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特許7408550滅菌野インタラクティブ制御ディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】滅菌野インタラクティブ制御ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/40 20180101AFI20231225BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20231225BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20231225BHJP
   A61B 6/46 20240101ALI20231225BHJP
【FI】
G16H40/40
A61B34/20
A61B6/03 377
A61B6/03 360Q
A61B6/03 360G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020535007
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2018044455
(87)【国際公開番号】W WO2019133071
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】62/611,339
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,340
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,341
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,309
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/940,700
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】シャイアーズ・ピーター・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】リヴァード・モニカ・エル
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・コリー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】アルドリッジ・ジェフリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】プライス・ダニエル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ワイゼンバーグ・ザ・セカンド・ウィリアム・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0324114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 34/00-34/20
A61B 6/00- 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記インタラクティブ制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、を備え、前記メモリが、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記外科用ハブに結合された画像ソースからの画像を表示するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶しており、前記画像ソースが、前記滅菌野外に配置されている、インタラクティブ制御ユニット。
【請求項2】
前記プロセッサが、スキャニング装置から画像アレイを受信し、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に前記画像アレイを表示するように構成されている、請求項1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された前記画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、請求項2に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項4】
前記プロセッサが、レーザドップラースキャニング装置から前記画像アレイを受信するように構成されている、請求項2に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から、前記外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、請求項1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項6】
前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、請求項1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項7】
インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記インタラクティブ制御ユニットを第1の外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、を備え、前記メモリが、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記第1の外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記第1の外科用ハブに結合された装置を制御し、
第2の外科用ハブからコンサルト要求を受信し、
前記コンサルト要求を受信した後に、前記第2の外科用ハブから受信された情報を表示するように、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイの一部分を構成するように、かつ、前記第2の外科用ハブに結合された画像ソースからの画像を表示するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶しており、前記画像ソースが、前記滅菌野外に配置されているインタラクティブ制御ユニット。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと関連するデータを一時的に記憶するように構成されている、請求項7に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記データを時がたてばバックアップするように構成されている、請求項8に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記第2の外科用ハブから受信された前記情報を表示するように構成されている、請求項9に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記第2の外科用ハブから受信された前記情報を削除するように構成されている、請求項10に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記第1の外科用ハブ内の前記インタラクティブタッチスクリーンディスレイに制御を戻すように構成されている、請求項11に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項13】
インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記インタラクティブ制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
制御回路と、を備え、前記制御回路が、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記外科用ハブに結合された画像ソースからの画像を表示し、前記画像ソースが、前記滅菌野外に配置されている、インタラクティブ制御ユニット。
【請求項14】
前記制御回路が、スキャニング装置から画像アレイを受信し、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に前記画像アレイを表示するように構成されている、請求項13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項15】
前記制御回路が、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された前記画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、請求項14に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項16】
前記制御回路が、レーザドップラースキャニング装置から画像アレイを受信するように構成されている、請求項14に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項17】
前記制御回路が、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から前記外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、請求項13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【請求項18】
前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、請求項13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年3月28日に出願された「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許仮出願第62/649,309号に対する優先権の利益を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、米国特許法第119条(e)の下で、2017年12月28日に出願された「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号、2017年12月28日に出願された「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号、及び2017年12月28日に出願された「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号の優先権の利益も主張するものであり、それらの各々の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本開示は様々な外科システムに関する。外科処置は、典型的には、例えば病院などの医療施設内の外科手術室又は部屋で実行される。滅菌野が、典型的には、患者の周囲に形成される。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。様々な外科用装置及びシステムが、外科処置の実行において利用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの一般的な態様では、インタラクティブ制御ユニットが提供される。インタラクティブ制御ユニットは、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備える。滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、メモリ。
【0005】
別の一般的な態様では、インタラクティブ制御ユニットが提供される。インタラクティブ制御ユニットは、インタラクティブ制御ユニットを備え、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを第1の外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備える。滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを第1の外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する第1の外科用ハブに結合された装置を制御し、第2の外科用ハブからコンサルト要求を受信し、コンサルト要求を受信した後に、第2の外科用ハブから受信された情報を表示するように、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイの一部分を構成するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、メモリ。
【0006】
別の一般的な態様では、インタラクティブ制御ユニットが提供される。インタラクティブ制御ユニットは、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、制御回路と、を備え、制御回路が、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構、及び動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を行うために使用される外科システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロア内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールの部分斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ発生器モジュールの斜視図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに結合された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの制御システムの論理図を示す。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路を示す。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路を示す。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具の概略図である。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の概略図である。
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、他にも利点があるが、インダクタレス同調を提供するように構成された発生器の簡略ブロック図である。
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、図20の発生器の一形態である発生器の実施例を示す。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、図23図35に関連して説明されるセンタリングツール及び技術の利益を使用して、直線ステープル横切開ラインにセンタリングされた外科用器具の図を示す。
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、ダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分に円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、ダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分に円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、ダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分に円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。
図23】ダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分とアライメントされていない円形ステープラのアンビルトロカールを示す。
図24】ダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分の中心とアライメントされている円形ステープラのアンビルトロカールを示す。
図25】円形ステープラによって切断されるダブルステープル留め技術によって形成された直線ステープルラインのステープル重複部分を示す外科用ハブディスプレイ上に表示されたセンタリングツールを示し、ここで、アンビルトロカールは、図23に示されるダブルステープルラインのステープル重複部分とアライメントされていない。
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、センタリングツールのビフォア画像及びアフター画像を示す。
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、センタリングツールのビフォア画像及びアフター画像を示す。
図26】外科用ハブディスプレイ上に提示されたステープル重複部分の画像の上の直線ステープルラインの画像の周囲を囲むターゲットアライメントリングとアライメントする前の、アンビルトロカール及び円形ナイフの投影された切断経路の画像を示す。
図27】外科用ハブディスプレイ上に提示されたステープル重複部分の画像の上の直線ステープルラインの画像の周囲を囲むターゲットアライメントリングとアライメントした後の、アンビルトロカール及び円形ナイフの投影された切断経路の画像を示す。
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、直線ステープルラインの中心と円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。直線ステープルラインの中心にとライメントされていないアンビルトロカールを示す。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、直線ステープルラインの中心と円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。直線ステープルラインの中心とアライメントされているアンビルトロカールを示す。
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、直線ステープルラインの中心と円形ステープラのアンビルトロカールをアライメントするプロセスを示す。直線ステープルラインの外科用ハブディスプレイ上に表示されたセンタリングツールを示し、ここで、アンビルトロカールは、図28に示されるダブルステープルラインのステープル重複部分とアライメントされていない。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブディスプレイ上に表示されたラパロスコープを通じて見られるような、外科用の直線ステープルライン横切開の標準的なレチクル視界の画像である。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、円形ステープラのアンビルトロカール及び円形ナイフが直線ステープルラインの中心にアライメントされる前の、図31に示される手術部位のレーザアシストのレチクル視界の画像である。
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、円形ステープラのアンビルトロカール及び円形ナイフが直線ステープルラインの中心にアライメントされた後の、図32に示される手術部位のレーザアシストのレチクル視界の画像である。
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルライン横切開の中心に対するアンビルトロカール位置を判定するための非接触センサの非接触誘導センサ実装形態を示す。
図35A】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルライン横切開の中心に対するアンビルトロカール位置を判定するための非接触センサの非接触容量センサ実装形態を示す。近くの金属ターゲットがない非接触容量センサを示す。
図35B】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルライン横切開の中心に対するアンビルトロカール位置を判定するための非接触センサの非接触容量センサ実装形態を示す。金属ターゲット付近の非接触容量センサを示す。
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具をアライメントするための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、全体的なディスプレイ及びローカルディスプレイを備える外科用ハブの一次ディスプレイを示す。
図38】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの一次ディスプレイを示す。
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、5秒の期間におけるクランプ安定化シーケンスを示す。
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、処置中の4つの別個の時間での手術部位の4つの別個の広い角度の視界画像の図を示す。
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、2つの組織種類についての組織クリープクランプ安定化曲線のグラフである。
図42】本開示の少なくとも1つの態様による、クランプ力安定化曲線の時間依存性比例充填のグラフである。
図43】本開示の少なくとも1つの態様による、クランプ力安定化曲線における組織クリープの役割のグラフである。
図44A】本開示の少なくとも1つの態様による、クランプされた組織がクリープ安定性に達したときを判定するための2つのグラフを示す。時間の関数としてベクトル接線角度dθを表す曲線を示す。
図44B】本開示の少なくとも1つの態様による、クランプされた組織がクリープ安定性に達したときを判定するための2つのグラフを示す。時間の関数として力-閉の変化(ΔFTC)を表す曲線を示す。
図45】本開示の少なくとも1つの態様による、表示された要素を識別するデータで増強された術前ビデオ画像の増強ビデオ画像の実施例を示す。
図46】本開示の少なくとも1つの態様による、画像を表示するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、撮像モジュールと外科用ハブディスプレイとの間の通信経路内に位置付けられた中間信号コンバイナを備える通信システムを示す。
図48】本開示の少なくとも1つの態様による、データを外科用ハブに通信するための外科医によって着用された独立したインタラクティブヘッドセットを示す。
図49】本開示の少なくとも1つの態様による、本開示の少なくとも1つの態様による、装置の使用を制御するための方法を示す。
図50】本開示の少なくとも1つの態様による、コントローラ及びモニタと、ハンドルに解除可能に結合されたアダプタと、アダプタに解除可能に結合された装填ユニットとを含む、外科システムを示す。
図51】本開示の少なくとも1つの態様による、言語Automated Endoscopic System for Optimal Positioning(AESOP)カメラ位置決めシステムを示す。
図52】本開示の少なくとも1つの態様による、仮想的な手術室統合のための多機能外科用制御システム及びスイッチングインターフェースを示す。
図53】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内の装置制御機構として利用されるビームソース及び組み合わされたビーム検出器システムの図を示す。
図54A】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。単一ゾーン滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。
図54B】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。マルチゾーン滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。
図54C】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。テザー滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。
図54D】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。電池作動滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。
図54E】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。電池作動滅菌野制御及びデータ入力コンソールを示す。
図55A】本開示の少なくとも1つの態様による、外科処置中に滅菌野で使用される滅菌野コンソールを示す。手術中に関与する2人の外科医の近くの滅菌野に位置付けられた滅菌野コンソールを示す。
図55B】本開示の少なくとも1つの態様による、外科処置中に滅菌野で使用される滅菌野コンソールを示す。滅菌野コンソールのタッチスクリーンをタップしている外科医のうちの1人を示す。
図56】本開示の少なくとも1つの態様による、別の手術室からコンサルト映像を受け入れるためのプロセスを示す。
図57】本開示の少なくとも1つの態様による、血管経路、深さ、及び装置軌道を推定するための標準的な技術を示す。
図58A】本開示の少なくとも1つの態様による、切開のための仮想解剖詳細の画像の複数のリアルタイムのビューを示す。仮想解剖詳細の斜視図である。
図58B】本開示の少なくとも1つの態様による、切開のための仮想解剖詳細の画像の複数のリアルタイムのビューを示す。仮想解剖詳細の側面図である。
図58C】本開示の少なくとも1つの態様による、切開のための仮想解剖詳細の画像の複数のリアルタイムのビューを示す。仮想解剖詳細の斜視図である。
図58D】本開示の少なくとも1つの態様による、切開のための仮想解剖詳細の画像の複数のリアルタイムのビューを示す。仮想解剖詳細の側面図である。
図59A】本開示の少なくとも1つの態様による、滅菌野内で使用され得るタッチスクリーンディスプレイを示す。ポートレートモードでタッチスクリーンディスプレイ上に表示された手術部位の画像を示す。
図59B】本開示の少なくとも1つの態様による、滅菌野内で使用され得るタッチスクリーンディスプレイを示す。ランドスケープモードに回転されたタッチスクリーンディスプレイを示し、外科医は自分の人差し指を使用して、画像を矢印の方向にスクロールする。
図59C】外科医が自分の人差し指及び親指を使用して、画像を矢印の方向にピンチオープンしてズームインしていることを示す。
図59D】外科医が自分の人差し指及び親指を使用して、画像を矢印の方向にピンチクローズしてズームアウトしていることを示す。
図59E】外科医が画像を異なる向きで見ることができるようにするために、矢印によって示される2つの方向に回転されたタッチスクリーンディスプレイを示す。
図60】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブへの直接インターフェース制御を備えるスマート牽引子を採用する手術部位を示す。
図61】本開示の少なくとも1つの態様による、患者の身体に取り付けられたスマート可撓性ステッカーディスプレイを有する手術部位を示す。
図62】本開示の少なくとも1つの態様による、滅菌野の内側から滅菌野の外側に位置する装置に通信するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図63】本開示の少なくとも1つの態様による、手術を実行するためのシステムを示す。
図64】本開示の少なくとも1つの態様による、第1の情報層にオーバーレイする第2の情報層を示す。
図65】本開示の少なくとも1つの態様による、安全眼鏡を着用している、外科処置中にハンドルアセンブリハウジング及び無線回路基板を含む外科用器具を使用している外科医の斜視図を示す。
図66】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具を制御するためのフィードバック制御システムの概略図である。
図67】本開示の少なくとも1つの態様による、オンスクリーンディスプレイモジュール及びヘッドアップディスプレイ(heads up display、HUD)モジュールを含むフィードバックコントローラを示す。
図68】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を示す予定表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願の出願人は、2018年3月28日出願の以下の米国特許仮出願を所有し、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許仮出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許仮出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許仮出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許仮出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許仮出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許仮出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,323号。
【0009】
本願の出願人は、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有し、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP/170766、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP1/170766-1、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP2/170766-2、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP3/170766-3、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP4/170766-4、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8499USNP5/170766-5、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8500USNP/170767、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8500USNP1/170767-1、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8500USNP2/170767-2、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8500USNP3/170767-3、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8501USNP/170768、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8501USNP1/170768-1、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8501USNP2/170768-2、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8502USNP/170769、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8502USNP1/170769-1、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8503USNP/170770、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8504USNP/170771、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8504USNP1/170771-1、及び
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8504USNP2/170771-2。
【0010】
本願の出願人は、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有し、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8506USNP/170773、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8506USNP1/170773-1、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8507USNP/170774、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8507USNP1/170774-1、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8507USNP2/170774-2、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8508USNP/170775、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国仮特許出願第__________号、代理人整理番号END8509USNP/170776、及び
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8510USNP/170777。
【0011】
本願の出願人は、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有し、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8511USNP/170778、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8511USNP1/170778-1、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8511USNP2/170778-2、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8512USNP/170779、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8512USNP1/170779-1、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8512USNP2/170779-2、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8512USNP3/170779-3、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8513USNP/170780。
【0012】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で採用される用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。また、以下で説明される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下で説明される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。
【0013】
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ又は2つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、記憶装置105に結合されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0014】
図3は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見ながら、患者の身体の低侵襲切開を通して、少なくとも1つの取り外し可能に結合された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するための患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医にその後表示するために、手術部位の画像を処理するように使用することができる。
【0015】
他の種類のロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号に記載されている。
【0016】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号に記載されている。
【0017】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと1つ又は2つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0019】
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0020】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0021】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを採用する。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0023】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0024】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0025】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を利用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させ得る。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実行することを可能にすることができる。
【0026】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であり得る。
【0027】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号における。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科システム102と共に使用するのに好適な例示的外科用器具については、例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号で説明されている。
【0028】
ここで図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
【0029】
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0030】
本開示の態様は、手術部位で組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又は3つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0031】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0032】
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0033】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを生成するように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0034】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体はまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを生成するように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0035】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0036】
図3図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0037】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0038】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアとも称されるドッキングステーション又はドロア151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
【0039】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに結合されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
【0040】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに結合される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0041】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に結合される。
【0042】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0043】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートをアライメントして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成されたアライメント機構を含み得る。例えば、図4に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0044】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロア151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロア151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロア151はサイズが異なり、各々特定のモジュールを収容するように設計される。
【0045】
更に、適合しない接点を備えるドロアにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0046】
図4に示されるように、1つのドロア151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロア151のドッキングポート150に結合されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を採用してもよい。
【0047】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。あるいは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0048】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロア167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロア167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0049】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に結合される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはスキャンされたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0050】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましからぬ結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0051】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0052】
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数のビューを提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適なビューを提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0053】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
図8は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えば記憶装置205に結合されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に結合することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切替式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0055】
手術室に配置されるモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に結合されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に結合されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に結合されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に結合されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0056】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に結合された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に結合された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに結合された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0057】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに結合された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、記憶装置、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整するエンティティであり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及び記憶装置と通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0058】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを採用することができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを採用することができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを採用することができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0059】
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control/internet protocol、MAC/IP)を記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0060】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0061】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に結合される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ又は3つ以上の異なるネットワークを接続するために採用されてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0062】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0063】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(long-term evolution、LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0064】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0065】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0066】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に結合されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に結合された撮像モジュール238、エネルギー装置241に結合された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に結合されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に結合される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータ記憶装置に結合される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に結合されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に結合されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
【0067】
図10は、モジュール式制御タワー236に結合された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0068】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室をスキャンし、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室をスキャンする。
【0069】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、記憶装置248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に結合されている。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronic、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺装置相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association bus、PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々な入手可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造(複数可)のうちのいずれかであり得る。
【0070】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0071】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0072】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM、EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM、SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0073】
コンピュータシステム210はまた、例えばディスク記憶装置などの取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶装置媒体を含む。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのような装置が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、記憶媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(compact disc、CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(digital versatile disc、DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが採用されてもよい。
【0074】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0075】
ユーザは、I/Oインターフェース251に結合された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティング装置、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0076】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリ記憶装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0077】
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を備え得る。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction multiple data、MIMD)技術を用いる並列コンピューティングを採用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0078】
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために採用されるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0079】
図11は、本開示の一態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(differential data plus、DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(differential data minus、DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0080】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0081】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(non-return-to-zero invert、NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(packet ID、PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に結合される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するためのインターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に結合される。
【0082】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0083】
外科用器具のハードウェア
図12は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に結合して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ462に提供される。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0084】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0085】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0086】
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされ得る。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電動モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的結合部を備えたブラシ付き直流(direct current、DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0087】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に使用される。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0088】
一態様では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成において、モータ482はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステップモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含み得る。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistor、FET)を含むHブリッジ駆動器を備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源組立体の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であり得る。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに結合可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0089】
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であり得る。A3941 492は、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷に合わせて特別に設計された外部のNチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するフルブリッジコントローラである。駆動器492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが採用されてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(duty cycle、100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
【0090】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。それに応じて、本明細書で使用する場合、変位部材という用語は、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を総称して指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに結合されている。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に結合されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、又はIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに結合され得る。直線変位センサは、接触又は非接触変位センサを含み得る。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0091】
電動モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に結合されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組合せを表す。
【0092】
位置センサ472と関連するセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に結合されたセンサ素子の1回転後に、変位部材がポイント「a」からポイント「b」まで移動する、長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0093】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で採用されても、ギアの減速との組み合わせで採用されてもよい。スイッチの状態はマイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0094】
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
【0095】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装され得る。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(coordinate rotation digital computer、CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface、SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであり得る。
【0096】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数化)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに結合され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
【0097】
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
【0098】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに適用される閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストロークにおいて、Iビームに適用される発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含む。あるいは、モータ482による電流引き込みを測定するために、電流センサ478を採用することができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に相当し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
【0099】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに結合することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮を示すことができる。測定された歪みはデジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を操作するのに使用された力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために採用することができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0100】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって採用することができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0101】
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図8図11に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
【0102】
図13は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書で説明される様々なプロセスを実装するように構成され得る。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に結合された1つ又は2つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、機械実行可能命令を記憶しており、機械実行可能命令は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実行させる。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を備え得る。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含み得る。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
【0103】
図14は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書で説明される様々なプロセスを実装するように構成され得る。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含み得る。
【0104】
図15は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であり得る。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図13のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば図14の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
【0105】
図16は、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。
【0106】
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に結合され得る。特定の例では、モータ602によって生成された発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、及び/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断し得る。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させられ得る。
【0107】
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に結合されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。
【0108】
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ又は2つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に結合され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
【0109】
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ又は2つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。あるいは、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動され得る。
【0110】
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に採用することができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に結合及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ又は2つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
【0111】
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図16に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に結合してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に結合してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に結合してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に結合してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に結合してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であり得る。
【0112】
モータ602、603、606a、606bの各々は、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の様態で感知されてもよい。
【0113】
様々な例では、図16に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ又は2つ以上のHブリッジFETを備え得るモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に結合されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に結合されている間にマイクロコントローラ620を採用して、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
【0114】
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶し得、プログラム命令は、実行されると、プロセッサ622に、本明細書で説明される複数の機能及び/又は計算を実行させ得る。特定の例では、メモリユニット624の1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ622に結合され得る。
【0115】
特定の例では、電源628を採用して、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0116】
様々な例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に結合されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に結合されたモータを停止及び/又は使用不能にすることができる。用語「プロセッサ」は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合したその他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブル装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
【0117】
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであり得る。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に入手可能な機構の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0118】
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に結合可能な外科用器具600のモータの各々を制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
【0119】
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ又は2つ以上の機構及び/又はセンサを採用して、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために採用することができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連するプログラム命令を使用し得、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
【0120】
図17は、本開示の一態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具700の回路図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動結合部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、及び/又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラム又は構成され得る。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、及び/又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。
【0121】
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a~704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びIビーム714(鋭い切刃を含む)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、並びに1つ又は2つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、Iビーム714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成され得る。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a~704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a~704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に動作することができる。
【0122】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ又は2つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して位置センサ734によって判定されたIビーム714の位置をタイマー/カウンタ731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、Iビーム714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるIビーム714の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成され得る。
【0123】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書で説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされ得る。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、及び/又はより低電力で並進させるようにプログラムされ得る。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、及び/又はより高電力で並進させるようにプログラムされ得る。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に適用される閉鎖力を制御し得る。その他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
【0124】
一態様では、制御回路710は、モータ設定値信号を生成し得る。モータ設定値信号は、様々なモータコントローラ708a~708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a~708eは、本明細書で説明するように、モータ704a~704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a~704eを駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a~704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a~704eの1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a~708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
【0125】
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a~704eの各々を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a~704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a~704eのうちの1つを閉ループ様態に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
【0126】
一態様では、モータ704a~704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a~704eは、それぞれの伝達装置706a~706eを介して、Iビーム714、アンビル716、シャフト740、関節運動742a、及び関節運動742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に結合され得る。伝達装置706a~706eは、モータ704a~704eを可動機械的要素に結合するための1つ又は2つ以上のギア又は他の結合構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、Iビーム714の位置を感知し得る。位置センサ734は、Iビーム714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであり得、又はそれを含み得る。いくつかの実施例では、位置センサ734は、Iビーム714が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含み得る。制御回路710は、パルスを追跡してIビーム714の位置を判定し得る。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム714の運動を示す他の信号を提供し得る。また、いくつかの実施例では、位置センサ734は省略され得る。モータ704a~704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム714の位置を追跡し得る。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置し得る。モータ704a~704eの各々の出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a~744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
【0127】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のIビーム714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定値を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに結合される。トルクセンサ744aは、Iビーム714に結合された伝達装置706aに結合されている。伝達装置706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って遠位及び近位へのIビーム714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに結合されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、Iビーム714を発射又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったIビーム714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成され得る。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整ったら、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるIビーム714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
【0128】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定値を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに結合される。トルクセンサ744bは、アンビル716に結合された伝達装置706bに結合されている。伝達装置706bは、開放位置及び閉位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに結合される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に適用される閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に位置付けられる。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供し得る。閉鎖信号に応答して、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
【0129】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定値を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに結合されている。トルクセンサ744cは、シャフト740に結合された伝達装置706cに結合される。伝達装置706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで及びそれを超えて制御するために回転要素などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達装置アセンブリに結合される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に適用される回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成され得る。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
【0130】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ704dに駆動信号を提供するモータ制御部708dにモータ設定値を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに結合されている。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに結合された伝達装置706dに結合される。伝達装置706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに結合され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
【0131】
別の態様では、ロボット外科システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は結合部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動結合部742a、742bの各々は他の結合部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル結合部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動結合部の駆動システムでより顕著であり得る。
【0132】
一態様では、1つ又は2つ以上のモータ704a~704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的結合部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動結合部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電動モータ704a~704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ704a~704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0133】
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710とインターフェースして絶対位置決めシステムを提供し得る。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに結合された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0134】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置付けられ、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。センサ738は、分割された電極を使用して組織の位置を判定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に位置し得る。トルクセンサ744a~744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、及び(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
【0135】
一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ738は、クランプ留め状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備え得る。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備え得る。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織セクションのインピーダンスを検出するように構成され得、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0136】
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ又は2つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(magneto-resistive、MR)装置、巨大磁気抵抗(giant magneto-resistive、GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含み得る。
【0137】
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用ポイントに位置し得る。アンビル716に及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織セクションが経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用ポイントに位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル716に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0138】
一態様では、電流センサ736を採用して、モータ704a~704eの各々によって引き込まれる電流を測定することができる。Iビーム714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a~704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を起動して、エンドエフェクタ702内のIビーム714を目標速度又はその付近で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(linear-quadratic、LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
【0139】
図18は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、アンビル766、Iビーム764(鋭い切刃を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備え得るエンドエフェクタ752を備える。
【0140】
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に結合されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を採用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書で説明される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされ得る。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、説明された様態で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備え得る。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてもよい。
【0141】
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成し得る。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供され得る。モータコントローラ758は、本明細書で説明されるように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備え得る。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例し得る。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0142】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信し得る。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に結合され得る。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に結合するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の結合構成要素を含み得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであり得、又はそれを含み得る。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含み得る。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定し得る。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供し得る。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略され得る。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡し得る。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置し得る。
【0143】
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信し得る。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置付けられ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
【0144】
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備え得る。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備え得る。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織セクションのインピーダンスを検出するように構成され得、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0145】
センサ788は、閉鎖駆動システムによって、アンビル766に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用ポイントに位置し得る。アンビル766に及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織セクションが経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用ポイントに位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0146】
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を採用することができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0147】
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を起動して、エンドエフェクタ752内のIビーム764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
【0148】
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的結合部を備えたブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム764を駆動するように構成されている。別の実施例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば変位部材及び関節運動駆動器を動作させる電動モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。このような外部影響は、電動モータ754に反して作用する障害と呼ばれ得る。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0149】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断器具を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って遠位及び近位に変位部材を駆動し得る。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成される場合は、アンビル766の反対側に位置付けられたステープルカートリッジ768とを備え得る。臨床医は、本明細書で説明されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持し得る。器具750を使用する準備が整った場合、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供し得る。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位に駆動し得る。変位部材が遠位に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を有するIビーム764は、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断し得る。
【0150】
様々な実施例では、外科用器具750は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備え得る。制御回路760は、本明細書で説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされ得る。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされ得る。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、及び/又はより低電力で並進させるようにプログラムされ得る。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、及び/又はより高電力で並進させるようにプログラムされ得る。
【0151】
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させ得る。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択し得る。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実装し得る。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ様態に変調して、変位部材を一定速度で並進させ得る。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
【0152】
図19は、本開示の一態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、Iビーム764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換し得る取り外し可能なステープルカートリッジ768と、を備え得るエンドエフェクタ792を備える。
【0153】
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含み得る。
【0154】
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装され得る。位置センサ784は、制御回路760とインターフェースして絶対位置決めシステムを提供し得る。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに結合された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0155】
一態様では、Iビーム764は、上に組織切断刃を動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装され得、アンビル係合タブ又は機構及びチャネル係合機構又は足部を更に含み得る。一態様では、ステープルカートリッジ768は、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジとして実装され得る。一態様では、RFカートリッジ796はRFカートリッジとして実装され得る。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月20日出願の「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する、同一出願の米国特許出願第15/628,175号で説明されている。
【0156】
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ784として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に結合されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を採用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書で説明される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、本明細書で説明されるIビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされ得る。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、説明された様態で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備え得る。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてもよい。
【0157】
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成し得る。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供され得る。モータコントローラ758は、本明細書で説明されるように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備え得る。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例し得る。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0158】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信し得る。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に結合され得る。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に結合するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の結合構成要素を含み得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであり得、又はそれを含み得る。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含み得る。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定し得る。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供し得る。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略され得る。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡し得る。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に位置し得る。
【0159】
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信し得る。センサ788は、エンドエフェクタ792上に位置付けられ、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ792の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
【0160】
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備え得る。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備え得る。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織セクションのインピーダンスを検出するように構成され得、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0161】
センサ788は、閉鎖駆動システムによって、アンビル766に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用ポイントに位置し得る。アンビル766に及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織セクションが経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用ポイントに位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサ部分によるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされ得る。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0162】
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を採用することができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0163】
RFエネルギー源794はエンドエフェクタ792に結合されており、RFカートリッジ796が、ステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792にロードされるときに、RFカートリッジ796に適用される。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
【0164】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
【0165】
発生器ハードウェア
図20は、他の利点の中でも、インダクタレス同調を提供するように構成された発生器800の簡略ブロック図である。発生器800の追加の詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年6月23日発行の「SURGICAL GENERATOR FOR ULTRASONIC AND ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国特許第9,060,775号で説明されている。発生器800は、電力変圧器806を介して非絶縁段階804と通信する患者絶縁段階802を備え得る。電力変圧器806の二次巻線808は、絶縁段階802内に収容され、例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、並びに単独又は同時に送達可能な超音波及びRFエネルギーモードを含む多機能外科用器具などの様々な外科用器具に駆動信号を送達するために駆動信号出力部810a、810b、810cを画定するためのタップ構成(例えば、センタータップ又は非センタータップ構成)を備え得る。具体的には、駆動信号出力部810a、810cは、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均根[RMS]駆動信号)を超音波外科用器具に出力し得、駆動信号出力部810b、810cは、電力変圧器806のセンタータップに対応する駆動信号出力部810bにより、RF電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具に出力し得る。
【0166】
特定の形態では、超音波及び電気外科用駆動信号は、別個の外科用器具に、及び/又は超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する多機能外科用器具などの単一の外科用器具に、同時に提供され得る。専用の電気外科用器具及び/又は複合多機能超音波/電気外科用器具のどちらかへと提供される電気外科用信号は、治療用又は治療量以下のレベルの信号のどちらかであり、治療量以下の信号は、例えば、組織又は器具状態を監視して、発生器へとフィードバックを提供することに使用され得る、と理解されよう。例えば、超音波及びRF信号は、以下でより詳細に考察されるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に送達され得る。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを組み合わせて、複合エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために採用され得る一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に採用され得る。
【0167】
非絶縁段階804は、電力変圧器806の一次巻線814に接続された出力部を有する電力増幅器812を備え得る。特定の形態では、電力増幅器812は、プッシュプル増幅器を備え得る。例えば、非絶縁段階804は、対応するアナログ信号を電力増幅器812の入力に続いて供給するデジタル・アナログ変換器(DAC)回路818に、デジタル出力を供給するための論理機構816を更に備え得る。特定の形態では、論理機構816は、論理回路の中でもとりわけ、例えば、プログラマブルゲートアレイ(programmable gate array、PGA)、FPGA、プログラマブル論理機構(programmable logic device、PLD)を備え得る。したがって、論理機構816は、DAC回路818を介して電力増幅器812の入力を制御することにより、駆動信号出力部810a、810b、810cで出現する駆動信号の多数のパラメータ(例えば、周波数、波形、波形振幅)のうちのいずれかを、制御し得る。特定の形態では、また以下で考察されるように、論理機構816、プロセッサ(例えば、以下で考察されるDSP)と共に、多数のDSPベースの及び/又は他の制御アルゴリズムを実装して、発生器800によって出力される駆動信号のパラメータを制御し得る。
【0168】
電力は、スイッチモードレギュレータ820、例えば電力変換器によって、電力増幅器812の電力レールに供給され得る。特定の形態では、スイッチモードレギュレータ820は、例えば、調整可能なバックレギュレータを備え得る。非絶縁段階804は、第1のプロセッサ822を更に備え得、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP-21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを備え得るが、様々な形態において、任意の好適なプロセッサが採用され得る。特定の形態では、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812からDSPプロセッサ822がADC回路824を介して受信する、電圧のフィードバックデータに応答するスイッチモードレギュレータ820の動作を制御し得る。一形態では、例えば、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC回路824を介して入力として受信し得る。次いで、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812に供給されるレール電圧が、増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、スイッチモードレギュレータ820(例えば、PWM出力)を制御し得る。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器812のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器812の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善され得る。
【0169】
特定の形態では、論理機構816は、DSPプロセッサ822と共に、ダイレクトデジタルシンセサイザ制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器800によって出力される駆動信号の波形、周波数及び/又は振幅を制御し得る。一形態では、例えば、論理機構816は、FPGA内に埋め込まれ得るRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップテーブル(lookup table、LUT)内に記憶された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実装し得る。この制御アルゴリズムは、超音波変換器などの超音波変換器が、その共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動され得る超音波用途で特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起し得るため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減することができる。発生器800によって出力される駆動信号の波形形状が、出力駆動回路内に存在する歪みの様々な発生源(例えば、電力変圧器806、電力増幅器812)によって影響されるため、駆動信号に基づいた電圧及び電流のフィードバックデータを、DSPプロセッサ822によって実装される誤差制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力し得、このアルゴリズムは、動的及び進行に応じたベースで(例えば、リアルタイムで)、LUTに記憶された波形サンプルを好適に予め歪ませるか又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプルごとに決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理される場合、超音波変換器を最適に駆動するために、所望の波形形状(例えば、正弦波)を有する動作ブランチ駆動信号を生じ得る。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形を最終的に生成するために必要な波形を表す。
【0170】
非絶縁段階804は、発生器800によって出力される駆動信号の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、各絶縁変圧器830、832を介して電力変圧器806の出力部に結合された第1のADC回路826及び第2のADC回路828を更に備え得る。特定の形態では、ADC回路826、828は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、毎秒80メガサンプル[mega sample per second、MSPS])でサンプリングするように構成され得る。一形態では、例えば、ADC回路826、828のサンプリング速度は、駆動信号の約200×(周波数に応じて)のオーバーサンプリングを可能にし得る。特定の形態では、ADC回路826、828のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介し、入力電圧及び電流信号を受信する単一のADC回路によって実行され得る。発生器800の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、動作分岐を通って流れる複素電流の計算(これは、上述のDDSベースの波形制御を実装するために、特定の形態で使用され得る)、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング、及び高精度での実電力消費の計算を可能にし得る。ADC回路826、828によって出力される電圧及び電流のフィードバックデータは、論理機構816によって受信かつ処理され得(例えば、先着順処理方式(first-in-first-out、FIFO)バッファ、マルチプレクサ)、例えば、DSPプロセッサ822による、以後の読み出しのために、データメモリに記憶され得る。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。特定の形態では、これは、各記憶された電圧及び電流のフィードバックデータペアが、電圧及び電流のフィードバックデータペアが取得されたときに論理機構816によって出力された対応するLUTサンプルに基づいて牽引付けされるか、又はそうでなければそれに関連することを必要とし得る。この様態によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
【0171】
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用され得る。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。駆動信号の周波数はその後、判定されたインピーダンス相とインピーダンス相設定点(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減するように制御されてもよく、したがって高調波歪みの効果を最小化又は低減し、これに対応してインピーダンス相測定正確性を向上させる。相インピーダンス及び周波数制御信号の判定は、例えば、DSPプロセッサ822で実施され得、周波数制御信号は、論理機構816によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
【0172】
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定値は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電力設定値に基づいて間接的に判定されてもよい。特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、DSPプロセッサ822内の比例-積分-微分(proportional-integral-derivative、PID)制御アルゴリズムなどの制御アルゴリズムによって実装され得る。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムにより制御される変数には、例えば、論理機構816に記憶されるLUT波形サンプルのスケーリング、及び/又はDAC回路834を介したDAC回路818(これは電力増幅器812に入力を供給する)のフルスケール出力電圧が挙げられ得る。
【0173】
非絶縁段階804は、とりわけユーザインターフェース(user interface、UI)機能性を提供するために、第2のプロセッサ836を更に備え得る。一形態では、UIプロセッサ836は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,California)から入手可能な、ARM 926EJ-Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを備え得る。プロセッサ836によってサポートされるUI機能の実施例としては、可聴及び視覚的ユーザフィードバック、周辺装置との通信(例えば、USBインターフェースを介して)、フットスイッチとの通信、入力装置(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との通信、並びに出力装置(例えば、スピーカ)との通信を挙げ得る。UIプロセッサ836は、DSPプロセッサ822及び論理機構816(例えば、SPIバス)と通信し得る。UIプロセッサ836は、UI機能を主にサポートし得るが、特定の形態では、UIプロセッサ836はまた、DSPプロセッサ822と協調して、危険の緩和を実現し得る。例えば、UIプロセッサ836は、ユーザ入力及び/又は他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、フットスイッチ入力、温度サンサ入力)の様々な態様を監視するようにプログラムされ得、誤った状態が検出される際に、発生器800の駆動出力を無効化し得る。
【0174】
特定の形態では、DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836の両方は、例えば、発生器800の動作状態を判定かつ監視し得る。DSPプロセッサ822に関し、発生器800の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ822によって実装されるかを表し得る。UIプロセッサ836に関し、発生器800の動作状態は、例えば、UI(例えば、ディスプレイスクリーン、音)のどの要素がユーザに提供されるかを表し得る。DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836はそれぞれ、発生器800の現在の動作状態を単独で維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識かつ評価し得る。DSPプロセッサ822は、この関係におけるマスタとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを判定し得る。UIプロセッサ836は、動作状態間の有効な遷移を認識し得、また特定の遷移が適切であるかを確認し得る。例えば、DSPプロセッサ822が、UIプロセッサ836に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ836は、要求される遷移が有効であることを検証し得る。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ836によって無効であると判定される場合、UIプロセッサ836は、発生器800を故障モードにし得る。
【0175】
非絶縁段階804は、入力装置を監視するためのコントローラ838(例えば、発生器800をオン及びオフするために使用される容量タッチセンサ、容量タッチスクリーン)を更に備え得る。特定の形態では、コントローラ838は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又はUIプロセッサ836と通信する他のコントローラ装置を備え得る。一形態では、例えば、コントローラ838は、1つ又は2つ以上の容量タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMeg168 8ビットコントローラ)を備え得る。一形態では、コントローラ838は、容量タッチスクリーンからのタッチデータの収集を制御及び管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を備え得る。
【0176】
特定の形態では、発生器800が「電力オフ」状態にあるとき、コントローラ838は、(例えば、以下で考察される電源854などの、発生器800の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続け得る。このようにして、コントローラ838は、発生器800をオン及びオフにするために、入力装置(例えば、発生器800の前側パネル上に位置する容量タッチセンサ)を監視し続け得る。発生器800が電源オフ状態にあるとき、コントローラ838は、ユーザによる「オン/オフ」入力装置の起動が検出されれば、電源を起動し得る。(例えば、電源854の1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変換器856の動作を可能にする)。したがって、コントローラ838は、発生器800を「電源オン」状態に遷移させるためのシーケンスを開始し得る。逆に、発生器800が電源オン状態にあるとき、「オン/オフ」入力装置145の起動が検出されれば、コントローラ838は発生器800を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始し得る。例えば、特定の形態では、コントローラ838は、「オン/オフ」入力装置の起動をUIプロセッサ836に報告し得、これは、次いで、発生器800を電源オフ状態に遷移させるために必要なプロセスシーケンスを実装する。このような形態では、コントローラ838は、発生器800の電源オン状態が確立された後に、発生器800から電力を排除するための独立した能力を有し得ない。
【0177】
特定の形態では、コントローラ838は、ユーザに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器800に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させ得る。そのような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
【0178】
特定の形態では、絶縁段階802は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを備える制御回路)と、例えば論理機構816、DSPプロセッサ822及び/又はUIプロセッサ836などの非絶縁段階804の構成要素との間の、通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路840を備え得る。器具インターフェース回路840は、例えば、IRベースの通信リンクなどの、絶縁段階802と非絶縁段階804との間の好適な度合いの電気的絶縁を維持する通信リンクを介し、非絶縁段階804の構成要素と情報を交換し得る。例えば、非絶縁段階804から駆動される絶縁変圧器によって給電される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路840に電力を供給し得る。
【0179】
一形態では、器具インターフェース回路840は、信号調整回路844と通信している論理回路842(例えば、論理回路、プログラマブル論理回路、PGA、FPGA、PLD)を備え得る。信号調整回路844は、同一の周波数を有する双極呼掛け信号を生成するために、論理回路842から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成され得る。呼掛け信号は、例えば、差動増幅器によって供給される双極電流源を使用して発生させることができる。呼掛け信号は、(例えば、発生器800を外科用器具に接続するケーブル内の導電ペアを使用して)外科用器具制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視され得る。制御回路は、多数のスイッチ、レジスタ、及び/又はダイオードを備え得、制御回路の状態又は構成が1つ又は2つ以上の特性に基づいて独自に認識可能であるように、呼掛け信号の1つ又は2つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正し得る。例えば、一形態では、信号調整回路844は、呼掛け信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するため、ADC回路を備え得る。論理回路842(又は、非絶縁段階804の構成要素)はその後、ADC回路サンプルに基づく制御回路の状態又は構成を判定し得る。
【0180】
一形態では、器具インターフェース回路840は、第1のデータ回路インターフェース846を備え得、論理回路842(又は器具インターフェース回路840の他の要素)と、外科用器具内に配設されるか、又はそうでなければ関連する第1のデータ回路との間の情報交換を可能にし得る。特定の形態では、例えば、第1のデータ回路は、発生器800を有する特定の外科用器具種類又はモデルと連携させるために、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又はアダプタ内に配設され得る。第1のデータ回路は、任意の好適な様態で実装され得、例えば、第1のデータ回路に関して本明細書で説明されたものを含む任意の好適なプロトコルに従って、発生器と通信し得る。特定の形態では、第1のデータ回路は、EEPROM装置などの、不揮発性記憶装置を含み得る。特定の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842とは別個に実装され得、好適な回路(例えば、別個の論理機構、プロセッサ)を備え、論理回路842と第1のデータ回路との間の通信を可能にし得る。他の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842と一体であり得る。
【0181】
特定の形態では、第1のデータ回路は、第1のデータ回路が関連する特定の外科用器具に関する情報を記憶し得る。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。この情報は、器具インターフェース回路840によって(例えば、論理回路842によって)読み取られ、出力装置を介したユーザへの提供のため、及び/又は発生器800の機能又は動作の制御のために、非絶縁段階804の構成要素(例えば、論理回路816、DSPプロセッサ822、及び/又はUIプロセッサ836)に転送され得る。更に、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース846を介して内部に記憶させるために、(例えば、論理回路842を使用して)第1のデータ回路に通信され得る。そのような情報は、例えば、外科用器具が使用された最新の手術数並びに/又はその使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
【0182】
上で考察されたように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であり得る(例えば、多機能外科用器具は、ハンドピースから取り外し可能であり得る)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、適合性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、設計複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で考察された器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための設計変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
【0183】
更に、発生器800の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にし得る。例えば、発生器800は、器具(例えば、多機能外科用器具)内に収容される第2のデータ回路と通信するように構成され得る。いくつかの形態では、第2のデータ回路は、本明細書で説明される第1のデータ回路のものと類似した多くのものに実装され得る。器具インターフェース回路840は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース848を備え得る。一形態では、第2のデータ回路インターフェース848は、トライステートデジタルインターフェースを備え得るが、他のインターフェースも使用され得る。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信及び/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。
【0184】
いくつかの形態では、第2のデータ回路は、関連する超音波変換器、エンドエフェクタ、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶し得る。例えば、第1のデータ回路は、本明細書で説明されるバーンイン周波数スロープを示し得る。更に又はあるいは、第2のデータ回路インターフェース848を介して内部に記憶させるために、第2のデータ回路に任意の種類の情報を通信し得る。(例えば、論理回路842を使用して)。そのような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサに基づく)によって取得されたデータを送信してもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器800からデータを受信し、受信されたデータに基づいてユーザに表示(例えば、発光ダイオード表示又は他の可視表示)を提供し得る。
【0185】
特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース848は、論理回路842と第2のデータ回路との間の通信が、この目的のための追加の導体(例えば、ハンドピースを発生器800に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらされ得るように構成され得る。一形態では、例えば、情報は、使用される導体のうちの1つが、信号調整回路844からハンドピース内の制御回路へ呼掛け信号を送信するなど、既存のケーブル配線上に実装されたワンワイヤバス通信スキームを使用して、第2のデータ回路に、かつそれから通信され得る。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への設計変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
【0186】
特定の形態では、絶縁段階802は、直流電流が患者を通るのを防ぐために、駆動信号出力部810bに接続された、少なくとも1つのブロッキングコンデンサ850-1を備え得る。単一のブロッキングコンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ設計における故障は比較的稀であるが、それでもなおそのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2のブロッキングコンデンサ850-2は、ブロッキングコンデンサ850-1と直列で提供され得、ブロッキングコンデンサ850-1と850-2との間のポイントからの漏電が、漏えい電流により誘発される電圧をサンプリングするために、例えば、ADC回路852によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路842によって受信され得る。(電圧サンプルによって示されるような)漏えい電流の変化に基づいて、発生器800は、ブロッキングコンデンサ850-1、850-2のうちの少なくとも1つが破損したときを判定し得、したがって、破損の単一のポイントを有する単一コンデンサ設計を超える利益を提供し得る。
【0187】
特定の形態では、非絶縁段階804は、好適な電圧及び電流でDC電力を送達するための電源854を備え得る。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を送達するための、400W電源を含み得る。電源854は、電源の出力を受信して発生器800の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流でDC出力を生成するための1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変換器856を更に備え得る。コントローラ838と関連して上で考察されたように、DC/DC電圧変換器856のうちの1つ又は2つ以上は、ユーザによる「オン/オフ」入力装置の起動がコントローラ838によって検出されたときにコントローラ838から入力を受信し、DC/DC電圧変換器856の動作を可能にするか又はそれを起動させ得る。
【0188】
図21は、発生器800(図20)の一形態である発生器900の実施例を示す。発生器900は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を単独又は同時のいずれかで提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で、又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述したように、少なくとも1つの発生器出力部は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。
【0189】
発生器900は、波形発生器904に結合されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、プロセッサ902に結合されたメモリに記憶された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ又は2つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器906の調節され増幅された出力は、電力変圧器908に結合される。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に結合される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910にわたって結合されており、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
【0190】
第1の電圧感知回路912は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって結合されており、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって結合されており、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されねばならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器918に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)上における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ又は2つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を通じて提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
【0191】
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって結合された第1の電圧感知回路912又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって結合された第2の電圧感知回路924のいずれかを、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により判定され得る。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極又は単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図21に示される実施例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ又は3つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供され得る。したがって、本明細書に記載されるように、超音波変換器のインピーダンスは、第1の電圧感知回路912の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路924の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよい。
【0192】
図21に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器900は、実行される組織の処置の種類に応じて、電力を、例えば、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ又は2つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を含むことができる。例えば、発生器900は、単極又は双極RF電気外科用電極のいずれかを使用して、超音波変換器を駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又はスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え、又はフィルタリングされ得る。発生器900の出力部への超音波変換器の接続は、好ましくは、図21に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一実施例では、発生器900の出力部へのRF双極電極の接続は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
【0193】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
【0194】
本説明全体で使用される用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連する装置がいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、一部の態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0195】
本明細書で使用するとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース、通常はメモリ又は何らかの他のデータストリーム上で動作を実行する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専用「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(system on a chip、SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
【0196】
本明細書で使用するとき、チップ上のシステム又はシステムオンチップ(SoC又はsystem on chip、SOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号、及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、Wi-Fiモジュール、又はコプロセッサなどの最新の周辺装置と統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0197】
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ又は2つ以上のコア処理ユニット(core processing unit、CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容することができる。強誘電性のRAM、NORフラッシュ、又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ、及び少量のRAMもまた、チップ上にしばしば含まれる。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に採用され得る。
【0198】
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺装置とインターフェースするスタンドアロンIC又はチップ装置であってもよい。これは、その装置の動作(及び装置との接続)を管理する外部装置上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の結合部であってもよい。
【0199】
本明細書で説明されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を備える、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであり得る。
【0200】
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0201】
モジュール式装置は、外科用ハブ内に受容可能な(例えば図3及び図9に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続され得る外科用装置又は器具と、を含む。モジュール式装置としては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像装置、吸引/灌注装置、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器、及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式装置は、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体上で、特定のモジュール式装置がペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式装置及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式装置の制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体によって(すなわち、モジュール式装置内の、モジュール式装置上の、又はモジュール式装置に接続されたセンサによって)感知されたデータに基づいて装置を制御する。このデータは、手術中の患者(例えば、組織特性又は注入圧)又はモジュール式装置自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連し得る。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフが遭遇する抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
【0202】
ユーザフィードバック方法
本開示は、ユーザフィードバック技術を提供する。一態様では、本開示は、医療用撮像装置(例えば、ラパロスコープ、内視鏡、胸腔鏡など)を通じて画像の表示を提供する。医療用撮像装置は、光学構成要素及び画像センサを備える。光学構成要素は、例えば、レンズ及び光源を備え得る。画像センサは、電荷結合素子(charge coupled device、CCD)又は相補型酸化膜半導体(complementary oxide semiconductor、CMOS)として実装され得る。画像センサは、外科用ハブ内の電子部品に画像データを提供する。画像を表すデータは、有線又は無線通信によって送信され、器具状態、フィードバックデータ、撮像データ、並びにハイライトの組織不規則性及び強調構造を表示し得る。別の態様では、本開示は、装置(例えば、器具、ロボット、又はツール)から外科用ハブにユーザフィードバックを通信するための有線又は無線通信技術を提供する。別の態様では、本開示は、識別及び使用記録並びに有効化を提供する。最後に、別の態様では、外科用ハブは、装置と外科用ハブとの間にダイレクトインターフェース制御を有し得る。
【0203】
データのスルーラパロスコープモニタディスプレイ
様々な態様では、本開示は、データのスルーラパロスコープモニタディスプレイを提供する。データのスルーラパロスコープモニタディスプレイは、隣接した前の動作に対する現在の器具アライメントを表示すること、ローカル器具ディスプレイとペアリングされたラパロスコープディスプレイとの間の協働、及び外科用器具のエンドエフェクタ部分の効率的な使用に必要な器具固有データの表示を備え得る。これらの技術の各々は本明細書の以下で説明される。
【0204】
隣接した前の動作に対する現在の器具アライメントの表示
一態様では、本開示は、前の発射又は起動の位置についてのユーザ情報を提供し、器具を直接見る必要なく、次の器具の使用を適切な位置にアライメントすることを可能にするアライメントガイダンスディスプレイ要素を提供する。別の態様では、第1の装置及び第2の装置は別個であり、第1の装置は滅菌野内にあり、第2の装置は滅菌野外から使用される。
【0205】
ダブルステープル留め技術を使用した大腸直腸横切開の間、円形ステープラのアンビルトロカールの位置を、重複するステープルラインの中心とアライメントすることは困難である。処置中、円形ステープラのアンビルトロカールは、ステープルラインよりも下の直腸内に挿入され、ラパロスコープは、ステープルラインよりも上の腹腔内に挿入される。ステープルラインが結腸を封止するため、ラパロスコープを使用してアンビルトロカールをアライメントして、ステープルライン重複の中心に対してアンビルトロカール挿入位置を光学的にアライメントするための見える光がない。
【0206】
1つの解決法は、円形ステープラのアンビルトロカール上に位置する非接触センサと、ラパロスコープの遠位端に位置するターゲットとを提供する。別の解決法は、ラパロスコープの遠位端に位置する非接触センサと、円形ステープラのアンビルトロカール上に位置するターゲットとを提供する。
【0207】
外科用ハブコンピュータプロセッサは、非接触センサから信号を受信し、スクリーン上にセンタリングツールを表示して、円形ステープラのアンビルトロカールとステープルラインの中心の重複部分とのアライメントを示す。スクリーンは、ステープルライン重複部分周りの半径を有するターゲットステープルラインの第1の画像、及び投影されたアンビルトロカール位置の第2の画像を表示する。アンビルトロカールとステープルラインの中心の重複部分とは、第1及び第2の画像が重複するときアライメントされる。
【0208】
一態様では、本開示は、外科用器具をアライメントするための外科用ハブを提供する。外科用ハブは、プロセッサ及びプロセッサに結合されたメモリを備える。メモリは、画像データを画像センサから受信し、画像データに基づいて第1の画像を生成し、プロセッサに結合されたモニタ上に第1の画像を表示し、信号を非接触センサから受信し、外科用装置の位置に基づいて第2の画像を生成し、第2の画像をモニタ上に表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。第1の画像データは、ステープルライン封止の中心を表す。第1の画像は、ステープルラインの中心に対応するターゲットを表す。信号は、ステープルラインの中心に対する外科用装置の位置を示す。第2の画像は、ステープルラインの中心に対する、外科用装置の投影された経路に沿った外科用装置の位置を表す。
【0209】
一態様では、ステープルラインの中心は、ダブルステープル重複部分ゾーンである。別の態様では、画像センサは、画像をラパロスコープから受信する。別の態様では、外科用装置は、アンビルトロカールを備える円形ステープラであり、非接触センサは、ステープルラインの中心に対するアンビルトロカールの位置を検出するように構成されている。別の態様では、非接触センサは、誘導センサである。別の態様では、非接触センサは、容量センサである。
【0210】
様々な態様では、本開示は、上述したような外科用器具をアライメントするための制御回路を提供する。様々な態様では、本開示は、コンピュータ可読命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体を提供し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、上述したような外科用器具をアライメントさせる。
【0211】
この技術は、ステープルラインの重複部分についての円形ステープラなどの外科用器具のよりよいアライメントを提供して、円形ステープラが発射された後に、よりよい封止及び切断を生成する。
【0212】
一態様では、本開示は、前の隣接した動作に対する現在の器具アライメントを表示するためのシステムを提供する。器具アライメント情報は、モニタ上に、又は器具上にローカルに位置してもモジュール式通信ハブを通じて器具から離れて位置してもデータの視覚的提示に好適な任意の好適な電子装置上に表示され得る。システムは、重複するステープルラインに対する円形ステープルカートリッジの現在のアライメントを表示し、前の直線ステープルラインに対する円形ステープルカートリッジの現在のアライメントを表示し、及び/又は直線横切開の既存のステープルライン、並びに適切にセンタリングされた円形ステープルカートリッジを示すアライメント円を示し得る。これらの技術の各々は本明細書の以下で説明される。
【0213】
一態様では、本開示は、外科用器具(例えば、外科用ステープラ)の前の発射又は起動の位置についてのユーザ情報を提供し、ユーザが、器具を直接見る必要なく、次の器具の使用(例えば、外科用ステープラの発射又は起動)を適切な位置にアライメントすることを可能にするアライメントガイダンスディスプレイ要素を提供する。別の態様では、本開示は、第1の装置、及び第1の装置とは別個の第2の装置を提供する。第1の装置は滅菌野内に位置し、第2の装置は滅菌野外に位置する。本明細書で説明される技術は、外科用ステープラ、超音波器具、電気外科用器具、超音波/電気外科用器具の組み合わせ、及び/又は外科用ステープラ/電気外科用器具の組み合わせに適用され得る。
【0214】
図22は、本開示の一態様による、図23図33に関連して説明されるセンタリングツール及び技術の利益を使用して、ステープルライン6003にセンタリングされた外科用器具6002の図6000を示す。図23図33の以下の説明で使用されるように、ステープルラインは、互い違いのステープルの複数列を含み得、典型的には、限定することなく、互い違いのステープルの2列又は3列を含む。ステープルラインは、図23図27に関連して説明されるようなダブルステープル留め技術を使用して形成されたダブルステープルライン6004であり得、又は図28図33に関連して説明されるような直線横切開技術を使用して形成された直線ステープルライン6052であり得る。本明細書で説明されるセンタリングツール及び技術は、解剖学的構造のある部分に位置する器具6002を、ラインを見る利益なしに、ステープルライン6003か、又は解剖学的構造の別の部分に位置する別の器具のいずれかとアライメントするために使用され得る。センタリングツール及び技術は、前の動作に隣接した器具6002の現在のアライメントを表示することを含む。センタリングツールは、例えば、重複ステープル留め技術とも呼ばれるダブルステープル留め技術を採用するラパロスコープアシストの直腸手術中に有用である。例示の実施例では、ラパロスコープアシストの直腸外科処置中に、円形ステープラ6002は、骨盤空洞6008内の患者の直腸6006内に位置付けられ、ラパロスコープは腹腔内に位置付けられる。
【0215】
ラパロスコープアシストの直腸手術中に、結腸は、長さ「l」を有するステープルライン6003によって横切開及び封止される。ダブルステープル留め技術は、円形ステープラ6002を使用して、端部吻合を形成し、ラパロスコープアシストの直腸手術において現在広く使用されている。円形ステープラ6002を使用した吻合の形成を成功させるために、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010は、ステープルライン6003の中心「l/2」を通って刺す前に、及び/又は円形ステープラ6002を発射しステープル重複部分6012を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプする前に、ステープルライン6003横切開の中心「l/2」とアライメントされるべきである。ステープルライン6003横切開の中心へのアンビルトロカール6010のミスアライメントは、結果として、高い割合で吻合の失敗となり得る。この技術は、超音波器具、電気外科用器具、超音波/電気外科用器具の組み合わせ、及び/又は外科用ステープラ/電気外科用器具の組み合わせに適用され得る。ここで、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010をステープルライン6003の中心「l/2」にアライメントするためのいくつかの技術が説明される。
【0216】
一態様では、図23図25で説明されるように、そして外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11も参照して、本開示は、ダブルステープル留め技術を使用したラパロスコープアシストの直腸手術の大腸直腸横切開においてダブルステープルライン6004の重複部分を検出するための装置及び方法を提供する。ダブルステープルライン6004の重複部分が検出され、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010の現在の位置が、外科用ハブ206に結合された外科用ハブディスプレイ215上に表示される。外科用ハブディスプレイ215は、ダブルステープルライン6004の中心に位置するダブルステープルライン6004の重複部分に対する円形ステープラ6002カートリッジのアライメントを表示する。外科用ハブディスプレイ215は、重複するダブルステープルライン6004領域の周囲でセンタリングされた円形画像を表示して、ダブルステープルライン6004の重複部分が円形ステープラ6002のナイフ内に収容され、したがって、円形発射後に取り除かれることを確実にする。ディスプレイを使用して、外科医は、ダブルステープルライン6004の中心を通って刺す前に、及び/又は円形ステープラ6002を発射してステープル重複部分6012を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプする前に、アンビルトロカール6010をダブルステープルライン6004の中心とアライメントする。
【0217】
図23図25は、本開示の一態様による、ダブルステープル留め技術によって形成されたダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012に円形ステープラ6022のアンビルトロカール6010をアライメントするプロセスを示す。ステープル重複部分6012は、ダブルステープル留め技術によって形成されたダブルステープルライン6004にセンタリングされる。円形ステープラ6002は、ダブルステープルライン6004よりも下の結腸6020内に挿入され、ラパロスコープ6014は、ダブルステープルライン6004よりも上の腹を通じて挿入される。ラパロスコープ6014及び非接触センサ6022は、ダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を判定するために使用される。ラパロスコープ6014は、ダブルステープルライン6004の画像を生成するための画像センサを含む。画像センサの画像は、撮像モジュール238を介して外科用ハブ206に送信される。センサ6022は、誘導又は容量金属感知技術を使用して金属ステープルを検出する信号6024を生成する。信号6024は、ステープル重複部分6004に対するアンビルトロカール6010の位置に基づいて変化する。センタリングツール6030は、ダブルステープルライン6004の画像6038、及び外科用ハブディスプレイ215上のステープル重複部分6012の画像6040についてセンタリングされたダブルステープルライン6004の画像6038の周囲を囲むターゲットアライメントリング6032を提示する。センタリングツール6030はまた、円形ステープラ6002のアンビルナイフの投影された切断経路6034を提示する。アライメントプロセスは、ダブルステープルライン6004の画像6038、及び円形ステープラ6002によって切断されるステープル重複部分6012の画像6040でセンタリングされたダブルステープルライン6004の画像6038の周囲を囲むターゲットアライメントリング6032を提示する。また、ステープル重複部分6012の画像6040に対して十字線6036(X)の画像が表示される。
【0218】
図23は、ダブルステープル留め技術によって形成されたダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012とアライメントされていない円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010を示す。ダブルステープルライン6004は、長さ「l」を有し、ステープル重複部分6012は、「l/2」でダブルステープルライン6004に沿って途中に位置する。図23に示すように、円形ステープラ6002は、結腸6020のセクションに挿入され、ダブルステープルライン6004横切開の真下に位置付けられる。ラパロスコープ6014は、ダブルステープルライン6004横切開よりも上に位置付けられ、ラパロスコープ6014の視界6016内のダブルステープルライン6004及びステープル重複部分6012の画像を外科用ハブディスプレイ215に供給する。ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置は、円形ステープラ6002上に位置するセンサ6022によって検出される。センサ6022はまた、ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を外科用ハブディスプレイ215に提供する。
【0219】
図23に示すように、アンビルトロカール6010の投影された経路6018は、Xによってマークされた位置に破線に沿って示される。図23に示すように、アンビルトロカール6010の投影された経路6018は、ステープル重複部分6012とアライメントされていない。ステープル重複部分6012から外れたポイントで、ダブルステープルライン6004を通ってアンビルトロカール6010を刺すことにより、吻合の失敗につながり得る。図25で説明されるアンビルトロカール6010センタリングツール6030を使用して、外科医は、センタリングツール6030によって表示された画像を使用して、アンビルトロカール6010をステープル重複部分6012とアライメントすることができる。例えば、一実装形態では、センサ6022は誘導センサである。ステープル重複部分6012は、ダブルステープルライン6004の横方向の部分の残りの部分よりも多くの金属を含むので、信号6024は、センサ6022がステープル重複部分6012とアライメントされて近接しているときに最大である。センサ6022は、ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を示す信号を外科用ハブ206に提供する。出力信号は、変換されて、外科用ハブディスプレイ215上に表示されるステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を可視化する。
【0220】
図24に示すように、アンビルトロカール6010は、ダブルステープル留め技術によって形成されたダブルステープルライン6004の中心でステープル重複部分6012とアライメントされる。ここで、外科医は、ダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012を通ってアンビルトロカール6010を刺すことができ、及び/又は円形ステープラ6002を発射してステープル重複部分6012を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプすることができる。
【0221】
図25は、外科用ハブディスプレイ215上に表示されたセンタリングツール6030を示し、センタリングツールは、ダブルステープル留め技術によって形成されたダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012の表示を提供し、ここで、アンビルトロカール6010は、図23に示されるダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012とアライメントされていない。センタリングツール6030は、ダブルステープルライン6004の外科用ハブディスプレイ215における画像6038、及びラパロスコープ6014から受信されたステープル重複部分6012の画像6040を提示する。ステープル重複部分6012の画像6040についてセンタリングされたターゲットアライメントリング6032は、ダブルステープルライン6004の画像6038の周囲を囲み、投影された切断経路6034がターゲットアライメントリング6032にアライメントされたときに、ステープル重複部分6012が円形ステープラ6002ナイフの投影された切断経路6034の外周内に位置することを確実にする。十字線6036(X)は、ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を表す。十字線6036(X)は、ダブルステープルライン6004を通るポイントを示し、ここで、アンビルトロカール6010は、その現在の位置から前進した場合に刺す。
【0222】
図25に示すように、アンビルトロカール6010は、ステープル重複部分6012の画像6040によって指定された所望の突き刺し位置とアライメントされていない。アンビルトロカール6010をステープル重複部分6012にアライメントするために、外科医は、投影された切断経路6034がターゲットアライメントリング6032と重複し、十字線6036(X)がステープル重複部分6012の画像6040にセンタリングされるまで、円形ステープラ6002を操作する。一度アライメントが完了すると、外科医は、ダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012を通ってアンビルトロカール6010を刺し、及び/又は円形ステープラ6002を発射してステープル重複部分6012を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプする。
【0223】
上で考察されたように、センサ6022は、ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を検出するように構成されている。したがって、外科用ハブディスプレイ215上に提示される十字線6036(X)の位置は、外科用ステープラセンサ6022によって判定される。別の態様では、センサ6022は、ラパロスコープ6014上に位置し得、ここで、センサ6022は、アンビルトロカール6010の先端を検出するように構成されている。他の態様では、センサ6022は、円形ステープラ6022若しくはラパロスコープ6014のいずれか又はその両方に位置し得、ステープル重複部分6012に対するアンビルトロカール6010の位置を判定し、外科用ハブ206を介して外科用ハブディスプレイ215に情報を提供し得る。
【0224】
図26及び図27は、本開示の一態様による、センタリングツール6030のビフォア画像6042及びアフター画像6043を示す。図26は、外科用ハブディスプレイ215上に提示されたステープル重複部分6040の画像6040の上のダブルステープルライン6004の画像6038の周囲を囲むターゲットアライメントリング6032tアライメントする前の、アンビルトロカール6010及び円形ナイフの投影された切断経路6034の画像を示す。図27は、外科用ハブディスプレイ215上に提示されたステープル重複部分6040の画像6040の上のダブルステープルライン6004の画像6038の周囲を囲むターゲットアライメントリング6032とアライメントした後の、アンビルトロカール6010及び円形ナイフの投影された切断経路6034の画像を示す。アンビルトロカール6010の現在の位置は、十字線6036(X)によってマークされ、それは、図26に示すように、ステープル重複部分6040の画像6040の中心の左下に位置付けられる。図27に示すように、外科医が、投影された経路6046に沿ってアンビルトロカール6010を移動させると、投影された切断経路6034は、ターゲットアライメントリング6032とアライメントする。ターゲットアライメントリング6032は、例えば、ダブルステープルライン6004の中心に対するアンビルトロカール6010の現在の位置の上にオーバーレイされたグレーアウトアライメント円として表示され得る。画像は、アンビルトロカール6010をどの方向に移動させるかを表示することによってアライメントプロセスをアシストするための表示マークを含み得る。ターゲットアライメントリング6032は、許容可能な限界内で中心の所定の距離内に位置するときに、太く、色を変化させて示され得、又はハイライトされ得る。
【0225】
別の態様では、センサ6022は、大腸直腸横切開内の直線ステープルラインの始まり及び終わりを検出し、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010の現在の位置のポジションを提供するように構成され得る。別の態様では、本開示は、外科用ハブディスプレイ215を提供して、直線ステープルライン上にセンタリングされた円形ステープラ6002を提示し、それは、ドッグイアさえも形成し、アンビルトロカール6010の現在の位置を提供して、外科医が、刺す前に及び/又は円形ステープラ6002を発射する前に組織を完全にクランプする前に、アンビルトロカール6010を所望通りにセンタリング又はアライメントすることを可能にする。
【0226】
別の態様では、図28図30で説明されるように、そして外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11も参照して、直線ステープル留め技術を使用したラパロスコープアシストの直腸手術の大腸直腸横切開において、直線ステープルライン6052の始まり及び終わりが検出され、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010の現在の位置が、外科用ハブ206に結合された外科用ハブディスプレイ215上に表示される。外科用ハブディスプレイ215は、ダブルステープルライン6004でセンタリングされた円形画像を表示し、それは、ドッグイアさえも形成し、アンビルトロカール6002の現在の位置が表示されて、外科医が、直線ステープルライン6052を通って刺す前に及び/又は円形ステープラ6002を発射してステープルライン6052の中心6050を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプする前に、アンビルトロカール6010を所望通りにセンタリング又はアライメントすることを可能にする。
【0227】
図28図30は、本開示の一態様による、直線ステープル留め技術によって形成された直線ステープルライン6052の中心6050に円形ステープラ6022のアンビルトロカール6010をアライメントするプロセスを示す。図28及び図29は、直線ステープルライン6052の中心6050に対するアンビルトロカール6010の位置を判定するために、ラパロスコープ6014及び円形ステープラ6022上に位置するセンサ6022を示す。アンビルトロカール6010及びセンサ6022は、直線ステープルライン6052よりも下の結腸6020内に挿入され、ラパロスコープ6014は、直線ステープルライン6052よりも上の腹を通じて挿入される。
【0228】
図28は、直線ステープルライン6052の中心6050とアライメントされていないアンビルトロカール6010を示し、図29は、直線ステープルライン6052の中心6050とアライメントされているアンビルトロカール6010を示す。センサ6022は、直線ステープルライン6052の中心6050を検出して、アンビルトロカール6010をステープルライン6052の中心とアライメントするために使用される。一態様では、直線ステープルライン6052の中心6050は、直線ステープルライン6052の一端が検出されるまで円形ステープラ6002を移動させることによって位置し得る。端は、センサ6022の経路内にステープルがもう存在しないときに検出され得る。端のうちの1つに一度達すると、円形ステープラ6002は、反対側の端部が検出されるまで直線ステープルライン6053に沿って移動され、直線ステープルライン6052の長さ「l」は、測定によって、又はセンサ6022により個々のステープルを計数することによって判定される。直線ステープルライン6052の長さが一度判定されると、直線ステープルライン6052の中心6050は、長さを2つの「l/2」で割ることによって判定され得る。
【0229】
図30は、外科用ハブディスプレイ215上に表示されたセンタリングツール6054を示し、センタリングツールは、直線ステープルライン6052の表示を提供し、ここで、アンビルトロカール6010は、図28に示されるダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012とアライメントされていない。外科用ハブディスプレイ215は、直線ステープルライン6052及び結腸6020の一部分のラパロスコープの視界6016の標準的なレチクル視界6056を提示する。外科用ハブディスプレイ215はまた、直線ステープルラインの画像中心の周囲を囲むターゲットリング6062、並びにアンビルトロカール及び円形ナイフの投影された切断経路6064を提示する。十字線6066(X)は、直線ステープルライン6052の中心6050に対するアンビルトロカール6010の位置を表す。十字線6036(X)は、直線ステープルライン6052を通るポイントを示し、ここで、アンビルトロカール6010は、その現在の位置から前進した場合に刺す。
【0230】
図30に示すように、アンビルトロカール6010は、ターゲットリング6062と投影された切断経路6064との間のオフセットによって指定された所望の突き刺し位置とアライメントされていない。アンビルトロカール6010を直線ステープルライン6052の中心6050とアライメントするために、外科医は、投影された切断経路6064がターゲットアライメントリング6062と重複し、十字線6066(X)がステープル重複部分6012の画像6040にセンタリングされるまで、円形ステープラ6002を操作する。一度アライメントが完了すると、外科医は、直線ステープルライン6052の中心6050を通ってアンビルトロカール6010を刺し、及び/又は円形ステープラ6002を発射してステープル重複部分6012を切断して吻合を形成する前に組織を完全にクランプする。
【0231】
一態様では、本開示は、直線横切開技術及びアライメントリング又は円形ステープラ6022のアンビルトロカール6010が直線ステープルライン6052に沿って適切にセンタリングされるように位置付けられた標的中心を使用して、直線ステープルライン6052の画像を表示するための装置及び方法を提供する。装置は、直線ステープルライン6052の中心6050に対するアンビルトロカール6010の現在の位置の上にオーバーレイされたグレーアウトアライメント円を表示する。画像は、アンビルトロカール6010をどの方向に移動させるかを表示することによってアライメントプロセスをアシストするための表示マークを含み得る。アライメントリングは、中心の所定の距離内に位置するときに、太くするか、色を変化させるか、又はハイライトされ得る。
【0232】
ここで、図28図31を参照して、図31は、本開示の一態様による、外科用ハブディスプレイ215上に表示されたラパロスコープ6014を通じて見られるような、外科用の直線ステープルライン6052横切開の標準的なレチクルビュー6080の画像6080である。標準的なレチクルビュー6080では、標準的なレチクル視界6056内の直線ステープルライン6052を見ることは困難である。更に、直線ステープルラインの中心6050へのアンビルトロカール6010のアライメント及び導入をアシストするためのアライメント補助は存在しない。このビューは、円形ステープラが適切にセンタリングされているかどうかを示すためのアライメント円又はアライメントマークを示さず、投影されたトロカール経路を示さない。このビューでは、背景画像とはコントラストがないため、ステープルを見ることも困難である。
【0233】
ここで、図28図32を参照して、図32は、本開示の一態様による、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010及び円形ナイフが直線ステープルライン6052の中心6050にアライメントされる前の、図31に示される手術部位のレーザアシストのレチクル視界6072の画像6082である。レーザアシストのレチクル視界6072は、アンビルトロカール6010の位置決めをアシストするためにアンビルトロカール6010の投影された経路を示す、直線ステープルライン6052の中心の左下に現在位置付けられているアライメントマーク又は十字線6066(X)を提供する。アンビルトロカール6010の十字線6066(X)によってマークされた投影された経路に加えて、画像6082は、背景に対してより視認可能にするために、コントラスト色で直線ステープルライン6052のステープルを表示する。直線ステープルライン6052がハイライトされ、標的中心ターゲット6070が直線ステープルライン6052の中心6050の上に表示される。レーザアシストのレチクル視界6072の外側に、画像6082は、状態警告ボックス6068、提案ボックス6074、ターゲットリング6062、及び直線ステープルライン6052の中心6050に対して十字線6066(X)によってマークされたアンビルトロカール6010の現在のアライメント位置を表示する。図32に示すように、状態警告ボックス6068は、トロカールが「ミスアライメント」であることを示し、提案ボックス6074は、「トロカールを中心ステープルラインに調整する」と示す。
【0234】
ここで、図28図33を参照して、図33は、本開示の一態様による、円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010及び円形ナイフが直線ステープルライン6052の中心6050にアライメントされた後の、図32に示される手術部位のレーザアシストのレチクル視界6072の画像6084である。レーザアシストのレチクル視界6072は、アンビルトロカール6010の位置決めをアシストするためにアンビルトロカール6010の投影された経路を示す、直線ステープルライン6052の中心の左下に現在位置付けられているアライメントマーク又は十字線6066(X)を提供する。アンビルトロカール6010の十字線6066(X)によってマークされた投影された経路に加えて、画像6082は、背景に対してより視認可能にするために、コントラスト色で直線ステープルライン6052のステープルを表示する。直線ステープルライン6052がハイライトされ、標的中心ターゲット6070が直線ステープルライン6052の中心6050の上に表示される。レーザアシストのレチクル視界6072の外側に、画像6082は、状態警告ボックス6068、提案ボックス6074、ターゲットリング6062、及び直線ステープルライン6052の中心6050に対して十字線6066(X)によってマークされたアンビルトロカール6010の現在のアライメント位置を表示する。図32に示すように、状態警告ボックス6068は、トロカールが「ミスアライメント」であることを示し、提案ボックス6074は、「トロカールを中心ステープルラインに調整する」と示す。
【0235】
図33は、アンビルトロカール6010及び円形ナイフがステープルライン6052の中心にアライメントされた後の、図32に示される手術部位のレーザアシストビューである。このビューでは、レーザアシストのレチクルの視界6072の内側で、アライメントマーク十字線6066(X)は、ステープルライン6052の中心及びハイライトされた標的中心ターゲットの上に位置付けられて、ステープルラインの中心へのトロカールのアライメントを示す。レーザアシストのレチクルの視界6072の外側で、状態警告ボックスは、トロカールが「アライメント済」であることを示し、提案は、「進行トロカール導入」である。
【0236】
図34は、本開示の一態様による、ステープルライン横切開の中心(例えば、図23図24に示されるダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012又は図28図29に示される直線ステープルライン6052の中心6050)に対するアンビルトロカール6010位置を判定するための非接触センサ6022の非接触誘導センサ6090実装形態を示す。非接触誘導センサ6090は、電磁場6096を生成するための誘導コイル6094を駆動するオシレータ6092を含む。金属ステープルなどの金属ターゲット6098が電磁場6096の中に導入されると、ターゲット6098に誘導された渦電流6100が電磁場6096に対抗し、磁気抵抗がシフトし、オシレータ電圧6102の振幅が低下する。増幅器6104は、変化するとオシレータ電圧6102振幅を増幅する。
【0237】
ここで、外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11を参照して、そして図22図23も参照して、誘導センサ6090は非接触電子センサである。それは、位置決め、及び上述のステープルライン6003、6004、6052内の金属ステープルなどの金属物体の検出のために使用され得る。誘導センサ6090の感知範囲は、検出される金属の種類に依存する。誘導センサ6090は非接触センサであるため、ステープル留めされた組織バリアを横切って金属物体を検出することができる。誘導センサ6090は、ステープルライン6003、6004、6052内のステープルを検出し、ラパロスコープ6014の遠位端の位置を検出するために円形ステープラ6002上に位置し得るか、又はアンビルトロカール6010の位置を検出するためにラパロスコープ6014上に位置し得る。円形ステープラ6002、ラパロスコープ6014のいずれかに位置するか又は外科用ハブ206に結合されたプロセッサ又は制御回路は、誘導センサ6090から信号を受信し、外科用ハブディスプレイ215上にセンタリングツールを表示してダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012又は直線ステープルライン6052の中心6050のいずれかに対するアンビルトロカール6010の位置を判定するために採用され得る。
【0238】
一態様では、ラパロスコープ6014の遠位端は、円形ステープラ6002上に位置する誘導センサ6090によって検出され得る。誘導センサ6090は、ラパロスコープ6014の遠位端上に位置付けられた金属ターゲット6098を検出し得る。一度、ラパロスコープ6014が直線ステープルライン6052の中心6050又はダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012とアライメントされると、誘導センサ6090からの信号は、ラパロスコープ6014の相対アライメントの画像に円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010を提示するために誘導センサ6090からの信号を変換する回路に送信される。
【0239】
図35A及び図35Bは、本開示の一態様による、ステープルライン横切開の中心(例えば、図23図24に示されるダブルステープルライン6004のステープル重複部分6012又は図28図29に示される直線ステープルライン6052の中心6050)に対するアンビルトロカール6010位置を判定するための非接触センサ6022の非接触容量センサ6110実装形態を示す。図35Aは、近くの金属ターゲットがない非接触容量センサ6110を示し、図35Bは、金属ターゲット6112付近の非接触容量センサ6110を示す。非接触容量センサ6110は、感知ヘッド内に収容されたコンデンサプレート6114、6116を含み、感知ゾーンを画定するようにオシレータ波形によってエネルギー印加されるときにフィールドライン6118を確立する。図35Aは、コンデンサプレート6114、6116の近位にターゲットが存在しないときのフィールドライン6118を示す。図35Bは、感知ゾーン内の鉄は非鉄金属ターゲット6120を示す。金属ターゲット6120が感知ゾーンに入ると、キャパシタンスが増加して、振幅ゲインをもたらす振動周波数に向かって固有振動数をシフトさせる。容量センサ6110は非接触センサであるため、ステープル留めされた組織バリアを横切って金属物体を検出することができる。容量センサ6110は、ステープルライン6004、6052又はラパロスコープ6014の遠位端の位置を検出するために円形ステープラ6002上に位置し得るか、又は容量センサ6110は、アンビルトロカール6010の位置を検出するためにラパロスコープ6014上に位置し得る。円形ステープラ6002、ラパロスコープ6014のいずれかに位置するか又は外科用ハブ206に結合されたプロセッサ又は制御回路は、容量センサ6110から信号を受信し、ラパロスコープ6014の相対アライメントの画像に円形ステープラ6002のアンビルトロカール6010を提示する。
【0240】
図36は、本開示の一態様による、外科用器具をアライメントするための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図6130である。外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11を参照して、そして図22図35も参照して、外科用ハブ206は、プロセッサ244及びプロセッサ244に結合されたメモリ249を備える。メモリ249は、画像データをラパロスコープ画像センサから受信し(6132)、画像データに基づいて第1の画像を生成し(6134)、プロセッサ244に結合された外科用ハブディスプレイ215上に第1の画像を表示し(6136)、外科用装置の位置を示す信号を非接触センサ6022から受信し(6138)、外科用装置、例えば、アンビルトロカール6010の位置を示す信号に基づいて第2の画像を生成し、外科用ハブディスプレイ215上に第2の画像を表示する(6140)ように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。第1の画像データは、ステープルライン6004、6052封止の中心6044、6050を表す。第1の画像は、ステープルライン6004、6052の中心6044、6050に対応するターゲットを表す。信号は、ステープルライン6004、6052封止の中心6044、6050に対する外科用装置、例えば、アンビルトロカール6010の位置を示す。第2の画像は、外科用装置、例えば、アンビルトロカール6010の投影された経路6018に沿ってステープルライン6004、6052封止の中心6044、6050に対する外科用装置、例えば、アンビルトロカール6010の位置を表す。
【0241】
一態様では、ダブルステープルライン6004の中心6044は、ステープル重複部分6012を画定する。別の態様では、画像センサは、画像を医療用撮像装置から受信する。別の態様では、外科用装置は、アンビルトロカール6010を備える円形ステープラ6002であって、非接触センサ6022は、ダブルステープルライン6004封止の中心6044に対するアンビルトロカール6010の位置を検出するように構成されている。別の態様では、非接触センサ6022は誘導センサ6090である。別の態様では、非接触センサ6022は容量センサ6110である。一態様では、ステープルラインは、直線横切開技術を使用して形成された直線ステープルライン6052であり得る。
【0242】
ローカル器具ディスプレイとペアリングされた撮像装置ディスプレイとの間の協働
一態様では、本開示は、ローカルディスプレイを含む器具、手術室(operating room、OR)又は手術室を有するハブ、及び器具ディスプレイとは別個のディスプレイを提供する。器具が外科用ハブに結合されると、装置上の二次ディスプレイは、外科用ハブ接続とは独立しているときと異なる情報を表示するように再構成する。別の態様では、次いで、器具の二次ディスプレイ上の情報のある部分は、外科用ハブの一次ディスプレイ上に表示される。別の態様では、装置の状態のオーバーレイを可能にする画像融合、いくつかの画像を結合するために使用される統合ランドマーク、及び少なくとも1つのガイダンス機構が外科用ハブ及び/又は器具ディスプレイ上に提供される。単一のディスプレイ上に目下の合成画像を提示するために複数の画像/テキストソースから画像及び/又はテキストをオーバーレイ又は増強するための技術は、図45図53及び図63図67に関連して本明細書の以下で説明される。
【0243】
別の態様では、本開示は、ローカル器具ディスプレイとペアリングされたラパロスコープディスプレイとの間の協働を提供する。一態様では、器具のローカルディスプレイの挙動は、外科用ハブに結合された全体的なディスプレイの結合可能な存在を感知するときに変化する。別の態様では、本開示は、付帯構造を避けるために、手術部位の360°合成上面視覚的視界を提供する。これらの技術の各々は本明細書の以下で説明される。
【0244】
外科処置中、手術部位は、遠隔「一次」外科用ハブディスプレイ上に表示される。外科処置中、外科用装置は、器具(プロセッサ、メモリ、制御回路、記憶装置などを備える器具アーキテクチャについての図12図19参照)内に記憶された外科用データ及び変数(例えば、外科用パラメータ)を追跡及び記録する。外科用パラメータは、力-発射(force-to-fire、FTF)、力-閉(force-to-close、FTC)、発射前進、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、組織圧縮安定性(クリープ)などを含む。処置中に従来技術を使用して、外科医は、2つの別個のディスプレイを見る必要がある。したがって、処置中に、外科医が、オーバーレイされた画像/テキスト情報を提示する単一のディスプレイを見ることができるため、画像/テキストオーバレイを提供することは、有利なことである。
【0245】
1つの解決法は、外科用装置(例えば、器具)が外科用ハブに接続されるときを検出し、次いで、関連する画像及びデータを一次ディスプレイ上に提供するために第2の器具(例えば、外科用ステープラ)から受信された外科用データ及び変数によって増強された、第1の器具(例えば、ラパロスコープ、内視鏡、胸腔鏡などの例えば医療用撮像装置)から受信された手術部位の視界を含む合成画像を一次ディスプレイ上に表示する。
【0246】
外科処置中、手術部位は、一次外科用ハブディスプレイ上に医療用撮像装置の狭い視界として表示される。現在の視界の外側のアイテム、付帯構造を、医療用撮像装置を移動させることなく見ることはできない。
【0247】
1つの解決法は、ディスプレイの別個のウィンドウにおいて、手術部位の広い視界によって増強された、ディスプレイの第1のウィンドウにおける手術部位の狭い視界を提供する。これは、手術部位の複数の視点のビューの増強画像を提供するために2つ又は3つ以上の撮像アレイを使用してマッピングされた頭上からの視界の合成画像を提供する。
【0248】
一態様では、本開示は、プロセッサ及びプロセッサに結合されたメモリを備える外科用ハブを提供する。メモリは、外科用ハブへの外科用装置の接続を検出し、検出された外科用装置に制御信号を送信して、検出された装置と関連する外科用パラメータデータを外科用ハブに送信し、外科用パラメータデータを受信し、画像センサから画像データを受信し、外科用ハブに結合されたディスプレイ上に、画像センサから受信された画像を、外科用装置から受信された外科用パラメータデータと併せて表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。
【0249】
別の態様では、本開示は、プロセッサ及びプロセッサに結合されたメモリを備える外科用ハブを提供する。メモリは、第1の画像データを第1の画像センサから受信し、第2の画像データを第2の画像センサから受信し、外科用ハブに結合されたディスプレイ上に、第1の視界に対応する第1の画像及び第2の視界に対応する第2の画像を表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。第1の画像データは第1の視界を表し、第2の画像データは第2の視界を表す。
【0250】
一態様では、第1の視界は狭い角度の視界であり、第2の視界は広い角度の視界である。別の態様では、メモリは、ディスプレイ上で第1の画像を第2の画像で増強するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。別の態様では、メモリは、第1の画像及び第2の画像を第3の画像へ融合し、ディスプレイ上に融合画像を表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。別の態様では、融合画像データは、外科用装置と関連する状態情報と、複数の画像を結合するための画像データ統合ランドマークと、少なくとも1つのガイダンスパラメータとを備える。別の態様では、第1の画像センサは同じ画像センサと同じであり、第1の画像データは第1の時間としてキャプチャされ、第2の画像データは第2の時間でキャプチャされる。
【0251】
別の態様では、メモリは、第3の視界を表す第3の画像データを第3の画像センサから受信し、第2及び第3の画像データを備える合成画像データを生成し、第1の画像データに対応する第1の画像をディスプレイの第1のウィンドウにおいて表示し、合成画像データに対応する第3の画像をディスプレイの第2のウィンドウにおいて表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。
【0252】
別の態様では、メモリは、第3の視界を表す第3の画像データを第3の画像センサから受信し、第2及び第3の画像データを融合して融合画像データを生成し、第1の画像データに対応する第1の画像をディスプレイの第1のウィンドウにおいて表示し、合成画像データに対応する第3の画像をディスプレイの第2のウィンドウにおいて表示するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。
【0253】
様々な態様では、本開示は、上述の機能を実行するための制御回路を提供する。様々な態様では、本開示は、コンピュータ可読命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体を提供し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに上述の機能を実行させる。
【0254】
1つの一次外科用ハブディスプレイ上に外科用装置画像で増強された内視鏡画像を表示することによって、外科医が1つのディスプレイに集中して、力-発射、力-閉、発射前進、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、組織圧縮安定性(クリープ)などの外科処置と関連する外科用装置データで増強された手術部位の視界を取得することを可能にする。
【0255】
ディスプレイの第1のウィンドウにおいて狭い視界の画像を表示し、より広い視界などのいくつかの他の視点の合成画像を表示することにより、外科医は、スコープを移動させることなく手術部位のより広い視界で手術部位の拡大画像を同時に見ることが可能になる。
【0256】
一態様では、本開示は、外科用ハブに結合された装置、例えば外科用器具の全体的なディスプレイ及びローカルディスプレイの両方を提供する。装置は、その関連するメニューの全てを表示し、外科用ハブへの接続を感知するまでローカルディスプレイ上に表示し、そのポイントで、情報のサブセットが、外科用ハブを通じてモニタ上にのみ表示され、その情報は、装置ディスプレイ上で映されるか、又は装置起動スクリーン上でもはやアクセスできない。この技術は、装置ディスプレイを解放して、異なる情報を表示するか、又は外科用ハブディスプレイ上により大きいフォント情報を表示する。
【0257】
一態様では、本開示は、ローカルディスプレイを有する器具、手術室(例えば、手術室又はOR)を有する外科用ハブ、器具ディスプレイとは別個のディスプレイを提供する。器具が外科用ハブに結合されると、器具ローカルディスプレイは二次ディスプレイとなり、器具は、外科用ハブ接続とは独立して動作しているときと異なる情報を表示するように再構成する。別の態様では、次いで、二次ディスプレイ上の情報のある部分は、外科用ハブを通じて手術室における一次ディスプレイ上に表示される。
【0258】
図37は、本開示の一態様による、全体的なディスプレイ6202及びローカル器具ディスプレイ6204を備える外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200を示す。図37と共に、外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11を引き続き参照して、そして外科用ハブ接続器具についての図12図21を参照して、器具235が外科用ハブ206を通じて全体的なディスプレイ6202の結合可能な存在を感知するときに、ローカル器具ディスプレイ6204の挙動が表示される。全体的なディスプレイ6202は、例えば、本明細書でモニタとして参照される外科用ハブディスプレイ215の中心で、例えば、撮像モジュール238に結合されたラパロスコープ/内視鏡219などの医療用撮像装置を通じて見られるような手術部位6208の視界6206を示す。接続器具235のエンドエフェクタ6218部分は、全体的なディスプレイ6202において手術部位6208の視界6206に示される。外科用ハブ206に結合された器具235に位置するディスプレイ237上に示される画像は、例えば図37に示されるモニタ6200の右下角に位置するローカル器具ディスプレイ6204上に示されるか、又は映される。動作中、器具235が外科用ハブ206への器具235の接続を感知するまで、全ての関連する器具並びに情報及びメニューが器具235に位置するディスプレイ237上に表示され、そのポイントで、器具ディスプレイ237上に提示される情報の全て又は一部のサブセットが、外科用ハブ206を通じて外科用ハブディスプレイ6200のローカル器具ディスプレイ6204部分上にのみ表示される。ローカル器具ディスプレイ6204上に表示された情報は、器具235に位置するディスプレイ237上に映され得るか、又は器具ディスプレイ237起動スクリーン上でもはやアクセスし得ない。この技術は、器具235を解放して、異なる情報を示すか、又は外科用ハブディスプレイ6200上により大きいフォント情報を示す。単一のディスプレイ上に合成画像を提示するために複数の画像/テキストソースから画像及び/又はテキストをオーバーレイ又は増強するためのいくつかの技術は、図45図53及び図63図67に関連して本明細書の以下で説明される。
【0259】
外科用ハブディスプレイ6200は、手術部位6208の周術期の可視化を提供する。高度な撮像は、尿管6220(又は神経など)などの重大な構造を識別して視覚的にハイライトし(6222)、また、器具近接ディスプレイ6210を追跡し、ディスプレイ6200の左側に示される。例示の実施例では、器具近接ディスプレイ6210は器具固有設定を示す。例えば、上部の器具近接ディスプレイ6212は単極器具についての設定を示し、中間の器具近接ディスプレイ6214は双極器具についての設定を示し、下部の器具近接ディスプレイ6212は、超音波器具についての設定を示す。
【0260】
別の態様では、独立した二次ディスプレイ又は専用のローカルディスプレイは、外科用ハブ206に結合されて、任意の数の外科用ハブ206追跡データ映像を表示することができるタッチスクリーンディスプレイ及び/又は二次スクリーンを介して両方の相互作用ポータルを提供して、明確な分かりやすい状態を提供することができる。二次スクリーンは、力-発射(FTF)、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、組織圧縮安定性(クリープ)などを表示し得、一方、一次スクリーンは、映像を情報が散乱していない状態に維持するために重要な変数のみを表示し得る。インタラクティブディスプレイは、特定の情報の表示を一次ディスプレイに所望の位置、サイズ、色などで移動させるために使用され得る。例示的な実施例では、二次スクリーンは、ディスプレイ6200の左側で器具近接ディスプレイ6210を表示し、ディスプレイ6200の右下側でローカル器具ディスプレイ6204を表示する。外科用ハブディスプレイ6200上に提示されたローカル器具ディスプレイ6204は、現在使用中のステープルカートリッジ6224のアイコン、ステープルカートリッジ6224のサイズ6226(例えば、60mm)、及びエンドエフェクタのナイフ6228の現在の位置のアイコンなどの、エンドエフェクタ6218のアイコンを表示する。
【0261】
別の態様では、器具235に位置するディスプレイ237は、外科用ハブ206への器具235の無線又は有線アタッチメント、及び外科用ハブ206における器具の通信/記録を表示する。設定が器具235において提供され得、ユーザが、ディスプレイを両方の監視装置にミラーリングするか又は拡張するかを選択することを可能にし得る。器具制御は、器具上で調達されている情報の外科用ハブディスプレイと相互作用するために使用され得る。上で考察されたように、器具235は、外科用ハブ206と無線で通信するための無線通信回路を備え得る。
【0262】
別の態様では、外科用ハブ206に結合された第1の器具は、外科用ハブ206に結合された第2の器具のスクリーンにペアリングすることができ、両方の器具が一次ディスプレイの部分の両方の適切なミラーの2つの装置から情報のいくつかのハイブリッドの組み合わせを表示すること可能にする。更に別の態様では、外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200は、付帯構造を避けるために、手術部位6208の360°合成上部視覚ビューを提供する。例えば、エンドエフェクタ外科用ステープラの二次ディスプレイは、現在の視界6206内の領域の周囲のよりよい視点を提供するために、外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200内に、又は別のディスプレイに提供され得る。これらの態様は、図38図40に関連して本明細書の以下で説明される。
【0263】
図38図40は、エンドエフェクタ6234の複数の視点のビューを提供して上からの俯瞰視界の合成撮像を可能にするために、2つ又は3つ以上の撮像アレイ又は1つのアレイ及び時間を使用してマッピングされた外科用ステープラのエンドエフェクタ6234部分の合成俯瞰ビューを示す。本明細書で説明される技術は、超音波器具、電気外科用器具、超音波/電気外科用器具の組み合わせ、及び/又は外科用ステープラ/電気外科用器具の組み合わせに適用され得る。単一のディスプレイ上に目下の合成画像を提示するために複数の画像/テキストソースから画像及び/又はテキストをオーバーレイ又は拡張するためのいくつかの技術は、図45図53及び図63図67に関連して本明細書の以下で説明される。
【0264】
図38は、本開示の一態様による、外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200を示す。一次ウィンドウ6230は、スクリーンの中心に位置し、外科用視界6232の拡大又は分解の狭い角度の視界を示す。スクリーンの中心に位置する一次ウィンドウ6230は、血管6236を把持する外科用ステープラのエンドエフェクタ6234の拡大又は狭い角度の視界を示す。一次ウィンドウ6230は、結合画像を表示して、外科用視界6232に隣接した構造の可視化を可能にする合成画像を生成する。第2のウィンドウ6240は、一次ディスプレイ6200の左下角に示される。第2のウィンドウ6240は、俯瞰ビューで、一次ウィンドウ6230に示される画像の標準的な焦点で、広い角度の視界の結合画像を表示する。第2のウィンドウ6240に提供される俯瞰ビューは、見る人が、ラパロスコープ又は外科用ハブ206の撮像モジュール238に結合された他の撮像装置239を移動させることなく、狭いフィールドの外科用視界6232の外にあるアイテムを容易に見ることを可能にする。第3のウィンドウ6242は、一次ディスプレイ6200の右下角に示され、エンドエフェクタ6234のステープルカートリッジ(例えば、この例におけるステープルカートリッジ)を表すアイコン6244、並びにステープル列6246の数を示す「4列」及びステープルカートリッジの長さに沿ってナイフによって横断される距離6248を示す「35mm」などの追加情報を示す。第3のウィンドウ6242よりも下に、クランプ安定化を示すクランプ安定化シーケンス6250(図39)の現在の状態のフレームのアイコン6258が表示される。
【0265】
図39は、本開示の一態様による、5秒の期間におけるクランプ安定化シーケンス6250を示す。クランプ安定化シーケンス6250は、患者の匿名性を保護するために擬似リアルタイムであり得るリアルタイム6266(例えば、09:35:10)を提供することに加えて、1秒間隔6268で離間した断続的なディスプレイ6252、6254、6256、6258、6260で5秒の期間において示される。断続的なディスプレイ6252、6254、6256、6258、6260は、クランプ安定化期間が完了するまで、円内で埋まることによって経過したことを示す。そのポイントで、最後のディスプレイ6260は、ソリッドカラーで示される。エンドエフェクタ6234が血管6236をクランプした後のクランプ安定化は、よりよい封止の形成を可能にする。
【0266】
図40は、本開示の一態様による、処置中の4つの別個の時間での手術部位の4つの別個の広い角度の視界の画像6272、6274、6276、6278の図6270を示す。画像のシーケンスは、経時的な広い焦点及び狭い焦点における俯瞰合成画像の作成を示す。第1の画像6272は、前の時刻t(例えば、09:35:09)に撮られた血管6236をクランプするエンドエフェクタ6234の広い角度の視界である。第2の画像6274は、現在の時刻t(例えば、09:35:13)に撮られた血管6236をクランプするエンドエフェクタ6234の別の広い角度の視界である。第3の画像6276は、現在の時点tに撮られた血管6236をクランプするエンドエフェクタ6234の俯瞰ビューの合成画像である。第3の画像6276は、図38に示される外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200の第2のウィンドウ6240において表示される。第4の画像6278は、現在の時刻t(例えば、09:35:13)に血管6236をクランプするエンドエフェクタ6234の狭い角度の視界である。第4の画像6278は、図38に示される外科用ハブ206の一次ディスプレイ6200の一次ウィンドウ6230に示される手術部位の狭い角度の視界である。
【0267】
エンドエフェクタの効率的な使用に必要な器具固有データの表示
一態様では、本開示は、外科用ステープラなどの外科用器具の効率的な使用に必要な器具固有データの外科用ハブディスプレイを提供する。本明細書で説明される技術は、超音波器具、電気外科用器具、超音波/電気外科用器具の組み合わせ、及び/又は外科用ステープラ/電気外科用器具の組み合わせに適用され得る。一態様では、組織特性に基づくクランプ時間インジケータがディスプレイ上に示される。別の態様では、図37図40に関連して示され説明されるように、360°合成上部視覚ビューが、付帯構造を避けるためにディスプレイ上に示され、参照により本明細書に組み込まれ、開示の簡潔性及び明確性のために、図37図40の説明をここでは繰り返さない。
【0268】
一態様では、本開示は、組織クリープの表示を提供して、組織内圧縮/組織安定性データをユーザに提供し、次の器具動作をいつ行うかの適切な選択をユーザが行うようにガイドする。一態様では、アルゴリズムは、組織の粘弾性応答に関連する漸進的時間ベースのフィードバックシステムの一定の前進を計算する。これらの態様及び他の態様は本明細書の以下で説明される。
【0269】
図41は、本開示の一態様による、2つの組織種類についての組織クリープクランプ安定化曲線6282、6284のグラフ6280である。クランプ安定化曲線6284、6284は、時間の関数として力-閉(FTC)としてプロットされ、ここで、FTC(N)は縦軸に沿って表示され、時間t(秒)は横軸に沿って表示される。FTCは、組織上でクランプアームを閉じるために及ぼされる力の量である。第1のクランプ安定化曲線6282は、胃組織を表し、第2のクランプ安定化曲線6284は、肺組織を表す。一態様では、縦軸に沿ったFTCは、0~180Nで目盛があり、横軸は0~5秒で目盛がある。(例えば、図39に示すような)5秒のクランプ安定化期間において異なるプロファイルとしてのFTCが示される。
【0270】
第1のクランプ安定化曲線6282を参照すると、胃組織がエンドエフェクタ6234によってクランプされると、エンドエフェクタ6234によって適用される力-閉(FTC)は、0Nから1秒後までに180Nまでのピークの力-閉まで増加する。エンドエフェクタ6234が胃組織をクランプしたままである間、組織のクリープにより、時間の経過と共に、力-閉が減衰し、150Nまでに安定化する。
【0271】
同様に、第2のクランプ安定化曲線6284を参照すると、肺組織がエンドエフェクタ6234によってクランプされると、エンドエフェクタ6234によって適用される力-閉は、0Nからちょうど1秒未満までに90Nまでのピークの力-閉まで増加する。エンドエフェクタ6234が肺組織をクランプしたままである間、組織のクリープにより、時間の経過と共に、力-閉が減衰し、60Nまでに安定化する。
【0272】
エンドエフェクタ6234クランプ安定化は、図38図40に関連して上述したように監視され、クランプされた組織の状態に関するユーザフィードバックを提供するために、力-閉のサンプリング時間t、t、t、t、tに対応して、毎秒表示される。図41は、5秒の期間において力-閉を毎秒サンプリングすることによって、肺組織についての組織安定化を監視する実施例を示す。各サンプ時間t、t、t、t、tにおいて、器具235又は外科用ハブ206は、対応するベクトル接線6288、6292、6294、6298、6302を第2のクランプ安定化曲線6284に対して計算する。ベクトル接線6288、6292、6294、6298、6302は、組織のクリープが完了して組織が封止及び切断される準備ができていることを示す閾値よりも下にその傾きが低下するまで監視される。図41に示すように、肺組織は、5秒のクランプ安定化期間後までに封止及び切断される準備ができており、ここで、中実の灰色の円がサンプル時間6300で示される。示すように、ベクトル接線6302は、所定の閾値未満である。
【0273】
クランプ安定化曲線6284に対するベクトル接線6288、6292、6294、6298、6302の等式は、例えば、微分計算法を使用して計算され得る。一態様では、クランプ安定化曲線6284上の所与のポイントで、曲線6284の勾配は、曲線6284に対する接線の勾配に等しい。導関数(又は勾配関数)は、曲線6284上の任意のポイントにおける曲線6284の勾配を表す。同様に、それはまた、曲線6284上の任意のポイントにおける曲線6284に対する接線の勾配を表す。曲線6284に対する法線は、任意の所与のポイントにおいて曲線6284に対する接線に垂直な線である。曲線に対する接線の等式を判定するために、微分規則を使用して導関数を見出す。所与のポイントのx座標(独立変数)を導関数に代入して、接線の勾配を計算する。接線の勾配及び所与のポイントの座標を、直線方程式の適切な形式に代入する。y座標(従属変数)を数式の対象にする。
【0274】
図42は、本開示の一態様による、クランプ力安定化曲線の時間依存性比例充填のグラフ6310である。グラフ6310は、標準的な厚い胃組織、薄い胃組織、及び標準的な肺組織についてのクランプ安定化曲線6312、6314、6316を含む。縦軸は、0~240Nで目盛のあるFTC(N)を表し、横軸は、0~15秒で目盛のある時間t(秒)を表す。示すように、標準的な厚い胃組織曲線6316は、デフォルトの力減衰安定性曲線である。3つの全てのクランプ安定化曲線6312、6314、6316FTCプロファイルは、組織のクランプ後すぐに最大の力に達し、そして、FTCは、組織の粘弾性応答により最終的に安定化するまで時間の経過と共に減少する。示されるように、標準的な肺組織クランプ安定化曲線6312は、5秒までの期間の後に安定化し、薄い胃組織クランプ安定化曲線6314は、10秒までの期間の後に安定化し、厚い胃組織クランプ安定化曲線6316は、15秒までの期間の後に安定化する。
【0275】
図43は、本開示の一態様による、クランプ力安定化曲線6322における組織クリープの役割のグラフ6320である。縦軸は、力-閉FTC(N)を表し、横軸は時間t(秒)を表す。ベクトル接線角度dθ、dθ...dθは、各力-閉サンプリング(t、t、t、t、tなど)時間で測定される。ベクトル接線角度dθは、組織がクリープ安定性に達したことを示すクリープ終了閾値に組織が達したときを判定するために使用される。
【0276】
図44A及び図44Bは、本開示の一態様による、クランプされた組織がクリープ安定性に達したときを判定するための2つのグラフ6330、6340を示す。図44Aのグラフ6330は、時間の関数としてベクトル接線角度dθを表す曲線6332を示す。ベクトル接線角度dθは、図43で考察されたように計算される。横線6334は、組織クリープ終了閾値である。組織クリープは、ベクトル接線角度dθ曲線6332と組織クリープ終了閾値6334との交差部分6336で安定であると見なされる。図44Bのグラフ6340は、時間の関数としてΔFTCを表すΔFTC曲線6342を示す。ΔFTC曲線6342は、100%完全な組織クリープ安定性メータへの閾値6344を示す。組織クリープは、ΔFTC曲線6342と閾値6344との交差部分6346で安定であると見なされる。
【0277】
通信技術
外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11、具体的には図9図10を参照して、様々な態様では、本開示は、器具235又は他のモジュールと外科用ハブ206との間で情報を交換するための通信技術を提供する。一態様では、通信技術は、外科用ハブディスプレイ215、217上に提示される画像のペリメータ内及び周囲での、データのスクリーンオーバーレイなどの、ラパロスコープ画像上に器具状態及び分析を配置するための画像融合を含む。別の態様では、通信技術は、中間近距離無線(例えば、Bluetooth)信号を画像と組み合わせることを含み、別の態様では、通信技術は、要求されたペアリングのセキュリティ及び識別を適用することを含む。更に別の態様では、通信技術は、オーバーレイの必要性を回避するが、表示された情報をビューの周辺でカスタマイズすることを可能にする音声及び視覚的情報と共にハブに結合する、外科医によって着用される独立したインタラクティブヘッドセットを含む。これらの通信技術の各々を本明細書の以下で考察する。
【0278】
表示された画像のペリメータ内及び周囲でのデータのスクリーンオーバーレイ
一態様では、本開示は、装置の状態のオーバーレイを可能にする画像融合、いくつかの画像を結合するために使用される統合ランドマーク、及び少なくとも1つのガイダンス機構を提供する。別の態様では、本開示は、表示された画像のペリメータ内及び周囲のデータのスクリーンオーバーレイのための技術を提供する。放射線透過の統合は、ライブの内部感知及び前処置オーバーレイのために採用され得る。1つのソースの画像融合は、別のソースの上に重なり合い得る。画像融合は、医療用撮像装置(例えば、ラパロスコープ、内視鏡、胸腔鏡など)画像上に器具状態及び分析を配置するために採用され得る。画像融合は、装置又は器具の状態のオーバーレイ、いくつかの画像を結合するための統合ランドマーク、及び少なくとも1つのガイダンス機構を可能にする。
【0279】
図45は、表示された要素を識別するデータ6354、6356、6358で増強された術前ビデオ画像6352を備える増強ビデオ画像6350の実施例を示す。増強現実視覚システムは、術前画像6352上にデータを増強させるための方法を実装するために、外科処置において採用され得る。この方法は、患者の解剖セクションの術前画像6352を生成すること、及び患者内の手術部位の増強ビデオ画像を生成することを含む。増強ビデオ画像6350は、ユーザ6456によって操作される外科用ツール6354の少なくとも一部分の画像を含む。この方法は、患者の解剖セクションについてのデータを生成するために術前画像6352を処理することを更に含む。データは、解剖セクションについてのラベル6358、及び解剖セクションの少なくとも一部分の周辺マージンを含む。周辺マージンは、解剖セクションに対する切断位置に外科医をガイドするように構成されており、術前画像6350内にユーザ6356のデータ及び識別情報を埋め込み、増強ビデオ画像6350を患者の解剖セクションの周囲でユーザに表示する。本方法は、外科用ツール6354の負荷状態を感知することと、感知された負荷状態に基づいてフィードバック信号を生成することと、増強ビデオ画像6350内の外科用ツール6354の位置の変化に応答して増強ビデオ画像6350内に埋め込まれた外科用ツール6354を操作するユーザの識別情報のデータ及び位置をリアルタイムで更新することとを更に含む。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月1日発行の「APPARATUS AND METHOD FOR USING AUGMENTED REALITY VISION SYSTEM IN SURGICAL PROCEDURES」と題する米国特許第9,123,155号に開示されている。
【0280】
別の態様では、放射線透過の統合技術が、ライブ内部感知又は前処置技術を通じて得られたデータに術前画像6352をオーバーレイするために採用され得る。放射線透過の統合は、外科用ランドマーク、患者の内側又は外側に配置される放射線透過のマーカーを使用するマーカー及びランドマーク識別、放射性不透明ステープル、クリップ、又は他の組織固定アイテムの識別を含み得る。デジタル放射線法技術が、術前画像6352にオーバーレイするためのデジタル画像を生成するために採用され得る。デジタル放射線法は、従来の写真用フィルムの代わりにデジタルX線センサを備えたデジタル画像キャップチャ装置を採用するX線撮像の形態である。デジタル放射線法技術は、術前画像6352にオーバーレイするための即時画像プレビュー及び有用性を提供する。更に、画像の全体的な表示品質を向上させるために、デジタルX線画像に特別な画像処理技術を適用することができる。
【0281】
デジタル放射線法技術は、間接FPD及び直接FPDの2つのメインカテゴリに分類されるフラットパネル検出器(flat panel detector、FPD)を含む画像検出器を採用する。間接FPDは、ヨウ化セシウム(cesium iodide、CsI)又はガドリニウムオキシスルフィド(gadolinium oxy-sulfide、Gd2O2S)から作製され、X線を光に変換する、検出器の外層内のシンチレータと組み合わされた非晶質シリコン(amorphous silicon、a-Si)を含む。光は、それがデジタル出力信号に変換されるa-Siフォトダイオード層を通じて通る。次いで、デジタル信号は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)又はファイバ結合の電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)によって読み取られる。直接FPDは、X線光子を直接電荷に変換する非晶質セレン(amorphous selenium、a-Se)FPDを含む。この設計におけるフラットパネルの外層は、典型的には高電圧バイアス電極である。X線光子は、a-Seにおいて電子ホールペアを形成し、これらの電子及びホールの移動は、バイアス電圧電荷の電位に依存する。ホールが電子で置換されると、セレン層内の、結果として得られる電荷パターンは、TFTアレイ、アクティブマトリックスアレイ、エレクトロメータプローブ、又はマイクロプラズマラインアドレシングによって読み取られる。他の直接デジタル検出器は、CMOS及びCCD技術に基づく。蛍光体検出器はまた、露光中にX線エネルギーを記録するために採用され得、レーザダイオードによってスキャンされて、CCDのデジタル画像キャップチャアレイによって解放され読み取られる蓄積エネルギーを励起する。
【0282】
図46は、本開示の一態様による、画像を表示するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図6360である。外科用ハブ106、206を含むインタラクティブ外科システム100環境との相互作用を示すために図1図11を参照して、本開示は、プロセッサ244及びプロセッサ244に結合されたメモリ249を備える外科用ハブ206を提供する。メモリ249は、第1の画像データを第1の画像センサから受信し(6362)、第2の画像データを第2の画像センサから受信し(6364)、外科用ハブ206に結合されたディスプレイ217上に、第1の視界に対応する第1の画像及び第2の視界に対応する第2の画像を表示する(6366)ように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。第1の画像データは第1の視界を表し、第2の画像データは第2の視界を表す。
【0283】
一態様では、第1の視界は狭い角度の視界であり、第2の視界は広い角度の視界である。別の態様では、メモリ249は、ディスプレイ上で第1の画像を第2の画像で増強するように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。別の態様では、メモリ249は、第1の画像及び第2の画像を第3の画像へ融合し、ディスプレイ217上に融合画像を表示するように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。別の態様では、融合画像データは、外科用装置235と関連する状態情報、複数の画像を結合するための画像データ統合ランドマーク、及び少なくとも1つのガイダンスパラメータを備える。別の態様では、第1の画像センサは同じ画像センサと同じであり、第1の画像データは第1の時間としてキャプチャされ、第2の画像データは第2の時間でキャプチャされる。
【0284】
別の態様では、メモリ249は、第3の視界を表す第3の画像データを第3の画像センサから受信し、第2及び第3の画像データを備える合成画像データを生成し、第1の画像データに対応する第1の画像をディスプレイの第1のウィンドウにおいて表示し、合成画像データに対応する第3の画像をディスプレイ215の第2のウィンドウにおいて表示するように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。
【0285】
別の態様では、メモリ249は、第3の視界を表す第3の画像データを第3の画像センサから受信し、第2及び第3の画像データを融合して融合画像データを生成し、第1の画像データに対応する第1の画像をディスプレイ217の第1のウィンドウにおいて表示し、合成画像データに対応する第3の画像をディスプレイ217の第2のウィンドウにおいて表示するように、プロセッサ244によって実行可能な命令を記憶している。
【0286】
中間近距離無線(例えば、Bluetooth)信号コンバイナ
中間近距離無線、例えばBluetooth信号コンバイナは、モニタの通信経路内に配置された無線ヘッドアップディスプレイアダプタをラパロスコープコンソールに備え得、外科用ハブがスクリーン上へデータをオーバーレイすることを可能にする。要求されたペアリングのセキュリティ及び識別は、通信技術を増強し得る。
【0287】
図47は、本開示の一態様による、撮像モジュール238と外科用ハブディスプレイ217との間の通信経路内に位置付けられた中間信号コンバイナ6372を備える通信システム6370を示す。信号コンバイナ6372は、近距離無線又は有線信号の形態で撮像モジュール238から画像データを受信する。信号コンバイナ6372はまた、音声及び画像データをヘッドセット6374から受信し、撮像モジュール238からの画像データをヘッドセット6374からの音声及び画像データと組み合わせる。外科用ハブ206は、組み合わされたデータをコンバイナ6372から受信し、ディスプレイ217に提供されるデータをオーバーレイし、ディスプレイ217において、オーバーレイされたデータが表示される。信号コンバイナ6372は、有線又は無線信号を介して外科用ハブ206と通信し得る。ヘッドセット6374は、ヘッドセット6374に結合された撮像装置6376から画像データを受信し、ヘッドセット6374に結合された音声装置6378から音声データを受信する。撮像装置6376は、デジタルビデオカメラであり得、音声装置6378はマイクロフォンであり得る。一態様では、信号コンバイナ6372は、中間近距離無線、例えばBluetooth信号コンバイナであり得る。信号コンバイナ6374は、ディスプレイ217の通信経路内に配置されたヘッドセット6374に結合するための無線ヘッドアップディスプレイアダプタをコンソールに備えて、外科用ハブ206がディスプレイ217のスクリーン上へデータをオーバーレイすることを可能にし得る。要求されたペアリングのセキュリティ及び識別は、通信技術を増強し得る。撮像モジュール238は、例えば、内視鏡239、ラパロスコープなどの様々な撮像装置に結合され得る。
【0288】
独立したインタラクティブヘッドセット
図48は、本開示の一態様による、データを外科用ハブに通信するための外科医6382によって着用された独立したインタラクティブヘッドセット6380を示す。独立したインタラクティブヘッドセット6380の周辺情報は、アクティブビデオを含まない。むしろ、周辺情報は、装置設定、又はリフレッシュレートの同じ要求を有しない信号のみを含む。相互作用は、術前コンピュータ断層撮影(Computerized Tomography、CT)又は外科用ハブ206に結合された他のデータとの結合に基づいて、外科医6382の情報を増強し得る。独立したインタラクティブヘッドセット6380は、構造を識別する、例えば、器具が神経、血管、又は癒着に触れているかどうかを問うことができる。独立したインタラクティブヘッドセット6380は、術前スキャンデータ、光学ビュー、処置全体を通して取得された組織呼掛け特性、及び/又は応答を提供するために使用される外科用ハブ206における処理を含み得る。外科医6382は、後でレポート又は追跡に使用するためにハブ記憶装置248内の患者データと共に保存するように、独立したインタラクティブヘッドセット6380に注記を指示することができる。
【0289】
一態様では、外科医6382によって着用された独立したインタラクティブヘッドセット6380は、オーバーレイの必要性を回避するために音声及び視覚的情報と共に外科用ハブ206に結合し、表示された情報をビューの周辺でカスタマイズすることを可能にする。独立したインタラクティブヘッドセット6380は、装置(例えば、器具)からの信号、装置設定についての応答クエリ、又は四半部若しくは位置を識別するためにビデオと結合した位置情報を提供する。独立したインタラクティブヘッドセット6380は、ヘッドセット6380からの音声制御及び音声フィードバックを有する。独立したインタラクティブヘッドセット6380は、依然として、手術室(例えば、手術室)内の全ての他のシステムと相互作用することができ、外科医6382が見ることができるところならどこでも入手可能なフィードバック及び相互作用を有する。
【0290】
識別及び使用記録
一態様では、本開示は、再装填の確実性の表示、モジュール式構成要素、又は装填ユニットを提供する。図49は、装置6392の使用を制御するための方法6390を示す。装置6392は、エネルギー源6394に接続される。装置6392は、記憶装置6398及び通信6400装置を含むメモリ装置6396を含む。記憶装置6398は、ロックされたデータ6404又はロックされていないデータ6406であり得るデータ6402を含む。更に、記憶装置6398は、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check、CRC)値などのエラー検出コード6408及び滅菌インジケータ6410を含む。エネルギー源6394は、リーダー6412、ディスプレイ6414、プロセッサ6416、及びエネルギー源6394をネットワーク6420に結合するデータポート6418を含む。ネットワーク6420は、中央データベース6424に結合された中央サーバ6422に結合されている。ネットワーク6420はまた、再処理施設6426に結合されている。再処理施設6426は、再処理データリーダー/ライター6428及び滅菌装置6430を含む。
【0291】
本方法は、装置をエネルギー源6394に接続することを備える。データは、装置6392に組み込まれたメモリ装置6396から読み取られる。データは、固有識別子(Unique Identifier、UID)、使用値、起動値、再処理値、又は滅菌インジケータのうちの1つ又は2つ以上を含む。使用値は、装置6392がエネルギー源6394に接続されるときに増加する。起動値は、装置6392を起動してエネルギーがエネルギー源6394から装置6392のエネルギー消費構成要素へと流れることを可能にするときに増加する。UIDが禁止UIDのリストにある場合、使用値が使用制限値以上である場合、再処理値が再処理制限値に等しい場合、起動値が起動制限値に等しい場合、及び/又は滅菌インジケータが装置がその前の使用から滅菌されたことを示さない場合、装置6392の使用を防ぎ得る。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR USING RFID TAGS TO DETERMINE STERILIZATION OF DEVICES」と題する2015年11月5日公開の米国特許出願公開第2015/0317899号に開示されている。
【0292】
図50は、本開示による外科システム6500を提供し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク6518又はクラウドネットワーク6520を通じてコンソール6522又はポータブル装置6526と通信する外科用器具6502を含む。様々な態様では、コンソール6522及びポータブル装置6526は、任意の好適なコンピューティング装置であり得る。外科用器具6502は、ハンドル6504、アダプタ6508、及び装填ユニット6514を備える。アダプタ6508は、ハンドル6504に解除可能に結合され、装填ユニット6514は、アダプタ6508が駆動シャフトから装填ユニット6514に力を伝達するようにアダプタ6508に解除可能に結合する。アダプタ6508又は装填ユニット6514は、装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するために内部に配設されたフォースゲージ(明示的に示されていない)を含み得る。装填ユニット6514は、第1のジョー6532及び第2のジョー6534を有するエンドエフェクタ6530を含む。装填ユニット6514は、装填ユニット6514を再装填するために手術部位から装填ユニット6514が取り外されることを必要とせずに、臨床医が複数の締結具を複数回発射することを可能にする、インサイチュー装填又は複数発射装填ユニット(multi-firing loading unit、MFLU)であり得る。
【0293】
第1及び第2のジョー6532、6534は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通じて締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成されている。第1のジョー6532は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成され得、又は交換される前に1回よりも多く発射され得る複数の締結具(例えば、ステープル、クリップなど)を含む交換可能な複数発射締結具カートリッジを含むように構成され得る。第2のジョー6534は、締結具が複数発射締結具カートリッジから射出されると、締結具を組織周囲で変形させるか、別の方法で固定するアンビルを含み得る。
【0294】
ハンドル6504は、駆動シャフトの回転に影響を与えるための駆動シャフトに結合されたモータを含む。ハンドル6504は、モータを選択的に起動するための制御インターフェースを含む。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及びモータを起動するために臨床医が関与し得る任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含み得る。
【0295】
ハンドル6504の制御インターフェースは、ハンドル6504のコントローラ6528と通信して、駆動シャフトの回転に影響を与えるためにモータを選択的に起動する。コントローラ6528は、ハンドル6504内に配設され、制御インターフェースからの入力及びアダプタ6508からのアダプタデータ又は装填ユニット6514からの装填ユニットデータを受信するように構成されている。コントローラ6528は、モータを選択的に起動するために、制御インターフェースからの入力及びアダプタ6508及び/又は装填ユニット6514から受信されたデータを分析する。ハンドル6504はまた、ハンドル6504の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含み得る。ディスプレイは、器具6502の発射前、発射中、又は発射後にアダプタ又は装填ユニットデータの一部を表示するように構成されている。
【0296】
アダプタ6508は、内部に配設されたアダプタ識別装置6510を含み、装填ユニット6514は、内部に配設された装填ユニット識別装置6516を含む。アダプタ識別装置6510は、コントローラ6528と通信し、装填ユニット識別装置6516はコントローラ6528と通信する。装填ユニット識別装置6516は、装填ユニット識別装置6516からコントローラ6528への通信をリレー又は通過させるアダプタ識別装置6510と通信し得ることが理解されるであろう。
【0297】
アダプタ6508はまた、(例えば、アダプタ6508が装填ユニットに接続されている場合、アダプタ6508がハンドルに接続されている場合、駆動シャフトが回転している場合、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ6508内の温度、アダプタ6508の発射の回数、発射中のアダプタ6508のピークの力、アダプタ6508に適用される力の合計量、アダプタ6508のピークの収縮力、発射中のアダプタ6508の停止の回数など)アダプタ6508又は環境の様々な状態を検出するためのその周囲に配設された複数のセンサ6512(1つが示される)を含み得る。複数のセンサ6512は、データ信号の形態でアダプタ識別装置6510への入力を提供する。複数のセンサ6512のデータ信号は、アダプタ識別装置6510内に記憶され得、アダプタ識別装置6510内に記憶されるアダプタデータを更新するために使用され得る。複数のセンサ6512のデータ信号は、アナログ又はデジタルであり得る。複数のセンサ6512は、発射中に装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するためのフォースゲージを含み得る。
【0298】
ハンドル6504及びアダプタ6508は、アダプタ識別装置6510及び装填ユニット識別装置6516を電気インターフェースを介してコントローラ6528と相互接続するように構成されている。電気インターフェースは、直接的な電気インターフェースであり得る(すなわち、電気接点を含み、その間でエネルギー及び信号を送信するために互いに関与し得る)。更に又はあるいは、電気インターフェースは、その間にエネルギー及び信号を無線送信する(例えば、誘導的に転送する)ための非接触電気インターフェースであり得る。アダプタ識別装置6510及びコントローラ6528が、電気インターフェースとは別個の無線接続を介して互いに無線通信し得ることも想到される。
【0299】
ハンドル6504は、コントローラ6528からシステム6500の他の構成要素(例えば、LAN6518、クラウド6520、コンソール6522、又はポータブル装置6526)へ器具データを送信するように構成された送信機6506を含む。送信機6506はまた、システム6500の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信し得る。例えば、コントローラ6528は、ハンドル6504に取り付けられた取付アダプタ(例えば、アダプタ6508)のシリアル番号、アダプタに取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット6514)のシリアル番号、及び装填ユニット内へ装填された複数発射締結具カートリッジ(例えば、複数発射締結具カートリッジ)のシリアル番号を含む器具データをコンソール6528へ送信し得る。その後、コンソール6522は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタとそれぞれ関連するデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ6528へ戻して送信し得る。コントローラ6528は、メッセージをローカル器具ディスプレイ上に表示するか、又はディスプレイ6524若しくはポータブル装置スクリーン上にメッセージをそれぞれ表示するために、送信機6506を介して、コンソール6522若しくはポータブル装置6526へメッセージを送信することができる。
【0300】
多機能外科用制御システム及びスイッチングインターフェース
撮像装置の言語制御について
図51は、言語AESOPカメラ位置決めシステムを示す。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2006年8月29日発行の「MULTI-FUNCTIONAL SURGICAL CONTROL SYSTEM AND SWITCHING INTERFACE」と題する米国特許第7,097,640号に開示されている。図51は、図1図11に関連して説明される、外科用ハブ206に結合され得る外科システム6550を示す。システム6550は、外科医が単一の入力装置6560から多数の異なる外科用装置6552、6554、6556、及び6558を動作させることを可能にする。単一の入力装置を提供することにより、様々な装置を操作する複雑性が低減され、外科医によって実行される外科処置の効率が改善する。システム6550は、言語コマンドを使用してカメラ又は内視鏡などの撮像装置についての位置決めシステムを動作させるように適合及び構成され得る。
【0301】
外科用装置6552は、外科用器具を保持して移動させることができるロボットアームであり得る。アーム6552は、カリフォルニア州ゴリータのComputer Motion,Inc.により、Automated Endoscopic System for Optimal Positioningの頭字語である商標AESOPの下、販売されているものなどの装置であり得る。アーム6552は、一般的に、患者内で内視鏡を保持して移動させるために使用される。システム6550は、外科医が入力装置6560を通じてロボットアーム6552の動作を制御することを可能にする。
【0302】
外科用装置6554は、電気焼灼装置であり得る。電気焼灼装置は、典型的には、組織を加熱及び変性させる電流を運ぶ双極先端を有する。装置は、典型的には、装置を起動して組織を加熱するためのオンオフスイッチに結合されている。電気焼灼装置はまた、その出力を変化させるための制御信号を受信し得る。システム6550は、外科医が入力装置6560を通じて電気焼灼装置の動作を制御することを可能にする。
【0303】
外科用装置6556は、レーザであり得る。レーザ6556は、オンオフスイッチを通じて起動し得る。更に、レーザ6556の電力は、制御信号によって制御され得る。システム6550は、外科医が入力装置6560を通じてレーザ6556の動作を制御することを可能にする。
【0304】
装置6558は、手術台であり得る。手術台6558は、台の位置を調整するモータ及び機構を含み得る。本発明は、外科医が入力装置6560を通じて台6558の位置を制御することを可能にする。4つの外科用装置6552、6554、6556、及び6558が説明されているが、手術室内の他の機能が入力装置6560を通じて制御され得ることを理解されたい。例示として、システム6560は、外科医が入力装置6560を通じて手術室の照明及び温度を制御することを可能にし得る。
【0305】
入力装置6560は、外科医によって押され得る複数のボタン6562、6564、6565、6566、及び6568を有するフットペダルであり得る。各ボタンは、典型的には、外科用装置の特定の制御コマンドと関連する。例えば、入力装置6560がロボットアーム6552を制御するとき、ボタン6562を押すことによって、アームを一方向に移動させ得、ボタン6566を押すことによって、アームを反対方向に移動させ得る。同様に、電気焼灼装置6554又はレーザ6556が入力装置6560に結合されると、ボタン6568を押すことによって、装置等々にエネルギー印加し得る。フットペダルが示され説明されているが、入力装置6560が、ハンドコントローラ、外科医から音声コマンドを受け入れる音声インターフェース、カンチレバーペダル、又は外科用装置制御の技術分野において周知であり得る他の入力装置であり得ることを理解されたい。音声インターフェースを使用して、外科医は、言語コマンドを使用してロボットアーム6552に接続されたカメラ又は内視鏡を位置付けることができる。カメラ又は内視鏡などの撮像装置は、システム6550を通じて言語コマンドを使用して制御されるロボットアーム6552位置決めシステムに結合され得る。
【0306】
システム6550は、入力装置6560を外科用装置6552、6554、6556、及び6558に結合するスイッチングインターフェース6570を有する。インターフェース6570は、バス6574によって入力装置6560に接続される入力チャネル6572を有する。インターフェース6570はまた、バス6584、6586、6588、6590、6624、6626、6628によって外科用装置に結合されており、それらとで及びそれらとの間で電気通信して配設されたアダプタ又はコントローラを有し得る複数の出力チャネル6576、6578、6580、及び6582を有する。このようなアダプタ及びコントローラは、本明細書の以下でより詳細に考察される。
【0307】
各装置6552、6554、6556、6558は、適切な動作のために特別に構成された制御信号を必要とし得るため、アダプタ6620、6622、又はコントローラ6618は、特定の出力チャネルと特定の外科用装置との中間に配置されて電気通信し得る。ロボットアームシステム6552の場合、アダプタは必要ではなく、したがって、ロボットアームシステム6552は、特定の出力チャネルと直接接続され得る。インターフェース6570は、入力チャネル6572を出力チャネル6576、6578、6580、及び6582のうちの1つに結合する。
【0308】
インターフェース6570は選択チャネル6592を有し、選択チャネル6592は、入力装置6560が外科用装置のいずれかを制御することができるように、入力チャネル6572を異なる出力チャネル6576、6578、6580、又は6582に切り替えることができる。インターフェース6570は、集積回路として構成されてASIC上に配置されたマルチプレクサ回路であり得る。あるいは、インターフェース6570は、論理回路によって選択チャネルに結合された複数のソレノイド起動リレーであり得る。インターフェース6570は、選択チャネル6592に適用された入力信号又はスイッチング信号に応答して、特定の出力チャネルに切り替える。
【0309】
図51に示すように、選択チャネル6592へのいくつかの入力が存在し得る。このような入力は、フットペダル6560、音声インターフェース6600、及びCPU6662から始まる。インターフェース6570は、1つのスイッチング信号のみが任意の1つの時点で選択チャネル6592で受信され得るように多重化ユニットを有し得、したがって、実質的なハードウェアが競合しないことを確実にし得る。入力装置の優先順位付けは、フットペダルが最も高い優先度を有し、続いて音声インターフェース及びCPUを有するように構成され得る。これは、例えば、最も効率的なシステムを確実にするために優先順位付けスキームを採用し得るように意図される。このような他の優先順位付けスキームを採用し得る。選択チャネル6592は、スイッチング信号が選択チャネル6592に提供される度に、入力チャネルを出力チャネルのうちの1つに順次接続し得る。あるいは、選択チャネル6592は、選択チャネル6592にアドレスが提供されるときに、インターフェース6570が入力チャネルを特定の出力チャネルに接続するようにアドレス指定可能であり得る。このようなアドレス指定は、電気スイッチの技術分野において既知である。
【0310】
選択チャネル6592は、ライン6594によってフットペダル6560上の専用ボタン6596に接続され得る。外科医は、ボタン6596を押すことによって外科用装置を切り替えることができる。あるいは、選択チャネル6592は、ライン6598によって音声インターフェース6600に結合され得、これにより、外科医が音声コマンドを用いて外科用装置を切り替え得る。
【0311】
システム6550は、入力装置6560からインターフェース6570及びバス6585を通じて入力信号を受信する中央処理装置(CPU)6602を有し得る。CPU6602は、入力信号を受信して、不適切なコマンドがコントローラで入力されていないことを確実にすることができる。これが生じる場合、それに応じて、CPU6602は、チャネル6592を選択するように異なるスイッチング信号を送信するか、又はビデオモニタ若しくはスピーカを介して外科医に警告するかいずれかによって応答し得る。
【0312】
CPU6602はまた、バス6608上で選択チャネル6592についての出力コマンドを提供し、同じ双方向性バス6608上で音声インターフェース6600からの入力コマンドを受信することができる。CPU6602は、バス6614及び6616によってそれぞれモニタ6610及び/又はスピーカ6612に結合され得る。モニタ6610は、どの外科用装置が入力装置6560に結合されているかの視覚的表示を提供し得る。モニタはまた、音声インターフェース6600又はボタン6596のいずれかを通じて外科医によって選択され得るコマンドのメニューを提供し得る。あるいは、外科医は、グラフィックユーザインターフェースを通じてコマンドを選択することによって、外科用装置に切り替えることができる。モニタ6610はまた、特定の外科用装置6552、6554、6556、6558に送信されてCPU6602によって認識される不適切な制御信号に関する情報を提供し得る。各装置6552、6554、6556、6558は、当業者に周知の特定の適切な動作範囲を有する。したがって、CPU6602は、入力装置6560からの要求された動作が不適切であるときを認識するようにプログラムされ得、そして、モニタ6610を介して視覚的又はスピーカ6612を介して音声的のいずれかで外科医に警告する。スピーカ6612はまた、どの外科用装置が入力装置6560に結合されているかの音声表示を提供し得る。
【0313】
システム6550は、入力装置6560から入力信号を受信して手術台6558を制御するための対応する出力信号を提供するコントローラ6618を含み得る。同様に、システムは、入力装置6560とシステムに接続された特定の外科用器具との間のインターフェースを提供するアダプタ6620、6622を有し得る。
【0314】
動作中、インターフェース6570は、最初に、入力装置6560を外科用装置のうちの1つに結合する。外科医は、選択チャネル6592に提供される入力コマンドを生成することによって、異なる外科用装置を制御することができる。入力コマンドは、入力装置6560が異なる出力チャネル及び対応する外科用装置又はアダプタに結合されるように、インターフェース6570を切り替える。したがって、提供されるのは、外科医が共通の入力装置6560を通じて複数の異なる外科用装置を選択し、動作させ、制御することを可能にするインターフェース6570である。
【0315】
図52は、仮想的な手術室統合のための多機能外科用制御システム6650及びスイッチングインターフェースを示す。外科医が患者に外科処置を実行する間に手術室内の外科用装置を制御するための仮想制御システムであって、表面上に位置する制御装置の画像、及び表面上の画像との物体の接触相互作用を呼掛けるためのセンサを備え、画像との物体の接触相互作用を示す相互作用信号を送達する仮想制御装置と、仮想制御装置から相互作用信号を受信し相互作用信号に応答して制御信号を外科用装置に送達して、画像との物体の接触相互作用に応答して外科用装置を制御するように接続されたシステムコントローラとを備える、仮想制御システム。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2008年1月8日発行の「VIRTUAL OPERATING ROOM INTEGRATION」と題する米国特許第7,317,955号に開示されている。
【0316】
図52に示すように、通信リンク6674は、システムコントローラ6676と仮想制御システム6650の様々な構成要素及び機能との間で確立される。通信リンク6674は、好ましくは光路であるが、通信リンクはまた、これらの構成要素によって得られる構成要素及び機能の種類に適切であり得るように、無線周波数送信及び受信経路、ハードワイヤード電気接続、又は光、無線周波数、及びハードワイヤード接続経路の組み合わせによって形成され得る。リンク6674の端の矢印は、一次情報フローの方向を表す。
【0317】
外科用装置6652、仮想制御パネル6556、仮想フットスイッチ6654、及び患者監視装置6660との通信リンク6674は、両方向性であり、情報が、それらの構成要素及び機能を接続するリンク6674を通じて両方向に流れることを意味する。例えば、システムコントローラ6676は、仮想制御パネル6656から制御パネル画像及び仮想フットスイッチ6654からのフットスイッチ画像を形成するために使用される信号を供給する。仮想制御パネル6656及び仮想フットスイッチ6654は、投影された制御パネル画像及び投影されたフットスイッチ画像に対する外科医の指及び足の物理的相互作用を説明する情報をシステムコントローラ6676に供給する。システムコントローラ6676は、投影された画像との物理的相互作用を説明する情報に応答して、制御信号を外科用装置6652及び患者監視装置6660に供給して、物理的相互作用情報に応答してそれらの構成要素の機能を制御する。外科用装置6652及び患者監視装置6660を説明する制御、状態、及び機能情報は、システムコントローラ6676へ流れ、システムコントローラ6676によってその情報が解釈された後、提示するためのシステムディスプレイ6670、モニタ6666、及び/又はヘッドアップディスプレイ6668に送達される。
【0318】
システムコントローラ6676と、システムディスプレイ6670、ヘッドアップディスプレイ6668、モニタ6666、タグプリンタ6658、及び出力装置6664との間の通信リンク6674は、全て一方向性であり、情報が、システムコントローラ6676からそれらの構成要素及び機能へ流れることを意味する。同様に、システムコントローラ6676とスキャナ6672及び入力装置6662との間の通信リンク6674も一方向性であるが、情報は、構成要素6662、6672からシステムコントローラ6676に流れる。特定の状況下では、特定の制御及びステータス情報は、それらの構成要素の機能を制御するために、システムコントローラ6676と構成要素6658、6660、6662、6664、6666、6668、6670、6672との間で流れ得る。
【0319】
各通信リンク6674は、好ましくは、システムコントローラ6676が仮想制御システム6650の構成要素の各々と個別に通信できるように、固有の識別情報を有する。各通信リンクの固有の識別情報は、通信リンク6674の一部又は全てが光及び無線周波数通信の場合と同じ媒体を通じている場合に好ましい。各通信リンク6674の固有の識別情報は、システムコントローラ6676が構成要素及び機能の各々において、非常に迅速でほぼ同時の様態で個々の制御を行う能力を有することを保証する。各通信リンク6674の固有の識別情報は、各通信リンク6674について異なる周波数を使用することによって、又は各通信リンク6674において転送された通信と関連する固有のアドレス及び識別コードを使用することによって達成することができる。
【0320】
一態様では、本開示は、図1図11に関連して説明される外科用ハブ206とインターフェースする外科用通信及び制御ヘッドセットを提供して示す。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2009年2月19日公開の「SURGICAL COMMUNICATION AND CONTROL SYSTEM」と題する米国特許出願公開第2009/0046146号に開示されている。図53は、手術室内の装置制御機構として利用されるビームソース及び組み合わされたビーム検出器システムの図6680を示す。システム6680は、一次処置ディスプレイ上に生成されたオーバーレイで装置制御を可能にするように構成されて配線される。フットスイッチは、ユーザがスクリーン上に現れるコマンドアイコンをクリックすることを可能にする方法を示し、一方、ビームソースは、クリックされる特定の所望のコマンドアイコンをねらいとするために使用される。制御システムグラフィックユーザインターフェース(Graphic User Interface、GUI)及び装置制御プロセッサが通信して、システムを使用してパラメータが変更される。システム6680は、ビーム検出センサ6682及びヘッドマウントソース6686に結合されたディスプレイ6684を含む。ビーム検出センサ6682は、制御システムGUIオーバーレイプロセッサ及びビームソースプロセッサ6688と通信する。外科医は、フットスイッチ6692、又は装置制御インターフェースユニット6694に信号を提供する他の付属スイッチを操作する。
【0321】
システム6680は、容易かつ迅速だがハンズフリー及び集中形式で処置装置を制御するための滅菌臨床医のための手段を提供するであろう。手術の効率を最大化し、患者が麻酔下にある時間を最小化する能力は、最良の患者の結果にとって重要である。外科医、心臓病専門医又は放射線専門医は、滅菌野の外側の処置で使用される特定の医療装置及び電子機器に対して行われる調整を言語で要求することが一般的である。少し例を挙げると、カメラ、ボビー、外科用ベッド、シェーバー、吸入器、注射器などの装置の設定の必要とする調整を行うために、別のスタッフメンバーに頼る必要があることが典型的である。多くの状況下では、設定の変更を行うようにスタッフメンバーに命令しなければならないことによって、非滅菌のスタッフメンバーが別のタスクで忙しいため処置を遅くし得る。滅菌の医師は、滅菌性を損なうことなく非滅菌装置を調整することができないため、多くの場合、処置を再開する前に特定の装置への要求される調整を行うために非滅菌のスタッフメンバーを待たなければならない。
【0322】
システム6680は、GUI及び同時スイッチング方法(すなわち、フットスイッチなど)と結合されたポインターオーバーレイを再生するために、ユーザがビームソース及びビーム検出器を使用することを可能にして、臨床医が一次ディスプレイ上のコマンドをクリックすることを可能にする。一態様では、GUIは、ユーザが作動させるために自分の頭部を2回傾斜させるか、又はシステムを提供されたフットスイッチ上を踏むときなどの起動時に、処置ビデオディスプレイ上に現れ得る。又は、右頭部傾斜がシステムを作動させ、左頭部傾斜がビームソースを単に起動させることが可能である。(装置制御GUIオーバーレイと呼ばれる)オーバーレイがスクリーン上に現れると、様々な外科用装置を表すボタンアイコンを示し、ユーザは、ボタンアイコンをねらいとするために、ビームソース、この場合はレーザビームを使用することができる。一度、レーザが適切なボタンアイコン上にあると、フットスイッチ、又は他の同時スイッチ方法を起動して、コンピュータ上でのマウスクリックのように有効に作用することができる。例えば、ユーザは、システムを「作動」し、装置制御GUIオーバーレイにスクリーン上にそのリストボタンアイコンをポップアップさせることができ、各々が、対応する処置医療装置としてラベル付けされる。ユーザは、正しいボックス又は装置でレーザを指し示し、コンピュータ上でマウスをクリックすることと同様に、選択を行うためにフットペダル(又は音声制御、ウエストバンドボタンなどのいくつかの他の同時制御)をクリックすることができる。次いで、滅菌の医師は、「例えば、吸入器」を選択することができ、以降のスクリーンは、調整される必要がある装置についての様々な設定(圧力、速度など)についてクリックすることができる矢印アイコンを示す。1回の繰り返しで、ユーザは、その後、レーザを上向きの矢印で指し示し、所望の設定が達成されるまでフットペダルを繰り返しクリックすることができる。
【0323】
一態様では、システム6680の構成要素は、既存のロボット内視鏡ホルダーに結合されて、移動コマンドをロボット内視鏡保持アーム(別個に提供されるもの、すなわち、Computer MotionによるAESOP)へ送信することによって剛性の外科用内視鏡カメラを「操縦」し得る。内視鏡は、通常、アシスタント看護師又は常勤医師によって保持される。現在市場に出ているロボット及び機械的スコープホルダーが存在し、いくつかのものは、音声制御も伴って導入されてきた。しかしながら、音声制御システムは、多くの場合、煩わしく、遅く、不正確であることが示されてきた。この態様では、一連のソフトウェア及びハードウェア構成要素を採用して、オーバーレイが一次処置ビデオスクリーン上の十字線として現れることを可能にする。ユーザは、四半部の任意の部分でビームソースを指し示し、フットペダルなどの同時スイッチをクリックして、二次トリガ(すなわち、フットスイッチ、ウエストバンドスイッチなど)に結合されるとビームソースの方向に分刻みでアームを調整するためのコマンドを送信する既存のロボットアームに移動コマンドを送信することができる。所望のカメラ角度及び位置が達成され、そして解放されるまで、二次トリガを押さえつけることによって方向付けられ得る。この同じ概念は、オーバーレイを外科用ベッドの制御に類似させることによって、外科用ベッドの調整に採用され得る。外科用ベッドは、一般的に、解剖学的構造へのよりよいアクセスを可能にするように手術中に調整される。ビームソース、この場合はレーザ、カメラなどのビーム検出センサ、制御システムGUIオーバーレイ処理ユニット及びビームソースプロセッサ、並びに装置制御インターフェースユニットの組み合わせを使用して、実質上任意の医療装置を、このシステムを通じて制御することができる。制御コードは装置制御インターフェースユニットにプログラムされ、最も多くの装置は、データ端末装置(Data Terminal Equipment、DTE)とデータ回路終端装置(Data Circuit-terminating Equipment、DCE)との間を接続するシリアルバイナリデータ信号の標準であるRS-232インターフェースを使用して接続され得る。本発明は、医療分野における適用を参照して説明されるが、他の分野で使用するために拡張/修正され得る。本発明の別の使用は、怪我若しくはハンディキャップにより手を使用することがない者、又は手がふさがっていてハンズフリーインターフェースが所望される専門職を援助し得る。
【0324】
滅菌野内にあって外科医によって入力及び表示のためにアクセス可能であるように設計される二次外科医ディスプレイユニットを有する直接インターフェース制御を備える外科用ハブ
一態様では、外科用ハブ206は、滅菌野から外科用ハブ206機能の表示及び制御を可能にする二次ユーザインターフェースを提供する。二次ディスプレイは、表示位置、どの情報がどこに表示されるかを変更し、特定の機能又は装置の制御を受け流すために使用され得る。
【0325】
外科処置中、外科医は、外科医によるインタラクティブ入力及び滅菌野内の表示にアクセス可能なユーザインターフェース装置を有し得ない。したがって、外科医は、滅菌野内からユーザインターフェース装置及び外科用ハブとインターフェースすることができず、滅菌野内から外科用ハブを通じて他の外科用装置を制御することができない。
【0326】
1つの解決法は、滅菌野内で使用されるように設計されて、外科医によって入力及び表示にアクセス可能なディスプレイユニットを提供し、外科医が滅菌野からのインタラクティブ入力制御を有することを可能にして、外科用ハブに結合された他の外科用装置を制御する。ディスプレイユニットは滅菌であり、滅菌野内に位置して、外科医が、滅菌野を残さずに必要に応じて器具を直接インターフェース及び構成するようにディスプレイユニット及び外科用ハブとインターフェースすることを可能にする。ディスプレイユニットは、マスタ装置であり、外科医が滅菌野を残すことなく、他の外科用ハブからの映像を可能にする、ディスプレイ、制御、ツール制御の相互交換のために使用され得る。
【0327】
一態様では、本開示は、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェース、プロセッサ、及びプロセッサに結合されたメモリを備える、制御ユニットを提供する。メモリは、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信して、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。
【0328】
別の態様では、本開示は、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信して、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御するように構成された制御回路とを備える、制御ユニットを提供する。
【0329】
別の態様では、本開示は、コンピュータ可読命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体を提供し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信させて、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースを通じて入力コマンドを外科用ハブに送信させて、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御させる。
【0330】
滅菌野内で使用されるように設計されて、外科医によって入力及び表示にアクセス可能であるディスプレイユニットを提供することは、滅菌野からの外科医インタラクティブ入力制御を提供して、外科用ハブに結合された他の外科用装置を制御する。
【0331】
滅菌野内のこのディスプレイユニットは滅菌であり、外科医がそれ及び外科用ハブをインターフェースすることを可能にする。これにより、外科用ハブに結合された器具の外科医の制御が与えられ、外科医が滅菌野を残すことなく必要に応じて器具を直接インターフェース及び構成することができる。ディスプレイユニットは、マスタ装置であり、外科医が滅菌野を残すことなく、他の外科用ハブからの映像を可能にする、ディスプレイ、制御、ツール制御の相互交換のために使用され得る。
【0332】
様々な態様では、本開示は、外科用ハブの表示及び制御が滅菌野内から外科用ハブ機能の表示及び制御を可能にするための二次ユーザインターフェースを提供する。この制御は、Iパッドのようなディスプレイ装置、例えば、滅菌様態で手術室内へ導入されるように構成されたポータブルインタラクティブタッチスクリーンディスプレイ装置であり得る。それは、任意の他の装置のようにペアリングされ得るか、又は位置に敏感であり得る。ディスプレイ装置が外科処置中に布で覆われた患者の腹の特定の位置の上に配置されるときはいつでも、ディスプレイ装置がこのように機能することが可能にする。他の態様では、本開示は、スマート牽引子及びスマートステッカーを提供する。これらの態様及び他の態様は本明細書の以下で説明される。
【0333】
一態様では、本開示は、外科用ハブ機能の表示及び制御を滅菌野内から可能にする二次ユーザインターフェースを提供する。別の態様では、二次ディスプレイは、表示位置を変更し、どの情報が表示されるか及びどこに情報が表示されるかを判定し、特定の機能又は装置の制御を受け流すために使用され得る。
【0334】
2つのカテゴリには、4種類の二次外科医ディスプレイがある。1種類の二次外科医ディスプレイユニットは、滅菌野内で使用されるように設計されて、滅菌野インタラクティブ制御ディスプレイ内で外科医によって入力及び表示にアクセス可能である。滅菌野インタラクティブ制御ディスプレイは、共有され得るか、又は共通の滅菌野入力制御ディスプレイであり得る。
【0335】
滅菌野ディスプレイは、手術台上に、スタンド上に、又は単に患者の腹若しくは胸の上に取り付けられ得る。滅菌野ディスプレイは滅菌であり、外科医が滅菌野ディスプレイ及び外科用ハブとインターフェースすることを可能にする。これにより、システムの外科医の制御が与えられ、必要に応じて、外科医が滅菌野ディスプレイを直接インターフェースして構成することができる。滅菌野ディスプレイは、マスタ装置として構成され得、ディスプレイ、制御、ツール制御の相互交換のために使用されて他の外科用ハブなどからの映像を可能にし得る。
【0336】
一態様では、滅菌野ディスプレイは、手術室(OR)内の無線起動装置、及び外科医が装置を別の者に渡す場合にはペアリングされたエネルギー装置を再構成するために採用され得る。図54A図54Eは、本開示の様々な態様による、様々な種類の滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714を示す。開示された滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714の各々は、情報処理システムの電子視覚的ディスプレイの上部に積層された少なくとも1つのタッチスクリーン6701、6704/6706、6709、6713、6716入力/出力装置を備える。滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、電源として電池を含み得る。いくつかのものは、別個の電源に接続するためか、又は電池を再充電するためのケーブル6710を含む。ユーザは、タッチスクリーン6701、6704/6706、6709、6713、6716をスタイラス、1本又は2本以上の指、又は外科用ツールでタッチすることによって、シンプル又はマルチタッチジェスチャーを通じて情報処理システムを入力又は制御することができる。滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、手術室内の無線起動装置、及び外科医が装置を別の外科医に渡す場合にはペアリングされたエネルギー装置を再構成するために使用され得る。滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、別の手術室からコンサルト映像を受け入れるために使用され得、ここで、それは、次いで、手術室スクリーンの一部又は全てを構成して、他の手術室を映すので、外科医は援助するために必要とされるものを見ることができる。滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、外科用ハブ206と通信するように構成されている。したがって、図1図11に関連して考察される外科用ハブ206の説明は、参照によりこのセクションに組み込まれる。
【0337】
図54Aは、本開示の一態様による、単一ゾーン滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700を示す。単一ゾーンコンソール6700は、滅菌野内の単一ゾーンで使用するように構成される。一度滅菌野内に配備されると、単一ゾーンコンソール6700は、滅菌野内のユーザからタッチスクリーン入力を受信することができる。タッチスクリーン6701は、マウス、タッチパッド、又は(スタイラス又は外科用ツール以外の)他のこのような装置を使用するのではなく、ユーザが、表示されるものと直接相互作用することを可能にする。単一ゾーンコンソール6700は、外科用ハブ206に無線通信するための無線通信回路を含む。
【0338】
図54Bは、本開示の一態様による、マルチゾーン滅菌野制御及びデータ入力コンソール6702を示す。マルチゾーンコンソール6702は、滅菌野の第1のゾーンからの入力を受信するための第1のタッチスクリーン6704、及び滅菌野の第2のゾーンからの入力を受信するための第2のタッチスクリーン6706を備える。マルチゾーンコンソール6702は、滅菌野で複数のユーザからの入力を受信するように構成されている。マルチゾーンコンソール6702は、外科用ハブ206に無線通信するための無線通信回路を含む。したがって、マルチゾーン滅菌野制御及びデータ入力コンソール6702は、複数の入力及び出力ゾーンを有するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイを備える。
【0339】
図54Cは、本開示の一態様による、テザー滅菌野制御及びデータ入力コンソール6708を示す。テザーコンソール6708は、テザーコンソール6708を有線接続を介して外科用ハブ206に接続するためのケーブル6710を含む。ケーブル6710は、テザーコンソール6708が無線リンクに加えて有線リンクにおいて通信することを可能にする。ケーブル6710はまた、テザーコンソール6708がコンソール6708に電力を供給するために及び/又はコンソール6708内の電池を再充電するために電源に接続することを可能にする。
【0340】
図54Dは、本開示の一態様による、電池作動滅菌野制御及びデータ入力コンソール6712を示す。滅菌野コンソール6712は、電池作動して、外科用ハブ206と無線通信するための無線通信回路を含む。具体的には、一態様では、滅菌野コンソール6712は、発生器モジュール240などのハブ206に結合されたモジュールのいずれかと通信するように構成されている。滅菌野コンソール6712を通じて、外科医は、タッチスクリーン6713インターフェースを使用して発生器の出力レベルを調整することができる。一実施例は図54Eに関連して以下で説明される。
【0341】
図54Eは、本開示の一態様による、電池作動滅菌野制御及びデータ入力コンソール6714を示す。滅菌野コンソール6714は、発生器のタッチスクリーン上に表示されるユーザインターフェースを含む。したがって、外科医は、発生器モジュール240の出力を増加/減少させるアップ/ダウン矢印アイコン6718A、6718Bにタッチすることによって発生器の出力を制御することができる。追加のアイコン6719は、発生器モジュール設定6174、とりわけ+/-アイコンを使用する音量6178へ滅菌野コンソール6714から直接アクセスすることを可能にする。滅菌野コンソール6714は、設定を調整するか、又は手術室内のハブ206に結合された他の無線起動装置若しくはモジュール、及び外科医が滅菌野コンソール6714を別の者に渡すときにはペアリングされたエネルギー装置を再構成するために採用され得る。
【0342】
図55A図55Bは、本開示の一態様による、外科処置中に滅菌野で使用される滅菌野コンソール6700を示す。図55Aは、手術中に関与する2人の外科医の近くの滅菌野に位置付けられた滅菌野コンソール6714を示す。図55Bでは、外科用ハブ206に結合されたモジュール式装置の出力を調整し、モジュール式装置又は外科用ハブ206に結合されたモジュール式装置とペアリングされたエネルギー装置を再構成するために、滅菌野コンソールのタッチスクリーン6701を外科用ツール6722でタップしている外科医のうちの1人が示される。
【0343】
別の態様では、滅菌野ディスプレイは、別の手術室又は外科用ハブ206などの別の手術室(OR)からコンサルト映像を受け入れるために採用され得、ここで、それは、次いで、ORスクリーンの一部又は全てを構成して、他のORを映すので、外科医は援助するために必要とされるものを見ることができる。図56は、本開示の一態様による、別の手術室からコンサルト映像を受け入れるためのプロセス6750を示す。図54A図54E図55A図55Bに示される滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、相互作用可能な拡張性二次ディスプレイとして使用され得、外科医がレーザドップラー画像スキャニングアレイ又は他の画像ソースからの他の映像又は画像をオーバーレイすることを可能にする。滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、術前スキャン又は画像を呼び出してレビューするために使用され得る。レーザドップラー技術は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号で説明されている。
【0344】
光の組織透過深さは、使用される光の波長に依存することが認識される。したがって、レーザ源の光の波長は、特定の範囲の組織深さで粒子運動(血球など)を検出するように選択され得る。レーザドップラーは、レーザ光波長に基づいて様々な組織深さに置かれる血球などの移動粒子を検出するための手段を採用する。レーザ源は、手術部位の表面に方向付けられ得る。(静脈又は動脈などの)血管は、組織表面からある深さδで組織内に配設され得る。(約635nm~約660nmの範囲の波長を有する)赤色レーザ光は、約1mmの深さまで組織に入り込み得る。(約520nm~約532nmの範囲の波長を有する)緑色レーザ光は、約2~3mmの深さまで組織に入り込み得る。(約405nm~約445nmの範囲の波長を有する)青色レーザ光は、約4mm以上の深さまで組織に入り込み得る。血管は、組織表面よりも下に約2~3mmの深さに位置し得る。赤色レーザ光はこの深さに入り込まず、したがって、この血管内を流れる血球を検出しないであろう。しかしながら、緑色及び青色レーザ光の両方は、この深さに入り込むことができる。したがって、血球からの散乱した緑色及び青色レーザ光は、結果として、緑色及び青色の両方において観測されたドップラーシフトを生じる。
【0345】
いくつかの態様では、連続的な様態で、赤色、緑色、及び青色レーザ照射によって組織を精査し得、このような照明の効果は、時間の経過と共にCMOS撮像センサによって検出され得る。異なる波長でのレーザ照明による組織の連続的な照明は、経時的に様々な組織深さでのドップラー分析を可能にし得ることが認識され得る。赤色、緑色、及び青色レーザ源が手術部位を照明するために使用され得るが、(例えば、赤又は紫外領域などの)可視光の外側の他の波長は、ドップラー分析のために手術部位を照明するために使用され得ることが認識され得る。撮像センサ情報は、滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714に提供され得る。
【0346】
滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、過去の記録データへのアクセスを提供する。OR1と指定された1つの手術室では、滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は、「コンサルタント」として構成されて、診断が完了したときに全てのデータを消去するように構成され得る。OR3(手術室3)と指定された別の手術室では、滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714は「コンサルティ」として構成され得、手術室OR1(手術室1)滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700、6702、6708、6712、6714から受信された全てのデータを記録するように構成されている。これらの構成を以下の表1にまとめる。
【0347】
【表1】
【0348】
プロセス6750の一実装形態では、手術室OR1が、手術室OR3からコンサルト要求を受信する(6752)。データが、例えば、OR1滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700に転送される。データが、一時的に記憶される(6754)。データが一定時間経過後にバックアップされ、一時的なデータのOR1のビュー6756を、OR1滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700タッチスクリーン6701上で開始する。ビューが終了すると、データが消去されて(6758)、制御はOR1に戻る(6760)。次いで、データが、OR1滅菌野制御及びデータ入力コンソール6700メモリから消去される(6762)。
【0349】
更に別の態様では、滅菌野ディスプレイは、外科医がレーザドップラースキャニングアレイのような他の映像又は画像をオーバーレイすることを可能にする、相互作用可能な拡張性二次ディスプレイとして採用され得る。更に別の態様では、滅菌野ディスプレイは、術前スキャン又は画像を呼び出してレビューするために採用され得る。一度血管経路及び深さ並びに装置軌道が推定されると、外科医は、滅菌野相互作用可能な拡張性二次ディスプレイを採用して、外科医が他の映像又は画像をオーバーレイすることを可能にする。
【0350】
図57は、血管経路、深さ、及び装置軌道を推定するための技術を示す図6770である。標準的なアプローチを使用して組織6775の表面よりも下に位置する血管6772、6774を切開する前に、外科医は、血管6772、6774の経路及び深さを推定し、外科用装置6778の軌道6776が血管6772、6774に到達するようになる。外科医が血管6772、6774経路及び深さ6776の位置を正確に可視化できないため、組織6775の表面よりも下に位置する血管6772、6774の経路及び深さ6776を推定することは困難である。
【0351】
図58A図58Dは、斜視図(図58A図58C)及び側面図(図58B図58D)を含む切開のための仮想解剖詳細の画像の複数のリアルタイムビューを示す。本開示の一態様によれば、画像は、タブレットコンピュータの滅菌野ディスプレイ、又は外科医が他の映像又は画像をオーバーレイすることを可能にする相互作用可能な拡張性二次ディスプレイとして採用される滅菌野制御及びデータ入力コンソール上に表示される。仮想解剖学的構造の画像により、外科医が図57に示されるような組織6775の表面よりも下に位置する血管6772、6774の経路及び深さ、並びに外科用装置6778の最良の軌道6776をより正確に予測することが可能になる。
【0352】
図58Aは、タブレットコンピュータ又は滅菌野制御及びデータ入力コンソール上に表示された仮想解剖学的構造6780の斜視図である。図58Bは、本開示の一態様による、図58Aに示される仮想解剖学的構造6780の側面図である。図58A図58Bを参照すると、一態様では、外科医は、スマート外科用装置6778及びタブレットコンピュータを使用して、仮想解剖学的構造6780をリアルタイムかつ複数の図で可視化する。3次元の視点のビューは、血管6772、6774が表面よりも下に位置する組織6775の一部分を含む。組織の一部は、グリッド6786にオーバーレイされて、外科医がスケールを可視化し、Xによって各々マークされたターゲット位置6782、6784での血管6772、6774の経路及び深さを測定することを可能にする。グリッド6786はまた、外科医が外科用装置6778の最良の軌道6776を判定するのをアシストする。図示されるように、血管6772、6774は、普通ではない血管経路を有する。
【0353】
図58Cは、本開示の一態様による、切開のための仮想解剖学的構造6780の斜視図を示す。図58Dは、本開示の一態様による、切開のための仮想解剖学的構造6780の側面図である。図58C図58Dを参照すると、タブレットコンピュータを使用して、外科医は、ズーム及び360°パンして、切開のための仮想解剖学的構造6780の最適なビューを得ることができる。次いで、外科医は、最良の経路又は軌道6776を判定して、外科用装置6778(例えば、この例ではディセクタ)を挿入する。外科医は、3次元の視点のビュー又は6つの図のいずれか1つにおいて解剖学的構造を見得る。例えば、図58Dの仮想解剖学的構造の側面図及び外科用装置6778(例えば、ディセクタ)の挿入を参照。
【0354】
別の態様では、滅菌野制御及びデータ入力コンソールは、例えば、腫瘍学又は病理学部門など異なる部門間でライブチャットを可能にして、撮像と関連するマージン又は他の詳細について考察し得る。滅菌野制御及びデータ入力コンソールは、病理学部門が検体内のマージンの関係について外科医に伝えて、滅菌野コンソールを使用してリアルタイムで外科医にそれらを示すことを可能にし得る。
【0355】
別の態様では、滅菌野制御及びデータ入力コンソールは、自身の画像の焦点及び視別の態様では、滅菌野制御及びデータ入力コンソールを変更するか、又は外科用ハブに結合された他のモニタのいずれかのそれを制御するために使用され得る。
【0356】
別の態様では、滅菌野制御及びデータ入力コンソールは、外科用ハブ206に結合された装置又はモジュールのいずれかの状態を表示するために使用され得る。外科用ハブ206に結合されたどの装置が使用されているかについての認識は、装置が器具パッド又は装置センサ上にないなどの情報を介して取得され得る。この情報に基づいて、滅菌野制御及びデータ入力コンソールは、ディスプレイ、構成、別の装置ではなく1つの装置を駆動するためのスイッチ電力、キャピタルから器具パッドへの1本のコード、及びそこからの複数のコードを変更し得る。装置診断は、装置が非アクティブであるか、又は使用されていないという認識を取得し得る。装置診断は、装置が器具パッド上にないか、又は装置センサ上に置かれていないなどの情報に基づき得る。
【0357】
別の態様では、滅菌野制御及びデータ入力コンソールを学習ツールとして使用し得る。コンソールは、チェックリスト、処置工程、及び/又は工程のシーケンスを表示し得る。タイマー/クロックは、工程及び/又は処置を完了するための時間を測定するために表示され得る。コンソールは、活性、ストレスなどのインジケータとして部屋の音圧レベルを表示し得る。
【0358】
図59A図59Bは、本開示の一態様による、滅菌野内で使用され得るタッチスクリーンディスプレイ6890を示す。タッチスクリーンディスプレイ6890を使用して、外科医は、例えば、とりわけ、ドラッグアンドドロップ、スクロール、ズーム、回転、タップ、ダブルタップ、フリック、ドラッグ、スワイプ、ピンチオープン、ピンチクローズ、タッチアンドホールド、2本指スクロールなどの様々なジェスチャーを使用して、タッチスクリーンディスプレイ6890上に表示された画像6892を操作することができる。
【0359】
図59Aは、ポートレートモードでタッチスクリーンディスプレイ6890上に表示された手術部位の画像6892を示す。図59Bは、ランドスケープモードに回転された(6894)タッチスクリーンディスプレイ6890を示し、外科医は自分の人差し指6896を使用して、画像6892を矢印の方向にスクロールする。図59Cは、外科医が自分の人差し指6896及び親指6898を使用して、画像6892を矢印6899の方向にピンチオープンしてズームインしていることを示す。図59Dは、外科医が自分の人差し指6896及び親指6898を使用して、画像6892を矢印6897の方向にピンチクローズしてズームアウトしていることを示す。図59Eは、外科医が画像6892を異なる向きで見ることができるようにするために、矢印6894、6896によって示される2つの方向に回転されたタッチスクリーンディスプレイ6890を示す。
【0360】
滅菌野の外側では、滅菌野の内側で使用される制御及び静的ディスプレイとは異なる制御及び静的ディスプレイが使用される。滅菌野の外側に位置する制御及び静的ディスプレイは、手術室(OR)及び装置制御のためのインタラクティブ及び静的ディスプレイを提供する。滅菌野の外側に位置する制御及び静的ディスプレイは、入力及び出力のための二次静的ディスプレイ及び二次タッチスクリーンを含み得る。
【0361】
滅菌野の外側で使用するための二次静的非滅菌ディスプレイ107、109、119(図2)は、手術室の壁、ロールスタンド、又はキャピタル装置に配置されたモニタを含む。静的ディスプレイには、それらが取り付けられている制御装置からの映像が提示され、単に、それに提示されるものを表示する。
【0362】
滅菌野の外側に位置する二次タッチ入力スクリーンは、可視化システム108(図2)の一部、外科用ハブ108(図2)の一部であり得、又は壁若しくはロールスタンド上の固定配置タッチモニタであり得る。二次タッチ入力スクリーンと静的ディスプレイとの間の1つの違いは、ユーザが、その特定のモニタ又は他のモニタ上に表示されていることを変更することによって二次タッチ入力スクリーンと相互作用することができることである。キャピタル装置用途について、それは、接続されたキャピタル装置の設定を制御するためのインターフェースであり得る。滅菌野の外側の二次タッチ入力スクリーン及び静的ディスプレイは、外科医の好み(器具設定及びモード、照明、処置、並びに好ましい工程及びシーケンス、音楽など)をプレロードするために使用され得る。
【0363】
二次外科医ディスプレイは、共通の滅菌野入力ディスプレイ装置と同様に機能するパーソナル入力装置を有するパーソナル入力ディスプレイを含み得るが、特定の外科医によって制御される。パーソナル二次ディスプレイは、例えば、腕時計、小型ディスプレイパッド、インターフェースグラスなどの多くのフォームファクタで実装され得る。パーソナル二次ディスプレイは、共通のディスプレイ装置の制御能力を含み得、それは、特定の外科医上に位置するか、又は特定の外科医によって制御されるため、パーソナル二次ディスプレイは、外科医に特別に鍵をかけられ、そのことを他者及びそれ自体に示すであろう。一般的に言えば、パーソナル二次ディスプレイは、通常、2人以上の外科医がアクセスできないため、ペアリングされた装置を交換するのに有用ではない。それにもかかわらず、パーソナル二次ディスプレイは、装置の解除についての許可を認めるために使用され得る。
【0364】
パーソナル二次ディスプレイは、他のものが典型的に監視したくないことを監視することを望む数人の外科要員のうちの1人に専用データを提供するために使用され得る。更に、コマンドモジュールとして、パーソナル二次ディスプレイを使用し得る。更に、パーソナル二次ディスプレイは、手術室内のチーフ外科医によって保持され得、他の誰かからの他の入力のうちのいずれかをオーバーライドするための制御を外科医に与えるであろう。パーソナル二次ディスプレイは、近距離無線、例えば、Bluetooth、マイクロフォン、及びイヤピースに結合され得、外科医が個別の会話若しくはコールを有することを可能にするか、又はパーソナル二次ディスプレイは、手術室又は他の部門内の全ての他者にブロードキャストするために使用され得る。
【0365】
図60は、本開示の一態様による、外科用ハブ206(図1図11)への直接インターフェース制御を備えるスマート外科用牽引子6902を採用する手術部位6900を示す。スマート外科用牽引子6902は、外科医及び手術室の専門家が外科処置中に切開又は創傷を開放した状態に保持することに役立つ。スマート外科用牽引子6902は、下層の臓器又は組織を抑えることを補助し、医師/看護師のよりよい視認性及び露出領域へのアクセスを可能にする。図1図11も参照すると、スマート外科用牽引子6902は、スマート外科用牽引子6902によって動作する入力ディスプレイ6904を備え得る。スマート外科用牽引子6902は、外科用ハブ206に結合された発生器モジュール240に接続された装置と通信するための無線通信装置を備え得る。スマート外科用牽引子6902の入力ディスプレイ6904を使用して、外科医は、組織を切断及び/又は凝固させるために、発生器モジュール240の電力レベル又はモードを調整することができる。組織上のエンドエフェクタの閉鎖におけるエネルギー送達のための自動オン/オフを使用する場合、自動オン/オフの状態は、光、スクリーン、又はスマート牽引子6902ハウジング上に位置する他の装置によって示され得る。使用される電力は、変更及び表示され得る。
【0366】
一態様では、スマート外科用牽引子6902は、外科用ハブ206若しくはRFID又は装置/器具235若しくはスマート外科用牽引子6902上に配置された他の装置のいずれかを通じて、外科医がどの装置/器具235を使用しているかを感知又は知ることができ、適切なディスプレイを提供することができる。アラーム及び警告は、状態が必要とするときに起動され得る。他の機構は、超音波ブレードの温度、神経監視、光源6906、又は蛍光を表示することを含む。光源6906は、外科用視界6908を照明して、スマート牽引子6902上に固着する単回使用ステッカーディスプレイ上のフォトセル6918を充電するために採用され得る(例えば、図61を参照)。別の態様では、スマート外科用牽引子6902は、(例えば、静脈ビューワーのような)患者の解剖学的構造上に投影された増強現実を含み得る。
【0367】
図61は、本開示の一態様による、患者の身体/皮膚6914に取り付けられたスマート可撓性ステッカーディスプレイ6912を有する手術部位6910を示す。示されるように、スマート可撓性ステッカーディスプレイ6912は、外科用牽引子6916によって露出された領域の間で患者の身体/皮膚6914に適用される。一態様では、スマート可撓性ステッカーディスプレイ6912は、光、オンボードバッテリー、又は接地パッドによって電力を供給され得る。可撓性ステッカーディスプレイ6912は、近距離無線(例えば、Bluetooth)を介して装置に通信し得、読み出し、ロック電力、又は変更電力を提供し得る。スマート可撓性ステッカーディスプレイ6912はまた、周囲の光エネルギーを使用してスマート可撓性ステッカーディスプレイ6912に電力を供給するためのフォトセル6918を備える。可撓性ステッカーディスプレイ6912は、外科医が制御装置235又は外科用ハブ206に結合された他のモジュール(図1図11)を制御することを可能にするための制御パネル6920ユーザインターフェースのディスプレイを含む。
【0368】
図62は、本開示の一態様による、滅菌野の内側から滅菌野の外側に位置する装置に通信するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図6920である。一態様では、制御ユニットは、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェース、プロセッサ、及びプロセッサに結合されたメモリを備える。メモリは、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信して(6922)、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御する(6924)、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している。
【0369】
図63は、手術を実行するためのシステムを示す。本システムは、内部回路を備える制御ボックスと、遠位要素、及び該遠位要素の位置又は状態を感知するための技術を含む外科用器具と、該感知された位置又は状態を該制御ボックスの該内部回路に送信するための該外科用器具と関連する技術と、該制御ボックスの該内部回路から、表示するためのビデオモニタに該感知された位置又は状態を送信するための該外科用器具と関連する技術とを備え、該感知された位置又は状態が、該ビデオモニタ上にアイコン又はシンボルとして表示され、該外科用器具内に完全に収容された電圧を生成するための電圧源を更に備える。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、1996年4月2日発行の「SURGICAL APPARATUS WITH INDICATOR」と題する米国特許第5,503,320号に開示されている。
【0370】
図63は、システムを概略的に示し、それによって、データが、1つ又は2つ以上の外科用器具の位置及び/又は状態に関するこのようなデータを表示するためのビデオモニタに送信する。図63に示されるように、複数のトロカールスリーブ6930が本体壁6931を通じて挿入されて体腔6932へのアクセスを提供するラパロスコープ外科処置が実行されている。ラパロスコープ6933は、照明を提供するためにトロカールスリーブ6930のうちの1つを通じて挿入されて、照明(光ケーブル6934が示され、図示されていない光源へつながる)を手術部位に提供して、そこの画像を得る。カメラアダプタ6935は、ラパロスコープ6933の近位端に取り付けられ、画像ケーブル6936は、そこから、以下でより詳細に考察される制御ボックス6937に延在する。画像ケーブルは、制御ボックス6937上の画像受信ポート416に入力する。
【0371】
追加の外科用器具6939、6940は、本体壁6931を通じて延在する追加のトロカールスリーブ6900を通じて挿入される。図63では、器具6939は、内視鏡ステープル留め装置、例えば、本出願の譲受人によって製造された、Endo GIA器具を概略的に示し、器具6940は、ハンド器具、例えば、本譲受人によって製造された、Endo Grasp装置も概略的に示す。追加及び/又は代替の器具はまた、本発明に従って利用され得る。図示された器具は、本発明に従って利用され得る外科用器具の単なる例示に過ぎない。
【0372】
器具6939、6940は、それらそれぞれのハンドル部分と関連するアダプタ6941、6942を含む。アダプタは、導電性機構(図示せず)と電子的に通信する。ワイヤ、ケーブルなどによって電気的に接続された電気的導電性接触部材を含むこれらの機構は、それぞれの器具の遠位要素、例えば、Endo GIA器具のアンビル6943及びカートリッジ6944、Endo Grasp装置のジョー6945、6946などと関連する。機構は、遠位要素が第1の位置又は状態にあるときに電子回路を遮断し、遠位要素が第2の位置又は状態にあるときに電子回路を完成するように適合される。電子回路用の電圧源は、外科用器具内に、例えば電池の形態で提供され得るか、又はケーブル6947、6948を通じて制御ボックス6937から供給され得る。
【0373】
制御ボックス6937は、ケーブル6947、6948などを受容するように適合された複数のジャック6949を含む。制御ボックス6937は、ラパロスコープ6933によって得られたラパロスコープ画像を、外科用器具6939、6940に関するデータと共にビデオモニタ6952に送信するためのケーブル6951と協働するように適合された外向きアダプタ6950を更に含む。制御ボックス6937内の回路は、例えば、ケーブル6947内の電子機器、及び器具6939の遠位要素と関連する機構について、断続回路の存在を、ビデオモニタ6952上に表示するためのアイコン又はシンボルに変換するために提供される。同様に、制御ボックス6937内の回路は、ケーブル6947及び関連する機構について完成した回路が存在するときに、第2のアイコン又はシンボルをビデオモニタ6952に提供するように適合される。
【0374】
例示的なアイコン/シンボル6953、6954は、ビデオモニタ6952上に示される。アイコン6953は外科用ステープルを示し、器具6939のカートリッジ6944及びアンビル6943が組織6955内にステープルを形成するように適切に位置付けられることを外科医に伝達するために使用され得る。アイコン6953は、カートリッジ6944及びアンビル6943がステープルを形成するために適切に位置付けられず、それによって回路を遮断するときに別の形態をとることができる。アイコン6954は、離れて広がるジョーを有するハンド器具を示し、それによって、器具6940のジョー6945、6946が開いていることを外科医に伝達する。アイコン6954は、ジョー6945、6946が閉じられ、それによって回路を完成させるときに別の形態をとることができる。
【0375】
図64は、第1の情報層にオーバーレイする第2の情報層を示す。第2の情報層は、第1の情報層に示されるDLU内のナイフの検出された位置に重複するナイフのシンボル表示を含む。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月15日発行の「SURGICAL APPARATUS WITH INDICATOR」と題する米国特許第9,283,054号に開示されている。
【0376】
図64を参照すると、第2の情報層6963は、ディスプレイ6960上の第1の情報層6962の少なくとも一部分にオーバーレイすることができる。更に、タッチスクリーン6961は、ディスプレイ6960上の下層にある第1の情報層6962中のビデオフィードバックに対する、ユーザによる第2の情報層6963の操作を可能にすることができる。例えば、ユーザは、タッチスクリーン6961を操作し、第2の情報層6963に表示された情報を選択、操作、再フォーマット、サイズ変更、及び/又は別の方法で修正することができる。特定の態様では、ユーザは、タッチスクリーン6961を使用して、ディスプレイ6960上の第1の情報層6962に示される外科用器具6964に対して第2の情報層6963を操作することができる。ユーザは、例えば、その制御パネル6967のメニュー、カテゴリ及び/又は分類を選択でき、第2の情報層6963及び/又は制御パネル6967を、ユーザの選択を反映するために調整することができる。様々な態様では、ユーザは、第1の情報層6962中に示される外科用器具6964の特定の機構(1つ又は複数)に対応する、器具フィードバックカテゴリ6969からカテゴリを選択し得る。ユーザが選択したカテゴリに対応するフィードバックを、外科用器具6964の特定の機構(1つ又は複数)に対するディスプレイ6960上の位置に、移動させる、それ自体を位置づける、及び/又は「スナップ」することができる。例えば、選択したフィードバックを移動させ、第1の情報層6962に示される外科用器具6964の特定の機構(1つ又は複数)の付近に、及び/又はそこと重複し得る。
【0377】
器具フィードバックメニュー6969は、複数のフィードバックカテゴリを含み得、外科処置中に外科用器具6964によって測定された及び/又は検出されたフィードバックデータに関係し得る。本明細書で説明されるように、外科用器具6964は、例えば、開放方向と閉鎖方向との間の可動ジョーの位置6970、クランプした組織の深さ6973、クランプした組織上のクランプ力6976、DLU6965の関節運動6974、並びに/又は、発射要素の位置6971、速度6972、及び/若しくは力6975を、検出及び/又は測定することができる。更に、外科用器具6964と信号通信するフィードバックコントローラは、第2の情報層6963にフィードバックを表示できるディスプレイ6960に、感知されたフィードバックを提供することができる。本明細書で説明されるように、第2の情報層6963中に表示されるフィードバックデータの選択、配置、及び/又は形態は、例えば、タッチスクリーン6961へのユーザの入力に基づいて修正することができる。
【0378】
エンドエフェクタジョー6966及び/又は組織Tの図によってDLU6965のナイフが閉鎖されると、例えば、操作者は、下層の第1の情報層6962に示されるDLU6965に対する、フィードバックデータの変化値及び/又はフィードバックデータの変化位置に基づいて、DLU6964中のナイフの位置を追跡する及び/又は近づけることができる。
【0379】
様々な態様では、制御パネル6967のディスプレイメニュー6977は、例えば、単位系6978及び/又はデータモード6979などの複数のカテゴリに関係し得る。特定の態様では、ユーザは単位系のカテゴリ6978を選択し、例えばメートル法と米慣用単位などの単位系の間を切り替えることができる。更に、ユーザは、データモードカテゴリ6979を選択し、例えば、フィードバックデータの数値表示の種類、及び/又は、フィードバックデータのグラフ表示の種類の間を切り替えることができる。フィードバックデータの数値表示は、例えば、数値及び/又は百分率として表示することができる。更に、フィードバックデータのグラフ表示は、例えば、時間及び/又は距離の関数として表示することができる。本明細書で説明されるように、ユーザは、制御パネル6967から器具コントローラメニュー6980を選択し、例えば、器具コントローラ及び/又はマイクロコントローラを介して実施され得る、外科用器具6964のための指示を入力することができる。ユーザは、最小化/最大化アイコン6968を選択することによって制御パネル6967を最小化又は折り畳むことができ、最小化/最大化アイコン6968を再度選択することによって制御パネル6967を最大化又は展開することができる。
【0380】
図65は、安全眼鏡を着用している、外科処置中にハンドルアセンブリハウジング及び無線回路基板を含む外科用器具を使用している外科医の斜視図を示す。無線回路基板は、手技中、外科用器具を使用する外科医が着用している安全眼鏡に信号を送信する。信号は、安全眼鏡上の無線ポートにより受信される。安全眼鏡の前部レンズ上の1つ又は2つ以上の点灯装置は、受信した信号に応答して変色し、又は光を消失し、又は白熱して、外科用器具の状態に関する情報を外科医に示す。点灯装置は、外科医の真っ直ぐな視線を妨げないように、前部レンズの周縁上に配置可能である。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年4月21日発行の「SURGICAL INSTRUMENT WITH SAFETY GLASSES」と題する米国特許第9,011,427号に開示されている。
【0381】
図65は、外科処置中、医療用装置を使用している間、外科医6992が着用し得る安全眼鏡6991のバージョンを示す。使用時、外科用器具6993内に収容されている無線通信ボードは、安全眼鏡6991上の無線ポート6994と通信し得る。例示的な外科用器具6993は電池作動装置であるが、器具6993は、ケーブル又はその他の方法により電力を供給され得る。器具6993は、エンドエフェクタを含む。特に、無線通信ボード6995は、矢印(B、C)で示される1つ又は2つ以上の無線信号を、安全眼鏡6991の無線ポート6994に送信する。安全眼鏡6991は信号を受信し、受信した信号を分析し、信号により受信された、示された状態情報を、安全眼鏡6991を着用している外科医6992などのユーザに、レンズ6996上にて表示する。更に又はあるいは、無線通信ボード6995は、上述したように無線信号を外科用モニタ6997に送信し、それにより外科用モニタ6997は、受信された、示された状態情報を外科医6992に表示し得る。
【0382】
安全眼鏡6991のバージョンは、安全眼鏡6991の周縁上に点灯装置を含み得る。点灯装置は、安全眼鏡6991を着用しているユーザに安全眼鏡6991が通信する器具6993の周辺視覚感覚フィードバックを提供する。点灯装置は、例えば、発光ダイオード(「light-emitted diode、LED」)、一連のLED、又は当業者に既知であり、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかである他の任意の好適な点灯装置であり得る。
【0383】
LEDは、ユーザの視界内に位置付けられると共にユーザの視覚中心から逸れないように、安全眼鏡6991の前部レンズの縁又は側部に位置し得、それによりユーザは点灯装置を見るために手術部位から視点を逸らす必要がない。表示された光は、点滅し及び/又は変色して、システムの状態情報又は組織感知情報(すなわち、エンドエフェクタが組織を十分切断及び封止したか否か)などの、器具6993から回収された情報の様々な態様を、安全眼鏡6991の着用者に通信し得る。収容されている無線通信ボード6995からのフィードバックは、点灯装置を起動させ、明滅させ、又は変色させて、器具6993の使用に関する情報をユーザに示し得る。例えば、装置は、検知された1つ又は2つ以上の組織パラメータに基づいたフィードバック機構を組み込んでもよい。この場合、このフィードバックに基づく、状態の変化と同期した装置出力の変化は、無線通信ボード6995を通じて信号を安全眼鏡6991に提出して、点灯装置の起動を誘発し得る。安全眼鏡6991を介して器具6993の状態情報をユーザに示す他の手段が想到されるため、説明されたこのような点灯装置の起動の手段は、限定的なものと考慮されるべきではない。更に、安全眼鏡6991は、単回使用又は再使用可能なアイウェアであり得る。ボタン型電池などのボタン型電力供給装置を使用して、無線受信機と、安全眼鏡6991のバージョンのLEDとに電力を供給し得、バージョンはまた、収容された無線ボード及び3色LEDを含み得る。このようなボタン型電力供給装置は、使用時、器具6993に関する情報の感覚フィードバックを、安全眼鏡6991を着用している外科医6992に提供する低コスト手段を提供し得る。
【0384】
図66は、外科用器具を制御するためのフィードバック制御システムの概略図である。外科用器具は、ハウジングと、ハウジングから遠位に延在し、第1の長手方向軸線を画定する細長いシャフトとを含む。外科用器具はまた、細長いシャフト内に配設された発射ロッドと、ハウジング内に少なくとも部分的に配設された駆動機構とを含む。駆動機構は、発射ロッドと機械的に協働して発射ロッドを移動させる。運動センサは、発射ロッドと細長いシャフトとの間の電界(例えば、キャパシタンス、インピーダンス、又はアドミタンス)の変化を感知する。測定ユニットは、感知された電界の変化に基づいて、発射ロッドの位置、速度、及び方向などの発射ロッドの運動のパラメータを判定する。コントローラは、発射ロッドの運動の測定されたパラメータを使用して、駆動機構を制御する。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年2月24日発行の「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING PARAMETERS OF LINEAR MOTION IN A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許第8,960,520号に開示されている。
【0385】
図66を参照すると、本開示の態様は、フィードバック制御システム6150を含み得る。システム6150は、フィードバックコントローラ6152を含む。外科用器具6154は、有線(例えば、FireWire(登録商標)、USB、Serial RS232、Serial RS485、USART、イーサネットなど)、又は無線(例えば、Bluetooth(登録商標)、ANT3(登録商標)、KNX(登録商標)、Z-Wave X10(登録商標)、Wireless USB(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、IrDA(登録商標)、nanoNET(登録商標)、TinyOS(登録商標)、ZigBee(登録商標)、802.11 IEEE、及び他の無線、赤外線、UHF、VHF通信など)のいずれかであり得るデータポートを介してフィードバックコントローラ6152に接続される。フィードバックコントローラ6152は、外科用器具6154によってそれに送信されたデータを記憶し、並びにデータを処理及び分析するように構成されている。フィードバックコントローラ6152はまた、ビデオディスプレイ6154、ビデオプロセッサ6156、及びコンピューティング装置6158(例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、スマートフォン、記憶装置など)などの他の装置に接続される。ビデオプロセッサ6156は、ビデオディスプレイ6154上で出力するためにフィードバックコントローラ6152によって生成された出力データを処理するために使用される。コンピューティング装置6158は、フィードバックデータの追加の処理のために使用される。一態様では、マイクロコントローラによって実行されるセンサフィードバック分析の結果は、コンピューティング装置6158による後の回収のために内部に記憶され得る。
【0386】
図67は、オンスクリーンディスプレイ(On-Screen Display、OSD)モジュール及びヘッドアップディスプレイ(Heads-Up-Display、HUD)モジュールを含むフィードバックコントローラ6152を示す。モジュールは、様々なディスプレイ上に表示するためにマイクロコントローラの出力を処理する。より具体的には、OSDモジュールは、その中に配設されたカメラを介して、手術部位から受信された他のビデオ画像において、フィードバックコントローラ6152からのテキスト及び/又はグラフ情報をオーバーレイする。オーバーレイされたテキストを有する修正されたビデオ信号は、ビデオディスプレイに送信されて、ユーザが、手術部位をまだ観測しながら、外科用器具6154及び/又はフィードバックコントローラ6152から有用なフィードバック情報を可視化することを可能にする。フィードバックコントローラ6152は、フィードバックコントローラ6152がコンピューティング装置6158(図66)に接続されることを可能にするマイクロコントローラに結合されたデータポート6160を含む。データポート6160は、記憶されたフィードバックデータの回収、フィードバックコントローラ6152の作動パラメータの構成、及びフィードバックコントローラ6152のファームウェア及び/又は他のソフトウェアのアップグレードのために、コンピューティング装置6158とフィードバックコントローラ6152との間のインターフェースに対して備えるコンピューティング装置6158との有線及び/又は無線通信に対して備え得る。
【0387】
フィードバックコントローラ6152は、ハウジング6162と、ビデオ入力6164、ビデオ出力6166、及びHUD表示出力6168などの複数の入力及び出力ポートとを含む。フィードバックコントローラ6152はまた、フィードバックコントローラ6152に関する状態情報を表示するためのスクリーンを含む。更なる実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年2月24日発行の「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING PARAMETERS OF LINEAR MOTION IN A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許第8,960,520号に開示されている。
【0388】
状況認識
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信されたデータから外科処置に関連する情報を判定又は推定するための外科システムのいくつかの態様の能力である。情報は、実行される処置の種類、手術される組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報で、外科システムは、例えば、それに接続されるモジュール式装置(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)をそれが制御する様態を改善して、外科処置の過程でコンテキスト化された情報又は提案を外科医に提供することができる。
【0389】
ここで図68を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206などのハブの状況認識を示す予定表5200が示されている。予定表5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。予定表5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除術処置の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
【0390】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を利用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実行されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(field of view、FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
【0391】
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸部処置であることを判定する。
【0392】
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸部処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸部楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸部楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0393】
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0394】
第4の工程5208では、医療スタッフが補助機器をオンにする。利用される補助機器は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助機器は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に使用される医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
【0395】
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
【0396】
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除術処置の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0397】
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱しているのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
【0398】
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオが開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除術とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、利用されている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び利用されている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために利用され得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に結合され得る)を利用し、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
【0399】
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上で考察された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
【0400】
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
【0401】
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に利用され、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
【0402】
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にロボットツールを利用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を利用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
【0403】
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
【0404】
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に結合された様々なデータソースから受信されたデータに従って、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
【0405】
状況認識は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド102からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御され得る。
【0406】
本明細書で説明される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【0407】
実施例1.インタラクティブ制御ユニットであって、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備え、メモリが、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、インタラクティブ制御ユニット。
【0408】
実施例2.プロセッサが、スキャニング装置から画像アレイを受信し、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に画像を表示するように構成されている、実施例1のインタラクティブ制御ユニット。
【0409】
実施例3.プロセッサが、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、実施例1~2のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0410】
実施例4.プロセッサが、レーザドップラースキャニング装置から画像アレイを受信するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0411】
実施例5.プロセッサが、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0412】
実施例6.インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、実施例1~5のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0413】
実施例7.インタラクティブ制御ユニットであって、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを第1の外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備え、メモリが、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを第1の外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する第1の外科用ハブに結合された装置を制御し、第2の外科用ハブからコンサルト要求を受信し、コンサルト要求を受信した後に、第2の外科用ハブから受信された情報を表示するように、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイの一部分を構成するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、インタラクティブ制御ユニット。
【0414】
実施例8.プロセッサが、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと関連するデータを一時的に記憶するように構成されている、実施例7のインタラクティブ制御ユニット。
【0415】
実施例9.プロセッサが、データを時がたてばバックアップするように構成されている、実施例7~8のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0416】
実施例10.プロセッサが、第2の外科用ハブから受信された情報を表示するように構成されている、実施例7~9のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0417】
実施例11.プロセッサが、第2の外科用ハブから受信された情報を削除するように構成されている、実施例7~10のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0418】
実施例12.プロセッサが、第1の外科用ハブ内のインタラクティブ外科用タッチスクリーンに制御を戻すように構成されている、実施例7~11のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0419】
実施例13.インタラクティブ制御ユニットであって、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、制御回路と、を備え、制御回路が、滅菌野内に位置するインタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、入力コマンドを外科用ハブに送信して、滅菌野外に位置する外科用ハブに結合された装置を制御する、インタラクティブ制御ユニット。
【0420】
実施例14.制御回路が、スキャニング装置から画像アレイを受信し、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に画像を表示するように構成されている、実施例13のインタラクティブ制御ユニット。
【0421】
実施例15.制御回路が、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、実施例13~14のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0422】
実施例16.制御回路が、レーザドップラースキャニング装置から画像アレイを受信するように構成されている、実施例13~15のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0423】
実施例17.制御回路が、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、実施例13~16のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0424】
実施例18.インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、実施例13~17のいずれか1つのインタラクティブ制御ユニット。
【0425】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」の範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0426】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を使用して装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができることは当業者により理解される。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず使用される。
【0427】
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他の記憶装置などのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読記憶装置に限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
【0428】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理機構(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態マシン回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0429】
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0430】
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0431】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な使用である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0432】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector、ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はAmerican National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0433】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」、「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はこのような情報記憶、伝達、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0434】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0435】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0436】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された特許請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は該特許請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句の使用を、特許請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって特許請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の特許請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された特許請求項記載を含むいかなる特定の特許請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む特許請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して特許請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0437】
更に、導入された特許請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくは3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0438】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0439】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0440】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0441】
要約すると、本明細書に記載した構想を採用する結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することができるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0442】
〔実施の態様〕
(1) インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、を備え、前記メモリが、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記外科用ハブに結合された装置を制御するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、インタラクティブ制御ユニット。
(2) 前記プロセッサが、スキャニング装置から画像アレイを受信し、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に前記画像を表示するように構成されている、実施態様1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(3) 前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された前記画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、実施態様2に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(4) 前記プロセッサが、レーザドップラースキャニング装置から画像アレイを受信するように構成されている、実施態様2に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(5) 前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から、前記外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、実施態様1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【0443】
(6) 前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、実施態様1に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(7) インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記制御ユニットを第1の外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、を備え、前記メモリが、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記第1の外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記第1の外科用ハブに結合された装置を制御し、
第2の外科用ハブからコンサルト要求を受信し、
前記コンサルト要求を受信した後に、前記第2の外科用ハブから受信された情報を表示するように、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイの一部分を構成するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、インタラクティブ制御ユニット。
(8) 前記プロセッサが、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと関連するデータを一時的に記憶するように構成されている、実施態様7に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(9) 前記プロセッサが、前記データを時がたてばバックアップするように構成されている、実施態様8に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(10) 前記プロセッサが、前記第2の外科用ハブから受信された前記情報を表示するように構成されている、実施態様9に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【0444】
(11) 前記プロセッサが、前記第2の外科用ハブから受信された前記情報を削除するように構成されている、実施態様10に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(12) 前記プロセッサが、前記第1の外科用ハブ内の前記インタラクティブ外科用タッチスクリーンに制御を戻すように構成されている、実施態様11に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(13) インタラクティブ制御ユニットであって、
インタラクティブタッチスクリーンディスプレイと、
前記制御ユニットを外科用ハブに結合するように構成されたインターフェースと、
制御回路と、を備え、前記制御回路が、
滅菌野内に位置する前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイから入力コマンドを受信し、
前記入力コマンドを前記外科用ハブに送信して、前記滅菌野外に位置する前記外科用ハブに結合された装置を制御する、インタラクティブ制御ユニット。
(14) 前記制御回路が、スキャニング装置から画像アレイを受信し、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に前記画像を表示するように構成されている、実施態様13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(15) 前記制御回路が、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ上に、受信された前記画像アレイに基づいて仮想解剖学的構造の画像を表示するように構成されている、実施態様14に記載のインタラクティブ制御ユニット。
【0445】
(16) 前記制御回路が、レーザドップラースキャニング装置から画像アレイを受信するように構成されている、実施態様14に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(17) 前記制御回路が、前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを介して受信された制御入力から前記外科用ハブに結合された無線装置を再構成するように構成されている、実施態様13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
(18) 前記インタラクティブタッチスクリーンディスプレイが、複数の入力及び出力ゾーンを備える、実施態様13に記載のインタラクティブ制御ユニット。
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