(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】医療機器用の取り付け装置
(51)【国際特許分類】
A61B 90/50 20160101AFI20231225BHJP
【FI】
A61B90/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019235825
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィグ・エリーザー・ホランダー
(72)【発明者】
【氏名】ロン・モシュコビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ワイアット・ウィルソン・ピュー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・トーマス・ランバート
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・コビー・スターン
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0361219(US,A1)
【文献】特開2009-112822(JP,A)
【文献】特表2012-501811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/50
A61B 90/00
A61B 90/57
A61B 50/20
A61G 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器用の取り付け装置であって、
ハウジングと、
固定構造物と係合するように構成されているロック用出っ張りと、
前記ハウジング内で移動可能なノブであって、前記ロック用
出っ張りの高さを調節するための、複数の段部を有する傾斜面を含むノブと、を備え、
各段部が、前記ロック用
出っ張りの別個の高さを画定
し、
各段部が、別個の不連続な深さを画定し、各段部間に斜面セクションが配置され、
前記取り付け装置は、留め具を有するガイドピンを更に備え、
前記ノブは、前記ガイドピンの前記留め具を受容するためのガイドスロット及び端壁を含み、前記ガイドスロットは前記端壁で終端し、前記傾斜面の第1の段部に対応する長手方向長さを有する、取り付け装置。
【請求項2】
前記ノブに対して付勢されて前記ロック用出っ張りを閉鎖位置に向けて付勢する戻しばねを更に備える、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項3】
前記複数の段部が、実質的に平行であり、前記傾斜面の傾斜セクションによって分離されている、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、前記固定構造物を受容するためのスロットを含む、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項5】
前記ロック用出っ張りの高さが、前記ハウジングの前記スロットの有効サイズを変更するように調節される、請求項4に記載の取り付け装置。
【請求項6】
前記ノブが、前記ハウジング内に後退して、前記ロック用出っ張りを後退させ、前記固定構造物を解放する、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項7】
前記ノブを伸長位置に向けて付勢し、前記ロック用出っ張りを閉鎖位置に向けて付勢する戻しばねを更に備える、請求項6に記載の取り付け装置。
【請求項8】
前記ノブ及び前記ロック用出っ張りの相対的移動が、実質的に直角をなしている、請求項6に記載の取り付け装置。
【請求項9】
前記ハウジングが、機器ホルダを取り付けるように構成されている受容部を含む、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項10】
前記受容部がトラックであり、前記取り付け装置が、前記受容部に取り付けられた2つの機器ホルダを更に備える、請求項9に記載の取り付け装置。
【請求項11】
医療機器キットであって、
請求項1に記載の取り付け装置であって、前記取り付け装置の前記ハウジングが第1の受容部を含む、取り付け装置と、
パッチユニットと、
前記パッチユニットを受容するサイズであり、前記第1の受容部に取り付け可能な第1の機器ホルダと、
第2の受容部に取り付け可能な第2の機器ホルダと、を備える医療機器キット。
【請求項12】
カテーテルを更に備え、
前記第2の機器
ホルダが、前記カテーテルを受容するサイズである、請求項11に記載の医療機器キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療処置中に、パッチユニットなどの様々な医療機器が利用される。カテーテルアブレーションなどの複雑な手術は、複数の処置を組み合わせ、いくつかの器具及びモニターを必要とする。例えば、カテーテルアブレーション又は診断処置は、リアルタイムマッピング及び可視化システムによって支援され得る。アドバンストカテーテルロケーション(ACL)技術は、患者の胸部及び背部上の表面パッチを利用して、各カテーテル内の電極から放出される低電流を測定し、その後、ソフトウェアプログラムが、各電極の位置を計算することができるようになっている。既知の各電極の位置により、外科医は処置をより正確に行うことができる。
【0002】
医療処置におけるACLの目的では、パッチユニットは、背部パッチ及び胸部パッチを、患者インターフェースユニット(PIU)などの外科用システムの他の構成要素に接続する電子医療装置である。パッチユニットは外科手術中に悪影響を与えることなく、他の構成要素又はタスクの支障にならないことが好ましい。パッチユニットは、パッチとPIUとの間の有線接続を提供するのに十分に近接したままで、手術台のフレーム上などの手術室(OR)内の邪魔にならない所に配置又は装着されてもよい。しかしながら、手術中又は処置間に、パッチユニットの位置を移動するか、又はパッチユニットを手術台のエリアから取り外すことが必要となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パッチユニットを所望の位置にしっかりと保持することができ、容易に移動され、パッチユニット又は外科用システムの他の部分を妨害しないパッチユニット用ホルダを提供することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、ハウジングと、ロック用出っ張りと、ハウジング内で移動可能なノブとを含む、医療機器用取り付け装置が提供される。ロック用出っ張りは、固定構造物と係合するように構成されている。ノブは、ロックピンの高さを調節するための傾斜面を有する。傾斜面は、それぞれがロックピンの別個の1つの高さを画定する複数の段部を有する。
【0005】
別の態様では、取り付け装置、パッチユニット、第1の機器ホルダ、及び第2の機器ホルダを含む医療機器キットが提供される。取り付け装置は、第1の受容部を有するハウジングを有する。第1の機器ホルダは、パッチユニットを受容するようなサイズであり、第1の受容部に取り付け可能である。第2の機器ホルダは、ハウジングの第2の受容部に取り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付図面の図において、制限としてではなく例示として図示される。
【
図1】本発明の一実施形態に係る、本発明の取り付け装置の分解斜視図である。
【
図2A】
図1の取り付け装置のハウジングの側面図である。
【
図2B】線I-Iに沿ってとられた
図2Aのハウジングの断面図である。
【
図3A】
図1の取り付け装置のノブの上面斜視図である。
【
図3B】線II-IIに沿ってとられた
図3Aのノブの側断面図である。
【
図4】
図1の取り付け装置のロック用出っ張りの側面斜視図である。
【
図5】
図1の取り付け装置のガイドピンの上面斜視図である。
【
図6A】医療機器用ホルダを装着した
図1の取り付け装置の斜視図である。
【
図6B】パッチユニット及びカテーテルユニットを保持する
図6Aの取り付け装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、医療機器用の取り付け装置に関する。本明細書に記載される本実施形態では、取り付け装置10(パッチユニットホルダ10とも呼ばれる)は、心臓カテーテル法などのカテーテル法で使用され得る。説明のために、取り付け装置10は、カテーテル位置のモニタリングに使用されるパッチユニット920を用いたカテーテル法による処置を参照して記述される。しかしながら、当業者であれば、他の実施形態では、取り付け装置10は、他の外科的、治療的、又は診断的処置と併せて使用され得ることを理解するであろう。
【0008】
図1は、本出願の一実施形態による、取り付け装置10の分解図を示すが、その取り付け装置10は、開口部22を有するハウジング20と、ロック用出っ張り60と、ガイドピン70と、ばね82によって付勢され、かつ傾斜面84を含むノブ80と、を含む。以下で更に説明するように、取り付け装置10は、固定構造物に取り付けるために使用されてもよく、医療機器などの機器のための、1つ以上のホルダを支持してもよい。
【0009】
図2Aに最もよく示されるように、ハウジング20の開口部22は高さ24を有するが、以下に詳細に示されるように、この高さ24は、様々なサイズのベッドレール800(
図6Aを参照)又は他の固定構造物を収容して、挟み付けるように、ロック用ピン50を介して調節可能である。開口部22は、少なくとも底部26、内側部28、及び上側部30によって画定される。固定構造物の周囲で開口部22の開放側を部分的に包囲するために、リップ32が設けられてもよい。このように、開口部22は、概ねC字形状であると考えられる。凹部34が、上側30に提供されて、固定構造物の一部分を受容し、確実に係合してもよい。
【0010】
図2A~
図2Cに示されるハウジング20は、頂部36、底部38、前部40、後部42、及び2つの側部44、46を更に含む。開口部22は、ハウジングの前部40に向かって開いている。ノブ80及びばね82を受容するための水平ボア48が設けられている。図示した実施形態では、ボア48は、第1の側面44に形成され、ハウジング20の幅を実質的に横切って、第2の側面46に近接して位置する終端49まで延在する。図示されているボア48は、開口部22と平行に、かつ開口部22の下方で延在する。
【0011】
ハウジング20内には、一次垂直ボア50が設けられ、これは、ロック用出っ張り60を受容し、水平ボア48を開口部22に接続するためのものである。ハウジング20内には、ガイドピン70を受容するための二次垂直ボア52が設けられ、水平ボア48と連通している。組み立てられたとき、二次垂直ボア52はまた、ノブ80内に形成されたガイドスロット96とも連通する。後述するように、この連通により、ガイドピン70の留め具74が、ノブ80の端壁98と係合することが可能になる。二次垂直ボア52はまた、ノブ80が水平ボア48に装着される前に、ロック用出っ張り60の装着にも使用されてもよい。
【0012】
図2Cに最もよく示されるように、ハウジング20の後部42は、例示的な実施形態ではトラック又はスロットとして示される受容部54を含む。受容部54は、T字形状のトラックであってもよく、ハウジング20の頂部36から底部38に向かって延在し、後部42の高さの半分を超えて延在してもよい。受容部54は、後部42に沿って延在する開放端部56を有する。代替的実施形態では、受容部54の開放端部56は、ハウジング20の頂部36又は底部38に沿って延在してもよい。更なる代替例では、受容部54は、ピンホール、ねじ穴、クリップ、フックなどの他の好適な受容部と交換されてもよい。
【0013】
図3A及び3Bを参照すると、ノブ80が、第1の面86と、第2の面88と、本体90とを含むものとして示されている。ノブ80は細長い円筒として示されているが、楕円形、正方形、又は矩形などの断面を有する他の細長い形状も考えられる。ノブ80及びボア48は、ノブが押しボタン式にボア内で摺動することができるような、それぞれ対応する寸法及び形状になっている。ノブ80は、ばね82を受容するためのばねスロット92を更に含み、ばねスロット92は端壁94で終端している。
【0014】
ノブ80の傾斜面84は、ロック用出っ張り60の高さを変更するための一連の斜面セクション及び段部を含み、ハウジング20の開口部22の高さ24を効果的に調節している。したがって、傾斜面84は、一連の斜面セクション及び段部に沿って変化する深さ100を有する。
【0015】
具体的には、傾斜面84は、第1の段102、第2の段104、第3の段106、第4の段108、及び第5の段110を含み得る。段部102、104、106、108、及び110のそれぞれは、別個の不連続な深さ100にある。一連の斜面セクション103、105、107、及び109は、それぞれ、段部間に配置されている。ロック用出っ張り60と組み立てられたとき、ロック縁部のヘッド68は、傾斜部分103、105、107、及び109によってガイドされて、選択された段部102、104、106、108、又は110に、傾斜面84に沿って選択的に移動することができる。傾斜面84内にヘッド68を保持するために、傾斜面84に終端斜面セクション111及び112もまた設けられている。
【0016】
ノブ80はまた、ガイドピン70の留め具74を受容するためのガイドスロット96を含み、ガイドスロット96は端壁98で終端する。
図4Bに示すように、ガイドスロット96は、傾斜面84の第1の段部102に対応する長手方向長さを有してもよく、それにより、以下で更に論じるように、ノブが長手方向に移動して、ハウジング20から横方向に離れるのを効果的に制限する。
【0017】
戻しばね82は、ハウジング20のボア48の終端49と、ノブ80のばねスロット92の端壁94との間に取り付けられる。コイルばねとして示されているが、ゴムブロック又はエラストマーブロックを含む、様々な他の種類のばね又はエラストマー材料が提供されてもよい。
図2Bに示すように組み立てられると、戻しばね82はノブ80を外向き/右方向に押す。その結果、傾斜面84は右方向に押され、深さ100は効果的に減少し、ロック用出っ張り60は上方に押される。ひとたびロック用出っ張り60がベッドレール800に当接すると、ロック用出っ張り60はそれ以上上方に移動することはできず、ノブ80は外向き/右方向にそれ以上は移動することはできず、ロック停止部は、段部102、104、106、108、及び110のうちの1つに係合する。
【0018】
図4では、例示的なロック用出っ張り60が示され、ロック用出っ張り60は、本体と、上端部64と、丘部66と、底部68とを含む。本体62は楕円形の断面を有する細長いものであるが、円形、矩形、正方形などを含む他の断面形状も考えられる。本体62は、ハウジング20の一次垂直ボア50内で摺動するような寸法及び形状である。上端部64は、実質的に平坦であってもよく、組み立てられる際に、開口部22の有効高さ24を調節し、ベッドレール800又は他の固定構造物に係合する。丘部66は、上端部64から延び、開口部22の内側部28と反対側に位置付けられる。したがって、ハウジング20のリップ32と同様に、丘部66は、固定構造物800の周囲で、開口部22の開放側を部分的に包囲してもよい。
【0019】
ロック用出っ張り60の底部68は、リム69を底部68の外周の周りに有し、そのリム69は、ハウジング20に対して引っ掛かり部として機能して、ロック用出っ張り60が摺動し一次垂直ボア50から完全に上方に出てしまうのを防止することができる。組み立てられたとき、底部68は、ノブ80の傾斜面84と係合する。傾斜面84に沿った、特に斜面セクション103、105、107、及び109に沿った調節をしやすくするために、底部68は、丸みを帯びた又は面取りされた角部を有してもよい。底部68は、傾斜面84の段部102、104、106、108、及び110のうちの選択された1つに載り、それと係合するように実質的に平坦であり得る端面を有する。
【0020】
図示した実施形態では、重力がロック用出っ張り60に作用して、ロック用出っ張り60を傾斜面84に向かって動かし、それにより、ノブが動かされている間、重力は底部68と傾斜面84との間の係合を維持する。しかしながら、ばねなどの追加の構造体が、ロック用出っ張りを傾斜面84に向かって付勢するために提供され得ることも考えられる。
【0021】
図5には、例示的なガイドピン70が図示されている。本体72は、圧入、ねじ切り、押込み係合構造体などを用いて、二次垂直ボア52に嵌合することができる。ガイドピン70は、そこから軸方向に延在する留め具74を含む。留め具74は、ノブ80のガイドスロット96内に延在する。留め具74は、ノブ80が回転するのを防止するように機能し、それによって傾斜面84が、ロック用出っ張り60と位置合わせされた位置に維持される。留め具74はまた、端壁98と係合し、それによって、ノブ80がハウジング20の水平ボア48から偶発的に出ることを防止するように機能する。
【0022】
使用中、ノブ80を押し込む(すなわち、ノブ80をハウジング20内に更に挿入する)ことにより、傾斜面84の深さ100が増加し、これによってロック用出っ張り60を下方に動かし、その結果、ハウジングの開口部22の高さ24がより高くなる。したがって、ノブ80を押すことにより、取り付け装置10がベッドレール800から解放され、かつ/又はより高い高さ(又はより大きい直径)802を有するベッドレールを収容することを可能にする。上述したように、ロック用出っ張り60の底部62の面取りされた又は丸みのある縁部は、傾斜面84が移動することを可能にし、ひいてはロック用出っ張りの動きをもたらすことができる。図示した実施形態では、ノブ80は、ユーザの親指又は一本の指で押されるような寸法であり、かつそのような位置にある。
【0023】
図6A~
図6Bに示されるように、取り付け装置10は、ベッドレール800などの固定構造物に取り付けられてもよく、かつ様々な装置のための、第1のホルダ900及び第2のホルダ950などの1つ以上のホルダを支持してもよい。なお、そのような様々な装置としては、例えばパッチユニット920及び/又はカテーテルユニット970のような、医療機器が挙げられる。当業者であれば、ユーザのニーズ及び保持されるように意図される装置(複数可)によって求められるように、様々な他のホルダが本出願の取り付け装置10に同様に取り付けられてもよいことを理解するであろう。
【0024】
例示的な第1のホルダ900は、いずれもホルダ本体910から延在する、第1のアーム902及び第2のアーム904並びに第1の脚906及び第2の脚908を含む。アーム902及び904並びに脚部906及び908は、パッチユニット920をしっかりと保持するが、パッチユニット920のいかなる構成要素の支障となることがないようになっている。そのような構成要素には、パッチに接続するためのワイヤ922及び924、ディスプレイスクリーン926、及び例えばボタン928などの制御部が挙げられる。第1のホルダ900は、ハウジング20を係合するためのマウント部912を有するが、マウント部912は、例えば、ハウジング20の受容部54で係合する。一対のねじ914が、第1のホルダ900のマウント部912を、ハウジング20に固定的に取り付けるために提供されてもよい。このように、ねじ914に対する相補的なねじ付き穴(図示せず)を、ハウジング20の後部42に設けてもよく、そのねじ付き穴が、第1のホルダ900のための第1の受容部を構成してもよい。他方で、受容部54は、第2のホルダ950のための第2の受容部を構成する。代替的な実施形態では、第1のホルダ900は、受容部54内に保持されてもよいが、ただし、受容部54内で自由に揺動/枢動するようになっている。
【0025】
第2のホルダ950はまた、ハウジング20に取り外し可能に取り付けられてもよいが、そのために、例えば、受容部54に係合し、第1のホルダ900の上方に位置付けられる。第2のホルダ950は、ともに基部956から延在する、第1のアーム952及び第2のアーム954を含む。図示の第2のホルダ950は、Biosense Webster社により製造されたQDot Catheterなどのカテーテルユニット970(
図2B)を保持するように構成されている。
【0026】
以下の表1は、例示的なベッドレール800の高さ(又は直径)802を示す。本出願の取り付け装置10は、これらの例示的なベッドレール高さ802の一部又は全てに対応する、調節可能な高さ24を有し得る。
【0027】
【0028】
本構成により、ユーザ(外科医、看護師、医療技術者、又は他の施術者など)が、取り付け装置10をベッドレール800(又は他の固定構造物)に、比較的迅速かつ容易に装着又は再配置することが可能になる。特に、取り付け装置10は、片手操作によって再配置され得る。更に、開口部22の高さ24が調節可能であることにより、単一の取り付け装置10が、様々な高さ802のベッドレール800と適合可能になるため、製造及び在庫コストが低減される。例えば、本出願に適用可能な取り付け装置10の一実施形態は、上記の表1に列挙された全ての標準的なベッドレールサイズに対応し得る。当業者であれば、深さが固定された開口部22(深さが底部26及び頂面30によって画定される)が、ベッドレール800の特定の幅又は直径に適応するように設計されてもよいことを認識するであろう。
【0029】
本明細書の開示に基づいて多くの変更例が可能であることを理解されたい。特徴及び要素が特定の組み合わせで上に説明されているが、各特徴又は要素は、他の特徴及び要素を用いずに単独で、又は他の特徴及び要素を用いて若しくは用いずに他の特徴及び要素との様々な組み合わせで使用されてもよい。例えば、水平ボア48、一次垂直ボア50、及び二次垂直ボア52は、一次垂直ボア50が重力に、ロック用出っ張り60を傾斜面84に向かって押しやるのを可能にする限り、垂直/水平に対して任意の角度で配向され得る。傾斜面84の段部102、104、106、108、及び110の段数は様々であってもよく、一般に、本発明に適用可能な例示的な取り付け装置10は、2つ以上の段部、少なくとも3つの段部、少なくとも4つの段部、少なくとも5つの段部、少なくとも6つの段部、少なくとも7つの段部、少なくとも8つの段部、少なくとも9つの段部、又は少なくとも10の段部を有する傾斜面84を有してもよい。表1を考慮すると、傾斜面は、列挙された最小サイズ及び最大サイズを包含する段部102、104、106、108、及び110のための深さ100を有してもよく、米国サイズのみを含み、日本サイズのみを含み、又は列挙されたサイズの任意の組み合わせを含む。取り付け装置10は、ベッドレール800の代わりに、医療機器のフレーム、アーム若しくは脚、家具、カウンタ、又はテーブルなどの様々な固定構造物に取り付けられてもよい。
【0030】
〔実施の態様〕
(1) 医療機器用の取り付け装置であって、
ハウジングと、
固定構造物と係合するように構成されているロック用出っ張りと、
前記ハウジング内で移動可能なノブであって、前記ロック用ピンの高さを調節するための、複数の段部を有する傾斜面を含むノブと、を備え、
各段部が、前記ロック用ピンの別個の高さを画定する、取り付け装置。
(2) 前記ノブに対して付勢されて前記ロック用出っ張りを閉鎖位置に向けて付勢する戻しばねを更に備える、実施態様1に記載の取り付け装置。
(3) 前記複数の段部が、実質的に平行であり、前記傾斜面の傾斜セクションによって分離されている、実施態様1に記載の取り付け装置。
(4) 前記ハウジングが、前記固定構造物を受容するためのスロットを含む、実施態様1に記載の取り付け装置。
(5) 前記ロック用出っ張りの高さが、前記ハウジングの前記スロットの有効サイズを変更するように調節される、実施態様4に記載の取り付け装置。
【0031】
(6) 前記ノブが、前記ハウジング内に後退して、前記ロック用出っ張りを後退させ、前記固定構造物を解放する、実施態様1に記載の取り付け装置。
(7) 前記ノブを伸長位置に向けて付勢し、前記ロック用出っ張りを閉鎖位置に向けて付勢する戻しばねを更に備える、実施態様6に記載の取り付け装置。
(8) 前記ノブ及び前記ロック用出っ張りの相対的移動が、実質的に直角をなしている、実施態様6に記載の取り付け装置。
(9) 前記ハウジングが、機器ホルダを取り付けるように構成されている受容部を含む、実施態様1に記載の取り付け装置。
(10) 前記受容部がトラックであり、前記取り付け装置が、前記受容部に取り付けられた2つの機器ホルダを更に備える、実施態様9に記載の取り付け装置。
【0032】
(11) 医療機器キットであって、
実施態様1に記載の取り付け装置であって、前記取り付け装置の前記ハウジングが第1の受容部を含む、取り付け装置と、
パッチユニットと、
前記パッチユニットを受容するサイズであり、前記第1の受容部に取り付け可能な第1の機器ホルダと、
第2の受容部に取り付け可能な第2の機器ホルダと、を備える医療機器キット。
(12) カテーテルを更に備え、
前記第2の機器クレードルが、前記カテーテルを受容するサイズである、実施態様11に記載の医療機器キット。