(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】付加同等複合製造方法
(51)【国際特許分類】
B22D 23/10 20060101AFI20231225BHJP
B21H 1/00 20060101ALI20231225BHJP
C22B 9/193 20060101ALI20231225BHJP
B21C 37/06 20060101ALI20231225BHJP
B21C 37/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B22D23/10 590
B22D23/10 530
B21H1/00 B
C22B9/193 Z
B22D23/10 540
B22D23/10 532
B21C37/06
B21C37/00
(21)【出願番号】P 2022009226
(22)【出願日】2022-01-25
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】202110115024.1
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512007144
【氏名又は名称】華中科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】張海鴎
(72)【発明者】
【氏名】黄建武
(72)【発明者】
【氏名】王桂蘭
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106424612(CN,A)
【文献】国際公開第2020/120919(WO,A1)
【文献】英国特許出願公告第01087154(GB,A)
【文献】特表2003-531295(JP,A)
【文献】特開2005-199354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 23/10
B22D 11/00、11/041
C22B 9/18
C22B 9/187
C22B 9/193
B21C 37/06,37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロスラグ再溶解炉を利用して溶融金属を得るステップS1と、
エレクトロスラグ再溶解炉から流出した液体金属を中間容器に入れて保存し、前記中間容器に流入した金属液が成形対象部品の成形量に足りる時、前記中間容器に貯蔵された液体金属を湯口を通って下方の、マンドレルを中心軸とする環状の晶析装置に移すステップS2と、
前記晶析装置を制御して溶融金属を液体状態から固液混合状態に冷却させ、晶析装置の出口から必要な断面を有する高温ブランクを流出させるステップS3と、
前記晶析装置の出口の底部に1対又は複数対の塑性成形ツールが設置され、塑性成形ツールによって流動性を有するブランクを環状に熱間加工するステップS4と、
塑性成形されたブランクは自重により下降し、チャックは冷却凝固後のブランクの下端をチャックして固定するために用いられ、同チャックに固定されたブランクはフレーム上のガイドロッドに取り付けられ、
前記チャックの外周に複数のスライドガイドスリーブが接続され、前記スライドガイドスリーブはフレームのガイドロッドに取り付けられ、且つ前記フレームの前記ガイドロッドに沿って上下に移動できる複数のスライドガイドスリーブに伴って、前記フレームに沿って下降する
、ステップS5と、
1つ又は複数の点成形機を利用して塑性成形された前記チャック上のブランクの側辺を局所的に加工又はトリミングすると同時に、温度制御装置を利用して加工箇所の温度を塑性成形可能な温度に制御し、局所変形構造を有する成形部品を得るに際し、
前記点成形機は、内点成形機と外点成形機に分けられ、前記点成形機の前記環状のブランクの内側の内点成形機はマンドレルに沿って回転し、且つ前記マンドレル上の前記スライドガイドスリーブに対して伸縮可能であり、前記環状のブランクの外側の前記外点成形機は前記スライドガイドスリーブによって固定されたディスクに配置され、且つディスク溝内でマンドレルの周りを回転し、前記ディスクの中心軸は前記マンドレルに一致し、前記内点成形機と前記外点成形機はブランク上に局所構造を加工するステップS6と、
成形が完了した後、チャックは成形部品を支持してフレームの底部まで下降させ、成形部品をフレームから取り出すステップS7と、を含むことを特徴とす
る複合製造方法。
【請求項2】
前記ステップS1において、エレクトロスラグ再溶解炉における電源の一極はスラグプール内に直接配置され、且つスラグプールの底部に孔が加工され、溶融金属液はスラグプールの底部に加工された孔から流出することを特徴とする請求項1に記載
の複合製造方法。
【請求項3】
前記ステップS2において、前記中間容器は溶融金属を保存し、且つ溶融金属が晶析装置に流入する速度を制御するために用いられることを特徴とする請求項1に記載
の複合製造方法。
【請求項4】
前記晶析装置は中空の軸対称構造又は非軸対称構造であることを特徴とする請求項1に記載
の複合製造方法。
【請求項5】
前記ステップS4において、塑性成形ツールは1対又は複数対のロールであり、各対のロールにはいずれも前記環状のブランクの内側の内ロールと前記環状のブランクの外側の外ロールを含み、内ロールは軸受を介してマンドレルの周りを回転し、外ロールは前記スライドガイドスリーブによって固定されたディスクに配置され、且つディスク溝内でマンドレルの周りを回転し、前記ディスクの中心軸は前記マンドレルに一致することを特徴とする請求項1に記載
の複合製造方法。
【請求項6】
前記点成形機の加工ヘッド又はその近傍に温度制御装置が取り付けられ、前記温度制御装置は加工箇所の温度を制御するために用いられることを特徴とする請求項1に記載
の複合製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品成形・製造の技術分野に関し、特に付加同等複合製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環状筒部品などの薄肉部品は、航空宇宙などの工業分野で幅広く応用されている基礎となる部品であり、その製造は成形・性能が高く要求されている。現在、環状筒部品などの薄肉部品の製造プロセスは複雑であり、初期溶融金属から最終部品までに関わる部分が多く、通常は鋳造、分塊、鍛造、拡孔、圧延、機械加工及び熱処理などのプロセスを含み、各プロセスに関わる設備又は金型が異なり、部品の移動も長い時間と高いエネルギーの損失をもたらすため、通常は、環状筒部品などの薄肉部品の従来の製造工程は、プロセスが長く、エネルギー消費が高い。また、航空宇宙用構造部品の一体化方向への発展に伴い、環状筒部品などの薄肉部品は複雑な局所構造が求められるが、従来の製造工程では、機械加工又は溶接などの方法を使用する必要があり、これは部品の製造周期及びコストを増加させる。上記の2つの点を組み合わせると、現代の工業製造分野では新世代の高効率で低コストの複雑な薄肉部品の製造技術が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における上記の問題を解決し、複雑な薄肉部品の一体成形を実現できる、付加同等複合製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。本発明は、付加同等複合製造方法を提供し、
エレクトロスラグ再溶解炉を利用して溶融金属を得るステップS1と、
エレクトロスラグ再溶解炉から流出した液体金属を中間容器に入れて一時的に保存し、前記中間容器に流入した金属液が成形対象部品の成形量に足りる時、前記中間容器に貯蔵された液体金属を湯口を通って下方の晶析装置に移すステップS2と、
前記晶析装置を制御して溶融金属を液体状態から固液混合状態に冷却させ、晶析装置の出口から必要な断面を有する高温ブランクを流出させるステップS3と、
前記晶析装置の出口の底部に1対又は複数対の塑性成形ツールが設置され、塑性成形ツールによって流動性を有するブランクを熱間加工するステップS4と、
塑性成形されたブランクは自重などにより下降し、チャックは冷却凝固後のブランクの下端をチャックして固定するために用いられ、固定されたブランクは前記チャックに伴ってフレーム上のガイドスリーブに沿って下降するステップS5と、
1つ又は複数の点成形機を利用して塑性成形された前記チャック上のブランクを局所的に加工又はトリミングすると同時に、温度制御装置を利用して加工箇所の温度を制御し、局所変形構造を有する成形部品を得るステップS6と、
成形が完了した後、チャックは成形部品を支持してフレームの底部まで下降させ、他の設備を使用して成形部品をフレームから取り出すステップS7と、を含む。
【0005】
好ましくは、前記ステップS1において、エレクトロスラグ再溶解炉における電源の一極はスラグプール内に直接配置され、且つスラグプールの底部に孔が加工され、溶融金属液はスラグプールの底部に加工された孔から流出する。
【0006】
好ましくは、前記ステップS2において、前記中間容器は、溶融金属を保存し、且つ溶融金属が晶析装置に流入する速度を制御するために用いられる。
【0007】
好ましくは、前記晶析装置は、中空の軸対称構造又は非軸対称構造である。
【0008】
好ましくは、前記ステップS4において、塑性成形ツールは1対又は複数対のロールであり、各対のロールにはいずれも内ロールと外ロールを含み、内ロールは軸受を介してマンドレルの周りを回転し、外ロールはガイドスリーブによって固定されたディスクに配置され、且つディスク溝内でマンドレルの周りを回転する。
【0009】
好ましくは、前記ステップS5において、チャックの外周にスライドガイドスリーブが接続され、前記スライドガイドスリーブはフレームのガイドロッドに取り付けられ、且つフレームのガイドロッドに沿って上下に移動することができる。
【0010】
好ましくは、前記ステップS6において、塑性成形ツールは内点成形機と外点成形機で構成され、内点成形機はマンドレルに沿って回転し、且つマンドレル上のガイドスリーブに対して伸縮可能であり、外点成形機はガイドスリーブによって固定されたディスクに配置され、且つディスク溝内でマンドレルの周りを回転し、前記内点成形機と外点成形機はブランクに局所構造を加工するために用いられる。
【0011】
好ましくは、前記点成形機の加工ヘッド又はその近傍に温度制御装置が取り付けられ、前記温度制御装置は加工箇所の温度を制御するために用いられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、従来技術に対して以下の有益な技術的効果を取得する。
(1)環状筒部品などの薄肉部品の製造プロセスを著しく減少させることができ、一台の装置によって環状筒部品などの薄肉部品の超短プロセス製造及び成形・性能同期制御を実現し、組織性能がより均一であり、時間コストを大幅に節約し、且つエネルギー消費を低減させ、生産効率を向上させる。
(2)ブランクが高い温度、即ち良好な流動性を有する条件下で、圧延などの塑性成形を利用して部品の成形及び性能を実現し、且つ1つ又は複数の点成形機などの塑性成形ツールによって局所構造を加工し、複雑な薄肉部材の一体成形を実現することができる。
(3)付加製造の特徴により、該方法は材料利用率を大幅に向上させることができる。
【0013】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく取得した他のすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0016】
本発明は、従来技術における上記の問題を解決し、複雑な薄肉部品の一体成形を実現できる、付加同等複合製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1~10に示すように、本実施例は、付加同等複合製造方法を提供し、以下のステップを含む。
【0019】
金属製錬装置1を利用して溶融金属を得るステップS1。本実施例における金属製錬装置1はエレクトロスラグ再溶解炉を採用し、エレクトロスラグ再溶解炉の一部の構造は従来のエレクトロスラグ再溶解炉と異なり、本実施例は、回路の形成を容易にし、漏電状況を減少させるために、エレクトロスラグ再溶解炉における電源の一極をスラグプールに直接配置する。また、従来のエレクトロスラグ再溶解炉の周囲の水冷式晶析装置を除去し、且つ底部に孔を加工する。エレクトロスラグ再溶解炉の単回消耗の消耗電極から得られた溶融金属の体積は、部品の体積と仕上げしろの和に等しい。また、真空製錬などの方式によって溶融金属を得ることもできる。具体的には、消耗電極の上端及びスラグプール内の電極を電源に接続し、抵抗熱で消耗電極を溶融させて、スラグプールを利用して溶融金属を精製し、最後に溶融金属を炉底の小孔を通って中間容器2に流入させる。
【0020】
中間容器2は、まず金属製錬装置1から流入した溶融金属を一時的に保存し、流入した溶融金属が1つの部品を製造するのに十分になる場合、貯蔵された溶融金属を適切な速度で湯口、例えば雨湯口を通って下方の晶析装置4に移すステップS2。
【0021】
晶析装置4は、冷却作用により溶融金属を液体状態からまだ流動性がある状態に冷却し、晶析装置の出口から必要な断面(例えば、円環状)を有する高温ブランクを流出させ、晶析装置4が環状構造である場合、内輪と外輪は協働して溶融金属を環状ブランクに冷却するステップS3。
【0022】
晶析装置4の出口に1対又は複数対のロール6などの塑性成形ツールを有し、流動性に優れた高温ブランクを熱間加工し、晶析装置4の出口にある高温ブランクがロール6などの塑性成形ツールの動作範囲に入ると、内ロールと外ロールはブランクをクランプし、マンドレル5の周りを回転し、流動性に優れた高温ブランクを熱間加工するステップS4。
【0023】
圧延などの塑性成形されたブランクは、自重などにより徐々に下降し、ロール6の下方まで上昇するチャック9の動作範囲に入り、チャック9はフレーム10のガイドロッドの外側の油圧シリンダ11により上下に移動することができ、チャック9は部品の下端をチャックして、部品が後続の点成形過程において不均一な力を受けて偏向することを防止し、チャック9は部品をチャックした後にフレーム10上のガイドスリーブに伴って徐々に下降するステップS5。チャック9は複数対のチャックジョーを含み、構造及び移動方式はマルチジョー空気圧チャック9又はマルチジョー油圧チャック9と同等である。
【0024】
点成形機8は、圧延などの塑性成形されたブランクに対して局所加工を行い、内点成形機は、マンドレル5の周りを回転し、マンドレル5に沿って上下に移動することによって目標加工位置に到達し、外点成形機は、円形ガイドレールに沿って回転し、円形ガイドレールを固定するためのガイドスリーブを上下に移動させることによって目標加工位置に到達し、両者は互いに協働して部品の側辺に局所変形構造を得ると同時に、温度制御装置は加工箇所の温度を制御するステップS6。
【0025】
部品の成形が完了した後、チャック9は部品を支持して適切な位置まで下降させ、他の設備を利用して部品をフレーム10の側辺から取り出すステップS7。部品の加工完了後の取り出し対象状態の概略図は、
図10に示すとおりである。
【0026】
さらに、ステップS2において、中間容器2の役割は、主に、溶融金属を保存し、溶融金属が晶析装置4に流入する速度を制御し、そして金属製錬装置1の電源の可能な漏電状況を遮断し、適切な湯口、例えば雨湯口により、部品が結晶化する時の温度変化の均一性を制御することである。
【0027】
ステップS3において、晶析装置4は、ブランク温度を適切な範囲内に制御し、圧延などの塑性成形におけるブランク温度の低下を考慮する必要がある。また、晶析装置4は、電磁鋳造技術を参考にし、電磁力を利用して溶融金属の形状を拘束することができる。
【0028】
ステップS4において、ロール6などの塑性成形ツールは内ロールと外ロールに分けられ、内ロールと外ロールはいずれも円周上に均一に配列される。内ロールは、マンドレル5上の軸受及び歯車と接触し、軸受は内ロールの径方向の軸方向位置を決定し、マンドレル5上の歯車は内ロールの歯車と外接噛合し、内ロールの歯車はモータによって駆動され、モータは内ロールフレームの内部に配置される。外ロールは、スライドガイドスリーブ7によって固定されたディスクに配置され、ディスクの中心軸はマンドレル5と一致し、外ロールは同一の環状歯車によって固定され、環状歯車はディスク内の歯車と外接噛合し、同時に外ロールの軸受はディスク溝内のガイドレールに配置されてその径方向位置を決定し、モータはディスク上に配置されてディスク溝内の歯車を回転させるように駆動し、それにより環状歯車に接続された外ロールはディスク溝に沿ってマンドレル5の周りを回転する。内ロールと外ロールは、回転速度に応じて同期回転又は非同期回転し、同方向回転又は逆方向回転することができ、具体的には、特定の状況に応じて決定される。
【0029】
ステップS5において、チャック9は、スライドガイドスリーブ7によって固定され、スライドガイドスリーブ7に伴ってフレーム10のガイドロッドに沿って上下に移動することができ、ストローク及び速度は、マスターコントローラによって統一的に制御される。
【0030】
ステップS6において、点成形機8は、内点成形機と外点成形機に分けられる。内点成形機は、マンドレル5に沿って回転及び上下に移動することができ、マンドレル5にラックを設置して内スライドブロックの歯車と噛み合い、同時に内スライドブロックの外側に環状外歯車を設置して外スライドブロックの歯車と噛み合い、内スライドブロックと外スライドブロックにそれぞれ1つのモータを配置して内スライドブロック歯車と外スライドブロック歯車の回転を制御し、且つ内スライドブロックと外スライドブロックを一体に統合し、それにより内点成形機の回転及び上下移動を実現する。外点成形機は、スライドガイドスリーブ7によって固定されたディスクに配置され、そのディスク溝内での配置及び移動方式は単一の外ロールと一致し、異なる点は、ディスクがフレーム10のガイドロッドの外側の油圧シリンダ11により上下に移動することができ、それにより外点成形機を駆動して上下に移動させることもできる。内点成形機と外点成形機は互いに協働して部品に対して局所構造を加工し、温度制御装置は外ツールヘッドと一体に取り付けることができ、又は電気補助点加熱により温度制御を実現し、内ツールヘッドと外ツールヘッドをそれぞれ電源の正極と負極に接続し、ワークと接触する時に抵抗を利用して熱を生成する。
【0031】
図1及び2に示すように、上記の付加同等複合製造方法に適用される付加同等複合製造装置は、金属製錬装置1、固定ブラケット3、中間容器2、晶析装置4、マンドレル5、ロール6などの塑性成形ツール、ガイドスリーブ、点成形機8などの塑性成形装置、温度制御装置、チャック9、フレーム10、油圧シリンダ11などを含み、全体のレイアウトは縦型構造である。金属製錬装置1、中間容器2、晶析装置4は固定ブラケット3によってフレーム10に固定され、三者は中心軸に沿って上から下へ順に配列される。ロール6及び点成形機8はいずれも内外2つの部分、すなわち内ロールと外ロール、内点成形機と外点成形機を含み、内ロール及び内点成形機はいずれもマンドレル5の周りを回転することができ、外ロール及び外点成形機はそれぞれのディスクの円形ガイドレールに配置され、ロール6及び点成形機8が取り付けられたディスクはスライドガイドスリーブ7によってフレーム10にスライド可能に接続され、外ロール及び外点成形機はマンドレル5を中心線としてディスクの円形ガイドレール内で回転する。フレーム10はシャーシ及びガイドロッドで構成され、マンドレル5の底端はシャーシの中心に固定され、頂部はチャック9、点成形機8及びロール6を順に通過している。固定ブラケット3はフレーム10に固定接続され、スライドガイドスリーブ7はフレーム10のガイドロッドに沿って上下に移動することができる。
【0032】
上記の付加同等複合製造装置にさらに制御部が設置され、例えば金属製錬装置1の動作パラメータ、晶析装置4の冷却速度、ロール6の回転速度、点成形機8の動作パラメータ、温度制御装置の加熱電力、チャック9を固定するためのガイドスリーブの上下移動速度及びストロークなどは、いずれも制御部のマスターコントローラによって制御される(マスターコントローラは図に示されていない)。
【0033】
図1及び
図2は、それぞれ本発明の実施形態の付加同等製造装置の三次元図及び分解斜視図を示し、各主な構造の位置関係を反映し、各構造の秩序ある協働を利用してある程度複雑な構造を有する部品を加工しているが、これは本実施例における好ましい実施装置に過ぎず、様々な構造は対応する機能を果たすことができる限り、様々な設計方式を有することができる。
【0034】
なお、当業者であれば、本発明は、上記の例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実施できることは明らかである。したがって、いずれの点においても、実施例は例示的かつ非限定的であると見なされるべきであり、本発明の範囲は上記説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定され、したがって、特許請求の範囲の同等の要素の意味及び範囲内にあるすべての変更は本発明に含まれ、特許請求の範囲におけるいかなる符号も関連する特許請求の範囲を限定すると見なすべきではないことが意図される。
【0035】
本発明において具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその中核思想の理解を助けるためにのみ用いられ、同時に、当業者にとって、本発明の思想に基づき、具体的な実施形態及び適用範囲に変更が生じることになる。要約すると、本明細書の内容は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0036】
1 金属製錬装置
2 中間容器
3 固定ブラケット
4 晶析装置
5 マンドレル
6 ロール
7 スライドガイドスリーブ
8 点成形機
9 チャック
10 フレーム
11 油圧シリンダ