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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】付着物除去装置および付着物除去方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20231225BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231225BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B17/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020122293
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2022018876
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古石 朋久
【審査官】村山 絢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/116607(WO,A1)
【文献】特開2015-70566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
H04N 5/222-5/257
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された機器により検出された検出情報であって、前記車両に設けられたカメラにより撮像された画像を記録する画像記録装置の記録開始条件を満たすか否かを判定する検出情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記検出情報に基づいて、前記画像記録装置の記録開始に連動して前記カメラのレンズに対して流体を噴出させる噴出制御部と
を備えることを特徴とする付着物除去装置。
【請求項2】
前記取得部によって取得された前記検出情報が前記記録開始条件に対応する噴出条件を満たすか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記噴出制御部は、
前記判定部によって前記噴出条件を満たすと判定された場合に、前記カメラのレンズに対して流体を噴出させること
を特徴とする請求項1に記載の付着物除去装置。
【請求項3】
前記噴出条件は、
前記記録開始条件よりも緩和された条件であること
を特徴とする請求項2に記載の付着物除去装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記車両の加速度、他車両の接近および運転者による画像の記録開始操作のうち、少なくとも1つを含む前記検出情報を取得すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の付着物除去装置。
【請求項5】
前記噴出制御部は、
噴出動作を所定期間または所定回数繰り返し実行させること
を特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の付着物除去装置。
【請求項6】
前記噴出制御部は、
前記画像記録装置による記録終了まで前記噴出動作を繰り返し実行させること
を特徴とする請求項5に記載の付着物除去装置。
【請求項7】
車両に搭載された機器により検出された検出情報であって、前記車両に設けられたカメラにより撮像された画像を記録する画像記録装置の記録開始条件を満たすか否かを判定する検出情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記検出情報に基づいて、前記画像記録装置の記録開始に連動して前記カメラのレンズに対して流体を噴出させる噴出制御工程と
を含むことを特徴とする付着物除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付着物除去装置および付着物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックカメラを代表とする車載カメラのレンズに付着した付着物を除去する付着物除去装置がある。付着物除去装置は、例えば、リバースギアへの切り替えを検出した場合に、除去動作を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-83499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、運転者がバックする際にモニタでバックカメラの映像を見る場合を想定しており、例えば、カメラ映像をドライブレコーダ等で記録する場合は想定されていなかった。このため、従来技術では、カメラ映像を記録する際に、除去動作が行われないことで、付着物が付着した状態の画像が記録されるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、付着物の無い画像を高精度に記録することができる付着物除去装置および付着物除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る付着物除去装置は、取得部と、噴出制御部とを備える。前記取得部は、車両に搭載された機器により検出された検出情報であって、前記車両に設けられたカメラにより撮像された画像を記録する画像記録装置の記録開始条件を満たすか否かを判定する検出情報を取得する。前記噴出制御部は、前記取得部によって取得された前記検出情報に基づいて、前記画像記録装置の記録開始に連動して前記カメラのレンズに対して流体を噴出させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、付着物の無い画像を高精度に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る付着物除去方法の概要を説明する説明図である。
図2図2は、実施形態に係る付着物除去装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、閾値情報の一例を示す図である。
図4図4は、噴出制御部による噴出動作の繰り返し処理を示す図である。
図5図5は、噴出制御部による噴出動作の繰り返し処理を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る状態検出装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る状態検出装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する付着物除去装置および付着物除去方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る付着物除去方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る付着物除去方法の概要を説明する説明図である。図1には、実施形態に係る付着物除去システムSを示している。図1に示す付着物除去システムSは、例えば、車両に搭載される。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る付着物除去システムSは、付着物除去装置1と、カメラ50と、検出機器100と、ドライブレコーダ200とを備える。
【0012】
付着物除去装置1は、制御部2と、ノズル5と、噴出部10とを備える。噴出部10は、制御部2の制御に従って、ノズル5を介して車両用のカメラ50に配置された噴射口5aから流体を噴出することで、たとえばカメラ50のレンズ50aに付着した雨滴等の付着物を除去する。ここでいう流体は、例えば、空気(圧縮空気を含む)等の気体や、水や洗浄液等の液体等といった流動性を有する物体である。また、除去対象となる付着物は、雨滴や、泥、雪、塵埃、虫等のレンズ50aに付着する可能性がある物体である。
【0013】
カメラ50は、例えば、車両の後方を撮像するバックカメラであり、レンズ50aが外部に露出された状態で取り付けられる。なお、カメラ50は、バックカメラに限定されず、車両側方を撮像するサイドカメラや、車両前方を撮像するフロントカメラであってもよい。
【0014】
なお、カメラ50は、常時起動状態で周囲を常時撮像してもよく、後述するドライブレコーダ200の記録が行われるタイミングで起動して撮像してもよい。
【0015】
検出機器100は、車両に搭載される機器であり、各種情報を検出する。例えば、検出機器100は、車両の加速度や、他車両の接近、運転者を含む乗員の各種手動操作等の情報(以下、検出情報)を検出する。検出機器100は、検出情報を制御部2およびドライブレコーダ200へ出力する。
【0016】
ドライブレコーダ200は、カメラ50により撮像された画像を記録する画像記録装置である。例えば、ドライブレコーダ200は、検出機器100によって検出された検出情報が所定の記録開始条件を満たす場合に、画像の記録を開始する。なお、記録開始条件の詳細については後述する。
【0017】
なお、ドライブレコーダ200による記録方式は、いわゆる常時録画方式であってもよく、イベント録画方式であってもよい。常時録画方式とは、カメラ50を起動してから自動的に画像の記録を開始し、記憶領域が満杯になった後は、古い画像から順に削除して新しい画像を書き込む方式である。常時録画方式の場合、記録開始条件を満たした時刻を含む前後所定時間の画像を書込み不可に変更する(画像を保護する)ことで画像を記録する。
【0018】
また、イベント録画方式とは、車両に所定のイベント(急ブレーキや、衝突検知)が発生した場合に、自動的に画像を記録する方式である。イベント録画方式の場合、記録開始条件を満たした時刻を含む前後所定時間の画像を記録する。なお、イベント録画方式において、記録開始条件を満たした時刻より前の画像とは、例えば、カメラ50(あるいはドライブレコーダ200)のバッファに一時的に保持された画像である。
【0019】
ここで、従来は、運転者がバックする際にモニタでバックカメラの映像を見る場合を想定しており、例えば、リバースギアへの切り替えが検出された場合に、除去動作が行われていた。しかしながら、従来は、カメラ映像をドライブレコーダ等で記録する場合は想定されておらず、ドライブレコーダ等で記録する際に従来技術を適用した場合、カメラ映像を記録する際に、除去動作が行われず、付着物が付着した状態の画像が記録されるおそれがあった。
【0020】
そこで、実施形態に係る付着物除去方法では、ドライブレコーダ200の記録開始に連動して除去動作を行うこととした。
【0021】
具体的には、実施形態に係る付着物除去方法では、まず、制御部2は、検出機器100から検出情報を取得する。そして、制御部2は、取得した検出情報に基づいて、ドライブレコーダ200の記録開始に連動してカメラ50のレンズ50aに対して流体を噴出する。つまり、制御部2は、記録開始条件に対応する噴出条件を設定し、検出情報がかかる噴出条件を満たした場合に流体を噴出する。
【0022】
これにより、実施形態に係る付着物除去方法では、ドライブレコーダ200の記録開始に合わせて噴出動作を行えるようになる。従って、実施形態に係る付着物除去方法によれば、ドライブレコーダ200において、付着物の無い画像を高精度に記録することができる。
【0023】
なお、噴出条件は、記録開始条件よりも閾値等が緩和された条件であるが、かかる点の詳細については後述する。また、付着物除去装置1は、ドライブレコーダ200に記録期間中、噴出動作を繰り返し実行するが、かかる点の詳細についても後述する。
【0024】
次に、図2を用いて、実施形態に係る付着物除去装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る付着物除去装置1の構成を示す機能ブロック図である。
【0025】
図2に示すように、実施形態に係る付着物除去装置1は、検出機器100と、ドライブレコーダ200とに接続される。
【0026】
検出機器100は、車両に搭載される機器であり、各種情報(検出情報)を検出する。検出機器100は、例えば、加速度を検出する加速度センサや、周囲の物体(他車両等)との距離を検出する測距センサ、シフト位置を検出するシフトセンサ等を含む。また、検出機器100は、例えば、ドライブレコーダ200の記録開始をユーザが指示するための手動スイッチであってもよい。
【0027】
ドライブレコーダ200は、カメラ50により撮像された画像を記録する画像記録装置である。具体的には、ドライブレコーダ200は、検出機器100から取得した検出情報が所定の記録開始条件を満たした場合に、カメラ50により撮像された画像を記録する。
【0028】
記録開始条件とは、例えば、加速度の閾値や、他車両との距離の閾値、記録開始を指示する手動スイッチの操作の有無等を含む。
【0029】
ドライブレコーダ200は、記録開始条件を満たした時刻から前後所定期間の画像を記憶領域に記憶する。具体的には、ドライブレコーダ200は、常時録画方式の場合、記録開始条件を満たした時刻を含む前後所定時間の画像を書込み不可に変更する(記憶領域の画像を保護する)ことで画像を記録する。
【0030】
また、ドライブレコーダ200は、イベント録画方式の場合、記録開始条件を満たした時刻以降の所定期間の画像を記録するとともに、カメラ50(あるいはドライブレコーダ200)のバッファに一時的に保持されたかかる時刻以前の画像を記録する。
【0031】
付着物除去装置1は、制御部2と、記憶部3と、噴出部10とを備える。制御部2は、取得部21、判定部22および噴出制御部23を備える。記憶部3は、閾値情報31を記憶する。噴出部10は、噴出制御部23の制御に従って、カメラ50のレンズ50aに対して流体を噴出する。
【0032】
ここで、付着物除去装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0033】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部2の取得部21、判定部22および噴出制御部23として機能する。
【0034】
また、制御部2の取得部21、判定部22および噴出制御部23の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0035】
また、記憶部3は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、閾値情報31や、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、付着物除去装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0036】
記憶部3に記憶される閾値情報31は、後述する判定部22の判定処理に用いられる閾値を含む情報である。図3は、閾値情報31の一例を示す図である。図3に示すように、閾値情報31には、「情報種別」、「噴出条件」、「記録開始条件」といった項目が含まれる。
【0037】
「情報種別」は、検出情報の種別を示す情報である。例えば、接近とは、他車両の接近(他車が接近してくる、もしくは、自車両が接近する)を示している。また、加速度とは、自車両の加速度を示している。また、記録開始スイッチとは、ドライブレコーダ200による記録を開始するスイッチの操作の有無を示す。「噴出条件」は、噴出条件における閾値の情報である。「記録開始条件」は、記録開始条件における閾値の情報である。
【0038】
後述する判定部22は、取得部21によって取得された検出情報と、閾値情報31における各閾値とを比較することで、噴出条件、または、記録開始条件を満たすか否かを判定する。このように、記録条件に対応する噴出条件を設定することで、ドライブレコーダ200の記録開始に連動して噴出動作を行うことができる。
【0039】
図3に示す例において、情報種別が「接近」や「加速度」は、噴出条件および記録開始条件それぞれの閾値を比較した場合、噴出条件が記録開始条件に比べてやや緩和された条件のものが含まれる。
【0040】
例えば、情報種別「接近」において、噴出条件では、他車両との距離が「10m」である場合を閾値としており、記録開始条件では、他車両との距離が「5m」である場合を閾値としている。また、情報種別「加速度」において、噴出条件では、加速度が「0.3G」である場合を閾値としており、記録開始条件では、加速度が「0.4G」である場合を閾値としている。
【0041】
このように、噴出条件を記録開始条件よりも緩和させることで、記録が開始される前に流体を噴出してレンズ50aの付着物を除去することができる。
【0042】
また、図3に示す例において、情報種別が「記録開始スイッチ」のように、噴出条件および記録開始条件が同じ閾値(図3では押下)であってもよい。
【0043】
次に、制御部2の各機能(取得部21、判定部22および噴出制御部23)について説明する。
【0044】
取得部21は、各種情報を取得する。例えば、取得部21は、検出機器100から検出情報を取得する。検出情報には、加速度センサで検出された加速度や、測距センサで検出された物体までの距離、シフトセンサで検出されたシフト位置、記録開始スイッチへの操作(記録開始操作)の有無等を含む。このような検出情報を取得することで、後段の噴出制御部23においてドライブレコーダ200に連動した噴出動作を高精度に制御することができる。取得部21は、取得した検出情報を判定部22および噴出制御部23へ出力する。
【0045】
判定部22は、取得部21によって取得された検出情報が記録開始条件に対応する噴出条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部22は、取得部が取得した検出情報と、記憶部3に記憶された閾値情報31とを比較し、検出情報が噴射条件における閾値を満たすか否かを判定する。
【0046】
また、判定部22は、取得部21によって取得された検出情報が記録開始条件を満たすか否かを判定する。そして、判定部22は、噴射条件の判定結果および記録開始条件の判定結果を噴出制御部23へ通知する。
【0047】
噴出制御部23は、判定部22によって噴出条件を満たすと判定された場合に、カメラ50のレンズ50aに対して流体を噴出する。なお、噴出制御部23は、噴出条件を満たすと判定された場合に、1回だけ噴出動作を行ってもよく、複数回噴出動作を繰り返し実行してもよい。
【0048】
例えば、噴出制御部23は、噴出動作を所定期間または所定回数繰り返し実行する。つまり、噴出制御部23は、噴出動作の繰り返しを期間(時間)または回数で規定する。これにより、1回で除去しきれない付着物等を除去できる確率を高めることができる。
【0049】
また、噴出制御部23は、ドライブレコーダ200による記録終了まで噴出動作を繰り返してもよい。かかる点について、図4および図5を用いて説明する。
【0050】
図4および図5は、噴出制御部23による噴出動作の繰り返し処理を示す図である。図4では、噴出動作開始後に、ドライブレコーダ200による記録が行われた場合の繰り返し処理を示し、図5では、噴出動作開始後に、ドライブレコーダ200による記録が行われない場合の繰り返し処理を示す。なお、図4および図5では、噴出条件が記録開始条件よりも緩和された条件であることとする。
【0051】
図4に示すように、噴出制御部23は、時刻t1において、判定部22が噴出条件を満たしたと判定して噴出動作を開始する。つづいて、噴出制御部23は、時刻t2aにおいて、判定部22が記録開始条件を満たしたと判定して、ドライブレコーダ200による記録処理が開始する。かかる記録処理では、時刻t2aから所定期間遡った時刻t2bまでの画像を記録するとともに、時刻t2a以降に順次撮像される画像を記録する。
【0052】
そして、ドライブレコーダ200は、予め定められた記録期間後の時刻t3まで画像を記録して、時刻t3において記録を終了する。また、噴出制御部23は、時刻t1から、記録を終了する時刻t3までの噴出期間において、噴出動作を繰り返し実行する。換言すれば、噴出制御部23は、記録期間である時刻t2bから時刻t3までの期間を含む噴出期間において噴出動作を繰り返し実行する。
【0053】
これにより、記録期間において記録されるすべての画像について、付着物の無い画像を高精度に記録することができる。
【0054】
なお、噴出動作を開始する噴出条件は、記録期間の始期である時刻t2bよりも以前となるような閾値が設定されることが好ましい。かかる閾値は、例えば、実験等のシミュレーション等により予め設定されたり、例えば、過去の検出情報から時刻t1、時刻t2aおよび時刻t2bの関係性を学習することで設定されてもよい。
【0055】
また、図5に示すように、噴出制御部23は、噴出動作開始後にドライブレコーダ200の記録が開始されない場合には、所定期間経過後に噴出動作を終了する。具体的には、図5に示すように、噴出制御部23は、時刻t4において、判定部22が噴出条件を満たしたと判定して噴出動作を開始する。そして、噴出制御部23は、時刻t4以降において、ドライブレコーダ200による記録処理が開始されない場合、所定期間後の時刻t5において、噴出動作を終了する。
【0056】
つまり、噴出制御部23は、時刻t4から時刻t5までの予め定められた確認期間において、ドライブレコーダ200の記録が開始されない場合には噴出動作を終了する。なお、時刻t4から時刻t5の確認期間は、例えば、図4に示す時刻t1から時刻t2aまでの期間よりも少し長い程度に設定されることが好ましい。かかる確認期間は、例えば、実験等のシミュレーション等により予め設定されたり、例えば、過去の検出情報から時刻t1および時刻t2aの関係性を学習することで設定されてもよい。
【0057】
このように、噴出制御部23は、噴出動作開始後の所定期間内にドライブレコーダ200の記録が開始されない場合に噴出動作を終了することで、不要な噴出動作を減らすことができる。
【0058】
なお、上述では、噴出制御部23は、記録開始条件を緩和した噴出条件を満たすことで噴出動作を開始したが、これに限定されず、記録開始条件を満たした場合に、噴出条件を開始してもよい。
【0059】
次に、図6および図7を用いて、実施形態に係る付着物除去装置1が実行する処理の処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る付着物除去装置1が実行する除去処理の処理手順を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係る付着物除去装置1が実行する除去動作の繰り返し処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
まず、図6を用いて、付着物除去装置1が実行する除去処理の処理手順について説明する。
【0061】
図6に示すように、まず、取得部21は、検出機器100から検出情報を取得する(ステップS101)。つづいて、判定部22は、検出情報が噴出条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。
【0062】
噴出制御部23は、判定部22が検出情報が噴出条件を満たすと判定した場合(ステップS102:Yes)、カメラ50のレンズ50aに対して流体を噴出する噴出動作を開始する(ステップS103)。
【0063】
そして、噴出制御部23は、噴出動作を繰り返し実行後、噴出動作を終了し(ステップS104)、処理を終了する。
【0064】
一方、噴出制御部23は、判定部22が検出情報が噴出条件を満たさないと判定した場合(ステップS102:No)、噴出動作を開始せずに、処理を終了する。
【0065】
次に、図7を用いて、付着物除去装置1が実行する除去動作の繰り返し処理の処理手順について説明する。
【0066】
図7に示すように、まず、噴出制御部23は、噴出動作を開始する(ステップS201)。つづいて、噴出制御部23は、ドライブレコーダ200が記録を開始したか否かを判定する(ステップS202)。例えば、噴出制御部23は、検出情報が記録開始条件を満たすか否かを判定する。なお、噴出制御部23は、ドライブレコーダ200から記録開始を示す情報を取得してもよい。
【0067】
噴出制御部23は、ドライブレコーダ200が記録を開始した場合(ステップS202:Yes)、噴出動作を継続するとともに、記録を終了したか否かを判定する(ステップS203)。
【0068】
噴出制御部23は、ドライブレコーダ200が記録を終了していない場合(ステップS203:No)、噴出動作を継続するとともに、ドライブレコーダ200が記録を終了するまでステップS203を繰り返し実行する。
【0069】
そして、噴出制御部23は、ドライブレコーダ200が記録を終了した場合(ステップS203:Yes)、噴出動作を終了し(ステップS204)、処理を終了する。
【0070】
一方、ステップS202において、噴出制御部23は、ドライブレコーダ200が記録を開始していない場合(ステップS202:No)、噴出動作を開始してから所定期間経過したか否かを判定する(ステップS205)。
【0071】
そして、噴出制御部23は、噴出動作を開始してから所定期間経過した場合(ステップS205:Yes)、ステップS204を実行、すなわち、噴出動作を終了する。また、噴出制御部23は、噴出動作を開始してから所定期間経過していない場合(ステップS205:No)、ステップS202に戻る。
【0072】
上述してきたように、実施形態に係る付着物除去装置は、取得部21と、噴出制御部23とを備える。取得部21は、車両に搭載された機器(検出機器100)により検出された検出情報であって、車両に設けられたカメラ50により撮像された画像を記録する画像記録装置(ドライブレコーダ200)の記録開始条件を満たすか否かを判定する検出情報を取得する。噴出制御部23は、取得部21によって取得された検出情報に基づいて、画像記録装置の記録開始に連動してカメラ50のレンズ50aに対して流体を噴出させる。これにより、画像記録装置であるドライブレコーダ200において、付着物の無い画像を高精度に記録することができる。
【0073】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 付着物除去装置
2 制御部
3 記憶部
5 ノズル
5a 噴射口
10 噴出部
21 取得部
22 判定部
23 噴出制御部
31 閾値情報
50 カメラ
50a レンズ
100 検出機器
200 ドライブレコーダ
S 付着物除去システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7