(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】能動快適制御寝具システム
(51)【国際特許分類】
A47C 27/10 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A47C27/10 A
(21)【出願番号】P 2020532037
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 US2018056495
(87)【国際公開番号】W WO2019118065
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-09-14
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502249172
【氏名又は名称】ドリームウェル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DREAMWELL, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デフランクス、マイケル エス.
(72)【発明者】
【氏名】キルティカル、ラフール
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-033106(JP,A)
【文献】特開平10-313981(JP,A)
【文献】実開平01-126230(JP,U)
【文献】特開2014-064618(JP,A)
【文献】特開2016-030194(JP,A)
【文献】米国特許第05642546(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000685(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0056264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/08-27/10
A61G 7/057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動快適制御寝具システムであって、
頭部の領域、中間座部の領域、ならびに脚部および足部の領域の下部にある複数の空気袋状部を備えるインナーコアユニットであって、前記複数の空気袋状部の各々はそれぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備える、インナーコアユニットと、
前記複数の空気袋状部の各々をポンプに対し流体的に結合するマニフォールドであって、前記ポンプは前記複数の空気袋状部に対し正の圧力または負の圧力を選択的に提供するように構成された双方向ポンプである、マニフォールドと、
前記複数の空気袋状部の各々の入口にある、バルブと、
前記複数の空気袋状部のうちエンドユーザの荷重が加えられる2つ以上の空気袋状部における圧力を連続して調節して、前記複数の空気袋状部のうちの前記2つ以上の空気袋状部の中に繰り返しパターンを提供するべく、前記ポンプおよび前記バルブを選択的に動作させるように構成された、制御ユニットと、を備え、
前記繰り返しパターンは、マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける初期圧力に対する圧力の増加および前記初期圧力に対する後続の圧力の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の圧力の減少とによって形成され、
前記複数の空気袋状部における前記初期圧力は、前記中間座部の領域の下部において前記脚部および足部の領域の下部におけるよりも大きく、
前記初期圧力に対し、選択された前記複数の空気袋状部から収縮中に前記ポンプによって排気される空気の体積は、選択された前記複数の空気袋状部に膨張中に前記圧力を増加させるように収容される空気の体積よりも大きい、能動快適制御寝具システム。
【請求項2】
前記複数の空気袋状部は、前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置する、請求項1に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項3】
前記繰り返しパターンは波状パターンである、請求項1に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項4】
前記複数の空気袋状部は、前記寝具システム上に横臥する前記エンドユーザの頭部、腰部および大腿部の領域に対応する前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置し、前記繰り返しパターンは、前記頭部、腰部および大腿部の領域のうちの1つまたは複数に対応する、請求項1に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項5】
前記寝具システムは、2名のエンドユーザを収容するように寸法決定された右側および左側をさらに備え、前記寝具システムは、前記寝具システムの幅寸法を二等分するとともに2つの下部のクレイドルフォーム層同士の間に配設されたフォーム仕切りをさらに備え、前記右側および前記左側は、前記複数の空気袋状部の分離したセットを備える、請求項1に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項6】
能動快適制御寝具システムであって、
マットレスを覆うマットレストッパーであって、頭部の領域、中間座部の領域、ならびに脚部および足部の領域の下部にある複数の空気袋状部を備え、前記複数の空気袋状部の各々はそれぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備える、マットレストッパーと、
前記複数の空気袋状部の各々をポンプに対し流体的に結合するマニフォールドであって、前記ポンプは前記複数の空気袋状部に対し正の圧力または負の圧力を選択的に提供するように構成された双方向ポンプである、マニフォールドと、
前記複数の空気袋状部の各々の入口にある、バルブと、
前記複数の空気袋状部のうちエンドユーザの荷重が加えられる2つ以上の空気袋状部における圧力を連続して調節して、前記複数の空気袋状部の中に繰り返しパターンを提供するべく、前記ポンプおよび前記バルブを選択的に動作させるように構成された、制御ユニットと、を備え、
前記繰り返しパターンは、マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける初期圧力に対する圧力の増加および前記初期圧力に対する後続の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の減少とによって形成され、
前記複数の空気袋状部における前記初期圧力は、前記中間座部の領域の下部において前記脚部および足部の領域の下部におけるよりも大きく、
前記初期圧力に対し、選択された前記複数の空気袋状部から収縮中に前記ポンプによって排気される空気の体積は、選択された前記複数の空気袋状部に膨張中に前記圧力を増加させるように収容される空気の体積よりも大きい、能動快適制御寝具システム。
【請求項7】
前記複数の空気袋状部は、前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置する、請求項6に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項8】
前記繰り返しパターンは波状パターンである、請求項6に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項9】
前記複数の空気袋状部は、前記寝具システム上に横臥する前記エンドユーザの頭部、腰部および大腿部の領域に対応する前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置し、前記繰り返しパターンは、前記頭部、腰部および大腿部の領域のうちの1つまたは複数に対応する、請求項6に記載の能動快適制御寝具システム。
【請求項10】
エンドユーザに対しマッサージ作用を提供する
ための能動快適制御寝具システムが作動する方法であって、
インナーコアユニットであって該インナーコアユニットに対しエンドユーザからの荷重が加えられるインナーコアユニットに提供される複数の空気袋状部内の内圧を初期圧力から調節する内圧調整工程を備え、前記複数の空気袋状部の各々は、それぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備え、前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置し、前記内圧調整工程は、前記マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける圧力の増加および後続の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の減少と、によって形成される繰り返しパターンを提供する工程を含み、
前記初期圧力に対し、選択された前記複数の空気袋状部から収縮中にポンプによって排気される空気の体積は、選択された前記複数の空気袋状部に膨張中に前記圧力を増加させるように収容される空気の体積よりも大きい、方法。
【請求項11】
前記複数の空気袋状部は、マットレストッパーに配設されている、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、能動快適制御寝具システムに関する。より詳細には、本発明は、可変の堅さ制御および/または可変の室温制御を備える能動快適制御寝具システムに関し、可変の堅さは、マッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するように、繰り返しパターンの形態にあることが可能である。
【背景技術】
【0002】
サイズ、形状、個人の適合レベル、健康、好ましい睡眠姿勢、または快適さの好みが同様である2名の消費者はいない。これらの、また無数の要因が、各消費者の好ましい堅さを補償するように、典型的なマットレスアセンブリの性能に影響する。これに加えて、各消費者の要求は、消費者の重量、能動レベル、健康および好ましい睡眠姿勢の変化として、マットレスの寿命を通じて、大幅に変化し得る。
【0003】
従来の寝具製造業者は、各寝具ラインについて堅さのいくつかのモデルを公表することによって、消費者の好みの無限の組合せを補償するように試みてきた。特に、製造業者は、消費者を寝具の柔らかめ/プラッシュ(plush)/堅め/ごく堅めのクラスへと適合させるように尽力している。同様に、調節可能であるエアベッドの製造業者は、1つまたは複数の空気袋状部において異なる圧力を可能とすることによって、異なる消費者の好みを補償するように試みてきた。しかしながら、従来の空気袋状部に要求される配置は、一般に、ベッドの幅またはベッド上の単一の占有者の位置に及ぶマットレス内において、限られた数の空気袋状部しか提供しない。先行技術における配置は、個々のユーザのサイズ、重量、睡眠パターンなどの間の複雑さおよび相違を解決するための、あまりに低い調節可能性の解決しか提供しない。
【0004】
調節可能である空気ベッドを処理する先行の方法は、柔らかめ、プラッシュの感覚を達成するように、一般に、頂部にある快適フォームの層を有する矩形の角柱である空気袋状部を使用する。直感的には、これは良いアプローチでありそうに思われるが、睡眠する人がベッドの中にいるのではなくベッドの頂部にいるように感じることとなり、「空気ベッド」の感覚を説明することが困難となる。より統合するようにフォームと空気袋状部とを組み合わせる新たな構造を作り出すことによって、フォーム-空気混合ベッドが作り出され、フォーム-コイル混合ベッドに非常に似たものが静的快適寝具において作り出されている。
【0005】
体温は、休息を与える睡眠のために重要な要因である。体は、深い阻害されない睡眠を達成および維持するために、特定の温度範囲を好む。例えば、ベッドが暑い状態にあると、換気の乏しい環境は、占有者に対して不快であり得、所望の休息を達成することを困難にする。ユーザは、起きたままであるか、または分裂したむらのある休息しか達成できない可能性が高い。さらに、暑い日に正常な空調があったとしても、ベッドの占有者の背部および他の圧力点は、横になっている間、汗をかいたままとなり得る。冬季には、占有者を快適にするように、特に、加熱ユニットが室内空間を素早く温める可能性が低い場所では、占有者のベッドを素早く温める性能を有することが、大いに所望される。しかしながら、体温が調整されると、占有者は睡眠に入り、長く睡眠したままとなり得る。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示されるものは、能動快適制御寝具システムおよび能動快適制御寝具システムにおける堅さおよび/または温度を調節する方法である。1つまたは複数の実施形態では、能動快適制御寝具システムは、複数の空気袋状部を備えるインナーコアユニットであって、前記複数の空気袋状部の各々はそれぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備える、インナーコアユニットと、前記複数の空気袋状部の各々をポンプに対し流体的に結合する、マニフォールドと、前記複数の空気袋状部の各々の入口にある、バルブと、前記複数の空気袋状部のうちエンドユーザの荷重が加えられる2つ以上の空気袋状部における圧力を連続して調節して、前記複数の空気袋状部のうちの前記2つ以上の空気袋状部の中に繰り返しパターンを提供するべく、前記ポンプおよび前記バルブを選択的に動作させるように構成された、制御ユニットと、を備え、前記繰り返しパターンは、マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける圧力の増加および後続の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の減少とによって形成される。
【0007】
1つまたは複数の実施形態では、能動快適制御寝具システムは、マットレスを覆うマットレストッパーであって、複数の空気袋状部を備え、前記複数の空気袋状部の各々はそれぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備える、マットレストッパーと、前記複数の空気袋状部の各々をポンプに対し流体的に結合する、マニフォールドと、前記複数の空気袋状部の各々の入口にある、バルブと、前記複数の空気袋状部のうちエンドユーザの荷重が加えられる2つ以上の空気袋状部における圧力を連続して調節して、前記複数の空気袋状部の中に繰り返しパターンを提供するべく、前記ポンプおよび前記バルブを選択的に動作させるように構成された、制御ユニットと、を備え、前記繰り返しパターンは、マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける圧力の増加および後続の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の減少とによって形成される、能動快適制御寝具システム。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、能動快適制御寝具システムにおいてエンドユーザに対しマッサージ作用を提供する方法は、インナーコアユニットであって該インナーコアユニットに対しエンドユーザからの荷重が加えられるインナーコアユニットに提供される複数の空気袋状部内の内圧を調節する内圧調整工程を備え、前記複数の空気袋状部の各々は、それぞれの空気袋状部内の圧力を測定するように構成された圧力センサを備え、前記寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置し、前記内圧調整工程は、前記マッサージ作用を提供するように、前記複数の空気袋状部のうちの選択された1つにおける圧力の増加および後続の減少と、それに続く前記複数の空気袋状部のうちの選択された他の1つにおける圧力の増加および後続の減少とによって形成される繰り返しパターンを提供する工程を含む。
【0009】
本開示は、本開示の様々な特徴の以下の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。
これより図面を参照する。同様の要素は同様に符号が付される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つまたは複数の実施形態に従う、調節可能である堅さを提供するように構成された能動快適制御寝具システムの分解斜視図。
【
図2】
図1の寝具システムにおける使用についての、1つまたは複数の実施形態に従う、下部のクレイドルフォーム層の断面図。
【
図3】
図1の寝具システムにおける使用についての、1つまたは複数の実施形態に従う、上部のクレイドルフォーム層の断面図。
【
図4】複数ユーザの寝具システムにおける使用についての、1つまたは複数の実施形態に従う、仕切りの断面図。
【
図5】1つまたは複数の実施形態に従う、能動快適寝具システムにおける使用に適した空気袋状部からなるアレイのトップダウン図。
【
図6】1つまたは複数の実施形態に従う、調節可能である堅さおよび室温調節を提供するように構成された能動快適制御寝具システムの分解斜視図。
【
図7】1つまたは複数の実施形態に従う、調節可能である堅さおよび室温調節を提供するように構成された能動快適制御寝具システムのさらなる分解斜視図。
【
図8】
図6~
図7の寝具システムにおいてエアフローを提供するための、1つまたは複数の実施形態に従う、フロー分布部材および空気送風機アセンブリの斜視図。
【
図9】
図6~
図7の寝具システムについての、1つまたは複数の実施形態に従う、下部のクレイドルフォーム層の斜視図。
【
図10】
図6~
図7の寝具システムについての、1つまたは複数の実施形態に従う、上部のクレイドルフォーム層の斜視図。
【
図11】
図6~
図7の寝具システムについての、1つまたは複数の実施形態に従う、快適層の斜視図。
【
図12】1つまたは複数の実施形態に従う、能動快適寝具システムにおける使用のための空気袋状部からなるアレイを備えるマットレストッパーを示す図。
【
図13】1つまたは複数の実施形態に従う、能動快適寝具システムにおける使用のための空気袋状部からなるアレイを備えるマットレストッパーをさらに示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示されるものは、能動快適制御寝具システムである。以下により詳細に説明されるように、能動快適寝具システムは、複数の袋状部および/またはエアフローを可能にする土台表面を備える。寝具システムは、特定のユーザまたは特定の部屋を収容するように構成されたカスタムサイズまたはスタンダードでないサイズだけでなく、ツインなどのスタンダードサイズ、クイーン、特大クイーン、キング、またはカリフォルニアキングサイズのマットレスを含む、任意のサイズであってよい。能動快適制御寝具システムは、頭部と、足部および胴部(すなわち、腰部)と、大腿部との領域を有する一面として構成される。1つまたは複数の実施形態では、能動快適制御寝具システムは、以下により詳細に開示されるように、マッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するよう構成されることが可能である。
【0012】
これより
図1を参照すると、繰り返し可能であるパターンを含む調節可能である堅さを寝具システムのエンドユーザに提供するように構成された、1つまたは複数の実施形態に係る例示的な能動快適制御寝具システム10が示される。寝具システムは、一般に、インナーコアユニット12と、フォームにより包まれたバケットアセンブリ14と、1つまたは複数の随意の快適層16と、カバー18とを備える。
【0013】
フォームにより包まれたバケットアセンブリ14は、プラットフォームベース層とも呼ばれる、典型的にはフォームからなりほぼ意図されたマットレスのサイズに寸法決定された平坦ベース層20を備える。平坦ベース層20は、フォーム材料から形成されることが可能であるか、マットレスインナーコアユニット12を支持するように選択された木製、段ボールまたはプラスチックの構造を備えてよい。マットレスインナーコアユニットにおいて選択される様々な層の特性とマットレスインナーコアユニットの固有の剛直性とに応じて、より剛直性のあるまたはよりコンプライアンスのあるベース層が選ばれてよい。例として、平坦ベース層20は、用途に適した密度および剛性を単独または組合せにて提供する、高密度ポリウレタンフォーム層(20~170のILD)またはいくつかのフォーム層(各々20~170のILD)であってよい。
【0014】
単一のピースとしてまたは示されるように複数のピースとして製造されることが可能である側部レールアセンブリ22は、平坦ベース層20の周縁部の周りに取付けられている。側部レールアセンブリ22は、典型的には、寝具の分野において一般に用いられる種類の、高密度の天然および/または合成フォーム材料から構築される。フォームは、ポリエチレン、ラテックス、ポリウレタン、または寝具および座席の分野において一般に知られており用いられている、また適切な密度を有する、他のフォーム製品であってよい(しかし、これらに限定されない)。典型的な密度は、約1.0~3.0、より典型的には約1.5~1.9、および20~80のILD、より典型的には35~65のILDであるが、これらに限定されない。そうしたフォームの1つの例は、高密度ポリウレタンフォームであり、イリノイ州リンウッドにあるFXI社から商業的に入手可能である。これに代えて、比較的高い押込み荷重たわみ(ILD)を有する任意のフォームが、側部レールアセンブリの製造に十分となる。特定のフォーム組成物が記載されるが、当業者は、この特定の密度およびILDを有するもの以外のフォーム組成物が用いられることが可能であることを認識する。例えば、様々な種類、密度およびILDのフォームが、ある範囲の快適パラメータをエンドユーザに提供するように所望されてよい。
【0015】
側部レールアセンブリ22のサイズは、用途に従って変化することが可能であるが、各レールは、典型的には、厚さが約2~約6インチ(約5~約15cm)の寸法である。示される側部レールは幅が等しく、それらの側部レールの長さは、所望されるマットレスのサイズの長さに対応するように選ばれる。レギュラーキングサイズまたはクイーンサイズのマットレスでは、レールの長さは約78.5インチ(200cm)であることが可能であるが、ヘッダまたはフッタがベースプラットフォーム20の全幅にかけて延びる場合には、長さはヘッダまたはフッタの幅を収容するように変化することが可能である。同様に、ヘッダ/フッタピースは、典型的には、約2~約6インチ(約5~15cm)の厚さを有し、幅は所望されるマットレスのサイズの幅に対応するように選ばれる。レギュラーキングサイズマットレスの場合には、幅は約74.5インチ(190cm)であり、クイーンサイズマットレスでは、幅は約58.5インチ(149cm)であり、どのようにフォームレールが周縁部側壁を形成するように配置されるかによる。
【0016】
側部レールアセンブリ22は、のり付け、鎹止め、熱融合もしくは溶接、または刺繍など(しかし、これらに限定されない)の従来の手段により、平坦ベース層20に搭載または衝合されることが可能である。
【0017】
構築されるように、ベース層20および側部レールアセンブリ22を備える、フォームにより包まれたバケットアセンブリ14は、ウェルまたはキャビティ24を形成する。ウェルまたはキャビティ24は、インナーコアユニット12が挿入される空間を提供する。
【0018】
インナーコアユニット12は、一般に、下部のクレイドルフォーム層26と上部のクレイドルフォーム層28との間に挟まれた1組以上の複数の空気袋状部30を備える。複数の空気袋状部30は、独立するか相互接続されることが可能であり、寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置する。複数の空気袋状部30は、以下により詳細に説明されるように、下部のクレイドルフォーム層26を上部のクレイドルフォーム層28に対し係合する際に形成される開口部内に着座する。このようにして、複数の空気袋状部30は、下部のクレイドルフォーム層26と上部のクレイドルフォーム層28との間に挟まれ、以下により詳細に記載されるように、所望の場所に補助的な支持を提供するように構成される。示される寝具システムでは、一般に、複数の空気袋状部30が、ほぼ頭部、腰部、および大腿部または太もも部の領域に位置する。しかしながら、空気袋状部は、意図された用途に応じた領域内の位置だけでなく、足部、頭部および腰部の領域のうちいずれか1つまたはそれらの組合せに位置が特定されることが可能であることが明らかである。
【0019】
より明瞭に
図2に示されるように、下部のクレイドルフォーム層26は、平坦な底面32と、第1位置34および第2位置38を含む頂面とを備える。第1位置34は、随意であり、一端から下部のクレイドルフォーム層のうちの一部分の長さまで延びる平坦面36を備え、第2部分38は、複数の樋40を備え、軸方向の側壁42が樋40から延びる。軸方向の側壁42は、ほぼ第1部分34の平坦面36の高さ以下まで延びており、示される樋は、一般に、上にいる伏臥したユーザの、ほぼ頭部、腰部および大腿部または太もも部の領域に対応する。隣接する樋40同士の間の間隔は、同一であるか異なってよく、異なる用途について所望されてよい。下部のクレイドルフォーム層26の長さ寸法は、キャビティ24における長さ寸法未満であり、下部のクレイドルフォーム層26の幅寸法は、キャビティ24における幅寸法にほぼ等しい。クイーンおよびキングサイズの寝具製品に従来知られていたものなどの左側および右側があるいくつかの実施形態では、下部のクレイドルフォーム層26の幅寸法は、キャビティ24における幅寸法のほぼ半分である。下部のクレイドルフォーム層26の長さ寸法は、足部近傍の領域に配設されることが可能である、ベッドの動作に必要な機械的な部分(例えば、袋状部の圧力のためのポンプまたは室温制御用の送風機)(図示せず)を収容するように、キャビティ24内に間隔を提供する。充填フォーム44が、音および振動の隔離を提供するようにポンプを包囲するように用いられることが可能であり、下部のクレイドルフォーム層26における第1部分34の平坦面36と同一平面上にある頂面46を備える。
【0020】
より明瞭に
図3に示されるように、上部のクレイドルフォーム層28は、平坦な頂面29と、下部のクレイドルフォーム層26に面するように構成された底面とを備える。底面は、第1部分48および第2部分52を備えることが可能である。第1部分48は、随意であり、一端から上部のクレイドルフォーム層のうちの一部分の長さまで延びる平坦面50を有し、複数の樋54を備える第2部分52を有し、軸方向の側壁56が樋からほぼ平坦底面50まで延びる。上部のクレイドルフォーム層28の第2部分52は、下部のクレイドルフォーム層26の第2部分38の近似的な鏡像または正確な鏡像であることが可能であり、上部のクレイドルフォーム層28および下部のクレイドルフォーム層26にあるそれぞれの樋54,40は、互いに位置整合され、第1クレイドルフォーム層26が第2クレイドルフォーム層28に対し係合するときに複数の空気袋状部30を収容するように寸法決定される。近似的な鏡像によって、上部のクレイドルフォーム層28の樋は、下部のクレイドルフォーム層にある樋よりも深いおよび/または幅広か、下部のクレイドルフォーム層にある樋とは異なる角度であるか、その両方であること(または、下部のクレイドルフォーム層の樋は、上部のクレイドルフォーム層28にある樋よりも深いおよび/または幅広か、上部のクレイドルフォーム層28にある樋とは異なる角度であるか、その両方であること)が意味され、これによって、エンドユーザに異なる感触を提供するように利用されることが可能である。それぞれの樋の軸方向の側壁42,56は、一般に、地表に対する約45度を超え約135度未満の角度にある。示される寝具システム10では、上部のクレイドルフォーム層28の底部平坦面50は、足部の領域に対応し、樋は頭部、腰部および大腿部の領域に対応する。上部のクレイドルフォーム層28の長さおよび幅寸法は、一般に、キャビティ24の長さおよび幅寸法に対応する。すなわち、上部のクレイドルフォーム層28の第1部分50は、存在する場合には、下部のクレイドルフォーム層26の第1部分34と、存在する場合には、ポンプを覆う充填フォーム44とを覆う。換言すると、上部のクレイドルフォーム層28の長さ寸法は、キャビティ24の長さ寸法に近似している。
【0021】
示される下部のクレイドルフォーム層26および上部のクレイドルフォーム層28は、例示であり、限定を意図するものではない。例えば、上記の樋は、インナーコアユニット12の長さに沿って、足部、脚部、頭部および/または腰部の領域によって形成されるエリア内において、何処にでも位置することが可能である。さらに、樋および軸方向の側壁は、弧状のプロファイルを有することが可能である。
【0022】
複数の空気袋状部30は、示されるように、下部のクレイドルフォーム層26および上部のクレイドルフォーム層28の樋および軸方向の側壁内に着座するように寸法決定される。個々の空気袋状部30は、互いに流体的に接続され、ポンプと流体連通することが可能であるか、各個々の空気袋状部内の気圧が独立して制御されるかそれらの組合せであることが可能であるように、直接ポンプに対しマニフォールドを介して流体的に接続されることが可能である。このようにして、複数の空気袋状部30のうちのいくつかは、区域を形成するように互いに対し流体的に結合されることが可能であり、一方、他の空気袋状部が異なる区域として構成されることが可能であって、異なる区域内の圧力は、エンドユーザにとって異なる体の部分を支持するために所望され得る可変の堅さの区域を寝具システムに提供するように調節されることが可能である。
【0023】
ポンプ(図示せず)が、
図1に示される充填フォーム層44内に提供されることが可能であり、ポンプには所望に応じて空気袋状部30のうちの1つまたは複数における圧力を選択的に調整および調節するように気送ラインが提供されることが可能である。圧力軽減バルブ、電子作動バルブなどの動作可能であるバルブは、寝具システムにおいて内圧を調節し堅さレベルを局所的に調節するべく、空気袋状部への/からの空気の選択的な膨張および排気を可能とするように、一列であるか、空気袋状部30に対する入口および/または出口にあるか、その両方であることが可能である。空気袋状部自身は、内部または外部の流路における圧力を調節するべく、その流路の相互接続を備えることが可能である。
【0024】
制御ユニット(図示せず)は、作動バルブだけでなくポンプに対しても電子的に接続されており、所望に応じて、空気袋状部30内の圧力を調節するようにプログラムされることが可能である。制御ユニットは、1つまたは複数の空気袋状部30の膨張または収縮を制御する信号を生成する制御回路を備え、その制御回路は、アメリカ合衆国において電源コードを通じて供給される標準的な110V,60HzのAC電力であり得る、現地の電力を受け取るように、電気出力(図示せず)に対し結合されるプラグを備えることが可能である。交流電圧および周波数電源は、製品が販売される場所およびそこで用いられる現地の標準に応じて用いられても良いことが理解される。制御回路は、供給されたAC電力を制御回路の動作可能である様々な回路部品に適した電力に変換する電力回路をさらに備える。
【0025】
示される
図1のベッドシステムは、2名のエンドユーザを収容するように寸法決定されることが可能である。複数のユーザ用に構成されたこれらのものなどの実施形態では、寝具システムは、寝具システムの幅寸法を二等分するとともに2つの下部のクレイドルフォーム層26同士の間に提供された間隙60に配置された、随意の仕切り58をさらに備えることが可能である。
図4に示されるように、仕切り58は、下部のクレイドルフォーム層26の長さに及び、随意の第1部分62および第2部分64を備える。随意の第1部分62は、平坦頂面66を備え、存在するときには、平坦頂面66が下部のクレイドルフォーム層26の平坦頂面36と同一平面上にあるように、下部のクレイドルフォーム層26の第1部分34に等しい高さを有する。第2部分64は、第1部分62の頂部平坦面66により形成された平面よりも上に延びた複数の突出部68を備える。突出部68は、上部のクレイドルフォーム層28の第2位置52に提供される樋と軸方向の側壁と対し相補的な形状を有し、寝具システムが組み立てられたときに上部のクレイドルフォーム層28の第2位置52に提供される樋と軸方向の側壁とに着座する。仕切り58の高さ寸法は、下部のクレイドルフォーム層26および上部のクレイドルフォーム層28が
図1に示されるように積み重なって配置されたときに提供される高さにほぼ等しい。
【0026】
仕切り58は、寝具システムを2つの睡眠面(すなわち、クイーンおよびキングサイズの寝具システムにおいて従来知られていたものなどの左側および右側)へと分離する。このようにして、2つの異なる組の空気袋状部が、示されるように、各ユーザについて一方である各側について用いられることが可能であり、これによって、特定のユーザの所望に合わせられた堅さ調節が可能となる。さらに、仕切り58の存在は、エンドユーザが寝具システムの中心に向かって移動するような中心の降下を減少させる。これに加えて、仕切り58は、他の恩恵のうちでも、使用中の空気袋状部からの雑音を減少させる。
【0027】
1つまたは複数の最上部の快適層16は、大半の実施形態において、フォーム層であり、約0.5~3インチ(1.27~7.62cm)の厚さを有するが、より大きいまたはより小さい厚さが用いられることが可能である。1つまたは複数の層が、頂部平坦面および底部平坦面を一般に有する快適層を形成するように用いられることが可能である。快適層は、プラットフォームベース層20の長さおよび幅寸法に類似した長さおよび幅寸法を有し、インナーコアユニット12とバケットアセンブリ14の側部レール22とを覆う。1つまたは複数の実施形態では、最上部の快適層は、熱伝導性ゲルが注入されたフォームまたは他の熱伝導性材料が注入されたフォームである。例として、熱伝導性ゲルが注入されたフォームは、Peterson Chemical Technology LLCを通じて商業的に入手可能であるLumaGel(商標)微粒子が注入されたポリウレタンゲルフォームであることが可能である。
【0028】
カバー18は、ジッパー式カバー、キルト層などであることが可能であり、一般に、バケットアセンブリ14、インナーコアユニット12および快適層16を包むように構成される。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、制御ユニットは、エンドユーザにマッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するべく、繰り返しパターンにおいてポンプにより空気袋状部を選択的に膨張させるようにプログラムされる。これらの実施形態では、空気袋状部の各々は、空気袋状部の各々の中の圧力を感知するための圧力センサをさらに備え、次いで、その圧力センサは、コントローラによって用いられ、選択された空気袋状部における繰り返し可能である圧力変化をポンプにより提供することが可能である。繰り返し可能である圧力変化は、例えば、伏臥したエンドユーザからなどの、2つ以上の特定の空気袋状部によって検出される加えられる荷重に応じてなど、選択された空気袋状部において生じるように行われることが可能である。これによって、空気袋状部における空気の体積が減少し、圧力は、加えられる荷重の関数として増加する(ボイルの法則により)。加えられる荷重の関数としての圧力の増加は、圧力センサによって検出されることが可能であり、次いで、伏臥したエンドユーザがマッサージ作用、治療上の恩恵などを体験するように、繰り返し圧力パターンがこれらの空気袋状部に対してなされることが可能である。繰り返し圧力パターンは、一般に、異なる空気袋状部を連続して膨張および収縮させることを含む。例として、繰り返しパターンは、空気袋状部を選択的に連続して順番に膨張および収縮させること、それに続くその波状パターンの繰り返しによる、波状パターンを含むことが可能である。しかしながら、任意の繰り返し圧力パターンがプログラムされることが可能であることに留意されたい。繰り返しパターンは、同時に、2つ以上の空気袋状部の圧力を増加させること、それに続く過度の圧力の開放と、繰り返しパターンにおける他の空気袋状部のうちの1つまたは複数の圧力を増加させることと、を含むことが可能であることにも留意されたい。
【0030】
例として、いくつかの空気快適寝具システム用の空気袋状部内の名目空気圧(無負荷)は、約1.5ポンド毎平方インチ(psi)(10kPa)であることが可能である。約0.1psi(689Pa)以上の増加が、繰り返しパターンにおける選択された空気袋状部に連続して提供され、マッサージまたは治療上の作用を提供するようにエンドユーザによって容易に感知されることが可能である。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、制御ユニットは、場所と加えられる荷重の程度とに異なるように応じて、空気袋状部内の初期/名目圧力を構成することが可能である。例えば、初期/名目圧力は、脚部および足部の領域に対応する空気袋状部内について、座部の領域に対応する空気袋状部に対して異なることが可能である。脚部および足部の領域における空気袋状部の圧力は、座部の領域における空気袋状部についての圧力未満であることが可能であり、典型的には、座部の領域における空気袋状部は、伏臥したユーザが座部の領域における空気袋状部上にいるときに、脚部および足部の領域における空気袋状部と比較して、より大きい加えられる荷重に耐える。そうでない場合には、伏臥したユーザは、座部の領域において「沈下」を体験し得る。初期の圧力が、マットレスの様々な領域における異なる空気袋状部について決定されると、制御ユニットは、マッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するように、連続パターンにおける選択された空気袋状部内において、圧力を連続して増加/減少させるように構成されることが可能である。
【0032】
これより
図5を参照すると、
図1に示される空気袋状部30の一部を示すトップダウン図を示す。上述のように、ポンプ45は、繰り返しパターンにより空気袋状部30を選択的に膨張させるように、充填フォーム層44(
図1を参照)内に提供されてよい。各空気袋状部30は、それぞれの空気袋状部30内の空気圧を決定するための圧力センサ47を備える。ポンプ45は、マニフォールド51を介して空気袋状部30と流体連通している。圧力解放バルブ、電子作動バルブなどの動作可能であるバルブ49は、内圧を調節し堅さレベルを局所的に調節するべく、空気袋状部への/からの空気の選択的な膨張および排気を可能とするように、一列であるか、空気袋状部30に対する入り口および/または出口にあるか、またはその両方であることが可能である。バルブ49の選択的な開放および閉鎖は、ポンプ45を選択的に作動させるようにも構成された制御ユニット53によって制御されることが可能である。このようにして、空気袋状部30のうちの選択された1つは、次の空気袋状部が膨張する前の期間中に膨張することが可能である。制御ユニット53は、繰り返しパターンを提供するように構成される。例えば、繰り返しパターンは、マットレスの頭部および背部の領域に対応する2つ以上の空気袋状部を連続して膨張させることを含んでよい。繰り返しパターンは、波状パターンであってよいが、しかしながら、他のパターンが制御ユニット53にプログラムされることが可能であることが明らかである。
【0033】
ポンプ45は、圧力を増加させるべく選択された空気袋状部30に先に追加された空気の体積を排気するように、エアフローに関して双方向であることが可能である。1つまたは複数の他の実施形態では、マニフォールド51は、特定の空気袋状部に対し逆方向の空気を選択的に提供しその空気袋状部を所定の圧力まで収縮させるように、構成されることが可能である。1つまたは複数の実施形態では、排気される空気の体積は、圧力を増加させるように収容される空気の体積と同一である。1つまたは複数の他の実施形態では、排気される空気の体積は、より大きい感覚をエンドユーザに提供するべく圧力を増加させるように収容される空気の体積より大きい。排気されると、圧力は初期の荷重圧力に戻って増加することが可能である。さらに1つまたは複数の実施形態では、各空気袋状部は、排気バルブを有するように構成されることが可能である。
【0034】
これより
図6~
図7を参照すると、可変の堅さ制御と可変の室温制御とを含む、1つまたは複数の実施形態に係る能動快適制御寝具システム100が示される。寝具システムは、一般に、インナーコアユニット112と、フォームにより包まれたバケットアセンブリ114と、随意の快適層116と、カバー118とを備える。
【0035】
フォームにより包まれたバケットアセンブリ114は、スペーサ織物、押し出された3次元繊維アセンブリ、連続気泡および網状フォームなどの高エアフローフォームなどの通気性材料層120を備え、意図されたマットレスの長さおよび幅寸法に近似するように寸法決定される。他の実施形態では、低空気透過性フォームの局所的な貫通孔が用いられることが可能である。例として、押し出された3次元繊維アセンブリは、高い空気透過性と、使用時にインナーコアユニット112、随意の快適層116、カバー118およびエンドユーザを支持するための十分な圧縮強度とを提供するように構成されることが可能である。これに加えて、通気性材料層120は、難燃性材料から製造されるか、難燃性材料により処理されることが可能である。同様に、様々な層が抗菌剤により扱われることが可能である。通気性材料層120の厚さは、限定を意図するものではなく、一般に、約0.5インチ~約3インチ(約1.27cm~7.62cm)の範囲であることが可能である。別の実施形態では、代替の表面/層が、1つまたは複数の側部レールなどのエアインテーク用に構成されることが可能である。この実施形態では、ベース層は従来のフォーム層であることが可能である。
【0036】
単一のピースとしてまたは複数のピースとして製造されることが可能である側部レールアセンブリ122は、スペーサ織物ベース層120の周縁部の周りに取付けられている。側部レールアセンブリ122は、寝具の分野において一般に用いられる種類の、高密度の天然および/または合成フォーム材料から構築される。フォームは、ポリエチレン、ラテックス、ポリウレタン、または寝具および座席の分野において一般に知られており用いられている、また適切な密度を有する、他のフォーム製品であってよい(しかし、これらに限定されない)。典型的な密度は、約1.0~3.0、より典型的には約1.5~1.9、および20~80のILD、より典型的には35~65のILDであるが、これらに限定されない。そうしたフォームの1つの例は、高密度ポリウレタンフォームであり、イリノイ州リンウッドにあるFXI社から商業的に入手可能である。これに代えて、比較的高い押込み荷重たわみ(ILD)を有する任意のフォームが、側部レールアセンブリの製造に十分となる。特定のフォーム組成物が記載されるが、当業者は、この特定の密度およびILDを有するもの以外のフォーム組成物が用いられることが可能であることを認識する。例えば、様々な種類、密度およびILDのフォームが、ある範囲の快適パラメータをエンドユーザに提供するように所望されてよい。
【0037】
側部レールアセンブリ122のサイズは、用途に従って変化することが可能であるが、各レールは、典型的には、厚さが約2~約6インチ(約5~約15cm)の寸法である。示される側部レールは幅が等しく、それらの側部レールの長さは、所望されるマットレスのサイズの長さに対応するように選ばれる。レギュラーキングサイズまたはクイーンサイズのマットレスでは、レールの長さは約78.5インチ(200cm)であることが可能であるが、ヘッダまたはフッタがスペーサ織物ベース層120の全幅にかけて延びる場合には、長さはヘッダまたはフッタの幅を収容するように変化することが可能である。同様に、ヘッダ/フッタピースは、典型的には、約2~約6インチ(約5~約15cm)の厚さを有し、幅は所望されるマットレスのサイズの幅に対応するように選ばれる。レギュラーキングサイズマットレスの場合には、幅は約74.5インチ(190cm)であり、クイーンサイズマットレスでは、幅は約58.5インチ(149cm)であり、どのようにフォームレールが周縁部側壁を形成するように配置されるかによる。
【0038】
側部レールアセンブリ122は、のり付け、鎹止め、熱融合もしくは溶接、または刺繍など(しかし、これらに限定されない)の従来の手段により、通気性材料ベース層120に搭載または衝合されることが可能である。
【0039】
構築されるように、通気性材料ベース層120および側部レールアセンブリ122を備える、フォームにより包まれたバケットアセンブリ114は、ウェルまたはキャビティ124を形成する。ウェルまたはキャビティ124は、インナーコアユニット112が挿入される空間を提供する。
【0040】
インナーコアユニット112は、一般に、下部のクレイドルフォーム層126と上部のクレイドルフォーム層128との間に挟まれた複数の空気袋状部130を備え、フロー分布部材200、一般に202にて示される空気送風機およびポンプアセンブリ、および充填フォーム144が任意の空所内に提供され、空気送風機アセンブリ202は、フロー分布部材200に対し流体的に結合され、ポンプは空気袋状部130に対し流体的に結合される。複数の空気袋状部130は、先に記載されたように、寝具システムの長手方向の軸に対し横切って位置し、下部のクレイドルフォーム層126を上部のクレイドルフォーム層128に対し係合させる際に形成される開口部内に着座する。このようにして、複数の相互接続された空気袋状部130は、下部のクレイドルフォーム層126と上部のクレイドルフォーム層128との間に挟まれ、頭部、足部および胴部(すなわち、腰部)、大腿部のうちの1つ以上の領域などの所望の場所に補助的な支持を提供するように構成される。
【0041】
上記の空気快適寝具システム10に似た空気快適寝具システム100は、エンドユーザにマッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するべく、繰り返しパターンにおいてポンプにより空気袋状部を選択的に膨張させるようにプログラムされた制御ユニットを有するように構成されることが可能である。これらの実施形態では、空気袋状部の各々は、空気袋状部の各々の中の圧力を感知するための圧力センサをさらに備え、次いで、その圧力センサは、先に記載した通り、選択された空気袋状部における繰り返し可能である圧力変化をポンプにより提供するように、コントローラによって用いられることが可能である。
【0042】
これより
図8を参照すると、空気送風機202アセンブリを備える流体分布部材200が示される。流体分布部材200自身は、空気送風機アセンブリ202を収容するように、キャビティ124の長さ未満の長さを有する。流体分布部材200は、頂部平坦面204および底部平坦面206を備え、スペーサ織物、スーパーストランド、連続気泡高エアフローフォームなどの高多孔性材料から形成されることが可能である。空気送風機アセンブリ202は、空気を流体分布部材200へと直接放出するために、流体分布部材の側壁に対し流体的に接続されたプレナムを備える。底部平坦面206は、その底部平坦面206上に、底部平坦面を通じるエアフローを通さない外側シース材料を備えることが可能である。頂部平坦面204は、エアフローを実質的に通さないが、一方から他方に(すなわち、寝具システムの長手方向の軸を横切って)延びる、複数の離間したエアフロー透過性ストリップ208(または開口部)を備える。1つまたは複数の実施形態では、エアフローを通すストリップ208は、頭部、首部、腰部および/または脚部の領域の下に位置し、以下により詳細に説明されるように、エアフローを頭部、首部、腰部および脚部の領域に向ける。エアフロー透過性ストリップ208は、流体分布部材の頂部平坦面204に付与される通さないシース材料により形成されることが可能であり、使用時に流体フローを空気送風機202から空気透過性ストリップ208を通じて向けることを可能とするように、シース材料内に形成された複数の開口部を含むことが可能である。動作時、空気送風機202は、通気性材料ベース層120を通じて空気透過性ストリップ208に空気を引き込む。1つまたは複数の実施形態では、ストリップ同士の互いに対する透過性は、層に沿った所望のフロー放出プロファイルを達成するように操作されることが可能である。これに代えて、空気透過性のないコアが、コアとシース材料との間において空気が流体的に移動することを可能とするのに十分緩くシースが合わさっているプレナム層に用いられることが可能である。コアの目的は、シースが折り畳まれ、自身に対し封止することを防止することである。これに加えて、空気透過性のないコアは、効率的に層の下に空気を分布させるように、空気チャネルを作りだすための1つまたは複数の表面に形成された回旋を有することが可能である。示されるものなどの複数ユーザの寝具システムでは、寝具システムの右側および左側にエアフローを提供するように、互いに当接する2つの流体分布部材が存在することが可能であるか、または、単一の流体分布部材が、右側および左側を二等分する透過性のない障壁層とともに利用されることが可能である。空気のフローは、寝具システムの左側または右側の特定のユーザに対しプログラムされることが可能である。
【0043】
空気送風機アセンブリ202は、流体輸送デバイス(例えば、送風機、扇風機など)、熱電気デバイス(例えば、ペルチェデバイス)、対流ヒータ、熱ポンプ、除湿器および/または任意の他の種類の調整デバイスを含むことが可能である。1つまたは複数の実施形態では、随意のフィルタ(濾過)アセンブリ(図示せず)が、空気中の汚染物質を取り除くように、空気供給入口と出口との間(例えば、スペーサ織物と送風機との間)にあることが可能である。1つまたは複数の実施形態では、循環空気は外気である。
【0044】
随意のフィルタアセンブリは、一般に、フィルタハウジング内に着座したフィルタを備える。適切なフィルタ材料は、限定を意図するものではなく、フォーム、すなわち、織布および/または不織布材料、繊維ガラスからなるヒダ付きもしくはヒダなしの材料、綿、または合成繊維を含んでよい。同様に、フィルタの形状は、限定を意図するものではない。例示的な形状は、カートリッジフィルタ、円錐フィルタ、平坦フィルタなどを含む。
【0045】
さらに他の実施形態では、フィルタは香ってよい。例えば、芳香パッドがフィルタへと組み込まれるか、またはフィルタの極近くに位置してよい。同様に、フィルタは、匂いを吸収するための活性炭素処理を含んでよく、抗菌コーティングを含んでよい。
【0046】
より明瞭に
図9に示されるように、下部のクレイドルフォーム層126は、平坦底面132と、大部分134および第2部分138を備える頂面とを備える。第1部分134は、随意であり、平坦面136を有することが可能である。第2部分138は、軸方向の側壁142を有する複数の140を備え、随意の第1部分が存在する場合、その側壁142は樋からほぼ平坦面136の高さ以上まで延びる。隣接する樋140同士の間の間隔は、同一であるか、異なる用途について所望され得るように異なってよい。示される下部のクレイドルフォーム層126の長さ寸法は、キャビティにおける長さ寸法未満であり、示される樋は、一般に、樋の上の伏臥したユーザの頭部、腰部および大腿部の領域に対応する。下部のクレイドルフォーム層126の長さ寸法は、足部近傍の領域に配設される、空気動力ポンプおよび送風機を収容するように、キャビティ124内に間隔を提供する(すなわち、流体分布層200の長さに近似する)。充填フォーム144は、空所に提供され、音の隔離を提供するように、ポンプおよび送風機を包囲するように構成されることが可能である。充填フォーム144は、下部のクレイドルフォーム層126における第1部分134の平坦面136と同一平面上にある頂面146を備える。
【0047】
これに加えて、下部のクレイドルフォーム層126は、樋と軸方向の側壁とによって形成された選択された列に開口部148を含む。開口部148は、垂直に配向されたチャネルであり、軸方向の側壁の集合によって形成された頂点において底面から頂面に延びる。開口部148は、離間したエアフロー透過可能ストリップ208に実質的に位置整合され、また流体連通している。1つまたは複数の実施形態では、開口部148およびエアフロー透過性ストリップ208は、頭部、首部、腰部および/または脚部の領域に対応する。
【0048】
より明瞭に
図10に示されるように、上部のクレイドルフォーム層128は、平坦頂面149と下部のクレイドルフォーム層126に面する底面とを備える。底面は、平坦底面150を有する第1部分148と、軸方向の側壁を有する複数の樋154を備え、側壁156が樋からほぼ第1部分148の底部平坦面150の高さ以下まで延びている、第2部分とを備える。上部のクレイドルフォーム層128の第2部分152は、先に記載されたような下部のクレイドルフォーム層126の第2部分138の近似的な鏡像または鏡像であり、上部のクレイドルフォーム層128および部のクレイドルフォーム層126にあるそれぞれの樋154,140は、互いに位置整合され、複数の空気袋状部130を収容するように寸法決定される。軸方向の側壁142,156は、一般に、頂部平坦面に対して約45度を超え約135度までの角度にある。示される寝具システム100では、上部のクレイドルフォーム層128の第1部分は、一般に、足部の領域に対応し、第2部分152は、一般に、頭部、腰部および大腿部の領域に対応する。上部のクレイドルフォーム層128の長さおよび幅寸法は、一般に、キャビティ124の長さおよび幅寸法に対応する。すなわち、組立時には、組み立てられた上部のクレイドルフォーム層128の第1部分148は、下部のクレイドルフォーム層126の第1部分134、充填フォーム144、ポンプおよび送風機を覆う。
【0049】
上部のクレイドルフォーム層128は、樋と軸方向の側壁とによって形成された選択された列に複数の開口部170をさらに含む。開口部170は、平坦頂面149に、隣接する樋154同士の軸方向の側壁156の集合によって形成された頂点に延びる。開口部170は、下部のクレイドルフォーム層126にあるエアフロー透過可能ストリップ208および開口部148に実質的に位置整合され、また流体連通している。1つまたは複数の実施形態では、形成された流路は、一般に、頭部、腰部および/または大腿部の領域に対応する。
【0050】
示される下部のクレイドルフォーム層126および上部のクレイドルフォーム層128は、例示的であり、限定を意図するものではない。例えば、上記の樋は、例えば、頭部でなく腰部の領域によって形成されたエリア内などのインナーコアユニットの長さに沿って位置することが可能である。さらに、樋および軸方向の側壁は、弧状のプロファイルを有することが可能である。またさらに、各それぞれのクレイドルフォーム層の第1部分は、随意である。任意の空所が充填フォーム144により充填されることが可能である。
【0051】
複数の空気袋状部130は、
図6~
図7に示されるように、下部のクレイドルフォーム層126および上部のクレイドルフォーム層128の樋および側壁内に着座するように寸法決定される。十分な間隔が、空気袋状部同士の間における空気のフローを可能とするように、空気袋状部同士の間に提供される。個々の空気袋状部130は、互いに対し流体的に接続され、ポンプと流体連通していることが可能であり、または、各個々の空気袋状部内の圧力が独立して制御されるように、マニフォールドを介してポンプに流体的に接続されることが可能である。同様に、複数の空気袋状部130のうちのいくつかは、定められた圧力を有する堅さ調節可能である区域を形成するように、互いに対し流体的に結合されることが可能であり、一方、他の空気袋状部は、異なる圧力が最大の快適さのために所望され得る、エンドユーザの異なる部分を支持するために所望され得る、1つまたは複数の堅さ調節可能である異なる区域として構成されることが可能である。
【0052】
ポンプには、所望に応じて(例えば、上記の繰り返しパターン)複数の空気袋状部130を個々にまたは集合的に膨張または収縮させるように、気送ラインが提供される。ラインおよび/または空気袋状部に対する入口における圧力解放バルブなどの動作可能であるバルブは、マットレスを所望の堅さに調節するように、空気のマットレス130からの選択的な排気を可能とする。例示的な空気供給部および気送ポンプは、米国特許第8,181,290号;第8,191,187号;第8,065,763号;第7,996,936号;および第7,877,827号明細書、ならびに、米国特許出願公開第2012/0227182号;第2012/0131748号;第2011/0296611号;第2011/0258778号;第2011/0119826号;第2010/0011502号;および第2008/0148481号明細書に開示されており、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0053】
制御ユニット(図示せず)は、ポンプおよび送風機と、バルブが動作可能に調節可能である場合には様々なバルブとに対し電子的に接続されており、空気袋状部130の圧力を調節するように、また所望に応じて流体フローを調整するようにプログラムされる。制御ユニットは、1つまたは複数の空気袋状部130の膨張および収縮と流体フローとを制御するための信号を生成する制御回路を備える。制御回路は、電源コードを通じてポンプを備える制御回路の他の部品へと供給される、現地の電源(例えば、アメリカ合衆国では、典型的な電源は110V,60HzのAC電力)を受け取るための電気取出口(図示せず)に対し結合するプラグを備える。製品が販売される場所およびその場所において用いられる現地の標準に応じて、代替の電圧および周波数の電源が用いられてもよいことが理解される。制御回路は、供給されたAC電力を制御回路の様々な回路部品を動作させるのに適した電力に変換する電力回路をさらに備える。
【0054】
示される
図6~
図7の寝具システムは、2名のエンドユーザを収容するように寸法決定される。複数のユーザ用に構成されたものなどの実施形態では、寝具システムは、寝具システム100の幅寸法を二等分するとともに下部のクレイドルフォーム層126に提供された
図6に示されるチャネル160に配設されている、
図6に示される仕切り158をさらに備えることが可能である。これに代えて、下部のクレイドルフォーム層126は、2つの分離した半分からなることが可能であり、仕切り158は、2つの半分の間にある。仕切り158は、下部のクレイドルフォーム層126の長さに及ぶことが可能であり、
図4を参照して一般に示され記載されるように、随意の第1部分および第2部分を備える。すなわち、第1部分は、平坦頂面を備え、平坦頂面が下部のクレイドルフォーム層126の平坦頂面136と同一平面上にあるように、下部のクレイドルフォーム層126の第1部分に等しい高さを有する。第2部分は、第1部分の頂部平坦面によって形成された平面よりも上に延びた複数の突出部を備える。突出部は、上部のクレイドルフォーム層128に提供されると意図軸方向の側壁とに対し相補的な形状を有し、寝具システムが組み立てられたときに上部のクレイドルフォーム層に着座する。
【0055】
仕切り158は、寝具システムを2つの睡眠面(すなわち、クイーンおよびキングサイズの寝具システムにおいて従来知られていたものなどの左側および右側)へと分離する。2つの異なる組の空気袋状部が、各ユーザについて一方である各側について用いられることが可能であり、これによって、その側について特定のエンドユーザの所望に合わせられた堅さ調節とエアフロー調節とが可能となる。さらに、仕切り158の存在は、エンドユーザが寝具システムの中心に向かって移動するような中心の降下を減少させる。これに加えて、仕切り158は、使用中の空気袋状部からの雑音を減少させる。1つまたは複数の実施形態では、仕切りは、頂端部が上部のクレイドルフォーム層にある樋と噛み合う。この噛み合いは、ベッドの部品をより安定させることと、形成された降下または両側間の遷移を少ししか生じないように、両側を組み合わせることとを可能にする。
【0056】
これより
図11を参照すると、快適層116は、フォーム層であり、上部のクレイドルフォーム層128の頂部平坦面149を覆う。快適層116は、頂部平坦面162および底部平坦面164を備える。貫通孔166からなるアレイは、意図される用途に応じて、ほぼ頭部、腰部および/または大腿部の領域に形成され、一般に、上部のクレイドルフォーム層128の開口部170および下部のクレイドルフォーム層126の開口部148に位置整合される。貫通孔のサイズ、間隔およびパターンは、クレイドル層における対応する穴に対して比較的ランダムな配置であっても、一般に2つのフィーチャ同士の間の重なりの全エリアが得られるように、存在する。快適層116は、大半の実施形態において、約0.5~3インチ(約1.27~7.62cm)の厚さを有することが可能であるが、より大きいまたはより小さい厚さが用いられることが可能である。またさらに、快適層116は、複数の層により形成されることが可能であり、それらの層は異なる特性および寸法を有することが可能である。
【0057】
フォームを含む快適層116を含む様々な層についての適切なフォームは、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエーテル-ポリエチレンフォームなどを含むが、これらに限定されない。同様に、フォームは、粘弾性または非粘弾性フォームであるように選択されることが可能である。いくつかの粘弾性材料は温度感受性もあり、それによって、支持される部分の温度に部分的に基づいて、フォーム層が硬度/堅さを変化させることも可能となる。特に断りがない限り、これらのフォームのいずれも、連続気泡セルもしくは独立気泡セル、または連続気泡セルと独立気泡セルとの複合構造であってよい。同様に、フォームは、網状、部分的に網状または網状でないフォームであることが可能である。網状という用語は、一般に、空気または水分のフローに対し開かれた連続気泡構造を作り出すための、セルの膜の除去を表す。またさらに、フォームは、ゲルが注入されているか、導電性材料を含むか、相変化材料を含むか、または他の添加物を含んでよい。様々な層は、異なる特性または異なる材料を有するように構成された同一の材料から形成されることが可能である。
【0058】
フォーム層に用いられるのに適した様々なフォームは、当業者に知られた方法に従って生成されてよい。例えば、ポリウレタンフォームが、典型的には、ポリオールを触媒、膨張剤、1つまたは複数のフォーム安定剤または界面活性剤および他のフォームエイドの存在下においてポリイソシアネートと反応させることによって調製される。重合中に発生する気体によって、反応混合物のフォーミングが細胞状構造またはフォーム構造を形成する。ラテックスフォームは、典型的には、周知のダンロップ(Dunlap)またはタラレイ(Talalay)プロセスによって製造される。異なるフォームの製造は、十分に当業者の範囲内である。
【0059】
フォームを形成する各層についての異なる特性は、密度、硬度、支持係数、曲げ疲労、エアフロー、ガラス転移温度、それらの様々な組み合わせなどを含むが、これらに限定されない。密度は、単位体積あたりの質量の測定値であり、一般に、ポンド毎立方フィートにより表される。例として、フォーム層の各々の密度は、異なることが可能である。いくつかの実施形態では、密度は、下部の多くの個々の層から最上層に向かって減少する。他の実施形態では、密度は増加する。さらに他の実施形態では、フォーム層の1つまたは複数は、回旋面を有することが可能である。回旋は、フォーム層を有する1つまたは複数の個々の層から形成されてよく、密度は、1つの層から次の層に向かって変化する。フォームの硬度特性は、押込み荷重たわみ(ILD)または押込み力たわみ(IFD)とも呼ばれ、ASTM D-3574に従って測定される。密度特性のように、硬度特性が同様に変化可能である。さらに、特性の組合せは、各個々の層について異なってよい。個々の層は、同一の厚さであることも可能であり、または、異なる触覚的応答を提供するべく所望に応じ得るように異なる厚さを有してよい。
【0060】
層の硬度は、一般に、7~16ポンド(3.2~7.3kg)の押込み荷重たわみ(IDL)×粘弾性フォームの力と、7~45ポンド(3.2~20kg)のILD×非粘弾性フォームの力とを有する。ILDは、ASTM D3574に従って測定されることが可能である。層の密度は、一般に、非粘弾性フォームについて約1から2.5ポンド毎立方フィートまで(16から40キログラム毎立方メートルまで)、粘弾性フォームについて1.5~6ポンド毎立方フィート(24~96キログラム毎立方メートルまで)の範囲であることが可能である。
【0061】
カバー118は、ジッパー式カバー、キルト層または同様の構造であることが可能であり、一般に、バケットアセンブリ、インナーコアユニットおよび快適層を包むように構成されている。
【0062】
1つまたは複数の実施形態では、一般に上記のような複数の空気袋状部は、マットレストッパー内に配設されることが可能である。これより
図12~
図13を参照すると、マットレス204およびマットレス土台206上に配設されたマットレストッパー202を備える例示的なマットレスアセンブリ200が示される。より明瞭に
図13に示されるように、マットレストッパー202は、パッド入り繊維層内に包含された複数の空気袋状部を備える。マットレストッパー202は、マッサージ作用、治療上の恩恵などを提供するべく、繰り返しパターンにおいて、先に記載されたように、ポンプにより空気袋状部を選択的に膨張させるようにプログラムされた制御ユニットを有するように構成されることが可能である。これらの実施形態では、空気袋状部の各々は空気袋状部の各々内の圧力を感知するための圧力センサをさらに備え、次いで、その圧力センサは、選択された空気袋状部においてポンプにより繰り返し可能である圧力変化を提供するように、コントローラによって用いられることが可能である。ポンプおよび空気袋状部は、先に記載されたように、マニフォールドを介して流体的に結合されている。
【0063】
上記の寝具システムの動作を行うため、寝具システムは、1つまたは複数のセンサをさらに備えることが可能である。センサの種類は、限定を意図するものではなく、圧力センサ、荷重センサ、力センサ、温度センサ、湿度センサ、動きセンサ、振動圧電センサなどを含んでよい。寝具システムは、上記のように、センサと動作的に通信するとともにそのセンサから信号を受信するように構成された制御システムをさらに備え、制御システムは、エンドユーザに対する圧力および/またはエアフローを調節するように、またエンドユーザの占有度、位置および/または睡眠状態を絶えず監視するように用いられることが可能である。このようにして制御システムは、占有度、位置および/または睡眠状態に基づいて、エンドユーザに対する圧力および/またはエアフローを確実に調節することが可能である。制御システムは、プロセッサ、メモリおよびトランシーバを備えることが可能であり、また複数のセンサと無線または有線接続により通信してよい。例示的な実施形態では、制御システムは、1つまたは複数のセンサから受信した情報をメモリに収集するように構成される。1つの実施形態では、プロセッサは、能動快適制御寝具システム内に配設されてよい。他の実施形態では、プロセッサは、能動快適制御寝具システムに近接して定位してよい。
【0064】
例示的な実施形態では、プロセッサは、デジタル信号処理(DSP)回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などであってよい。プロセッサは、任意のカスタムメイドまたは商業的に入手可能であるプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、いくつかのプロセッサ間の補助的なプロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップまたはチップセットの形態にある)、マイクロプロセッサ、または一般に命令を実行する任意のデバイスであることが可能である。
【0065】
例示的な実施形態では、制御システムは、能動快適制御寝具システムのユーザが制御システムの1つまたは複数の設定を修正するように用いることが可能である、ユーザインタフェースと通信するように構成される。1つの実施形態では、制御システムは、無線デバイスまたは無線ネットワークと通信するように用いられることが可能である、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fiトランシーバを備える。例示的な実施形態では、制御システムは、Wi-Fi接続を通じたウェブサービスに対し接続するように構成され、能動快適制御寝具システム(可変の堅さ制御および/または可変の室温制御を備える)マットレスのユーザは、制御システムの1つまたは複数の設定を修正するように、また制御システムにより収集されメモリに記憶されたデータを見るように、ウェブサービスを用いることが可能である。例示的な実施形態では、制御システムにより収集されたデータは、ローカルに、無線デバイス上に、またはウェブベースのクラウドサービスに記憶されてよい。
【0066】
例示的な実施形態では、制御システムの1つまたは複数の設定は、空気袋状部内の1または複数(例えば、繰り返しパターン)内の圧力を変えることによって変化することが可能である、能動快適制御寝具システムの各区域についての所望の堅さを含んでよい。同様に、制御システムの1つまたは複数設定は、上に説明されたように、エアフロー用に構成された寝具システムのエリア(例えば、頭部、腰部および大腿部の領域)に対応する所望の室温設定を含んでよい。例えば、エンドユーザの首部エリアを含む頭部の領域への外気フローは、エンドユーザが暑さを感じるときに首部エリアが発汗する傾向があるため、蒸発冷却により温度を減少させることによって、首部エリアが快適さを効果的に増加させることが可能であることが知られている。例示的な実施形態では、ユーザインタフェースは、ユーザが自身の睡眠の質において集められた統計値を見ることを可能としてよく、ユーザの睡眠の質を向上させるのに役立つ様々な室温設定への提案された変化を提供してよい。例示的な実施形態では、プロセッサは、ユーザの睡眠の質において集められた統計値を解析するように、またユーザの睡眠の質を向上させるのに役立つ様々な室温設定を自動的に調節するように構成されてよい。例示的な実施形態では、統計値の解析は、無線デバイスまたはウェブベースのサービス上において実行されることが可能である。
【0067】
複数ユーザの寝具システムでは、圧力および/または温度フィードバックは、能動快適寝具システムが、各占有者に対する所望の圧力および/または快適な室温を能動的に維持することを可能とする。2名の占有者は同一ではないため、システムは、したがって、すべてのアプローチに合う1つのサイズよりはむしろ、圧力および/または表面温度および/または相対的な湿度および応答を感知するように構成されることが可能である。
【0068】
この記載は、ベストモードを含む本発明を開示するように、また当業者が本発明を行うとともに用いることも可能とするように、実施例を用いている。本発明の特許可能範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者により想到される他の実施例を含んでよい。そうした他の実施例は、特許請求の範囲の文言上の言葉と差異がない構造的な要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言上の言葉と不十分な差異を有する均等な構造的要素を含む場合には、請求項の範囲内にあることが意図される。