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特許7408588メモリ・パッケージの下にコントローラを備えたメモリ・デバイス、ならびに関連するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】メモリ・パッケージの下にコントローラを備えたメモリ・デバイス、ならびに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20231225BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20231225BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20231225BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20231225BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20231225BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
G11C5/04 200
G06F12/00 550K
H01L23/12 501W
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021000908
(22)【出願日】2021-01-06
(62)【分割の表示】P 2017526646の分割
【原出願日】2015-11-19
(65)【公開番号】P2021073695
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】14/550,243
(32)【優先日】2014-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】イエ,セン キム
(72)【発明者】
【氏名】ウン,ホン ワン
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-131557(JP,A)
【文献】特開2013-021216(JP,A)
【文献】特開2013-232277(JP,A)
【文献】特開2010-238898(JP,A)
【文献】特開2008-299997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
G11C 5/04
G06F 12/00
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板に取り付けられたコントローラであって、複数の半導体パッケージに対する誤り訂正、ブロック管理、ウェアレベリング、及び、物理から論理へのマッピングを提供するように構成されたコントローラと、
前記パッケージ基板に取り付けられ、かつ、前記コントローラから横方向へ離れて配置された少なくとも1つのスペーサであって、Bステージ樹脂を含む少なくとも1つのスペーサと、
前記コントローラ及び前記少なくとも1つのスペーサの上に配設された前記複数の半導体パッケージのうちの少なくとも2つの半導体パッケージであって、前記少なくとも2つの半導体パッケージは、互いに横方向にずれることなく縦方向に積層されており、前記少なくとも1つのスペーサは、前記少なくとも1つのスペーサが前記Bステージ樹脂を含むことに少なくとも部分的に基づいて、前記パッケージ基板を前記少なくとも2つの半導体パッケージのうちの第1の半導体パッケージに接着するように硬化されている、少なくとも2つの半導体パッケージと、
前記コントローラ、前記少なくとも1つのスペーサ、及び前記少なくとも2つの半導体パッケージを封止する封止剤材料と、
を備え、
前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々が、基板と、複数の半導体ダイと、前記複数の半導体ダイを少なくとも部分的に封止するパッケージ筐体とを含み、
前記少なくとも2つの半導体パッケージのうちの互いに隣接する半導体パッケージ同士が接着剤によって結合されており、該接着剤は、各半導体パッケージを前記パッケージ基板に電気的に結合するためのワイヤボンドが前記隣接する半導体パッケージ同士の間の間隙を通過するように選択された厚さを有し、前記隣接する半導体パッケージ同士の間の前記間隙は、前記少なくとも2つの半導体パッケージが前記横方向にずれることなく縦方向に積層されていることに少なくとも部分的に基づく、半導体デバイス。
【請求項2】
前記パッケージ基板は、複数の第1のボンドパッドと、複数の第2のボンドパッドとを含み、
前記半導体デバイスは、
前記複数の第1のボンドパッドを前記少なくとも2つの半導体パッケージに結合する複数の第1のワイヤボンドと、
前記複数の第2のボンドパッドを前記コントローラに結合する複数の第2のワイヤボンドと、
を更に備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記コントローラは、前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々へのデータ転送、及び、前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々からのデータ転送を管理するように構成されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々は、前記パッケージ基板に電気的に接続されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも2つの半導体パッケージは、第1のメモリパッケージと第2のメモリパッケージとを含み、前記第1のメモリパッケージは前記パッケージ基板に取り付けられ、前記第2のメモリパッケージは、前記接着剤によって前記第1のメモリパッケージに取り付けられている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも2つの半導体パッケージは、フラッシュメモリを含み、かつ、NANDメモリ又はNORメモリ或いはその両方を含んでいる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々は、組み込みコントローラを持たないNANDメモリパッケージである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも2つの半導体パッケージは少なくとも1つのメモリパッケージを含み、前記コントローラは、前記少なくとも1つのメモリパッケージに、データを読み出し、データを消去し、又はデータを書き込み、或いはそれらのいずれかの組み合わせを行うように命令するように構成されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスペーサはシリコンを含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
ホストに結合するように構成されたマルチメディアデバイスであって、
インタポーザと、
前記インタポーザに電気的に結合されたメモリパッケージの積層であって、互いに横方向にずれることなく中心揃えになっているそれぞれのメモリパッケージの縦方向の積層を含むメモリパッケージの積層と、
前記インタポーザに取り付けられ、かつ、前記メモリパッケージの積層と前記インタポーザとの間に配置されたマルチメディアコントローラダイであって、前記メモリパッケージの積層に対する誤り訂正、ブロック管理、ウェアレベリング、及び、物理から論理へのマッピングを提供するように構成されたマルチメディアコントローラダイと、
前記インタポーザに取り付けられ、かつ、前記マルチメディアコントローラダイから横方向へ離れて配置されたスペーサであって、前記スペーサは、前記メモリパッケージの積層と前記インタポーザとの間にあり、前記スペーサは、前記インタポーザを前記メモリパッケージの積層のうちの1つのメモリパッケージに取り付けるように硬化されたBステージ樹脂を含む、スペーサと、
前記メモリパッケージの積層と、前記スペーサと、前記マルチメディアコントローラダイとを封止する封止剤と、
を備え、
前記メモリパッケージの積層の各メモリパッケージは、基板と、複数の半導体ダイと、前記複数の半導体ダイを少なくとも部分的に封止するパッケージ筐体とを含み、
前記メモリパッケージの積層のうちの互いに隣接するメモリパッケージ同士が接着剤によって結合されており、該接着剤は、各メモリパッケージを前記インタポーザに電気的に結合するためのワイヤボンドが前記隣接するメモリパッケージ同士の間の間隙を通過するように選択された厚さを有し、前記隣接するメモリパッケージ同士の間の前記間隙は、前記縦方向の積層に少なくとも部分的に基づく、マルチメディアデバイス。
【請求項11】
前記マルチメディアコントローラダイは、前記ホストと前記メモリパッケージの各々との間のデータ転送を管理するように構成されている、請求項10に記載のマルチメディアデバイス。
【請求項12】
前記マルチメディアコントローラダイは、前記メモリパッケージの各々に結合されている、請求項10に記載のマルチメディアデバイス。
【請求項13】
前記マルチメディアコントローラダイは、前記メモリパッケージの各々に結合されたメモリインタフェイスを含む、請求項10に記載のマルチメディアデバイス。
【請求項14】
各メモリパッケージはNANDパッケージである、請求項10に記載のマルチメディアデバイス。
【請求項15】
半導体パッケージを製造する方法であって、
パッケージ基板上にコントローラを配設することであって、前記コントローラは、複数の半導体パッケージに対する誤り訂正、ブロック管理、ウェアレベリング、及び、物理から論理へのマッピングを提供するように構成される、ことと、
前記パッケージ基板上に、前記コントローラから横方向に離れて配置されたスペーサを配設することであって、前記スペーサはBステージ樹脂を含む、ことと、
前記コントローラ及び前記スペーサが、前記複数の半導体パッケージのうちの第1の半導体パッケージと前記パッケージ基板との間に配置されるように、前記パッケージ基板上に前記第1の半導体パッケージを配設することと、
前記スペーサが前記Bステージ樹脂を含むことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の半導体パッケージを前記パッケージ基板に接着するように、前記スペーサを硬化させることと、
接着剤によって前記第1の半導体パッケージ上に前記複数の半導体パッケージのうちの第2の半導体パッケージを配設することであって、前記接着剤は、前記第1の半導体パッケージを前記パッケージ基板に電気的に結合するためのワイヤボンドが前記第1及び第2の半導体パッケージの間の間隙を通過するように選択された厚さを有し、前記第1の半導体パッケージ及び前記第2の半導体パッケージは、互いに横方向にずれることなく中心揃えになっている半導体パッケージの縦方向の積層を含み、前記第1の半導体パッケージ及び前記第2の半導体パッケージの間の前記間隙は、前記縦方向の積層に少なくとも部分的に基づく、ことと、
前記第1及び第2の半導体パッケージと、前記スペーサと、前記コントローラとを、封止剤で封止することと、
を含み、
前記第1の半導体パッケージ及び前記第2の半導体パッケージの各々が、基板と、複数の半導体ダイと、前記複数の半導体ダイを少なくとも部分的に封止するパッケージ筐体とを含む、方法。
【請求項16】
前記コントローラを前記パッケージ基板にワイヤボンドすることと、
前記第1及び第2の半導体パッケージを前記パッケージ基板にワイヤボンドすることと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記封止剤が前記コントローラを少なくとも部分的に封止するように、前記封止剤を前記パッケージ基板と前記第1の半導体パッケージとの間の空洞内へ流し込むこと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記パッケージ基板上に前記第1の半導体パッケージを配設することは、前記コントローラの大部分が前記第1の半導体パッケージと前記パッケージ基板とのちょうど間に配置されるように前記第1の半導体パッケージを前記パッケージ基板に取り付けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記パッケージ基板上に前記第1の半導体パッケージを配設することは、前記コントローラを前記パッケージ基板に結合するワイヤボンドが前記第1の半導体パッケージと前記パッケージ基板とのちょうど間にあるように前記第1の半導体パッケージを前記パッケージ基板に搭載することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラはマルチメディアコントローラであり、前記第1及び第2の半導体パッケージはNANDメモリパッケージ又はNORメモリパッケージ或いはその両方である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第1及び第2の半導体パッケージと、追加の半導体パッケージと、前記コントローラとを前記封止剤で封止する前に、前記第2の半導体パッケージ上に前記追加の半導体パッケージを積層すること、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、メモリ・パッケージとコントローラとを備えたメモリ・デバイスに関する。いくつかの実施形態において、本技術は、メモリ・パッケージの積層の下に位置する組み込みコントローラを含むメモリ・デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、ナビゲーション・システム(例えば自動車ナビゲーション・システム)、ディジタル・カメラ、MP3プレイヤ、コンピュータ、および他の多くの消費者向け電子装置用に、データを記憶するためにフラッシュメモリがよく使われる。ユニフォーム・シリアル・バス(USB)装置、メモリ・カード、組み込み装置、および他のデータ記憶装置は、小さなフォームファクタゆえに、フラッシュメモリを含むことがしばしばである。電子機器における専用メモリ・コントローラは、フラッシュメモリ上に記憶されたデータを管理することができる。あいにく、これらの専用メモリ・コントローラは、電子機器内での他の部品用に利用可能な空間を減少させることがある。電子機器の大きさを小さくするには、例えば、他の電子部品用に利用可能な空間を増やすために、メモリ・コントローラをホスト・プロセッサ内に統合することができる。例えば、ホスト・プロセッサには、フラッシュメモリにより記憶されるデータを管理する統合型メモリ・コントローラ(IMC)があってもよいが、これらのIMCは、特定の種類のメモリと互換性があるものであって、将来の標準(例えば、組み込みマルチメディア・カード(eMMC)の標準仕様書の将来のバージョン)用に設計された新規NANDメモリなどの新たな種類のメモリはサポートすることができないことがしばしばである。IMCが電子機器を特定の種類のフラッシュメモリに限定してしまうせいで、そうした電子機器は、より高い記憶密度、向上した性能、または拡張機能を有する新たなメモリを使うことができない場合がある。
【0003】
メモリ・コントローラは、マルチダイ・メモリ・パッケージの中に組み込むこともできる。例えば、従来のeMMCメモリは、組み込みマルチメディア・カード(MMC)コントローラを備えた、単一の高容量NANDパッケージ(例えば、積層ダイを有するNANDパッケージ)である場合がある。組み込みMMCコントローラは、相当なコンピューティングリソースを要することもあり得るNANDメモリ管理(例えば、書き込み、読み出し、削除、エラーの管理など)の実行から、ホスト・プロセッサを解放することができる。NANDダイには、検査を困難にする小さなフィーチャがあるので、個々のNANDダイは、パッケージングの前には検査されない。マルチダイNANDパッケージは、廃棄すべき不良パッケージ(例えば不良NANDダイのあるパッケージ)を突き止めるために検査されることがある。残念ながら、不良NANDパッケージ内の組み込みMMCコントローラも廃棄されてしまい、製造費用の増加につながる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様に係る半導体デバイスは、パッケージ基板と、前記パッケージ基板に取り付けられたコントローラと、前記パッケージ基板に取り付けられ、かつ、前記コントローラから横方向へ離れて配置された少なくとも1つのスペーサと、前記コントローラ及び前記少なくとも1つのスペーサの上に配設された少なくとも2つの半導体パッケージと、前記コントローラ、前記少なくとも1つのスペーサ、及び前記少なくとも2つの半導体パッケージを封止する封止剤材料と、を備え、前記少なくとも2つの半導体パッケージの各々が、基板と、複数の半導体ダイと、前記複数の半導体ダイを少なくとも部分的に封止するパッケージ筐体とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本技術の実施形態にしたがって構成されたメモリ・デバイスの断面図である。
図2】本技術の実施形態にしたがって構成されたマルチダイ・メモリ・パッケージの断面図である。
図3A】本技術の実施形態による様々な製造段階におけるメモリ・デバイスを示す断面図である。
図3B】本技術の実施形態による様々な製造段階におけるメモリ・デバイスを示す断面図である。
図3C】本技術の実施形態による様々な製造段階におけるメモリ・デバイスを示す断面図である。
図3D】本技術の実施形態による様々な製造段階におけるメモリ・デバイスを示す断面図である。
図3E】本技術の実施形態による様々な製造段階におけるメモリ・デバイスを示す断面図である。
図4】本技術の別の実施形態にしたがって構成されたメモリ・デバイスの断面図である。
図5】本技術の実施形態によるメモリ・デバイスに適した実装を示すブロック回路図である。
図6】本技術の別の実施形態にしたがって構成されたメモリ・デバイスを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
メモリ・デバイスならびに関連するシステムおよび方法の、いくつかの実施形態の具体的詳細を、以下に説明する。「メモリ・デバイス」という用語は、一般的に、パッケージ基板と一つ以上のマルチダイ・メモリ・パッケージとコントローラとを有するパッケージを指す。コントローラは、メモリ・パッケージの下に位置していてよく、各メモリ・パッケージに対するメモリ管理を提供することができる。いくつかの実施形態では、メモリ・デバイスを、モバイル機器(例えば、スマートフォン、タブレット、MP3プレイヤなど)やディジタル・カメラやルータやゲーミング・システムやナビゲーション・システムやコンピュータや他の消費者向け電子装置に適した、マルチダイ・メモリ・パッケージを備えたフラッシュメモリ(例えば、eMMCメモリ、ユニバーサル・フラッシュ・ストレージなど)とすることができる。例えば、マルチダイ・メモリ・パッケージは、例えば、NANDパッケージやNORパッケージなどのフラッシュメモリ・パッケージであってもよい。本技術にはさらなる実施形態があり得ること、また、図1から図6を参照して以下に記述する実施形態の詳細のうちのいくつかを欠いて本技術を実践し得ることをも、当業者は理解するだろう。
【0007】
図1は、本技術の実施形態にしたがって構成されたメモリ・デバイス100の断面図である。メモリ・デバイス100は、パッケージ基板104(「基板104」)と、コントローラ106と、積層されて配置された第1、第2、第3、第4のマルチダイ・メモリ・パッケージ108a、108b、108c、108d(まとめて「メモリ・パッケージ108」という)とを含むことができる。メモリ・パッケージ108と、メモリ・デバイス100とつながったホスト(例えば、電子機器のホスト・プロセッサ)との間を、コントローラ106がインタフェイス接続するように、コントローラ106およびメモリ・パッケージ108に、基板104を電気的に結合することができる。コントローラ106は、基板104に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、メモリ・デバイス100が比較的小さなフットプリントを有するように、メモリ・パッケージ108の積層の下にコントローラ106を配置することができる。
【0008】
ホスト・プロセッサが自由に他のタスクを実行することができるように、コントローラ106は、メモリ管理を取り扱うことができる。様々な実施形態において、コントローラ106は、回路、ソフトウェア、ファームウェア、メモリ、またはそれらの組み合わせを含むことができるし、フラッシュメモリ(例えばNANDメモリやNORメモリなど)を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ106は、シリコンか、シリコン・オン・インシュレータか、化合物半導体(例えば窒化ガリウム)か、または他の適切な基板といった半導体基板を含むコントローラ・ダイであってもよく、かつ、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)や、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)や、他の形式の集積回路装置――処理回路、撮像部品、および/または、メモリもしくは他の部品を管理するための他の半導体装置を含む――のような、種々の集積回路部品または機能的特徴のうちの、任意のものを有することができる。例えば、コントローラ106は、NANDメモリとともに使用するように構成されたマルチメディア・コントローラ・ダイ(例えばMMCコントローラ・ダイ)とすることができるし、回路、レジスタ、インタフェイス・モジュール(例えば、ホストとの間をインタフェイス接続するためのモジュールや、メモリ・パッケージとの間をインタフェイス接続するためのモジュールなど)、および/または所望の機能を提供するための他のモジュールを、含むことができる。
【0009】
基板104は、第1ボンドパッド120と第2ボンドパッド122とを含むことができる。第1ワイヤボンド140によって、第1ボンドパッド120を、コントローラ106の対応ボンドパッド130に結合することができ、また、第2ワイヤボンド142によって、第2ボンドパッド122を、メモリ・パッケージ108の各々の対応パッケージ・コンタクト132(一つを識別してある)に結合することができる。一実施形態において、基板104は、コントローラ106を各メモリ・パッケージ108に電気的に結合する単一のインタポーザである。例えば、金属トレース、ビア、または他の適切なコネクタなどの、電気的コネクタ144(破線で概略的に示されている)を有する、プリント回路基板、マルチメディア・カード基板、または他の適切なインタポーザを、基板104は含むことができる。電気的コネクタ144は、コントローラ106、第1ボンドパッド120、および/または第2ボンドパッド122を、お互いに結合することができ、かつ/あるいは、これらを、パッケージ・コンタクト150(一つを識別してある)および基板104の下側のインタコネクト152(一つを識別してある)を介して、(不図示の)外部回路に結合することができる。インタコネクト152は、バンプ・ボンドまたは他の適切な接続フィーチャとすることができる。
【0010】
接着剤160により、コントローラ106をパッケージ基板104に貼り付けることができる。接着剤160は、接着性材料(例えば、エポキシ樹脂、接着性ペーストなど)、接着性積層体(例えば、接着テープ、ダイ接着用もしくはダイシング兼ダイ接着用のフィルムなど)、または他の適切な材料である。コントローラ106とワイヤボンド140とを覆う接着剤162によって、第1のメモリ・パッケージ108aを基板104に貼り付けることができる。さらなるメモリ・パッケージ108b~dが順々に、お互いに対して接着剤164によって貼り付けられる。ある実施形態では、接着剤160、162、164は、同一または類似の材料を含むことができる。接着剤162は、コントローラ106とメモリ・パッケージ108aとの間にあるワイヤボンド140の部分を収容するために、接着剤164よりも厚みを持つ場合がある。接着剤164の厚みは、隣接するメモリ・パッケージ108同士の間の間隙166(一つを識別してある)をワイヤボンド142が通過することを保証するのに十分なだけ大きくとることができる。メモリ・デバイス100は、メモリ・パッケージ108およびワイヤボンド142を少なくとも部分的に封止する封止剤116を含むパッケージ筐体115を、さらに含むことができる。
【0011】
図2は、本技術の実施形態にしたがって構成されたメモリ・パッケージ108の断面図である。メモリ・パッケージ108は、複数のメモリ半導体ダイ200(一つを識別してある)と、メモリ・パッケージ基板202(「パッケージ基板202」)とを含むことができる。パッケージ基板202は、複数の第1ボンドパッド208aと複数の第2ボンドパッド208bとを含むことができる。第1ボンドパッド208aを、半導体ダイ200のうちの第1グループ(例えば、四つのダイの集まりが二つ)の対応するボンドパッド209a(一つを識別してある)に結合する(例えば、ワイヤ・ボンディングする)ことができ、また、第2ボンドパッド208bを、半導体ダイ200のうちの第2グループ(例えば、四つのダイの集まりが二つ)の対応するボンドパッド209b(一つを識別してある)に結合する(例えば、ワイヤ・ボンディングする)ことができる。ある実施形態では、一連のボンドパッド208aが、各半導体ダイ200の一連のボンドパッド209aと電気的に結合される。ボンドパッド208a・208bの構成、数、および大きさは、それぞれのボンドパッド209a・209bの構成、数、および大きさに基づいて選択することができる。ある実施形態では、一列のボンドパッド208bが各半導体ダイ200の一列のボンドパッド209bと電気的に結合される。パッケージ基板202は、例えば、金属トレース、ビア、もしくは他の適切なコネクタ――パッケージ・コンタクト132(例えばボンドパッド)、インタコネクタ(例えばバンプ・ボンド)、および/もしくは、メモリ・パッケージ108を基板104(図1)に電気的に結合するための他のフィーチャを含む――などの電気的コネクタを有する、インタポーザ、プリント回路基板、または他の適切な基板を、含むことができる。
【0012】
図2は、隣接する半導体ダイ200同士を横方向にお互いからずらしてある、縦方向に積層された配置の、半導体ダイ200を示している。別の実施形態では、半導体ダイ200同士を、縦方向において、お互いの真上に(つまり、いかなる横方向のずれもなしに)積層したり、または、任意の他の適切な積層配置で積層したりすることができ、かつ、シリコン基板か、シリコン・オン・インシュレータ基板か、化合物半導体(例えば窒化ガリウム)基板か、または他の適切な基板といった半導体基板から、半導体ダイ200を形成することができる。半導体ダイ200は、切断または単一化されたダイであってもよく、また、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ(例えば、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリなど)、DRAM、SRAM、他の形式の集積回路装置(例えば、処理回路、撮像部品、および/もしくは、他の半導体デバイス)などの、多種多様な集積回路部品または機能的フィーチャのうちの、いずれを有することもできる。図示したメモリ・パッケージ108は16個のメモリ・ダイ200を含むが、メモリ・パッケージ108が、16個より多くのメモリ・ダイまたは16個未満のメモリ・ダイ(例えば、1個のダイ、2個のダイ、4個のダイ、8個のダイ、10個のダイ、20個のダイ、など)を有する、マルチチップ・パッケージであってもよい。ダイの個数は、メモリ・パッケージ108の所望の記憶容量に基づいて選択することができる。組み込みコントローラ106が複数のメモリ・パッケージを管理することができるので、メモリ・パッケージのうちの一つ以上(例えばすべてのメモリ・パッケージ108)には、メモリ管理用の組み込みコントローラ・ダイが何もなくてもよい。
【0013】
メモリ・パッケージ108は、半導体ダイ200の積層とワイヤボンドとを少なくとも部分的に封止する封止剤216(例えば、熱硬化性材料、エポキシ樹脂、または他の適切な材料)でできた、パッケージ筐体215をさらに含むことができる。パッケージ筐体215は、取り扱い中における、周囲からの(例えば湿気からの)遮蔽、(例えばワイヤボンド同士の間の)電気的絶縁、および/または、内部部品の保護を、提供することができる。
【0014】
図3A図3Eは、本技術の実施形態によって、いくつかの製造段階でメモリ・デバイス100を組み立てる方法を示す、断面図である。一般的に、コントローラ106を基板104に結合することができ、それから、第1メモリ・パッケージ108aとパッケージ基板104との間にコントローラ106が配置されるように、第1メモリ・パッケージ108aを基板104に結合することができる。メモリ・パッケージ108aの上にさらなるメモリ・パッケージを積み重ねることができる。メモリ・パッケージ108を基板104に電気的に結合してから、メモリ・パッケージ108を封止剤116で封止することができる。製造の諸段階の詳細について、以下で詳しく論じる。
【0015】
図3Aを参照すると、基板104(例えば、回路のあるシリコン・ウェーハ)の上部表面240に沿って、第1・第2ボンドパッド120・122を配置することができ、基板104の下部表面242に沿って、パッケージ・コンタクト150を配置することができる。典型的には、コントローラ106は、フットプリントがパッケージ108よりも小さく、そのため、パッケージ・アセンブリ108を積み重ねる前に、コントローラ106を基板104に貼り付け、電気的に結合させることができる。好都合なことに、コントローラ106とその電気的接続(例えばワイヤボンド140)は、メモリ・パッケージ108の積み重ねおよび貼り付けには干渉しない。図3Aに示すとおり、ワイヤ・ボンディングのための十分な隙間を提供するためにボンドパッド120・122からコントローラ106が離れるよう、基板104の上部表面240の上に、接着剤160を担持しているコントローラ106を置くことができる。接着剤160は、ダイ接着用の接着性ペーストまたは接着成分とすることができ、例えば、ダイ接着用のフィルムまたはダイシング兼ダイ接着用のフィルム(「DAF」および「DDF」として、それぞれ当業者に知られている)とすることができる。一実施形態において、接着剤160は、圧力の閾値レベルを超えて圧縮されたときにコントローラ106を基板104に接着する、加圧硬化式の接着成分(例えば、テープまたはフィルム)を含むことができる。別の実施形態では、接着剤160を、紫外線への曝露により硬化する紫外線硬化式のテープまたはフィルムとすることができる。
【0016】
図3Bは、コントローラ106を基板104に貼り付けて第1ワイヤボンド140を形成した後のメモリ・デバイス100を示す。ワイヤボンド140によって、対応するボンドパッド120(例えば一列のボンドパッド120)へと結合された、一連のボンドパッド130(例えば一列のボンドパッド130)が、コントローラ106の横方向の対向する両側にあってよい。パッケージ108aは、ワイヤボンドとともに使用するのに適した「ワイヤを覆うフィルム」材料の形をした接着剤162を、担持することができる。他の実施形態では、はんだ、または他の適切な直接的ダイ接着技法を用いて、コントローラ106を基板104に直接的に結合することができる。そうした実施形態では、接着剤162をDAFまたはDDFとすることができる。横方向にコントローラ106の周縁を超えた外側にまで、メモリ・パッケージ108aが延び広がるように、接着剤162付きのメモリ・パッケージ108aを、基板104の上部表面240上に置くことができる。このようであるため、組み立ての間、コントローラ106全体を、まさにメモリ・パッケージ108aと基板104との間に配置しておくことができる。接着剤162の厚みは、ワイヤボンド140に損傷を与えるのを避けるために、メモリ・パッケージ108aの下部表面243とワイヤボンド140との間の接触を防ぐのに十分なだけ大きくとることができる。さらに、コントローラ106のための電気的接続が、後続のワイヤ・ボンディング工程の妨げにならないことを保証するために、ボンドパッド120をメモリ・パッケージ108aの真下に配置することができる。
【0017】
図3Cは、メモリ・パッケージ108aを基板104に貼り付けて第2ワイヤボンド142を形成した後の、メモリ・デバイス100を示す。接着剤164を用いて、第2メモリ・パッケージ108bを第1メモリ・パッケージ108aに貼り付けることができる。さらなるメモリ・パッケージ(メモリ・パッケージ108cが隠れ線で示されている)を、メモリ・パッケージ108の上に積み重ねて、基板104と電気的に結合することができる。ワイヤボンド142に損傷を与えるのを避けるために、隣接するメモリ・パッケージ108同士の間で所望の距離を保つように、接着剤164の厚みを選択することができる。例えば、ワイヤボンド142と、そうしたワイヤボンド142の直上にある隣接メモリ・パッケージ108との間の接触を防ぐのに十分なほどに、接着剤164を厚くすることができる。
【0018】
図3Dは、ワイヤボンド142によって各メモリ・パッケージ108が基板104に電気的に結合された後の、メモリ・デバイス100を示す。ワイヤボンド142によって、対応するボンドパッド122(例えば一列のボンドパッド122)へと結合された、一連のボンドパッド132(例えば一列のボンドパッド132)が、各メモリ・パッケージ108の横方向の対向する両側にあってよい。図示したメモリ・デバイス100には四つのメモリ・パッケージ108がある。他の実施形態では、メモリ・デバイス100が、より多くのメモリ・パッケージ108、または、より少ないメモリ・パッケージ108――例えば、1個のメモリ・パッケージ108、2個のメモリ・パッケージ108、5個のメモリ・パッケージ108、8個のメモリ・パッケージ108、10個のメモリ・パッケージ108、15個のメモリ・パッケージ108、など――を担持することができる。メモリ・パッケージ108の一つ以上に加えて、かつ/あるいは、それの代わりに、メモリ・デバイス100が他のパッケージまたはダイを含むことができる。メモリ・パッケージおよび/またはダイの、数や構成や配置は、メモリ・デバイス100の所望の機能および寸法に基づいて、選択することができる。
【0019】
上から見たときにメモリ・パッケージ108同士がお互いに対して中心揃えになっているように、縦方向に積み重ねてメモリ・パッケージ108を配置することができる。そのような整列された配置は、メモリ・デバイス100に比較的小さなフットプリントを与えることができる。他の実施形態では、ボンドパッド132にアクセスするための、広げられた隙間を提供するために、縦方向に積み重ねられたメモリ・パッケージ108を、お互いに対して横方向にずらすことができる。例えば、ワイヤ・ボンディング工程または他の後続の工程に基づいて、横方向のずれの方向および距離を選択することができる。所望の全体的な大きさをパッケージに与えるように、他の配置や構成でメモリ・パッケージ108を積み重ねることもできる。
【0020】
図3Eは、メモリ・パッケージ108の積層とワイヤボンド142(ワイヤボンドのうち一つのグループを識別してある)とを、封止剤116が少なくとも部分的には封止した後の、メモリ・デバイス100を示す。封止剤116は、例えば、力学的支持、周囲からの(例えば湿気からの)遮蔽、および/または(例えばワイヤボンド同士の間の)電気的絶縁を提供する、例えば、熱硬化性材料、樹脂(例えばエポキシ樹脂)、または他の適切な材料を、含むことができる。ある実施形態では、メモリ・パッケージ108とワイヤボンド142とを、封止剤116で完全に封止することができる。メモリ・パッケージ108を封止した後、処理は、ボール・ボンドを形成すること、単一化すること、ダイシングを行うこと、または他の所望の工程といった、後続の製造段階を続行することができる。
【0021】
図3A図3Eの製造工程では、組み立て前に個々の部品を検査することが可能なので、製品歩留まりを向上させることができる。各メモリ・パッケージ108が品質保証済み良品ダイ(KGD)を有していることを保証するために、メモリ・パッケージ108を個別に検査することができる。例えば、半導体ダイ200(図2)の各々を検査するために、各メモリ・パッケージ108を検査することができる。好都合なことに、メモリ・パッケージ108の基板202(図2)は、標準的な検査機器で検査を行うのに適した、比較的大きな接続を有することが可能である。KGDを有するメモリ・パッケージ108を、パッケージへの組み立てのために選択することができ、その一方で、既知の不良ダイがあるメモリ・パッケージ108を、廃棄することができる。したがって、基板104とコントローラ106は、良品のメモリ・パッケージ108だけと組み立てられ、高い製品歩留まりをもたらす。さらに、基板104は、基板104、コントローラ106、メモリ・パッケージ108、および/または他の内部部品を組み立て後に検査するための、標準的なボール・グリッド・アレイまたは他の適切なフィーチャ(例えば検査パッド)を有することができる。欠陥のあるメモリ・デバイス100を突き止めて廃棄することが可能である。
【0022】
図4は、本技術の別の実施形態にしたがって構成されたメモリ・デバイス300の断面図である。メモリ・デバイス300は、図1図3Eに関して説明したメモリ・デバイス100のものに概ね類似しているフィーチャを、含むことができる。メモリ・デバイス300は、ワイヤボンド142(ひとまとまりが識別されている)によりパッケージ基板104に電気的に結合されたメモリ・パッケージ108を含むことができ、コントローラ106は、ワイヤボンド140(一つが識別されている)によりパッケージ基板104に電気的に結合することができる。メモリ・デバイス300は、メモリ・パッケージ108aと基板104の間に一つ以上のスペーサ310を含むこともできる。スペーサ310は、切断もしくは単一化されたシリコンの切片、または他の適切な材料とすることができ、コントローラ106とワイヤボンド140よりも少し上に第1メモリ・パッケージ108aを位置させるように寸法が決められている。スペーサ310を基板104および/またはメモリ・パッケージ108aに固定するために、接着剤(例えば、接着性ペースト、DAF、接着テープなど)を用いることができる。所望の距離だけメモリ・パッケージ108aを基板104から離しておき、かつ、メモリ・パッケージ108aを固定するために、Bステージ樹脂などの他の種類のスペーサ310を使うこともできる。メモリ・パッケージ108aを完全に基板104に接着させるように、Bステージ樹脂を硬化させることができる。
【0023】
封止剤116は、積み重ねられたメモリ・パッケージ108とワイヤボンド142とを、部分的に、または完全に、封止することができ、また、封止剤116は、第1メモリ・パッケージ108aと基板104との間の空洞320の中へと、広がることもできる。スペーサ310の側壁324と、メモリ・パッケージ108aの下部表面243と、基板104の上部表面240によって、空洞320を画定することができる。コントローラ106を基板104に結合する電気的接続を封止剤116が電気的に絶縁するように、製造中において、封止剤116は、空洞320へと流入してコントローラ106とワイヤボンド140とを少なくとも部分的に封止することができる。
【0024】
図5は、本技術の実施形態によるメモリ・デバイスの実装を示すブロック回路図である。メモリ・デバイス500は、メモリ・デバイス100、300のうちの一方とすることができ、あるいは、メモリ・デバイス100、300のものに概ね類似するフィーチャを含むことができる。メモリ・デバイス500は、ホスト502とメモリ・パッケージ108の各々との間のデータ転送を管理するパッケージたり得る。メモリ制御を提供するようにコントローラ106を構成することができ、また、コントローラ106は、機能を提供するための一つ以上のモジュール520を含むことができる。モジュール520は、誤り訂正用の誤り訂正符号(ECC)モジュール、誤り検出用の誤り検出符号(EDC)モジュール、ウェア・レベリング・モジュール、論理ブロックから物理ブロックへのマッピングのためのアドレス・マッピング・モジュール、ブロック管理(例えば、不良ブロック管理、スペア・ブロック管理など)のためのモジュール、エラー回復モジュール、パーティション保護用のモジュール、コントローラ106からの起動用のモジュール、または他の所望のモジュールを含むことができるが、これらには限定されない。コントローラ106は、バス510を介してホスト502との間をインタフェイス接続することができ、メモリ・バス514を介してメモリ・パッケージ108と動作可能に結合されたインタフェイス506を含むことができる。コントローラ106は、マルチメディア・カード仕様書(例えば、第4.4版や第4.41版などの仕様書)にしたがって設計された、MMCコントローラであってもよい。ある組み込みマルチメディア・カード(eMMC)の実施形態においては、双方向データ信号(例えば、1ビット・データ転送、4ビット・データ転送、8ビット・データ転送などのための、データ信号)を提供したり、ホスト502からコマンド信号を受け取ったり、ホスト502に応答したり、かつ/または、バス転送を同期させるための信号にクロックを与えたりするバス510を、コントローラ106が有することができる。
【0025】
ホスト502は、処理能力のある装置を含むことができ、メモリ・デバイス500との間でインタフェイス接続することができてもよい。ホスト502は、メモリ・デバイス500へのコマンド入力を行うことができる、モバイル機器、パーソナル・コンピュータ、ゲーム・コンソール、または他の電子機器の、構成要素(例えば、ホスト・コントローラ、ハードウェア、プロセッサ、ドライバなど)であってもよい。コントローラ106は、ホスト502からのコマンド入力に基づいて、データを管理すること(例えば、データを書き込む、読み出す、削除する、といったこと)ができる。
【0026】
本明細書に記述したメモリ・デバイスのいずれも、概略的に図6に示したシステム600などの、より大規模かつ/またはより複雑な無数のシステムのうちの任意のものの中に、組み入れることができる。システム600は、メモリ・デバイス602、電源604、ホスト606(例えば入出力ドライバ)、プロセッサ608、および/または、他のサブシステムもしくは構成要素610を含むことができる。メモリ・デバイス602は、メモリ・デバイス100・300・500のうちの一つとすることもできるし、あるいは、上述のメモリ・デバイスのものに概ね類似するフィーチャを含むこともできる。ホスト606は、図5のホスト502に概ね類似するフィーチャを含むことができる。結果としてできあがるシステム600は、メモリ記憶、データ処理、および/または他の適切な機能といった多種多様な機能のうちの、任意のものを実行することができる。したがって、代表的なシステム600は、携帯型機器(例えば、携帯電話、タブレット、ディジタル・リーダ、およびディジタル・オーディオ・プレイヤ)、コンピュータ、ディジタル・カメラ、電化製品、ならびに乗り物(例えば、車、ボート、航空機)であり得るが、これらには限定されない。システム600の構成要素は、単一のユニット内に収容されていてもよく、または、複数の相互接続されたユニットに(例えば通信ネットワークを介して)分散されていてもよい。メモリ・デバイス602が着脱可能である場合には、メモリ・デバイス602を別のメモリ・デバイス(例えば、より進んだ機能を有する新しいメモリ・デバイス)と取り替えることができる。メモリ・デバイスの各々は、ホスト606とオンボード・メモリとの間の非互換性を防ぐようにメモリを管理すべく構成された、組み込みコントローラを有することができる。
【0027】
本明細書で開示したメモリ・デバイスの大きさは、電子機器の大きさに基づいて選択することができる。例として、図1のメモリ・デバイス100または図4のメモリ・デバイス300は、約4mmから7mmまでの範囲の高さと、約13mmから17mmまでの範囲の幅と、約17mmから25mmまでの範囲の長さとを有することができる。メモリ・パッケージ108(図1図2を参照)は、約0.75mmから1.5mmまでの範囲の高さ(例えば1.2mm)と、約12mmから16mmまでの範囲の幅と、約16mmから20mmまでの範囲の長さとを有することができる。
【0028】
本明細書に記述したメモリ・デバイスは、様々な種類の記憶装置に組み入れることができる。NANDパッケージを備えたメモリ・デバイス(例えば、図1または図4の、メモリ・デバイス100または300)は、USBドライブ、メモリ・カード、ソリッド・ステート・ドライブ、または他の高密度メモリ記憶装置に、組み入れることができる。NORパッケージを備えたメモリ・デバイス(例えば、図1または図4の、メモリ・デバイス100または300)は、組み込み装置の一部とすることができる。本明細書で開示したメモリ・デバイスは、様々な種類の、パッケージ・イン・パッケージ(PIP)技術、システム・イン・パッケージ(SIP)技術、または他の所望のパッケージング技術を利用することができ、また、例えばボール・グリッド・アレイを有することができる。例えば、図1または図4の、メモリ・デバイス100または300は、標準的なボール・グリッド・アレイを備えたパッケージとすることができる。
【0029】
本明細書で開示した少なくともある実施形態は、パッケージ基板と、半導体ダイを有する複数の積み重ねられたメモリ・パッケージと、コントローラと、封止剤とを含む、メモリ・デバイスである。コントローラは、パッケージ基板に取り付けられ、メモリ・パッケージとパッケージ基板との間に配置される。コントローラは、メモリ・パッケージの各々を管理するように構成される。封止剤は、パッケージ基板により担持され、メモリ・パッケージのうちの一つ以上を封止する。
【0030】
ある実施形態では、メモリ・デバイスが、基板と、積み重ねられた複数の記憶手段と、制御手段と、封止剤とを含む。制御手段は、記憶手段に取り付けられ、積み重ねられた複数の記憶手段と基板との間に配置される。制御手段は、記憶手段の各々を管理するように構成される。各記憶手段は、メモリ・パッケージであってもよい。封止剤を基板により担持することができ、また、封止剤は積み重ねられた複数の記憶手段を封止することができる。
【0031】
ある実施形態では、マルチメディア・デバイスが、インタポーザと、インタポーザに電気的に結合されたメモリ手段の積層と、マルチメディア制御手段とを含む。マルチメディア制御手段は、インタポーザに取り付けられ、メモリ手段の積層とインタポーザとの間に配置される。ホストとメモリ手段の各々との間のデータ転送を管理するように、マルチメディア制御手段を構成することができる。封止剤が、メモリ手段の積層を封止することができる。各メモリ手段がマルチチップ・メモリ・パッケージであってもよい。
【0032】
本明細書では本技術の特定の実施形態を例示目的で説明してきたが、本開示から逸脱することなく様々な変更がなされ得る、ということが、前述のことからよく理解されるであろう。文脈の許すところでは、単数形の用語または複数形の用語が、それぞれ、複数形の用語または単数形の用語をも含むことがあり得る。「または(or)」という語が、二つ以上のもののリストに関連して、この語は他の残りのものを除いた単一のものだけを意味するように限定されるべきであると示す、明示的な節と結びつけられていない限りは、そうしたリストにおける「または」の使用は、(a)リスト中の任意の一つのもの、(b)リスト中のすべてのもの、または(c)リスト中のものの任意の組み合わせを含むものとして、解釈されるべきである。さらに、「縦方向の」「横方向の」「上部の」「下部の」という用語は、図面に示した方向から判断しての、メモリ・デバイス内のフィーチャの相対的な方向または位置を参照することがある。しかし、これらの用語は、横倒しになっていたり、または上下逆さまになっていたりするなど、別の向きになっているメモリ・デバイスおよびその構成部品をも含むのだ、と幅広く解釈されるべきである。
【0033】
特定の実施形態の文脈において記述された、本件新技術のある態様が、他の実施形態において、組み合わせられること、または削除されることもある。さらに、本件新技術のある実施形態と関連づけられた優位性は、そうした実施形態の文脈において記述されてきたが、他の実施形態がそうした優位性を示すこともあり、かつ、必ずしもすべての実施形態が本技術の範囲内に入るためにそうした優位性を示すとは限らない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明示的に示されたりまたは記述されたりはしていない他の実施形態を、包含し得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6