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特許7408490動画像速度検出装置、動画像速度検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】動画像速度検出装置、動画像速度検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/246 20170101AFI20231225BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20231225BHJP
【FI】
G06T7/246
G06T7/60 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020097463
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021189991
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柳 隆裕
【審査官】片岡 利延
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-36255(JP,A)
【文献】特開2007-122594(JP,A)
【文献】特開2003-271973(JP,A)
【文献】特開2017-30380(JP,A)
【文献】特開2013-114278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/246
G06T 7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像を撮影して画像データを出力する撮像手段と、
前記画像データに対して、フレーム毎に輪郭画像処理を実行して輪郭強調画像を出力する輪郭強調手段と、
前記輪郭強調画像の各座標の値を、しきい値に基づいて2値化して、2値化画像を出力する2値化手段と、
前記2値化画像に対して、複数の連結パターンに基づいて連結を調査してラベルを特定し、ラベルが付与されたラベル画像と、ラベルを特定するために使用した連結パターンがラベル毎に設定された連結局所形状パターン画像を出力する連結ラベリング手段と、
前記連結局所形状パターン画像をもとにラベル毎の連結パターンの種類と数とをラベル特徴量として抽出して出力する特徴抽出手段と、
前記特徴抽出手段から出力される現フレームに対応する第1ラベル特徴量と数フレーム前に対応する第2ラベル特徴量とをもとに、フレーム間のラベルの特徴照合を実行して、フレーム間のラベルの対応を判定するフレーム間照合判定手段と、
前記フレーム間照合判定手段によるラベルの照合結果をもとに、フレーム間の対応するラベルの位置変化をもとにラベルに相当する前記動画像に撮影された物体の速度を推定して出力する速度推定手段と
を有する動画像速度検出装置。
【請求項2】
前記連結ラベリング手段は、8連結パターンを使用して前記ラベル画像を生成し、
前記特徴抽出手段は、ラベル毎の8連結パターンの種類と数とをラベル特徴量として抽出する請求項1記載の動画像速度検出装置。
【請求項3】
前記特徴抽出手段は、ラベル特徴量として、さらに前記ラベル画像をもとにして、ラベルの輪郭長、最大座標、最小座標、座標総和の何れかを抽出する請求項1または請求項2記載の動画像速度検出装置。
【請求項4】
前記速度推定手段は、フレーム中の個々のラベルの移動方向を集計して、多数決により画像中の物体の移動方向を判定し、判定された移動方向の速度を推定する請求項1または請求項2記載の動画像速度検出装置。
【請求項5】
撮像器から出力される動画像の画像データに対して、フレーム毎に輪郭画像処理を実行して輪郭強調画像を出力し、
前記輪郭強調画像の各座標の値を、しきい値に基づいて2値化して、2値化画像を出力し、
前記2値化画像に対して、複数の連結パターンに基づいて連結を調査してラベルを特定し、ラベルが付与されたラベル画像と、ラベルを特定するために使用した連結パターンがラベル毎に設定された連結局所形状パターン画像を出力し、
前記連結局所形状パターン画像をもとにラベル毎の連結パターンの種類と数とをラベル特徴量として抽出し、
現フレームに対応する第1ラベル特徴量と数フレーム前に対応する第2ラベル特徴量とをもとに、フレーム間のラベルの特徴照合を実行して、フレーム間のラベルの対応を判定し、
ラベルの照合結果をもとに、フレーム間の対応するラベルの位置変化をもとにラベルに相当する前記動画像に撮影された物体の速度を推定して出力する動画像速度検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば動画像により撮影される物体の移動速度を検出する動画像速度検出装置、同装置における動画像速度検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像によって撮影された物体の速度を検出する装置として、例えば特許文献1に記載された画像処理システムが知られている。特許文献1に記載された画像処理システムは、目標検知器などに用いられるもので、赤外線カメラから出力される赤外線画像の輝度データについて、2値化処理部により2値化処理され、セグメント処理部により2値化された画像に対しセグメントの生成処理を行う。また、セグメント処理部は、2値化処理部の出力に対して8連結の連結調査を行い、素セグメント画像と、セグメント修正情報とをセグメントテーブルに出力する。評価値計算部は、各セグメントの面積と連結情報をもとに面積変化を検出する面積変化計算を実行し、またセグメントの重心座標の移動速度ベクトル(物体の移動速度)を求める移動速度計算を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-57207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来の画像処理システムでは、画像中に含まれる移動物体に相当するセグメントを検出し、セグメントの重心位置の変化をもとに物体の速度を検出する。従来の画像処理システムでは、動画像により撮影された背景以外の特定の移動物体について移動速度を検出するため、移動物体に相当するセグメントの数が少なく、セグメントに対する処理負荷が大きくない。
【0005】
これに対して、例えば、カメラの向き(撮影範囲)が変更されながら撮影される動画像、あるいは移動体に搭載されたカメラによって撮影される動画像では、画像全体が変化するため、画像に含まれる全ての物体が画像中において移動する。従って、画像に含まれる全ての物体が移動速度の検出対象となるために処理負荷が増大し、処理時間が長くなってしまう。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、動画像により撮影された物体の速度検出を高速化することが可能な動画像速度検出装置、動画像速度検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、動画像速度検出装置は、撮像手段、輪郭強調手段、2値化手段、連結ラベリング手段、特徴抽出手段、フレーム間照合判定手段、速度推定手段を有する。撮像手段は、動画像を撮影して画像データを出力する。輪郭強調手段は、前記画像データに対して、フレーム毎に輪郭画像処理を実行して輪郭強調画像を出力する。2値化手段は、前記輪郭強調画像の各座標の値を、しきい値に基づいて2値化して、2値化画像を出力する。連結ラベリング手段は、前記2値化画像に対して、複数の連結パターンに基づいて連結を調査してラベルを特定し、ラベルが付与されたラベル画像と、ラベルを特定するために使用した連結パターンがラベル毎に設定された連結局所形状パターン画像を出力する。特徴抽出手段は、前記連結局所形状パターン画像をもとにラベル毎の連結パターンの種類と数とをラベル特徴量として抽出して出力する。フレーム間照合判定手段は、前記特徴抽出手段から出力される現フレームに対応する第1ラベル特徴量と数フレーム前に対応する第2ラベル特徴量とをもとに、フレーム間のラベルの特徴照合を実行して、フレーム間のラベルの対応を判定する。速度推定手段は、前記フレーム間照合判定手段によるラベルの照合結果をもとに、フレーム間の対応するラベルの位置変化をもとにラベルに相当する前記動画像に撮影された物体の速度を推定して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態における動画像速度検出装置の構成を示すブロック図。
図2】8連結パターンの一例を示す図。
図3】本実施形態における動画像速度検出装置の全体の処理を示すフローチャート。
図4】本実施形態における8連結ラベリング部による8連結ラベリングの処理例を示す図。
図5】本実施形態における8連結ラベリングの処理を示すフローチャート。
図6】本実施形態における素ラベリング変換情報作成部による素ラベル変換情報作成とリラベリング部によるリラベリングの処理例を示す図。
図7】本実施形態における素ラベル変換情報生成の処理を示すフローチャート。
図8】本実施形態におけるリラベリングの処理を示すフローチャート。
図9】本実施形態における特徴抽出部による特徴抽出の処理例を示す図。
図10】本実施形態における特徴抽出部による特徴抽出の処理を示すフローチャート。
図11】本実施形態における特徴抽出部によるラベル特徴量計算を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態における動画像速度検出装置の構成を示すブロック図である。動画像速度検出装置は、撮像器11、輪郭強調部12、2値化部13、8連結ラベリング部14、素ラベリング変換情報作成部15、リラベリング部16、特徴抽出部17、一時記憶部18、フレーム間照合判定部19、及び速度推定部20を有する。
【0011】
図1に示す撮像器11を除く各部(あるいは一部)は、例えばコンピュータによって実現することができる。コンピュータは、メモリに記憶された動画像速度検出プログラムを実行することにより、コンピュータに設けられた記憶装置等の各種ハードウェアを利用して各部の機能を実現することができる。コンピュータは、撮像器11によって撮影された撮影画像(画像データ)を入力して、動画像に撮影された物体の移動速度を検出するための画像処理を実行する。
【0012】
本実施形態における動画像速度検出装置は、例えば、カメラの向き(撮影範囲)が変更されながら撮影される動画像、あるいは移動体に搭載されたカメラによって撮影される動画像について、画像中の物体の速度を検出する。すなわち、画像中の物体の速度を検出することで、カメラの向きが変更される速度と方向、あるいはカメラが搭載された移動体の速度と方向を検出することができるようにする。
【0013】
撮像器11は、動画像を撮影して、撮像された撮像画像の画像データD1を出力する。輪郭強調部12は、撮像器11から出力される画像データD1(撮像画像)に対して、フレーム毎に輪郭画像処理を実行して輪郭強調画像D2を出力する。2値化部13は、輪郭強調部12から出力される輪郭強調画像D2の各座標の値を、しきい値に基づいて2値化して(0または1)、2値化画像D3を出力する。
【0014】
8連結ラベリング部14は、2値化部13から出力される2値化画像D3に対して、8連結パターンに基づいて上下左右斜め方向の8連結を調査(スキャン)し、ラベルが付与された素ラベル画像D6、素ラベル修正情報D4、素ラベル数D5、及び8連結局所形状パターン画像D7を出力する。
【0015】
図2は、2値化画像D3に対して、上下左右斜め方向の8連結を調査するための8連結パターンを示している。図2に示すように、8連結パターンは、16パターン(番号0~15)がある。図2の8連結パターンにおいて「1」は、2値化あり又はラベルあり、「0」、2値化なし又はラベルなし、を示す。また、8連結パターンの「a」「b」「c」「d」は、素ラベル画像のラベル番号位置、「x」は、2値画像の位置及び素ラベル画像のラベル番号割付位置を示す。
【0016】
本実施形態における動画像速度検出装置では、8連結ラベリング部14による2値化画像D3に対するラベリングのために使用した8連結パターンのパターン種類の種類と、各パターン種類の数とを、それぞれのラベルの特徴量として扱う。ここで、ラベリングのために使用した8連結パターンを、ラベルに対する8連結局所形状パターンとする。
【0017】
素ラベリング変換情報作成部15は、8連結ラベリング部14から出力される素ラベル修正情報D4及び素ラベル数D5をもとに素ラベル変換情報D9を生成して、素ラベル変換情報D9とラベル数D8を出力する。
【0018】
リラベリング部16は、素ラベリング変換情報作成部15から出力された素ラベル画像D6をラベル画像D10に変換して出力する。
【0019】
特徴抽出部17は、8連結ラベリング部14から出力された8連結局所形状パターン画像D7と、リラベリング部16から出力されたラベル画像D10とからラベル特徴量D11を抽出して出力する。ラベルの特徴量には、少なくとも図2に示す8連結局所形状パターン(パターン種類と数)を含む。また、ラベルの特徴量には、ラベルの輪郭長、最大座標、最小座標、座標総和を含むことができる。
【0020】
一時記憶部18は、特徴抽出部17により抽出されたラベル特徴量D11が一時記録される。一時記憶部18は、動画像の数フレーム前のラベル特徴量D12をフレーム間照合判定部19に出力することかできる。
【0021】
フレーム間照合判定部19は、ラベル数D13が示す各ラベルについて、特徴抽出部17から出力される現フレームのラベル特徴量D11と、一時記憶部18に記憶された数フレーム前のラベル特徴量D13との類似度により、フレーム間のラベルの特徴照合を実行して、フレーム間のラベルの対応を判定する。フレーム間照合判定部19は、ラベル特徴量D11,D12に対する特徴照合の照合結果D14を出力する。
【0022】
速度推定部20は、フレーム間照合判定部19によるラベルの照合結果D14とラベル数D15をもとに、個々のラベルの移動方向を集計して、多数決により画像中の物体の移動方向を判定し、フレーム間のラベルの位置変化をもとに物体の速度D16を推定して出力する。
【0023】
次に、本実施形態における動画像速度検出装置の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0024】
図3は、本実施形態における動画像速度検出装置の全体の処理を示すフローチャートである。動画像速度検出装置は、図3に示す速度検出ループL1S~L1Eの各処理(ステップS1~S9)を、撮像器11により撮影される画像データD1(動画像)について、フレーム毎に繰り返して実行する。
【0025】
輪郭強調部12は、撮像器11から画像データD1を入力して(ステップS1)、輪郭画像処理を実行して輪郭強調画像D2を出力する(ステップS2)。
【0026】
2値化部13は、輪郭強調部12から出力される輪郭強調画像D2を、しきい値に基づいて2値化して(0または1)、2値化画像D3を出力する(ステップS3)。
【0027】
8連結ラベリング部14は、2値化部13から出力される2値化画像D3に対して、図2に示す8連結パターンを使用して8連結ラベリングし、ラベル毎の8連結局所形状パターン(パターン種類と数)を抽出する(ステップS4)。
【0028】
図4は、本実施形態における8連結ラベリング部14による8連結ラベリングの処理例を示し、図5は、本実施形態における8連結ラベリングの処理を示すフローチャートを示している。
【0029】
まず、8連結ラベリング部14は、素ラベル修正情報D4を全て0にクリアし(ステップA1)、また座標v、素ラベル数D5を0に初期化する(ステップA2)。ここでは、2値化画像D3について水平座標h、垂直座標vとして表すものとする。
【0030】
8連結ラベリング部14は、座標vループLA1S~LA1Eを、2値化画像D3の各座標vについて、インクリメント(ステップA3)しながら繰り返して実行する。8連結ラベリング部14は、座標vの水平1ライン分について、まず座標hを0に初期化し(ステップA4)、各座標hについてインクリメント(ステップA5)しながら、座標hループLA2S~LA2Eを繰り返して実行する。
【0031】
8連結ラベリング部14は、2値化画像D3の処理対象とする座標(v,h)の値が「1」であるか判別する。座標(v,h)の値が「1」でない場合(ステップA6、No)、8連結ラベリング部14は、素ラベル画像の座標(v,h)の値(以下、素ラベル画像(v,h)と称する場合がある)を「0」に設定する(ステップA7)。また、8連結ラベリング部14は、8連結局所形状パターンの座標(v,h)の値(以下、8連結局所形状パターン画像(v,h)と称する場合がある)を「0」に設定する(ステップA8)。
【0032】
一方、座標(v,h)の値が「1」である場合(ステップA6、Yes)、8連結ラベリング部14は、以下に説明する8連結パターン(0~15)処理のためにラベルa,b,c,dの値を設定する(ステップA9)。すなわち、8連結ラベリング部14は、ラベルaに素ラベル画像(v-1,h-1)を設定し、ラベルbに素ラベル画像(v-1,h)を設定し、ラベルcに素ラベル画像(v-1,h+1)を設定し、ラベルdに素ラベル画像(v,h-1)を設定する。
【0033】
8連結ラベリング部14は、2値化画像D3の処理対象とする座標(v,h)に該当する8連結パターンが、図2に示す番号0の8連結パターンである場合(ステップA10、Yes)、8連結パターン0処理を実行する。また、8連結ラベリング部14は、座標(v,h)に該当する8連結パターンが、図2に示す番号1の8連結パターンである場合(ステップA11、Yes)、8連結パターン1処理を実行する。
【0034】
同様にして、8連結ラベリング部14は、座標(v,h)に該当する8連結パターンが、図2に示す番号2~13の8連結パターンである場合、それぞれに対応する8連結パターン2~14処理を実行する。
【0035】
同様にして、8連結ラベリング部14は、座標(v,h)に該当する8連結パターンが、図2に示す番号14の8連結パターンである場合(ステップA14、Yes)、8連結パターン14処理を実行し、番号15の8連結パターンである場合(ステップA14、No)、8連結パターン15処理を実行する。
【0036】
以下、8連結パターン(0~15)処理の詳細について説明する。
【0037】
8連結パターン0処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号0を設定する。
(2)新規ラベルのため素ラベル数をインクリメントする。
(3)素画像(v,h)に素ラベル数を設定する。
(4)素ラベル修正情報(素ラベル数)に素ラベル数を設定する。
【0038】
8連結パターン1処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号1を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)を設定する。
【0039】
8連結パターン2処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号2を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルb)を設定する。
【0040】
8連結パターン3処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号3を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルb)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルb)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0041】
8連結パターン4処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号4を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルc)を設定する。
【0042】
8連結パターン5処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号5を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルc)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルc)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0043】
8連結パターン6処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号6を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルb)と素ラベル修正情報(ラベルc)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルb)と素ラベル修正情報(ラベルc)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0044】
8連結パターン7処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号7を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0045】
8連結パターン8処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号8を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルd)を設定する。
【0046】
8連結パターン9処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号9を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)と素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0047】
8連結パターン10処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号10を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルb)と素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルb)と素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0048】
8連結パターン11処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号11を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0049】
8連結パターン12処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号12を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルc)と素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルc)と素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0050】
8連結パターン13処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号13を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0051】
8連結パターン14処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号14を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0052】
8連結パターン15処理
(1)8連結パターン画像(v,h)に局所形状パターン番号15を設定する。
(2)素画像(v,h)に素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の小さいラベルを設定する。
(3)素ラベル修正情報(ラベルa)、素ラベル修正情報(ラベルb)、素ラベル修正情報(ラベルc)、素ラベル修正情報(ラベルd)の大きいラベルを小さいラベルに設定する。
【0053】
8連結ラベリング部14は、2値化画像D3の各画像(v,h)について前述した処理を実行し、処理結果としてラベルが付与された素ラベル画像D6、素ラベル修正情報D4、素ラベル数D5、及び8連結局所形状パターン画像D7を出力する。
【0054】
例えば、図4に示す2値化画像D3の場合、8連結ラベリング部14は、素ラベル画像D6に示すように12のラベルを抽出して、素ラベル数D5「12」を出力する。
【0055】
素ラベル修正情報D4は、図4に示すように、8連結パターンによるスキャンにより付された各ラベルのラベル番号1~14に対して、修正後のラベル番号(修正番号)が設定されている。修正番号には、他の(ラベル番号が小さい)ラベルと連結されているラベルについて、8連結パターンによるスキャンにより付されたラベル番号とは異なるラベル番号が付されている。図4に示す例では、ラベル番号4のラベルがラベル番号3のラベルと連結された関係にあるため、ラベル番号4に対して修正番号3が設定されている。
【0056】
8連結局所形状パターン画像D7は、図4に示すように、8連結パターンによるスキャンにより使用された8連結パターンが、8連結局所形状パターンとして該当する画像(v,h)に対して設定されている。例えば、ラベル番号7のラベルについては、番号0,8,3の8連結パターンと、2つの番号2の8連結パターンが、8連結局所形状パターンとして設定されたことを示している。
【0057】
8連結ラベリング部14による処理により素ラベル修正情報D4及び素ラベル数D5が出力されると、素ラベリング変換情報作成部15は、素ラベル修正ループL2S~L2Eの処理を素ラベル数D5まで繰り返して、各素ラベルに対する素ラベル変換情報作成処理(ステップS5)を実行する。
【0058】
また、リラベリング部16は、素ラベリング変換情報作成部15により作成された素ラベル変換情報D9を用いて、8連結ラベリング部14から出力された素ラベル画像D6に対して、ラベル番号を付け直すリラベリングを実行し、ラベル画像D10を出力する(ステップS6)。
【0059】
特徴抽出部17は、8連結ラベリング部14から出力された8連結局所形状パターン画像D7と、リラベリング部16から出力されたラベル画像D10とからラベル特徴量D11を抽出して出力する。
【0060】
リラベリング部16と特徴抽出部17は、特徴抽出ループL3S~L3Eの処理を、ラベル数D8が示す各O別について繰り返して実行する。
【0061】
図6は、本実施形態における素ラベリング変換情報作成部15による素ラベル変換情報作成とリラベリング部16によるリラベリングの処理例を示している。図7は、本実施形態における素ラベル変換情報生成の処理を示すフローチャート、図8は、本実施形態におけるリラベリングの処理を示すフローチャートを示している。
【0062】
まず、素ラベリング変換情報作成部15は、素ラベル変換情報D9を全て0にクリアし(ステップB1)、またラベル数D8を0にし(ステップB2)、アドレスカウンタを0に初期化する(ステップB3)。
【0063】
素ラベリング変換情報作成部15は、素ラベル修正情報D4のラベル番号が示す各素ラベルに対して、素ラベルループLBS~LBEの処理を繰り返して実行する。
【0064】
素ラベリング変換情報作成部15は、アドレスカウンタをインクリメントして、ラベルを素ラベル修正情報D4のアドレスカウンタが示すアドレス(ラベル番号)の値に設定する(ステップB5)。
【0065】
ここで、ラベルとアドレスカウンタの値が同じ場合(ステップB6、Yes)、素ラベリング変換情報作成部15は、ラベル数D8をインクリメントし(ステップB7)、素ラベル変換情報D9のアドレスカウンタが示すラベル番号と対応づけて、現在のラベル数を修正番号として設定する(ステップB8)。
【0066】
一方、ラベルとアドレスカウンタの値が異なる場合(ステップB6、No)、素ラベリング変換情報作成部15は、素ラベル変換情報D9のアドレスカウンタが示すラベル番号と対応づけて、現在のラベルの値を修正番号として設定する(ステップB8)。
【0067】
以下、同様にして、アドレスカウンタを素ラベル数までインクリメントしながら、素ラベル修正情報D4に設定された情報の変換を実行する(ステップB4~B9)。
【0068】
例えば、図6に示す素ラベル修正情報D4の場合、素ラベリング変換情報作成部15は、前述した素ラベル変換情報作成により、連結されたラベル画同じラベルとなるように修正番号で設定される。例えば、ラベル番号5,6に対する修正番号が同じ「4」に設定されている。また、ラベルが連結されることでラベル数が減るため、ラベル数の減少に伴って、ラベル番号7以降の修正番号が修正後のラベル数に応じた値に設定されている。
【0069】
リラベリング部16は、素ラベリング変換情報作成部15により素ラベル変換情報D9が生成されると、素ラベル画像D6を、素ラベル変換情報D9に基づいてリラベリングしてラベル画像D10に変換する。
【0070】
まず、リラベリング部16は、処理対象とする座標vを0に初期化する(ステップC1)。リラベリング部16は、座標vループLC1S~LC1Eを、素ラベル画像D6の各座標vについて、インクリメント(ステップC2)しながら繰り返して実行する。リラベリング部16は、座標vの水平1ライン分について、まず座標hを0に初期化し(ステップC3)、各座標hについてインクリメント(ステップC4)しながら、座標hループLC2S~LC2Eを繰り返して実行する。
【0071】
リラベリング部16は、処理対象とするラベルを現在の素ラベル画像(v,h)の値に設定し(ステップC5)、該当する座標(v,h)にラベルがあるか判定する。ラベルがあると判定された場合(ステップC6、Yes)、リラベリング部16は、現在の素ラベル画像(v,h)に対応するラベル画像D10のラベル画像(v,h)の値を、素ラベル変換情報D9の値に設定する(ステップC7)。一方、ラベルがないと判定された場合(ステップC6、No)、リラベリング部16は、現在の素ラベル画像(v,h)に対応するラベル画像D10のラベル画像(v,h)の値を0に設定する(ステップC8)。
【0072】
こうしてリラベリングをすることにより、例えば図6に示す素ラベル画像D6は、ラベル画像D10に示すように、連結されたラベルが同じラベル番号に変換される。この結果、素ラベル画像D6において設定された12(ラベル数)のラベルは9(ラベル数)のラベルに変換される。
【0073】
図9は、本実施形態における特徴抽出部17による特徴抽出の処理例を示している。図10は、本実施形態における特徴抽出部17による特徴抽出の処理を示すフローチャートを示している。
【0074】
まず、特徴抽出部17は、ラベル特徴量D11を初期化する(ステップD1)。すなわち、8連結局所形状パターン、ラベルの輪郭長、最大座標、座標総和を0に設定し、最小座標を座標の最大値に設定する。
【0075】
また、特徴抽出部17は、処理対象とする座標vを0に初期化する(ステップD1)。特徴抽出部17は、座標vループLD1S~LD1Eを、ラベル画像D10の各座標vについて、インクリメント(ステップD3)しながら繰り返して実行する。特徴抽出部17は、座標vの水平1ライン分について、まず座標hを0に初期化し(ステップD4)、各座標hについてインクリメント(ステップD5)しながら、座標hループLD2S~LD2Eを繰り返して実行する。
【0076】
特徴抽出部17は、処理対象とするラベルを現在のラベル画像(v,h)の値に設定し(ステップD6)、該当する座標(v,h)にラベルがあるか判定する。ラベルがあると判定された場合(ステップD7、Yes)、特徴抽出部17は、現在のラベル画像(v,h)に対応するパターンを8連結局所形状パターン画像(v,h)に設定する(ステップD8)。さらに、特徴抽出部17は、現在のラベル画像(v,h)について、8連結局所形状パターン、輪郭長、最大座標、最小座標、座標総和を求めるためのラベル特徴量計算を実行する(ステップD9)。
【0077】
一方、ラベルがないと判定された場合(ステップD7、No)、特徴抽出部17は、現在のラベル画像(v,h)に対応するパターンの設定及びラベル特徴量計算を実行しない。
【0078】
図11は、本実施形態における特徴抽出部17によるラベル特徴量計算を示すフローチャートである。
【0079】
特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、8連結局所形状パターン)をインクリメントし(ステップE1)、またラベル特徴量(ラベル、輪郭長)をインクリメントする(ステップE2)。
【0080】
ラベル特徴量計算では、まず特徴抽出部17は、ラベル特徴量の最大座標をラベル特徴量(ラベル、最大座標v)に設定する(ステップE2)。ここで、現在の座標vが最大座標より大きい場合(ステップE4、Yes)、特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、最大座標v)を現在の座標vの値に更新する(ステップE5)。
【0081】
また、特徴抽出部17は、ラベル特徴量の最大座標をラベル特徴量(ラベル、最大座標h)に設定する(ステップE6)。ここで、現在の座標hが最大座標より大きい場合(ステップE7、Yes)、特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、最大座標h)を現在の座標hの値に更新する(ステップE8)。
【0082】
特徴抽出部17は、ラベル特徴量の最小座標をラベル特徴量(ラベル、最小座標v)に設定する(ステップE9)。ここで、現在の座標vが最小座標より小さい場合(ステップE10、Yes)、特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、最小座標v)を現在の座標vの値に更新する(ステップE11)。
【0083】
また、特徴抽出部17は、ラベル特徴量の最小座標をラベル特徴量(ラベル、最小座標h)に設定する(ステップE12)。ここで、現在の座標hが最小座標より小さい場合(ステップE13、Yes)、特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、最小座標h)を現在の座標hの値に更新する(ステップE14)。
【0084】
次に、特徴抽出部17は、ラベル特徴量(ラベル、座標総和v)に座標vを加算し(ステップE15)、ラベル特徴量(ラベル、座標総和h)に座標hを加算する(ステップE16)。
【0085】
特徴抽出部17による特徴抽出の処理を実行することで、各ラベル(ラベル番号)に対応するラベル特徴量D11が求められる。例えば、図9に示すように、ラベル画像D10に対して、ラベル番号1~9の各ラベルに対する特徴量(8連結局所形状パターン、輪郭長、最大座標、最小座標、座標総和)がラベル特徴量D11として抽出されている。
【0086】
例えば、ラベル番号2のラベルについては、ラベル特徴量の8連結局所形状パターンとして、番号0の8連結パターンが「2」、番号1の8連結パターンが「1」、番号10の8連結パターンが「1」、番号12の8連結パターンが「1」が抽出されている。
【0087】
特徴抽出部17は、特徴抽出により抽出した、現在の処理対象とするフレームのラベル特徴量D11として一時記憶部18に記憶させる。一時記憶部18には、少なくともフレーム間照合判定部19による照合対象とするフレーム間数分のフレームに対応するラベル特徴量D11が記憶されるものとする。
【0088】
フレーム間照合判定部19は、特徴抽出ループが終了し、現在の対象とするフレームのラベル特徴量D11が出力されると、照合判定ループL4S~L4Eによって、フレーム中の各ラベルに対するフレーム間の対応を照合するフレーム間照合判定の処理を実行する(ステップS8)。
【0089】
すなわち、フレーム間照合判定部19は、特徴抽出部17により抽出された現在の対象とするフレームのラベル特徴量D11と、一時記憶部18に記憶された数フレーム前のラベル特徴量D12とを照合して、フレーム中のラベル数D13が示す各ラベルの対応を判別する。
【0090】
ここで、フレーム間照合判定部19は、図9に示すラベル特徴量D11のように、各ラベルについて8連結局所形状パターン(パターン種類と数)が特徴量として抽出されているため、8連結局所形状パターンの照合によってラベルの対応を判定することができる。すなわち、ラベルの照合をするために、画像中の各ラベルについて重心位置を算出するなどの画像処理を改めて実行する必要無く、ラベリングに使用した8連結パターンをラベルの特徴量として使用することで照合の処理負荷を軽減して、処理時間の短縮を図ることができる。
【0091】
さらに、フレーム間照合判定部19は、8連結局所形状パターンだけでなく、図9のラベル特徴量D11に示す輪郭長、最大座標、最小座標、座標総和を用いて、ラベルの対応を判定することができる。従って、精度高くラベルの照合をすることができる。
【0092】
フレーム間照合判定部19は、フレーム間照合判定が完了すると照合結果D14を出力する。速度推定部20は、フレーム間照合判定部19から出力される照合結果D14をもとに、ラベル数D15が示すフレーム間の各ラベルの位置変化を求める。ここでは、フレーム間照合判定部19による照合対象とした数フレーム前のフレームと現在のフレームとの位置変化によりラベル毎に移動方向を特定できる。なお、各ラベルの位置変化を求める際に、ラベルの位置を、例えばラベルの重心位置とすることができる。ラベルの重心位置は、ラベル特徴量D11に示す輪郭長と座標総和を用いて、「重心位置=座標総和÷輪郭長」として求めることができる。
【0093】
フレーム間照合判定部19は、各ラベルの移動方向を集計して、多数決により画像中のラベルの移動方向を判定する。すなわち、本実施形態では、カメラの向き(撮影範囲)が変更されながら撮影される動画像、あるいは移動体に搭載されたカメラによって撮影される動画像を処理対象としているため、本来、画像に含まれる全てのラベルが同じ方向に移動される。このため、複数のラベルのうち移動方向が異なると判定される数が少ない方のラベルについてはエラーとして速度推定の対象としない。
【0094】
速度推定部20は、フレーム間照合判定部19による照合対象としたフレーム間の時間と、フレーム中のラベルの位置変化量をもとに、画像中のラベル(物体)の速度を推定する(ステップS9)。速度推定部20は、推定された速度D16を出力する。
【0095】
なお、前述した説明では、ラベリングにおいて8連結パターンを用いるものとして説明しているが、8連結パターン以外の連結パターン(例えば、4連結パターン)を用いることができる。この場合、前述したように、ラベリングに用いた連結パターンの種類と数とをラベル毎のラベル特徴量とすることで、前述と同様に処理を実行することができる。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0097】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0098】
11…撮像器、12…輪郭強調部、13…2値化部、14…8連結ラベリング部、15…素ラベリング変換情報作成部、16…リラベリング部、17…特徴抽出部、18…一時記憶部、19…フレーム間照合判定部、20…速度推定部、D1…画像データ、D2…輪郭強調画像、D3…2値化画像、D4…素ラベル修正情報、D5…素ラベル数、D6…素ラベル画像、D7…8連結局所形状パターン画像、D8,D13,D15…ラベル数、D9…素ラベル変換情報、D10…ラベル画像、D11…ラベル特徴量、D12…ラベル特徴量、D14…照合結果、D16…速度。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11