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特許7408178ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
H01L21/66 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022171885
(22)【出願日】2022-10-27
(65)【公開番号】P2023172842
(43)【公開日】2023-12-06
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063635
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517416215
【氏名又は名称】レーザーセル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンロク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンシク
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジュンギ
(72)【発明者】
【氏名】リ、サンウォン
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0116290(KR,A)
【文献】国際公開第2004/084296(WO,A1)
【文献】特開平06-094771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/64-21/66
G01R 1/00- 9/08
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レイ上に置かれたプローブピンを一対の左右の鉗子で構成されたピングリッパで取った後、搬送するピックアップユニットと、前記ピックアップユニットによって搬送された前記プローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニットと、記ピックアップユニットにより前記ディッピングユニットから搬送された前記プローブピンの前記はんだペーストにレーザビームを照射することにより、記プローブピンをプローブカードにボンディングするレーザボンディングユニットを含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットにおいて、
前記ピックアップユニットの端部に設けられ、前記ピングリッパをX軸またはY軸の方向にリニア搬送するX軸およびY軸のリニア搬送モジュールと、
前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュールと前記ピングリッパとの間に設けられ、前記ピングリッパをXθ軸またはYθ軸の方向に回転させるXθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュールと、
前記Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュールと前記ピングリッパの間に設けられ、前記ピングリッパが前記プローブピンを取ったり、放したりできるように、前記ピングリッパ間の隙間を狭くしたり広げたりできるように搬送するグリッパ軸のリニア搬送モジュールとを含む、
ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項2】
前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュールはそれぞれ、
ベースフレームと、
前記ベースフレームにX軸またはY軸の方向に配置された圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの動きによってX軸およびY軸の方向にリニア搬送されるスライドフレームとを含む、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータは、前記スライドフレームに一体に結合されたチューブピン部材に挿入された状態で設けられ、前記圧電アクチュエータの動きにより前記チューブピン部材及び前記スライドフレームをX軸又はY軸の方向にリニア搬送する、
請求項2に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項4】
前記ベースフレーム及び前記スライドフレームにはそれぞれスケールバーとエンコーダPCBがさらに取り付けられ、前記スライドフレームのX軸又はY軸方向のリニア搬送量を制御する、
請求項2に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項5】
前記Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュールは、それぞれ、
カバーフレームと、
前記カバーフレーム間に回転可能に設けられたロータリーブロックと、
前記カバーフレームを貫通して連結された状態で前記ロータリーブロックをXθ軸またはYθ軸の方向に回転させる圧電アクチュエータとを含む、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項6】
前記ロータリーブロックの回転軸の一側には、少なくとも2つ以上のプレートスプリングが係合されるとともに前記圧電アクチュエータが前記プレートスプリング間に挿入された状態で設けられ、前記圧電アクチュエータの動きにより前記プレートスプリングおよび前記ロータリーブロックをXθ軸またはYθ軸の方向に回転搬送する、
請求項5に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項7】
前記カバーフレームおよび前記ロータリーブロックには、それぞれスケールバーおよびエンコーダPCBがさらに取り付けられ、前記ロータリーブロックのXθ軸またはYθ軸方向の回転搬送量を制御する、
請求項5に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項8】
前記グリッパ軸のリニア搬送モジュールは、
グリッパベースフレームと
前記グリッパベースフレームにX軸方向に嵌合して設けられた圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの動きによってX軸の方向にリニア搬送されるグリッパスライドフレームとを含む、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項9】
前記グリッパベースフレームおよび前記グリッパスライドフレームには、前記ピングリッパの前記左右の鉗子の一方がそれぞれ固定され、前記グリッパスライドフレームのX軸方向のリニア搬送によって前記ピングリッパが前記プローブピンを取ったり、放したりできるように前記ピングリッパの前記左、右鉗子間の隙間が狭くなったり広がったりできるように動作する、
請求項8に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【請求項10】
前記グリッパベースフレームおよび前記グリッパスライドフレームには、それぞれスケールバーとエンコーダPCBがさらに取り付けられ、前記グリッパスライドフレームのX軸方向のリニア搬送量を制御する、
請求項8に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置に関する。より詳細には、4面にそれぞれ取り付けられたピングリッパがターンテーブル方式で連続的に回転しながらプローブピンをプローブカードに自動的にレーザボンディングするターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置において、前記レーザボンディング装置に適用され、マイクロメータ単位で非常に精密に多軸方向、例えばX軸、Y軸、Xθ軸、Yθ軸、グリッパ軸方向に自由に直線又は回転運動しながらプローブピンのピックアップ、ディッピング、レーザボンディング工程を連続的に処理できるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プローブカードは、半導体基板上に形成されたチップの電気的性能を検査するための装置である。
【0003】
より具体的には、プローブカード上には無数の複数のプローブピンがボンディングされ、複数のプローブピンは半導体チップのパッドと接触して電気信号を印加する方式でチップの正常な有無を確認する。
【0004】
このような半導体素子は、継続的に高集積化するにつれて、半導体素子の回路パターンも微細化している傾向にある。このため、半導体素子の微細回路パターンの間隔に対応する間隔を有するようにプローブピンがボンディングされたプローブカードも必要とされている。
【0005】
しかし、従来のプローブカードの製造方法は、自動化が進んでいないため、1つのプローブカードの性能を高めるために多くの時間がかかり、不良率も高かった。
【0006】
より具体的には、従来は人がピンセットを用いてウエハ上のプローブピンをカセットに移して積載した。すなわち、従来は人が直接手作業でウエハ上のプローブピンを縦に立てた後、カセットに積載しなければならなかったため、プローブピンにスクラッチや反りが発生して不具合が生じる問題があった。
【0007】
特に、最近では、プローブピン間の間隔を減らすためにプローブピンの厚さがさらに微細化しているため、プローブピンの復元力が大きく減少している。すなわち、ウエハ上のプローブピンは、カセットに手作業で移される過程で小さな衝撃でも容易に損傷が発生する可能性がさらに高まっている。したがって、プローブピンに損傷を与えない最小限の力でプローブピンの搬送を自動化する必要がある。
【0008】
また、従来は人がプローブピンを直接移す場合、各自の技術熟練度によってウエハ上のプローブピンをカセットに積載する時間がそれぞれ異なり、熟練した人であっても、時間当たりの生産量に差が生じるため、正確に時間の経過に伴う半製品の生産量を予測することは困難であった。
【0009】
そして、従来はプローブピンを搬送する装置の厚さのために、プローブカードに取り付けられるプローブピン間の間隔を狭めることに限界があった。
【0010】
より具体的には、プローブカード上にプローブピンを把持して搬送するグリップモジュールが一定の厚さを有しているため、プローブピンの厚さを薄く製造しても、プローブカードに取り付けられるプローブピンの間隔が少なくともグリップモジュールの厚さ以下には狭められないという限界があった。
【0011】
したがって、プローブカード生産現場では、全自動で行われ、プローブピンに加わる衝撃を最小限に抑えることができ、また、プローブカードに取り付けられるプローブピンの間隔を最小化できるプローブピンボンディング装置に対する要求が高い実情である。
【0012】
以下、図1および図2を参照すると、本発明の出願人は、既に4面にそれぞれ取り付けられたピングリッパがターンテーブル方式で連続的に回転しながらプローブピンをプローブカードに自動でレーザボンディングするターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置を出願したことがある。
【0013】
図1は、従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の構成を一実施形態にしたがって示した平面図であり、図2は、図1のピックアップユニットを分離して示す斜視図である。
【0014】
図1を参照すると、従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置100は、ピックアップユニット110、ディッピングユニット120、レーザボンディングユニット130、サクションユニット140を含むことができる。
【0015】
まず、前記ピックアップユニット110は、複数のユニット120、130、140の中央に位置し、水平線上で360度回転しながらトレイT上に載置されたプローブピンPを搬送する役割を果たす。
【0016】
図1に示すように、前記ピックアップユニット110は、ピックアップユニット110の右側(図1参照)に配置されたトレイTからプローブピンPを取ってピックアップした後、時計回りに沿って90度ぐらい時間差を置いて回転できる。
【0017】
また、前記ピックアップユニット110の下側(図1参照)にはディッピングユニット120が配置され、前記ディッピングユニット120はピックアップユニット110によって時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPにはんだペースト(solder paste、図5参照)を塗布する役割を果たす。
【0018】
また、前記ピックアップユニット110の左側(図1参照)にはレーザボンディングユニット130が配置され、前記レーザボンディングユニット130はピックアップユニット110によってディッピングユニット120から時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPのはんだペーストにレーザビームを照射することにより、前記プローブピンPをプローブカードSにボンディングする役割を果たす。
【0019】
また、前記ピックアップユニット110の上側(図1参照)にはサクションユニット140が配置され、前記サクションユニット140はピックアップユニット110によってレーザボンディングユニット130から時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPのうち不良が発生した場合、前記不良プローブピンPを吸引して除去する役割を果たす。
【0020】
すなわち、前記ピックアップユニット110は、予め設定された角度(例えば、90度)ぐらいの時間差をおいて時計回りに回転しながらトレイTからプローブピンPを取って固定した後、ディッピングユニット120によるディッピング工程、レーザボンディングユニット130によるレーザボンディング工程、およびサクションユニット140によるサクション工程を順次に行う。
【0021】
以下、図2を参照して前記ピックアップユニットの構成について詳しく見てみると、次の通りである。
【0022】
前記ピックアップユニット110の最下端には、プローブピンPをグリップ(grip)して固定するための鉗子状のピングリッパ112が設けられる。
【0023】
また、前記ピングリッパ112の上端には、プローブピンPに一定のグリップフォース(grip force)が加わるようにピングリッパ112を制御するフォース制御部114が設けられる。
【0024】
また、前記ピングリッパ112とフォース制御部114は、Z軸駆動部116に装着された状態で、前記Z軸駆動部116の上下駆動により、前記ピングリッパ112とフォース制御部114も共に上下に昇降する。
【0025】
また、前記Z軸駆動部116は、四角ボックス状の本体部117の各側面に設けられ、前記本体部117は互いに垂直な4つの側面を有する。
【0026】
これにより、前記本体部117の各側面にピングリッパ112、フォース制御部114、およびZ軸駆動部116がそれぞれ設けられる。
【0027】
また、前記本体部117の上端には回転駆動部118が一体として結合されており、前記回転駆動部118の回転力により例えば、本体部117が90度ぐらい回転する。
【0028】
このとき、前記本体部117が回転すると、前記本体部117の各側面に固定結合されたピングリッパ112、フォース制御部114及びZ軸駆動部116も、前記本体部117と共に回転する。
【0029】
また、前記回転駆動部118の上端回転軸118aには、ガントリークレーンの形の支持フレーム119が結合されているので、前記支持フレーム119によって回転駆動部118を含むピックアップユニット110が回転できるように支持する。
【0030】
したがって、前記ピックアップユニット110によってトレイT上に置かれた状態で供給されるプローブピンPをピックアップして、水平線上で予め設定された所定の角度ぐらい時計回りに搬送することができる。
【0031】
しかし、上述した従来のプローブピンレーザボンディング装置のピックアップユニットは、日々マイクロメータの単位で微細化していくプローブピンをピックアップ、ディッピング、レーザボンディングする工程を連続的に処理するためには、何よりもピングリッパがマイクロメートルの単位でX、Y、Z軸方向に直線または回転運動し、非常に精密かつ自由に搬送しなければならない改善課題が残っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【文献】韓国登録特許第1748583号
【0033】
【文献】韓国登録特許第1879376号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消できるように発明されたものであり、4面にそれぞれ取り付けられたピングリッパがターンテーブル方式で連続的に回転しながらプローブピンをプローブカードに自動にレーザボンディングするターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置において、前記レーザボンディング装置に適用され、マイクロメートル単位で非常に精密に多軸方向、例えばX軸、Y軸、Xθ軸、Yθ軸、グリッパ軸方向に自由に直線又は回転運動しながらプローブピンのピックアップ、ディッピング、レーザボンディング工程を連続的に処理できるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
上記の目的を達成するための本発明に係る一実施形態によれば、水平線上で360度回転しながらトレイ上に置かれたプローブピンを一対の左右の鉗子からなるピングリッパで取った後、搬送するピックアップユニットと、前記ピックアップユニットにより搬送されたプローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニットと、前記ピックアップユニットによってディッピングユニットから搬送されたプローブピンのはんだペーストにレーザビームを照射することにより、前記プローブピンをプローブカードにボンディングするレーザボンディングユニットを含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットにおいて、前記ピックアップユニットの端部に設けられ、ピングリッパをX軸またはY軸方向にリニア搬送するX軸およびY軸リニア搬送モジュールと、前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュールとピングリッパとの間に設けられ、ピングリッパをXθ軸またはYθ軸方向に回転させるXθ軸およびYθ軸回転搬送モジュール、および、前記Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュールとピングリッパの間に設けられ、前記ピングリッパがプローブピンを取ったり、放したりできるように、ピングリッパ間の隙間を狭めたり、離したりできるように搬送させるグリッパ軸のリニア搬送モジュールとを設けて構成される。
【0036】
さらに本発明に係る一実施形態によれば、前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュールはそれぞれベースフレームと、前記ベースフレームにX軸またはY軸方向に配置された圧電アクチュエータ、および、前記圧電アクチュエータの動きによってX軸およびY軸方向にリニア搬送されるスライドフレームとを設けて構成される。
【0037】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記圧電アクチュエータは、スライドフレームに一体に結合されたチューブピン部材に挿入された状態で設けられ、前記圧電アクチュエータの動きによってチューブピン部材およびスライドフレームをX軸またはY軸方向にリニア搬送する。
【0038】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、前記ベースフレームおよびスライドフレームにそれぞれスケールバーおよびエンコーダPCBがさらに取り付けられ、スライドフレームのX軸またはY軸方向のリニア搬送量を制御する。
【0039】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュールはそれぞれカバーフレームと、カバーフレーム間に回転可能に設けられたロータリーブロックと、カバーフレームを貫通して連結された状態でロータリーブロックをXθ軸またはYθ軸方向に回転させる圧電アクチュエータとを設けて構成される。
【0040】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記ロータリーブロックの回転軸の一側には、少なくとも2つ以上のプレートスプリングが係合されるとともに、圧電アクチュエータが前記プレートスプリング間に挿入された状態で設けられ、前記圧電アクチュエータのモーションによりプレートスプリング及びロータリーブロックをXθ軸またはYθ軸の方向に回転搬送する。
【0041】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、前記カバーフレームおよびロータリーブロックには、それぞれスケールバーおよびエンコーダPCBがさらに追加され、ロータリーブロックのXθ軸またはYθ軸方向の回転搬送量を制御する。
【0042】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、前記グリッパ軸のリニア搬送モジュールはグリッパベースフレームと、前記グリッパベースフレームにX軸方向に嵌合して設けられた圧電アクチュエータ、および前記圧電アクチュエータの動きによってX軸方向にリニア搬送されるグリッパスライドフレームとを設けて構成される。
【0043】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、前記グリッパベースフレームおよびグリッパスライドフームには、ピングリッパの左右の鉗子の一方がそれぞれ固定され、前記グリッパスライドフレームのX軸方向のリニア搬送に応じてピングリッパがプローブピンを取ったり、放したりできるようにピングリッパの左、右鉗子間の隙間が狭くなったり広がったりできるように動作する。
【0044】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、前記グリッパベースフレームおよびグリッパスライドフレームには、それぞれスケールバーとエンコーダPCBがさらに取り付けられ、グリッパスライドフレームのX軸方向のリニア搬送量を制御する。
【発明の効果】
【0045】
前述のような本発明は、ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置に取り付けられた多軸グリッパユニットがマイクロメータ単位で非常に精密に多軸方向、例えばX軸、Y軸、Xθ軸、Yθ軸、グリッパX軸方向で自由に直線または回転運動し、プローブピンのピックアップ、ディッピング、レーザボンディング処理が可能であることにより、プローブピンボンディング工程の効率および精密度が大幅に向上する効果がある。
【0046】
これにより、マイクロメータ単位で日々微細化していくプローブピンのレーザボンディング工程に備えられることはもちろん、プローブピンのピックアップ、ディッピング、レーザボンディング等の工程を連続的に行う間に非常に微細で精巧したプローブピンに加えられる物理的な損傷を最小限に抑える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の構成を本発明に係る一実施形態により示した平面図である。
図2】本発明に係る図1のピックアップユニットを分離して示した斜視図である。
図3】本発明に係るターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットを一実施形態により全体的に示した斜視図である。
図4】本発明に係る図3のX軸及びY軸のリニア搬送モジュールを拡大して示した要部分解斜視図である。
図5】本発明に係る図3のYθ軸の回転搬送モジュールを拡大して示した要部分解斜視図である。
図6】本発明に係る図3のXθ軸の回転搬送モジュールを拡大して示した要部分解斜視図である。
図7】本発明に係る図3のグリッパ軸のリニア搬送モジュールを拡大して示した要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに他のことを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」乃至「設ける」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはその以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことを理解されるべきである。
【0049】
本明細書において別の定義がない限り、技術的または科学的用語を含み本明細書において用いられるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を表す。
【0050】
一般的に使われる辞書で定義している用語は、関連技術の文脈上の有する意味と一致する意味があることと解釈されるべきであり、本明細書において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0051】
以下、添付の図3図7を参照して、本発明に係る一実施形態によるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットについて具体的に見てみると、以下の通りである。
【0052】
まず、本発明は、前述の図1及び図2で説明したように、水平線上で360度回転しながらトレイ上に置かれたプローブピンを一対の左右の鉗子からなるピングリッパで取った後、搬送するピックアップユニットと、前記ピックアップユニットによって搬送されたプローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニットと、前記ピックアップユニットによりディッピングユニットから搬送されたプローブピンのはんだペーストにレーザビームを照射することにより、前記プローブピンをプローブカードにボンディングするレーザボンディングユニットを含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットに関する。
【0053】
図3は、本発明に係るターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の多軸グリッパユニットを一実施形態に従って全体的に示す斜視図である。
【0054】
図3を参照すると、本発明に係る多軸グリッパユニットは、一実施形態に従って5軸モジュールとして構成することができる。
【0055】
まず、5軸モジュールの第1、第2の構成要素として、ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置のピックアップユニット110の端部に設けられ、ピングリッパ112をX軸またはY軸の方向にリニア搬送するX軸およびY軸のリニア搬送モジュール1100:1110、1120を設ける。
【0056】
また、本発明は、第3、第4の構成要素として、前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュール1100とピングリッパ112との間に設けられ、前記ピングリッパ112をXθ軸またはYθ軸の方向に回転させるXθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュール1200:1210、1220を設ける。
【0057】
また、本発明は、第5の構成要素として、前記Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュール1200とピングリッパ112との間に設けられ、前記ピングリッパ112がプローブピン(図示せず)をとったり、離したりできるようにピングリッパ112間の隙間を狭くしたり広げたりできるように搬送するグリッパ軸のリニア搬送モジュール1300を設ける。
【0058】
また、図3に示すように、前記グリッパ軸のリニア搬送モジュール1300にピングリッパ112をねじ込み固定するための別途のブラケット1500をさらに設けることができる。
【0059】
【0060】
図4は、図3のX軸およびY軸のリニア搬送モジュールを拡大して示す要部分解斜視図である。
【0061】
図4を参照すると、前記X軸およびY軸のリニア搬送モジュール1110、1120は、それぞれ、「凹字型」のベースフレーム1111、1121と、前記ベースフレームにX軸またはY軸の方向に配置される圧電アクチュエータ1114、1124と、前記圧電アクチュエータ1114、1124に電気エネルギーが加わることによって選択的に加えられる振動などのモーションによってX軸またはY軸の方向にリニア搬送されるスライドフレーム1112、1122を含んで設けられる。
【0062】
前記圧電アクチュエータは、一例として圧電セラミックを用いた超小型圧電アクチュエータであってもよい。前記超小型圧電アクチュエータは、片方向に分極された圧電セラミックに電界を印加することにより、分極方向と印加される電界方向に応じて圧電セラミックに収縮または膨張運動が発生し、このような屈曲振動を移動軸に伝達して移動体がリニア運動をするようになる。
【0063】
また、前記圧電アクチュエータ1114、1124は、スライドフレーム1112、1122に一体に取り付けられたチューブピン部材1113、1123に挿入された状態で設けられ、前記圧電アクチュエータ1114、1124に電気エネルギーが加わると振動などの微細なモーションが発生し、前記圧電アクチュエータ1114、1124の動作によりチューブピン部材1113、1123およびスライドフレーム1112、1122はX軸またはY軸の方向に非常に精密にリニア搬送される。
【0064】
また、前記ベースフレーム1111、1121およびスライドフレーム1112、1122には、それぞれスケールバー1115、1125とエンコーダPCB1116、1126がさらに取り付けられていることにより、スライドフレーム1112、1122のX軸またはY軸の方向のリニア搬送量が精密に制御される。
【0065】
これにより、前記圧電アクチュエータ1114、1124とスケールバー1115、1125およびエンコーダPCB1116、1126の構成により、X軸およびY軸のリニア搬送モジュール1110、1120は、スライドフレーム1112、1122をマイクロメートル単位で非常に精密にリニア搬送する。
【0066】
【0067】
図5は、図3のYθ軸の回転搬送モジュールを拡大して示す要部分解斜視図である。
【0068】
図5を参照すると、前記Yθ軸の回転搬送モジュール1210は、それぞれ一対の左右のカバーフレーム1211-L、1211-Rと前記カバーフレーム1211-L、1211-Rとの間に回転可能に設けられたロータリーブロック1212と、前記カバーフレーム1211-L、1211-Rを貫通して結合した状態でロータリーブロック1212をYθ軸の方向に回転させる圧電アクチュエータ1214とを含んで設けられる。
【0069】
前記ロータリーブロック1212は、図5に示すように、本発明に係る一実施形態により回転軸の一部に円弧状の丸みを帯びた湾曲面を有する回転束として形成され、前記丸みを帯びた湾曲面の左右の面にそれぞれ一対のプレートスプリング1213が結合される。
【0070】
このとき、プレートスプリング1213は、少なくとも1つ以上のスペーサ1217によって一定の間隔ぐらい互いに離れた状態でロータリーブロック1212に固定結合される。
【0071】
続いて、前記圧電アクチュエータ1214は、一対のプレートスプリング1213の間に挿入された状態で配置されることにより、前記圧電アクチュエータ1214の振動など微細な動きによりプレートスプリング1213およびロータリーブロック1212がYθ軸の方向に精密に回転搬送される。
【0072】
また、前記左、右のカバーフレーム1211-L、1211-Rおよびロータリーブロック1212には、それぞれスケールバー1215とエンコーダPCB1216がさらに取り付けられ、ロータリーブロック1212のXθ軸またはYθ軸方向の回転搬送量を精密に制御する。
【0073】
【0074】
図6は、図3のXθ軸の回転搬送モジュールを拡大して示す要部分解斜視図である。
【0075】
図6は、Xθ軸の回転搬送モジュールの本発明に係る一実施形態を示すもので、前記図5のカバーフレーム構成とは異なり、図6のXθ軸の回転搬送モジュールのカバーフレーム1221は一体型で形成することができ、残りの構成1222、1223、1224、1225、1226、1227は、図5の構成と同様に適用することができる。以下、図5の構成と同一の構成については説明を省略する。
【0076】
【0077】
図7は、図3のグリッパ軸のリニア搬送モジュールを拡大して示す要部分解斜視図である。
【0078】
図7を参照すると、前記グリッパ軸のリニア搬送モジュール1300は、グリッパベースフレーム1301と、前記グリッパベースフレーム1301にX軸方向に嵌合して設けられた圧電アクチュエータ1304と、前記圧電アクチュエータ1304の動きによってX軸の方向にリニア搬送されるグリッパスライドフレーム1302を含んで設けられる。
【0079】
前記圧電アクチュエータ1304は、グリッパスライドフレーム1302と結合されたチューブピン部材1303に挿入された状態で、圧電アクチュエータ1304に振動等の微細な動きが生じると、チューブピン部材1303およびグリッパスライドフレーム1302をX軸の方向にマイクロメートルのスケールで精密にリニア搬送する。
【0080】
このとき、前記グリッパベースフレーム1301およびグリッパスライドフレーム1302には、前述の図3に示すように、ピングリッパ112の左右の鉗子112-L、112-Rがそれぞれ固定され、前記グリッパスライドフレーム1302のX軸の方向のリニア搬送によって、ピングリッパ112がプローブピン(図示せず)を取ったり、放したりできるように、ピングリッパ112の左、右鉗子112-L、112-Rの間の隙間が狭くなったり広がったりできるように動作する。
【0081】
また、前記グリッパベースフレーム1301およびグリッパスライドフレーム1302には、それぞれスケールバー1305とエンコーダPCB1306がさらに取り付けられ、グリッパスライドフレーム1302のX軸の方向でのリニア搬送量を精密に制御する。
【0082】
【0083】
なお、本発明は、ただ前述の説明した一実施形態によってのみ限定されるものではなく、装置の細部構成や個数及び配置構造を変更する際にも同様の効果を生み出すことのできるものであるため、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば本発明の技術的思想の範囲内で様々な構成の追加および削除、変形が可能であることを明示する。
【符号の説明】
【0084】
112(112-L、112-R):ピングリッパ(左、右トング)
1000:(本発明)多軸グリッパユニット
1100:X軸およびY軸のリニア搬送モジュール
1110:X軸のリニア搬送モジュール
1120:Y軸のリニア搬送モジュール
1111、1121:ベースフレーム
1112、1122:スライドフレーム
1113、1123:チューブピン部材
1114、1124:圧電アクチュエータ
1115、1125:スケールバー
1116、1126:エンコーダPCB
1200:Xθ軸およびYθ軸の回転搬送モジュール
1210:Yθ軸の回転搬送モジュール
1220:Xθ軸の回転搬送モジュール
1211:カバーフレーム
1212、1222:ロータリーブロック
1213、1223:プレートスプリング
1214、1224:圧電アクチュエータ
1215、1225:スケールバー
1216、1226:エンコーダPCB
1217、1227:スペーサ
1300:グリッパ軸のリニア搬送モジュール
1301:グリッパベースフレーム
1302:グリッパスライドフレーム
1303:チューブピン部材
1304:圧電アクチュエータ
1305:スケールバー
1306:エンコーダPCB

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7