(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】両手用ゴルフ手袋
(51)【国際特許分類】
A63B 71/14 20060101AFI20231225BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A63B71/14 C
A41D19/015 210A
(21)【出願番号】P 2019187595
(22)【出願日】2019-10-11
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】馬籠 慧
【審査官】上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-085641(JP,A)
【文献】米国特許第03255461(US,A)
【文献】米国特許第05511248(US,A)
【文献】実開昭57-120069(JP,U)
【文献】登録実用新案第3080475(JP,U)
【文献】特表2002-508455(JP,A)
【文献】特開平01-160580(JP,A)
【文献】特開2003-175143(JP,A)
【文献】特開2004-242894(JP,A)
【文献】特開2009-022389(JP,A)
【文献】国際公開第2002/024010(WO,A2)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0052153(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0109934(US,A1)
【文献】米国特許第6732377(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/14
A41D 19/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利き手に装着される第一の手袋と、利き手でない手に装着される第二の手袋と、を有し、前記第一の手袋と前記第二の手袋とが非対称な構造である両手用ゴルフ手袋であって、
前記第一の手袋は、掌側表面の中指、薬指、及び親指の範囲に滑り止め部を有し、
前記第一の手袋の掌側表面の人差指及び小指の範囲は、前記滑り止め部よりも滑りやすい素材で形成され、
前記滑り止め部は、シリコーン樹脂により形成され、
前記滑り止め部は、ハニカム状のパターンに形成され、
前記第二の手袋は、掌側表面の80%以上に滑り止め部を有することを特徴とする両手用ゴルフ手袋。
【請求項2】
前記第一の手袋の前記滑り止め部は、前記親指の範囲から母指球の範囲に延伸していることを特徴とする請求項
1に記載の両手用ゴルフ手袋。
【請求項3】
前記第二の手袋は、甲側表面の人差指の範囲に滑り止め部を更に有することを特徴とする請求項1
又は2に記載の両手用ゴルフ手袋。
【請求項4】
前記第二の手袋は、掌側裏面の中指、薬指、及び小指の付け根と当接する部分に滑り止め部を更に有することを特徴とする請求項1乃至
3の何れか一項に記載の両手用ゴルフ手袋。
【請求項5】
前記滑り止め部のハニカム状のパターンの開口部内に下地が露出し、
前記滑り止め部と前記開口部内に露出する前記下地との合計面積に対する前記滑り止め部の面積を暴露比率としたときに、前記暴露比率は40%以上70%以下であることを特徴とする請求項
1乃至4の何れか一項に記載の両手用ゴルフ手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両手用ゴルフ手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゴルフ用手袋に求められる性能として、ゴルフグリップを握る際のグリップ力を重視する傾向が高まっており、片手が一般的だったゴルフ用手袋においても、両手用ゴルフ手袋の需要が高まっている。
【0003】
ゴルフのスイングにおける左右の手の役割はそれぞれ異なっていて、ゴルフ用の手袋に求められる性能も右手と左手では異なる。例えば、グリップ力を高めることを目的として、ゴルフ用手袋は合成皮革、天然皮革、人工皮革等の皮革により形成されているが、利き手側の微妙な感覚を維持することも重要となるため、利き手側のグリップ力よりも利き手の感覚の維持を優先し、利き手側に手袋をしないゴルファーも多い。
【0004】
そこで、ゴルフ用の手袋について、グリップを握った時の微妙な感覚の維持や、ゴルフボールを打撃した時の滑り止めに関する様々な検討がなされている。
【0005】
しかしながら、両手用ゴルフ手袋の場合には、利き手の感覚の維持と滑り止めとの両立が十分に実現できていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-242894号公報
【文献】特許第4867057号
【文献】特許第5859800号
【文献】実用新案登録第3097271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、利き手の感覚の維持と滑り止めとを両立させた両手用ゴルフ手袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本両手用ゴルフ手袋は、利き手に装着される第一の手袋と、利き手でない手に装着される第二の手袋と、を有し、前記第一の手袋と前記第二の手袋とが非対称な構造である両手用ゴルフ手袋であって、前記第一の手袋は、掌側表面の中指、薬指、及び親指の範囲に滑り止め部を有し、前記第一の手袋の掌側表面の人差指及び小指の範囲は、前記滑り止め部よりも滑りやすい素材で形成され、前記滑り止め部は、シリコーン樹脂により形成され、前記滑り止め部は、ハニカム状のパターンに形成され、前記第二の手袋は、掌側表面の80%以上に滑り止め部を有する。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、利き手の感覚の維持と滑り止めとを両立させた両手用ゴルフ手袋を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図(その1)である。
【
図2】第1実施形態に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図(その2)である。
【
図3】
図1及び
図2において梨地模様で示した滑り止め部41の部分拡大図である。
【
図4】第1実施形態の変形例1に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図である。
【
図5】第1実施形態の変形例2に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図である。
【
図6】第1実施形態の変形例3に係る両手用ゴルフ手袋の一方を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、以下の各実施形態及び変形例に係る両手用ゴルフ手袋の説明は、右手が利き手のゴルファーを例にして記載しているが、これには限定されない。
【0013】
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図(その1)であり、
図1(a)は左手用ゴルフ手袋を甲側から視た図を示し、
図1(b)は右手用ゴルフ手袋を甲側から視た図を示している。
【0014】
図2は、第1実施形態に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図(その2)であり、
図2(a)は左手用ゴルフ手袋を掌側から視た図を示し、
図2(b)は右手用ゴルフ手袋を掌側から視た図を示している。
【0015】
図1及び
図2に示すように、両手用ゴルフ手袋1は、利き手ではない左手に装着する左手用ゴルフ手袋2と、利き手である右手に装着する右手用ゴルフ手袋3とを有している。
【0016】
左手用ゴルフ手袋2は、主に装着者の左手の人差指、中指、薬指、小指、小指球、甲、及び掌を受け入れる第1部分21と、主に装着者の左手の親指及び母指球を受け入れる第2部分22とを備えている。
【0017】
左手用ゴルフ手袋2において、第1部分21と第2部分22とは縫製されている。第1部分21には、装着者の左手の人差指を受け入れる人差指袋211、装着者の左手の中指を受け入れる中指袋212、装着者の左手の薬指を受け入れる薬指袋213、装着者の左手の小指を受け入れる小指袋214、開閉部215が形成されている。第2部分22には、装着者の左手の親指を受け入れる親指袋221が形成されている。第1部分21や第2部分22に通気孔219を設けてもよい。
【0018】
開閉部215は、装着者が左手用ゴルフ手袋2を脱装着する際に開閉する部材である。例えば、開閉部215の裏面側に雄側の面ファスナーが設けられており、第1部分21の開閉部215と対向する部分に設けられた雌側の面ファスナーとの間で脱装着される。開閉部215を開閉することで、装着者は左手用ゴルフ手袋2を自身の左手に容易に脱装着できる。
【0019】
右手用ゴルフ手袋3は、主に装着者の右手の人差指、中指、薬指、小指、小指球、甲、及び掌を受け入れる第1部分31と、主に装着者の右手の親指及び母指球を受け入れる第2部分32とを備えている。
【0020】
右手用ゴルフ手袋3において、第1部分31と第2部分32とは縫製されている。第1部分31には、装着者の右手の人差指を受け入れる人差指袋311、装着者の右手の中指を受け入れる中指袋312、装着者の右手の薬指を受け入れる薬指袋313、装着者の右手の小指を受け入れる小指袋314、開閉部315が形成されている。第2部分32には、装着者の右手の親指を受け入れる親指袋321が形成されている。第1部分31や第2部分32に通気孔319を設けてもよい。
【0021】
開閉部315は、装着者が右手用ゴルフ手袋3を脱装着する際に開閉する部材である。例えば、開閉部315の裏面側に雄側の面ファスナーが設けられており、第1部分31の開閉部315と対向する部分に設けられた雌側の面ファスナーとの間で脱装着される。開閉部315を開閉することで、装着者は右手用ゴルフ手袋3を自身の右手に容易に脱装着できる。
【0022】
左手用ゴルフ手袋2において、第1部分21及び第2部分22は滑り止め部41を有している。第1部分21及び第2部分22において、滑り止め部41と他の部分とは縫製されている。
図1及び
図2において、梨地模様で示した部分が滑り止め部41が設けられた領域である。
【0023】
左手用ゴルフ手袋2において、滑り止め部41は、左手の掌側表面の80%以上に設けられている。左手用ゴルフ手袋2において、滑り止め部41を左手の掌側表面の80%以上に設けることで、左手とグリップとの一体感を高め、滑り止め効果を十分に発揮できる。左手用ゴルフ手袋2において、滑り止め部41は、左手の掌側表面の100%に設けてもよい。
【0024】
右手用ゴルフ手袋3において、第1部分31及び第2部分32は滑り止め部41を有している。第1部分31及び第2部分32において、滑り止め部41と他の部分とは縫製されている。
図1及び
図2において、梨地模様で示した部分が滑り止め部41が設けられた領域である。
【0025】
右手用ゴルフ手袋3において、滑り止め部41は、少なくとも右手の掌側表面の中指、薬指、親指の範囲に設けられている。右手の掌側表面の人差指及び小指の範囲には滑り止め部41は設けられていなく、滑り止め部41よりも滑りやすい素材(例えば、人工皮革、天然皮革、又は合成皮革)で形成されている。
【0026】
右手用ゴルフ手袋3において、滑り止め部41を少なくとも右手の掌側表面の中指、薬指、親指の範囲に設けるとともに、人差指及び小指の範囲には滑り止め部41を設けないことで、人差指及び小指の部分とグリップとの間に過度な一体感が生まれるのを防ぎ、右手の微妙な感覚が失われることなく、十分な滑り止め効果を発揮できる。
【0027】
左手用ゴルフ手袋2及び右手用ゴルフ手袋3において、滑り止め部41以外の部分は、例えば、人工皮革、天然皮革、合成皮革等により形成できる。
【0028】
左手用ゴルフ手袋2及び右手用ゴルフ手袋3において、滑り止め部41は、人工皮革、天然皮革、又は合成皮革からなる下地上に貼り付けられている。滑り止め部41は、例えば、所定パターンに加工されたシリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ニトリルゴム等により形成できる。これらの中でも、プリント技術により加工しやすく、グリップに対して高い滑り止め効果を発揮するシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
図3は、
図1及び
図2において梨地模様で示した滑り止め部41の部分拡大図であり、
図3(a)は平面図、
図3(b)は
図3(a)のA-A線に沿う断面図である。
図3に示すように、滑り止め部41は、おおよそハニカム状のパターンに形成されており、人工皮革、天然皮革、又は合成皮革からなる下地42上に貼り付けられている。
【0030】
図3(a)において梨地模様で示した部分が滑り止め部41であり、滑り止め部41の六角形状の開口部411(滑り止め部41の未形成部分)からは下地42が露出している。なお、下地42は、滑り止め部41の開口部411内に入り込んでもよいし、開口部411から突起してもよい。
【0031】
滑り止め部41の六角形状の開口部411の長さXは、例えば、2.5mm~3.5mm程度であり、長さYは、例えば、2.5mm~3.5mm程度である。
【0032】
滑り止め部41は、ハニカム状のパターンにおいて、六角形状の開口部411の一部が規則的に埋められている(例えば、
図3(a)のB部)。これにより、滑り止まる度合いを一律に調節することができる。図示しないが、開口を埋める部分を不規則にした場合、六角形状の開口部411の埋め方に粗密をつけることで滑り止め効果を細かく設計することも可能になる。
【0033】
滑り止め部41は、ハニカム状のパターンに代えて、格子状のパターン、ストライプ状のパターン、ドット状のパターン等としてもよい。
【0034】
但し、滑り止め部41をハニカム状のパターンとすることで、異方性が少なくなり、場所によらず均一な滑り止め効果が得られやすくなる。又、滑り止め部41が設けられた部分の伸びを抑制できる。
【0035】
滑り止め部41と開口部411内に露出する下地42との合計面積に対する滑り止め部41の面積を暴露比率としたときに、暴露比率は40%以上70%以下であることが好ましい。暴露比率が40%以上70%以下であることで、人工皮革等からなる下地42の風合いを損ねないと共に、ベタ塗りした場合のように滑り止め部41を形成した部分が硬くなりすぎることを抑制できる。
【0036】
このように、両手用ゴルフ手袋1において、左手用ゴルフ手袋2と右手用ゴルフ手袋3の各々が滑り止め部41を備えているが、滑り止め部41の形成位置が左手用ゴルフ手袋2と右手用ゴルフ手袋3で異なる非対称な構造である。
【0037】
具体的には、左手用ゴルフ手袋2において、滑り止め部41は左手の掌側表面の80%以上に設けられている。一方、右手用ゴルフ手袋3において、滑り止め部41は少なくとも右手の掌側表面の中指、薬指、親指の範囲に設けられており、人差指及び小指の範囲には設けられていない。
【0038】
滑り止め部41の形成位置をこのような構成とすることで、左手とグリップとの一体感を高められると共に、利き手である右手の微妙な感覚が失われることなく滑り止め効果を発揮できる。特に、右手が悪さをするゴルファーについては、左手に左手用ゴルフ手袋2を装着すると共に右手に右手用ゴルフ手袋3を装着することで、右手の悪さを抑制可能となり、安定した方向性と飛びを実現できる。
【0039】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、右手用ゴルフ手袋の滑り止め部が設けられる領域が第1実施形態とは異なる例を示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0040】
図4は、第1実施形態の変形例1に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図であり、
図4(a)は左手用ゴルフ手袋を掌側から視た図を示し、
図4(b)は右手用ゴルフ手袋を掌側から視た図を示している。なお、左手用ゴルフ手袋を甲側から視た図及び右手用ゴルフ手袋を甲側から視た図は
図1と同様であるため、図示を省略する。
【0041】
図4に示すように、両手用ゴルフ手袋1Aは、利き手ではない左手に装着する左手用ゴルフ手袋2と、利き手である右手に装着する右手用ゴルフ手袋3Aとを有している。左手用ゴルフ手袋2については、第1実施形態で説明した通りである。
【0042】
右手用ゴルフ手袋3Aは、主に母指球を受け入れる第2部分32にも滑り止め部41が設けられた点が、右手用ゴルフ手袋3(
図2(b)参照)と相違する。すなわち、右手用ゴルフ手袋3Aの滑り止め部41は、親指の範囲から母指球の範囲に延伸している。
【0043】
このように、滑り止め部41は、親指の範囲から母指球の範囲に延伸してもよい。滑り止め部41が親指の範囲から母指球の範囲に延伸することで、左手親指が右手生命線に沿って右手の掌に密着するため、両手の一体感を得ることができる。
【0044】
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、左手用ゴルフ手袋の滑り止め部が設けられる領域が第1実施形態とは異なる例を示す。なお、第1実施形態の変形例2において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0045】
図5は、第1実施形態の変形例2に係る両手用ゴルフ手袋を例示する図であり、
図5(a)は左手用ゴルフ手袋を甲側から視た図を示し、
図5(b)は右手用ゴルフ手袋を甲側から視た図を示している。なお、左手用ゴルフ手袋を掌側から視た図及び右手用ゴルフ手袋を掌側から視た図は
図2と同様であるため、図示を省略する。
【0046】
図5に示すように、両手用ゴルフ手袋1Bは、利き手ではない左手に装着する左手用ゴルフ手袋2Bと、利き手である右手に装着する右手用ゴルフ手袋3とを有している。右手用ゴルフ手袋3については、第1実施形態で説明した通りである。
【0047】
左手用ゴルフ手袋2Bは、甲側表面の人差指の範囲に滑り止め部41を更に有する点が、左手用ゴルフ手袋2(
図1(a)参照)と相違する。
【0048】
このように、滑り止め部41は、甲側表面の人差指の範囲にも設けてよい。甲側表面の人差指の範囲が滑り止め部41を有することで、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップを行う際に、右手用ゴルフ手袋3の小指を覆う部分と左手用ゴルフ手袋2Bの人差指を覆う部分とが密着するため、両手の一体感を得ることができる。
【0049】
なお、第1実施形態の変形例2は、第1実施形態の変形例1と同時に実施可能である。
【0050】
〈第1実施形態の変形例3〉
第1実施形態の変形例3では、左手用ゴルフ手袋の内側にも部分的に滑り止め部が設けられる例を示す。なお、第1実施形態の変形例3において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0051】
図6は、第1実施形態の変形例3に係る両手用ゴルフ手袋の一方を例示する図であり、左手用ゴルフ手袋の一部を掌側から視た図を示している。なお、左手用ゴルフ手袋を甲側から視た図、右手用ゴルフ手袋を甲側から視た図、及び右手用ゴルフ手袋を掌側から視た図は
図1及び
図2と同様であるため、図示を省略する。
【0052】
図6に示すように、両手用ゴルフ手袋1Cは、利き手ではない左手に装着する左手用ゴルフ手袋2Cと、利き手である右手に装着する右手用ゴルフ手袋3(不図示)とを有している。右手用ゴルフ手袋3については、第1実施形態で説明した通りである。
【0053】
左手用ゴルフ手袋2Cは、第1部分21の掌側裏面の中指、薬指、及び小指の付け根と当接する部分に滑り止め部45を更に有する点が、左手用ゴルフ手袋2(
図2(a)参照)と相違する。
【0054】
滑り止め部45は、例えば、滑り止め部41と同一の構造とすることができる。但し、これには限定されず、滑り止め部45は、滑り止め部41とは異なる任意の構造として構わない。
【0055】
このように、左手用ゴルフ手袋2Cにおいて、第1部分21の掌側裏面の中指、薬指、及び小指の付け根と当接する部分に滑り止め部45を設けてもよい。第1部分21の中指、薬指、及び小指の付け根部分の表面側は、左手用ゴルフ手袋2Cの表面側においてグリップと最も接し易い部分である。この部分の裏面側に滑り止め部45を設けることで、装着者の手と左手用ゴルフ手袋2Cとの間の摩擦が高くなり、装着者の手と左手用ゴルフ手袋2Cとが滑り難くなるため、装着者の手と左手用ゴルフ手袋2Cとの一体感を高めることができる。
【0056】
なお、第1実施形態の変形例3は、第1実施形態の変形例1及び/又は変形例2と同時に実施可能である。
【0057】
以上の各実施形態及び変形例に係る両手用ゴルフ手袋の説明は、右手が利き手のゴルファーを例にして記載しているが、左手が利き手のゴルファーの場合には左右の構造が反対になる。左手が利き手のゴルファーの場合には、例えば、右手用ゴルフ手袋において、滑り止め部が右手の掌側表面の80%以上に設けられる。一方、左手用ゴルフ手袋において、滑り止め部が少なくとも左手の掌側表面の中指、薬指、親指の範囲に設けられ、人差指及び小指の範囲には設けられない。
【0058】
すなわち、各実施形態及び変形例に係る両手用ゴルフ手袋は、利き手に装着される第一の手袋と、利き手でない手に装着される第二の手袋とを有し、第一の手袋と第二の手袋とが非対称な構造である両手用ゴルフ手袋であって、第一の手袋は掌側表面の中指、薬指、及び親指の範囲に滑り止め部を有し、第二の手袋は掌側表面の80%以上に滑り止め部を有することが特徴である。
【0059】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0060】
1、1A、1B、1C 両手用ゴルフ手袋
2、2B、2C 左手用ゴルフ手袋
3、3A 右手用ゴルフ手袋
21、31 第1部分
22、32 第2部分
41、45 滑り止め部
42 下地
211、311 人差指袋
212、312 中指袋
213、313 薬指袋
214、314 小指袋
215、315 開閉部
219、319 通気孔
411 開口部