(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】繰り出し容器
(51)【国際特許分類】
A45D 40/04 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A45D40/04 A
(21)【出願番号】P 2020129681
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-031510(JP,A)
【文献】特開2012-040230(JP,A)
【文献】特開平10-117841(JP,A)
【文献】特開2017-196279(JP,A)
【文献】特開2000-070036(JP,A)
【文献】米国特許第05364197(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に繰り出し口を備える筒状の内ケースと、
前記内ケースに螺合するねじ軸を備え、前記内ケースに対する周方向一方側への前記ねじ軸の相対回転により内容物を前記繰り出し口から繰り出す繰り出し部材と、
前記ねじ軸に共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合する係合軸
と前記係合軸の下端から径方向外側に延びる底壁と前記底壁の外周縁から上方に延びる操作筒とを備える外ケースと、
前記内ケースに対する前記外ケースの相対回転を前記周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部と、を有し、
前記内ケースが、前記ねじ軸に螺合する螺合部を上端に備える係合筒を有し、
前記ラチェット機構部が、前記係合筒に設けられ、径方向に弾性変形可能な弾性片と、前記操作筒の内周面に設けられ、前記周方向一方側への前記相対回転により前記弾性片を乗り越えさせる一方、前記周方向他方側への前記相対回転により前記弾性片を係止する係合凸部と、を有し、
前記操作筒の下端の内周面には、前記弾性片より下方に位置する前記係合筒の下端の外周面が、周方向に回転可能に且つ前記操作筒に対する前記係合筒の上方への相対移動を規制可能に嵌合し、
前記内ケースと前記繰り出し部材とにより、前記外ケースに着脱可能な付け替え容器が形成されることを特徴とする繰り出し容器。
【請求項2】
前記ねじ軸が、前記内容物を繰り出す前の状態で前記内ケースの内周面に上端が螺合する雄ねじを外周面に有する筒状をなし、
前記係合軸が、前記ねじ軸の径方向内側に同軸上に配置される、請求項1に記載の繰り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り出し容器及びその付け替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、口紅、リップクリーム、スティックアイシャドー等の化粧料、薬剤またはスティック糊などの、塗布可能な固形状の内容物を収納する容器として、繰り出し容器が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、上端に繰り出し口を備える筒状のケースと、ねじ軸を備え、ケースに対する周方向一方側へのねじ軸の相対回転により内容物を繰り出し口から繰り出す繰り出し部材と、ケースに対するねじ軸の相対回転を周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部と、を有する繰り出し容器が記載されている。
【0004】
このようにラチェット機構部を有する繰り出し容器によれば、繰り出し部材が内容物を繰り入れる方向に動作することを阻止することができるので、例えば、内容物が比較的柔らかい場合に繰り入れによって内容物に形状の崩れや破断などの損傷が生じてしまうことを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにラチェット機構部を有する繰り出し容器において、内容物を実質的に使い切ったときなどに付け替え可能に構成された、内容物を収容する付け替え容器を有するものは無く、その開発が望まれていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決しようとするものであり、その目的は、ラチェット機構部と付け替え容器とを有する繰り出し容器と、その付け替え容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の繰り出し容器は、上端に繰り出し口を備える筒状の内ケースと、前記内ケースに螺合するねじ軸を備え、前記内ケースに対する周方向一方側への前記ねじ軸の相対回転により内容物を前記繰り出し口から繰り出す繰り出し部材と、前記ねじ軸に共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合する係合軸と前記係合軸の下端から径方向外側に延びる底壁と前記底壁の外周縁から上方に延びる操作筒とを備える外ケースと、前記内ケースに対する前記外ケースの相対回転を前記周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部と、を有し、前記内ケースが、前記ねじ軸に螺合する螺合部を上端に備える係合筒を有し、前記ラチェット機構部が、前記係合筒に設けられ、径方向に弾性変形可能な弾性片と、前記操作筒の内周面に設けられ、前記周方向一方側への前記相対回転により前記弾性片を乗り越えさせる一方、前記周方向他方側への前記相対回転により前記弾性片を係止する係合凸部と、を有し、前記操作筒の下端の内周面には、前記弾性片より下方に位置する前記係合筒の下端の外周面が、周方向に回転可能に且つ前記操作筒に対する前記係合筒の上方への相対移動を規制可能に嵌合し、前記内ケースと前記繰り出し部材とにより、前記外ケースに着脱可能な付け替え容器が形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の繰り出し容器は、上記構成において、前記ねじ軸が、前記内容物を繰り出す前の状態で前記内ケースの内周面に上端が螺合する雄ねじを外周面に有する筒状をなし、前記係合軸が、前記ねじ軸の径方向内側に同軸上に配置されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ラチェット機構部と付け替え容器とを有する繰り出し容器と、その付け替え容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態である繰り出し容器を示す一部断面側面図である。
【
図2】
図1に示す繰り出し容器の付け替え容器をカバーキャップを装着した状態で示す一部断面側面図である。
【
図3】
図1に示す繰り出し容器の使用の要領を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態である繰り出し容器1を例示説明する。
【0015】
なお、本明細書において、繰り出し容器1について、上下方向は内ケース2の中心軸線Oに沿う方向を意味し、上方は内容物10が繰り出される方向を意味し、下方はその反対方向を意味し、径方向は中心軸線Oと直交する直線に沿う方向を意味し、周方向は中心軸線Oを周回する方向を意味している。
【0016】
図1に示す本発明の一実施の形態である繰り出し容器1は、内ケース2、外ケース3、繰り出し部材4及びキャップ5を有している。繰り出し部材4は、中皿6及びねじ軸部材7で構成されている。また、内ケース2及び外ケース3でケース8が構成されている。
図2に示すように、本実施の形態では、内ケース2と繰り出し部材4とにより、外ケース3に着脱可能な付け替え容器9が形成されている。付け替え容器9には、固形状の内容物10が収容されている。また、付け替え容器9は、内容物10を収容した状態で、外ケース3及びキャップ5と共に流通させてもよいし、別々に流通させてもよい。
図2に示すように、付け替え容器9は、カバーキャップ13で繰り出し口2aを覆った状態で流通させるのが好ましい。なお、付け替え容器9はカバーキャップ13を嵌めた状態でブリスターケースや紙箱などのケースに入れて流通させてもよいし、カバーキャップ13なしでケースに入れて流通させてもよい。
図1に示すように、内ケース2、外ケース3、中皿6、ねじ軸部材7及びキャップ5は、共通の中心軸線Oを有している。
【0017】
内ケース2、外ケース3、中皿6、ねじ軸部材7及びキャップ5は、それぞれ、合成樹脂材料による射出成形で一体に形成されている。なお、これらの部材の材料及び形成方法はこれに限らない。しかし、これらの部材はそれぞれ一体成形物であるのが好ましい。
【0018】
内容物10としては、例えば、口紅、リップクリーム、スティックアイシャドー等の化粧料、薬剤またはスティック糊などの、塗布可能なものを採用することができる。本実施の形態では、内容物10は、略円柱状の口紅である。なお、固形状の内容物10とは、形状を留めておける程度の堅さを有するものを意味し、例えば半練り状のものなど、ある程度の柔らかさのものを含む。付け替え容器9に収容された内容物10の上端面は、繰り出し口2aと面一に設けられている。
【0019】
内ケース2は、中心軸線Oを中心とする円筒状の収容筒2bと、収容筒2bの下端に段差部2cを介して連なり、収容筒2bよりも小径の中心軸線Oを中心とする円筒状をなす係合筒2dと、を有している。
【0020】
収容筒2bの上端は、繰り出し口2aを形成している。なお、繰り出し口2aは、中心軸線Oに垂直な面に対して斜めに傾斜しているが、中心軸線Oに垂直であってもよい。段差部2cは円環状の上面を有しており、当該上面には、中皿6の下面が当接している。中皿6は、円板状の底板6aと、底板6aの外周縁から上方に延び、中心軸線Oを中心とする円筒状の周壁6bとを有している。収容筒2bの内部には、内容物10が充填されている。内容物10の底部は中皿6によって支持されており、中皿6が収容筒2bの内周面に案内されて上昇することにより、内容物10が中皿6に押し上げられて、繰り出し口2aから繰り出される。
【0021】
中皿6の下方には、ねじ軸部材7が配置されている。ねじ軸部材7は、中心軸線Oを中心とする円筒状をなすねじ軸7aと、ねじ軸7aの上端に連なり中皿6の下面に対向する上壁7bと、を有している。
【0022】
ねじ軸7aの外周面には、中心軸線Oを中心とする雄ねじ7cが、ねじ軸7aの略全長に亘って設けられている。つまり、ねじ軸7aは、中空のスクリューロッド状をなしている。
図1に示す内容物10を繰り出す前の状態において、雄ねじ7cの上端は、係合筒2dの内周面における上端に設けられた雌ねじ状の螺合部2eに螺合している。ねじ軸部材7は、係合筒2dに対して周方向一方側に相対回転することで、係合筒2dに対して上方に相対移動し、ねじ軸7aの上端に位置する上壁7bによって中皿6を押し上げることができる。
【0023】
ねじ軸7aの内周面と、外ケース3の係合軸3aの外周面とは、スプライン部11を介することにより、互いに中心軸線Oを中心に共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合している。係合軸3aは、中心軸線Oを中心とする柱状をなしており、係合軸3aの上端面は、ねじ軸部材7の上壁7bの下面に当接している。スプライン部11は、ねじ軸7aの内周面に設けられた上下方向に沿って延びるリブ状または溝状の被案内部11aと、係合軸3aの外周面に設けられ、被案内部11aに係合する上下方向に沿って延びる案内部11bと、で構成されている。なお、被案内部11aがリブ状をなすときは、案内部11bはリブ状または溝状をなし、被案内部11aが溝状をなすときは、案内部11bはリブ状をなす。案内部11bは、被案内部11aを上下方向に案内することができる。また、案内部11bは、被案内部11aを中心軸線Oを中心に回転させることができる。
【0024】
外ケース3は、係合軸3aと、係合軸3aの下端から径方向外側に延びる底壁3bと、底壁3bの外周縁から上方に延び、中心軸線Oを中心とする円筒状をなす操作筒3cと、を有している。底壁3bとねじ軸7aの下端との間には僅かな隙間が形成されている。また、底壁3bと係合筒2dの下端との間には僅かな隙間が形成されている。なお、これらの隙間を設けない構成としてもよい。操作筒3cは、内ケース2を係合筒2dの下端から収容筒2bにおける下部まで径方向外側から覆っている。
【0025】
操作筒3cの下端の内周面には、係合筒2dの下端の外周面が、周方向に回転可能に且つ操作筒3cに対する係合筒2dの上方への相対移動を規制可能に嵌合している。また、操作筒3cに対する係合筒2dの下方への相対移動は、内容物10の繰り出し前の状態では係合軸3aの上端面とねじ軸部材7の上壁7bの下面との当接により規制され、また、内容物10の繰り出し後の状態では係合筒2dの下端面と底壁3bの上面との当接により規制される。なお、外ケース3と内ケース2との嵌合構造はこれに限らず、外ケース3と内ケース2との周方向の相対回転が許容され且つ上下方向の相対移動が規制されるように設ければよい。
【0026】
ケース8は、内ケース2に対する外ケース3の相対回転を周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部12を有している。
【0027】
図1及び
図2に示すように、ラチェット機構部12は、係合筒2dに周方向に並べて設けられた2つの弾性片12aと、外ケース3の内周面に周方向に並べて設けられた複数の係合凸部12bと、を有している。各々の弾性片12aは、係合筒2dに設けられたU字形状の切欠きに囲まれて固定端から自由端に向けて周方向一方側に延びる片持ち梁状をなしており、径方向に弾性変形可能である。また、各々の係合凸部12bは、周方向一方側への相対回転により各々の弾性片12aの自由端を弾性変形によって乗り越えさせる一方、周方向他方側への相対回転により各々の弾性片12aの自由端を係止することができる。
【0028】
図1に二点鎖線で示すように、キャップ5は、外周壁5aと頂壁5bとを有する有頂円筒状となっており、操作筒3cに着脱可能に装着されることで、内ケース2の繰り出し口2aを覆うように構成されている。キャップ5が操作筒3cに装着された
図1に示す状態では、外周壁5aの下端が操作筒3cの上端に嵌合している。
【0029】
図3(a)~(c)に示すように、流通時のケースから取り出された付け替え容器9は、キャップ5を外した状態の外ケース3の内部に上方から上下方向に沿って挿入され、嵌合によって取り付けられる。これにより、繰り出し容器1が使用可能な状態となる。
【0030】
繰り出し容器1の使用に際しては、
図3(d)に示すように、キャップ5を外した状態で、内ケース2の収容筒2bと外ケース3の操作筒3cをそれぞれ把持し、内ケース2に対して外ケース3を周方向一方側に相対回転させる順方向の回転操作を行うことにより、係合軸3aを介してねじ軸7aを外ケース3と共回りさせることができる。ねじ軸7aは、内ケース2の螺合部2eに螺合し、係合軸3aに対して上下方向に相対移動可能であるので、ねじ軸7aが外ケース3との共回りにより内ケース2に対して周方向一方側に相対回転することにより、ねじ軸7aは内ケース2に対して上方に相対移動し、上壁7bを介して中皿6を押し上げ、内容物10を繰り出し口2aから繰り出すことができる。なお、本実施の形態では上壁7bを設けているが、これに限らず、上壁7bを設けずにねじ軸7aの上端が開口する構成としてもよい。
【0031】
一方、内ケース2に対して外ケース3を周方向他方側に相対回転させる逆方向の回転操作が過誤等により行われた場合には、ラチェット機構部12により、そのような逆方向の相対回転は阻止される。したがって、内容物10が比較的柔らかい口紅等である場合に、繰り入れによって内容物10に形状の崩れや破断などの損傷が生じてしまうことを抑制することができる。
【0032】
内容物10を実質的に使い切ったときなどにおいては、
図3(e)に示すように、付け替え容器9を外ケース3の内部から上方に上下方向に沿って引き抜くことにより、外ケース3から取り外し、廃棄することができる。そして、残った外ケース3とキャップ5は、内容物10の使用前の状態の別の付け替え容器9とともに再使用することができる。
【0033】
上述したように、本実施の形態では、繰り出し部材4が、内ケース2に螺合するねじ軸7aを有し、外ケース3が、ねじ軸7aに共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合する係合軸3aを有している。したがって、繰り出し容器1を、ラチェット機構部12を有しつつ、内ケース2と繰り出し部材4とで形成される付け替え容器9も有するものとすることができる。また、本実施の形態では、付け替え容器9が繰り出し部材4を有しているので、付け替え容器9の付け替えに際して繰り出し部材4の繰り出し位置を調節する必要がなく、良好な付け替え作業性を得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、ねじ軸7aが、内容物10を繰り出す前の状態で内ケース2の内周面に上端が螺合する雄ねじ7cを外周面に有する筒状をなし、係合軸3aが、ねじ軸7aの径方向内側に同軸上に配置される構成であるので、繰り出し容器1を上下方向に小型化することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、ラチェット機構部12が、係合筒2dに設けられた弾性片12aと、外ケース3の内周面に設けられた係合凸部と、を有する構成であるので、繰り出し容器1を上下方向により一層小型化することができる。
【0036】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0037】
したがって、前記の実施形態の繰り出し容器1及びその付け替え容器9は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0038】
繰り出し容器1は、上端に繰り出し口2aを備える筒状の内ケース2と、内ケース2に螺合するねじ軸7aを備え、内ケース2に対する周方向一方側へのねじ軸7aの相対回転により内容物10を繰り出し口2aから繰り出す繰り出し部材4と、ねじ軸7aに共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合する係合軸3aを備える外ケース3と、内ケース2に対する外ケース3の相対回転を周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部12と、を有し、内ケース2と繰り出し部材4とにより、外ケース3に着脱可能な付け替え容器9が形成される限り、種々変更可能である。
【0039】
しかし、繰り出し容器1は、ねじ軸7aが、内容物10を繰り出す前の状態で内ケース2の内周面に上端が螺合する雄ねじ7cを外周面に有する筒状をなし、係合軸3aが、ねじ軸7aの径方向内側に同軸上に配置されるのが好ましい。
【0040】
また、繰り出し容器1は、内ケース2が、ねじ軸7aに螺合する螺合部2eを上端に備える係合筒2dを有し、ラチェット機構部12が、係合筒2dに設けられ、径方向に弾性変形可能な弾性片12aと、外ケース3の内周面に設けられ、周方向一方側への相対回転により弾性片12aを乗り越えさせる一方、周方向他方側への相対回転により弾性片12aを係止する係合凸部12bと、を有するのが好ましい。
【0041】
また、付け替え容器9は、外ケース3に着脱可能に取り付けられて繰り出し容器1を形成する付け替え容器9であって、上端に繰り出し口2aを備える筒状の内ケース2と、内ケース2に螺合するねじ軸7aを備え、内ケース2に対する周方向一方側へのねじ軸7aの相対回転により内容物10を繰り出し口2aから繰り出す繰り出し部材4と、を有し、内ケース2が、内ケース2に対する外ケース3の相対回転を周方向一方側に許容するとともに周方向他方側に阻止するラチェット機構部12を構成する径方向に弾性変形可能な弾性片12aを有し、ねじ軸7aの内周面が、外ケース3の係合軸3aに共回り可能に且つ上下方向に相対移動可能に係合する上下方向に沿って延びるリブ状または溝状の被案内部11aを有する限り、種々変更可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 繰り出し容器
2 内ケース
2a 繰り出し口
2b 収容筒
2c 段差部
2d 係合筒
2e 螺合部
3 外ケース
3a 係合軸
3b 底壁
3c 操作筒
4 繰り出し部材
5 キャップ
5a 外周壁
5b 頂壁
6 中皿
6a 底板
6b 周壁
7 ねじ軸部材
7a ねじ軸
7b 上壁
7c 雄ねじ
8 ケース
9 付け替え容器
10 内容物
11 スプライン部
11a 被案内部
11b 案内部
12 ラチェット機構部
12a 弾性片
12b 係合凸部
13 カバーキャップ
O 中心軸線