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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231225BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20231225BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20231225BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20231225BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335 500
G02F1/13 505
G03B11/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020011254
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021117378
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 良朗
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 延幸
(72)【発明者】
【氏名】吉井 義臣
(72)【発明者】
【氏名】仲戸川 博人
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0176512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0271392(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0285850(US,A1)
【文献】特開平9-80581(JP,A)
【文献】特開2006-71955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0314096(US,A1)
【文献】特表2019-523931(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0266376(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13
G02F 1/1335
G02F 1/13357
G02F 1/1343
G03B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルに重なり光源を有するカメラユニットと、を備え
前記液晶パネルは、表示領域と、前記表示領域に接した外周を含む入射光制御領域と、出射光制御領域と、を有し、
前記カメラユニットは前記液晶パネルの前記入射光制御領域に重なって配置され、
前記表示領域、前記入射光制御領域、及び前記出射光制御領域は、それぞれ前記第1基板、前記第2基板、及び前記液晶層に重なった領域であり、
前記液晶パネルは、前記出射光制御領域において前記光源から出射された可視光を選択的に透過させ、前記入射光制御領域において外部からの可視光を前記カメラユニットに入射させるために前記外部からの可視光を選択的に透過させるように構成され、
前記第1基板は、前記入射光制御領域に位置した環状配線と、前記入射光制御領域に位置し前記環状配線に電気的に接続された制御電極と、を有し、
前記環状配線は、第1環状配線と、前記第1環状配線の内側に隣接して配置される第2環状配線と、を有し、
前記制御電極は、前記第1環状配線に電気的に接続された第1制御電極と、前記第2環状配線に電気的に接続された第2制御電極と、を有し、
前記第1制御電極は、前記第2環状配線と交差している、
子機器。
【請求項2】
前記第1基板は、前記表示領域に位置した画素電極をさらに有し、
前記制御電極の形状は、前記画素電極の形状と異なる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記出射光制御領域は、前記入射光制御領域に隣接した領域であり、
前記第1基板は、前記出射光制御領域に位置した調整電極をさらに有し、
前記調整電極の形状は、前記制御電極の形状と異なる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記入射光制御領域は、
第1環状遮光領域と、
前記第1環状遮光領域に接した外周を含む第1環状入射光制御領域と、
前記第1環状入射光制御領域の内側に位置した第2環状遮光領域と、
前記第2環状遮光領域に接した外周を含む円形入射光制御領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、
前記第1環状入射光制御領域に重なった領域であり、又は前記入射光制御領域に隣接した領域であり、
前記環状配線は、
前記第1環状遮光領域に位置した第1環状配線と、
前記第2環状遮光領域に位置した第3環状配線と、を有し、
前記制御電極は、
前記第1環状入射光制御領域に位置し前記第1環状配線に電気的に接続された第1制御電極と、
前記円形入射光制御領域に位置し前記第3環状配線に電気的に接続された第3制御電極と、を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記入射光制御領域は、
複数の円形入射光制御領域と、
前記複数の円形入射光制御領域を囲んだ遮光領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、前記遮光領域の外側の領域であり、
前記第1基板は、各々の前記円形入射光制御領域に位置した複数の制御電極を有し、
前記複数の制御電極は、互いに電気的に接続されている、又はそれぞれ電気的に独立している、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記複数の円形入射光制御領域は、不規則に配置されている、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示領域に重なり、前記入射光制御領域及び前記出射光制御領域に重なっていない導光体を有する照明装置をさらに備え、
前記液晶パネルは、複数色の着色層を有し、
前記着色層は、前記表示領域に設けられ、前記入射光制御領域及び前記出射光制御領域に設けられていない、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記液晶パネルは、画像を表示する側の第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、をさらに有し、
前記光源は、前記液晶パネルの前記第2面側に位置している、
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部及び受光部を同一面側に備えたスマートフォン等の電子機器が広く実用化されている。このような電子機器は、液晶パネルと、液晶パネルの外側に位置するカメラと、を備えている。上記のような電子機器において、鮮明な画像を撮影することが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-40908号公報
【文献】米国特許出願公開第2016/0161664号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、良好に撮影することが可能な電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、一実施形態に係る電子機器は、
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を有する液晶パネルと、前記液晶パネルに重なり光源を有するカメラユニットと、を備え、前記液晶パネルは、表示領域と、前記表示領域に接した外周を含む入射光制御領域と、出射光制御領域と、を有し、前記カメラユニットは前記液晶パネルの前記入射光制御領域に重なって配置され、前記表示領域、前記入射光制御領域、及び前記出射光制御領域は、それぞれ前記第1基板、前記第2基板、及び前記液晶層に重なった領域であり、前記液晶パネルは、前記出射光制御領域において前記光源から出射された可視光を選択的に透過させ、前記入射光制御領域において外部からの可視光を前記カメラユニットに入射させるために前記外部からの可視光を選択的に透過させるように構成され、前記第1基板は、前記入射光制御領域に位置した環状配線と、前記入射光制御領域に位置し前記環状配線に電気的に接続された制御電極と、を有し、前記環状配線は、第1環状配線と、前記第1環状配線の内側に隣接して配置される第2環状配線と、を有し、前記制御電極は、前記第1環状配線に電気的に接続された第1制御電極と、前記第2環状配線に電気的に接続された第2制御電極と、を有し、前記第1制御電極は、前記第2環状配線と交差している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る電子機器の一構成例を示す分解斜視図である。
図2図2は、上記電子機器のカメラ周辺を示す断面図である。
図3図3は、図2に示した液晶パネル及び複数のカメラの配置等を示す平面図であり、一画素の等価回路を併せて示す図である。
図4図4は、上記液晶パネルにおける画素配列を示す平面図である。
図5図5は、上記液晶パネルの1個の単位画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光部を示す図である。
図6図6は、上記第1の実施形態と異なる主画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光部を示す図である。
図7図7は、図5に示した画素を含む液晶パネルを示す断面図である。
図8図8は、上記液晶パネルの入射光制御領域における遮光層を示す平面図である。
図9図9は、上記液晶パネルの複数の制御電極構造及び複数の引き回し配線を示す平面図である。
図10図10は、上記液晶パネルの上記入射光制御領域を示す断面図である。
図11図11は、上記液晶パネルが第1条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図12図12は、上記液晶パネルが第2条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図13図13は、上記液晶パネルが第3条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図14図14は、上記液晶パネルが第4条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図15図15は、上記液晶パネルが第5条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図16図16は、上記液晶パネルが第6条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図17図17は、上記液晶パネルが第7条件で駆動された場合の入射光制御領域を示す平面図である。
図18図18は、上記液晶パネルの入射光制御領域における遮光層の変形例を示す平面図である。
図19図19は、第2の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの一部及びカメラを示す図であり、液晶パネル及びカメラを示す平面図と、液晶パネル及びカメラを示す断面図とを併せて示す図である。
図20図20は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部、照明装置の一部、及びカメラを示す断面図である。
【0008】
図21図21は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部、照明装置の一部、及びカメラを示す他の断面図である。
図22図22は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部及びカメラを示す断面図である。
図23図23は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部及びカメラを示す他の断面図である。
図24図24は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部及びカメラの位置を示す断面図である。
図25図25は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部及びカメラの位置を示す他の断面図である。
図26図26は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの入射光制御領域及びカメラを示す平面図及び断面図である。
図27図27は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの入射光制御領域及びカメラを示す断面図であり、カメラの変形例を示す図である。
図28図28は、上記第2の実施形態に係る液晶パネルの一部、照明装置の一部、及びカメラを示す断面図である。
図29図29は、上記第2の実施形態に係る光源を示す断面図である。
図30図30は、第3の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの一部を示す断面図である。
図31図31は、上記第3の実施形態に係る液晶パネルの入射光制御領域における遮光層を示す平面図である。
図32図32は、上記第3の実施形態に係る第1基板の複数の制御電極構造及び複数の引き回し配線を示す平面図である。
図33図33は、上記第3の実施形態に係る第2基板の対向電極及び引き回し配線を示す平面図である。
図34図34は、上記第3の実施形態の複数の第1制御電極、複数の第2制御電極、及び複数の線状対向電極を示す平面図である。
図35図35は、図34の線XXXV-XXXVに沿った液晶パネルを示す断面図であり、絶縁基板、複数の第1制御電極、複数の第2制御電極、複数の線状対向電極、及び第1制御液晶層を示す図である。
図36図36は、上記第3の実施形態の第3制御電極構造、及び第4制御電極構造を示す平面図である。
図37図37は、図36の線XXXVII-XXXVIIに沿った液晶パネルを示す断面図であり、絶縁基板、第3制御電極構造、第4制御電極構造、線状対向電極、及び第2制御液晶層を示す図である。
図38図38は、上記第3の実施形態の第5制御電極構造及び第6制御電極構造を示す平面図である。
図39図39は、図38の線XXXIX-XXXIXに沿った液晶パネルを示す断面図であり、絶縁基板、複数の第5制御電極、複数の第6制御電極、複数の線状対向電極、及び第3制御液晶層を示す図である。
図40図40は、第4の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの第1制御電極構造及び第2制御電極構造を示す平面図である。
【0009】
図41図41は、上記第4の実施形態に係る第3制御電極構造、第4制御電極構造、第5制御電極、第6制御電極、第3引き回し配線、及び第4引き回し配線を示す平面図である。
図42図42は、第5の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの第1制御電極構造及び第2制御電極構造を示す平面図である。
図43図43は、上記第5の実施形態に係る第3制御電極構造、第4制御電極構造、第5制御電極構造、第6制御電極構造、第3引き回し配線、及び第4引き回し配線を示す平面図である。
図44図44は、第6の実施形態に係る電子機器の液晶パネルを示す平面図である。
図45図45は、第7の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの入射光制御領域における走査線及び信号線を示す平面図である。
図46図46は、第8の実施形態に係る電子機器の液晶パネルにおいて、液晶層のギャップに対する光の透過率の変化と、上記ギャップに対する液晶の応答速度の変化と、をグラフで示す図である。
図47図47は、上記第8の実施形態において、液晶層に印加する電圧に対する液晶の応答速度の変化をグラフで示す図である。
図48図48は、第9の実施形態に係る電子機器の導光体及びカメラを示す平面図である。
図49図49は、第10の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの入射光制御領域における遮光層を示す平面図である。
図50図50は、上記第10の実施形態に係る電子機器にて撮影した指紋を例示的に示す平面図である。
図51図51は、上記第10の実施形態に係る電子機器の液晶パネルの入射光制御領域における遮光層の変形例を示す平面図である。
図52図52は、第11の実施形態に係る電子機器の液晶パネル及び複数のカメラの配置等を示す平面図である。
図53図53は、上記第11の実施形態に係る液晶パネルの一部及びカメラを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、本第1の実施形態について説明する。図1は、本第1の実施形態の電子機器100の一構成例を示す分解斜視図である。
図1に示すように、方向X、方向Y、及び方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。
【0012】
電子機器100は、表示装置としての液晶表示装置DSPと、カメラ1と、を備えている。液晶表示装置DSPは、表示パネルとしての液晶パネルPNLと、照明装置(バックライト)ILと、を備えている。カメラ1は、第1カメラとしてのカメラ(カメラユニット)1aと、一以上の第2カメラとしての一以上のカメラ(カメラユニット)1bと、を有している。本実施形態において、全てのカメラ1bを図示していないが、電子機器100は、7個のカメラ1bを備えている。
なお、カメラ1は、カメラ1aのみ含んでもよい。又は、カメラ1は、複数のカメラ1bのみ含んでもよい。
【0013】
照明装置ILは、導光体LG1と、光源EM1と、ケースCSと、を備えている。このような照明装置ILは、例えば、図1において破線で簡略化して示す液晶パネルPNLを照明するものである。
【0014】
導光体LG1は、方向X及び方向Yによって規定されるX-Y平面と平行な平板状に形成されている。導光体LG1は液晶パネルPNLに対向している。導光体LG1は、側面SAと、側面SAの反対側の側面SBと、カメラ1aを囲んだ貫通孔h1と、を有している。導光体LG1は、複数のカメラ1bと対向している。側面SA及びSBはそれぞれ方向Xに沿って延出している。例えば、側面SA及びSBは、方向X及び方向Zによって規定されるX-Z平面と平行な面である。貫通孔h1は、導光体LG1を方向Zに沿って貫通している。貫通孔h1は、方向Yにおいて、側面SA及びSBとの間に位置し、側面SAよりも側面SBに近接している。
【0015】
複数の光源EM1は、方向Xに間隔を置いて並んでいる。各々の光源EM1は、配線基板F1に実装され、配線基板F1と電気的に接続されている。光源EM1は、例えば、発光ダイオード(LED)であり、白色の照明光を出射する。光源EM1から出射される照明光は、側面SAから導光体LG1へ入射し、側面SAから側面SBに向かって導光体LG1の内部を進行する。
【0016】
ケースCSは、導光体LG1及び光源EM1を収容している。ケースCSは、側壁W1乃至W4と、底板BPと、貫通孔h2と、突部PPと、一以上の貫通孔h3と、を有している。側壁W1及びW2は、方向Xに延出し、方向Yに対向している。側壁W3及びW4は、方向Yに延出し、方向Xに対向している。貫通孔h2は、方向Zにおいて、貫通孔h1に重なっている。突部PPは、底板BPに固定されている。突部PPは、方向Zに沿って底板BPから液晶パネルPNLに向かって突出し、貫通孔h2を囲んでいる。
【0017】
本実施形態において、ケースCSは、カメラ1bと同数の7個の貫通孔h3を有している。貫通孔h3は、方向Zに底板BPを貫通して形成されている。平面視において、複数の貫通孔h3は、貫通孔h2とともに分散して設けられている。また、底板BPが赤外光を透過する材料で形成されている場合、貫通孔h3は底板BPに形成されていなくともよい。その他、電子機器100の方向Zの厚みを低減する観点から、底板BPに貫通孔h3を形成し、貫通孔h3によってカメラ1bを囲んだ方が望ましい。
【0018】
導光体LG1は、液晶パネルPNLに重なっている。
カメラ1a,1bは、配線基板F2に実装され、配線基板F2と電気的に接続されている。カメラ1aは、貫通孔h2、突部PPの内部、及び貫通孔h1を通り、液晶パネルPNLと対向している。カメラ1bは、貫通孔h3を通り導光体LG1と対向している。
【0019】
図2は、電子機器100のカメラ1a周辺を示す断面図である。
図2に示すように、照明装置ILは、さらに、光反射シートRS、光拡散シートSS、並びにプリズムシートPS1,PS2を備えている。
【0020】
光反射シートRS、導光体LG1、光拡散シートSS、プリズムシートPS1、及びプリズムシートPS2は、方向Zに順に配置され、ケースCSに収容されている。ケースCSは、金属製のケースCS1と、周辺部材としての樹脂製の遮光壁CS2とを備えている。遮光壁CS2は、カメラ1と隣合い、ケースCS1とともに突部PPを形成している。遮光壁CS2は、カメラ1と導光体LG1と間に位置し筒状の形状を持っている。遮光壁CS2は、黒色樹脂など、光を吸収する樹脂で形成されている。光拡散シートSS、プリズムシートPS1、及びプリズムシートPS2は、それぞれ、貫通孔h1に重ねられた貫通孔を有している。突部PPは、貫通孔h1の内側に位置している。
【0021】
液晶パネルPNLは、偏光板PL1及び偏光板PL2をさらに有している。
液晶パネルPNL及びカバー部材としてのカバーガラスCGは、方向Zに配置され、方向Zに進行する光に対して、光学的なスイッチ機能を備えた液晶素子LCDを構成している。液晶素子LCDは、粘着テープTP1により照明装置ILに張り付けられている。粘着テープTP1は、突部PP、プリズムシートPS2、及び偏光板PL1に粘着されている。
【0022】
液晶パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面に平行な面である。
【0023】
液晶パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの外側の非表示領域NDAと、表示領域DAに囲まれ円形の形状を持つ入射光制御領域PCAと、を備えている。液晶パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シール材SEと、を備えている。シール材SEは、非表示領域NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接合している。液晶層LCは、表示領域DA及び入射光制御領域PCAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持されている。液晶層LCは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及びシール材SEで囲まれた空間に形成されている。
【0024】
照明装置ILから照射された光の透過量を液晶パネルPNLで制御することで、表示領域DAには画像が表示される。電子機器100の使用者はカバーガラスCGの方向Z側(図中上側)に位置し、液晶パネルPNLからの出射光を画像として観ることになる。
対して、入射光制御領域PCAにおいても液晶パネルPNLによって光の透過量が制御されるが、光はカバーガラスCGの方向Z側から液晶パネルPNLを経てカメラ1に入射する。
【0025】
本明細書では、照明装置ILから液晶パネルPNLを経てカバーガラスCG側に向かう光を出射光と呼び、カバーガラスCG側から液晶パネルPNLを経てカメラ1に向かう光を入射光と呼ぶ。
【0026】
ここで、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の主要部について説明する。
第1基板SUB1は、絶縁基板10と、配向膜AL1と、を備えている。第2基板SUB2は、絶縁基板20と、カラーフィルタCFと、遮光層BMと、透明層OCと、配向膜AL2と、を備えている。
【0027】
絶縁基板10及び絶縁基板20は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。配向膜AL1,AL2は、液晶層LCに接している。
カラーフィルタCF、遮光層BM、及び透明層OCは、絶縁基板20と液晶層LCとの間に位置している。なお、図示した例では、カラーフィルタCFは、第2基板SUB2に設けられているが、第1基板SUB1に設けられてもよい。カラーフィルタCFは、表示領域DAに位置している。
【0028】
入射光制御領域PCAは、少なくとも、最外周に位置し円環の形状を持つ第1遮光領域LSA1と、第1遮光領域LSA1で囲まれ第1遮光領域LSA1に接した第1入射光制御領域TA1と、を有している。
【0029】
遮光層BMは、表示領域DAに位置し画素を区画する遮光部と、非表示領域NDAに位置した枠状の遮光部BMBと、を含んでいる。入射光制御領域PCAにおいて、遮光層BMは、少なくとも、第1遮光領域LSA1に位置し円環の形状を持つ第1遮光部BM1と、第1入射光制御領域TA1に位置した第1開口OP1と、を含んでいる。
表示領域DAと非表示領域NDAとの境界は、例えば、遮光部BMBの内端(表示領域DA側の端部)によって規定されている。シール材SEは、遮光部BMBに重なっている。
【0030】
透明層OCは、表示領域DAにおいてはカラーフィルタCFに接し、非表示領域NDAにおいては遮光部BMBに接し、第1遮光領域LSA1においては第1遮光部BM1に接し、第1入射光制御領域TA1においては絶縁基板20に接している。配向膜AL1及び配向膜AL2は、表示領域DA、入射光制御領域PCA、及び非表示領域NDAにわたって設けられている。
【0031】
カラーフィルタCFの詳細については、ここでは省略するが、カラーフィルタCFは、例えば、赤画素に配置される赤色の着色層、緑画素に配置される緑色の着色層、及び青画素に配置される青色の着色層を備えている。また、カラーフィルタCFは、白画素に配置される透明樹脂層を備えている場合もある。透明層OCは、カラーフィルタCF及び遮光層BMを覆っている。透明層OCは、例えば、透明な有機絶縁層である。
【0032】
カメラ1は、ケースCSの貫通孔h2の内部に位置している。カメラ1は、方向Zにおいて、カバーガラスCG及び液晶パネルPNLに重なっている。なお、液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにて、偏光板PL1及び偏光板PL2以外の光学シートをさらに備えてもよい。上記光学シートとしては、位相差板、光散乱層、光反射防止層などが挙げられる。液晶パネルPNL、カメラ1aなどを有する電子機器100において、電子機器100の使用者からみて、カメラ1aは、液晶パネルPNLの奥側に設けられている。
【0033】
カメラ1aは、例えば、少なくとも一つのレンズを含む光学系2と、撮像素子(イメージセンサ)3と、ケース4と、を備えている。撮像素子3は、液晶パネルPNL側を向いた撮像面3aを含んでいる。光学系2は、撮像面3aと液晶パネルPNLとの間に位置し、液晶パネルPNL側を向いた入光面2aを含んでいる。入光面2aは、入射光制御領域PCAに重なっている。光学系2は、液晶パネルPNLに隙間を空けて位置している。ケース4は、光学系2及び撮像素子3を収容している。
【0034】
ケース4の上部には第1光源としての光源EM2と、第2光源としての光源EM3と、が配置されている。光源EM2は、液晶パネルPNL側に赤外光を出射するように構成されている。光源EM3は、液晶パネルPNL側に可視光を出射するように構成されている。光源EM2,EM3はカメラ1aで撮影する被写体を照明する目的で設けられている。
【0035】
カメラ1aの撮像素子3は、カバーガラスCG、液晶パネルPNL、及び光学系2を介して受光する。例えば、カメラ1aは、カバーガラスCG及び液晶パネルPNLを透過した可視光(例えば、400nm乃至700nmの波長範囲の光)を受光する。また、可視光と同時に赤外光(例えば、800nm乃至1500nmの波長範囲の光)を受光することも可能である。
【0036】
なお、カメラ1bは、光源EM3を有していない点でカメラ1aと相違している。カメラ1bは、貫通孔h3(図1)を通り、光反射シートRSと対向している。カメラ1bは、カバーガラスCG、液晶パネルPNL、プリズムシートPS2、プリズムシートPS1、光拡散シートSS、導光体LG1、光反射シートRS、及び光学系2を介して赤外光を受光することができる。反射シートRSは、IRセンサに重なった位置で光反射シートに孔が開いている。但し、光反射シートがIR透過できる程度の薄膜である場合は、光反射シートに孔が開いていなくともよく、光反射シートを透過した赤外光をIRセンサで受光してもよい。その場合、画像の視認性への悪影響を低減することができる。また、カメラ1bを、カメラ1a同様に、導光体LG1の貫通孔h1及び底板BPの貫通孔h2に収納することもできる。
【0037】
偏光板PL1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2は、絶縁基板20に接着されている。カバーガラスCGは、透明接着層ADによって偏光板PL2に張り付けられている。
【0038】
また、液晶層LCが外部からの電界等の影響を受けないようにするため、偏光板PL2と絶縁基板20との間に透明導電層を設ける場合がある。上記透明導電層は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料で形成されている。
【0039】
また、偏光板PL1または偏光板PL2に、超複屈折フィルムを含めることも可能である。超複屈折フィルムは、直線偏光が入射したときに透過光を非偏光化(自然光化)することが知られており、被写体に偏光を発するものが含まれていても違和感なく撮影が可能となる。例えば、カメラ1aの被写体に電子機器100等が映り込んだ場合に、電子機器100からは直線偏光が出射されているので、偏光板PL1及び偏光板PL2と、被写体となっている電子機器100の偏光板との角度との関係で、カメラ1aに入射する被写体の電子機器100の明るさが変化し、撮影時に違和感を生ずるおそれがある。しかしながら、偏光板PL1及び偏光板PL2に超複屈折フィルムを備えることで、違和感を生じさせる明るさの変化を抑えることが可能である。
【0040】
超複屈折性を示すフィルムとしては、例えば東洋紡(株)のコスモシャイン(登録商標)などが好適に用いられる。ここで超複屈折性とは、可視域、例えば500nmの光に対する面内方向のリタデーションが800nm以上のものを言う。
【0041】
液晶パネルPNLは、画像を表示する側の第1面S1と、第1面S1とは反対側の第2面S2と、を有している。本実施形態において、偏光板PL2は第1面S1を有し、偏光板PL1は第2面S2を有している。
光源EM2,EM3は、液晶パネルPNLの第2面S2側に位置している。
表示領域DA、入射光制御領域PCA、及び後述する出射光制御領域ICAは、それぞれ第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び液晶層LCに重なった領域である。
【0042】
図3は、図2に示した液晶パネルPNL及び複数のカメラ1a,1bの配置等を示す平面図であり、一画素PXの等価回路を併せて示す図である。図3において、液晶層LC及びシール材SEを、異なる斜線を付して示している。
図3に示すように、表示領域DAは、実質的に四角形の領域であるが、4つの角が丸みを有していてもよく、四角形以外の多角形や円形であってもよい。表示領域DAは、シール材SEで囲まれている。
【0043】
液晶パネルPNLは、方向Xに沿って延出した一対の短辺E11及びE12と、方向Yに沿って延出した一対の長辺E13及びE14と、を有している。液晶パネルPNLは、表示領域DAにおいて、方向X及び方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。表示領域DAにおける各画素PXは、同一の回路構成を有している。図3において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。
【0044】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。スイッチング素子SWは、複数の走査線Gのうち対応する一の走査線Gと、複数の信号線Sのうち対応する一の信号線Sと、画素電極PEと、に電気的に接続されている。走査線Gには、スイッチング素子SWを制御するための制御信号が与えられる。信号線Sには、制御信号とは異なる信号として、映像信号などの画像信号が与えられる。共通電極CEには、コモン電圧が与えられる。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電圧(電界)によって駆動されている。容量CPは、例えば、共通電極CEと同電位の電極と、画素電極PEと同電位の電極と、の間に形成される。
【0045】
電子機器100は、配線基板5及びICチップ6をさらに備えている。
配線基板5は、第1基板SUB1の延出部Exに実装され、延出部Exに連結されている。ICチップ6は、配線基板5に実装され、配線基板5に電気的に接続されている。なお、ICチップ6は、延出部Exに実装され、延出部Exに電気的に接続されてもよい。ICチップ6は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。配線基板5は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板であってもよい。
【0046】
図3において、電子機器100は表示領域DA内にカメラ1を8台備えている。その中で、図中、上部中央のカメラ1aに重ねて入射光制御領域PCAが形成されている。なお、入射光制御領域PCAは、表示領域DAに接した外周を含んでいる。その他のカメラ1bには通常の画素PXが重なっており、カメラ1bと重なる画素PXでは通常の表示が行われる。
【0047】
偏光板PL1と偏光板PL2とは、赤外光の波長領域での透過率が高く、赤外光を透過するため、画素PXとカメラ1a,1bが重なっていても、カメラ1a,1bでは赤外光を受光することが可能である。カメラ1bと重なる画素PXで通常の表示を行うことにより、使用者はカメラ1bの位置を意識することなく電子機器100を使用することが可能となる。また、表示領域DAの面積が減少しないため多数のカメラ1bの配置が可能となる。また、多数のカメラ1bが配置されていることを使用者に意識させることもない。特に、電子機器100を現金自動預け入れ払い出し機(ATM)等で使用する場合には、カメラ1bを黒表示に固定された部分に配置することで、より使用者にカメラ1bの存在を認識させ難くすることが可能である。
【0048】
符号300はインジケータで、使用者にカメラ1a,1bの状態を直観的に通知することが可能である。例えば、指紋認証の場合などに指の最適な位置をインジケータ300で使用者に通知可能である。また、矢印400は、あえてカメラ1bの位置を使用者に通知する場合に表示する印(マーク)である。表示する図形は矢印400だけではなく、カメラ1bの周辺を円形に囲むなど、適切な形状を選ぶことが可能である。
【0049】
図4は、液晶パネルPNLにおける画素PXの配列を示す平面図である。
図4に示すように、各々の主画素MPXは、複数の画素PXで構成されている。複数の主画素MPXは、2種類の主画素MPXa,MPXbに分類される。方向Yに隣合う2個の主画素MPXa,MPXbは、単位画素UPXを構成している。主画素MPXa,MPXbは、それぞれカラー画像を表示するための最小単位に相当する。主画素MPXaは、画素PX1a、画素PX2a、及び画素PX3aを含んでいる。主画素MPXbは、画素PX1b、画素PX2b、及び画素PX3bを含んでいる。また、上記の画素PXの形状は、図示したような略平行四辺形である。
【0050】
主画素MPXa及び主画素MPXbは、それぞれ方向Xに並んだ複数色の画素PXを含んでいる。画素PX1a及び画素PX1bは、第1色の画素であり、第1色の着色層CF1を備えている。画素PX2a及び画素PX2bは、第1色とは異なる第2色の画素であり、第2色の着色層CF2を備えている。画素PX3a及び画素PX3bは、第1色及び第2色とは異なる第3色の画素であり、第3色の着色層CF3を備えている。
【0051】
主画素MPXa及び主画素MPXbは、それぞれ方向Xに繰り返し配置されている。方向Xに並ぶ主画素MPXaの行と、方向Xに並ぶ主画素MPXbの行は、方向Yに交互に繰り返し配置されている。主画素MPXaの各々の画素PXは第1延在方向d1に延在し、主画素MPXbの各々の画素PXは第2延在方向d2に延在している。なお、第1延在方向d1は、方向X及び方向Yと異なる方向である。第2延在方向d2は、方向X、方向Y、及び第1延在方向d1と異なる方向である。図5に示した例において、第1延在方向d1は右斜め下方向であり、第2延在方向d2は左斜め下方向である。
【0052】
画素PXの形状が図示したような略平行四辺形の場合、ダイレクタの回転方向が互いに異なる複数のドメインを単位画素UPXに設定することができる。すなわち、2個の主画素MPXa,MPXbを組み合わせることにより、各色の画素に関しても多くのドメインを形成することが可能となり、視野角特性に関して補償することができる。このため、視野角特性に注目すると、主画素MPXa及び主画素MPXbの組み合わせた1個の単位画素UPXが、カラー画像を表示するための最小単位に相当する。
【0053】
図5は、液晶パネルPNLの1個の単位画素UPXを示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光部BMAを示す図である。なお、図5では、説明に必要な構成のみを図示しており、スイッチング素子SW、共通電極CE、カラーフィルタCFなどの図示を省略している。
【0054】
図5に示すように、複数の画素PXは、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードに対応した構成を有している。走査線G及び信号線Sは、上記の第1基板SUB1に配置される一方で、遮光部BMA(遮光層BM)は、上記の第2基板SUB2に配置される。走査線G及び信号線Sは、互いに交差して表示領域(DA)を延在している。なお、遮光部BMAは、表示領域DAに位置し画素PXを区画する格子状の遮光部であり、図中に二点鎖線で示されている。
【0055】
遮光部BMAは、少なくとも上述した照明装置(IL)から照射される光を遮蔽する機能を有している。遮光部BMAは、黒色の樹脂などの光吸収率の高い材料で形成されている。遮光部BMAは格子状に形成されている。遮光部BMAは、方向Xに延在した複数の遮光部BMA1と、第1延在方向d1及び第2延在方向d2に沿って屈曲しつつ延在した複数の遮光部BMA2と、が一体となって形成されている。
【0056】
各々の走査線Gは、方向Xに延在している。各々の走査線Gは、対応する遮光部BMA1と対向し、対応する遮光部BMA1に沿って延在している。遮光部BMA1は、走査線G、画素電極PEの端部などと対向している。各々の信号線Sは、方向Y、第1延在方向d1、及び第2延在方向d2に沿って屈曲しつつ延在している。各々の信号線Sは、対応する遮光部BMA2と対向し、対応する遮光部BMA2に沿って延在している。
【0057】
遮光層BMは、複数の開口領域APを有している。開口領域APは、遮光部BMA1及び遮光部BMA2によって区画されている。主画素MPXaの開口領域APは、第1延在方向d1に延在している。主画素MPXbの開口領域APは、第2延在方向d2に延在している。
【0058】
主画素MPXaの画素電極PEは、開口領域APに位置した複数の線状画素電極PAを含んでいる。複数の線状画素電極PAは、第1延在方向d1に直線状に延在し、第1延在方向d1に直交する直交方向dc1に間隔を置いて並べられている。主画素MPXbの画素電極PEは、開口領域APに位置した複数の線状画素電極PBを含んでいる。複数の線状画素電極PBは、第2延在方向d2に直線状に延在し、第2延在方向d2に直交する直交方向dc2に間隔を置いて並べられている。
【0059】
表示領域DAにおいて、上述した配向膜AL1,AL2は方向Yに平行な配向軸AAを有している。配向膜AL1の配向方向AD1は方向Yと平行であり、配向膜AL2の配向方向AD2は配向方向AD1と平行である。
上述した液晶層(LC)への電圧印加時において、主画素MPXaの開口領域APにおける液晶分子の回転状態(配向状態)と、主画素MPXbの開口領域APにおける液晶分子の回転状態(配向状態)とは、互いに異なっている。そのため、視野角特性を補償することが可能である。
【0060】
上述したように、図4及び図5において、1個の単位画素UPXで視野角特性に関して補償する構成について説明した。しかしながら、本第1の実施形態と異なり、1個の主画素MPXで視野角特性に関して補償するものであってもよい。図6は、本第1の実施形態と異なる主画素MPXを示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光部BMAを示す図である。
【0061】
図6に示すように、各々の開口領域APは、第2延在方向d2に延在し、途中で屈曲して第1延在方向d1に延在している。各々の開口領域APは、<の記号の形状を有し、第1開口領域AP1と、第2開口領域AP2と、を有している。第1開口領域AP1は第1延在方向d1に延在し、第2開口領域AP2は第2延在方向d2に延在している。
【0062】
画素電極PEは、第2延在方向d2に延在し、途中で屈曲して第1延在方向d1に延在している。画素電極PEは、複数の線状画素電極PA及び複数の線状画素電極PBを備えている。複数の線状画素電極PAは、第1開口領域AP1に位置し、第1延在方向d1に直線状に延在し、直交方向dc1に間隔を置いて並べられている。複数の線状画素電極PBは、第2開口領域AP2に位置し、第2延在方向d2に直線状に延在し、直交方向dc2に間隔を置いて並べられている。連続する一の線状画素電極PAと一の線状画素電極PBとは、<の記号の形状を有している。
【0063】
画素PX1が左側に位置し、画素PX3が右側に位置する平面視において、連続する一の線状画素電極PAと一の線状画素電極PBとが>の記号の形状を有し、かつ、開口領域APが>の記号の形状を有してもよい。
【0064】
上述した液晶層(LC)への電圧印加時において、第1開口領域AP1における液晶分子の回転状態と、第2開口領域AP2における液晶分子の回転状態とは、互いに異なっている。各々の開口領域APは、ダイレクタの回転方向が互いに異なる4種類のドメインを有している。そのため、液晶パネルPNLは良好な視野角特性を得ることができる。
なお、本第1の実施形態において、画素電極PEは表示電極として機能し、線状画素電極PA及び線状画素電極PBは線状表示電極として機能している。
【0065】
図7は、図5に示した画素PX1、PX2を含む液晶パネルPNLを示す断面図である。液晶パネルPNLは、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードに対応した構成を有している。
図7に示すように、第1基板SUB1は、絶縁基板10と配向膜AL1との間に、絶縁層11、信号線S、絶縁層12、共通電極CE、金属層ML、絶縁層13、画素電極PEなどを備えている。また、第1基板SUB1の外側には、偏光板PL1が形成されている。
【0066】
絶縁層11は、絶縁基板10の上に設けられている。なお、詳述しないが、絶縁基板10と絶縁層11との間には、上述した走査線(G)、スイッチング素子SWのゲート電極及び半導体層、他の絶縁層などが配置されている。信号線Sは、絶縁層11の上に形成されている。絶縁層12は、絶縁層11及び信号線Sの上に設けられている。
【0067】
共通電極CEは、絶縁層12の上に設けられている。金属層MLは、共通電極CEの上に設けられ、共通電極CEに接している。金属層MLは、信号線Sの直上に位置している。なお、図示した例で、第1基板SUB1は金属層MLを備えているが、金属層MLは省略されてもよい。絶縁層13は、共通電極CE及び金属層MLの上に設けられている。
【0068】
画素電極PEは、絶縁層13の上に形成されている。各画素電極PEは、隣合う信号線Sの間にそれぞれ位置し、共通電極CEと対向している。また、各画素電極PEは、共通電極CE(開口領域AP)と対向する位置にスリットを有している。共通電極CE及び画素電極PEは、ITO、IZOなどの透明な導電材料によって形成されている。絶縁層13は、画素電極PEと共通電極CEとで挟まれている。配向膜AL1は、絶縁層13及び画素電極PEの上に設けられ、画素電極PEなどを覆っている。
【0069】
一方、第2基板SUB2は、絶縁基板20の第1基板SUB1に対向する側に、遮光部BMA2を含む遮光層BM、着色層CF1,CF2,CF3を含むカラーフィルタCF、透明層OC、配向膜AL2などを備えている。遮光部BMA2は、絶縁基板20の内面に形成されている。遮光部BMA2は、信号線S及び金属層MLの直上に位置している。着色層CF1,CF2は、それぞれ絶縁基板20の内面に形成され、それらの一部が遮光部BMA2に重なっている。透明層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。配向膜AL2は、透明層OCを覆っている。また、第2基板SUB2の外側には偏光板PL2が形成されている。
【0070】
なお、液晶パネルPNLは、表示領域DAにおいて、遮光部BMA2及び遮光部BMA1(図6)無しに構成されてもよい。その場合、表示領域DAにおいて、金属層MLを格子状に形成し、遮光部BMA1,BMA2の替わりに、金属層MLに遮光機能を持たせてもよい。
【0071】
液晶層LCは、表示領域DAに位置した表示液晶層LCIを有している。例えば、偏光板PL1と偏光板PL2の透過軸が直交しており、画素PX1において、画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧(電界)が生じておらず、表示液晶層LCIに電圧が印加されていないオフ状態では、表示液晶層LCIに含まれる液晶分子は、配向膜AL1及び配向膜AL2の間で偏光板PL1の透過軸方向に初期配向している。従って、液晶層LCにおいて位相差が生じず、偏光板PL1と偏光板PL2の透過軸が直交しているために、画素PX1は最小透過率となり、黒を表示する。つまり、画素PX1において、液晶パネルPNLは、遮光機能を発揮する。
【0072】
一方、画素PX1aにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電圧(電界)が表示液晶層LCIに印加されたオン状態では、液晶分子は初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。従って、液晶層LCにおいて位相差が生じ、画素PX1において、液晶パネルPNLは、透光機能を発揮する。このため、オン状態の画素PX1は、着色層CF1に応じた色を呈する。
【0073】
液晶パネルPNLの方式は、オフ状態で黒を表示する、いわゆるノーマリーブラック方式であるが、オン状態で黒を表示する(オフ状態で白を表示する)、いわゆるノーマリーホワイト方式であってもよい。
【0074】
画素電極PE及び共通電極CEのうち表示液晶層LCI(液晶層LC)に近接した方の電極は画素電極PEであり、画素電極PEは上述したように表示電極として機能している。但し、画素電極PE及び共通電極CEのうち表示液晶層LCI(液晶層LC)に近接した方の電極は共通電極CEであってもよい。その場合、共通電極CEは、開口領域APに位置したスリットを有し、上述したように表示電極として機能し、画素電極PEの替わりに線状表示電極を有している。
【0075】
図8は、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける遮光層BMを示す平面図である。図中、遮光層BMにはドットパターンを付している。図8に示すように、入射光制御領域PCAは、中心に第2入射光制御領域TA2を備えており、外側から中心に向けて、第1遮光領域LSA1と、第1入射光制御領域TA1と、第3遮光領域LSA3と、第3入射光制御領域TA3と、第2遮光領域LSA2と、第2入射光制御領域TA2と、を備えている。
【0076】
第1遮光領域LSA1は、入射光制御領域PCAの最外周に位置し、円環の形状を持っている。第1遮光領域LSA1は、表示領域DAに接した外周を有している。第1入射光制御領域TA1は、第1遮光領域LSA1で囲まれ、第1遮光領域LSA1に接する外周を有し、円環の形状を持っている。第2入射光制御領域TA2は、入射光制御領域PCAの中心に位置し、第2遮光領域LSA2に接する外周を有し、円形の形状を持っている。
【0077】
第2遮光領域LSA2は、第2入射光制御領域TA2に接する内周を有し、第2入射光制御領域TA2を囲み、円環の形状を持っている。第3遮光領域LSA3は、第1入射光制御領域TA1で囲まれ、第1入射光制御領域TA1に接する外周を有し、円環の形状を持っている。第3入射光制御領域TA3は、第3遮光領域LSA3で囲まれ、第3遮光領域LSA3に接する外周及び第2遮光領域LSA2に接する内周を有し、円環の形状を持っている。
第1遮光領域LSA1、第2遮光領域LSA2、及び第3遮光領域LSA3を、環状遮光領域と称することができる。第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3を、環状入射光制御領域と称することができる。第2入射光制御領域TA2を、円形入射光制御領域と称することができる。
【0078】
入射光制御領域PCAにおいて、遮光層BMは、第1遮光部BM1と、第1開口OP1と、第2遮光部BM2と、第2開口OP2と、第3遮光部BM3と、第3開口OP3と、を備えている。第1遮光部BM1は、第1遮光領域LSA1に位置し、円環の形状を持っている。第2遮光部BM2は、第2遮光領域LSA2に位置し、円環の形状を持っている。第3遮光部BM3は、第3遮光領域LSA3に位置し、円環の形状を持っている。
第1遮光部BM1、第2遮光部BM2、及び第3遮光部BM3の各々の遮光部を、環状遮光部と称することができる。第1開口OP1及び第3開口OP3は、円環の形状を持ち、第2開口OP2は、円形の形状を持っている。
【0079】
入射光制御領域PCAは、第4遮光領域LSA4及び第5遮光領域LSA5をさらに備えている。第4遮光領域LSA4は、第2遮光領域LSA2から第3遮光領域LSA3まで第1延在方向d1に直線状に延在している。第5遮光領域LSA5は、第3遮光領域LSA3から第1遮光領域LSA1まで第1延在方向d1に直線状に延在し、第1延在方向d1に第4遮光領域LSA4と揃っている。上記のことから、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3は、それぞれ、実質的にC形の形状を持っている。
なお、第1遮光領域LSA1、第2遮光領域LSA2、第3遮光領域LSA3、第4遮光領域LSA4、第5遮光領域LSA5は、表示領域DAに形成される遮光層BMと、同じ層に、同じ工程で、及び同じ材料で形成することが可能である。
【0080】
本第1の実施形態において、遮光層BMは、第4遮光部BM4と、第5遮光部BM5と、をさらに備えている。第4遮光部BM4は、第4遮光領域LSA4に位置し、第2遮光部BM2から第3遮光部BM3まで第1延在方向d1に直線状に延在している。第5遮光部BM5は、第5遮光領域LSA5に位置し、第3遮光部BM3から第1遮光部BM1まで第1延在方向d1に直線状に延在している。
【0081】
第1遮光部BM1の外周円、第1入射光制御領域TA1の外周円、第2遮光部BM2の外周円、第2入射光制御領域TA2、第3遮光部BM3の外周円、及び第3入射光制御領域TA3の外周円は、同心円である。
【0082】
液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて、第4遮光領域LSA4、第5遮光領域LSA5、第4遮光部BM4、及び第5遮光部BM5無しに構成されてもよい。なぜなら、第4遮光部BM4及び第5遮光部BM5を設け無くても、後述する引き回し配線Lによる受光光量に与える影響は軽微であり、補正可能なレベルのためである。
また、液晶パネルPNLは、第3遮光領域LSA3、第3遮光部BM3、及び第3入射光制御領域TA3無しに構成されてもよい。その場合、第1入射光制御領域TA1の内周が第2遮光領域LSA2に接していればよい。
【0083】
入射光制御領域PCAの半径方向において、第1遮光部BM1の幅WI1は800乃至900μmであり、第3遮光部BM3の幅WI3は30乃至40μmであり、第2遮光部BM2の幅WI2は30乃至40μmである。第1延在方向d1に直交する方向において、第5遮光部BM5の幅WI5は60乃至70μmであり、第4遮光部BM4の幅WI4は30乃至40μmである。
【0084】
図9は、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAの電極構造を示しており、複数の制御電極構造RE及び複数の引き回し配線Lを示す平面図である。図9及び図8に示すように、液晶パネルPNLは、第1制御電極構造RE1、第2制御電極構造RE2、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5制御電極構造RE5、第6制御電極構造RE6、第1制御電極構造RE1に接続された第1引き回し配線L1、第2制御電極構造RE2に接続された第2引き回し配線L2、第3制御電極構造RE3に接続された第3引き回し配線L3、第4制御電極構造RE4に接続された第4引き回し配線L4、第5制御電極構造RE5に接続された第5引き回し配線L5、及び第6制御電極構造RE6に接続された第6引き回し配線L6を備えている。入射光制御領域PCAにおいて、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、第1延在方向d1に延在している。
なお、図9は入射光制御領域PCAにおいて、電極がIPS(In-Plane-Switching)モードに対応した構成を有していることを示す概略図である。
【0085】
第1制御電極構造RE1は、第1給電配線CL1と、第1制御電極RL1と、を有している。
第1給電配線CL1は、第1遮光領域LSA1に位置し、第1配線WL1を含んでいる。本第1の実施形態において、第1配線WL1は、C形の形状を持ち、第2引き回し配線L2乃至第6引き回し配線L6が通る領域において分断されている。
【0086】
複数の第1制御電極RL1は、第1遮光領域LSA1及び第1入射光制御領域TA1に位置し、第1配線WL1に電気的に接続され、第1延在方向d1に直線状に延在し、直交方向dc1に間隔を置いて並べられている。第1制御電極RL1は、第1配線WL1の内側に配置されている。
複数の第1制御電極RL1は、両端部で第1配線WL1と接続する第1制御電極RL1と、一方の端部で第1配線WL1と接続し、他方の端部は第1配線WL1と接続しない第1制御電極RL1と、を有している。
【0087】
第2制御電極構造RE2は、第2給電配線CL2と、第2制御電極RL2と、を有している。第2給電配線CL2は、第2配線WL2を含んでいる。第2制御電極構造RE2は、第1制御電極構造RE1と同様の構造をしている。第2配線WL2は、第1配線WL1より内側に位置しているが、第1配線WL1より外側に位置してもよい。
複数の第1制御電極RL1と、複数の第2制御電極RL2とは、直交方向dc1に交互に並べられている。
【0088】
第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4は、第2遮光領域LSA2及び第2入射光制御領域TA2に位置している。第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4は、それぞれ第1延在方向d1に平行な辺を有する半円の形状で示している。第3制御電極構造RE3の上記辺と、第4制御電極構造RE4の上記辺とは、直交方向dc1に間隔を置いて位置している。なお、第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4は、概形を半円の形状で表しているが、詳細な構造については後述する。
【0089】
第5制御電極構造RE5は、第5給電配線CL5と、第5制御電極RL5と、を有している。第5給電配線CL5は、第5配線WL5を含んでいる。第5給電配線CL5は、第3遮光領域LSA3に位置し、C形の形状を持っている。
【0090】
複数の第5制御電極RL5は、第3遮光領域LSA3及び第3入射光制御領域TA3に位置し、第5配線WL5に電気的に接続され、第1延在方向d1に直線状に延在し、直交方向dc1に間隔を置いて並べられている。第5配線WL5及び第5制御電極RL5は、一体に形成されている。第5制御電極RL5は、第5配線WL5の内側に配置されている。
複数の第5制御電極RL5は、両端部で第5配線WL5と接続する第5制御電極RL5と、一方の端部で第5配線WL5と接続し、他方の端部は第5配線WL5と接続しない第5制御電極RL5と、を有している。
【0091】
第6制御電極構造RE6は、第6給電配線CL6と、第6制御電極RL6と、を有している。第6給電配線CL6は、第6配線WL6を含んでいる。第6制御電極構造RE6は、第5制御電極構造RE5と同様の構造をしている。第6配線WL6は、第5配線WL5より内側に位置しているが、第5配線WL5より外側に位置してもよい。
複数の第5制御電極RL5と、複数の第6制御電極RL6とは、直交方向dc1に交互に並べられている。
【0092】
第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、金属で形成されている。例えば、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、上記金属層MLと同一層に位置し、上記金属層MLと同一の金属で形成されている。
第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、束ねられ、表示領域DAにおいて一の遮光部(BMA2)で覆われた領域を延在している。但し、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は束ねられていなくともよく、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6の各々は、表示領域DAにおいて、遮光部BMA1及び遮光部BMA2の少なくとも一を延在していればよい。
なお、第1給電配線CL1、第2給電配線CL2、第5給電配線CL5、第6給電配線CL6、及び第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、透明な導電層及び金属層の積層体で構成されてもよい。
【0093】
図7を用いて説明したように、表示領域DAの画素電極PEと共通電極CEは透明な導電材料(透明導電膜)で形成されており、画素PXは異なる2層の透明導電膜を有している。後述するように、第1配線WL1乃至第6配線WL6は、2層の透明導電膜の一方の透明導電膜で形成され、第1制御電極RL1乃至第6制御電極RL6は他方の透明導電膜で形成し、第1制御電極RL1乃至第6制御電極RL6を同層に形成することが可能である。なお、第1配線WL1乃至第6配線WL6は透明導電膜と金属膜の多層膜で形成することも可能である。
【0094】
液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて、横電界を利用する表示モードの一つであるIPSモードに対応した構成を有している。上述した第1制御電極RL1乃至第6制御電極RL6は、それぞれ、前述したFFSモードに対応した画素電極PEの形状と異なる形状を有している。
【0095】
第1制御電極RL1と第2制御電極RL2とに代表されるように、交互に配置された制御電極に電圧が供給され、電極間に生じた電位差により液晶分子が駆動される。例えば、表示領域DAから配線を延長して、第1制御電極RL1に画素電極と同様の映像信号を供給し、第2制御電極RL2に共通電極と同様のコモン電圧を供給することが可能である。また、第1制御電極RL1にコモン電圧に対して正極性の信号を供給し、第2制御電極RL2に負極性の信号を供給することも可能である。
【0096】
入射光制御領域PCAにおいて、上述した配向膜AL1,AL2は方向Yに平行な配向軸AAを有している。すなわち、配向膜AL1,AL2の配向軸AAは、表示領域DAと入射光制御領域PCAとで平行である。入射光制御領域PCAにおいて、配向膜AL1の配向方向AD1は方向Yと平行であり、配向膜AL2の配向方向AD2は配向方向AD1と平行である。
【0097】
液晶層LCに電圧が印加されていない状態において、表示領域DAの液晶分子の初期配向方向と、入射光制御領域PCAの液晶分子の初期配向方向とは、同一である。上記線状画素電極(線状表示電極)PAと、制御電極RLとは、平行に延在している。X-Y平面において、第1延在方向d1及び第2延在方向d2は、それぞれ方向Yに対して10°傾斜している。そのため、表示領域DAと入射光制御領域PCAとで、液晶分子の回転方向を揃えることが可能である。なお、線状画素電極PAで傾斜について説明した。但し、上述したことは、線状画素電極PAで傾斜を共通電極のスリットの傾きに置き換えた場合でも同様である。
【0098】
図10は、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAを示す断面図である。図10において、信号線S及び走査線Gなどの図示を省略している。
図10に示すように、絶縁層13を挟んで形成される2つの導体のうち一方の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの一方の電極と同一層に設けられ、上記一方の電極と同一材料で形成されている。上記2つの導体のうち他方の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの他方の電極と同一層に設けられ、上記他方の電極と同一材料で形成されている。
【0099】
図10において、第2配線WL2、第2制御電極RL2、第4制御電極構造RE4、第6配線WL6、及び第6制御電極RL6は、絶縁層12の上に設けられ、絶縁層13で覆われている。第2配線WL2、第2制御電極RL2、第4制御電極構造RE4、第6配線WL6、及び第6制御電極RL6は、共通電極CEと同一層に設けられ、共通電極CEと同一の透明な導電材料で形成されている。
【0100】
第1配線WL1、第1制御電極RL1、第3制御電極構造RE3、第5配線WL5、及び第5制御電極RL5は、絶縁層13の上に設けられ、配向膜AL1で覆われている。第1制御電極RL1、第3制御電極構造RE3、第5配線WL5、及び第5制御電極RL5は、画素電極PEと同一層に設けられ、画素電極PEと同一の透明な導電材料で形成されている。
【0101】
例えば、絶縁層13は、第1制御電極RL1(第1制御電極構造RE1)と第2制御電極RL2(第2制御電極構造RE2)とで挟まれている。なお、第1制御電極RL1、第2制御電極RL2、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5制御電極RL5、及び第6制御電極RL6は、同層に形成されてもよい。
【0102】
入射光制御領域PCAにおいて、配向膜AL1は、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、第2制御電極RL2、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5配線WL5、第5制御電極RL5、第6配線WL6、及び第6制御電極RL6を覆い、液晶層LCに接している。
【0103】
ここで、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2の直交方向dc1のピッチをピッチpi1とし、第5制御電極RL5及び第6制御電極RL6の直交方向dc1のピッチをピッチpi2とする。別の言い方をすると、ピッチpi1は、第1制御電極RL1の中心と第2制御電極RL2の中心との直交方向dc1のピッチである。ピッチpi2は、第5制御電極RL5の中心と第6制御電極RL6の中心との直交方向dc1のピッチである。
【0104】
ピッチpi1及びピッチpi2は、それぞれ一定でもよいが、それぞれランダムに設定されている方が望ましい。これにより、ピッチpi1,pi2を一定にした場合に生じる光の干渉を防止することができる。
【0105】
第2基板SUB2において、カラーフィルタCFは入射光制御領域PCAに設けられていない。
液晶層LCは、第1入射光制御領域TA1に位置した第1制御液晶層LC1と、第2入射光制御領域TA2に位置した第2制御液晶層LC2と、第3入射光制御領域TA3に位置した第3制御液晶層LC3と、を有している。
【0106】
第1制御液晶層LC1には、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2によって生じる電圧が印加される。第2制御液晶層LC2には、第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4によって生じる電圧が印加される。第3制御液晶層LC3には、第5制御電極RL5及び第6制御電極RL6によって生じる電圧が印加される。
【0107】
第1制御電極構造RE1に第1引き回し配線L1を介して第1制御電圧が与えられ、第2制御電極構造RE2に第2引き回し配線L2を介して第2制御電圧が与えられ、第3制御電極構造RE3に第3引き回し配線L3を介して第3制御電圧が与えられ、第4制御電極構造RE4に第4引き回し配線L4を介して第4制御電圧が与えられ、第5制御電極構造RE5に第5引き回し配線L5を介して第5制御電圧が与えられ、第6制御電極構造RE6に第6引き回し配線L6を介して第6制御電圧が与えられる。
【0108】
第1制御電圧、第3制御電圧、及び第5制御電圧は、画像信号及びコモン電圧の一方と電圧レベルが同一であってもよく、第2制御電圧、第4制御電圧、及び第6制御電圧は、画像信号及びコモン電圧の他方と電圧レベルが同一であってもよい。
又は、第1制御電圧、第3制御電圧、及び第5制御電圧は、コモン電圧に対して第1極性の電圧レベルを有してもよく、第2制御電圧、第4制御電圧、及び第6制御電圧は、コモン電圧に対して第2極性の電圧レベルを有してもよい。なお、上記第1極性及び上記第2極性において、一方は正極性であり、他方は負極性である。
【0109】
入射光制御領域PCAを絞りDPとして説明するにあたり、絞りDPの開口の状態について定義する。図11は、上記液晶パネルPNLが第1条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。図12は、上記液晶パネルPNLが第2条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。図13は、上記液晶パネルPNLが第3条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。図14は、上記液晶パネルPNLが第4条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。なお、図11乃至図14において、第4遮光部BM4及び第5遮光部BM5の図示を省略している。図中、非透過状態の入射光制御領域TAには格子パターンを付している。
【0110】
図11に示すように、液晶表示装置DSPは、第1条件での駆動により、絞りDPを最大に開いた状態(開放状態)に設定する。
図12に示すように、液晶表示装置DSPは、第2条件での駆動により、絞りDPを最小に絞った状態に設定する。
図13に示すように、液晶表示装置DSPは、第3条件での駆動により、絞りDPを最大に開いた状態と最小に絞った状態の中間の状態に設定する。
図14に示すように、液晶表示装置DSPは、第4条件での駆動により、絞りDPを閉じた状態に設定する。
【0111】
前述したように、入射光制御領域PCAは、外側から中心に向けて、第1入射光制御領域TA1と、第3入射光制御領域TA3と、第2入射光制御領域TA2と、を備えており、第1条件乃至第4条件に対応する第1入射光制御領域TA1、第3入射光制御領域TA3、及び第2入射光制御領域TA2の透過状態及び非透過状態は以下のようになる。
【0112】
例えば、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3が第1条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3を透過状態に設定する。
第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3が第2条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2を透過状態に設定し、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3を非透過状態に設定する。
【0113】
第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3が第3条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第3入射光制御領域TA3及び第2入射光制御領域TA2を透過状態に設定し、第1入射光制御領域TA1を非透過状態に設定する。
【0114】
第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3が第4条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1、第3入射光制御領域TA3、及び第2入射光制御領域TA2を非透過状態に設定する。ここで、非透過状態とは、可視光における遮光状態、又は上記透過状態より透過率の低い状態を言う。
【0115】
さらに、前述した第1条件から第4条件に加えて、以下の第5条件から第7条件での駆動が可能である。図15は、液晶パネルPNLが第5条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。図16は、液晶パネルPNLが第6条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。図17は、液晶パネルPNLが第7条件で駆動された場合の入射光制御領域PCAを示す平面図である。
【0116】
図15に示すように、第5条件では、第2入射光制御領域TA2を透過状態にすることで、絞りDPを最小に絞った開口を形成すると共に、第1入射光制御領域TA1を透過状態とし、第3入射光制御領域TA3を非透過状態に設定することで、絞りDPは環状の開口RO1を形成する。環状の開口RO1に対向するように、カメラ1a側には光源EM2,EM3が設けられている。例えば、開口RO1の周方向に、光源EM2及び光源EM3は交互に並べられている。
【0117】
液晶パネルPNLは、出射光制御領域ICAを有している。本実施形態において、出射光制御領域ICAは、第1入射光制御領域TA1に含まれている。光源EM3は、出射光制御領域ICA(第1入射光制御領域TA1)に重なっている。なお、光源EM2も出射光制御領域ICAに重なっているが、これに限らず、光源EM2は第1遮光部BM1等に重なってもよい。
【0118】
図16に示すように、第6条件では、第2入射光制御領域TA2及び第3入射光制御領域TA3を非透過状態に設定し、第1入射光制御領域TA1を透過状態とすることで、絞りDPは環状の開口RO1を単独で形成する。
図17に示すように、第7条件では、第2入射光制御領域TA2及び第1入射光制御領域TA1を非透過状態に設定し、第3入射光制御領域TA3を透過状態に設定することで、絞りDPは第3遮光部BM3の内側に環状の開口RO2を単独で形成する。
【0119】
上述したことから、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAは、カメラ1aの絞りを構成している。そのため、絞りを開いたり(第1条件)、絞りを絞ったり(第3条件)、絞りをさらに絞ったり(第2条件)、絞りを閉じたり(第4条件)、することができ、焦点深度を変えてカメラ1aで撮影することができる。液晶パネルPNLは、絞りを同心円状に、開いたり、絞ったり、することができる。言い換えると、液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて、同心円状に光透過領域を制御することができる。
【0120】
さらに、第5条件では、第1入射光制御領域TA1を透過状態にしてカメラ1a側に設けた光源EM3からの可視光により被写体を照明し、第2入射光制御領域TA2を透過状態にして、最も小さい開口からの可視光をカメラ1aに入射させることができる。
【0121】
また、第6条件では、第1入射光制御領域TA1を透過した可視光による像を得ることが出来、第7条件では、第3入射光制御領域TA3を透過した可視光による像を得ることが出来る。第6条件及び第7条件で撮像することで、同心円状に配置された複数の環状の開口ROを通過した光による像を得ることができる。第1条件から第3条件、第5条件から第7条件で、同心円状の開口を用いて撮像することで、焦点深度を調整するための信号を得ることが可能である。
【0122】
偏光板PL1,PL2の赤外光に対する透過率が高いため、カメラ1aで赤外光を受光する場合には、第4条件として可視光を遮光状態としながら、カメラ1a側に設けた光源EM2から赤外光を照射し、カメラ1aで赤外光を受光することも可能である。カメラ1bにおいては、カメラ1b側に設けた光源EM2から赤外光を照射し、カメラ1bで赤外光を受光することが可能である。
【0123】
第2条件における絞りは、カメラ1aに入射する光量を調整するピンホールとして機能することができる。カメラ1aと被写体の距離が数cmの場合にカメラ1aの解像力が向上し、被写体と至近距離における鮮明な写真を撮影することができる。被写体とカメラ1aが近接した撮影の一例として、指紋認証のために指紋を撮影することができる。また、光量の多い場合においても、ピンホールを用いた撮影は有効である。
【0124】
なお、第2条件における絞りをピンホールとして機能させて、近接撮影する場合に、被写体からの光量が減少するという問題がある場合には、第5条件で、第1入射光制御領域TA1を透過状態にし、カメラ1a側に設けた光源EM3からの可視光で被写体を照明することができる。
【0125】
また、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける遮光層BMの形状は、種々変形可能である。図18は、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける遮光層BMの変形例を示す平面図である。
図18に示すように、例えば、遮光層BMは、入射光制御領域PCAに位置し円環の形状を持つ第4遮光部BM4をさらに有している。第4遮光部BM4は、第2遮光部BM2より外側に位置し、第3遮光部BM3より内側に位置している。
【0126】
入射光制御領域PCAは、第4入射光制御領域TA4をさらに有している。第4入射光制御領域TA4は、第4遮光部BM4に接する外周と、第2遮光部BM2に接する内周と、を有し、円環の形状を持っている。第2入射光制御領域TA2、第4入射光制御領域TA4、第3入射光制御領域TA3、及び第1入射光制御領域TA1は、同一の面積を有し、同心円状に位置している。
【0127】
入射光制御領域PCAの半径方向において、第4入射光制御領域TA4の幅、第3入射光制御領域TA3の幅、及び第1入射光制御領域TA1の幅は、互いに異なっている。環状の入射光制御領域TAは、外周側に位置する程、小さい幅を有している。第1乃至第4入射光制御領域TA1乃至TA4の全てを可視光を透過させる状態とすることで、第4入射光制御領域TA4、第3入射光制御領域TA3、及び第1入射光制御領域TA1のそれぞれを透明な輪帯とみなすことができる。これにより、液晶パネルPNLを、入射光制御領域PCAにおいてフレネルゾーンプレートとして機能させることができる。
なお、図18に示した例では、環状の入射光制御領域TAの数は3つであった。しかしながら、入射光制御領域PCAは、環状の入射光制御領域TAを4つ以上有してもよい。
【0128】
上記のように構成された第1の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、良好に撮影することが可能であり、入射光制御領域PCAの光透過領域を制御することが可能である液晶表示装置DSP及び電子機器100を得ることができる。
液晶パネルPNLは、出射光制御領域ICAにおいて光源EM3から出射された可視光を選択的に透過させるように構成されている。液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて外部からの可視光をカメラ1aに入射させるために外部からの可視光を選択的に透過させるように構成されている。
【0129】
カメラ1aと液晶パネルPNLを組合わせることで、超近接撮影を行うことができ、例えば、指紋を撮影することができる。超近接撮影は、ピンホールカメラの原理を利用するものであり、ピント合わせを不要とすることができ、指をカバーガラスCGに近接させて指紋認証が可能となる。光源EM3から可視光を出射させることができるため、指をカバーガラスCGに接触させた状態で指紋を撮影することも可能である。
カメラ1aは、赤外光を受光し、液晶表示装置DSPの画面の前方を撮影することができる。
【0130】
電子機器100は、可視光の検出と、赤外光の検出と、を別期間に実施することができる。液晶パネルPNLは、光源EM2から赤外光を出射させずに可視光を検出する第1検出期間に、入射光制御領域PCAにおいて外部からの可視光を透過させるように構成されている。液晶パネルPNLは、第1検出期間に、出射光制御領域ICAから外部への可視光の出射を許可ように構成されている。そのため、第1検出期間に、赤外光をノイズになり難くしつつ可視光にて撮影することができる。
【0131】
液晶パネルPNLは、第1検出期間とは異なる期間であり光源EM2から赤外光を出射させて赤外光を検出する第2検出期間に、赤外光をカメラ1a,1bに入射させるように構成されている。液晶パネルPNLは、第2検出期間に、出射光制御領域ICAから外部への可視光の出射を休止し、入射光制御領域PCAにおいて外部からの可視光を透過させないように構成されている。そのため、第2検出期間に、可視光をノイズになり難くしつつ赤外光にて撮影することができる。
【0132】
(第2の実施形態)
次に、本第2の実施形態について説明する。電子機器100は、本第2の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。絞りの開口について説明する。図19は、本第2の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの一部及びカメラ1aを示す図であり、液晶パネルPNL及びカメラ1aを示す平面図と、液晶パネルPNL及びカメラ1aを示す断面図とを併せて示す図である。図中、カメラ1aに関しては外形を示している。遮光層BMは、入射光制御領域PCAにおいて第1遮光部BM1のみ示している。
【0133】
図19に示すように、液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて、同心円状に光透過領域を切替える絞りDPを構成している。絞りDPはカメラ1aの手前に位置し、絞りDPを通った光(可視光)がカメラ1aに入射する。液晶パネルPNLの透過光量を制御する機能を用いることで、絞りDPはカメラ1aに入射する光量を制御することができる。後述するように、絞りDPの外径は光学系2(カメラ1a)の有効開口EAの直径DI2より定められ、第1遮光部BM1の内径DI1は、光学系2(カメラ1a)の有効開口EAの直径DI2よりも大きい。
【0134】
絞りDPの外周の外側には、不要な光を遮光するために第1遮光部BM1が形成される。以後、境界が明確であることから、絞りDPの外周を第1遮光部BM1の内周I1で説明する。絞りDPは、第1遮光部BM1の内周I1より内側を遮光することで、カメラ1aに入射する光の量を増減することが可能である。幅WI1を持つ第1遮光部BM1は、有効開口EAを取り囲み、カメラ1aの周辺の表示に使用されない第1遮光領域LSA1を覆っている。
【0135】
図19に示す光源EM2,EM3は、可視光を照射する光源EM3と赤外光を照射する光源EM2を選ぶことが可能で、可視光を照射する光源EM3と赤外光を照射する光源EM2を例えば交互に配置する等、混合して配置することが可能である。また、指紋認証等に用いる場合は、可視光全域の光を用いる必要はなく、可視光の波長領域の中の特定の波長の光を照射する光源を用いることも可能である。
【0136】
図20は、本第2の実施形態に係る液晶パネルの一部、照明装置の一部、及びカメラを示す断面図である。
液晶パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、液晶層LC、偏光板PL1、偏光板PL2などを備えている。図中、液晶層LCを第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の線で示している。
【0137】
照明装置ILは、上記光源EM1からの光を平面光として出射させる導光体LG1、導光体LG1からの光を液晶パネルPNL側へ反射する光反射シートRS、導光体LG1からの光の向きを制御する光学シートなどを有している。上記光学シートは、例えば、光拡散シートSSと、プリズムシートPSとを含んでいる。プリズムシートPSは、図2に示したプリズムシートPS1及びプリズムシートPS2を含んでもよい。
【0138】
照明装置ILには、カメラ1aを配置する開口ILOが形成され、導光体LG1等と開口ILOの間には遮光壁CS2が配置されている。遮光壁CS2には、プリズムシートPSを固定するための粘着テープTP1が張り付けられている。粘着テープTP1は、遮光壁CS2近傍の不要な光を遮蔽する機能も有している。また、照明装置ILは、照明装置ILの周辺部に位置し導光体LG1等を収納する樹脂枠FRを有している。
カメラ1aは液晶パネルPNLの端部近傍に配置されている。
【0139】
次に、カメラ1の有効開口EAに入射する光の角度について説明する。ここでは、図20に示したように、光学系2(カメラ1a)の中心軸AX1と、中心軸AX1に直交する直交軸AX2と、を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0140】
光学系2の有効開口EAの最外周上の点を第1点P1とする。第1点P1を通る直線を第1基準線RF1とする。有効開口EAの最外周上の別の点を第3点P3とする。第3点P3を通る直線を第2基準線RF2とする。第1点P1と、中心軸AX1と、第3点P3と、を通る直線を第3基準線RF3とする。第1基準線RF1と第2基準線RF2とが交わる点を第5点P5とする。中心軸AX1と第3基準線RF3とが交差する点を第6点P6とする。
【0141】
第6点P6は、有効開口EAの中心でもある。中心軸AX1は、第3基準線RF3と直交している。また、中心軸AX1は、有効開口EAが形成する面に対する垂線で、一般にカメラ1a(光学系2)の光軸である。第1基準線RF1及び第2基準線RF2は、カメラ1の焦点距離や上述した撮像面3aの大きさによって決まる撮像に用いられる光束の最外周光線の光路でもある。
【0142】
有効開口EAは中心軸AX1に対して円対称である。中心軸AX1は第5点P5を通っている。第1基準線RF1と中心軸AX1とは、角度θで交差している。第2基準線RF2と中心軸AX1とも、角度θで交差している。なお、カメラ1aによっては角度θの2倍である角度2θが画角である。
遮光壁CS2は、第3基準線RF3に平行な方向にカメラ1aと隣合っている。遮光壁CS2は、カメラ1aと導光体LG1と間に位置し筒状の形状を持っている。
【0143】
次に、第3距離DT3と、内径DI1と、について説明する。ここで、第3距離DT3は、第5点P5から遮光層BMの開口(第2開口OP2)までの中心軸AX1上の直線距離である。図21は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部、照明装置ILの一部、及びカメラ1aを示す他の断面図である。ここでも、中心軸AX1及び直交軸AX2を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0144】
図21に示すように、第1点P1に近接する第1遮光部BM1の内周I1上の点を第2点P2とする。第3点P3に近接する第1遮光部BM1の内周I1上の点を第4点P4とする。第1基準線RF1は、第1点P1と、第2点P2と、を通る直線である。第2基準線RF2は、第3点P3と、第4点P4と、を通る直線である。
【0145】
第2点P2よりも外側(図中右側)からカメラ1に向かう光で、中心軸AX1に対して角度θ以下の角度で交差する光は、有効開口EAの外側を通るため有効開口EAに入射しない。また、第4点P4よりも外側(図中左側)からカメラ1に向かう光で、中心軸AX1に対して角度θ以下の角度で交差する光は、有効開口EAに入射しない。第2点P2より右側及び第4点P4より左側に上記第1入射光制御領域(TA1)が位置しても、有効開口EAに入射する光の量に影響が小さい。
【0146】
従って、第1基準線RF1に代表される、中心軸AX1に対して角度θで交差し、有効開口EAの最外周を通過する線と、液晶層LCとが交差する点によって形成される円周が絞りDPの実効最大内径となる。
【0147】
なお、液晶層LC単体では遮光の機能が無く、遮光するためには、液晶層LC、偏光板PL1、偏光板PL2などの機能が組み合わされる必要があり、厳密には液晶層LCが絞りDPではないが、液晶層LCに絞りDPが形成されるものと考え、さらに、境界が明確であることから、第1遮光部BM1が形成される平面内で、第1遮光部BM1の開口の内側が絞りDPを示すものとして説明する。
【0148】
なお、図7に示すように、液晶層LCと遮光層BMとの間には、カラーフィルタCF、透明層OC、及び配向膜AL2が存在するが、それらの層の厚みの合計は数μmであるので、液晶層LCと遮光層BMとは同一平面にあるものとして説明する。幅WI1を持つ第1遮光部BM1は、入射光制御領域PCAの外周近傍の不要な光を遮光している。そのため、内周I1を絞りDPの最外周として考えることも可能である。
【0149】
さらに、最外周光線の光路を、第1基準線RF1上、及び第2基準線RF2上と考えることも可能である。すなわち最外周光線の光路は、絞りDPとして機能する構成の最外周と、カメラ1の有効開口EAの最外周とを結ぶ線である。
【0150】
中心軸AX1上にて遮光層BMの開口(第2開口OP2)に位置する点を第7点P7とする。第5点P5、第2点P2、及び第7点P7により形成される三角形、及び第5点P5、第4点P4、及び第7点P7により形成される三角形にそれぞれ注目すると、次の関係が成り立つ。
DI1/2=DT3×tanθ
第5点P5から第7点P7までの第3距離DT3が長くなるに従い、第1遮光部BM1の内径DI1も長くなる。従って、内径DI1を小さくしたい場合は、液晶パネルPNLにカメラ1を近づける必要がある。
【0151】
遮光壁CS2で囲まれた領域の内部から液晶パネルPNLには照明装置ILからの光は照射されない。そのため、第1遮光領域LSA1(第2点P2から粘着テープTP1の光照射領域側の端部EN1までの幅WI1で示される範囲、及び第4点P4から粘着テープTP1の光照射領域側の端部EN2までの幅WI1で示される範囲)には、第1遮光部BM1が配置されている。なぜなら、第1遮光領域LSA1は、絞りDPにも表示にも利用されない領域となるためである。
【0152】
表示領域DAをなるべく広く形成するためには、第1遮光部BM1をなるべく小さくする必要がある。カメラ1を液晶パネルPNLに近接させることで、内径DI1を小さくすることができ、第1遮光部BM1で囲まれる領域を小さくすることが可能である。
【0153】
次に、第1遮光部BM1の内径DI1と、カメラ1aの有効開口EAの直径DI2と、の関係について説明する。図22は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部及びカメラ1aを示す断面図である。なお、図を簡潔にするため、液晶パネルPNLにおいて、第1遮光部BM1を実線で示し、第1遮光部BM1の開口内の液晶層LCを破線で示している。ここでも、中心軸AX1及び直交軸AX2を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0154】
図22に示すように、第5点P5から第6点P6までの中心軸AX1上の直線距離を第1距離DT1とする。第6点P6から第7点P7(遮光層BMの開口)までの中心軸AX1上の直線距離を第2距離DT2とする。内径DI1及び直径DI2は、それぞれ次の関係式で求めることができる。
DI1/2=DT3×tanθ
DI2/2=DT1×tanθ
上記の関係式から、次の関係が成り立つ。
DI1/DI2=DT3/DT1
例えば、内径DI1を直径DI2の2倍以下としたい場合は、第1距離DT1よりも第2距離DT2(DT3-DT1)を短くする必要がある。
【0155】
なお、図22においては、絞りDPを開いた場合について説明した(第1条件)。そのため、入射光制御領域PCAにおいて、第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3の全ては透過状態に設定されている(図8,11)。
【0156】
次に、絞りDPを絞った場合について説明する(第3条件)。そのため、入射光制御領域PCAにおいて、第2入射光制御領域TA2及び第3入射光制御領域TA3は透過状態に設定され、第1入射光制御領域TA1は非透過状態に設定されている(図8,13)。
【0157】
図23は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部及びカメラ1aを示す他の断面図である。第3条件における開口について説明する。なお、図を簡潔にするため、液晶パネルPNLにおいて、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3を実線で示し、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3以外の液晶層LCを破線で示している。ここでも、中心軸AX1及び直交軸AX2を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0158】
図23に示すように、絞りDPの開口を小さくしてカメラ1aに入射する光を絞った場合、中心軸AX1に対して大きな角度で交差する斜入射光が、中心軸AX1に対して小さな角度で交差する入射光に対して減少する。そのため、カメラ1aの撮像の周辺部の光量が減少する問題がある。
【0159】
そこで、上記斜入射光を極端に減少しなくするための、第3遮光部BM3の内径DI3について検討する。ここで、第2基準線RF2に平行で、第1点P1を通る直線を第4基準線RF4とする。第1基準線RF1に平行で、第3点P3を通る直線を第5基準線RF5とする。第4基準線RF4と遮光層BMとが交差する点を第8点P8とする。第5基準線RF5と遮光層BMとが交差する点を第9点P9とする。
【0160】
第4基準線RF4に注目すると、中心軸AX1に対して角度θで交差する光(斜光線OL1)の内で、第4基準線RF4よりも有効開口EAに対して外側の光は、有効開口EAに入射しない。そのため、第8点P8よりも外側(図中右側)を遮光しても、斜光線OL1の増減は無い。そこで、第3遮光部BM3の内周I3は、第8点P8に位置している。
【0161】
同様に、第5基準線RF5に注目すると、中心軸AX1に対して角度θで交差する光(斜光線OL2)の内で、第5基準線RF5よりも有効開口EAに対して外側の光は、有効開口EAに入射しない。そのため、第9点P9よりも外側(図中左側)を遮光しても、斜光線OL2の増減は無い。そこで、第3遮光部BM3の内周I3は、他方で、第9点P9に位置している。但し、第9点P9よりも外側を遮光すると、斜光線OL1の内で第9点P9よりも外側の光が遮光されることになる。
カメラ1aの撮像の周辺部の光量が極端に減少することのないように、第3遮光部BM3の内径DI3は、第8点P8と第9点P9との間の距離と一致している。
【0162】
次に、絞りDPを絞った場合における内周I3の内側の面積ついて説明する(第3条件)。図24は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部及びカメラ1aの位置を示す断面図である。なお、図を簡潔にするため、液晶パネルPNLにおいて、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3を実線で示し、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3以外の液晶層LCを破線で示している。ここでも、中心軸AX1及び直交軸AX2を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0163】
図24に示すように、第1点P1を通り中心軸AX1に平行な直線を第6基準線RF6とする。第3点P3を通り中心軸AX1に平行な直線を第7基準線RF7とする。第6基準線RF6と液晶層LCとが交差する点を第10点P10とする。第7基準線RF7と液晶層LCとが交差する点を第11点P11とする。
【0164】
第4基準線RF4は中心軸AX1と角度θで交差するので、第1点P1、第8点P8、及び第10点P10を頂点とする三角形と、第5点P5、第1点P1、及び第6点P6を頂点とする三角形とは、相似となる。なお、第5基準線RF5も中心軸AX1と角度θで交差するので、第3点P3、第9点P9、及び第11点P11を頂点とする三角形と、第5点P5、第3点P3、及び第6点P6を頂点とする三角形とは、相似となる。
【0165】
第1点P1と第10点P10との間の直線距離は、第2距離DT2である。また、第8点P8と第10点P10との間の直線距離、及び第9点P9と第11点P11との間の直線距離を、それぞれ距離DT4/2とする。距離DT4/2の2倍の直線距離を第4距離DT4とする。すると、
DT4/DT2=DI2/DT1
の関係が成り立ち、
DT4=DI2×(DT2/DT1)
となる。
【0166】
DT4=DI2-DI3
の関係より、
DI2×(DT2/DT1)=DI2-DI3
となり、
DI2(1-DT2/DT1)=DI3
となり、
DI3/DI2=1-(DT2/DT1)
の関係が成り立つ。
【0167】
第2距離DT2を第1距離DT1の50%にした場合、
DI3/DI2=0.5となる。
この場合、半径が50%になるので、第3遮光部BM3の内周I3の内側の面積は、有効開口EAの面積の0.25%となる。
【0168】
さらに、第2距離DT2を第1距離DT1の60%にした場合、
DI3=0.4×DI2
となり、内周I3の内側の面積は、有効開口EAの面積の0.16%となる。
【0169】
なお、
DT4=DI2×(DT2/DT1)
の関係が成り立つので、DT2=DT1の場合に、DT4=DI2となり、内周I3の内側の面積は0となる。そのため、内周I3の内側の開口を実現させるためには、第1距離DT1を第2距離DT2より長くする必要がある(DT1>DT2)。
【0170】
次に、第1遮光部BM1の内径DI1と、第3遮光部BM3の内径DI3との関係について説明する。図25は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部及びカメラ1aの位置を示す他の断面図である。なお、図を簡潔にするため、液晶パネルPNLにおいて、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3を実線で示し、第1遮光部BM1及び第3遮光部BM3以外の液晶層LCを破線で示している。ここでも、中心軸AX1及び直交軸AX2を含む仮想平面上において、定義しつつ説明する。
【0171】
図25に示すように、第1点P1、第8点P8、及び第10点P10を頂点とする三角形と、第5点P5、第2点P2、及び第7点P7を頂点とする三角形とは、相似となる。なお、第3点P3、第9点P9、及び第11点P11を頂点とする三角形と、第5点P5、第4点P4、及び第7点P7を頂点とする三角形とは、相似となる。
【0172】
上記のことから、
DT4/DT2=DI1/DT3
の関係が成り立ち、
DT4=(DI1×DT2)/DT3
となる。
【0173】
DI3=DI1-(2×DT4)
の関係より、
DI3=DI1-(2×DI1×DT2)/DT3
となり、
DI3/DI1=1-(2×DT2)/DT3
の関係が成り立つ。
【0174】
例えば、第2距離DT2が第3距離DT3の25%の場合、
DI3=0.5×DI1
となる。
また、第2距離DT2が第1距離DT1の50%の場合、第3距離DT3は第1距離DT1の150%となる。第2距離DT2は第3距離DT3の1/3となるため、
DI3=DI1/3
となる。
【0175】
図26は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA及びカメラ1aを示す平面図及び断面図である。平面図において、液晶パネルPNLは手前に位置し、カメラ1は奥に位置している。ここでは、第3遮光部BM3の内径DI3を、第1遮光部BM1の内径DI1の1/3とした場合を示している。
【0176】
図26に示すように、例えば、内径DI1が1.8mmである場合、第3遮光部BM3の内径DI3は0.6mmである。図8にも示したが、第3遮光部BM3の内周I3の内側に、第2遮光部BM2で囲まれた第2開口OP2(第2入射光制御領域TA2)が設けられている。第2開口OP2は、例えば、ピンホール撮影に用いられる直径0.2mmの開口である。そのため、図8に示した第2遮光部BM2の内径DI4は、0.2mmとなる。
【0177】
カメラ1a側の内径DI3と有効開口EAとの間に、光源EM3が配置されている。有効開口EAの直径が1.2mmの場合には、内径DI1と有効開口EAとの間隔は300μmとなることから、光源EM3の半径方向の長さは300μm以下が望ましい。後述するように、光源EM3としては、長辺の長さが200~250μmであるミニLEDを用いることが可能である。なお、光源EM2のサイズは、光源EM3のサイズと同一であってもよく、光源EM3のサイズと異なってもよい。
【0178】
光源EM2,EM3と有効開口EAとの間には、突起500が形成されている。突起500によって光源EM2,EM3から有効開口EAに向かう光(可視光及び赤外光)を遮光することが可能である。突起500の有効開口EA側の斜面は、入射光を遮蔽しないように、第1基準線RF1と第2基準線RF2よりも外側に形成される。光源EM2,EM3は突起から外側へ向かう斜辺550に配置される。斜辺は光源EM2,EM3からの光が第2開口OP2へ向かうよう内側(有効開口EA側)に向いている。
【0179】
図27は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA及びカメラ1aを示す断面図であり、カメラ1aの変形例を示す図である。また、図27には、光源EM2,EM3からの光がカメラ1aに入射することが問題となった場合に、突起500をできるだけ液晶パネルPNLに近接するまで伸ばした構成を示す。
【0180】
図27に示すように、光源EM2から出射した光の一部は、液晶パネルPNLで反射して、有効開口EAに向かい撮像にノイズとして映り込む。図27に記載した突起500は、液晶パネルPNLとの間の隙間をできる限り小さくすることで、有効開口EAに向かう光を遮光する。図27では光源EM2,EM3をカメラ1aに取り付ける作業性を向上させるために、光源EM2,EM3は液晶パネルPNLと平行な面に配置されている。
ピンホールをして使用される、第2開口OP2は、比較的小さな開口である。そのため、第2開口OP2を通過する光を用いて液晶パネルPNLとカメラ1aとの位置合わせを行うことが可能である。
【0181】
次に、液晶パネルPNLとカメラ1との位置合わせについて説明する。図28は、本第2の実施形態に係る液晶パネルPNLの一部、照明装置ILの一部、及びカメラ1aを示す断面図である。
図28に示すように、光は、絞りDPによって限られた面積の開口からカメラ1に入射する。そのため、入射光制御領域PCAの中心が光学系2の中心軸AX1からずれると、撮像面3aに必要とされる光(可視光)が届かなくなる問題がある。そのため、入射光制御領域PCAの中心と中心軸AX1とを精度良く位置合わせする必要がある。
【0182】
従って、位置合わせの精度を高めるため、入射光制御領域PCAの開口のうち、最も開口の小さな第2開口OP2を用いている。すなわち、絞りDPをさらに絞り(第2条件)、入射光制御領域PCAにおいて、第2入射光制御領域TA2は透過状態に設定され、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3は非透過状態に設定されている(図8)。
【0183】
液晶パネルPNLに垂直にレーザ光やLEDの光等の平行光を照射することで、第2開口OP2(第2入射光制御領域TA2)を透過した光を撮像面3aで検出することができる。そして、撮像面3aのうち中心軸AX1が通る領域の光の強度に基づいて、入射光制御領域PCAの中心と中心軸AX1とが一致する度合いを測定し、位置合わせを行うことができる。
【0184】
入射光制御領域PCAの中心と中心軸AX1とを精度良く位置合わせすることが可能であれば、カメラ1aと遮光壁CS2との間の周辺ギャップPGを狭くすることが可能となる。ここで、周辺ギャップPGは、第3基準線RF3に平行な方向において、カメラ1aから遮光壁CS2までのギャップを言う。これにより、第1遮光部BM1を含む絞りDP(入射光制御領域PCA)のサイズを小さくすることができる。
【0185】
従って、周辺ギャップPGを狭くするため、第2遮光部BM2の内径DI4(第2開口OP2の直径)は、周辺ギャップPGより十分に短い方が望ましい(DI4<PG)(図8)。
なお、内径DI4は、光の回折を防止するために0.1mm以上であった方が望ましい(0.1mm≦DI4)(図8)。
【0186】
次に図29を用いて、光源EM2,EM3として用いられるミニLED200について説明する。図29は、本第2の実施形態に係る光源を示す断面図である。
図29に示すように、ミニLED200は、フリップチップタイプの発光ダイオード素子で、絶縁性を有する透明な基板210を備えている。基板210は、例えばサファイア基板である。基板210の面220には、n型半導体層120と、活性層(発光層)130と、p型半導体層140とが順に積層された結晶層(半導体層)が形成されている。上記結晶層(半導体層)において、P型の不純物を含む領域がp型半導体層140であり、N型の不純物を含む領域がn型半導体層120である。上記結晶層(半導体層)の材料は特に限定されるものではないが、上記結晶層(半導体層)は、窒化ガリウム(GaN)又はヒ化ガリウム(GaAs)を含んでいてもよい。
【0187】
光反射膜150は、導電材料で形成され、p型半導体層140に電気的に接続されている。p電極160は、光反射膜150に電気的に接続されている。n電極180は、n型半導体層120に電気的に接続されている。パッド230は、n電極180を覆い、n電極180に電気的に接続されている。保護層170は、n型半導体層120、活性層130、p型半導体層140、及び光反射膜150を覆い、p電極160の一部を覆っている。パッド240は、p電極160を覆い、p電極160に電気的に接続されている。
【0188】
ミニLED200の図中横方向の長さである一辺の長さは、例えば100μmを超え300μm未満である。ミニLED200の発光周波数は可視光である400nm~700nm以外に、赤外光である800nm~1500nmの光を用いることも可能である。
【0189】
赤外光を出射する光源EM2と可視光を出射する光源EM3とを備えることで、可視光による撮影と赤外光による撮影が1台のカメラ1aで可能である。例えば、絞りDPをピンホールと機能させて、指紋認証用の近接撮影を行うと並行して、赤外光による静脈認証も可能である。
【0190】
上記のように構成された第2の実施形態に係る電子機器100によれば、良好に撮影することが可能な電子機器100を得ることができる。
【0191】
(第3の実施形態)
次に、本第3の実施形態について説明する。電子機器100は、本第3の実施形態で説明する縦電界モードに関連する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。ここでは、入射光制御領域PCAを縦電界モードの電極で構成する場合を説明する。図30は、本第3の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの一部を示す断面図である。なお、図30において、表示領域DAと入射光制御領域PCAとの境界近傍を示している。また、液晶パネルPNLのうち説明に必要な部材のみを示し、上述した配向膜AL1,AL2等の図示を省略している。
【0192】
図30に示すように、縦電界モードの構成では、絶縁基板10に設けられた制御電極構造REに加えて、絶縁基板20にも対向電極OEが設けられている。縦電界モードでは入射光制御領域PCAの液晶層LCは制御電極構造REと対向電極OEとの間に印加される電圧によって駆動される。
【0193】
絶縁基板10及び絶縁基板20の間に複数のスペーサSPが設けられている。表示領域DAにおける第1基板SUB1と第2基板SUB2との第1ギャップGa1、及び入射光制御領域PCAにおける第1基板SUB1と第2基板SUB2との第2ギャップGa2は、複数のスペーサSPにより保持されている。表示領域DAにおいて、スペーサSPは、遮光部BMA2(遮光部BMA)で覆われている。入射光制御領域PCAにおいて、スペーサSPは、第2遮光部BM2又は第3遮光部BM3で覆われている。
【0194】
入射光制御領域PCAにおいて、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3は、縦電界モードのうちのECB(Electrically Controlled Birefringence)モードで駆動されるため、偏光板PL2と絶縁基板20との間にλ/4板QP2が挟まれ、偏光板PL1と絶縁基板10との間にλ/4板QP1が挟まれている。
【0195】
表示領域DA及び入射光制御領域PCAにおいて、偏光板PL1及び偏光板PL2はそれぞれ共通である。偏光板PL1及び偏光板PL2は、それぞれ、表示領域DA及び入射光制御領域PCAにおいて同じ方向に透過容易軸(偏光軸)が向いている。偏光板PL1の透過容易軸と、偏光板PL2の透過容易軸とは、直交している。
【0196】
一方、表示領域DAにおいて、表示液晶層LCIは、横電界モードで駆動される。表示液晶層LCIは、FFSモードで駆動されるが、IPSモードで駆動されてもよい。表示領域DAにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧がかからない状態で、偏光板PL1(又は偏光板PL2)の透過容易軸に対して、液晶分子の配向軸(進相軸)が直交し、又は平行である。そのため、表示液晶層LCIに電圧がかからない状態では、表示液晶層LCIにおいて位相差が生じないため、偏光板PL2と偏光板PL1の透過容易軸が直交していることから光が遮蔽される(ノーマリーブラック方式)。
【0197】
画素電極PEと共通電極CEの間に電圧をかけると、液晶分子が回転し、液晶分子の進相軸が直線偏光の偏光方向に対して角度を有することとなり、位相差が生じる。表示液晶層LCIでは、液晶分子が回転した(進相軸が偏光方向に対して45°傾いた)場合に、位相差がπとなるように、複屈折率ΔnとギャップGaが調整されている(Δn×Ga=1/2λ)。表示液晶層LCIを透過した光は、偏光板PL1の透過容易軸と平行な直線偏光から、偏光板PL1の透過容易軸に対し90°傾いた直線偏光に変化する。従って、表示領域DAでは、画素電極PEと共通電極CEとの間に電圧がかかることで光を透過する。
【0198】
表示領域DA及び入射光制御領域PCAにおいて、共に同じ液晶層LCと偏光板PL1,PL2を用いており、液晶分子の配向軸も同じ方向である。従って、液晶層LCの位相差も同じで、偏光板PL1,PL2の透過容易軸に対する液晶分子の配向軸の方向も同じである。
【0199】
従って、入射光制御領域PCAでは、λ/4板QP2及びλ/4板QP1は、偏光板PL2と偏光板PL1とで挟まれている。λ/4板QP2の遅相軸は、偏光板PL2の透過容易軸に対して45°で傾いており、λ/4板QP1の遅相軸は、偏光板PL1の透過容易軸に対して45°で傾いている。λ/4板QP2及びλ/4板QP1を透過した光は、直線偏光から円偏光に変化し、又は円偏光から直線偏光に変化する。
【0200】
λ/4板QP1の遅相軸は、偏光板PL1の透過容易軸に対して、+45°傾いており、偏光板PL1から出た直線偏光は右回りの円偏光に変化する。第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3では、位相差がπとなるように、複屈折率Δnと第2ギャップGa2が調整されており(Δn×Ga2=1/2λ)、右回り円偏光から左回りの円偏光に変化する。
【0201】
λ/4板QP2の遅相軸は、偏光板PL1の透過容易軸に対して、-45°傾いており、λ/4板QP2を通過した光は、偏光板PL1の透過容易軸に対して90°傾いた直線偏光となり、偏光板PL2を透過する。
【0202】
第1基板SUB1は、入射光制御領域PCAに位置し、複数の制御電極構造REを含む制御電極構造群REGが設けられている。第2基板SUB2は、入射光制御領域PCAに位置し、制御電極構造群REGと対向した対向電極OEを有している。従って、入射光制御領域PCAでは、制御電極構造REと対向電極OEとの間に電圧がかからない状態で光が透過する(ノーマリーホワイト方式)。なお、第2基板SUB2は、入射光制御領域PCAにおいて、カラーフィルタCFの替わりに透明層TLを有している。
【0203】
ECBモードでは、制御電極構造REと対向電極OEとの間に電圧を印加し、液晶分子を第1基板SUB1及び第2基板SUB2と垂直な方向に沿うよう配向させることで、液晶分子の複屈折(Δn)が変化することを利用して透過光の量を制御する。
【0204】
制御電極構造REと対向電極OEとの間に電圧を印加し、液晶分子の長軸方向が第1基板SUB1及び第2基板SUB2と垂直な方向に沿うことで、透過する光に対して複屈折が小さくなり透過光量が減少する。
【0205】
例えば、複屈折Δnが0となり、位相差が0となると、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3を透過した光は、右回りの円偏光のままで、λ/4板QP2を通過した右回りの円偏光は、偏光板PL1の透過容易軸に対して平行な直線偏光となり、偏光板PL2を透過しない。従って、制御電極構造REと対向電極OEとの間に電圧を印加することで、絞りDPでカメラ1に入射する光を減少させることができる(非透過状態)。
【0206】
図31は、本第3の実施形態に係る液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける遮光層BMを示す平面図である。第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3が、それぞれ2つの範囲に分けられている。
【0207】
図31に示すように、第1入射光制御領域TA1は、第1範囲TA1aと、第1範囲TA1a以外の第2範囲TA1bと、を含んでいる。第2入射光制御領域TA2は、第3範囲TA2aと、第3範囲TA2a以外の第4範囲TA2bと、を含んでいる。第3入射光制御領域TA3は、第5範囲TA3aと、第5範囲TA3a以外の第6範囲TA3bと、を含んでいる。
【0208】
本第3の実施形態において、第1範囲TA1a及び第2範囲TA1bは方向Yに隣合い、第3範囲TA2a及び第4範囲TA2bは方向Yに隣合い、第5範囲TA3a及び第6範囲TA3bは方向Yに隣合っている。そして、第1範囲TA1a及び第2範囲TA1bの境界、第3範囲TA2a及び第4範囲TA2bの境界、及び第5範囲TA3a及び第6範囲TA3bの境界は、方向Xに揃っている。
【0209】
入射光制御領域PCAは、第1遮光部BM1の外周によって形成される円の直径により、第1領域A1と、第2領域A2と、に分けることができる。本第3の実施形態において、第1領域A1は、第1範囲TA1a、第3範囲TA2a、及び第6範囲TA3bを含んでいる。第2領域A2は、第2範囲TA1b、第4範囲TA2b、及び第5範囲TA3aを含んでいる。
【0210】
但し、第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3の各々における、2つの範囲への分け方は、本第3の実施形態において例示したものであり、種々変形可能である。
【0211】
次に、入射光制御領域PCAにおいて、縦電界モードで第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3を駆動する場合の第1制御電極構造RE1、第2制御電極構造RE2、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5制御電極構造RE5、第6制御電極構造RE6、及び対向電極OEの構成について説明する。図32は、本第3の実施形態に係る第1基板SUB1の複数の制御電極構造RE及び複数の引き回し配線Lを示す平面図である。
【0212】
図32及び図31に示すように、第1制御電極構造RE1は、第1遮光領域LSA1に位置した第1給電配線CL1と、第1遮光領域LSA1及び第1範囲TA1aに位置した第1制御電極RL1と、を有している。第1給電配線CL1は、第1配線WL1を含んでいる。本第3の実施形態において、第1配線WL1及び第1制御電極RL1は、一体に形成されている。
【0213】
第2制御電極構造RE2は、第1遮光領域LSA1に位置した第2給電配線CL2と、第1遮光領域LSA1及び第2範囲TA1bに位置した第2制御電極RL2と、を有している。第2給電配線CL2は、第2配線WL2を含んでいる。本第3の実施形態において、第2配線WL2及び第2制御電極RL2は、一体に形成されている。
【0214】
第3制御電極構造RE3は、第2遮光領域LSA2に位置した第3給電配線CL3と、第2遮光領域LSA2及び第3範囲TA2aに位置した第3制御電極RL3と、を有している。第3給電配線CL3は、第3配線WL3を含んでいる。
第4制御電極構造RE4は、第2遮光領域LSA2に位置した第4給電配線CL4と、第2遮光領域LSA2及び第4範囲TA2bに位置した第4制御電極RL4と、を有している。第4給電配線CL4は、第4配線WL4を含んでいる。
【0215】
第5制御電極構造RE5は、第3遮光領域LSA3に位置した第5給電配線CL5と、第3遮光領域LSA3及び第5範囲TA3aに位置した第5制御電極RL5と、を有している。第5給電配線CL5は、第5配線WL5を含んでいる。本第3の実施形態において、第5配線WL5及び第5制御電極RL5は、一体に形成されている。
【0216】
第6制御電極構造RE6は、第3遮光領域LSA3に位置した第6給電配線CL6と、第3遮光領域LSA3及び第6範囲TA3bに位置した第6制御電極RL6と、を有している。第6給電配線CL6は、第6配線WL6を含んでいる。本第3の実施形態において、第6配線WL6及び第6制御電極RL6は、一体に形成されている。
【0217】
なお、本第3の実施形態において、第1制御電極構造RE1、第3制御電極構造RE3、及び第5制御電極構造RE5は、絶縁層13と配向膜AL1との間に位置している。第2制御電極構造RE2、第4制御電極構造RE4、及び第6制御電極構造RE6は、絶縁層12と絶縁層13との間に位置している。
【0218】
図33は、本第3の実施形態に係る第2基板SUB2の対向電極OE及び引き回し配線Loを示す平面図である。図33及び図31に示すように、対向電極OEは、入射光制御領域PCAに位置している。対向電極OEは、第1遮光領域LSA1に位置した対向給電配線CLoと、入射光制御領域PCAに位置した対向電極本体OMと、を有している。対向給電配線CLoは、円環の形状を持つ対向配線WLoを含んでいる。本第3の実施形態において、対向配線WLo及び対向電極本体OMは、ITO等の透明な導電材料で形成されている。
【0219】
対向電極本体OMは、複数の線状対向電極OMLを含んでいる。複数の線状対向電極OMLは、入射光制御領域PCAに位置し、対向配線WLoに電気的に接続され、第3延在方向d3に直線状に延在し、第3延在方向d3に直交する直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。
【0220】
本第3の実施形態において、対向配線WLo及び線状対向電極OMLは、一体に形成されている。また、第3延在方向d3は方向Xと同一方向を向き、直交方向dc3は方向Yと同一方向を向いている。上記のことから、対向電極OEは、第3延在方向d3に延在し直交方向dc3に間隔を置いて並んだ複数のスリットOSを有する電極である。
【0221】
入射光制御領域PCAにおいて引き回し配線Loは、第1延在方向d1に延在している。引き回し配線Loは、金属で形成され、対向配線WLoに電気的に接続されている。引き回し配線Loは、表示領域DAにおいて一の遮光部(BMA2)で覆われた領域を延在している。但し、引き回し配線Loは、表示領域DAにおいて、遮光部BMA1及び遮光部BMA2の少なくとも一を延在していればよい。
【0222】
なお、対向給電配線CLo及び引き回し配線Loは、それぞれ、透明な導電層及び金属層の積層体で構成されてもよい。
ここで、引き回し配線Loを介して対向電極OEに印加される電圧を対向電圧とする。なお、対向電極(第2共通電極)OEに印加される電圧を共通電圧と称する場合もある。
【0223】
図34は、本第3の実施形態の複数の第1制御電極RL1、複数の第2制御電極RL2、及び複数の線状対向電極OMLを示す平面図である。
図34に示すように、複数の第1制御電極RL1は、第1遮光領域LSA1及び第1範囲TA1aに位置し、第1配線WL1に電気的に接続され、第3延在方向d3に直線状に延在し、直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。複数の第2制御電極RL2は、第1遮光領域LSA1及び第2範囲TA1bに位置し、第2配線WL2に電気的に接続され、第3延在方向d3に直線状に延在し、直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。
第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2は、第1領域A1と第2領域A2とを分ける上記直径に沿った辺を持つストライプ形状部を有している。
【0224】
図35は、図34の線XXXV-XXXVに沿った液晶パネルPNLを示す断面図であり、絶縁基板10,20、複数の第1制御電極RL1、複数の第2制御電極RL2、複数の線状対向電極OML、及び第1制御液晶層LC1を示す図である。なお、図35では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0225】
図35に示すように、隣合う一対の第1制御電極RL1の第1隙間SC1は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。隣合う一対の第2制御電極RL2の第2隙間SC2は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。隣合う第1制御電極RL1と第2制御電極RL2との第3隙間SC3は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。隣合う一対の線状対向電極OMLの第4隙間SC4は、対応する一の第1制御電極RL1又は対応する一の第2制御電極RL2と対向している。
【0226】
直交方向dc3において、第1制御電極RL1の幅WD1及び第2制御電極RL2の幅WD2はそれぞれ390μmであり、第1隙間SC1、第2隙間SC2、及び第3隙間SC3はそれぞれ10μmである。また、直交方向dc3において、線状対向電極OMLの幅WDoは390μmであり、第4隙間SC4は10μmである。
なお、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2の直交方向dc3のピッチ、並びに線状対向電極OMLのピッチは、上記第1の実施形態(図10)のように、それぞれランダムに設定されてもよい。
【0227】
第1制御電極構造RE1、第2制御電極構造RE2、及び対向電極OEが第1条件(絞りDPを開くための条件)で駆動された際、液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1を透過状態に設定する。第1制御電極構造RE1に印加する第1制御電圧及び第2制御電極構造RE2に印加する第2制御電圧は、それぞれ対向電極OEに印加する対向電圧と同一である。
【0228】
一方、第1制御電極構造RE1、第2制御電極構造RE2、及び対向電極OEが、第3条件(絞りDPを絞るための条件)、第2条件(絞りDPをさらに絞るための条件)、及び第4条件(絞りDPを閉じるための条件)で駆動された際、液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1を非透過状態に設定する。
第1制御液晶層LC1を駆動する期間のうち一部の期間に注目すると、第1制御電圧及び第2制御電圧の一方の制御電圧は、対向電圧より正となる。その期間、第1制御電圧及び第2制御電圧の他方の制御電圧は、対向電圧より負となる。対向電圧に対して、第1制御電圧の極性と第2制御電圧の極性とは異なる。
【0229】
そのため、第1制御電極構造RE1と対向電極OEとの間に生じ第1制御液晶層LC1に印加される電圧の極性と、第2制御電極構造RE2と対向電極OEとの間に生じ第1制御液晶層LC1に印加される電圧の極性とは、互いに異なる。第1制御電極構造RE1の電位変動に起因した対向電極OEの電位変動の影響と、第2制御電極構造RE2の電位変動に起因した対向電極OEの電位変動の影響とは、互いに打ち消し合うこととなる。これにより、対向電極OEの不所望な電位変動を抑制することができる。
【0230】
本第3の実施形態において、対向電圧と第1制御電圧との差の絶対値と、対向電圧と第2制御電圧との差の絶対値とは、同一である。そのため、対向電極OEの不所望な電位変動を、一層、抑制することができる。
なお、本第3の実施形態と異なり、対向電圧に対する第1制御電圧及び第2制御電圧のそれぞれの極性が同一である場合、対向電極OEの不所望な電位変動を招くため、望ましくない。
【0231】
上記のように、第2乃至第4条件で第1制御液晶層LC1を駆動する期間、第1制御電圧の極性と、第2制御電圧の極性とを、対向電圧を基準として反転する極性反転駆動を行ってもよい。上記の期間、対向電圧は、定電圧である。
【0232】
また、第1隙間SC1、第2隙間SC2、及び第3隙間SC3の各々と、線状対向電極OMLと、の位置関係は上述した通りである。第4隙間SC4と、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2の各々と、の位置関係は上述した通りである。第2乃至第4条件で第1制御液晶層LC1を駆動する期間、第1制御電極RL1と線状対向電極OMLとの間に斜め電界を発生させたり、第2制御電極RL2と線状対向電極OMLとの間に斜め電界を発生させたり、することができる。そのため、上記電界が方向Zに平行な場合と比較して、第1制御液晶層LC1の液晶分子の立ち上がる方向を、一層、制御することができる。なお、図中、上記電界を、破線で示している。
【0233】
図36は、本第3の実施形態の第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4を示す平面図である。
図36に示すように、第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4は、それぞれ、第3延在方向d3に平行な辺を有する半円状の形状を持っている。第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4の上記辺は、第1領域A1と第2領域A2とを分ける上記直径に沿っている。第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4は、直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。
図36及び図32に示すように、第3配線WL3の内径は、第6配線WL6の内径より小さい。第4配線WL4の内径は、第3配線WL3の内径より小さい。
【0234】
図37は、図36の線XXXVII-XXXVIIに沿った液晶パネルPNLを示す断面図であり、絶縁基板10,20、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、線状対向電極OML、及び第2制御液晶層LC2を示す図である。なお、図37では、説明に必要な構成のみを図示している。
図37に示すように、隣合う第3制御電極RL3と第4制御電極RL4との第5隙間SC5は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。第5隙間SC5は、上記第3隙間SC3と第3延在方向d3に揃っている(図32及び図35)。
【0235】
第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、及び対向電極OEが第1条件、第2条件、及び第3条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2を透過状態に設定する。第3制御電極構造RE3に印加する第3制御電圧及び第4制御電極構造RE4に印加する第4制御電圧は、それぞれ対向電極OEに印加する対向電圧と同一である。
【0236】
一方、第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、及び対向電極OEが、第4条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2を非透過状態に設定する。
【0237】
第2制御液晶層LC2を駆動する期間のうち一部の期間に注目すると、第3制御電圧及び第4制御電圧の一方の制御電圧は、対向電圧より正となる。その期間、第3制御電圧及び第4制御電圧の他方の制御電圧は、対向電圧より負となる。
【0238】
そのため、第3制御電極構造RE3と対向電極OEとの間に生じ第2制御液晶層LC2に印加される電圧の極性と、第4制御電極構造RE4と対向電極OEとの間に生じ第2制御液晶層LC2に印加される電圧の極性とは、互いに異なる。本第3の実施形態において、対向電圧と第3制御電圧との差の絶対値と、対向電圧と第4制御電圧との差の絶対値とは、同一である。
なお、本第3の実施形態と異なり、対向電圧に対する第3制御電圧及び第4制御電圧のそれぞれの極性が同一である場合、対向電極OEの不所望な電位変動を招くため、望ましくない。
【0239】
上記のように、第4条件で第2制御液晶層LC2を駆動する期間、第3制御電圧の極性と、第4制御電圧の極性とを、対向電圧を基準として反転する極性反転駆動を行ってもよい。上記の期間、対向電圧は、定電圧である。また、第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4を第1条件で駆動する際、第3制御電極構造RE3及び第4制御電極構造RE4の極性反転駆動を、第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2の極性反転駆動と同期して行ってもよい。
【0240】
また、第5隙間SC5と、線状対向電極OMLと、の位置関係は上述した通りである。そのため、第3制御電極RL3と線状対向電極OMLとの間に生じる電界、及び第4制御電極RL4と線状対向電極OMLとの間に生じる電界が方向Zに平行な場合と比較して、第2制御液晶層LC2の液晶分子の立ち上がる方向を、一層、制御することができる。
【0241】
図38は、本第3の実施形態の第5制御電極構造RE5及び第6制御電極構造RE6を示す平面図である。
図38に示すように、複数の第5制御電極RL5は、第3遮光領域LSA3及び第5範囲TA3aに位置し、第5配線WL5に電気的に接続され、第3延在方向d3に直線状に延在し、直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。複数の第6制御電極RL6は、第1遮光領域LSA1及び第6範囲TA3bに位置し、第6配線WL6に電気的に接続され、第3延在方向d3に直線状に延在し、直交方向dc3に間隔を置いて並べられている。
第5配線WL5及び第6制御電極RL6は、第1領域A1と第2領域A2とを分ける上記直径に沿った辺を持つストライプ形状部を有している。
【0242】
図39は、図38の線XXXIX-XXXIXに沿った液晶パネルPNLを示す断面図であり、絶縁基板10,20、複数の第5制御電極RL5、複数の第6制御電極RL6、複数の線状対向電極OML、及び第3制御液晶層LC3を示す図である。なお、図39では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0243】
図39に示すように、隣合う一対の第5制御電極RL5の第6隙間SC6は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。隣合う一対の第6制御電極RL6の第7隙間SC7は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。隣合う第5制御電極RL5と第6制御電極RL6との第8隙間SC8は、対応する一の線状対向電極OMLと対向している。第4隙間SC4は、対応する一の第5制御電極RL5又は対応する一の第6制御電極RL6と対向している。
【0244】
第8隙間SC8は、上記第3隙間SC3及び上記第5隙間SC5と第3延在方向d3に揃っている(図32図35、及び図37)。第6隙間SC6は、上記第2隙間SC2と第3延在方向d3に揃っている(図32及び図35)。第7隙間SC7は、上記第1隙間SC1と第3延在方向d3に揃っている(図32及び図35)。
【0245】
直交方向dc3において、第5制御電極RL5の幅WD5及び第6制御電極RL6の幅WD6はそれぞれ390μmであり、第6隙間SC6、第7隙間SC7、及び第8隙間SC8はそれぞれ10μmである。
なお、第5制御電極RL5及び第6制御電極RL6の直交方向dc3のピッチは、上記第1の実施形態(図10)のように、それぞれランダムに設定されてもよい。
【0246】
第5制御電極構造RE5、第6制御電極構造RE6、及び対向電極OEが第1条件及び第3条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第3入射光制御領域TA3を透過状態に設定する。第5制御電極構造RE5に印加する第5制御電圧及び第6制御電極構造RE6に印加する第6制御電圧は、それぞれ対向電極OEに印加する対向電圧と同一である。
【0247】
一方、第5制御電極構造RE5、第6制御電極構造RE6、及び対向電極OEが、第2条件及び第4条件で駆動された際、液晶パネルPNLは、第3入射光制御領域TA3を非透過状態に設定する。
第3制御液晶層LC3を駆動する期間のうち一部の期間に注目すると、第5制御電圧及び第6制御電圧の一方の制御電圧は、対向電圧より正となる。その期間、第5制御電圧及び第6制御電圧の他方の制御電圧は、対向電圧より負となる。
【0248】
そのため、第5制御電極構造RE5と対向電極OEとの間に生じ第3制御液晶層LC3に印加される電圧の極性と、第6制御電極構造RE6と対向電極OEとの間に生じ第3制御液晶層LC3に印加される電圧の極性とは、互いに異なる。本第3の実施形態において、対向電圧と第5制御電圧との差の絶対値と、対向電圧と第6制御電圧との差の絶対値とは、同一である。
なお、本第3の実施形態と異なり、対向電圧に対する第5制御電圧及び第6制御電圧のそれぞれの極性が同一である場合、対向電極OEの不所望な電位変動を招くため、望ましくない。
【0249】
上記のように、第2条件及び第4条件で第3制御液晶層LC3を駆動する期間、第5制御電圧の極性と、第6制御電圧の極性とを、対向電圧を基準として反転する極性反転駆動を行ってもよい。上記の期間、対向電圧は、定電圧である。また、第5制御電極構造RE5及び第6制御電極構造RE6を第2条件及び第4条件で駆動する際、第5制御電極構造RE5及び第6制御電極構造RE6の極性反転駆動を、第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2の極性反転駆動と同期して行ってもよい。
【0250】
また、第6隙間SC6、第7隙間SC7、及び第8隙間SC8の各々と、線状対向電極OMLと、の位置関係は上述した通りである。そのため、第5制御電極RL5と線状対向電極OMLとの間に生じる電界、及び第6制御電極RL6と線状対向電極OMLとの間に生じる電界が方向Zに平行な場合と比較して、第3制御液晶層LC3の液晶分子の立ち上がる方向を、一層、制御することができる。
【0251】
上記のように構成された第3の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、入射光制御領域PCAの光透過領域を制御可能な液晶表示装置DSP及び電子機器100を得ることができる。また、良好に撮影することが可能である電子機器100を得ることができる。
【0252】
(第4の実施形態)
次に、本第4の実施形態について説明する。電子機器100は、本第4の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図40は、本第4の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2を示す平面図である。第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2は、同一の導電層で形成されている。なお、図40では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0253】
図40に示すように、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2は、それぞれ、ITO等の透明な導電材料で形成されている。絶縁層13は、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2のうちの一以上の導体と、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2のうちの残りの導体と、で挟まれている(図10)。
【0254】
上記一以上の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの一方の電極と同一層に設けられ、上記一方の電極と同一材料で形成されている(図7)。上記残りの導体は、画素電極PE及び共通電極CEの他方の電極と同一層に設けられ、上記他方の電極と同一材料で形成されている(図7)。
本第4の実施形態において、絶縁層13は、第1配線WL1及び第2配線WL2の配線群と、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2の電極群と、で挟まれている(図10)。言い換えると、配線WLと制御電極RLとは、絶縁層13を挟んで異なる層に形成されている。
【0255】
第1配線WL1及び第2配線WL2は、共通電極CEと同一層に設けられ、共通電極CEと同一の透明な導電材料で形成され、互いに隙間を置いて配置されている(図7)。第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2は、画素電極PEと同一層に設けられ、画素電極PEと同一の透明な導電材料で形成され、直交方向dc1にて互いに隙間を置いて配置されている(図7)。上記のことから、第1制御電極RL1、第2制御電極RL2、及び画素電極PEは、第1の導電層(透明導電層)で形成されている。第1配線WL1、第2配線WL2、及び共通電極CEは、第2の導電層(透明導電層)で形成されている。
【0256】
第1制御電極構造RE1は、一以上の第1金属層ME1をさらに有している。第1金属層ME1は、第1遮光領域LSA1に位置し、第1配線WL1に接し、第1配線WL1とともに第1給電配線CL1を構成している。第1金属層ME1は、第1給電配線CL1の低抵抗化に寄与している。
【0257】
第2制御電極構造RE2は、一以上の第2金属層ME2をさらに有している。第2金属層ME2は、第1遮光領域LSA1に位置し、第2配線WL2に接し、第2配線WL2とともに第2給電配線CL2を構成している。第2金属層ME2は、第2給電配線CL2の低抵抗化に寄与している。
なお、本第4の実施形態において、上記第1金属層ME1及び第2金属層ME2は、金属層MLと同一層に設けられ、金属層MLと同一の金属材料で形成されている。
【0258】
第1制御電極RL1は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho1を通り、第1配線WL1にコンタクトしている。第2制御電極RL2は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho2を通り、第2配線WL2にコンタクトしている。第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2は、直交方向dc1に交互に配置されている。第1制御電極RL1は、第2配線WL2と交差して第1延在方向d1に延在している。
【0259】
直交方向dc1において、第1制御電極RL1の幅WT1は2μmであり、第2制御電極RL2の幅WT2は2μmであり、複数の隙間SFは、一定ではない。ここで、上記隙間SFは、第1制御電極RL1と第2制御電極RL2との隙間を言い、第1入射光制御領域TA1においてランダムに変化している。
【0260】
例えば、隙間SFは、8μmを中心にして0.25μm単位でランダムに変化している。そして、直交方向dc1に並ぶ隙間SFは、7.75μm、6.25μm、10.25μm、8.75μm、7.25μm、5.75μm、6.75μm、9.25μm、8.25μm、9.75μmと順に変化している。
【0261】
第1制御電極RL1と第2制御電極RL2とのピッチは、一定でもよいが、本第4の実施形態のように、ランダムに設定されている方が望ましい。これにより、上記ピッチを一定にした場合に生じる光の回折及び干渉の発生を防止することができる。なお、隙間SFは、8μmから18μmまでを中心にして0.25μm単位でランダムに変化させてもよい。
【0262】
上記のように図40を用いて第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2について説明したが、図40を用いて説明した技術は、第5制御電極構造RE5及び第6制御電極構造RE6にも適用可能である。
【0263】
図41は、本第4の実施形態に係る第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5制御電極RL5、第6制御電極RL6、第3引き回し配線L3、及び第4引き回し配線L4を示す平面図である。
【0264】
図41に示すように、液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2においても、IPSモードに対応した構成を有している。
第3制御電極構造RE3は、第3給電配線CL3と、第3制御電極RL3と、を有している。
【0265】
第3給電配線CL3は、第2遮光領域LSA2に位置し、円環の形状を持つ第3配線WL3と、第3金属層ME3と、を含んでいる(図8)。本第4の実施形態において、第3配線WL3は、C形の形状を持ち、第4引き回し配線L4が通る領域において分断して形成されている。第3金属層ME3は、第2遮光領域LSA2に位置し、第3配線WL3に接し、第3配線WL3とともに第3給電配線CL3を構成している。第3金属層ME3は、第3給電配線CL3の低抵抗化に寄与している。
【0266】
複数の第3制御電極RL3は、第2遮光領域LSA2及び第2入射光制御領域TA2に位置し、第3配線WL3に電気的に接続され、第1延在方向d1に直線状に延在し、直交方向dc1に間隔を置いて並べられている(図8)。
【0267】
複数の第3制御電極RL3は、両端部で第3配線WL3と接続されている。しかしながら、複数の第3制御電極RL3は、一方の端部で第3配線WL3と接続し、他方の端部は第3配線WL3と接続しない第3制御電極RL3を有してもよい。
【0268】
第4制御電極構造RE4は、第4給電配線CL4と、第4制御電極RL4と、を有している。
第4給電配線CL4は、第2遮光領域LSA2に位置し、円環の形状を持つ第4配線WL4と、第4金属層ME4と、を含んでいる(図8)。第4配線WL4は、第3配線WL3に隣接している。本第4の実施形態において、第4配線WL4は、第3配線WL3より内側に位置しているが、第3配線WL3より外側に位置してもよい。第4金属層ME4は、第2遮光領域LSA2に位置し、第4配線WL4に接し、第4配線WL4とともに第4給電配線CL4を構成している。第4金属層ME4は、第4給電配線CL4の低抵抗化に寄与している。
【0269】
複数の第4制御電極RL4は、第2遮光領域LSA2及び第2入射光制御領域TA2に位置し、第4配線WL4に電気的に接続され、第1延在方向d1に直線状に延在し、直交方向dc1に間隔を置いて並べられている(図8)。
複数の第4制御電極RL4は、両端部で第4配線WL4と接続されている。しかしながら、複数の第4制御電極RL4は、一方の端部で第4配線WL4と接続し、他方の端部は第4配線WL4と接続しない第4制御電極RL4を有してもよい。
【0270】
第3制御電極RL3は、第4配線WL4と交差している。複数の第3制御電極RL3と、複数の第4制御電極RL4とは、直交方向dc1に交互に並べられている。第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4は、それぞれ、ITO等の透明な導電材料で形成されている。絶縁層13は、第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4のうちの一以上の導体と、第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4のうちの残りの導体と、で挟まれている(図10)。
【0271】
上記一以上の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの一方の電極と同一層に設けられ、上記一方の電極と同一材料で形成されている(図7)。上記残りの導体は、画素電極PE及び共通電極CEの他方の電極と同一層に設けられ、上記他方の電極と同一材料で形成されている(図7)。
本第4の実施形態において、絶縁層13は、第3配線WL3及び第4配線WL4の配線群と、第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4の電極群と、で挟まれている(図10)。
【0272】
第3配線WL3及び第4配線WL4は、共通電極CEと同一層に設けられ、共通電極CEと同一の透明な導電材料で形成され、互いに隙間を置いて配置されている(図7)。第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4は、画素電極PEと同一層に設けられ、画素電極PEと同一の透明な導電材料で形成されている(図7)。
第3制御電極RL3は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho3を通り、第3配線WL3にコンタクトしている。第4制御電極RL4は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho4を通り、第4配線WL4にコンタクトしている。
【0273】
なお、本第4の実施形態において、第2遮光部BM2の内径DI4は、200μmである(図8)。直交方向dc1において、複数の第3制御電極RL3及び複数の第4制御電極RL4は、10μmを中心としたランダムなピッチで並べられている。
本第4の実施形態において、第3引き回し配線L3及び第4引き回し配線L4は、透明な導電層及び金属層の積層体で構成されている。
【0274】
上記のように構成された第4の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、入射光制御領域PCAの光透過領域を制御可能な液晶表示装置DSP及び電子機器100を得ることができる。また、良好に撮影することが可能である電子機器100を得ることができる。
【0275】
(第5の実施形態)
次に、本第5の実施形態について説明する。電子機器100は、本第5の実施形態で説明する構成以外、上記第3の実施形態(図32)と同様に構成されている。図42は、本第5の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2を示す平面図である。ここでは、図32に示す縦電界モードの電極構造における、第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2の接続部について説明する。なお、図42では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0276】
図42に示すように、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2は、それぞれ、ITO等の透明な導電材料で形成されている。絶縁層13は、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2のうちの一以上の導体と、第1配線WL1、第1制御電極RL1、第2配線WL2、及び第2制御電極RL2のうちの残りの導体と、で挟まれている(図10)。
【0277】
上記一以上の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの一方の電極と同一層に設けられ、上記一方の電極と同一材料で形成されている(図7)。上記残りの導体は、画素電極PE及び共通電極CEの他方の電極と同一層に設けられ、上記他方の電極と同一材料で形成されている(図7)。
本第5の実施形態において、絶縁層13は、第1配線WL1及び第2配線WL2の配線群と、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2の電極群と、で挟まれている(図10)。
【0278】
第1配線WL1及び第2配線WL2は、図7に示す画素PXに設けられる共通電極CEと同一層に設けられ、共通電極CEと同一の透明な導電材料で形成され、互いに隙間を置いて配置されている(図7)。第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2は、画素電極PEと同一層に設けられ、画素電極PEと同一の透明な導電材料で形成され、直交方向dc3にて互いに隙間を置いて配置されている(図7)。
【0279】
第1制御電極構造RE1は、一以上の第1金属層ME1をさらに有している。第1金属層ME1は、第1遮光領域LSA1に位置し、第1配線WL1に接し、第1配線WL1とともに第1給電配線CL1を構成している(図31)。第1金属層ME1は、第1給電配線CL1の低抵抗化に寄与している。
【0280】
第2制御電極構造RE2は、一以上の第2金属層ME2をさらに有している。第2金属層ME2は、第1遮光領域LSA1に位置し、第2配線WL2に接し、第2配線WL2とともに第2給電配線CL2を構成している(図31)。第2金属層ME2は、第2給電配線CL2の低抵抗化に寄与している。
なお、本第5の実施形態において、上記第1金属層ME1及び第2金属層ME2は、金属層MLと同一層に設けられ、金属層MLと同一の金属材料で形成されている。
【0281】
第1制御電極RL1は、第1範囲TA1aに位置し、第2配線WL2と交差し、第3延在方向d3に延在している。第2制御電極RL2は、第2範囲TA1bに位置し、第3延在方向d3に延在している。
第1制御電極RL1は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho1を通り、第1配線WL1にコンタクトしている。第2制御電極RL2は、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho2を通り、第2配線WL2にコンタクトしている。本第5の実施形態において、第1制御電極RL1及び第2制御電極RL2は、それぞれ2個所で対応する配線WLにコンタクトしている。
【0282】
なお、第1給電配線CL1に第1金属層ME1を含み、第2給電配線CL2に第2金属層ME2を含む場合を説明したが、制御電極構造RE及び引き回し配線Lを遮光層BMで覆わない場合などは、第1給電配線CL1、第2給電配線CL2、及び引き回し配線Lを透明な導電層のみで形成することも可能である。
【0283】
上記のように図42を用いて第1制御電極構造RE1及び第2制御電極構造RE2について説明したが、図42を用いて説明した技術は、第5制御電極構造RE5及び第6制御電極構造RE6にも適用可能である。
【0284】
図43は、本第5の実施形態に係る第3制御電極構造RE3、第4制御電極構造RE4、第5制御電極構造RE5、第6制御電極構造RE6、第3引き回し配線L3、及び第4引き回し配線L4を示す平面図である。
図43に示すように、液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2においても、縦電界モードに対応した構成を有している。
【0285】
第3制御電極構造RE3は、第3給電配線CL3と、第3制御電極RL3と、を有している。
第3給電配線CL3は、第2遮光領域LSA2に位置し、円環の形状を持つ第3配線WL3と、第3金属層ME3と、を含んでいる(図31)。本第5の実施形態において、第3配線WL3は、C形の形状を持ち、第4引き回し配線L4が通る領域において分断して形成されている。第3金属層ME3は、第2遮光領域LSA2に位置し、第3配線WL3に接し、第3配線WL3とともに第3給電配線CL3を構成している。第3金属層ME3は、第3給電配線CL3の低抵抗化に寄与している。第3制御電極RL3は、第2遮光領域LSA2及び第3範囲TA2aに位置し、第3配線WL3に電気的に接続されている(図31)。
【0286】
第4制御電極構造RE4は、第4給電配線CL4と、第4制御電極RL4と、を有している。
第4給電配線CL4は、第2遮光領域LSA2に位置し、円環の形状を持つ第4配線WL4と、第4金属層ME4と、を含んでいる(図31)。本第5の実施形態において、第4配線WL4は、第3配線WL3より内側に位置しているが、第3配線WL3より外側に位置してもよい。第4金属層ME4は、第2遮光領域LSA2に位置し、第4配線WL4に接し、第4配線WL4とともに第4給電配線CL4を構成している。第4金属層ME4は、第4給電配線CL4の低抵抗化に寄与している。第4制御電極RL4は、第2遮光領域LSA2及び第4範囲TA2bに位置し、第4配線WL4に電気的に接続されている(図31)。
【0287】
第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4は、それぞれ、ITO等の透明な導電材料で形成されている。絶縁層13は、第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4のうちの一以上の導体と、第3配線WL3、第3制御電極RL3、第4配線WL4、及び第4制御電極RL4のうちの残りの導体と、で挟まれている(図10)。
【0288】
上記一以上の導体は、画素電極PE及び共通電極CEの一方の電極と同一層に設けられ、上記一方の電極と同一材料で形成されている(図7)。上記残りの導体は、画素電極PE及び共通電極CEの他方の電極と同一層に設けられ、上記他方の電極と同一材料で形成されている(図7)。
本第5の実施形態において、絶縁層13は、第3配線WL3及び第4配線WL4の配線群と、第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4の電極群と、で挟まれている(図10)。
【0289】
第3配線WL3及び第4配線WL4は、共通電極CEと同一層に設けられ、共通電極CEと同一の透明な導電材料で形成され、互いに隙間を置いて配置されている(図7)。第3制御電極RL3及び第4制御電極RL4は、画素電極PEと同一層に設けられ、画素電極PEと同一の透明な導電材料で形成されている(図7)。
【0290】
なお、本第5の実施形態において、第2遮光部BM2の内径(DI4)は、200μmである。図42に示した幅WD1及び幅WD2は、上述したように実質的に400μmである。そのため、第3範囲TA2aにおいて、第3制御電極RL3は、分断されたり、スリットを有したり、していない。同様に、第4範囲TA2bにおいて、第4制御電極RL4は、分断されたり、スリットを有したり、していない。
【0291】
第3制御電極RL3は、延出部RL3aを有している。本第5の実施形態において、第3制御電極RL3は、複数の延出部RL3aを有している。各々の延出部RL3aは、第4配線WL4と交差し、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho3を通り、第3配線WL3にコンタクトしている。
第4制御電極RL4は、延出部RL4aを有している。本第5の実施形態において、第4制御電極RL4は、複数の延出部RL4aを有している。各々の延出部RL4aは、絶縁層13に形成されたコンタクトホールho4を通り、第4配線WL4にコンタクトしている。
本第5の実施形態において、第3引き回し配線L3及び第4引き回し配線L4は、透明な導電層及び金属層の積層体で構成されている。
【0292】
上記のように構成された第5の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、入射光制御領域PCAの光透過領域を制御可能な液晶表示装置DSP及び電子機器100を得ることができる。また、良好に撮影することが可能である電子機器100を得ることができる。
【0293】
(第6の実施形態)
次に、本第6の実施形態について説明する。電子機器100は、本第6の実施形態で説明する構成以外、上記第3の実施形態(図30)と同様に構成されている。図44は、本第6の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLを示す平面図である。なお、図44では、説明に必要な構成のみを図示している。
【0294】
図44に示すように、非表示領域NDAは、第1基板SUB1の延出部Exが位置する領域を含む第1非表示領域NDA1と、表示領域DAを挟んで第1非表示領域NDA1の反対側に位置した第2非表示領域NDA2と、第1非表示領域NDA1と第2非表示領域NDA2との間に位置した第3非表示領域NDA3と、表示領域DAを挟んで第3非表示領域NDA3の反対側に位置した第4非表示領域NDA4と、を有している。
本第6の実施形態において、図中、第1非表示領域NDA1は下側に位置し、第2非表示領域NDA2は上側に位置し、第3非表示領域NDA3は右側に位置し、第4非表示領域NDA4は左側に位置している。
【0295】
第1基板SUB1は、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、第4パッドPD4、第5パッドPD5、第6パッドPD6、第7パッドPD7などを含む複数のパッドPDをさらに有している。これらのパッドPDは、第1基板SUB1の第1非表示領域NDA1のうち延出部Exに位置し、方向Xに揃っている。
【0296】
第1引き回し配線L1、第2引き回し配線L2、第3引き回し配線L3、第4引き回し配線L4、第5引き回し配線L5、及び第6引き回し配線L6は、入射光制御領域PCA、表示領域DA、及び非表示領域NDAを延在している。本第6の実施形態において、絞りDP(入射光制御領域PCA)は、第1乃至第4非表示領域NDA1乃至NDA4のうち第2非表示領域NDA2の近傍の位置に設けられている。そのため、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、表示領域DAを延在する距離が、極力、短くなるように、表示領域DAを迂回し、非表示領域NDAを延在している。
【0297】
ここで、制御電極構造REとパッド(接続端子)PDとの接続関係について説明する。 図44及び図32に示すように、第1引き回し配線L1は、第1入射光制御領域TA1に位置した第1制御電極構造RE1を第1パッドPD1に電気的に接続している。第2引き回し配線L2は、第1入射光制御領域TA1に位置した第2制御電極構造RE2を第2パッドPD2に電気的に接続している。
【0298】
第3引き回し配線L3は、第2入射光制御領域TA2に位置した第3制御電極構造RE3を第3パッドPD3に電気的に接続している。第4引き回し配線L4は、第2入射光制御領域TA2に位置した第4制御電極構造RE4を第4パッドPD4に電気的に接続している。
第5引き回し配線L5は、第3入射光制御領域TA3に位置した第5制御電極構造RE5を第5パッドPD5に電気的に接続している。第6引き回し配線L6は、第3入射光制御領域TA3に位置した第6制御電極構造RE6を第6パッドPD6に電気的に接続している。
【0299】
本第6の実施形態において、第1引き回し配線L1、第3引き回し配線L3、及び第6引き回し配線L6は、それぞれ、第2非表示領域NDA2、第3非表示領域NDA3、及び第1非表示領域NDA1を延在している。第2引き回し配線L2、第4引き回し配線L4、及び第5引き回し配線L5は、それぞれ、第2非表示領域NDA2、第4非表示領域NDA4、及び第1非表示領域NDA1を延在している。
【0300】
入射光制御領域PCAにおいて、第3引き回し配線L3及び第4引き回し配線L4は、第5引き回し配線L5及び第6引き回し配線L6で挟まれている。第5引き回し配線L5及び第6引き回し配線L6は、第1引き回し配線L1及び第2引き回し配線L2で挟まれている。
【0301】
第2非表示領域NDA2、第3非表示領域NDA3、及び第1非表示領域NDA1において、第1引き回し配線L1は第6引き回し配線L6より表示領域DA側に位置し、第6引き回し配線L6は第3引き回し配線L3より表示領域DA側に位置している。
第2非表示領域NDA2、第4非表示領域NDA4、及び第1非表示領域NDA1において、第2引き回し配線L2は第5引き回し配線L5より表示領域DA側に位置し、第5引き回し配線L5は第4引き回し配線L4より表示領域DA側に位置している。
【0302】
上述した第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6の各々において、非表示領域NDAから入射光制御領域PCAの間の表示領域DAに位置する部分を引き回し配線と称し、非表示領域NDAに位置する部分を周辺配線と称する場合がある。その場合、上記引き回し配線は、対応する配線WLを介して対応する制御電極RLに接続される。また、上記周辺配線は、非表示領域NDAにて対応するパッドPDから対応する上記引き回し配線までの間を延在し、対応するパッドPDと対応する上記引き回し配線とに接続されている。
【0303】
なお、絞りDP(入射光制御領域PCA)は、第2非表示領域NDA2の近傍の位置に設けられていなくともよい。例えば、絞りDP(入射光制御領域PCA)は、第1乃至第4非表示領域NDA1乃至NDA4のうち第3非表示領域NDA3の近傍の位置に設けられてもよい。その場合、第1乃至第6引き回し配線L1乃至L6は、非表示領域NDAのうち、第3非表示領域NDA3及び第1非表示領域NDA1のみを延在してもよい。
【0304】
上記のように、本第6の実施形態では、制御電極構造REに電圧を与えるために引き回し配線Lを用いているが、液晶パネルPNLは、制御電極構造REに電圧を与えることができればよく、引き回し配線L無しに構成されてもよい。例えば、複数の信号線S(図3)のうちのいくつかの信号線Sを用いて制御電極構造REとICチップ6とを電気的に接続し、制御電極構造RE専用の信号線Sを介して制御電極構造REを駆動してもよい。
【0305】
第1基板SUB1は、非表示領域NDAに位置した第8パッドPD8と、非表示領域NDAに位置し第8パッドPD8を第7パッドPD7に電気的に接続した接続配線COと、をさらに有している。第2基板SUB2は、非表示領域NDAに位置し第8パッドPD8に重なった第9パッドPD9をさらに有している。第9パッドPD9には、引き回し配線Loが電気的に接続されている(図33)。
【0306】
例えば、引き回し配線Loは、第2引き回し配線L2等と同様に、第2非表示領域NDA2、第4非表示領域NDA4、及び第1非表示領域NDA1を延在し、対向電極OEを第9パッドPD9に電気的に接続している。第8パッドPD8と第9パッドPD9とは、図示しない導電部材により電気的に接続されている。これにより、第7パッドPD7、接続配線CO、第8パッドPD8、第9パッドPD9、引き回し配線Lo等を介して対向電極OEに対向電圧を印加することができる。
【0307】
ここで、対向電極OEに印加する対向電圧と、第1乃至第6制御電極構造RE1乃至RE6に印加する第1乃至第6制御電圧と、の関係について説明する。
図44図35図37、及び図39に示すように、上記第1条件において、第1乃至第6制御電圧は、それぞれ対向電圧と同一である。例えば、上記第1条件における任意の期間において、第1乃至第6制御電圧、及び対向電圧は、それぞれ0Vである。液晶パネルPNLは、第1乃至第3入射光制御領域TA1乃至TA3を透過状態に設定することができる。
【0308】
その場合、第1引き回し配線L1、第3引き回し配線L3、及び第6引き回し配線L6により第3非表示領域NDA3に与える電圧の影響、並びに第2引き回し配線L2、第4引き回し配線L4、及び第5引き回し配線L5により第4非表示領域NDA4に与える電圧の影響は、実質的にない。
【0309】
上記第2条件において、第1制御電圧の極性及び第2制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。すなわち、第1制御電圧の極性及び第2制御電圧の極性は逆極性である。第5制御電圧の極性及び第6制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。第3制御電圧及び第4制御電圧は、対向電圧と同一である。例えば、上記第2条件における任意の期間において、第3制御電圧、第4制御電圧、及び対向電圧はそれぞれ0Vであり、第1制御電圧及び第5制御電圧はそれぞれ+αVであり、第2制御電圧及び第6制御電圧はそれぞれ-αVである。液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2を透過状態に設定し、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3を非透過状態に設定することができる。
【0310】
その場合、第1引き回し配線L1及び第6引き回し配線L6は逆極性に設定され、第2引き回し配線L2及び第5引き回し配線L5は逆極性に設定される。そのため、第1引き回し配線L1の極性及び第6引き回し配線L6の極性が同一であり、第2引き回し配線L2の極性及び第5引き回し配線L5の極性が同一である場合と比較して、第3非表示領域NDA3及び第4非表示領域NDA4に及ぼし得る電圧の影響を抑制することができる。
【0311】
上記第3条件において、第1制御電圧の極性及び第2制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。第3制御電圧、第4制御電圧、第5制御電圧、及び第6制御電圧は、対向電圧と同一である。例えば、上記第3条件における任意の期間において、第3制御電圧、第4制御電圧、第5制御電圧、第6制御電圧、及び対向電圧はそれぞれ0Vであり、第1制御電圧は+αVであり、第2制御電圧は-αVである。液晶パネルPNLは、第2入射光制御領域TA2及び第3入射光制御領域TA3を透過状態に設定し、第1入射光制御領域TA1を非透過状態に設定することができる。
【0312】
その場合、第3引き回し配線L3及び第6引き回し配線L6は0Vに設定され、第4引き回し配線L4及び第5引き回し配線L5は0Vに設定される。そのため、上記第3条件においても、引き回し配線Lが第3非表示領域NDA3及び第4非表示領域NDA4に及ぼし得る電圧の影響は小さい。
【0313】
上記第4条件において、第1制御電圧の極性及び第2制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。第5制御電圧の極性及び第6制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。第3制御電圧の極性及び第4制御電圧の極性は、対向電圧に対して互いに異なっている。例えば、上記第4条件における任意の期間において、第1制御電圧、第3制御電圧、及び第5制御電圧はそれぞれ+αVであり、第2制御電圧、第4制御電圧、及び第6制御電圧はそれぞれ-αVである。液晶パネルPNLは、第1乃至第3入射光制御領域TA1乃至TA3を非透過状態に設定することができる。
【0314】
その場合、第1引き回し配線L1の極性、第3引き回し配線L3の極性、及び第6引き回し配線L6の極性は同一ではなく、第2引き回し配線L2の極性、第4引き回し配線L4の極性、及び第5引き回し配線L5の極性も同一ではない。そのため、上記極性が同一となる場合と比較して、第3非表示領域NDA3及び第4非表示領域NDA4に及ぼし得る電圧の影響を抑制することができる。
【0315】
上述したように、引き回し配線Lに起因した容量は、第3非表示領域NDA3と第4非表示領域NDA4とでバランスされている。例えば、第3非表示領域NDA3及び第4非表示領域NDA4に位置する回路への悪影響を抑制することができる。
【0316】
上記のように構成された第6の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、入射光制御領域PCAの光透過領域を制御可能な液晶表示装置DSP及び電子機器100を得ることができる。また、良好に撮影することが可能である電子機器100を得ることができる。
【0317】
(第7の実施形態)
次に、本第7の実施形態について説明する。図45は、本第7の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける走査線G及び信号線Sを示す平面図である。図45において、走査線Gを実線で示し、信号線Sを破線で示し、第1遮光領域LSA1の内周及び外周をそれぞれ二点鎖線で示している。なお、図45では、説明に必要な構成のみを図示している。本第7の実施形態の電子機器100は、入射光制御領域PCAにおける走査線G及び信号線Sの配線以外、上述した第1乃至第6の実施形態の何れかの実施形態の電子機器100と同様に構成されている。
【0318】
図45に示すように、複数の走査線Gは、表示領域DAにおいて、60乃至180μmの間隔を置いて方向Yに並べられている。複数の信号線Sは、20乃至60μmの間隔を置いて方向Xに並べられている。走査線G及び信号線Sは、それぞれ入射光制御領域PCAにおいても延在している。
【0319】
複数の走査線G及び複数の信号線Sのうち、第1入射光制御領域TA1に向かって表示領域DAを延在する一以上の配線は、第1入射光制御領域TA1を迂回し、入射光制御領域PCAのうち第1遮光領域LSA1を延在している。従って、第1遮光領域LSA1(第1遮光部BM1)の外周の直径が6乃至7mmの場合に、走査線Gで30乃至120本、信号線Sで100乃至350本が、第1入射光制御領域TA1を回避し、第1遮光部BM1に覆われる第1遮光領域LSA1に配置される。そのため、表示領域DAで囲まれる入射光制御領域PCAが存在しても、走査線G、信号線Sなどを良好に配線することができる。
【0320】
上記のように構成された第7の実施形態に係る液晶表示装置DSP及び電子機器100によれば、電子機器100は上述した実施形態の電子機器100と同様に構成されているため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、良好に撮影することが可能である電子機器100を得ることができる。
【0321】
(第8の実施形態)
次に、本第8の実施形態について説明する。ここでは、絞りDPをシャッタとして使用する場合について説明する。まず、液晶層LCのギャップGaと、透過率及び応答速度と、の関係について説明する。図46は、本第8の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLにおいて、液晶層LCのギャップGaに対する光(可視光)の透過率の変化と、ギャップGaに対する液晶の応答速度の変化と、をグラフで示す図である。電子機器100は、本第8の実施形態で説明する構成以外、上記第3の実施形態(図30)と同様に構成されている。
【0322】
図46に、図30に示すギャップGaと液晶の応答速度の関係を示す。ギャップGaを狭くする程、液晶の応答速度が速くなることが分かる。なお、本明細書において、液晶の応答速度とは、液晶分子が初期配向から所定の状態に変移する速度を言い、いわゆる立ち上がり時の速度を言う。そこで、本第8の実施形態において、第2ギャップGa2を第1ギャップGa1未満としている(Ga2<Ga1)。例示すると、第2ギャップGa2を第1ギャップGa1の半分とすることができる(Ga2=Ga1/2)。
【0323】
これにより、表示領域DAの表示液晶層LCIにおける液晶の応答速度より、入射光制御領域PCAの第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3の各々における液晶の応答速度を高くすることができる。例えば、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA(絞りDP)を液晶シャッタとして機能させることができる。
【0324】
シャッタ速度は0.001秒以下が求められる場合もあり、液晶シャッタとして機能するためには、制御電極RLに電圧が印加されている時間は、画素電極PEに電圧が印加される時間に比べて短くなる。従って、制御電極RLに駆動される液晶の応答速度も速くすることが求められる。
【0325】
但し、第2ギャップGa2を狭くする程、入射光制御領域PCAにおける光の透過率は低くなるため留意する必要がある。
なお、第1ギャップGa1を狭くしてもよく、表示液晶層LCIにおける液晶の応答速度を高くすることができる。しかしながら、表示領域DAにおける光の透過率は低くなり、表示画像が暗くなるため留意する必要がある。
【0326】
次に、液晶層LCに印加する電圧と、応答速度と、の関係について説明する。図47は、本第8の実施形態において、液晶層LCに印加する電圧に対する液晶の応答速度の変化と、をグラフで示す図である。なお、図47において、第2ギャップGa2を1.7μmに設定している。
【0327】
図47に示すように、制御電極構造REと対向電極OEとの間の電位差を大きくする程、液晶の応答速度が高くなることが分かる。入射光制御領域PCA(絞りDP)を液晶シャッタとして機能させる場合、液晶の応答速度は1.0ms以下である方が望ましい。1.0ms以下の液晶の応答速度を得る場合、制御電極構造REと対向電極OEとの間に印加する電圧(電圧の絶対値)は13V以上必要であることが分かる。
【0328】
例えば、第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3を、それぞれ、透過状態から非透過状態に高速で変える場合、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3に13V以上の電圧を印加すればよい。
【0329】
なお、入射光制御領域PCA(絞りDP)を液晶シャッタとして機能させる場合、第1制御液晶層LC1に印加される電圧の絶対値、第2制御液晶層LC2に印加される電圧の絶対値、及び第3制御液晶層LC3に印加される電圧の絶対値は、それぞれ、表示液晶層LCIに印加される電圧の絶対値より高い。
【0330】
上記のことから、電圧によっても、表示領域DAの表示液晶層LCIにおける液晶の応答速度より、入射光制御領域PCAの第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3の各々における液晶の応答速度を高くすることができる。
【0331】
液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA(絞りDP)は、上記第4条件から第1条件を経て第4条件に戻すことにて、第1液晶シャッタとして機能することができる。液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3を、同時に、非透過状態から透過状態に切替えた後、非透過状態に戻すことで第1液晶シャッタを得ることができる。
【0332】
第1入射光制御領域TA1、第2入射光制御領域TA2、及び第3入射光制御領域TA3を、上記のように透過状態から非透過状態に戻す際、液晶パネルPNLは、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3に同時に13V以上の電圧を、同時に印加し、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3を、同時に駆動するものである。
【0333】
液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA(絞りDP)は、上記第4条件から第2条件を経て第4条件に戻すことにて、第2液晶シャッタとして機能することができる。液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3を非透過状態に保持した状態で、第2入射光制御領域TA2を非透過状態から透過状態に切替えた後非透過状態に戻すことで第2液晶シャッタを得ることができる。第2液晶シャッタでは、絞りDPにピンホールとシャッタの機能を兼ね備えさせることが可能となっている。
【0334】
なお、第1入射光制御領域TA1及び第3入射光制御領域TA3を非透過状態に保持する期間、第1制御液晶層LC1及び第3制御液晶層LC3に印加する電圧は、13V未満であってもよい。例えば、非透過状態に保持するために第1制御液晶層LC1及び第3制御液晶層LC3に印加する上記電圧は、表示液晶層LCIに印加する電圧と、同一のレベルであってもよい。
【0335】
第2入射光制御領域TA2を、上記のように透過状態から非透過状態に戻す際、液晶パネルPNLは、第2制御液晶層LC2に13V以上の電圧を印加し、第2制御液晶層LC2を駆動するものである。
【0336】
液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA(絞りDP)は、上記第4条件から第3条件を経て第4条件に戻すことにて、第3液晶シャッタとして機能することができる。液晶パネルPNLは、第1入射光制御領域TA1を非透過状態に保持した状態で、第2入射光制御領域TA2及び第3入射光制御領域TA3を、同時に、非透過状態から透過状態に切替えた後、非透過状態に戻すことで第3液晶シャッタを得ることができる。第3液晶シャッタでは、絞りDPに入射光を絞る機能とシャッタの機能を兼ね備えさせることが可能となっている。
【0337】
なお、希望の画像を得るためには、絞りとシャッタスピードとを調節する必要があることから、第1入射光制御領域TA1を非透過状態に保持する期間、第1制御液晶層LC1に印加する電圧は、13V未満であってもよい。
【0338】
第2入射光制御領域TA2及び第3入射光制御領域TA3を、上記のように透過状態から非透過状態に戻す際、液晶パネルPNLは、第2制御液晶層LC2及び第3制御液晶層LC3に同時に13V以上の電圧を、同時に印加し、第2制御液晶層LC2及び第3制御液晶層LC3を、同時に駆動するものである。
【0339】
上記のように、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCA(絞りDP)を液晶シャッタとして機能させることで、静止状態の被写体に限らず、動く被写体であっても良好に撮影することができる。液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAにおいて、同心円状に光透過領域を制御しつつ、入射光制御領域PCAを液晶シャッタとして機能させることができる。
上記のように構成された第8の実施形態に係る電子機器100によれば、良好に撮影することが可能な電子機器100を得ることができる。
【0340】
本第8の実施形態に示した技術は、他の実施形態にも適用可能である。例えば、本第8の実施形態の技術を上記第1実施形態に適用することができる。上記第1実施形態において、液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAの方式は、ノーマリーブラック方式である。そのため、非透過状態から透過状態に切替える際に、液晶パネルPNLは、第1制御液晶層LC1、第2制御液晶層LC2、及び第3制御液晶層LC3に13V以上の電圧を印加すればよい。
【0341】
(第9の実施形態)
次に、本第9の実施形態について説明する。電子機器100は、本第9の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図48は、本第9の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNL、導光体LG1及びカメラ1aを示す平面図である。液晶パネルPNLに関しては、第1遮光部BM1、第2遮光部BM2、第3遮光部BM3、及び遮光部BMBを示している。
【0342】
図48に示すように、液晶パネルPNLは、表示領域DAと、表示領域DAに接した外周を含む入射光制御領域PCAと、入射光制御領域PCAに隣接した出射光制御領域ICAと、非表示領域NDAと、を備えている。液晶パネルPNLは、カラーフィルタCFを除き、表示領域DAと出射光制御領域ICAとで同様に構成されている。複数の画素PXは、表示領域DAと出射光制御領域ICAとで同様に配置されている。カラーフィルタCFの着色層は、表示領域DAに設けられ、入射光制御領域PCA及び出射光制御領域ICAに設けられていない。
【0343】
入射光制御領域PCAは、第2非表示領域NDA2の近傍に設けられている。本第9の実施形態において、出射光制御領域ICAは、表示領域DA、入射光制御領域PCA、及び第2非表示領域NDA2(遮光部BMB)で囲まれている。
【0344】
カメラ1aは、少なくとも1個の光源EM2と、少なくとも1個の光源EM3と、を備えている。本実施形態において、カメラ1aは、複数の光源EM2と、複数の光源EM3と、を備えている。光源EM3は、出射光制御領域ICAに配置されている。なお、光源EM2も出射光制御領域ICAに重なっているが、これに限らず、光源EM2は遮光部BMB等に重なってもよい。
【0345】
導光体LG1は、入射光制御領域PCA及び出射光制御領域ICAに重ねられ、方向Yに凹んだ凹部LGCを有している。導光体LG1は、表示領域DAに重なっているが、入射光制御領域PCA及び出射光制御領域ICAに重なっていない。照明装置ILは、液晶パネルPNLのうち表示領域DAを照明するように構成されている。
【0346】
なお、カメラ1aの光源EM3は、液晶パネルPNLのうち出射光制御領域ICAを照明するように構成されている。液晶パネルPNLは、出射光制御領域ICAにおいて光源EM3から出射された可視光を選択的に透過させるように構成されている。液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAと、光源EM3との組合せは、白色又は黒色を表示するように構成されている。
【0347】
液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAを黒色(非透過状態)に設定することで、液晶パネルPNLの背後の光源EM2,EM3等を隠すことができる。液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAを白色(透過状態)に設定することで、光源EM3からの可視光を出射させることができ、例えば、カメラ1aにて指紋を撮影することができる。
その他、必要に応じて光源EM2から赤外光を出射させ、カメラ1aにて、赤外光を受光し、液晶表示装置DSPの画面の前方を撮影することができる。
【0348】
なお、液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAの構成は、種々変形可能である。
例えば、カラーフィルタCFの着色層は、出射光制御領域ICAに設けられてもよい。これにより、液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAは、光源EM3とともにカラー表示に対応することができる。但し、表示領域DAと出射光制御領域ICAとの境界が目立つ可能性が高い。その場合、導光体LG1を出射光制御領域ICAに重ねればよい。導光体LG1は、液晶パネルPNLの出射光制御領域ICAと光源EM2,EM3との間に位置している。導光体LG1から出射される光を用いて液晶パネルPNLの表示領域DA及び出射光制御領域ICAの両方を照明することができるため、表示領域DAと出射光制御領域ICAとの境界を目立たなくしつつカラー表示することができる。
【0349】
又は、出射光制御領域ICAにおいて、液晶パネルPNLは、複数の画素電極PEの替わりに、一以上の調整電極を有してもよい。その場合、出射光制御領域ICAの調整電極の形状及びサイズは、画素電極PEの形状及びサイズと異なっていてもよく、入射光制御領域PCAの制御電極の形状及びサイズと異なっていてもよい。
上記のように構成された第9の実施形態に係る電子機器100によれば、良好に撮影することが可能な電子機器100を得ることができる。
【0350】
(第10の実施形態)
次に、本第10の実施形態について説明する。電子機器100は、本第10の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図49は、本第10の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNLの入射光制御領域PCAにおける遮光層BMを示す平面図である。
【0351】
図49に示すように、入射光制御領域PCAは、円形の複数の入射光制御領域TAと、複数の入射光制御領域TAを囲んだ遮光領域LSAと、を有している。入射光制御領域PCAにおいて、遮光層BMは、遮光領域LSAに設けられ、複数の入射光制御領域TAに設けられていない。本実施形態において、上記出射光制御領域ICAは、遮光領域LSAの外側の領域である。複数の入射光制御領域TAは、規則的に配置され、例えば方向X及び方向Yにマトリクス状に配置されている。
【0352】
第1基板SUB1は、各々の入射光制御領域TAに位置した複数の制御電極を有している。液晶パネルPNLは、各々の入射光制御領域TAにおいて、外部からの可視光を選択的に透過させるように構成されている。各々の入射光制御領域TAは、カメラ1aに入射する光量を調整するピンホールとして機能することができる。入射光制御領域PCAにおいて、複数の入射光制御領域TAは、複眼ピンホールとして機能することができる。
【0353】
例えば、入射光制御領域PCAの複数の制御電極は、互いに電気的に接続されてもよい。この場合、一の制御信号により、複数の入射光制御領域TAを一括して透過状態又は非透過状態に切替えることができる。
又は、入射光制御領域PCAの複数の制御電極は、それぞれ電気的に独立してもよい。その場合、各々の入射光制御領域TAを個別に透過状態又は非透過状態に切替えることができる。
【0354】
複眼ピンホールを使用することで、例えば、図50に示す指紋FIを撮影することができる。写真撮影ではないため、指紋FIの画像データが取れるように、入射光制御領域TAが配列されていればよい。図50のように、撮影した画像に隙間が空いていても構わない。すなわち、個人認証の精度が保てれば、隙間だらけの画像となってもよい。
【0355】
なお、図51に示すように、複数の入射光制御領域TAは、不規則に配置されてもよい。複数の入射光制御領域TAは、方向X及び方向Yにマトリクス状に配置されていない。これにより、カメラ1aは、複数の入射光制御領域TAの配置に依存した画像を撮影することができる。電子機器100は、取得した画像データと、複数の入射光制御領域TAの配置パターン(複数の入射光制御領域TAの位置及び個数)とを紐付けることができる。例えば、電子機器100のメモリに画像データを有していても、電子機器100の複数の入射光制御領域TAの配置パターンが上記画像データに対応していない(紐付けられていない)場合、認証できなくすることができる。これにより、例えば、電子機器100は、セキュリティの向上を図ることができる。上記のように、複数の入射光制御領域TAの配置パターンに関し、複数の電子機器100に個体差があってもよいものである。
上記のように構成された第10の実施形態に係る電子機器100によれば、良好に撮影することが可能な電子機器100を得ることができる。
【0356】
(第11の実施形態)
次に、本第11の実施形態について説明する。電子機器100は、本第11の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図52は、本第11の実施形態に係る電子機器100の液晶パネルPNL及び複数のカメラ1bの配置等を示す平面図である。
【0357】
図52に示すように、電子機器100は、液晶パネルPNL、複数のカメラ1b等を備えている。液晶パネルPNLは、入射光制御領域PCAを備えていない。複数のカメラ1bは、表示領域DAに重ねられ、外部からの赤外光が液晶パネルPNLを介して入射されるように構成されている。カメラ1bは、液晶パネルPNLに向けて赤外光を出射するように構成された光源EM2を備えている。光源EM2からの赤外光により、画面(上記第1面S1)側に位置する被写体を照明することができる。
【0358】
カメラ1bは液晶パネルPNLの表示領域DAに隠れて配置されているため、電子機器100の使用者にカメラ1bは見えない。電子機器100の使用時に、使用者の警戒感を下げることができる。また、赤外線を用いて被写体をカメラ1bで撮影することで、監視セキュリティの向上を図ることができる。さらに、ヒューマンインターフェースとしてハードウエアに対する使用者側の敷居を下げることが可能である。
【0359】
図53に示すように、液晶パネルPNLの表示領域DAは、対象領域OAと、対象領域以外の一以上の非対象領域NOAと、を含んでいる。対象領域OA及び非対象領域NOAに、複数の画素PXが位置している。複数の画素PXは、複数色の画素を含んでいる。複数の画素PXは、表示領域DAにおいて一様に配置されている。対象領域OAにおける画素PXの配置と、非対象領域NOAにおける画素PXの配置とは、同一である。例えば、対象領域OAに位置する画素電極PEの形状は、非対象領域NOAに位置する画素電極PEの形状と同一である。
【0360】
カメラ1bは、非対象領域NOAに重ねられている。液晶パネルPNLは、対象領域OAにおいて画像を表示し、非対象領域NOAにおいて白色以外の色の画像を表示するように構成されてもよい。これにより、画面のデザインに合わせてカメラ1bを配置することができ、カメラ1bを、一層、使用者に見えなくすることができる。
【0361】
液晶パネルPNLは、非対象領域NOAにおいて常に黒色を表示するように構成されてもよい。
例えば、VA方式や横電界方式の液晶パネルでは電圧がかかっていない状態で黒表示する、所謂ノーマリーブラックモードのパネルが使用される。このような液晶パネルでは非対象領域NOAに画素電極PEや制御電極構造REの電極を形成しないことで、常に黒表示にすることができる。非対象領域NOAは赤外線を透過するので、カメラ1bで赤外光を受光することができ、赤外線撮影が可能となる。非対象領域NOAを常に黒表示にする場合は、底板BP、導光体LG1、反射シートRSに貫通孔を設けても画像の視認性への悪影響は無い。
これにより、カメラ1bを一層、使用者に見えなくすることができる。使用者が殆ど意識することなく、電子機器100は、IR関係(顔認証、静脈認証等)の情報を画面操作に並行して収集することができる。その際、電子機器100は、複数種類の認証データを同時に収集することもできる。
また非対象領域NOAに画素電極PEを設けず、制御電極構造REの電極を設け、背後にカメラ1aを配置することで、絞り効果が必要な撮影が可能となる。
【0362】
上記のように構成された第11の実施形態に係る電子機器100によれば、良好に撮影することが可能な電子機器100を得ることができる。本第11の実施形態のように、電子機器100による撮影がIR撮影のみである場合、表示パネルは、液晶パネルPNLに限定されるものではなく、有機EL表示パネル等、液晶パネルPNL以外の表示パネルであってもよい。
【0363】
なお、図9に示したように、直線状に延在した制御電極RLを線状電極と称することができ、円環の形状を持つ給電配線CLを環状配線と称することができる。
上述した絶縁層を絶縁膜と称することができる。
上述した入射光制御領域を入射光制限領域と称することができる。
上述した非表示領域NDAを周辺領域と称することができる。
【0364】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、複数の実施形態を組合せることも可能である
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]表示領域と、前記表示領域に接した外周を含む入射光制御領域と、出射光制御領域と、を有する液晶パネルと、
前記入射光制御領域に重なった入光面と、前記出射光制御領域に重なった光源と、を有するカメラと、を備え、
前記液晶パネルは、前記出射光制御領域において前記光源から出射された可視光を選択的に透過させ、前記入射光制御領域において外部からの可視光を前記カメラに入射させるために前記外部からの可視光を選択的に透過させるように構成されている、
電子機器。
[2]前記入射光制御領域は、
第1環状遮光領域と、
前記第1環状遮光領域に接した外周を含む第1環状入射光制御領域と、
前記第1環状入射光制御領域の内側に位置した第2環状遮光領域と、
前記第2環状遮光領域に接した外周を含む円形入射光制御領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、前記第1環状入射光制御領域に重なった領域であり、又は前記入射光制御領域に隣接した領域である、
[1]に記載の電子機器。
[3]前記入射光制御領域は、
前記第1環状入射光制御領域に接した外周を含む第3環状遮光領域と、
前記第3環状遮光領域に接した外周と、前記第2環状遮光領域に接した内周と、を含む第2環状入射光制御領域と、をさらに有する、
[2]に記載の電子機器。
[4]前記入射光制御領域は、
複数の円形入射光制御領域と、
前記複数の円形入射光制御領域を囲んだ遮光領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、前記遮光領域の外側の領域であり、
前記液晶パネルは、各々の前記円形入射光制御領域において、前記外部からの可視光を選択的に透過させるように構成されている、
[1]に記載の電子機器。
[5]前記複数の円形入射光制御領域は、不規則に配置されている、
[4]に記載の電子機器。
[6]前記光源は、赤外光を出射する第1光源と、可視光を出射する第2光源と、を有する、
[1]に記載の電子機器。
[7]前記液晶パネルは、
前記第1光源から赤外光を出射させずに可視光を検出する第1検出期間に、前記入射光制御領域において前記外部からの可視光を透過させるように構成され、
前記第1検出期間とは異なる期間であり前記第1光源から赤外光を出射させて赤外光を検出する第2検出期間に、赤外光を前記カメラに入射させる、
[6]に記載の電子機器。
[8]前記液晶パネルは、
前記第1検出期間に、前記出射光制御領域から前記外部への可視光の出射を許可し、
前記第2検出期間に、前記出射光制御領域から前記外部への可視光の出射を休止し、前記入射光制御領域において前記外部からの可視光を透過させないように構成されている、
[7]に記載の電子機器。
[9]前記液晶パネルは、画像を表示する側の第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、をさらに有し、
前記光源は、前記液晶パネルの前記第2面側に位置している、
[1]に記載の電子機器。
[10]第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、表示領域と、前記表示領域に接した外周を含む入射光制御領域と、出射光制御領域と、を有する液晶パネルと、
前記入射光制御領域に重なった入光面と、前記出射光制御領域に重なった光源と、を有するカメラと、を備え、
前記表示領域、前記入射光制御領域、及び前記出射光制御領域は、それぞれ前記第1基板、前記第2基板、及び前記液晶層に重なった領域であり、
前記液晶パネルは、前記出射光制御領域において前記光源から出射された可視光を選択的に透過させ、前記入射光制御領域において外部からの可視光を前記カメラに入射させるために前記外部からの可視光を選択的に透過させるように構成されている、
電子機器。
[11]前記第1基板は、
前記入射光制御領域に位置した環状配線と、
前記入射光制御領域に位置し前記環状配線に電気的に接続された制御電極と、を有する、
[10]に記載の電子機器。
[12]前記第1基板は、前記表示領域に位置した画素電極をさらに有し、
前記制御電極の形状は、前記画素電極の形状と異なる、
[11]に記載の電子機器。
[13]前記出射光制御領域は、前記入射光制御領域に隣接した領域であり、
前記第1基板は、前記出射光制御領域に位置した調整電極をさらに有し、
前記調整電極の形状は、前記制御電極の形状と異なる、
[11]に記載の電子機器。
[14]前記環状配線は、第1環状配線と、前記第1環状配線の内側に隣接して配置される第2環状配線と、を有し、
前記制御電極は、前記第1環状配線に電気的に接続された第1制御電極と、前記第2環状配線に電気的に接続された第2制御電極と、を有し、
前記第1制御電極は、前記第2環状配線と交差している、
[11]に記載の電子機器。
[15]前記入射光制御領域は、
第1環状遮光領域と、
前記第1環状遮光領域に接した外周を含む第1環状入射光制御領域と、
前記第1環状入射光制御領域の内側に位置した第2環状遮光領域と、
前記第2環状遮光領域に接した外周を含む円形入射光制御領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、
前記第1環状入射光制御領域に重なった領域であり、又は前記入射光制御領域に隣接した領域であり、
前記環状配線は、
前記第1環状遮光領域に位置した第1環状配線と、
前記第2環状遮光領域に位置した第3環状配線と、を有し、
前記制御電極は、
前記第1環状入射光制御領域に位置し前記第1環状配線に電気的に接続された第1制御電極と、
前記円形入射光制御領域に位置し前記第3環状配線に電気的に接続された第3制御電極と、を有する、
[11]に記載の電子機器。
[16]前記入射光制御領域は、
複数の円形入射光制御領域と、
前記複数の円形入射光制御領域を囲んだ遮光領域と、を有し、
前記出射光制御領域は、前記遮光領域の外側の領域であり、
前記第1基板は、各々の前記円形入射光制御領域に位置した複数の制御電極を有し、
前記複数の制御電極は、互いに電気的に接続されている、又はそれぞれ電気的に独立している、
[10]に記載の電子機器。
[17]前記複数の円形入射光制御領域は、不規則に配置されている、
[16]に記載の電子機器。
[18]前記表示領域に重なり、前記入射光制御領域及び前記出射光制御領域に重なっていない導光体を有する照明装置をさらに備え、
前記液晶パネルは、複数色の着色層を有し、
前記着色層は、前記表示領域に設けられ、前記入射光制御領域及び前記出射光制御領域に設けられていない、
[10]に記載の電子機器。
[19]前記液晶パネルは、画像を表示する側の第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、をさらに有し、
前記光源は、前記液晶パネルの前記第2面側に位置している、
[10]に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0365】
100…電子機器、1a,1b…カメラ、2…光学系、2a…入光面、3…撮像素子、
3a…撮像面、EM2,EM3…光源、5…配線基板、6…ICチップ、
DSP…液晶表示装置、IL…照明装置、LG1…導光体、h1…貫通孔、
CS…ケース、CS2…遮光壁、PNL…液晶パネル、SUB1…第1基板、
10…絶縁基板、PX…画素、G…走査線、S…信号線、SW…スイッチング素子、
CE…共通電極、ML…金属層、13…絶縁層、PE…画素電極、
PA,PB…線状画素電極、AL1…配向膜、RE,RE1~RE6…制御電極構造、
RL,RL1~RL6…制御電極、CL1~CL6…給電配線、
WL,WL1~WL6…配線、ME1~ME4…金属層、
L,L1~L6…引き回し配線、PD,PD1~PD9…パッド、SUB2…第2基板、
20…絶縁基板、BM…遮光層、I1,I3…内周、OP1~OP3…開口、
BM1~BM5,BMA,BMA1,BMA2,BMB…遮光部、AL2…配向膜、
OE…対向電極、OM…対向電極本体、OML…線状対向電極、CLo…対向給電配線、
WLo…対向配線、Lo…引き回し配線、LC…液晶層、LC1~LC3…制御液晶層、
LCI…表示液晶層、S1…第1面、S2…第2面、DA…表示領域、
NDA,NDA1~NDA4…非表示領域、A1,A2…領域、
PCA,TA,TA1~TA3…入射光制御領域、ICA…出射光制御領域、
TA1a,TA1b,TA2a,TA2b,TA3a,TA3b…範囲、
WI1~WI5,WD1,WD2,WD5,WD6,WDo,WT1,WT2…幅、
LSA,LSA1~LSA5…遮光領域、P1~P11…点、RF1~RF7…基準線、
X,Y,Z,d1~d3,dc1~dc3…方向、DT1~DT4…距離、
DI1,DI3,DI4…内径、DI2…直径、SC1~SC8,SF…隙間、
Ga,Ga1,Ga2,PG…ギャップ、AA…配向軸、AX1…中心軸、
AX2…直交軸、pi1,pi2…ピッチ、EA…有効開口。
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