(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】シート搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/30 20060101AFI20231225BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B65H31/30
B65H5/02 N
(21)【出願番号】P 2020147904
(22)【出願日】2020-09-02
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 勉
(72)【発明者】
【氏名】ティン イー チン
(72)【発明者】
【氏名】江岡 健二
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-44107(JP,A)
【文献】特開2008-179439(JP,A)
【文献】特開2013-245080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/30
B65H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚ずつ送り込まれるシートが順次積載される積載部と、
シートを長さ方向に移動させて前記積載部に送り込む搬入部と、
前記搬入部よりもシートの送り方向下流側に位置し、前記積載部に積載されたシートを排出する排出部と、
前記積載部の底の少なくとも一部を構成し、前記積載部に積載されたシートの下側に、長さ方向に移動させる力を付与する下側搬送部と、
前記下側搬送部の少なくとも前記搬入部に近い側の端部を、取扱いシート長が前記搬入部から前記排出部までの距離よりも短い第1長さである場合に適する下段と、取扱いシート長が前記第1長さよりも長い第2長さである場合に適する中段と、シートを排出する場合に適する上段と、の少なくとも3段階に昇降させる昇降部と、
前記下側搬送部に対向し、前記昇降部により上段に移動された前記下側搬送部との間に挟まれたシートの上側に、長さ方向に移動させる力を付与する上側搬送部と、
前記昇降部により下段におかれた前記下側搬送部上に突出し、前記第1長さのシートの送り方向下流側端部が突き当てられるストッパーと、
を備えるシート搬送装置。
【請求項2】
前記ストッパーは、前記下側搬送部を昇降させる前記昇降部の動作の伝達を受けることにより、前記下側搬送部の移動に伴って移動する
請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記排出部は、前記下側搬送部が上段にあるときのみ開状態で前記下側搬送部が他の位置にあるとき閉状態であって、前記下側搬送部が中段にあるとき前記第2長さのシートの送り方向下流側端部を位置決めする
請求項1または2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記上側搬送部および前記下側搬送部は、ともにシートの送り方向に長さ方向を向けた複数本のエンドレスベルトを備え、互いの前記エンドレスベルトは幅方向には交互に位置するよう設けられ、それらのシートの送り方向下流側端部は、少なくとも前記下側搬送部が中段にあるときに前記下側搬送部の昇降方向の位置が重なる
請求項1~3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記昇降部により中段におかれた前記下側搬送部上に突出し、前記第2長さのシートの送り方向下流側端部が突き当てられる第2のストッパーを、さらに備える
請求項1または2に記載のシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに印刷するプリンタの後段に設けられ、印刷後のシートを揃えて重ねて排出するシート搬送装置がある(例えば特許文献1)。
【0003】
シート搬送装置には、取扱うシートの長さとして、少なくとも2種類を対象とするものがある。そのような従来のシート搬送装置は、所定枚数のシートを印刷し終えるまで印刷後のシートを重ねて一時保持するスイッチバック搬送路状のスタッカーや、新たに印刷されたシートを既存シートに重ねるためにスタッカー内で既存シートを進退させるスイングアームなどを備えている。
【0004】
スタッカーやスイングアームを備える従来のシート搬送装置は、複雑な構造となっている上に、それらの形状や動作のために、装置が大型化しがちである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来よりもシンプルな構造でコンパクトなシート搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のシート搬送装置は、積載部、搬入部、排出部、下側搬送部、昇降部、上側搬送部およびストッパーを備える。積載部には、一枚ずつ送り込まれるシートが順次積載される。搬入部は、シートを長さ方向に移動させて前記積載部に送り込む。排出部は、前記搬入部よりもシートの送り方向下流側に位置し、前記積載部に積載されたシートを排出する。下側搬送部は、前記積載部の底の少なくとも一部を構成し、前記積載部に積載されたシートの下側に、長さ方向に移動させる力を付与する。昇降部は、前記下側搬送部の少なくとも前記搬入部に近い側の端部を、取扱いシート長が前記搬入部から前記排出部までの距離よりも短い第1長さである場合に適する下段と、取扱いシート長が前記第1長さよりも長い第2長さである場合に適する中段と、シートを排出する場合に適する上段と、の少なくとも3段階に昇降させる。上側搬送部は、前記下側搬送部に対向し、前記昇降部により上段に移動された前記下側搬送部との間に挟まれたシートの上側に、長さ方向に移動させる力を付与する。ストッパーは、前記昇降部により下段におかれた前記下側搬送部上に突出し、前記第1長さのシートの送り方向下流側端部が突き当てられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるシート搬送装置およびプリンタの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、シート搬送装置の構造を示す図である。
【
図3】
図3は、下側搬送部を中段に位置させたシート搬送装置を示す図である。
【
図4】
図4は、下側搬送部を上段に位置させたシート搬送装置を示す図である。
【
図5】
図5は、シート搬送装置の外観を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、シート搬送装置の外観を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態におけるシート搬送装置の構造を示す図である。
【
図10】
図10は、下側搬送部を中段に位置させたシート搬送装置を示す図である。
【
図11】
図11は、下側搬送部を上段に位置させたシート搬送装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態におけるシート搬送装置100およびプリンタ200の構成を概略的に示す図である。プリンタ200は、給紙部210、印字部220および搬送部230を備える。なお、以下の説明の便宜のため、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される直交座標系を図に添える。図中、矢印の指し示す方向が正方向で、その逆が負方向である。
【0009】
給紙部210は、二つの給紙経路211,212を備え、各給紙経路211,212から取り込んだシートを、印字部220に供給する。給紙部210は、二つの給紙経路211,212を、シートの種類で使い分ける。シートは、例えばファンフォールド紙である。
【0010】
印字部220は、印字ヘッドとプラテンとを備え、それら両者の間に挟んだシートに印字を行う。印字部220の後段には、印字後のシートを所定の長さに切断するカッターが設けられている。搬送部230は、印字および切断されたシートを、シート搬送装置100へ送る。
【0011】
シート搬送装置100は、印字され所定の長さに切断されたシートを、複数枚重ねて揃えて排出する。当該シート搬送装置100は、長短二種類のシートに対応する。
【0012】
図2は、シート搬送装置100の構造を示す図である。シート搬送装置100は、積載部110と、搬入部120と、排出部130と、下側搬送部140と、昇降部150と、上側搬送部160と、ストッパー170と、回収ビン180と、を備える。
【0013】
積載部110は、下側搬送部140と上側搬送部160との間の空間である。搬入部120は、一対のローラ121,122を備える。ローラ121,122は、搬送部230により送られてくるシートの搬送を引継ぎ、当該シートをその長さ方向に移動させて、積載部110内に送り込む。積載部110には、搬入部120により一枚ずつ送り込まれるシートが、順次積載される。
【0014】
下側搬送部140は、搬入部120によるシートの送り方向下流側ほど上側搬送部160に近く、シートの送り方向上流側ほど上側搬送部160から遠くなるよう、上側搬送部160に対して傾斜して設けられている。
【0015】
本実施形態の昇降部150は、下側搬送部140の下面に触れるカム151と当該カム151を回転させる軸152とを備えるカム機構である。昇降部150は、軸152周りにカム151が回転することにより、下側搬送部140の少なくとも搬入部120に近い側(上記送り方向上流側)の端部を、下段、中段、上段の少なくとも3段階に昇降させる。
【0016】
図2における下側搬送部140は、下段に位置している。下段は、取扱いシート長が搬入部120から排出部130までの距離よりも短い第1長さである場合に適する。
図3は、下側搬送部140を中段に位置させたシート搬送装置100を示す図である。中段は、取扱いシート長が上述の第1長さよりも長い第2長さである場合に適する。
図4は、下側搬送部140を上段に位置させたシート搬送装置100を示す図である。上段は、上側搬送部160に対して略平行に対向し、積載部110に積載されたシートを上側搬送部160との間に挟み持つ位置であって、シートを排出する場合に適する。
【0017】
ストッパー170(
図2、
図3および
図4参照)は、昇降部150により下段におかれた下側搬送部140上に突出し、第1長さのシートの送り方向下流側端部が、突き当てられる。つまり、積載部110上に搬入されて積載される短い方のシートを位置決めする。ストッパー170は、下側搬送部140が中段および上段に位置するときには、下側搬送部140上に突出しない。
【0018】
上述のストッパー170の昇降は、下側搬送部140を昇降させる昇降部150の動作が例えばギヤ等で伝達されることによって実施される。ただし、ストッパー170と下側搬送部140との昇降の向きは逆であって、下側搬送部140が上向きに移動する際、ストッパー170は下向きに移動し、下側搬送部140が下向きに移動する際、ストッパー170は上向きに移動する。
【0019】
図5および
図6は、各々異なる向きから、シート搬送装置100の外観を示す斜視図である。下側搬送部140は、積載部110の底の少なくとも一部を構成するエンドレスベルト141,142を有している。エンドレスベルト141,142は、モータにより回転される駆動軸および従動軸により所定の張力で張られ、積載部110に積載されたシートの下側に接し、シートに対し、シートを長さ方向に移動させる力を付与する。
【0020】
上側搬送部160は、下側搬送部140に対向するエンドレスベルト161,162を有する。エンドレスベルト161,162は、モータにより回転される駆動軸および従動軸により所定の張力で張られ、下側搬送部140との間に挟まれたシートの上側に、長さ方向に移動させる力を付与する。
【0021】
ここで、下側搬送部140および上側搬送部160は、ともにシートの送り方向に長さ方向を向けた複数本のエンドレスベルト141,142,161,162を備えている。エンドレスベルト141,142とエンドレスベルト161,162とは、幅方向には交互に位置するよう設けられている。また、エンドレスベルト141,142のシートの送り方向下流側端部と、エンドレスベルト161,162のシートの送り方向下流側端部とは、少なくとも下側搬送部140が中段にあるときに、下側搬送部140の昇降方向において、位置が重なる。
【0022】
より具体的には、エンドレスベルト141,142と、エンドレスベルト161,162とは、Y軸方向に交互に位置してXY平面において重ならないように設けられている。また、エンドレスベルト141,142と、エンドレスベルト161,162とは、排出部130側の端部で、ZX平面から見て高さ(Z軸方向の位置)がわずかに重なるように設けられている。
【0023】
これにより、下側搬送部140が中段に位置するとき、第2長さのシートの下流側端部が、エンドレスベルト141,142の下流側端部とエンドレスベルト161,162の下流側端部との間で、軽く挟み持たれる状態(ハーフピンチ状態)になる。
【0024】
図7は、閉状態の排出部130を示す図である。
図8は、開状態の排出部130を示す図である。排出部130は、搬入部120よりもシートの送り方向下流側に位置し、積載部110に揃えて積載されたシートの束(シート束)を排出する。ここで、当該シート束の排出に際し、上側搬送部160および下側搬送部140は、シート束の後端部をピンチした状態で停止し、先端部側をユーザが引き抜くのを待機する。待機開始からユーザによって引き抜かれないまま所定時間が経過すると、上側搬送部160および下側搬送部140は、シート束を、積載部110に引き込み戻す。
【0025】
回収ビン180は、排出部130が排出したにもかかわらずユーザによって引き抜かれないまま所定時間が経過したことで積載部110に再度戻し入れられたシート束が、回収される空間である。
【0026】
排出部130は、排出口131を備えるシャッター部材132と、カム機構133とを備える。シャッター部材132は、排出口131が設けられている側の反対側の端部を、回動自在に支持されている。カム機構133は、カム134と当該カム134を回転させる軸135とを備える。カム機構133は、シャッター部材132の回動軸と排出口131との間の下面に接する。軸135は、昇降部150の動作が例えばギヤ等で伝達されることによって、回転される。これにより、下側搬送部140が下段または中段から上段に移動する際、カム134によりシャッター部材132が押し上げられて回動し、排出口131が、シートの送り方向延長線上に位置する(
図4参照)。すなわち、排出部130が閉状態から開状態になる。
【0027】
このような構成のプリンタ200およびシート搬送装置100の動作について、以下に説明する。プリンタ200において、まず給紙部210が、給紙経路211または給紙経路212から取り込んだシートを、印字部220に供給する。印字部220は、印字ヘッドとプラテンとの間に挟んだシートに印字を行う。そして、印字後に所定の長さに切断されたシートを、搬送部230がシート搬送装置100に向けて搬送する。
【0028】
シート搬送装置100において、まず搬入部120が、シートの搬送を搬送部230から引継ぎ、一対のローラ121,122によって、シートをその長さ方向に移動させて積載部110に送り込む。積載部110内に送り込まれたシートは、積載部110の底の一部を構成する下側搬送部140の上に、積載される。
【0029】
ここで、切断後のシートの長さが第1長さの場合、シート搬送装置100は、下側搬送部140を、昇降部150により、下段に位置させる。この状態では、ストッパー170は、エンドレスベルト141とエンドレスベルト142との間から上へ突出している。このストッパー170に、搬入部120により送り込まれた第1長さのシートの送り方向下流側端部が、突き当てられ、位置決めされる。これにより、シートが下流側端部で揃えられて重ねられる。
【0030】
また、切断後のシートの長さが第2長さの場合、シート搬送装置100は、下側搬送部140を、昇降部150により、中段に位置させる。この状態では、ストッパー170は、エンドレスベルト141とエンドレスベルト142との間から突出しない。搬入部120により送り込まれた第2長さのシートは、送り方向下流側端部を、シャッター部材132に突き当てられ、位置決めされる。これにより、シートが下流側端部で揃えられる。
【0031】
ここで、第1長さのシートは、短いので、搬入部120による送り込みの勢いだけでストッパー170に至らせ突き当てることが可能である。一方、第2長さのシートは、長さがあるため、シートの厚さや腰によっては、搬入部120による送り込みの勢いだけでは、所定の突き当て位置(シャッター部材132)に至らせられない可能性がある。この点において、本実施形態によれば、第2長さのシートの積載に際しては下側搬送部140を中段に位置させるので、下側搬送部140と上側搬送部160との間隔が狭く、また、下側搬送部140が上側搬送部160に対して傾斜しているので、下側搬送部140と上側搬送部160とは送り方向下流側ほど近接する。このような構成により、第2長さのシートは、エンドレスベルト161,162に接し、補助的な搬送力を得ることができる。そして、第2長さのシートは、エンドレスベルト161,162により送り方向の力を付与されて、先端部(下流側端部)がハーフピンチされるまで移動する。
【0032】
所定枚数のシートが積載部110に揃えて重ねられると、シート搬送装置100は、シート束を排出する。排出に際して、シート搬送装置100は、昇降部150により、下側搬送部140を上段に移動させる。これにより、シート束は、上側搬送部160と下側搬送部140とで挟み持たれた状態になる。また、下側搬送部140の上段への移動に伴い、排出部130のシャッター部材132が押し上げられて回動し、これにより排出口131がシートの送り方向延長線上に移動して、排出部130が閉状態から開状態になる。
【0033】
この状態で、上側搬送部160および下側搬送部140は、シート束を、排出口131から出る方向に送る。シート搬送装置100は、上側搬送部160および下側搬送部140がシート束の後端部を挟み持った(ピンチした)状態で停止し、先端部側をユーザが引き抜くのを待機する。シート搬送装置100は、排出部130がシート束を排出したにもかかわらずユーザによって引き抜かれないまま所定時間が経過すると、上側搬送部160および下側搬送部140がシート束を積載部110に引き込む。引き込まれたシート束は、回収ビン180に回収される。
【0034】
このように、第1実施形態では、印字し所定の長さに切断したシートを平置きで重ねるようにし、また、その際に先端部が揃えられるように構成した。このような構成によれば、従来よりもシンプルな構造でコンパクトなシート搬送装置100を実現することができる。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であるので、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同じ部分には同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0036】
図9は、第2実施形態におけるシート搬送装置101の構造を示す図であって、下側搬送部140を下段に位置させた状態を示す。
図10は、下側搬送部140を中段に位置させたシート搬送装置101を示す図である。
図11は、下側搬送部140を上段に位置させたシート搬送装置101を示す図である。これらの
図9~
図11は、第1実施形態における
図2~
図4に対応する。
【0037】
本実施形態のシート搬送装置101は、二つのストッパー171,172を備えている。ストッパー171は、第1実施形態におけるストッパー170と同様の動作をする。ストッパー172は、第2長さのシートの先端部を位置決めするものである。つまり、本実施形態においては、第2長さのシートの先端部を揃えるにあたり、シャッター部材132に突き当てるのでなく、ストッパー172に突き当てる。ストッパー172は、下側搬送部140が中段および下段に位置するときに、下側搬送部140上に突出する。ストッパー171,172は、ストッパー170と同様に、昇降部150の動作が伝達されることによって昇降される。
【0038】
このような構成において、切断後のシートの長さが第1長さの場合、シート搬送装置101は、下側搬送部140を、昇降部150により、下段に位置させる。この状態では、ストッパー171,172は、エンドレスベルト141とエンドレスベルト142との間から上へ突出している。搬入部120により送り込まれた第1長さのシートの送り方向下流側端部は、ストッパー171に、突き当てられる。これにより、第1長さのシートが下流側端部で揃えられて重ねられる。
【0039】
また、切断後のシートの長さが第2長さの場合、シート搬送装置101は、下側搬送部140を、昇降部150により、中段に位置させる。この状態では、ストッパー171は、エンドレスベルト141とエンドレスベルト142との間から突出せず、ストッパー172が、エンドレスベルト141とエンドレスベルト142との間から突出する。搬入部120により送り込まれた第2長さのシートの送り方向下流側端部は、ストッパー172に、突き当てられる。これにより、第2長さのシートが下流側端部で揃えられて重ねられる。
【0040】
このように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第2実施形態と第1実施形態との使い分けは、当該装置で使用されるシートの材質等に応じて適する方が選択されると好ましい。例えば、シートの先端部にストッパー172に突き当てられた痕跡が残るのが望ましくない場合には第1実施形態、シートの先端部が上側搬送部160と下側搬送部140とでハーフピンチされ擦られることが望ましくない場合には第2実施形態が適すると考えられる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
100,101…シート搬送装置
110…積載部
120…搬入部、121,122…ローラ
130…排出部、131…排出口、132…シャッター部材、
133…カム機構、134…カム、135…軸
140…下側搬送部、141,142…エンドレスベルト
150…昇降部、151…カム、152…軸
160…上側搬送部、161,162…エンドレスベルト
170,171,172…ストッパー
180…回収ビン
200…プリンタ
210…給紙部、211,212…給紙経路
220…印字部
230…搬送部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【文献】米国特許出願公開第2015/0034457号明細書