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特許7408199生物流体収容容器及びこれに用いる容器本体、閉止体並びに脱落防止体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】生物流体収容容器及びこれに用いる容器本体、閉止体並びに脱落防止体
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/453 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A61F5/453
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023075234
(22)【出願日】2023-04-28
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2023013553
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519401332
【氏名又は名称】イントロン・スペース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】明珍 光将
(72)【発明者】
【氏名】玉置 俊明
(72)【発明者】
【氏名】岡部 裕介
【審査官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-290365(JP,A)
【文献】特表平11-513597(JP,A)
【文献】特開2013-099502(JP,A)
【文献】特開2017-123999(JP,A)
【文献】実開昭49-115322(JP,U)
【文献】国際公開第2021/090621(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44- 5/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、前記収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、
前記収容部が、左右方向に膨出部分を備えた扁平形状であり、
前記逆止弁部が、実質的に左右方向を長手方向とするスリット状の弁開口を形成していることを特徴とする容器本体。
【請求項2】
生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、該収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、
前記誘導部の支持部分が、大径部位と該大径部位よりも前記導入部に近い位置に形成された小径部位とを備え、
前記収容部の収容空間底部分が、前記小径部位に対応する位置に配置されていることを特徴とする容器本体。
【請求項3】
生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、該収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、
前記誘導部の最小厚み寸法が、前記導入部の最小厚み寸法よりも小さく構成されていることを特徴とする容器本体。
【請求項4】
前記収容部が、前記導入部及び前記排出部のいずれの部位の伸張性よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器本体。
【請求項5】
前記収容部、前記誘導部及び前記導入部が同一素材からなり、
前記収容部の最小厚み寸法が前記誘導部の最小厚み寸法及び前記導入部の最小厚み寸法のいずれよりも小さく構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器本体。
【請求項6】
前記逆止弁部が、相互に近接する位置に離間して前記収容部に向けて対向配置されている一対の弁膜部分を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器本体。
【請求項7】
前記誘導部が、前記中空の導入部に形成されている導入路の内径寸法の半分よりも大きい長さ寸法に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器本体。
【請求項8】
生物流体を収容する中空の収容部と該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する中空の導入部とを少なくとも備えている容器本体と閉止体とからなる生物流体収容容器と共に用いる筒状の脱落防止体であって、
半円筒形状の表側外面部分と半円筒形状の表側内面部分とを備えて一定の厚みを有する半円筒形状の表側被覆部と、平坦な裏側外面部分と略V字状の断面形状を有する裏側内面部分とを備えて中央に向けて厚みを減じる形状の裏側被覆部とを、柔軟性を有する素材により一体に形成してなることを特徴とする脱落防止体。
【請求項9】
前記表側被覆部が、前記表側内面部分から前記表側外面部分まで連通する包皮収容窓部分を備えていることを特徴とする請求項8に記載の脱落防止体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物流体収容容器及びこれに用いる容器本体、閉止体並びに脱落防止体に関するものであり、特に人体から排泄される尿を収容する容器及び陰茎に対して用いる脱落防止体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生物流体収容容器としては、亀頭冠に密接配置して装着する環状の接着パッドにより外部装着部と陰茎との隙間から尿が漏出することを防ぐ男性用の排尿装置(特許文献1参照)、着衣の開口部にリング付きのバンドで尿の収容袋を装着する女性用の排尿用具(特許文献2参照)、撥水性フィルムと一体になった陰茎挿入袋と尿の収容容器とを逆止弁を内蔵したパイプにより接続した排尿器具(特許文献3参照)、逆止弁を内蔵した着衣中に装着可能な小型の尿収容容器(特許文献4参照)、陰茎に装着したチューブにより排尿を股間に装着した収容容器に流下させて収容し、収容容器のバルブから尿を排出する排尿器具(特許文献5参照)、亀頭の先端部に閉縮状態で装着し、射精に伴って拡開可能な精液収容袋を備えたコンドーム(特許文献6参照)、筒状で入口近傍が肉厚で中間部分が肉薄となっている柔軟素材の精液採取器(特許文献7参照)、陰茎を被覆する装着部の排出口と収容容器とを逆止弁を備えたチューブで接続している尿収容容器(特許文献8参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭58-1445号公報
【文献】特開2016-52393号公報
【文献】特開2000-157566号公報
【文献】特開2004-57747号公報
【文献】米国特許出願公開第2005/251100号公報
【文献】米国特許第5458114号公報
【文献】実用新案登録第3146490号公報
【文献】特開2021-74491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の生物流体収容容器は、身体に装着して携行できず、装置が硬い素材から構成されていて装着感が悪い(引用文献1)、構成が複雑である(引用文献1、2、3)、採尿時の尿漏れが生じるおそれがある(引用文献3、4)、排尿量が収容量を超えるおそれがある(引用文献2、3、4、5)、尿の収容に適していない(引用文献6、7)などの問題を有していた。
【0005】
本出願人は、これらの課題を総合的に解決するべく、本出願に先立って尿の収容容器に係る発明を出願したが(特許文献8参照)、人体の排泄器官に対する装着部の具体的な構成を開示するには至らなかった。
【0006】
その後の持続的な研究の結果、本発明者らは、生物流体、特に尿の収容容器について、生物流体を収容する中空の収容部と、この収容部の一方に連通して生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、収容部の他方に連通して生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、収容部と導入部とが連通している部位において収容部内に向けて形成して生物流体を収容部内に誘導する中空の誘導部と、この誘導部に形成して生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体と、柔軟性を有する素材で構成した閉止体とからなる生物流体収容容器を開発した。
【0007】
この新規な生物流体収容容器に係る発明を詳細に検討する中で、本発明者らは、生物流体収容容器に関してさらに解決すべき、以下の新規な課題を見出すに至った。
【0008】
<容器本体の課題>
生物流体収容容器の容器本体を、低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成すると、(1)陰茎への装着部が高い柔軟性及び高い伸張性により変形し易いため、装着部が陰茎から脱落しやすく、また、(2)誘導部が変形し易いため、逆止弁の開口位置が外尿道口からずれて外尿道口が閉塞し、排尿が適切に収容部に誘導されないおそれがあり、更に、(3)逆止弁部及び誘導部が変形し易いため、収容部に外部から圧力が加わると逆止弁部と誘導部が裏返って尿の逆流が発生するおそれがあり、更にまた、(4)ダックビルバルブ、アンブレラバルブ等の従来の逆止弁の構造では、尿圧が低い場合に逆止弁が開口せずに尿が適切に収容部に誘導されない場合があり、これらに加えて、(5)収容部を導入部より高い位置に保持する構成にすると、重力の影響により尿が収容部に適切に誘導されない場合がある。
【0009】
<閉止体の課題>
(6)装着感を良くするために柔軟性を有する素材で閉止体を構成すると、閉止体の変形により容器本体の排出口の閉鎖が不十分となって尿が漏出するおそれがある。
【0010】
<脱落防止体の課題>
(7)容器本体の脱落を防止するために、筒状の脱落防止体を陰茎に装着すると、圧迫により排尿が妨げられるおそれがあり、また、包皮にたるみがある陰茎に脱落防止体を装着すると、(8)包皮が亀頭先端の方へ戻ることに起因して亀頭部が大径部位から導入口へと相対移動することにより、大径部位に空間が生じて陰茎が容器本体から抜けてしまうおそれがあり、更に、(9)包皮が陰茎の先端方向に脱落防止体と共に移動して亀頭全体を覆うことにより排尿及び集尿が妨げられるおそれがある。
【0011】
そこで、本発明は、従来技術の問題を解決し、更に、本発明者らが開発の途上において見出した新規な課題をも解決しようとするものである。
【0012】
すなわち、本発明の第1の目的は、生物流体収容容器について、人体に装着して携行でき、単純な構成で、装着感が良く、採尿時に尿漏れせず、排尿量の多寡に対応する生物流体収容容器を提供することである。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、生物流体収容容器の容器本体について、低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成しても、容器本体が陰茎から脱落しにくく、排尿が確実に収容部に誘導され、外部圧力による尿の逆流が発生せず、尿圧が低い場合であっても適切に収容部に誘導することができ、収容部を導入部より高い位置に保持しても尿を収容部に誘導する容器本体を提供することである。
【0014】
さらに、本発明の第3の目的は、生物流体収容容器の閉止体について、装着感を良くするために柔軟性を有する素材により構成しても、尿の漏出を確実に防止するとともに、容易な操作で尿を排出させる閉止体を提供することである。
【0015】
これらに加えて、本発明の第4の目的は、生物流体収容容器を使用する際に、陰茎が容器本体から抜け出してしまう不都合を防止し、陰茎に装着しても排尿及び集尿が妨げられない脱落防止体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本請求項1に係る発明は、生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、前記収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、前記収容部が、左右方向に膨出部分を備えた扁平形状であり、前記逆止弁部が、実質的に左右方向を長手方向とするスリット状の弁開口を形成していることにより、前述した課題を解決するものである。
【0017】
本請求項2に係る発明は、生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、該収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、前記誘導部の支持部分が、大径部位と該大径部位よりも前記導入部に近い位置に形成された小径部位とを備え、前記収容部の収容空間底部分が、前記小径部位に対応する位置に配置されていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0018】
本請求項3に係る発明は、生物流体を収容する中空の収容部と、該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、該収容部の他方に連通して前記生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、前記収容部と前記導入部とが連通している部位において前記収容部内に向けて形成して前記生物流体を前記収容部内に誘導する中空の誘導部と、前記誘導部に形成して前記生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなる容器本体であって、前記誘導部の最小厚み寸法が、前記導入部の最小厚み寸法よりも小さく構成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0019】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記収容部が、前記導入部及び前記排出部のいずれの部位の伸張性よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0020】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記収容部、前記誘導部及び前記導入部が同一素材からなり、前記収容部の最小厚み寸法が前記誘導部の最小厚み寸法及び前記導入部の最小厚み寸法のいずれよりも小さく構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0021】
本請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記逆止弁部が、相互に近接する位置に離間して前記収容部に向けて対向配置されている一対の弁膜部分を備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0022】
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記誘導部が、前記中空の導入部に形成されている導入路の内径寸法の半分よりも大きい長さ寸法に構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0023】
本請求項8に係る発明は、生物流体を収容する中空の収容部と該収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する中空の導入部とを少なくとも備えている容器本体と閉止体とからなる生物流体収容容器と共に用いる筒状の脱落防止体であって、半円筒形状の表側外面部分と半円筒形状の表側内面部分とを備えて一定の厚みを有する半円筒形状の表側被覆部と、平坦な裏側外面部分と略V字状の断面形状を有する裏側内面部分とを備えて中央に向けて厚みを減じる形状の裏側被覆部とを、柔軟性を有する素材により一体に形成してなることにより、前述した課題を解決するものである。
【0024】
本請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明の構成に加えて、前記表側被覆部が、前記表側内面部分から前記表側外面部分まで連通する包皮収容窓部分を備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1乃至請求項3に係る発明の容器本体によれば、生物流体を収容する中空の収容部と、この収容部の一方に連通して生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、収容部の他方に連通して生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、収容部と導入部とが連通している部位において収容部内に向けて形成して生物流体を収容部内に誘導する中空の誘導部と、この誘導部に形成して生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなることにより、身体に装着して携行でき、単純な構成で、装着感が良く、採尿時に尿漏れせず、収容量が排尿量の多寡に対応することができるばかりか、本願発明に固有の以下の構成により、本願発明に固有の以下の効果を奏することができる。
【0026】
請求項1に係る発明の容器本体によれば、収容部が、左右方向に膨出部分を備えた扁平形状であり、逆止弁部が、実質的に左右方向を長手方向とするスリット状の弁開口を形成していることにより、身体への装着時に外尿道口の長径方向に対し逆止弁の弁開口の長径方向がほぼ直交して外尿道口と逆止弁開口とが重なる配置となるため、装着時に逆止弁部の弁開口が外尿道口から位置ずれすることにより発生する外尿道口の閉塞を防止することができる。
【0027】
請求項2に係る発明の容器本体によれば、誘導部の支持部分が、大径部位とこの大径部位よりも導入部に近い位置に形成された小径部位とを備え、収容部の収容空間底部分が、小径部位に対応する位置に配置されていることにより、収容部に収容された生物流体の内圧の増大に応じて、収容空間底部分で誘導部の小径部位を外側から内側に向けて押し付ける力が生じて陰茎を保持する力が高まるため、陰茎が導入部から抜け出すことなく、容器本体の脱落を防止することができる。
【0028】
本請求項3に係る発明の容器本体によれば、誘導部の最小厚み寸法が、導入部の最小厚み寸法よりも小さく構成されていることにより、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、誘導部が導入部に先行して膨張するため、導入部が誘導部に先行して膨張して陰茎が誘導部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができる。
【0029】
請求項4に係る発明の容器本体によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加えて、収容部が、導入部及び排出部のいずれの部位の伸張性よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えていることにより、容器本体に初期容量以上の生物流体を収容する際に、収容部のうち大きい伸張性を有する部位が他の部位に先行して膨張するため、導入部が先行して膨張し、その結果亀頭が導入部から抜け出すことによる脱落、及び、排出部が先行して膨張することによる生物流体の漏洩等の不都合を防止することができる。
【0030】
本請求項5に係る発明の容器本体によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加えて、収容部及び導入部が同一素材からなり、収容部の最小厚み寸法が誘導部の最小厚み寸法より小さく構成されていることにより、収容部が誘導部よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えて、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、収容部が誘導部に先行して膨張するため、収容部の内圧により逆止弁部が閉鎖したまま誘導部が膨張して収容不能となることを防止することができる。
【0031】
また、収容部及び導入部が同一素材からなり、収容部の最小厚み寸法が導入部の最小厚み寸法よりも小さく構成されていることにより、収容部が導入部よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えて、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、収容部が導入部に先行して膨張するため、導入部が収容部よりも先行して膨張して陰茎が導入部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができる。
【0032】
本請求項6に係る発明の容器本体によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加えて、逆止弁部が、相互に近接する位置に離間して収容部に向けて対向配置されている一対の弁膜部分を備えていることにより、生物流体が導入部から収容部に向けて流れる正流が生じた際に、逆止弁の弁開口が伸張性によりさらに拡大するため、生物流体を収容部内に効率よく誘導することができる。また、外部からの圧力等により生物流体が収容部から誘導部に向けて流れる逆流が生じる際に、逆止弁部の弁開口が柔軟性により直ちに閉鎖するため、逆流の発生を確実に防止することができる。
【0033】
本請求項7に係る発明の容器本体によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加えて、誘導部が、中空の導入部に形成されている導入路の内径寸法の半分よりも大きい長さ寸法に構成されていることにより、生物流体を収容部内に収容している状態では、生物流体の内圧により誘導部が導入部方向に押されて変形し、誘導部に連通している導入部の導入路を閉塞するため、使用中に導入部が不意に陰茎から脱落した際にも、収容している生物流体の逆流・漏出を防止することができる。
【0034】
本請求項8に係る発明の脱落防止体によれば、生物流体を収容する中空の収容部とこの収容部の一方に連通して前記生物流体を導入する中空の導入部とを少なくとも備えている容器本体と閉止体とからなる生物流体収容容器と共に用いる筒状の脱落防止体であることにより、脱落防止体に陰茎を挿入して装着すれば、陰茎の外径を実質的に増大させるため、導入部において陰茎を保持する力が高まり、陰茎が導入部から抜け出すことなく、容器本体の脱落を防止することができる。
【0035】
また、脱落防止体が、半円筒形状の表側外面部分と半円筒形状の表側内面部分とを備えて一定の厚みを有する半円筒形状の表側被覆部と、平坦な裏側外面部分と略V字状の断面形状を有する裏側内面部分とを備えて中央に向けて厚みを減じる形状の裏側被覆部とを、柔軟性を有する素材により一体に形成してなることにより、陰茎に装着した際に尿道への圧迫を緩和し、更に、脱落防止体を陰茎に装着した状態で容器本体を装着すると、導入部が外側から内側に向かって押し付ける力により、脱落防止体の裏側被覆部の中央の屈曲部分が外向きに曲がって尿道への圧迫の緩和が持続するため、速やかな排尿を妨げることなく、更に陰茎が導入部から抜け出すことなく、容器本体の脱落を防止することができる。
【0036】
本請求項9に係る発明によれば、請求項8が奏する効果に加えて、表側被覆部が、表側内面部分から表側外面部分まで連通する包皮収容窓部分を備えていることにより、脱落防止体を陰茎に装着した際にたるんだ包皮が包皮収容窓部分内に留まるように固定されるため、包皮にたるみがある陰茎に脱落防止体を装着した際に、包皮が亀頭の先端方向に戻ることに起因して亀頭が容器本体の大径部位から導入口部分に相対移動することにより、大径部位の近傍に空間が生じて陰茎が容器本体から抜けてしまう不都合を防止することができ、また、脱落防止体と共に包皮が陰茎の先端方向に移動して亀頭全体を覆うことにより排尿及び集尿が妨げられる不都合を防止することができる。
【0037】
更に、表側被覆部が、表側内面部分から表側外面部分まで連通する包皮収容窓部分を備えていることにより、脱落防止体の装着時に包皮を陰茎の根本方向に無理に押し下げる必要がないため、使用者の不快感を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用者が陰茎に装着している状態を表す模式図。
図2A】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器の容器本体を表す模式的正面図。
図2B】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器の容器本体を表す模式的側面図。
図3図1における模式的III-III断面図。
図4】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を示す模式的斜視図。
図5A】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用して収容部に尿が収容されている様子を示す模式的正面図。
図5B】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用して収容部に尿が収容されている様子を示す模式的側面図。
図6A】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器に収容されている生物流体を排出させる様子を示す模式図。
図6B】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器に収容されている生物流体を排出させる方向を調整する様子を示す模式図。
図7A】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器が使用中に陰茎から脱落した状態の第1の例を示す模式図。
図7B】本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器が使用中に陰茎から脱落した状態の第2の例を示す模式図。
図8】本発明の第2実施例に係る容器本体を示す模式的斜視図。
図9】本発明の第3実施例に係る収容部が、複数組の誘導部と逆止弁部とを備えている様子を示す模式図。
図10A】本発明の第4実施例に係る収容部が、複数組の誘導部と逆止弁部とを備えている様子を示す模式図。
図10B図10Aに示す収容部において生物流体を上方に移動させる様子を示す模式図。
図11】本発明の第1参考例に係る閉止体を示す図。
図12A図11におけるXII―XII断面の第1の例を示す模式的断面図。
図12B図11におけるXII―XII断面の第2の例を示す模式的断面図。
図12C図11におけるXII―XII断面の第3の例を示す模式的断面図。
図13A】本発明の第2参考例に係る閉止体を示す図。
図13B図13Aに示す閉止体の閉止弁部が開口している様子を示す図。
図14図13AにおけるXIV―XIV断面図。
図15】本発明の第3参考例に係る閉止体を示す図。
図16図15に示す閉止体の平面図。
図17図16におけるXVII―XVII断面図。
図18図16におけるXVIII―XVIII断面図。
図19】本発明の第4参考例に係る閉止体を示す模式図。
図20図19における模式的XX―XX断面図。
図21】本発明の第5実施例に係る脱落防止体を陰茎に装着した上で生物流体収容容器を装着している様子を表す模式図。
図22A図21に示す脱落防止体を挿入方向からみた模式図。
図22B図21に示す脱落防止体の模式的側面図。
図23図21における模式的XXIII―XXIII断面図。
図24A】本発明の第6実施例に係る脱落防止体の模式的斜視図。
図24B図24Aに示す脱落防止体の模式的平面図。
図24C図24Aに示す脱落防止体の模式的側面図。
図25図24Aに示す脱落防止体を陰茎に装着した様子を表す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
まず、本発明を実施するための形態を説明するための用語の定義を示す。
<「生物流体」の定義>
本明細書において「生物流体」という用語は、動物の血液、リンパ液、組織液若しくは体腔液その他の体液又は植物の導管液若しくは篩管液等、生体内に存在し又は生体から排出され若しくは導出される溶液、懸濁液又は乳濁液等の水分を含む流動体を指し、特にヒトの尿、経血又は便を含む概念として用いる。
【0040】
<「硬度」の定義>
本明細書において「硬度」とは、「JIS K 6253」に準拠して測定する硬度の値を意味する。本発明に係る生物流体収容容器の容器本体に用いる素材は極めて低硬度であるため、タイプEデュロメータ(スプリング式硬度計)を用いて測定する。この測定値が大きいほど硬度が高い(すなわち硬くて変形しにくい)ことを意味する。
【0041】
したがって、ある素材で生物流体収容容器の容器本体を構成する場合には、素材の硬度が小さいほど柔軟に変形しやすい物性を示すこととなる。
【0042】
<「伸張性」の定義>
本明細書において「伸張性」とは、単一素材又は複合素材について、素材の厚みをT(ミリメートル)、「JIS K 6251」に準拠して測定する素材に対する70%伸び時の引張り応力をσ(ニュートン/平方ミリメートル)としたときに、
1/σ×T(ミリメートル/ニュートン)
と表される測定値であり、この値が大きいほど単位圧力当たりの伸びが大きいこと、すなわち伸びやすいことを示す。また、「伸張性が高い素材」とは、同じ厚みにおいて比較したときに伸張性がより大きくなる素材を指す。
【0043】
<「伸張度」の定義>
本明細書において「伸張度」とは、「JIS K 6251」に準拠して測定する「伸び(Elongation)」であり、試験前の試験長さに対する比率(単位:%)で表される値である。
【0044】
生物流体収容容器の容器本体を単一素材で構成する場合には、伸張度が高い素材ほど、単位圧力当たりの伸びが大きく、収容する生物流体の内圧によって膨張しやすい物性を示す。
【0045】
また、生物流体収容容器の容器本体を複合素材で構成する場合には、複合素材の伸張性が高いほど単位圧力当たりの伸びが大きく、収容する生物流体の内圧によって膨張しやすい物性を示す。
【0046】
結果として、単一素材であれ複合素材であれ、素材の伸張性が高いほど単位圧力当たりの伸びが大きく、収容する生物流体の内圧によって膨張しやすい物性を示すこととなる。
【0047】
<「最小厚み寸法」の定義>
本明細書において「最小厚み寸法」とは、生物流体収容容器の容器本体を構成する収容部、導入部、排出部又は誘導部という構成単位ごとに各部位の厚み寸法を測定した際に、当該構成単位の中で最も小さい値を指す。例えば、収容部の最小厚み寸法とは、収容部の各部位がそれぞれ有している厚み寸法のうち、最も小さい値を指す。
【0048】
なお、脱落防止体については、「最小厚み寸法」とは、脱落防止体の各部位の厚み寸法を測定した際に最も小さい値を指す。
【0049】
本発明に係る容器本体を同一素材により一体に作成した場合には、最小厚み寸法を示す部位において、最大の伸張性を示すこととなる。
【0050】
<初期容量の定義>
本明細書において「初期容量」とは、収容部が内圧等により伸びていない自然な状態における容量を示している。したがって、伸張性を有する素材で形成された生物流体収容容器の容器本体の収容部内に初期容量以上の生物流体を収容する際には、収容部を構成する素材に伸びが生じて収容部が膨張し容量を増すと共に生物流体の内圧が高まることとなる。
【0051】
<好適な実施態様>
本発明に係る生物流体収容容器の容器本体は、生物流体を収容する中空の収容部と、この収容部の一方に連通して生物流体を導入する導入口部分を備えている中空の導入部と、収容部の他方に連通して生物流体を排出する排出口部分を備えている中空の排出部と、収容部と導入部とが連通している部位において収容部内に向けて形成して生物流体を収容部内に誘導する中空の誘導部と、誘導部に形成して生物流体の逆流を防止する逆止弁部と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなり、容器本体が陰茎から脱落しにくく、排尿が確実に収容部に誘導され、外部圧力による尿の逆流が発生せず、尿圧が低い場合であっても適切に収容部に誘導することができ、収容部を導入部より高い位置に保持しても尿を収容部に誘導することができるものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
【0052】
また、本発明に係る容器本体を形成する素材としては、低硬度を有する素材を用いることができ、例えば、硬度が20度以下の超低硬度を有するエラストマーを用いることができる。
【0053】
なお、硬度が0度以上20度以下のエラストマーは、人体の多くの部位における皮膚の硬度よりも小さいので、人体に装着して携行する際の違和感を減らすことができるので好適に用いることができる。
【0054】
更に、硬度が0以上10度以下のエラストマーは、人体の柔らかい部位のる皮膚の硬度よりも小さいので、人体に装着して携行する際の違和感を更に減らすことができるので好適に用いることができる。
【0055】
なお、ここまでの硬度の定義とは異なる定義による硬度を得る測定法に、デュロメータとしてアスカーゴム硬度計F型を用いる測定により得る硬度がある。この測定法によれば超低硬度の素材に対して0以上の値を得ることができ、この測定法において硬度20以上80以下のエラストマーを用いることが更に好ましい。
【0056】
100パーセント以上の伸張度を有するエラストマーは、容器本体の収容部が生物流体の収容に伴って膨張し、収容量を増大させることができるので、好適に用いることができる。
【0057】
特に、伸張度が2000パーセント以上3000パーセント以下のエラストマーは、収容部の収容量に実質的な制約を与えず、長時間の使用及び大量の生物流体の収容が可能となるのに十分な伸張度を有しているため、更に好適に用いることができる。
【0058】
上述の硬度及び伸張度の条件を同時に満たす素材の例として、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、塩ビ系、アミド系等の熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)をあげることができ、特に、スチレン系熱可塑性エラストマーに5倍以上のパラフィンオイルを含むコンパウンドからなる、クラレトレーディング株式会社製KURAIN(登録商標)を好適に用いることができる。
【0059】
なお、人体の皮膚は、最大で概ね70パーセントの伸張率(通常の動作において伸びる比率)を示すので、70パーセントより大きい伸張率を有するエラストマーは、人体に装着した際に使用者に痛みやつっぱる感覚を与えることがないので、好適に用いることができる。
【0060】
本発明に係る生物流体収容容器は、様々な生物流体、すなわち、動物の血液、リンパ液、組織液若しくは体腔液その他の体液又は植物の導管液若しくは篩管液等、生体内に存在し又は生体から流出、排泄若しくは導出される溶液、懸濁液又は乳濁液等の水分を含む流動体を収容することができ、特にヒトの尿、経血又は便を収容することができる。
【0061】
これらの生物流体には、ヒトを含む動物の排泄器官から排泄されるもの、動物又は植物の切創、擦過傷、挫創、挫滅創、刺創、咬傷、熱傷、電撃傷、褥瘡等の創傷部位から流出するもの、動物又は植物の生体内に挿入したカテーテルを経由して体外に導出されるものなどがあるため、生物流体の種類・量・物性・導入方法等により、生物流体収容容器の構成には様々なバリエーションが存在し得る。
【0062】
例えば、男性の排泄器官である陰茎から排泄される尿を収容する場合には、容器本体の導入部は、尿を導入する導入口部分を備えて筒状の装着部分の内部に断面形状が円形の導入路を形成して中空状とすることができる。
【0063】
これに対して、女性の排泄器官から排泄される尿を収容する場合には、装着部分を導入部と一体にせず、人体との密着性が高い形状を有する別体として構成して尿を導入部に移送した後に収容してもよい。
【0064】
また、亀頭を誘導空間内に挿入、配置して使用する場合には、容器本体の収容部が導入部より上方に配置される構成としても、排泄方向を上向きとして誘導部の先端に収容部に向けて逆止弁部を設けることにより、尿の誘導方向を上向きにすることができ、排泄される尿の尿圧により、尿を収容部に誘導することができる。
【0065】
これに対し、女性の排泄器官から排泄される尿を収容する場合には、排泄方向を上向きとすることが困難であるため、導入部及び/又は誘導部に逆止弁構造を備えることにより、尿を収容部に誘導することができる。
【0066】
さらに、収容する生物流体が、経血、浸出液等のように粘性が高い場合、又は、便のように固形分が多い場合には、排泄時・導出時の圧力のみでは、容器本体を用いた生物流体の導入、収容が困難となり、更に収容後の排出も困難となる場合があるため、導入部及び/又は誘導部及び/又は収容部及び/又は排出部に逆止弁構造を備えることができる。
【0067】
本発明に係る生物流体収容容器の容器本体の収容部は、収容する生物流体の想定量に応じて容量を決定することができ、必要に応じて収容部の側方に大小の膨出部分を設けることができるが、低硬度で高伸張性を有する素材を用いることにより、生物流体の収容量に応じて収容部が膨張するように構成することができる。
【0068】
収容部に膨出部分を設けず、容器本体の外観のみでは装着の角度、向きが分かりにくい場合には、容器本体に表示する文字又は記号等により、装着の角度、向きを使用者に示してもよい。
【0069】
なお、生物流体の収容時に最大の伸びを担う高伸張部位は、収容部の膨出部分に設けることが望ましいが、膨出部分がない場合には、収容部の任意の位置に設けることができる。
【0070】
本発明に係る生物流体収容容器の閉止体は、生物流体を収容する中空の収容部とこの収容部の一方に連通して生物流体を排出する排出口部分及び締付部分を備えて生物流体を排出する中空の排出部とを少なくとも備えている容器本体の排出口部分を閉鎖して容器本体と共に生物流体収容容器を構成する閉止体であって、締付部分を囲繞して弾性により外側から締め付けて排出口部分を閉鎖する締付環部と、締付環部の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部とを備えて、尿の漏出を確実に防止するとともに、容易な操作で尿を排出させることができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0071】
また、本発明に係る生物流体収容容器の閉止体を形成する素材は、容器本体を構成する素材と同一の素材であっても異なる素材であっても構わず、柔軟性を有している素材を用いることができ、各種の熱可塑性エラストマー、例えばウレタンゴム又は軟質ポリ塩化ビニールなど、若しくは、各種の熱硬化性エラストマー、例えばシリコンゴムなどを用いることができる。
【0072】
閉止体を形成する素材の硬度を、容器本体を形成する素材の硬度よりも大きく設定すると、閉止体の変形が少なくなり、排出部に対する確実な閉鎖を実現することができる。
【0073】
本発明に係る脱落防止体は、半円筒形状の表側外面部分と半円筒形状の表側内面部分とを備えて一定の厚みを有する半円筒形状の表側被覆部と、平坦な裏側外面部分と略V字状の断面形状を有する裏側内面部分とを備えて中央に向けて厚みを減じる形状の裏側被覆部とを、柔軟性を有する素材により一体に形成してなり、生物流体収容容器を使用する際に、陰茎が容器本体から抜け出してしまう不都合を防止し、陰茎に装着しても排尿及び集尿が妨げられないものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0074】
例えば、陰茎を筒状の脱落防止体内に挿入して装着した後に、容器本体の導入部を拡開してかぶせるように容器本体を装着するように構成することができる。
【0075】
これとは異なり、陰茎に容器本体を装着した後に、陰茎を容器本体と共に筒状の脱落防止体内に挿入して装着するように構成することもできる。
【0076】
また、本発明に係る脱落防止体を形成する素材は、容器本体を構成する素材と同一の素材であっても異なる素材であっても構わず、柔軟性を有している素材を用いることができ、各種の熱可塑性エラストマー、例えばウレタンゴム又は軟質ポリ塩化ビニールなど、若しくは、各種の熱硬化性エラストマー、例えばシリコンゴムなどを用いることができる。
【0077】
ここで、容器本体及び脱落防止体の厚み寸法の好適な関係について説明する。
容器本体について、収容部の厚み寸法TAの最小値すなわち最小厚み寸法をTAmin、導入部の厚み寸法TIの最小値すなわち最小厚み寸法をTImin、誘導部の厚み寸法TGの最小値すなわち最小厚み寸法をTGminと表し、脱落防止体の厚み寸法TRの最小値すなわち最小厚み寸法をTRminと表すこととする。
【0078】
ここで、容器本体の収容部及び導入部を同一素材で作成する場合には、
TAmin<TGmin
の関係式を満たせば、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、収容部が誘導部に先行して膨張するため、収容部の内圧により逆止弁が閉鎖したまま誘導部が膨張して収容不能となることを防止することができるため好ましい。
【0079】
また、容器本体の導入部及び誘導部を同一素材で作成する場合には、
TGmin<TImin
の関係式を満たせば、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、誘導部が導入部に先行して膨張するため、導入部が誘導部に先行して膨張して陰茎が誘導部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができるため好ましい。
【0080】
更に、容器本体の収容部及び導入部を同一素材で作成する場合には、
TAmin<TImin
の関係式を満たせば、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、誘導部の支持部分の態様に関わらず、収容部が導入部に先行して膨張するため、導入部が収容部よりも先行して膨張して陰茎が導入部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができる。
【0081】
従って、容器本体の収容部、導入部及び誘導部を同一素材で作成する場合には、
TAmin<TGmin<TImin
の関係式を満たせば、生物流体収容容器に初期容量以上の生物流体を収容する際に、収容部が導入部に先行して膨張するため、収容部の内圧により逆止弁が閉鎖したまま誘導部が膨張して収容不能となることを防止することができ、誘導部が導入部に先行して膨張するため、導入部が誘導部に先行して膨張して陰茎が誘導部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができ、収容部が導入部に先行して膨張するため、導入部が収容部よりも先行して膨張して陰茎が導入部から抜け出すことによる容器本体の脱落を防止することができるため更に好ましい。
【0082】
また、脱落防止体を併用する際に、容器本体と筒状の脱落防止体とを同一の素材から形成する場合は、
TAmin<TGmin<TImin+TRmin
の関係式を満たせば、上述の場合と同じ理由で容器本体の脱落を防止することができ好適である。
【0083】
更に、筒状の脱落防止体を併用する際に、容器本体を構成する素材の硬度に対して、脱落防止体を構成する素材の硬度がk倍である場合には、容器本体を構成する素材のヤング率に対して、脱落防止体を構成する素材のヤング率もk倍となり、単位力に対する伸びが1/k倍になるので、
TAmin<TGmin<TImin+k×TRmin
の関係式を満たすことにより、上述の場合と同じ理由で容器本体の脱落を防止することができ好適である。
【0084】
脱落防止体に包皮収容窓部分を設ける場合には、表側内面部分から表側外面部分まで連通して、脱落防止体を陰茎に装着した際にたるんだ包皮を包皮収容窓部分内に留めて、包皮が脱落防止体と共に移動して亀頭を覆う動きを防止するものであればよく、隅丸矩形のほか、円形、楕円形その他の形状の開口部分として形成することができる。
【実施例1】
【0085】
以下、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器100について、図1乃至図7Bを参照して説明する。
【0086】
ここで、図1は、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用者が陰茎に装着している状態を表す模式図であり、図2Aは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器の容器本体を表す模式的正面図であり、図2Bは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器の容器本体を表す模式的側面図であり、図3は、図1におけるIII-III断面から下を見た様子を示す模式図であり、図4は、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を示す模式的斜視図であり、図5Aは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用して収容部に尿が収容されている様子を示す模式的正面図であり、図5Bは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器を使用して収容部に尿が収容されている様子を示す模式的側面図であり、図6Aは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器に収容されている生物流体を排出させる様子を示す模式図であり、図6Bは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器に収容されている生物流体を排出させる方向を調整する様子を示す模式図であり、図7Aは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器が使用中に陰茎から脱落した脱落した状態の第1の例を示す模式図であり、図7Bは、本発明の第1実施例に係る生物流体収容容器が使用中に陰茎から脱落した脱落した状態の第2の例を示す模式図である。
【0087】
まず、生物流体収容容器100の構成を説明する。
【0088】
生物流体収容容器100は、容器本体110と閉止体120とから構成されており、図1に示すように、人体Bの排泄器官としての陰茎Pを挿入して、人体Bが着用している着衣C内に自然に保持して用いる。
【0089】
<容器本体の構成>
容器本体110は、図2A乃至図4に示すように、収容部111と導入部112と排出部113と誘導部114と逆止弁部115とから構成されており、低硬度かつ高伸張性を有する素材により各部が一体に形成されている。
【0090】
本実施例で用いる低硬度かつ高伸張性を有する素材とは、熱可塑性エラストマーであり、より具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS:Thermoplastic Styrenic Elastomer)に5倍以上のパラフィンオイルを含むコンパウンドからなる、クラレトレーディング株式会社製KURAIN(登録商標)であり、硬度が10度以下,伸張度が2000パーセント以上の素材である。
【0091】
<収容部の構成>
収容部111は、生物流体としての尿BFを収容する収容空間ASを形成して中空状であって、左右方向に膨出している膨出部分111aを備えて扁平形状であり、使用時において収容空間ASの最も低い位置を形成する収容空間底部分111bとを備えている。
【0092】
収容部111の厚み寸法TAは、部位によって異なるが、膨出部分111aの厚み寸法は、他の部分の厚み寸法TAよりも小さい値となる。したがって、収容部111の厚み寸法TAが最も小さくなっている薄肉部位111aaは、膨出部分111aに位置することとなる。
【0093】
本実施例においては、薄肉部位111aaにおける収容部111の厚み寸法TAが約2ミリメートルである。
【0094】
本実施例においては、収容部111と導入部112と排出部113と誘導部114と逆止弁部115を低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより一体に形成しているので、薄肉部位111aaにおいて伸張性が最も高くなり、薄肉部位111aaが高伸張部位に相当することとなる。
【0095】
<導入部の構成>
導入部112は、尿BFを導入する導入口部分112bを備えて筒状の装着部分112aの内部に導入路ICを形成して中空状であり、収容部111の一方に連通している。
【0096】
本実施例においては、導入路ICに使用者の陰茎Pを挿入して使用することを想定して、導入路ICの断面形状が円形となっている。
【0097】
本実施例においては、導入部の厚み寸法TIが約5ミリメートル、導入路の内径寸法IDが約10ミリメートルである。
【0098】
<排出部の構成>
排出部113は、尿BFを排出する排出口部分113bを備えて締付部分113aの内部に排出路OCを形成して中空状であり、収容部111の他方に連通している。
【0099】
本実施例においては、排出部の厚み寸法TOは、部位によって異なるが、約3ミリメートル以上約5ミリメートル以下である。
【0100】
<誘導部114の構成>
誘導部114は、収容部111と導入部112とが連通している部位において収容部111内の収容空間ASに向けて中空状に突出形成されており、誘導空間GS内の尿BFを収容部111内に誘導する。
【0101】
誘導部114の厚み寸法TGは、部位によって異なるが、本実施例においては、約3ミリメートル以上約5ミリメートル以下である。
【0102】
誘導部114は、逆止弁部115を支持する支持部分114aにより誘導部の長さ寸法LGの誘導空間GSを形成している。
本実施例においては、誘導部の長さ寸法LGは約20ミリメートルである。
【0103】
本実施例においては、誘導空間GS内に使用者の亀頭Gを挿入、配置して使用することを想定しているため、誘導空間GSを形成している支持部分114aの長さ方向のほぼ中央に大径部位114aaを形成し、収容部111の収容空間底部分111bに対応する位置に小径部位114abを形成している。
【0104】
換言すれば、収容部111の収容空間底部分111abが、小径部位114abに対応する位置に配置されており、この小径部位114abは、誘導部114の支持部分114aの大径部位114aaよりも導入部112に近い位置にある。
【0105】
<逆止弁部の構成>
逆止弁部115は、尿BFの逆流を防止するために誘導部114の先端に収容部111に向けて突出形成されており、相互に近接する位置に離間して収容部111に向けて対向配置されている一対の弁膜部分115aを備えている。
一対の弁膜部分115aが相互に近接する位置に離間して対向配置されているため、逆止弁部115は収容部111内に尿BFが収容されていない状態では、弁開口VOが長円形のスリット状に開いた状態になっている。
【0106】
以上のように、生物流体収容容器100を構成する容器本体110は、尿BFを収容する収容空間ASを形成している中空の収容部111と、この収容部111の一方に連通して尿BFを導入する導入口部分112bを備えて導入路ICを形成している中空の導入部112と、収容部111の他方に連通して尿BFを排出する排出口部分113bを備えて排出路OCを形成している中空の排出部113と、収容部111と導入部112とが連通している部位において収容部111内に向けて突出形成して尿BFを収容部111内に誘導する中空の誘導部114と、誘導部114に形成して尿BFの逆流を防止する逆止弁部115と、を低硬度かつ高伸張性を有するスチレン系熱可塑性エラストマーにより一体に形成して構成されている。
【0107】
<閉止体の構成>
閉止体120は、図4に示すように、生物流体収容容器100を構成する容器本体110の締付部分113aを囲繞して弾性により外側から締め付けて排出口部分113bを閉鎖する締付環部121と、この締付環部121の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部122とを備えて、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0108】
<使用方法>
次に、図1乃至図6Bを参照して、生物流体収容容器100の使用方法を説明する。
【0109】
容器本体110の導入部112が、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより一体に形成されているので、使用者が装着部分112aを両手で裏返すように力を加えることにより、容易に導入口部分112bを拡大開口させることができる。
【0110】
そこでまず、排出部113を閉止体120で仮に閉鎖した後に、導入口部分112bを大きく拡大開口させて、使用者の陰茎Pを導入部112内に挿入した後に、装着部分112aを拡げ持っている手を離すことにより、陰茎Pに装着する。
【0111】
なお、陰茎Pを導入部112内に挿入する際に、亀頭Gが誘導部114内にちょうど収まる位置まで挿入しておけば、装着位置の調整を行う必要がない。
【0112】
また、この段階で収容部111を前後から押し潰して収容空間AS内の空気を抜いておくことにより、容器本体110が嵩張らず、かつ、収容空間ASを無駄なく収容に利用することができる。
【0113】
ここで、本実施例に係る容器本体110は、図3に示すように、逆止弁部115を構成する一対の弁膜部分115aが形成している長円状の弁開口VOの長軸方向AVが、容器本体110の左右方向と一致するように構成されている。
【0114】
このため、容器本体110を陰茎Pに装着する際には、収容部111の左右の膨出部分111aが装着者の左右方向と概ね一致するように、すなわち、弁開口VOの長軸方向AVが装着者の左右方向と概ね一致するように、装着する角度を定めることが望ましい。
【0115】
これは、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより形成されている誘導部114が装着時に変形して逆止弁部115が中心からずれることにより外尿道口UOと弁開口VOとが位置づれしても、陰茎Pの外尿道口UOの長軸方向AUと弁開口VOの長軸方向AVとがほぼ直交して偏位角θが約90度となることにより、外尿道口UOのいずれかの部分と弁開口VOが重なりやすいため、外尿道口UOが閉塞しにくくなるからである。
【0116】
その後、図4に示すように、容器本体110の排出部113の締付部分113aを閉止体120で囲繞するように確実に嵌合させれば、弾性変形した締付環部121の復元力により閉止体120が締付部分113aを外側から締め付けることにより、排出口部分113bの近傍の排出路OCが閉鎖されて、図1に示す装着状態となる。
【0117】
図1のように陰茎Pに生物流体収容容器100を装着した状態で排尿すると、排尿を開始した段階では、逆止弁部115の一対の弁膜部分115aが形成している弁開口VOが開いた状態になっているので、尿圧が低い場合にも尿BFが確実に収容部111内に誘導されて収容空間AS内に収容される。
また、尿圧が高い場合には、逆止弁部115の一対の弁膜部分115aが伸張して弁開口VOの開口面積が大きくなるので、排尿が速やかに収容部111内に誘導されて収容空間AS内に収容される。
【0118】
更に排尿を続けて、収容した尿BFの量が、収容空間ASの初期容量以上になると、図5A及び図5Bに示すように、収容部111が膨張し始める。
【0119】
本実施例においては、収容部111と導入部112と排出部113と誘導部114と逆止弁部115を低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより一体に形成しているので、図2に示す薄肉部位111aaにおいて伸張性が最も高くなり、薄肉部位111aaが高伸張部位として他の部位に先行して伸張し、膨張することとなる。
【0120】
なお、収容部111の薄肉部位111aaは、導入部112、排出部113及び誘導部114のいずれの部位の伸張性よりも高い伸張性を有している。
【0121】
収容部111が膨張する際には、尿BFの内圧が高まって尿BFが接している部位に力を及ぼすが、この力は、図5A及び図5Bの矢印で示すように、収容部111に対しては内壁を外向きに押し拡げるように作用し、誘導部114及び逆止弁部115に対しては内向きに押し潰すように作用する。
【0122】
このため、逆止弁部115の弁開口VOは、収容部111内に尿BFが収容されていない状態では開いた状態であるが、尿BFの収容状態では、内圧により一対の弁膜部分115aが外側から押されて相互に接触して弁開口VOが閉じるため、尿BFが収容部111から導入部112に逆流することを防止する。
【0123】
また、この内圧は、収容空間底部分111bにおいては、誘導部114の支持部分114aのうち小径部位114abを内向きに押しつぶすように作用するため、小径部位114abが陰茎Pの環状溝に嵌合するため、内圧の増大により陰茎Pが導入部112から抜け出すことによる容器本体110の脱落を防止する。
【0124】
収容部111に収容されている尿BFを排出する際には、図6Aに示すように、陰茎Pに生物流体収容容器100を装着したまま、閉止体120の一対の押圧部122を片手で持ち、人差し指と親指で内向きにつまむように力を加える操作を行う。
【0125】
この操作により、排出部113の締付部分113aを囲繞して外側から締め付けている締付環部121が弾性により拡開して、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより形成している排出部113内部の排出路OCが解放されて、尿BFが排出口部分113bから排出される。
【0126】
尿BFの排出方向が不安定な場合には、図6Bのように、閉止体120の一対の押圧部122を片手で持ち、人差し指と親指で内向きにつまむように力を加えたままで、更に、排出部113内部の排出路OCの長手方向を軸として、何れかの方向にひねる操作を行う。
【0127】
この操作により、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより形成している排出部113に捻れる変形が生じ、これに伴って排出部113内部の排出路OCの内壁表面に螺旋状の凹凸が生じることにより、尿BFの排出方向が安定する。
【0128】
次に、本実施例に係る生物流体収容容器100の使用中に、何らかの理由で不意に生物流体収容容器100が陰茎Pから脱落した場合について、図7A及び図7Bを参照して説明する。
【0129】
何らかの理由で不意に生物流体収容容器100が陰茎Pから脱落した場合、誘導空間GS内に挿入、配置されていた亀頭がなくなるため、誘導空間GSを形成している誘導部114の支持部分114aには、収容されている尿BFの内圧により、導入部112内部の導入路ICの方向に押し出す力が作用する。
【0130】
この押し出す力が均等に作用した場合には、誘導部の長さ寸法LGが、導入部112に形成されている導入路ICの内径寸法IDの半分よりも大きい長さ寸法に構成されているため、図7Aに示すように、誘導部114全体が対称に変形して導入路ICを閉塞することとなる。
【0131】
この際、尿BFの内圧により一対の弁膜部分115aが形成する弁開口VOは閉鎖したままであるため、尿BFが収容部111から導入路ICに逆流せず、尿BFが導入口部分112bから漏洩することを防止することができる。
【0132】
一方、押し出す力が不均等に作用した場合には、図7Bに示すように、誘導部114全体が非対称に変形して導入路ICを閉塞することとなる。
【0133】
この場合も、尿BFの内圧により一対の弁膜部分115aが形成する弁開口VOは閉鎖したままであるため、尿BFが収容部111から導入路ICに逆流せず、尿BFが導入口部分112bから漏洩することを防止することができる。
【実施例2】
【0134】
以下、本発明の第2実施例に係る容器本体210について、図8を参照して説明する。ここで、図8は、本発明の第2実施例に係る容器本体を示す模式的斜視図である。
【0135】
容器本体210は、収容部211と導入部212と排出部213と誘導部214と逆止弁部215とから構成されており、低硬度かつ高伸張性を有する素材により各部が一体に形成されている。
【0136】
容器本体210は、収容部211が膨出部を備えておらず、略円筒形である。
【0137】
また、容器本体210は、誘導部214が収容部211と導入部212との間に位置して相互に連通して形成されている。
【0138】
本実施例における誘導部214は誘導空間GSを形成しているものの、第1実施例において独立の構成である支持部分が、本実施例では収容部211と厚み方向で一体となっているため、誘導部214は収容部211内の収容空間ASに向けて突出する構成となっておらず、誘導部214の厚み寸法は実質的に収容部211の厚み寸法の一部を構成している。
【0139】
容器本体210は、第1実施例に係る容器本体110と比較して以上の構成上の相違点があるため、第1実施例に係る容器本体110と比較して容量がやや小さいものの、携帯性に優れており、収容する生物流体としての尿BFが少量である場合に好適に使用することができる。
【0140】
容器本体210は、上述の差異点に係る作用、効果以外は、第1実施例に係る容器本体110と同様の作用のもとに、同様の効果を発揮する。
【実施例3】
【0141】
以下、本発明の第3実施例に係る容器本体310について、図9を参照して説明する。ここで、図9は、本発明の第3実施例に係る収容部が、複数組の誘導部と逆止弁部とを備えている様子を示す模式図である。
【0142】
容器本体310は、図9中空の容器本体310内部に複数組の誘導部314と逆止弁部315のセットを備えており、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより一体に形成した誘導部314及び逆止弁部315を複数セット用意し、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより形成した容器本体310内に挿入し固定して構成している。
【実施例4】
【0143】
以下、本発明の第4実施例に係る容器本体410について、図10A及び図10Bを参照して説明する。ここで、図10Aは、本発明の第4実施例に係る収容部が、複数組の誘導部と逆止弁部とを備えている様子を示す模式図であり、図10Bは、図10Aに示す収容部において生物流体を上方に移動させる様子を示す模式図である。
【0144】
容器本体410は、図10Aに示すように、中空の容器本体410内部に複数組の誘導部414と逆止弁部415のセットを備えており、容器本体410、誘導部414及び逆止弁部415を、低硬度かつ高伸張性を有する熱可塑性エラストマーにより一体に形成して構成している。
【0145】
容器本体410は、中空の容器本体410内部に複数組の誘導部414と逆止弁部415のセットを備えているので、図10Bに示すように容器本体410を外部から押圧することにより、容器本体410内部に収容されている生物流体としての尿BFを、重力に逆らって順次上向きに移動させることができる。
[参考例1]
【0146】
次に、本発明の第1参考例に係る閉止体520について、図11乃至図12Cを参照して説明する。ここで、図11は、本発明の第1参考例に係る閉止体を示す図であり、図12Aは、図11におけるXII―XII断面の第1の例を示す模式的断面図であり、図12Bは、図11におけるXII―XII断面の第2の例を示す模式的断面図であり、図12Cは、図11におけるXII―XII断面の第3の例を示す模式的断面図である。
【0147】
閉止体520は、図11に示すように、締付挿入空間ISを形成している締付環部521と、この締付環部521の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部522とを備えており、更に、締付環部521の内側の押圧部522に対応する位置に、環内凸部521aを備えており、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0148】
環内凸部521aの形状の第1の例は、図12Aに示すように、締付環部521の厚み方向の中央に向けてV字形に突出する形状を有している。
【0149】
環内凸部521aがこのような形状を有している場合には、締付挿入空間ISに挿入する締付部分を中央部位で強く締め付けることができるため、容器本体の排出路OCを確実に閉鎖することができる。
【0150】
環内凸部521aの形状の第2の例は、図12Bに示すように、締付環部521の出口側が入口側よりも狭くなるように、締付環部521の一方に向けて締付挿入空間ISを狭くする形状を有している。
【0151】
環内凸部521aがこのような形状を有している場合には、生物流体としての尿BFの排出作業を終えた後に、容器本体の排出口部分の開口面積が小さくなるように閉鎖することができるため、排出路OC内への生物流体の残留量を低減することができる。
【0152】
環内凸部521aの形状の第3の例は、図12Cに示すように、締付環部521の出口側に向けて鋭角で突出する形状を有している。
【0153】
環内凸部521aがこのような形状を有している場合には、締付挿入空間ISに容器本体の排出部を挿入しやすく、脱落しにくい閉止体を提供することができる。
[参考例2]
【0154】
次に、本発明の第2参考例に係る閉止体620について、図13A乃至図14を参照して説明する。ここで、図13Aは、本発明の第2参考例に係る閉止体を示す図であり、図13Bは、図13Aに示す閉止体の閉止弁部が開口している様子を示す図であり、図14は、図13AにおけるXIV―XIV断面図である。
【0155】
第2参考例に係る閉止体620は、図13Aに示すように、締付環部621と、この締付環部621の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部622とを備えており、更に、締付環部621の一方の開口位置に、閉止体弁部623を備えており、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0156】
閉止体620は、一方の開口位置が閉止体弁部623により閉鎖されており、容器本体の排出口部分を覆うように排出部に被冠させて用いるものである。
【0157】
閉止体弁部623は、一対の閉止体弁膜部分623aを備えて閉止体弁開口FOを形成しており、通常の状態では一対の閉止体弁膜部分623aが相互に密接して、閉止体弁開口FOが閉鎖されている。
【0158】
閉止体620を被冠させて閉止している収容容器に収容されている尿BFを排出する際には、図13Bに示すように、一対の押圧部622を内向きに押圧することにより、一対の閉止体弁膜部分623aが相互に離間し、閉止体弁開口FOを開放状態とする。
【0159】
押圧部622への押圧をやめれば、閉止体弁開口FOが閉鎖状態となり、尿BFの排出が停止する。
[参考例3]
【0160】
次に、本発明の第3参考例に係る閉止体720について、図15乃至図18を参照して説明する。ここで、図15は、本発明の第3参考例に係る閉止体を示す図であり、図16は、図15に示す閉止体の平面図であり、図17は、図16におけるXVII―XVII断面図であり、図18は、図16におけるXVIII―XVIII断面図である。
【0161】
本参考例に係る閉止体720は、図15及び図16に示すように、締付挿入空間ISを形成している締付環部721と、この締付環部721の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部722とを備えており、締付環部721の内側には、全周にわたって環内凸部721aが形成されており、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0162】
環内凸部721aの形状は、図17及び図18に示すように、締付環部721の厚み方向の中央に向けてV字形に突出する形状を有している。
【0163】
環内凸部721aがこのような形状を有していることにより、締付挿入空間ISに挿入する締付部分を中央部位で強く締め付けることができるため、容器本体の排出路OCを確実に閉鎖することができる。
[参考例4]
【0164】
次に、本発明の第4参考例に係る閉止体820について、図19及び図20を参照して説明する。ここで、図19は、本発明の第4参考例に係る閉止体を示す図であり、図20は、図19における模式的XX―XX断面図である。
【0165】
本参考例に係る閉止体820は、図19及び図20に示すように、円環状の締付環部821と押圧部822と閉止体弁部823と排出路挿入部824と抜け止め突起部825と閉止蓋部826とから構成され、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0166】
閉止体820は、円環状の締付環部821と、締付環部821の外側の対応する位置に離間して配置された一対の押圧部822と、締付環部821の上部を閉塞しているドーム状の閉止蓋部826とを備えている。
【0167】
また、締付環部821の内側の閉止蓋部826の下部には、円筒状の排出路挿入部824が垂下して円筒内部に排出路閉塞空間OSを形成し、排出路挿入部824の外側かつ締付環部821の内側に円環状の排出部挿入空間OIを形成している。
【0168】
排出路挿入部824の円筒外面には、対称な位置に四つの抜け止め突起部825が、排出部挿入空間OIに向けて突出形成されている。
【0169】
排出路挿入部824の内部には、閉止蓋部826の下部から一対の閉止体弁膜部分823aからなる閉止体弁部823が垂下して逆止弁構造となっている。
【0170】
一対の閉止体弁膜部分823aは、いずれも両側端部分が排出路挿入部824の内面に結合して水密性を保ちつつ、直線状の下端部分が相互に密接して閉鎖状態のスリット状の閉止体弁開口FOを形成している。
【0171】
また、閉止体弁部823においては、一対の閉止体弁膜部分823aの間に弁間空間VSが形成されており、さらに、弁間空間VSから閉止蓋部826の最上部の閉鎖状態のスリット状の閉止体排出口OOまで連通する帯状の閉鎖状態の空間として閉止排出路CCが形成されている。
【0172】
なお、閉止体弁開口FO、閉止排出路CC及び閉止体排出口OOは、押圧部822を両側から内向きに押圧していない状態では、上述の通り素材の弾性により閉鎖状態となっている。
【0173】
閉止体820を容器本体と共に使用する際には、排出部挿入空間OI内に容器本体の円筒状の排出部を挿入することにより、排出路挿入部824が容器本体の排出路OC内に挿入され、排出路が閉塞する。
【0174】
このとき、抜け止め突起部825が容器本体の排出路OCを形成している円筒状の排出部内面に食い込むことにより、容器本体から閉止体820が脱落することを防止する。
【0175】
この状態では、閉止体弁開口FO、閉止排出路CC及び閉止体排出口OOが閉鎖状態になっているので、排出路閉塞空間OSに移動してきた生物流体としての尿BFが漏出することはない。
【0176】
尿BFを排出する際には、押圧部822を両側から内向きに押圧することにより、閉止蓋部826及び閉止体弁部823を変形させて、閉止体弁開口FO、閉止排出路CC及び閉止体排出口OOを開放状態とすることにより、閉止体排出口OOから尿BFを排出する。
【0177】
押圧部822への押圧をやめれば、閉止体弁開口FO、閉止排出路CC及び閉止体排出口OOが閉鎖状態となり、尿BFの排出が停止する。
【実施例5】
【0178】
次に、本発明の第5実施例に係る脱落防止体930について、図21乃至図23を参照して説明する。ここで、図21は、本発明の第5実施例に係る脱落防止体を使用者が陰茎に装着した上で生物流体収容容器を装着している様子を表す模式図であり、図22A図21に示す脱落防止体を挿入方向からみた模式図であり、図22B図21に示す脱落防止体の模式的側面図であり、図23は、図21における模式的XXIII-XXIII断面図である。
【0179】
脱落防止体930は、容器本体910と閉止体920から構成される生物流体収容容器と共に、付属品として使用することができるものであり、容器本体910、閉止体920及び脱落防止体930により、生物流体収容システムを構成することができる。
【0180】
なお、容器本体910及び閉止体920は、第1実施例に係る容器本体110及び閉止体120とそれぞれ同様の構成である。
【0181】
脱落防止体930は、図21に示すように、容器本体910内に陰茎Pを挿入する際に、予め陰茎Pに装着して容器本体910が脱落することを防止するために用いるものである。
【0182】
脱落防止体930は、図22A及び図22Bに示すように、表側被覆部931と裏側被覆部932とを柔軟性を有する素材により一体に形成している。
【0183】
表側被覆部931は、半円筒形状の表側外面部分931aと半円筒形状の表側内面部分931bとを備えており、一定の厚みを有する半円筒形状である。
【0184】
裏側被覆部932は、平坦な裏側外面部分932aと略V字状の断面形状を有する裏側内面部分932bとを備えて中央に向けて厚みを減じる形状であり、挿入方向から見た左右両端に外向きに突出する突出部位932baと、最も厚みが小さくなっている中央部位932bbを有する。
【0185】
脱落防止体930を使用する際には、まず陰茎Pの包皮Fを亀頭環(環状溝)まで下げた状態で、脱落防止体930の装着挿入空間MS内に挿入して装着する。
【0186】
この状態では、裏側被覆部932が略V字状の断面形状を有する裏側内面部分932bを備えて中央に向けて厚みを減じる形状であるため、中央部位932bbでは、陰茎Pの裏側近傍に位置する尿道UTへの圧迫が緩和されている。
【0187】
次に、導入口部分912bを大きく拡大開口させて、使用者の陰茎Pを導入部912内に挿入した後に、装着部分912aを拡げ持っている手を離すことにより、脱落防止体930の上から陰茎Pに対し、容器本体910の導入部912の装着部分912aを被せるように装着する。
【0188】
この状態では、図23に示すように、装着部分912aから内向きに作用する力は、裏側被覆部932の両下端の突出部位932baにおいて大きくなり、裏側被覆部932に曲げモーメントが作用するため、裏側被覆部932のうち最も厚みが小さい中央部位932bbが、裏側に突出する向きに屈曲して装着挿入空間MSが変形するので、尿道UTへの圧迫が引き続き緩和されることとなる。
【実施例6】
【0189】
なお、陰茎Pの亀頭Gの付け根付近に包皮Fのたるみが生じている場合に、上述の実施例5の脱落防止体930を装着すると、包皮Fが亀頭Gの先端方向に戻ることに起因して亀頭Gが容器本体910の大径部位914aaから導入口部分912bに相対移動することにより、大径部位914aaの近傍に空間が生じて陰茎Pが容器本体910から抜けてしまうおそれがあるため、次に、陰茎Pの包皮Fにたるみがある場合であっても好適に使用することができる脱落防止体940について、図24A乃至図25を参照して説明する。
【0190】
ここで、図24Aは、本発明の第6実施例に係る脱落防止体の模式的斜視図であり、図24Bは、図24Aに示す脱落防止体の模式的平面図であり、図24Cは、図24Aに示す脱落防止体の模式的側面図であり、図25は、図24Aに示す脱落防止体を陰茎に装着した様子を表す模式図である。
【0191】
本実施例に係る脱落防止体940は、陰茎Pの包皮Fにたるみがある場合に予め陰茎Pに装着して、排尿及び集尿が妨げられることを防止し、更に、容器本体910が陰茎Pから脱落することを防止するために用いるものである。
【0192】
脱落防止体940は、図24A乃至図24Cに示すように、表側被覆部941と裏側被覆部942とからなり、柔軟性を有する素材により一体に形成されている。
【0193】
表側被覆部941は、半円筒形状の表側外面部分941aと半円筒形状の表側内面部分941bとを備えており、一定の厚みを有する半円筒形状である。
【0194】
また、表側被覆部941は、半円筒形状の表側外面部分941aの湾曲に沿って中央部を隅丸矩形状に開口させて表側内面部分941bから表側外面部分941aまで連通する包皮収容窓部分941wを備えている。
【0195】
この包皮収容窓部分941wは、図24A及び図24Bに示すように、表側外面部分941aの湾曲に沿って開口しているため、表側内面部分941bにおける開口面積よりも表側外面部分941aにおける開口面積の方が大きくなるように形成されている。
【0196】
裏側被覆部942は、平坦な裏側外面部分942aと略V字状の断面形状を有する裏側内面部分942bとを備えて中央に向けて厚みを減じる形状であり、挿入方向から見た左右両端に外向きに突出する突出部位942baと、最も厚みが小さくなっている中央部位942bbを有する。
【0197】
脱落防止体940を使用する際には、まず、陰茎Pを脱落防止体940の装着挿入空間MS内に挿入した後に、包皮Fを陰茎Pの付け根方向に移動させ、包皮Fを集めて包皮収容窓部分941w内に納める。
【0198】
この状態では、裏側被覆部942が略V字状の断面形状を有する裏側内面部分942bを備えて中央に向けて厚みを減じる形状であるため、中央部位942bbでは、陰茎Pの裏側近傍に位置する尿道UTへの圧迫が緩和されている。
【0199】
次に、図25に示すように、脱落防止体940を陰茎Pに装着した際にたるんだ包皮Fが包皮収容窓部分941w内に確実に留まるように、脱落防止体940装着位置と陰茎Pの包皮Fの状態を調整する。
【0200】
このように脱落防止体940を陰茎Pに装着した上で容器本体910を装着すれば、たるんだ包皮Fが窓縁部位941wfに押圧され、包皮収容窓部分941w内で挟まれることで包皮Fの動きが拘束・固定される。
【0201】
このため、本実施例に係る脱落防止体940を使用すれば、包皮Fが亀頭Gの先端方向に戻ることに起因して亀頭Gが容器本体910の大径部位914aaから導入口部分912bに相対移動することにより、大径部位914aaの近傍に空間が生じて陰茎Pが容器本体910から抜けてしまう不都合を確実に防止することができる。
【0202】
また、脱落防止体940と共に包皮Fが陰茎Pの先端方向に移動して亀頭G全体を覆うことにより排尿及び集尿が妨げられる不具合を防止することができる。
【0203】
さらに、脱落防止体940の表側外面部分941aに包皮収容窓部分941wが設けられていることにより、脱落防止体940の装着時に包皮Fを陰茎Pの根本方向に無理に押し下げる必要がなく、使用者の不快感を減少させることができる。
【符号の説明】
【0204】
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生物流体収容容器
110、210、810、910・・・・・・・容器本体
111、211、311,411・・・・・・・収容部
111a・・・・・・・・・・・・・・・・・・膨出部分
111aa、211aa・・・・・・・・・・・薄肉部位(高伸張部位)
111b・・・・・・・・・・・・・・・・・・収容空間底部分
112、212、912・・・・・・・・・・・導入部
112a、212a、912a・・・・・・・・装着部分
112b、212b、912b・・・・・・・・導入口部分
113、213・・・・・・・・・・・・・・・排出部
113a、213a・・・・・・・・・・・・・締付部分
113b、213b・・・・・・・・・・・・・排出口部分
114、214・・・・・・・・・・・・・・・誘導部
114a・・・・・・・・・・・・・・・・・・支持部分
114aa、914aa・・・・・・・・・・・大径部位
114ab・・・・・・・・・・・・・・・・・小径部位
115、215・・・・・・・・・・・・・・・逆止弁部
115a・・・・・・・・・・・・・・・・・・弁膜部分
120、520、620、720、820、920・・・閉止体
121、521、621、721、821・・・締付環部
521a、721a・・・・・・・・・・・・・環内凸部
122、522、622、722、822・・・押圧部
623、823・・・・・・・・・・・・・・・閉止体弁部
623a、823a・・・・・・・・・・・・・閉止体弁膜部分
824・・・・・・・・・・・・・・・・・・・排出路挿入部
825・・・・・・・・・・・・・・・・・・・抜け止め突起部
826・・・・・・・・・・・・・・・・・・・閉止蓋部
930、940・・・・・・・・・・・・・・・脱落防止体
931、941・・・・・・・・・・・・・・・表側被覆部
931a、941a・・・・・・・・・・・・・表側外面部分
931b、941b・・・・・・・・・・・・・表側内面部分
932、942・・・・・・・・・・・・・・・裏側被覆部
932a、942a・・・・・・・・・・・・・裏側外面部分
932b、942b・・・・・・・・・・・・・裏側内面部分
932ba、942ba・・・・・・・・・・・突出部位
932bb、942bb・・・・・・・・・・・中央部位
941w・・・・・・・・・・・・・・・・・・包皮収容窓部分
941wf・・・・・・・・・・・・・・・・・窓縁部位
BF・・・生物流体(尿)
AS・・・収容空間
IC・・・導入路
OC・・・排出路
GS・・・誘導空間
VO・・・弁開口
AV・・・弁開口の長軸
IS・・・締付挿入空間
MS・・・装着挿入空間
TA・・・収容部の厚み寸法
TI・・・導入部の厚み寸法
TO・・・排出部の厚み寸法
TG・・・誘導部の厚み寸法
TR・・・脱落防止体の厚み寸法
LG・・・誘導部の長さ寸法
ID・・・導入路の内径寸法
FO・・・閉止体弁開口
OI・・・排出部挿入空間
OS・・・排出路閉塞空間
VS・・・弁間空間
CC・・・閉止体排出路
OO・・・閉止体排出口
B・・・・人体
C・・・・着衣
P・・・・排泄器官(陰茎)
F・・・・包皮
G・・・・亀頭
UO・・・外尿道口
AU・・・外尿道口の長軸
UT・・・尿道
θ・・・・偏位角
【要約】
【課題】身体に装着して携行でき、単純な構成で、装着感が良く、採尿時に尿漏れせず、収容量が排尿量の多寡に対応できる生物流体収容容器を提供すること。
【解決手段】生物流体BFを収容する中空の収容部111と、収容部の一方に連通して生物流体を導入する導入部分を備えている中空の導入部112と、収容部の他方に連通して生物流体を排出する排出部分を備えている中空の排出部113と、導入部の導入口部分とは逆側に連通して収容部内に向けて生物流体を収容部内に誘導する中空の誘導部114と、誘導部に形成して生物流体が逆流することを防止する逆止弁部115と、を低硬度かつ高伸張性を有する素材により一体に形成してなり、収容部111が、導入部及び排出部のいずれの部位の伸張性よりも高い伸張性を有する高伸張部位を備えている容器本体100。
【選択図】図4
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図24C
図25