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特許7408590防振装置を含む車輪付きカート、並びに関連するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】防振装置を含む車輪付きカート、並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/13 20160101AFI20231225BHJP
   A61B 34/35 20160101ALI20231225BHJP
【FI】
A61B50/13
A61B34/35
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021023201
(22)【出願日】2021-02-17
(62)【分割の表示】P 2019126279の分割
【原出願日】2015-03-17
(65)【公開番号】P2021073061
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-03-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】61/954,258
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】キャヴァリア,マシュー アール
(72)【発明者】
【氏名】ダッチス,グレゴリー ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ハナスチック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】モーア,ポール ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】シェナ,ブルース エム
(72)【発明者】
【氏名】ズィマー,マーク ダブリュ
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-530268(JP,A)
【文献】実開昭56-50411(JP,U)
【文献】国際公開第2009/104318(WO,A1)
【文献】特開2003-116876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30-34/37
A61B 50/13
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット手術システムのためのカートであって、当該カートは、
ベースと、
該ベースに結合されるマニピュレータアームであって、該マニピュレータアームに取り付けられた状態で手術器具を支持するように構成されるマニピュレータアームと、
前記ベースに接続され、且つ当該カートを地面に沿って移送するように構成された1つ又は複数の車輪と、
ベースに結合される第1の安定化装置であって、該第1の安定化装置は、地面に接触する接地部材と、該接地部材を前記ベースに対して展開位置と後退位置との間で移動するように構成されたアクチュエータとを含み、前記接地部材は、前記展開位置において前記地面と接触しており、前記後退位置において前記地面から持ち上げられている、前記第1の安定化装置と、
該第1の安定化装置に動作可能に結合される制御装置と、を有しており、
該制御装置は、
前記マニピュレータアームの第1の状態変化を検出し、前記マニピュレータアームの前記第1の状態変化の検出に応答して、前記アクチュエータによって前記接地部材を前記展開位置に自動的に移動させること、を行うように構成され、
前記第1の状態変化は、前記マニピュレータアームに対する装置の取付けに対応する、
カート。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記マニピュレータアームの第2の状態変化を検出し、前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化の検出に応答して、前記アクチュエータによって前記接地部材を前記後退位置に自動的に移動させること、をさらに行うように構成され、前記第2の状態変化は、前記マニピュレータアームからの前記装置の取外しに対応する、請求項1に記載のカート。
【請求項3】
前記マニピュレータアームの前記第1又は第2の状態変化のうちの少なくとも一方に応答して、1つ又は複数の信号を前記制御装置に送信するように構成された装置をさらに有しており、前記制御装置は、前記装置から前記信号を受信することに応答して、前記アクチュエータによって、前記接地部材を移動させる、請求項に記載のカート。
【請求項4】
前記装置は、操作入力を受信することに応答して、前記信号を前記制御装置に送信するように構成される、請求項に記載のカート。
【請求項5】
前記アクチュエータは、シリンダ装置を含み、該シリンダ装置は、前記シリンダ装置に供給される圧力によって前記接地部材の動きがもたらされるように、前記接地部材に動作可能に結合される、請求項乃至のいずれか一項に記載のカート。
【請求項6】
当該カートは複数の安定化装置を含み、前記第1の安定化装置は、前記複数の安定化装置のうちの1つである、請求項乃至のいずれか一項に記載のカート。
【請求項7】
前記複数の安定化装置のそれぞれが、前記ベースに対して前記展開位置と前記後退位置との間で移動可能な接地部材を含む、請求項に記載のカート。
【請求項8】
前記複数の安定化装置のそれぞれが、それぞれの前記安定化装置のそれぞれの前記接地部材を作動させるためのアクチュエータを含む、請求項に記載のカート。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記マニピュレータアームの前記第1の状態変化に応答して、前記複数の安定化装置のそれぞれの安定化装置のそれぞれのアクチュエータによって、それぞれの安定化装置のそれぞれの接地部材を前記展開位置に自動的に移動させること、及び
前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化に応答して、前記複数の安定化装置のそれぞれの安定化装置のそれぞれのアクチュエータによって、それぞれの安定化装置の前記接地部材を前記後退位置に自動的に移動させること、を行うように構成される、請求項に記載のカート。
【請求項10】
当該カートの動きを生じさせるために1つ又は複数の前記車輪を駆動するモータをさらに含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のカート。
【請求項11】
前記接地部材が前記展開位置にあるときに、当該カートは動かないようにされる、請求項10に記載のカート。
【請求項12】
前記マニピュレータアームに取り付けられた状態の前記手術器具をさらに含む、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のカート。
【請求項13】
前記マニピュレータアームの前記第1の状態変化は手術のための当該カートの準備に対応し、前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化は前記手術の終了に対応する、請求項乃至のいずれか一項に記載のカート。
【請求項14】
前記装置にはカニューレが含まれ、前記マニピュレータアームの前記第1の状態変化には前記カニューレを前記マニピュレータアームに取り付けることが含まれ、前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化には前記カニューレを前記マニピュレータアームから取り外すことが含まれる、請求項乃至9及び13のいずれか一項に記載のカート。
【請求項15】
前記制御装置は、前記マニピュレータアームの第2の状態変化を検出し、前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化の検出に応答して、前記アクチュエータによって前記接地部材を前記後退位置に自動的に移動させること、をさらに行うように構成され、
前記装置には第1のカニューレが含まれ、前記マニピュレータアームの前記第1の状態変化には前記第1のカニューレを前記マニピュレータアームに取り付けることが含まれ、前記マニピュレータアームの前記第2の状態変化には第2のカニューレを前記マニピュレータアームから取り外すことが含まれる、請求項1及び10乃至12のいずれか一項に記載のカート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年3月17に出願された米国仮特許出願第61/954,258号について優先権を主張するものであり、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、防振装置を含む車輪付きカート、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遠隔操作(ロボット)手術システムは、外科医コンソールを含み、この外科医コンソールにおいて、外科医が命令を入力して、外科手術中に、患者側カートのマニピュレータアームに取り付けられた1つ又は複数の遠隔操作手術用器具を制御することができる。患者側カートは、外科手術のために患者側カートを患者の近くに位置付けするように、手術室の周りに移動させることができる。このような患者側カートに関する1つの検討事項は、患者側カートの移動中等にマニピュレータアーム等を介して取り付けられた器具に伝達し得る振動である。患者側カートは、器具の取付けや振動を最小限に抑えるために有効であったが、患者側カートには更なる改良が望まれている。例えば、患者側カートを機械的に接地させる装置を患者側カートに設け、振動をさらに低減することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の例示的な実施形態は、上述した問題の1つ又は複数を解決することができ、及び/又は上述した所望の特徴の1つ又は複数を実証することができる。他の特徴及び/又は利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、遠隔操作手術システム用の患者側カートは、ベース、ベースに接続されたカラム、カラムに接続されたブーム、ブームに接続されたマニピュレータアーム、及び防振部材を有することができる。マニピュレータアームは、手術用器具を支持するように構成することができる。防振部材は、ベースに対して展開位置と後退位置との間で移動するように構成することができる。防振部材は、展開位置において地面と係合しており、及び後退位置において地面に接触しなくてもよい。
【0006】
別の例示的な実施形態によれば、カートは、ベース、ベースに接続され且つ地面に沿ってカートを移送するように構成された複数の車輪、及び防振部材を有することができる。防振部材は、ベースに対して展開位置と後退位置との間で移動するように構成することができる。防振部材は、展開位置において地面と接触しており、及び後退位置において地面に接触しなくてもよい。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、遠隔操作手術システム用の患者側カートの防振部材を制御する方法は、外科手術のための患者側カートの準備に対応する第1のイベントの発生を検出するステップを含むことができる。この方法は、患者側カートが配置される際に地面に接触するように、命令信号を作動装置に発して防振部材を展開させるステップをさらに含むことができる。
【0008】
更なる目的、特徴及び/又は利点は、以下の詳細な説明に部分的に記載され、及び詳細な説明から部分的に明らかになり、又は本開示及び/又は特許請求の範囲を実施することによって知ることができる。これらの目的及び利点の少なくとも一部は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組合せによって実現され、達成することができる。
【0009】
前述した概要の説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示及び説明のためだけであり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。むしろ、特許請求の範囲は、均等物を含む完全な広さの範囲に権利範囲が及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態に係る患者側カートの概略斜視図である。
図2】防振部材を含む、患者側カートのベースの例示的な実施形態の概略平面図である。
図3】例示的な実施形態に係る後退状態にある防振部材を含む患者側カートの一部の概略側面図である。
図4】展開状態にある防振部材を含む図3の患者側カートの一部を示す図である。
図5】例示的な実施形態に係る防振部材用の作動装置の概略的な部分断面図である。
図6】例示的な実施形態に係る防振部材用の油圧システムの概略平面図である。
図7】例示的な実施形態に係る防振部材を展開させるための概略的な方法を示す図である。
図8】例示的な実施形態に係る防振部材を後退させるための概略的な方法を示す図である。
図9】例示的な実施形態に係る第1の状態にある手動解除装置の概略図である。
図10】第2の作動状態にある図9の手動解除装置を示す図である。
図11】第1の状態にある図9の手動解除装置及びアクセスドアの部分斜視図である。
図12】第2の作動状態にある図10の手動解除装置及びアクセスドアの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、添付図面単独で、又は添付図面と一緒に以下の詳細な説明から理解することができる。図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれ、且つ本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本教示の1つ又は複数の例示的な実施形態を示し、詳細な説明と共に、特定の原理及び動作を説明するのに役立つ。
【0012】
例示的な実施形態を示すこの詳細な説明及び添付の図面は、限定するものとして解釈すべきではない。種々の機械的、組成的、構造的、電気的、及び操作上の変更は、本明細書及び均等物を含む特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。いくつかの例では、周知の構造及び技術は、明細書の開示を不明瞭にしないために、詳細に示されていない又は記載していない。複数の図面における同様の参照符号は、同一又は同様の要素を表す。さらに、ある実施形態に関連して詳細に説明した要素及びそれら関連機能は、実用上いつでも、具体的に図示又は説明されていない他の実施形態に含めることができる。例えば、ある要素が1つの実施形態を参照して詳細に説明されているが、第2の実施形態を参照して説明されていない場合に、この要素は、それにもかかわらず、第2の実施形態に含まれるように権利範囲に含まれる。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的について、特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される量、パーセンテージ、又は比率を表す全ての数字、及び他の数値は、修飾されていない場合であっても、「約」という用語によって全ての場合において修飾されるものとして理解すべきである。従って、特に断らない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に依存して変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限させないように、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の数字を丸める技術を適用することによって少なくとも解釈すべきである。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合に、単数形「1つの(a, an)」や、「その(the)」、及び任意の単語の単数形の使用は、1つの指示対象に明白に且つ明確に限定されない限り、複数の対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用する場合に、用語「含む、有する(include)」及びその文法的活用形は、非限定的であることを意図しており、それによって、リスト中の項目の列挙は、列挙された項目に置換又は追加することができる他の同様な項目を除外するものではない。
【0015】
また、本明細書の用語は、本明細書の開示又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。例えば、「の下に(beneath)」、「より下に(below)」、「下の(lower)」、「の上に(above)」、「上の(upper)」、「基端の(distal)」、「先端の(distal)」等の相対的な空間を示す用語は、図面の向きに示されるような他の要素や機能に対する1つの要素や機能の関係を説明するために使用される。これらの相対的な空間を示す用語は、図面に示された位置及び向きに加えて、使用又は操作における装置の異なる位置(すなわち、場所)及び向き(すなわち、回転配置)を包含することを意図している。例えば、図中の装置をひっくり返した場合に、他の要素又は機能「より下に(below)」又は「の下に(beneath)」として説明された要素は、次に他の要素又は機能「の上に(above)」又は「の上に(over)」になるであろう。こうして、例示的な用語「より下に(below)」は、「の上に(above)」及び「より下に(below)」の位置及び向きの両方を包含することができる。装置は、他の方法で向き合わせする(90度回転又は他の向きに回転する)ことができ、本明細書で使用する相対的な空間記述は、それに応じて解釈することができる。手術用器具の相対的な基端及び先端方向が、図にラベル付けされている。
【0016】
本開示は、患者側カートの振動を低減するための機構を含む遠隔操作手術システム用の患者側カートを企図する。患者側カートは、ユーザから防振機構を展開又は後退させる指示を受けることなく防振機構を自動的に展開及び後退させるような、防振機構の展開及び後退の制御を容易にするためのシステムを含むことができる。こうして、ユーザが防振機構を積極的に展開又は後退するよう要求することなく、患者側カートの振動低減を、制御し且つ促進することができる。
【0017】
本開示の様々な例示的な実施形態は、振動低減を促進する防振装置を含むカートを企図する。防振装置は、カートのベースに対して展開位置と後退位置との間で移動するように構成された防振部材を含むことができる。カートは、例えば、ベース、ベースに接続されたカラム、カラムに接続されたブーム、及びブームに接続されたマニピュレータアームを有する遠隔操作手術システム用の患者側カートとすることができる。マニピュレータアームは、手術用器具を支持するように構成することができる。防振部材は、展開位置において地面と係合しており、及び後退位置において地面と接触していない。防振部材は、ベースに結合してもよく、及び後退位置においてベース内に受容され得る。患者側カートは、複数の防振部材を含んでもよい。患者側カートは、防振部材を後退位置に付勢する付勢装置をさらに含んでもよい。作動装置は、防振部材を後退位置から展開位置に移動させることができる。作動装置は、付勢装置に打ち勝つような力を及ぼすことができる。患者側カートは、油圧を作動装置に供給するように構成された油圧システムをさらに有してもよい。患者側カートは、複数の防振部材、及びそれぞれの防振部材を作動させる複数の作動装置を含んでもよく、油圧システムは、油圧を複数の作動装置に供給するように構成された単一の油圧回路を含む。油圧システムは、油圧を監視するように構成されたセンサを含んでもよい。患者側カートは、ユーザによって手動で作動され、油圧システムの油圧を解放するように構成された手動解除装置を含んでもよい。手動解除装置は、油圧システムの放出弁を作動するように構成してもよい。患者側カートは、電動モータによって駆動される車輪を含んでもよく、電動モータは、防振部材の展開位置にロックされ、手動解除装置を作動させることによって、電動モータのロックを解除して、車輪が自由に回転するのを可能にする。手動解除装置は、ドアによって閉鎖可能である、ベース内の区画内に配置してもよく、手動解除装置が作動状態にあるときに、停止部材は、ドアの閉鎖を阻止するように位置付けされる。
【0018】
本明細書で説明する様々な例示的な実施形態では、カートは、防振部材の展開及び後退を制御するように構成された制御装置を有してもよい。制御装置は、第1のイベントの発生の際に防振部材を自動的に展開するように構成され、及び第2のイベントの発生の際に防振部材を自動的に後退するように構成してもよい。第1のイベントによって、マニピュレータアームにカニューレが取り付けられる。第2のイベントによって、患者側カートに取り付けられたカニューレが取り外される。第2のイベントについてのカニューレは、外科手術中に患者側カートに取り付けられ、最後まで残ったカニューレであってもよい。
【0019】
本開示の様々な例示的な実施形態は、遠隔操作手術システム用の患者側カートの防振部材を制御する方法も企図する。この方法は、外科手術のための患者側カートの準備に対応する第1のイベントの発生を検出するステップと、患者側カートが配置される際に、命令信号を駆動装置に発して、防振部材を展開させ地面に接触させるステップとを含んでもよい。第1のイベントには、患者側カートのマニピュレータアームにカニューレを取り付けるステップが含まれる。この方法は、外科手術の終了に対応する第2のイベントの発生を検出するステップと、命令信号を作動装置に発して、防振部材を後退させるステップとをさらに含んでもよい。第2のイベントによって、患者側カートに取り付けられたカニューレが取り外される。第2のイベントにおけるカニューレは、外科手術中に患者側カートに取り付けられ、最後まで残ったカニューレであってもよい。
【0020】
図1をここで参照すると、遠隔操作手術システムの患者側カート100の例示的な実施形態が示されている。当業者にはなじみがあるように、遠隔操作外科手術システムは、患者側カート100の器具を制御するためにユーザからの入力を受信するための外科医コンソール(図示せず)だけでなく、例えば2013年12月5日に公開された”Multi-Port Surgical Robotic System Architecture”という標題の米国特許出願公開第2013/0325033号明細書、2013年12月5日に公開された”Redundant Axis and Degree of Freedom for Hardware-Constrained Remote Center Robotic Manipulator”という標題の米国特許出願公開第2013/0325031号明細書に記載されるような補助制御/ビジョンカート(図示せず)を含んでもよく、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。非限定的な例として、本開示によって企図されるタイプの遠隔操作手術システムは、Intuitive Surgical, Inc.から入手可能なda Vinci(登録商標)手術システムのいずれかを含む。
【0021】
患者側カート100は、ベース102、メインカラム104、及びメインカラム104に接続されたメインブーム106を含むことができる。患者側カート100は、複数のマニピュレータアーム110,111,112,113も含むことができ、各マニピュレータアームは、メインブーム106に接続することができる。マニピュレータアーム110,111,112,113の一部は、マニピュレータアーム110について示されるように、器具130を取り付けることができる器具取付け部120を含むことができる。マニピュレータアーム110,111,112,113は、外科医コンソールのユーザによって提供される命令に応じて外科手術中に操作することができる。例示的な実施形態では、外科医コンソールから伝達される信号(複数可)又は入力(複数可)は、制御/ビジョンカートに伝達することができ、制御/ビジョンカートは、入力(複数可)を解釈し、患者側カート100に伝達される命令(複数可)又は出力(複数可)を生成して、器具130(そのような1つのみの器具が図1に取り付けられる)及び/又は(器具130が患者側カート100に結合される)マニピュレータアーム110の部分の操作を引き起こす。
【0022】
例示的な実施形態によれば、器具取付け部120は、作動インターフェイスアセンブリ122及びカニューレ取付け部124を含むことができ、器具130のシャフト132は、器具のカニューレ取付け部124を通って(外科手術中に手術部位上に)延びており、及び作動インターフェイスアセンブリ122と接続する力伝達機構134を通って延びている。カニューレ取付け部124は、カニューレ(図示せず)を保持するように構成することができ、このカニューレを介して、器具130のシャフト132が外科手術中に手術部位に延びる。作動インターフェイスアセンブリ122は、外科医コンソールの入力命令に応答して制御され且つ力を力伝達機構134に伝達して器具130を作動させるための様々な機構を含むことができる。
【0023】
図1の例示的な実施形態は、見易さのためにマニピュレータアーム110のみに取り付けられた器具130を示しているが、器具は、マニピュレータアーム110,111,112,113のいずれか又はそれぞれに取り付けることができる。器具130は、エンドエフェクタを含む手術用器具であってもよく、外科手術中に利用され、遠隔手術部位の情報(例えば、視覚化、電気生理学活性、圧力、流体の流れ、及び/又は他の感知データ)を提供するカメラ機器又は他の感知器具であってもよい。図1の例では、エンドエフェクタ含む手術用器具又はカメラ機器のいずれかが、マニピュレータアーム110,111,112,113のいずれかに取り付けられ及び共に使用することができる。しかしながら、本明細書に記載の実施形態は、図1の例示的な実施形態に限定されるものではなく、種々の他の遠隔操作手術システムの構成を、本明細書に記載の例示的な実施形態と一緒に使用してもよい。
【0024】
患者側カートは、外科手術を準備するために患者側カートを手術室の周りに移動する際に又は外科手術が完了した後のように、患者側カートをある場所から別の場所に移動させるのを制御するための1つ又は複数の装置を含むことができる。図2を参照すると、(図1の例示的な実施形態の患者側カート100等の)患者側カートのベース202が、概略的に示されている。ベース202は、患者側カートをある場所から別の場所に移動させるのを可能にする複数の車輪を含むことができる。例示的な実施形態によれば、車輪の1つ又は複数を駆動して、患者側カートを移動させることができる。図2の例示的な実施形態に示されるように、ベース202は、モータ211により駆動される第1の車輪210と、モータ213によって駆動される第2の車輪212とを含むことができる。例示的な実施形態によれば、ベース202は、例えば、自由に移動するキャスタであり得る非駆動車輪220をさらに含むことができる。
【0025】
ベース202を含む患者側カートは、2013年3月13日に出願された”Surgical Patient Side Cart with Drive System and Method of Moving a Patient Side Cart”という標題の米国特許出願第14/209,239号(2014年10月2日に公開された米国特許出願公開第2014/0297130号明細書)に記載されるように患者側カートを操縦するための駆動システムを含むことができ、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。図2の例示的な実施形態に示されるように、ベース202は、2つの駆動車輪210,212、及び2つの非駆動車輪220を含むことができるが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、この構成に限定されるものではなく、他の数の駆動及び非駆動車輪を含むことができる。本開示による患者側カートは、(米国仮特許出願第61/895,249号について優先権を主張する)米国特許出願公開第2014/0297130号明細書に記載の電動走行制御システムを含むことに限定されない。
【0026】
例示的な実施形態によれば、ベース202を含む患者側カートは、ユーザが患者側カートをある場所から別の場所に駆動するための操縦インターフェイス230を含むことができる。操縦インターフェイス230は、例えば、2014年3月13日に出願された”Surgical Patient Side Cart with Steering Interface”という標題の米国出願第14/208,663号(2014年10月23日に公開された米国特許出願公開第2014/0316654号明細書)に記載される様々な例示的な実施形態に従って構成することができ、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
外科手術中に、振動は、患者側カートの部品を作動させ及び移動しているとき等に、患者側カート内に発生し得る。振動は、患者側カートを介して患者側カートのマニピュレータアームに取り付けられた手術用器具に伝達され、手術用器具をある程度移動させ得る。これに対処するため、患者側カートは、1つ又は複数の防振部材を含んで、患者側カートの振動を低減又は最小化することができる。図2の例示的な実施形態に示されるように、ベース202は、複数の防振部材240を含んでもよい。防振部材240は、後述するように、ベース202の下の地面に接触するように構成され、患者側カートの移動中に発生する振動等の振動を低減又は最小化することができ、こうして患者側カートに取り付けられた手術用器具の安定化を促進する。患者側カートのベースは、図2の例示的な実施形態に示されるように、4つの防振部材240を含むことができるが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、4つの防振部材に限定されるものではなく、代わりに、例えば1つ、2つ、3つ、5つ、6つ又はそれ以上の防振部材等の他の数の防振部材を含んでもよい。
【0028】
例示的な実施形態によれば、患者側カートの防振部材は、患者側カートが傾く又は転がるのを最小化又は防止する観点から、患者側カートの安定性に作用するように使用する必要はない。代わりに、防振部材を使用して、患者側カートの振動を低減することができ、この振動の低減は、次に患者側カートに取り付けられた手術用器具の動きにもたらされる。そこで、防振部材は、地面に接触するように構成されるが、十分な力によって患者側カートを持ち上げたり、他に移動させたりするように構成されない。
【0029】
上述したように、患者側カートの防振部材は、振動を最小化又は低減するように地面に接触するように構成することができる。ある場所から別の場所への患者側カートの操縦を容易にするために、防振部材は、後退可能及び展開可能であってもよい。図3を参照すると、患者側カートのベース302及びメインカラム304の一部の側面図が示されており、患者側カートは、図1及び図2の例示的な実施形態に従って配置され得る。例えば、ベース302は、図2の例示的な実施形態に関して上述したように、1つ又は複数の駆動車輪310、及び1つ又は複数の非駆動車輪320を含むことができる。ベース302を含む患者側カートの振動に対処するために、ベース302は、図3の例示的な実施形態において後退状態にある1つ又は複数の防振部材340を含むことができ、防振部材340は、地面350と接触しておらず、患者側カートの操縦を容易にする。
【0030】
防振部材340は、図4の例示的な実施形態に示されるように、地面350に接触するように展開することができる。こうして、図3及び図4の例示的な実施形態に示されるように、防振部材340は、ベース302及び地面350に対してそれぞれの上昇位置と下降位置との間で展開又は後退させることができる。例えば、患者側カートが外科手術のために位置付けされた後に、防振部材340を展開して、振動を最小化することができる。例示的な実施形態によれば、患者側カートは、防振部材340の展開及び後退を制御するための制御装置を含むことができ、その展開及び後退は、以下でさらに詳細に説明するように、制御装置が患者側カートの状態に関する情報を受信した場合に起こり得る。
【0031】
防振部材は、追加の検討事項を考慮して、患者側カートの振動を最小化又は低減するように構成してもよい。例示的な実施形態によれば、防振部材340の底面341は、防振部材340と地面350との接触面積を最大化するように、実質的に平坦であってもよい。例示的な実施形態によれば、底面341の縁部342は、防振部材340によって地面350にマーキングが付くのを最小化又は排除するように、丸みが付けられる。図2の例示的な実施形態に示されるように、防振部材240,340は、円筒形状を有してもよいが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態の防振部材は、例えば、正方形断面、矩形断面等の他の形状、又は当業者によく知られている他の形状を有してもよい。防振部材340は、例えば約2.54センチメートル(cm)(1inch)~約7.62cm(3inches)、例えば約3.81cm(1.5inches)~約5.08cm(2inches) の範囲の直径又は幅344を有してもよい。防振部材340は、ベース302と地面350との間のクリアランス量を最大化するように、ベース302内に完全に後退するように構成してもよい。患者側カートの防振部材は、ユーザとの相互作用を最小化又は排除するために患者側カートのベース内に配置してもよい。例えば、図2の例示的な実施形態に示されるように、防振部材240は、この防振部材240が人の足の上に展開されるのを最小化又は排除するためにベース202の外縁203から離して配置してもよい。例示的な実施形態によれば、防振部材240は、振動の低減を促進するために、例えばベース202の外周に近い、ベース202内に位置付けしてもよい。こうして、防振部材240の位置は、これらの検討事項を考慮して選択することができる。
【0032】
例示的な実施形態によれば、患者側カートをある場所から別の場所へ移動させるとき等に、防振部材を後退位置に付勢して、防振部材の後退を容易にすることができる。図5を参照すると、患者側カートのベース402にある防振部材440の部分的な側面図が、示されている。防振部材440は、例えば図2図4の例示的な実施形態の防振部材240及び340として使用することができる。付勢装置は、図5の例示的な実施形態において方向446に沿って地面450から離れる上方等の後退位置に防振部材440を付勢するように設けてもよい。付勢装置は、例えば、付勢力を与えて防振部材440を後退位置に付勢するばね444であってもよい。図5の例示的な実施形態は、防振部材440について単一の付勢装置(例えば、ばね444)を示しているが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の付勢装置等の他の数の付勢装置を含んでもよい。
【0033】
また、当業者によく知られているばね444以外の他の付勢装置を、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態に使用してもよい。例えば、図5のピストン・シリンダ装置430は、二重ピストン・シリンダ配置(図示せず)を介して油圧をピストンの両側に与えるように構成される。このような配置により、油圧をピストンの一方の側に加えることによって、方向446に沿って地面450に向けて下方に防振部材440を展開することができ、及び油圧をピストンの別の側に加えることにより、方向446に沿って地面450から離れる方向に防振部材440を後退させることができる。
【0034】
防振部材は、防振部材を展開するための作動装置を含むことができる。防振部材がばね444等の付勢装置を含む場合に、展開(作動)装置は、付勢装置によって加えられる力に打ち勝つように構成することができ、それによって防振部材を展開位置に移動させることができる。例示的な実施形態によれば、油圧システムを使用して、付勢装置によって加えられる力に打ち勝ち、防振部材を展開することができる。油圧システムは、例えば、防振部材のアクチュエータに油圧油を供給するポンプを含むことができ、アクチュエータに供給される油圧油の圧力は、付勢力に打ち勝ち、防振部材を展開させる。図5の例示的な実施形態に示されるように、ポンプ410は、油圧をピストン・シリンダ装置430に供給するために設けられ、このピストン・シリンダ装置は、防振部材440のアクチュエータとして機能する。ポンプ410が油圧油をピストン・シリンダ装置430に供給するので、圧力油の圧力によって、ピストン・シリンダ装置430が、ばね444によって与えられる力に打ち勝ち、防振部材440が方向446に沿って下向き等に展開され、それによって、防振部材440が地面450に接触する。こうして、防振部材440の展開及び後退を制御する制御装置(図5に図示せず)は、ポンプ410に命令を発して、防振部材440を展開させることができる。
【0035】
例示的な実施形態によれば、防振部材を後退させるために、防振部材を展開するように構成された作動装置を非活性化することができ、又はこの装置によって提供される力を他の方法で停止させ、防振部材の後退を可能にする。付勢装置を使用して防振部材を後退させる場合に、展開装置の非活性化によって、付勢装置が防振部材をその後退位置に戻すのを可能にする。図5の例示的な実施形態では、油圧システムは、ピストン・シリンダ装置430に供給される圧力を解放するための放出弁420をさらに含むことができ、ばね444によって防振部材440を方向446に沿ってその後退位置に移動させるのを可能にする。例示的な実施形態によれば、放出弁420は、防振部材440の展開及び後退を制御するように構成された制御装置によって作動することができ、それによって、防振部材440の展開及び作動は、制御装置によって作動させることができる。例示的な実施形態によれば、放出弁420は、患者側カートの移動を容易にするために防振部材440を後退させる必要がある場合に、ユーザによって手動で作動してもよい。別の例示的な実施形態によれば、防振部材を展開するように構成された作動装置は、作動装置を非活性化する又は作動装置によって加えられる力を停止する代わりに、作動装置によって防振部材に加えられる力を減少させること等によって、防振部材を後退させるように作動し得る。
【0036】
上述したように、油圧システムは、患者側カートの1つ又は複数の防振部材の展開を作動させるために設けることができる。例示的な実施形態によれば、単一の油圧回路は、患者側カートの全ての防振部材に使用することができる。図6を参照すると、患者側カートのベース502にある油圧システム500が、概略的に示されている。油圧システム500は、上述した図2図5の例示的な実施形態の防振部材に使用することができる。図6の例示的な実施形態に示されるように、油圧システム500は、油圧回路512に接続された(図5の例示的な実施形態のポンプ410及び放出弁410に従って構成される)ポンプ510及び放出弁520を有することができる。油圧回路512は、例えば、それぞれの防振部材の全てのアクチュエータ530(例えば、図4の例示的な実施形態のピストン・シリンダ装置430、又は他の防振部材のアクチュエータ)に接続された単一の油圧回路であってもよい。こうして、単一のポンプ510及び放出弁520を使用して、患者側カートの全ての防振部材を作動させることができる。各防振部材のアクチュエータ530を単一の油圧回路512に接続することにより、防振部材を展開して地面に接触させる場合に、各アクチュエータ530が油圧回路から実質的に同じ油圧を受けるので、防振部材の力均等化効果を達成することができる。
【0037】
図6の例示的な実施形態に関して上述したように、様々な例示的な実施形態は、単一の油圧回路を含むことができる。しかしながら、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、単一の油圧回路に限定されるものではなく、複数の油圧回路を含んでもよい。例えば、患者側カートのベースは、カートの前輪用の第1の油圧回路と、カートの後輪用の第2の油圧回路とを含んでもよい。別の例では、患者側カートのベースは、ベースの各防振部材について別個の油圧回路を含んでもよい。
【0038】
油圧システムは、システムの油圧を監視するためのセンサを含むことができる。図6の例示的な実施形態に示されるように、油圧システム500は、油圧回路512に接続された調整装置550を含み、油圧回路512の油圧を調整することができる。例示的な実施形態によれば、調整装置550は、例えば、所定の圧力に達するとポンプ510を非活性化する、ポンプ510に接続されたスイッチでもよい。別の例示的な実施形態では、調整装置550は、油圧及びポンプ510の信号を監視して、所定の最大圧力に達したとき、又は油圧の損失によって現れるようなリークが発生した場合を判定したときに、非活性化するためのセンサであってもよい。この非活性化が発生するときに、防振部材の展開及び後退を制御するための制御装置は、視覚及び/又は音声通知等の通知を患者側カートのユーザに提供することができるが、他のタイプの通知は、本開示の範囲から逸脱することなく企図される。
【0039】
例示的な実施形態によれば、油圧回路512は、調整装置550が正常に機能しない場合に、油圧回路512の圧力を制御するための装置を含むことができる。例えば、装置は、油圧が所定の最大油圧を超えるのを防止することができ、それによって、油圧システム500は、防振部材を移動させ、又は患者側カートをさらに持ち上げ得るような過度の圧力をアクチュエータ530に供給することがない。このような装置は、調整装置550が正常に機能していない場合等の、放出弁の所定の最大油圧に達した場合に、例えば、油圧を自動的に解放する放出弁(図6に図示せず)とすることができる。
【0040】
防振部材の展開を作動させる装置として油圧システムを含む例示的な実施形態について、上述したが、防振部材を展開するために、他の装置及びシステムを本明細書に記載の様々な例示的な実施形態に使用してもよい。例えば、当業者によく知られている電動モータ及び他のアクチュエータを使用して、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態の防振部材を展開してもよい。
【0041】
図2図6の例示的な実施形態に関連して上述したように、患者側カートは、防振部材の展開及び後退を制御するための制御装置を含むことができる。このようなシステムは、ユーザが、振動を低減させるために外科手術について防振部材を展開するのを忘れ得る、又は外科手術が完了すると、カートの移動を容易にするために防振部材を後退させるのを忘れ得るので、防振部材を自動的に展開及び後退させるのは有用であり得る。例示的な実施形態によれば、患者側カートの防振部材の自動展開は、例えば第1のイベントが発生したときに、制御装置によって作動させることができ、及び防振部材の自動後退は、例えば第2のイベントが発生したときに、制御装置によって作動させることができる。
【0042】
例示的な実施形態によれば、防振部材の展開及び後退を制御するための制御装置は、防振部材の後退/展開状態を監視するセンサからの信号を受信することができる。センサは、例えば、防振部材用の作動装置の油圧回路512等の油圧回路に接続され、防振部材の展開を示す回路の圧力が高い場合を検出するような圧力センサであってもよい。別の例では、センサは、防振部材の動き及び/又は位置を直接的に検出する位置センサであってもよい。別の例では、センサは、防振部材の底面に位置する接触センサであってもよく、それによって、防振部材が地面に接触した場合に、センサが活性化され、制御装置に信号を発する。
【0043】
患者側カートが外科手術のための準備が整った又はほぼ準備が整ったときに、防振部材を展開させ、及び外科手術が終了したときに、防振部材を後退させることが望ましいので、第1及び第2のイベントは、外科手術の前後での患者側カートを準備することに関連し得る。例示的な実施形態によれば、制御装置によって患者側カートの1つ又は複数の防振部材の自動展開をトリガする第1のイベントは、例えば、図1の例示的な実施形態におけるマニピュレータアーム110(又はマニピュレータアーム110~113のいずれか)のカニューレ取付け部124にカニューレ(図示せず)を取り付けること等による、患者側カートのマニピュレータアームにカニューレを取り付けるステップである。マニピュレータアーム110~113のカニューレ取付け部124は、マニピュレータアームのそれぞれのカニューレ取付け部に取り付けられたカニューレの種類及び/又は有無を検出するための1つ又は複数のセンサを含んでもよい。例えば、どの様なタイプのカニューレがマニピュレータアームに取り付けられたかを特定するために用いられるセンサからの信号を使用して、それぞれのアームに取り付けられたカニューレの有無を検出することができる。このようなセンサは、例えば、本明細書と同日に出願された国際特許出願第2015/#####号(代理人整理番号 ISRG05500/PCT)(2014年3月17日に出願された”Surgical Cannulas and Related Systems and Methods of Identifying Surgical Cannulas”という標題の米国仮特許出願第61/954,318号について優先権を主張する)に記載されるようなセンサであり、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
別の例示的な実施形態によれば、それぞれのアームに取り付けられたカニューレの有無を検出するためのセンサは、ラッチ位置センサとして構成することができる。ラッチ位置センサは、ラッチの1つ又は複数の部品の動きを検出すること等により、カニューレを取り付けるために使用したラッチが何時されたかを検出するように構成することができる。そのような動きを検出するために使用される適切なセンサの一例は、フォトインタラプト(photo-interrupt)センサを含むが、当業者は、ラッチの動きを検出するために使用される様々な他のタイプのセンサを理解するであろう。
【0045】
例示的な実施形態によれば、複数のセンサを使用して、1つ又は複数の防振部材の意図しない展開につながり得る誤検出の読み取りを回避するよう、それぞれのアームに取り付けられたカニューレの有無を検出することができる。例えば、制御装置は、例えばカニューレの有無/識別センサ及びラッチ位置センサの両方から、複数のカニューレ有無センサから信号を受信したときに、1つ又は複数の防振部材を展開するように構成することができる。
【0046】
カニューレの有無を検出するために使用された1つ又は複数のセンサからの信号を、防振部材(複数可)の展開及び後退を制御する制御装置に提供することができ、それによって、制御装置は、カニューレがマニピュレータに最初に取り付けられ及び防振部材を何時展開すべきかを判断することができる。制御装置によって患者側カートの1つ又は複数の防振部材の自動後退をトリガする第2のイベントは、例えば、患者側カートのマニピュレータアームに取り付けられた最後のカニューレを取り外すステップである。例えば、制御装置は、様々なマニピュレータアーム110~113のカニューレ取付け部124のセンサから信号を受信し、1つのみのカニューレがアーム110~113に取り付けられたままであることを判定し、その後最後のカニューレが取り外されたときに防振部材を自動的に後退させることができ、この最後のカニューレの取外しは、患者側カートが、外科手術を終えた後に移動する準備が整った又はほぼ準備が整ったことを表し得る。
【0047】
本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、上述した第1及び第2のイベントに応じて防振部材を自動的に展開及び後退させる制御装置を含むことができるが、他のイベントを、第1及び第2のイベントに使用してもよい。例えば、第1のイベントは、患者側カートのマニピュレータアームに第2のカニューレを取り付けるステップの発生、第3のカニューレを取り付けるステップの発生、又は他のイベントとすることができる。別の例示的な実施形態によれば、イベントは、図2の操縦インターフェイス230のデッドマンスイッチの作動又は解除であってもよい。デッドマンスイッチの例示的な実施形態が、2014年10月23日に公開された米国特許出願公開第2014/0316654号明細書(2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/791,924号について優先権を主張する)記載されており、これら各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。操縦インターフェイス230でデッドマンスイッチの解除は、患者側カートの移動が終了し且つカートが外科手術のために準備が整ったことを表し得る。こうして、このイベントが発生したときに、制御装置は、防振部材(複数可)を展開することができる。同様に、デッドマンスイッチの作動は、外科手術が終了し且つ患者側カートの移動の準備が整ったことを表し得る。こうして、制御装置は、防振部材(複数可)を後退させることができる。
【0048】
例示的な実施形態によれば、患者側カートの防振部材(複数可)の展開及び後退を制御するための制御装置は、短時間で患者側カートの移動を容易にするために、防振部材(複数可)を二段階で後退させてもよい。第1段階では、防振部材は、制御装置によって地面から後退させることができる。第1段階は、例えば、約1秒以下で発生し得る。第2段階では、防振部材は、完全な後退位置まで後退し続け得るが、防振部材(複数可)が依然として後退しているので、患者側カートの移動が可能となり、防振部材(複数可)は、もはや地面と接触していない。
【0049】
患者側カートの使用中に、ユーザによって解消し得るシステムエラーが発生する可能性がある。エラーを解消する1つの方法は、患者側カートの電源を切って直ぐに入れ直す電源サイクルを行うことである。例示的な実施形態によれば、このような電源サイクルが発生した場合に、患者側カートの防振部材(複数可)の展開及び後退を制御するための制御装置は、防振部材(複数可)を展開位置に維持するように構成することができ、それによって防振部材は、電力サイクル中に地面と接触したままであり、防振部材(複数可)は、電源サイクル中であっても振動の低減を促進することができる。例示的な実施形態によれば、制御装置は、例えば、カニューレが依然として取り付けられていることを示す信号をカニューレ取付け部のセンサから受信し、またユーザが電源サイクルを命じたことの通知を受信することにより、このように構成することができる。
【0050】
図7を参照すると、患者側カートの防振部材(複数可)を展開させるように制御するための例示的な実施形態の概略的なフローチャートが、提供される。本明細書に記載の防振部材の様々な例示的な実施形態は、図7の例示的な実施形態によれば、展開及び後退を制御するための制御装置等を介して展開することができる。第1のステップ600では、防振部材は、後退位置にある。制御プロセスは、防振部材(複数可)を展開するための命令が制御装置を介して提供されるステップ610に進む。防振部材(複数可)用の展開装置が、図2図6の例示的な実施形態に関して上述した油圧システムを含む場合に、油圧システムの圧力は、ステップ610で低い状態であり得る。ステップ610では、展開は、図5及び図6の例示的な実施形態のポンプ410又は510等の、油圧システムのポンプを作動させることによって開始することができる。例示的な実施形態によれば、制御装置は、ポンプに電力が供給されているかどうかを決定等するためにポンプを監視することができる。所定の時間内にポンプに電力が供給されない場合に、プロセスは、図7のステップ618で示されるように、ステップ600に戻ってもよい。
【0051】
ポンプに電力が供給されると、プロセスは、ポンプが作動されるステップ620に進む。例示的な実施形態によれば、制御装置は、圧力が増大しているかどうかを判定するために、ポンプ及び/又は油圧回路を監視することができる。圧力が所定時間内に増大しない場合に、プロセスは、図7のステップ622等を介してステップ600に戻ってもよい。圧力が増大している場合に、プロセスは、所望の圧力が達成されたステップ630に進み、制御装置は、命令を発してポンプへの電力を停止する。ポンプへの電力が所定時間内に非活性化されない場合に、制御装置は、図5及び図6の放出弁420又は520等の放出弁に命令して、放出弁を開いて油圧を解放させ、プロセスを図7のステップ632等を介してステップ600に戻してもよい。ポンプの電源がうまく非活性化されると、プロセスは、防振部材(複数可)が展開されるステップ640で終了し得る。例示的な実施形態によれば、展開プロセスは、上述した以外の異なる経路に従ってもよい。例えば、プロセスは、油圧システムが既に高圧であり、且つ必要なステップとして防振部材(複数可)を展開する命令のみが必要である場合に、ステップ602に沿ってステップ600からステップ640に進むことができる。
【0052】
例示的な実施形態によれば、患者側カートの防振部材(複数可)が展開された場合に、患者側カートの駆動車輪は、外科手術中に患者側カートの固定化を促進するように、ロックすることができる。例えば、患者側カートの防振部材(複数可)が展開されるときに、図2の例示的な実施形態の駆動車輪210,212がモータ211,213内に係合してロックしてもよい。
【0053】
図8を参照すると、患者側カートの防振部材(複数可)を後退させるように制御する例示的な実施形態の概略的なフローチャートが、提供される。本明細書に記載の防振部材の様々な例示的な実施形態は、図8の例示的な実施形態によれば、展開及び後退を制御するための制御装置等を介して、後退させることができる。第1のステップ700では、防振部材は、展開位置にある。制御プロセスは、防振部材(複数可)を後退させるような命令が制御装置等を介して提供される710ステップに進む。例示的な実施形態によれば、図5及び図6の放出弁420,520等の放出弁は、油圧システム内の油圧を解放するように作動される。その結果、図5のばね444等の付勢装置は、付勢力を加えて、防振部材(複数可)を後退位置に移動させることができる。
【0054】
図8のプロセスは、防振部材(複数可)が後退を開始するステップ720に進むことができる。ステップ720は、例えば、防振部材が後退を開始する、上述した展開の第1段階に相当し得る。プロセスは、防振部材(複数可)が、ステップ720とステップ730との間で、例えば約1秒以下等で部分的に後退し、防振部材が後退し続ける間に患者側カートを移動するのを可能にするステップ730に進むことができる。プロセスは、放出弁への電力が非活性化され、防振部材(複数可)の次の展開に備えて放出弁を閉じるのを可能にするステップ740に進む。最後に、ステップ750では、防振部材は、完全に後退した状態となり得る。例示的な実施形態によれば、制御装置は、放出弁の状態を監視し、放出弁を作動させる電力が所定の時間内に停止されない場合に、ステップ712等を介してステップ710からステップ750に直接的に進むことができる。図8の例示的な実施形態は、放出弁を作動させることによって、防振部材を後退させることに関して説明しているが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、力を停止する又は作動装置を非活性化する代わりに、作動装置によって加えられる力を減少させるために、例えば作動装置(例えば、油圧回路)を作動させること等の、防振部材を後退させる他の方法を使用してもよい。
【0055】
ユーザが、防振部材(複数可)を後退させ且つ患者側カートを直ぐに移動させることを望む場合等に、患者側カートの防振部材(複数可)を手動で後退させる手動解除装置を患者側カートに設けることが望ましい。図9を参照すると、手動解除システムの例示的な実施形態が、概略的に示されている。図9に示されるように、ユーザが防振部材(複数可)を作動させ且つ手動で後退させるためのハンドル又はレバー800が、設けられる。ハンドル800が、図9の例示的な実施形態に示されているが、本明細書に記載の様々な例示的な実施形態は、他の手動作動装置を使用してもよい。ハンドル800は、例えば、ピン804に接続することができ、それによってこのハンドル800が、ピン804を中心にして方向802に図10に示される位置まで回転することができる。
【0056】
ハンドル800の作動によって、放出弁を作動させ、防振部材(複数可)を後退させるのが可能になる。例示的な実施形態によれば、リンク機構810は、ハンドル800が方向802に手動で作動されるときに、リンク機構810が方向812に沿って移動するように、ハンドル800に接続することができる。例示的な実施形態によれば、リンク機構810は、図5及び図6の例示的な実施形態の放出弁420又は520等の、油圧システムの放出弁820に係合するように構成されるカムブロック822に接続してもよい、又はこのカムブロックを含むことができる。こうして、リンク機構810が方向812に移動したときに、カムブロック822のカム面823は、放出弁820に係合することができ、図10の方向812に沿って放出弁820に力を加えて、油圧システム内の圧力を解放する開いた位置にし、上述した例示的な実施形態で説明したように、防振部材(複数可)を後退させるのを可能にする。
【0057】
上述したように、患者側カートの駆動車輪は、防振部材(複数可)を展開して患者側カートの固定化を促進する場合に、固定化することができる。例示的な実施形態によれば、手動解除装置(例えば、ハンドル800)の作動によって、駆動車輪のロックを解除することができる。図9及び図10に示されるように、リンク機構810は、駆動車輪を駆動する電動モータ830(例えば、図2の例示的な実施形態のモータ211又は213等)の部材832に接続することができる。こうして、リンク機構810が方向812に移動したときに、部材832及び電動モータ830は、方向834に沿って電動モータ830が手動でロック解除される位置まで回転させることができ、電動モータ830に関連付けられる駆動車輪(例えば、図2の例示的な実施形態の車輪210又は212等)が自由に回転するのが可能になる。リンク機構810は、図9及び図10の例示的な実施形態において単一の電動モータ830に接続されるように示されているが、リンク機構810を患者側カートの複数の電動モータに接続して、各モータのロックを解除し、カートの移動を容易にしてもよい。
【0058】
図9及び図10の例示的な実施形態に関して上述したように、手動解除装置(例えば、ハンドル800)の作動によって、患者側カートが自由に移動し及び防振部材(複数可)が放出弁の作動等によって後退されるニュートラル状態に、患者側カートを配置することができる。防振部材(複数可)を再度展開し及び/又は電動モータ(複数可)を介して駆動車輪(複数可)をロックするために、手動解除装置は、図9の例示的な実施形態のハンドル800の状態等の初期状態に戻す必要があり得る。しかしながら、ユーザは、手動解除装置をその初期状態に戻すことを忘れる可能性がある。従って、手動解除装置が作動状態にあることをユーザに通知する手段を設けることが望ましい。
【0059】
図9及び図10に示されるように、ハンドル800、リンク機構810、及び手動解除装置に関連する他の装置は、患者側カートのベース内等の、ドア840の後ろの区画内に収容することができる。ドア840は、ドア840がフレーム848に対して閉じた状態にある斜視図を示す図9及び図11に示されるように、ドア842をヒンジ842を介して方向846に開くこと等によって、ユーザが区画内部のハンドル800にアクセスすることによって開けることができる。例示的な実施形態によれば、ばね等の付勢装置(図示せず)又は他の付勢装置は、一旦ドア840が閉じた位置から移動すると、ドア840を開いた位置に付勢してもよい。しかしながら、一旦ハンドル800を作動してリンク機構810を方向812に沿って移動させると、リンク機構810に接続された停止部材844も、方向812に沿って図10及び図12に示される位置まで移動する。停止部材844が図10及び図12に示される位置にある場合に、停止部材844は、ドア840を閉じるようとした場合にヒンジ842と係合し、ドア840がフレーム848に対して閉じるのを防止ずる。このように、ユーザは、手動解除装置へのアクセスを提供するドア840を閉じることができないので、ユーザは、手動解除装置が作動状態のままであるという通知を受けることができる。
【0060】
他の通知装置は、図9図12の例示的な実施形態に加えて、又はこれ以外に使用することができる。例示的な実施形態によれば、手動解除装置(例えば、ハンドル800)が作動状態にある場合を検出するセンサを、設けてもよい。センサからの信号を使用して、手動解除装置が作動状態にあることを示す視覚及び/又は音声フィードバック等のフィードバックをユーザに提供することができる。
【0061】
以下に説明する様々な例示的な実施形態は、ロボット手術システムの患者側カートを参照し得るが、当業者は、本明細書に記載のカート及び防振部材を、例えば撮像装置、操作テーブル等の他の車輪付きプラットフォーム、及び他の車輪付き装置に利用する方法を理解するであろう。
【0062】
患者側カートに防振部材(複数可)を設けることによって、患者側カート及び患者側カートに取り付けられた手術用器具に発生する振動の低減が促進される。防振部材を地面に対して展開又は後退させて、患者側カートの振動の低減及び移動を容易にすることができる。さらに、患者側カートは、防振部材(複数可)の展開及び後退を制御するための制御装置を含み、ユーザからの命令を必要とせず、防振部材(複数可)の自動展開及び後退を容易にすることができる。
【0063】
本明細書に記載の様々な動作方法を含む例示的な実施形態は、データを記憶し、読み出し、処理し、及び/又は出力する、及び/又は他のコンピュータと通信する任意のコンピュータ(非限定的な例として)等の、コンピュータハードウェア(演算装置)及び/又はソフトウェアで実現することができる。生成された結果は、コンピュータハードウェアのディスプレイに表示することができる。本開示の様々な例示的な実施形態による様々な応答及び信号処理に作用するアルゴリズムを含む1つ又は複数のプログラム/ソフトウェアは、コアプロセッサを含む制御カートの又はこのカートに関連するデータインターフェイスモジュール等のプロセッサによって実行することができ、及びコンピュータ読み取り可能な記録及び/又は記憶媒体を含むコンピュータ可読媒体上に記録することができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気ディスク、及び/又は半導体メモリ(例えば、RAM、ROM等)が挙げられる。磁気記録装置の例としては、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)が挙げられる。光ディスクの例としては、DVD(デジタル多用途ディスク)、DVD-RAM、CD-ROM(コンパクトディスク-読み出し専用メモリ)、及びCD-R(書込み可能)/RWが挙げられる。
【0064】
更なる修正及び代替実施形態は、本明細書の開示に鑑みて当業者には明らかになるであろう。例えば、装置、システム、及び方法は、操作を明確にするために図面及び詳細な説明から省略された追加の要素又はステップを含み得る。従って、この詳細な説明は、単なる例示として解釈すべきであり、本開示を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためにある。本明細書で示され且つ説明された様々な実施形態は、実施例として捉えるように理解すべきである。要素及び材料、並びにこれらの要素及び材料の配置は、本明細書で例示し且つ説明した要素及び材料等に交換することができ、部品及びプロセスは、逆にしてもよく、本教示の特定の機能は、独立して利用することができ、本明細書の詳細な説明の利益を理解した後に当業者には全てが明らかになるであろう。変更は、本開示及び以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した要素に行うことができる。
【0065】
本明細書に記載された特定の実施例及び実施形態は、非限定的であり、構造、寸法、材料、及び方法に対する修正は、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。
【0066】
本開示に係る他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細及び実施態様を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。明細及び実施態様は、例示としてのみ考慮すべきであり、特許請求の範囲は、等価物を含むその完全な範囲に権利が与えられることを意図している。
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図12