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特許7408348シャーシ共有システム、端末装置および管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】シャーシ共有システム、端末装置および管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20231225BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019197274
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021071851
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】593078202
【氏名又は名称】日本トランスシティ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514174213
【氏名又は名称】株式会社フェニックスソリューション
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】太田 聖
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅和
(72)【発明者】
【氏名】清 雅人
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-228789(JP,A)
【文献】特開2004-189415(JP,A)
【文献】特開2016-199329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車であるヘッドに対して被牽引車であるシャーシが接続されて運送を行うトラックの前記ヘッドと対応する端末装置と、管理サーバとが、ネットワークを通じて接続されて構成されるシャーシ共有システムであって、
前記端末装置は、
前記ヘッドに対して接続する前記シャーシのシャーシ識別情報の入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段を通じて受け付けた前記シャーシ識別情報と、自機に対応する前記ヘッドのヘッド識別情報とを含む接続通知を形成する第1の形成手段と、
前記第1の形成手段で形成された前記接続通知を前記管理サーバに送信する第1の送信手段と、
自機の現在位置を順次に測位する測位手段と、
所定のタイミングごとに、前記測位手段で測位された最新の現在位置と、前記ヘッド識別情報とを含む現在位置情報を、前記管理サーバに送信する第2の送信手段と、
前記ヘッドに対して接続した前記シャーシを、前記ヘッドから切り離す場合に、切り離し指示入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段を通じて前記切り離し指示入力を受け付けた場合に、自機に対応する前記ヘッドの前記ヘッド識別情報と、前記ヘッドに接続するようにした前記シャーシの前記シャーシ識別情報とを含む切り離し通知を形成する第2の形成手段と、
前記第2の形成手段で形成された前記切り離し通知を前記管理サーバに送信する第3の送信手段と
を備え、
前記管理サーバは、
前記端末装置からの前記接続通知を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段を通じて、前記接続通知を受信した場合に、前記接続通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとを、データ上で紐づけて管理できるようにする紐づけ手段と、
前記端末装置からの前記現在位置情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段を通じて受信する前記現在位置情報に基づいて、前記ヘッドの現在位置と、前記ヘッドに接続されている前記シャーシの現在位置とを管理する動態管理手段と、
前記端末装置からの前記切り離し通知を受信する第3の受信手段と、
前記第3の受信手段を通じて、前記切り離し通知を受信した場合に、前記切り離し通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとの、データ上の紐づけを解除する紐づけ解除手段と
を備え、
前記シャーシには、前記シャーシ識別情報が記録された無線タグが取り付けられており、
前記ヘッドには、近隣に位置する前記シャーシの前記無線タグから前記シャーシ識別情報を読み取って、前記端末装置に送信するタグ読み取り装置が取り付けられており
前記端末装置は、
前記タグ読み取り装置からの前記シャーシ識別情報を受信するタグ情報受信手段と、
前記タグ情報受信手段を通じて受信した近隣に位置する1以上の前記シャーシのシャーシ識別情報の一覧リストを作成して出力する一覧リスト作成手段と
を備え、
前記第1の受付手段は、前記一覧リスト作成手段により出力された前記一覧リストから目的とするシャーシ識別情報を選択するための指示入力を受け付けるものである
ことを特徴とするシャーシ共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシャーシ共有システムであって、
前記端末装置は、
前記管理サーバからの前記シャーシの接続可否情報を受信する接続可否情報受信手段と、
前記接続可否情報受信手段を通じて受信した前記接続可否情報を出力する接続可否情報出力手段と
を備え、
前記管理サーバは、
前記ヘッド識別情報と、当該ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドに対して接続すべきシャーシの関連情報とを有する配車情報を記憶する配車情報記憶手段と、
前記シャーシ識別情報と、当該シャーシ識別情報により特定される前記シャーシの属性情報とを有するシャーシ情報を記憶するシャーシ情報記憶手段と、
前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記ヘッド識別情報に基づいて、前記配車情報記憶手段の前記配車情報を参照し、使用対象のヘッドに対して接続すべきシャーシについての前記関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記シャーシ識別情報に基づいて、前記シャーシ情報記憶手段のシャーシ情報を参照し、接続対象のシャーシの前記属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記関連情報取得手段で取得された前記関連情報と、前記属性情報取得手段で取得された前記属性情報とを比較し、前記使用対象のヘッドに対して、前記接続対象のシャーシが接続可能なものか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段での判別結果を、前記端末装置に送信する判別結果送信手段と
を備え、
前記紐づけ手段は、前記判別手段での判別結果が、接続不可を示すものである場合に、前記ヘッドと前記シャーシとについて、データ上での紐付けた管理を行わないようにする
ことを特徴とするシャーシ共有システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシャーシ共有システムであって、
前記端末装置は、
前記管理サーバにアクセスし、少なくとも自機が持ち込まれるヘッドのヘッド識別情報を含む認証要求を提供して、認証を得るようにする認証処理手段と、
前記管理サーバにおいて、認証が得られた場合に前記管理サーバより提供される配車情報を受信して、所定の記憶手段に記録する配車情報記録手段と、
端末識別情報と、自機が持ち込まれるヘッドのヘッド識別情報と、自機の現在位置取得手段を通じて取得した現在位置と、直近に利用するシャーシを特定するための情報とを含むシャーシ検索要求を、前記管理サーバに対して送信するシャーシ情報検索要求手段と、
前記管理サーバから提供されるシャーシの検索結果を受信して出力する検索結果出力処理手段と
を備え、
前記管理サーバは、
前記端末装置からの前記認証要求に応じて、認証が取れた場合に、前記ヘッド識別情報に基づいて、配車情報記憶手段から前記ヘッドに対する配車情報を提供する配車情報提供手段と、
前記端末装置から前記シャーシ検索要求を受信した場合に、前記シャーシ検索要求に含まれる情報に応じて、用いられるシャーシの種別を特定し、前記ヘッドの現在位置を基準にしてシャーシ位置情報記憶手段から使用可能なシャーシの位置を特定し、当該シャーシの位置を示す情報を含む前記検索結果を形成して、前記端末装置に提供するシャーシ情報提供手段と
を備えることを特徴とするシャーシ共有システム。
【請求項4】
牽引車であるヘッドに対して被牽引車であるシャーシが接続されて運送を行うトラックの前記ヘッドと対応する端末装置と、管理サーバとが、ネットワークを通じて接続されて構成されるシャーシ共有システムの前記端末装置であって、
前記管理サーバは、前記端末装置からの接続通知を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段を通じて、前記接続通知を受信した場合に、前記接続通知に含まれる、シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとを、データ上で紐づけて管理できるようにする紐づけ手段と、前記端末装置からの現在位置情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段を通じて受信する前記現在位置情報に基づいて、前記ヘッドの現在位置と、前記ヘッドに接続されている前記シャーシの現在位置とを管理する動態管理手段と、前記端末装置からの切り離し通知を受信する第3の受信手段と、前記第3の受信手段を通じて、前記切り離し通知を受信した場合に、前記切り離し通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとの、データ上の紐づけを解除する紐づけ解除手段とを備えるものであり、
前記ヘッドに対して接続する前記シャーシの前記シャーシ識別情報の入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段を通じて受け付けた前記シャーシ識別情報と、自機に対応する前記ヘッドの前記ヘッド識別情報とを含む前記接続通知を形成する第1の形成手段と、
前記第1の形成手段で形成された前記接続通知を前記管理サーバに送信する第1の送信手段と、
自機の現在位置を順次に測位する測位手段と、
所定のタイミングごとに、前記測位手段で測位された最新の現在位置と、前記ヘッド識別情報とを含む前記現在位置情報を、前記管理サーバに送信する第2の送信手段と、
前記ヘッドに対して接続した前記シャーシを、前記ヘッドから切り離す場合に、切り離し指示入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段を通じて前記切り離し指示入力を受け付けた場合に、自機に対応する前記ヘッドの前記ヘッド識別情報と、前記ヘッドに接続するようにした前記シャーシの前記シャーシ識別情報とを含む切り離し通知を形成する第2の形成手段と、
前記第2の形成手段で形成された前記切り離し通知を前記管理サーバに送信する第3の送信手段と
を備え、
前記シャーシには、前記シャーシ識別情報が記録された無線タグが取り付けられており、
前記ヘッドには、近隣に位置する前記シャーシの前記無線タグから前記シャーシ識別情報を読み取って、前記端末装置に送信するタグ読み取り装置が取り付けられており、
前記タグ読み取り装置からの前記シャーシ識別情報を受信するタグ情報受信手段と、
前記タグ情報受信手段を通じて受信した近隣に位置する1以上の前記シャーシのシャーシ識別情報の一覧リストを作成して出力する一覧リスト作成手段と
を備え、
前記第1の受付手段は、前記一覧リスト作成手段により出力された前記一覧リストから目的とするシャーシ識別情報を選択するための指示入力を受け付けるものである
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置であって、
前記管理サーバは、前記ヘッド識別情報と、当該ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドに対して接続すべきシャーシの関連情報とを有する配車情報を記憶する配車情報記憶手段と、前記シャーシ識別情報と、当該シャーシ識別情報により特定される前記シャーシの属性情報とを有するシャーシ情報を記憶するシャーシ情報記憶手段と、前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記ヘッド識別情報に基づいて、前記配車情報記憶手段の前記配車情報を参照し、使用対象のヘッドに対して接続すべきシャーシについての前記関連情報を取得する関連情報取得手段と、前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記シャーシ識別情報に基づいて、前記シャーシ情報記憶手段のシャーシ情報を参照し、接続対象のシャーシの前記属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記関連情報取得手段で取得された前記関連情報と、前記属性情報取得手段で取得された前記属性情報とを比較し、前記使用対象のヘッドに対して、前記接続対象のシャーシが接続可能なものか否かを判別する判別手段と、前記判別手段での判別結果を、前記端末装置に送信する判別結果送信手段とを備え、前記紐づけ手段は、前記判別手段での判別結果が、接続不可を示すものである場合に、前記ヘッドと前記シャーシとについて、データ上での紐付けた管理を行わないようにするものであり、
前記管理サーバからの前記シャーシの接続可否情報を受信する接続可否情報受信手段と、
前記接続可否情報受信手段を通じて受信した前記接続可否情報を出力する接続可否情報出力手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項6】
牽引車であるヘッドに対して被牽引車であるシャーシが接続されて運送を行うトラックの前記ヘッドと対応する端末装置と、管理サーバとが、ネットワークを通じて接続されて構成されるシャーシ共有システムの前記管理サーバであって、
前記シャーシには、シャーシ識別情報が記録された無線タグが取り付けられており、
前記ヘッドには、近隣に位置する前記シャーシの前記無線タグから前記シャーシ識別情報を読み取って、前記端末装置に送信するタグ読み取り装置が取り付けられており
前記端末装置は、前記ヘッドに対して接続する前記シャーシの前記シャーシ識別情報の入力を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段を通じて受け付けた前記シャーシ識別情報と、自機に対応する前記ヘッドのヘッド識別情報とを含む接続通知を形成する第1の形成手段と、前記第1の形成手段で形成された前記接続通知を前記管理サーバに送信する第1の送信手段と、自機の現在位置を順次に測位する測位手段と、所定のタイミングごとに、前記測位手段で測位された最新の現在位置と、前記ヘッド識別情報とを含む現在位置情報を、前記管理サーバに送信する第2の送信手段と、前記ヘッドに対して接続した前記シャーシを、前記ヘッドから切り離す場合に、切り離し指示入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段を通じて前記切り離し指示入力を受け付けた場合に、自機に対応する前記ヘッドの前記ヘッド識別情報と、前記ヘッドに接続するようにした前記シャーシの前記シャーシ識別情報とを含む切り離し通知を形成する第2の形成手段と、前記第2の形成手段で形成された前記切り離し通知を前記管理サーバに送信する第3の送信手段と、前記タグ読み取り装置からの前記シャーシ識別情報を受信するタグ情報受信手段と、前記タグ情報受信手段を通じて受信した近隣に位置する1以上の前記シャーシのシャーシ識別情報の一覧リストを作成して出力する一覧リスト作成手段とを備え、前記第1の受付手段は、前記一覧リスト作成手段により出力された前記一覧リストから目的とするシャーシ識別情報を選択するための指示入力を受け付けるものであり、
前記端末装置からの前記接続通知を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段を通じて、前記接続通知を受信した場合に、前記接続通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとを、データ上で紐づけて管理できるようにする紐づけ手段と、
前記端末装置からの前記現在位置情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段を通じて受信する前記現在位置情報に基づいて、前記ヘッドの現在位置と、前記ヘッドに接続されている前記シャーシの現在位置とを管理する動態管理手段と、
前記端末装置からの前記切り離し通知を受信する第3の受信手段と、
前記第3の受信手段を通じて、前記切り離し通知を受信した場合に、前記切り離し通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとの、データ上の紐づけを解除する紐づけ解除手段と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
請求項6に記載の管理サーバであって、
前記端末装置は、前記管理サーバからの前記シャーシの接続可否情報を受信する接続可否情報受信手段と、前記接続可否情報受信手段を通じて受信した前記接続可否情報を出力する接続可否情報出力手段とを備えるものであり、
前記ヘッド識別情報と、当該ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドに対して接続すべきシャーシの関連情報とを有する配車情報を記憶する配車情報記憶手段と、
前記シャーシ識別情報と、当該シャーシ識別情報により特定される前記シャーシの属性情報とを有するシャーシ情報を記憶するシャーシ情報記憶手段と、
前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記ヘッド識別情報に基づいて、前記配車情報記憶手段の前記配車情報を参照し、使用対象のヘッドに対して接続すべきシャーシについての前記関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記第1の受信手段を通じて受信した前記接続通知に含まれる前記シャーシ識別情報に基づいて、前記シャーシ情報記憶手段のシャーシ情報を参照し、接続対象のシャーシの前記属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記関連情報取得手段で取得された前記関連情報と、前記属性情報取得手段で取得された前記属性情報とを比較し、前記使用対象のヘッドに対して、前記接続対象のシャーシが接続可能なものか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段での判別結果を、前記端末装置に送信する判別結果送信手段と
を備え、
前記紐づけ手段は、前記判別手段での判別結果が、接続不可を示すものである場合に、前記ヘッドと前記シャーシとについて、データ上での紐付けた管理を行わないようにする
ことを特徴とする管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、牽引車であるヘッドに対して被牽引車であるシャーシを接続して運送を行う運送用トラックにおいて、シャーシの共有化を実現するためのシステムと、当該システムを構成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海上輸送用コンテナを陸上で運送する場合には、トラック(貨物自動車)が用いられる。この場合のトラックは、牽引車として機能するヘッドに対して、被牽引車として機能するシャーシを接続して構成される。すなわち、ヘッドは、エンジンが搭載されて自走が可能なものであり、シャーシは、エンジンが搭載されておらず自走は不能であるがコンテナを積載して、牽引してもらうことにより走行が可能なものである。なお、ヘッドは、トラクタやトラクタヘッドなどとも呼ばれ、シャーシは、コンテナトレーラやトレーラシャーシなどとも呼ばれる。
【0003】
海上輸送用コンテナには、大きく分けると20フィートコンテナと40フィートコンテナとがある。20フィートコンテナは、長さ「6058mm」、幅「2438mm」、高さ「2591mm」のものであり、40フィートコンテナは、長さ「12192mm」、幅「2438mm」、高さ「2591mm」のものである。従って、少なくとも、20フィートコンテナ用のシャーシと、40フィートコンテナ用のシャーシとが必要になる。また、安全な運送を実現するには、積載重量も問題になる。
【0004】
このため、20フィートコンテナ用のシャーシには、20.5トンまで積載可能な20フィート2軸シャーシと、24トンまで積載可能な20フィート3軸シャーシとがある。また、40フィートコンテナ対応のシャーシには、24トンまで積載可能な40フィート2軸シャーシと、30.48トンまで積載可能な40フィート3軸シャーシとがある。この他にも、20フィートコンテナ対応の低床シャーシ、20フィート、40フィート兼用シャーシ、電源付きシャーシといった種々のものが存在する。
【0005】
なお、シャーシの「2軸」、「3軸」とは、シャーシが備えるタイヤが取り付けられたシャフト(軸)の数を意味する。従って、「2軸シャーシ」は、2本のシャフトの左右に例えば1本ずつの合計4本のタイヤが取り付けられたシャーシを意味する。「3軸シャーシ」は、3本のシャフトの左右に例えば1本ずつの合計6本のタイヤが取り付けられたシャーシを意味する。
【0006】
このように、複数種類のシャーシが存在しているので、ヘッドとシャーシとを1対1で対応付けてしまうと、ヘッドの運用機会の損失につながる。従って、1つのヘッドに対して複数種類のシャーシを利用可能にしておけば、ヘッドを有効活用でき、効率よく運送業務を行える。しかし、例えば複数のヘッドと複数のシャーシを備えた大規模事業者や1以上のヘッドと1以上のシャーシを備えた複数の事業者が集まって構成された事業体(協力関係のある事業者グループ)などの場合には、利用可能になる多数のシャーシの管理が問題になる。
【0007】
すなわち、多数のシャーシを効率的に利用するためには、多数のシャーシを複数のシャーシプール(シャーシの駐車場)に分散して配置した方がよい。しかし、どこにどのようなシャーシがあるのかを正確に把握しておかないと、シャーシの効率的な利用に資することができない。このため、後に記す特許文献1、2には、シャーシの管理に必要な報告をICタグ技術と無線技術を用いて自動化し、シャーシの所在と状況の管理を自動化し、適宜使用可能なシャーシの配置を出力することを可能にするシステム等に関する発明が開示されている。また、特許文献3には、シャーシプールにおけるシャーシの在庫状況を把握するためのシステムに関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第3904967号公報
【文献】特許第4272202号公報
【文献】特開2012-6752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した引用文献1~3に開示された発明は、使用者(ヘッドの運転手等)の手を煩わせることなく、シャーシの所在(在庫状況)を把握できるので便利である。しかし、ヘッドの運転手が知りたいのは、単にシャーシがどこにあるかではなく、これから運ぶコンテナに合致したシャーシはどこにあるかということである。また、シャーシプールには多数のシャーシが駐車されているのが通常であるので、これから運送するコンテナに合致していないシャーシを間違って自己のヘッドに接続してしまうというミスも回避したい。
【0010】
これらのことを実現するためには、ヘッドにシャーシが接続されている場合において、ヘッドとシャーシとを紐付けて、その動態管理を適切に行える必要がある。また、ヘッドに接続されたシャーシの切り離しを把握し、ヘッドから切り離されたシャーシの所在を適切に管理できる必要がある。その上で、シャーシの属性をも考慮して、シャーシを総合的に管理することができれば、シャーシの適切な共有化を実現できる。
以上のことに鑑み、この発明は、上記問題点を一掃し、シャーシを適切に共有活用して、効率的な運送を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のシャーシ共有システムは、
牽引車であるヘッドに対して被牽引車であるシャーシが接続されて運送を行うトラックの前記ヘッドと対応する端末装置と、管理サーバとが、ネットワークを通じて接続されて構成されるシャーシ共有システムであって、
前記端末装置は、
前記ヘッドに対して接続する前記シャーシのシャーシ識別情報の入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段を通じて受け付けた前記シャーシ識別情報と、自機に対応する前記ヘッドのヘッド識別情報とを含む接続通知を形成する第1の形成手段と、
前記第1の形成手段で形成された前記接続通知を前記管理サーバに送信する第1の送信手段と、
自機の現在位置を順次に測位する測位手段と、
所定のタイミングごとに、前記測位手段で測位された最新の現在位置と、前記ヘッド識別情報とを含む現在位置情報を、前記管理サーバに送信する第2の送信手段と、
前記ヘッドに対して接続した前記シャーシを、前記ヘッドから切り離す場合に、切り離し指示入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段を通じて前記切り離し指示入力を受け付けた場合に、自機に対応する前記ヘッドの前記ヘッド識別情報と、前記ヘッドに接続するようにした前記シャーシの前記シャーシ識別情報とを含む切り離し通知を形成する第2の形成手段と、
前記第2の形成手段で形成された前記切り離し通知を前記管理サーバに送信する第3の送信手段と
を備え、
前記管理サーバは、
前記端末装置からの前記接続通知を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段を通じて、前記接続通知を受信した場合に、前記接続通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとを、データ上で紐づけて管理できるようにする紐づけ手段と、
前記端末装置からの前記現在位置情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段を通じて受信する前記現在位置情報に基づいて、前記ヘッドの現在位置と、前記ヘッドに接続されている前記シャーシの現在位置とを管理する動態管理手段と、
前記端末装置からの前記切り離し通知を受信する第3の受信手段と、
前記第3の受信手段を通じて、前記切り離し通知を受信した場合に、前記切り離し通知に含まれる、前記シャーシ識別情報により特定される前記シャーシと、前記ヘッド識別情報により特定される前記ヘッドとの、データ上の紐づけを解除する紐づけ解除手段と
を備え、
前記シャーシには、前記シャーシ識別情報が記録された無線タグが取り付けられており、
前記ヘッドには、近隣に位置する前記シャーシの前記無線タグから前記シャーシ識別情報を読み取って、前記端末装置に送信するタグ読み取り装置が取り付けられており
前記端末装置は、
前記タグ読み取り装置からの前記シャーシ識別情報を受信するタグ情報受信手段と、
前記タグ情報受信手段を通じて受信した近隣に位置する1以上の前記シャーシのシャーシ識別情報の一覧リストを作成して出力する一覧リスト作成手段と
を備え、
前記第1の受付手段は、前記一覧リスト作成手段により出力された前記一覧リストから目的とするシャーシ識別情報を選択するための指示入力を受け付けるものである
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ヘッドにシャーシを接続した状態においては、ヘッドとシャーシとを紐付けて、その動態管理を適切に行える。また、ヘッドに接続されたシャーシの切り離しを把握し、ヘッドから切り離されたシャーシの所在を適切に管理できる。これにより、シャーシを適切に共有活用して、効率的な運送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態のシャーシ共有システムの構成例を説明するための図である。
図2】実施の形態の運送用トラック管理サーバ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図3】運送用トラック管理サーバ装置で管理される主要なマスタファイルについて説明するための図である。
図4】運送用トラック管理サーバ装置で管理されるシャーシ位置情報ファイルについて説明するための図である。
図5】運送用トラック管理サーバ装置で管理されるヘッド動態情報ファイルについて説明するための図である。
図6】運送用トラック管理サーバ装置で管理される配車情報ファイルについて説明するための図である。
図7】実施の形態の端末装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図8】実施の形態のタグ読み取り装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図9】実施の形態のRFタグの等価回路の一例を示す模式図である。
図10】実施の形態のシャーシ管理システムにおいて、端末装置と運送用トラック管理サーバ装置との処理を説明するためのフローチャートである。
図11図10に続くフローチャートである。
図12】端末装置の表示部に表示される画面の例を説明するための図である。
図13】端末装置の表示部に表示される画面の例を説明するための図である。
図14】端末装置の表示部に表示される画面の例を説明するための図である。
図15】端末装置の表示部に表示される画面の例を説明するための図である。
図16】シャーシプールが複数存在し、複数の種類のシャーシが共有されている場合の運送態様について説明するための図である。
図17】この発明のシャーシ共有システムを利用しない場合の運送工程と、利用した場合の運送工程とを説明するための図である。
図18】シャーシ不足予測と配車情報の修正処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照しながら、この発明のシャーシ共有システム、端末装置、管理サーバの一実施の形態について説明する。以下に説明するシャーシ共有システムは、例えば、複数のヘッド(トラックの牽引車)と複数のシャーシ(トラックの被牽引車)を備えた大規模事業者や1以上のヘッドと1以上のシャーシを備えた複数の事業者が集まって構成された事業体において利用される。そして、当該シャーシ共有システムは、主に海上輸送用コンテナを運送するためのシャーシの効率的な共有化を実現し、運送に用いられるトラックの二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に低減できるものである。
【0015】
[シャーシ共有システムの構成例]
図1は、実施の形態のシャーシ共有システムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態のシャーシ共有システムは、運送用トラック管理サーバ装置(以下、単に管理サーバと記載する。)1と、端末装置3(1)、3(2)、…とが、ネットワーク2を通じて接続されて構成される。管理サーバ1と端末装置3(1)、3(2)、…とは、いずれも通信機能を備えるものであり、ネットワーク2を介して相互に通信が可能となるものである。
【0016】
更に、後述するように、シャーシ6(1)、6(2)、…にはRFタグ7(1)、7(2)、…が取り付けられ、ヘッド4(1)、4(2)、…にはタグ読み取り装置5(1)、5(2)、…が取り付けられた構成を備える。この構成により、RFタグ7(1)、7(2)、…の情報を、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…が読み取って、対応する端末装置3(1)、3(2)、…に通知する構成を実現している。
【0017】
まず、管理サーバ1は、コンテナの運送に使用するヘッドとシャーシとの紐付け(接続)と紐付け解除(切り離し)を管理することにより、ヘッドとシャーシのそれぞれの所在を管理する。このため、管理サーバ1は、ヘッドの配車情報(スケジュール情報)、ヘッドごとの属性情報や位置情報、シャーシごとの属性情報や位置情報などといった種々の必要情報を管理する。なお、配車情報は、ヘッドについて、いつ、どこから(発地)からどこに(着地)に、どのようなシャーシを用いてコンテナを運送するのかを指示する情報である。
【0018】
ネットワーク2は、主にインターネットであるが、端末装置3(1)、3(2)、…のそれぞれからインターネットまでを接続する携帯電話網などを含むものである。従って、図1において、基地局2B(1)、2B(2)、2B(3)、…のそれぞれは、携帯電話網の基地局である。この他にも、ネットワーク2には、Wi-Fi(登録商標)規格の無線LAN(Local Area Network)が含まれる場合もある。この場合には、端末装置3(1)、3(2)、…は、無線LANのアクセスポイントを経由してインターネットに接続される。
【0019】
端末装置3(1)、3(2)、…は、ヘッド4(1)、4(2)、…の運転手Dr(1)、Dr(2)、…によって所持され、ヘッド4(1)、4(2)、…に持ち込まれて使用される。従って、この実施の形態においては、ヘッド4(1)、4(2)、…と、端末装置3(1)、3(2)、…と、運転手Dr(1)、Dr(2)、…とは、1対1に対応する。もちろん、1台のヘッドを複数のドライバが共用する場合もあるし、端末装置3(1)、3(2)、…のそれぞれは、複数のドライバが共用する場合もある。
【0020】
端末装置3(1)、3(2)、…は、いわゆるタブレットPCやタブレット端末などと呼ばれる携帯型の情報処理端末装置である。端末装置3(1)、3(2)、…は、表示画面の大きなLCD(Liquid Crystal Display)などの薄型の表示部(表示装置)と当該表示画面の全面に対応して設けられたタッチセンサとからなるタッチパネルを備える。このため、使用者である運転手Dr(1)、Dr(2)、…は、端末装置3(1)、3(2)、…に対して、タッチパネルを通じたタッチ操作という簡単な操作によって、必要情報の入力等ができる。
【0021】
ヘッド4(1)、4(2)、…は、上述したように、シャーシを牽引する牽引車である。ヘッド4(1)、4(2)、…は、これらが使用されていないときには、運転手Dr(1)、Dr(2)、…が到達しやすい所定の駐車エリアに駐車されている。シャーシ6(2)、6(2)、6(3)、6(4)、6(5)、6(6)、…は、上述したように、コンテナを積載し、ヘッド4(1)、4(2)、…により牽引される被牽引車である。シャーシ6(2)、6(2)、6(3)、6(4)、6(5)、6(6)、…は、これらが使用されていないときには、図1においてシャーシプールSP1、SP2が示すように、異なる場所に設けられている複数のシャーシプールに分散して駐車(配置)されている。
【0022】
シャーシ6(1)、6(2)、6(3)、6(4)、6(5)、6(6)、…のそれぞれには、シャーシごとに固有の「シャーシNo.」が記録されたRFタグ(無線タグ)7(1)、7(2)、7(3)、7(4)、7(5)、7(6)、…が取り付けられている。ヘッド4(1)、4(2)、…のそれぞれには、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…が取り付けられている。タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…は、近隣に位置するシャーシ6(1)、6(2)、6(3)、…のRFタグ7(1)、7(2)、7(3)、…から、これに記録されている「シャーシNo.」を読み取ることができる。
【0023】
端末装置3(1)、3(2)、…と、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…には、例えば、Bluetooth(登録商標)規格の近距離無線通信機能が搭載されている。これにより、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…は、読み取った「シャーシNo.」を、対応する端末装置3(1)、3(2)、…に送信できる。端末装置3(1)、3(2)、…は、対応するタグ読み取り装置5(1)、5(2)、…からの「シャーシNo.」を受信してこれを利用できる。
【0024】
具体的に、端末装置3(1)、3(2)、…は、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…からの「シャーシNo.」を受信した場合には、近隣に存在するシャーシの一覧リストを表示できる。また、端末装置3(1)、3(2)、…は、当該シャーシの一覧リストの中から選択したシャーシが、自機に対応するヘッドに対して接続可能なものかを管理サーバ1に問い合わせできる。
【0025】
このような構成を有するシャーシ共有システムにおいては、管理サーバ1と端末装置3(1)、3(2)、…が協働することにより、ヘッド4(1)、4(2)、…と、シャーシ6(1)、6(2)、…との接続(紐付け)及び切り離し(紐付け解除)を管理できる。これにより、ヘッド4(1)、4(2)、…と、シャーシ6(1)、6(2)、…の所在を適切に把握することができ、配車情報に基づいてヘッドが稼働する場合に、接続すべきシャーシがどのシャーシプールに存在するのかを的確に把握できる。
【0026】
従って、配車情報に応じて、種々の発地から種々の着地に種々のコンテナを運送する場合において、各地のシャーシプールに駐車されている種々のシャーシを活用し、コンテナの運送を行うことができる。すなわち、無駄にコンテナの積載されていないシャーシを牽引して走行したり、シャーシを駐車するためだけに比較的に長い距離を移動したりすることが防止できる。このことが、トラックの効率的な運行に寄与し、トラックの排出する二酸化炭素を大幅に低減することが可能になる。
【0027】
また、ヘッドに対してシャーシを接続する場合に、接続対象のシャーシが、配車情報により指示されたシャーシに一致するものか否か、即ち、接続可能なものか否かを、端末装置3(1)、3(2)、…から管理サーバ1に問い合わせることができる。これにより、シャーシの接続間違い(接続ミス)を防止し、ヘッドとシャーシとからなるトラックのさらなる効率的な運行に寄与できる。
【0028】
なお、図1において、端末装置3(1)、3(2)、…、ヘッド4(1)、4(2)、…、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…は、2台ずつしか示していないが、実際には、数十台、数百台と存在するものである。もちろん、ヘッド4(1)、4(2)、…に対応して、運転手Dr(1)、D(2)、…が存在する。
【0029】
また、図1においては、シャーシプールSP1には、シャーシ6(1)、6(2)、6(3)、…が位置し、シャーシプールSP2には、シャーシ6(4)、6(5)、6(6)、…が位置している場合を示している。しかし、シャーシプールは、船への積み込みや船からの荷下ろしがされる港の近郊や内陸部の物流拠点の近郊など、広範囲の種々の場所に設けられており、全体として複数、例えば10箇所以上のシャーシプールが利用可能にされている。また、各シャーシプールには、複数のシャーシが駐車されている。通常、全体として、シャーシは、ヘッドよりも多くの台数が用意され、利用可能にされている。例えば、ヘッドが150台で、シャーシが450台というように、それぞれ多数用意されているものとする。
【0030】
次に、この実施の形態のシャーシ共有システムを構成する管理サーバ1、端末装置3(1)、(2)、…、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…、RFタグ7(1)、7(2)、…の構成例について説明する。なお、端末装置3(1)、(2)、…は、基本的な構成は同様のものであるので、特に区別して示す必要がある場合を除き、端末装置3と総称する。同様に、特に区別して示す必要がある場合を除き、タグ読み取り装置5(1)、5(2)、…についても、タグ読み取り装置5と総称し、RFタグ7(1)、7(2)、…についても、RFタグ7と総称する。また、ヘッド4(1)、4(2)、…についても、特に区別して示す必要がある場合を除き、ヘッド4と総称し、シャーシ6(1)、6(2)、…についても、特に区別して示す必要がある場合を除き、シャーシ6と総称する。
【0031】
[管理サーバ1の構成例]
図2は、管理サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。接続端101Tは、ネットワーク2への接続端を構成し、通信I/F101は、ネットワーク2を通じた通信機能を実現する。制御部102は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどがバスを通じて接続されて構成されたいわゆるマイクロプロセッサである。制御部102は、種々のプログラムを実行して管理サーバ1の各部を制御する。
【0032】
記憶装置103は、例えば、大容量のハードディスクとそのデバイスドライバとを備え、データの書き込み、読み出し、書き換え、削除などを行うものであり、種々の処理の途中結果を保持する作業領域としても用いられる。地図データベース(以下、地図DBと記載する。)104は、経路案内にも利用可能な市街図、道路図、広域図、地方図、全国図を表示するための地図情報を記憶する。市街図、道路図、広域図、地方図、全国図を表示するための地図情報は、地図を描画するための例えばベクトルデータやラスタデータ、注記(注釈)データなどを含む。なお、地図DB104に格納されているデータについては、変更が生じるごとに必要なタイミングで更新され、正確な情報が管理できるようになっている。
【0033】
マスタファイル群105は、この実施の形態のシャーシ共有システムにおいて用いられる固定的な情報を記憶保持する各種のマスタファイルを保持する。図2に示すように、マスタファイル群105には、ヘッドマスタファイル105A、シャーシマスタファイル105B、タグマスタファイル105C、拠点マスタファイル105D、庭先情報マスタファイル105Eなどが設けられている。図3は、管理サーバ1のマスタファイル群105で管理される主要なマスタファイルについて説明するための図である。
【0034】
ヘッドマスタファイル105Aは、図3(A)に示すように、ヘッドIDと、パスワードと、車番と、その他の情報といった、ヘッド4についての基本情報を管理する。ヘッドIDは、ヘッドごとに固有のヘッド識別情報である。パスワードは、ヘッド4の利用時において、管理サーバ1に端末装置3を通してアクセスする場合に必要になる管理サーバ1に登録された認証用の文字列である。車番は、当該シャーシ共有システムで用いられるヘッドの番号である。その他の情報としては、車検に関する情報など種々の情報を含めることができる。
【0035】
シャーシマスタファイル105Bは、図3(B)に示すように、シャーシNo.と、シャーシサイズと、シャーシタイプと、軸区分と、車検満了日と、その他といった、シャーシ6についての基本情報を管理する。シャーシNo.は、シャーシ6ごとに固有のシャーシ識別情報である。シャーシサイズは、20フィート、40フィート、兼用の別を示す情報である。シャーシタイプは、普通、低床、電源付きの別を示す情報である。軸区分は、2軸と3軸の別を示す情報である。
【0036】
車検満了日は、シャーシ6ごとの車検の満了日を示す情報である。運送用トラックの場合には、ヘッド4とシャーシ6とは別々に車検が必要である。複数のヘッド4により共有されるシャーシについては、ヘッド4のように担当運転手が車検に関する管理を行うこともできないため、システム上で管理するようにしている。その他の情報としては、例えば、使用できないシャーシが存在する場合に、車検で使用できない場合と、故障で使用できない場合とを区別する使用禁止区分など、種々の情報を含めることができる。
【0037】
タグマスタファイル105Cは、図3(C)に示すように、タグIDと、シャーシNo.と、その他の情報といった、シャーシ6に取り付けられるRFタグについての基本情報を管理する。タグIDは、RFタグ7ごとに固有のタグ識別情報である。タグIDと、上述したシャーシNo.とを対応付けておくことにより、どのシャーシにどのRFタグを取り付けたのかを管理できる。その他の情報としては、必要になる種々の情報を付加することができる。
【0038】
拠点マスタファイル105Dは、図3(D)に示すように、拠点コード、拠点名称、拠点住所、その他といった、拠点についての基本情報を管理する。拠点は、発地、着地、シャーシプールなどの、運送業務を行う上で活動の足場となるべき場所を意味する。拠点コードは、拠点ごとの固有の識別情報である。拠点名称は、拠点に付けられている名称である。拠点住所は、拠点の場所の特定が可能な情報である。その他の情報としては、必要になる種々の情報を付加することができる。
【0039】
図2に示した、庭先情報マスタファイル105Eは、拠点近傍の経路が分かり難い部分を案内するための画像情報などと対応付けておくことにより、単に拠点の場所を示すだけでなく、拠点に関する画像案内などを行うことも可能になる。この他にも、例えば、担当者マスタファイル、運送会社マスタファイル、メッセージマスタファイルなど、必要となる種々のマスタファイルが、マスタファイル群105に整備されている。
【0040】
シャーシ位置情報ファイル106は、シャーシ6ごとの所在位置と状態をリアルタイムに把握するための情報を記憶する。図4は、シャーシ位置情報ファイル106について説明するための図である。図4に示すように、シャーシ位置情報ファイル106には、シャーシNo.と、位置情報日付と、位置情報時刻と、接続区分と、状態区分と、ヘッドIDと、緯度と、経度と、その他の情報が記憶される。
【0041】
シャーシNo.は、上述したようにシャーシ6を一意に特定するシャーシ識別情報である。位置情報日付は、後述の現在位置情報(緯度、経度)を取得した日付を示す情報であり、位置情報時刻は、後述の現在位置情報(緯度、経度)を取得した時刻を示す情報である。接続区分は、当該シャーシIDで特定されるシャーシがヘッド4に対して接続されているか否かを示す情報である。状態区分は、当該シャーシIDにより特定さるシャーシにコンテナが積載されているか否かを示す情報である。ヘッドIDは、接続区分がヘッド4に接続されていることを示している場合に、当該シャーシIDにより特定されるシャーシが接続されているヘッド4を特定する情報である。そして、緯度、経度が、最新の現在位置情報である。その他の情報としては、必要になる種々の情報を付加することができる。
【0042】
このように、シャーシ位置情報ファイル106に記憶されるシャーシ位置情報により、シャーシ6ごとに、最新の所在位置と、その位置にいつからあるのか、また、どのような状態であるのかを把握することができる。簡単には、接続状態が「0(接続)」で、位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度が刻々と変化していれば、当該シャーシ6は、現在移動中であると把握できる。逆に、接続状態が「1(未接続)」で、位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度が変化していなければ、当該シャーシ6は、現在移動中でないと把握できる。また、状態区分が「1(未積載)」であればコンテナは積載されていない状態にあることが把握でき、状態区分が「0(積載)」であれば、コンテナが積載された状態にあることが把握できる。
【0043】
なお、シャーシ位置情報ファイル106の情報の緯度、経度により、シャーシ6のそれぞれが、シャーシプール内にあるのか、発地にあるのか、着地にあるのか、それ以外の場所にあるのかも地図情報と突き合わせることにより正確に把握可能である。また、移動中である場合には、ヘッドIDによって、どのヘッド4によって牽引されて移動しているのかも把握できる。
【0044】
ヘッド動態情報ファイル107は、ヘッド4ごとの活動している状態(時間と共に変動(移動)している姿(状態))を把握するための情報を記憶する。図5は、ヘッド動態情報ファイル107について説明するための図である。図5に示すように、ヘッド動態情報ファイル107には、ヘッドID、位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度、その他の情報が記憶される。
【0045】
ヘッドIDは、上述もしたようにヘッド4を一意に特定するためのヘッド識別情報である。位置情報日付は、後述の現在位置情報(緯度、経度)を取得した日付を示す情報であり、日付情報時刻は、後述の現在位置情報(緯度、経度)を取得した時刻を示す情報である。緯度、経度は、最新の現在位置情報である。その他の情報としては、必要になる種々の情報を付加することができる。
【0046】
このように、ヘッド動態情報ファイル107に記憶される情報により、ヘッド4ごとに、最新の所在位置と、その位置にいつからあるのかを把握することができる。位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度が刻々と変化していれば、当該ヘッド4は、現在移動中であると把握できる。逆に、位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度が変化していなければ、当該ヘッド4は、現在移動中でないと把握できる。
【0047】
なお、ヘッド動態情報ファイル107の情報の緯度、経度により、ヘッド4のそれぞれが、所定の駐車場内にあるのか、発地にあるのか、着地にあるのか、それ以外の場所にあるのかも地図情報と突き合わせることにより正確に把握可能である。また、移動中である場合には、ヘッドIDに基づいて、上述したシャーシ位置情報ファイル106を参照することによって、どのシャーシ6を牽引して移動しているのかも把握できる。
【0048】
配車情報管理部108は、ネットワーク2に接続された例えば管理用のパーソナルコンピュータからの指示に応じて、配車情報を作成して、配車情報ファイル109に追加を行い、また、配車情報ファイル109に記録されている配車情報の変更や削除を行う。配車情報ファイル109は、配車情報を記憶保持する。図6は、配車情報ファイル109について説明するための図である。
【0049】
配車情報ファイルは、図6に示すように、種々の情報を有する。メンテ区分は、追加、変更、削除の区分を示す。ここで、追加は、追加されこれから使用される配車情報であることを示し、変更は、なんらかの情報が変更されたことを示し、削除は使用済みの削除されるべき配車情報であることを示す。
【0050】
運行オーダNo.は、当該配車情報を一意に特定する各配車情報の識別情報である。運行日は、いつ運行するのかを示す情報であり、車番は、用いるヘッドを示している。車番に基づき、ヘッドマスタファイル105Aを参照することにより、ヘッドIDを特定できる。発地コード、発地名称、発地住所は、どこからコンテナを運ぶのかを示す情報であり、着地コード、着地名称、着地住所は、どこにコンテナを運ぶのかを示す情報である。作業日は、コンテナの積み込日など、運行に関し必要になる作業を行う日を示す。運行順は、同日に異なる場所にコンテナを運送する場合に、その運送の順番を示す情報である。
【0051】
コンテナサイズは、20フィートコンテナなのか、40フィートコンテナなのか、重量物なのかを示す情報である。コンテナタイプは、通常(Dry Container)、冷凍コンテナ(Refrigerated Container)、タンクコンテナ(Tank Container)といった、種々あるコンテナのうち、運送するコンテナのタイプ(種類)を示す情報である。コンテナEF区分は、積載するコンテナには、運送物が入っていないのか(空なのか)、運送物が入っているのか(実入りなのか)を示す情報である。軸区分は、用いるシャーシは、2軸がよいのか、3軸がよいのかを示す情報である。これらの情報のうち、少なくともコンテナサイズと、コンテナタイプと、軸区分とによって、用いるシャーシは、どのようなシャーシがよいのかを特定できる。
【0052】
その他の情報としては、配送時間を示す情報、荷主に関する情報、船舶会社に関する情報など、必要になる種々の情報を付加することができる。このように、配車情報は、いつ、どのヘッドに、どのシャーシを付けて、どのようなコンテナを、どこから、どこまで運送するのかを指示する情報である。
【0053】
配車情報提供部110は、管理サーバ1が提供するサービスに対してログインしてきた端末装置3に対して、当該端末装置3用の配車情報を抽出し、ネットワーク2を通じてこれを当該端末装置3に提供する処理を行う。これにより、ヘッド4の運転手である端末装置3の使用者は、自己のスケジュールを正確に把握できる。シャーシ情報提供部111は、配車情報の提供を受けた端末装置3から、配車情報に応じたシャーシの検索要求を受け付けた場合に、シャーシ位置情報ファイル106を参照し、該当するシャーシを検索する。そして、シャーシ情報提供部111は、ネットワーク2を通じて検索結果を要求元の端末装置3に提供する。これにより、端末装置3の使用者は、自己が運転するヘッド4に対して接続すべきシャーシの所在を適切に把握できる。
【0054】
シャーシ適合判定部112は、配車情報の提供を受けた端末装置3から、当該端末装置3が持ち込まれたヘッド4の近傍に位置するシャーシの一覧リストから選択されたシャーシのシャーシNo.を受け付ける。シャーシ適合判定部112は、受け付けたシャーシNo.に基づいて、シャーシマスタファイル105Bを参照し、また、対応する配車情報についても考慮して、選択されたシャーシは当該ヘッド4に接続可能なものか否かを判定する。シャーシ適合判定部112は、シャーシNo.の提供元の端末装置3に対し、ネットワーク2を通じて判定結果を提供する。これにより、端末装置3の使用者は、自己が運転するヘッド4に対して接続しようとしているシャーシが、自己の配車情報に適合するものか否かを知ることができ、シャーシの接続間違いを防止できる。
【0055】
紐付け部113は、端末装置3からヘッドIDと接続対象のシャーシのシャーシNo.とを含む接続通知を受け付けた場合に、当該ヘッドIDにより特定されるヘッド4と、当該シャーシNo.により特定されるシャーシとを紐付けて管理できるようにする。具体的には、シャーシ位置情報ファイル106に対して、これに記憶されている対応するシャーシ位置情報の接続区分を「0(接続)」にし、接続通知により通知されたヘッドIDを更新する。これにより、当該シャーシ6が当該ヘッド4に接続された(紐付けられた)状態にあることを把握し、管理できる。
【0056】
動態管理部114は、通信I/F101を通じて受信される、ネットワーク2を介して端末装置3から順次に送信されて来る現在位置情報に基づいて、ヘッド動態情報ファイルの対応するヘッド動態情報の位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度を更新する。また、動態管理部114は、送信元の端末装置3に対応するヘッド4に対してシャーシ6が接続されている場合には、シャーシ位置情報ファイル106の該当するシャーシ位置情報の位置情報日付、位置情報時刻、緯度、経度を更新する。これにより、ヘッド4とシャーシ6の現在位置をリアルタイムに把握できる。
【0057】
紐付け解除部115は、端末装置3からヘッドIDとシャーシNo.を含む切り離し通知を受け付けた場合に、当該通知に含まれるヘッドIDにより特定されるヘッド4と、当該通知に含まれる当該シャーシNo.により特定されるシャーシとの紐付けを解除する。具体的には、シャーシ位置情報ファイル106の該当するシャーシ位置情報の接続区分を「1(未接続)」にし、ヘッドIDの格納欄をクリア(初期化)する。これにより、当該シャーシ6がヘッド4から切り離された(紐付けが解除された)状態にあることが把握できる。
【0058】
なお、地図DB104、マスタファイル群105の各マスタファイル、シャーシ位置情報ファイル106、ヘッド動態情報ファイル107のそれぞれは、ハードディスクなどの記録媒体とそのデバイスドライバとからなる記憶装置に形成されている。同様に、配車情報ファイル109は、ハードディスクなどの記録媒体とそのデバイスドライバとからなる記憶装置に形成されている。また、マスタファイル群105の各マスタファイル、シャーシ位置情報ファイル106、ヘッド動態情報ファイル107、配車情報ファイル109のそれぞれは、その他の情報として、登録、更新、削除に関する情報を管理できる。具体的には、登録ユーザID、登録日付、登録時刻、更新ユーザID、更新日付、更新時刻、削除ユーザID、削除日付、削除時刻などの情報を有し、これらを更新して、いつ登録されたか、いつ変更されたか、いつ削除されたかなどについても管理できる。
【0059】
このように、管理サーバ1は、ヘッド4ごと、シャーシ6ごとに、属性情報や位置情報を管理できると共に、ヘッド4に対してシャーシ6が接続された場合には、これらを紐付けて管理できる。また、ヘッド4に接続されているシャーシ6が切り離された場合には、紐付けを解除して、ヘッド4とシャーシ6とを別々に管理できる。
【0060】
[端末装置3の構成例]
図7は、端末装置3の構成例を説明するためのブロック図である。無線通信アンテナ301A及び無線通信部301は、ネットワーク2を通じての無線通信機能を実現する。制御部302は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどが接続されて構成されたいわゆるマイクロプロセッサである。制御部302は、種々のプログラムを実行して端末装置3の各部を制御する。記憶装置303は、比較的に容量の大きな半導体メモリとそのデバイスドライバとを備え、データの書き込み、読み出し、書き換え、削除などを行う。また、記憶装置303は、種々の処理の途中結果を保持する作業領域としても用いられる。
【0061】
操作部304は、電源のオン/オフボタンや幾つかのファンクションボタンなど、複数のいわゆるハードウェアキーを備え、使用者からの指示入力を受け付ける。近距離無線通信アンテナ305A及び近距離無線通信部305は、この実施の形態では、Bluetooth(登録商標)規格の近距離無線通信機能を実現し、タグ読み取り装置5との間で近距離無線通信を行う場合に用いられる。GPSアンテナ306A及びGPS部306は、自機の現在位置を測位する機能を実現する。
【0062】
端末装置3は、ユーザインターフェースとして、タッチパネル309を備える。タッチパネル309は、LCDなどの薄型の表示部(表示装置)307の表示画面の全面に対応するようにタッチセンサ308を設けて構成されたものであり、表示機能と指示入力受付機能とを実現する。音声出力処理部310は、例えば、記憶装置303に用意されている種々のデジタル音声データの供給を受けて、これをアナログ音声信号に変換して、スピーカ311に供給する。スピーカ311は、音声出力処理部310からのアナログ音声信号に応じた音声を放音する。これにより、案内メッセージ、注意メッセージ、警告メッセージなどの種々のメッセージやアラーム音などをスピーカ311から放音できる。
【0063】
認証処理部312は、無線通信部301及び無線通信アンテナ301Aを通じて、ネットワーク2上の管理サーバ1にアクセスし、必要情報を管理サーバ1に送信して認証を得る処理を行う。認証処理部312の機能により、管理サーバ1の認証が取れると、管理サーバ1からは当該端末装置3用の配車情報が送信されて来る。配車情報は、無線通信アンテナ301A及び無線通信部301を通じて受信し、記憶装置303の所定の領域に記憶される。配車情報処理部313は、記憶装置303に記憶された配車情報を読み出して、配車情報一覧リストを表示部307に表示したり、配車情報一覧リストからタッチパネル309を通じて選択された配車情報を表示部307に表示したりする処理を行う。
【0064】
シャーシ情報検索要求部314は、選択した配車情報に応じて、コンテナの運送を行う場合に必要になるシャーシの所在を問い合わせるためのシャーシ検索要求を形成する。シャーシ情報検索要求部314は、無線通信部301及び無線通信アンテナ301Aを通じて、形成したシャーシ検索要求をネットワーク2上の管理サーバ1に送信する。これに応じて、管理サーバ1からシャーシ探索結果が送信されて来るので、端末装置3の制御部302は、無線通信アンテナ301A及び無線通信部301を通じて当該探索結果を受信して、記憶装置303の所定のエリアに記録する。そして、制御部302は、シャーシ情報検索結果を表示部307に表示して、使用者に提供する。
【0065】
シャーシプール入/出検知部315は、管理サーバ1から提供される地図情報と、GPS部306を通じて取得する現在位置とに基づいて、目的とするシャーシプールへの進入(入場)と当該シャーシプールからの退出(退場)を検知する。目的とするシャーシプールへの進入が検知できれば、シャーシ選択画面に自動的に遷移させ、近隣に位置するシャーシのシャーシNo.をRFタグ7から読み取って一覧表示するなどの処理を実行できる。また、当該シャーシプールからの退出が検知できれば、動態を把握するための処理に遷移できる。
【0066】
シャーシ情報読み取り処理部316は、近距離無線通信部305及び近距離無線通信アンテナ305Aを通じて、後述するタグ読み取り装置5と協働し、近隣に位置するシャーシ6に取り付けられているRFタグ7からシャーシNo.を読み取る処理を行う。読み取ったシャーシNo.は、制御部302の制御の下、表示部307に接続候補のシャーシを示す情報として表示し、選択対象にできる。
【0067】
シャーシ接続切り離し処理部317は、タッチパネル309を通じて受け付ける使用者からの指示入力に応じて、接続通知や切り離し通知を形成し、これを無線通信部301及び無線通信アンテナ301Aを通じて、ネットワーク2上の管理サーバ1に送信する。接続通知は、端末装置3に対応するヘッド4に対して、シャーシ6を接続したことを通知するための情報である。切り離し通知は、端末装置3に対応するヘッド4に接続されていたシャーシ6を、切り離したことを通知するための情報である。
【0068】
このように、端末装置3は、管理サーバ1と適宜通信を行って、必要な情報を送受することにより、配車情報やシャーシに関する情報を得たり、現在位置を管理サーバ1に通知したり、シャーシの接続や切り離しを管理サーバ1に通知したりする。これにより、管理サーバ1において、ヘッドとシャーシの現在位置などを適切に管理できるようにしている。なお、図7には図示していないが、端末装置3は、対物レンズや撮像素子を備えたカメラ部を備え、被写体の画像を撮像して、画像データとして取り込み、記憶装置303の所定の領域に記録するカメラ機能をも備えたものである。
【0069】
[タグ読み取り装置5の構成例]
図8は、タグ読み取り装置5の構成例を説明するためのブロック図である。タグ読み取り装置5は、図1に示したように、ヘッド4のコックピット(操縦室)の背面側に取り付けられる。取り付け位置は、ヘッド4のコックピットの外側でもよいし、ヘッド4のコックピット内でもよい。タグ読み取り装置5は、ヘッド4より駆動電力の供給を受ける。タグ読み取り装置5は、図8に示すように、近距離無線通信部501、制御部502、送受信処理部503を備える。
【0070】
近距離無線通信部501には、近距離無線通信アンテナ501Aが接続されており、この実施の形態では、Bluetooth(登録商標)規格の近距離無線通信機能を実現し、端末装置3との間で近距離無線通信を行う場合に用いられる。制御部502は、CPU5021、ROM5022、RAM5023がバスを通じて接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、タグ読み取り装置5の各部を制御する。
【0071】
送受信処理部503には、少なくとも3つの送受信アンテナ503A、503B、503Cが接続されている。送受信アンテナ503Aは、ヘッド4のコックピットの後方に信号を送信し、また、ヘッド4のコックピットの後方からの信号を受信する。送受信アンテナ503Bは、ヘッド4のコックピットの右方向に信号を送信し、また、ヘッド4のコックピットの右方向からの信号を受信する。送受信アンテナ503Cは、ヘッド4のコックピットの左方向に信号を送信し、また、ヘッド4のコックピットの左方向からの信号を受信する。
【0072】
送受信処理部503は、制御部502の制御の下、所定の信号(電波)を送信して後述するRFタグ7を共振させる信号送信期間と、共振作用によりRFタグ7より送信される信号(電波)を受信する信号受信期間とを順次に切り替える。これにより、近隣に位置するシャーシ6に取り付けられているRFタグ7からのシャーシNo.を含む信号を受信する。受信した信号は、制御部502に供給され、ここでシャーシNo.が抽出されて、RAM5023に一時記憶される。
【0073】
RAM5023に一時記憶されたシャーシNo.は、制御部502の制御の下、近距離無線通信部501及び近距離無線通信アンテナ501Aを通じて、端末装置3に送信される。このように、タグ読み取り装置5は、近隣に位置するシャーシ6に取り付けられているRFタグ7から、これに記録されているシャーシNo.を読み取って、端末装置3に送信する機能を実現する。
【0074】
[RFタグ7の構成例]
図9は、RFタグ7の等価回路の一例を示す模式図である。図9に示すように、RFタグ7は、コンデンサ(キャパシタ)Cbを含むIC(Integrated Circuit)チップ71と、コイル(インダクタ)72とにより共振回路の構成とされたものである。ICチップ71とコイル72との間には、第1接点73と第2接点74が設けられている。なお、図示しないが、第1接点73には、第1導電性エレメントが接続され、第2接点74には、第2導電性エレメントが接続される。
【0075】
これにより、上述したように、タグ読み取り装置5から送信される信号(電波)により、RFタグ7の共振回路が共振して、ICチップ71内のメモリに記憶されたシャーシNo.を含む信号(電波)を発生させて送信するように機能する。このように、RFタグ7は、外部からの電波によって共振することによって、シャーシNo.を含む信号(電波)を送信する。従って、RFタグ7は、駆動電源(電池)を持つ必要がなく、シャーシ6に取り付けるだけで、破損したり、外れたりしない限り、半永久的に使用可能なものである。
【0076】
この実施の形態で用いられるRFタグ7は、樹脂によりモールドすることにより、回路部分に水分の侵入を防止できる構造になっている。そして、RFタグ7の大きさは、使用状況や使用環境等により種々の大きさとすることができるが、例えば、縦23mm×横55mm×厚さ5mm、あるいは、縦15mm×横60mm×厚さ3mmなどのように、必要に応じて設計されたものが使用される。また、RFタグ7は、上記のように比較的小型のものであるが、高性能のものであり、金属に対して取り付けても、充分に機能することができるものである。なお、RFタグ7に関しては、例えば、特許第6464468号公報、特許第6456464号公報、特許第6464464号公報に詳細に説明されている。
【0077】
[シャーシ共有システムの動作]
次に、上述した管理サーバ1、端末装置3、タグ読み取り装置5、RFタグ7が用いられて構成される、この実施の形態のシャーシ共有システムの動作について説明する。なお、以下においては、ヘッド4にシャーシ6を接続してコンテナの運送を行い、運送終了後に所定のシャーシプールでシャーシ6を切り離して処理を終了させる簡単な運送業務の場合を例にして説明する。
【0078】
図10図11は、この実施の形態のシャーシ管理システムにおいて、端末装置3と管理サーバ1との間で行われる処理を説明するためのフローチャートである。なお、端末装置3の処理には、タグ読み取り装置5とRFタグ7とが機能する処理も含まれる。また、図12図15は、図10図11のフローチャートに示す処理において、端末装置3の表示部307に表示される表示画面(表示画像)の例を説明するための図である。
【0079】
自分が運転するヘッド4に乗り込んだ運転手は、自己が所持する端末装置3に電源を投入し、シャーシ共有システムを起動するためのアイコンを選択する。当該操作を受け付けた端末装置3の制御部302は、図10図11の左側に示すフローチャートの処理を開始する。なお、管理サーバ1においては、常時、図10図11の右側に示すフローチャートの処理を実行できる状態になっており、端末装置3からの要求に応じて、処理が進行する。
【0080】
まず、端末装置3の制御部302は、認証処理部312を制御して、ログイン要求処理を実行する(ステップS101)。ステップS101において、制御部302は、予め自機のメモリに登録されているURL(uniform resource locator)を用いて、管理サーバ1の所定のWebページにアクセスし、管理サーバ1からログイン画面の提供を受ける。次に、制御部302は、提供を受けたログイン画面を、表示部307に表示し、認証処理部312を制御して、ログインに必要となる情報の入力を受け付ける。
【0081】
図12(A)は、端末装置3の表示部307に表示されるログイン画面の例を示している。この例の場合には、ヘッドIDの入力欄と、パスワードの入力欄とを備え、そのそれぞれの入力欄に対して、表示部307の画面の下側半分のエリアに表示されるソフトウェアキーボードを通じて、情報の入力ができるようになっている。また、パスワードの入力欄の下側には実行ボタンが設けられている。ステップS101において、ヘッドID及びパスワードが入力された後に、実行ボタンが操作されると、認証処理部312は、ヘッドID及びパスワードを含むログイン要求を形成し、ネットワーク2を通じて管理サーバ1に送信する。
【0082】
管理サーバ1の制御部102は、端末装置3からのログイン要求を受信すると、ログイン受付処理を開始する(ステップS201)。ステップS201において制御部102は、受信したログイン要求からヘッドIDとパスワードを抽出し、これを用いてヘッドマスタファイル105Aを参照して、ログインが可能か否かを判別する。ヘッドマスタファイル105Aに該当データがない場合には、ログインは不能であるため、ヘッドIDとパスワードとの一方又は両方の再度の入力を端末装置3に対して要求する。
【0083】
ステップS201において、ヘッドマスタファイル105Aに該当データが存在する場合には、ログインが可能であるので、管理サーバ1の制御部102は、要求元の端末装置3との間に通信路を接続し、相互に、常時、通信を行える状態にする。この後、管理サーバ1の制御部102は、ヘッドIDに基づいてヘッドマスタファイル105Aを参照して対応する車番を特定し、これに基づいて該当する配車情報を配車情報ファイル109から取得して、ログイン要求元の端末装置3に送信する。
【0084】
端末装置3においては、制御部302が機能して、管理サーバ1からの配車情報を受信し、これを制御部302の制御の下、配車情報処理部313が機能して、表示部307に表示する処理を行う(ステップS102)。図12(B)は、管理サーバ1から提供される配車情報に基づいて形成される配車情報一覧画面の例を示している。配車情報一覧画面は、ヘッド4ごとであって、運行日ごとの、オーダNo.により特定される配車情報の一覧リストである。
【0085】
具体的に、図12(B)に示した配車情報一覧画面は、ヘッドIDが「TR999」のヘッド4についての、「2019年5月20日」の配車情報の一覧画面であり、各行がオーダNo.で特定される配車情報である。各配車情報において、メンテとの項目は、各配車情報が、追加、変更、削除のどの状態にあるかを示すものである。これらは、上述もしたように、追加は、配車情報が追加された状態の未使用のものであり、これから利用されるものであることを示す。変更は、後述するシャーシの接続状態などが更新されるなど、配車情報が既に利用状態となっているものであることを示す。削除は、配車情報が使用済みのものであることを示す。
【0086】
運行順の1番目の配車情報は、未使用のものであり、オーダNo.「00001」で、○○物流から△△運輸まで、20フィートの通常(DRY)の実入り(荷物収納済)コンテナを、対応する2軸のシャーシを用い、10時必着で運送することを指示している。当該1番目の配車情報では、発地と着地の一方あるいは両方の庭先情報が存在しており、これを利用できることを示すと共に、まだ、シャーシが未接続であることも示している。
【0087】
運行順の2番目の配車情報は、オーダNo.「00002」で、□□倉庫から○△埠頭まで、40フィートの通常(DRY)の実入り(荷物収納済)コンテナを、対応する3軸のシャーシを用いて運送することを指示している。当該2番目の配車情報では、庭先情報は存在していないために、庭先情報の利用は不能で、まだ、シャーシが未接続であることも示している。このような配車情報が、配車情報一覧画面において確認可能になっている。
【0088】
図12(B)に示した配車情報一覧画面においては、運行日の表示欄の下側に、検索ボタン、切り離しボタン、回送接続ボタン、カメラボタン、シャーシ検索ボタン、ログオフボタンといった6つの操作ボタンが設けられている。検索ボタンは、オーダNo.ごとの配車情報の詳細画面(配車情報ポップアップ画面)を表示させるためのものであり、検索ボタンを選択操作することで、例えば、運行順が「01」の配車情報だけを表示部307の表示画面に表示できる。検索ボタンを選択操作するごとに、運行順が、「01」→「02」→「03」というように、これから利用される未処理の配車情報を順次に切り替えて表示できる。これにより、ヘッド4の運転手は、自分が運転するヘッド4に割り当てられた仕事(オーダ)を明確に把握できる。
【0089】
切り離しボタンは、自ヘッドに対して既にシャーシが接続されている場合に、シャーシの切り離し確認画面に遷移し、シャーシの切り離し処理を行うようにするためのものである。回送接続ボタンは、例えばシャーシプールにおいて、適用する(利用する)配送情報に応じたシャーシを接続しようとする場合に、タグ読み取り装置5を通じて読み取ったシャーシNo.一覧リスト(読み取りシャーシ一覧画面)を表示するためのものである。当該読み取りシャーシ一覧画面を通じて、接続しようとするシャーシの選択入力ができる。
【0090】
カメラボタンは、端末装置3のカメラ機能を用いて、拠点の画像を撮影し、コメントなどを付して新たな庭先情報を作成し、これを庭先情報マスタファイル105Eに登録できるようにするためのものである。シャーシ検索ボタンは、適用する(利用する)配送情報に応じたシャーシがどこにあるのかを管理サーバ1に問い合わせるためのものである。これに応じて、管理サーバ1からシャーシ位置情報の提供を受けたときには、端末装置3は、シャーシ位置情報照会画面を表示部307に表示することができる。ログオフボタンは、管理サーバ1との間に接続した通信路を切断し、図12(A)に示したログイン画面に戻るようにするためのものである。
【0091】
また、上記の操作ボタンの表示欄の下側には、情報表示欄が設けられ、渋滞情報を始めとする運送業務に有用な情報を表示し、運転手に対して提供することができるようになっている。
【0092】
ステップS102において、図12(B)に示す配車情報一覧画面が表示部307に表示された後に、配車情報一覧画面のシャーシ検索ボタンが操作されたとする。この場合には、制御部302の制御の下、シャーシ情報検索要求部314が機能して、シャーシ検索要求を形成し、これを管理サーバ1に送信する処理を行う(ステップS103)。ステップS103で形成されるシャーシ検索要求は、シャーシ検索要求であることを示す情報と、要求元の端末装置3の端末識別情報と、ヘッドIDと、ヘッド4の現在位置と、これから利用する運送順の一番若い配車情報のオーダNo.とを含むものである。
【0093】
なお、端末識別情報は、例えばIPアドレスであり、ヘッドIDは、ログイン処理において入力されたヘッドIDを保持しておき、これを用いる。ヘッド4の現在位置は、端末装置3のGPS部306を通じて取得したものである。また、配車情報のオーダNo.ではなく、配車情報のコンテナサイズ、コンテナタイプ、シャーシの軸数などの情報を含むようにしてもよいが、これらの情報は管理サーバ1が保持する配車情報により特定可能であるので、この実施の形態ではオーダNo.を用いるようにしている。
【0094】
管理サーバ1では、端末装置3からのシャーシ検索要求を受信すると、制御部102の制御の下、シャーシ情報提供部111が機能して、シャーシの検索処理を行い、その結果を端末装置3に返信する処理を行う(ステップS202)。具体的に、ステップS202において、シャーシ情報提供部111は、端末装置3からのシャーシ検索要求に含まれる、ヘッド4の現在位置と、オーダNo.とを抽出する。シャーシ情報提供部111は、抽出したオーダNo.に基づいて、配車情報ファイルを参照し、コンテナサイズ、コンテナタイプ、シャーシの軸数などの情報から使用するシャーシの種別を特定する。
【0095】
すなわち、シャーシ情報提供部111は、要求元のヘッド4が接続すべきシャーシは、20フィート2軸シャーシか、20フィート3軸シャーシか、40フィート2軸シャーシか、40フィート3軸シャーシか、重量物運送用シャーシかを特定する。この後、シャーシ情報提供部111は、ヘッド4の現在位置を基準にして、シャーシ位置情報ファイル106を参照し、特定したシャーシがどのシャーシプールに存在するのかを検索し、所在地を示す地図情報を形成して、これ要求元の端末装置3に提供する。
【0096】
要求元の端末装置3では、管理サーバ1からのシャーシの検索結果を受信すると、制御部302が機能して、検索結果を表示部307に表示する処理を行う(ステップS104)。図13(A)は、シャーシ検索結果画面の例を示している。図13(A)に示すシャーシ検索結果画面の場合には、端末装置3のGPS部により取得された現在位置が位置Pにあり、周辺には3つのシャーシプールが存在するが、目的とするシャーシは、第2シャーシプールにあることが示されている。また、現在位置Pから第2シャーシプールまでの経路も太線矢印によって示されている。
【0097】
これにより、端末装置3の使用者であるヘッド4の運転手は、どこに行けば適合するシャーシを接続できるのかを明確に把握できるので、目的とするシャーシが駐車されている場所(シャーシプール)に向けて、迷わずにヘッドを走行させることができる。なお、図13(A)に示したシャーシ検索結果画面が表示されている場合に、右上端部の戻るボタンが操作された場合には、制御部302の制御の下、配車情報提供部110が機能して、図12(B)に示した配車情報一覧画面の表示に戻るようにされる。すなわち、ステップS102の配車情報一覧画面を表示する処理から再度行われる。
【0098】
この後、端末装置3においては、制御部302の制御の下、シャーシプール入/出検知部315が機能して、目的とするシャーシプールに進入したか否かの検出処理を開始し、進入を検出した後においては、シャーシ選択画面に遷移する(ステップS105)。ステップS105においては、管理サーバ1からの検索結果に基づいて、端末装置3を所持する運転手がヘッド4をどのシャーシプールに向けて走行させているのかは把握できている。そこで、シャーシプール入/出検知部315は、GPS部306からの現在位置と、管理サーバ1からの図13(A)に示した地図を形成する地図情報とに基づき、端末装置3が目的とするシャーシプールに進入(入場)したか否かを検出する。
【0099】
ステップS105において、シャーシプール入/出検知部315により、目的するシャーシプールに進入したことが検出されたとする。この場合、制御部302の制御部302の下、シャーシ情報読み取り処理部316が機能し、シャーシ選択画面を表示部307に表示し、タグ読み取り装置5を通じて近隣のシャーシに取り付けられているRFタグ7から読み取ったシャーシNo.を表示する。すなわち、シャーシ選択画面は、読み取りシャーシ一覧を含む。
【0100】
図13(B)は、ステップS105において、端末装置3の表示部307に表示されるシャーシ選択画面の例を説明するための図である。図13(B)に示すように、シャーシ選択画面は、タグ読み取り装置5により近隣のシャーシ6に取り付けられているRFタグ7からのシャーシNo.の一覧表(読み取りシャーシ一覧)が表示される。また、シャーシ選択画面には、シャーシNo.の手入力欄が設けられていると共に、戻るボタンと確定ボタンとが設けられている。
【0101】
通常は、読み取りシャーシ一覧に表示されているシャーシNo.の表示位置をタップ操作することにより、ヘッド4に接続すべきシャーシ6を選択できる。しかし、接続しようとしているシャーシからRFタグ7が外れていたり、RFタグ7が破損していて正常に機能しなかったりする場合には、例えば、シャーシ6に取り付けられているプレートに記載されているシャーシNo.を手入力欄に手入力して、接続すべきシャーシ6の選択ができる。すなわち、手入力欄にカーソルを位置付けると、制御部302の制御の下、例えば図12(A)に示したように、ソフトウェアキーボードが表示部307に表示され、ソフトウェアキーボードを通じたシャーシNo.の手入力が可能になる。
【0102】
なお、図13(B)に示すシャーシ選択画面において、右上端にある戻るボタンが操作されたとする。この場合には、制御部302の制御の下、配車情報提供部110が機能して、図12(B)に示した配車情報一覧画面の表示に戻るようにされる。すなわち、ステップS102の配車情報一覧画面を表示する処理から再度行われることになる。
【0103】
図13(B)に示したシャーシ選択画面において、読み取りシャーシ一覧から接続すべきシャーシのシャーシNo.を選択するか、あるいは、手入力欄に対して、接続すべきシャーシのシャーシNo.を手入力し、右下端部の確定ボタンが操作されたとする。この場合、制御部302は、端末装置3の端末識別情報と、ヘッドIDと、選択されたシャーシNo.と、ステップS103で用いた配車情報のオーダNo.とを含む、適合確認要求を形成し、これを管理サーバ1に送信する。このように、目的とするシャーシプールにおいて、ヘッド4に接続するシャーシのシャーシNo.を特定し、これを含む適合確認要求を形成して管理サーバ1に送信する処理がステップS105の処理である。
【0104】
端末装置3からの適合確認要求を受信した管理サーバ1では、制御部102の制御の下、シャーシ適合判定部112が機能して、適合/非適合情報を作成し、これを要求元の端末装置3に提供する処理を行う(ステップS203)。具体的に、ステップS203において、シャーシ適合判定部112は、受信した適合確認要求からシャーシNo.とオーダNo.とを抽出し、これらに基づいて、シャーシマスタファイル105Bと配車情報とを参照する。次に、シャーシ適合判定部112は、接続対象の当該シャーシが、車検が満了しておらず、当該オーダNo.により特定される配車情報により示される運送対象のコンテナに合致するものか否かを判定する。そして、シャーシ適合判定部112は、当該判定結果に基づいて、適合/非適合情報を作成し、これを要求元の端末装置3に送信する。
【0105】
なお、ステップS203で作成された適合/非適合情報が、適合を示す情報である時には、管理サーバ1の制御部102は、端末装置3からの要求に応じて、ステップS204の処理を実行可能にする。しかし、ステップS203で作成された適合/非適合情報が、非適合を示す情報である時には、後述するように、端末装置3で再度、接続対象のシャーシのシャーシNo.を選択することになるので、管理サーバ1の制御部102は、ステップS203の処理を繰り返して行うようにする。
【0106】
端末装置3は、管理サーバ1からの適合/非適合情報を受信し、これを表示部307に表示する処理を行う(ステップS106)。図14は、適合/非適合情報の表示画面の例を示す図である。このうち、図14(A)は、シャーシ接続可能確認画面の例であり、管理サーバ1からの適合/非適合情報が、適合であることを示し、端末装置3を通じて選択したシャーシ6が、ヘッド4に接続可能である旨を通知するものである。また、図14(B)は、シャーシ接続不可確認画面の例であり、管理サーバ1からの適合/非適合情報が、非適合であることを示し、端末装置を通じて選択したシャーシが、ヘッド4に接続不可である旨を通知するものである。
【0107】
ステップS106の処理において、図14(B)のシャーシ接続不可確認画面が表示された場合には、確認ボタンの操作が可能にされる。確認ボタンが操作されると、制御部302の制御の下、シャーシ情報読み取り処理部316が機能して、ステップS105のシャーシ選択画面の表示処理から繰り返すようにされる。
【0108】
また、ステップS106の処理において、図14(A)のシャーシ接続可能確認画面が表示部307に表示された場合には、接続ボタンとキャンセルボタンのいずれかの選択が可能にされる。この場合に、キャンセルボタンが操作されると、制御部302の制御の下、シャーシ情報読み取り処理部316が機能して、ステップS105のシャーシ選択画面の表示処理から繰り返すようにされる。また、図14(A)のシャーシ接続可能確認画面が表示部307に表示された場合に、接続ボタンが操作されると、制御部302の制御の下、シャーシ接続切り離し処理部317が機能して、シャーシ接続処理が実行される(ステップS107)。
【0109】
ステップS107においては、ヘッド4が、その後方を接続対象のシャーシ6に向けて接近し、当該ヘッド4と当該シャーシ6とを物理的に接続するようにする。従って、接続対象のシャーシ6に取り付けられているRFタグ7からの信号(電波)を、ヘッド4のコックピットの後方に送信し、コックピットの後方からの信号(電波)を受信する送受信アンテナ503Aにより一番良好に受信できる。そこで、端末装置3のシャーシ接続切り離し処理部317は、タグ読み取り装置5のアンテナ503Aにより最も良好に受信されているRFタグ7からの信号により提供されるシャーシNo.を、接続対象のシャーシ6のシャーシNo.として特定する。従って、読み取り装置は、3つあるアンテナ503A、503B、503Cのそれぞれごとに、区別可能な態様で、読み取ったシャーシNo.受信強度などの必要情報を、端末装置3に提供する機能を有する。
【0110】
なお、端末装置3の制御部302は、近距離無線通信部305及び近距離無線通信アンテナ305Aを通じて、タグ読み取り装置5に対して指示を出し、近距離無線通信アンテナ305Aを通じての信号(電波)の送信、受信を行うように制御してもよい。この場合のタグ読み取り装置5は、端末装置3からの指示に応じて、ヘッド4のコックピットの後方に位置する接続対象のシャーシ6のRFタグ7からのシャーシNo.を集中的に受信するように動作することができるものとなる。
【0111】
そして、シャーシ接続切り離し処理部317は、端末装置3の端末識別情報と、ヘッドIDと、タグ読み取り装置5からのシャーシNo.と、ステップS103で用いた配車情報のオーダNo.とを含む、適合判定要求を形成し、これを管理サーバ1に送信する。端末装置3からの適合判定要求を受信した管理サーバ1では、制御部102の制御の下、紐付け部113が機能して、適合判情報を作成し、これを要求元の端末装置3に提供する処理を行う(ステップS204)。
【0112】
具体的に、ステップS204において、紐付け部113は、受信した適合判定要求からシャーシNo.とオーダNo.とを抽出し、これらに基づいて、シャーシマスタファイル105Bと配車情報とを参照する。次に、紐付け部113は、接続対象の当該シャーシが、車検が満了しておらず、当該オーダNo.により特定される配車情報により示される運送対象のコンテナに合致するものか否かを判定する。そして、紐付け部113は、当該判定結果に基づいて、適合判定情報を作成し、これを要求元の端末装置3に送信する。
【0113】
ステップS204で作成された適合判定情報が、非適合を示す情報である時には、後述するように、端末装置3が持ち込まれたヘッド4は、再度、目的とするシャーシ6を接続する処理をやり直すことになる。このため、管理サーバ1の制御部102は、ステップS204の処理を繰り返して行うようにする。これに対して、ステップS204で作成された適合判定情報が、適合を示す情報である時には、管理サーバ1の制御部102の下、紐付け部113は、図11の処理に進み、ヘッド4とシャーシ6を紐付けて管理する処理を行う(ステップS205)。
【0114】
ステップS205において、紐付け部113は、ステップS204の判別結果から接続したヘッド4とシャーシ6とを特定する。そして、紐付け部113は、シャーシ位置情報ファイル106の対応するシャーシ位置情報の接続区分を「0(接続)」にし、ヘッドIDに端末装置3からのヘッドIDを書き込んで、ヘッド4とシャーシ6とを紐付けて管理できるようにする。
【0115】
端末装置3は、管理サーバ1からの適合判定情報を受信し、これを表示部307に表示する処理を行う(ステップS108)。この場合の表示処理では、基本的には、図14(A)に示したシャーシ接続可能確認画面と同様の画面か、図14(B)に示したシャーシ接続不可確認画面と同様の画面が表示される。
【0116】
ステップS108の処理において、図14(B)のシャーシ接続不可確認画面と同様の画面が表示された場合には、確認ボタンの操作が可能にされる。確認ボタンが操作されると、制御部302の制御の下、シャーシ接続切り離し処理部317が機能して、ステップS107処理から繰り返すようにされる。すなわち、正しいシャーシ6へヘッド4を位置付け直して、接続し直すようにする処理が行われ、接続し直すようにした新たなシャーシ6のRFタグ7から読み取ったシャーシNo.を管理サーバ1に送信する処理が繰り返されることになる。
【0117】
また、ステップS108の処理において、図14(A)のシャーシ接続可能確認画面が表示部307に表示された場合には、接続ボタンとキャンセルボタンのいずれかの選択が可能にされる。この場合に、キャンセルボタンが操作されると、制御部302の制御の下、シャーシ接続切り離し処理部317が機能して、ステップS107処理から繰り返すようにされる。従って、この場合にも、目的とするシャーシ6へヘッド4を位置付け直して、接続し直すようにする処理が行われ、接続し直すようにした新たなシャーシ6のRFタグ7から読み取ったシャーシNo.を管理サーバ1に送信する処理が繰り返されることになる。
【0118】
また、図14(A)のシャーシ接続可能確認画面が表示部307に表示された場合に、接続ボタンが操作されたとする。この場合には、制御部302の制御の下、シャーシプール入/出検知部315が機能して、進入(入場)しているシャーシプールからの退出(退場)検出を行う(ステップS109)。ステップS109の処理において、当該シャーシプールから退出したことが検出されると、制御部302の制御の下、動態通知処理部319が機能し、所定のタイミングごとに現在位置を通知する処理を開始する(ステップS110)。
【0119】
ステップS110において、動態通知処理部319は、所定のタイミングごと(例えば、数分ごと)に、時計回路318からの現在年月日及び現在時刻と、GPS部306からの現在位置を取得する。動態通知処理部319は、取得した現在年月日及び現在時刻と、現在位置と、ヘッドIDとを含む動態通知情報を形成し、これを管理サーバ1に通知する。
【0120】
管理サーバ1では、制御部102の制御の下、動態管理部114が機能し、現在位置把握処理を行う(ステップS206)。ステップS206において、管理サーバ1の動態管理部114は、端末装置3からの動態通知情報に基づいて、ヘッド動態情報ファイル107と、シャーシ位置情報ファイル106を更新する。
【0121】
すなわち、動態管理部114は、端末装置3からの動態通知情報のヘッドIDに基づいてヘッド動態情報ファイル107を参照し、対応するヘッド動態情報を特定する。そして、動態管理部114は、特定したヘッド動態情報の位置情報日付、位置情報日時、緯度、経度に、端末装置3からの動態通知情報の現在年月日、現在時刻、緯度、経度を更新する。
【0122】
同様に、動態管理部114は、端末装置3からの動態通知情報のヘッドIDに基づいて、シャーシ位置情報ファイルを参照し、対応するヘッドIDを有するシャーシ位置情報を特定する。そして、動態管理部114は、特定したシャーシ位置情報の位置情報日付、位置情報日時、緯度、経度に、端末装置3からの動態通知情報の現在年月日、現在時刻、緯度、経度を更新する。これにより、ヘッド4と、これに接続されているシャーシ6との現在位置を、同時に管理できる。
【0123】
端末装置3のステップS111の処理と管理サーバ1のステップS206の処理は、シャーシを切り離すシャーシプールに到達するまで、所定のタイミングごとに繰り返し行われる。すなわち、当該ヘッド4が、シャーシプールでシャーシを接続し、発地でコンテナを積載し、着地に向かい、着地でコンテナを下ろし、シャーシがヘッドから切り離されるまで、ヘッド4と、これに接続されたシャーシの動態管理が行われる。
【0124】
この後、当該運行日における運送予定が終了し、配送情報により、所定のシャーシプールにおいて、接続されているシャーシを切り離す指示がされていたとする。この場合、運転手は、指示されたシャーシプールにヘッド4及びシャーシを移動し、シャーシを安全に駐車可能な位置に停車させ、例えば、図12(B)に示した配車情報一覧画面において、運行日の表示の下側に位置する切り離しボタンを操作する。
【0125】
この場合、端末装置3の制御部302は、シャーシ接続切り離し処理部317を制御し、シャーシ切り離し処理を実行する(ステップS111)。ステップS111の処理において、シャーシ接続切り離し処理部317は、図15(A)に示すシャーシ切り離し確認画面を表示し、確認入力を受け付ける。図15に示すシャーシ切り離し確認画面では、「はい(ホネ)」、「はい(オン)」、「いいえ」、「シャーシ変更」の4つ確認入力を行うことができる。
【0126】
「はい(ホネ)」という確認入力は、コンテナが積載されていないシャーシを切り離すことを意味するものである。「はい(オン)」という確認入力は、コンテナが積載されているシャーシを切り離すことを意味するものである。「いいえ」は、シャーシの切り離しは行わないことを意味するものであり、シャーシの駐車位置を変更したり、別のシャーシプールに移動したりする必要があり、シャーシの切り離しを行わない場合に使用する。「シャーシ変更」は、現在接続されているシャーシを切り離し、別のシャーシを接続し直す場合に使用する。「シャーシ変更」の場合には、シャーシ切り離し処理後において、ステップS105のシャーシ選択画面の表示からの処理が繰り返されることになる。
【0127】
この例において、ステップS111では、「はい(ホネ)」という確認入力が行われ、コンテナが積載されていない、使用が終了したシャーシを切り離すものとする。この場合、シャーシ接続切り離し処理部317は、端末装置3の端末識別情報と、ヘッドIDと、シャーシNo.と、該当する配車情報のオーダNo.と、コンテナが積載されていないシャーシの切り離しを指示する切り離し要求を作成し、これを管理サーバ1に送信する。
【0128】
端末装置3からの切り離し要求を受信した管理サーバ1は、制御部102の制御の下、紐付け解除部115が機能し、ヘッド4とシャーシ6を切り離して管理する処理に移行する(ステップS207)。具体的に、紐付け解除部115は、ステップS207において、端末装置3からの切り離し要求に含まれるシャーシNo.に基づいて、シャーシ位置情報ファイル106の対応するシャーシ位置情報を特定する。そして、紐付け解除部115は、当該シャーシ位置情報の接続区分を「1(未接続)」にし、ヘッドIDに書き込まれているヘッドIDをクリア(初期化)する。また、切り離し要求に含まれるオーダNo.により特定される配車情報のシャーシの接続フラグを、未接続を示すものにし、メンテ情報を使用済みであることを示す「削除」にするなど所定の更新を行う。
【0129】
なお、図15(A)に示したシャーシ切り離し確認画面において、対応しない確認ボタン、例えば、コンテナが積載されていないシャーシを切り離すのに、コンテナが積載されたシャーシを切り離すことを指示する「はい(オン)」ボタンが操作されたとする。この場合には、管理サーバ1においてシャーシ位置情報ファイル106の該当情報を確認し、間違っている場合には、操作間違いであるメッセージを返す。この場合には、図15(B)に示すように、切り離し対象のシャーシは、コンテナが積載されていないことを通知し、確認ボタン選択後に、図15(A)の表示に戻り、確認選択のやり直しを行うことができるようにされる。
【0130】
この例の場合には、シャーシの切り離しにより、当該運行日の運送作業が終了したので、端末装置3が使用者からのログオフの指示入力を受け付けて、ログオフ要求を形成し、これを管理サーバ1に送信する(ステップS112)。管理サーバ1では、制御部102が機能し、当該端末装置3と管理サーバ1との間に接続した通信路を切断するログオフ処理を行い(ステップS208)、端末装置3、管理サーバ1とも、シャーシ共有システムとしての処理を終了する。
【0131】
このように、端末装置3と管理サーバ1とは協働することにより、ヘッド4に対して、配車情報に応じた適切なシャーシを接続し、また、運送が終了すれば、これを切り離すことができる。この状態は、シャーシ位置情報ファイルのシャーシ位置情報により、常時適切に管理される。従って、全てのシャーシの現在位置を適切に把握できるので、配車情報に応じて決まる必要なシャーシはどこのあるのかを把握して、これをヘッド4の運転手に端末装置3を通じて指示することができる。従って、ヘッド4の運転手が、自己の運送業務を履行するために、必要なシャーシを探す作業を無くし、迅速に運行業務を行うことができる。
【0132】
[従来の運送態様とこの発明のシャーシ共有システムを利用した運送態様]
上述したシャーシ共有システムを利用することにより、効率的に運送業務を行うことができ、二酸化炭素(CO2)の削減に大きく寄与できる。以下にその実例を説明する。図16は、シャーシプールが複数存在し、複数の種類のシャーシが共有されている場合の運送態様について説明するための図である。ここでは、図16(A)に示すように、まず、(1)20フィート2軸シャーシで、X港から倉庫Aにコンテナを運送する。次に(2)40フィート2軸シャーシで、倉庫BからY港にコンテナを運送する。次に(3)40フィート3軸シャーシで、Y港から倉庫Cにコンテナを運送する。最後に(4)20フィート2軸シャーシで、倉庫AからX港にコンテナを運送する。という一連の運送業務を行う場合について考える。
【0133】
この例の場合、図16(B)に示すように、X港、Y港には、それぞれシャーシプールXP、YPがあり、その他には、内陸にシャーシプールSP1、SP2の2箇所のシャーシプールが存在するものとする。倉庫A、B、Cは、内陸の物流拠点であり、比較的に近接して存在しているものとする。そして、X港から倉庫A、B、Cまでは50km、X港からシャーシプールSP2までは100kmの距離があるものとする。また、倉庫A、B、CからY港までは80km、Y港からシャーシプールSP1までは50km、シャーシプールSP1からSP2までは50kmの距離があるものとする。また、図16(A)の(3)の運行で使用する40フィート3軸のシャーシはシャーシプールXPにしか存在しないものとする。
【0134】
図17は、図16(A)に示した運送を行う場合に、上述した実施の形態のシャーシ共有システムを利用しない場合の運送工程と、利用した場合の運送工程とを説明するための図である。上述した実施の形態のシャーシ共有システムを利用しない場合の運送工程は、図17(A)に示すものとなる。この場合、まず、所定のヘッド4にX港のシャーシプールXPで20フィート2軸のシャーシを接続し、X港でコンテナ(実入りの状態)を積載して、倉庫Aに向かい、コンテナを積載したままの20フィート2軸のシャーシを切り離す(ステップS1)。
【0135】
次に、当該ヘッド4は、ヘッドのみでB倉庫に向かい、40フィートコンテナが積載された40フィート2軸のシャーシを接続し、Y港に向かう(ステップS2)。コンテナを下した後、空の40フィート2軸のシャーシをシャーシプールYPで切り離し、シャーシプールYP内で次に使用する40フィート3軸のシャーシを探す。シャーシプールYPには該当のシャーシは存在しないことから、次に近いシャーシプールSP1へ、当該ヘッド4のみで向かい、該当のシャーシを再び探す(ステップS3)。シャーシプールSP1にも該当のシャーシが存在しないため、次に当該ヘッド4は、近いシャーシプールSP2に向かう(ステップS4)。シャーシプールSP2にも同様に該当のシャーシが存在しないため、当該ヘッド4は、シャーシプールXPへ向かう(ステップS5)。
【0136】
そして、当該ヘッド4は、X港そばのシャーシプールXPにて40フィート3軸のシャーシを接続し、Y港に向かう(ステップS6)。Y港でコンテナを積載し、倉庫Cに向かい(ステップS7)、コンテナを積載したままの40フィート3軸シャーシを切り離す。その後、当該ヘッド4のみで倉庫Aに向かい、ステップS1で切り離したコンテナ(空の状態)が積載された20フィート2軸のシャーシに再度接続し、X港へ向かい、コンテナを下ろす(ステップS8)。その後、当該ヘッド4は、シャーシプールXPに戻り、20フィート2軸のシャーシを切り離して、運送業務を終了する。この場合の走行距離の総計は590kmである。
【0137】
これに対して、上述した実施の形態のシャーシ共有システムを利用した場合、図16(A)に対応する配送情報に基づいて、利用すべきシャーシの位置は把握でき、これを運送に用いるヘッド4の運転手に対して、端末装置3を通じて指示できる。これにより、実際の運送工程は、図17(B)に示す通りとなる。まず、所定のヘッド4にX港のシャーシプールXPで20フィート2軸のシャーシを接続し、X港でコンテナ(実入りの状態)を積載して、倉庫Aに向かい、コンテナを積載したままの20フィート2軸のシャーシを切り離す(ステップS11)。次に当該ヘッド4は、ヘッドのみで倉庫Bに向かい、40フィートコンテナが積載された40フィート2軸のシャーシを接続し、Y港に向かい(ステップS12)、コンテナを下す。
【0138】
当該ヘッド4は、Y港のシャーシプールYPで、当該ヘッドから40フィート2軸のシャーシを切り離し、40フィート3軸のシャーシの存在するシャーシプールXPに直接向かい(ステップS13)、該当のシャーシを接続し、Y港に向かう(ステップS14)。その後、Y港で40フィートコンテナを積載し、倉庫Cに向かう(ステップS15)。倉庫Cでコンテナを積載したままの40フィート3軸シャーシを切り離す。その後、当該ヘッド4のみで倉庫Aに向かい、ステップS11で切り離したコンテナ(空の状態)が積載された20フィート2軸のシャーシに再度接続し、X港に向かい、コンテナを下す。その後シャーシプールXPに戻り(ステップS16)、20フィート2軸のシャーシを切り離して、運送業務を終了する。この場合の走行距離の総計は520kmである。従って、同じ内容の運送業務を行っているのに、シャーシを探さなくて良い分だけ走行距離が短くなる。
【0139】
図17(B)の処理では、上述した実施の形態のシャーシ共有システムを利用することにより、配車情報により指示される運送業務を行うために必要なシャーシがどこのシャーシプールに存在しているのかを、リアルタイムに正確に知ることができる。このため、図10図11を用いて説明した処理を行うことにより、ヘッド4が走行する距離をできるだけ短くなるようにすることが可能になる。すなわち、目的とするシャーシは存在するシャーシプールが分からない場合には、通常であれば、目的とするシャーシが必ずあるであろうと予測されるシャーシプールに行くことになる。
【0140】
しかし、この実施の形態のシャーシ共有システムの場合には、目的とするシャーシが存在するシャーシプールを知ることができるので、目的とするシャーシを探すために無駄にヘッド4を走行させることがない。図17(A)を用いて説明した例の場合には、各シャーシプールには、利用可能なシャーシがどこにあるかわからないものとして説明した。このため、Y港から近い順番でシャーシプールへ移動し、シャーシを探すこととなった。これにより、シャーシプールYPからシャーシプールSP1、シャーシプールSP1からシャーシプールSP2、シャーシプールSP2からシャーシプールXPと無駄な距離を走行することとなった。
【0141】
予めシャーシがどこに存在しているかが分かっていれば、X港のシャーシプールXPに行けばよいのか、内陸シャーシプールSPに行けばよいのかが分かるので、いわゆる無駄足を踏むことがない。X港のシャーシプールXPに目的とするシャーシが存在することが分かっていれば、図17(B)を用いて説明したように、例え距離的には遠くても、X港のシャーシプールXPに直接向かうことができる。すなわち、距離的に近いというだけで、初めに、目的とするシャーシが駐車されていないY港のシャーシプールYPでシャーシを探し、その後、内陸のシャーシプールSP1、SP2に向かうという、無駄足を踏むことがない。
【0142】
図17では、シャーシ共有システムを用いない場合(図17(A))とシャーシ共有システムを用いた場合(図17(B))とで、明確に違いのでる走行距離に着目したが、運送業務に係る時間にも大きな差が生じる。上述したように、図17(A)に示した例の場合の総走行距離は590kmで、図17(B)に示した例の場合の総走行距離は520kmであるので、その差は70kmである。このため、図17(A)に示した場合も、図17(B)に示した場合も、仮に平均移動速度が仮に70kmであれば、図17(B)に示した例の場合には、図17(A)に示した例の場合に比べ、運送時間は1時間短縮できる。
【0143】
また、図17(A)に示した例の場合には、シャーシプールSP1、SP2のそれぞれにおいて、目的とするシャーシである40フィート3軸のシャーシを探す作業に時間がかかる場合がある。すなわち、40フィートシャーシと20フィートシャーシとでは、全長が異なるので判別しやすい。しかし、2軸シャーシと3軸シャーシとについては、40フィートシャーシに設けられているシャフトの数(片側の車輪の数)を確認しなければ、判別できない。このため、目的とするシャーシが見えやすい場所になければ、各シャーシのシャフトの数を1台1台確認しなければならないので、目的とするシャーシを見つける作業にある程度の時間がかかる場合がある。
【0144】
このシャーシを見つける作業に、仮にシャーシプールSP1、SP2のそれぞれで、15分かかった場合には、図17(A)に示した例よりも、図17(B)に示した例の方が、運送業務にかかる時間は、30分短縮できる。従って、目的とするシャーシが存在するシャーシプールが分かっていない場合と、分かっている場合とでは、運送業務に係る総時間にも大きな差が生じる。このように、上述した実施の形態のシャーシ共有システムを用いることにより、運送業務にかかる走行距離と業務時間との両方を確実に短縮することができる。
【0145】
図17(A)、(B)を用いて説明した運送業務の運送工程は、所定のヘッド4についてのものである。すなわち、1台のヘッド4の運送工程を示している。しかし、上述した実施の形態のシャーシ共有システムは、数十台、数百台のヘッド4と、数十台、数百台のシャーシ6を共有する大規模事業者や複数の事業者が集まって構成された事業体において利用される。このため、大規模事業者や複数の事業者が集まって構成された事業体においては、全体として、効率的に運送業務を行うことができ、二酸化炭素(CO2)の削減に大きく寄与できる。
【0146】
[シャーシの不足するシャーシプールの予測処理と事前配送処理]
管理サーバ1には、配車情報ファイル109(図6)とシャーシ位置情報ファイル106(図4)が整備されている。これらの情報を用いて、運送日当日の最終の各シャーシ6の位置を予測することができる。この予測結果から翌日の運送業務において、目的とするシャーシ6(例えば、40フィート3軸シャーシ)が不足するシャーシプールを予測することもできるので、事前に目的とするシャーシ6が不足すると予測されるシャーシプールへの目的とするシャーシ6の運送予定を組み込むことができる。
【0147】
図18は、シャーシ不足予測と配車情報の修正処理を説明するための図である。配車情報ファイル109は、図6を用いて説明したように、どのヘッド4を用いて、いつ、何処から何処へ、どのようなコンテナを運送するのかを示す情報である。また、シャーシ位置情報ファイル106は、各シャーシ6の実際の所在位置(現在位置)をリアルタイムに把握できる情報である。
【0148】
当該処理を実現するため、管理サーバ1には、処理部として、シャーシ位置予測処理部121と、シャーシ不足プール抽出処理部123と、運送可能ヘッド抽出処理部125と、配車情報修正処理部127を設ける。また、管理サーバ1には、データファイルとして、シャーシ位置予測ファイル122と、シャーシ不足ファイル124と、運送可能ヘッド126とを設けるようにする。そして、図18に示す処理を実行する。
【0149】
まず、シャーシ位置予測処理部121は、配車情報ファイル109の当日分の配車情報とシャーシ位置情報ファイル106の情報とから、当日の最終のシャーシ位置を予測し、シャーシ位置予測データを形成して、シャーシ位置予測ファイルに記録する。この処理の開始時には、シャーシ位置情報ファイル106と、シャーシ位置予測ファイル122のデータは同じものである。そして、配車情報ファイルの配車データに従って、近隣のシャーシプールに存在するシャーシ6を選択するようにして、シャーシ位置予測ファイル122のシャーシ位置情報を順次に更新していく。これにより、当日の最終の各シャーシ6の所在位置が予測できる。
【0150】
次に、シャーシ不足プール抽出処理部123は、配車情報ファイル109の翌日分の配車情報に従って、近隣のシャーシプールに存在するシャーシ6を選択するようにして、シャーシ位置予測ファイル122のシャーシ位置情報を順次に更新していく。この場合、近隣のシャーシプールに目的とするシャーシ6が存在しなかった場合に、当該近隣のシャーシプールに目的とするシャーシ6が不足すると判別できる。この場合、シャーシプールを特定する情報と、不足するシャーシ6の種類を示す情報とからなるシャーシ不足プール情報を形成し、これをシャーシ不足プールファイル124に記録する。
【0151】
この後、運送可能ヘッド抽出処理部125が機能して、目的とするシャーシ6が不足するシャーシプールへ当該不足するシャーシを運送できるヘッド4を抽出する処理を行う。運送可能ヘッド抽出処理部125は、配車情報ファイル109の当日分の配車情報とシャーシ位置情報ファイル106の情報とシャーシ不足プールファイル124とを参照する。この場合、運送可能ヘッド抽出処理部125は、不足する種類のシャーシ(目的とするシャーシ)6が駐車されているシャーシプールの近傍と目的とするシャーシ6が不足するシャーシプールの近傍との両方を通行するヘッド4を特定する。この特定したヘッドの内、例えば、接続しているシャーシ6が到着先にも十分に存在するヘッド4を抽出し、この抽出したヘッド4を特定する情報を運送可能ヘッド情報として運送可能ヘッドファイル126に記録する。
【0152】
次に、配車情報修正処理部127は、当日分の配車情報を修正する処理を行う。具体的には、運送可能ヘッドファイル126の情報に基づいて、配車情報ファイル109の当日分データに、所定の種類のシャーシ6が不足するシャーシプールに、当該所定の種類のシャーシ6を運送するように、配送情報を変更あるいは追加する処理を行う。これにより、運送可能ヘッド抽出処理部125によって抽出されたヘッド4が、シャーシ不足プール抽出処理部123において抽出されたシャーシが不足するシャーシプールに、不足する種類のシャーシを、事前に運送しておくことができる。
【0153】
これにより、翌日の運送業務においては、目的とする種類のシャーシが、近隣のシャーシプールに存在しないために、遠方のシャーシプールに取りに行くといった状況を、できるだけ発生させないようにして、効率的に運送業務を行うことができる。図18に示した処理は、例えば、その日の運送業務が始まる前に行うようにすればよい。例えば、1日の業務が終了し、次の日の業務が開始される前の深夜や早朝の時間帯に行えば、当日分の配車情報の追加や変更を、余裕を持って行うことができる。また、深夜においても、遠方への運送業が行われている場合もあるが、その状況はシャーシ位置情報ファイル106でリアルタイムに把握されているので、図18に示す処理に支障をきたすこともない。
【0154】
[シャーシの事前移動を含めた、配車情報の自動生成処理]
図18を用いて説明した処理は、指示入力に応じて形成された配車情報があることを前提に、シャーシの不足するシャーシプールを予測した。しかし、荷物受注情報、ヘッド位置情報、シャーシ位置情報があれば、シャーシ6の事前の移動を含めて、効率良く運送業務を行うための配車情報を自動生成することができる。
【0155】
ここで、荷物受注情報は、どのようなコンテナを、何処(発地)から何処(着地)に、いつ運送する業務を受注したのかを示す情報であり、図2には図示していないが、管理サーバ1に設けられる荷物受注情報ファイルに蓄積されるものである。ヘッド位置情報は、上述したヘッド動態情報ファイル107で管理されている情報であり、シャーシ位置情報は、上述したシャーシ位置情報ファイル106で管理されている情報である。
【0156】
管理サーバ1では、荷物受注情報ファイルの荷物受注情報に基づいて、発地に向かうのに適したヘッド4をヘッド動態情報ファイル107の蓄積情報から特定すれば、当該荷物受注情報とヘッド位置情報とから、図6を用いて説明した配車情報を形成できる。この場合、管理サーバ1では、必要に応じてヘッドマスタファイル105Aの情報を参照して、適したヘッド4の選択が可能である。
【0157】
更に、管理サーバ1では、形成した当該配車情報のコンテナサイズ、コンテナタイプ、軸区分などのシャーシ6に関する情報に基づいて、使用するシャーシ6の種類を特定する。この特定したシャーシ6の種類に基づいて、シャーシマスタファイル105Bの情報とシャーシ位置情報ファイル106の蓄積情報を突き合わせ、当該運送業務に適したシャーシ6を特定すれば、使用するシャーシの指示も配車情報により行うことができる。すなわち、何処のシャーシプールにあるどのシャーシ6を使用すればよいのかも配車情報に含めて指示できる。
【0158】
この場合に、近隣のシャーシプールに目的とするシャーシ6が存在しないために、距離の離れたシャーシプールに目的とするシャーシを取りに行く必要が生じたとする。この場合には、それまでの配車情報とシャーシ位置情報とから、当該近隣のシャーシプールに当該目的とするシャーシ6を事前に移動できるヘッド4を探し出して特定する。この特定したヘッド4の配車情報として、当該近隣のシャーシプールへの当該目的とするシャーシ6の移動を指示する配車情報を形成し、これを配車情報ファイル109に追加する。
【0159】
これにより、近隣のシャーシプールに目的とするシャーシ6が存在しないために、距離の離れたシャーシプールに目的とするシャーシ6を取りに行く必要が生じるといった不都合を生じさせないようにできる。すなわち、近隣のシャーシプールに目的とするシャーシ6を接続しに行くことで運送業務を遂行できる状況を形成できるように、運送業務の効率化を図ることができるように配車情報を形成できる。
【0160】
このような一連の処理においては、配車情報の生成のために、ヘッド動態情報ファイル107やシャーシ位置情報ファイル106の情報は、順次に更新される必要があるが、実際に更新してしまうと、現実のヘッド4やシャーシ6の位置の把握ができなくなる。そこで、配車情報の生成開始時の内容は、ヘッド動態情報ファイル107やシャーシ位置情報ファイル106と同じであるが、配車情報の生成のためだけに使用する作業用ヘッド動態情報ファイルと作業用シャーシ位置情報ファイルを別途設けるようにすればよい。これにより、ヘッドやシャーシのリアルタイムな位置の把握に支障を来たすこともない。
【0161】
このように、荷物受注情報、ヘッド位置情報、シャーシ位置情報があれば、シャーシ6の事前の移動を含めて、効率良く運送業務を行うための配車情報を自動生成することができる。もちろん、必要に応じて、ヘッドマスタファイル105Aやシャーシマスタファイル105B等の参照も可能であるし、不足する情報については、補うようにすればよい。なお、ヘッド4やシャーシ6の不具合の発生等により、配車情報に変更が生じた場合には、その他の配車情報に影響を及ぼさないように、変更が生じた配車情報を起点とする配車情報について、新たに配車情報を生成する処理を設けることも可能である。
【0162】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態のシャーシ共有システムによれば、ヘッド4とシャーシ6の紐付け、紐付け解除を適切に行うことができる。これにより、ヘッド4とシャーシ6の動態管理を適切に行い、ヘッド4とシャーシ6の所在を常時適切に把握できる。これにより、シャーシを適切に共有活用して、効率的な運送を行うことができる。
【0163】
また、複数のヘッド4により共有されるシャーシ6の車検管理もできるため、シャーシ6がどこにあっても、適切なタイミングで車検に出すことができ、車検を失念することがなく、シャーシの利用機会を失わせることもない。また、仮に車検が切れたシャーシがシャーシプールに存在していても、これを利用するといった不都合を防止できる。
【0164】
[変形例]
なお、上述した実施の形態のシャーシ共有システムの場合には、ヘッド4とシャーシ6のリアルタイムな動態管理が可能である。このため、長時間の走行が続いている場合には、休憩を取るように端末装置3を通じて促すことができる。逆に、コンテナを積載したシャーシを接続したヘッド4が、長時間に渡って停車している場合には、不具合の発生の可能性があるので、端末装置3を通じて問合せを行うことができる。このように休憩管理や問題発生の早期把握に役立てることもできる。
【0165】
また、ヘッド4とシャーシ6との所在位置を別個に管理できるので、シャーシ6が接続されていないヘッド4の状態もリアルタイムに把握できる。このため、シャーシ6が接続されていないヘッド4の運転手の休憩管理も可能である。
【0166】
また、ヘッドとシャーシからなるトラックの場合、通行できない道路も存在する。このため、管理サーバ1において、大型のトラックの通行が可能な道路と不可能な道路の区別が可能な地図DB(Data Base)と、対応する道路ネットワークDBとを備えるようにする。これにより、大型トラックに特化したナビゲーションサービスが提供できる。
【0167】
また、上述したように、各シャーシプールに駐車されているシャーシについては、リアルタイムに把握できる。すなわち、どのシャーシプールにどのようなシャーシがどれだけ駐車されているかを正確に把握できる。このため、各シャーシプール間で、駐車されているシャーシに片寄りが生じている場合には、空いているヘッドを利用して、シャーシの移動を行うようにし、各シャーシプール間で生じているシャーシの片寄りを解消することができる。
【0168】
また、例えば、新規の購入したシャーシや新規に事業体に参加した会社のシャーシなどのシャーシ位置情報ファイルに情報が登録されていないシャーシが存在する場合には、端末装置3を通じて、管理サーバ1に通知し、シャーシ情報の整備を促すこともできる。この場合には、端末装置3で目的とするシャーシの写真を撮影し、GPS部306を通じて取得した現在位置と共に、管理サーバ1に通知することにより、管理サーバ1が担当者に対して、RFタグの取り付けを促すこともできる。
【0169】
また、接続対象のシャーシ6にRFタグ7が取り付けられていなかったり、破損していて機能していなかったりする場合には、図13(B)を用いて説明したように、接続対象のシャーシのシャーシNo.を手入力できるようにした。この場合、図10に示した端末装置3のステップS107の処理と、管理サーバ1のステップS204の処理においては、手入力したシャーシNo.を用いることが考えられる。しかし、入力ミスも考えられるため、接続対象のシャーシに取り付けられているプレートに記載されているシャーシNo.を、端末装置3のカメラ機能を用いて撮影し、これを管理サーバ1に送信する。そして、管理サーバ1では、端末装置3からの写真に写っているシャーシNo.を認識し、これを用いて適合判定を行うようにいてもよい。
【0170】
また、図13(B)に示した読み取りシャーシ一覧画面においては、RFタグ7から受信した電波の電波強度の強い順に表示することができる。また、シャーシマスタファイル105Bには、シャーシ6がヘッド4と切り離された際の位置情報として、緯度、経度を含むようにできる。これにより、シャーシプール内において、目的とするシャーシ6まで端末装置3を介して案内することができる。この場合、目的とするシャーシ6に近づくにつれて、放音音声(報知音)を大きくしたり、案内の内容(音声メッセージや表示メッセージ)を変えたりして案内することもできる。
【0171】
また、シャーシ6の位置を多数の端末装置3を通じて、管理サーバ1に送信することができるので、シャーシプール内でのシャーシ6の位置を確実に特定することができる。また、誤ったシャーシプールにヘッド4が進入したり、シャーシプール内の誤った位置にシャーシ6を運んだりした場合には、警告とその理由を、端末装置3を通じて出力し、ドライバ(使用者)に通知できる。また、シャーシ6に積載するコンテナ自体にもRFタグを取り付けて、管理能力を向上させることもできる。
【0172】
また、管理サーバ1の機能は、ネットワーク2上に設けられた複数のサーバ装置により、いわゆるクラウドシステムとして実現することも、もちろん可能である。
【符号の説明】
【0173】
1…運送用トラック管理サーバ装置、101T…接続端、101…通信I/F、102…制御部、103…記憶装置、104…地図DB、105…マスタファイル群、105A…ヘッドマスタファイル、105B…シャーシマスタファイル、105C…タグマスタファイル、105D…拠点マスタファイル、105E…庭先情報マスタファイル、106…シャーシ位置情報ファイル、107…ヘッド動態情報ファイル、108…配車情報管理部、109…配車情報ファイル、110…配車情報提供部、111…シャーシ情報提供部、112…シャーシ適合判定部、113…紐付け部、114…動態管理部、115…紐付け解除部、2…ネットワーク、3、3(1)、3(2)…端末装置、301A…無線通信アンテナ、301…無線通信部、302…制御部、303…記憶装置、304…操作部、305…近距離無線通信部、305A…近距離無線通信アンテナ、306…GPS部、306A…GPSアンテナ、307…表示部、308…タッチセンサ、309…タッチパネル、310…音声出力処理部、311…スピーカ、312…認証処理部、313…配車情報処理部、314…シャーシ情報検索要求部、315…シャーシプール入/出検知部、316…シャーシ情報読み取り処理部、317…シャーシ接続切り離し処理部、318…時計回路、319…動態通知部、4、4(1)、4(2)…ヘッド、5、5(1)、5(2)…タグ読み取り装置、501A…近距離無線通信アンテナ、501…近距離無線通信部、502…制御部、503…送受信処理部、503A、503B、503C…送受信アンテナ、6、6(1)、6(2)…シャーシ、7、7(1)、7(2)…RFタグ、Cb…コンデンサ、71…ICチップ、72…コイル、73、74…接点
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