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  • 特許-内燃機関用点火装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】内燃機関用点火装置
(51)【国際特許分類】
   F02P 3/00 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
F02P3/00 B
F02P3/00 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054024
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021156171
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000174426
【氏名又は名称】日立Astemo阪神株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】藤山 幸雄
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-218888(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198119(WO,A1)
【文献】特開2015-200251(JP,A)
【文献】特開2019-183846(JP,A)
【文献】特開昭62-045973(JP,A)
【文献】国際公開第2016/157541(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火制御手段からの点火信号のオン・オフによって点火コイルへの通電制御を行うことで、前記点火コイルの二次側に放電エネルギーを与えて点火プラグに火花放電を起こさせる内燃機関用点火装置において、
前記点火コイルは、前記点火信号がオンで行われる主一次電流の通電により順方向の磁束量が増加し、前記点火信号がオフになって前記主一次電流が遮断されることにより前記順方向の磁束量が減少する主一次コイルと、該主一次コイルに対する前記主一次電流の遮断タイミング以降の放電期間内に副一次コイル電流を流すことにより、前記順方向と逆の遮断方向に磁束を発生させる副一次コイルと、一端側が前記点火プラグと接続され、前記主一次コイルと前記副一次コイルの磁束変化が作用して前記放電エネルギーが与えられる二次コイルと、を有し、
前記点火信号に基づいて、前記主一次コイルへの前記主一次電流の通電および遮断を行う主一次コイル通電手段と、
前記主一次コイルの通電遮断タイミング以降に前記点火制御手段より出力される重畳信号に基づいて、前記副一次コイルへの前記副一次コイル電流の通電および遮断を行う副一次コイル通電手段と、
前記副一次コイルへの前記副一次コイル電流の通電による重畳制御が正常に行われているか否かを判定し、前記重畳制御が正常でないと判定した場合には、前記重畳制御の異常を報知する重畳制御状態監視手段と、
を備え
前記重畳制御状態監視手段は、
前記副一次コイル電流が予め定めた上限閾値と下限閾値との間である適正範囲内にあることに基づいて、前記重畳制御が正常状態であると判定し、前記副一次コイル電流が前記適正範囲を外れることに基づいて、前記重畳制御が異常状態であると判定する重畳制御状態判定手段と、
前記重畳制御状態判定手段が前記重畳制御の異常状態を判定することに基づいて、前記重畳制御の異常状態発生を報知する異常状態報知手段と、
を備え、
前記異常状態報知手段は、前記点火制御手段から前記重畳信号が送信される重畳信号線を介して異常状態発生信号を送信することで、前記重畳制御の異常状態発生を前記点火制御手段へ報知するようにした、
ことを特徴とする内燃機関用点火装置。
【請求項2】
前記重畳制御状態判定手段は、前記副一次コイル電流が前記上限閾値を上回ることに基づいて、前記重畳制御が過剰異常状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
【請求項3】
前記重畳制御状態判定手段は、前記副一次コイル電流が前記下限閾値を下回ることに基づいて、前記重畳制御が不足異常状態であると判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
【請求項4】
前記重畳制御が正常状態であるときに、前記副一次コイル通電手段の動作によって前記副一次コイルに流れ始めた前記副一次コイル電流が、前記下限閾値に達するまでに必要十分な経過時間として予め設定した判定開始猶予期間の経過を判定開始タイミングとし、前記重畳制御状態判定手段が前記重畳制御の状態判定を行う判定期間を検出する判定期間検出手段を備え、
前記重畳制御状態判定手段は、前記判定期間検出手段が検出した判定期間のみ、前記重畳制御の状態判定を行うことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両に搭載される内燃機関用の点火装置に関し、特に、複数の一次コイルを使用して点火プラグに火花放電を起こす内燃機関用点火装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両搭載の内燃機関として、燃費改善のために直噴エンジンや高EGRエンジンが採用されているが、これらのエンジンは着火性があまり良くないため、点火装置には高エネルギー型のものが必要になる。そこで、古典的な電流遮断原理により点火コイル一次側から点火コイル二次側に放電エネルギーを与えることに加え、もう一つの一次コイルに通電して二次側へ与えるエネルギーを重畳的に高める重ね放電型点火装置が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の点火装置は、点火コイルの一次電流を遮断することで二次側に発生する数kVの高電圧により、点火プラグの放電間隙に絶縁破壊を起こし、点火コイルの二次側に放電電流を流し始めた後に、もう一つの一次コイル(以下、副一次コイルという)に一次電流を流す。副一次コイルへの通電で生じる磁束の向きは、一次コイルの通電遮断で磁束が減少する向きと同じである。このため、通電遮断による一次コイルの磁束変化と、副一次コイルへの通電による発生磁束が、二次コイルに作用することとなる。すなわち、二次コイルには、通常の一次電流遮断による磁束変化よりも大きな磁束変化が作用するので、二次側に発生する磁束を加速させ、二次電流を重畳できる。事実、重ね放電型の点火装置によると、点火プラグに比較的大きな放電エネルギーを得ることができるため、燃料への着火性が向上し、ひいては燃費も向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/157541号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された重ね放電型の点火装置は、副一次コイルへの通電量が適切に制御されていないと、本来の点火制御を実現できない。例えば、副一次コイルに必要十分な電流が流れない、或いは副一次コイルに全く電流が流れない場合、二次側に与える放電エネルギーが不足して、燃焼性能が低下し、二酸化炭素などの環境負荷物質の増加や燃費低下が懸念される。また、副一次コイルに必要以上の過電流が流れている場合、燃焼性能は維持できたとしても、副一次コイルへの通電制御を行う駆動素子や巻線の発熱に起因する故障が懸念される。
【0006】
このように、副一次コイルへの通電制御が適正に行われていないときには、そのまま不適正な重畳制御を継続させないで、速やかに対処できるようにすることが望ましいのであるが、特許文献1に記載の点火装置には、そのような機能が設けられていない。
【0007】
そこで、本発明は、副一次コイルを用いて重畳放電を行わせる重畳放電制御が適正な状態でないときは迅速に対処できる内燃機関用点火装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、内燃機関用点火装置は、点火制御手段からの点火信号のオン・オフによって点火コイルへの通電制御を行うことで、前記点火コイルの二次側に放電エネルギーを与えて点火プラグに火花放電を起こさせる内燃機関用点火装置において、前記点火コイルは、前記点火信号がオンで行われる主一次電流の通電により順方向の磁束量が増加し、前記点火信号がオフになって前記主一次電流が遮断されることにより前記順方向の磁束量が減少する主一次コイルと、該主一次コイルに対する前記主一次電流の遮断タイミング以降の放電期間内に副一次コイル電流を流すことにより、前記順方向と逆の遮断方向に磁束を発生させる副一次コイルと、一端側が前記点火プラグと接続され、前記主一次コイルと前記副一次コイルの磁束変化が作用して前記放電エネルギーが与えられる二次コイルと、を有し、前記点火信号に基づいて、前記主一次コイルへの前記主一次電流の通電および遮断を行う主一次コイル通電手段と、前記主一次コイルの通電遮断タイミング以降に前記点火制御手段より出力される重畳信号に基づいて、前記副一次コイルへの前記副一次コイル電流の通電および遮断を行う副一次コイル通電手段と、前記副一次コイルへの前記副一次コイル電流の通電による重畳制御が正常に行われているか否かを判定し、前記重畳制御が正常でないと判定した場合には、前記重畳制御の異常を報知する重畳制御状態監視手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記構成において、前記重畳制御状態監視手段は、前記副一次コイル電流が予め定めた上限閾値と下限閾値との間である適正範囲内にあることに基づいて、前記重畳制御が正常状態であると判定し、前記副一次コイル電流が前記適正範囲を外れることに基づいて、前記重畳制御が異常状態であると判定する重畳制御状態判定手段と、前記重畳制御状態判定手段が前記重畳制御の異常状態を判定することに基づいて、前記重畳制御の異常状態発生を報知する異常状態報知手段と、を備えるようにしてもよい。
【0010】
また、上記構成において、前記重畳制御状態判定手段は、前記副一次コイル電流が前記上限閾値を上回ることに基づいて、前記重畳制御が過剰異常状態であると判定するようにしてもよい。
【0011】
また、上記構成において、前記重畳制御状態判定手段は、前記副一次コイル電流が前記下限閾値を下回ることに基づいて、前記重畳制御が不足異常状態であると判定するようにしてもよい。
【0012】
また、上記構成において、前記重畳制御が正常状態であるときに、前記副一次コイル通電手段の動作によって前記副一次コイルに流れ始めた前記副一次コイル電流が、前記下限閾値に達するまでに必要十分な経過時間として予め設定した判定開始猶予期間の経過を判定開始タイミングとし、前記重畳制御状態判定手段が前記重畳制御の状態判定を行う判定期間を検出する判定期間検出手段を備え、前記重畳制御状態判定手段は、前記判定期間検出手段が検出した判定期間のみ、前記重畳制御の状態判定を行うようにしてもよい。
【0013】
また、上記構成において、前記異常状態報知手段は、前記点火制御手段から前記重畳信号が送信される重畳信号線を介して異常状態発生信号を送信することで、前記重畳制御の異常状態発生を前記点火制御手段へ報知するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記構成の内燃機関用点火装置によれば、重畳制御状態監視手段が、副一次コイルへの副一次コイル電流の通電による重畳制御が正常に行われているか否かを判定し、重畳制御が正常でないと判定した場合には、重畳制御の異常を報知する。従って、重畳放電制御が適正な状態でないときは、迅速に対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る内燃機関用点火装置の概略構成図である。
図2】本実施形態に係る内燃機関用点火装置の要部における波形を示した波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本実施形態に係る内燃機関用点火装置1を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1に示す内燃機関用点火装置1は、内燃機関の気筒毎に設けられる1つの点火プラグ2と、この点火プラグ2に放電火花を発生させる機能を集約状に設けた点火コイルユニット10を備える。また、点火コイルユニット10の動作タイミングを指示する点火信号Si等を適宜なタイミングで出力する点火制御手段としての機能は、内燃機関駆動制御装置3(例えば、車両に標準搭載されているECU等)が担う。点火コイルユニット10への供給電源には、車両バッテリ等の直流電源4を用いる。なお、内燃機関が多気筒の場合は、気筒毎の点火コイルユニット10に対する点火制御を内燃機関駆動制御装置3が統括的に行っても良いし、各気筒に対応した点火制御手段を個別に設けるようにしても良い。
【0018】
点火コイルユニット10は、点火コイル11や制御基板等を所要形状のケース12に収納して一体構造としたユニットである。このケース12の適所には、高圧端子121とコネクタ122を設けてあり、高圧端子121を介して点火プラグ2を接続すると共に、コネクタ122を介して内燃機関駆動制御装置3や直流電源4、接地ライン等と接続する。
【0019】
点火コイル11は、主一次コイル111a(例えば、114ターン)と副一次コイル111b(例えば、20ターン)に生ずる磁束を二次コイル112(例えば、9348ターン)に効率良く作用させるものである。例えば、高透磁性材料で形成したセンターコア113を取り巻くように主一次コイル111aおよび副一次コイル111bを配置し、更にその外側に二次コイル112を配置した構造である。
【0020】
主一次コイル111aの一方端は、コネクタ122を介して直流電源4と接続され、電源電圧VB+(例えば、14V)が印加される。主一次コイル111aの他方端は、主一次コイル通電手段13に接続される。この主一次コイル通電手段13は、内燃機関駆動制御装置3からの点火信号Siに基づいて、主一次コイル111aへの通電および遮断を行うもので、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の点火スイッチ素子131を備える。点火スイッチ素子131のコレクタには主一次コイル111aが接続され、点火スイッチ素子131のエミッタはコネクタ122を介して接地点GNDに接続される。なお、主一次コイル通電手段13は、点火信号Siで点火スイッチ素子131を直接駆動させるものでも良いし、点火信号Siに基づいて点火スイッチ素子131の駆動信号を生成するイグナイタの機能を供えるものでも良い。また、二次コイル112の一方端は高圧端子121を介して点火プラグ2と接続され、他方端は整流素子を介して給電線に接続される。
【0021】
放電サイクルの適宜なタイミングで内燃機関駆動制御装置3より出力される点火信号Siは、コネクタ122を介して点火コイルユニット10に供給され、点火信号線L1を介して点火スイッチ素子131のゲートに入力される。そして、点火信号Siが点火スイッチ素子131のゲートに入力されると(例えば、点火信号Siの信号レベルがLからHに変わると)、点火スイッチ素子131がオンになり、主一次コイル111aの非給電側端部が接地点GNDに接続される。これにより、主一次コイル111aには、給電側から接地側に向かう主一次コイル電流(以下、一次電流I1aという)が流れ始め、一次電流I1aの流量は増加してゆき、一次電流I1aの流量に応じて発生する通電磁束の磁束量が磁界のエネルギーとして蓄積される。
【0022】
上記のようにエネルギーが蓄積された後、主一次コイル111aへの通電が所定の点火タイミングで遮断されると(例えば、点火信号Siの信号レベルがHからLに変わると)、高圧の起電力が二次コイル112に生じて、接続配線等の微少なコンデンサにエネルギーが蓄積されて二次側の電圧が急激に上昇して行く。そして、二次側の電圧が絶縁破壊電圧に達すると、点火プラグ2の放電ギャップ間に火花放電が発生して二次電流I2が流れ、気筒燃焼室内の混合気に着火する。
【0023】
一方、主一次コイル111aと同様に、センターコア113を介して二次コイル112に磁界を作用させる副一次コイル111bは、その一方端がコネクタ122を介して直流電源4と接続され、電源電圧VB+(例えば、14V)が印加される。なお、主一次コイル111aと副一次コイル111bで電源を共有せず、別々の電源を用いるようにしても良い。この副一次コイル111bに副一次コイル電流I1bが流れると、主一次コイル111aへの通電時に生じる磁束の向き(以下、順方向という)とは逆の向き(以下、遮断方向という)に磁束を発生させる。すなわち、主一次コイル111aへの通電遮断によって順方向磁束が急激に減ぜられると共に、副一次コイル111bへ副一次コイル電流I1bを流すことによって遮断方向の磁束を生じさせれば、二次コイル112に作用する磁束の変化量が増大し、二次側に与える放電エネルギーを高めることができる。
【0024】
副一次コイル111bと、副一次コイル111bへの通電制御を行う機能を含めて重畳機能部14とする。重畳機能部14は、例えば、副一次コイル通電手段15と重畳制御状態監視手段16を備え、副一次コイル111bへの通電および遮断を制御すると共に、重畳制御が適正に行われているかを監視する。副一次コイル通電手段15は、重畳信号成形手段151と重畳制御手段152とIGBT等の能動素子で構成する重畳スイッチ素子153を備える。また、重畳制御状態監視手段16は、重畳制御状態判定手段161と判定期間検出手段162と異常状態報知手段163を備える。さらに、重畳スイッチ素子153よりも接地側に電流検出用抵抗141を設けてあり、電流検出用抵抗141による電圧降下に基づいて、副一次コイル電流I1bを検知できるようにしてある。
【0025】
高EGR燃焼必要時など、主一次コイル111aのみでは安定した点火制御を行えない場合に限って、重畳機能部14による重畳動作を行い、特に重畳動作の必要が無ければ、重畳機能部14を機能させず、主一次コイル111aによる通常の点火動作を行う。なお、重畳動作の要否は、例えば点火制御手段としての内燃機関駆動制御装置3が判断し、重畳動作が必要な場合に限り、内燃機関駆動制御装置3から点火コイルユニット10へ重畳信号Spを出力することで、重畳機能部15による重畳動作が実行される。以下、重畳動作を実行するために、副一次コイル111bに副一次コイル電流I1bを流す重畳制御について説明する。
【0026】
副一次コイル111bの他方端(非給電側端)は、IGBTで構成した重畳スイッチ素子153のコレクタに接続される。重畳スイッチ素子153のエミッタはコネクタ122を介して接地点GNDに接続される。重畳スイッチ素子153は、例えば、ゲートへ入力される能動信号に応じてコレクタ-エミッタ間の電流を増減させる能動素子で構成し、後述する重畳制御手段152から出力される能動信号に応じて、副一次コイル111bへの通電・遮断および通電量の増減を制御する。
【0027】
重畳スイッチ素子153の動作基準となる重畳信号Spは、点火信号Siによる点火タイミング以降(主一次コイル111aの一次電流遮断時以降)に出力される信号で、内燃機関駆動制御装置3から供給される。重畳信号線L2を介して重畳機能部14へ供給された重畳信号Spは、重畳信号成形手段151にて適宜な重畳指示信号Sp′に成形され、重畳指示信号線L3を介して重畳制御手段152へ供給される。この重畳指示信号Sp′に基づいて、重畳制御手段152が適宜な能動信号を生成し、重畳スイッチ素子153へ出力する。
【0028】
なお、副一次コイル111bへの通電量は、重畳動作開始から時間経過に伴って徐々に増やして行くと、消費電力を抑えつつ、二次側の高電流期間を長くすることができ、効率良い安定した点火能力を実現できる。重畳制御手段152における能動信号の生成手法は特に限定されるものではないが、例えば、コンデンサの電荷蓄積状態を指標とすれば、耐熱性および耐ノイズ性の高いディスクリート部品を用いた比較的簡単な構造で能動信号の生成機能を実現できる。このとき、重畳制御手段152は、電流検出用抵抗141による電圧降下に基づいて副一次コイル電流I1bをモニタし、副一次コイル電流I1bが適切な流量変化となるようにフィードバック制御してもよい(図1中、破線矢印で示す)。
【0029】
上述したように、重畳制御手段152によって適正な能動信号を生成して重畳スイッチ素子153のゲートへ入力させれば、副一次コイル111bへの適切な通電制御を行うことができ、好適な重畳動作を実現できる。しかしながら、能動素子である重畳スイッチ素子153が発熱や素子劣化により正常動作できない場合、重畳制御手段152が生成した能動信号に基づく適切な重畳制御が実現されないおそれがある。そこで、重畳機能部14には重畳制御状態監視手段16を設けておき、重畳制御が正常に行われているか否かを判定し、重畳制御が正常でないと判定した場合には、重畳制御の異常を報知するのである。
【0030】
重畳制御状態監視手段16において、重畳制御が正常か異常かを判定する機能は、重畳制御状態判定手段161が担う。重畳制御状態判定手段161は、副一次コイル電流I1bが予め定めた上限閾値TH-tと下限閾値TH-bとの間である適正範囲内にあれば、重畳制御が正常状態であると判定する。逆に、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tを越えるか下限閾値TH-bに満たない場合(適正範囲を外れる場合)、重畳制御状態判定手段161は、重畳制御が異常状態であると判定する。なお、上限閾値TH-tと下限閾値TH-bを含まない範囲を正常状態、上限閾値TH-tと下限閾値TH-bを含む範囲を異常状態と判定するようにしても構わない。
【0031】
重畳制御状態判定手段161は、電流検出用抵抗141による接地点GNDとの電位差Vs1を検出するので、Vs1検出値から一次コイル電流I1bを求めないで、Vs1検出値から重畳制御の正常および異常を判定するようにしてもよい。例えば、副一次コイル電流I1bの上限閾値TH-tに対応するVs1検出値を上限閾値電圧TH-tvと設定し、副一次コイル電流I1bの下限閾値TH-bに対応するVs1検出値を下限閾値電圧TH-bvと設定しておく。重畳制御状態判定手段161は、Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvと下限閾値電圧TH-bvとの間であれば、重畳制御が正常状態であると判定できる。逆に、Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを越えるか、下限閾値電圧TH-bvに満たない場合、重畳制御状態判定手段161は、重畳制御が異常状態であると判定できる。
【0032】
また、重畳制御状態判定手段161は、重畳制御の異常状態をより詳細に判定するようにしてもよい。例えば、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tを上回る(Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを上回る)ことに基づいて、重畳制御が過剰異常状態であると判定する。逆に、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを下回る(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを下回る)ことに基づいて、重畳制御が不足異常状態であると判定する。このように、重畳制御が過剰異常状態であるか、不足異常状態であるかの区別を重畳制御状態判定手段161によって判定できれば、その後に行う対処のための有用な報知情報とすることができる。
【0033】
なお、重畳制御期間(重畳信号SpがONになっている規定ON幅の期間)中の短時間であっても、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tを上回っていると(Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを上回っていると)、重畳スイッチ素子153や巻線の発熱に起因する故障が懸念される。したがって、重畳制御期間中に一瞬でも、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tを上回ったら(Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを上回ったら)、重畳制御状態判定手段161によって重畳制御が過剰異常状態であると判定することが望ましい。無論、一次コイル電流I1bが適正範囲を超えた時間の重畳制御期間に対する割合が、所定値以上のときに限って異常と判定するなど、過剰異常状態の判定基準を定めてもよい。
【0034】
しかしながら、重畳制御期間中に一瞬でも、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを上回ったら(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを上回ったら)、重畳制御状態判定手段161によって重畳制御が正常状態と判定することは問題である。このような場合、重畳制御期間中の殆どの時間で副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを下回っている(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを下回っている)のであるから、副一次コイル111bに必要十分な電流が流れていないと推定できる。副一次コイル111bに必要十分な電流が流れない場合、二次側に与える放電エネルギーが不足して、燃焼性能が低下し、二酸化炭素などの環境負荷物質の増加や燃費低下が懸念される。そこで、重畳制御状態判定手段161は、副一次コイル電流I1bが所定の判定期間に亘って下限閾値TH-bを上回ったら(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを上回ったら)、重畳制御が正常状態と判定することが望ましい。
【0035】
上述した所定の判定期間は、判定期間検出手段162によって検出され、重畳制御状態判定手段161に報らされる。判定期間の終わり(判定終了タイミング)は、重畳信号SpのOFFタイミング(実質的に、重畳指示信号Sp′のOFFタイミング)と同じで良い。一方、判定期間の始まり(判定開始タイミング)は、重畳信号SpのONタイミングと同じにするわけにはいかない。副一次コイル電流I1bは、0[A]から徐々に上昇して行くので、重畳制御が正常状態であっても、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bに達する(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvに達する)まで、所定の猶予期間が必要だからである。
【0036】
そこで、判定期間検出手段162は、重畳信号SpのONタイミング(実質的に、重畳指示信号Sp′のONタイミング)から、予め設定した判定開始猶予期間の経過を判定開始タイミングとして検出する。この判定開始猶予期間は、重畳制御が正常状態であるときに、副一次コイル通電手段15の動作によって副一次コイル111bに流れ始めた副一次コイル電流I1bが、下限閾値TH-bに達するまでに必要十分な経過時間として設定する。判定開始猶予期間が経過した時点で、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bに(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvに)達していなければ、二次側に与える放電エネルギーが不足する可能性が高いので、重畳制御は不足異常状態とみなせる。よって、判定期間検出手段162が検出した判定期間のみ、重畳制御状態判定手段161が重畳制御の状態判定を行うようにすれば、正常状態と不足異常状態の適切な判定が可能となる。
【0037】
具体的には、判定期間検出手段162によって報らされる判定期間に亘って、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを上回った(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを上回った)場合、重畳制御状態判定手段161は、重畳制御が正常状態と判定する。一方、判定期間検出手段162によって報らされる判定期間中に、一瞬でも副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを下回った(Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvを下回った)場合、重畳制御状態判定手段161は、重畳制御が不足異常状態と判定する。
【0038】
重畳制御状態判定手段161が重畳制御の異常状態を判定すると、この判定情報に基づいて、異常状態報知手段163が重畳制御の異常状態発生を報知する。なお、点火コイルユニット10に異常報知ランプ等を設けて点灯させるようにしてもよいが、通常の車両走行時に点火コイルユニット10の異常報知ランプが人目に触れることはないので、本実施形態では報知対象を内燃機関駆動制御装置3とする。異常状態報知手段163か重畳制御の異常状態発生を報らされた内燃機関駆動制御装置3は、ダッシュボードなどに可視表示させたり、合成音声等で可聴報知させたりして、運転者等に異常発生を知らせるのである。なお、内燃機関の点火サイクルは高速で行われるので、イレギュラーな要因で1回のみ異常状態と判定されたようなケースを逐一知らせるのは煩雑であるから、例えば、同じ異常状態が所定回数連続して発生した場合にのみ、内燃機関駆動制御装置3が報知動作を行うようにしてもよい。
【0039】
異常状態報知手段163が内燃機関駆動制御装置3へ異常状態を報知する手法は特に限定されないが、本実施形態では、重畳信号線L2を介して異常状態を報せる異常状態報知信号を送信するものとした。異常状態報知手段163は、異常状態報知信号線L4によって重畳信号線L2に接続され、異常状態報知信号に応じて異常状態報知信号線L4の電位レベルを変化させることで、重畳信号線L2の電位レベルを異常状態報知信号に応じて変化させる。かくすれば、内燃機関駆動制御装置3は、重畳信号線L2のレベル変化として異常状態報知信号を受信できる。
【0040】
ただし、重畳信号線L2は重畳信号Spを副一次コイル通電手段15へ供給することが本来の役目であるから、重畳信号Spの入力を異常状態報知信号が阻害しないようにしなければならない。例えば、重畳信号Spがオフになったタイミングで異常状態報知信号を出力すると、内燃機関駆動制御装置3は、重畳信号Spをオフにした後も重畳信号線L2がON電位のままであることから、異常状態報知信号を受信していると判別できる。なお、異常状態報知手段163により出力される異常状態報知信号は、必ずしも重畳信号Spと同電位にする必要はなく、重畳信号Spよりも高電位あるいは低電位とすることで、内燃機関駆動制御装置3が識別し易いようにしてもよい。また、異常状態報知信号の出力時間を変えるなどして、内燃機関駆動制御装置3が過剰異常状態と不足異常状態を識別できるようにしてもよい。
【0041】
上述した異常状態報知信号は、重畳信号線L2を介して重畳信号成形手段151にも入力されるので、異常状態報知信号に基づく重畳指示信号Sp′が重畳指示信号線L3に出力されてしまい、重畳制御終了後に重畳スイッチ素子153がオンになる危険性がある。そこで、異常状態報知手段163は、重畳動作規制信号線L5を介して重畳指示信号線L3と接続され、異常状態報知信号の出力期間中、異常状態報知手段163は重畳動作規制信号線L5を接地電位に落とすようにした。かくすれば、重畳信号線L2を介して異常状態報知信号を送信しても、副一次コイル通電手段15による重畳動作は規制され、重畳制御終了後に重畳スイッチ素子153がオンになる危険性を回避できる。
【0042】
なお、本実施形態では、重畳信号線L2を介して異常状態報知信号を内燃機関駆動制御装置3へ送信するものとしたが、異常状態報知信号の送信手法は特に限定されない。例えば、異常状態報知手段163から異常状態報知信号線L4′(図1中、破線で示す)を介して点火信号線L1と接続し、点火信号線L1から内燃機関駆動制御装置3へ異常状態報知信号を送信するようにしてもよい。あるいは、異常状態報知手段163と内燃機関駆動制御装置3を直接結ぶ異常状態報知信号線L4″(図1中、破線で示す)を設け、重畳制御の異常状態発生を専用の信号ラインで内燃機関駆動制御装置3に報知するようにしてもよい。また、異常状態発生の報知先は内燃機関駆動制御装置3に限らず、例えば、自動車両の室内適所に設けた異常状態報知器へ異常状態報知信号を送信し、異常状態報知器によって重畳制御が異常状態であることを運転者等に報知するようにしてもよい。
【0043】
上記のように構成した重畳機能部14を備える点火コイルユニット10を含む内燃機関用点火装置1による重畳動作を、図2に基づき説明する。図2においては、適正状態と不足異常状態と過剰異常状態に分けて例示してある。
【0044】
点火信号Siのオン・オフによって主一次コイル111aへの通電・遮断が実行され、高電圧が印加された点火プラグ2に火花放電が起きて、二次コイル112に二次電流I2が流れるようになる。例えば、点火信号Siがオフになった点火タイミングと同時に重畳信号Spをオンにして、重畳動作を開始する。なお、重畳動作の開始タイミングは、点火プラグ2に火花放電を起こした点火タイミング以降であれば良く、点火タイミングから若干の猶予期間を空けて、重畳動作を開始するようにしても良い。
【0045】
重畳信号Spがオンになることで、重畳制御手段152より能動信号が重畳スイッチ素子153のゲートに入力され、重畳スイッチ素子153がオンになり、副一次コイル111bに副一次コイル電流I1bが流れ始める。重畳動作が開始されることにより、副一次コイル電流I1bを流した副一次コイル111bから二次側に放電エネルギーが与えられるので、減少していた二次電流I2が増加し、点火プラグ2内の火花放電を好適に持続させることができる。
【0046】
副一次コイル通電手段15による重畳制御が適正であれば、主一次コイル111aから二次コイル112への放電エネルギー減少を補うように副一次コイル電流I1bが増加してゆき、判定開始猶予期間Tmが経過する前に下限閾値TH-bを上回る。判定開始猶予期間Tmが経過したタイミングで判定期間検出手段162が判定期間検出信号をONにすると(例えば、信号電位をHレベルからLレベルにすると)、重畳制御状態判定手段161による判定動作が開始される。その後、重畳信号SpがOFFになったタイミングで、判定期間検出手段162が判定期間検出信号をOFFにすると(例えば、信号電位をLレベルからHレベルに戻すと)、重畳制御状態判定手段161による判定動作が終了する。
【0047】
判定期間検出手段162によって検出された判定期間Tjの間、重畳制御状態判定手段161は、Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bvより下がることはないか、Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを超えることはないかをモニタする。すなわち、判定期間Tjの間、Vs1検出値が上限閾値電圧TH-tvと下限閾値電圧TH-bvの範囲内にあれば、重畳制御状態判定手段161は、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tと下限閾値TH-bの範囲内にある適正状態と判定するのである。重畳制御状態判定手段161が適正状態と判定した場合、重畳制御状態判定信号はOFFのままであるから、異常状態報知手段163によって異常状態報知信号が出力されることはないので、重畳信号SpがOFFになった後、重畳信号線L2の電位はLを維持する。
【0048】
一方、判定期間Tjの間、Vs1検出値が下限閾値電圧TH-bv以上を保持できていない場合、重畳制御状態判定手段161は、副一次コイル電流I1bが下限閾値TH-bを下回る不足異常状態と判定する。重畳制御状態判定手段161が不足異常状態と判定した場合、所定時間幅t1のパルスを重畳制御状態判定信号として異常状態報知手段163に出力し、これを受けた異常状態報知手段163は、所定時間幅t1のパルスを異常状態報知信号として出力する。
【0049】
よって、重畳制御の終了時に重畳信号SpがOFFになることで重畳信号線L2の電位はLレベルとなるが、ほぼ同時に異常状態報知信号によって重畳信号線L2の電位はHに変わるので、その後も所定時間幅t1が経過するまで、重畳信号線L2の電位はHレベルを維持する。これにより、内燃機関駆動制御装置3は、所定時間幅t1の異常状態報知信号(不足異常状態を報知する信号)を受信する。なお、異常状態報知手段163により出力される異常状態報知信号のON電位V1は、重畳信号SpのON電位と同じに設定してもよいし、重畳信号Spと異なるON電位にして、異常状態報知信号を重畳信号Spと識別し易いようにしてもよい。
【0050】
また、判定期間Tjの間に、一瞬でもVs1検出値が上限閾値電圧TH-tvを超えている場合、重畳制御状態判定手段161は、副一次コイル電流I1bが上限閾値TH-tを上回る過剰異常状態と判定する。重畳制御状態判定手段161が過剰異常状態と判定した場合、所定時間幅t2のパルスを重畳制御状態判定信号として異常状態報知手段163に出力し、これを受けた異常状態報知手段163は、所定時間幅t2のパルスを異常状態報知信号として出力する。
【0051】
よって、重畳制御の終了時に重畳信号SpがOFFになることで重畳信号線L2の電位はLレベルとなるが、ほぼ同時に異常状態報知信号によって重畳信号線L2の電位はHに変わるので、その後も所定時間幅t2が経過するまで、重畳信号線L2の電位はHレベルを維持する。これにより、内燃機関駆動制御装置3は、所定時間幅t2の異常状態報知信号(過剰異常状態を報知する信号)を受信できる。
【0052】
なお、異常状態報知手段163により出力される異常状態報知信号の時間幅を変えることで、不足異常状態を報知する異常状態報知信号と過剰異常状態を報知する異常状態報知信号を内燃機関駆動制御装置3が識別できるようにしたが、パルス幅を用いた識別手法に限定されない。例えば、重畳制御状態判定手段161が過剰異常状態と判定した場合、不足異常状態の判定結果を報せる重畳制御状態判定信号の信号電位V1よりも高い信号電位V2の重畳制御状態判定信号を異常状態報知手段163に出力し、過剰異常状態の判定結果を報せる。これを受けた異常状態報知手段163は、不足異常状態の発生を報せる異常状態報知信号の信号電位V1よりも高い信号電位V2の異常状態報知信号を重畳信号線L2に出力する。よって、重畳制御の終了時に重畳信号SpがOFFになると同時に異常状態報知信号により重畳信号線L2の電位はV2に変わることとなり、内燃機関駆動制御装置3は、信号電位V2の異常状態報知信号(過剰異常状態を報知する信号)を受信できる。なお、異常状態報知信号の信号電位によって、不足異常状態と過剰異常状態を識別可能に報知する場合、異常状態報知信号のパルス幅t1とt2は同じにしてもよいし、異なる時間幅にしてもよい。
【0053】
以上、本発明に係る内燃機関用点火装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 内燃機関用点火装置
10 点火コイルユニット
11 点火コイル
111a 主一次コイル
111b 副一次コイル
112 二次コイル
13 主一次コイル通電手段
15 副一次コイル通電手段
16 重畳制御状態監視手段
2 点火プラグ
3 内燃機関駆動制御装置
図1
図2