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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】配電アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20231225BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20231225BHJP
   B60L 15/00 20060101ALN20231225BHJP
【FI】
H01R13/42 B
B60K1/00
B60L15/00 H
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018232456
(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公開番号】P2019106373
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】17207125.0
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518405522
【氏名又は名称】アプティブ・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エルワン・ギヤントン
(72)【発明者】
【氏名】エメリック・ペロ
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-162576(JP,A)
【文献】特開2003-087942(JP,A)
【文献】特開2010-088195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/72
B60K 1/00
B60L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリ(10)であって、箱筐体(22)を具備する接続箱(20)を備えている前記配電アセンブリ(10)において、
前記箱筐体(22)が、電気コネクタ(100)を受容するように構成されているプラグ部分(30)を備えており、前記電気コネクタ(100)が、複数のキャビティ(110)を具備するコネクタ筐体(102)を有しており、前記キャビティ(110)それぞれが、端子(150)を受容且つ保持するように構成されており、
前記プラグ部分(30)が、嵌合軸線(M)に沿って前記箱筐体(22)の外方に向かって突出している複数の第1の阻止手段を備えており、
複数の前記キャビティ(110)それぞれが、前記嵌合軸線(M)に沿って延在している第2の阻止手段を前記キャビティ(110)に沿って備えており、
前記第1の阻止手段それぞれが、対応する前記キャビティが空である場合に、阻止位置(B)において対応する前記第2の阻止手段を阻止し、これにより前記コネクタ筐体(102)が前記嵌合軸線(M)に沿って前記箱筐体(22)に向かって移動することを防止し、
前記配電アセンブリが、外部位置から挿入位置に移動可能とされる少なくとも1つの端子(150)を備えており、
前記キャビティ(110)に挿入された前記端子(150)それぞれが、阻止を解除するために対応する前記第1の阻止手段又は対応する前記第2の阻止手段を再配置させ、これにより前記コネクタ筐体(102)が、前記嵌合軸線(M)に沿って前記箱筐体(22)に向かって移動することができ
前記コネクタ筐体(102)のすべての前記キャビティ(110)に意図される前記端子(150)が正確に装着されることによって、前記端子(150)それぞれが対応する第1の阻止手段又は第2の阻止手段を変位させる場合に限り、前記コネクタ筐体(102)が、完全嵌合位置(V)に至るまで前記箱筐体(22)に向かって移動可能となる、配電アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記第1の阻止手段が、高剛性ランス(32)を備えており、
前記第2の阻止手段が、可撓性アーム(120)を備えており、
前記可撓性アーム(120)が、前記嵌合軸線(M)に対して垂直とされる方向において可撓性を有している、請求項1に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項3】
前記高剛性ランス(32)が、ランス端部(34)を有しており、
前記可撓性アーム(120)が、アーム端部(124)を有しており、
前記ランス端部(34)と前記アーム端部(124)とが、互いを阻止するように構成されており、これにより前記阻止位置(B)において互いに向かって移動することが防止される、請求項2に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項4】
前記アーム端部(124)が、前記キャビティ(110)の内部に向かって突出している解除突起(126)を有しており、
前記端子(150)が、端子解除面(156)を備えており、
前記端子解除面(156)が、前記端子が前記キャビティ(110)の内部に受容された場合に前記解除突起(126)に抗して付勢することによって前記アーム端部(124)を変位させ、
前記アーム端部(124)が、前記嵌合軸線(M)に沿った移動が可能とされる非阻止位置(U)に位置決めされる、請求項3に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項5】
前記第1の阻止手段が、可撓性筐体ランス(40)を備えており、
前記第2の阻止手段が、前記キャビティ(110)の内部において前記嵌合軸線(M)に対して垂直に突出している高剛性キャビティ突起(140)を備えており、
前記可撓性筐体ランス(40)が、前記嵌合軸線(M)に対して垂直とされる方向において可撓性を有している、請求項1に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記可撓性筐体ランス(40)が、筐体ランス端部(44)を有しており、
前記高剛性キャビティ突起(140)が、阻止縁部(144)を有しており、
前記筐体ランス端部(44)と前記阻止縁部(144)とが、互いを阻止するように構成されており、これにより前記阻止位置(B)において互いに向かって移動することが防止される、請求項5に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項7】
前記筐体ランス端部(44)は、前記端子(150)に向かって前記嵌合軸線(M)に対して垂直に突出している筐体ランス解除突起(46)を有しており、
前記端子が、端子解除面(156)を備えており、
前記端子解除面(156)が、前記端子が前記キャビティ(110)の内部に受容された場合に前記筐体ランス解除突起(46)に抗して付勢することによって前記筐体ランス端部(44)を変位させ、
前記筐体ランス端部(44)が、前記嵌合軸線(M)に沿った移動が可能とされる非阻止位置(U)に位置決めされる、請求項6に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項8】
前記接続箱(20)が、第1の最終ロック手段としての前記第1の阻止手段を備えており、
前記電気コネクタ(100)が、第2の最終ロック手段としての前記第2の阻止手段を備えており、
前記接続箱(20)と前記電気コネクタ(100)とが完全嵌合位置(V)に到達した場合に、前記第1の最終ロック手段と前記第2の最終ロック手段とが、前記接続箱(20)及び前記電気コネクタ(100)を共に分離不能な状態に保持する、請求項に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項9】
前記接続箱(20)が、複数のプラグ部分(30)を備えており、
複数の前記プラグ部分(30)が、バスバー(160)を介して電気的に相互接続されている、請求項に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項10】
約400ボルトの電圧を利用する高電圧用途向けに設計されている、請求項1からのいずれか一項に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項11】
前記コネクタ筐体(102)が、前記プラグ部分(30)に向かって延在している案内突起(170)を備えており、
前記箱筐体(22)が、完全嵌合位置(V)において前記案内突起(170)を受容するように構成されている案内開口部(70)を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載の配電アセンブリ(10)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の配電アセンブリ(10)を備えている電線ハーネスであって、前記端子(150)に取り付けられている電線(200)を備えている、電線ハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリ。
【背景技術】
【0002】
電気信号及び電気エネルギーを分配するための配電アセンブリは、当技術においてよく知られている。これらの配電アセンブリは、相互に接続された、電気コネクタ及び電気接続箱を使用する。電気コネクタは通常、電気端子を備える。電気コネクタの内部に位置する電気端子は、電線の端部に取り付けられる。接続箱は、接続箱の内部で相互接続を提供するためのバスバーを備える。
【0003】
数年前に、ハイブリッド駆動装置又は電気駆動装置を有する車両の連続生産が始まった。この駆動技術は、高電圧及び高電流をカスタマー車両に組み入れる。これにより、安全性要件が桁外れに上昇した。これらの理由により、例えば配電アセンブリは、一方向接続可能システムとして設計されなければならない。すなわち、電気コネクタが接続箱にいったん差し込まれると、電気コネクタは二度と抜くことができないということである。何らかの理由により電気コネクタを抜く必要がある場合には、電気コネクタを破壊しなければならない。
【0004】
電気コネクタ及び接続箱を備える電気ハーネスは、ハーネスメーカーの工場において事前に組み立てられ、車両メーカーへと発送される。輸送中に、事前に組み立てられた電気ハーネスが損傷を被るおそれがあり、又はパーツが変位されるおそれがある。車両メーカーの工場で最終組み立てがなされるときに、検出されなかった損傷又は変位は、後に必要となる修理のための高額なコストをもたらし得る。一方向接続の場合には、特に電気端子の喪失又は誤りは、電気コネクタが対応する接続箱にいったん差し込まれると大きな問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術においては、先行技術の上述の短所を克服する電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリを提供すること、及び電気コネクタが正確な位置に必要な端子を備えていない場合に電気接続箱への電気コネクタの接続を確実に防止する配電アセンブリを提供することが必要である。
【0006】
請求項1に記載の配電アセンブリは、これらの及び他の問題を解決する。これは、以下の説明を読むことにより明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリに関する。配電アセンブリは、箱筐体を有する接続箱を備える。箱筐体は、電気コネクタを受容するように構成されたプラグ部分を備える。配電アセンブリの電気コネクタは、それぞれが端子を受容且つ保持するように構成された複数のキャビティを備えるコネクタ筐体を有する。プラグ部分は、箱筐体の外方に嵌合軸線に沿って突出する複数の第1の阻止手段を備える。複数のキャビティそれぞれが、嵌合軸線に沿って延在する第2の阻止手段をキャビティに沿って備える。第1の阻止手段それぞれが、対応するキャビティが空である場合に、阻止位置において対応する第2の阻止手段を阻止し、これにより箱筐体の方向への嵌合軸線に沿ったコネクタ筐体の移動を防止する。アセンブリは、外部位置から挿入位置へと移動可能である少なくとも1つの端子をさらに備える。キャビティに挿入された各端子が、対応する第1の阻止手段又は対応する第2の阻止手段を再配置させて阻止を解除し、これにより嵌合軸線に沿った箱筐体へのコネクタ筐体の移動が可能となる。
【0008】
この開示された発明は、電気コネクタの各キャビティをモニタリングする機会を与える。たった1つの端子の紛失又は不適切な挿入により、接続箱との嵌合の間、コネクタが阻止される。全ての単一の阻止手段が、対応する端子により解除されなければならない。この機能により、電気コネクタが正確な位置に必要な端子を備えていない場合に電気接続箱への電気コネクタの接続を確実に防止する電気アセンブリが提供される。
【0009】
好ましい一実施形態によれば、第1の阻止手段は高剛性ランスを備え、第2の阻止手段は可撓性アームを備える。可撓性アームは、嵌合軸線に対して垂直な方向に可撓性を有する。可撓性アームは、わずかな力を利用して屈曲可能であり、これにより接続箱へ向かう電気コネクタの挿入力がごくわずかなものとなる。
【0010】
好ましくは、高剛性ランスはランス端部を有し、可撓性アームはアーム端部を有する。ランス端部及びアーム端部は相互に阻止するように構成され、これにより阻止位置において相互に向かう移動が防止される。アーム端部及びランス端部は、不適切に用意されたコネクタが電気接続箱に向かって移動される場合に、嵌合軸線に沿って相互に対して圧迫するように構成される。もっとも単純な実施形態は、2つの端部上の2つの平坦表面が嵌合軸線に対して垂直に配置されたものとして説明することができる。
【0011】
有利には、アーム端部は、キャビティの内部へと突出する解除突起を有する。端子は、端子解除面を備える。端子解除面は、端子がキャビティの内部に受容された場合に解除突起に抗して付勢することによりアーム端部を変位させ、アーム端部は、非阻止位置に位置決めされ、これにより嵌合軸線に沿った移動が可能となる。適切に挿入された端子のみが、対応する阻止手段を阻止解除する。
【0012】
有利には、第1の阻止手段は、可撓性筐体ランスを備え、第2の阻止手段は、キャビティの内部へと嵌合軸線に対して垂直に突出する高剛性キャビティ突起を備える。可撓性筐体ランスは、嵌合軸線に対して垂直な方向に可撓性を有する。この実施形態では、可撓性阻止手段は、箱筐体の上に配置され、これは、いくつかの設計において利点をもたらす。
【0013】
好ましい一実施形態によれば、可撓性筐体ランスは筐体ランス端部を有し、高剛性キャビティ突起は阻止縁部を有する。筐体ランス及び阻止縁部は、相互に阻止するように構成され、これにより阻止位置において相互へ向かう移動が防止される。要件に応じて、阻止手段の寸法は、頑丈な特性を得るように構成されることが可能である。
【0014】
有利には、筐体ランス端部は、端子に向かって嵌合軸線に対して垂直な方向に突出する筐体ランス解除突起を有し、端子は、端子解除面を備え、端子解除面は、端子がキャビティの内部に受容された場合に筐体ランス解除突起に抗して付勢することにより筐体ランス端部を変位させ、筐体ランス端部は、非阻止位置に位置決めされ、これにより嵌合軸線に沿った移動が可能となる。変位された筐体ランス端部は、解除突起の傾斜エリアと協働する傾斜エリアを筐体ランス解除突起に有する。筐体ランス解除突起は、電気コネクタが接続箱に向かって嵌合軸線に沿って移動される間に、解除突起に沿って摺動する。完全嵌合位置では、可撓性筐体ランスは弛緩位置に戻る。
【0015】
好ましくは、完全嵌合位置まで箱筐体に向かってコネクタ筐体を移動させることは、コネクタ筐体の全てのキャビティが意図される端子を正確に備えており、これにより各端子がそれぞれの対応する第1の阻止手段を変位させる場合にのみ、可能となる。これにより、各キャビティが端子を正確に備え付けられることが確実になる。
【0016】
好ましくは、接続箱は第1の最終ロック手段を備え、電気コネクタは第2の最終ロック手段を備える。第1の最終ロック手段及び第2の最終ロック手段は、接続箱及び電気コネクタが完全嵌合位置に達すると、接続箱及び電気コネクタを共に分離不能な状態に保持する。これにより、車両における高電圧用途に関する安全性要件が満たされる。
【0017】
好ましい一実施形態によれば、接続箱は、複数のプラグ部分を備える。複数のプラグ部分は、バスバーにより電気的に相互接続される。これにより、高電圧及び高出力用途向けの頑丈な設計が実現される。
【0018】
好ましい一実施形態によれば、コネクタ筐体は、プラグ部分に向かって嵌合軸線に沿って延在する案内突起を備え、箱筐体は、完全嵌合位置において案内突起を受容するように構成された案内開口部を備える。案内突起は、電気接続箱開口の内部への電気コネクタの嵌合プロセスの開始時に案内開口部に挿入され、これにより嵌合軸線に沿って電気コネクタが案内される。これにより、組立中の取扱いが改善される。
【0019】
好ましくは、配電アセンブリは、約400ボルトの電圧を利用する高電圧用途向けに設計される。高電圧用途に関する要件を満たすために、アセンブリの寸法及び材料が構成化される。
【0020】
配電アセンブリ及び端子に取り付けられた電線を備える電線ハーネスが好ましい。
【0021】
以下では、添付の図面を参照として本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリの斜視図である。
図2】先行技術から知られている配電アセンブリの切断図である。
図3】空のキャビティを有する、切断線Cに沿った配電アセンブリの切断図である。
図4図3の詳細図である。
図5】拡大詳細部分が非阻止位置ある状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリの切断図である。
図6】拡大詳細部分が完全嵌合位置にある状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリの切断図である。
図7】拡大詳細部分が非阻止位置にある状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリの第2の実施形態の切断図である。
図8】拡大詳細部分が完全嵌合位置にある状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリの第2の実施形態の切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、電気車両又はハイブリッド車両において高圧配電するための配電アセンブリ10の斜視図を示す。このアセンブリは、電線ハーネスを画定する電気端子150(図示せず)に取り付けられた電線200をさらに示す。配電アセンブリは、箱筐体22を有する接続箱20を備える。箱筐体22は、電気コネクタ100を受容するように構成されたプラグ部分30を備える。配電アセンブリの電気コネクタ100は、コネクタ筐体102を有する。これらの電気コネクタは、嵌合軸線Mに沿って配置される。
【0024】
図2は、先行技術から知られている配電アセンブリの切断図を示す。配電アセンブリは、箱筐体22を有する接続箱20を備える。箱筐体22は、電気コネクタ100を受容するように構成されたプラグ部分30を備える。配電アセンブリの電気コネクタ100は、コネクタ筐体102を有する。電気コネクタ100は、嵌合軸線Mに沿って差し込まれる。電気コネクタ100は、それぞれが端子150を受容且つ保持するように構成された複数のキャビティ110を備える。キャビティ110それぞれは、アーム端部124を有する可撓性アーム120を備える。アーム端部124は、電気コネクタ100が完全嵌合位置Vに位置する場合にキャビティ110の内部にこの端子をロックするように構成された端子ロッキング突出部を備える。
【0025】
図3は、本発明の配電アセンブリ10の切断図を示し、この切断は、切断線Cに沿って実施されたものである。配電アセンブリ10は、空のキャビティ110を有する阻止位置Bにおいて図示される。配電アセンブリ10は、箱筐体22を有する接続箱20を備える。箱筐体22は、電気コネクタ100を受容するように構成されたプラグ部分30を備える。配電アセンブリの電気コネクタ100は、コネクタ筐体102を有する。電気コネクタ100は、嵌合軸線Mに沿って差し込まれる。電気コネクタ100は、それぞれが端子150を受容且つ保持するように構成された複数のキャビティ110を備える。プラグ部分30は、嵌合軸線Mに沿って箱筐体22に向かって突出する複数の第1の阻止手段を備える。複数のキャビティ110それぞれが、嵌合軸線Mに沿って延在する第2の阻止手段をキャビティ110に沿って備える。第1の阻止手段それぞれが、対応するキャビティが空である場合に、阻止位置Bにおいて対応する第2の阻止手段を阻止し、これにより箱筐体22に向かう嵌合軸線Mに沿ったコネクタ筐体102の移動を防止する。コネクタ筐体102は、プラグ部分30に向かって延在する案内突起170を備える。箱筐体22は、完全嵌合位置Vにおいて案内突起170を受容するように構成された案内開口部70を備える。
【0026】
図4は、図3の詳細部分を示す。第1の阻止手段は、高剛性ランス32を備え、第2の阻止手段は、可撓性アーム120を備える。可撓性アーム120は、嵌合軸線Mに対して垂直な方向に可撓性を有する。高剛性ランス32は、ランス端部34を有し、可撓性アーム120は、アーム端部124を有する。ランス端部34及びアーム端部124は、相互に対して阻止するように構成され、これにより阻止位置Bにおける相互方向への移動が防止される。
【0027】
図5は、拡大詳細部分が非阻止位置Uにある状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリ10の切断図を示す。アセンブリ10は、外部位置から挿入位置へ移動可能である少なくとも1つの端子150をさらに備える。接続箱20は、複数のプラグ部分30を備え、複数のプラグ部分30は、バスバー160により電気的に相互接続される。キャビティ110に挿入された端子150それぞれは、対応する第1の阻止手段又は対応する第2の阻止手段を再配置させて阻止を解除し、これにより嵌合軸線Mに沿って箱筐体22に向かってコネクタ筐体102が移動するのを可能にする。アーム端部124は、キャビティ110の内部に突出する解除突起126を有する。端子150は、端子解除面156を備える。端子解除面156は、端子がキャビティ110の内部に受容される場合に、解除突起126に抗して付勢することによりアーム端部124を変位させる。アーム端部124は、非阻止位置Uに位置決めされて、嵌合軸線Mに沿った移動を可能にする。
【0028】
図6は、拡大詳細部分が完全嵌合位置Vに位置する状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリ10の切断図を示す。完全嵌合位置Vまで箱筐体22に向かってコネクタ筐体102を移動させることは、コネクタ筐体102の全てのキャビティ110が意図される端子150を正確に備えており、これにより端子150それぞれが対応する第1の阻止手段を変位させる場合にのみ、可能となる。
【0029】
図7は、拡大詳細部分が非阻止位置Uに位置する状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリ10の第2の実施形態の切断図を示す。第1の阻止手段は、可撓性筐体ランス40を備え、第2の阻止手段は、キャビティ110の内部へと嵌合軸線Mに対して垂直に突出する高剛性キャビティ突起140を備える。可撓性筐体ランス40は、嵌合軸線Mに対して垂直な方向に可撓性を有する。可撓性筐体ランス40は、筐体ランス端部44を有し、高剛性キャビティ突起140は、阻止縁部144を有する。筐体ランス端部44及び阻止縁部144は、相互に阻止するように構成され、これにより阻止位置Bにおいて相互方向への移動が防止される。筐体ランス端部44は、端子150の方向へと嵌合軸線Mに対して垂直に突出する筐体ランス解除突起46を有する。端子は、端子解除面156を備える。端子解除面156は、端子がキャビティ110の内部に受容された場合に筐体ランス解除突起46に抗して付勢することにより筐体ランス端部44を変位させる。筐体ランス端部44は、非阻止位置Uに位置決めされて、嵌合軸線Mに沿った移動を可能にする。
【0030】
図8は、拡大詳細部分が完全嵌合位置に位置する状態における、切断線Cに沿った配電アセンブリの第2の実施形態の切断図を示す。完全嵌合位置Vまで箱筐体22に向かってコネクタ筐体102を移動させることは、コネクタ筐体102の全てのキャビティ110が意図される端子150を正確に備えており、これにより端子150それぞれが対応する第1の阻止手段を変位させる場合にのみ、可能となる。この実施形態では、第1の阻止手段及び第2の阻止手段は、電気コネクタ100がその完全嵌合位置Vに達すると、弛緩位置に置かれる。
【符号の説明】
【0031】
10 配電アセンブリ
20 接続箱
22 箱筐体
30 プラグ部分
32 高剛性ランス
34 ランス端部
40 可撓性筐体ランス
44 筐体ランス端部
46 筐体ランス解除突起
70 案内開口部
100 電気コネクタ
102 コネクタ筐体
110 キャビティ
120 可撓性アーム
124 アーム端部
126 解除突起
140 高剛性キャビティ突起
144 阻止縁部
150 電気端子
156 端子解除面
160 バスバー
170 案内突起
200 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8