(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/48 20180101AFI20231225BHJP
F24F 1/0083 20190101ALI20231225BHJP
F24F 11/61 20180101ALI20231225BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20231225BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20231225BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20231225BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20231225BHJP
【FI】
F24F11/48
F24F1/0083
F24F11/61
F24F11/65
F24F110:10
F24F110:20
F24F140:20
(21)【出願番号】P 2019231660
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】カーデア ブリジモハン
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-317113(JP,A)
【文献】特開2016-118371(JP,A)
【文献】特開2001-041542(JP,A)
【文献】実公昭48-016696(JP,Y1)
【文献】特開2007-271263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/48
F24F 1/0083
F24F 11/61
F24F 11/65
F24F 110/10
F24F 110/20
F24F 140/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風または暖房運転により当該室内機の内部清浄を行う内部清浄機能を有し、室内の温度および湿度を検出する温湿度センサと、室内の空気に対して熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の温度を検出する第1温度センサと、当該室内機における内部清浄機能実行時の送風または暖房運転の制御を行う制御部と、を備えた室内機、
および温度を検出する第2温度センサを備えた室外機、を含む空気調和システムであって、
前記制御部は、
少なくとも、前記熱交換器の温度、ならびに、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を行
い、
内部清浄機能実行時において、前記制御部は、
前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、
前記熱交換器の温度が前記露点温度より高いか否かに応じて、送風運転を行うか暖房運転を行うかを切り替え、
前記熱交換器の温度が前記露点温度以下であり、かつ、前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度が所定温度未満である場合、暖房運転を行い、
前記熱交換器の温度が前記露点温度より高いか、または、前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度が所定温度以上である場合、送風運転を行うことを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
送風または暖房運転により当該室内機の内部清浄を行う内部清浄機能を有し、室内の温度および湿度を検出する温湿度センサと、室内の空気に対して熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の温度を検出する第1温度センサと、当該室内機における内部清浄機能実行時の送風または暖房運転の制御を行う制御部と、を備えた室内機、
温度を検出する第2温度センサを備えた室外機、および前記室内機と同じ室内に設置され、温湿度センサと、当該室内機と通信するための通信機能とを備えた電子機器、を含む空気調和システムであって、
前記室内機は、前記電子機器と通信し、当該電子機器が備える温湿度センサが検出した温度および湿度の情報を取得するための通信機能を含み、
前記制御部は、
少なくとも、前記熱交換器の温度、ならびに、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を行
い、
前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に加えて、前記通信機能によって前記室内機が前記電子機器から取得した温度および湿度の情報に応じて前記内部清浄運転の制御を行うことを特徴とする空気調和システム。
【請求項3】
内部清浄機能実行時において、前記制御部は、
前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、
前記熱交換器の温度が前記露点温度より高いか否かに応じて、送風運転を行うか暖房運転を行うかを切り替えることを特徴とする請求項
2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記室内機は、
前記内部清浄運転を実行する時期を設定するためのタイマを備え、
前記制御部は、
前記タイマが設定した時期になったとき、前記内部清浄運転の制御を行うことを特徴とする請求項1~
3の何れか1項に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記タイマが設定する時期は、ユーザ自身が設定した時間帯、または人工知能によって設定されるユーザの活動時間帯であることを特徴とする請求項
4に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記室内機における、前記熱交換器に吹き付ける風の風路に除湿フィルタが配置されていることを特徴とする請求項1~
5の何れか1項に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記室内機は、
冷房または自動運転時において、
前記制御部は、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、
当該室内機における前記熱交換器の温度を前記露点温度より高めにし、顕熱で冷房能力を得る顕熱運転機能を有していることを特徴とする請求項1~
6の何れか1項に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記のような室内空調方法が知られている。当該室内空調方法において、空調装置における室内機の内部に加湿装置を内蔵させ、空調対象の室内においてその壁面と床面及び天井面にそれぞれ温湿度センサを設置し、前記温湿度センサの温湿度データを受信するとともにその温湿度データにより前記空調装置と前記加湿装置とを運転制御する制御装置を設けて、室内の所定の範囲を設定の温湿度になるように空調管理する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-229031号公報(2009年10月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1記載の従来の室内空調方法では、内部清浄運転は室内の温度および室外の温度のみに基づいて制御されている。このように、室内の温度および室外の温度のみに基づく制御では、室内機の熱交換器に露が付いているか否かを正確に判断するのは難しい。このため、熱交換器に露が付いていない場合に、内部清浄運転として暖房運転を実行したり、熱交換器に露が付いている場合に、内部清浄運転として送風運転を実行したりするおそれがある。例えば、熱交換器に露が付いていない場合に、内部清浄運転として暖房運転を実行すれば、冷房運転によって下がった室温が上がる。また、熱交換器に露が付いている場合に、内部清浄運転として送風運転を実行すれば、熱交換器に付いた露がなくなるまで送風運転を行う必要があるため、内部清浄運転の実行時間が長くなる。従って、室内の温度、室外の温度のみでは、内部清浄運転の制御を適切に行うのは難しいと考えられる。つまり、従来の室内空調方法における、内部清浄運転技術としては更に改善する余地があるといえる。
【0005】
本発明の一態様は、少なくとも熱交換器の温度、ならびに、室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を適切に行う空気調和システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和システムは、送風または暖房運転により当該室内機の内部清浄を行う内部清浄機能を有し、室内の温度および湿度を検出する温湿度センサと、室内の空気に対して熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の温度を検出する第1温度センサと、当該室内機における内部清浄機能実行時の送風または暖房運転の制御を行う制御部と、を備えた室内機、および温度を検出する第2温度センサを備えた室外機、を含む空気調和システムであって、前記制御部は、少なくとも、前記熱交換器の温度、ならびに、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を行い、内部清浄機能実行時において、前記制御部は、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、前記熱交換器の温度が前記露点温度より高いか否かに応じて、送風運転を行うか暖房運転を行うかを切り替え、前記熱交換器の温度が前記露点温度以下であり、かつ、前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度が所定温度未満である場合、暖房運転を行い、前記熱交換器の温度が前記露点温度より高いか、または、前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度が所定温度以上である場合、送風運転を行う。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和システムは、送風または暖房運転により当該室内機の内部清浄を行う内部清浄機能を有し、室内の温度および湿度を検出する温湿度センサと、室内の空気に対して熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の温度を検出する第1温度センサと、当該室内機における内部清浄機能実行時の送風または暖房運転の制御を行う制御部と、を備えた室内機、温度を検出する第2温度センサを備えた室外機、および前記室内機と同じ室内に設置され、温湿度センサと、当該室内機と通信するための通信機能とを備えた電子機器、を含む空気調和システムであって、前記室内機は、前記電子機器と通信し、当該電子機器が備える温湿度センサが検出した温度および湿度の情報を取得するための通信機能を含み、前記制御部は、少なくとも、前記熱交換器の温度、ならびに、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を行い、前記室外機の前記第2温度センサによって検出された温度、前記室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に加えて、前記通信機能によって前記室内機が前記電子機器から取得した温度および湿度の情報に応じて前記内部清浄運転の制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、空気調和システムは、少なくとも熱交換器の温度、ならびに、室内機の温湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る空気調和システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す空気調和システムにおける制御処理を示すフローチャートである。
【
図3】
図1に示す空気調和システムにおける内部清浄運転として、暖房運転とするか、送風運転とするかを選択する処理を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態2に係る空気調和システムの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、
図1~
図3を参照して本実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る空気調和システム100の要部構成を示すブロック図である。
図2は、空気調和システム100における制御処理を示すフローチャートである。
図3は、空気調和システム100における内部清浄運転として、暖房運転とするか、送風運転とするかを選択する処理を示すフローチャートである。
【0010】
(空気調和システム100の概要)
図1に示すように、空気調和システム100は、室内機10と、室外機20とを備える。冷媒を循環させる不図示の冷媒配管は、室内機10および室外機20にそれぞれ接続されている。また、
図1における符号1は、室内機10が設置される家屋を示す。家屋1は外気を自然に吸込み、いわゆる自然吸気する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態では、室内機10は、制御部11と、温湿度センサ12と、熱交換器13と、第1温度センサ16と、後述するタイマ14と、後述する除湿フィルタ15とを備える。制御部11は、空気調和システム100全体を制御する。
【0012】
温湿度センサ12は、家屋1内に設置され室内機10の環境温度(室内の温度)および環境湿度(室内の湿度)を検出し、検出値が制御部11に出力される。また、本実施形態において、温湿度センサ12の種類については特に限定しない。室内機10に搭載可能であればよい。なお、本明細書において、「温湿度センサ」とは、温度センサおよび湿度センサの総称である。
【0013】
熱交換器13は、室内機10の内部の空気を熱交換し、熱交換された空気が室内に吹出される。また、本実施形態において、熱交換器13の構造については特に限定せず、既存の構造を備えていればよい。なお、後述するように、第1温度センサ16は、熱交換器13の温度を検出し、検出値を制御部11に出力する。
【0014】
また、本実施形態において、室内機10は、少なくとも内部清浄機能を有する。ここで、「内部清浄機能」(内部クリーニング機能とも呼ぶ)とは、室内機10の送風または暖房運転により当該室内機10の内部清浄を行うことを指す。内部清浄とは、具体的に、室内機10の熱交換器に付着する露を除去するための処理である。また、内部清浄機能は、制御部11により実行される。
【0015】
図1に示すように、本実施形態では、室外機20は、第2温度センサ21と、熱交換器22とを備える。第2温度センサ21は、家屋1の外部に設置され室外機20の環境温度(室外の温度)を検出し、検出値が制御部11に出力される。
【0016】
室内機10における温湿度センサ12と同様に、本実施形態において、第2温度センサ21の種類についても特に限定しない。室外機20に搭載可能であればよい。
【0017】
熱交換器22は、室外機20の内部の空気を熱交換し、熱交換された空気が家屋1の外部に吹出される。また、本実施形態において、熱交換器22の構造についても特に限定せず、既存の構造を備えていればよい。
【0018】
(空気調和システム100における制御処理例)
そして、本実施形態において、制御部11は、少なくとも、熱交換器13の温度、ならびに、室内機10の温湿度センサ12における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて前記内部清浄運転の制御を行う。
【0019】
図2に示すように、空気調和システム100が稼動開始後、当該空気調和システム100の運転停止時、かつ内部洗浄機能が有効の場合、まず、ステップS11において、制御部11は、温湿度センサ12における温度センサおよび第2温度センサ21からそれぞれ入力された室内温度および室外温度から、室内温度と室外温度との差が第1所定値以上であるか否かを判断する。
【0020】
そして、ステップS11の判断結果が「YES」の場合、ステップS12に進む。ステップS12において、制御部11は、温湿度センサ12における湿度センサおよび室外機20の不図示の湿度センサからそれぞれ入力された室内湿度および室外湿度から、室内湿度と室外湿度との差が第2所定値以上であるか否かを判断する。一方、ステップS11の判断結果が「NO」の場合、
図2に示すフローチャートを再開する。
【0021】
続いて、ステップS12の判断結果が「YES」の場合、ステップS13に進む。ステップS13において、制御部11は、室内機10の内部清浄機能を実行させ、室内機10の内部清浄運転が開始する。一方、ステップS12の判断結果が「NO」の場合、ステップS11に移行する。
【0022】
なお、上記温度・湿度の差に関する所定値は、必要に応じて設定することが可能である。例えば、空調空間が小さい場合に比べて、空調空間が大きい場合、所要する熱量が多いので、内部清浄運転をよりはやく再開させるため、空調空間が大きい場合の前記所定値を小さく設定するのが好ましい。
【0023】
図2に示す処理によって内部清浄運転を開始することが決まれれば、さらに、開始する内部清浄運転として、暖房運転とするか、送風運転とするかを選択する処理を実行する。この処理の流れについて、
図3に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0024】
制御部11は、室内機10の温湿度センサ12における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度から、室内機10における露点温度を特定し(ステップS21)、特定した露点温度に応じて、室内機10の熱交換器13に露が付いているか否かを判断することができる。
【0025】
具体的には、第1温度センサ16によって検出された室内機10の熱交換器13の温度がステップ21において特定した露点温度よりも高いか否かを判断する(ステップS22)。第1温度センサ16によって検出された室内機10の熱交換器13の温度が、特定した露点温度よりも高いと判断されれば(ステップS22でYES)、または、室外機20の第2温度センサ21によって検出された温度が所定温度以上である場合、熱交換器13に露が付いていないと判断し、内部清浄運転として送風運転を実行する(ステップS23)。
【0026】
一方、室内機10の熱交換器13の温度が、特定した露点温度以下であると判断されれば(ステップS22でNO)、熱交換器13に露が付いていると判断し、ステップS24に移行する。
【0027】
ステップS24では、室外機20の第2温度センサ21によって検出された温度(室外の温度、外気温:例えば24℃)が所定温度以上か否かを判断する。ここで、上述したように、外気温が所定温度以上であると判断されれば(ステップS24でYES)、暖房運転は好ましくないと判断し、ステップS23に移行し、空気清浄運転として送風運転を実行する。
【0028】
一方、ステップS24において、外気温が所定温度未満であると判断されれば(ステップS24でNO)、暖房運転が好ましいと判断し、空気清浄運転として暖房運転を実行する。
【0029】
これにより、室内機10の温湿度センサ12おける温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度によって、熱交換器13に露が付いていないと判断した場合には、内部清浄運転として、送風運転のみを実行し、暖房運転は実行しない。
【0030】
一方、室内機10の温湿度センサ12おける温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度によって、熱交換器13に露が付いていると判断した場合には、室外機20の第2温度センサ21によって検出された温度(外気温)から、暖房運転の実行が好ましいか否かが判断され、暖房運転の実行が好ましいと判断されれば、内部清浄運転として暖房運転を実行し、暖房運転の実行が好ましくないと判断されれば、内部清浄運転として送風運転を実行する。
【0031】
なお、S24を省略してもよい。室内機10の熱交換器13の温度が、露点温度よりも高いと判断されれば、制御部11は、内部清浄運転として送風運転を実行し、室内機10の熱交換器13の温度が、露点温度以下であると判断されれば(ステップS22でNO)、制御部11は、内部清浄運転として暖房運転を実行してもよい。
【0032】
従って、空気調和システム100は、少なくとも、熱交換器13の温度、ならびに、室外機20の第2温度センサ21によって検出された温度、室内機10の温湿度センサ12における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を適切に行うことができる。
【0033】
(タイマ14)
図1に基づいて説明を続ける。
図1に示すように、室内機10は、上述したタイマ14を備えている。タイマ14は、内部清浄運転を実行する時期を設定するために設けられている。また、タイマ14は、制御部11に制御される。
【0034】
具体的には、制御部11は、タイマ14が設定した前記時期になったとき、前記内部清浄運転の制御を行う。また、内部清浄運転を実行する時期については特に限定せず、必要に応じて設定することが可能である。
【0035】
また、タイマ14の種類についても特に限定しない。既存の構造を備えたものであってもよい。
【0036】
上記の構成によれば、室内機10がタイマ14を備えることにより、室内機10の内部清浄運転を実行する時期を適切に設定することができる。
【0037】
タイマ14が設定する時期の一例として、例えばリモコンや操作パネルを操作することによりユーザ自身が設定するユーザの時間帯、または人工知能によって設定されるユーザの活動時間帯であってもよい。ただし、タイマ14が設定する時期はこれに限定されることではない。この場合、制御部11が人工知能として機能する。
【0038】
ここでいう「人工知能によって設定されるユーザの活動時間帯」とは、空気調和システムが稼働している時間帯、室内の電灯が点灯している時間帯、テレビが付いている時間帯などのユーザが生活する上で家電等を稼働させている時間帯から、人工知能によって、ユーザの生活習慣を推定し、推定した生活習慣を考慮して得られるユーザの活動時間帯とする。この場合、ユーザが意識しないで設定された時間帯となる。
【0039】
上記の構成によれば、ユーザのニーズに合わせて室内機10の内部清浄運転を実行する時期をより適切に設定することができる。
【0040】
(除湿フィルタ15)
図1に示すように、室内機10は、上述した除湿フィルタ15を備えている。除湿効果の向上の観点からすれば、除湿フィルタ15は、室内機10における、熱交換器13に吹き付ける風の風路に配置するのは好ましい。また、除湿フィルタ15の構造についても特に限定しない。既存の構造を備えたものであってもよい。
【0041】
上記の構成によれば、室内機10が除湿フィルタ15を備えることにより、室内機10の内部の湿度によるカビの発生を抑制するとともに、除湿運転期間を短縮することができる。
【0042】
除湿処理の他に例として、室内機10は、冷房または自動運転時において、室内機10における熱交換器13の温度を露点温度より高めにし、顕熱で冷房能力を得る顕熱運転機能を有していてもよい。
【0043】
上記の構成によれば、室内機10が顕熱運転機能を有することにより、冷房運転または自動運転停止後の内部清浄運転開始の熱交換器13への結露を抑制することができる。
【0044】
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施形態について、
図4を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
図4は、本実施形態に係る空気調和システム100aの要部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、実施形態1の構成と比較すると、本実施形態の空気調和システム100aにおいて、室内機10aの制御部11aが通信機能を実行する通信部110を備える点、家屋1内に電子機器30が設置されている点で異なる。電子機器30は、通信部32により、通信機能を有する室内機10aと通信可能である。
【0046】
具体的には、
図4に示すように、電子機器30は、室内機10aと同じ室内(家屋1a内)に設置され、室内の温度および湿度を検知する温湿度センサ31と、室内機10aと通信するための通信部32とを備える。
【0047】
室内機10aは、通信部110を備えている。通信部110は、電子機器30における通信部32と通信し、電子機器30が備える温湿度センサ31における温度センサおよび湿度センサが検出した温度および湿度の情報を取得する。
【0048】
そして、制御部11aは、室外機20の第2温度センサ21によって検出された温度、室内機10aの温湿度センサ12における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に加えて、前記通信機能によって室内機10aが電子機器30から取得した温度および湿度の情報に応じて前記内部清浄運転の制御を行う。
【0049】
なお、室内機10aと電子機器30との間に行う通信の通信方法について特に限定されず、既存の通信方法を用いればよい。
【0050】
上記の構成によれば、室内において、室内機10a以外の電子機器30から取得した温度および湿度を用いることで、内部清浄運転をさらに正確に制御することができる。つまり、内部清浄運転として、送風運転すべきか、暖房運転すべきかをより正確に判断することができる。
【0051】
〔ソフトウェアによる実現例〕
空気調和システム(100、100a)の制御ブロック(特に制御部11)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0052】
後者の場合、空気調和システム(100、100a)は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0053】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る空気調和システム(100)は、送風または暖房運転により室内機(10)の内部清浄を行う内部清浄機能を有し、室内の温度および湿度を検出する温湿度センサ(12)と、室内の空気に対して熱交換する熱交換器(13)と、熱交換器(13)の温度を検出する第1温度センサ(16)と、室内機(10)における内部清浄機能実行時の送風または暖房運転の制御を行う制御部(11)と、を備えた室内機(10)、を含む空気調和システムであって、制御部(11)は、少なくとも、熱交換器(13)の温度、ならびに、室内機(10)の温湿度センサ(12)における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を行う。
【0054】
上記構成によれば、空気調和システム(100)は、少なくとも、熱交換器(13)の温度、ならびに、室内機(10)の温湿度センサ(12)における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に応じて内部清浄運転の制御を適切に行うことができる。
【0055】
本発明の態様2に係る空気調和システム(100)は、上記態様1において、内部清浄機能実行時において、制御部(11)は、室内機(10)の温湿度センサ(12)によって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、熱交換器(13)の温度が前記露点温度より高いか否かに応じて、送風運転を行うか暖房運転を行うかを切り替えてもよい。
【0056】
上記構成によれば、送風運転を行うか暖房運転を行うかを切り替えることが可能となるため、空気調和システム(100)は、内部清浄運転の制御をより適切に行うことができる。
【0057】
本発明の態様3に係る空気調和システム(100)は、上記態様2において、温度を検出する第2温度センサ(21)(温湿度センサ)を備えた室外機(20)を備え、内部清浄機能実行時において、制御部(11)は、熱交換器(13)の温度が前記露点温度以下であり、かつ、室外機(20)の第2温度センサ(21)によって検出された温度が所定温度未満である場合、暖房運転を行い、熱交換器(13)の温度が前記露点温度より高いか、または、室外機(20)の第2温度センサ(21)によって検出された温度が所定温度以上である場合、送風運転を行ってもよい。
【0058】
上記構成によれば、上記態様2が奏する効果に加えて、空気調和システム(100)は、内部清浄運転をより細かく制御することができる。
【0059】
本発明の態様4に係る空気調和システム(100a)は、上記態様1または2において、温度を検出する第2温度センサ(21)を備えた室外機(21)と、室内機(10a)と同じ室内に設置され、温湿度センサ(31)と、室内機(10a)と通信するための通信機能とを備えた電子機器(30)とを、さらに含み、室内機(10a)は、電子機器(30)と通信し、電子機器(30)が備える温湿度センサ(31)における温度センサおよび湿度センサが検出した温度および湿度の情報を取得するための通信機能を含み、制御部(11a)は、室外機(20)の第2温度センサ(21)によって検出された温度、室内機(10a)の温湿度センサ(12)における温度センサおよび湿度センサによって検出された温度および湿度に加えて、前記通信機能によって室内機(10a)が電子機器(30)から取得した温度および湿度の情報に応じて前記内部清浄運転の制御を行ってもよい。
【0060】
上記の構成によれば、室内において、室内機(10a)以外の電子機器(30)から取得した温度および湿度を用いることで、内部清浄運転をさらに正確に制御することができる。つまり、内部清浄運転として、送風運転すべきか、暖房運転すべきかをより正確に判断することができる。
【0061】
本発明の態様5に係る空気調和システム(100)は、上記態様1~4の何れかにおいて、室内機(10)は、前記内部清浄運転を実行する時期を設定するためのタイマ(14)を備え、制御部(11)は、タイマ(14)が設定した時期になったとき、前記内部清浄運転の制御を行ってもよい。
【0062】
上記の構成によれば、室内機(10)がタイマ(14)を備えることにより、室内機(10)の内部清浄運転を実行する時期を適切に設定することができる。
【0063】
本発明の態様6に係る空気調和システム(100)は、上記態様5において、タイマ14が設定する時期は、ユーザ自身が設定した時間帯、または人工知能によって設定されるユーザの活動時間帯であってもよい。
【0064】
上記の構成によれば、ユーザのニーズに合わせて室内機(10)の内部清浄運転を実行する時期をより適切に設定することができる。
【0065】
本発明の態様7に係る空気調和システム(100)は、上記態様1~6の何れにおいて、室内機(10)における、熱交換器(13)に吹き付ける風の風路に除湿フィルタ(15)が配置されていてもよい。
【0066】
上記の構成によれば、室内機(10)が除湿フィルタ(15)を備えることにより、室内機(10)の内部の湿度によるカビの発生を抑制するとともに、除湿運転期間を短縮することができる。
【0067】
本発明の態様8に係る空気調和システム(100)は、上記態様1~7の何れにおいて、室内機(10)は、冷房または自動運転時において、制御部(11)は、室内機(10)の温湿度センサ(12)によって検出された温度および湿度から、露点温度を特定し、室内機(10)における熱交換器(13)の温度を前記露点温度より高めにし、顕熱で冷房能力を得る顕熱運転機能を有していてもよい。
【0068】
上記の構成によれば、室内機(10)が顕熱運転機能を有することにより、冷房運転または自動運転停止後の内部清浄運転開始の熱交換器(13)への結露を抑制することができる。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1、1a 家屋
10、10a 室内機
11、11a 制御部
12、21、31 温湿度センサ(第2温度センサ・湿度センサ)
13 熱交換器
14 タイマ
15 除湿フィルタ
16 第1温度センサ
20 室外機
30 電子機器
32、110 通信部
100、100a 空気調和システム