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特許7408338折り畳み式動脈瘤治療デバイス及び送達方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】折り畳み式動脈瘤治療デバイス及び送達方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019187500
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2020058808
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】16/159,582
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レイシー・ゴロチョウ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ロレンツォ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0367713(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2647343(EP,A2)
【文献】特表2008-515468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61F 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈瘤を閉塞するためのシステムであって、
畳み込み状態から展開状態へと移動可能なインプラントと、前記インプラントを前記動脈瘤内に送達ためのインプラント送達カテーテルと、塞栓充填剤と、前記塞栓充填剤を前記動脈瘤内に送達ための塞栓充填剤送達カテーテルと、を備え、
前記インプラントは、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に実質的に連続的な編組構造を形成する編組区分と、を備え、
前記展開状態では、前記インプラントは
前記インプラントの前記近位端から延在し、動脈瘤頸部を閉塞することが可能な外側閉塞袋と、
前記インプラントの前記遠位端で収束する溝を形成する内側閉塞袋と、
前記外側閉塞袋と前記内側閉塞袋との間に位置付けられた前記編組区分内の折り畳み部と、
を備え
前記インプラント送達カテーテルの遠位端開口が、前記動脈瘤頸部の開口部付近に位置付けられており、前記塞栓充填剤送達カテーテルの遠位端開口が、前記動脈瘤頸部の前記開口部よりも前記動脈瘤内に進入した状態で前記動脈瘤内に位置付けられている際に、前記インプラント送達カテーテルの前記遠位端開口から前記インプラントが排出されて、前記インプラントが前記展開状態となって、前記インプラントの前記外側閉塞袋が、前記動脈瘤頸部の前記開口部を閉塞しつつ、前記塞栓充填剤送達カテーテルにおける前記遠位端開口よりも近位側の部分を動脈瘤壁に押し付け、この状態で、前記塞栓充填剤が、前記塞栓充填剤送達カテーテルの前記遠位端開口から排出されて、前記動脈瘤内に進入し、前記インプラントの前記溝内に入り、前記インプラントの前記内側閉塞袋に当接し、前記インプラントを前記動脈瘤壁に押し付けることができるようになっている、システム
【請求項2】
前記編組区分の第1の部分は、自己拡張して前記外側閉塞袋を形成することができ、前記編組区分の第2の部分は、自己反転して前記内側閉塞袋を形成することができる、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記展開状態では、前記外側閉塞袋は、前記動脈瘤壁まで延在して、前記動脈瘤壁に対して力を提供することができる、請求項1に記載のシステム
【請求項4】
前記展開状態では、前記動脈瘤壁に対する前記外側閉塞袋の対置は、前記動脈瘤内の前記インプラントの位置を維持するのに十分である、請求項1に記載のシステム
【請求項5】
前記インプラントの前記近位端又は前記インプラントの前記遠位端のうちの1つ以上は閉鎖されている、請求項1に記載のシステム
【請求項6】
前記遠位端又は前記近位端のうちの1つ以上は、バンド、端キャップ又はヒートセットのうちの1つによって閉鎖されている、請求項に記載のシステム
【請求項7】
前記編組区分は、形状記憶材料を含み、前記編組区分は、第1の所定の形状及び第2の変形形状を含み、
前記編組区分は、前記インプラントが前記畳み込み状態にあるときに前記第2の変形形状にあり、
前記編組区分は、前記インプラントが前記展開状態にあるときに第3の展開形状へと移動し、前記第3の展開形状は、前記第1の所定の形状及び前記動脈瘤壁の曲率に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載のシステム
【請求項8】
前記展開状態では、前記外側閉塞袋は、前記動脈瘤頸部を封止して、前記動脈瘤内への流れの偏向、迂回及び減速のうちの少なくとも1つを行うことができる、請求項1に記載のシステム
【請求項9】
前記展開状態では、前記インプラントは、実質的に囲まれた容積を画定する、請求項1に記載のシステム
【請求項10】
前記展開状態では、前記インプラントの前記遠位端及び前記近位端はそれぞれ、前記動脈瘤頸部によって画定された平面に対してほぼ垂直な軸に沿って位置付けられており、前記動脈瘤頸部の中央に近接する、請求項1に記載のシステム
【請求項11】
前記インプラントは、分岐した血管枝状部に隣接する動脈瘤に埋め込み可能であり、前記インプラントは、前記分岐した血管枝状部に供給する幹枝状部を通して前記動脈瘤に送達可能である、請求項1に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療器具に関し、より具体的には、動脈瘤治療用インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
頭蓋動脈瘤は、重要な脳組織に近接していることに起因して、複雑であり、治療するのが困難であり得る。これまでの解決策としては、血管内治療が挙げられ、これにより、動脈の血圧及び血流から動脈瘤嚢の内部容積が除去される、又は排除される。しかしながら、このような解決策の結果は、治療後であっても、動脈瘤の内壁が血流及び関連する血圧にさらされることとなり得、結果として動脈瘤が破裂する可能性がある。
【0003】
血管内又は他の外科的アプローチに対する現行の代替物は、動脈瘤の嚢を塞栓材料で充填するか、又は動脈瘤の入口若しくは頸部を治療するかのいずれかである閉塞デバイスを含むことができる。両方のアプローチは、動脈瘤への血流の抑制を試みる。動脈瘤嚢を充填するとき、塞栓材料は、血液を凝固させ、動脈瘤内に血栓塊を形成する。動脈瘤頸部を治療するとき、動脈瘤の入口への血流が阻害され、動脈瘤内で静脈の鬱血を誘発し、動脈瘤内の血栓塊の自然な形成を促進する。
【0004】
現在の閉塞デバイスは、典型的には、複数の塞栓コイルを利用して、嚢を充填するか、又は入口を治療するかのいずれかである。いずれの治療においても、動脈瘤頸部を閉塞するか、動脈瘤嚢を充填するかのいずれかに十分な塞栓コイル充填密度を得ることは困難であり、時間がかかる。更に、動脈瘤形態(例えば、幅広の頸部、分岐部など)は、コイル塊を支持し、所望の充填密度を得るためにステント又はバルーンなどの補助デバイスを必要とし得る。
【0005】
塞栓コイルを有する動脈瘤の入口を治療することによって形成される自然に形成された血栓塊は、動脈壁からの可能な膨張を低減させ、頸部平面に沿った元の親血管形状への再統合を可能にすることによって、塞栓コイルを充填した動脈瘤塊と比較して治癒を改善することができる。しかしながら、動脈瘤の頸部に送達される塞栓コイルは、隣接する血管内の血流を妨げる悪影響を潜在的に有し得、同時に、入口が十分に充填されていない場合、血流は動脈瘤内に残り得る。したがって、塞栓コイルを適切に埋め込むことは困難であり、一度埋め込まれると、コイルは容易に後退又は再位置決めすることができない。
【0006】
更に、多数のコイルで治療された動脈瘤は、多くの場合、不良なコイル状態、動脈瘤の頸部を横切る被覆の欠如、血流若しくは更には動脈瘤のサイズにより、再解析又は圧密化するので、塞栓コイルが必ずしも効果的に治療するわけではない。
【0007】
例示的な代替的閉塞デバイスは、米国特許第8,998,947号に記載されている。しかしながら、このアプローチは、塞栓コイルの使用に依存するか、又はコイルアプローチを模倣し、したがって、安全な充填密度を達成し、一度埋め込まれると再位置決めすることができないような塞栓コイルアプローチの多くの制限に悩まされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、親血管と連通する穿通枝血管への流れを遮断することなく、動脈瘤の頸部又は親血管内の他の動静脈の奇形部を、容易かつ正確かつ安全に閉塞するデバイスを得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の必要性に対処することができる動脈瘤を閉塞するための様々な例示的なデバイスを本明細書に開示する。デバイスは、一般に、展開状態において埋め込まれ得る編組区分を有するインプラントを含むことができ、それにより、展開状態では、編組区分が折り畳まれて、動脈瘤の嚢内から動脈瘤の壁と係合するために動脈瘤の頸部を横切って延在する外側閉塞袋と、外側閉塞袋内に入れ子になった溝を形成する内側閉塞袋と、を形成する。インプラントは、実質的に囲まれたボウル形状の容積を画定するために、編組端のうちの1つ以上で閉鎖され得る。
【0010】
動脈瘤を閉塞するための例示的なデバイスは、畳み込み状態から展開状態へと移動可能なインプラントを含むことができる。インプラントは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端の間に実質的に連続的な編組構造を形成する編組区分と、を有することができる。展開状態では、インプラントは、外側閉塞袋と、内側閉塞袋と、外側閉塞袋と内側閉塞袋の間の折り畳み部と、を有することができる。外側閉塞袋は、インプラントの近位端から延在することができ、動脈瘤頸部を閉塞することができる。内側閉塞袋は、インプラントの遠位端から延在し、外側閉塞袋内に溝を形成することができる。
【0011】
編組区分は、自己拡張して外側閉塞袋を形成することができる第1の部分と、自己反転して内側閉塞袋を形成することができる第2の部分と、を有することができる。
【0012】
展開状態では、外側閉塞袋は、動脈瘤壁まで延在し、動脈瘤壁に対して力を提供することができる。展開状態では、動脈瘤壁に対する外側閉塞袋の対置は、動脈瘤内のインプラントの位置を維持するのに十分であり得る。
【0013】
デバイスは、動脈瘤の嚢内に埋め込み可能な塞栓充填剤を更に含むことができる。展開状態では、インプラントは、塞栓充填剤が嚢を出ることを阻害することができ、塞栓充填剤は、インプラントを動脈瘤壁に並置する力を提供することができる。
【0014】
畳み込み状態では、インプラントは、マイクロカテーテルを通して動脈瘤に送達されるようにサイズ決めされ得る。
【0015】
近位端又は遠位端のいずれか、又はその両方は閉鎖されていてもよい。デバイスは、一端又は両端に位置付けられた端閉鎖機構を含むことができる。端閉鎖機構は、バンド又は端キャップであってもよい。
【0016】
編組区分は、第1の所定の形状及び第2の変形形状を有する、形状記憶材料で作製することができる。編組区分は、インプラントが畳み込み状態にあるときに第2の変形形状にあることができ、インプラントが展開状態にあるときに第3の展開形状へと移動することができる。第3の展開形状は、所定の形状及び動脈瘤壁の形状に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0017】
展開状態では、外側閉塞袋は、動脈瘤の頸部を封止して、動脈瘤内への血流を偏向、迂回及び/又は減速を行うことができる。展開状態では、インプラントは、実質的に囲まれた容積を画定することができる。展開状態では、インプラントの遠位端及び近位端はそれぞれ、動脈瘤頸部に対してほぼ垂直な軸に沿って位置付けられ得、動脈瘤頸部の中央に近接することができる。
【0018】
インプラントは、分岐した血管枝状部に隣接して位置付けられた動脈瘤に埋め込み可能であり得、インプラントは、分岐した血管枝状部に供給する幹枝状部を通して動脈瘤に送達され得る。
【0019】
別の例では、動脈瘤を治療するためのインプラントは、編組メッシュが埋め込み構成において、実質的に囲まれた吹込成形容積を画定する実質的に連続した表面を有するように、埋め込み構成へと移動可能な編組メッシュを有することができる。編組メッシュは、第1の推進力及び第2の端部を有する実質的に管状の構成から埋め込み構成へと移動可能であり得、埋め込み構成にあるとき、第1の端部及び第2の端部はそれぞれ、ボウル形状の容積の中央に近接して位置付けられ得、編組メッシュ内の折り畳み部は、ボウル形状の容積の環状隆起部を画定することができる。
【0020】
動脈瘤を閉塞する例示的な方法は、マイクロカテーテル内に畳み込み状態で拡張可能な編組を位置付けることと、マイクロカテーテルを通して編組を動脈瘤に向かって遠位方向に摺動させることと、編組の遠位端を含む編組の第1の部分をマイクロカテーテルから動脈瘤嚢内に排出することと、編組の第1の部分を拡張することと、編組の近位端を含む編組の第2の部分をマイクロカテーテルから動脈瘤嚢内に排出することと、編組の第2の部分を拡張させて動脈瘤の頸部を閉塞し、外側閉塞袋を形成することと、編組の第1の部分を反転させて、外側閉塞袋内に入れ子になった内側閉塞袋を形成することと、を含むことができる。編組の第2の部分は、編組の近位端が動脈瘤の頸部の中央付近に位置付けられ、編組の第2の部分が近位端から半径方向に延在して外側閉塞袋を形成するように、外側閉塞袋を形成するために拡張され得る。編組は自己拡張性であってもよい。
【0021】
この方法は、塞栓インプラントを送達するための第2のカテーテルの遠位端を、遠位端が動脈瘤嚢内に位置付けられるように位置付けることを含んでもよい。編組の第2の部分の拡張工程は、編組の第2の部分と動脈瘤の壁の第1の部分との間に第2のカテーテルを閉じ込めることを含んでもよい。
【0022】
この方法は、塞栓インプラントを第2のカテーテルを通して動脈瘤に送達することと、塞栓インプラントを動脈瘤嚢内に埋め込むことと、塞栓インプラントからの力を提供して、編組の少なくとも一部分を動脈瘤の壁の第2の部分に並置することと、を含んでもよい。
【0023】
この方法は、動脈瘤内の編組の埋め込み位置を維持するのに十分な力を、外側閉塞袋と動脈瘤壁との間に提供することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ以上の実装形態を描写している。
図1A】本発明の態様による、展開状態にある例示的なインプラント断面の図である。
図1B】本発明の態様による、展開状態にある例示的なインプラント断面の図である。
図1C】本発明の態様による、遠位端から見た際の展開状態にある例示的なインプラントの図である。
図2】本発明の態様による、マイクロカテーテル内で畳み込み状態にある例示的なインプラントの図である。
図3A】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図3B】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図3C】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図3D】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図3E】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図3F】本発明の態様による、例示的なインプラントの埋め込みシーケンスの図である。
図4A】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4B】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4C】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4D】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4E】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4F】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図4G】本発明の態様による、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンスの図である。
図5】本発明の態様による、展開状態において埋め込まれた遠位閉鎖部材のない例示的なインプラントの図である。
図6A】本発明の態様による、例示的なインプラントと共に使用するための例示的な送達システムを示す概略的透視図である。
図6B】本発明の態様による送達システム及びインプラントの部分的な断面を伴う図6Aの概略的透視図である。
図7A】本発明の態様による、送達システム及びインプラントが部分的に断面になっている、展開された図6A図6Bの概略的透視図である。
図7B】本発明の態様による、例示的な送達システムがインプラントから取り外された状態で展開された図6A図6Bの概略的透視図である。
図8】本発明の態様による、畳み込み状態にあるインプラントを有する別の例示的なデバイスの図である。
図9A】本発明の態様による、図8の例示的なデバイスの例示的な埋め込みシーケンスの図である。
図9B】本発明の態様による、図8の例示的なデバイスの例示的な埋め込みシーケンスの図である。
図9C】本発明の態様による、図8の例示的なデバイスの例示的な埋め込みシーケンスの図である。
図10】本発明の態様による、閉塞インプラントの埋め込み中に実行され得る方法工程例を概説するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
一般に、本明細書に記載される例示的なデバイスは、マイクロカテーテルを通して動脈瘤治療部位に送達されるように成形された畳み込み状態から、インプラントが動脈瘤嚢内から動脈瘤を閉塞するように成形された展開状態へと拡張可能な可撓性本体を有するインプラントを含むことができる。展開状態では、インプラントは、一般に、外側閉塞袋内に入れ子になった内側閉塞袋を有するボウル形状を有することができ、それにより、外側閉塞袋及び内側閉塞袋は、インプラントの可撓性本体内の折り畳み部によって分離される。
【0026】
図1A及び図1Bは、展開状態にある例示的なインプラント断面の側面図を示す。図示されるように、インプラント100は、編組メッシュ可撓性本体を有することができる。メッシュは、折り畳み部103によって分離される内側閉塞袋104及び外側閉塞袋102を画定するように折り畳むことができる。インプラント100は、遠位端114と近位端112とを有することができ、遠位端112、近位端114のそれぞれは、閉鎖することができる。近位端閉鎖機構122は、近位端112を閉鎖することができ、遠位閉鎖機構124は、遠位端114を閉鎖することができる。閉鎖機構122、124は、当該技術分野において既知のような捲縮バンド又は端キャップであってもよい。閉鎖機構122、124は、放射線不透過性材料を含み得る。
【0027】
図1Bに示すように、近位端閉鎖機構122は、一部の動脈瘤治療において有利であり得るようなボウル形状の外側閉塞袋102内に突出して、近位端閉鎖機構122を用いて動脈瘤に隣接する血管の遮断を回避することができる。
【0028】
図1Cは、図1A及び図1Bに示されるインプラントなど、展開状態にある例示的なインプラント100の遠位側から見た図である。
【0029】
図2は、マイクロカテーテル600内で畳み込み状態にある例示的なインプラント100の図である。畳み込み状態では、インプラント100は、近位端112と、遠位端114と、近位端112と遠位端114との間に延在する編組区分又は他の可撓性かつ拡張可能な区分110と、を有する実質的に管状の形状を有することができる。編組区分110は、中心軸の周りに螺旋状に巻き付くワイヤのチューブを形成するために編組された可撓性ワイヤを含むことができ、ワイヤの約半分が時計回りに巻き付けられ、他半分が反時計回りに巻き付けられており、これにより、反対方向に延在するワイヤは、互い違いに斜めに上下に巻き付いている。インプラント100が畳み込み状態にあるとき、区分110は、治療部位に送達されるように、曲がりくねった解剖学的形状をナビゲートするマイクロカテーテル600を通して送達されるのに十分な可撓性を有することができる。
【0030】
インプラント100は、近位端閉鎖機構122、遠位端閉鎖機構124、又は近位端閉鎖機構122と遠位端閉鎖機構124の両方を含むことができる。端閉鎖機構122、124は、放射線不透過性材料を含むことができ、また、マイクロカテーテル600を通してインプラント100を治療部位に送達するための手段の一部としても機能することができる。
【0031】
図3A図3Fは、例示的なインプラント100の埋め込みシーケンス中に生じ得る段階又は工程の図である。図3Aから開始すると、インプラント100は、マイクロカテーテル600を通して畳み込み状態へと遠位方向にインプラント100を摺動させることによって治療部位に送達され得る。図3Aは、動脈瘤嚢12内に展開するために動脈瘤10の頸部16付近のマイクロカテーテル600内に位置付けられた遠位端閉鎖機構124を有するインプラント100の遠位端114を示す。図3A図3Fに示されるように、分岐した血管枝状部20a、20bに隣接して位置付けられた動脈瘤10を含むことができ、インプラント100は、分岐した血管枝状部20a、20bに供給する幹枝状部21を通して治療部位に送達され得る。
【0032】
図3Bは、マイクロカテーテル600から押し出された遠位閉鎖機構124を含む遠位端114を示す。編組区分110の排出部分は、マイクロカテーテル600を出るときに拡張することができる。編組区分110は、ニチノール、ニチノール合金、ポリマー形状記憶材料、又は本明細書に記載されるような再成形のための特性を有する他の形状記憶材料などの形状記憶材料を含むことができる。編組区分110は、マイクロカテーテルを出た後に、畳み込み状態の変形した形状にすること、及び所定の形状に基づいて再成形することができる。
【0033】
図3Cは、インプラント100の更なる遠位移動を示す。編組区分110のうちのより多くがマイクロカテーテル600を出ると、編組区分110は拡張し続けることができる。編組区分110はまた、反転し始めて、遠位端114に溝を形成することができる。
【0034】
図3Dは、マイクロカテーテル600を出る編組区分110のうちのより多くを示す。編組区分110のうちのより多くがマイクロカテーテル600を出ると、編組区分110は拡張及び反転し続けることができる。
【0035】
図3Eは、マイクロカテーテル600からほぼ完全に放出された編組区分110を示す。図示されるように、インプラント100は、動脈瘤10の内壁14まで延在し得る。
【0036】
図3Fは、動脈瘤10内で展開状態にあるインプラントを示す。展開状態では、編組区分110は、折り畳み部103によって分離された外側閉塞袋102及び内側閉塞袋104を形成するように折り畳むことができる。外側閉塞袋102は、インプラント100の近位端112から半径方向に延在して、動脈瘤10の頸部16の少なくとも一部分を閉塞することができる。展開状態では、外側閉塞袋102は、動脈瘤10から血流を偏向すること、動脈瘤10から血流を迂回させること、動脈瘤10からへの血流を減速させること、又はこれらの任意の組み合わせを行うことができる。
【0037】
展開状態では、外側閉塞袋102は、動脈瘤壁14まで延在することができ、外側閉塞袋102は、動脈瘤壁に対して力を提供して、インプラント100が取り除かれないように、かつ動脈瘤内への血流の阻害を無効にしないように、インプラント100の埋め込み位置を維持することができる。動脈瘤壁14に対する外側閉塞袋102の力は、動脈瘤10内のインプラント100の位置を維持するのに十分であり得る。例えば、編組区分110は、第1の所定の形状及び第2の変形形状を有する形状記憶材料で作製され得る。編組区分110は、インプラント100が畳み込み状態にあるとき、変形形状にあることができる。インプラント100が動脈瘤10内で展開状態にあるとき、編組区分110は、第1の所定の形状及び動脈瘤10の解剖学的形状に少なくとも部分的に基づく、第3の展開形状へと移動することができる。この例では、第1の所定の形状は、動脈瘤嚢12内の壁14よりも大きくサイズ決めされ得る。編組区分110は、壁14まで延在するように移動することができ、編組区分110は、形状記憶材料の特性が編組110を所定の形状の開放を試みさせる際に、壁14に対して力を提供することができる。
【0038】
インプラント100は、インプラントの近位端112付近に位置付けられた、当技術分野において知られているような端キャップ、バンド又は他の機構などの近位端閉鎖機構122を含むことができ、編組区分110を閉じる。端閉鎖機構122は、動脈瘤頸部16の開口部に対して中央に配置され得る。したがって、インプラント100は、動脈瘤10の頸部16を横切る実質的に連続的な閉塞面を画定することができる。
【0039】
展開状態では、内側閉塞袋104は、内側閉塞袋104が外側閉塞袋102内に入れ子になるように、外側閉塞袋102内に溝を形成することができる。インプラント100の遠位端114は、内側閉塞袋104の溝内で中央に位置付けられ得、動脈瘤頸部16の開口部に対して中央に位置付けられ得る。近位端閉鎖機構122と遠位端閉鎖機構124の両方を含むインプラント100について、インプラント100が展開状態にあり、動脈瘤10内に埋め込まれたときに、近位端閉鎖機構122及び遠位端閉鎖機構124は、動脈瘤頸部16内で中央に位置付けられた軸に沿って整列され得、その軸は、動脈瘤頸部16の平面に対して垂直である。
【0040】
内側閉塞袋104及び外側閉塞袋102は、実質的にボウル形状の構造又は実質的に囲まれたボウル形状の容積を共に形成することができる。内側閉塞袋104及び外側閉塞袋102は、折り畳み部103によって分離され得る。折り畳み部103は、ボウル形状の構造又は容積の環状隆起部を画定することができる。折り畳み部103は、動脈瘤壁14の環状表面に並置するように位置付けられ得る。編組メッシュ110によって画定されるボウル形状の構造は、動脈瘤頸部16を横切って外向きに、かつ動脈瘤壁14に上向きに並置された、近位端112から半径方向に延在する実質的に連続した表面を有することができ、次いで、下向きかつ半径方向に内向きに折り畳まれて、編組メッシュ110の遠位端114で収束する溝を形成する。編組区分110の第1の部分は、自己拡張して外側閉塞袋102を形成することができ得、編組区分110の第2の部分は、自己反転して内側閉塞袋104を形成することができ得る。
【0041】
図4A図4Gは、例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンス例の間に生じ得る段階又は工程の図である。図4Aは、動脈瘤嚢12内に位置付けられた遠位端を有する塞栓インプラント送達カテーテル200を示す。図4Bは、動脈瘤頸部16付近でマイクロカテーテル600内に位置付けられたインプラント100を有する、動脈瘤10の頸部16に位置付けられたマイクロカテーテル600を示す。塞栓インプラント送達カテーテル200とインプラント100を送達するマイクロカテーテル600は両方とも、分岐部で動脈瘤を治療するときに、幹血管21を通して治療部位に送達され得る。
【0042】
図4Cは、図3Bに示されるように、編組区分がマイクロカテーテル600を出るときの編組区分110の拡張を示す。図4Cを参照すると、拡張している区分は、塞栓インプラント送達カテーテル200に対して押し始めることができる。
【0043】
図4Dは、動脈瘤嚢12内で展開状態にあるインプラント100を示す。展開されたインプラントは、塞栓インプラント送達カテーテル200に対して力を提供することができ、塞栓インプラント送達カテーテル200を動脈瘤壁14に対して押す。この構成では、塞栓インプラント送達カテーテル200は、インプラントによって提供される力が塞栓インプラント送達カテーテル200を動脈瘤壁14に並置し、塞栓カテーテルを定位置で保持し、動脈瘤嚢12内での塞栓インプラント送達カテーテル200の移動を阻害するように、「留置する」ことができる。
【0044】
図4Eは、塞栓インプラント送達カテーテル200を介して動脈瘤嚢12内に埋め込まれる塞栓コイルなどの塞栓インプラント300を示す。動脈瘤10内で展開状態にある閉塞性インプラント100は、塞栓インプラント300が動脈瘤10の頸部16を通って出ることを阻害することができる。塞栓インプラント300は、ボウル形状の閉塞性インプラントを充填することができ、ボウルの溝内から力を提供して、閉塞性インプラントを動脈瘤壁14に対して外向きに押すことができる。塞栓インプラント300からの力は、治療の完了後、閉塞性インプラント100及び塞栓インプラント300の埋め込み位置を維持するように機能することができる。
【0045】
図4Fは、塞栓インプラント300の埋め込み完了後に遠位方向に引き抜かれている塞栓インプラント送達カテーテル200を示す。
【0046】
図4Gは、マイクロカテーテル600及び塞栓インプラント送達カテーテル200の引き抜き後の動脈瘤を示しており、埋め込みプロセスが完了している。
【0047】
図5は、展開状態において埋め込まれた遠位閉鎖部材のない例示的なインプラントの図である。
【0048】
図6A図7Bは、動脈瘤10内で編組10を展開し取り外すための、送達チューブ400と編組110との間の取り付け及び送達の例を一般的に示す。図6A図7Bの例は、送達チューブ400及び編組110が取り付けられ得る一手法を描写するが、理解されるように、必要性又は要件に応じて当技術分野において既知の任意の数の取り付け手段が企図される。
【0049】
図6A及び図6Bは、送達チューブ400の遠位端において送達システムと係合された編組110の近位端112に係止部材454が固定されているインプラントを示す。図示される送達システムは、係止部材454の開口部459を通って移動するように遠位端で屈曲している、送達チューブ400の内腔を通って延在するループワイヤ458と、ループワイヤ458に隣接する送達チューブの内腔を通って延在し、かつループワイヤ458の遠位開口部460を通って延在する係止ロッド452と、を含む。図6Bに示すように、係止ロッド452がループワイヤ458の遠位開口部460を通して押され、ループワイヤ458が係止部材454の開口部459を通して供給されると、編組110は、送達チューブ400の遠位端414と係合され得る。
【0050】
送達チューブ400は、送達チューブ400の屈曲及び/又は撓曲を可能にし得る圧縮可能部分438を含むことができる。このような可撓性により、マイクロカテーテル及び脈管構造の曲がりくねった経路を通じてインプラント100を追跡するのを支援することができる。圧縮可能部分438はまた、図7A及び図7Bに関連して説明されるように、編組110の展開中に編組110を放出するように延在することができる長手方向に圧縮された状態で送達され得る。
【0051】
図7Aは、近位方向に引かれ、ループワイヤ458の遠位開口部460から出て、ループワイヤ458から引き離されている、係止ロッド452を示す。係止ロッド452がループワイヤ458の遠位開口部460から出ると、遠位開口部460付近のループワイヤ458の少なくとも一部は、係止部分454の開口部459から出るように再成形することができる。
【0052】
図7Bに示すように、ループワイヤが係止部分454の開口部459を出ると、編組110は、送達チューブ400を係合解除することができる。送達チューブ30の圧縮可能部分38は、前方に拡張して跳ねることができ、送達チューブ400の遠位端414から編組110に遠位方向に向けられた力Eを付与して、編組110を送達チューブ400から離して押して、インプラント100のきれいな分離及び送達を確実にすることができる。
【0053】
図8は、別の送達システムによって送達される別の例示的なインプラント100aを示す。送達システムは、インプラント100aの遠位端キャップ又はバンド124aに係合するためのプッシャチューブ510と、インプラント100aの近位端112aに係合するためのプッシャバンプ520とを含み得る。インプラント100aは、インプラント100aの大部分がプッシャチューブ510内に嵌合するようにサイズ決めされ、かつ遠位端部材124aがプッシャチューブ510の内側寸法よりも大きくサイズ決めされるようにサイズ決めされた実質的に管状の形状を有することができる。図8に示すように、プッシャチューブ510の遠位並進は、遠位端部材124aを遠位方向に押すことができ、マイクロカテーテル600を通してインプラント100aを治療部位に移動させることができる。
【0054】
図9A図9Cは、図8に示されるインプラント100aなどの例示的なインプラントの別の埋め込みシーケンス例の間に生じ得る段階又は工程の図である。図9Aは、動脈瘤頸部16付近でマイクロカテーテル600内に位置付けられたインプラント100aを有する、動脈瘤10の頸部16に位置付けられたマイクロカテーテル600を示す。インプラント100aは、分岐部で動脈瘤を治療するときに幹血管21を通して治療部位に送達され得、プッシャチューブ510は、マイクロカテーテル600を通してインプラント100aを並進させるために使用され得る。
【0055】
図9Bは、マイクロカテーテル600から放出され、展開状態へと移動するプロセスにあるインプラント100aを示す。プッシャバンプ520を遠位方向に押すことによって、インプラント100aをプッシャチューブ510及びマイクロカテーテル600から押し出すことができる。プッシャバンプ520は、コアワイヤ又は他の細長い部材に取り付けることができ、当該技術分野において既知の手段によって製造することができる。
【0056】
図9Cは、本明細書の実施例に関連して記載及び図示されたものと同様の、展開状態にあるインプラント100aを示す。
【0057】
図10は、閉塞インプラントの埋め込み中に実行され得る方法工程例を概説するフロー図である。方法工程は、本明細書に記載される例示的な手段のいずれかによって、又は当業者に既知である任意の手段によって実装することができる。
【0058】
図10に概説される方法700を参照すると、工程710において、拡張可能な編組を、拡張可能な編組がマイクロカテーテル内で畳み込み状態にあるように、マイクロカテーテル内に位置付けることができる。工程720において、マイクロカテーテルを通して編組を動脈瘤に向かって遠位方向に摺動させることができる。工程730において、編組の遠位端を含む編組の第1の部分をマイクロカテーテルから動脈瘤の嚢内に排出することができる。工程740において、編組の第1の部分を拡張することができる。工程750において、編組の近位端を含む編組の第2の部分をマイクロカテーテルから動脈瘤の嚢内に排出することができる。工程760において、編組の近位端が動脈瘤頸部の中央付近に位置付けられ、編組の第2の部分が近位端から半径方向に延在して外側閉塞袋を形成するように、編組の第2の部分を拡張させて動脈瘤の頸部を閉塞し、外側閉塞袋を形成することができる。工程770において、編組の第1の部分を反転させて、外側閉塞袋内に入れ子になった内側閉塞袋を形成することができる。工程780において、外側閉塞袋により、動脈瘤内の拡張された編組の埋め込み位置を維持するのに十分な力を動脈瘤壁に対して提供することができる。
【0059】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、動脈瘤を閉塞するためのデバイスの多くの変形及び修正を企図し、本明細書に記載される要素及び構成要素の代替的な幾何学的形状を含み、当該技術分野において既知であるように拡張可能な区分を編組する、編む、製織する、又はさもなければ形成するための任意の数の既知の手段を利用し、各構成要素又は要素のための多数の材料のいずれか(例えば、放射線不透過性材料、形状記憶材料など)を利用し、治療部位にインプラントを送達するための又は送達カテーテルからインプラントを放出するための構成要素を含む追加の構成要素を利用し、あるいは、例えば、本明細書に記載されていない機能を実行するために追加の構成要素を利用する。これらの修正形態は、本発明の関連技術分野の当業者に明らかであろうし、かつ、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) 動脈瘤を閉塞するためのデバイスであって、
畳み込み状態から展開状態へと移動可能なインプラントであって、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に実質的に連続的な編組構造を形成する編組区分と、を備える、インプラント
を備え、
前記展開状態では、前記インプラントは
前記インプラントの前記近位端から延在し、動脈瘤頸部を閉塞することが可能な外側閉塞袋と、
前記インプラントの前記遠位端を形成して延在し、前記外側閉塞袋内に溝を形成する内側閉塞袋と、
前記外側閉塞袋と前記内側閉塞袋との間に位置付けられた前記編組区分内の折り畳み部と、
を備える、デバイス。
(2) 前記編組区分の第1の部分は、自己拡張して前記外側閉塞袋を形成することができ、前記編組区分の第2の部分は、自己反転して前記内側閉塞袋を形成することができる、実施態様1に記載のデバイス。
(3) 前記展開状態では、前記外側閉塞袋は、動脈瘤壁まで延在して、前記動脈瘤壁に対して力を提供することができる、実施態様1に記載のデバイス。
(4) 前記展開状態では、動脈瘤壁に対する前記外側閉塞袋の対置は、前記動脈瘤内の前記インプラントの位置を維持するのに十分である、実施態様1に記載のデバイス。
(5) 塞栓充填剤を更に備え、
前記塞栓充填剤は、前記動脈瘤の嚢内に埋め込み可能であり、
前記展開状態では、前記インプラントは、前記塞栓充填剤が前記嚢を出ることを阻害し、
前記塞栓充填剤は、前記インプラントを動脈瘤壁に並置する力を提供する、
実施態様1に記載のデバイス。
【0061】
(6) 前記畳み込み状態では、前記インプラントは、マイクロカテーテルを通して前記動脈瘤に送達されるようにサイズ決めされている、実施態様1に記載のデバイス。
(7) 前記インプラントの前記近位端又は前記インプラントの前記遠位端のうちの1つ以上は閉鎖されている、実施態様1に記載のデバイス。
(8) 前記遠位端又は前記近位端のうちの1つ以上は、バンド、端キャップ又はヒートセットのうちの1つによって閉鎖されている、実施態様7に記載のデバイス。
(9) 前記編組区分は、形状記憶材料を含み、前記編組区分は、第1の所定の形状及び第2の変形形状を含み、
前記編組区分は、前記インプラントが前記畳み込み状態にあるときに前記第2の変形形状にあり、
前記編組区分は、前記インプラントが前記展開状態にあるときに第3の展開形状へと移動し、前記第3の展開形状は、前記所定の形状及び動脈瘤壁の曲率に少なくとも部分的に基づく、
実施態様1に記載のデバイス。
(10) 前記展開状態では、前記外側閉塞袋は、前記動脈瘤頸部を封止して、前記動脈瘤内への流れの偏向、迂回及び減速のうちの少なくとも1つを行うことができる、実施態様1に記載のデバイス。
【0062】
(11) 前記展開状態では、前記インプラントは、実質的に囲まれた容積を画定する、実施態様1に記載のデバイス。
(12) 前記展開状態では、前記インプラントの前記遠位端及び前記近位端はそれぞれ、前記動脈瘤頸部によって画定された平面に対してほぼ垂直な軸に沿って位置付けられており、前記動脈瘤頸部の中央に近接する、実施態様1に記載のデバイス。
(13) 前記インプラントは、分岐した血管枝状部に隣接する動脈瘤に埋め込み可能であり、前記インプラントは、前記分岐した血管枝状部に供給する幹枝状部を通して前記動脈瘤に送達可能である、実施態様1に記載のデバイス。
(14) 編組メッシュを含む動脈瘤を治療するためのインプラントであって、
前記編組メッシュは、埋め込み構成へと移動可能であり、前記編組メッシュは、前記埋め込み構成において実質的に囲まれたボウル形状の容積を画定する実質的に連続した表面を備える、インプラント。
(15) 前記編組メッシュは、第1の端部及び第2の端部を有する実質的に管状の構成から前記埋め込み構成へと移動可能であり、
前記埋め込み構成では、前記第1の端部及び前記第2の端部はそれぞれ、前記ボウル形状の容積の中央に近接して位置付けられており、前記編組メッシュ内の折り畳み部は、前記ボウル形状の容積の環状隆起部を画定する、
実施態様14に記載のインプラント。
【0063】
(16) 動脈瘤を閉塞する方法であって、
拡張可能な編組をマイクロカテーテル内に位置付けることであって、前記編組は、前記マイクロカテーテル内で畳み込み状態にあり、遠位端及び近位端を備える、ことと、
前記マイクロカテーテルを通して前記編組を前記動脈瘤に向かって遠位方向に摺動させることと、
前記編組の前記遠位端を含む前記編組の第1の部分を前記マイクロカテーテルから前記動脈瘤の嚢内に排出することと、
前記編組の前記第1の部分を拡張することと、
前記編組の前記近位端を含む前記編組の第2の部分を前記マイクロカテーテルから前記動脈瘤の前記嚢内に排出することと、
前記編組の前記第2の部分を拡張させて前記動脈瘤の頸部を閉塞し、外側閉塞袋を形成することであって、前記編組の前記近位端は、前記動脈瘤の前記頸部の中央に近接して位置付けられ、前記編組の前記第2の部分は、前記近位端から半径方向に延在して前記外側閉塞袋を形成する、ことと、
前記編組の前記第1の部分を反転させて、前記外側閉塞袋内に入れ子になった内側閉塞袋を形成することと、
を含む、方法。
(17) 塞栓インプラントを送達するための第2のカテーテルの遠位端を、前記遠位端が前記動脈瘤嚢内に位置付けられるように位置付けること
を更に含み、
前記編組の前記第2の部分の前記拡張工程は、前記編組の前記第2の部分と前記動脈瘤の壁の第1の部分との間に前記第2のカテーテルを閉じ込めることを更に含む、
実施態様16に記載の方法。
(18) 前記塞栓インプラントを前記第2のカテーテルを通して前記動脈瘤に送達することと、
前記塞栓インプラントを前記動脈瘤嚢内に埋め込むことと、
前記編組の少なくとも一部分を前記動脈瘤の前記壁の第2の部分に並置するために、前記塞栓インプラントから力を提供することと、
を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記編組は、自己拡張性である、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記動脈瘤内の前記編組の埋め込み位置を維持するのに十分な力を、前記外側閉塞袋と動脈瘤壁との間に提供することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10