(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20231225BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231225BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20231225BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20231225BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20231225BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20231225BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q19/10
A61Q1/14
A61K8/36
A61K8/39
C11D1/28
C11D3/20
(21)【出願番号】P 2019234353
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】ロウ ウェイウェイ
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-281622(JP,A)
【文献】特開2019-137706(JP,A)
【文献】Rinse-in-Shampoo ,ID 5858443,Mintel GNPD[online],2018年7月,[検索日2023.09.15],URL,https://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D1/00-17/00
Mintel GNPD
CAplus/KOSMET/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び(B)を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
(A)
ラウロイルメチルイセチオン酸塩と、
メチルイセチオン酸塩と、ラウリル酸及び/又はラウリル酸塩と、を含有する活性剤であって、前記
ラウロイルメチルイセチオン酸塩の含有量は水を含まない前記活性剤の総量に対して80質量%以上である活性剤
(B)テトラグリセリンモノラウリルエーテル
【請求項2】
前記成分(A)の洗浄剤組成物全体に対する配合量が0.1~50質量%であり、前記成分(B)の洗浄剤組成物全体に対する配合量が0.1~5質量%である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、詳細には、メイクアップ化粧料や顔の汚れに対する十分な洗浄機能を有しながら、皮膚に対する刺激が少なく、洗浄による肌のバリア機能低下を抑制することができる洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アシルイセチオン酸塩又はアシルアルキルイセチオン酸塩を主とする原料が、石鹸の改質洗浄剤として開発されてきた(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、化学構造的に脂肪酸とイセチオン酸塩又はアルキルイセチオン酸塩をエステル化して得られるココイルイセチオン酸塩、ラウロイルイセチオン酸塩、ココイルアルキルイセチオン酸塩、ラウロイルアルキルイセチオン酸塩等を主とする洗浄剤原料が市販されており、硬水でも石鹸に近い豊かでクリーミィな泡立ちが得られ、更に皮膚への浸透残留性が低く、洗顔時の不快な感触である「つっぱり感」が、石鹸に比べて低いことが知られている(例えば、非特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】刈米 孝夫(2002)「界面活性剤の開発」界面活性剤の応用技術,1-41.
【文献】野崎 清忠(2001)「洗浄剤用植物原料の開発と応用」Fragrance Journal(29)(9),71-76.
【文献】吉村ら,J.Soc.Cosmet.Japan,27,249(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1~3に記載のイセチオン酸塩又はアルキルイセチオン酸塩の脂肪酸エステルの製造工程においては、未反応状態の脂肪酸及び脂肪酸塩が副生成物として最終反応混合物中に存在しており、それらの種々の炭素鎖の脂肪酸塩のうち、特に脂肪酸組成中の比率の高いラウリン酸塩が皮膚への吸着性が高いことから、洗顔後の肌荒れなどの皮膚刺激性を引き起こす可能性がある。
【0006】
一方で、アニオン性界面活性剤を主として用いる洗浄剤に関しては、従来から皮膚上成分の選択洗浄性に着目した報告がいくつかなされている。例えば、高級脂肪酸と塩基性アミノ酸または無機アルカリとの石鹸と保湿剤および水溶性高分子を組み合わせて洗浄料を配合することにより、細胞間脂質やNMF(Natural Moisturing Factor)を残存させることができることが知られている。
【0007】
非イオン性界面活性剤は油と水の馴染みやすさに優れるという特徴から、近年数多くの非イオン性界面活性剤が開発されるとともに、洗浄剤組成物における洗浄主成分として配合されることが多くなっているが、アニオン性界面活性剤のように選択洗浄性に関する報告や提案は多くなされていない。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、メイクアップ化粧料や顔の汚れに対する十分な洗浄機能を有しながらも、皮膚に対する刺激が低く、かつ洗浄による肌のバリア機能低下を抑制することができる洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、(A)アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩を含有する活性剤組成物と、(B)テトラグリセリンモノラウリルエーテルを含有することによって、メイクアップ化粧料や顔の汚れに対する十分な洗浄機能を有しながら、皮膚に対する刺激が低く、かつ洗浄による肌のバリア機能低下を抑制することができる洗浄剤組成物となることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
第一の発明は、下記成分(A)及び(B)を含有する、洗浄剤組成物。
(A)アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩、並びに前記アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩の製造時の副生成物である脂肪酸及び/又は脂肪酸塩を含有する活性剤であって、前記アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩の含有量は水を含まない前記活性剤の総量に対して80質量%以上である活性剤、
(B)テトラグリセリンモノラウリルエーテル
【0011】
第二の発明は、上記成分(A)の洗浄剤組成物全体に対する配合量が0.1~50質量%であり、上記成分(B)の洗浄剤組成物全体に対する配合量が0.01~10質量%である、第一の発明に記載の洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗浄剤組成物は、化粧料や汚れに対する十分な洗浄機能を有しながら皮膚刺激が低く、洗浄による肌のバリア機能低下を抑制することができる洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の構成について詳述する。本発明の洗浄剤組成物は、以下に詳述する成分(A)アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩を主成分として含有する活性剤化合物、及び(B)テトラグリセリンモノラウリルエーテルを含有することにより、本発明の効果を発揮することができる。以下、本発明の成分等を具体的に説明する。
【0014】
<成分(A) 活性剤化合物>
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(A)は、アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩、並びにそれらの製造時の副生成物である脂肪酸及び/又は脂肪酸塩を含有する活性剤化合物である。本発明の成分(A)は、水を含まない成分(A)の総量に対して、アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩を80質量%以上含有する。本発明の成分(A)は、洗浄剤組成物の泡立ちの向上、増粘性の向上、さっぱり感の改善、ぬるつき感の低減のために加えられる。また本発明において、成分(A)は、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ISELUX SFS(Innospec Active Chemicals LLC社製)、PUREACT I-78(Innospec Active Chemicals LLC社製)、ISELUX(Innospec Active Chemicals LLC社製)、ダイヤポンCI(日油株式会社製)などを用いることができる。
【0015】
アシルイセチオン酸塩ないしアシルアルキルイセチオン酸塩は、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の他のアニオン性界面活性剤に比べて皮膚や粘膜に対する刺激性が低く、極めて温和な界面活性剤である。アシルイセチオン酸塩ないしアシル
アルキルイセチオン酸塩は、石鹸に対し低温での泡立ち性の向上や使用後のごわごわとした感触の軽減を図ることができる。このようなアシルイセチオン酸塩ないしアシルアルキルイセチオン酸塩としては、ナトリウム塩が好ましい。
【0016】
一般的に、皮膚への刺激性を低減する観点からはアミノ酸系洗浄剤が好ましい。一方で、石鹸系の洗浄剤に比べてアミノ酸系の洗浄剤は皮膚への刺激性は低いが、泡立ち及び泡量は劣る傾向にある。そこで、皮膚への刺激を抑えながら泡立ちを改善するために、アシルイセチオン酸塩及び/又はアシルアルキルイセチオン酸塩を含有する活性剤組成物が用いられる。
【0017】
しかしながら、アシルイセチオン酸塩やアシルアルキルイセチオン酸塩を、当該技術分野において通常知られている製造方法により製造する場合には、副生成物として不可避的に、未反応状態の脂肪酸及び脂肪酸塩が副生成物として最終反応混合物中に存在しており、それらの種々の脂肪酸塩のうち、特に脂肪酸組成中の比率の高いラウリン酸塩は皮膚への吸着性が高いことから、洗顔後の肌荒れなどの皮膚刺激性を引き起こす可能性がある。例えば、(A)成分がラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウムである場合、これらを製造すると最終反応混合物中に不可避的に未反応物であるメチルイセチオン酸ナトリウムやラウリン酸ナトリウムやラウリン酸が存在している。
【0018】
そのため、アミノ酸系洗浄剤のような皮膚への刺激性の低い洗浄剤へ、泡立ちを改善するためにイセチオン酸系活性剤を添加する場合に、当該イセチオン酸系活性剤に不可避的に含有される副生成物によって肌荒れなどの皮膚刺激性を引き起こす可能性があった。
【0019】
このような欠点を解消するために、本発明の洗浄剤組成物は、以下に詳述する成分(B)を上記成分(A)と組み合わせて用いることにより、各成分の相互作用によって相乗的に効果を発揮することができネガティブな影響を相殺することで改善することができる。したがって、本発明の洗浄剤組成物は、優れた泡立ちの早さ、洗いあがりのさっぱり感、マイルドな皮膚刺激、濃密でクリーミィなもっちりとした泡質を実現することができるため優れている。
【0020】
本発明において、成分(A)の配合量は本発明の効果を発揮するに限り特に限定されるものではないが、洗浄剤組成物全体に対して、好ましくは0.1~50質量%であり、より好ましくは5~30質量%である。成分(A)の配合量が0.1質量%以上であれば泡立ちが良好であり、50質量%以下であれば組成物の粘度が高くなり過ぎず低温でも硬くならないため好ましい。
【0021】
<成分(B) テトラグリセリンモノラウリルエーテル>
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(B)は、テトラグリセリンモノラウリルエーテルである。テトラグリセリンモノラウリルエーテルは、上記成分(A)の不可避的な副生成物に起因する洗浄剤組成物へのネガティブな影響を改善するために用いられる。本発明の成分(B)は、優れた洗浄力、起泡力を有する非イオン界面活性剤であり、洗浄剤組成物の使用感の改善や、石鹸系洗浄剤組成物特有の肌のきしみ感を改善することができる。また、臨界ミセル濃度が低く、表面張力低下能に優れ、低濃度から界面活性能を示す。本発明において、成分(B)は市販のものを用いてもよく、これらに限定されるものではないが、例えば、サンイーサ-L-4(太陽化学株式会社製)、ポリグリセリンエーテルML04(株式会社ダイセル製)等を用いることができる。
【0022】
本発明において、成分(B)を上記成分(A)と組み合わせて用いることにより、上記成分(A)による泡立ちの改善という良好な効果を発揮しながら、(A)成分に含まれる副生成物に起因するネガティブな影響を改善することができる。したがって、本発明にお
いて、成分(A)と成分(B)を組み合わせることにより、メイクアップ化粧料や顔の汚れに対する十分な洗浄機能を有しながらも、皮膚に対する刺激が低く、かつ洗浄による肌のバリア機能低下を抑制できる洗浄剤組成物とすることができる。
【0023】
本発明において、成分(B)の配合量は本発明の効果を発揮するに限り特に限定されるものではないが、洗浄剤組成物全体に対して、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%である。0.01質量%以上であれば皮膚への刺激の緩和作用が十分に発揮され、10質量%以下であれば組成物の安定性が良好であるため好ましい。
【0024】
<その他の成分>
本発明の洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の成分、例えば、上記界面活性剤以外の界面活性剤、炭化水素、エステル、高級アルコール、多価アルコール、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂等)、水、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0025】
上記油剤は、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の油剤、溶剤および樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。具体的に油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂などが挙げられる。また、シリコーン類として例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン化合物が挙げられる。
【0026】
上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号A1レーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。
【0027】
上記粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石けん処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理さ
れていてもいなくても構わない。
【0028】
上記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0029】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン剤、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、乾燥抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0030】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0031】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、イソピロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、1-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。上記油剤は、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の油剤、溶剤および樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わ
ないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。具体的に油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂などが挙げられる。また、シリコーン類として例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン化合物が挙げられる。
【0032】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号A1レーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。
【0033】
上記粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石けん処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0034】
上記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0035】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン剤、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、乾燥抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0036】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨ
モギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0037】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、イソピロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、1-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0038】
<洗浄剤組成物>
本発明の洗浄剤組成物は、常法に従って製造することができる。また、本発明の洗浄剤組成物の一例としては、洗顔フォーム、ボディソープ、クレンジング剤等が挙げられる。剤形は目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、液状、クリーム状、ジェル状、乳液状、エアゾール状等のものが挙げられる。
【実施例】
【0039】
次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0040】
実施例1~8、比較例1~3
(試料の調製)
下表1に示す組成の洗浄剤組成物を常法により調製した。実施例および比較例の配合量は、質量%を示す。
【0041】
(評価方法1:バリア保持能評価)
男女10名の専門パネルが、下表1に記載する洗浄剤組成物を2週間使用し、使用前と使用後において顔頬部の水分量をCorneometer CM825(Courage +Khazaka社製)により測定した。
<バリア保持能値>
バリア保持能値=(洗浄剤組成物を2週間使用した後の顔頬部の水分量)÷(洗浄剤組成物を使用前の顔頬部の水分量)
<判定基準>
上記のようにして算出したバリア保持能値が1.1を超えれば、洗浄剤組成物の使用により角質バリア機能が保持され、肌の状態が向上していると判定した。
【0042】
(評価方法2:刺激性評価)
敏感肌だと感じる20名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄剤組成物を使用し、刺激性について、下記の評価基準に従って官能評価した。なお、刺激感とは、洗浄直後から10分後までに感じる一時的なピリピリ感を言う。
<評価基準>
◎ : 20名中16名以上が、刺激感がないと回答
○ : 20名中11~15名が、刺激感がないと回答
△ : 20名中6~10名が、刺激感がないと回答
× : 20名中5名以下が、刺激感がないと回答
【0043】
(評価方法3:泡立ち・泡量評価)
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄剤組成物を使用し、泡立ち・泡量について、下記の評価基準に従って官能評価した。
<評価基準>
◎ : 極めて良好 泡立ちが速く泡量が多いと答えた被験者の数が8人以上
○ : 良好 泡立ちが速く泡量が多いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△ : やや悪い 泡立ちが速く泡量が多いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
× : 悪い 泡立ちが速く泡量が多いと答えた被験者の数が4人未満
【0044】
(評価方法4:保存安定性評価)
試料を50℃の恒温槽において30日間保管し、界面活性剤の析出及び相分離の有無を目視で観察し、以下の基準に従って保存安定性を評価した。
<評価基準>
○ : 30日間保管しても界面活性剤が析出せず、相分離も生じなかった
△ : 30日経過後には、界面活性剤が析出しており、相分離が見られた
× : 洗浄剤組成物の調製直後に界面活性剤が析出し、相分離が生じた
【0045】
(評価結果)
実施例1~8および比較例1~3の組成および評価結果を下表1に示す。
【表1】
【0046】
実施例および比較例で用いた成分(A)の詳細を以下に示す。
(※1)ダイヤポンCI(日油株式会社製)
(※2)ISELUX(Innospec Active Chemicals LLC社製)
【0047】
表1より明らかなように、本発明に係る実施例1~8の洗浄剤組成物は、比較例1~3の洗浄剤組成物に比べていずれも泡性能及び安定性が高く、さらに刺激性を有することもなく、肌のバリア保持能を向上させていた。
【0048】
以下本発明の洗浄剤組成物のその他の処方例1~3を以下に記載する。これらの処方例の洗浄剤組成物を常法により調製し、上記実施例と同様に、肌のバリア保持能、刺激性、泡立ち・泡量及び保存安定性を評価したところ、いずれも実施例と同様に優れた性能を示した。
【0049】
処方例1 泡吐出型フェイスウォッシュ 配合量(質量%)
ラウロイルメチルイセチオン酸Naを主とする原料(ISELUX) 10.0
ラウロイルメチルアラニンNa 8.0
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 4.0
ラウリン酸PEG-80ソルビタン 2.0
テトラグリセリンモノラウリルエーテル 1.0
グリセリン 5.0
ポリクオタニウム-7 0.1
フェノキシエタノール 0.2
EDTA-2Na 0.05
クエン酸 適量
香料 適量
精製水 残余
【0050】
処方例2 ボディウォッシュ 配合量(質量%)
ラウロイルメチルイセチオン酸Naを主とする原料(ISELUX) 10.0
ラウロイルアスパラギン酸Na 10.0
ココイルグリシンK 5.0
ラウロイルメチルアラニンNa 2.0
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 2.0
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.5
シア脂 0.5
セラミド2 0.5
セラミド5 0.5
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.5
ポリクオタニウム-67 0.1
N-アセチルグルコサミン 0.5
ヒアルロン酸Na 0.5
DPG 0.5
グリセリン 5.0
フェノキシエタノール 0.2
EDTA-2Na 0.05
クエン酸 適量
香料 適量
精製水 残余
【0051】
処方例3 洗顔フォーム 配合量(質量%)
ラウロイルメチルイセチオン酸Naを主とする原料(ISELUX) 10.0
ココイルメチルタウリンNa 10.0
ココイルグリシンK 15.0
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 2.0
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.5
コカミドDEA 2.0
セラミド2 0.5
セラミド5 0.5
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.5
ポリクオタニウム-67 0.1
N-アセチルグルコサミン 0.5
ヒアルロン酸Na 0.5
グリセリン 30.0
フェノキシエタノール 0.2
EDTA-2Na 0.05
クエン酸 適量
香料 適量
精製水 残余