(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ロバスト性を向上させたシーリング装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/22 20060101AFI20231225BHJP
B65B 1/02 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B65B51/22 200
B65B1/02
(21)【出願番号】P 2018527122
(86)(22)【出願日】2016-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2016077780
(87)【国際公開番号】W WO2017089187
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2019-11-13
(32)【優先日】2015-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】カール・イスラエルソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・サンドバリ
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・ハイノネン
(72)【発明者】
【氏名】ラウル・パディラ
(72)【発明者】
【氏名】カール-アクセル・ヨハンソン
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/158502(WO,A1)
【文献】特表2014-505638(JP,A)
【文献】特開2003-191281(JP,A)
【文献】特開2000-127198(JP,A)
【文献】特開2008-001735(JP,A)
【文献】特開2013-183599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B65B 1/02
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場コンセントレータ用の凹状の型を有する本体部と、
前記本体部
の前記型に射出成形により作製され、保持される磁場コンセントレータと、
導電性素子と、
前記本体部に設けられ、前記本体部の前記型の内側から前記本体部の外側まで貫通する孔を含む1つまたは複数の開口部と、
を備え
、
前記磁場コンセントレータおよび前記本体部がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前
記1つまたは複数の開口部と協働し、
前記磁場コンセントレータを形成するための材料を前記本体部の
前記型に注入するために
、前記1つまたは複数の開口部が使用される、
誘導シーリング装置。
【請求項2】
前記本体部は細長い本体であり、前記少なくとも1つまたは複数の開口部は、前記細長い本体のおよそ中間に配置される請求項1に記載の誘導シーリング装置。
【請求項3】
前記本体部は、細長い本体であり、前記少なくとも1つまたは複数の開口部は、前記細長い本体の外側の端部に配置される請求項1に記載の誘導シーリング装置。
【請求項4】
前記本体部には、中間部分に切欠部が設けられている請求項2または3に記載の誘導シーリング装置。
【請求項5】
前記磁場コンセントレータおよび前記導電性素子がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの前記少なくとも1つまたは複数の突起は、前記導電性素子の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する請求項1~4のいずれか1項に記載の誘導シーリング装置。
【請求項6】
さらに、保護要素を備え、
前記磁場コンセントレータおよび前記保護要素がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの前記少なくとも1つまたは複数の突起は、前記保護要素の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する請求項1~5のいずれか1項に記載の誘導シーリング装置。
【請求項7】
磁場コンセントレータ用の凹状の型を有する本体部、前記本体部
の前記型に保持される磁場コンセントレータおよび導電性素子を備える誘導シーリング装置の製造方法であって、
前記導電性素子を前記本体部の内部に配置するステップと、
前記本体部
に設けられ、前記本体部の前記型の内側から前記本体部の外側まで貫通する孔を含む1つまたは複数の開口部を介して、前記本体部の前
記型に磁場コンセントレータ材料を注入することによって、前記磁場コンセントレータを
前記型に射出成形するステップと、を備え、
前記磁場コンセントレータおよび前記本体部がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記
1つまたは複数の開口部と協働し、
前記磁場コンセントレータを形成するための材料を前記本体部の
前記型に注入するために、
前記1つまたは複数の開口部が使用される、
誘導シーリング装置の製造方法。
【請求項8】
前記磁場コンセントレータおよび前記導電性素子がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記導電性素子の1つまたは複数のくぼみとまたは開口部と協働する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記磁場コンセントレータ上に保護要素を設けるステップを備え、
前記磁場コンセントレータおよび前記保護要素がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記保護要素の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する請求項7または8に記載の誘導シーリング装置の製造方法。
【請求項10】
前記保護要素は、射出成形により設けられる請求項9に記載の誘導シーリング装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項に記載のシーリング装置を備える充填機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してパッケージの分野に関する。より詳細には、本発明は、例えば、ロールフィード式包装機(roll-fed packaging machine)において横シール(transversal sealing)を行うときに使用される誘導シーリング装置(induction sealing device)に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品用のカートンベース(carton based)のパッケージは、世界のほとんどの地域で周知である。例えば、Tetra Brik(登録商標)パッケージは、世界中の多くの地域で牛乳、ジュースおよび他の飲料のために使用される。カートンベースのパッケージがこのような人気を獲得してきた理由がいくつか挙げられる。パッケージの環境保全上の利点、例えば再生可能な材料によってパッケージが大量に製造されることや、レンガ形状のパッケージの効率的な物流は、このような人気の一例であり、現在消費者がペットボトルの代わりにカートンベースのパッケージを選択する理由でもある。カートンベースのパッケージが人気であるもう一つの理由は、パッケージを製造する充填機が他の代替手段と比較して費用効率が高く、カートンベースの充填機を稼働するための総費用が非常に競合することである。
【0003】
一般に、カートンパッケージ(carton package)のための2種類の充填機があり、ブランクフィード式包装機(blanks fed packaging machine)およびロールフィード式包装機(roll fed packaging machine)である。ブランクフィード包装機では、ブランク(blank)、折り畳まれたスリーブ(sleeve)を形成するように共に溶着した2つの端部を有するパッケージ材料のピースであるブランクを、充填機に供給し、開いたスリーブに立て、底を形成するように折り畳んでシールして、製品を充填し、製品で満たされたパッケージが得られるようにシールして折り畳む。ロールフィード式包装機では、ウェブを連続的に送って縦シールを行うことによって、パッケージ材料のウェブ(web)から筒を形成する。筒を製品で充填した後、筒の下端に連続的な横シールおよび切断を行うことにより、パッケージが形成される。横シールおよび切断中に筒を所定の位置に保持するための手段を設け、その後の折り畳みのための手段を設けることによって、さまざまな形態を得ることができる。
【0004】
横シール、時には非連続シーリングとも呼ばれる横シールを行うために、さまざまな技術を使用することができる。現在、一般的に使用される技術は、いわゆる誘導ヒートシール(induction heat sealing)であり、時には単に誘導シール(induction sealing)と呼ばれる。この技術の一般的な原理は、パッケージ材料の中のアルミニウム箔内に電流を誘導し、それによって、熱が発生し、熱の効果としてシーリング、または、時には溶着とも呼ばれるシーリングが達成されるようにパッケージの2つの異なる面が押し付けられると同時に、パッケージ材料のプラスチック層が溶融することである。パッケージ材料がアルミニウム箔を備えていない場合、シーリングを達成することができるように、例えば、プラスチック層を溶融させるために超音波が使用される超音波シーリングなどのさまざまな技術が使用される。
【0005】
通常、誘導シーリングのためのシーリング装置は、より効率的なシーリングが達成されるように、支持体と、支持体に保持された少なくとも1つの導電性素子、例えばコイルと、磁性体インサート、時には磁場コンセントレータ(MFC)と呼ばれる磁性体インサートとを備える。この磁場コンセントレータは、磁場がパッケージ材料に向けられるようにするために支持体内の導電性素子の隣に配置される。
【0006】
誘導シーリング装置が長い間使用されてきたとしても、圧力を提供するときに使用される力に起因するだけでなく、例えば 過酸化水素またはパッケージ材料を滅菌するために使用される他の化学物質にも起因して、耐摩耗性の観点からこれらの装置を改善する必要性、および費用効率の高い方法でインダクタ(inductor)を製造することができる必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、開示された装置および方法は、好ましくは、上記で特定された技術的な欠陥のうちの1つまたは複数、および不利益を単独で、または組み合わせて緩和、軽減または排除するように努め、以下の態様のいずれか1つにより上記の問題を少なくとも解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本体部と、前記本体部に保持される磁場コンセントレータ(magnetic field concentrator)と、導電性素子(conductive element)と、を備え、前記磁場コンセントレータおよび前記本体部がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記本体部内の1つまたは複数のくぼみ(indentation)または開口部と協働する誘導シーリング装置(induction sealing device)が提供される。
【0009】
前記磁場コンセントレータは、射出成形により作製されてもよく、前記本体部は前記射出成型中に型として機能してもよい。
【0010】
前記磁場コンセントレータを形成するための材料を前記本体部の内部に注入する(gating)ために、前記本体部内の少なくとも1つまたは複数の開口部が使用されてもよい。
【0011】
前記本体部は細長い本体であってもよく、前記少なくとも1つまたは複数の開口部は、前記細長い本体のおよそ中間に配置される。
【0012】
前記本体部は、細長い本体であってもよく、前記少なくとも1つまたは複数の開口部は、前記細長い本体の外側の端部に配置される。
【0013】
前記本体部には、中間部分に切欠部が設けられていてもよい。
【0014】
前記磁場コンセントレータおよび前記導電性素子がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記導電性素子の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働してもよい。
【0015】
さらに、この装置は保護要素を備えてもよく、前記磁場コンセントレータおよび前記保護要素がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記保護要素の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する。
【0016】
第2の態様によれば、本体部、前記本体部に保持される磁場コンセントレータおよび導電性素子を備える誘導シーリング装置の製造方法が提供され、前記方法は、前記導電性素子を前記本体部の内部に配置するステップと、前記本体部内の少なくとも1つの孔を介して、前記本体部の前記内部に磁場コンセントレータ材料を注入することによって、前記磁場コンセントレータを射出成形するステップと、を備え、前記磁場コンセントレータおよび前記本体部がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記本体部内の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する。
【0017】
前記磁場コンセントレータを形成するための材料を前記本体部の内部に注入するために、前記本体部内の少なくとも1つまたは複数の開口部が使用される。
【0018】
前記磁場コンセントレータおよび前記導電性素子がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記導電性素子の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する。
【0019】
さらに、前記方法は、前記磁場コンセントレータ上に保護要素を設けるステップを備えてもよく、前記磁場コンセントレータおよび前記保護要素がしっかりと一緒に結合されるように、前記磁場コンセントレータの1つまたは複数の突起は、前記保護要素の1つまたは複数のくぼみまたは開口部と協働する。
【0020】
前記保護要素は、射出成形により設けられてもよい。
【0021】
第3の態様によれば、第1の態様によるシーリング装置を備える充填機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して、本発明のさまざまな実施形態の以下の例示的及び非限定的な詳細な説明により一層良く理解されるであろう。
【0023】
【
図1】
図1は、ロールフィード式カートン包装機(a roll fed carton packaging)の一般原則を示す。
【
図2】
図2は、ロールフィード式カートン包装機における横シールの例を示す。
【
図4A】
図4Aは、シーリング装置の第1実施形態の断面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、シーリング装置の第2実施形態の断面図を示す。
【
図5】
図5は、いわゆるアンカーポイントを有するシーリング装置の一部を示す。
【
図8】
図8は、本体部、磁場コンセントレータおよび導電性素子を備える装置の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、ロールフィード式カートン(roll fed carton)に基づいた包装システムの基本原理を概略的に示す。このような包装システムは、例えばTetra Brik(登録商標)包装システムで使用される液体食品の連続的包装のためのものである。充填機が配置された酪農場または他の場所に、パッケージ材料がパッケージ材料リール(reel)100で供給される。パッケージ材料が供給される前には、パッケージ材料が製造され、いわゆる転換工場(converting factory)で印刷される。
【0025】
パッケージ材料を解いた後、パッケージ材料を滅菌する、すなわち不要な微生物を殺菌するために、バス(bath)102内にパッケージ材料を搬送する。このようなパッケージ材料の滅菌を達成するにはさまざまな方法があるが、現在最も一般的に使用されている方法の1つは、過酸化水素を使用することである。パッケージ材料を滅菌した後、パッケージ材料を筒104に形成する。より詳細には、長手方向の端部を、しばしば縦シール(longitudinal sealing)と呼ばれるプロセスにおいて互いに連続して取り付ける。このようなパッケージ材料を筒に形成するとき、このようなパッケージ材料は例えばミルクなどの製品で充填される。筒104の端部に横シールを行い、シールされた部分を形成するとそれを切断することによって、パッケージ106を筒104から形成する。パッケージを成形するために、縦シール中および横シール後に異なる方策を行うことができる。
【0026】
図2は、横シールをより詳細に示す。筒104からパッケージ106を形成するために、シールジョー(sealing jaw)202a、202bと組み合わせてフラップ(flap)200a、200bを形成することが利用できる。シールジョー202a、202bのそれぞれは、シーリング装置204a、204bおよびナイフ206a、206b、または形成されたパッケージを筒104から分離するための他の切断要素を含む。
【0027】
成形フラップ200a、200bおよびシールジョー202a、202bは、筒104とともに移動する。
図2では、第1の段階および第2の段階が示されている。第1の段階では、成形フラップ200aは、筒104をパッケージ106の形状に形成し始め、シールジョー202aは、シーリング装置204aを使用して横シールを形成している。第2段階では、成形フラップ200bを、パッケージ形状が形成されるような位置に保持する。また、第2段階では、シールジョー202bはシーリング装置204bを用いて横シールを形成している。そして、シールジョー202bが横シールを行った後、筒104の下部は第2の段階において横シールにより両端が閉じられており、ナイフ206bを用いて切断される。
【0028】
シーリングが適切に行われることを確実にするためには、プラスチック層が溶融し、適切な圧力が印加されるようにパッケージ材料を適切に加熱することが重要である。これは、シーリング装置がパッケージ材料に電流を誘導する点で効率的である必要があることを意味するが、横シールを行う際に伴う圧力に耐えるために耐久性もある必要があることを意味する。さらに、製造を費用効率の高いものにするためには、シーリング装置の寿命が長いものであるべきであり、品質問題が最小限に抑えられるべきである。
【0029】
図3は、シーリング装置300の分解組立図を示す。シーリング装置300は、4つの主要部分を含み、支持体302と、コイルなどの導電性素子304と、磁場コンセントレータ306と、保護部材308と、を含む。
図3に示す例では、開封手段または他の要素が取り付けられたパッケージ材料をシールすることができるように、切欠部310が設けられている。
【0030】
現在、入手可能なシーリング装置とは異なり、磁場コンセントレータ306は支持体302に射出成形される。言い換えると、支持体302は、磁場コンセントレータ306を作製する際の型として機能する。現在の標準的な手順である、支持体に配置される前に予め作製されることの代わりに、このようにして磁場コンセントレータ306を作製することにはいくつかの利点がある。第一に、製造コストを削減することができ、それ故、より費用効率の高い製造を達成することができる。第二に、導電性素子と支持体とのいずれか一方または両方に凹部を有することによって、より頑丈な設計を示唆する改善された方法で、シーリング装置のさまざまな部分が一緒に結合される。
【0031】
導電性素子304を保護するために、保護部材308を使用することができる。保護部材308は、ポリフェニルスルフィド(PPS)から作製することができる。このような保護部材308は、導電性素子304が部分的にまたは完全に封入されるように磁場コンセントレータ306上に射出成形され得る。それによって、保護部材308は、例えばパッケージ材料を滅菌するために使用される研磨剤化学物質(abrasive chemical)から保護され得る。シーリング装置の前部、すなわち、使用時にパッケージ材料に面しているシーリング装置の部分に平面を設けるために、保護要素308は、射出成形された後に、例えばその前部の表面を研磨することによってその表面が平坦になるように処理される。
【0032】
制御された方法で磁場コンセントレータ材料の成形が行われるようにするために、ゲート孔(gating hole)312a、312bは、支持体302の片側または両側に設けられることができる。別の表現で言えば、このようにして支持体302に設けられたゲーティング孔を有することによって、磁場コンセントレータ材料で空間が満たされていないというリスクを低減することができるような方法で、磁場コンセントレータ材料は、支持体302内に注入され得る。これは、向上した製造品質、およびシーリング装置が期待された通りに動作していないというリスクの減少を示唆する。
【0033】
上述したように、支持体302に磁場コンセントレータ306を射出成形する利点は、効率的な方法でさまざまな部分を一緒に結合できることである。
図3の分解組立図において、磁場コンセントレータ材料を支持体302内に注入する(gating)ときに形成される突起314a、314bが、この利点を裏付けている。これらの突起314a、314bは、磁場コンセントレータ306が支持体302にしっかりと結合されるようにする。
【0034】
図3に示す例では、切欠部310は、シーリング装置300の中間部分に設けられている。この切欠部310は、開封手段が取り付けられたパッケージ材料に対して横シールを行うことを可能にするようにするために設けられている。言い換えると、筒104を形成する前に、直接射出成形技術を用いるか、パッケージ材料に開封手段を接着するか、または要素を取り付けるためのその他の技術によって、パッケージ材料に開封手段が取り付けられる。この例の開封手段は、形成されるべきパッケージの上部近くに配置され、それによって、この開封手段は、横シール領域に近接して配置される。そのため、シーリング装置は、取り付けられた開封手段を妨害することなく横シールを可能にするために、切欠部310により適合される。図示された例では、2つのゲート孔312a、312bが両側に設けられている。この構成は、シーリング装置の中間部分に配置された切欠部310を有するように適合される。切欠部がない場合には、シーリング装置の中間部分に一方のゲート孔があることは一つの選択肢である。また、例えば支持体を弱めることなしに、中間部分に切欠部とゲート孔との両方の余地がある場合には、中間部分に切欠部とゲート孔との両方を配置することも一つの選択肢である。
【0035】
図4aおよび
図4bは、それぞれ第1実施形態および第2実施形態に係るシーリング装置の断面図を示す。
図4aに示す第1実施形態では、支持体402aは第1の実施形態に係る導電性素子404aと、磁場コンセントレータ406aと、保護要素408aと、を保持する。この第1実施形態では、磁場コンセントレータ406aは、導電性素子404aの側部を覆っている。
図4bでは、第1実施形態と同様に、支持体402bは導電性素子404bと、磁場コンセントレータ406bと、保護要素408bと、を保持するが、第2実施形態に従ってこれらは配置される。この第2実施形態では、導電性素子404bの外側部の下部を覆う磁場コンセントレータ406bを有する代わりに、保護部材408bは導電性素子404bの側部を覆っている。他の実施形態は、当業者が理解するように可能であり、例示された2つの実施形態は、例として見なされるべきである。
【0036】
図5に例を挙げて示すように、シーリング装置のさまざまな部分間の結合を改善するために、支持体302には、いわゆるアンカーポイント(anchor point)、すなわち、磁場コンセントレータと保護部材とのいずれか一方または両方に対する支持体の取り付けを改善するための、支持体に設けられたくぼみ(indentation)が設けられてもよい。
【0037】
図6aおよび
図6bは、支持体を射出成形された保護部材としっかりと結合するために設計することが可能な方法についての例を示す。
図6aは支持体を分離して示し、
図6bは支持体をベースにしたシーリング装置を示す。保護要素と支持体との間の結合を改善するために、凹部600が使用され得る。さらに、くぼみ602は、支持体と保護要素との間の結合を改善するために同様に設けられてもよいし、凹部600の代わりに設けられてもよい。
【0038】
図7aおよび
図7bは、支持体を射出成形された保護部材としっかりと結合するために設計することが可能な方法についての別の例を示す。
図7aは支持体を分離して示し、
図7bは支持体をベースにしたシーリング装置を示す。この例では、結合を改善するために、凹部702a、702bを両方向に有する切欠部700が設けられている。
【0039】
図8は、本体部、磁場コンセントレータおよび導電性素子を含む装置の製造方法を示すフローチャート800である。
【0040】
第1のステップ802では、例えばコイルなどの導電性素子を、例えば
図3に示す支持体などの本体部に配置する。次に、第2のステップ804では、例えば、上記のように本体部の内部に磁場コンセントレータ材料を注入することによって、磁場コンセントレータを射出成形することができる。任意選択的に、第3のステップ806では、保護要素を射出成形することができる。また、同様に任意選択的なステップとして、第4のステップ808では、平面が得られるように保護要素を処理することができる。
【0041】
本発明は、主にいくつかの実施形態を参照して上述されている。しかしながら、当業者にとっては容易に理解されるように、上に開示されたもの以外の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載のクレームされた主題の範囲内で等しく可能である。
【符号の説明】
【0042】
100 パッケージ材料リール
102 バス
104 筒
106 パッケージ
200a 成形フラップ
200b 成形フラップ
202a シールジョー
202b シールジョー
204a シーリング装置
204b シーリング装置
206a ナイフ
206b ナイフ
300 シーリング装置
302 支持体
304 導電性素子
306 磁場コンセントレータ
308 保護部材/保護要素
310 切欠部
312a ゲート孔
312b ゲート孔
314a 突起
314b 突起
402a 支持体
402b 支持体
404a 導電性素子
404b 導電性素子
406a 磁場コンセントレータ
406b 磁場コンセントレータ
408a 保護要素
408b 保護部材/保護要素
600 凹部
700 切欠部
702a 凹部
702b 凹部
800 フローチャート
802 第1のステップ
804 第2のステップ
806 第3のステップ
808 第4のステップ