(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】固着された構造体、固着方法及び固着装置
(51)【国際特許分類】
F16B 19/06 20060101AFI20231225BHJP
F16B 5/04 20060101ALI20231225BHJP
B21J 15/00 20060101ALI20231225BHJP
B21J 13/02 20060101ALI20231225BHJP
B21J 13/14 20060101ALI20231225BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
F16B19/06
F16B5/04 C
B21J15/00 G
B21J13/02 H
B21J13/14 C
H05K7/20 A
(21)【出願番号】P 2023543177
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2022039318
【審査請求日】2023-07-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000123608
【氏名又は名称】かがつう株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 宗佑
(72)【発明者】
【氏名】野崎 雅暉
(72)【発明者】
【氏名】田中 優治
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勝
(72)【発明者】
【氏名】紺谷 英紀
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-004267(JP,A)
【文献】特開2022-002857(JP,A)
【文献】特開平04-237536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 19/06
F16B 5/04
B21J 15/00
B21J 13/02
B21J 13/14
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1部材及び第2部材を含む複数の部材を固着した構造体であって、
前記第1部材には第1貫通孔が設けられており、
前記第1貫通孔にはカシメ体が挿通されており、
前記第1貫通孔の一端は、前記第1部材の一つの平面部に開口する第1開口部を形成しており、
前記第1貫通孔の他端は、前記第1部材の他の平面部に形成された円柱状の突起部に開口する第2開口部を形成しており、
前記第1部材の一つの平面部には前記第1開口部を囲むように第1凹部が設けられており、
前記第1凹部にはカシメられた前記カシメ体の一端の第1頭部が収納されており、
前記第1部材の一つの平面部と前記第1頭部は面一となっており、
前記第2部材は前記突起部の周囲に配置され、
前記第2部材には前記突起部に嵌合する略円環状の嵌合部が形成されており、
前記突起部、前記突起部中の前記カシメ体及び前記嵌合部は、カシメられて略円錐台形状をなしていることを特徴とする構造体。
【請求項2】
少なくとも第1部材及び第3部材を含む複数の部材を固着した構造体であって、
前記第1部材には第1貫通孔が設けられており、
前記第3部材には前記第1貫通孔と略同心同径の第3貫通孔が設けられており、
前記第1貫通孔及び前記第3貫通孔にはカシメ体が挿通されており、
前記第1貫通孔の一端は、前記第1部材の一つの平面部に開口する第1開口部を形成しており、
前記第1部材の一つの平面部には前記第1開口部を囲むように第1凹部が設けられており、
前記第1凹部にはカシメられた前記カシメ体の一端の第1頭部が収納されており、
前記第1部材の一つの平面部と前記第1頭部は面一となっており、
前記第3貫通孔の一端は、前記第3部材の一つの平面部に開口する第3開口部を形成しており、
前記第3部材の一つの平面部には前記第3開口部を囲むように第3凹部が設けられており、
前記第3凹部にはカシメられた前記カシメ体の他端の第2頭部が収納されており、
前記第3部材の一つの平面部と前記第2頭部は面一となって
いることを特徴とする構造体。
【請求項3】
請求項1に記載された構造体の前記第2部材が前記第1部材の前記他の平面部に垂直な立設部を有することを特徴とするヒートシンク。
【請求項4】
前記第1部材と前記第2部材の間に、前記第1部材及び/又は前記第2部材よりも熱伝導率及び/又は強度が高い第4部材を配置したことを特徴とする請求項3に記載されたヒートシンク。
【請求項5】
請求項1に記載された構造体の前記第1部材と前記第2部材の間に、前記第1部材及び/又は前記第2部材よりも熱伝導率及び/又は強度が高い第4部材を配置したことを特徴とするヒートシンク。
【請求項6】
請求項2に記載された構造体の前記第1部材と前記第3部材の間に、前記第1部材及び/又は前記第3部材よりも熱伝導率及び/又は強度が高い第4部材を配置したことを特徴とするヒートシンク。
【請求項7】
前記カシメられた前記カシメ体は略樽型に変形していることを特徴とする請求項1~2の何れか1項に記載された構造体又は請求項3~6の何れか1項に記載されたヒートシンク。
【請求項8】
複数の部材を固着する固着方法であって、
前記複数の部材に設けられた貫通孔が一致するように、前記複数の部材を重ねる工程と、
一致させた前記複数の部材の前記貫通孔にカシメ体を挿通する工程と、
前記カシメ体の両端を同時にカシメる工程を有し、
前記カシメる工程では、前記複数の部材を移動することにより、前記カシメ体の一端を相対的に加圧することを特徴とする固着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材が固着された構造体、複数の部材の固着方法及び固着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の部材を固着する方法として、リベットなどを用いたカシメ構造が知られている。このリベットによるカシメ構造で固着された構造体は、リベットの両端の頭部が固着する構造体の表面から突出する構造である。この突出するリベットの頭部により、構造体に不都合が生じることがある。
例えば、ヒートシンクのように、ヒートシンクの平面部を被冷却部材の平面部に密着する必要がある場合、リベットの頭部がヒートシンクの平面部から突出すると、被冷却部材の平面部に密着させることができない。
そこで、ヒートシンクの基部の一方の面に複数のボスを形成して、このボスを放熱板に形成した複数のボス孔に挿入して、ボスをカシメることにより、基部の他方の面に突出部が形成されることなく、基部と放熱部を固着する方法が提案されている。(特許文献1)
【0003】
また、リベットによるカシメ構造において、リベットの頭部が構造体から突出しないように、構造体の表面に凹部を形成し、この凹部に収まるような皿形ヘッドを有するリベットによりカシメることにより、突出部が形成されないようにする固着方法も提案されている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-77995号公報
【文献】特開2009-115314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1により提案されている固着方法は、突出部のない平面を保持できるが、複数のボスを有する基部を製造する必要がある。この複数のボスを有する基部の製造は容易ではなく、コストも多くかかるという問題があった。
また、特許文献2により提案されている固着方法も、突出部のない平面を保持できるが、構造体の表面の凹部や皿形ヘッドには製造誤差があり、皿形ヘッドの収納部分には凹凸が生じるから、精度の高い平面を保持することができないという問題があった。また、皿形ヘッドを有するリベットの製造には、コストが多くかかるという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、精度の高い平面を保持するとともに、製造コストを少なくすることができる固着された構造体、固着方法及び固着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
少なくとも第1部材及び第2部材を含む複数の部材を固着した構造体であって、
前記第1部材には第1貫通孔が設けられており、
前記第1貫通孔にはカシメ体が挿通されており、
前記第1貫通孔の一端は、前記第1部材の一つの平面部に開口する第1開口部を形成しており、
前記第1貫通孔の他端は、前記第1部材の他の平面部に形成された円柱状の突起部に開口する第2開口部を形成しており、
前記第1部材の一つの平面部には前記第1開口部を囲むように第1凹部が設けられており、
前記第1凹部にはカシメられた前記カシメ体の一端の第1頭部が収納されており、
前記第1部材の一つの平面部と前記第1頭部は面一となっており、
前記第2部材は前記突起部の周囲に配置され、
前記第2部材には前記突起部に嵌合する略円環状の嵌合部が形成されており、
前記突起部、前記突起部中の前記カシメ体及び前記嵌合部は、カシメられて略円錐台形状をなしていることを特徴とする構造体。
また、本発明は、以下の構成を具備するものである。
少なくとも第1部材及び第3部材を含む複数の部材を固着した構造体であって、
前記第1部材には第1貫通孔が設けられており、
前記第3部材には前記第1貫通孔と略同心同径の第3貫通孔が設けられており、
前記第1貫通孔及び前記第3貫通孔にはカシメ体が挿通されており、
前記第1貫通孔の一端は、前記第1部材の一つの平面部に開口する第1開口部を形成しており、
前記第1部材の一つの平面部には前記第1開口部を囲むように第1凹部が設けられており、
前記第1凹部にはカシメられた前記カシメ体の一端の第1頭部が収納されており、
前記第1部材の一つの平面部と前記第1頭部は面一となっており、
前記第3貫通孔の一端は、前記第3部材の一つの平面部に開口する第3開口部を形成しており、
前記第3部材の一つの平面部には前記第3開口部を囲むように第3凹部が設けられており、
前記第3凹部にはカシメられた前記カシメ体の他端の第2頭部が収納されており、
前記第3部材の一つの平面部と前記第2頭部は面一となって
いることを特徴とする構造体。
【0008】
また、本発明は、以下の構成を具備するものである。
複数の部材を固着する固着方法であって、
前記複数の部材に設けられた貫通孔が一致するように、前記複数の部材を重ねる工程と、
一致させた前記複数の部材の前記貫通孔にカシメ体を挿通する工程と、
前記カシメ体の両端を同時にカシメる工程を有し、
前記カシメる工程では、前記複数の部材を移動することにより、前記カシメ体の一端を相対的に加圧することを特徴とする固着方法。
【0009】
また、本発明は、以下の構成を具備するものである。
パンチ、ストリッパー、ダイ、ダイピンを有し、複数の部材を固着
する固着装置であって、
前記複数の部材を貫通する貫通孔にカシメ体が挿通されており、
前記パンチは前記カシメ体の一端に当接し、
前記ストリッパーは前記複数の部材の一方の平面部に当接し、
前記ダイは前記複数の部材の他方の平面部に当接し、
前記ダイピンは前記カシメ体の他端に当接し、
前記ストリッパー及び前記ダイ、並びに、前記パンチ及び前記ダイピンの少なくとも一方を移動させることにより、前記カシメ体の両端を同時にカシメることを特徴とする固着装置。
【発明の効果】
【0010】
固着される構造体の表面に形成された凹部に、カシメられたカシメ体の頭部を収納することにより、精度の高い平面を保持するとともに、両端を当時にカシメられるカシメ体を使用することにより、製造コストを少なくすることができる固着された構造体、固着方法及び固着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1の構造体1の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1の構造体1を、プレス機2でカシメるカシメ工程の一部を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態1の構造体1を、プレス機2でカシメるカシメ工程の残部を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態1のカシメ工程での、プレス機2の各部品の移動を示したグラフである。
【
図5】本発明の実施形態1の構造体1を切断したものの斜視画像である。
【
図6】本発明の実施形態1の構造体1の別例を切断したものの斜視画像である。
【
図7】本発明の実施形態2の構造体3の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態2の構造体3を、プレス機2’でカシメるカシメ工程の一部を示す図である。
【
図9】本発明の変形例2の構造体4の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の構造体1を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0013】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1の構造体1の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
【0014】
[各部材の構成]
実施形態1の構造体1は、ベース材11(第1部材)、U字状材12(第2部材)、ロッド13(カシメ体)の3つの金属部材から構成される。
構造体1はヒートシンクであって、ベース材11を被冷却部材の面に接触させて、ベース材11とU字状材12から熱を空気中に放出する。
【0015】
ベース材11は、アルミニウムで成形された矩形の板状部材であり、基部111と、この基部111の一方の面1111(第1部材の他の平面部)の中心部に突出して設けられた円柱状の突起部112(突起部)とを有している。
ベース材11には、突起部112と同心で、ロッド13を挿通できる円形の貫通孔113(第1貫通孔)が形成されている。突起部112には、貫通孔113の一方の開口部(第2開口部)があり、また、ベース材11の基部111の他方の面1112(第1部材の一つの平面部)には、貫通孔113の他方の開口部(第1開口部)がある。貫通孔113の他方の開口部の周囲には、貫通孔113と同心で、貫通孔113より大径の円形の凹部114(第1凹部)が形成されている。凹部114は、後述するように、ロッド13をカシメたときに形成される下端部131の頭部1311(第1頭部)を収納するためのザグリとして形成されるものであり、下端部131の頭部1311を過不足なく収納できるように、半径と深さが設計されている。
【0016】
U字状材12は、アルミニウムで成形された部材であり、矩形の板材が断面がU字状になるように折り曲げられて、基部121と折曲部122(立設部)を備えている。なお、折曲部122は、直角に折り曲げる形状に限らず、曲面を構成するような形状であってもよい。
U字状材12の基部121には、ベース材11の突起部112に嵌合できる円環状の嵌合穴123(嵌合部)が形成されている。また、嵌合穴123の高さは、突起部112の高さと略同一である。そして、嵌合穴123の内径は、ベース材11の突起部112の外径と略同一であり、嵌合穴123は、突起部112に隙間なく嵌合することができる。
【0017】
ロッド13は、アルミニウムで形成された円柱であり、貫通孔113の長さと凹部114の深さを足した長さより長く形成されている。また、ロッド13の径は、ベース材11の貫通孔113の径と略同一であり、ロッド13は、貫通孔113に隙間なく挿入することができる。
【0018】
[カシメ後の構造体]
ベース材11の突起部112にU字状材12の嵌合穴123を嵌合し、ベース材11の貫通孔113にロッド13を挿通して、プレス機2によりロッド13を上下から同時に加圧してカシメる。このようにして得られた構造体1が、
図1(b)に示されている。
ロッド13の下端部131はカシメられて、ベース材11の凹部114に実質的に隙間なく収納された頭部1311に成形されている。
頭部1311とベース材11の他方の面1112は、面一となっている。
頭部1311とベース材11の凹部114は、ロッド13を加圧してカシメることにより、互いに強く圧着された状態で当接している。
ロッド13の上端部132はカシメられて、ベース材11の突起部112及びU字状材12の嵌合穴123とともに、略円錐台形状に成形されている。
この略円錐台形状の部分は、元の貫通孔113よりも大径となっていて、ロッド13の頭部1311とともに、ロッド13が貫通孔113から抜けないようになっている。また、略円錐台形状により、ベース材11の突起部112からU字状材12の嵌合穴123が抜けないようになっている。
また、上下から加圧してカシメられたロッド13は、長さ方向の中央部付近(略円錐台形状部分と頭部1311の間)が膨らんだ略樽型に変形している。この略樽型に膨らんだ形状自体により、また、ロッド13の周面と貫通孔113の内周面が強固に密着することにより、ロッド13が上下に抜けないようになっている。
切断したカシメ後の構造体の斜視画像を
図5に示す。
【0019】
ベース材11は、矩形には限られず、用途に応じて、任意の形状が選択できる。
U字状材12も、断面U字状に折り曲げられる前の板材の形状は矩形には限られず、用途に応じて、任意の形状が選択できる。
また、U字状材12の嵌合穴123の高さは、ベース材11の突起部112の高さと略同一である必要はなく、突起部112の高さより低くてもよく、U字状材12の基部121の厚さと同じであってもよい。また、嵌合穴123の高さは、突起部112の高さより少し高くてもよい。
図6には、嵌合穴123の高さが基部121の厚さと同じである例が示されている。
【0020】
ベース材11、U字状材12、ロッド13は、アルミニウム以外の他の金属、例えば、銅、鉄などの単体の金属、合金等で形成してもよい。
また、ベース材11、U字状材12、ロッド13を同じ金属で形成する必要はなく、1つを他の2つと異なる金属で形成してもよいし、3つすべてを異なる金属で形成してもよい。
また、ベース材11とU字状材12の間に、別の部材を配置してもよい。
【0021】
[カシメ装置(固着装置)]
図2(a)を使用して、構造体1をカシメるカシメ装置であるプレス機2の構成を説明する。
プレス機2は、ベース材11に下から当接するダイ21、U字状材12に上から当接するストリッパー22、ロッド13に下から当接するダイピン23、ロッド13に上から当接するパンチ24を有する。
【0022】
ダイ21は、厚い板状部材であり、中心付近にダイピン23を挿通できる挿通孔213を有している。
ダイ21には4本のダイ吊りボルト211が取り付けられている。
ダイ21は、ダイ吊りボルト211とともに、図示しない可動手段により下降するように構成されている。
ダイ吊りボルト211には、ダイピンバッキング231が上下に摺動可能に設置されている。ダイ21とダイピンバッキング231間には、ダイ吊りボルト211と同心に、コイルスプリング212が設置されており、コイルスプリング212は、ダイ21とダイピンバッキング231を離間する方向に付勢している。
【0023】
ダイピン23は、棒状部材であり、ダイ21に設けた挿通孔213とダイピンバッキング231との間に設置されている。ダイピン23の周囲には、ダイダンパー232が配置されていて、ダイ21が所定量下降すると、ダイダンパー232に当接する。
【0024】
ストリッパー22は、厚い板状部材であり、中心付近にパンチ24を挿通できる挿通孔223を有している。また、ストリッパー22は、U字状材12の折曲部122を避けて基部121に当接できるように、ストリッパー22の本体部から下方に突出した突部224を備えている。
ストリッパー22には4本のストリッパー吊りボルト221が取り付けられている。
ストリッパー22は、ストリッパー吊りボルト221とともに、図示しない可動手段により下降するように構成されている。
ストリッパー吊りボルト221には、パンチバッキング241が上下に摺動可能に設置されている。ストリッパー22とパンチバッキング241間には、ストリッパー吊りボルト221と同心に、コイルスプリング222が設置されており、コイルスプリング222は、ストリッパー22とパンチバッキング241を離間する方向に付勢している。
【0025】
パンチ24は、棒状部材であり、ストリッパー22に設けた挿通孔223とパンチバッキング241との間に設置されている。
パンチ24は、パンチバッキング241とともに、図示しない可動手段により下降するように構成されている。
パンチ24の周囲には、ストリッパーダンパー242が配置されていて、パンチバッキング241が所定量下降すると、ストリッパーダンパー242に当接する。
【0026】
[カシメ工程(固着方法)]
図2、
図3は、ベース材11、U字状材12及びロッド13をカシメるカシメ工程を示す図であり、
図2(a)、
図2(b)、
図3(c)、
図3(d)、
図3(e)の順に、工程が進行する。
カシメ工程は、プレス機2で行われる。このプレス機2では、ダイ21、ストリッパー22及びパンチ24が移動することにより、ロッド13をカシメる。
【0027】
(工程a)ベース材11の突起部112にU字状材12の嵌合穴123が嵌合されて、ベース材11にU字状材12を重ね合わせた組立体がダイ21上に載置される。次に、ベース材11の貫通孔113にロッド13が挿通されて、ロッド13の下端部131がダイピン23上に載置される。その後、ストリッパー22とパンチ24が下方に移動して、
図2(a)に示されるように、ストリッパー22の突部224がU字状材12の基部121に当接する。
【0028】
(工程b)ストリッパー22が停止して、パンチ24のみが下方に移動し続けて、
図2(b)に示されるように、パンチ24がロッド13の上端部132に当接する。
【0029】
(工程c)さらに、パンチ24が下方に移動すると、
図3(a)に示されるように、ロッド13の上部が少しカシメられて変形する。ダイピン23は固定されたままであるが、パンチ24の移動により、相対的にロッド13の下端部131がダイピン23に加圧されることにより、ロッド13の下部も少しカシメられて変形する。
【0030】
(工程d)
図3(d)に示されるように、パンチバッキング241がストリッパーダンパー242に当接したとき、ストリッパー22の移動が再開されて、ストリッパー22は、パンチ24とともに下方に移動する。このとき、ダイ21も下方への移動を開始する。
ダイピン23は固定されたままであるが、パンチ24の移動に加え、ダイ21とストリッパー22も移動することにより、相対的にロッド13の下端部131がダイピン23により大きく加圧される。この加圧により、ロッド13の下部もカシメられて大きく変形していく。
また、パンチ24も引き続き移動しているため、ロッド13の上部もさらにカシメられて大きく変形していく。
【0031】
(工程e)ダイ21がダイダンパー232に当接したとき、ダイ21、ストリッパー22及びパンチ24の下方への移動が停止する。このとき、ダイ21の上面がダイピン23の上面と面一となっている。
ロッド13のカシメが完了すると、
図3(e)に示されるように、ベース材11の突起部112、U字状材12の嵌合穴123、ロッド13の上部は、略円錐台形状に成形されている。また、ロッド13の下部もカシメられて、ザグリとして形成されたベース材11の凹部114内に収納されている。ロッド13の下端部131のカシメられた頭部1321は、ベース材11の他方の面1112と面一になっている。
ダイ21、ストリッパー22及びパンチ24は、停止後、すぐに上方への移動を開始して、元の位置に戻る。
【0032】
上述の工程a~工程eの1サイクルで、1つの構造体1が成形され、このサイクルを繰り返すことで、構造体1を量産することができる。
図4は、1サイクルでのダイ21、ストリッパー22の突部224及びパンチ24の位置の変化を表したグラフであり、(1)、(2)及び(3)は、それぞれ、パンチ24、ストリッパー22の突部224及びダイ21の位置を示している。また、グラフ中の(a)、(b)及び(e)は、それぞれ、
図3(a)、
図3(b)及び
図3(e)で示す状態となる時間tを示している。
【0033】
以上のように、ロッド13の下端部131は、ダイピン23によりカシメられ、カシメの完了時には、ダイ21の上面がダイピン23の上面と面一となっている。このため、ロッド13の下端部131のカシメられた頭部1321は、ベース材11の他方の面1112と、精度の高い面一に成形されている。
この精度の高い面一性により、ベース材11の他方の面1112は、被冷却部材などの他の部材の面に、隙間なく接触することができる。これにより、これら2つの面の境界での熱伝導抵抗が小さくなり、ヒートシンクとしての放熱効率が高くなる。
また、ロッド13の下端部131がカシメられて、ベース材11の凹部114内に収納されるので、下端部131のカシメられた頭部1311は、ベース材11の凹部114の内面と強く圧着している。
この強い圧着により、ベース材11とロッド13とは強固に固着され、また、ベース材11とロッド13との境界面での熱伝導抵抗が小さくなり、ヒートシンクとしての放熱効率が高くなる。
また、構造体1は、円柱形状のロッド13を使用して、ベース材11とU字状材12を固着するだけで製造できるから、製造コストを少なくすることができる。
【0034】
実施形態1では、パンチ24によりロッド13を上方から加圧し、同時に、相対的にダイピン23により下端部131を加圧した。
これに限らず、ダイ21及びストリッパー22を固定したままで、ダイピン23を上方に移動することにより下端部131を加圧する、すなわち、パンチ24によりロッド13を上方から加圧し、同時に、直接的にダイピン23により下端部131を加圧してもよい。
いずれの方法にしても、ロッド13を上下両方向から同時に加圧してカシメる。
これらに対して、パンチ24のみを移動することにより、ロッド13の下端部131及び上端部132をカシメる、すなわち、ロッド13を上方向のみから加圧してカシメることもできる。なお、ダイピン23のみを移動することにより、ロッド13を下方向のみから加圧してカシメることもできる。いずれの方法にしても、ロッド13を上下一方向から加圧してカシメる。
【0035】
ロッド13を上下両方向から同時に加圧してカシメる方法では、一方向から加圧してカシメる方法に対して、ダイ21、ストリッパー22、ダイピン23及びパンチ24などの移動距離(ストローク)を半分にすることができる。このことにより、ロッド13をカシメるときに起きるロッド13の座屈を防ぐことができる。
【0036】
[変形例1]
変形例1は、実施形態1のベース材11とU字状材12の間に、別の部材を配置した構造体である。(図示していない。)
アルミニウムで成形されたベース材11とU字状材12の間に、アルミニウムよりも熱伝導率の高い銅のような別材料で成形された中間材(第4部材)を配置して、ロッド13により3つの部材をカシメることもできる。
このように、高い熱伝導率を有する材料を使用すると、ヒートシンク全体としての熱伝導効率が上がり、放熱性能を向上させることができる。
また、アルミニウムで成形されたベース材11とU字状材12の間に、アルミニウムよりも強度の高いステンレス鋼のような金属材料などで成形された中間材(第4部材)を配置して、ロッド13により3つの部材をカシメることもできる。
このように、高い強度を有する材料を使用すると、ヒートシンク全体としての強度が上がり、強度が要求される箇所に適したヒートシンクを構成することができる。
なお、中間材は、第1ベース材31及び/又はU字状材12と、同じ形状、同じ大きさの部材である必要はなく、異なる形状、異なる大きさの部材であってもよい。
また、ベース材11とU字状材12の間に、2つ以上の中間材を配置してもよい。
【0037】
[実施形態2]
図7は、本発明の実施形態2の構造体3の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
【0038】
[各部材の構成]
実施形態2の構造体3は、第1ベース材31(第1部材)、第2ベース材32(第3部材)、ロッド13(カシメ体)の3つの金属部材から構成される。
第1ベース材31及び第2ベース材32は、同じ形状の部材である。
構造体3はヒートシンクであって、第1ベース材31又は第2ベース材32を被冷却部材の面に接触させて、第1ベース材31と第2ベース材32から熱を空気中に放出する。
【0039】
第1ベース材31は、アルミニウムで成形された矩形の板状部材であり、ロッド13を挿通できる円形の貫通孔313(第1貫通孔)が形成されている。第1ベース材31の他方の面312(第1部材の一つの平面部)には、貫通孔313の他方の開口部(第1開口部)がある。貫通孔313の他方の開口部の周囲には、貫通孔313と同心で、貫通孔313より大径の円形の凹部314(第1凹部)が形成されている。凹部314は、後述するように、ロッド13をカシメたときに形成される下端部の頭部1311(第1頭部)を収納するためのザグリとして形成されるものであり、下端部の頭部1311を過不足なく収納できるように、半径と深さが設計されている。
【0040】
第2ベース材32は、アルミニウムで成形された矩形の板状部材であり、ロッド13を挿通できる円形の貫通孔323(第3貫通孔)が形成されている。第2ベース材32の他方の面322(第3部材の一つの平面部)には、貫通孔323の他方の開口部(第3開口部)がある。貫通孔323の他方の開口部の周囲には、貫通孔323と同心で、貫通孔323より大径の円形の凹部324(第3凹部)が形成されている。凹部324は、後述するように、ロッド13をカシメたときに形成される上端部の頭部1321(第2頭部)を収納するためのザグリとして形成されるものであり、上端部の頭部1321を過不足なく収納できるように、半径と深さが設計されている。
【0041】
ロッド13は、アルミニウムで形成された円柱であり、貫通孔313の長さと凹部314の深さを足した長さ、貫通孔323の長さと凹部324の深さを足した長さの2つの長さを足した長さより長く形成されている。また、ロッド13の径は、第1ベース材31の貫通孔313及び第2ベース材32の貫通孔323の径と略同一であり、ロッド13は、貫通孔313及び貫通孔323に隙間なく挿入することができる。
【0042】
[カシメ後の構造体]
第1ベース材31の貫通孔313と第2ベース材32の貫通孔323が一致するように、第1ベース材31の一方の面311と第2ベース材32の一方の面321を重ね合わせ、第1ベース材31の貫通孔313と第2ベース材32の貫通孔323にロッド13を挿通して、プレス機2’によりロッド13を上下から同時に加圧してカシメる。このようにして得られた構造体3が、
図7(b)に示されている。
ロッド13の下端部131はカシメられて、第1ベース材31の凹部314に実質的に隙間なく収納された頭部1311に成形されている。
同様に、ロッド13の上端部132はカシメられて、第2ベース材32の凹部324に実質的に隙間なく収納された頭部1321に成形されている。
頭部1311と第1ベース材31の他方の面312、頭部1321と第2ベース材32の他方の面322は、それぞれ、面一となっている。
頭部1311と第1ベース材31の凹部314、頭部1321と第2ベース材32の凹部324は、それぞれ、ロッド13を加圧してカシメることにより、互いに強く圧着された状態で当接している。
また、上下から加圧してカシメられたロッド13は、長さ方向の中央部付近が膨らんだ略樽型に変形している。この略樽型に膨らんだ形状自体により、また、ロッド13の周面と貫通孔313、323の内周面が強固に密着することにより、ロッド13が上下に抜けないようになっている。
【0043】
第1ベース材31及び第2ベース材32は、それぞれ、矩形には限られず、用途に応じて、任意の形状が選択できる。
第1ベース材31と第2ベース材32は、同じ形状、同じ大きさの部材である必要はなく、異なる形状、異なる大きさの部材であってもよい。
【0044】
第1ベース材31、第2ベース材32、ロッド13は、アルミニウム以外の他の金属、例えば、銅、鉄などの単体の金属、合金等で形成してもよい。
また、第1ベース材31、第2ベース材32、ロッド13を同じ金属で形成する必要はなく、1つを他の2つと異なる金属で形成してもよいし、3つすべてを異なる金属で形成してもよい。
また、第1ベース材31と第2ベース材32の間に、別の部材を配置してもよい。
【0045】
[カシメ装置(固着装置)]
図8を使用して、構造体1をカシメるカシメ装置であるプレス機2’の構成を説明する。
プレス機2’は、プレス機2と同様の構成であり、第1ベース材31に下から当接するダイ21’、第2ベース材32に上から当接するストリッパー22’、ロッド13に下から当接するダイピン23’、ロッド13に上から当接するパンチ24’を有する。
ただし、プレス機2’のストリッパー22’の形状が、プレス機2のストリッパー22の形状とは異なっている。
ストリッパー22’は、第2ベース材32に上から当接するものであるから、その当接面が平面状に形成されている。
【0046】
[カシメ工程(固着方法)]
図8は、ベース材11、U字状材12及びロッド13をカシメるカシメ工程のうち、
図2(a)に対応する工程を示した図である。
カシメ工程は、プレス機2’で行われる。このプレス機2’では、ダイ21’、ストリッパー22’及びパンチ24’が移動することにより、ロッド13をカシメる。
実施形態2のカシメ工程は、実施形態1のカシメ工程とほぼ同じであるから、異なる点のみを説明する。
【0047】
(工程a)第1ベース材31の貫通孔313と第2ベース材32の貫通孔323が一致するように、第1ベース材31の一方の面311と第2ベース材32の一方の面321を重ね合わせた組立体が、ダイ21’上に載置される。次に、第1ベース材31の貫通孔313と第2ベース材32の貫通孔323にロッド13が挿通されて、ロッド13の下端部131がダイピン23’上に載置される。その後、ストリッパー22’とパンチ24’が下方に移動して、
図8に示されるように、ストリッパー22’が第2ベース材32に当接する。
【0048】
(工程b~工程e)工程b~工程eは、実施形態1の工程b~工程eと同じであるが、ロッド13のカシメが完了したときの構造体3の形状が、実施形態1の構造体1の形状とは異なっている。
ロッド13の下端部131及び上端部132はカシメられて、それぞれ、ザグリとして形成された第1ベース材31の凹部314内及び第2ベース材32の凹部324内に収納されている。ロッド13の下端部131のカシメられた頭部1311及び上端部132のカシメられた頭部1321は、それぞれ、第1ベース材31の他方の面312及び第2ベース材32の他方の面322と面一になっている。
【0049】
以上のように、ロッド13の下端部131及び上端部132は、それぞれ、ダイピン23’及びパンチ24’によりカシメられ、カシメの完了時には、ダイ21’の上面及びストリッパー22’の下面が、それぞれ、ダイピン23’の上面及びパンチ24’の下面と面一となっている。このため、ロッド13の下端部131のカシメられた頭部1311及び上端部132のカシメられた頭部1321は、それぞれ、第1ベース材31の他方の面312及び第2ベース材32の他方の面322は、精度の高い面一に成形されている。
この精度の高い面一性により、第1ベース材31の他方の面312及び第2ベース材32の他方の面322は、被冷却部材などの他の部材の面に、隙間なく接触することができる。これにより、これら2つ面の境界での熱伝導抵抗が小さくなり、ヒートシンクとしての放熱効率が高くなる。
また、ロッド13の下端部131がカシメられて、第1ベース材31の凹部314内に収納されるので、下端部131のカシメられた頭部1311は、第1ベース材31の凹部314の内面と強く圧着している。同様に、上端部132のカシメられた頭部1321は、第2ベース材32の凹部324の内面と強く圧着している。
この強い圧着により、第1ベース材31及び第2ベース材32とロッド13とは強固に固着され、また、第1ベース材31及び第2ベース材32とロッド13との境界面での熱伝導抵抗が小さくなり、ヒートシンクとしての放熱効率が高くなる。
また、構造体3は、円柱形状のロッド13を使用して、第1ベース材31と第2ベース材32を固着するだけで製造できるから、製造コストを少なくすることができる。
【0050】
実施形態2では、実施形態1と同様、パンチ24’によりロッド13を上方から加圧し、同時に、相対的にダイピン23’により下端部131を加圧した。
これに限らず、ダイ21’及びストリッパー22’を固定したままで、ダイピン23’を上方に移動することにより下端部131を加圧する、すなわち、パンチ24’によりロッド13を上方から加圧し、同時に、直接的にダイピン23’により下端部131を加圧してもよい。
いずれの方法にしても、ロッド13を上下両方向から同時に加圧してカシメる。
これらに対して、パンチ24’のみを移動することにより、ロッド13の下端部131及び上端部132をカシメる、すなわち、ロッド13を上方向のみから加圧してカシメることもできる。なお、ダイピン23’のみを移動することにより、ロッド13を下方向のみから加圧してカシメることもできる。いずれの方法にしても、ロッド13を上下一方向から加圧してカシメる。
【0051】
ロッド13を上下両方向から同時に加圧してカシメる方法では、一方向から加圧してカシメる方法に対して、ダイ21’、ストリッパー22’、ダイピン23’及びパンチ24’などの移動距離(ストローク)を半分にすることができる。このことにより、ロッド13をカシメるときに起きるロッド13の座屈を防ぐことができる。
【0052】
[変形例2]
変形例2は、実施形態2の第1ベース材31と第2ベース材32の間に、別の部材を配置した構造体4である。
図9は、変形例2の構造体4の図であり、(a)はカシメ前、(b)はカシメ後を示す図である。
アルミニウムで成形された第1ベース材31と第2ベース材32の間に、アルミニウムよりも熱伝導率の高い銅のような別材料で成形された中間材33(第4部材)を配置して、ロッド13により3つの部材をカシメることもできる。
このように、高い熱伝導率を有する材料を使用すると、ヒートシンク全体としての熱伝導効率が上がり、放熱性能を向上させることができる。
また、アルミニウムで成形された第1ベース材31と第2ベース材32の間に、アルミニウムよりも強度の高いステンレス鋼のような金属材料などで成形された中間材(第4部材)を配置して、ロッド13により3つの部材をカシメることもできる。
このように、高い強度を有する材料を使用すると、ヒートシンク全体としての強度が上がり、強度が要求される箇所に適したヒートシンクを構成することができる。
なお、中間材33は、第1ベース材31及び/又は第2ベース材32と、同じ形状、同じ大きさの部材である必要はなく、異なる形状、異なる大きさの部材であってもよい。
また、第1ベース材31と第2ベース材32の間に、2つ以上の中間材を配置してもよい。
【0053】
以上、固着された構造体を、1つの板状部材であるベース材11と1つのU字状材12が固着された構造体1を実施形態1として、また、2つの板状部材である第1ベース材31及び第2ベース材32を固着された構造体3を実施形態2として、例示して説明したが、本発明は、これらの実施形態1と実施形態2には限定されない。
固着される部材は、どのような形状の部材であってもよい。また、変形例1及び2のように、固着される部材は、2つの部材に限定されず、3つ以上の部材であってもよい。
【0054】
また、本発明に係る実施形態1及びその変形例1並びに実施形態2及びその変形例2の、構造体1、構造体3及び構造体4、プレス機2及びプレス機2’並びにこれらを使用した固着方法を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態及びその変形例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 構造体
11 ベース材
111 基部
1111 基部111の一方の面
1112 基部111の他方の面
112 突起部
113 貫通孔
114 凹部
12 U字状材
121 基部
122 折曲部
123 嵌合穴
13 ロッド
131 下端部
1311 下端部131をカシメた頭部
132 上端部
1321 上端部132をカシメた頭部
2、2’ プレス機
21、21’ ダイ
211 ダイ吊りボルト
212 コイルスプリング
213 挿通孔
22、22’ ストリッパー
221 ストリッパー吊りボルト
222 コイルスプリング
223 挿通孔
224 突部
23、23’ ダイピン
231 ダイピンバッキング
232 ダイダンパー
24、24’ パンチ
241 パンチバッキング
242 ストリッパーダンパー
3 構造体
31 第1ベース材
311 第1ベース材31の一方の面
312 第1ベース材31の他方の面
313 貫通孔
314 凹部
32 第2ベース材
321 第2ベース材32の一方の面
322 第2ベース材32の他方の面
323 貫通孔
324 凹部
33 中間材
4 構造体
【要約】
精度の高い平面を保持するとともに、製造コストを少なくすることができる固着された構造体、固着方法及び固着装置を提供することを課題とする。
少なくとも第1部材を含む複数の部材を固着した構造体であって、第1部材には第1貫通孔が設けられており、第1貫通孔にはカシメ体が挿通されており、第1貫通孔の一端は、第1部材の一つの平面部に開口する第1開口部を形成しており、第1部材の一つの平面部には第1開口部を囲むように第1凹部が設けられており、第1凹部にはカシメられたカシメ体の一端の第1頭部が収納されており、第1部材の一つの平面部と第1頭部は面一となっていることを特徴とする構造体並びにカシメ体の両端を同時にカシメる工程を有する固着方法及び固着装置。