(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】店舗管理装置、電子レシートシステム及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231225BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2019104797
(22)【出願日】2019-06-04
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】原 法義
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】岡村 敦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
(72)【発明者】
【氏名】倉田 真考
(72)【発明者】
【氏名】久保田 卓秀
(72)【発明者】
【氏名】王 小舟
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第6303160(JP,B1)
【文献】特表2014-527252(JP,A)
【文献】国際公開第2019/038968(WO,A1)
【文献】特開2019-079153(JP,A)
【文献】特開2010-286916(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108364389(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0365668(US,A1)
【文献】特開2009-009231(JP,A)
【文献】特開2018-156526(JP,A)
【文献】特開2006-126926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末の操作に応じて電子レシート識別コードを用いて呼び出された電子レシートデータを当該情報端末に提供するとともに、前記電子レシート識別コードを含む認証コマンドに応じて許諾応答コマンド又はエラー応答コマンドを当該認証コマンドの送信元に送信する電子レシートサーバ、と接続される店舗管理装置であって、
入店者
の操作により前記情報端末から電子レシートサービスを利用するための
前記電子レシート識別コードを取得するコード取得手段と、
前記コード取得手段により取得した前記電子レシート識別コード
を含む前記認証コマンドを前記電子レシートサーバに送信する手段と、前記認証コマンドに対応する応答コマンドとして決済用データを
含む許諾応答コマンドを受信した場合、リストメモリを作成する手段と、を含むデータ取得手段と、
前記リストメモリの作成を終えると前記入店者の入店を許可する許可手段と、
前記入店者が購入した商品の販売データを
前記リストメモリに登録する登録手段と、
前記データ取得手段により取得した決済用データで前記登録手段により販売データが登録された商品の決済を実行する決済手段と、
前記登録手段により登録された販売データを基に生成される電子化されたレシートデータを前記コード取得手段により取得した前記電子レシート識別コードとともに
前記電子レシートサーバへと送信する送信手段と、
を具備する店舗管理装置。
【請求項2】
前記データ取得手段は、前記許諾応答コマンドを受信した場合に、前記電子レシート識別コードを記述した電子レシート識別コードの領域と、前記決済用データを記述した決済用データの領域と、購入商品リストの領域と、を含む前記リストメモリを作成し、
前記登録手段は、前記リストメモリの前記購入商品リストの領域に前記入店者が購入した商品の販売データを登録し、
前記決済手段は、前記リストメモリの前記決済用データの領域に記述されている前記決済用データで前記登録手段により前記販売データが登録された前記商品の決済を実行し、
前記送信手段は、前記登録手段により登録された前記登録手段により登録された前記販売データを基に生成される電子化されたレシートデータを、前記リストメモリの前記電子レシート識別コードの領域に記述されている前記電子レシート識別コードとともに前記電子レシートサーバへと送信する、請求項1に記載の店舗管理装置。
【請求項3】
前記店舗管理装置は、店舗毎に会員登録が行われる複数の無人店舗のそれぞれに設けられており、
前記コード取得手段により無人店舗に対して会員登録を行った会員に対して発行される会員識別コードを取得した場合は、前記会員識別コードを用いて当該店舗管理装置が設けられた前記無人店舗の会員か否かの認証を行い、前記コード取得手段により前記電子レシート識別コードを取得した場合は、前記認証コマンドを前記電子レシートサーバに送信する、請求項1に記載の店舗管理装置。
【請求項4】
前記入店者の行動を監視し、その行動により当該入店者が購入した商品を検出する商品検出手段、
をさらに具備する請求項1
乃至請求項3のうちいずれか1項記載の店舗管理装置。
【請求項5】
前記決済手段は、前記入店者の行動により退店が確認されると、当該入店者が購入した商品の決済を実行する、請求項
4記載の店舗管理装置。
【請求項6】
電子レシートサービスの加盟店毎に設けられた、請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の店舗管理装置と、
電子レシートサービスを利用する利用者毎に設定された前記電子レシート識別コードと関連付けて当該利用者の決済用データを記憶するデータベースを備えた
前記電子レシートサーバと、
を含
む、電子レシートシステム。
【請求項7】
情報端末の操作に応じて電子レシート識別コードを用いて呼び出された電子レシートデータを当該情報端末に提供するとともに、前記電子レシート識別コードを含む認証コマンドに応じて許諾応答コマンド又はエラー応答コマンドを当該認証コマンドの送信元に送信する電子レシートサーバ、と接続されるコンピュータに、
入店者
の操作により前記情報端末から電子レシートサービスを利用するための電子レシート識別コードを取得する機能、
前記取得した前記電子レシート識別コード
を含む前記認証コマンドを前記電子レシートサーバに送信する機能、前記認証コマンドに対応する応答コマンドとして決済用データを
含む許諾応答コマンドを受信した場合、リストメモリを作成する機能、
前記リストメモリの作成を終えると前記入店者の入店を許可する機能、
前記入店者が購入した商品の販売データを前記リストメモリに登録する機能、
前記取得した決済用データで販売データが登録された商品の決済を実行する機能、及び、
前記登録された販売データを基に生成される電子化されたレシートデータを前記取得した前記電子レシート識別コードとともに前記電子レシートサーバへと送信する機能、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗管理装置及びこの店舗管理装置を含む電子レシートシステム並びにコンピュータを当該店舗管理装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
買物客が購入した商品の決済時に店舗から買物客へと渡されるレシートを電子化し、買物客が所有する情報端末で電子化されたレシート、いわゆる電子レシートを受け取るようにした電子レシートサービスは、既に知られている。
【0003】
電子レシートサービスを利用する買物客は、情報端末に専用のアプリケーションプログラムをインストールする。そして買物客は、決済の前にこのアプリケーションプログラムを起動する。そうすると、情報端末の表示デバイスに電子レシート識別コードが表示されるので、買物客は、電子レシート識別コードを店員に提示する。店員は、POS(Point Of Sales)端末に設けられた読取装置で電子レシート識別コードを読み取るための操作を行う。この操作を受けてPOS端末では、商品の決済とともに電子レシートサービスのための処理とが実行される。
【0004】
ところで近年、AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術の発展により、入店から退店までの買物客の行動を監視し、その行動から買物客が購入した商品を特定して決済を実行するシステムが開発されている。このようなシステムを店舗が備えることにより、店舗の無人化が可能となる。
【0005】
しかし、このようなシステムを備えた無人店舗を買物客が利用するためには、その無人店舗に対して会員登録を行う必要がある。また、クレジットカード番号等の決済に必要なデータも無人店舗に登録する必要がある。その上、会員登録及び決済用データの登録は、無人店舗毎に行わなければならない。このため、複数の無人店舗を利用したい買物客は、それぞれの無人店舗に対して会員登録と決済用データとを登録しなければならないため、煩雑感が拭えない。しかも、買物客は、入店時に提示する会員IDを間違える可能性もあり、利便性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、買物客の利便性を高めることができる店舗管理装置、電子レシートシステム及び制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、店舗管理装置は、情報端末の操作に応じて電子レシート識別データを用いて呼び出された電子レシートデータを当該情報端末に提供するとともに、電子レシート識別コードを含む認証コマンドに応じて許諾応答コマンド又はエラー応答コマンドを当該認証コマンドの送信元に送信する電子レシートサーバ、と接続され、コード取得手段と、データ取得手段と、許可手段と、登録手段と、決済手段と、送信手段とを備える。コード取得手段は、入店者の操作により情報端末から電子レシートサービスを利用するための電子レシート識別コードを取得する。データ取得手段は、コード取得手段により取得した電子レシート識別コードを含む前記認証コマンドを電子レシートサーバに送信する手段と、認証コマンドに対応する応答コマンドとして決済用データを含む許諾応答コマンドを受信した場合、リストメモリを作成する手段と、を含む。許可手段は、リストメモリの作成を終えると前記入店者の入店を許可する。登録手段は、入店者が購入した商品の販売データをリストメモリに登録する。決済手段は、データ取得手段により取得した決済用データで登録手段により販売データが登録された商品の決済を実行する。送信手段は、登録手段により登録された販売データを基に生成される電子化されたレシートデータをコード取得手段により取得した電子レシート識別コードとともに電子レシートサーバへと送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る電子レシートシステムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】同電子レシートシステムにおいて会員データベースに保存される会員レコードのデータ構造を示す模式図。
【
図3】電子レシートアプリが起動した情報端末の表示デバイスに表示されるホーム画面の模式図。
【
図4】店舗管理システムの概略構成を示すブロック図。
【
図5】店舗管理システムに含まれる入店管理装置の主要な回路構成を示すブロック図。
【
図6】店舗管理システムに含まれる販売管理装置の主要な回路構成を示すブロック図。
【
図7】販売管理装置のプロセッサが制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図8】販売管理装置のメインメモリの領域に形成されるリストメモリのデータ構造を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、買物客の利便性を高めることができる店舗管理装置、及びこの装置を用いた電子レシートシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る電子レシートシステム100の概略構成を示すブロック図である。電子レシートシステム100は、電子レシートサーバ1と、複数の店舗管理システム2と、ネットワーク3とを含む。電子レシートサーバ1は、電子レシートサービスを実現させるためのサーバである。電子レシートサーバ1は、電子レシートサービスの運営団体によって管理される。店舗管理システム2は、無人店舗であって、電子レシートサービスを導入するために運営団体に加盟した店舗、いわゆる電子レシートサービスの加盟店に構築されるコンピュータシステムである。ネットワーク3は、電子レシートサーバ1と複数の店舗管理システム2との間で双方向のデータ通信を可能とするものである。ネットワーク3は、電子レシートサーバ1と複数の店舗管理システム2との間を有線で接続してもよいし、無線を介して接続してもよい。この種のネットワーク3としては、例えばインターネット、イントラネット等を利用することができる。
【0012】
電子レシートサーバ1は、会員データベース4を管理する。会員データベース4は、電子レシートサーバ1に内蔵された記憶装置に設けられていてもよいし、外部接続された記憶装置に設けられていてもよい。
【0013】
会員データベース4は、会員毎に作成される会員レコード40(
図2を参照)を保存する。会員とは、電子レシートサービスを受けるために、情報端末5に電子レシート専用のアプリケーションプログラム、いわゆる電子レシートアプリをインストールした消費者である。情報端末5に電子レシートアプリをインストールすることにより、その情報端末5のユーザである消費者に対して固有の電子レシート識別コード、いわゆる電子レシートIDが発行される。かくして消費者は、電子レシートサービスの会員となる。会員となった消費者は、情報端末5を操作して、決済用データを電子レシートサーバ1に登録する。決済用データとは、例えばクレジットカード、電子マネーカード、プリペイドカード等の決済用カードのデータである。銀行口座の情報あるいは電子決済サービスの情報を決済用データとして登録してもよい。
【0014】
図2は、会員レコード40のデータ構造を示す模式図である。図示するように会員レコード40は、電子レシートIDと決済用データと電子レシートデータとで構成される。決済用データは、電子レシートIDが発行された会員(消費者)によって登録されたデータである。電子レシートデータは、当該会員が店舗で購入した商品の決済時に生成されるレシートのデータを電子化したものである。電子レシートデータは、店舗コード、取引日時、POS端末番号、責任者コード、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、合計点数、合計金額等で構成される。会員レコード40には、複数の電子レシートデータを記録することができる。
【0015】
図3は、電子レシートアプリを起動することで情報端末5の表示デバイスに表示されるホーム画面50の模式図である。図示するようにホーム画面50には、バーコードシンボル51とレシートアイコン52とが配置されている。バーコードシンボル51は、当該情報端末5のユーザである会員に対して発行された電子レシートIDをバーコード体系化したものである。レシートアイコン52は、当該電子レシートIDとともに会員レコード40に記録されている電子レシートデータの一覧を呼び出すためのものである。会員がレシートアイコン52を入力操作することにより、その会員との取引で生成された電子レシートデータの一覧が表示デバイスに表示される。電子レシートデータの一覧とは、例えば各電子レシートデータの取引日時、店舗名及び合計金額をリスト化したものである。会員は、このリストから所望の電子レシートデータを指定すると、その電子レシートデータが電子レシートサーバ1から情報端末5にダウンロードされて、表示デバイスにレシート画像が表示される。かくして会員は、レシートを電子データとして取得することができる。
【0016】
図4は、店舗管理システム2の概略構成を示すブロック図である。店舗管理システム2は、店舗の無人化と電子レシートサービスの適用とを可能とするために、入店管理装置21、行動監視装置22、通信装置23、決済処理装置24及び販売管理装置25を備える。そして店舗管理システム2は、販売管理装置25に、入店管理装置21、行動監視装置22、通信装置23及び決済処理装置24をそれぞれ電気的に接続することで、システムを構築している。
【0017】
入店管理装置21は、認証結果により承認された買物客の入店を許可し、否認された買物客の入店を拒否する装置である。
【0018】
図5は、入店管理装置21の主要な回路構成を示すブロック図である。入店管理装置21は、ゲート211及びゲートコントローラ212と、リーダ213及びリーダコントローラ214と、通信インターフェース215と、を備える。ゲートコントローラ212と、リーダコントローラ214と、通信インターフェース215とは、伝送路216によって接続されている。
【0019】
ゲート211は、店舗の入口を開閉する。ゲートコントローラ212は、ゲート211の開閉を制御する。ゲート211が閉状態にあるとき、買物客は入店できない。ゲート211が開状態になると、買物客は入店して商品を購入することができる。
【0020】
リーダ213は、バーコードシンボルのデータを読み取るためのデバイスである。具体的にはリーダ213は、入店のための認証を行う買物客の会員IDを表すバーコードシンボルのデータを読み取る。リーダ213は、店舗の入口よりも外側に備えられている。リーダコントローラ214は、リーダ213によって読み取られたバーコードシンボルのデータを解析して、バーコード体系化されたデータを取得する。リーダ213にはランプが付属しており、バーコードシンボルの読取りに関連してエラーが発生するとランプが例えば点滅して、エラーを報知する。
【0021】
通信インターフェース215は、販売管理装置25とデータ通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース215は、リーダコントローラ214で得られたバーコードシンボルのデータを販売管理装置25へと送信する。通信インターフェース215は、販売管理装置25から受信したゲートの開信号をゲートコントローラ212へと出力する。
【0022】
図4の説明に戻る。
行動監視装置22は、店舗内に配置された多数のセンサを用いて入店者である買物客の行動を監視するための装置である。センサは、例えばカメラ、光センサ、赤外線センサ、温度センサ、重量センサ等である。行動監視装置22は、これらのセンサの情報から買物客の行動として商品の買上行動、退店行動等を検出することができる。このような行動監視装置22は、既存の無人店舗で利用されている周知の装置であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】
通信装置23は、ネットワーク3を介して接続された電子レシートサーバ1との間でデータ通信を行うための装置である。通信装置23は、販売管理装置25からデータ送信が指令されると、予め定められた通信プロトコルに従い、電子レシートサーバ1との回線を確立し、データを電子レシートサーバ1へと送信する。通信装置23は、ネットワーク3を経由して電子レシートサーバ1から受信したデータを販売管理装置25へと出力する。
【0024】
決済処理装置24は、買物客の決済用データに基づきその買物客が購入した商品の決済を行うための装置である。決済用データがクレジットカードのデータである場合、決済処理装置24は、クレジット決済を実行する。決済用データが電子マネーカードのデータである場合、決済処理装置24は、電子マネー決済を実行する。決済用データがプリペイドカードのデータである場合、決済処理装置24は、プリペイドカード決済を実行する。このような決済処理装置24は、既存の無人店舗で利用されている周知の装置であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
販売管理装置25は、次の第1乃至第5の機能を有する装置である。第1の機能は、入店管理装置21及び通信装置23と協働して買物客の認証を行う機能である。第2の機能は、通信装置23と協働して、買物客の決済用データを取得する機能である。第3の機能は、行動監視装置22と協働して買物客が商品陳列棚から取り出した商品をその買物客の購入商品として登録する機能である。第4の機能は、決済処理装置24と協働して、買物客が購入した商品の決済を処理する機能である。第5の機能は、通信装置23と協働して、決済された取引の電子レシートデータを電子レシートサーバ1へと送信する機能である。
【0026】
図6は、販売管理装置25の主要な回路構成を示すブロック図である。販売管理装置25は、プロセッサ251、メインメモリ252、補助記憶デバイス253、第1通信インターフェース254、第2通信インターフェース255、第3通信インターフェース256、第4通信インターフェース257及び伝送路258を備える。伝送路258は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。販売管理装置25は、伝送路258に、プロセッサ251、メインメモリ252、補助記憶デバイス253、第1通信インターフェース254、第2通信インターフェース255、第3通信インターフェース256及び第4通信インターフェース257を接続する。販売管理装置25では、プロセッサ251、メインメモリ252及び補助記憶デバイス253と、これらを接続する伝送路258とによってコンピュータが構成される。
【0027】
プロセッサ251は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ251は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、販売管理装置25としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ251は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
メインメモリ252は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ252は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ252は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ252は、プロセッサ251が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ252は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ251によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
補助記憶デバイス253は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス253となり得る。補助記憶デバイス253は、プロセッサ251が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ251での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス253は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
メインメモリ252又は補助記憶デバイス253に記憶されるアプリケーションプログラムには、販売管理装置25で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ252又は補助記憶デバイス253にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ252又は補助記憶デバイス253にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0031】
第1通信インターフェース254は、入店管理装置21に接続され、入店管理装置21との間でデータ通信を行う。第2通信インターフェース255は、行動監視装置22に接続され、行動監視装置22との間でデータ通信を行う。第3通信インターフェース256は、通信装置23に接続され、通信装置23との間でデータ通信を行う。第4通信インターフェース257は、決済処理装置24に接続され、決済処理装置24との間でデータ通信を行う。
【0032】
図7は、プロセッサ251が制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、この流れ図に従い、電子レシートサービスの会員である買物客が入店し、購買し、退店するまでの販売管理装置25の主要な動作を説明する。この動作説明において、前述した第1乃至第5の機能について明らかにする。なお、以下に説明する動作の手順は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0033】
始めに、入店を希望する買物客は、情報端末5を操作して、電子レシートアプリを起動する。そうすると、情報端末5の表示デバイスにホーム画面50が表示されるので、買物客は、そのホーム画面50に表示されているバーコードシンボル51を入店管理装置21のリーダ213に読み取らせる。そうすると、バーコードシンボル51のデータ、つまりは電子レシートIDが、入店管理装置21から販売管理装置25へと送信される。
【0034】
販売管理装置25のプロセッサ251は、ACT1として入店希望者のIDデータを待ち受けている。IDデータは、入店管理装置21のリーダ213を介して入力される。第1通信インターフェース254を介して入店管理装置21からIDデータを受信すると、プロセッサ251は、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ251は、ACT2としてそのIDデータが電子レシートIDであるか否かを確認する。
【0035】
IDデータには、電子レシートID以外に、無人店舗に対して会員登録を行った消費者に対して発行される会員IDがある。IDデータが電子レシートIDである場合、プロセッサ251は、ACT2においてYESと判定し、ACT3へと進む。プロセッサ251は、ACT3として買物客の認証を行う。すなわちプロセッサ251は、第3通信インターフェース256を介して通信装置23に認証要求を通知する。この通知を受けて、通信装置23は、電子レシートサーバ1に対して認証コマンドを送信する。認証コマンドには、入店管理装置21から取得した電子レシートIDが含まれる。
【0036】
認証コマンドは、ネットワーク3を介して電子レシートサーバ1へと送信される。電子レシートサーバ1では、会員データベース4が検索されて、認証コマンドに含まれている電子レシートIDの有無が判定される。該当する電子レシートIDが会員データベース4に存在する場合、電子レシートサーバ1から許諾応答コマンドが送信される。許諾応答コマンドには、当該電子レシートIDと関連付けて会員データベース4に記録されている決済用データが含まれる。該当する電子レシートIDが会員データベース4に存在しない場合には、電子レシートサーバ1からエラー応答コマンドが送信される。許諾応答コマンド又はエラー応答コマンドは、ネットワーク3を経由して認証コマンド送信元の店舗管理システム2で受信される。
【0037】
ACT3において買物客の認証を行ったプロセッサ251は、ACT4として通信装置23で電子レシートサーバ1からの応答コマンドを受信するのを待ち受ける。プロセッサ251は、応答コマンドとしてエラー応答コマンドを受信した場合、ACT4においてNOと判定し、エラー処理を実行する。エラー処理とは、例えば入店管理装置21のリーダ213に付属するランプを点滅させてエラーが発生したことを報知する処理を含む。
【0038】
応答コマンドとして許諾応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ251は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。プロセッサ251は、ACT5としてメインメモリ252の揮発性領域にリストメモリ60(
図8を参照)を作成する。
【0039】
図8は、リストメモリ60のデータ構造を示す模式図である。
図8に示すようにリストメモリ60は、電子レシートIDの領域61と、決済用データの領域62と、購入商品リストの領域63とを有する。プロセッサ251は、許諾応答コマンドから電子レシートIDと決済用データとを取得し、リストメモリ60の領域61及び領域62に記述する。
【0040】
このように、販売管理装置25は、入店管理装置21及び通信装置23と協働して買物客の認証を行う第1の機能と、通信装置23と協働して、買物客の決済用データを取得する第2の機能とを有している。
【0041】
図7の説明に戻る。
プロセッサ251は、リストメモリ60を作成し終えると、ACT6として入店許可を指令する。具体的にはプロセッサ251は、第1通信インターフェース254に対して入店許可コマンドを送信するように制御する。この制御により、第1通信インターフェース254から入店管理装置21に入店許可コマンドが送信される。入店許可コマンドは、入店管理装置21の通信インターフェース215で受信されてゲートコントローラ212に与えられる。ゲートコントローラ212は、入店許可コマンドを受けてゲート211を開放する。ゲートコントローラ212は、ゲート211を人物が通過すると、ゲート211を閉塞する。
【0042】
かくして、電子レシートIDを入店管理装置21のリーダ213で読み取らせた電子レシート会員の買物客は、ゲート211を通って入店することができる。すなわち、買物客は入店者となる。
【0043】
さて、入店者となった買物客は、商品陳列棚に陳列されている商品の中から購入を希望する商品を取り出す。取り出した購入商品は、手で持っていてもよいし、マイバッグ、買物籠等の収容体に収容してもよい。買物を終えると、買物客は専用の出口から店外へと退出する。このような買物客の行動は、行動監視装置22によって個人毎に追跡され、監視されている。
【0044】
入店許可を指令した販売管理装置25のプロセッサ251は、ACT7として買物客の行動監視を開始するように指令する。具体的にはプロセッサ251は、第2通信インターフェース255に対して行動監視開始コマンドを送信するように制御する。この制御により、第2通信インターフェース255から行動監視装置22に行動監視開始コマンドが送信される。行動監視開始コマンドには、ACT1の処理で取得した電子レシートIDが含まれる。
【0045】
行動監視開始コマンドを受信した行動監視装置22は、その行動監視開始コマンドに含まれる電子レシートIDでゲート211から入店した買物客を特定して行動の追跡を開始する。そして行動監視装置22は、追跡中の買物客が商品陳列棚から商品を取り出す行為を検出すると、買上行動を検出したと判定する。行動監視装置22は、買物客が取り出した商品を特定し、買上行動コマンドを販売管理装置25へと出力する。買上行動コマンドには、買物客が取り出した商品として特定された商品の商品コードと、買上行動を行った買物客の電子レシートIDとが含まれる。また行動監視装置22は、追跡中の買物客が店外へ退出したことを検出すると、退店行動を検出したと判定する。行動監視装置22は、退店行動コマンドを販売管理装置25へと出力する。退店行動コマンドには、退店行動を行った買物客の電子レシートIDが含まれる。
【0046】
買物客の行動監視開始を指令したプロセッサ251は、ACT8として退店行動コマンドを受信したか否かを確認する。退店行動コマンドを受信していない場合、プロセッサ251は、ACT8においてNOと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ251は、ACT9として買上行動コマンドを受信したか否かを確認する。買上行動コマンドを受信していない場合、プロセッサ251は、ACT9においてNOと判定し、ACT8へと戻る。このようにプロセッサ251は、ACT8及びACT9において、退店行動コマンドを受信するか買上行動コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0047】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、第2通信インターフェース255を介して買上行動コマンドを受信した場合、プロセッサ251は、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ251は、ACT10として買上行動コマンドに含まれる商品の商品コードを基に、当該商品の販売データを作成する。そしてプロセッサ251は、この販売データを、買上行動コマンドに含まれる電子レシートIDが記述されたリストメモリ60の領域63に登録する。なお、販売データとは、少なくとも商品コード、単価、販売点数、販売金額を含む。単価は、商品コードと関連付けて予め設定されている。販売点数は初期値が“1”である。その後、同一商品コードの販売データが登録されると、販売点数が“1”ずつ加算される。販売金額は、単価に販売点数を乗算した金額である。プロセッサ251は、ACT10の処理を終えると、ACT8及びACT9の待ち受け状態に戻る。
【0048】
このように販売管理装置25は、行動監視装置22と協働して買物客が商品陳列棚から取り出した商品をその買物客の購入商品として登録する第3の機能を有している。
【0049】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、第2通信インターフェース255を介して退店行動コマンドを受信すると、プロセッサ251は、ACT8においてYESと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ251は、ACT11として第2通信インターフェース255に対して行動監視終了コマンドを送信するように制御する。この制御により、第2通信インターフェース255から行動監視装置22に行動監視終了コマンドが送信される。行動監視終了コマンドには、ACT1の処理で取得した電子レシートIDが含まれる。
【0050】
行動監視終了コマンドを受信した行動監視装置22は、その行動監視終了コマンドに含まれる電子レシートIDで特定される買物客の行動の追跡を終了する。
【0051】
買物客の行動監視終了を指令したプロセッサ251は、ACT12として決済用データを取得する。決済用データは、退店行動コマンドに含まれる電子レシートIDで特定されるリストメモリ60の領域62に記述されているデータである。またプロセッサ251は、決済用データとともに同リストメモリ60の領域63に記述されている販売データも取得する。
【0052】
プロセッサ251は、ACT13として決済を指令する。具体的にはプロセッサ251は、第4通信インターフェース257に対して決済コマンドを送信するように制御する。この制御により、第4通信インターフェース257から決済処理装置24に決済コマンドが送信される。決済コマンドには、決済用データと販売データとが含まれる。決済コマンドを受信した決済処理装置24においては、決済用データに基づいて買物客が購入した商品の決済が行われる。すなわち、決済用データがクレジットカードのデータである場合、決済処理装置24では、クレジット決済が実行される。決済用データが電子マネーカードのデータであった場合、決済処理装置24はで、電子マネー決が実行される。決済用データがプリペイドカードのデータである場合、決済処理装置24では、プリペイドカード決済が実行される。
【0053】
このように、販売管理装置25は、決済処理装置24と協働して、買物客が購入した商品の決済を処理する第4の機能を有している。
【0054】
決済を指令したプロセッサ251は、ACT14としてリストメモリ60の領域63に記述されている販売データを基に電子レシートデータを作成する。電子レシートデータは、店舗コード、取引日時、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、合計点数、合計金額等で構成される。プロセッサ251は、ACT15として第3通信インターフェース256に対して電子レシートデータを送信するように制御する。この制御により、第3通信インターフェース256から電子レシートサーバ1に電子レシートデータが送信される。電子レシートデータには、リストメモリ60の領域61に記述されている電子レシートIDが関連付けられている。電子レシートサーバ1は、会員データベース4を検索して、当該電子レシートIDが記述されている会員レコードに、電子レシートデータを追加する。
【0055】
このように、販売管理装置25は、通信装置23と協働して、決済された取引の電子レシートデータを電子レシートサーバ1へと送信する第5の機能を有している。
【0056】
電子レシートの送信を指令したプロセッサ251は、ACT16としてリストメモリ60を補助記憶デバイス253に保存する。以上で、プロセッサ251は、制御プログラムに従った処理を処理する。
【0057】
なお、入店管理装置21から取得したIDデータが電子レシートIDではなく、会員IDであった場合、プロセッサ251は、ACT2においてNOと判定し、他の処理を実行する。他の処理とは、基本的にはACT3以降の処理において、電子レシートIDを会員IDに置き換えた処理となる。ただし、ACT14及びACT15の処理は省略される。
【0058】
ここに、プロセッサ251を主体とするコンピュータは、入店管理装置21と協働してACT1及びACT2の処理を実行することにより、コード取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、入店者である買物客から電子レシートID、すなわち電子レシートサービスを利用するための電子レシート識別コードを取得する。
【0059】
またコンピュータは、通信装置23と協働してACT3乃至ACT5の処理を実行することにより、データ取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、電子レシートIDで電子レシートサーバ1に問合せを行い、電子レシートサーバ1から当該電子レシートIDと関連付けられた決済用データを取得する。
【0060】
またコンピュータは、入店管理装置21と協働してACT6の処理を実行することにより、許可手段を構成する。すなわちコンピュータは、電子レシートサーバ1から当該電子レシートIDと関連付けられた決済用データを取得した場合に、ゲート211を開放して入店を許可する。
【0061】
またコンピュータは、行動監視装置22と協働してACT7乃至ACT11の処理を実行することにより、商品検出手段及び登録手段を構成する。すなわちコンピュータは、行動監視装置22からのデータにより入店者の行動を監視し、入店者の買上行動を検出すると、買い上げられた商品を検出する。そしてコンピュータは、その商品の販売データを、入店者の電子レシートIDと関連付けてリストメモリ60に登録する。
【0062】
またコンピュータは、決済処理装置24と協働してACT12及びACT13の処理を実行することにより、決済手段を構成する。すなわちコンピュータは、入店者の行動により退店が確認されると、当該入店者の電子レシートIDと関連付けてリストメモリ60に登録された商品の決済を、電子レシートサーバ1から取得した決済用データで実行する。
【0063】
またコンピュータは、通信装置23と協働してACT14及びACT15の処理を実行することにより、送信手段を構成する。すなわちコンピュータは、リストメモリ60に登録された販売データを基に生成されるレシートデータを電子化し、その電子レシートデータをリストメモリ60の電子レシートIDとともに電子レシートサーバ1へと送信する。
【0064】
かくして、店舗管理システム2は、コード取得手段、データ取得手段、登録手段、決済手段、送信手段を備えた店舗管理装置として機能する。かかる構成の店舗管理装置によれば、無人店舗の利用者は、その無人店舗に対して会員登録を行った消費者に限らず、電子レシートサービスの会員も含まれるようになる。そして、電子レシートサービスの会員は、入店時にその会員固有の電子レシートIDを提示するだけで、店舗管理システム2が構築された複数の店舗を利用することができる。したがって、電子レシートサービスの会員である消費者は、店舗毎に会員登録を行わなくてよい。その上、入店時に提示する会員IDは統一されるので間違える心配もなく、買物客の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、店舗管理システム2は、さらに許可手段を備えた店舗管理装置としても機能する。かかる構成の店舗管理装置によれば、電子レシートサービスの会員であっても、入店が許可された会員に対しては必ず決済用データが登録されているので、会員が退店時に決済のための格別な操作をする必要がない。したがって、会員の利便性をさらに向上させることができる。しかも、決済手段は、入店者の行動により退店が確認されると、当該入店者が購入した商品の決済が実行される。したがって、入店者は決済のための格別な操作も不要となるので、より一層、会員の利便性をさらに向上させることができる。
【0066】
また店舗管理システム2は、さらに商品検出手段を備えた店舗管理装置としても機能する。かかる構成の店舗管理装置によれば、買物客が買い上げる商品のデータを登録するための煩雑な操作を不要にできるので、消費所の利便性をさらに向上させることができる。
【0067】
以上、買物客の利便性を高めることができる店舗管理装置、及びこの装置を用いた電子レシートシステムの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0068】
前記実施形態では、入店者の行動を監視し、その行動により当該入店者が購入した商品を検出するようにした。この点に関しては、入店者が情報端末5を操作して、例えば購入商品のバーコードをスキャニングすることで、購入商品を検出するようにしてもよい。また、決済についても、入店者が情報端末5を操作して決済開始を指示するようにしてもよい。いずれも場合も、入店時に提示するIDは電子レシートIDでよいので、消費者の利便性を向上させることができる。
【0069】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
入店者から電子レシートサービスを利用するための電子レシート識別コードを取得するコード取得手段と、
前記コード取得手段により取得した前記電子レシート識別コードで決済用データを取得するデータ取得手段と、
前記入店者が購入した商品の販売データを登録する登録手段と、
前記データ取得手段により取得した決済用データで前記登録手段により販売データが登録された商品の決済を実行する決済手段と、
前記登録手段により登録された販売データを基に生成される電子化されたレシートデータを前記コード取得手段により取得した前記電子レシート識別コードとともに電子レシートサーバへと送信する送信手段と、
を具備する店舗管理装置。
[C2]
前記コード取得手段により取得した前記電子レシート識別コードで決済用データが取得された場合に入店を許可する許可手段、
をさらに具備する請求項1記載の店舗管理装置。
[C3]
前記入店者の行動を監視し、その行動により当該入店者が購入した商品を検出する商品検出手段、
をさらに具備する請求項1又は2記載の店舗管理装置。
[C4]
前記決済手段は、前記入店者の行動により退店が確認されると、当該入店者が購入した商品の決済を実行する、請求項3記載の店舗管理装置。
[C5]
電子レシートサービスの加盟店毎に設けられた、請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の店舗管理装置と、
電子レシートサービスを利用する利用者毎に設定された前記電子レシート識別コードと関連付けて当該利用者の決済用データを記憶するデータベースを備えた電子レシートサーバと、
を含み、
前記店舗管理装置のデータ取得手段は、前記電子レシートサーバから前記決済用データを取得する、電子レシートシステム。
[C6]
コンピュータに、
入店者から電子レシートサービスを利用するための電子レシート識別コードを取得する機能、
前記取得した前記電子レシート識別コードで決済用データを取得する機能、
前記入店者が購入した商品の販売データを登録する機能、
前記取得した決済用データで販売データが登録された商品の決済を実行する機能、及び、
前記登録された販売データを基に生成される電子化されたレシートデータを前記取得した電子レシート識別コードとともに電子レシートサーバへと送信する機能、
を実現させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0070】
1…電子レシートサーバ、2…店舗管理システム、3…ネットワーク、4…会員データベース、5…情報端末、21…入店管理装置、22…行動監視装置、23…通信装置、24…決済処理装置、25…販売管理装置、100…電子レシートシステム、211…ゲート、212…ゲートコントローラ、213…リーダ、214…リーダコントローラ、215…通信インターフェース、251…プロセッサ、252…メインメモリ、253…補助記憶デバイス、254~257…第1~第4通信インターフェース。