(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】追跡デバイスを用いた対話型システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20231225BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20231225BHJP
A63G 33/00 20060101ALI20231225BHJP
H04B 5/48 20240101ALI20231225BHJP
【FI】
G06K19/077 228
G06K19/077 128
G06K19/07 230
G06K19/07 090
G06K19/07 170
A63G33/00
H04B5/02
(21)【出願番号】P 2020558859
(86)(22)【出願日】2019-01-09
(86)【国際出願番号】 US2019012935
(87)【国際公開番号】W WO2019140006
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2022-01-11
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-149951(JP,A)
【文献】特開2013-257715(JP,A)
【文献】特開2003-329762(JP,A)
【文献】特表2017-505648(JP,A)
【文献】特開2008-090599(JP,A)
【文献】特開2008-070923(JP,A)
【文献】特開2002-245169(JP,A)
【文献】特開2006-293634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0186701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
A63G 33/00
G06K 19/07
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスであって、
識別情報を記憶するメモリを備える無線周波数識別(RFID)タグと、
電磁放射線からの電力を利用するように構成されたパワーハーベスティング回路と、
前記パワーハーベスティング回路に結合され、前記RFIDタグがRFIDリーダと通信している間のみ、
ゲストがアトラクションの対話型要素と対話していることを示す前記ウェアラブルデバイスの状態を
検出する
ために前記電力を利用するように構成されたセンサと、
前記センサに結合されて、前記状態を示すデータを前記RFIDタグの前記メモリに書き込むように構成されたマイクロコントローラであって、前記RFIDタグは、前記RFIDリーダからの前記電磁放射線の受信に応答して前記識別情報及び前記データを送信するように構成される、マイクロコントローラと、
を含む、ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
電力を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイスを含む、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記センサは、少なくとも加速度計、ジャイロメータ、圧力センサ、音響センサ、又は光センサを含む、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記
検出される状態は、前記ウェアラブルデバイスの位置を含む、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
外部光検出器による前記ウェアラブルデバイスの検出を容易にするように構成された1又は2以上のLEDを含み、前記マイクロコントローラは、前記RFIDリーダからの前記電磁放射線の受信に応答して前記1又は2以上のLEDのうちの少なくとも1つを点灯させるための制御信号を発生させるように構成される、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記制御信号は、前記1又は2以上のLEDのうちの少なくとも1つを所定の割合で断続的に発光させるように構成される、請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
システムであって、
無線周波数識別(RFID)タグを
含むウェアラブルデバイスであって、前記RFIDタグは識別情報を記憶するメモリを
含み、前記RFIDタグはRFIDリーダからの電磁放射線の受信に応答して前記RFIDリーダに前記識別情報を送信するように構成される、ウェアラブルデバイスと、
前記ウェアラブルデバイスによって支持され、
ゲストがアトラクションの対話型要素と対話していることを示す前記ウェアラブルデバイスの位置
又は移動の追跡を容易にするように構成された追跡デバイスと、
前記ウェアラブルデバイスによって支持され、前記受信した電磁放射線からの電力を利用するように構成されたパワーハーベスティング回路であって、前記利用される電力は、前記識別情報を送信するため及び前記追跡デバイスを動作させるために利用される、パワーハーベスティング回路と、
前記RFIDリーダからの前記識別情報と、前記ウェアラブルデバイスの位置を示す信号とを受信するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサは前記受信した識別情報と前記受信した信号とに基づいて、前記ウェアラブルデバイスと
前記対話型要素との間の対話を検出するように構成され、前記プロセッサは前記ウェアラブルデバイスと前記対話型要素との間の対話の検出に基づいて前記アトラクションの前記対話型要素を調節するように構成される、プロセッサと、
を含む、システム。
【請求項8】
前記追跡デバイスは、光を発するように構成された1又は2以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ウェアラブルデバイスによって支持され、前記RFIDタグにおける前記電磁放射線の受信に応答して前記1又は2以上のLEDのうちの少なくとも1つを点灯させるための制御信号を発生させるように構成されたマイクロコントローラと、
前記プロセッサに結合され、前記1又は2以上のLEDによって発せられた光を検出するように構成され、かつ前記ウェアラブルデバイスの位置を示す信号を発生させるように構成された検出器と、
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記発生した制御信号は、前記1又は2以上のLEDのうちの前記少なくとも1つを所定の割合で断続的に発光させるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記受信した信号は、前記1又は2以上のLEDのうちの前記少なくとも1つによって発せられる光の1又は2以上の特性を示し、前記プロセッサは、前記1又は2以上の特性に基づいて前記ウェアラブルデバイスを別のウェアラブルデバイスと区別するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1又は2以上の特性は、色、割合、パターン、又はこれらの何れかの組み合わせを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ウェアラブルデバイスによって支持され、前記追跡デバイスと対話して前記ウェアラブルデバイスの位置を示すデータを前記RFIDタグの前記メモリに書き込むように構成されたマイクロコントローラを含み、前記RFIDタグは、前記RFIDリーダからの前記電磁放射線の受信に応答して、前記ウェアラブルデバイスの位置を示す信号を前記メモリから前記RFIDリーダに送信するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記追跡デバイスは、少なくとも加速度計、ジャイロメータ、圧力センサ、音響センサ、又は光センサを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記対話型要素は画像である、請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
前記アトラクションは遊園地内にある、請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
無線周波数識別(RFID)リーダから電磁放射線を送信するステップと、
ウェアラブルデバイスのパワーハーベスティング回路を用いて前記電磁放射線から電力を取り出すステップと、
ゲストがアトラクションの対話型要素と対話していることを示す前記ウェアラブルデバイスの位置
又は移動を
検出するために前記ウェアラブルデバイスによって支持されたセンサを動作させるために前記取り出された電力を利用するステップと、
前記
検出される位置を示すデータを前記ウェアラブルデバイスによって支持されたRFIDタグのメモリに書き込むために前記ウェアラブルデバイスによって支持されたマイクロコントローラを動作させるために前記取り出された電力を利用するステップと、
前記RFIDリーダからの前記電磁放射線の受信に応答して、識別情報及び前記データを前記RFIDタグのメモリから前記RFIDリーダに送信するステップと、
プロセッサを用いて、前記送信された識別情報及び前記送信されたデータに基づいてゲストが
前記対話型要素と対話したことを決定するステップと、
含む、方法。
【請求項18】
前記プロセッサを用いて、前記ゲストが前記対話型要素と対話したことの決定に基づいて前記アトラクションの前記対話型要素を調節するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサは、少なくとも加速度計、ジャイロメータ、圧力センサ、音響センサ、又は光センサを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マイクロコントローラを介して、外部光検出器による前記ウェアラブルデバイスの検出を容易にするために前記ウェアラブルデバイスによって支持された1又は2以上の発光ダイオード(LED)を点灯させるための制御信号を発生させるステップを含み、前記マイクロコントローラは、前記RFIDリーダからの前記電磁放射線の受信に応答して前記制御信号を発生させるように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記プロセッサを用いて、前記ゲストが前記アトラクションの前記対話型要素と対話したことの決定に応答して前記ゲストに得点を与えるためにデータベースを更新するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に対話型システム及び方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、ウェアラブルデバイスを利用して遊園地におけるゲストの対話を追跡する対話型システム及び方法に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2018年1月15日に出願された「INTERACTIVE SYSTEMS AND METHODS WITH TRACKING DEVICES(追跡デバイスを用いた対話型システム及び方法)」という名称の米国仮出願第62/617,510号からの優先権及びその利益を主張し、当該仮出願は、あらゆる目的で引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
遊園地及び/又はテーマパークは、様々な娯楽アトラクションを含む場合がある。幾つかの既存のアトラクションは、ゲストに没入体験又は対話体験を提供することができる。例えば、ゲストは、オーディオ、ビデオ、及び特殊効果等の様々な特徴を有する区域を訪れることができる。最新のアトラクションの高まりつつある高度化及び複雑さ、並びに遊園地及び/又はテーマパークのゲストの間でこれに伴って起きる期待の高まりを受けて、より対話的で個人化された体験を提供するアトラクションを含む、改善されたより創造的なアトラクションが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある特定の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、本開示のある特定の実施形態の概要を提供することを単に意図したものである。実際に、本開示は、以下で記載される実施形態と同様又は異なるものとすることができる様々な形態を包含することができる。
【0006】
1つの実施形態において、ウェアラブルデバイスは、識別情報を記憶するメモリを有する無線周波数識別(radio-frequency identification)(RFID)タグを含む。ウェアラブルデバイスはまた、電磁放射線(electromagnetic radiation)からの電力を利用する(harness)ように構成されたパワーハーベスティング回路(power harvesting circuit)を含む。更に、ウェアラブルデバイスは、パワーハーベスティング回路に結合され、この電力を利用して(utilize)ウェアラブルデバイスの状態を監視するように構成されたセンサを含む。更にまた、ウェアラブルデバイスは、センサに結合されて、状態を示すデータをRFIDタグのメモリに書き込むように構成されたマイクロコントローラを含み、RFIDタグは、RFIDリーダからの電磁放射線の受信に応答して識別情報及びデータを送信するように構成される。
【0007】
1つの実施形態において、システムは、無線周波数識別(RFID)タグを有するウェアラブルデバイスを含む。RFIDタグは、識別情報を記憶するメモリを有し、またRFIDタグは、RFIDリーダからの電磁放射線の受信に応答して、RFIDリーダに識別情報を送信するように構成される。更に、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスによって支持されて該ウェアラブルデバイスの位置を追跡するのを容易にするように構成された追跡デバイス(tracking device)を含む。更にまた、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスによって支持されて、受信電磁放射線からの電力を利用するように構成されたパワーハーベスティング回路を含み、利用される電力は、識別情報を送信するため、及び追跡デバイスを動作させるのに利用される。更にまた、システムは、RFIDリーダからの識別情報と、ウェアラブルデバイスの位置を示す信号とを受信するように構成されたプロセッサを含み、該プロセッサは、受信した識別情報及び受信した信号に基づいてウェアラブルデバイスとアトラクションの要素との間の対話(interaction)を検出するように構成される。
【0008】
1つの実施形態において、方法は、無線周波数識別(RFID)リーダから電磁放射線を送信するステップを含む。更に方法は、ウェアラブルデバイスのパワーハーベスティング回路を用いて電磁放射線から電力を取り出すステップを含む。更に方法は、取り出された電力を利用してウェアラブルデバイスによって支持されたセンサを動作させ、ウェアラブルデバイスの位置を監視するようにするステップを含む。更にまた、方法は、取り出された電力を利用して、ウェアラブルデバイスによって支持されたマイクロコントローラを動作させ、ウェアラブルデバイスによって支持されたRFIDタグのメモリに監視位置を示すデータを書き込むステップを含む。次いで、方法は、RFIDリーダからの電磁放射線の受信に応答して識別情報とRFIDタグのメモリからのデータをRFIDリーダに送信するステップを含む。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の1つの実施形態による対話型システムの概略図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話型システムで用いることができるリーダシステムと複数のウェアラブルデバイスとの間の通信を示す図である。
【
図3】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話型システムで用いることができる、リーダシステムと1つのターゲット付近の複数のウェアラブルデバイスとの間の通信を示す図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話型システムで用いることができる、リーダシステムとセンサを有する複数のウェアラブルデバイスとの間の通信を示す図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話型システムで用いることができるセンサを有するウェアラブルデバイスを動作させる方法のフロー線図である。
【
図6】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話型システムで用いることができる発光体を有するウェアラブルデバイスを動作させる方法のフロー線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する目的で、本明細書では実際の実施構成の特徴の全てを説明するとは限らない場合がある。このような何れかの実際の実施構成の開発において、何らかの工学プロジェクト又は設計プロジェクトと同様に、開発者の特定の目標を達成するためには、実施構成毎に異なる可能性があるシステム関連及び事業に関連する制約条件への準拠等、数多くの実施構成特有の判断を行わなければならない点を理解されたい。更に、かかる開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、それにも関わらず、本開示の利益を有する当業者にとっては設計、加工及び製造の日常的な業務であることを理解されたい。
【0012】
遊園地は、遊園地乗り物、上演ショー、及びゲーム等の多種多様な娯楽を特徴として備える。様々な種類の娯楽は、遊園地におけるゲスト(guest)の体験を高める特徴を含むことができる。例えば、アトラクションは、表示画面上に示される描画(レンダリング)画像とのゲストのタッチを検出するタッチスクリーンディスプレイを有するゲームを含むことができる。しかしながら、幾つかの対話型システム(interactive system)は、対話型要素(interactive element)(例えば、表示画面上に示される描画画像)とのゲストの対話(例えば対話型システムによる認識)の不十分な又は不確実な検出に起因して、最適以下の体験しか提供することができない。更に、対話型要素と対話したゲストの識別情報を対話型システムが決定し、従って、各ゲストに関する得点又は他のゲーム統計を正確且つ効率的に追跡することが望ましいことは理解される。
【0013】
従って、本開示は、ウェアラブルデバイス(例えば、1又は2以上のゲストによって装着可能な)を利用して、対話型要素とのゲストの対話を追跡するシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、1又は2以上の無線周波数識別(RFID)リーダと、1又は2以上のRFIDタグ及び1又は2以上の追跡デバイス(例えば発光体及び/又はセンサ)を各々が有する複数のウェアラブルデバイスとを含む対話型システムに関する。追跡デバイスは、対話型要素とのゲストの対話を示す信号を発生させるように構成された1又は2以上の構成要素を含む追跡システムの一部とすることができる。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイスのある特定の追跡デバイス(例えば、発光ダイオード(LED))はまた、アトラクションの対話型要素との成功した対話の視覚指標をウェアラブルデバイスを着用しているゲストに対して提供することができる。
【0014】
下記で用いる場合、「ユーザ」という用語は、対話型システムのユーザを指すものとすることができ、遊園地では、ユーザはゲストとすることができる。例として、ユーザは、アトラクションを通って移動する時に1又は2以上の追跡デバイスを有するウェアラブルデバイスを着用又は携帯することができる。アトラクションは、様々な画像又は物体(例えば、表示画面上に提供される描画画像、仮想要素、又はグラフィック要素;物理的な物体又はターゲット;着ぐるみ)のうちの何れかとすることができる様々な対話型要素を有することができる。アトラクションを体験するために、ユーザは、例えば、物理的ターゲットにタッチすること又は着ぐるみに近づくこと等によって対話型要素と対話することができる。
【0015】
1つの実施形態では、追跡デバイスは、ウェアラブルデバイスの状態(例えば位置又は移動)を示す信号を発生させるセンサ(例えば、加速度計等の運動センサ)とすることができる。ウェアラブルデバイスのマイクロコントローラは、センサに結合することができ、また、状態を示す(例えば信号に基づいて)データをウェアラブルデバイスのRFIDタグのメモリに書き込むことができる。下記でより詳細に検討するように、データは、RFIDタグから、アトラクションの内部及び/又はある特定の対話型要素の付近に位置付けることができるRFIDリーダに転送することができる。RFIDリーダに通信可能に結合されたコンピューティングシステムは、例えば、ユーザが特定の動き(例えば手を振ること又は手を突き出すこと)を実施したと決定する、及び/又は得点をユーザに割り当てるなど、データを処理することができる。
【0016】
1つの実施形態では、追跡デバイスはLEDとすることができ、LEDによって発せられた光は、コンピューティングシステムに通信可能に結合された検出器(例えば光検出器又はカメラ)によって検出することができる。コンピューティングシステムは、検出器から信号を受け取って処理し、例えば、ウェアラブルデバイスの位置を決定し、ユーザが特定の移動(例えば手を振ること又は手を突き出すこと)を実施したことを決定し、及び/又はユーザに得点を割り当てることができる。以下でより詳細に検討するように、アトラクション内の1又は2以上のRFIDリーダとウェアラブルデバイスのRFIDタグとの間の通信により、LEDを点灯させ(illuminate)、これによってフィードバックを提供して、1又は2以上のRFIDリーダとRFIDタグとの間の通信が発生したことをユーザに通知することができる。1又は2以上のRFIDリーダは、アトラクションの入口又は様々な対話型要素の付近に位置付けることができるので、LEDの点灯(illumination)はまた、例えば、対話型システムがアトラクション内でユーザを検出したこと、及び/又は対話型要素とのユーザの対話を検出したことをユーザに示すことができる。
【0017】
従って、追跡デバイスは、対話型システムがユーザの移動(例えば、ターゲットにタッチするジェスチャー、踊るジェスチャー、手を振るジェスチャー、手を突き出すジェスチャー、又はその他の様々なジェスチャー)を追跡することを可能にすることができ、これによって、更にユーザがアトラクションを通って移動する時に対話型システムがユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡することを可能にすることができる。例えば、対話型システムは、ユーザが接触したターゲットの個数及び/又はユーザが出会った着ぐるみの個数を検出して経過を追跡することができる。
【0018】
ここで各図面に移ると、
図1は、リーダシステム12(例えば無線周波数識別(RFID)リーダシステム)とウェアラブルデバイス14とを含む対話型システム10の概略図である。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがアトラクションを通って移動する時に着用又は携帯することができるブレスレット、ネックレス、チャーム、ピン、又は玩具等のウェアラブルデバイス又は携帯可能デバイスである。以下でより詳細に検討するように、リーダシステム12は、電磁放射線によってウェアラブルデバイス14と通信することができ、この通信により、アトラクションを通じたユーザの進行状況(例えば、乗り終えた乗り物、来場区域、接触した対話型要素、出会った着ぐるみ、勝ち取った仮想獲得物の数)の追跡が可能になる。またこの通信により、ウェアラブルデバイス14が、ウェアラブルデバイス14によって出力されるフィードバック応答(例えば光)を通じて、進行状況を示すフィードバック及び/又は様々な対話をユーザに提供することを可能にすることができる。
【0019】
1つの実施形態では、リーダシステム12は、1又は2以上のデータベース28(例えばクラウドベースのストレージシステム)内に記憶されている情報にアクセスするコンピューティングシステム22(メモリ24及びプロセッサ26を有する)に通信可能に結合された第1のリーダ16と、第2のリーダ18と、検出器20(例えば光検出器又はカメラ)とを含む。一般的に、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、電磁放射線(例えば信号)をウェアラブルデバイス14に送信する。1つの実施形態では、第1のリーダ16は、1つの周波数(例えば範囲)の信号30を送信し、第2のリーダ18は、第1の周波数とは異なる別の周波数(例えば範囲)の信号32を送信する。信号30、32を送信するのに加えて、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、ウェアラブルデバイス14からの信号及びコンピューティングシステム22からの信号等の信号を受信することができる。1つの実施形態では、コンピューティングシステム22は、1又は2以上のデータベース28内に符号化されたデータ内に記憶されている情報に基づいて、信号30、32をウェアラブルデバイス14に送るようにリーダ(例えば第1のリーダ16及び第2のリーダ18)に命令する。すなわち、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、信号の送信と受信の両方を行うことができるトランシーバとすることができる点を理解されたい。1つの実施形態では、検出器20は、ウェアラブルデバイス14から発せられた光を検出し、この検出を用いて、例えば成功した対話を検出又は検証することができる。
【0020】
図1に例示しているように、ウェアラブルデバイス14の1つの実施形態は、対話型システム10のウェアラブルデバイス14が開示するように機能できるよう協働する、第1のRFIDタグ34と、第2のRFIDタグ36と、マイクロコントローラ38と、フィードバックデバイス39(例えば、LED、スピーカ、触覚手段)と、1又は2以上の追跡デバイス40(例えばLED又はセンサ)と、電源回路42とを含む。1つの実施形態では、フィードバックデバイス39はまた、追跡デバイス40として動作することができる。第1のRFIDタグ34及び第2のRFIDタグ36は各々、信号を送受信するアンテナ46と、情報(例えば一意識別コード)を記憶するメモリ48と、マイクロチップ50と、マイクロチップ50に給電するための集積回路52とを含む。加えて、集積回路52は、マイクロコントローラ38に電力を供給する電源回路42に給電する。1つの実施形態では、電源回路36は、電力を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(例えば、コンデンサ、スーパキャパシタ、バッテリ)を含むことができる。図示のように、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラ38は、メモリ44とプロセッサ45とを含む。メモリ44は、マイクロコントローラ38及びウェアラブルデバイス14の他の構成要素の動作を制御するためにプロセッサ45によって実行されるコンピュータ可読命令を記憶する。1つの実施形態では、マイクロコントローラ38は、フィードバックデバイス39に信号を提供して、ウェアラブルデバイス14とリーダシステム12との間の成功した通信が発生したことをユーザに知らせるフィードバック応答をフィードバックデバイス39に提供させる。
【0021】
1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は、追跡デバイス40を含むことができる。一般的に、追跡デバイス40は、アトラクションの対話型要素とのユーザ対話を検出又は検証するのに用いることができる。ウェアラブルデバイス14で用いることができる様々な追跡デバイス40の検討を容易にするために、
図1のウェアラブルデバイス14は、2つの異なる種類の追跡デバイス40(例えばLED54a、54b及びセンサ56)を含むが、ウェアラブルデバイス14においてはあらゆる個数(例えば、1、2、3、4、又はそれ以上)及び様々な種類の追跡デバイス40を用いることができることを理解されたい。図示のように、1つの追跡デバイス40は、1又は2以上のLED54a、54bを含み、1つの追跡デバイス40は、1又は2以上のセンサ56を含む。LED54a、54b及び/又はセンサ56は、マイクロコントローラ38から制御信号を受け取り、また、電源回路42から電力を受け取ることもできる。LED54a、54bは、マイクロコントローラ38からの制御信号に応答して光を発し、次いで、発せられた光は、検出器20によって検出することができる。センサ56は、例えば、加速度計、ジャイロメータ、圧力センサ、音響センサ(sound sensor)、又は光検出器を含むことができる。
【0022】
一般的に、第1のRFIDタグ34のアンテナ46は、第1のリーダ16から信号24を受信するように設計され、第2のRFIDタグ36のアンテナ46は、リーダシステム12の第2のリーダ18から信号26を受信するように設計される。1つの実施形態において、マイクロコントローラ38は、タグ34、36とリーダ16、18との間の対話を識別し、LED54のうちの1又は2以上の点灯を引き起こす信号(例えば制御信号)を送信する。1つの実施形態では、LED54は、ユーザにフィードバックを提供するために可視光を発することができる。従って、LED54は、コンピューティングシステム22がユーザの位置を追跡可能にするための追跡デバイス40として動作するのに加えて、ユーザにフィードバックを提供するフィードバックデバイス29として動作することができる。1つの実施形態では、対話型システム10のウェアラブルデバイス14は、音を発するように構成されたオーディオデバイス又は触覚出力(例えば振動)を提供するように構成された触覚手段等、追加的又は代替的なフィードバックデバイス39を含むことができる。LED54によって発せられた光は、検出器20により検出することができ、検出器20は、検出された光を示す信号をコンピューティングシステム22に提供することができる。一意の識別コードを示す後方散乱はまた、第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36によって発することができ、後方散乱は、ユーザがアトラクションを通って移動する時にユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡するのを容易にするためにコンピューティングシステム22によってユーザを識別するのに利用される。
【0023】
より具体的には、リーダシステム12の第1のリーダ16は、信号30を連続的に送信する。第1のRFIDタグ34のアンテナ46は、第1のリーダ16から電磁放射線(例えば信号30)を受信し、並びに信号51を第1のリーダ16に送信するように構成される。集積回路44は、アンテナ46によって受信された電磁放射線を電気に変換し、マイクロチップ50に電力を供給し、マイクロチップ50は、後方散乱(例えば信号51)を発生させる。後方散乱は、第1のRFIDタグ34のメモリ48内に記憶されている情報(例えば一意の識別コード)を含む。後方散乱(例えば信号51)は、第1のリーダ16によって受信され、第1のリーダ16はコンピューティングシステム22に信号を送ることができる。コンピューティングシステム22は、ウェアラブルデバイス14に関連付けられたユーザ(例えば、ユーザは、アトラクションを体験する前にウェアラブルデバイス14を登録してウェアラブルデバイス14をユーザに関連付けることができる)の識別情報を決定するように、及び/又は1又は2以上のデータベース28内にあるウェアラブルデバイス14に関する情報(例えばゲーム統計)を更新するように信号を処理することができる。このようにして、対話型システム10は、ユーザがアトラクションを通って移動する時に、アトラクション内のユーザの存在を検出し、及び/又はユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡することができる。
【0024】
更に、電力がマイクロコントローラ38に供給されると、マイクロコントローラ38のプロセッサ45はまた、第1のリーダ16からの信号30が第1のRFIDタグ34において受信されたことを示す信号を第1のRFIDタグ34から受信して処理することができる。次いで、マイクロコントローラ38のプロセッサ45は、マイクロコントローラ38のメモリ44上に記憶された命令を実行し、LED54a、54bのうちの1又は2以上を点灯させ、追跡を容易にする、及び/又はユーザにフィードバックを提供することができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ38は、第1のリーダ16からの信号30が第1のRFIDタグ34において受信されたことを示す信号に応答して、ある特定の種類の点灯(illumination)(例えば、ライトの個数、色、明滅パターン、時間長)を提供するようにプログラミングすることができる。例えば、第1のRFIDタグ34が、第1のRFIDリーダ16から信号30を受信すると、マイクロコントローラ38は、第1のLED54aを点灯させることができる。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって送信される信号30は、極超短波(UHF)信号(例えば、約300メガヘルツと3ギガヘルツとの間の周波数を有する)である。このため、第1のRFIDタグ34は、第1のリーダ16から比較的遠い距離(例えば、最大で約3メートル、4メートル、5メートル、6メートル、7メートル、8メートル、又はそれ以上)に位置する時に、第1のリーダ16から信号51を受信することができる。
【0025】
これに加えて、第2のリーダ18は、信号32を連続的に送信することができる。第2のRFIDタグ36のアンテナ46は、第2のリーダ18から電磁放射線(例えば信号32)を受信するように構成される。集積回路44は、アンテナ46によって受信された放射線を電気に変換して、マイクロチップ50に電力を供給し、マイクロチップ50は後方散乱(例えば信号52)を発生させる。後方散乱は、第2のRFIDタグ36のメモリ46内に記憶されている情報(例えば一意の識別コード)を含む。幾つかの実施形態では、第1のRFIDタグ34及び第2のRFIDタグ36のそれぞれのメモリ40内に記憶されている情報をリンクすることができる(例えば、第2のRFIDタグ36における信号32の受信に応答して発生させる後方散乱は、第1のRFIDタグ34のメモリ46内に記憶されている情報を含むことができる)、又は第1のRFIDタグ34と第2のRFIDタグ36とが1つのメモリ46を共有することができる(例えば、異なる周波数の信号を受信する能力を有する二重RFIDタグである)ことを理解されたい。後方散乱(例えば信号52)は、第2のリーダ18によって受信され、第2のリーダ18がコンピューティングシステム22に信号を送ることができる。コンピューティングシステム22は、信号を処理して、ウェアラブルデバイス14に関連付けられたユーザの識別情報を決定する、及び/又は1又は2以上のデータベース28内にあるウェアラブルデバイス14に関する情報(例えばゲーム統計)を更新することができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定の区域(例えば部屋)に関連付けることができ、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の対話型要素(例えば物理的又は仮想的ターゲット)に関連付けることができるので、コンピューティングシステム22は、ユーザの概略位置と、対話型要素とのユーザの対話との両方を追跡することができる。このようにして、対話型システム10は、ユーザがアトラクションを通って移動する時にユーザの進行状況(例えば概略位置及び/又はゲーム統計)を追跡することができる。
【0026】
更に、電力がマイクロコントローラ38に供給されると、マイクロコントローラ38のプロセッサ45はまた、第2のリーダ18からの信号30が第2のRFIDタグ36において受信されたことを示す信号を第2のRFIDタグ36から受信して処理することができる。次いで、マイクロコントローラ38のプロセッサ45は、マイクロコントローラ38のメモリ44上に記憶された命令を実行して、LED54a、54bのうちの1又は2以上を点灯させ、追跡を容易にすること、及び/又はユーザにフィードバックを提供することができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ38は、第2のリーダ18からの信号32が第2のRFIDタグ36において受信されたことを示す信号に応答して、ある特定の種類の点灯(illumination)(例えば、ライトの個数、色、明滅パターン、時間長)を提供するようにプログラミングすることができる。例えば、第2のRFIDタグ36が第2のRFIDリーダ18から信号32を受信すると、マイクロコントローラ38は、第2のLED54bを点灯させることができる。1つの実施形態では、第2のリーダ16により送信される信号32は、近距離無線通信(NFC)信号(例えば、約10メガヘルツから20メガヘルツの間の周波数を有する)である。このため、第2のRFIDタグ36は、第1のリーダ16の比較的短い距離(例えば、約1センチメートル、2センチメートル、3センチメートル、4センチメートル、又は5センチメートル)内に存在する時に、第2のリーダ18から信号32を受信することができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定の区域(例えば部屋)に関連付けることができ、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の対話型要素(例えばターゲット)に関連付けることができるので、ウェアラブルデバイス14上でのLED54の点灯により、精確な追跡及び/又はユーザへの複数の種類のフィードバックを可能にすることができる。例えば、第1のRFIDリーダ16からの信号30の受信に応答した第1のLED54aの点灯は、対話型システム10がアトラクションの特定の区域内にいるユーザを検出したことをユーザに通知することができ、第2のRFIDリーダ18からの信号32の受信に応答した第2のLED54bの点灯は、対話型システム10が特定の対話型要素とのユーザの対話を検出したことをユーザに通知することができる。以下でより詳細に検討するように、検出器20によるLED54a、54bからの光の検出によって、追加のデータ(例えば、RFIDリーダ16、18を介して受信されたデータに加えて)を提供し、ユーザがアトラクションの特定の区域内にいること又は対話型要素と対話したことをコンピューティングシステム22が決定できるようにすることができる。
【0027】
一般的に、第2のリーダ18は、第1のリーダ16と同様に動作するが、第1のリーダ16は、第1のRFIDタグ34と通信し(且つ第2のRFIDタグ36とは通信せず)、他方、第2のリーダ18は、第2のRFIDタグ36と通信する(且つ第1のRFIDタグ34とは通信しない)。ウェアラブルデバイス14は、異なる距離を伝播する信号30、32を送信するそれぞれのリーダ16、18と通信するように各々が構成された少なくとも2つのRFIDタグ28、30を含むことができる。比較的長い距離を介して通信する第1のRFIDタグ34と第1のリーダ16は、ウェアラブルデバイス14の概略位置を追跡すること及びウェアラブルデバイス14を充電することを可能にし、これに対して、比較的短い距離を介して通信する第2のRFIDタグ36と第2のリーダ18は、ユーザとアトラクション内の対話型要素との間の接触(又は接近)に基づいて対話の監視を可能にする。しかしながら、第2のRFIDタグ36を用いてウェアラブルデバイス14を充電できることを理解されたい。
【0028】
1つの実施形態では、対話型システム10は、アトラクション内の様々な位置に複数の第1のリーダ16を含むことができる。ユーザがアトラクションを通って移動する時に、どの第1のリーダ16がウェアラブルデバイス14と現在通信しているかに基づいて、データベース28内のユーザの位置が更新される。1つの実施形態では、第1のリーダ16のうちの各リーダとの各対話に基づいて、ユーザにフィードバックを提供することができる。例えば、1つの第1のリーダ16は、アトラクションの入口に位置付けることができ、別の第1のリーダ16は、アトラクションの部屋又は区域内に位置付けることができる。この場合、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがアトラクションに入った時にフィードバック(例えば第1LED54aの点灯)を提供し、これによってユーザが対話型システム10によって検出されたことをユーザに通知する。次いで、ユーザが部屋又は区域に入った時に、ウェアラブルデバイス14は、別のフィードバック(例えば同じフィードバック又は第2のLED54bの点灯等の異なるフィードバック)を提供し、これによってユーザが新しい区域内にいるものとして対話型システム10によって検出されたことをユーザに通知する。また、1又は2以上のLED54は、ユーザの追跡を行うために検出器20と協働して用いることができる。
【0029】
1つの実施形態では、1又は2以上の第1のリーダ16及び1又は2以上の第2のリーダ18は、ユーザの没入体験を改善するように協働することができる。例えば、ユーザは、1又は2以上の第1のリーダ16を含む区域に入ることができる。この区域は、各々が1又は2以上の第2のリーダ18に関連付けられた又はその付近にある1又は2以上のターゲットを含むことができる。上記で検討したように、ウェアラブルデバイス14が、この区域内にある1つの第1のリーダ16の範囲(例えば比較的長い範囲)内に存在すると、ウェアラブルデバイス14は、この1つの第1のリーダ16と通信し、データベース28が更新され、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがこの区域内で検出されたというフィードバックを、ユーザに提供することができる。これに加えて、ウェアラブルデバイス14が、1つの第2のリーダ18の範囲(例えば比較的短い範囲)内に存在する(例えば、ユーザが、この1つの第2のリーダ18に関連付けられたターゲットを叩く、タッチする、又はその傍を歩くことに起因して)と、ウェアラブルデバイス14は、第2のリーダ18と通信し、データベース28が更新され、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがターゲットと成功裏に対話した(例えば得点が割り当てられた)というフィードバックをユーザに提供することができる。従って、ウェアラブルデバイス14と第1のリーダ16との間の通信は、遊園地全体にわたってユーザの比較的長い範囲の追跡を行う(例えば、ユーザが、第1のリーダ16の範囲によって定義される概略位置にいることを識別する)ことができる。更に、ウェアラブルデバイス14と第2のリーダ18との間の通信は、比較的短い範囲内で追跡を行うことができる。1つの実施形態では、検出器20は、第2のリーダ18と第2のRFIDタグ36との間の通信に応答してLED54によって発せられた光を検出するために、対話型要素及び/又は第2のリーダ18の付近等、アトラクションの様々な部分に配置することができる。
【0030】
1つの実施形態では、検出器20がウェアラブルデバイス14のLED54によって発せられた光を検出した場合に(例えばこの場合に限り)、ユーザが自分のウェアラブルデバイス14を対話型要素と相対的に適正に位置付けしたことをかかる検出が示すことができるので、コンピューティングシステム22は、ユーザに得点を付与することができる。1つの実施形態では、第2のリーダ18とウェアラブルデバイス14の第2のRFIDタグ36との間の対話又は通信の間(又はその直前又は直後)にユーザが着用しているウェアラブルデバイス14が運動している(例えば、ユーザが手を振っている、又はターゲットを叩いている)ことを検出器20が検出した場合に(例えばこの場合に限り)、コンピューティングシステム22は、ユーザに得点を付与することができる。1つの実施形態では、検出器20は、追跡デバイス40のLED54の特性(例えば、色、波長、明滅パターン)を検出することができる。LED54の特性は、1つのウェアラブルデバイス14又はウェアラブルデバイス14のグループに関連付けることができる。従って、特性の検出は、コンピューティングシステム22によって使用され、対話型要素との対話を完了したゲストの識別情報を決定又は検証することができる。このようにして、検出器20が、光、運動を示す光、又は特性を有する光を検出した時に、コンピューティングシステム22は、ウェアラブルデバイス14と第2のリーダ18との間の通信及び検出器20にてLED54によって発せられた光の検出の両方によって示される成功した対話に基づいて、ユーザに得点を付与することができる。
【0031】
本明細書で検討するように、1つの実施形態では、追跡デバイス40は、センサ56を含むことができる。センサ56は、ジャイロメータ、加速度計、圧力センサ、光センサ、又は音響センサとすることができ、ウェアラブルデバイスのマイクロコントローラ38は、センサ56を動作させるための制御信号及び/又は電力を提供することができる。一般的な動作では、センサ56は、ユーザがアトラクションの対話型要素と対話していることを示す状態(例えば、移動、位置、音、圧力、又は光)を検出することができる。例えば、センサ56が加速度計である時には、センサ56は、手を突き出す、踊る、又は他の様々なジェスチャー等、ユーザによるウェアラブルデバイス14の移動を検出することができる。センサ56が光センサである場合には、センサ56は、光が存在すること又は存在しないことを検出することができる。マイクロコントローラ38は、センサ56からデータを受け取って、このデータをRFIDタグ34、36のうちの1又は2以上のRFIDタグのメモリ48に書き込むことができる。データは、1又は2以上のRFIDタグ34、36のアンテナ46によって送信され(後方散乱を通じて)、それぞれのリーダ16、18によって読み出すことができる。次いで、リーダ16、18により受信されたデータに基づいて、コンピュータシステム22は、データベース28を更新し、ユーザに得点を付与する。
【0032】
上述のように、1つの実施形態では、第1のRFIDタグ34のアンテナ46はUHF波のみを受信することができ、他方、第2のRFIDタグ36のアンテナ46はNFC波のみを受信することができる。例えば、第1のRFIDタグ34は、UHF波を用いてのみ通信(例えば送信又は受信)することができ、第2のRFIDタグ36は、NFC波を用いてのみ通信することができる。UHF信号はより長い距離を伝播するので、ユーザがアトラクションを通って移動する時に、第1のRFIDタグ34は、第1のリーダ16によって発せられたUHF信号を高頻度で又は連続的に受信することができるが、第2のRFIDタグ36は、ユーザがウェアラブルデバイス14を第2のリーダ18の近くに位置付けした時にだけ、第2のリーダ18によって発せられたNFC信号を受信することができる。従って、1つの実施形態では、UHF信号は、ウェアラブルデバイス14に給電する又は充電する(例えば集積回路52及び電源回路42による電力取り出しによって)のに用いることができる。しかしながら、NFC信号はまた、同様の方式でウェアラブルデバイス14に給電又は充電するのに用いることができる。
【0033】
対話型システム10は、複数のユーザを追跡すること、及び/又は複数のウェアラブルデバイス14についてのフィードバックを提供することができることを理解されたい。例えば、複数のユーザは各々、アトラクション内の様々な位置に配置された複数の第1のリーダ16及び第2のリーダ18と通信するように構成されたそれぞれのウェアラブルデバイス14を着用することができる。また、1つの実施形態では、本明細書で開示される技法を容易にするために、対話型システム10のウェアラブルデバイス14は、第1の周波数(例えば周波数範囲)の信号及び第2の周波数(例えば別の周波数範囲)の信号と通信することができる単一のRFIDタグ(例えば二重周波数RFIDタグ)を含むことができることを理解されたい。本明細書で提供されるある特定の実施例は、対話型システム10にて利用することができる様々な構成要素の検討を容易にするために、複数の種類のRFIDリーダ16、18及びRFIDタグ34、36を含むが、ウェアラブルデバイス14は、1つのRFIDタグのみ(例えば第1のRFIDタグ34のみ又は第2のRFIDタグ36のみ)を含むことができ、リーダシステム12は、1つの種類のRFIDリーダのみ(例えば、1つの周波数範囲において電磁放射線を発するように構成された1又は2以上の第1のRFIDリーダ16のみ、或いは1つの周波数範囲において電磁放射線を発するように構成された1又は2以上の第2のRFIDリーダ18のみ)を含むことができることを理解されたい。かかる構成は、ユーザがアトラクションを通って移動する時に追跡及び/又はフィードバックを容易にするためにLED54の点灯を生じることができ、及び/又はかかる構成は、センサ56を用いた追跡を可能にすることができる。
【0034】
図2は、第1のウェアラブルデバイス14aを着用している第1のユーザ60aと、第2のウェアラブルデバイス14bを着用している第2のユーザ60bと、を例示している。対話型システム10の例示された部分は、全てがコンピューティングシステム22に通信可能に結合された、2つの第2のリーダ18a、18b、第1のリーダ16、及び検出器20を含む。図示するように、第1のリーダ16は、ユーザ60a、60bが着用するウェアラブルデバイス14a、14bによって受信可能な信号30を送信する。各第2のリーダ18a、18bは、それぞれの区域62a、62b内で信号32a、32bを送信する。
【0035】
1つの実施形態では、第2のリーダ18a、18bは、比較的短い通信範囲を有し、従って、ユーザ60a、60bが第2のリーダ18a、18bの付近にあるターゲット64a、64bと物理的に接触した時、又はウェアラブルデバイス14a、14bが他の方法で区域62a、62bに持ち込まれた時に、ウェアラブルデバイス14a、14bと通信する。更に、第1のリーダ16は、比較的長い通信距離を有し、従って電磁放射線を通じてウェアラブルデバイス14a、14bと連続的に通信する。
【0036】
ウェアラブルデバイス14a、14bと第2のリーダ18a、18bとの間の成功した通信は、ウェアラブルデバイス14a、14bの1又は2以上のLED54a、54bの点灯を生じることができる。ウェアラブルデバイス14a、14bのLED54a、54bが点灯すると、検出器20は、ウェアラブルデバイス14a、14bと第2のリーダ18a、18bとの間(又はユーザと特定のターゲット64との間)で正しい又は望ましい対話が発生したという検証を提供する。1つの実施形態では、検証は、どのユーザ60a、60bが第2のリーダ18a、18bと対話したかを決定するステップを含むことができる。例えば、ウェアラブルデバイス14a、14bのLED54a、54bの点灯(illumination)の特性は、各ウェアラブルデバイス14a、14bに特有のものとすることができる。例えば、第1のウェアラブルデバイス14aのLED54aは、1つの色のものとすることができ、第2のウェアラブルデバイス14bのLED54bは、別の色のものとすることができる。更に、ウェアラブルデバイス14a、14bのLED54は、固有の速度で明滅し、又は検出器20によって検出可能な様々な他の差別化特性を有することができ、従って、コンピューティングシステム22のプロセッサ26は、どのウェアラブルデバイス14a、14bがターゲット64a、64bの付近にあるかを決定するか、又はこれを示す追加の入力を受信することができる。
【0037】
更に具体的には、1又は2以上のLED54aを有するウェアラブルデバイス14aを着用している第1のユーザ60aは、ターゲット64aの近くに位置している。上記で検討したように、ウェアラブルデバイス14aは、第1のリーダ16から信号30を受信する。従って、ウェアラブルデバイス14aの構成要素が給電され、及び/又はコンピューティングシステム22は、第1のユーザ60aがターゲット64aの近傍に存在すると決定することができる。しかしながら、例示しているように、第1のユーザ60aのウェアラブルデバイス14aは、第2のリーダ18aの区域62a内には存在しない。従って、ウェアラブルデバイス14aは、第2のリーダ18aとは通信状態にない。しかしながら、第1のユーザ60aが、区域62a内にウェアラブルデバイス14aを位置付けると、ウェアラブルデバイス14aは、第2のリーダ18aと通信状態になり、1つの実施形態では、追跡を容易にするため及び/又はフィードバック応答を提供するために、LED54aのうちの1又は2以上を点灯させることができる。例えば、例示するように、検出器20は、ターゲット64a及び第2のリーダ18aの付近に位置付けされる。従って、検出器20は、1又は2以上のLED54aによって発せられた光(例えば、ウェアラブルデバイス14aの第2のRFIDタグ36(
図1)と第2のリーダ18aとの間の対話に起因して発せられた光)を検出することができ、他方、ウェアラブルデバイス14は、ターゲット64aと相対的に、且つ区域62a内で第2のリーダ18aの付近に適正に位置付けされる。
【0038】
ウェアラブルデバイス14aの第2のRFIDタグ36(
図1)との対話が発生したことを示す信号(ウェアラブルデバイス14aからの第2のRFIDタグ36(
図1)から転送された識別情報を含むこともできる)を第2のリーダ18aから受信し、並びに1又は2以上のLED54aからの光が検出されたこと及び/又はこの光がウェアラブルデバイス14aの1又は2以上のLED54aによって発せられた光の予測される特性に相応する特性を有することを示す信号を検出器20から受信すると、コンピューティングシステム22は、第1のユーザ60aとターゲット64aとの間の対話に基づく情報でデータベース28を更新する(例えば得点を割り当てる)ことになる。1つの実施形態では、コンピューティングシステム22は、検出器20から受け取った信号に基づいて、ウェアラブルデバイス14aと第2のリーダ18aとの間の対話中にウェアラブルデバイス14aが運動状態にあったか否かを決定することができる(例えば、検出器20は、1又は2以上のLED54aによって発せられた光の動きを検出することができる、撮像センサ、カメラ、又は他の種類の検出器を含むことができる)。
【0039】
図示のように、第2のユーザ60bのウェアラブルデバイス14bは、第2のリーダ18bによって発せられた信号32bを含む区域62b内に存在する。従って、ウェアラブルデバイス14bと第2のリーダ18bとは通信状態にあり、ウェアラブルデバイス14bの1又は2以上のLED54bは、検出器20によって検出可能な光58を発している。第2のRFIDタグ36(
図1)との対話が発生したことを示す信号(ウェアラブルデバイス14bからの第2のRFIDタグ36から転送された識別情報を含むこともできる)を第2のリーダ18bから受信し、並びにLED54bからの光が検出されたこと及び/又はこの光がウェアラブルデバイス14aのLED54bによって発せられた光の予測される特性に相応する特性を有することを示す信号を検出器20から受信すると、コンピューティングシステム22は、第2のユーザ60bとターゲット64bとの間の対話に基づく情報でデータベース28を更新する(例えば得点を割り当てる)。1つの実施形態では、コンピューティングシステム22は、検出器20から受け取った信号に基づいて、ウェアラブルデバイス14bと第2のリーダ18bとの間の対話中にウェアラブルデバイス14bが運動状態にあったか否かを決定することができる(例えば、検出器20は、1又は2以上のLED54bによって発せられた光の動きを検出することができる撮像センサ、カメラ、又は他の種類の検出器を含むことができる)。
【0040】
上述のように、1つの実施形態では、LED54は、追跡を可能にし、更にユーザにフィードバックを提供するために1又は2以上の周波数の可視光を発することができる。しかしながら、1つの実施形態では、LED54は、検出器20を用いてLED54を検出することを可能にし、またユーザが例えばアトラクションを通って移動する又はゲームに参加する時に可能性のあるユーザの注意散漫を抑えるために不可視光(例えば赤外線)を発することができる。ウェアラブルデバイス14の1又は2以上のLED54は、第1のリーダ16からの信号30の受信に応答して点灯させることができることを理解されたい。このような場合には、検出器20は、発せられた光を検出することができ、この光は、コンピューティングシステム22がユーザの識別情報を決定し、得点を適正に割り当てることを可能にする特定の特性を有することができる。検出器20からの信号は、第1のRFIDタグ34(
図1)から第1のリーダ16へと送信される識別情報と組み合わせで考慮され、ユーザの識別情報の決定及び得点の適正な割り当てを容易にすることができる。従って、一部の例では、対話型システム10は、第2のリーダ18なしに動作することができる。
【0041】
1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は光検出器を含むことができ、例示している検出器20は、代わりに、発光体とすることができることも理解されたい。このような場合には、マイクロプロセッサ38は、RFIDタグ34、36のうちの1又は2以上のRFIDタグのメモリ48に、ウェアラブルデバイス14の検出器における発光体によって発せられた光の検出を示す情報を書き込むことができる。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14の検出器は、暗度を検出するように構成することができ、その結果、マイクロプロセッサ38は、光レベルが閾値よりも低いと決定するのに基づいてRFIDタグのメモリ48に書き込みを行う。データは、メモリ48からRFIDリーダ16、18に転送することができ、成功した対話(例えば、ユーザがウェアラブルデバイス14を暗い区域内に適正に位置付けしたこと)を確認するためにコンピューティングシステム22が用いることができる。
【0042】
図3は、第1のユーザ60aと、第2のユーザ60bと、検出器20と、第1のリーダ16と、第2のリーダ18とを例示している。第1のリーダ16、第2のリーダ18、及び検出器20は、上記で検討したように、コンピューティングシステム22に通信可能に結合される。第2のリーダ18は、区域62内で信号32を発している。第1のユーザ60aは、1又は2以上のLED54aを有するウェアラブルデバイス14aを着用しており、第2のユーザ60bは、1又は2以上のLED54bを有するウェアラブルデバイス14bを着用している。例示するように、検出器20は、第2のリーダ18からの信号32の範囲に関連する区域62と部分的に重なり合う可能性がある範囲63内の光を検出する。
【0043】
例示するように、両方のウェアラブルデバイス14a、14bは、ターゲット64の付近に配置された第2のリーダ18からの信号32の範囲に関連する区域62内に存在する。従って、両方のウェアラブルデバイス14a、14bは、第2のリーダ18と通信状態にある。しかしながら、例示するように、第1のユーザ60aが着用しているウェアラブルデバイス14aはまた、検出器20に関連する範囲63内に存在する。ウェアラブルデバイス14aの1又は2以上のLED54aは、ウェアラブルデバイス14bの1又は2以上のLED54bとは異なる特性の点灯(illumination)を有することができる(例えば、1又は2以上のLED54aは、赤色光を発することができ、1又は2以上のLED54bは青色光を発することができる)。図示の実施例では、検出器20は、第1のユーザ60aが着用しているウェアラブルデバイス14aの1又は2以上のLED54aからの光だけを検出することができる。従って、コンピューティングシステム22は、第1のユーザ60aが第2のユーザ60bとは異なる様に第2のリーダ18(及びターゲット64)と対話していると決定することができる。1つの実施形態では、コンピューティングシステム22は、検出器20が1又は2以上のLED54(例えば54a及び/又は54b)を観測するか否かと組み合わせてウェアラブルデバイス14a、14bと第2のリーダ18との間の通信に基づいて、ユーザ60a、60bに褒賞を与える決定を行うことができる。例えば、図示の実施例では、第1のユーザ60aが携帯しているウェアラブルデバイス14aが第2のリーダ18の範囲62内にある間、検出器20がウェアラブルデバイス14aの1又は2以上のLED54aによって発せられた光を検出するので、コンピューティングシステム22は、第1のユーザ60aにのみ得点を付与することができる。
【0044】
上述のように、1つの実施形態では、対話型システム10は、1つのリーダ(例えば第1のリーダ16又は第2のリーダ18のどちらか)及びこれに相応するRFIDタグ(例えば第1のRFIDタグ34又は第2のRFIDタグ36のどちらか)だけを含むことができる。例えば、例示の対話型システム10が、第1のリーダ16及び第1のRFIDタグ34のみを含む場合には、それぞれのウェアラブルデバイス14の1又は2以上のLED54は、ウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16と通信する間に光を連続的に発することができる。従って、コンピューティングシステム22は、ウェアラブルデバイス14の1又は2以上のLED54から発せられた光を検出器20が検出した時に、ユーザに得点を付与することができる。
【0045】
図4は、第1のユーザ60aと、第2のユーザ60bと、第2のリーダ18a、18bと、第1のリーダ16とを例示している。第1のリーダ16及び第2のリーダ18a、18bは、コンピューティングシステム22に通信可能に結合される。第2のリーダ18aは、区域62a内で信号32aを発している。第2のリーダ18bは、区域62b内で信号32bを発している。例示するように、出力68(例えば、音、光)を提供する出力デバイス67(例えば、スピーカ、発光体)は、ターゲット64aの付近に位置付けることができる。
【0046】
第1のユーザ60aのウェアラブルデバイス14aと第2のユーザ60bのウェアラブルデバイス14bの両方が、第1のリーダ16と通信状態にあり(例えば、第1のリーダ16から信号30を受信する)、従って、給電されることができ、第1のリーダ16に識別情報を提供することができる(例えば後方散乱を介して)。第1のユーザ60aのウェアラブルデバイス14aはまた、第2のリーダ18aと通信状態にある(例えば、区域62a内にあり、信号32aを受信している)。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14aのセンサ56aは、音を検出するように構成することができ、出力デバイス67は、出力68として音を提供するように構成することができる。従って、センサ56aが出力68を検出した時に、ウェアラブルデバイス14aのマイクロコントローラ38は、この検出を示すデータをウェアラブルデバイス14aのメモリ48に書き込むことができる。次いで、ウェアラブルデバイス14aのアンテナ46が、このデータを第1のリーダ16又は第2のリーダ18aに後方散乱することができる。コンピューティングシステム22は、ウェアラブルデバイス14aが第2のリーダ18aと通信状態にあり、且つ出力68も検出していることに基づいて、第1のユーザ60aに得点を付与すべきであると決定することができる。ウェアラブルデバイス14aの追跡を容易にするために、出力デバイス67は、光を発する発光体を追加的又は代替的に含むことができ、ウェアラブルデバイス14aは、この発光体によって発せられた光を検出するように構成された光検出器を含むことができることを理解されたい。
【0047】
第2のユーザ60bが着用しているウェアラブルデバイス14bのセンサ56bは、ウェアラブルデバイス14bの運動又は位置を検出するジャイロスコープ又は加速度計等の運動センサとすることができる。第2のユーザ60bがウェアラブルデバイス14bを区域62b内に移動させた(例えば矢印70で例示している)時に、ウェアラブルデバイス14bは、第2のリーダ18bと通信状態にある。1つの実施形態では、センサ56bはまた、ウェアラブルデバイス14bが第2のリーダ18bと通信状態になる前又は通信状態にある間にウェアラブルデバイス14bの運動又は向きを検出することができる。例えば、センサ56bは、ウェアラブルデバイス14が第2のリーダ18bと通信する時にだけ、ウェアラブルデバイス14の状態を感知するように動作することができる。1つの実施形態では、センサ56bは、他の時間期間にて(例えば、ウェアラブルデバイス14bと第1のリーダ16との間の通信等によって十分な電力が供給される時にはいつでも)動作させることができる。幾つかのこのような場合には、ウェアラブルデバイス14bが第2のリーダ18bと通信する時に取得されたデータのみを、1又は2以上のRFIDタグ34、36のメモリ48に書き込むこと、及び/又は後方散乱によってコンピューティングシステム22に転送することができる。幾つかのこのような場合には、ある一定の時間期間(例えば、ウェアラブルデバイス14bと第2のリーダ18bとの間の最初の通信の前の約1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、又はそれ以上)の間に取得されたデータのみを1又は2以上のRFIDタグ34、36のメモリ48に書き込むこと、及び/又は後方散乱によってコンピューティングシステム22に転送することができる。幾つかのこのような場合には、運動を示すデータのみを1又は2以上のRFIDタグ34、36のメモリ48に書き込むこと、及び/又は後方散乱によってコンピューティングシステム22に転送することができる。
【0048】
より具体的には、センサ56bによって測定されたデータは、RFIDタグ34、36のうちの1又は2以上のRFIDタグのそれぞれのメモリ48に書き込まれる。次いで、データがそれぞれのリーダ16、18bに後方散乱され、コンピューティングシステム22は、第2のユーザ60bにより実施されたジェスチャーを示すデータに基づいて得点を付与する決定を行うことができる。上記で検討したように、1つの実施形態では、対話型システム10は、ある種のリーダ(例えば1又は2以上の第1のリーダ16或いは1又は2以上の第2のリーダ18b)だけを含むことができ、センサ56は、同様の方式でウェアラブルデバイス14の状態を監視するように動作することができる。
【0049】
図5は、本発明の技法による、センサ56を含むウェアラブルデバイス14を動作させるためのプロセス80の1つの実施形態を例示するフロー線図である。本明細書で検討するステップは、単に例証的に過ぎず、ある特定のステップを省略又は追加することができ、これらのステップを異なる順序で実施することができる点を理解されたい。1つの実施形態では、プロセス80は、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラ38及び他の構成要素と協働して第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36によって実行することができる。
【0050】
プロセス80は、第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36のアンテナ46が、それぞれの第1のリーダ16又は第2のリーダ18から電磁放射線を受信するステップで始まる(ブロック82)。上記で検討したように、アンテナ46が電磁放射線を受信した後に、アンテナ46は、RFIDタグ34、36のメモリ48内に記憶された情報を有する後方散乱をそれぞれのリーダ16、18に返すことができる。1つの実施形態では、この情報は、ウェアラブルデバイス14に特有の識別番号を含むことができ、従って、ユーザ(例えばウェアラブルデバイス14を用いるユーザ)を識別する。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって発せられる電磁放射線は、比較的長い距離を伝播し、第2のリーダ18によって発せられる電磁放射線は、比較的短い距離を伝播する。第1のRFIDタグ34は、第1のリーダ16と通信することができ、第2のRFIDタグ36は、第2のリーダ18と通信することができる。
【0051】
ウェアラブルデバイス14が、電磁放射線を受信すると、ウェアラブルデバイス14は、電磁放射線から電力を取り出す(ブロック84)。上記で検討したように、第1のRFIDタグ34及び第2のRFIDタグ36は各々、マイクロチップ50に給電する集積回路52を含むことができる。これに加えて、集積回路52は、電源回路42に給電し、電源回路42は、マイクロコントローラ38に給電し(ブロック86)、更にウェアラブルデバイス14の他の構成要素(例えばセンサ56)に給電する。1つの実施形態では、電源回路42は、受信コイルに電気結合されてウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18から信号を受信した時に電力を蓄積するコンデンサ又はバッテリを含むことができる。
【0052】
マイクロコントローラ38が給電されると、マイクロコントローラ38は次いで、信号(例えば制御信号)を出力し、ウェアラブルデバイス14のセンサ56に給電することができる(ブロック86)。センサ56が給電されると、センサは、ウェアラブルデバイス14の状態を示す情報を測定又は決定することができる。例えば、センサ56が加速度計である場合には、センサ56は、ウェアラブルデバイス14の運動を検出することができる。センサ56は、ウェアラブルデバイス14の検出された運動又は位置を示す情報をマイクロコントローラ38に送信することができる。
【0053】
次いで、マイクロコントローラ38は、電力を利用して、ウェアラブルデバイス14の位置又は移動を示すデータをRFIDタグ(例えば第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36)のメモリ48に書き込む(ブロック88)。1つの実施形態では、加速度計は、ある時間量にわたるウェアラブルデバイス14の運動又はウェアラブルデバイス14に印加される力を検出することができる。例えば、運動又は力は、上記で検討したように、ユーザがターゲット64を叩くことに関連付けることができる。更に関連情報は、データとしてRFIDタグ34及び/又は36のメモリ48に書き込まれる。RFIDタグ34及び/又は36のメモリ48に書き込まれたデータは、1又は2以上のリーダ(例えば第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18)に送信される(例えば後方散乱を通じて)。次いで、コンピューティングシステム22は、この情報を処理し、データベース28を更新すること、及び/又はセンサ56bによって測定された情報に少なくとも部分的に基づいて得点を付与することができる。1つの実施形態では、データは、センサ56が音波又は光波を感受することを示すことができる。従って、データは、ウェアラブルデバイス14が、かかる波を感受することができる区域内に存在することを示すことになる。例えば、遊園地のアトラクションは、光を発する複数の発光体を含むことができる。従って、センサ56が光を検出することを示すデータは、アトラクション内のユーザの位置を示す。
【0054】
ウェアラブルデバイス14の位置又は移動を示すデータが、RFIDタグ34、36のメモリ48に書き込まれると、ウェアラブルデバイス14は、RFIDタグからの識別情報及びデータをリーダ16、18に送信することができる(ブロック90)。上記で検討したように、RFIDタグ34、36のアンテナ46は、後方散乱によってリーダ16、18と通信することができる。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14がリーダシステム12と通信している(例えば、RFIDタグ34、36がリーダ16、18から信号30、32を受信している)時に、RFIDタグ34、36のアンテナ46は、ウェアラブルデバイス14の位置又は移動を示すデータを連続的に後方散乱することができる。従って、コンピューティングシステム22は、例えばデータがある一定の閾値を上回った(例えば、ユーザが手を振ること又は手を突き出すこと等の意図的な運動を行ったことを加速度計からのデータが示す)時にユーザに得点を付与することができる。
【0055】
上記で検討したように、ウェアラブルデバイス14は、追加的又は代替的に、追跡デバイス40として動作する1又は2以上のLED54を含むことができる。
図6は、本発明の技法による、1又は2以上のLED54を含むウェアラブルデバイス14を動作させるためのプロセス92の1つの実施形態を例示するフロー線図である。本明細書で検討するステップは例証的なものに過ぎず、ある特定のステップを省略又は追加することができ、これらのステップを異なる順序で実施することができることを理解されたい。1つの実施形態では、プロセス92の幾つかのステップは、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラ38及び他の構成要素と協働して第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36によって実行することができる。これに加えて、プロセス92の幾つかのステップは、コンピューティングシステム22に通信可能に結合された検出器20によって実施することができる。
【0056】
プロセス92は、第1のRFIDタグ34及び/又は第2のRFIDタグ36のアンテナ46が、それぞれの第1のリーダ16又は第2のリーダ18から電磁放射線を受信するステップで始まる(ブロック82)。上記で検討したように、アンテナ46が、電磁放射線を受信した後に、RFIDタグ34、36のメモリ48内に記憶されている情報を有する後方散乱をそれぞれのリーダ16、18に返すことができる。1つの実施形態では、この情報は、ウェアラブルデバイス14に特有の識別番号を含むことができ、従って、ユーザ(例えばウェアラブルデバイス14を用いているユーザ)を識別する。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって発せられた電磁放射線は、比較的長い距離を伝播し、第2のリーダ18によって発せられた電磁放射線は、比較的短い距離を伝播する。第1のRFIDタグ34は、第1のリーダ16と通信することができ、第2のRFIDタグ36は、第2のリーダ18と通信することができる。
【0057】
ウェアラブルデバイス14が電磁放射線を受信すると、ウェアラブルデバイス14は、電磁放射線から電力を取り出す(ブロック84)。上記で検討したように、第1のRFIDタグ34及び第2のRFIDタグ36は各々、マイクロチップ50に給電する集積回路52を含むことができる。これに加えて、集積回路52は、電源回路42に給電し、電源回路42は、マイクロコントローラ38及びウェアラブルデバイス14の他の構成要素(例えばLED54等の追跡デバイス40)に給電する。1つの実施形態では、電源回路36は、受信コイルに電気結合されてウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18から信号を受信した時に電力を蓄積するコンデンサ又はバッテリを含むことができる。
【0058】
マイクロコントローラ38が給電されると、マイクロコントローラ38は次いで、信号(例えば制御信号)を出力し、追跡デバイス40の1又は2以上のLED54に給電する(ブロック94)。1つの実施形態では、制御信号は、LED54のうちの1又は2以上のLEDに印加される可変電圧であり、これによりLEDが特定の割合で断続的に発光するようになる。
【0059】
次いで、検出器20は、1又は2以上のLED54によって発せられた光を検出する(ブロック96)。例えば、検出器20は、第2のリーダ18とウェアラブルデバイス14の第2のRFIDタグ36との間の対話又は通信中にユーザによって着用されるウェアラブルデバイス14が運動中である(例えばユーザが手を振っている又はターゲットを叩いている)ことを検出することができる。1つの実施形態では、検出器20は、追跡デバイス40のLED54の特性(例えば、色、明滅パターン)を監視することができる。LED54の特性は、1つのウェアラブルデバイス14又はウェアラブルデバイス14のグループに関連付けることができる。従って、検出器20が、光、運動を示す光、又は特性を有する光を検出した時に、コンピューティングシステム22は、ウェアラブルデバイス14と第2のリーダ18との間の通信と、LED54によって発せられた光の検出器20における検出の両方によって示される成功した対話に基づいて、ユーザに得点を付与することができる。
【0060】
従って、本開示は、対話型要素とのゲストの対話を追跡するためにリーダシステムとRFIDを利用するウェアラブルデバイスとを有する対話型システムに関する。より具体的には、リーダシステムは、電磁放射線を通じてウェアラブルデバイスの1又は2以上のタグと通信する(例えば信号を送受信する)1又は2以上のリーダを含む。リーダは、ある範囲(例えば通信範囲)内で電磁放射線を連続的に発し、ウェアラブルデバイスがこの範囲に入った時に、リーダはウェアラブルデバイスと通信する。ウェアラブルデバイスによって受信された電磁放射線は、追跡デバイスに電力を提供する。例えば、追跡デバイスは、検出器によって検出される光を発するLEDを含むことができる。1つの実施形態では、コンピューティングシステムは、検出器に通信可能に結合され、ウェアラブルデバイスに特有のものとすることができるLEDの特性(例えば、1つのウェアラブルデバイスのLEDは赤色光を発することができ、別のウェアラブルデバイス14のLEDは青色光を発する)に基づいて、ユーザの識別情報を決定又は確認する。1つの実施形態では、コンピューティングシステムは、検出された光に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに得点を付与するか、さもなければユーザのユーザプロファイルを更新することができる。1つの実施形態では、追跡デバイスは、ウェアラブルデバイスの位置又は移動等の状態を検出するように構成されたセンサとすることができる。この移動は、特定の対話型要素に対して期待又は要求することができる適切なジェスチャー(例えば、手を突き出す、ジャンプする、踊る、手を振る、又は他のジェスチャー)をユーザが実施していることを示すことができる。センサによって取得されたデータは、ウェアラブルデバイスの1又は2以上のRFIDタグのメモリ上に記憶し、次いで、コンピューティングシステムに通信可能に結合されたそれぞれのリーダに送信することができる(例えば後方散乱を介して)。1つの実施形態では、コンピューティングシステムは、センサによって検出された状態に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに得点を付与すること、或いはユーザのユーザプロファイルを更新することができる。
【0061】
本開示の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、本発明の真の精神の範囲内にあるこのような変更形態及び変更全ては、添付の請求項によって保護されるものとする点を理解されたい。
図1~
図6に関して例示又は説明された特徴の何れもが何らかの好適な方式で組み合わせることができることを理解されたい。例えば、ウェアラブルデバイス14は、ウェアラブルデバイスの追跡を容易にするためにセンサ56及びLED54のあらゆる好適な組み合わせを含むことができる。
【0062】
本明細書で提供され特許請求された技術は、本技術分野を明らかに改善する有形物及び実際的な性質の具体例に参照され適用され、このため、抽象的、無形又は純粋に理論上のものではない。更に、本明細書に添付されたあらゆる請求項は、「ある機能を実行する手段」又は「ある機能を実行するステップ」として指定された1又は2以上の要素を包含する場合には、このような要素は、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図している。しかしながら、他の何れかの様態で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないものとする。