(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】LTEネットワーク用エッジベースの場所特異性警報システム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20231225BHJP
H04W 92/14 20090101ALI20231225BHJP
H04W 4/90 20180101ALI20231225BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20231225BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W92/14
H04W4/90
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2020514714
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 US2018050495
(87)【国際公開番号】W WO2019055425
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-09-08
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519307458
【氏名又は名称】ジョン メツァリングア アソシエイツ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】JOHN MEZZALINGUA ASSOCIATES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ヘンクル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシャル アグラワル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー コーリントン
(72)【発明者】
【氏名】トッド ランドリー
(72)【発明者】
【氏名】サシ エスワラヴァカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ブラスコ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ターナー
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157890(WO,A1)
【文献】Correction of massive PWS Restart Indications from HeNBs,3GPP TSG-RAN WG3#85bis R3-142284,2014年09月26日
【文献】3GPP TS 23.041 V14.1.0 (2017-06),Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Technical realization of Cell Broadcast Service (CBS) (Release 14),2017年06月,Page 1, 9-35,https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/23_series/23.041/23041-e10.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数のS1-mmeインタフェースの1つに対応して接続される、複数のベースバンド装置と、
移動管理実体に接続されるよう構成された集約S1-mmeインタフェースと、
前記複数のS1-mmeインタフェースと前記集約S1-mmeインタフェースとの間に接続されたS1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントであって、それぞれが各ベースバンド装置からの信号である複数のアップリンクS1-mme信号を集約S1-mme信号として集約し、前記集約S1-mme信号を前記集約S1-mmeインタフェース上で送信し、前記集約S1-mmeインタフェースからのダウンリンクS1-mme信号を終端処理し、かつ前記ダウンリンクS1-mme信号を複数のダウンリンクS1-mme信号として分割し、複数のダウンリンクS1-mme信号のそれぞれを前記複数のS1-mmeインタフェースの1つに経路付けし、また前記
アップリンクS1-mme信号及び前記
ダウンリンクS1-mme信号にアクセスするよう構成された、該S1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントと、
前記S1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントに接続された管理及びネットワーク・オペレーションコンポーネントであって、現場IT(Information Technology)インフラから場所情報を有する警報命令を受信し、また書込み-書換え警報リクエストメッセージを生成し、前記現場ITインフラによって提供された前記場所情報に従って前記書込み-書換え警報リクエストメッセージを前記複数のベースバンド装置の1つ又はそれ以上に送信するよう構成された、該管理及びネットワーク・オペレーションコンポーネントと、
を備える、モバイル・エッジ・コンピューティング・システム。
【請求項2】
局所的警報メッセージをLTE(Long Term Evolution)ネットワークで供給する方法において、
複数のS1-mmeインタフェースのうち1つからのセル再起動表明信号を受信する受信ステップであって、前記複数のS1-mmeインタフェース各々はベースバンド装置に対応する、該受信ステップと、
前記セル再起動表明信号からセル情報を検索するステップと、
前記セル情報を記憶するステップと、
前記複数のS1-mmeインタフェースを集約S1-mmeインタフェースに集約するステップであって、前記セル再起動表明信号は前記S1-mmeインタフェースから受信される、該集約するステップと、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記セル情報は、セルIDを含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記セル情報を記憶するステップは、さらに、前記セル再起動表明信号の受信に対応するタイムスタンプを記憶するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、
前記セル再起動表明信号は、PWS(Public Warning System)再起動表明を含む、方法。
【請求項6】
局所的警報メッセージをLTE(Long Term Evolution)ネットワークで供給する方法において、
現場IT(Information Technology)インフラから警報命令を受信するステップと、
前記警報命令から場所情報を検索するステップと、
前記警報命令に対応する書込み-書換え警報リクエストを生成するステップと、
前記現場ITインフラによって提供された前記場所情報に従って前記書込み-書換え警報リクエストを宛先セルに対応する宛先S1-mmeデータストリーム内に挿入する挿入ステップであって、前記宛先セルは複数のセルのうち1つであり、前記宛先S1-mmeデータストリームは複数のS1-mmeデータストリームのうち1つであり、各S1-mmeデータストリームは前記複数のセルの少なくとも1つに対応するものである、該挿入ステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記書込み-書換え警報リクエストを生成するステップは、
前記警報命令から場所識別子を検索するステップと、
前記場所識別子をセルIDに相関付けするステップと、
前記セルIDを前記書込み-書換え警報リクエストに挿入するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、
前記書込み-書換え警報リクエストを生成するステップは、
先に識別した書込み-書換え警報リクエストデータを記憶するメモリに既存メッセージ識別子及び既存シリアル番号を照会するステップと、
前記既存メッセージ識別子及び前記既存シリアル番号に等しくない新規なメッセージ識別子及び新規な照合シリアル番号を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法において、さらに、
指定アップリンクS1-mmeデータストリーム内で書込み-書換え警報レスポンスを識別する識別ステップであって、前記指定アップリンクS1-mmeデータストリームは宛先セルに対応し、前記書込み-書換え警報レスポンスは前記書込み-書換え警報リクエストに対応するものである、該識別ステップと、
前記書込み-書換え警報レスポンスを終端処理するステップと、
前記書込み-書換え警報レスポンスに対応する情報を記憶するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
終端処理するステップは、
指定アップリンクS1-mmeデータストリームから前記書込み-書換え警報レスポンスを除去するステップと、
前記指定アップリンクS1-mmeデータストリームを有する複数のアップリンクS1-mmeデータストリームを、集約S1-mmeデータストリームに集約するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、さらに、
前記現場ITインフラから停止警報命令を受信するステップと、
前記停止警報命令に対応する停止警報リクエストを生成するステップと、
前記停止警報リクエストを宛先S1-mmeデータストリーム内に挿入するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、さらに、
前記指定アップリンクS1-mmeデータストリーム内で停止警報レスポンスを識別するステップと、
前記停止警報レスポンスを終端処理するステップと、
前記停止警報レスポンスに対応する情報を記憶するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、さらに、
前記警報レスポンスの受信を表明する確認信号を前記現場ITインフラに送るステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関し、より具体的には、現場又はエリア内のUEsに限局して局所的緊急対応及び警報を与え、また現場又はエリア内で場所特異性警報を与えるLTEモバイル・エッジ・コンピューティング・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTEベースの携帯電話ネットワークによれば、進化型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)ネットワーク内から携帯電話事業者が多くの特徴を実行するのを可能にする。EPCインタフェースは、携帯機器(mobile devices)が最終的にどのようにして携帯電話事業者のネットワークに接続するかの無線アクセスネットワーク(RAN)とインタフェース接続する。
【0003】
LTE基地局(ベースステーション)又はeNodeB(eNB)は、無線信号を発生しかつ携帯機器のアクセス及び接続性を調節するRANの主要要素である。概して、eNBはEPC内のその要素に対して従属する。したがって、「RAN上に(above the RAN)」実装される特徴、機能及び能力は、eNBに対して透過性がある。しかし、eNBの携帯機器に対する、またひいてはそれら携帯機器のユーザーに対する比較的近い近接度に起因して、eNBは、理想的には若干の向上した機能であって、携帯機器及びユーザーにとって有益であり得る、大まかに「モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)」とも称される機能を実施するのに適する。
【0004】
モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC):
MECは、セルラーネットワークのエッジにおけるクラウドコンピューティング能力及びITサービス環境を可能にするネットワークアーキテクチャ概念である。MECの背後の基本アイデアは、セルラー顧客により近い位置でアプリケーションを稼働させ、また関連処理タスクを実施することによって、ネットワークの混雑が減少し、またアプリケーションはより良く実施される。MEC技術は、セルラー基地局に実装されるよう設計し、また顧客に対する新しいアプリケーション及びサービスの融通性がありかつ迅速な展開を可能にする。情報技術及び電気通信網の要素を結合して、MECは、さらに、携帯電話事業者がアプリケーション開発者及びコンテンツプロバイダのような権限第三者に無線アクセスネットワーク(RAN)をオープンにすることを可能にする(参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Mobile edge computing)。
【0005】
急成長する技術概念であることを超えて、MECアプリケーションを実証するための僅かな数の実際的な実装又は統一された方法が存在する。大きな部分として、このことは、加入者及びデバイスのセキュリティが最優先であるLTE RAN環境内でこのような能力を実装及び展開する複雑性に起因する。さらに、eNB(セル基地局塔設備、又は携帯機器における一過性の性質に結び付いたCRANクラスターでさえもある)の物理的近接度を有するマクロなセルラーネットワークは、多くのMECアプリケーションに対しては伝導性がない。したがって、上記のMECアプリケーションは、LIPA(ローカルIPアクセス)、選択的IPトラフィックオフロード(SIPTO)のような3GPPで定義されたメカニズムを使用して、IPトラフィックを局所的にローカルエリア・ネットワークに「オフローディング」することに傾注するものであり、この場合、プライベート・ネットワーク、例えば、会社のプライベート・ネットワーク宛のトラフィックを、eNB(又は小さいセル基地局)が宛先LAN近傍に物理的に位置する場所に局所的にオフロードすることができる。しかし、3GPPによって定義されるこれら方法は実用化されず、これはすなわち、それら方法が特別なサービス定義及び携帯電話事業者との協調を必要とし、これには、各携帯機器に挿入される加入者識別モジュール(SIM)カードに対する能力定義を含む。管理及び協調のこのレベルは携帯電話事業者にとって実行不可能なものにする。さらに、合法的査察(通信傍受)裁判所命令のための法的要求事項との潜在的抵触に対して表現される懸念が存在してきた。
【0006】
公衆警報サービス及び他の集団通知ソリューション:
FEMA(米連邦緊急事態管理局)によって統制される公衆警報サービスによれば、緊急警報及び命令の集団通知を、ケーブルテレビ、ブロードキャストテレビ、AM/FMラジオ及びセルラーネットワークのような複数媒体上と同時に行うことを可能にする。権限当事者は、FEMAがホストとなるゲートウェイ経由でPWSと「インタフェース接続する(interface with)」ことができる。このような権限当事者としては、FEMA、FBI、州及び若干の地方自治体法執行機関並びに緊急悪天候事象の場合におけるNOAAがある。
【0007】
公衆警報システムは、地理的及び潜在的な意味で人々に影響が広範囲に及ぶ状況で警報及び命令を発するのが理想的である。代表的には、これらメッセージは、多くの郡、地方自治体/政府及び法執行機関の法域をカバーする。公衆警報システムによってカバーされる「事象(event)」のタイプにおける最もよく知られている例は、おそらく1996年に子供誘拐疑惑を迅速に解決するため制定された「アンバー・アラート(誘拐事件速報)」である。このアンバー・アラート法の有効性に関する詳細な統計及び年次報告書がある。このアンバー・アラートは、誘拐された子供の救出向上に至ったのは疑いようもないが、依然として繁多でほぼ間違いなく必要とされるお役所仕事的プロセスを経るものである。標準化されたアンバー・アラート基準として以下のもの、すなわち、(1) 法執行機関は誘拐が発生したことの裏付けをとらなければならない、(2) 子供が深刻な傷害又は死に至るリスクがなければならない、(3) アラートを発する上で子供、誘拐者又は誘拐者の車に関する十分な記述的情報がなければならない、及び(4) 子供が18歳以下でなければならない、というものがある。
【0008】
国内公衆警報システム使用のすべては、システムが意図された通りに使用される、及び意図的又は不慮のいずれであっても誤用の結果として、公衆のパニック又は過剰反応を引き起こさないことを確実にする程度の監視及び精査を必要とする。
【0009】
公衆警報システム使用の他の例としては、以下のもの、すなわち、危険容疑者の脱獄事件通知、化学物質流出のようなバイオ・ハザード、通知、竜巻のような差し迫った悪天候事象の通知がある。
【0010】
警報メッセージを発する公衆警報システムに対するインタフェース接続はFEMAシステムへの権限アクセスに基づく。メッセージの提出は、以下の入力、すなわち、(1) 影響が及ぼされる郡を表す連邦情報処理標準(FIPS)コード(郡コード)、及び(2) 警報メッセージ(規定条約に従う)、及び種々の記述子(緊急度タイプ、持続時間、重大度、等々)を入力することを必要とする。
【0011】
FEMAに提出した後、メッセージは、「無線緊急アラート」(WEA)体制に基づく携帯電話事業者を含む配信事業体に「転送される(forwarded)」。最終的に、携帯電話事業者は、影響が及ぼされる郡に作用するすべてのeNBsであって、一般的には数100平方マイルをカバーする数10ものeNBsにメッセージを転送する。最終的に、指定された郡に存在するすべての携帯電話が、これらデバイスの多くが事件現場から何マイルも離れていてもメッセージを受け取る。
【0012】
公衆警報システムの欠点としては、メッセージ発行までの比較的長いリードタイム、広範囲な拡散エリア(郡/郡群)、何らの局所関連情報又は命令も提供できない(粒度に欠けている)点、及び限定された制御アクセスであり、結果として使用が制限される点がある。
【0013】
集団通知システム:
SMSテキスト、ボイスコール、email及びこれらの組合せのような異なる媒体を使用して受信者グループに対して「集団通知」をするのに利用可能な幾つかのシステムがある。これらシステムは、所定の事前記憶したメッセージ及び場合に応じた即応メッセージの双方を組み合わせることができる。それらは、オンデマンド状況及び計画化されたイベントの双方に使用される。例えば、オンデマンドのシナリオは、豪降雪の結果として学校閉鎖メッセージを発する学区であり、計画化イベントは、計画化された親/教師面談に関する注意喚起を発する学区である。これらシステムは、携帯電話番号及びemailアドレスを含む所定受信者リストに基づく。
【0014】
集団通知システムの欠点としては、以下のもの、すなわち、(1) それらシステムが「選択(opt-in)」受信者を含む静的接触リストを使用する点、及び(2) 場所関連メッセージ発信能力を提供せず、したがって、場所文脈を有するメッセージ発信を何ら提供しない点がある。
【0015】
したがって、必要とされるのは、現場のような特定場所内における各個別携帯電話(セル)に限局して伝送するようカスタマイズされたセル特異性公衆警報システム(PWS)メッセージを発することができるモバイル・エッジ・コンピューティング・システム(mobile edge computing system)である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の態様において、モバイル・エッジ・コンピューティング・システムは、複数のベースバンド装置であって、各個が対応のS1-mmeインタフェースに接続される、該ベースバンド装置と、及び移動管理実体に接続されるよう構成された集約S1-mmeインタフェースと、前記複数のS1-mmeインタフェースと前記集約S1-mmeインタフェースとの間に接続されたS1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントと、を備える。前記S1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントは、それぞれが各ベースバンド装置からの信号である複数のアップリンクS1-mme信号を集約S1-mme信号として集約し、前記集約S1-mme信号を前記集約S1-mmeインタフェース上で送信するよう構成される。前記S1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントは、さらに、前記集約S1-mmeインタフェースからのダウンリンクS1-mme信号を終端処理し、かつ前記ダウンリンクS1-mme信号を複数の個別ダウンリンクS1-mme信号として分割し、この各個別ダウンリンクS1-mme信号をそれぞれに対応するS1-mmeインタフェースに経路付けし、また前記S1-mmeアップリンク信号及び前記S1-mmeダウンリンク信号にアクセスするよう構成される。前記モバイル・エッジ・コンピューティング・システムは、さらに、前記S1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントに接続された管理及びネットワーク・オペレーションコンポーネントを備える。前記管理及びネットワーク・オペレーションコンポーネントは、警報リクエストが場所情報を有する現場ITインフラから警報命令を受信し、また書込み-書換え警報リクエストメッセージを生成し、前記書込み-書換え警報リクエストメッセージを1つ又はそれ以上のベースバンド装置に送信するよう構成される。
【0017】
本発明の他の態様において、局所的警報メッセージをLTEネットワークで供給する方法は、複数のS1-mmeインタフェースのうち1つからのセル再起動表明信号を受信するステップであって、前記複数のS1-mmeインタフェース各々はベースバンド装置に対応する、該受信ステップと、前記セル再起動表明信号からセル情報を検索するステップと、前記セル情報を記憶するステップと、及び前記複数のS1-mmeS1-mmeインタフェースを、前記セル再起動表明信号を含む集約S10-mmeインタフェースに集約するステップと、を備える。
【0018】
本発明のさらに他の態様において、局所的警報メッセージをLTEネットワークで供給する方法は、移動管理実体からのS1-mmeデータストリーム内で書込み-書換え警報リクエスト信号を識別するステップと、前記書込み-書換え警報リクエスト信号からメッセージ情報を検索するステップと、前記メッセージ情報を記憶するステップと、及び前記書込み-書換え警報リクエスト信号を、前記メッセージ情報に対応するベースバンド装置に経路付けするステップと、を備える。
【0019】
本発明のさらに他の態様において、局所的警報メッセージをLTEネットワークで供給する方法において、
現場ITインフラから警報メッセージ命令を受信するステップと、前記警報メッセージ命令から場所情報を検索するステップと、前記警報メッセージ命令に対応する書込み-書換え警報リクエストを生成するステップと、及び前記前記書込み-書換え警報リクエストを宛先セルに対応する宛先S1-mmeデータストリーム内に挿入する挿入ステップであって、前記宛先S1-mmeデータストリームは複数のS1-mmeデータストリームのうち1つであり、各S1-mmeデータストリームは少なくとも1つのセルに対応するものである、該挿入ステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示による、例示的モバイル・エッジ・コンピューティング・システムを示す。
【
図2】例示的モバイル・エッジ・コンピューティング・システム内に組み込むことができるエッジ警報システム(Edge Warning System)を示す。
【
図3a】本開示による、各ベースバンド装置からのPWS再起動表明情報を収集及び記憶するための例示的プロセスチャートを示す。
【
図3b】本開示による、各ベースバンド装置からのPWS再起動表明情報を収集及び記憶するための例示的信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【
図4a】本開示による、PWSメッセージをMMEから適切なベースバンド装置に経路付けし、MME由来のPWSメッセージ情報を収集及び記憶し、また各ベースバンド装置からのPWSメッセージ応答を集約するための例示的プロセスチャートを示す。
【
図4b】本開示による、PWSメッセージをMMEから適切なベースバンド装置に経路付けし、MME由来のPWSメッセージ情報を収集及び記憶し、また各ベースバンド装置からのPWSメッセージ応答を集約するための例示的信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【
図5a】本開示による、特定セルに場所特異性警報メッセージを局所的に発生及び提供する例示的プロセスチャートを示す。
【
図5b】本開示による、特定セルに場所特異性警報メッセージを局所的に発生及び提供する例示的信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
スタジアム、空港、病院、又は大学キャンパスのような現場内に展開する又はこのような現場に対応することができるパトロン又はエッジ警報システム(以下に「エッジ警報システム(Edge Warning System)」と称する)。このエッジ警報システムは、携帯電話事業者のコアネットワーク内をベースとし得る能力を獲得し、またモバイル・エッジ・コンピューティング・ドメイン内で展開し、現行では得られない運用能力を可能にする。使用可能な機能性は、LTE無線アクセスネットワーク(RAN)内で1つ又はそれ以上の移動管理実体(MME:Mobility Management Entities)とRANのベースバンド装置(BBUs:Baseband Units)との間に統合され得るエッジ警報システム内に包含させることができる。
【0022】
エッジ警報システム、並びにそのサブシステム及びコンポーネントは、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)・ドメインの範囲内にあり、既存のLTE標準に対する準拠を維持しつつモバイル・エッジ・コンピューティング機能を可能にする。そうすることによって、エッジ警報システムは、確立された進化型パケットコア(EPC)及びRAN要素に対して透過性があることを維持するとともに、この要素に対して相互運用性を確保する。
【0023】
エッジ警報システムによれば、現場内の権限を有する人々、一般的には警備室の代表者が、現場LTE携帯電話インフラに接続した無線加入者として作用する選択して携帯電話(セル)に同報メッセージを発することを可能にする。エッジ警報システムは、状況が決定するものとして、すべてのセル、個別のセル又はセルの組合せに対して選択的にメッセージを現場が同報(ブロードキャスト)することを可能にする。この決定には、所定緊急時対応プランとして、又は緊急事象発生時のような臨時決定による(アドホック)ものがあり得る。例としては、現場に影響を及ぼす悪天候、行方不明の子供、拉致疑惑、火事、爆発物の脅威、攻撃的銃撃犯事件、等々のような事象に対する警報メッセージ及び命令がある。エッジ警報システムによれば、異なる携帯電話事業者に属する多様な携帯機器に対する一斉の場所特異性迅速ブロードキャストを可能にする。
【0024】
エッジ警報システムは、上述した通常の公衆警報システムの下位にあるもので、代替物ではない。エッジ警報システムによれば、小規模局所的能力が現場内のセル(携帯電話)及びひいては携帯機器に限局して警報メッセージを配信できる、及び現場内における各個別セルに対する場所特異性独自メッセージを配信できる、個別現場レベルで警報メッセージを発することができる。このシステムは、既存の全米PWSメカニズムに対して透過性を有しかつ共存可能でもあり、したがって、全米PWSを介して発せられるすべてのメッセージも現場内のセルに対して発せられる。所定現場内のすべての携帯機器に場所特異性警報情報を通信する能力は、カレッジキャンパスのような相当広い範囲にわたり分散して多くのセルがある敷地に対して、並びに現場の施設、出口、緊急時体制、等々に不慣れなこれら敷地へのビジターに対して、特に効果を発揮することができる。
【0025】
図1は、本発明開示による例示的なLTEネットワークエッジシステム100を示す。システム100は、進化型パケットコア(EPC)105及び1つ又はそれ以上の移動管理実体(MME)110を含み、各MMEは集約S1-mmeインタフェース112を介してエッジ警報システム120に接続される。MMEs110及び(集約)S1-mmeインタフェースの双方は、適切な3GPP仕様の下で定義される標準LTEサブシステムとすることができる。
【0026】
エッジ警報システム120は、複数の対応するS1-mmeインタフェース114を介して複数のベースバンド装置(Baseband Units)115に接続される。各S1-mmeインタフェース114は、互いに及び集約S1-mmeインタフェース112と同一のものとして実装することができ、また関連の3GPP仕様に従うものとすることができる。エッジ警報システム120は、さらに、1つ又はそれ以上のイーサネット接続を介して局所的現場ITインフラ130に接続される。以下にさらに記載する局所的現場ITインフラ130は、現場のセキュリティ及びビジネスのオペレーションに関連する1つ又はそれ以上のITシステムを含むことができる。
【0027】
各ベースバンド装置115は、インタフェース116及びフロントホール(fronthaul)接続117を介して分散アンテナシステム(DAS)121にそれぞれすることができる。フロントホール接続117は、共通公衆無線インタフェース(CPRI)又はオープン基地局アーキテクチャ・イニシアチブ(OBSAI)によって定義されるような標準デジタル無線通信リンクとすることができる。DAS121は、それぞれが1つ又はそれ以上のアンテナ123に接続されている1つ又はそれ以上のリモート装置(RU:Remote Units)122を含むことができる。
【0028】
システム100に対する変更は、可能かつ本発明開示の範囲内であることは明らかであろう。例えば、1つ又はそれ以上の付加的DASシステム121を存在させかつベースバンド装置115に接続することができる、又はDAS121は1つ又はそれ以上の小規模セルシステム又は大規模セルラーシステムに置換若しくは補完することができる。このような変更は可能かつ本発明開示の範囲内であることは容易に分かるであろう。
【0029】
図2は、エッジ警報システム120、局所的現場ITインフラ130、及び複数のベースバンドプロセッサ115を含む例示的LTEネットワークエッジ100を示し、各ベースバンドプロセッサは1つ又はそれ以上のセル235に接続し、各セル235は、無線リモート装置並びに関連のアンテナ及び/又は1つ若しくはそれ以上のDASシステム121を有することができる(図示せず)。
【0030】
図2につき説明すると、局所的現場ITインフラは、スタジアム、空港、ショッピングモール、大学キャンパス、等々のような特定現場専用の種々のITシステムとすることができる。局所的現場ITインフラは、警備室、ビジネスオフィス、データセンター、等々のためのITシステム及びプロトコルを含むことができる。これらの各々は、スタンドアロンITシステムとすることができる、又は1つ若しくはそれ以上の集約ITシステム内の異なる機能とすることができる。
【0031】
エッジ警報システム120は、移動サービスエンジン(MSE:Mobility Services Engine)サブシステム210を含み、このサブシステム210は、S1-Connコンポーネント215、並びに管理及びネットワーク・オペレーション(MANO)コンポーネント220を有する。エッジ警報システム120は、さらに、アプリケーションサーバーサブシステム225を含み、このサブシステム225はアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)230を有する。これらサブシステム及びコンポーネントの各々は、これらサブシステム及びコンポーネントの各々の機能を実現する命令をエンコードした1つ又はそれ以上の不揮発性メモリコンポーネントに接続される1つ又はそれ以上のプロセッサ(図示せず)で動作するソフトウェアに実装することができる。代案として、これらコンポーネント各々は、専用プロセッサ、又は専用特殊用途ハードウェアに実装することができる。エッジ警報システム120は、現場内又はその近傍におけるeNodeB内に配置することができる、又は局所的現場ITインフラと同一場所に配置することができる。さらに、エッジ警報システム120内のプロセッサは、1つ若しくはそれ以上のeNodeBs及び/又は局所的現場ITインフラを含む多様な敷地にわたり分散させることができる。
【0032】
移動サービスエンジン(MSE)210は、S1-Connコンポーネント(又はホスト)215、並びに管理及びネットワーク・オペレーション(MANO)コンポーネント220を有する。S1-Conn215及びMANO220は、それらの異なる要件及び動作する様態に適合するよう、異なる言語を用いてソフトウェア内に実装することができる。例えば、S2-Conn215は、インタフェース112及び114に対して出入りするS1-mme信号でリアルタイムのオペレーションを実施する必要性に起因して、C又はC++で実装することができ、またMANOは、このような厳格なリアルタイム要件を有しておらず、より高い柔軟性をもたらすようにしなければならず、したがって、JAVAのようなプラットフォームで実装することができる。これら双方のコンポーネントは、MSE210のドメイン内の1つ又はそれ以上のプロセッサに接続される不揮発性メモリ内のマシン可読命令として記憶することができる。
【0033】
S1-Conn215はリアルタイムS1-mmeアグリゲータ及びアクセスコンポーネントの機能を実施する。第1に、複数のS1-mmeインタフェース114それぞれからのアップリンクS1-mmeデータを単一アップリンク集約S1-mmeインタフェース112として集約する。第2に、ダウンリンク集約S1-mmeインタフェース112を終端処理し、またダウンリンクS1-mmeデータを複数のS1-mmeインタフェース114に分割し、適切なS1-mmeデータを適切なBBU115に経路付けする。これら機能の細目を以下により詳細に説明する。第3に、集約S1-mmeインタフェース112におけるS1-mmeトラフィックをモニタリングし、MMEs110からの公衆警報システム(PWS)関連トラフィックを識別しかつログ(記録)付けする。第4に、S1-mmeインタフェース114上でBBUs115からのPWS関連トラフィックをモニタリングし、時々遮断する。第5に、局所特異性警報メッセージ(MANO220から受信された)をフォーマット化及び生成し、またそれぞれに対応するS1-mmeインタフェース114を介して、このメッセージを適切な1つ又はそれ以上のBBUs115に送信する。
【0034】
MANO220は、エッジ警報システム120のメンテナンス及びネットワークのオペレーションを実施する。第1に、S1-Conn215によってS1-mmeインタフェース112及び114からコピー又は遮断されたPWSメッセージを受信し、これらメッセージに含まれる関連データをログ付けする。第2に、API230を介して局所的現場ITインフラからの警報メッセージ送信リクエストを受信し、またこのメッセージ情報を、S1-Conn215が1つ又はそれ以上の適切セル215に向かわせるのに使用できるデータに変換する。これら機能の双方を以下に説明する。
【0035】
アプリケーションサーバー225は、局所的現場ITインフラアクセスで実走する任意なアプリケーションをMSE210の機能に付与するアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)230をホストとして提供し、またMSE210からのシグナル伝達及びデータ用の導路を現場ITインフラ130で実走するアプリケーションに提供する。
【0036】
エッジ警報システム120は、3つの基本機能を実施する、すなわち、インタフェース114を介して各BBUsからのPWS再起動表明信号を受信かつログ付けをする;MME110からのPWSメッセージを受信、ログ付け及び阻害されずに対応のBBU115を介して各セル235に経路付けする;及び局所特異性PWSメッセージを生成し、対応のBBU115を介して適切なセル235にこれらメッセージを送信する。これら機能それぞれをさらに以下に説明する。
【0037】
図3a並びに3bは、プロセス300並びに再起動時に各BBUからデータを受信及びログ付けするための信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【0038】
ステップ310において、1つ又はそれ以上のBBUs115は再起動し、セルが再起動したことを表明する信号を送信する。セル再起動表明信号の例は、S1-mmeインタフェース114を介してBBU115がMME110に送信するPWS再起動表明メッセージである。S1-Conn215は、各S21-mmeインタフェース114における各PWS再起動表明を検出する命令を実行する。ステップ330において、S1-Conn215は受信したPWS再起動表明それぞれからのデータをコピーし、またこのデータをMANO220に送信する。そうすることにおいて、S1-Conn215は、以下の情報、すなわちセルID、緊急エリアID、及びトラッキングエリアIDを、タイムスタンプとともに受信できる。ステップ340において、MANO220はS1-Conn215からのデータを受信し、また不揮発性メモリとすることができるメモリに記憶する。そうすることにおいて、MANO220は、それらに対応するセルIDs等々とともに、警報メッセージを受理する準備ができているすべてのアクティブセル235のリストを維持する。
【0039】
ステップ320において、S1-Conn215は、コピーしたPWS再起動表明を含めて、対応するインタフェース114を介して各BBU115から受信したS1-mmeストリームのそれぞれを集約する命令を実行し、また集約したS1-mmeストリームをMME110に集約S1-mmeインタフェース112上で送信する。そうすることにおいて、S1-Conn215はステップ310で受信したPWS再起動表明を含み、また阻害されずにそれを送信し、したがって、S1-Conn215の存在が検出されず、各BBU115とMME110との間の通信に透過性を示すようS1-mmeデータを集約しまた中継する。
【0040】
図3bは、プロセス300の信号フロー及びタイミングチャートを示す。このチャートは複数インタフェース114を介して複数BBU115からの複数PWS再起動表明の例を示すが、プロセス300の任意な所定反復が単一セル235からのPWS再起動表明の単一受信のためにあり得ることに留意されたい。単一受信でプロセス300を実行することができる、又は受信する限り、PWS再起動表明の複数同時受信からのブーストモードにおいてS1-mmeインタフェース114におけるデータコピー及び集約がリアルタイムで実施され、BBU115とMME110との間の通信が阻害されず、S1-Conn215が透過性状態を維持することは理解されるであろう。
【0041】
図4a並びに4bは、それぞれプロセス400並びにPWSメッセージをMME110から適切なBBU115に経路付けし、MME由来のPWSメッセージ情報を収集及び記憶し、また各BBU115からのPWSメッセージ情報を集約し、集約したS1-mmeインタフェース112上でMME110に送信するための信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【0042】
ステップ405において、S21-Conn215は、MME110から書込み-書換え警報リクエスト(W-RWReq)を受信していることを検出するよう集約S1-mmeインタフェース112をモニタリングする命令を実行する。S1-Conn215がW-RWReqを検出した後、ステップ410及び420に進む。ステップ410において、S1-Conn215はメッセージから関連データをコピーし、これをMANO220に送信する。S1-Conn215によってコピーされたW-RWReqデータは、メッセージ識別子及びシリアル番号を含み、また随意的にトラッキングエリアID、セルID(もしあれば)、及びタイムスタンプを含むことができる。
【0043】
ステップ415においてMANO220はこれらデータのうち幾つか又はすべてを不揮発性メモリ内に記憶することができる。このことを行う目的は、識別される書込み-書換え警報リクエストのメッセージ識別子及びシリアル番号をログ付けすることによって、MSE210(特にMANO220)が、相反する又は二重のデータを介してMME110からの警報メッセージに相反しない警報メッセージを生成できるようにすることである。
【0044】
ステップ420において、S1-Conn215は受信したW-RWReqを適切なBBU114に経路付けする命令を実行する。W-RWReqがセルID又はトラッキングエリアIDを含む場合、S1-Conn215は、トラッキングエリアID又はセルID(この情報はステップ340においてMANOによってログ付けされている)のいずれかに対応するBBU115を識別するためMANO220に照会し、また次いで対応するS1-mmeインタフェース114を介してそのW-RWReqを適切なBBU115に経路付けする。随意的に、S1-Conn215は単純にW-RWReqをすべてのBBU115に同報することができる。S1-Conn215は、同時に、又はできるだけ同時にステップ410及び420を行って、MME110と各BBU115との間の通信リンクにおけるS1-Conn215の透過性を確保できるようにする点に留意されたい。
【0045】
各BBU115がそれぞれに対応する書込み-書換え警報リクエストを受信した後、書込み-書換え警報レスポンス(W-RWResp)を生成し、また対応するS1-mmeインタフェース114を介してMMEに返信する。
【0046】
ステップ425において、S1-Conn215は、各BBU115によってそれぞれに対応するS1-mmeインタフェース114を介して送信された各W-RWRespを検出する。次に、ステップ430において、S1-Conn215は、S1-mmeインタフェース114からのW-RWRespを含むS1-mmeデータストリームを集約し、またそれを集約S1-mmeインタフェース112上でMME110に送信する。随意的に、S1-Conn215はそのレスポンス(応答)データをコピーし、またログ付け(logging)のためにMANO220に送信することができる。
【0047】
MME110を介してPWSメッセージを送信することに関与する権限実体(authorized entity)がそうすることを選択するとき、停止警報リクエスト(SWReq)をBBUs115に送信することができる。そのことが生起するとき、集約S1-mmeインタフェース112からのS1-mmeトラフィックをモニタリングするS1-Conn215はSWReqの存在を検出する。ステップ440においてS1-Conn215はSWReqを適切なBBUs115に経路付けする。そうすることにおいて、SWReqがトラッキングエリアIDを含む場合、S1-ConnはトラッキングエリアIDをメッセージからコピーし、またMANO220に対してトラッキングエリアIDに対応するセルIDを照会する。これらセルIDとともに、S1-Conn215はSWReqを適切なBBUs115に選択的に経路付けすることができる。代案として、S1-Conn215は単純にSWReqをすべてのBBUs115に同報することができる。採用する手法に無関係に、S1-Conn215は、透過性を維持するためSWReqをリアルタイムで中継する。
【0048】
各BBU115が停止警報リクエストを受信した後、適切なアクションをとり、対応するS1-mmeインタフェース114を介して停止警報リクエスト(SWReq)をMME110に送信することができる。ステップ445において、各S1-mmeインタフェース114からのトラフィックをモニタリングするS1-Conn215はSWReqを検出する。S1-Conn215は、各検出されたSWReqからデータをコピーし、またその情報をMANO220に送信し、これによりMANO220は、警報メッセージが終了したことを表明する情報をログ付けすることができる。このことは随意的なものである。
【0049】
ステップ450において、S1-Conn215は、S1-mmeインタフェース114からのSWRespを含む各S1-mmeデータストリームを集約し、またそれを集約S1-mmeインタフェース112上でMME110に送信する。
【0050】
図4bはプロセス400を示す信号フロー及びタイミングチャートを示す。
【0051】
図5a並びに5bは、それぞれ本発明開示による、プロセス500並びに特定セルに場所特異性警報メッセージを局所的に発生及び提供するための信号フロー及びタイミングチャートを示す。
図5aにつき説明すると、ステップ510~535はMSE210が警報メッセージを生成し、かつそれを1つ又はそれ以上のセル235に送信するステップを含み、ステップ540~550は適切なセル235に対応するBBUs115からのレスポンス(応答)を受信するステップを含み、ステップ555~570はMSE210が適切なセル235に停止メッセージリクエストを送信するステップを含み、及びステップ575~585は適切なセル115に対応するBBUs115からの適切な停止メッセージレスポンスを受信するステップを含む。
【0052】
ステップ505及び510において、MANO220は、権限警備員からアプリケーションサーバー225内の現場ITインフラ130及びAPI230を介して警報メッセージリクエストを、警報メッセージに対応する場所情報又は場所識別子(例えば、特定大学建物内のすべてのセル機器、スタジアムの特定区域内のすべてのセル機器、等々)とともに受信する命令を実行する。これら場所の各々は、1つ又はそれ以上のセルIDによって、又は以下により詳細に説明する1つ又はそれ以上の「緊急ゾーン」として特定することができる。権限警備員は、それぞれが個別場所識別子に対応する1つより多い警報メッセージを提供することができる。
【0053】
ステップ515において、セルIDが警備室によって提供されない場合、MANO220は場所情報を特定セルIDに相関付ける命令を実行することができる。この場合、MANO220は、ルックアップテーブル又は特定された場所から所望セル識別子を導き出す同様の技術を実装することができる。このことを実装するには多数のやり方があり、これらのそれぞれは本発明開示の範囲内にあることは理解できるであろう。さらに、MANO220は、その適切なメモリに対して警報メッセージを受信するセル235の即応能力に関する(すなわち、MANO220は、セル235に対応するBBU115からのPWN再起動表明をログ付けしてある)情報を照会することができる。
【0054】
したがって、現場セルラーネットワークが展開するとき、MANO220は緊急ゾーンに対するセルのマッピングの重要な記憶場所として作用することができ、これにより、警備室はどのメッセージをどの緊急ゾーンに向けるかを特定するだけで済み、またMANO220は緊急ゾーンを実際のセルにマッピングする。さらに、警備室は、単一警報メッセージを緊急ゾーンのクラスター(緊急ゾーン総数の部分集合)に発することができる、及び/又は緊急ゾーンのクラスターに対してメッセージの個別分配をすることができる。例えば、コアエリア内における若干の隣接する緊急ゾーンは1組のメッセージセットを受信するよう指定することができ、また残りの緊急ゾーンは個別メッセージを受信するよう指定することができ、個別メッセージのうち幾つかがコアエリアと共有され、また幾つかは異なるものとすることができる。例としては、その緊急ゾーンにおいて明白である又は明白ではないことがあり得る特定出口に進むようにする命令、所定位置を継続する又は留まるようにする命令、等々とすることができる。
【0055】
ステップ520及び525において、MANO220は、以下のことをする命令、すなわち、メッセージをそれらに対応するセルIDと組み合わせ、対応するS1-mmeインタフェース114を介して各BBU115に送り、また警報メッセージ及び対応するセル識別子をS1-Conn215に送って関連BBU115に送信する命令を実行することができる。ステップ520に関して、MANO220は、さらに、プロセス400のステップ415で識別され記憶されたもののうちで明らかでないメッセージ識別子及びシリアル番号を用いて、メッセージを組み合わせることができる。そうすることにおいて、MSE210は、MME110によって送信された既存メッセージとの衝突又は混同を防止する。このことは、MANO220がステップ405で識別され、またステップ415で記憶された先に識別されたW-RWReqのメッセージ識別子及びシリアル番号を不揮発性メモリに照会するステップと、及び照合一致がある場合に異なるメッセージ識別子及び/又はシリアル番号を導き出すステップとを含むことができる。
【0056】
ステップ530において、S1-Conn215は、対応するBBU115を介して適切なセル235に送信するため、適切なダウンリンクS1-mmeインタフェース114に挿入する書込み-書換え警報リクエスト用のデータをフォーマット化する命令を実行する。
【0057】
ステップ505~530は現場ITインフラ130が受信したメッセージクラスターに対して1回実行することができる、又は受信メッセージ毎に1回、これらステップを反復して実行することができる。後者が真である場合、ステップ535において、MANO220は、他の警報メッセージが存在するか否か、及び対応する場所情報が送信待機しているか否かを決定するようアプリケーションサーバー225に照会することができる。そうである場合、プロセス500はステップ505に戻り、また次のメッセージでステップ530から繰り返す。そうでない場合、プロセス500はステップ540に進む。
【0058】
したがって、ステップ535(又は、送信すべきすべての警報メッセージが1回のパスで処理された場合のステップ530)の終了時に、MSE210は、現場ITインフラ130を介して警備室によって提供されるリクエスト警報メッセージのすべてを、対応するBBUs115及びS1-mmeインタフェース114を介して適切なセル235に送っている。プロセス500のこの時点で、MSE210はBBUs115それぞれからのレスポンス(応答)を待機している。
【0059】
ステップ540において、S1-Conn215は、各セル235からのBBU115を介する書込み-書換え警報レスポンス(W-RWResp)に関して各S1-mmeインタフェース114をモニタリングする命令を実行する。W-RWRespを検出した後、S1-Conn215は、このW-RWRespを遮断及び終了させ、MME110に転送されないようにする。これは、MME110から送られるいかなるW-RWReqにも相関付けしないでW-RWRespを受信していることによりEPC105内で混同を生じないようにするためである。
【0060】
ステップ545において、S1-Conn215は、レスポンスがレスポンスで示されているセルIDから受信されたことを表明しているW-RWRespのすべて又は一部分をMANO220に転送する。さらに、ステップ550において、MANO220は、W-RWReq内のセルIDに対応するセル235がその命令を実行している(又は実行した)ことを表明する関連情報をログ付けする。ステップ540~550は、MSE210によって送られた各W-RWReqに対して受信されるまで、S1-Conn215によって遮断された各W-RWRespに対して反復する。プロセス500のこの時点で、MSE210は、警報メッセージを終了するため、現場ITインフラ130を介して警備室からの命令を待機する。
【0061】
ステップ555において、MANO220は、警報メッセージを終了するため、現場ITインフラ130及びAPI230を介して警備室からの命令を受信する。これに応答してステップ560において、MANO220は、セルID又は警備室からのリクエストで表明される場所に対応するセルID付き停止警報リクエスト(SWReq)を生成する。そうすることにおいて、警備室からのリクエストが緊急ゾーンを特定した場合、MANO220は、場所情報又は緊急ゾーンを特定セルIDに相関付けをしなければならず、この相関付けはSWReqに含まれることになる。
【0062】
ステップ565において、MANO220は、適切なセル215に送信するため生成したSWReqデータをS1-Conn215に中継する。またステップ570において、S2-Conn215は、対応するBBU115を介して指定セル235に送信するために、メッセージデータを適切なS1-mmeインタフェース114内に挿入する。ステップ555~570は、各W-RWReqが送られる毎に反復される。
【0063】
ステップ575において、S1-Conn210は、BBU115を介して各セル250が発する各停止警報リクエスト(SWResp)を識別及び遮断するよう各S1-mmeインタフェース114をモニタリングする命令を実行する。S1-Conn210がSWRespを識別した後、信号を終了し、またステップ580でMANO220に中継するためのデータを検索する。さらに、ステップ580に関して、MANO220は、検索したSWRespで指示されたセルIDが警報を終了したことを表明するログ付けされたPWSメッセージ情報をアップデートする。
【0064】
ステップ585において、MANO220は、アプリケーションサーバー25及び現場ITインフラ130を介して警備室に、警報メッセージが終了したこと及びメッセージが或るセル235で完了したとレスポンスを送る。
【0065】
ステップ555~570の各反復は、プロセスがステップ575~585に進むことができる前に、送られるメッセージのすべてをカバーするよう実走するために必要であると言える。したがって、いつでも、MSE210は、SWResp信号を受信するタイミングに基づいて、ステップシーケンス555~570及び575~585のいずれかを実施するための命令を実行することができる。