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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】頭部装着型視認装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20231225BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20231225BHJP
   A61B 5/153 20060101ALI20231225BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
A61B10/00 E
A61B5/153
A61M5/00 500
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023113262
(22)【出願日】2023-07-10
【審査請求日】2023-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305021650
【氏名又は名称】株式会社近藤研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健人
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-086007(JP,A)
【文献】特表2016-521480(JP,A)
【文献】特開2019-036888(JP,A)
【文献】特表2018-536883(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105125177(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01,27/02
H04N 5/64
A61B 9/00-10/06
A61B 5/06-5/22
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の頭部に装着される頭部装着部と、
前記頭部装着部に取り付けられ、前記装着者の左右の視線を夫々前方へ通過させる左右の視線通過部材と、
左右一方の視線通過部材に隣接して配設され、前記視線通過部材を介して不可視光を受光して画像データを取得する撮像手段と、
左右他方の視線通過部材に隣接して配設され、前記撮像手段で取得した前記画像データに基づいて画像を表示するための画像表示手段と
を備え、
左右一方の視線通過部材が、
前記装着者の左右一方の視線を前方へ通過させると共に、前記撮像手段の光軸を前方へ屈折させるプリズムを備えたものであり、
左右他方の視線通過部材が、
前記装着者の左右他方の視線を前方へ通過させると共に、前記画像表示手段により表示される前記画像を当該視線で視認可能とするプリズムを備えたものであることを特徴とする頭部装着型視認装置。
【請求項2】
視線通過部材のプリズムは、
二個の直角プリズムを互いの斜面同士を重ね合わせて一体化された立方体形を成し、該斜面に、その表方から入射した光を裏方へ透過させる透過光と反射させる反射光とに分ける透過反射手段が設けられたものであり、
左右一方の視線通過部材は、
前記プリズムが、前記透過反射手段を有する斜面によって撮像手段の光軸を前方へ屈折させるように配設されてなり、
左右他方の視線通過部材は、
前記プリズムが、前記透過反射手段を有する斜面によって画像表示手段で表示される画像を反射させて左右他方の視線で視認可能とするように配設されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光で見えないものを、近赤外波長域の光などにより可視化して装着者が視認できるようにした頭部装着型視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療現場にあっては、医療従事者が採血や点滴等を行う際に、注射針を穿刺する血管が見え難い場合があり、こうした場合に指の触覚等で血管の位置を確かめる手法が行われる。ところが、この手法は経験を必要とすることから、経験の浅い医療従事者では注射針の穿刺に失敗して刺し直すことがあり、患者の負担となっていた。この問題を解決し得るために、例えば特許文献1の装置が提案されている。かかる従来の装置は、近赤外線画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段で撮像された画像を表示するモニタ手段とを備え、眼鏡に装着された状態で、該モニタ手段が一方のレンズ前方に配置されて、該モニタ手段で近赤外線画像を見ることができるようにしたものである。この従来構成を医療従事者が使用することによって、前記撮像手段で血管を撮像できることから、モニタ手段に映る近赤外線画像を片方の眼で見ることで、肉眼で視認不能な血管の位置を確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-58221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1の従来構成にあっては、近赤外線画像を撮像する前記撮像手段が、左右のレンズの中間に位置するように眼鏡に配置されていることから、左右両眼の目視による観察と近似した視線方向の画像を撮像できる。ところが、前記撮像手段の光軸が、左右いずれの視線とも一致しないことから、該撮像手段で撮像した画像を、左右一方の眼前に配置したモニタ手段で表示すると、左右の眼での見え方に違和感を生じ易い。特に、一方の眼でモニタ手段を見つつ他方の眼で対象物を見た際には、夫々の眼で見る像が一致せずにブレて見えてしまう。こうしたことから、肉眼で視認不能な血管位置を正確に特定することが難しい場合があり、該血管位置を正確に特定する作業の効率化に限界が生じていた。尚、前記従来構成は、肉眼で視認不能なものを観察できることから、採血や点滴等の現場に限らず、他の医療現場や、非破壊での観察を要する工事現場や研究開発現場でも適用可能であるものの、前述と同様の問題が生ずる虞があった。
【0005】
本発明は、撮像手段で撮像した画像を、肉眼で目視した場合と同様に違和感無く見ることができ、肉眼で視認不能な対象を観察する作業を効率的に行い得る頭部装着型視認装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、装着者の頭部に装着される頭部装着部と、前記頭部装着部に取り付けられ、前記装着者の左右の視線を夫々前方へ通過させる左右の視線通過部材と、左右一方の視線通過部材に隣接して配設され、前記視線通過部材を介して不可視光を受光して画像データを取得する撮像手段と、左右他方の視線通過部材に隣接して配設され、前記撮像手段で取得した前記画像データに基づいて画像を表示するための画像表示手段とを備え、左右一方の視線通過部材が、前記装着者の左右一方の視線を前方へ通過させると共に、前記撮像手段の光軸を前方へ屈折させるプリズムを備えたものであり、左右他方の視線通過部材が、前記装着者の左右他方の視線を前方へ通過させると共に、前記画像表示手段により表示される前記画像を当該視線で視認可能とするプリズムを備えたものであることを特徴とする頭部装着型視認装置である。ここで、不可視光は、肉眼で目視可能な可視光の波長域を除く波長域の光を示す。
【0007】
かかる構成にあっては、プリズムによって撮像手段の光軸を左右一方の視線と一致させることができ、該一致によって該撮像手段が装着者の目線で撮像できる。こうした撮像手段で撮像した画像(以下、不可視光画像という)を画像表示手段で表示することにより、装着者が、左右一方の眼でプリズムを介して対象物を目視できると共に左右他方の眼で前記不可視光画像を見ることができるため、可視光で見る対象物と前記不可視光画像(前記撮像手段で撮像した画像)とを重ねて見ることができる。ここで、本構成では、撮像手段の光軸が視線と一致できることによって、画像表示手段で表示される前記不可視光画像が、可視光で見る対象物に合うため、両者を装着者が違和感無く見ることができる。これにより、肉眼(可視光)で目視不能なものを正確かつ容易に視認することができる。
【0008】
本発明の構成によれば、前記した医療現場、工事現場、および研究開発現場で使用されることで、作業の正確性と効率化とを向上できる。例えば、前記した採血等の医療現場で、血管位置が肉眼で確認できない場合にあっても、本発明の構成によれば、該血管位置を正確かつ容易に特定できる。また、肉眼で視認できない癌も、本発明の構成によれば、正確且つ容易に見つけることができるため、早期発見と早期治療とに大きく寄与できる。さらに、本発明の構成を用いることによって、リアルタイムで癌を視認できることから、その処置(手術等)を行うこともできる。
【0009】
前述した本発明の頭部装着型視認装置にあって、視線通過部材のプリズムは、二個の直角プリズムを互いの斜面同士を重ね合わせて一体化された立方体形を成し、該斜面に、その表方から入射した光を裏方へ透過させる透過光と反射させる反射光とに分ける透過反射手段が設けられたものであり、左右一方の視線通過部材は、前記プリズムが、前記透過反射手段を有する斜面によって撮像手段の光軸を前方へ屈折させるように配設されてなり、左右他方の視線通過部材は、前記プリズムが、前記透過反射手段を有する斜面によって画像表示手段で表示される画像を反射させて左右他方の視線で視認可能とするように配設されてなるものである構成が提案される。
【0010】
かかる構成にあっては、左右一方の視線通過部材のプリズムを透過した透過光を装着者が受光し且つ当該プリズムで反射した反射光を撮像手段が受光することから、該撮像手段が該装着者の目線で安定して撮像できる。そして、左右他方の視線通過部材では、そのプリズムによって、画像表示手段で表示される画像を反射することがから、装着者が該画像を安定して見ることができる。したがって、本構成によれば、前述した本発明の作用効果が安定して発揮され得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の頭部装着型視認装置にあっては、前述したように、撮像手段の光軸が装着者の視線と一致させることができ、該一致によって該撮像手段が該装着者の目線で撮像できるから、この撮像した不可視光画像を、プリズムを介して目視する対象物に重ね合わせて見せることができる。これにより、装着者が撮像手段で撮像された不可視光画像を対象物と一緒に違和感無く視認できるため、肉眼で目視不能なものに対する所望の作業(処置)を正確かつ容易に行うことができ、該作業の正確性と効率化とを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例の頭部装着型視認装置1を示す斜視図である。
図2】頭部装着型視認装置1の、(A)平面図と、(B)正面図である。
図3】頭部装着型視認装置1を装着した状態を示す側面図である。
図4】右側の視線撮像本体22の、(A)右側筐体31を切り欠いて示す平面図と、(B)右側筐体31を切り欠いて示す正面図である。
図5】左側の視線撮像本体23の、(A)左側筐体41を切り欠いて示す平面図と、(B)左側筐体41を切り欠いて示す正面図と、(C)正面図である。
図6】(A)右側の視線撮像本体22の第一プリズム33を示す斜視図と、(B)第一プリズム33の分解斜視図と、(C)左側の視線撮像本体23の第二プリズム43,43を示す斜視図と、(D)第二プリズム43,43の分解斜視図である。
図7】頭部装着型視認装置1における、装着者の視線S1,S2と近赤外線カメラ34の光軸P1とを示す説明図である。
図8】視認画像表示システム61を示す説明図である。
図9】視認画像表示システム61の画像表示装置64での表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を具体化した実施例を、添付図面を用いて説明する。尚、実施例にあって、前後方向は、実施例の頭部装着型視認装置1を装着した装着者における前後方向を示し、左右は、同様に該装着者における左右を示す。そして、前後方向と上下方向(縦方向)とに直交する左右方向を左右横方向という。また、左右方向にあって、左右の外側から装着者の中心に向かう方向を、内方とする。さらに、実施例にあって、前面と正面とは、同じ意味で用いている。
【0014】
実施例の頭部装着型視認装置1は、図1~3に示すように、装着者101の両眼前方に配設されて両眼を覆う透明なシールド部4と、該装着者の両耳に掛けられることによって該装着者の頭部に装着されるフレーム部3とが一体的に設けられた保護メガネ2を備える。そして、前記フレーム部3の中央部に連結部材5を介して取り付けられた視線撮像ユニット6および照明装置7を備え、該視線撮像ユニット6と照明装置7とが一体的に設けられている。
【0015】
前記連結部材5は、前記保護メガネ2のフレーム部3に固定される基部11と、該基部11に上下方向へ傾動可能に設けられた支持杆部12と、該支持杆部12を挿通させた上下方向の長孔が設けられた摺動部13とを備える。支持杆部12の先端部には位置決め部15が回転可能に螺着されており、該位置決め部15を締結することによって、該支持杆部12に対する摺動部13の上下位置を固定できる一方、該位置決め部15の締結解除によって、摺動部13を支持杆部12に対して上下方向へ移動できる。摺動部13には、前記照明装置7が上下方向へ傾動可能に取り付けられており、該照明装置7に前記視線撮像ユニット6が一体的に取り付けられている。こうした連結部材5は、支持杆部12を基部11に対して傾動させることによって、該支持杆部12と摺動部13と照明装置7および視線撮像ユニット6とを一体的に前後方向へ傾動できる。この視線撮像ユニット6の傾動により、装着者101の両眼との距離を変更できる。また、摺動部13を支持杆部12に対して上下方向へ摺動させることによって、該摺動部13と照明装置7および視線撮像ユニット6とを一体的に上下方向へ摺動できる。さらにまた、照明装置7を摺動部13に対して上下方向へ傾動させることによって、該照明装置7と視線撮像ユニット6とを一体的に上下方向へ傾動でき、これらを装着者に対して所望の角度で傾斜できる。
【0016】
照明装置7は、前記摺動部13に傾動可能に取り付けられた照明支持部17と、可視光を照射する可視光ライト18と、近赤外光(近赤外波長域の光)を照射する近赤外光ライト19とを備え、可視光ライト18と近赤外光ライト19とが照明支持部17に支持されている。可視光ライト18と近赤外光ライト19とは、前記視線撮像ユニット6の第一,第二プリズム33,43を介して見る対象物(装着者の視点T)に夫々光りを照射するように配置されている。可視光ライト18が可視光を照射することによって、前記対象物の視認性を向上できる一方、近赤外光ライト19が近赤外光を照射することによって、後述する近赤外線カメラ34が近赤外線画像を撮像できる。尚、これらライト18,19には、図示しないON/OFFスイッチや電源などがケーブルを介して夫々接続されている。
【0017】
次に、本発明の要部にかかる視線撮像ユニット6について説明する。
視線撮像ユニット6は、図1~3に示すように、前記照明装置7の照明支持部17に取り付けられた案内支持部材21と、該案内支持部材21に夫々支持された左右の視線撮像本体22,23とを備える。
【0018】
案内支持部材21は、左右方向に長尺状に形成され、左右方向の中央部が前記照明支持部17に固結されている。この案内支持部材21は、中央部に対して左右対称に形成されており、左右両側に第一案内長孔部25と第二案内長孔部26とが夫々設けられている。第一案内長孔部25は、左右横方向へ直線状に開口された長孔であり、案内支持部材21を上下方向に貫通している。左右の第一案内長孔部25は、装着者に装着された状態で、該装着者の左右両眼に対応する各両眼の前方位置に夫々設けられている。また、第二案内長孔部26は、前記第一案内長孔部25の外側に、該第一案内長孔部25に対して前方へ直線状に傾斜された長孔であり、案内支持部材21を上下方向に貫通している。
【0019】
右側の視線撮像本体22は、前記案内支持部材21に左右方向へ摺動可能に支持された右側筐体31と、該右側筐体31の前部に取り付けられたルーペ部32と、該右側筐体31の内部に配設された第一プリズム33(図4参照)とを夫々備える。さらに、右側筐体31の内部には、近赤外線カメラ34が配設されている(図4参照)。右側筐体31は、内側(照明装置7寄り)に配置された第一筐体部31aと、該第二筐体部31bの外方に連結筒部31cを介して連結された第二筐体部31bとを備え、第一筐体部31aの内部と第二筐体部31bの内部とが連結筒部31cの内部を介して連通されている。
【0020】
ここで、第一筐体部31aに配設された第一プリズム33は、図6(A),(B)に示すように、二個の直角プリズム38,38が互いの斜面38a,38a同士を重ね合わせて接合された立方体であり、いわゆるキューブ型のビームスプリッターである。この第一プリズム33の斜面38aには、透過率(透明度)を0~50%とするミラーコーティングが施されている。この第一プリズム33は、図4,7に示すように、装着者の眼前で斜面38aを内側前方へ傾斜させるようにして第一筐体部31aの内部に配設される。そして、第一プリズム33の前面が、第一筐体部31aの前部に取り付けられたルーペ部32に対向配置される。この第一プリズム33には、前面、後面、および右側面に反射防止コーティングが施されると共に、その他の三面に、光の入出力を抑制する黒色コーティングが施される。
【0021】
第一筐体部31aには、図4に示すように、前面部と後面部とに、内部の第一プリズム33を臨む開口部(図示せず)が夫々形成されており、該前面部に前記ルーペ部32が配設されている。ルーペ部32は、略截頭円錐状の鏡筒と該鏡筒の前後端部に並設された二枚のレンズを備えた構成であり、後端部のレンズが前記第一筐体部31aの前面部の開口部に対向するように、該第一筐体部31aに一体的に取り付けられている。
【0022】
さらに、第一筐体部31aには、図1~4に示すように、上面から上方へ突出されて、前記案内支持部材21の第一案内長孔部25に挿通される杆部と、該第一案内長孔部25上で該杆部の上部に螺着されて、該第一案内長孔部25に挿通不能な固定部とを有する支持杆部35が設けられている。この支持杆部35の固定部を締め付けることによって、第一筐体部31aを案内支持部材21に位置決め固定できる一方、該固定部の締め付けを解除することによって、該第一筐体部31aを第一案内長孔部25に沿って相対移動できる。同様に、第二筐体部31bには、その上面から上方へ突出されて、前記案内支持部材21の第二案内長孔部26に挿通される杆部と、該第二案内長孔部26上で該杆部の上部に螺着されて、該第二案内長孔部26に挿通不能な固定部とを有する支持杆部36が設けられている。この支持杆部36の固定部を締め付けることによって、第二筐体部31bを案内支持部材21に位置決め固定できる一方、該固定部の締め付けを解除することによって、該第二筐体部31bを第二案内長孔部26に沿って相対移動できる。
【0023】
こうした右側の視線撮像本体22は、案内支持部材21の第一,第二案内長孔部25,26に挿通された支持杆部35,36により夫々吊持される。そして、視線撮像本体22は、両支持杆部35,36の固定部が締め付けられていない状態で、左右横方向へ移動可能であり、少なくとも一方の支持杆部35,36の固定部を締め付けることによって、位置決めされる。この締め付けられていない状態で視線撮像本体22を左右へ移動させると、該視線撮像本体22が左右横方向へ移動しつつ、第一案内長孔部25に挿通された夫々の支持杆部35を中心として前後方向へ傾動する。
【0024】
一方、左側の視線撮像本体23は、前記案内支持部材21に左右方向へ摺動可能に支持された左側筐体41と、該左側筐体41の内側寄り前部に取り付けられたルーペ部32と、該左側筐体41の内部に配設された第二プリズム43,43(図5参照)とを夫々備える。さらに、左側筐体41の内部には、眼球用カメラ44が配設されると共に、モニター51とレンズ52とが前後に並んで配設されている(図5参照)。
【0025】
ここで、左側筐体41の内部には、図5に示すように、二個の第二プリズム43,43が左右方向に並設されており、一方の第二プリズム43が前記ルーペ部32の直後方に対向配置され、他方の第二プリズム43が一方の第二プリズム43の左方(外方)に配置されている。これら第二プリズム43,43は、図6(C),(D)に示すように、前記した第一筐体部31aの第一プリズム33と同様に二個の直角プリズム38,38で形成された立方体であり、斜面38aに、透過率(透明度)を0~50%とするミラーコーティングが施されている。二個の第二プリズム43,43は、図4に示すように、装着者の眼前で斜面38aを内側後方へ傾斜させるようにして左側筐体41の内部に配設される。そして、一方(ルーペ部32の直後方)の第二プリズム43は、前面、後面、および左側面に反射防止コーティングが施されると共に、その他の三面に、光の入出力を抑制する黒色コーティングが施される。他方の第二プリズム43は、前面、右側面、および左側面に反射防止コーティングが施されると共に、その他の三面に、光の入出力を抑制する黒色コーティングが施される。
【0026】
左側筐体41には、図5に示すように、前面部と後面部とに、前記した一方(内側)の第二プリズム43を臨む開口部(図示せず)が夫々形成されており、該前面部に前記ルーペ部32が配設されている。このルーペ部32は、前記右側の視線撮像本体22に配設されたものと同じ構成であり、後端部のレンズが前記左側筐体41の前面部の開口部に対向するように、該左側筐体41に一体的に取り付けられている。さらに、この左側筐体41には、内側寄りの上面から上方へ突出された支持杆部35と、外側寄りの上面から上方へ突出された支持杆部36とが設けられている。これら支持杆部35,36は、前記した右側の視線撮像本体22に設けられた支持杆部35,36と夫々同じ構成のものである。
【0027】
こうした左側の視線撮像本体23は、前述した右側の視線撮像本体22と同様に、案内支持部材21の第一,第二案内長孔部25,26に挿通された支持杆部35,36により夫々吊持される。視線撮像本体23は、両支持杆部35,36の少なくとも一方の固定部を締め付けることによって、位置決めされる。そして、両支持杆部35,36が締め付けられていない状態で視線撮像本体23を左右へ移動させると、該視線撮像本体23が左右横方向へ移動しつつ、支持杆部35を中心として前後方向へ傾動する。
【0028】
尚、視線撮像本体22,23の支持杆部35,36と案内支持部材21の第一,第二案内長孔部25,26との夫々の位置や寸法形状等は、該視線撮像本体22,23の移動によって、後述するように第一,第二プリズム33,43を通過する視線S1,S2の交わる位置T(以下、視点という)が略変わらないように、設定されている。
【0029】
また、前述した右側の視線撮像本体22には、図4に示すように、第二筐体部31bおよび連結筒部31cに近赤外線カメラ34が配設されている。近赤外線カメラ34は、近赤外線波長域の光を受光して撮像できるものであり、撮像素子が設けられた本体部とレンズが設けられた鏡筒部とを備え、撮像素子とレンズとの相対距離を変えることによってピント調整ができる。こうした近赤外線カメラ34は、鏡筒部のレンズが、前記第一プリズム33の右側面に対向するように設けられている。また、本実施例にあっては、連結筒部31cに、ピント調整するための円盤状の操作板部37が設けられている。こうした近赤外線カメラ34は、ルーペ部32を介した装着者の視点Tでピント調整できるように、焦点距離とF値(絞り)等が定められている。
【0030】
近赤外線カメラ34には、ケーブル40が接続されており、該ケーブル40を介して通信制御装置39に接続されている。このケーブル40は、図1,4に示すように、第二筐体部31bから差し出されて、前記保護メガネ2のフレーム部3に連結され、装着者に保持された通信制御装置39に接続される。近赤外線カメラ34と通信制御装置39との間では、ケーブル40を介して、該近赤外線カメラ34に撮像を指示する信号と該近赤外線カメラ34で撮像した画像データとが送受信されると共に、該通信制御装置39から近赤外線カメラ34に電力が供給される。通信制御装置39は、近赤外線カメラ34に撮像させるスイッチ、電源、および無線通信機能などを備えており、該無線通信機能によって、近赤外線カメラ34から入力した画像データをネットワークを介して通信することができる。
【0031】
左側の視線撮像本体23の左側筐体41には、図5に示すように、前記他方(外側)の第二プリズム43の外方に、眼球用カメラ44が配設されている。眼球用カメラ44は、可視光(可視光波長域の光)を受光して撮像できるものであり、撮像素子が設けられた本体部とレンズが設けられた鏡筒部とを備え、該鏡筒部のレンズが、前記外側の第二プリズム43の左側面に対向するように設けられている。ここで、眼球用カメラ44は、第二プリズム43,43を介して装着者の眼球でピント調整できるように、焦点距離とF値(絞り)等が定められている。
【0032】
さらに、左側筐体41の内部には、前記外側の第二プリズム43の直前方にモニター51が配設されると共に、当該第二プリズム43と該モニター51との間にレンズ52が配設されている。ここで、レンズ52は、前記外側の第二プリズム43の前面に対向状に配置され、モニター51は、該レンズ52を介して当該第二プリズム43の前面に対向状に配置されている。ここで、モニター51は、後述するように、前記した近赤外線カメラ34で撮像した画像が表示される極小型のものであり、レンズ52は、モニター51で表示する画像を拡大表示させるものである。
【0033】
前記した眼球用カメラ44とモニター51とには、図1,5に示すように、夫々ケーブル48,49が接続されており、該ケーブル48,49を介して前記通信制御装置39に接続されている。そして、眼球用カメラ44とモニター51とは、前述した近赤外線カメラ34と同様に、通信制御装置39との間でケーブル48,49を介して信号やデータとが送受信されると共に、該通信制御装置39から電力が供給される。ここで、モニター51では、前記通信制御装置39によって、近赤外線カメラ34で表示された画像が表示される。すなわち、通信制御装置39は、近赤外線カメラ34から送信された画像データに基づいて、モニター51で画像表示する表示制御手段が設けられている。これにより、モニター51では、近赤外線カメラ34で撮像した画像(以下、近赤外線画像という)を、リアルタイムで表示することができる。
【0034】
このように左右の視線撮像本体22,23は、前記第一,第二プリズム33,43を備えた構成であることから、装着者の視線S1,S2で前方に位置する対象物をルーペ部32,32によって拡大視できると共に、近赤外線カメラ34および眼球用カメラ44により撮像することと、モニター51で表示された近赤外線画像を装着者が見ることとができるようになっている。
【0035】
詳述すると、右側の視線撮像本体22では、ルーペ部32を介して正面から入射する入射光が第一プリズム33により、該第一プリズム33の斜面38aを透過する透過光と、該斜面38aで外方(右方)へ反射する反射光とに分かれる。これにより、図7に示すように、右眼の視線S1が第一プリズム33を通過すると共に、近赤外線カメラ34の光軸P1が、該第一プリズム33を通過する右眼の視線S1と一致できることから、該近赤外線カメラ34が装着者の目線で撮像できる。
【0036】
左側の視線撮像本体23では、ルーペ部32を介して正面から入射する入射光が内側の第二プリズム43を透過すると共に、前記モニター51で発する光が、外側の第二プリズム43の斜面38aで反射して内方(右方)へ屈折して、内側の第二プリズム43の斜面38aで反射して後方へ屈折する。これにより、左眼の視線S2が、内側の第二プリズム43を通過すると共にモニター51で表示された近赤外線画像を見ることができるから、左眼では、該対象物と該近赤外線画像とを重ねて見ることができる。ここで、前述したように、モニター51では前記近赤外線カメラ34で撮像された近赤外線画像をリアルタイムで表示することから、装着者は、左右の視線S1,S2で目視する像(可視光で見る像)と近赤外線カメラ34で撮像した像(近赤外波長域の光で見える像)とが重ねられて見える。尚、モニター51の直後方に配置されたレンズ52は、モニター51で表示された近赤外線画像を、ルーペ部32を介して目視するサイズに合わせるために用いられる。
【0037】
さらに、外側の第二プリズム43は、前述のようにモニター51の光を斜面38aで反射すると共に、該斜面38aで左右方向へ光を透過する。これにより、眼球用カメラ44の光軸P2が、外側の第二プリズム43を通過して内側の第二プリズム43で後方へ屈折することから、装着者の左の眼球を略正面から撮像することからできる。この眼球用カメラ44は、左眼にピントを合わせて、該左眼の動画を撮像し、該動画の画像データを前記通信制御装置39へ送信する。
【0038】
本実施例の頭部装着型視認装置1は、保護メガネ2が装着者の頭部に装着されて、視線撮像ユニット6が該装着者の眼前に配置されることにより、該装着者に使用される(図3参照)。そして、装着者が、連結部材5を操作して、視線撮像ユニット6を昇降動させたり前後方向へ傾動させたりすることにより、該視線撮像ユニット6と照明装置7とを所望位置とする。さらに、左右の視線撮像本体22,23を操作して、各視線撮像本体22,23の第一,第二プリズム33,43(およびルーペ部32,32)を、左右夫々の眼前に配置する。このように左右の視線撮像本体22,23を、装着者の両眼に合わせて位置決めすることにより、図7に示すように、視線S1,S2が第一,第二プリズム33,43とルーペ部32,32とを通過して、両視線S1,S2が交わる視点Tで対象物を拡大視できる。
【0039】
このように視線撮像本体22,23を位置合わせすることによって、装着者の視線S1が第一プリズム33の中心または略中心を通過すると、該視線S1と近赤外線カメラ34の光軸P1とが一致する。これにより、近赤外線カメラ34が、装着者の目線で対象物を撮像できる。すなわち、前記した近赤外光ライト19により近赤外光(近赤外波長域の光)を対象物(視点T)へ照射した状態で、近赤外線カメラ34で撮像することにより、該対象物の近赤外線画像の画像データを生成できる。そして、通信制御装置39が、近赤外線カメラ34で撮像された画像データを受信すると、該画像データに基づいた近赤外線画像をモニター51で表示する制御を行う。これにより、モニター51で、近赤外線カメラ34で撮像された近赤外線画像をリアルタイムで表示する。こうしてモニター51で表示される近赤外線画像を装着者が左眼で見ることにより、左右の眼で第一,第二プリズム33,43とルーペ部32,32とを介して見る対象物に、近赤外線カメラ34で撮像された近赤外線画像(可視光で視認不能かつ近赤外波長域の光で視認可能な画像)を重ねて、リアルタイムで視認できる。
【0040】
次に、前述した頭部装着型視認装置1を有する視認画像表示システム61について説明する。
視認画像表示システム61は、図8に示すように、頭部装着型視認装置1と、該頭部装着型視認装置1の通信制御装置39から送信された画像データを受信するコンピュータ62と、該コンピュータ62を介して該画像データを記憶する記憶装置63と、該画像データに基づいて動画や静止画を表示する画像表示装置64とを備える。尚ここで、通信制御装置39から送信される画像データには、前記近赤外線カメラ34により撮像された画像データと、前記眼球用カメラ44により撮像された画像データとが含まれる。
【0041】
前記コンピュータ62は、中央制御装置、データを送受信する手段、画像表示装置64で動画や静止画を表示させる画像制御手段などを備える。コンピュータ62では、前記近赤外線カメラ34で撮像された画像データを受信すると、画像制御手段が、該画像データに基づいて画像表示装置64で近赤外線画像72(図9参照)をリアルタイムで表示させる処理を行う。さらに、画像制御手段は、眼球用カメラ44で撮像された画像データを受信すると、当該画像データと、前記近赤外線カメラ34で撮像された画像データとに基づいて、前記近赤外線画像上における眼球の視線位置を所定の演算により取得し、該視線位置を示す視線画像73(図9参照)を生成する。そして、この視線画像73を前記近赤外線画像72に重ねて画像表示装置64で表示する処理を行う。
【0042】
画像制御手段による視線位置を取得する所定の演算は、ルーペ部32,32の倍率や、眼球用カメラ44で撮像した画像データに表示される眼球(瞳孔)の位置などから予め設定されており、近赤外線カメラ34で撮像された画像データにより表示する近赤外線画像72における視線位置を求めることができる。ここで、眼球用カメラ44は、前述したように、左眼の略正面から眼球の動画を撮像できることから、画像制御手段は、該動画の画像データを解析することによって、当該眼球の動きを正確に求めることができ、前記視線位置を正確かつ安定して取得できる。
【0043】
さらに、コンピュータ62は、近赤外線カメラ34から受信した画像データと、眼球用カメラ44から受信した画像データとを時系列的に対応付けて、前記記憶装置63に記憶する処理を行う。そして、管理者等により操作されることによって、記憶装置63に記憶された前記画像データを選択的に読み込んで、前述したように近赤外線画像と視線画像とを重ねて画像表示装置64で表示する。
【0044】
こうした視認画像表示システム61は、図9に示すように、頭部装着型視認装置1の近赤外線カメラ34で撮像した画像データによって、画像表示装置64で近赤外線画像72を表示できると共に、眼球用カメラ44で撮像した画像データから取得した視線画像73を、前記近赤外線画像72に重ねて該画像表示装置64で表示できる。これにより、画像表示装置64を見る者が、該装着者と同様に、近赤外波長域の光で視認可能なものを含む対象物71を見ることができると共に、該装着者の視線位置を視認することができる。
【0045】
本実施例の頭部装着型視認装置1は、前述したように、装着者が、肉眼で見る(可視光で見る)対象物に近赤外波長域の光で見える近赤外線画像を重ねて見ることができるから、該近赤外線画像を正確に視認できる。ここで、近赤外線カメラ34の光軸P1が第一プリズム33で屈折されて装着者の視線S1と一致することから、装着者は、肉眼で見る対象物に近赤外線画像を違和感無く重ねて見ることができる。さらに、本実施例の視認画像表示システム61は、頭部装着型視認装置1の近赤外線カメラ34で撮像した近赤外線画像に、眼球用カメラ44で撮像した画像データから得た視点画像を重ねて、画像表示装置64で表示することから、該画像表示装置64を見る者が、装着者と同じ目線で近赤外線画像を見ることができると共に、視点画像によって該装着者の注視点を視認さできる。こうした本実施例の構成は、医療現場で適用することができ、例えば、採血や点滴等を行う医療従事者が頭部装着型視認装置1を装着することによって、血管を肉眼で視認し難い患者であっても該血管の位置を正確かつ容易に視認できる。また、手術の執刀医が頭部装着型視認装置1を装着することによって、肉眼で視認できない癌等を正確かつ容易に視認することができる。そして、こうした手術中に近赤外線カメラ34で撮像した近赤外線画像と眼球用カメラ44の撮像に基づく視点画像とを画像表示装置64で表示することによって、アシスタントや見学者等が執刀医と同じ目線で手術の状況を見ることができると共に、該執刀医の注視点を知得できる。これにより、手術中にリアルタイムで表示すれば、前記アシスタントや見学者が手術状況を正確に知ることができるため、手術状況に応じて的確なアドバイス等を行うことができる。または、見学者等に、執刀医による手術の流れや注視点を正確に伝えることができる。同様に、手術後に記憶装置63に記憶した画像データを読み込んで画像表示装置64で表示することによって、学生や他の医療関係者に様々手術状況に関する知見を広めることに役立つ。
【0046】
本実施例にあって、保護メガネ2が本発明にかかる頭部装着部に相当する。右側の視線撮像本体22に配設された第一プリズム33と、左側の視線撮像本体23に配設された内側の第二プリズム43(ルーペ部32の直後方に位置するもの)とが、本発明にかかるプリズムに相当し、本発明の視線通過部材を構成している。第一プリズム33の、内側前方へ傾斜された斜面38aと、第二プリズム43の、内側後方へ傾斜された斜面38aとが、本発明にかかる透過反射手段に相当する。近赤外線カメラ34が、本発明にかかる撮像手段に相当し、近赤外光(近赤外波長域の光)が、本発明にかかる不可視光に相当する。モニター51が、本発明にかかる画像表示手段に相当する。
【0047】
本発明は、前述した実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、前述の実施例における各部の寸法形状は、適宜変更することができる。
【0048】
前述の実施例は、左側の視線撮像本体に眼球用カメラを備えたものであるが、これに限らず、眼球用カメラを備えない構成としても良い。この構成の場合には、視認画像表示システムが、画像表示装置で視点位置を表示しないものとなる。
【0049】
前述の実施例は、近赤外線カメラを備えた構成であるが、これに限らず、他の波長域の不可視光を受光して撮像するカメラ(撮像手段)を備えた構成としても良い。
【0050】
前述の実施例は、左側の視線撮像本体が、モニターとプリズムとの間にレンズを配設した構成であるが、これに限らず、レンズを設けない構成であっても良い。このレンズは、モニターで表示される画像のスケールを、ルーペ部を介して装着者が見る対象物に合わせるためのものであることから、モニターのサイズや画像の表示サイズを調整すれば、レンズは設ける必要が無い。
【0051】
前述の実施例は、左右の視線撮像本体が夫々ルーペ部を備えた構成であるが、ルーペ部の無い構成であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 頭部装着型視認装置
2 保護メガネ(頭部装着部)
33 第一プリズム
43 第二プリズム
34 近赤外線カメラ
38 直角プリズム
51 モニター(画像表示手段)
P1 光軸
S1,S2 視線
【要約】
【課題】近赤外線カメラで撮像した画像を違和感無く見ることができ、肉眼で視認不能な対象を観察する作業を効率的に行い得る頭部装着型視認装置を提案する。
【解決手段】装着者の左右の視線S1,S2を夫々前方へ通過させる第一,第二プリズム33,43と、左右一方の第一プリズム33に隣接配置された近赤外線カメラ34と、左右他方の第二プリズム43に隣接配置されたモニター51とを備え、近赤外線カメラ34で撮像された近赤外線画像をモニター51で表示させるものであり、左右一方の第一プリズム33が近赤外線カメラ34の光軸P1を屈折させて左右一方の視線S1に一致できると共に、左右他方の第二プリズム43がモニター51で表示される近赤外線画像を左右他方の視線S2で視認可能とした。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9