(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】二重ねじりばねシステムを有する針挿入後退システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20231225BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/145 504
(21)【出願番号】P 2019561965
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(86)【国際出願番号】 US2018040671
(87)【国際公開番号】W WO2019014014
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モジャラド,メヘラン
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン,スコット・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リビングストン,アダム
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-530016(JP,A)
【文献】特表2013-528107(JP,A)
【文献】特開昭54-102083(JP,A)
【文献】特開昭51-130089(JP,A)
【文献】特表2004-532659(JP,A)
【文献】米国特許第06186979(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス用の挿入/後退機構であって、
内部表面と、前記内部表面から径方向内側に延びる第1の一次回転停止部と、前記内部表面から径方向内側に延びる第2の一次回転停止部と、を含む、後退ハブと、
前記後退ハブの内部に配置されており、外部表面を有するシャフトと、前記外部表面から径方向外側に延びる第1の相補形回転停止部と、前記外部表面から径方向外側に延びる第2の相補形回転停止部と、を含む、挿入ハブであって、前記挿入ハブは前記シャフトに接続されたスピンドルを更に含み、前記スピンドルは針経路を有する、挿入ハブと、
前記後退ハブ及び前記挿入ハブを回転可能な状態で収容し、針出口孔を含む挿入/後退機構ハウジングと、
前記挿入ハブの前記スピンドルの前記針経路内に延びる可撓性針であって、前記可撓性針の挿入及び後退中に前記挿入/後退機構ハウジングの前記針出口孔を選択的に通過するように構成されている、可撓性針と、
二重ねじりばねシステムであって、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねを含む前記二重ねじりばねシステムは、前記後退ハブと、前記挿入ハブと、前記挿入/後退機構ハウジングとに動作的に接続されている、二重ねじりばねシステムと、
前記二重ねじりばねシステムに動作的に接続された起動トリガーと、
を含み、
初期位置において、前記第1の一次回転停止部は前記第1の相補形回転停止部に係合し、前記後退ハブは前記挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、前記可撓性針は前記針出口孔を通過しておらず、
挿入位置において、前記挿入ハブが、前記二重ねじりばねシステムにより与えられた第1のばね付勢によって前記後退ハブに対して回転した結果、前記第2の一次回転停止部は前記第2の相補形回転停止部に係合し、前記後退ハブは前記挿入/後退機構ハウジングに対して前記第1の回転位置にあり、前記可撓性針は前記針出口孔を通過しており、
後退位置において、前記第2の一次回転停止部は前記第2の相補形回転停止部に係合し、前記後退ハブが、前記二重ねじりばねシステムにより与えられた第2のばね付勢によって前記挿入/後退機構ハウジングに対して回転した結果、前記後退ハブは前記挿入/後退機構ハウジングに対して第2の回転位置にあり、前記可撓性針は前記針出口孔を通過していない、
挿入/後退機構。
【請求項2】
前記後退ハブは、前記内部表面から径方向内側に延びる第3の一次回転停止部と、前記内部表面から径方向内側に延びる第4の一次回転停止部とを更に含み、
前記挿入/後退機構ハウジングは、第3の相補形回転停止部及び第4の相補形回転停止部を含み、
前記挿入位置において、前記後退ハブの前記シャフトの前記第3の一次回転停止部は前記挿入/後退機構ハウジングの前記第3の相補形回転停止部に係合し、
前記後退位置において、前記後退ハブの前記シャフトの前記第4の一次回転停止部は前記挿入/後退機構ハウジングの前記第4の相補形回転停止部に係合する、
請求項1に記載の挿入/後退機構。
【請求項3】
前記挿入位置において前記可撓性針が前記針出口孔を越えて延びる距離は、前記挿入ハブの直径と前記第1のばね付勢とによって決定される、請求項1又は2に記載の挿入/後退機構。
【請求項4】
前記右巻きねじりばねと前記左巻きねじりばねは、単一の二重ねじりばねへと共に一体化される、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入/後退機構。
【請求項5】
前記後退ハブは、外部表面と、前記外部表面から径方向外側に延びる予荷重切欠部と、を含み、
前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちの1つは、前記後退ハブの予荷重切欠部の遠位側の前記後退ハブの前記外部表面を包囲し、前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちのもう一方は、前記後退ハブの前記予荷重切欠部の近位側の前記後退ハブの前記外部表面を包囲する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の挿入/後退機構。
【請求項6】
前記後退ハブは、外部表面と、前記外部表面から径方向外側に延びるスライドロッド切欠部と、を含み、
前記挿入ハブは、前記外部表面から径方向外側に延びるスライドロッド切欠部を含み、
前記起動トリガーは、前記後退ハブと軸方向に位置合わせされたスライドロッドを含み、前記スライドロッドは、前記後退ハブの前記スライドロッド切欠部及び前記挿入ハブの前記スライドロッド切欠部に接触する、変化する外径を持つ外部表面を有し、
前記スライドロッドの第1の軸方向運動により前記スライドロッドを前記挿入ハブの前記スライドロッド切欠部から解放し、前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちの1つが前記挿入ハブを前記後退ハブに対して回転させ、前記挿入位置を達成し、
前記スライドロッドの第2の軸方向運動により前記スライドロッドを前記後退ハブの前記スライドロッド切欠部から解放し、前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちのもう一方が前記後退ハブを前記挿入/後退機構ハウジングに対して回転させ、前記後退位置を達成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の挿入/後退機構。
【請求項7】
前記起動トリガーは、前記挿入ハブを所定の位置に選択的に固定する挿入トリガーと、前記後退ハブを所定の位置に選択的に固定する後退トリガーと、を含み、
前記初期位置において、前記挿入トリガーは前記挿入ハブを所定の位置に固定し、前記後退トリガーは前記後退ハブを所定の位置に固定し、
前記挿入位置において、前記挿入トリガーは前記挿入ハブを所定の位置に固定せず、前記後退トリガーは前記後退ハブを所定の位置に固定し、
前記後退位置において、前記挿入トリガーは前記挿入ハブを所定の位置に固定せず、前記後退トリガーは前記後退ハブを所定の位置に固定しない、
請求項1~5のいずれか一項に記載の挿入/後退機構。
【請求項8】
前記起動トリガーは、前記後退ハブ又は前記挿入ハブのうちの1つを所定の位置に選択的に固定する第1のスライドトリガーと、前記後退ハブ又は前記挿入ハブのうちのもう一方を所定の位置に選択的に固定する第2のスライドトリガーと、前記第1のスライドトリガーに接続された第1のマッスルワイヤと、前記第2のスライドトリガーに接続された第2のマッスルワイヤと、を含み、
前記第1のマッスルワイヤの電気的起動により前記第1のマッスルワイヤが収縮し、前記第1のスライドトリガーを動かし、それによって前記後退ハブ又は前記挿入ハブのうちの1つを解放し、前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちの1つが前記挿入ハブを前記後退ハブに対して回転させ、前記挿入位置を達成し、
前記第2のマッスルワイヤの電気的起動により前記第2のマッスルワイヤが収縮し、前記第2のスライドトリガーを動かし、それによって前記後退ハブ又は前記挿入ハブのうちのもう一方を解放し、前記右巻きねじりばね及び前記左巻きねじりばねのうちのもう一方が前記後退ハブを前記挿入/後退機構ハウジングに対して回転させ、前記後退位置を達成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の挿入/後退機構。
【請求項9】
容器、前記容器に結合された流体経路コネクタ、および、圧力供給デバイス、を有する主要ハウジングと、
請求項1~8のいずれか一項に記載の挿入/後退機構であって、前記主要ハウジング内に配置され、前記圧力供給デバイスに動作的に結合され、前記流体経路コネクタが前記容器と前記挿入/後退機構との間に流体流路を画定している、該挿入/後退機構と、
を備える、
ウェアラブル薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2017年7月14日に出願の米国仮特許出願第62/532,868号明細書に対する優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より具体的には、必ずしも限定はされないが、二重ねじりばねシステムを挿入ハブ及び後退ハブとともに使用して可撓性針を挿入する及び後退させることに関する。
【背景技術】
【0003】
オンボディ型インジェクタなどのいくつかの薬物送達デバイスは、注射針又はそれ以外の手段により長期間にわたって薬物を送達するために患者に一時的に取り付けられ得る。薬物送達デバイスは、患者の腹部、大腿、腕、又は患者の体のそれ以外の部分の組織に取り付けられ得る。
【0004】
一部の場合では、薬物送達デバイスは、薬物が注入される間、患者によって数分又は数時間装着され得る。例えば、一部の生物学的製剤を含む粘性のある薬物は、それらを薬物送達デバイスから排出するのに必要な力のせいで、長い注入時間を有する場合がある。更に、一部の薬物送達デバイスは、医師の事務所で患者に取り付けられ、後に患者が帰宅すると患者に薬物を送達するように構成されている。これら理由及びその他のため、剛性のある注入部材がかなりの時間量にわたって患者の内部に残される場合があり、患者の不快感又は不安感につながる可能性がある。
【0005】
加えて、一部の既存の薬物送達デバイスは針の安全性のために外部特徴を使用しており、剛性針がなお患者の内部にある間に患者が薬物送達デバイスを取り除くことを必要とする。針の角度、深さ、及び剛性によっては、これは患者の不快感及び後に針を見ることによる不安感の原因となる場合がある。
【0006】
このため、針の挿入運動及び/又は後退運動を、患者の負担を低減し、薬物送達デバイスの適用中の誤りの可能性を最小限に抑える手法で達成するために、挿入/後退機構が薬物送達デバイス内に配置されている。しかしながら、そのような挿入/後退機構は、薬物送達デバイスの全体的なサイズ、複雑さ、及び/又はコストを増大させる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、薬物送達デバイスは、容器と、容器に結合された流体経路コネクタと、圧力供給デバイスとを有する主要ハウジングと;後退ハブと、挿入ハブと、二重ねじりばねシステムとを含む挿入/後退機構と、を含む。挿入/後退機構は主要ハウジング内に配置され、圧力供給デバイスに動作的に結合されている。流体経路コネクタは容器と挿入/後退機構との間に流体流路を画定する。後退ハブは、内部表面と、内部表面から径方向内側に延びる第1の一次回転停止部と、内部表面から径方向内側に延びる第2の一次回転停止部と、を含む。挿入ハブは後退ハブの内部に配置されており、外部表面を有するシャフトと、外部表面から径方向外側に延びる第1の相補形回転停止部と、外部表面から径方向外側に延びる第2の相補形回転停止部と、を含む。挿入ハブは、シャフトに接続されたスピンドルを更に含む。スピンドルは針経路を有する。挿入/後退機構は挿入/後退機構ハウジングを含み、挿入/後退機構ハウジングは、後退ハブ及び挿入ハブを回転可能な状態で収容し、針出口孔を含む。可撓性針は流体流路に接続され、挿入ハブのスピンドルの針経路内に延び、可撓性針の挿入及び後退中に挿入/後退機構ハウジングの針出口孔を選択的に通過するように構成されている。二重ねじりばねシステムは右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねを含む。二重ねじりばねシステムは、後退ハブと、挿入ハブと、挿入/後退機構ハウジングとに動作的に接続されている。起動トリガーは二重ねじりばねシステムに動作的に接続されている。
【0008】
第1の態様によれば、初期位置において、第1の一次回転停止部は第1の相補形回転停止部に係合し、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過していない。挿入位置において、挿入ハブが、二重ねじりばねシステムにより与えられた第1のばね付勢によって後退ハブに対して回転した結果、第2の一次回転停止部は第2の相補形回転停止部に係合する。挿入位置において、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過する。後退位置において、第2の一次回転停止部は第2の相補形回転停止部に係合し、後退ハブが、二重ねじりばねシステムにより与えられた第2のばね付勢によって挿入/後退機構ハウジングに対して回転した結果、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第2の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過していない。
【0009】
第2の態様によれば、薬物送達デバイス用の挿入/後退機構は、後退ハブと、挿入ハブと、二重ねじりばねシステムと、を含む。後退ハブは、内部表面と、内部表面から径方向内側に延びる第1の一次回転停止部と、内部表面から径方向内側に延びる第2の一次回転停止部と、を含む。挿入ハブは後退ハブの内部に配置されており、外部表面を有するシャフトと、外部表面から径方向外側に延びる第1の相補形回転停止部と、外部表面から径方向外側に延びる第2の相補形回転停止部と、を含む。挿入ハブは、シャフトに接続されたスピンドルを更に含む。スピンドルは針経路を有する。挿入/後退機構は挿入/後退機構ハウジングを含み、挿入/後退機構ハウジングは、後退ハブ及び挿入ハブを回転可能な状態で収容し、針出口孔を含む。可撓性針は挿入ハブのスピンドルの針経路内に延び、可撓性針の挿入及び後退中に挿入/後退機構ハウジングの針出口孔を選択的に通過するように構成されている。二重ねじりばねシステムは右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねを含む。二重ねじりばねシステムは、後退ハブと、挿入ハブと、挿入/後退機構ハウジングとに動作的に接続されている。起動トリガーは二重ねじりばねシステムに動作的に接続されている。
【0010】
第2の態様によれば、初期位置において、第1の一次回転停止部は第1の相補形回転停止部に係合し、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過していない。挿入位置において、挿入ハブが、二重ねじりばねシステムにより与えられた第1のばね付勢によって後退ハブに対して回転した結果、第2の一次回転停止部は第2の相補形回転停止部に係合する。挿入位置において、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過する。後退位置において、第2の一次回転停止部は第2の相補形回転停止部に係合し、後退ハブが、二重ねじりばねシステムにより与えられた第2のばね付勢によって挿入/後退機構ハウジングに対して回転した結果、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第2の回転位置にあり、可撓性針は針出口孔を通過していない。
【0011】
第3の態様によれば、薬物送達デバイスから挿入/後退機構の針を展開する方法は、初期位置において後退ハブの第1の一次回転停止部を挿入ハブの第1の相補形回転停止部と係合させる工程と、二重ねじりばねに動作的に接続された起動トリガーを作動させ、挿入位置において後退ハブの第2の一次回転停止部を挿入ハブの第2の相補形回転停止部と係合させる工程と、後退位置を達成するために、起動トリガーを作動させ、後退ハブを挿入/後退機構ハウジングに対して回転させる工程と、を含む。初期位置において、挿入/後退機構の可撓性針は挿入/後退機構ハウジング内に収容されており、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置に配置されている。挿入位置において後退ハブの第2の一次回転停止部を挿入ハブの第2の相補形回転停止部と係合させるために、二重ねじりばねに動作的に接続された起動トリガーの作動中、二重ねじりばねにより、二重ねじりばねシステムの右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちの1つが挿入ハブを後退ハブに対して回転させ、挿入位置を達成する。挿入位置において、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第1の回転位置にあり、可撓性針は、挿入/後退機構ハウジングの外側に延びる。後退位置を達成するために起動トリガーを作動させ、後退ハブを挿入/後退機構ハウジングに対して回転させる間、二重ねじりばねシステムの右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちのもう一方は後退ハブを挿入/後退機構ハウジングに対して回転させる。後退位置において、後退ハブの第2の一次回転停止部は挿入ハブの第2の相補形回転停止部に係合し、後退ハブは挿入/後退機構ハウジングに対して第2の回転位置にあり、可撓性針は挿入/後退機構ハウジング内に収容されている。
【0012】
前述の第1及び第2の態様並びに方法のいずれか1つ以上によれば、薬物送達デバイス用の挿入機構及び方法は、以下の形態又は方法工程のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0013】
1つの形態では、後退ハブは、内部表面から径方向内側に延びる第3の一次回転停止部と、内部表面から径方向内側に延びる第4の一次回転停止部とを更に含んでもよい。挿入/後退機構ハウジングは、第3の相補形回転停止部及び第4の相補形回転停止部を含んでもよい。挿入位置において、挿入ハブのシャフトの第3の一次回転停止部は挿入/後退機構ハウジングの第3の相補形回転停止部に係合してもよい。後退位置において、挿入ハブのシャフトの第4の一次回転停止部は挿入/後退機構ハウジングの第4の相補形回転停止部に係合してもよい。
【0014】
別の形態では、挿入位置において可撓性針が針出口孔を越えて延びる距離は、挿入ハブの直径と第1のばね付勢とによって決定されてもよい。
【0015】
更に別の形態では、右巻きねじりばねと左巻きねじりばねは、単一の2段階ねじりばねへと共に一体化されてもよい。
【0016】
更に別の形態では、後退ハブは、外部表面と、外部表面から径方向外側に延びる予荷重切欠部と、を含んでもよい。右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちの1つは、後退ハブの予荷重切欠部の遠位側の後退ハブの外部表面を包囲してもよく、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちのもう一方は、後退ハブの予荷重切欠部の近位側の後退ハブの外部表面を包囲してもよい。
【0017】
更に別の形態では、後退ハブは、外部表面と、外部表面から径方向外側に延びるスライドロッド切欠部と、を含んでもよい。挿入ハブは、外部表面から径方向外側に延びるスライドロッド切欠部を含んでもよい。起動トリガーは、後退ハブと軸方向に位置合わせされたスライドロッドを含んでもよく、スライドロッドは、後退ハブのスライドロッド切欠部及び挿入ハブのスライドロッド切欠部に接触する、変化する外径を持つ外部表面を有する。スライドロッドの第1の軸方向運動によりスライドロッドを挿入ハブのスライドロッド切欠部から解放し、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちの1つが挿入ハブを後退ハブに対して回転させ、挿入位置を達成してもよい。スライドロッドの第2の軸方向運動によりスライドロッドを後退ハブのスライドロッド切欠部から解放し、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちのもう一方が後退ハブを挿入/後退機構ハウジングに対して回転させ、後退位置を達成してもよい。
【0018】
更に別の形態では、起動トリガーは、挿入ハブを所定の位置に選択的に固定する挿入トリガーと、後退ハブを所定の位置に選択的に固定する後退トリガーと、を含んでもよい。初期位置において、挿入トリガーは挿入ハブを所定の位置に固定してもよく、後退トリガーは後退ハブを所定の位置に固定してもよい。挿入位置において、挿入トリガーは挿入ハブを所定の位置に固定しなくてもよく、後退トリガーは後退ハブを所定の位置に固定してもよい。後退位置において、挿入トリガーは挿入ハブを所定の位置に固定しなくてもよく、後退トリガーは後退ハブを所定の位置に固定しなくてもよい。
【0019】
更に別の形態では、起動トリガーは、後退ハブ又は挿入ハブのうちの1つを所定の位置に選択的に固定する第1のスライドトリガーと、後退ハブ又は挿入ハブのうちのもう一方を所定の位置に選択的に固定する第2のスライドトリガーと、第1のスライドトリガーに接続された第1のマッスルワイヤと、第2のスライドトリガーに接続された第2のマッスルワイヤと、を含んでもよい。第1のマッスルワイヤの電気的起動により第1のマッスルワイヤが収縮し、第1のスライドトリガーを動かし、それによって後退ハブ又は挿入ハブのうちの1つを解放し、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちの1つが挿入ハブを後退ハブに対して回転させ、挿入位置を達成してもよい。第2のマッスルワイヤの電気的起動により第2のマッスルワイヤが収縮し、第2のスライドトリガーを動かし、それによって後退ハブ又は挿入ハブのうちのもう一方を解放し、右巻きねじりばね及び左巻きねじりばねのうちのもう一方が後退ハブを挿入/後退機構ハウジングに対して回転させ、後退位置を達成してもよい。
【0020】
方法の一形態では、起動トリガーを作動させて挿入位置を達成する工程は、挿入トリガーは挿入ハブに接触しないが、起動トリガーの後退トリガーは後退ハブに接触するように起動トリガーの挿入トリガーを動かすことを含んでもよく、起動トリガーを作動させて後退位置を達成する工程は、反応トリガーが後退ハブに接触しないように後退トリガーを動かすことを含んでもよい。
【0021】
方法の別の形態では、起動トリガーを作動させて挿入位置を達成する工程は、後退ハブと挿入ハブとに軸方向に位置合わせされ、後退ハブのスライドロッド切欠部及び挿入ハブのスライドロッド切欠部に接触する、変化する外径を持つ外部表面を有するスライドロッドの第1の軸方向運動を含んでもよく、起動トリガーを作動させて後退位置を達成する工程は、スライドロッドの第2の軸方向運動を含んでもよい。
【0022】
方法の更に別の形態では、起動トリガーを作動させて挿入位置を達成する工程は、後退ハブ又は挿入ハブのうちの1つを所定の位置に選択的に固定する第1のスライドトリガーに接続された第1のマッスルワイヤの電気的起動を含んでもよく、それによって第1のマッスルワイヤが収縮し、第1のスライドトリガーを動かし、後退ハブ又は挿入ハブのうちの1つを解放する。起動トリガーを作動させて後退位置を達成する工程は、後退ハブ又は挿入ハブのうちのもう一方を所定の位置に選択的に固定する第2のスライドトリガーに接続された第2のマッスルワイヤの電気的起動を含んでもよく、それによって第2のマッスルワイヤが収縮し、第2のスライドトリガーを動かし、後退ハブ又は挿入ハブのうちのもう一方を解放する。
【0023】
本開示は、以下の説明を付属の図面と併せて解釈することで、より完全に理解されるものと考えられる。一部の図面は、他の要素をより明らかに示すため、選択された要素を省略することで簡略化されている場合がある。一部の図面におけるこうした要素の省略は、対応する書面による明細書の中で明確に記述されている場合を除き、例示的実施形態のいずれかにおける特定要素の有無を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も必ずしも一律の縮尺に従っていない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の教示による挿入/後退機構を有する薬物送達デバイスの構成の概略図である。
【
図2A】本開示の教示によるスライドロッドを含む機械式起動トリガーを有する、初期位置にある挿入/後退機構の構成の斜視図である。
【
図2B】挿入位置にある、
図2Aに示される挿入/後退機構の実施形態の斜視図である。
【
図2C】後退位置にある、
図2A及び
図2Bに示される挿入/後退機構の実施形態の斜視図である。
【
図3B】挿入位置にある、
図3Aに示される挿入ハブ及び後退ハブの斜視図である。
【
図4A】初期位置にある、
図2A~
図2Cに示される後退ハブ及び挿入/後退機構ハウジングの斜視図である。
【
図4B】挿入位置にある、
図4Aに示される後退ハブ及び挿入/後退機構ハウジングの斜視図である。
【
図5】本開示の教示による、挿入ハブを所定の位置に選択的に固定する挿入トリガーと後退ハブを所定の位置に選択的に固定する後退トリガーとを含む機械式起動トリガーを有する挿入/後退機構の構成の斜視図である。
【
図6】本開示の教示による、電気式起動トリガーを有する挿入/後退機構の構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、本開示による挿入/後退機構12を有するウェアラブル薬物送達デバイス10が示されている。少なくとも1つの例では、薬物送達デバイス10は、薬物治療の送達を管理するために患者の組織11(例えば、患者の皮膚)に取り付けられ得るオンボディ型インジェクタなどのウェアラブル薬物送達デバイスとして構成されてもよい。薬物送達デバイス10は、一定の又は患者/オペレータが設定可能な用量の薬物の皮下注射を制御又は選択された時間にわたって自動的に送達してもよい。薬物送達デバイス10は患者による自己投与用であってもよいが、また、介護者又は注入を管理するように正式に訓練された医療提供者によって使用されてもよい。
【0026】
薬物送達デバイス10は、流体経路コネクタ22によって挿入/後退機構12に結合された容器14と、駆動機構24と、コントローラ26とを含んでもよく、これらはそれぞれ、薬物送達デバイス10の主要ハウジング30内に配置されてもよい。アクチュエータ28(例えば、押すことができるボタン)が主要ハウジング30の外部に配置され、挿入/後退機構12、駆動機構24、及び/又はコントローラ26を機械的及び/又は電気的手段(
図1に破線で示す)により起動することによって薬物送達デバイス10の動作を開始するように構成されていてもよい。流体経路コネクタ22は、容器14と挿入/後退機構12との間に滅菌流体流路38を画定する。流体経路コネクタ22は容器アクセス機構29を含んでもよく、容器アクセス機構29は、例えばアクチュエータ28による薬物送達デバイス10の起動に応答して、容器14と対応付けられたセプタム32を通して容器針31を挿入し、容器14と滅菌流体流路38との間に流体連通を確立するように構成されている。主要ハウジング30は、患者の皮膚11に取り外し可能に取り付けられる(例えば、接着剤によって接着される)底壁36と、1つ以上のインジケータ照明42及び/又は容器14を観察するための窓(図示しない)を含む頂壁40と、を含んでもよい。開口部44が底壁36に形成されてもよく、任意選択的に、セプタム48が開口部44にわたって延び、使用前に主要ハウジング30の内部を密封していてもよい。各例示的な挿入/後退機構に関して以下で更に説明するように、挿入/後退機構12の外部は、主要ハウジング30とは別の挿入/後退機構ハウジングによって画定されてもよい。
【0027】
概して、薬物送達デバイス10の起動時、挿入/後退機構12は可撓性針34を患者12に挿入してもよい。可撓性針は、ニチノールなどの超弾性材料、ポリマー、又は針が損傷を受けることなく湾曲路に追従することを可能にする別の材料で作られていてもよい。同時に又は続いて、薬物送達デバイス10は、容器14と流体経路コネクタ22との間に流体連通を確立するために必要な接続を有効にしてもよい、接続してもよい、又は開放してもよい。次いで、駆動機構24は容器14に保管された薬物46を、患者への皮下送達のために流体経路コネクタ22の滅菌流体流路38を通して挿入/後退機構12に押し込んでもよい。
【0028】
図2A~
図2Cを参照すると、薬物送達デバイス10の挿入/後退機構12がより詳細に示されている。挿入/後退機構12は、
図1に示される薬物送達デバイス10とともに使用するように構成されているが、本明細書中に記載されていない様々な薬物送達デバイスに適合する別個の構成要素である。挿入/後退機構12は、後退ハブ102と、針経路122を含むスピンドル120を有する挿入ハブ110と、後退ハブ102及び挿入ハブ110を回転可能な状態で収容し、針出口孔126を含む挿入/後退機構ハウジング124と、を含む。可撓性針34は挿入/後退機構12内に提供され、流体流路(図示しない)に接続され、挿入ハブ110のスピンドル120の針経路122内に延び、可撓性針34の挿入及び後退中に挿入/後退機構ハウジング124の針出口孔126を選択的に通過するように構成されている。スピンドル120などの湾曲構造体の周りで360度まで曲がる可撓性針34の能力により、挿入/後退機構12のコンパクトな設計及びパッケージングが可能になる。
【0029】
挿入/後退機構12は、右巻きねじりばね130と左巻きねじりばね132とを含む二重ねじりばねシステム128を含む。いくつかの構成では、右巻きねじりばね130と左巻きねじりばね132は、単一の2段階ねじりばねへと共に
一体化されている。単一の2段階ねじりばねは、簡単さ、部品点数低減、及び製造コスト低減という利点を提供する。いくつかの構成では、後退ハブ102は、外部表面144と、外部表面から径方向外側に延びる予荷重切欠部146(
図3A~
図3Cに示される)とを含み、(
図2A~
図2Cに示すように)右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちの1つは、後退ハブ102の予荷重切欠部146の遠位側の後退ハブ102の外部表面144を包囲し、右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちのもう一方は、後退ハブ102の予荷重切欠部146の近位側の後退ハブ102の外部表面144を包囲する。右巻きねじりばね130及び/又は左巻きねじりばね132に対する予荷重は、どの予荷重切欠部146に右巻きねじりばね130及び/又は左巻きねじりばね132が接続されるかに応じて変更することができる。二重ねじりばねシステム128は、後退ハブ102と、挿入ハブ110と、挿入/後退機構ハウジング124とに動作的に接続されている。起動トリガー134は二重ねじりばねシステムに動作的に接続されている。
【0030】
図3A~
図3Cを参照すると、後退ハブ102と挿入ハブ110との間の相互作用がより良く示されている。後退ハブ102は内部表面104を含む。第1の一次回転停止部106及び第2の一次回転停止部108は内部表面104から径方向内側に延びる。挿入ハブ110は後退ハブ102の内部に配置されている。挿入ハブ110はシャフト112を含み、シャフト112は、外部表面114から径方向外側に延びる第1の相補形回転停止部116及び第2の相補形回転停止部118を有する外部表面114を有する。シャフト112は挿入ハブ120のスピンドル120に接続している。以下により詳細に記載されるように、第1の一次回転停止部106は第1の相補形回転停止部116に選択的に係合し、第2の一次回転停止部108は第2の相補形回転停止部118に選択的に係合する。
【0031】
図4A~
図4Bを参照すると、後退ハブ102と挿入/後退機構ハウジング124との間の相互作用がより良く示されている。後退ハブ102は、内部表面104から径方向内側に延びる第3の一次回転停止部136及び第4の一次回転停止部138を更に含む。挿入/後退機構ハウジング124は、第3の相補形回転停止部140及び第4の相補形回転停止部142を含む。以下により詳細に記載されるように、第3の一次回転停止部136は第3の相補形回転停止部140に選択的に係合し、第4の一次回転停止部138は第4の相補形回転停止部142に選択的に係合する。
【0032】
挿入/後退機構12は少なくとも3つの位置、即ち、初期位置、挿入位置、及び後退位置を有する。
図2A及び
図3Aは、初期位置の挿入/後退機構12を示す。
図2Aに示すように、初期位置において、可撓性針34は挿入/後退機構ハウジング124の針出口孔126を通過しておらず、後退ハブ102は挿入機構ハウジング124に対して第1の回転位置にある。
図3Aに示すように、初期位置において、後退ハブ102の第1の一次回転停止部106は挿入ハブ110の第1の相補形回転停止部116に係合する。
【0033】
図2B、
図3B、及び
図4Aは、挿入位置の挿入/後退機構12を示す。
図2Bに示すように、挿入位置において、可撓性針34は挿入/後退機構ハウジング124の針出口孔126を通過している。後退ハブ102は依然として挿入機構ハウジング124に対して第1の回転位置にある。
図3Bに示すように、挿入ハブ110が、二重ねじりばねシステム128により与えられた第1のばね付勢によって後退ハブ102に対して回転した結果、第2の一次回転停止部108は第2の相補形回転停止部118に係合する。
図4Aに示すように、挿入位置において、後退ハブ102の第3の一次回転停止部136は挿入/後退機構ハウジング124の第3の相補形回転停止部140に係合する。挿入位置において可撓性針34が針出口孔126を越えて延びる距離は、挿入ハブ110のスピンドル120の直径D(
図5に示される)と第1のばね付勢とによって決定される。適切な直径D及び適切な第1のばね付勢を選択することによって、可撓性針34は、筋肉内、皮下、又は皮内深さなど患者の皮下領域内の所望の貫入深さまで確実に挿入することができる。
【0034】
図2C、
図3C、及び
図4Bは、後退位置の挿入/後退機構12を示す。
図2Cに示すように、後退位置において、可撓性針34は挿入/後退機構ハウジング124の針出口孔126を通過していない。後退ハブ102が、二重ねじりばねシステム128により与えられた第2のばね付勢によって挿入/後退機構ハウジング124に対して回転した結果、後退ハブ102は挿入/後退機構ハウジング124に対して第2の回転位置にある。
図3Cに示すように、第2の一次回転停止部108は第2の相補形回転停止部118に依然として係合している。
図4Bに示すように、後退ハブ102の第4の一次回転停止部138は挿入/後退機構ハウジング124の第4の相補形回転停止部142に係合する。
【0035】
起動トリガー134は、機械式、電気機械式、空気圧式、油圧式、又は当該技術分野で知られる任意の他のトリガー手段であってもよい。
図2A~
図2Cでは、起動トリガー134は、後退ハブ102と軸方向に位置合わせされたスライドロッド148を含み、スライドロッド148は、後退ハブ102のスライドロッド切欠部164及び挿入ハブ110のスライドロッド切欠部166に接触する、変化する外径を持つ外部表面150を有する。スライドロッド148の第1の軸方向運動によりスライドロッド148を挿入ハブ110のスライドロッド切欠部166から解放し、右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちの1つが挿入ハブ110を後退ハブ102に対して回転させ、挿入位置を達成する。スライドロッド148の第2の軸方向運動によりスライドロッド148を後退ハブ102のスライドロッド切欠部164から解放し、右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちのもう一方が後退ハブ102を挿入/後退機構ハウジング124に対して回転させ、後退位置を達成する。
【0036】
図5に示すように、起動トリガー134は、挿入ハブ110を所定の位置に選択的に固定する挿入トリガー152と、後退ハブ102を所定の位置に選択的に固定する後退トリガー154と、を含んでもよい。このような構成では、初期位置において、挿入トリガー152は挿入ハブ110を所定の位置に固定し、後退トリガー154は後退ハブ102を所定の位置に固定する。挿入位置において、挿入トリガー152は挿入ハブ110を所定の位置に固定せず、後退トリガー154は依然として後退ハブ102を所定の位置に固定する。後退位置において、挿入トリガー152は挿入ハブ110を所定の位置に固定せず、後退トリガー154は後退ハブ102を所定の位置に固定しない。
【0037】
図6に示すように、起動トリガー134は、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちの1つを所定の位置に選択的に固定する第1のスライドトリガー156と、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちのもう一方を所定の位置に選択的に固定する第2のスライドトリガー158と、第1のスライドトリガー156に接続された第1のマッスルワイヤ160と、第2のスライドトリガー158に接続された第2のマッスルワイヤ162と、を含んでもよい。第1のマッスルワイヤ160の電気的起動により第1のマッスルワイヤ160が収縮し、第1のスライドトリガー158を動かし、それによって後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちの1つを解放し、右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちの1つが挿入ハブ110を後退ハブ102に対して回転させ、挿入位置を達成する。第2のマッスルワイヤ162の電気的起動により第2のマッスルワイヤ162が収縮し、第2のスライドトリガー158を動かし、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちのもう一方を解放し、右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちのもう一方が後退ハブ102を挿入/後退ハウジング124に対して回転させ、後退位置を達成する。
【0038】
上記を考慮すると、当業者であれば、薬物送達デバイス10の針挿入/後退機構12の可撓性針34を患者の皮膚に挿入する以下の例示的方法を理解するであろう。
【0039】
方法は、挿入/後退機構12の可撓性針34が挿入/後退機構ハウジング124内に収容された初期位置において、後退ハブ102の第1の一次回転停止部106を挿入ハブ110の第1の相補形回転停止部116と係合させ、後退ハブ102を挿入/後退機構ハウジング124に対して第1の回転位置に配置する工程を含む。方法は、後退ハブ102の第2の一次回転停止部108が挿入ハブ110の第2の相補形回転停止部118に係合し、後退ハブ102が挿入/後退機構ハウジング124に対して第1の回転位置にあり、可撓性針34が挿入/後退機構ハウジング124の外側に延びる挿入位置を達成するために、二重ねじりばねシステム128に動作的に接続された起動用トリガー134を作動させ、二重ねじりばねシステム128の右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちの1つが挿入ハブ110を後退ハブ102に対して回転させる工程を更に含む。方法は、後退ハブ102の第2の一次回転停止部108が挿入ハブ110の第2の相補形回転停止部118に係合し、後退ハブ102が挿入/後退機構ハウジング124に対して第2の回転位置にあり、可撓性針34が挿入/後退機構ハウジング124内に収容されている後退位置を達成するために、二重ねじりばねシステム128に動作的に接続された起動トリガー134を作動させ、二重ねじりばねシステム128の右巻きねじりばね130及び左巻きねじりばね132のうちのもう一方が後退ハブ102を挿入/後退機構ハウジング124に対して回転させる工程を更に含む。
【0040】
一例では、方法は、
図5に示されるような注入/後退機構12とともに使用され、挿入トリガー152は挿入ハブ110に接触しないが、起動トリガー134の後退トリガー154は後退ハブ102に接触するように起動トリガー134の挿入トリガー152を動かすことにより起動トリガー134を作動させて挿入位置を達成する工程を含む。方法は、反応トリガー154が後退ハブ102に接触しないように後退トリガー154を動かすことにより起動トリガー134を作動させて後退位置を達成する工程を更に含む。
【0041】
別の例では、方法は、
図2A~
図2Cに示されるような注入/後退機構12とともに使用され、後退ハブ102と及び挿入ハブ110とに軸方向に位置合わせされ、後退ハブ102のスライドロッド切欠部164及び挿入ハブ110のスライドロッド切欠部166に接触する、変化する外径を持つ外部表面150を有するスライドロッド148の第1の軸方向運動により起動トリガー134を作動させて挿入位置を達成する工程を含む。方法は、スライドロッド148の第2の軸方向運動により起動トリガー134を作動させて後退位置を達成する工程を更に含む。
【0042】
更に別の例では、方法は、
図6に示されるような注入/後退機構12とともに使用され、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちの1つを所定の位置に選択的に固定する第1のスライドトリガー156に接続された第1のマッスルワイヤ160の電気的起動により第1のマッスルワイヤ160が収縮し、第1のスライドトリガー156を動かし、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちの1つを解放することにより起動トリガー134を作動させて挿入位置を達成する工程を含む。方法は、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちのもう一方を所定の位置に選択的に固定する第2のスライドトリガー158に接続された第2のマッスルワイヤ162の電気的起動により第2のマッスルワイヤ162が収縮し、第2のスライドトリガー158を動かし、後退ハブ102又は挿入ハブ110のうちのもう一方を解放することにより起動トリガー134を作動させて後退位置を達成する工程を更に含む。
【0043】
上記の記載では、薬物送達デバイスで使用するための様々なシステム及び方法について説明している。システム、薬物送達デバイス、又は方法は、以下に記載される薬剤の使用を更に含むことができることは明確とすべきであり、以下のリストは全て包含的又は限定的のいずれでもないと考えるべきであると予告する。薬剤はリザーバ内に入れられる。場合によっては、リザーバは、治療のために薬物製品又は薬剤が充填される又は予め充填済みのいずれかである一次容器である。一次容器は、カートリッジ又は予め充填済みのシリンジであり得る。
【0044】
例えば、薬物送達デバイス、又はより具体的には、デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されていてもよい。このようなG-CSF剤としては、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられるが、これらに限定されない。他の様々な実施形態では、薬物送達デバイスは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用してもよく、これらは液体又は凍結乾燥形態であってもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタなどの赤血球生成を刺激する任意の分子、並びにその各々の全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、及びPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレットに開示される分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0045】
ESAは、赤血球産生刺激タンパク質であり得る。本発明で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、又は誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体(並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられる)、並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット、及び国際公開第2006/29094号パンフレットに開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0046】
本デバイスと共に使用するための他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本デバイスは、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は鉄、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、及び含糖酸化鉄などの他の化学物質と共に使用してもよい。医薬品は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0047】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公報の
図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は以下の公報の
図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、以下の公報の中に記載される配列を有するもので、具体的に、以下の公報の中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれるPCT国際公開第03/002713号パンフレットに記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0048】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリー、及び配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0049】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に以下の公報に記載されるような抗体等、特に、以下の公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2005/047331号パンフレット又は国際出願PCT/US2004/37242号明細書及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0050】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/097712号明細書に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0051】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0052】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、以下の公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0053】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むがそれに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、それに限定されず、具体的には、ヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0054】
以下の公開に開示される各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公開に示されるIGF-1特異抗体であるL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むがそれに限定されず、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第06/069202号パンフレットに記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0055】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある:
【0056】
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、米国特許出願公開第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、米国特許出願公開第第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)に記載されている、例えば、抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18を含むがこれらに限定されない、
【0057】
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及びPCT国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むがこれらに限定されない、
【0058】
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、PCT国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、PCT国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、PCT国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及びPCT国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)、
【0059】
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むがこれらに限定されない、
【0060】
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むがこれらに限定されない、
【0061】
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むがこれらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871、
【0062】
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体と、を含むがこれらに限定されない、並びに
【0063】
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むがこれらに限定されない、
【0064】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの、
【0065】
例えば、146B7などの、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0066】
IFNγ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、例えば、IFNγ特異抗体、特に、例えば、次の特許公開において1118、1118*、1119、1121、及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列は各々、前述の公開及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。加えて、前述の公開に記載されているこれらの抗体の特性の説明もまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特異抗体には、前述の公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119である、
【0067】
以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質、
【0068】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0069】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0070】
HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5と、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0071】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0072】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0073】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0074】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。企図される1つの抗体は、前述の公開に開示されているような、配列番号8を含む重鎖可変領域及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である、
【0075】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0076】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに
【0077】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンalfacon-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、pexelizumab(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンalfa-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン))、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3 mAb、抗C.クロストリジウム・ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMaxCD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb、(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1 mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番を含む、他の例示的なタンパク質。
【0078】
ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体もまた、含まれ得る。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、又はXGEVAなどの治療薬が更に含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をデバイスに含めることができ、例えば、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、及び国際公開第2001/031007号パンフレットである。
【0079】
黒色腫又は他の癌の治療用のタリモジーンラハーパレプベック又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143)、G207、1716、NV1020、NV12023、NV1034、及びNV1042(Vargehes et al.(2002),CancerGene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
TIMPもまた含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現される、又は及び細胞外基質内に存在し、主要なあらゆる軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ様関節炎及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割、並びに癌及び心臓血管状態において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列、及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日発行の米国特許第6,562,596号明細書に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及びPCT国際公開第2014/152012号パンフレットに見ることができる。
【0081】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これら分子に関する更なる情報は、国際公開第2010/075238号パンフレットに見ることができる。
【0082】
加えて、二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))抗体、例えば、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)を、デバイスにおいて使用することができる。或いは、APJ巨大分子作動薬、例えば、アペリン又はその類似体をデバイスに含めることができる。このような分子に関する情報は、PCT国際公開第2014/099984号パンフレットに見ることができる。
【0083】
ある特定の実施形態において、薬剤は、治療上有効な量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用してもよい抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書、並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な実施形態において、薬剤は、米国特許第7,982,016号明細書内にA5として示されている治療上有効な量の抗TSLP抗体を含む。
【0084】
薬物注入デバイス、システム、方法、及びその要素を、例示的実施形態の点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。可能なあらゆる実施形態を説明することは不可能ではないにしても実用的ではないため、詳細な説明は単なる例示であり、本発明の可能なあらゆる実施形態を説明するものではないと解釈すべきである。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本発明を定義する請求項の範囲内に含まれることになる。
【0085】
本発明の法的範囲は、本特許の最後に記載されている特許請求の範囲における語によって定義されることは理解すべきである。添付の特許請求の範囲は、デバイス、システム、方法、及びそれらの要素の均等物の範囲を逸脱することなく当業者によって作製され得る他の変形形態及びその実施形態を含むように広く解釈されるべきである。