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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】医療スキャンの補正
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20231225BHJP
   A61B 17/24 20060101ALI20231225BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231225BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A61B6/03 377
A61B17/24
A61B1/00 552
A61B1/045 623
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019232404
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2020108756
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】62/785,941
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/536,693
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-050590(JP,A)
【文献】特開2018-183589(JP,A)
【文献】特開2017-060757(JP,A)
【文献】特表2016-515848(JP,A)
【文献】特表2017-501816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0118609(US,A1)
【文献】特開2006-320427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
A61B 5/055
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療スキャン補正システムであって、
遠位端と、前記遠位端に配置された画像センサと、を有し、生体の身体部位に挿入されるように構成されている、医療器具と、
前記身体部位内の前記医療器具の器具位置を追跡するように構成されている、位置センサと、
ディスプレイと、
コントローラであって、
前記医療器具の座標フレームと前記身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、前記医療スキャンが、前記身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の一部分の、前記画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、
を行うように構成されている、コントローラと、を含む、システム。
【請求項2】
ユーザ入力を受信して前記医療スキャンを更新し、前記組織の前記初期組織タイプ表示から前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正するように構成されている、操作制御部を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記追跡された器具位置に応じて前記医療スキャン内の前記組織を発見するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記組織の前記初期組織タイプ表示のテキスト表示を、前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記第1の画像中で前記組織を強調するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記医療スキャンを更新し、前記医療スキャンにおける前記身体部位の全ての組織を、前記組織の前記初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、前記組織の修正された組織タイプ表示に再分類するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラが、前記組織の前記初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、前記組織の前記修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラが、前記複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラが、前記追跡された器具位置に応じて、前記組織に対する前記医療器具の近接に関して警告を出力するように構成されており、前記組織が、前記組織の前記初期組織タイプ表示によって前記医療スキャンにおいて当初分類されたものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1から11の何れかに記載のシステムの作動方法あって、
前記コントローラが、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の一部分の、前記画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、を実行することを含む、システムの作動方法。
【請求項13】
ユーザ入力を受信して前記医療スキャンを更新し、前記組織の前記初期組織タイプ表示から前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正する処理を操作制御部が実行することを更に含む、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項14】
前記追跡された器具位置に応じて前記医療スキャン内の前記組織を発見する処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項15】
前記組織の前記初期組織タイプ表示のテキスト表示を、前記ディスプレイにレンダリングする処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項16】
前記第1の画像中で前記組織を強調する処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項17】
前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項18】
前記医療スキャンを更新し、前記医療スキャンにおける前記身体部位の全ての組織を、前記組織の前記初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、前記組織の修正された組織タイプ表示に再分類する処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項19】
前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、請求項18に記載のシステムの作動方法。
【請求項20】
前記組織の前記初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、前記組織の前記修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新する処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項19に記載のシステムの作動方法。
【請求項21】
前記複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新する処理を前記コントローラが実行することを更に含む、請求項19に記載のシステムの作動方法。
【請求項22】
前記追跡された器具位置に応じて、前記組織に対する前記医療器具の近接に関して警告を出力する処理を前記コントローラが実行することを更に含み、前記組織が、前記組織の前記初期組織タイプ表示によって前記医療スキャンにおいて当初分類されたものである、請求項12に記載のシステムの作動方法。
【請求項23】
プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生体の身体部位内に挿入されるように構成されている医療器具の座標フレームと、前記身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、前記医療スキャンが、前記身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記医療器具の追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、
前記医療器具の画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された前記身体部位の一部分の第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、
を行わせる、ソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、Govariらの米国特許仮出願第62/785,941号(2018年12月28日出願)の優先権を主張するものであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療スキャンに関し、具体的には非限定的に、医療スキャンの補正に関する。
【背景技術】
【0003】
前置きとして、医療器具は、他の用途の中でも特に、脳手術又は副鼻腔拡張に使用することができる。副鼻腔拡張では、医療器具は、様々な副鼻腔を通して鼻腔を介して挿入することができる。脳手術では、頭蓋骨を開けて腫瘍を除去する代わりに、鼻腔及び副鼻腔を介して医療ツールを挿入することができる。
【0004】
領域分割されたコンピュータ断層撮影(CT)画像は、このような医療処置中の医療器具のナビゲーションを支援できる。CT画像の生成後、CT画像の要素を、典型的には自動的に領域分割できる。領域分割は通常、CT画像内のハウンスフィールド単位値の範囲を異なる種類の物体に、例えば、1つの範囲を骨に、別の範囲を軟組織に割り当てることによって操作する。しかしながら、領域分割では時折誤差が生じる。
【0005】
医療スキャンの領域分割及び補正は、当該技術分野において既知である。例えば、Pereiraらの米国特許出願公開第2013/0266198号には、磁気共鳴(MR)画像、例えばMR超高速TE(UTE)画像、Dixon MR画像、並びに他のMR撮像法を使用して得られたMR画像を使用して、ポジトロンCT(PET)の再構成のための減衰補正マップを生成する方法が記載されている。
【0006】
Blumfieldらの米国特許出願公開第2013/0077840号には、CT研究におけるヒト椎体画像の自動領域分割のための方法が記載されている。この方法は、他の臨床上の理由から実施されたCT研究において、骨粗鬆症の自動検出を可能にするために開発された。
【0007】
Kalvinへの米国特許第6,016,333号には、低電力で稼働しているCTスキャナによって生成されたノイズの多いCT画像の質を改善するためのシステム及び方法が記載されている。画像ノイズは、重要な定量的画像情報を復元することによって低減される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態によれば、遠位端と、遠位端に配置された画像センサと、を有し、生体の身体部位に挿入されるように構成されている、医療器具と、身体部位内の医療器具の器具位置を追跡するように構成されている、位置センサと、ディスプレイと、コントローラであって、医療器具の座標フレームと身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、医療スキャンが、身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、医療スキャンに基づく身体部位及び複数の初期組織タイプ表示の表現と、身体部位内の追跡された器具位置に配置された医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、身体部位の一部分の、画像センサによって追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、身体部位の一部分の第2の画像における組織の外観と、組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、医療スキャンを更新して、組織に関連付けられた組織タイプ表示を修正することと、を行うように構成されている、コントローラと、を含む、医療スキャン補正システムが提供される。
【0009】
更に、本開示の実施形態によれば、システムは、ユーザ入力を受信して医療スキャンを更新し、組織の初期組織タイプ表示から組織に関連付けられた組織タイプ表示を修正するように構成されている、操作制御部を含む。
【0010】
なお更に、本開示の実施形態によれば、コントローラは、追跡された器具位置に応じて医療スキャン内の組織を発見するように構成されている。
【0011】
加えて、本開示の実施形態によれば、コントローラは、組織の初期組織タイプ表示のテキスト表示を、ディスプレイにレンダリングするように構成されている。
【0012】
また、本開示の実施形態によれば、コントローラは、第1の画像中で組織を強調するように構成されている。
【0013】
更に、本開示の実施形態によれば、複数の初期組織タイプ表示は、医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである。
【0014】
なお更に、本開示の実施形態によれば、コントローラは、医療スキャンを更新し、医療スキャンにおける身体部位の全ての組織を、組織の初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、組織の修正された組織タイプ表示に再分類するように構成されている。
【0015】
加えて、本開示の実施形態によれば、複数の初期組織タイプ表示は、医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである。
【0016】
また、本開示の実施形態によれば、コントローラは、組織の初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、組織の修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新するように構成されている。
【0017】
更に、本開示の実施形態によれば、コントローラは、複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新するように構成されている。
【0018】
なお更に、本開示の実施形態によれば、コントローラは、追跡された器具位置に応じて、組織に対する医療器具の近接に関して警告を出力するように構成されており、この組織が、医療スキャンにおいて組織の初期組織タイプ表示と当初分類されたものである。
【0019】
本開示の別の実施形態によれば、生体の身体部位内の医療器具の器具位置を追跡することであって、医療器具は、遠位端と、遠位端に配置された画像センサと、を有する、ことと、身体部位の医療スキャンを医療器具の座標フレームと位置合わせすることであって、医療スキャンは、身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、医療スキャンに基づく身体部位及び複数の初期組織タイプ表示の表現と、身体部位内の追跡された器具位置に配置された医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、身体部位の一部分の、画像センサによって追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、身体部位の一部分の第2の画像における組織の外観と、組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、医療スキャンを更新して、組織に関連付けられた組織タイプ表示を修正することと、を含む、医療スキャン補正方法も提供される。
【0020】
加えて、本開示の実施形態によれば、方法は、ユーザ入力を受信して医療スキャンを更新し、組織の初期組織タイプ表示から組織に関連付けられた組織タイプ表示を修正することを含む。
【0021】
また、本開示の実施形態によれば、方法は、追跡された器具位置に応じて医療スキャン内の組織を発見することを含む。
【0022】
更に、本開示の実施形態によれば、方法は、組織の初期組織タイプ表示のテキスト表示を、ディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0023】
なお更に、本開示の実施形態によれば、方法は、第1の画像中で組織を強調することを含む。
【0024】
加えて、本開示の実施形態によれば、複数の初期組織タイプ表示は、医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである。
【0025】
また、本開示の実施形態によれば、方法は、医療スキャンを更新し、医療スキャンにおける身体部位の全ての組織を、組織の初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、組織の修正された組織タイプ表示に再分類することを含む。
【0026】
更に、本開示の実施形態によれば、複数の初期組織タイプ表示は、医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである。
【0027】
なお更に、本開示の実施形態によれば、方法は、組織の初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、組織の修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新することを含む。
【0028】
加えて、本開示の実施形態によれば、方法は、複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新することを含む。
【0029】
また、本開示の実施形態によれば、方法は、追跡された器具位置に応じて、組織に対する医療器具の近接に関して警告を出力することを含み、この組織が、医療スキャンにおいて組織の初期組織タイプ表示と当初分類されたものである。
【0030】
本開示の更に別の実施形態によれば、プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、命令が中央処理装置(CPU)によって読み取られると、CPUに、生体の身体部位内に挿入されるように構成されている医療器具の座標フレームと、身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、医療スキャンが、身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、医療スキャンに基づく身体部位及び複数の初期組織タイプ表示の表現と、身体部位内の医療器具の追跡された器具位置に配置された医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、医療器具の画像センサによって追跡された器具位置で捕捉された身体部位の一部分の第2の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、身体部位の一部分の第2の画像における組織の外観と、組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、医療スキャンを更新して、組織に関連付けられた組織タイプ表示を修正することと、を行わせる、ソフトウェア製品も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明は、添付の図面と併せると、以下の詳細な説明から理解されよう。
図1】本発明の実施形態による、医療用システムの概略図である。
図2】本発明の実施形態による、医療用システムで使用される磁場放射アセンブリの概略図である。
図3A】例示的な医療器具の概略断面側面図である。
図3B図3Bの医療器具の概略断面正面図である。
図3C】本発明の実施形態による、図3A及び図3Bの医療器具に関するベクトルを示す概略図である。
図4】本発明の実施形態による、図1の医療用システムの動作において実施される例示的なステップを含むフローチャート及びアルゴリズムである。
図5】本発明の実施形態による、フローチャート及びアルゴリズムの実施中に使用されるスクリーンの概略図である。
図6図1の医療用システムで使用する方法における例示的なステップを含むフローチャート及びアルゴリズムである。
図7】医療スキャンの画像及び画像センサによって捕捉された画像を含む、ユーザインターフェース画面の概略図である。
図8】医療スキャンの別の部分の画像、画像センサによって捕捉された異なる画像、及び警告を示している、図7のユーザインターフェース画面の概略図である。
図9】再分類のドロップダウンリストを示している、図8のユーザインターフェース画面の概略図である。
図10】組織の再分類後の図8のユーザインターフェース画面の概略図である。
図11】多組織再分類後の図8の医療スキャンの他の部分の画像の概略図である。
図12】多組織再分類後の図8の医療スキャンの他の部分の画像の概略図である。
図13】本発明の実施形態による、図1の医療用システムの動作方法における例示的なステップを含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
概説
前述したように、CT画像などの医療スキャンの生成後、医療スキャンの要素は、典型的には自動的に領域分割され、医師の観察を支援し得る。領域分割は、CT画像内のハウンスフィールド単位値又は他の好適な測定値を、異なる種類の物体、例えば骨又は軟組織に割り当てることによって操作することができる。しかしながら、領域分割では時折誤差が生じる。
【0033】
領域分割の誤差は、医療スキャンの処理の誤差、又は走査における誤差に起因し得る。また、医療スキャンにおけるアーチファクトは、例えば、走査中の入射光の散乱をもたらし、それによって、物体、例えば、骨又は軟組織が正しく分類されない、歯科用インプラントなどの走査に関連する要因に基づいても存在し得る。
【0034】
正しく領域分割されていない医療スキャンは、医師による不十分又は不正確な診断をもたらし得る。正しく領域分割されていない医療スキャンを用いて身体部位での医療処置中の医療ツールのナビゲーションを支援する場合、医療器具のナビゲーションが妨害され、状況によっては、医療器具が繊細な組織を傷つける可能性がある。例えば、医療器具が繊細な組織に近付きすぎているとき、又は、繊細な組織にかかる力が高すぎるときに医師が追跡システムによって警告を受ける場合、医師は適切な注意を払うことができる。しかしながら、医療スキャンが正しく領域分割されていない場合、誤った医療スキャンの領域分割に基づき、追跡システムが近接組織を繊細な組織であると認識しないため、適切な警告が発生しない場合がある。他の状況では、実際には医療器具に近い組織が本来は繊細ではないときに、繊細な組織の近接に関して警告が発生する場合がある。
【0035】
本発明の実施形態は、身体部位内の医療器具上に配置された画像センサによって捕捉されたリアルタイム画像と、身体部位の領域分割された医療スキャンの画像との比較に基づいて、医師による医療スキャンの更新を可能にする。
【0036】
医療器具によって捕捉されたリアルタイム画像、及び領域分割された医療スキャンの画像は、一般に、表示画面上に一緒に表示される。領域分割された医療スキャンの画像は、カラースキーム(例えば、グレースケール)を使用して、異なる初期組織タイプ(例えば、骨、軟組織、軟骨、及び血液)又は物体タイプ(例えば、水又は空気)を示す。例えば、空気を黒色又は黒色に近くしてよく、骨を白色又は灰白色にしてもよい。医療器具の表現(例えば、矢印又は医療器具の図を使用する)は、領域分割された医療スキャンの画像の上に重ね合わされ、医療器具の現在位置を示す。
【0037】
医療器具の画像センサによって捕捉されたリアルタイム画像に現在含まれている組織は、医療器具の追跡された位置に基づいて医療スキャンにおいて識別される。識別された組織を、医療スキャンの画像中で強調してもよい。組織を、境界線、矢印、形式の変化、又は任意の他の好適なハイライト方法を使用して強調できる。加えて、又は代替的に、識別された組織の組織タイプ表示を、テキストメッセージ、例えば、「骨」、「軟組織」、「ハウンスフィールド単位値600」などとして、表示画面上にレンダリングしてもよい。
【0038】
医師が、リアルタイム画像に含まれる組織と、医療スキャンの画像に含まれる強調された組織の組織タイプ表示(例えば、グレースケール値)とを比較すると、強調された組織の初期組織タイプ表示が不正確であることが明らかになる場合がある。そのとき、医師は、ドロップダウンリストなどのユーザインターフェースツールを使用して、又は補正したグレースケール値又はハウンスフィールド単位値を入力することによって、強調された組織の組織タイプ表示を修正できる。
【0039】
続いて、組織の組織タイプ表示を、医療スキャンにおいて、及び表示画面上に表示された医療スキャンの画像中で更新する。
【0040】
いくつかの実施形態では、組織タイプ表示は、同じ初期組織タイプ表示を有する全ての組織に対して更新されてもよく、これは、医療スキャン全体にわたって同じ誤差が広がっていると想定できるからである。例として、組織のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した場合、300の初期ハウンスフィールド単位値を有する医療スキャン内の全ての組織のハウンスフィールド単位値が、今では600に修正される。いくつかの実施形態では、医療スキャンにおける初期組織タイプ表示を全て、強調組織の初期組織タイプ表示から修正された組織タイプ表示への、値(例えば、グレースケール値又はハウンスフィールド単位値)の比例的変化に従って比例的に更新されてもよい。例として、組織のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した(すなわち、2倍にした)場合、医療スキャン中の組織のハウンスフィールド単位値は全て2倍にされる。
【0041】
いくつかの実施形態では、リアルタイム画像に含まれる組織と医療スキャンに含まれる組織の組織タイプ表示(例えば、グレースケール値)との比較は、自動又は半自動方式で実行されてもよい。リアルタイム画像に含まれる組織を、組織画像ライブラリ内の他のタグ付けされた組織画像と比較して、組織の組織タイプを識別することができる。加えて、又は代替的に、機械学習技術を使用して、組織の組織タイプを識別することもできる。識別された組織タイプは、次いで、医療スキャンに含まれる組織の初期組織タイプ表示と比較され得る。識別された組織タイプが初期組織タイプ表示とは異なる場合、初期組織タイプ表示を識別された組織タイプに自動的に更新されてもよく、又は、メッセージを表示画面に出力し、リアルタイム画像内で観察された組織の組織タイプが、医療スキャンに含まれる組織の初期組織タイプ表示と相関しないことの情報を医師に伝えてもよい。次いで、医師は、識別された組織タイプに従って初期組織タイプ表示を更新することを承認又は拒否する選択肢を有する。
【0042】
医療スキャンの領域分割の補正は、医師が身体部位内の医療器具をナビゲートし、医療スキャンの画像に含まれる初期組織タイプ表示が、医療器具の画像センサによって捕捉されたリアルタイム画像に含まれる組織の画像に対応しないことを知らせる医療処置の一部として実行されてもよい。システムは、誤った警告が発生したとき(例えば、実際には骨に隣接しているときに、医療器具が繊細な組織に近すぎる)、又は、発生すべきである警告が発生しないとき(例えば、医療器具が視神経に近付きすぎても警告が発生しない)に、医師の注意を不正確な領域分割に集めることができる。
【0043】
場合によっては、医師が更なる確認を望む医療スキャンにおけるアーチファクトを知らせることによって、医師によって医療スキャンの領域分割の補正を開始してもよい。医師は、医療器具を身体部位内に挿入して、アーチファクトの領域に関連付けられた組織の実際の組織タイプを確認した後、リアルタイム画像で識別された実際の組織タイプに基づいて医療スキャンを更新する。
【0044】
システムの説明
参照により本明細書に援用される文書は本出願の一体部分と見なされるべきであり、いずれかの用語が、それらの援用された文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0045】
ここで図面を参照すると、本発明の実施形態による、医療用システム20の概略図である図1と、システム20で使用される磁場放射アセンブリ24の概略図である図2と、が参照される。医療用システム20は、典型的には、患者22の鼻洞又は別の身体部位(脳など)の侵襲的及び/又は治験的処置中に使用される。
【0046】
処置のために、磁場放射アセンブリ24は、例えば、患者が座っている(又は横たわっている)椅子25(又はベッド)にアセンブリ24を固定することによって、患者22の頭部の後ろ及び/又は周りに配置されてもよい。描かれている例の磁場放射アセンブリ24は、馬蹄形のフレームに固定された5つの磁場放射器26を備え、フレームは磁場放射器26が患者22の頭部を囲むように患者22の下又は周りに配置される。あるいは、より少数の又はより多数の放射器26が、様々な異なる構成で使用されてもよい。磁場放射器26は、磁場放射アセンブリ24に近接し、患者22の頭部を含む領域30にそれぞれの周波数で交流磁場を放射するように構成される。交流磁場は、位置センサ32及び位置センサ36内に信号を誘導する。位置センサ32は、身体部位内の医療器具28の位置を追跡するために医療器具28上に配置されて示されている。ほんの一例として、医療器具28は、身体部位に挿入するためのプローブ、内視鏡、及び/又はENTツール、吸引ツール、マイクロデブリーダ、又はシェーバなどの外科用ツールのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0047】
医療器具28は、医療器具28を操作するように構成されたロボットアーム40に取り付けられて保持されていてよい。ロボットアーム40は、ロボットアーム40の動きを制御し、医療器具28を操作するように構成された複数のロボット関節を含む。いくつかの実施形態では、医療器具28は、医師54又は助手によって保持されてもよい。
【0048】
位置センサ36は、患者22の位置を追跡するために(例えば、患者22の頭部を追跡するために)患者22上に(例えば、患者22の額又は任意の他の適切な身体部位上)に配置して示されている。
【0049】
各位置センサ32、36は通常、3つの直交コイルのセットを含み、磁場放射アセンブリ24に対する位置センサ32、36の位置と向きを導出するために、コントローラ38によって信号を分析することができる。位置センサ32、36の位置及び向きは、領域30内の位置センサの実質的に任意の配置に対して決定され得ることが理解されよう。位置センサ32、36は本明細書では磁気位置センサとして記載されているが、医療器具28及び患者22の位置は、任意の適切な位置検知技術、例えば電気、超音波、光学、慣性、又は当技術分野で知られている他の適切なタイプを使用して、計算することができる。
【0050】
以下により詳細に記載されるように、位置センサ32は医療器具28に取り付けられ、位置センサ32の位置及び向きの決定により、患者22の身体部分(生体)に可逆的に挿入することができる医療器具28の遠位端部34(又は他の位置)の位置及び向きを追跡することが可能になる。医療器具28が剛性医療器具である場合、位置センサ32は一般に、医療器具28の任意の適切な部分(例えば、医療器具28の遠位端部34又は近位端部52)、及び/又は医療器具28を保持しているロボットアーム40上に配置されてもよい。医療器具28の遠位端部34が可撓性である場合、医療器具28の遠位端部34の位置を正確に追跡するために、位置センサ32は一般に医療器具28の遠位端部34に配置される。
【0051】
同様に、位置センサ36の位置及び向きの決定により、患者22の身体部分(例えば、頭部)の位置及び向きを追跡することが可能になる。位置センサ36は、患者22の額に配置されるものとして図1に示されている。位置センサ36は、患者22の位置/動きを追跡するために、患者22の他の適切な身体部位に配置されてもよい。
【0052】
放射器26などの磁場放射器を用いたシステムは、患者に挿入されたエンティティの追跡を目的としたものであり、参照により本明細書中に組み込まれているGovariらの米国特許出願公開第2016/0007842号に記載されている。更に、Biosense Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USA)製のCarto(登録商標)システムは、磁場によって照射される領域内のコイルの位置及び向きを見つけるために、本明細書に記載されるのと同様のシステムを使用する。
【0053】
ロボットアーム40は、一般に、それ自体のロボット座標系を有する。ロボット座標系は磁場放射器26の磁気座標系と位置合わせされ、及び/又はその逆であってもよい。ロボット座標系と磁気座標系との位置合わせは、例えば、ロボットアーム40、又はロボットアーム40に取り付けられた医療器具28を、磁場放射器26に既知の1つ以上の位置に、例えば、磁場放射アセンブリ24上の位置に、又は位置センサ36に、又は患者22上の1つ以上の他の既知の位置に、移動させることによって実行することができる。ロボット座標系と磁気座標系との位置合わせが実行されると、ロボットアーム40を正しく操作するために、磁気座標系の位置をロボット座標系に変換することができる。
【0054】
放射器26を含むシステム20の要素は、1つ以上のメモリと通信する処理ユニットを含むコントローラ38により制御することができる。典型的には、これらの要素はケーブルを介してプロセッサ38に接続されてよく、例えば、放射器26はケーブル58を介してプロセッサ38に接続されてもよい。あるいは又は更に、これらの要素は、プロセッサ38に無線で連結されてもよい。プロセッサ38は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを典型的に含む動作制御装置51を備えるコンソール50内に取り付けられてもよい。コンソール50は、医療器具28の近位端部52などの医療用システム20の他の要素にも接続する。医師54は、動作制御装置51を使用して、手順を実行しながらコントローラ38と相互作用し、コントローラ38は、システム20によって生成された結果を表示画面56上に提示することができる。図1では、表示画面56は、医師54が身体部位内の医療器具28を誘導するための補助として使用できる以前のCTスキャン(又は他の適切なスキャン)の様々なビュー59を表示している。表示画面56は、医療器具28によって捕捉された画像61も示す。
【0055】
実際には、コントローラ38のこれらの機能の一部又は全てを単一の物理的構成要素に組み合わせるか、あるいは複数の物理的構成要素を使用して実装することができる。これらの物理的構成要素は、ハードワイヤード装置又はプログラマブル装置、あるいはこれら2つの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、処理回路の機能の少なくともいくつかは、適切なソフトウェアの制御下でプログラム可能なプロセッサによって実行されてもよい。このソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子的形態で装置にダウンロードされてもよい。あるいは又は更に、このソフトウェアは、光学的メモリ、磁気的メモリ、又は電子的メモリなどの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよい。
【0056】
医療用システム20は、内視鏡が医療器具28に含まれるときに内視鏡のレンズを洗浄するように構成されたレンズ洗浄デバイス63を任意選択で含むことができる。レンズ洗浄デバイス63は、レンズに水を噴霧するためのウォータジェット噴霧器、又は、適切な材料、例えば、限定するものではないが、一片のガーゼでレンズを拭くためのワイパを含んでもよい。レンズ洗浄デバイス63は、ロボットアーム40に配置されてもよい。あるいは又は更に、レンズ洗浄デバイス63は、医療器具28が身体部位から取り外されたときに作動することができる、例えばジェットスプレーを備えた医療器具28の一部として実装されてもよい。
【0057】
図3A図3C図4図5は、医療器具28を剛性医療器具として、位置センサ32を可動位置センサとして説明する。可動位置センサは、医療器具28の任意の適切な部分に固定することができるので、位置センサ32の位置は、適切な較正が実行されるまで、最初は医療器具28の遠位端部34を示さない。いくつかの実施形態では、医療用システム20は、位置センサ32が医療器具28と一体化される場合、及び/又は医療器具28の遠位端部34に対する位置センサ32の位置が既知である場合に、実装され得る。他の実施形態では、位置センサ32はロボットアーム40に配置されてもよく、そのような場合、位置センサ32の位置は、適切な較正が実行されるまで、最初は医療器具28の遠位端部34を示さない。
【0058】
本発明の実施形態によれば、図3Aは医療器具28の概略断面側面図であり、図3Bは医療器具28の概略断面正面図であり、図3Cは医療器具28に関連するベクトルを示す概略図である。以下の医療器具28の記載において、医療器具28は、長手方向対称軸62を有する剛性シリンダ60を含むと仮定される。図3A及び図3Bでは、医療器具28は、xyz直交軸のセット上に描かれており、長手方向対称軸62がz軸を画定している。明確にするために、図3A及び図3Bでは、医療器具28のxyz軸は、シリンダ60から変位して描かれている。
【0059】
位置センサ32は、位置センサ32を完全に封入するように典型的にはプラスチックから形成されるセンサホルダ64によってシリンダ60に固定される。本明細書で説明するように、位置センサ32と相互作用する磁場に応じて生成される位置センサ32からの信号は、位置センサ32の位置及び向きを決定するために使用される。位置センサ32からの信号を伝える導線は、医療器具28の近位端部52に接続され、そこからコンソール50に接続されてもよい。導線は、図3A及び図3Bには示されていない。
【0060】
位置センサ32は、典型的には位置センサ32の内部対称軸の方向であるが、必ずしもそうでなくてよい、センサ方向70を有すると仮定され、本明細書で言及される向きは、磁場放射器26(図2)によって画定される基準フレームに対するセンサ方向の向きを示す。位置センサ32のセンサ方向70は、矢印として図3A及び図3Cに概略的に示されている。
【0061】
センサホルダ64は、シリンダ60の直径と実質的に同じ直径を有するが、ホルダ64とシリンダ60との間に滑り嵌めが存在するように十分に異なる直径を有するように形成された穴68を有するように製造される。ホルダ64が製造されるとき、穴68の中心は、位置センサ32から既知の距離Aになるように作製される。Aの典型的な値は0.5cmであるが、Aはこの値よりも小さくても大きくてもよい。異なる直径を有する医療器具に寸法決めされた穴を有する、一連のセンサホルダを構築することができる。更に、ホルダ64に含まれることにより、穴68の中心は、センサ方向70に対して既知の向きθを有する。したがって、図3Cに示すように、位置センサ32から穴68の中心までの、本明細書ではベクトルVとも呼ばれる既知の変位ベクトル(A,θ)が存在する。
【0062】
穴68は、典型的にはベクトルVに直交する対称軸69を有し、穴68は、ホルダ64が製造されるときに形成されるため、ベクトルVに対して既知の方向φを有する(図3C)。
【0063】
以下にも記載のように、システム20の操作中、センサホルダ64の穴68はシリンダ60上にスライドし、ホルダ64が近位端部52に接近すると、ホルダ64はシリンダ60に固定される。穴68内でシリンダ60をスライドさせる際、軸69及び62は一致し、方向φとも一致することが理解されよう。ホルダ64は、ヘッドを有する止めねじ72を備え、ヘッドは医師54(図1)によって把持され得る。ヘッドを使用して、医師54は、止めねじを手で締めて、シリンダ60に沿った所望の位置にホルダ64を固定することができる。位置センサ32の中心から遠位端34までの距離は、距離Bと仮定される。距離Aとは異なり、センサホルダ64がシリンダ60に固定されるときに距離Bは既知ではないが、システム20の動作において以下に記載のように、コントローラ38は距離Bを計算することができる。
【0064】
図3Aは、医療器具28上に配置された、又は医療器具28内に埋め込まれた力センサ35も示している。力センサ35は、医療器具28によって身体部位に印加される力を示す信号を提供するように構成される。複数の力センサ35を医療器具28に沿った異なる横方向位置に配置して、医療器具28の異なる位置で力の読み取り値を提供することができる。開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0100332号及び同第2009/0093806号は、カテーテルに埋め込まれた力センサを使用してカテーテルの遠位先端部と体腔内組織との間の接触圧力を感知する方法を記載している。更に、Biosense Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USA)製のCarto(登録商標)SmartTouch(商標)システムは、医療用システム20に適した力センサを含む。
【0065】
また、医療器具28は、遠位端34に配置された画像センサ37も含む。画像センサ37は、磁気センサ、レーザ距離計を備えたカメラ、又は超音波センサを有する、レーザ距離計を含んでもよい。
【0066】
図4は、本発明の一実施形態による、医療用システム20の動作において実施される例示的なステップを含むフローチャートであり、図5は、フローチャートの実施中の表示画面56の概略図である。フローチャートのステップは、図1図2図3A図3B、及び図3Cによっても示されている。
【0067】
最初のステップ100では、患者22の頭部は、本明細書では例として透視CTであると仮定される、コンピュータ断層撮影(CT)によってスキャンされ、スキャンからのCTデータはコントローラ38によって取得される。患者22のCTスキャンは、医療処置に対応するフローチャートの残りのステップの実施とは独立して実行することができる。典型的には、ステップ100は、医療処置の次のステップの数日前に実行してもよい。いくつかの実施形態では、任意の他の適切な医療スキャンが、CTスキャンを補足する又はCTスキャンに取って代わることができる。
【0068】
第1の処置ステップ102では、放射線アセンブリ24が患者22の頭部の下又は後ろに取り付けられる。次いで、放射器26が作動され、位置合わせステップ104で、放射器26の基準フレームが被験者の頭部の基準フレームと位置合わせされる。位置合わせは、典型的には、当技術分野で知られている任意の手段によって、例えば、位置センサ36などの磁場センサコイル、又はそのようなコイルのグループを、患者22の外部特徴に対し、及び放射器26を保持する磁場放射アセンブリ24と共に、1つ以上の既知の位置及び向きに配置することによって、行われる。一般に、このステップでは、コントローラ38は、身体部位の少なくとも1つの所与の位置(例えば、患者22の外部特徴)に対してCTデータ(又は他の医療スキャン)を位置合わせするように構成される。
【0069】
初期表示ステップ106において、コントローラ38は、ステップ100で受信されたCTデータを使用して、患者22の外部特徴の表現150(本明細書では画像150とも呼ばれる)を生成する。CTデータは、Hounsfieldユニット(HU)を有するボクセルの形態であり、患者22の外部特徴の画像150は、ボクセル値及びそれらのHU値から生成される。画像150は、典型的にはグレースケール画像である。グレースケールの値は、黒色から白色まで、対応するボクセルのHounsfieldユニット(HU)と相関させることができる。
【0070】
HU値は放射線濃度値であり、当技術分野で知られているように、それぞれ-1000と0である空気と水の値は別として、高密度骨などの任意の他の物質又は種のHounsfieldユニットの値は、とりわけ、本明細書で言及されるCTスキャンを生成するために使用される放射X線のスペクトルに依存する。次に、X線のスペクトルは、X線発生器に印加されるkVの電位、及び発生器のアノードの組成を含む多数の要因に依存する。本開示を明確にするために、特定の物質又は種のHounsfieldユニットの値は、以下の表Iに示すとおりであると仮定される。
【0071】
【表1】
【0072】
しかしながら、表Iに示される特定の種(空気及び水以外)に対するHUの数値は、純粋に例示的であると理解されるべきであり、当業者は、本明細書で参照されるCT画像を生成するために使用される種及びX線マシンに従って、過度の実験を行うことなく、これらの例示的な値を修正することができよう。典型的には、HU値とグレースケール値との間の変換は、所与のCTマシンからのCTスキャン出力であるDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)ファイルにエンコードされる。
【0073】
コントローラ38は、表示画面56上に画像150を表示し、図5は、表示画面56上に表示される画像150を概略的に示す。
【0074】
HU値は、CT画像内の異なる位置における異なる組織タイプ(例えば、骨、軟組織、脂肪、血液)の表示も提供する。CTスキャンと医療用システム20との位置合わせにより、医療器具28に隣接する解剖学的特徴部を、医療器具28の位置におけるボクセルのHU値に基づいて識別することが可能になり得る。例えば、軟組織は、遠位端部34の位置におけるCTスキャンにおけるHU値に基づいて、医療器具28の遠位端部34にあるものとして識別することができる。あるいは、高密度骨は、遠位端部34付近のHU値に基づいてCTスキャンで識別されてもよい。他の解剖学的特徴部は、CTスキャンの分析から、自動的に(画像解析技術を使用して)又は手動で(訓練されたオペレータ又は放射線専門医によって)のいずれかで、識別することができる。次に、識別された解剖学的特徴部は、医療処置中に使用するために、医療用システム20と位置合わせすることができる。したがって、異なる解剖学的特徴部は、医療器具28が身体部分に挿入されたときに、遠位端部34又は医療器具28の別の位置に近いものとして識別され得る。医療器具28は、解剖学的特徴部の感度に基づいて、解剖学的特徴部に過度な力を加えることを回避するように制御することができる。例えば、視神経は、CTスキャンにおいて自動的に、又は放射線専門医によって識別され、次いで医療処置中に使用するために医療用システム20と位置合わせすることができる。医療器具28は、医療器具28が視神経の位置にあるときに視神経に過度な力を加えることを回避するように制御することができる。これらの機能については、図6を参照してより詳細に説明する。
【0075】
操作ステップ108では、医師はセンサホルダ64の穴68を医療器具28の剛性シリンダ60上にスライドさせ、次いで医師54は止めネジ72を使用してセンサホルダを医療器具28の近位端部52の近くの所定の位置にロックする。ホルダ64が所定の位置にロックされると、ロボットアーム40は、医師54によるロボットアーム40の手動移動を可能にする緩いモードに設定される。医師54は、医療器具28の遠位端部34を患者22の外部特徴の選択された領域、例えば患者の鼻の側面の領域と接触させる。
【0076】
遠位端部34の位置決めは、センサホルダ64及びその封入された位置センサ32を領域30にも移動させ、その結果、コントローラ38は位置センサ32の位置及び向きを計算することができる。コントローラ38がこの計算を実行すると、典型的には、センサ方向70を表すアイコン152が、表示画面56上の画像150の近傍に導入される。アイコン152は、画像150及び磁場放射器26の共通の基準フレーム内で、センサ信号から決定される位置センサ32の位置及び向きに従って、表示画面56上に配置され、方向付けられる。
【0077】
医師54が医療器具28を操作しているという事実により、医師54は位置センサ32の実際の位置及び向きを認識している。アイコン152の位置及び向きと位置センサ32の実際の位置及び向きとの比較は、医療用システム20の正しい動作の確認を医師54に提供する。
【0078】
較正ステップ110において、医師54は、典型的には、制御51を使用することにより、医療器具28の遠位端部34が患者22の外部特徴と接触していることをコントローラ38に通知する。通知を受信すると、コントローラ38は、位置センサ32の既知の位置に対して2つの移動を実行する。第1の移動はベクトルV(A,θ)(図3C)に対応し、コントローラ38は、θによって画定される方向に沿って値Aだけ軸62上の点P(図3A)に位置センサ32の位置を移動させる。点Pに対応する点P’は図5に描かれ、最初の移動の終了を示す。通常、点P’は画面56に描かれない。
【0079】
点Pから、コントローラ38は、方向φに対応する方向に第2の移動を実行する。軸69と軸62は一致しているため、第2の移動は、軸62に沿った移動に対応する方向にある。コントローラ38は、画像150のデータを使用して、軸69に沿った方向φに動く点Pが患者22の外面と接触する位置を画像データから決定することにより、第2の移動の実際の長さを決定する。外部表面との接触は、画像内で測定される放射線濃度の少なくとも所定の変化、例えば、画像データのHounsfieldユニットの値の変化があるときに生じる。変化の適切な値は、200~500Hounsfieldユニットである。接触は、軸62の点Qにあると仮定される。点Qは、点Pからここでは既知の距離Bにあり、したがって、第2の移動は、本明細書ではベクトルWとも呼ばれる、図3Cに示されるベクトル(B,φ)に対応する。
【0080】
点Qの位置の計算はCT画像データを使用するが、画像150は患者22の実際の外部特徴部と位置合わせされるため、点Qは患者22の実際の外部点に対応することが理解されよう。
【0081】
較正ステップの終了時に、コントローラ38は画面56からアイコン152を削除し、アイコン154を点Qに対応する画像150上の位置に配置する。アイコン154の位置及び向きと実際の位置及び遠位端部34の向きとの比較により、較正ステップの正しい完了の確認が医師54に提供される。
【0082】
較正ステップの2つの移動の合計、V+Wは、コントローラ38によって記憶されるベクトルである。
【0083】
継続追跡ステップ112では、コントローラ38は、遠位端部34の位置を決定するために、ステップ110で記憶されたベクトルを位置センサ32の位置に追加する。遠位端部34の向きは方向φに対応し、それは、位置センサ32を追跡する際にコントローラ38によっても決定される。したがって、コントローラ38は、位置センサ32の位置及び向きを計算することによって、遠位端34の位置及び向きを計算することができる。コントローラ38は、表示画面56上の遠位端部34の位置及び向きに対応するアイコンを配置することができる。いくつかの実施形態では、遠位端部34が患者22内にある場合、アイコンを不明瞭にし得る画像150の外部特徴部は、少なくとも部分的に透明にされる。患者22の解剖学的特徴部に対する遠位端部34の位置は、位置合わせされた画像上の座標に対する遠位端部34の計算された位置に基づいて導出することができる。上記の方法で、捕捉されたCT又は他の画像のアイコンの動きを観察することにより、医療器具28の遠位端部34を患者22の身体部位の所望の位置に誘導することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、医療器具28の遠位端部34は、適切な経路探索アルゴリズムに基づいてロボットアーム40によって身体部分に自動的に誘導されてもよい。例示的なアルゴリズムは、参照により本明細書に組み込まれる、Glinerらの米国特許出願公開第2017/0056112(A1)号を参照して記述される。
【0085】
ここで、図1の医療用システム20で使用する方法における例示的なステップを含むフローチャート200である、図6を参照する。図1も参照する。
【0086】
図4を参照して上述したように、CTスキャンのHU値は、CT画像内の異なる位置の異なる組織タイプ(例えば、骨、軟組織、脂肪、血液)又は他の物質(例えば、水又は空気)の表示を提供する。CTスキャンと医療用システム20との位置合わせにより、医療器具28に隣接する解剖学的特徴部を、医療器具28の位置におけるボクセルのHU値に基づいて識別することが可能になり得る。例えば、軟組織は、遠位端部34の位置におけるCTスキャンにおけるHU値に基づいて、医療器具28の遠位端部34にあるものとして識別することができる。あるいは、高密度骨は、遠位端部34付近のHU値に基づいてCTスキャンで識別されてもよい。他の解剖学的特徴部は、CTスキャンの分析から、自動的に(画像解析技術を使用して)又は手動で(訓練されたオペレータ又は放射線専門医によって)のいずれかで、識別することができる。次に、識別された解剖学的特徴部は、医療処置中に使用するために、医療用システム20と位置合わせすることができる。例えば、視神経は、CTスキャンにおいて自動的に又は放射線専門医によって識別され、次いで医療用システム20と位置合わせされてもよい。医療器具28は、医療器具28が視神経の位置にあるときに視神経に過度な力を加えることを回避するように制御することができる。
【0087】
位置センサ32は、身体部位内の医療器具28の器具位置を追跡する(ブロック202)ように構成される。位置センサ36は、身体部位への医療器具28の挿入中に身体部位の身体位置を追跡する(ブロック204)ように構成される。力センサ35(図3A)は、医療器具28によって身体部位に印加された力を検出する(ブロック206)ように構成される。
【0088】
コントローラ38は、器具位置及び身体位置に応じて、身体部位に対する医療器具28の位置を計算する(ブロック208)ように構成される。
【0089】
コントローラ38は、医療スキャンの位置合わせ及び器具位置に基づいて、解剖学的特徴部が医療器具28の計算された位置にあることを識別する(ブロック210)ように構成される。例えば、コントローラ38は、医療用器具28の計算された位置に対応するCTスキャン内の位置を識別する。CTスキャンの位置は、解剖学的特徴部を含み得る。解剖学的特徴部は、以下のステップ212で識別される組織タイプであってもよい。加えて、又は代替的に、解剖学的特徴部は、CTスキャン内で自動的に(例えば、画像解析を使用して)、又は放射線専門医によって識別された器官又は神経又は他の特徴部であってもよく、次いで医療処置の前に医療用システム20と位置合わせされてもよい。
【0090】
コントローラ38は、解剖学的特徴部の画像の放射線濃度(例えば、HU値)に基づいて、解剖学的特徴部の組織タイプ(例えば、骨、軟組織、血液、脂肪)を識別する(ブロック212)ように構成される。加えて、又は代替的に、コントローラ38は、医療処置の前に医療用システム20と位置合わせされた解剖学的特徴部の識別に基づいて、解剖学的特徴部(例えば、視神経又は脳)の識別を識別する(ブロック212)ように構成される。
【0091】
コントローラ38は、解剖学的特徴部に印加するための許容される力レベルを設定する(ブロック214)ように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ38は、解剖学的特徴部の既知の又は推定された感度及び/又は重要性に基づいて、解剖学的特徴部に印加するための許容力レベルを設定するように構成される。例えば、視神経は、別の神経よりも重要であり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ38は、解剖学的特徴部の組織タイプの感度及び/又は重要性に基づいて、解剖学的特徴部に印加するための許容力レベルを設定するように構成される。例えば、軟組織は硬骨よりも敏感である。いくつかの実施形態では、コントローラ38は、解剖学的特徴部の画像の放射線濃度(例えば、HU値)に基づいて、解剖学的特徴部に印加するための許容力レベルを設定するように構成される。ほんの一例として、許容力レベルは、眼窩周囲の組織では2グラム力(gmf)、視神経では1gmf未満、鼻骨では30gmfに設定でき、ここで1gmfは標準重力での質量1グラムの重量に等しい。
【0092】
コントローラ38は、医療器具28によって印加された検出された力を、計算された位置で解剖学的特徴部に印加するための許容力レベルと比較する(ブロック216)ように構成される。医療器具28が複数の力センサ35を含む場合、力センサ35からの読み取り値は平均化され得る。加えて、又は代替的に、異なる力センサ35からの読み取り値は、コントローラ38によって個別に処理されてもよく、コントローラ38は、各それぞれの力センサ35の位置で検出された力を、各力センサ35のそれぞれに隣接する解剖学的特徴部の許容力レベルと比較する。
【0093】
コントローラ38は、計算された位置にある医療器具28によって印加される検出された力が許容力レベルよりも大きいことに応じて、ロボットアーム40の複数のロボット関節の少なくとも1つのロボット関節の剛性を緩めるように、ロボットアーム40に制御コマンドを送信する(ブロック218)か、又はロボットアーム40の電力を切断するように構成される。緩いモードでは、ロボットアーム40が医療器具28を落下させることもあるが、ロボットアーム40のアクチュエータへのフィードバックがまだある場合、これは外傷のリスクと比較して許容可能である。いくつかの実施形態では、コントローラ38は、制御コマンドをロボットアーム40に送信して、計算された位置で医療器具28によって印加された検出された力が許容力レベルよりも大きいことに応じて、医療器具28を落下させるように構成される。
【0094】
図6を参照して説明した上記の方法は、医療器具28が繊細な組織に近付きすぎているときに、表示画面56(図1)に警告を出力するように好適に適合されてもよい。繊細な組織は、医師54又はシステム管理者によって定義され得る。また、繊細な組織に近すぎると見なされるものの定義も、医師54又はシステム管理者によって定義されてよく、距離は、異なる繊細な組織について異なっていてもよい。
【0095】
ここで、領域分割された医療スキャンの画像302と、図1の医療用システム20で使用するための医療器具28の画像センサ37によって捕捉された画像304とを含むユーザインターフェース画面300の概略図である、図7を参照する。医療スキャンは、CTスキャン又は、例えば、MRIスキャンに限定されない任意の他の好適なスキャンであってもよい。
【0096】
医療器具28(図1)によって捕捉された画像304、及び領域分割された医療スキャンの画像302は、表示画面56(図1)上に一緒に表示される。領域分割された医療スキャンの画像302は、カラースキーム(例えば、グレースケール)を使用して、異なる初期組織タイプ(例えば、骨、軟組織、軟骨、血液)又は物体タイプ(例えば、水又は空気)を示す。例えば、空気を黒色又は黒色に近くしてよく、骨を白色又は灰白色にしてもよい。医療器具28の表現306(例えば、矢印又は医療器具の概略図を使用する)は、領域分割された医療スキャンの画像302の上に重ね合わされ、医療器具28の現在位置を示す。
【0097】
ここで、医療スキャンの別の部分の画像308、画像センサ37(図1)によって捕捉された異なる画像310、及び警告312を示している、図7のユーザインターフェース画面300の概略図である、図8を参照する。画像308は、対応する組織タイプ表示を有する異なる組織314を示す。組織タイプ表示は、画像308に示される組織314を満たすために使用されるグレースケール値に基づいて区別される。組織314のうちの1つである組織314-1は、組織314-1が画像センサ37によって現在捕捉されている組織に対応することを示す境界線316を用いて強調され、画像310に表示される。加えて、又は代替的に、組織314-1を、矢印、形式の変化、又は任意の他の好適な強調方法を使用して強調されてもよい。
【0098】
画像308上の表現306によって示されるように、医療器具28(図1)の組織314-1への近接に基づいて、医療スキャンの組織314-1の組織タイプ表示に基づき、繊細な組織として当初分類されている組織314-1に基づいて、コントローラ38は、医療器具28が組織314-1に近すぎる(例えば、医療器具28が軟組織に近すぎる)ことをユーザインターフェース画面300上に警告312を出力するように構成されてもよい。
【0099】
医療器具28の組織314-1への近接は、医療器具28の追跡された位置、及び医療器具28の座標フレームと位置合わせされた医療スキャン内の様々な組織314の位置に基づいて、コントローラ38によって計算されてもよい。
【0100】
医師54(図1)が、画像310に含まれる組織と、医療スキャンの画像308に含まれる強調された組織314-1の組織タイプ表示(例えば、グレースケール値)とを比較すると、強調された組織314-1の初期組織タイプ表示が不正確であることが明らかになる場合がある。
【0101】
ユーザインターフェース画面300は、組織314-1の初期組織タイプ表示を補正するために使用され得るドロップダウンリスト318を含む。
【0102】
ここで、再分類のドロップダウンリスト318を示している、図8のユーザインターフェース画面300の概略図である、図9を参照する。次に、医師54は、ドロップダウンリスト318から、又は補正されたグレースケール値又はハウンスフィールド単位値を好適な入力フィールドに入力することによって、正しい組織タイプを選択することができる。図9の例では、組織314-1の初期分類を、「軟組織」から「軟骨」に変更する。
【0103】
ここで、組織314-1の再分類後の図8のユーザインターフェース画面300の概略図である、図10を参照する。図10は、組織314-1のグレースケール値が、軟組織から軟骨への変更を反映して明るくなっていることを示す。画像308内の組織314-1の組織タイプ表示の変更を示すことに加えて、組織314-1の組織タイプ表示もまた、医療スキャンのデータ中で更新される。
【0104】
ここで、多組織再分類後の図8の医療スキャンの他の組織の画像308の概略図である、図11及び図12を参照する。
【0105】
いくつかの実施形態では、組織タイプ表示は、組織314-1として同じ初期組織タイプ表示を有する全ての組織314に対して更新されてもよく、これは、医療スキャン全体にわたって同じ誤差が広がっていると想定できるからである。例として、組織314-1のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した場合、300の初期ハウンスフィールド単位値を有する医療スキャン内の全ての組織314のハウンスフィールド単位値が、今では600に修正される。図11は、組織314-1の組織タイプ表示が更新されたときに、組織314-1と同じ初期組織タイプ表示を有していた組織314-2も、画像308(及び医療スキャンデータ)内で更新されていることを示す。
【0106】
いくつかの実施形態では、医療スキャンにおける初期組織タイプ表示を全て、組織314-1の初期組織タイプ表示から修正された組織タイプ表示への、値(例えば、グレースケール値又はハウンスフィールド単位値)の比例的変化に従って比例的に更新されてもよい。例として、組織314-1のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した(すなわち、2倍にした)場合、医療スキャン中の組織314のハウンスフィールド単位値は全て2倍にされる。図12は、画像308の全ての組織314のグレースケール値の全てが明るくなっていることを示す。
【0107】
ここで、本発明の実施形態による、図1の医療用システム20の動作方法における例示的なステップを含むフローチャート400である、図13を参照する。また、図1及び図8も参照する。
【0108】
コントローラ38は、医療器具28の座標フレームと身体部位の医療スキャンを位置合わせする(ブロック402)ように構成されている。位置合わせは、図4及び5を参照してより詳細に説明されている。医療スキャンは、身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む。初期組織タイプ表示は、医療スキャンにおける放射線濃度のレベル(例えば、ハウンスフィールド単位値)、又はグレースケール値、又は任意の他の好適な組織タイプの表示、例えば非限定的に、組織タイプ名、例えば、骨若しくは軟組織であってよい。
【0109】
コントローラ38は、医療スキャンに基づく身体部位及び初期組織タイプ表示の表現と、身体部位内の追跡された(位置センサ32又は任意の他の好適なセンサ及び/又は追跡システムによって追跡された)器具位置に配置された医療器具28の表現306と、を含む、画像308を、表示画面56にレンダリングする(ブロック404)ように構成されている。
【0110】
コントローラ38は、身体部位の一部分の、画像センサ37(図3A)によって追跡された器具位置で捕捉された画像310を、表示画面56にレンダリングする(ブロック406)ように構成されている。画像308及び画像310は、典型的には、例えば、ユーザインターフェース画面300上で同時に表示画面56上に表示される。
【0111】
コントローラ38は、医療器具28の追跡された器具位置と、画像センサ37の光学的配置及び他の既知の特徴に基づいて、画像センサ37から組織314-1までの距離とに応じて、医療スキャン内の組織314-1を発見する(ブロック408)ように構成されている。医療器具28はまた、画像センサ37と組織314-1との間の距離を決定するための距離計を備えてもよい。
【0112】
コントローラ38は、例えば境界線316を使用して、画像308内の組織314-1を強調する(ブロック410)ように構成されている。
【0113】
いくつかの実施形態では、コントローラ38は、追跡された器具位置に応じて、組織314-1に対する医療器具28の近接に関する警告312を、表示画面56に出力する(ブロック412)ように構成されており、組織314-1は、組織314-1の初期組織タイプ表示(例えば、繊細な組織)によって医療スキャンにおいて当初分類されたものである。
【0114】
いくつかの実施形態では、コントローラ38は、組織314-1の初期組織タイプ表示のテキスト表示(例えば、「軟組織」又は「骨」など)を表示画面56にレンダリングする(ブロック414)ように構成されている。ブロック414のステップは、ブロック412のステップに加えて、又はその代わりに実行されてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、操作制御部51(図1)は、ユーザ入力を受信して医療スキャンを更新し、組織314-1の初期組織タイプ表示から組織314-1に関連付けられた組織タイプ表示を修正する(ブロック416)ように構成されている。ユーザ入力を、ドロップダウンリスト318を用いて容易にして、医師54がドロップダウンリスト318から新しい組織タイプを選択してもよい。あるいは、医師54は、組織314-1の新しいグレースケール値又はハウンスフィールド単位値を入力(又は選択)してもよい。ハウンスフィールド単位は、単に例として本明細書で使用されており、任意の好適な放射線濃度単位を使用してもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、画像310に含まれる組織と医療スキャンに含まれる組織314-1の組織タイプ表示(例えば、グレースケール値)との比較は、自動又は半自動方式で実行されてもよい。コントローラ38は、画像310に含まれる組織を、組織画像のライブラリ内の他の組織画像と比較して、画像310内の組織の組織タイプを識別するように構成されていてもよい。加えて、又は代替的に、コントローラ38によって機械学習技術を使用して、画像310に含まれる組織の組織タイプを識別することもできる。識別された組織タイプは、次いで、医療スキャンに含まれる組織314-1の初期組織タイプ表示と比較され得る。識別された組織タイプが初期組織タイプ表示とは異なる場合、コントローラ38は、初期組織タイプ表示を識別された組織タイプに自動的に更新されてもよく、又は、コントローラ38は、メッセージを表示画面56に出力し、画像310内で観察された組織の組織タイプが、医療スキャンに含まれる組織314-1の初期組織タイプ表示と同じではないことの情報を医師54に伝えてもよい。次いで、医師54は、初期組織タイプ表示を識別された組織タイプに更新することを承認又は拒否する選択肢を有する。
【0117】
身体部位の一部分の画像310における組織の外観と、組織314-1の初期組織タイプ表示との間の比較(手動、自動、又は半自動)に応じて、コントローラ38は、医療スキャンを更新して、組織314-1に関連付けられた組織タイプ表示を(医師54若しくはコントローラ38によって選択された、又は医師54によって承認された組織タイプ表示に)修正する(ブロック418)ように構成されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、コントローラ38は、医療スキャンを更新し、医療スキャンにおける身体部位の全ての組織314を、組織314-1の初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、組織314-1の修正された組織タイプ表示に再分類するように構成されている。例として、組織314-1のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した場合、300の初期ハウンスフィールド単位値を有する医療スキャン内の全ての組織314のハウンスフィールド単位値が、今では600に修正される。
【0119】
いくつかの実施形態では、コントローラ38は、組織314-1の初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、組織314-1の修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新するように構成されている。例として、組織314-1のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正した(すなわち、2倍にした)場合、医療スキャン中の組織314のハウンスフィールド単位値は全て2倍にされる。他の実施形態では、コントローラ38は、複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新するように構成されている。例えば、組織314-1のハウンスフィールド単位値が最初は300であり、今は600に修正し(すなわち、2倍にした)、別の組織314のハウンスフィールド単位値が最初は400であり、今は800に修正した(すなわち、2倍にした)場合、医療スキャン中の組織314の全てのハウンスフィールド単位は、最初の更新の比率(例えば、2倍)の確認に基づいて2倍される。
【0120】
本発明の様々に異なる特徴が、明確性のために複数の別個の実施形態として記載されているが、これらが単一の実施形態中に組み合わせて提示されてもよい。逆に、説明を簡単にするために単一の実施形態として記載されている本発明の様々に異なる特徴が、別々に又は任意の適切な部分的組み合わせとして提示されてもよい。
【0121】
上述の実施形態は、例として引用されており、本発明は、上述に特に示され、記載されたものによって限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及び副組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者が思い付くであろう先行技術に開示されていないその変形及び修正、を含む。
【0122】
〔実施の態様〕
(1) 医療スキャン補正システムであって、
遠位端と、前記遠位端に配置された画像センサと、を有し、生体の身体部位に挿入されるように構成されている、医療器具と、
前記身体部位内の前記医療器具の器具位置を追跡するように構成されている、位置センサと、
ディスプレイと、
コントローラであって、
前記医療器具の座標フレームと前記身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、前記医療スキャンが、前記身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の一部分の、前記画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、
を行うように構成されている、コントローラと、を含む、システム。
(2) ユーザ入力を受信して前記医療スキャンを更新し、前記組織の前記初期組織タイプ表示から前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正するように構成されている、操作制御部を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記コントローラが、前記追跡された器具位置に応じて前記医療スキャン内の前記組織を発見するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記コントローラが、前記組織の前記初期組織タイプ表示のテキスト表示を、前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記コントローラが、前記第1の画像中で前記組織を強調するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0123】
(6) 前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記コントローラが、前記医療スキャンを更新し、前記医療スキャンにおける前記身体部位の全ての組織を、前記組織の前記初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、前記組織の修正された組織タイプ表示に再分類するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記コントローラが、前記組織の前記初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、前記組織の前記修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記コントローラが、前記複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
【0124】
(11) 前記コントローラが、前記追跡された器具位置に応じて、前記組織に対する前記医療器具の近接に関して警告を出力するように構成されており、前記組織が、前記組織の前記初期組織タイプ表示によって前記医療スキャンにおいて当初分類されたものである、実施態様1に記載のシステム。
(12) 医療スキャン補正方法であって、
生体の身体部位内の医療器具の器具位置を追跡することであって、前記医療器具は、遠位端と、前記遠位端に配置された画像センサと、を有する、ことと、
前記身体部位の医療スキャンを前記医療器具の座標フレームと位置合わせすることであって、前記医療スキャンが、前記身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の一部分の、前記画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、を含む、方法。
(13) ユーザ入力を受信して前記医療スキャンを更新し、前記組織の前記初期組織タイプ表示から前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記追跡された器具位置に応じて前記医療スキャン内の前記組織を発見することを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記組織の前記初期組織タイプ表示のテキスト表示を、前記ディスプレイにレンダリングすることを更に含む、実施態様12に記載の方法。
【0125】
(16) 前記第1の画像中で前記組織を強調することを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(17) 前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記医療スキャンを更新し、前記医療スキャンにおける前記身体部位の全ての組織を、前記組織の前記初期組織タイプ表示に当初分類されたものから、前記組織の修正された組織タイプ表示に再分類することを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(19) 前記複数の初期組織タイプ表示が、前記医療スキャンにおける放射線濃度のレベルである、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記組織の前記初期組織タイプ表示の放射線濃度のレベルと、前記組織の前記修正された組織タイプ表示の放射線濃度のレベルとの間の比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを比例的に更新することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【0126】
(21) 前記複数の初期組織タイプ表示のうちの異なるものからの少なくとも2つの組織タイプ表示更新によって確認された比例的変化に応じて、前記医療スキャンにおける全ての放射線濃度のレベルを更新することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記追跡された器具位置に応じて、前記組織に対する前記医療器具の近接に関して警告を出力することを更に含み、前記組織が、前記組織の前記初期組織タイプ表示によって前記医療スキャンにおいて当初分類されたものである、実施態様12に記載の方法。
(23) プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生体の身体部位内に挿入されるように構成されている医療器具の座標フレームと、前記身体部位の医療スキャンを位置合わせすることであって、前記医療スキャンが、前記身体部位の複数の初期組織タイプ表示を含む、ことと、
前記医療スキャンに基づく前記身体部位及び前記複数の初期組織タイプ表示の表現と、前記身体部位内の前記医療器具の追跡された器具位置に配置された前記医療器具の表現と、を含む、第1の画像を、ディスプレイにレンダリングすることと、
前記医療器具の画像センサによって前記追跡された器具位置で捕捉された前記身体部位の一部分の第2の画像を、前記ディスプレイにレンダリングすることと、
前記身体部位の前記一部分の前記第2の画像における組織の外観と、前記組織の初期組織タイプ表示との間の比較に応じて、前記医療スキャンを更新して、前記組織に関連付けられた前記組織タイプ表示を修正することと、
を行わせる、ソフトウェア製品。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13