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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】連続鋳造設備の鋳片案内装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/128 20060101AFI20231225BHJP
   B22D 11/08 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B22D11/128 310F
B22D11/128 310A
B22D11/128 310E
B22D11/08 S
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020111915
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022011048
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】川口 浩志
(72)【発明者】
【氏名】前田 剛
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-105926(JP,A)
【文献】実開昭60-190453(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/128
B22D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置される基準側駆動ロールおよび反基準側駆動ロールと、
前記基準側駆動ロールを前記反基準側駆動ロールに向かって押圧させる基準側押圧手段と、
前記反基準側駆動ロールを前記基準側駆動ロールに向かって押圧させる反基準側押圧手段であって、前記反基準側押圧手段により前記反基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーを押圧する力が前記基準側押圧手段により前記基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーを押圧する力より大きく設定されている反基準側押圧手段と、
前記基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーのパスラインに対して前記反基準側駆動ロールと反対側に移動することを規制する位置規制手段と
を備え
ことを特徴とする連続鋳造設備の鋳片案内装置。
【請求項2】
前記鋳片案内装置は、鋳片又はダミーバーを鉛直下方向に案内することを特徴とする請求項1に記載の鋳片案内装置。
【請求項3】
前記基準側駆動ロールおよび前記反基準側駆動ロールが収容されたハウジングと、
前記基準側駆動ロールを回転可能に支持する軸受箱とを備え、
前記軸受箱は、前記ハウジングに形成された孔に配置されているとともに、前記基準側押圧手段に接続され、
前記位置規制手段は、前記基準側駆動ロールと前記反基準側駆動ロールの対向方向について、前記軸受箱に対して、前記反基準側駆動ロールと反対側に配置された位置規制部を有し、
前記位置規制部により前記軸受箱が前記基準側駆動ロールと前記反基準側駆動ロールの対向方向について前記反基準側駆動ロールと反対側に移動することが規制されることにより、前記基準側駆動ロールの移動が規制されることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳片案内装置。
【請求項4】
前記位置規制部は、前記孔に配置されているとともに前記ハウジングに取り付けられ、
前記基準側駆動ロールがパスラインに沿って配置されているとき、前記軸受箱が、前記位置規制部に当接していることを特徴とする請求項に記載の鋳片案内装置。
【請求項5】
前記位置規制部は、前記孔に配置され、且つ、前記軸受箱に取り付けられているとともに、前記基準側駆動ロールと前記反基準側駆動ロールの対向方向について前記ハウジングの内壁と対向し、
前記基準側駆動ロールがパスラインに沿って配置されているとき、前記位置規制部が、対向する前記ハウジングの内壁に当接していることを特徴とする請求項に記載の鋳片案内装置。
【請求項6】
前記軸受箱と前記基準側押圧手段を接続する接続部材を備えていることを特徴とする請求項又はに記載の鋳片案内装置。
【請求項7】
前記軸受箱と前記基準側押圧手段を接続する接続部材を備え、
前記接続部材の少なくとも一部が、前記孔に配置され、
前記位置規制部は、前記孔に配置されているとともに前記ハウジングに取り付けられ、
前記孔において、前記接続部材の少なくとも一部が、前記軸受箱と前記位置規制部との間に配置され、
前記基準側駆動ロールがパスラインに沿って配置されているとき、前記孔に配置された前記接続部材の少なくとも一部が前記位置規制部に当接していることを特徴とする請求項に記載の鋳片案内装置。
【請求項8】
前記軸受箱と前記基準側押圧手段を接続する接続部材を備え、
前記接続部材の少なくとも一部が、前記孔に配置され、
前記位置規制部は、前記孔に配置され、且つ、前記基準側駆動ロールと前記反基準側駆動ロールの対向方向について前記ハウジングの内壁と対向し、
前記孔において、前記接続部材の少なくとも一部が、前記軸受箱と前記位置規制部との間に配置され、
前記接続部材と前記位置規制部とが接続され、
前記基準側駆動ロールがパスラインに沿って配置されているとき、前記位置規制部が、対向する前記ハウジングの内壁に当接していることを特徴とする請求項に記載の鋳片案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造設備が備える鋳片案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造設備は、鋳片又はダミーバーを搬送する鋳片案内装置を備える。鋳片案内装置は、鋳片又はダミーバーを挟んで互いに対向して配置される基準側駆動ロールおよび反基準側駆動ロールと、反基準側駆動ロールを基準側駆動ロールに向かって押圧する押圧手段(流体シリンダ等)とを有する(特許文献1等参照)。基準側駆動ロールおよび反基準側駆動ロールにより、鋳片又はダミーバーが保持される。
【0003】
基準側駆動ロールは、鋳片又はダミーバーのパスラインに沿うように配置されている。基準側駆動ロールは、ロールスタンド内の移動しないフレーム等に固定され、パスラインに直交する方向に対して移動しない。反基準側駆動ロールは、押圧手段によって押圧されることで、パスラインに直交する方向に移動することにより、鋳片又はダミーバーに近づけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-229688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記装置において、以下の理由により、基準側駆動ロールのアライメント不整が生じるおそれがある。
例えば、基準側駆動ロールを保持するフレームや軸受箱等を構成する部品に、機械加工誤差が生じることにより、アライメント不整が生じ得る。基準側駆動ロールのアライメント調整における誤差や、基準側駆動ロールの偏心、曲り、変形等が生じることにより、アライメント不整が生じ得る。また、連続鋳造設備の運転に伴い基準側駆動ロールが損耗することにより、初期アライメントを維持することができず、アライメント不整が生じ得る。
【0006】
基準側駆動ロールのアライメント不整が生じた場合、基準側駆動ロールがパスラインからずれると考えられる。図3Aに示すように、パスラインLからずれた基準側駆動ロール102は、鋳片(S)又はダミーバーから離れ、鋳片(S)又はダミーバーを保持しない。
【0007】
基準側駆動ロールのアライメント不整が生じなくても、鋳片やダミーバーが曲がったり変形したりした場合、図4Aに示すように、鋳片(S)又はダミーバーが基準側駆動ロール102から離れる。この場合、鋳片(S)又はダミーバーは、基準側駆動ロール102に保持されない。
【0008】
上記の場合、基準側駆動ロール102以外の駆動ロールにより、鋳片又はダミーバーが保持されるが、他の駆動ロールへの負荷(鋳片又はダミーバーを引き抜くための引抜力、鋳片又はダミーバーの落下力等)が大きくなり、これらのロールに接続された駆動手段(減速機、ユニバーサルスピンドル、電動機等)の寿命が短くなるおそれがある。また、鋳片又はダミーバーを保持するロールの本数が減るため、鋳片又はダミーバーの保持力が低下し、鋳片又はダミーバーが落下するおそれがある。
【0009】
本発明は、鋳片又はダミーバーを十分に保持することが可能な鋳片案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の連続鋳造設備の鋳片案内装置は、互いに対向して配置される基準側駆動ロールおよび反基準側駆動ロールと、前記基準側駆動ロールを前記反基準側駆動ロールに向かって押圧させる基準側押圧手段と、前記反基準側駆動ロールを前記基準側駆動ロールに向かって押圧させる反基準側押圧手段であって、前記反基準側押圧手段により前記反基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーを押圧する力が前記基準側押圧手段により前記基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーを押圧する力より大きく設定されている反基準側押圧手段と、前記基準側駆動ロールが鋳片又はダミーバーのパスラインに対して前記反基準側駆動ロールと反対側に移動することを規制する位置規制手段とを備える
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、鋳片又はダミーバーを十分に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る連続鋳造設備の鋳片案内装置の正面図である。
図2図1に示す鋳片案内装置のII-II線に沿った断面図である。
図3A】既存の鋳片案内装置の模式図である。
図3B】本発明の第1実施形態に係る鋳片案内装置の模式図である。
図4A】鋳片が変形した場合の既存の鋳片案内装置の模式図である。
図4B】鋳片が変形した場合の本発明の第1実施形態に係る鋳片案内装置の模式図である。
図5A】本発明の第2実施形態に係る鋳片案内装置の正面図の一部を示す図である。
図5B図5Aに示す鋳片案内装置のVb-Vb線に沿った断面図である。
図6】本発明の変形例に係る鋳片案内装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1実施形態〕
図1および図2に、連続鋳造設備が備える鋳片案内装置の一例を示している。図2に、図1のII-II線に沿った断面図を示している。
【0014】
連続鋳造設備において、取鍋からタンディッシュに注がれた溶鋼は鋳型に注入され、鋳型の下部から鋳片として引き抜かれる。鋳片は、図1等に示す鋳片案内装置1等によって引き抜かれる。
【0015】
鋳片案内装置1は、図1に示すように、ハウジング2と、ハウジング2内に収容された基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4と、基準側駆動ロール3を押圧する基準側押圧手段5と、反基準側駆動ロール4を押圧する反基準側押圧手段6とを備える。基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4は、図示しない駆動装置等によって駆動力が与えられることにより回転する。
【0016】
鋳片案内装置1は、鋳片S又はダミーバーを引き抜く。図1には、鋳片案内装置1が鋳片Sを引き抜いているときを示している。本実施形態では、鋳片又はダミーバーのパスラインLに対し、反基準側駆動ロール4側の領域を「内側R1」と称し、パスラインLに対し、反基準側駆動ロール4と反対側の領域(基準側駆動ロール3側の領域)を「外側R2」と称する。本実施形態の「パスライン」とは、鋳片又はダミーバーが通る通路において基準側駆動ロールに近い一端である。「鋳片又はダミーバーが通る通路」とは、鋳片又はダミーバーが本来通るとされる、予め設定された通路である。なお、鋳片又はダミーバーが本来通るとされる通路を意図的に変えることによってつくられた通路は、鋳片に本来であれば必要のない変形を与え、鋳片の表面及び内部にわれの原因となる歪が発生して鋳片品質を悪化させる点で好ましくない。
【0017】
ハウジング2は、図2に示すように、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の両側に配置された第1サイドフレーム11および第2サイドフレーム12と、第1サイドフレーム11および第2サイドフレーム12を連結した第1連結板13および第2連結板14とを有する。第1サイドフレーム11および第2サイドフレーム12は、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4を、各ロールの軸心方向に挟んで配置されている。
【0018】
第1サイドフレーム11に、第1孔11Aが形成されている。第1孔11Aに、後述する第1基準側軸受箱32および第1反基準側軸受箱72が配置されている。第2サイドフレーム12に、第2孔12Aが形成されている(図1参照)。第2孔12Aに、後述する第2基準側軸受箱42および第2反基準側軸受箱82が配置されている。
【0019】
基準側駆動ロール3は、図2に示すように、鋳片Sに接する基準ロール本体部21と、基準ロール本体部21の両端から軸心方向に延びた第1基準側軸部22および第2基準側軸部23とを有する。第2基準側軸部23に、基準側入力軸部51が接続されている。基準側入力軸部51は、図示しない駆動装置に接続されている。駆動装置により、基準側駆動ロール3が回転する。
【0020】
第1基準側軸部22は、第1基準側軸受31に嵌められている。第1基準側軸受31は、第1基準側軸受箱32に収容されている。第1基準側軸受箱32は、基準側駆動ロール3を回転可能に支持している。第1基準側軸受箱32は、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに配置されている。
【0021】
第2基準側軸部23は、第2基準側軸受41に嵌められている。第2基準側軸受41は、第2基準側軸受箱42に収容されている。第2基準側軸受箱42は、基準側駆動ロール3を回転可能に支持している。第2基準側軸受箱42は、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに配置されている。
【0022】
反基準側駆動ロール4は、図2に示すように、鋳片Sに接する反基準ロール本体部61と、反基準ロール本体部61の両端から軸心方向に延びた第1反基準側軸部62および第2反基準側軸部63とを有する。第2反基準側軸部63に、反基準側入力軸部52が接続されている。反基準側入力軸部52は、図示しない駆動装置に接続されている。駆動装置により、反基準側駆動ロール4が回転する。
【0023】
第1反基準側軸部62は、第1反基準側軸受71に嵌められている。第1反基準側軸受71は、第1反基準側軸受箱72に収容されている。第1反基準側軸受箱72は、反基準側駆動ロール4を回転可能に支持している。第1反基準側軸受箱72は、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに配置されている。
【0024】
第2反基準側軸部63は、第2反基準側軸受81に嵌められている。第2反基準側軸受81は、第2反基準側軸受箱82に収容されている。第2反基準側軸受箱82は、反基準側駆動ロール4を回転可能に支持している。第2反基準側軸受箱82は、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに配置されている。
【0025】
基準側駆動ロール3を押圧する基準側押圧手段5は、シリンダ本体5aと、ピストンロッド5bとを有する流体シリンダである。シリンダ本体5aは、第1連結板13に取り付けられている。ピストンロッド5bは、第1連結板13に形成された孔(図2に示す孔13a)を通って、ハウジング2内に配置されている。ピストンロッド5bはシリンダ本体5a内を往復動可能である。
【0026】
ピストンロッド5bの端部に、基準側可動フレーム(接続部材)7が取り付けられている。基準側可動フレーム7は、図2に示すように、テーパ部7aと、テーパ部7aより幅広のプレート部7bとを有する。
【0027】
テーパ部7aは、ピストンロッド5bに取り付けられている。テーパ部7aは、ピストンロッド5bから遠ざかるにつれて幅が広くなるテーパ状に形成されている。テーパ部7aは、第1サイドフレーム11と第2サイドフレーム12との間に配置されている。
【0028】
プレート部7bは、第1サイドフレーム11と第2サイドフレーム12とに跨って配置されている。プレート部7bの一方の端部は、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに配置されている。プレート部7bの一方の端部は、第1基準側軸受箱32に取り付けられている。プレート部7bの他方の端部は、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに配置されている。プレート部7bの他方の端部は、第2基準側軸受箱42に取り付けられている。
【0029】
第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42は、テーパ部7aとプレート部7bを含む基準側可動フレーム7を介して、基準側押圧手段5のピストンロッド5bに接続されている。
【0030】
第1サイドフレーム11の第1孔11Aに、第1位置規制部(位置規制手段)91が配置されている。第1位置規制部91およびプレート部7bは、図2のロール対向方向について、第1基準側軸受箱32に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第1位置規制部91は、図2のロール対向方向について、プレート部7bに対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第1孔11Aに、第1基準側軸受箱32、プレート部7b、および、第1位置規制部91が、基準側駆動ロール3と反基準側駆動ロール4が対向する方向(図2に示すロール対向方向)に、且つ、反基準側駆動ロール4から離れる方向に、順に並んでいる。
【0031】
第1位置規制部91は、図2のロール対向方向に、第1サイドフレーム11の内側壁11sと対向する。内側壁11sは、図2のロール対向方向について、第1位置規制部91に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第1位置規制部91は、内側壁11sに取り付けられている。第1位置規制部91は、動かない。
【0032】
第2サイドフレーム12の第2孔12Aに、第2位置規制部(位置規制手段)92が配置されている。第2位置規制部92およびプレート部7bは、図2のロール対向方向について、第2基準側軸受箱42に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第2位置規制部92は、図2のロール対向方向について、プレート部7bに対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第2孔12Aに、第2基準側軸受箱42、プレート部7b、および、第2位置規制部92が、基準側駆動ロール3と反基準側駆動ロール4が対向する方向(図2に示すロール対向方向)に、且つ、反基準側駆動ロール4から離れる方向に、順に並んでいる。
【0033】
第2位置規制部92は、図2のロール対向方向に、第2サイドフレーム12の内側壁12sと対向する。内側壁12sは、図2のロール対向方向について、プレート部7bに対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第2位置規制部92は、内側壁12sに取り付けられている。第2位置規制部92は、動かない。
【0034】
図1および図2には、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているときを示している。このとき、基準側可動フレーム7のプレート部7bが、第1位置規制部91および第2位置規制部92に当接している(図2参照)。
「基準側駆動ロールがパスラインに沿って配置されている」とき、基準側駆動ロールの表面がパスラインを通過する鋳片Sまたはダミーバーに接する。「基準側駆動ロールの表面がパスラインを通過する鋳片Sまたはダミーバーに接する」とは、図1に示すように、基準側駆動ロール3の周面(図2に示す基準ロール本体部21の周面)において対向する反基準側駆動ロール4に最も近い部分(図1に示す表面X)が、パスラインを通過する鋳片Sまたはダミーバーに接することである。
【0035】
基準側押圧手段5のシリンダ本体5a内をピストンロッド5bが往復動することに伴い、基準側可動フレーム7(テーパ部7a、プレート部7b)と、第1基準側軸受箱32と、第2基準側軸受箱42と、基準側駆動ロール3とが、ピストンロッド5bの動きと同じ方向(パスラインLに直交する方向)に移動する。本実施形態における「パスラインLに直交する方向」は、基準側駆動ロール3と反基準側駆動ロール4との対向方向(図1および図2のロール対向方向)である。
なお、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、図2に示すように、プレート部7bが第1位置規制部91に当接し、且つ、プレート部7bが第2位置規制部92に当接しているため、基準側駆動ロール3は、パスラインLに沿って配置された状態(図1および図2に示す状態)から、反基準側駆動ロール4と反対側(図1に示すパスラインLの外側R2)に移動しない。
【0036】
基準側駆動ロール3の可動範囲(可動距離)は、特に限定されない。基準側駆動ロール3の可動範囲は、例えば、基準側駆動ロールのアライメント補正分、鋳片の変形量、ダミーバーの変形量等を補完する程度の範囲でよく、例えば5mm以内である。
【0037】
図2に示すように、反基準側駆動ロール4を押圧する反基準側押圧手段6は、シリンダ本体6aと、ピストンロッド6bとを有する流体シリンダである。シリンダ本体6aは、第2連結板14に取り付けられている。ピストンロッド6bは、第2連結板14に形成された孔(図2に示す孔14a)を通って、ハウジング2内に配置されている。ピストンロッド6bはシリンダ本体6a内を往復動可能である。
【0038】
ピストンロッド6bの端部に、反基準側可動フレーム8が取り付けられている。反基準側可動フレーム8は、テーパ部8aと、テーパ部8aより幅広のプレート部8bとを有する。
【0039】
テーパ部8aは、ピストンロッド6bに取り付けられている。テーパ部8aは、ピストンロッド6bから遠ざかるにつれて幅が広くなるテーパ状に形成されている。テーパ部8aは、第1サイドフレーム11と第2サイドフレーム12との間に配置されている。
【0040】
プレート部8bは、第1サイドフレーム11と第2サイドフレーム12とに跨って配置されている。プレート部8bの一方の端部は、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに配置されている。プレート部8bの一方の端部は、第1反基準側軸受箱72に取り付けられている。プレート部8bの他方の端部は、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに配置されている。プレート部8bの他方の端部は、第2反基準側軸受箱82に取り付けられている
【0041】
反基準側押圧手段6においてシリンダ本体6a内をピストンロッド6bが往復動することに伴い、反基準側可動フレーム8(テーパ部8a、プレート部8b)と、第1反基準側軸受箱72と、第2反基準側軸受箱82と、反基準側駆動ロール4とが、ピストンロッド6bの動きと同じ方向(パスラインLに直交する方向(図1および図2のロール対向方向))に移動する。
【0042】
反基準側押圧手段6により反基準側駆動ロール4が鋳片Sを押圧する力F1(以下において「反基準側駆動ロール4の押圧力F1」と称する)は、基準側押圧手段5により基準側駆動ロール3が鋳片Sを押圧する力F2(以下において「基準側駆動ロールの押圧力F2」と称する)より大きい。反基準側駆動ロール4の押圧力F1を基準側駆動ロール3の押圧力F2より大きくするため、例えば、以下のようにする。
・反基準側押圧手段6の圧力P1と基準側押圧手段5の圧力P2を同圧とし、且つ、反基準側押圧手段6のシリンダ本体6aの内径を、基準側押圧手段5のシリンダ本体5aの内径より大きくする。
・反基準側押圧手段6のシリンダ本体6aの内径と基準側押圧手段5のシリンダ本体5aの内径を同径とし、且つ、反基準側押圧手段6の圧力P1を基準側押圧手段5の圧力P2より大きくする。
【0043】
例えば、基準側押圧手段5および反基準側押圧手段6として油圧シリンダを採用し、反基準側油圧シリンダ(6)のシリンダ本体6aの内径と基準側油圧シリンダ(5)のシリンダ本体5aの内径をともに250mmとし、反基準側油圧シリンダ(6)の供給圧力を18MPa、基準側油圧シリンダ(5)の供給圧力を16MPaとした場合、反基準側油圧シリンダ(6)の押力は90.1tf、基準側油圧シリンダ(5)の押力は80.1tfである。反基準側油圧シリンダ(6)の押力と基準側油圧シリンダ(5)の押力は同時に作用する。この場合、鋳片S又はダミーバーは、90.1tf-80.1tf=10.0tfの押力で基準側駆動ロール3に押し付けられる。
【0044】
反基準側駆動ロール4の押圧力F1を基準側駆動ロール3の押圧力F2より大きくする方法は、上記に限定されない。反基準側押圧手段6のシリンダ本体6aの内径および基準側押圧手段5のシリンダ本体5aの内径と、反基準側押圧手段6の圧力P1および基準側押圧手段5の圧力P2とを適宜変更してもよい。
【0045】
次に、図3A図4Bを参照しつつ、既存の鋳片案内装置と本実施形態に係る鋳片案内装置を比較して説明する。
【0046】
図3Aおよび図3Bに、例えば整備不良・機械加工誤差・ロールの損耗などにより基準側駆動ロールがパスラインLから外れたときを示している。図3Aに、既存の鋳片案内装置の模式図を示している。図3Bに、本実施形態に係る鋳片案内装置の模式図を示している。
【0047】
既存の鋳片案内装置は、図3Aに示すように、基準側駆動ロール101、102、103と、反基準側駆動ロール111、112、113と、反基準側駆動ロールを押圧する反基準側押圧手段121、122、123とを有する。既存の鋳片案内装置は、基準側駆動ロールを押圧する基準側押圧手段を有さない。基準側駆動ロール101、102、103は、ロールスタンド内の移動しないフレーム等に固定され、パスラインLに直交する方向(基準側駆動ロールと反基準側駆動ロールが対向する方向)に動かない。反基準側駆動ロール111、112、113は、反基準側押圧手段121、122、123によって押圧されることにより、パスラインLに直交する方向に移動し、鋳片Sに近づけられる。
【0048】
基準側駆動ロール102のアライメント不整等により、基準側駆動ロール102がパスラインLから外れた場合、基準側駆動ロール102が鋳片Sから離れる。鋳片Sは、基準側駆動ロール102によって保持されない。鋳片Sは、他の基準側駆動ロール101、103および反基準側駆動ロール111、112、113だけによって保持される。
【0049】
一方、本実施形態に係る鋳片案内装置は、図3Bに示すように、基準側駆動ロール201、202、203と、反基準側駆動ロール211、212、213と、基準側駆動ロールを押圧する基準側押圧手段231、232、233と、反基準側駆動ロールを押圧する反基準側押圧手段221、222、223と、位置規制手段(図2に示す「第1位置規制部91」と「第2位置規制部92」)とを有する。基準側押圧手段231、232、233によって押圧されることより、基準側駆動ロール201、202、203は、対向する反基準側駆動ロール211、212、213に向かう方向(図2に示すプレート部7bが第1位置規制部91および第2位置規制部92から離れる方向(図2中の右側))に移動可能である。基準側駆動ロール201、202、203がパスラインLの外側R2に外れた場合、基準側押圧手段231、232、233により基準側駆動ロール201、202、203がパスラインLに近づけられる。
【0050】
例えば、基準側駆動ロール202がパスラインLの外側R2に外れた場合、基準側押圧手段232により基準側駆動ロール202を反基準側駆動ロール212に向けて移動させる。基準側駆動ロール202は、鋳片Sに当接することによりパスラインLに沿って配置される。これにより、鋳片案内装置に設けられた全ての駆動ロール(基準側駆動ロール201、202、203、反基準側駆動ロール211、212、213)により、鋳片Sが保持される。
【0051】
基準側駆動ロールの押圧力と反基準側駆動ロールの押圧力の関係を、以下に示す。
・反基準側駆動ロール211の押圧力F211>基準側駆動ロール201の押圧力F201
・反基準側駆動ロール212の押圧力F212>基準側駆動ロール202の押圧力F202
・反基準側駆動ロール213の押圧力F213>基準側駆動ロール203の押圧力F203
上記により、鋳片Sが基準側駆動ロール201、202、203に押し付けられるため、鋳片Sのふらつき等が生じない。鋳片SがパスラインLに沿うようになる。
なお、反基準側駆動ロールの押圧力が基準側駆動ロールの押圧力より大きいことから、基準側駆動ロール201、202、203はパスラインLの外側R2に向かう力を受けるが、位置規制手段(図2に示す「第1位置規制部91」と「第2位置規制部92」参照)により、基準側駆動ロール201、202、203がパスラインLの外側R2に向かって移動することが規制される。そのため、基準側駆動ロール201、202、203はパスラインLに沿って配置される。
【0052】
続いて、鋳片Sが曲がった場合について、図4Aおよび図4Bを参照しつつ説明する。図4Aに、既存の鋳片案内装置の模式図を示している。図4Bに、本実施形態に係る鋳片案内装置の模式図を示している。
【0053】
図4Aに示す既存の鋳片案内装置は、図3Aに示す既存の鋳片案内装置と同じ構成である。図4Aには、基準側駆動ロール101、102、103が図示しないパスラインに沿って配置されているときを示している。鋳片Sが曲がった部分では、鋳片Sと基準側駆動ロール102が離れている。鋳片Sは、基準側駆動ロール102によって保持されない。鋳片Sは、他の基準側駆動ロール101、103および反基準側駆動ロール111、112、113だけによって保持される。
【0054】
一方、本実施形態に係る鋳片案内装置は、図4Bに示すように、基準側押圧手段231、232、233を有する。基準側押圧手段231、232、233に押圧されることより、基準側駆動ロール201、202、203は、対向する反基準側駆動ロール211、212、213に向かう方向(図2に示すプレート部7bが第1位置規制部91および第2位置規制部92から離れる方向(図2中の右側))に移動可能である。図4Bに示すように、鋳片Sが曲がった場合、基準側押圧手段232により基準側駆動ロール202を反基準側駆動ロール212に向けて移動させる。基準側駆動ロール202の表面X2が鋳片Sに当接する。基準側駆動ロール202は鋳片Sに沿って配置される。これにより、鋳片案内装置に設けられた全ての駆動ロール(基準側駆動ロール201、202、203、反基準側駆動ロール211、212、213)により、鋳片Sが保持される。
【0055】
上記では、鋳片Sを引き抜く場合について説明したが、ダミーバーを引き抜く場合についても鋳片Sを引き抜く場合と同様である。
【0056】
以上のように、本実施形態によると以下の効果を奏する。
本実施形態に係る鋳片案内装置1は、図1および図2に示すように、基準側駆動ロール3を反基準側駆動ロール4に向かって押圧させる基準側押圧手段5を有する。基準側押圧手段5により、基準側駆動ロール3は、パスラインLに直交する方向に対して移動可能である。基準側駆動ロール3が鋳片又はダミーバーから離れても、基準側押圧手段5、231、232、233により、基準側駆動ロール3を鋳片又はダミーバーに当接させることができる(図3B図4B参照)。
反基準側駆動ロール4は、反基準側押圧手段6により、パスラインLに直交する方向に対して移動可能である(図1および図2参照)。反基準側駆動ロール4は、反基準側押圧手段6により、鋳片又はダミーバーに近づけられる。
上記により、鋳片案内装置1に設けられた全ての駆動ロール(基準側駆動ロール3、201、202、203と反基準側駆動ロール4、211、212、213)により、鋳片又はダミーバーを保持することができる。これにより、鋳片又はダミーバーを十分に保持することができる。また、鋳片又はダミーバーの引抜力や落下力といった負荷が全ての駆動ロールに分散されるため、駆動ロールに接続された図示しない駆動手段(減速機、ユニバーサルスピンドル、電動機等)の寿命が低下するおそれがない。
【0057】
また、上記実施形態では、反基準側駆動ロールの押圧力F1が基準側駆動ロールの押圧力F2より大きい。反基準側駆動ロールの押圧力F1と基準側駆動ロールの押圧力F2が同じ場合、鋳片又はダミーバーの位置が定まらず、鋳片又はダミーバーがふらついてパスラインから外れるおそれがある。しかし、上述した押圧力(F1>F2)で押圧することにより、鋳片又はダミーバーが基準側駆動ロール3、201、202、203に押し付けられ、パスラインLに沿うようになる(図3B参照)。
【0058】
なお、上述した押圧力(F1>F2)で押圧しても、図1および図2に示す第1位置規制部91および第2位置規制部92により、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することが規制される。そのため、基準側駆動ロール3はパスラインLに沿って配置される。
具体的には、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、図2に示すように、プレート部7bが第1位置規制部91に当接しているとともに、プレート部7bが第2位置規制部92に当接している。そのため、基準側駆動ロール3は、パスラインLに沿って配置された状態(図1および図2に示す状態)から、反基準側駆動ロール4と反対側(図1に示すパスラインLの外側R2)に移動しない。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図5Aおよび図5Bを参照しつつ説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、基準側可動フレーム(接続部材)307が第1サイドフレーム11の第1孔11Aおよび第2サイドフレーム第1位置規制部12の第2孔12Aに配置されていない点等である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0060】
図5Aに、第2実施形態に係る鋳片案内装置の一部(基準側駆動ロール3側)の正面図を示している。図5Bに、図5AのVIb-VIb線に沿った断面図を示している。
【0061】
基準側駆動ロール3は、第1基準側軸受箱332および第2基準側軸受箱342に回転可能に支持されている(図5A及び図5B参照)。第1基準側軸受箱332は、図5Bに示すように、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに配置されている。第2基準側軸受箱342は、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに配置されている。
【0062】
基準側可動フレーム(接続部材)307は、テーパ部307aと、テーパ部307aより幅広のプレート部307bとを有する。
【0063】
テーパ部307aは、基準側押圧手段5のピストンロッド5bに取り付けられている。テーパ部307aは、第1サイドフレーム11と第2サイドフレーム12の間に配置されている。
【0064】
プレート部307bは、第1基準側軸受箱332と第2基準側軸受箱342との間に配置されている。プレート部307bの一方の端部は、第1基準側軸受箱332に取り付けられている。プレート部307bの他方の端部は、第2基準側軸受箱342に取り付けられている。
【0065】
基準側押圧手段5と第1基準側軸受箱332および第2基準側軸受箱342とは、可動フレーム307を介して接続されている。可動フレーム307(テーパ部307aおよびプレート部307b)は、第1孔11Aと第2孔12Aに配置されていない。
【0066】
図5Bに示すように、第1サイドフレーム11の第1孔11Aに、第1位置規制部(位置規制手段)391が配置されている。第1位置規制部391は、基準側駆動ロール3と反基準側駆動ロール4の対向方向(図5Bのロール対向方向)について、第1基準側軸受箱332に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。
【0067】
第1位置規制部391は、図5Bのロール対向方向に、第1サイドフレーム11の内側壁11sと対向する。内側壁11sは、図5Bのロール対向方向について、第1位置規制部391に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第1位置規制部391は、内側壁11sに取り付けられている。第1位置規制部391は、動かない。
【0068】
図5Bに示すように、第2サイドフレーム12の第2孔12Aに、第2位置規制部(位置規制手段)392が配置されている。第2位置規制部392は、基準側駆動ロール3と反基準側駆動ロール4の対向方向(図5Bのロール対向方向)について、第2基準側軸受箱342に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。
【0069】
第2位置規制部392は、図5Bのロール対向方向に、第2サイドフレーム12の内側壁12sと対向する。内側壁12sは、図5Bのロール対向方向について、第2位置規制部392に対して、反基準側駆動ロール4と反対側に配置されている。第2位置規制部392は、内側壁12sに取り付けられている。第2位置規制部392は、動かない。
【0070】
基準側押圧手段5のシリンダ本体5a内をピストンロッド5bが往復動することに伴い、基準側可動フレーム307(テーパ部307a、プレート部307b)と、第1基準側軸受箱332と、第2基準側軸受箱342と、基準側駆動ロール3とが、ピストンロッド5bの動きと同じ方向(パスラインLに直交する方向)に移動する。
図5Aおよび図5Bに示すように基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1基準側軸受箱332が第1位置規制部391に当接するとともに、第2基準側軸受箱342が第2位置規制部392に当接している。そのため、基準側駆動ロール3が、パスラインLに沿って配置された状態から、パスラインLの外側R2に移動しない。
【0071】
以上のように、第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、基準側押圧手段5および反基準側押圧手段6により、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4を鋳片又はダミーバーに近づく方向へ移動させることができる。これにより、鋳片案内装置1に設けられた全ての駆動ロールにより、鋳片又はダミーバーを保持することができるため、鋳片又はダミーバーを十分に保持することができる。
【0072】
また、反基準側駆動ロールの押圧力が基準側駆動ロールの押圧力より大きいが、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1基準側軸受箱332が第1位置規制部391に当接するとともに、第2基準側軸受箱342が第2位置規制部392に当接している。これにより、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することが規制される。そのため、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置される。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
(鋳片案内装置のロールの変形例)
例えば、上記実施形態では、図1図3Bおよび図4Bに示すように、鋳片案内装置に設けられたロールが全て駆動ロールである。しかし、鋳片案内装置は、駆動ロールとフリーロールの両方を備えた装置でもよい。フリーロールは、駆動力が与えられないロールであり、鋳片又はダミーバーの搬送に伴い回転可能なロールである。
【0075】
例えば、図6に示すように、鋳片案内装置が、基準側フリーロール411、412、413、414と、反基準側フリーロール421、422、423、424と、基準側駆動ロール3と、反基準側駆動ロール4と、基準側押圧手段5と、反基準側押圧手段6と、図示しない位置規制手段(図2に示す「第1位置規制部91」と「第2位置規制部92」)とを有してもよい。基準側フリーロール411と反基準側フリーロール421は、互いに対向して配置されている。基準側フリーロール412と反基準側フリーロール422は、互いに対向して配置されている。基準側フリーロール413と反基準側フリーロール423は、互いに対向して配置されている。基準側フリーロール414と反基準側フリーロール424は、互いに対向して配置されている。
【0076】
例えば、図6に示すように、基準側ロールとして、基準側フリーロール411、基準側フリーロール412、基準側駆動ロール3、基準側フリーロール413、基準側フリーロール414が、鋳片又はダミーバーの引抜方向に順に並んでいてもよい。反基準側ロールとして、反基準側フリーロール421、反基準側フリーロール422、反基準側駆動ロール4、反基準側フリーロール423、反基準側フリーロール424が、鋳片又はダミーバーの引抜方向に順に並んでいてもよい。
基準側駆動ロール3は、図6に示すように、鋳片又はダミーバーの引抜方向について、基準側フリーロール412と基準側フリーロール413の間に配置されている。反基準側駆動ロール4は、鋳片又はダミーバーの引抜方向について、反基準側フリーロール422と反基準側フリーロール423の間に配置されている。
駆動ロールおよびフリーロールが鋳片又はダミーバーの引抜方向に配置される順序は、変更可能である。
【0077】
また、鋳片案内装置が有する基準側駆動ロールおよび反基準側駆動ロールの数は限定されない。鋳片案内装置が有する基準側フリーロールおよび反基準側フリーロールの数は限定されない。
【0078】
(基準側押圧手段と軸受箱の接続に関する変形例)
上記第1実施形態では、図2に示すように、1つの基準側押圧手段(流体シリンダ)5が、第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42に接続されている。しかし、第1基準側軸受箱32に1つの基準側押圧手段が接続され、第2基準側軸受箱42に別の基準側押圧手段が接続されていてもよい。この構成によると、基準側可動フレーム7(テーパ部7a、プレート部7b)を省略することも可能である。
上記第2実施形態についても、同様に、第1基準側軸受箱332に1つの基準側押圧手段が接続され、第2基準側軸受箱342に別の基準側押圧手段が接続されていてもよい。この構成によると、基準側可動フレーム307(テーパ部307a、プレート部307b)を省略することも可能である。
【0079】
(基準側押圧手段と軸受箱の接続に関する他の変形例)
上記第1実施形態では、図2に示すように、基準側押圧手段5が、基準側可動フレーム7を介して、第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42に接続されている。しかし、基準側押圧手段が、第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42に直接接続されていてもよい。この場合、第1基準側軸受箱32を押圧する基準側押圧手段と、第2基準側軸受箱42を押圧する基準側押圧手段とが必要となる。
【0080】
この場合、(1)上記第1実施形態と同様に、第1位置規制部が第1サイドフレーム11の内側壁11sに取り付けられているとともに、第2位置規制部が第2サイドフレーム12の内側壁12sに取り付けられていてもよい。この構成によると、基準側押圧手段により、第1基準側軸受箱32と、第2基準側軸受箱42と、基準側駆動ロール3とが移動する。基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1基準側軸受箱32が第1位置規制部に当接するとともに、第2基準側軸受箱42が第2位置規制部に当接する。これにより、基準側駆動ロール3は、パスラインLに沿って配置された状態(図1および図2に示す状態)から、反基準側駆動ロール4と反対側(図1に示すパスラインLの外側R2)に移動しない。
上記(1)では、第1位置規制部が第1サイドフレーム11の内側壁11sに取り付けられているケースについて説明したが、第1位置規制部は、第1サイドフレーム11の内側壁11s以外の部分(内底壁等)に取り付けられていてもよい。第2位置規制部についても同様に、第2位置規制部が、第2サイドフレーム12の内側壁12s以外の部分(内底壁等)に取り付けられていてもよい。
【0081】
また、別の構成として、(2)第1位置規制部が第1基準側軸受箱32に取り付けられているとともに、第2位置規制部が第2基準側軸受箱42に取り付けられていてもよい。この構成によると、基準側押圧手段により、第1位置規制部と、第2位置規制部と、第1基準側軸受箱32と、第2基準側軸受箱42と、基準側駆動ロール3とが移動する。第1位置規制部は、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の対向方向(図2のロール対向方向)に、第1サイドフレーム11の内側壁11sと対向して配置される。第2位置規制部は、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の対向方向(図2のロール対向方向)に、第2サイドフレーム12の内側壁12sと対向して配置される。基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1位置規制部が、対向する第1サイドフレーム11の内側壁11sに当接するとともに、第2位置規制部が、対向する第2サイドフレーム12の内側壁12sに当接する。これにより、基準側駆動ロール3は、パスラインLに沿って配置された状態(図1および図2に示す状態)から、反基準側駆動ロール4と反対側(図1に示すパスラインLの外側R2)に移動しない。
また、上記(2)の場合、基準側押圧手段が、第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42でなく、第1位置規制部および第2位置規制部に接続されていてもよい。
【0082】
また、基準側押圧手段が、第1基準側軸受箱32および第2基準側軸受箱42に直接接続された構成において、第1位置規制部と第2位置規制部を使用しない構成としてもよい。具体的には、以下の構成としてもよい。
第1サイドフレーム11の第1孔11Aおよび第2サイドフレーム12の第2孔12Aを、上記実施形態の第1孔11Aおよび第2孔12A(図1および図2に示す第1孔11Aおよび第2孔12A)の大きさより、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の対向方向(図1および図2に示すロール対向方向)に、第1位置規制部91と第2位置規制部92の長さ分だけ小さくする。これにより、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1基準側軸受箱32が第1サイドフレーム11の内側壁11sに当接し、第2基準側軸受箱42が第2サイドフレーム12の内側壁12sに当接する。この構成により、第1位置規制部と第2位置規制部を使用することなく、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することを規制することができる。
上記の場合、第1サイドフレーム11の内側壁11sおよび第2サイドフレーム12の内側壁12sが、位置規制手段(位置規制部)である。
【0083】
上述した第2実施形態についても、上記と同様に、変更可能である。
【0084】
(反基準側押圧手段と軸受箱の接続に関する変形例)
上記第1実施形態では、図2に示すように、反基準側押圧手段6が、反基準側可動フレーム8を介して、第1反基準側軸受箱72および第2反基準側軸受箱82に接続されている。しかし、反基準側押圧手段が、第1反基準側軸受箱72および第2反基準側軸受箱82に直接接続されていてもよい。この場合、第1反基準側軸受箱72を押圧する反基準側押圧手段と、第2反基準側軸受箱82を押圧する基準側押圧手段とが必要となる。
上述した第2実施形態についても、上記と同様に、変更可能である。
【0085】
また、上記第1実施形態では、図2に示すように、1つの反基準側押圧手段(流体シリンダ)6が、第1反基準側軸受箱72および第2反基準側軸受箱82に接続されている。しかし、第1反基準側軸受箱72に1つの反基準側押圧手段が接続され、第2反基準側軸受箱82に別の基準側押圧手段が接続されていてもよい。
上述した第2実施形態についても、上記と同様に、変更可能である。
【0086】
(位置規制手段の変形例)
上記第1実施形態および第2実施形態では、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することを規制する位置規制手段として、図1および図2に示す第1位置規制部91と第2位置規制部92を採用した。しかし、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することを規制する位置規制手段は、上記構成に限定されない。
例えば、上記第1実施形態において、図1および図2に示す第1位置規制部91と第2位置規制部92を使用しない構成としてもよい。具体的には、以下の構成としてもよい。
第1サイドフレーム11の第1孔11Aおよび第2サイドフレーム12の第2孔12Aを、上記実施形態の第1孔11Aおよび第2孔12A(図1および図2に示す第1孔11Aおよび第2孔12A)の大きさより、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の対向方向(図1および図2に示すロール対向方向)に、第1位置規制部91と第2位置規制部92の長さ分だけ小さくする。これにより、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、プレート部7bが内側壁11sおよび内側壁12sに当接する。この場合、ボルト頭が内側壁11sに干渉されることを防止するために、プレート部7bにボルト頭を収納するためのざくり穴を設けてもよい。この構成により、第1位置規制部91と第2位置規制部92を使用することなく、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することを規制することができる。
上記の場合、第1サイドフレーム11の内側壁11sおよび第2サイドフレーム12の内側壁12sが、位置規制手段(位置規制部)である。
【0087】
また、上記第2実施形態において、図5Aおよび図5Bに示す第1位置規制部391と第2位置規制部392を使用しない構成としてもよい。具体的には、以下の構成としてもよい。
第1サイドフレーム11の第1孔11Aおよび第2サイドフレーム12の第2孔12Aを、上記実施形態の第1孔11Aおよび第2孔12A(図5Bに示す第1孔11Aおよび第2孔12A)の大きさより、基準側駆動ロール3および反基準側駆動ロール4の対向方向(図5Bに示すロール対向方向)に、第1位置規制部391と第2位置規制部392の長さ分だけ小さくする。これにより、基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1基準側軸受箱332が第1サイドフレームの内側壁に当接し、第2基準側軸受箱342が第2サイドフレームの内側壁に当接する。この構成により、第1位置規制部と第2位置規制部を使用することなく、基準側駆動ロール3がパスラインLの外側R2に移動することを規制することができる。
【0088】
(位置規制手段の変形例)
上記第1実施形態では、図2に示すように、第1位置規制部91が、第1サイドフレーム11の内側壁11sに取り付けられている。しかし、第1位置規制部91は、第1サイドフレーム11の他の部分に取り付けられていてもよい。例えば、第1位置規制部91が、第1サイドフレーム11の内壁(第1孔11Aを確定する壁)の底部等に取り付けられていてもよい。
また、第1位置規制部91が、第1サイドフレーム11以外の部材に取り付けられていてもよい。例えば、第1位置規制部91が、基準側可動フレーム7に取り付けられていてもよい。例えば、第1位置規制部91が、基準側可動フレーム7のプレート部7bに取り付けられていてもよい。また、第1位置規制部91が、基準側可動フレーム7のテーパ部7aに取り付けられていてもよい。
第2位置規制部92についても同様である。第2位置規制部92が、第2サイドフレーム12の内側壁12s以外の部分に取り付けられていてもよい。第2位置規制部92が、第2サイドフレーム12以外の部材(例えば、基準側可動フレーム7)に取り付けられていてもよい。
第1位置規制部91および第2位置規制部92が基準側可動フレーム7に取り付けられている場合、基準側押圧手段5により、基準側可動フレーム7と、第1位置規制部と、第2位置規制部と、第1基準側軸受箱32と、第2基準側軸受箱42と、基準側駆動ロール3とが移動する。基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1位置規制部が、対向する第1サイドフレーム11の内側壁11sに当接するとともに、第2位置規制部が、対向する第2サイドフレーム12の内側壁12sに当接する。これにより、基準側駆動ロール3は、パスラインLに沿って配置された状態から、反基準側駆動ロール4と反対側(図1に示すパスラインLの外側R2)に移動しない。
【0089】
上述した第2実施形態についても、上記と同様に変更可能である。図5Aおよび図5Bに示す第1位置規制部391が、第1サイドフレーム11の内側壁11sに取り付けられているが、第1サイドフレーム11の他の部分に取り付けられていてもよい。第2位置規制部392が、第2サイドフレーム12の内側壁12sに取り付けられているが、第2サイドフレーム12の他の部分に取り付けられていてもよい。
第2位置規制部392についても同様である。第2位置規制部392が、第2サイドフレーム12の内側壁12s以外の部分に取り付けられていてもよい。
【0090】
また、上述した第2実施形態において、第1位置規制部391が、第1サイドフレーム11以外の部材に取り付けられていてもよい。例えば、第1位置規制部391が、基準側可動フレーム307に取り付けられていてもよい。第2位置規制部392についても同様に、第2位置規制部392が、第2サイドフレーム12以外の部材(例えば、基準側可動フレーム307)に取り付けられていてもよい。
第1位置規制部391が第1基準側軸受箱332に取り付けられ、且つ、第2位置規制部392が第2基準側軸受箱342に取り付けられている場合、基準側押圧手段5により、第1位置規制部391と、第2位置規制部392と、第1基準側軸受箱332と、第2基準側軸受箱342と、基準側駆動ロール3とが移動する。基準側駆動ロール3がパスラインLに沿って配置されているとき、第1位置規制部391が第1サイドフレーム11の内側壁11sに当接するとともに、第2位置規制部392が第2サイドフレーム12の内側壁12sに当接する。これにより、基準側駆動ロール3が、パスラインLに沿って配置された状態から、パスラインLの外側R2に移動することを規制することができる。
上記の場合、可動フレーム307は、第1基準側軸受箱332および第2基準側軸受箱342に接続されていてもよく、第1位置規制部391および第2位置規制部392に接続されていてもよい。
【0091】
(位置規制手段の他の変形例)
上述した第1実施形態、第2実施形態および変形例などにおいて、第1位置規制部(91、391)と、第1位置規制部(91、391)が取り付けられた部材は、別部材でもよく、一体構造になっていてもよい。例えば、第1位置規制部(91、391)が第1サイドフレーム11に取り付けられている場合、第1位置規制部(91、391)と第1サイドフレーム11は、別部材でもよく、一体構造になっていてもよい。第1位置規制部(91、391)が基準側可動フレーム(7、307)に取り付けられている場合、第1位置規制部(91、391)と基準側可動フレーム(7、307)は、別部材でもよく、一体構造になっていてもよい。第1位置規制部(91、391)が第1基準側軸受箱(32、332)に取り付けられている場合、第1位置規制部(91、391)と基準側可動フレーム(7、307)は、別部材でもよく、一体構造になっていてもよい。
第2位置規制部(92、392)についても同様である。
【0092】
また、第1位置規制部(91、391)および第2位置規制部(92、392)の形状は、図1図2図5Aおよび図5Bに示す形状に限定されない。第1位置規制部91および第2位置規制部92は、例えば、板状でもよく、棒状でもよく、塊状でもよい。
【0093】
(その他の変形例)
また、上記第1実施形態では、図2に示すように、基準側可動フレーム(接続部材)7が、テーパ部7aとプレート部7bとを有する。上記第2実施形態では、図5Bに示すように、基準側可動フレーム(接続部材)307が、テーパ部307aとプレート部307bとを有する。しかし、基準側可動フレームの構成は変更可能である。例えば、基準側テーパ部の幅が一定であってもよい。反基準側可動フレームの構成も変更可能である。
【0094】
(基準側押圧手段および反基準側押圧手段の変形例)
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、図1図2図5Aおよび図5Bに示すように、基準側押圧手段5および反基準側押圧手段6として流体シリンダを採用した。しかし、基準側押圧手段5および反基準側押圧手段6は、流体シリンダでなくてもよい。
【0095】
また、本発明の鋳片案内装置は、図1図2図3B図4B図5A図5Bおよび図6に示すように、鋳片又はダミーバーを鉛直方向に引き抜く位置で使用してもよく、鋳片又はダミーバーを鉛直方向以外の方向に引き抜く位置で使用してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 鋳片案内装置
2 ハウジング
3、101、102、103、201、202、203 基準側駆動ロール
4、111、112、113、211、212、213 反基準側駆動ロール
5、231、232、233 基準側押圧手段
5a、6a シリンダ本体
5b、6b ピストンロッド
6、221、222、223 反基準側押圧手段
7、307 基準側可動フレーム(接続部材)
7a、8a、307a テーパ部
7b、8b、307b プレート部
11 第1サイドフレーム
11A 第1孔
11s 内側壁
12 第2サイドフレーム
12A 第2孔
12s 内側壁
13 第1連結板
14 第2連結板
21 基準ロール本体部
22 第1基準側軸部
23 第2基準側軸部
31 第1基準側軸受
32、332 第1基準側軸受箱
41 第2基準側軸受
42、342 第2基準側軸受箱
51 基準側入力軸部
52 反基準側入力軸部
61 反基準ロール本体部
62 第1反基準側軸部
63 第2反基準側軸部
71 第1反基準側軸受
72 第1反基準側軸受箱
81 第2反基準側軸受
82 第2反基準側軸受箱
91、391 第1位置規制部
92、392 第2位置規制部
L パスライン
S 鋳片
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6