から個別背景画像51に切り替わる。ここで表示される選択画像は、対象装飾図柄80Tとされた装飾図柄80に対応するものとされる。例えば、「3」の装飾図柄80が対象装飾図柄80Tとして表示されたのであれば、(副要素部80sであるキャラクタCに対応する)個別背景画像Cが表示される(図20(b)参照)。つまり、対象装飾図柄80Tとして表示される装飾図柄80の種類に応じ、表示される背景画像(個別背景画像51)の種類が異なることになる。
【0111】
当該変動中演出にてリーチが成立せずに対象当否抽選結果がはずれであることが報知される場合(いわゆる「どはずれ」変動である場合)、個別背景画像51は当該変動中演出が終了するまで表示され続ける(図20(c)参照)。一方、リーチが成立してリーチ演出が発生する場合には、個別背景画像51が当該リーチ演出に応じた画像に変化する。つまり、リーチ演出等の所定の演出が発生するか、または、対象の変動中演出が終了するまでは、個別背景画像51が表示され続ける。対象当否抽選結果がはずれであり、記憶手段に記憶された保留情報が存在する場合には、次の変動中演出(次変動)が開始されるところ、当該次の変動中演出の開始と同時に共通背景画像52が表示された状態となる。対象の変動中演出にて所定の演出が発生せずに当否抽選結果がはずれであることが報知される場合には、次の変動中演出(次の当否抽選結果を報知する三つの装飾図柄群80gの変動)が開始されることを契機として、個別背景画像51から共通背景画像52への切り替わりが発生する(図20(d)参照)ということである。
【0112】
このように、本実施形態における個別背景モードは、対象装飾図柄群80gTから選択された対象装飾図柄80Tに対応する背景画像(個別背景画像51)が表示されるという面白みのあるものである。特に、本実施形態では、装飾図柄80の副要素部80s(本実施形態ではキャラクタ)に対応づけられた個別背景画像51が表示されるから、対象装飾図柄80Tとその背景が調和したものとなる。
【0113】
また、本実施形態のように、最初に変動が停止または疑似停止する装飾図柄群80gから選択される装飾図柄80を対象装飾図柄80Tとすることで、最初に示される装飾図柄80の種類が個別背景画像51により強調されるという演出態様となる。
【0114】
また、対象装飾図柄80Tが示される前の状態にて共通背景画像52が表示されるようにすることで、共通背景画像52から個別背景画像51に切り替わっていることが分かりやすい(対象装飾図柄80Tに応じた個別背景画像51となっていることが強調される)。
【0115】
以下、個別背景モードに関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0116】
〇具体例3-1
上記実施形態では、複数種の装飾図柄80(「1」~「7」の装飾図柄80)の全てに対応する個別背景画像51が設定されていることを説明したが、複数種の装飾図柄80の一部のみ個別背景画像51が設定されたものとしてもよい。例えば、主要素部80mの数字が「奇数」の装飾図柄80(「1」、「3」、「5」、「7」の装飾図柄80)には個別背景画像51が設定されているものの、「偶数」の装飾図柄80(「2」、「4」、「6」の装飾図柄80)には個別背景画像51が設定されていない構成とする。以下、対応する個別背景画像51が存在する装飾図柄80を特定図柄と、対応する個別背景画像51が存在しない装飾図柄80を非特定図柄と称する。
【0117】
特定図柄が対象装飾図柄80Tとして示された場合には、それを契機として対象装飾図柄80Tに対応する個別背景画像51が表示される(上記実施形態にて説明した通りである)(図21(b-1)参照)。一方、非特定図柄が対象装飾図柄80Tとして示された場合には、それを契機として個別背景画像51は表示されない(対応する個別背景画像51が存在しないのであるから表示できない)。例えば、非特定図柄が対象装飾図柄80Tとして示された場合には、共通背景画像52がそのまま表示され続ける構成とする(図21(b-2)参照)ことが考えられる。
【0118】
本例のようにすることで、対象装飾図柄80Tとして示されたものが特定図柄および非特定図柄のいずれであるかに応じて個別背景画像51が表示されるか否かが決まるため、対象装飾図柄80Tとして示されたものが特定図柄および非特定図柄のいずれであるのか強調されることになる。
【0119】
本例のようにする場合、特定図柄と非特定図柄は、その作用が異なるものとすることが好ましい。例えば、特定図柄によりリーチが成立した場合の方が、非特定図柄によりリーチが成立した場合よりも大当たり信頼度が高いといったように、リーチ成立時における信頼度が特定図柄と非特定図柄とで異なるものとすることが考えられる。また、特定図柄の三つ揃いで大当たりであることが報知された場合の方が、非特定図柄の三つ揃いで大当たりが報知された場合よりも、遊技者が享受する利益の期待値が大きくなるといったように、大当たり報知時における利益の期待値が異なるものとすることが考えられる。なお、ここでいう「利益」とは、大当たり遊技にて得られる利益(出玉の期待値)や、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態に移行する確率等により総合的に算出されるものとする。このようにすることで、個別背景画像51が表示されるか否かに応じ、遊技者にとって価値の高い装飾図柄80(特定図柄)が対象装飾図柄80Tとして示されたか否かが容易に判別できるという遊技性が実現される。
【0120】
〇具体例3-2
二種以上の装飾図柄80に、同じ態様の個別背景画像51が対応づけられた構成としてもよい。例えば、主要素部80mが「3」である装飾図柄80および「7」である装飾図柄80に、同じ態様の個別背景画像51が対応づけられた設定とする。このようにした場合、「3」の装飾図柄80が対象装飾図柄80Tとして示されたとき(図22(a)参照)、「7」の装飾図柄80が対象装飾図柄80Tとして示されたとき(図22(b)参照)のいずれであっても、同じ態様の個別背景画像51が表示されることになる。
【0121】
なお、このような構成とする場合には、「3」の装飾図柄80の副要素部80sのキャラクタと、「7」の装飾図柄80の副要素部80sのキャラクタを同じキャラクタとする(図面においては、キャラクタXとして示す)ことが好ましい(「3」の副要素部80sと「7」の副要素部80sとは、同じキャラクタを表していると遊技者が認識できる範囲で態様が異なっていてもよい)。これにより、「3」の装飾図柄80が対象装飾図柄80Tとして示されたとき、「7」の装飾図柄80が対象装飾図柄80Tとして示されたときのいずれであっても、当該キャラクタに対応する個別背景画像51が表示されることになる。
【0122】
〇具体例3-3
上記実施形態における対象装飾図柄群80gTは、最初に変動が停止または疑似停止するものであることを説明したが、それ以外の装飾図柄群80gを対象装飾図柄群80gTとしてもよい。例えば、複数の装飾図柄群80gのうち最後に変動が停止または疑似停止するものを対象装飾図柄群80gTとしてもよい。ただし、上記実施形態のように、最初に変動が停止または疑似停止する装飾図柄群80gを対象装飾図柄群80gTとすることで、対象装飾図柄80Tに対応する個別背景画像51が表示される時間が長くなるという利点がある。つまり、個別背景画像51は、所定の演出が発生するか次変動の開始によって一旦は消去されるものであるところ、当該個別背景画像51が表示される時間を長くするためには、最初に変動が停止または疑似停止するものを対象装飾図柄群80gTとし、当該対象装飾図柄群80gTの変動の停止または疑似停止を契機に個別背景画像51が表示されるようにするとよい。
【0123】
〇具体例3-4
上記実施形態では、左装飾図柄群80gLが対象装飾図柄群80gTであること、すなわち左装飾図柄群80gLから選択された左装飾図柄80Lが示されることを契機としてそれに対応する個別背景画像51が表示されることを説明したが、中装飾図柄群80gCや右装飾図柄群80gRが対象装飾図柄群80gTとされたものとしてもよい。
【0124】
特に、中装飾図柄群80gCを対象装飾図柄群80gTとした場合(図23参照)には、三つの装飾図柄80のうち最も目立つ位置(表示領域911の中央側)に表示される中装飾図柄80Cに対応する個別背景画像51が表示されることになるから、最も目立つ装飾図柄80と背景画像がリンクするという演出態様(図23(c)参照)となる。ただし、中装飾図柄群80gCの変動が最後に停止または疑似停止するようにすると、個別背景画像51が表示される期間が著しく短くなってしまうから、最後に変動が停止または疑似停止しないようにする(装飾図柄群80gが三つである場合には一番目か二番目に停止するようにする。図23に示した例は二番目に停止する例である)とよい。
【0125】
〇具体例3-5
対象装飾図柄群80gTとされる装飾図柄群80gが毎回(毎変動)変化しうる構成としてもよい。つまり、ある変動においては左装飾図柄群80gLの変動が停止または疑似停止することで示された左装飾図柄80Lに対応する個別背景画像51が表示され、次変動においては右装飾図柄群80gRの変動が停止または疑似停止することで示された右装飾図柄80Rに対応する個別背景画像51が表示され、さらにその次変動においては中装飾図柄群80gCの変動が停止または疑似停止することで示された中装飾図柄80Cに対応する個別背景画像51が表示される、といった流れの演出態様も発生しうるものとする。
【0126】
6)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0127】
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
【0128】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0129】
・手段1-1
当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技する遊技状態として、通常遊技状態および当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特別遊技状態が設定された状態にある期間を含む特別遊技期間に要した実際の時間を示す時間画像を表示する表示手段と、遊技者に有利な事象が発生する場合には、有利結末に至る特定演出を実行する演出実行手段と、を備え、経時的に変化する前記時間画像が表示された状態にて前記特定演出が開始され、当該特定演出が実行されている最中に、当該時間画像が通常態様から特殊態様に変化した場合には、当該特定演出が前記有利結末に至る蓋然性が高まることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、時間経過を示す時間画像が、特定演出の結末(有利結末)の示唆に用いられるという面白みのある遊技性が実現される。
【0130】
・手段1-2
前記特定演出は、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと敵キャラクタが戦う演出であって、前記味方キャラクタおよび前記敵キャラクタの一方が他方に向かって攻撃した際に、前記時間画像が前記通常態様から前記特殊態様に変化する可能性があることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、キャラクタの「攻撃」をきっかけとして、時間画像が通常態様から特殊態様に変化するという演出形態となる。
【0131】
・手段1-3
前記特定演出中に、前記表示装置に表示される画像が、当該表示装置の表示領域に対してずれたかのようにみえる画像変位演出が発生することがあり、当該画像変位演出が発生した際に、前記時間画像が前記通常態様から前記特殊態様に変化する可能性があることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
画像がずれたかのように見える画像変位演出は、「衝撃」が生じたように遊技者が感じる演出であるといえる。上記のようにすることで、当該「衝撃」により、時間画像が通常態様から特殊態様に変化したかのようにみえる演出形態となる。
【0132】
・手段1-4
前記特定演出中に、前記通常態様にある前記時間画像に作用する作用画像が前記表示装置に表示された上で、当該時間画像が前記特殊態様に変化する可能性があることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、時間画像に作用画像が作用した結果、当該時間画像が通常態様から特殊態様に変化するという分かりやすい演出形態となる。
【0133】
・手段1-5
前記特定演出中に、前記通常態様にある前記時間画像を覆う被覆画像が前記表示装置に表示されることがあり、当該被覆画像が消去されることにより表れた前記時間画像が前記特殊態様にある可能性があることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、時間画像が被覆画像に覆われた結果、当該時間画像が通常態様から特殊態様に変化するという分かりやすい演出形態となる。
【0134】
・手段1-6
前記特殊態様の前記時間画像は、解読不能な要素を含むものであることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、時間画像を表示する表示器(仮想的なディスプレイ)が壊れたかのように見える演出形態となる。
【0135】
・手段1-7
前記時間画像が前記特殊態様となったときには、前記特定演出が前記有利結末に至ることが確定することを特徴とする手段1-1から手段1-6のいずれかに記載の遊技機。
時間画像が特殊態様に変化することを、有利結末確定の演出として採用することができる。
【0136】
・手段2-1
遊技者が操作可能な操作手段と、装飾図柄が変動を開始してから、当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、前記操作手段の操作を契機として表示装置に表示される演出映像の種類を切り替えることが可能な切替可能期間を含む映像切替演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機が実行可能な映像切替演出は、切替可能期間中に演出映像を変化させることができるため飽きにくい。
【0137】
・手段2-2
前記切替可能期間では、異なる画像レイヤで表される二種以上の前記演出映像が前記表示装置に出力されることがあり、当該二種以上の前記演出映像のうち、最前面の画像レイヤにて表される前記演出映像が実際に表示されるものの、それ以外の画像レイヤにて表される前記演出映像は表示されず、前記操作手段の操作を契機として、最前面の画像レイヤにて表される前記演出映像の種類が変化することを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、演出映像の切り替わりが円滑になされる。
【0138】
・手段2-3
複数種の前記演出映像のうちの少なくともいずれかである特定演出映像は、前記切替可能期間の一部である特定期間中にて、当該特定演出映像とは異なる種類の前記演出映像が表示されていた場合には把握不可能である、当否抽選結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定要素を含む態様となる場合があることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特定期間中にある種の演出映像(特定演出映像)が表示されていれば特定要素による信頼度示唆作用が享受できるものの、それとは異なる演出映像が表示されていれば当該信頼度示唆作用が享受できないという面白みのある演出形態とすることができる。
【0139】
・手段2-4
前記映像切替演出は、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと敵キャラクタが戦うものであり、当該味方キャラクタとして複数種のキャラクタが登場する演出であって、前記切替可能期間における前記操作手段の操作を契機として、ある種類の前記味方キャラクタの視点を表した前記演出映像から、別の種類の前記味方キャラクタの視点を表した前記演出映像に変化することを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者は、好みの味方キャラクタの視点で敵キャラクタとのバトルを楽しむことができる。
【0140】
・手段3-1
変動する複数種の装飾図柄を含む二以上の装飾図柄群のそれぞれから選択されて表示装置に表示される前記装飾図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、前記表示装置には、前記装飾図柄の背景である背景画像が表示され、二以上の前記装飾図柄群のうちのいずれかが対象装飾図柄群とされ、当該対象装飾図柄群から選択された前記装飾図柄である対象装飾図柄に対応づけられた種類の前記背景画像である前記個別背景画像が表示される個別背景モードが設けられていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、背景画像が、対象装飾図柄として示されたものに対応する態様となる(個別背景画像となる)いう面白みのある演出を実行することができる。
【0141】
・手段3-2
前記装飾図柄は、その種類を示す主要素部と、当該主要素部に付随する副要素部を含み、前記個別背景画像は、前記対象装飾図柄の前記副要素部に対応づけられたものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、装飾図柄の副要素部と背景画像(個別背景画像)がリンクするという演出を実行することができる。
【0142】
・手段3-3
前記対象装飾図柄は、二以上の前記装飾図柄群のうち、最初に変動が停止または疑似停止する装飾図柄群から選択されたものであることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このようにすることで、最初に変動が停止または疑似停止して示された装飾図柄(対象装飾図柄)が背景画像(個別背景画像)により強調される。
【0143】
・手段3-4
前記背景画像として、前記個別背景画像のいずれとも態様が異なる共通背景画像が設定されており、前記個別背景モードにおける前記個別背景画像が表示される前の状態では、前記共通背景画像が表示されることを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このように、個別背景画像が表示される前に共通背景画像が表示されるようにすることで、対象装飾図柄に対応する個別背景画像が表示されていることが強調される。
【0144】
・手段3-5
前記個別背景画像が表示された後、所定の演出が発生せずに当否抽選結果がはずれであることが報知された場合には、新たな当否抽選結果を報知する前記装飾図柄群の変動が開始されることを契機として、前記個別背景画像から前記共通背景画像に切り替わることを特徴とする手段3-4に記載の遊技機。
このようにすることで、所定の演出が発生しないときには毎回共通背景画像から個別背景画像への変化が生じることになるから、対象装飾図柄に対応する個別背景画像が表示されていることが強調される。
【符号の説明】
【0145】
1 遊技機
11 変動中図柄
12 保留図柄
21 大当たり領域
22 小当たり領域
221 特典領域
30 時間画像
30n 通常態様
30s 特殊態様
33 基準画像
35 作用画像(351 第一作用画像 352 第二作用画像)
36 被覆画像(361 第一被覆画像 362 第二被覆画像)
39 復帰画像
41 第一レイヤ(第一演出映像)
42 第二レイヤ(第二演出映像)
43 第三レイヤ(第三演出映像)
45 切替操作表示
T 特定要素
51 個別背景画像
52 共通背景画像
70 操作手段
80装飾図柄
80gT 対象装飾図柄群
80T 対象装飾図柄
80m 主要素部
80s 副要素部
91 表示装置
911 表示領域
図1
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