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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】排気ガスエネルギー回収変換器
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04746 20160101AFI20231225BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20231225BHJP
   H01M 4/92 20060101ALI20231225BHJP
   H01M 8/04791 20160101ALI20231225BHJP
   H01M 8/0662 20160101ALI20231225BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/04858
H01M4/92
H01M8/04791
H01M8/0662
F01N5/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021509736
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019047599
(87)【国際公開番号】W WO2020041535
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/720,996
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522322723
【氏名又は名称】ジェイテック・エナジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロニー・ジー・ジョンソン
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0186876(US,A1)
【文献】特開2006-138322(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0186544(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
H01M 4/92
F01N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード、及び、前記アノードとカソードとの間に挟まれた酸素イオン伝導性膜を含む膜電極アセンブリであって、前記アノード及び前記カソードのそれぞれが、電気化学反応を促進するように構成された少なくとも1つの酸化触媒を含む、膜電極アセンブリと、
第1の分子酸素含有量を有する排気ガスであって、前記膜電極アセンブリのカソードが、前記排気ガスに曝され、前記膜電極アセンブリのアノードが、第2の分子酸素含有量を有するガスに曝され、前記第2の分子酸素含有量が、前記第1の分子酸素含有量よりも高い、排気ガスと、
前記膜電極アセンブリのアノードとカソードとの間に接続された外部電気負荷と、
を備える、排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器。
【請求項2】
前記排気ガスを生成するために、燃料が酸素に富むガスと混合され、燃焼される、請求項1に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの酸化触媒が白金/パラジウム触媒である、請求項1に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項4】
少なくとも1つの還元触媒を含む第1のチャンバをさらに備える、請求項1に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの還元触媒が、ロジウム及び白金からなる群から選択される、請求項4に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの還元触媒がロジウムである、請求項5に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項7】
前記排気ガスが、炭化水素、窒素酸化物及び水を含み、
前記第1のチャンバにおいて、前記排気ガス中の炭化水素及び水が、前記ロジウム触媒によって水、二酸化炭素、窒素及び一酸化炭素に変換される、請求項6に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項8】
前記第2の分子酸素含有量を有するガスからの酸素が、前記アノードに入り、そこに含まれる前記少なくとも1つの酸化触媒によって酸化されて、酸素イオンを生成し、
前記酸素イオンが、前記酸素イオン伝導性膜を通って伝導され、電子が、前記外部電気負荷に放出され、
前記電子が、前記外部電気負荷から前記カソードに移動し、前記酸素イオンと結合して、前記一酸化炭素及び未反応の炭化水素をそれらのそれぞれの反応電位で酸化する、請求項7に記載のエネルギー回収変換器。
【請求項9】
変換器を使用して機械式エンジンからの排気ガスを精製する方法であって、
前記変換器が、
接触還元チャンバと、
アノード、カソード、及び、前記アノードと前記カソードとの間に挟まれた酸素イオン伝導性膜を含む膜電極アセンブリであって、前記アノード及び前記カソードのそれぞれが、電気化学反応を促進するように構成された少なくとも1つの酸化触媒を含む、膜電極アセンブリと、
炭化水素、窒素酸化物及び水を含む排気ガスであって、前記排気ガスが、第1の分子酸素含有量を有し、前記膜電極アセンブリのカソードが、前記排気ガスに曝され、前記膜電極アセンブリのアノードが、第2の分子酸素含有量を有するガスに曝され、前記第2の分子酸素含有量を有するガス内に含まれる酸素が前記アノードに入るようになり、前記第2の分子酸素含有量が、前記第1の分子酸素含有量よりも高い、排気ガスと、
前記膜電極アセンブリのアノードとカソードとの間に接続された外部電気負荷と、
を備え、
前記方法が、
前記排気ガスの炭化水素、窒素酸化物及び水が反応ガスに変換されるように、前記排気ガスを前記接触還元チャンバに移送する段階であって、前記反応ガスが、水素元素、一酸化炭素、二酸化炭素及び窒素元素である、移送する段階と、
前記反応ガス、水及び未燃炭化水素を含む流れを前記接触還元チャンバから前記カソードに移送する段階と、
前記第2の分子酸素含有量を有する前記ガスからの酸素を酸化して酸素イオンを生成する段階であって、前記酸素イオンが、前記酸素イオン伝導性膜を通って伝導され、電子が、同時に前記外部電気負荷に放出されるようになる段階と、
前記酸素イオンと結合するように前記電子を前記外部電気負荷から前記アノードに移送する段階であって、それらのそれぞれの反応電位で前記一酸化炭素及び未燃炭化水素との酸化反応のために移送する段階と、
を含む、排気ガスを精製する方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの酸化触媒が白金/パラジウム触媒である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記接触還元チャンバが、ロジウム及び白金からなる群から選択される触媒を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒がロジウムである、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/720,996号の優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器に関する。
【背景技術】
【0003】
機械式エンジン、特に内燃機関の燃料燃焼及びエネルギー変換の効率は、長年の課題であることがよく理解されている。ピストン式内燃機関はオットーサイクルで作動し、低温の周囲空気がピストンによって圧縮され、エンジンのシリンダー内での燃料燃焼によって非常に高温に加熱される。サイクルが続くにつれてピストンに対して加熱された空気が膨張すると、低温での空気の初期の圧縮中に消費されるよりも多くの仕事が発生する。燃焼タービンやスクラムジェットなどの他のエンジンも、異なる熱力学的サイクルで動作するが、内燃機関のカテゴリに含まれる。例えば、そのような他のエンジンは、ピストン又はタービンを使用してシャフト作業が行われ、作動流体を低温で圧縮し、次に作動流体の温度が上昇して、作動流体がピストンやタービンなどの負荷に対して膨張し、それによってシャフトの仕事を生み出すことを可能にする熱力学的サイクルで動作し得る。作動流体を使用するすべてのエンジンの動作の鍵は、高温で作動流体を膨張させることによって生成される仕事よりも、低温で作動流体を圧縮するために必要な仕事が少ないことである。これは、作動流体を使用するすべての熱力学エンジンに当て嵌まる。
【0004】
図1を参照すると、ピストン型内燃機関の排気ガス温度の代表的なグラフが、毎分回転数(rpm)でのエンジン速度の関数として示されている。排気温度がエンジン出力とともに上昇することが一般的に理解されており、エンジンの非効率性とエンジンの廃熱を放散する必要性に直接関係する。エンジンの非効率性に関連する問題は、本質的に2つある:(1)有用な仕事に変換される燃料から利用できるエネルギーの割合が限られている。(2)エンジンからの燃焼生成物には、NO、一酸化炭素、部分燃焼炭化水素などの有毒ガスが含まれる。
【0005】
触媒変換器は、排気ガス中の有毒ガスを必要に応じて酸化及び低減するために開発されている。しかしながら、触媒変換器は、NOの還元と、完全に燃焼していない残りの燃料生成物、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の完全燃焼を触媒するため、廃熱も発生する。自動車産業は、排気ガスからの廃熱を利用するための努力に長い間取り組んできた。しかし、主に利用可能な技術のコスト及び/又は効率の低さのために、以前の努力は限られた成功しかもたらさなかった。
【0006】
大きな注目を集めたアプローチの1つは、ゼーベック効果に基づく半導体熱電変換器の使用であった。しかしながら、既存の半導体熱電変換器は、動作エンジン排気温度で、最良で約6%の変換効率を提供するだけである。動作させるには、熱電変換器を一方の側で加熱し、もう一方の側で冷却する必要がある。より具体的には、一方の側はエンジン廃熱によって加熱され、他方の側を冷却するために冷却水フローループ又は他の能動的冷却が必要である。既存の半導体熱電変換器を実装するために必要な熱交換器、セラミックプレート、ポンプ及びファンを含み得る冷却ループに関連する複雑さにより、このアプローチは、特に比較的効率が低く、関連する少量の発電を考慮すると、それらの使用を正当化できないほど高価になった。高温のエンジン排気に対して低温を維持するために必要なプラントコンポーネントのバランスのためのシステムコストは、費用効果の高い解決策を生み出さない。
【0007】
15%の最終効率目標を持つ高度な量子熱電ベースのデバイスも開発されている。しかしながら、分子拡散と移動の問題のため、量子井戸デバイスに必要なナノ構造が約200℃を超える温度での動作中に維持できるかどうかは不明である。量子井戸デバイスの200℃の温度制限は、性能がカルノーの50%の範囲であっても、15%の変換効率を超えることができないことを意味する。量子井戸熱電デバイスの構築が製造の観点から拡張可能であることも明らかではない。
【0008】
2003年4月28日に出願された米国特許第7,160,639号明細書に開示されている別のタイプの熱電気化学変換器も開発されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。この熱電気化学変換器は、イオン化可能なガス(水素又は酸素)を作動流体として使用する電気化学プロセスを使用して、電力を生成する。燃料セルで使用されるものと同様の2つの電気化学膜電極アセンブリ(MEA)セルスタックは、必要なヒートエンジンの圧縮及び膨張プロセスを実行し、一方のMEAスタックは比較的低温で動作し、他方のMEAスタックは比較的高温で動作する。作動流体は、2つのMEAスタック間を連続ループで循環する。作動流体の膨張によって高温MEAスタックで電力が生成されるので、電力は、作動流体を圧縮するために低温MEAスタックに適用される。他のエンジンと同様に、高温膨張時には、低温圧縮時に消費されるよりも多くの出力が生成される。
【0009】
この変換器の性能は、ネルンストの式に従って、高温MEAスタックよりも低い電圧で動作する低温MEAスタックの形で表される。つまり、低温のMEAスタックは、比較的低い電圧で水素を圧縮し、高温のMEAスタックは、比較的高い電圧で水素を膨張させる。2つのMEAスタック間の電圧差は、外部負荷に印加される。作動流体(水素など)は、エンジン内を継続的に循環し、消費されることはない。2つのMEAスタック及び外部負荷を流れる電流は同じである。ゼーベック効果に基づく熱電変換器と同様に、このタイプの変換器は、動作するためにエンジンの排気熱に対して温度差を必要とする。このタイプの変換器は、効率が高く、関連する出力が高いため、ゼーベック効果に基づく変換器よりも費用効果が高くなるが、温度差を維持するために冷却が必要なため、実装は比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第7,160,639号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の触媒変換器は、機械式エンジンの排気ガス又は廃ガス中の有毒ガスを酸化及び/又は低減するための改良された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、本発明は、排気ガス又は廃熱のためのエネルギー回収変換器に関する。変換器は、膜電極接合体(MEA)、第1の分子酸素含有量を有する排気ガス、及び、外部電気負荷を含む。MEAは、第1の電極、第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極との間に挟まれた酸素イオン伝導性膜とを含む。第1及び第2の電極のそれぞれは、電気化学反応を促進するように構成された少なくとも1つの酸化触媒を含む。MEAの第2の電極は、排気ガスに曝され、MEAの第1の電極は、第2の分子酸素含有量を有するガスに曝される。第2の分子酸素含有量は、第1の分子酸素含有量よりも高い。外部電気負荷は、MEAの第1電極と第2電極との間に接続される。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、変換器を使用して機械式エンジンからの排気ガスを精製するための方法に関する。変換器には、触媒還元チャンバ、膜電極接合体(MEA)、排気ガス、及び、外部電気負荷が含まれる。MEAは、第1の電極、第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極との間に挟まれた酸素イオン伝導性膜を含む。第1及び第2の電極のそれぞれは、電気化学反応を促進するように構成された少なくとも1つの酸化触媒を含む。排気ガスは、炭化水素、窒素酸化物及び水を含み、第1の分子酸素含有量を有する。MEAの第2の電極は、排気ガスに曝され、MEAの第1の電極は、ガス内に含まれる酸素が第1の電極に入るように、第2の分子酸素含有量を有するガスに曝される。第2の分子酸素含有量は、第1の分子酸素含有量よりも高い。外部電気負荷は、MEAの第1電極と第2電極との間に接続される。この方法は、排気ガスの炭化水素、窒素酸化物及び水が反応ガスに変換されるように、排気ガスを接触還元チャンバに移送する段階であって、反応ガスが、水素元素、一酸化炭素、二酸化炭素及び窒素元素である、移送する段階と、反応ガス、水及び未燃炭化水素を含む流れを接触還元チャンバから第2の電極に移送する段階と、酸素イオンが、酸素イオン伝導性膜を通って伝導され、電子が、同時に外部電気回路に放出されるように、第2の分子酸素含有量を有するガスからの酸素を酸化して酸素イオンを生成する段階と、酸素イオンと結合するように電子を外部電気回路から第1の電極に移送する段階であって、それらのそれぞれの反応電位で一酸化炭素及び未燃炭化水素との酸化反応のために移送する段階と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解されるであろう。本発明を説明する目的で、現在好ましい実施形態が図面に示されている。しかしながら、本発明は、示された正確な配置及び手段に限定されないことが理解される。
【0015】
図1】エンジン速度の関数としてのピストン型内燃機関の排気ガス温度の代表的なグラフを示す。
図2】本発明の好ましい実施形態による三元触媒変換器の概略図を提供する。
図3】本発明の好ましい実施形態によるピストン型内燃機関を含む触媒変換器システムの概略図を提供する。
図4】本発明の別の好ましい実施形態によるピストン型内燃機関を含む触媒変換器システムの概略図を提供する。
図4A図4に示される触媒変換器システムのMEAスタックアセンブリの断面の拡大図を提供する。
図5】本発明の好ましい実施形態によるタービンエンジンを含む触媒変換器システムの概略図を提供する。
図5A図5に示される触媒変換器システムのMEAスタックの拡大図の拡大図を提供する。
図6】本発明の好ましい実施形態によるスクラムジェットエンジンを含む触媒変換器システムの概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2を参照すると、本発明による排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器20、すなわち触媒変換器20、より具体的には三元型触媒変換器20が示されている。触媒変換器20は、内燃機関などからの排気ガス中の有毒ガス及び汚染物質を、より毒性の低い又は有害な排気ガスに還元する。触媒変換器20は、第1のチャンバ12及び第2のチャンバ22を含む。第1のチャンバ12は、1つ又は複数の還元触媒を含み(従って、触媒還元チャンバである)、第2のチャンバ22は、1つ又は複数の酸化触媒を含む(従って、触媒酸化チャンバである)。還元触媒の例には、ロジウム、白金、遷移金属大環状化合物、及び、カルゴゲナイドが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、第1のチャンバ12の還元触媒は、ロジウム金属であり、より具体的には、細かく分割されたロジウム金属である。
【0017】
エンジン排気ガス又は廃熱流11は、本明細書では一般に排気ガスと呼ばれ、触媒変換器20の第1のチャンバ12に最初に提供される。第1のチャンバ12において、第1のチャンバ12の還元触媒は、以下の反応によって、排気ガス中の未燃炭化水素及び水を還元して、水素元素Hを生成する:
炭化水素+HO→H+CO
【0018】
次に、この反応で生成された水素元素は、排気ガス中の窒素酸化物と反応し、次の反応によってそれらを窒素元素に還元する:
2NO+2H→N+2H
【0019】
炭化水素と水の還元から生成された一酸化炭素は、次の反応によって、排気ガス中の窒素酸化物を窒素元素と二酸化炭素に還元するためにも利用できる:
2NO+2CO→N+2CO
2CO+NO→N+2CO
【0020】
次に、反応ガス、水、及び、部分的に燃焼した炭化水素の流れ15は、第1のチャンバ12を出て、第2のチャンバ22に移動する。第2のチャンバ22は、酸素伝導性膜電極アセンブリ(MEA)スタック9を備えているか、それを含み、又はそれによって形成されている。MEAスタック9は、イオン伝導性膜18を挟む第1及び第2の電極14、16を含む。第1の電極14は、カソードであり、第2の電極16は、アノードである。第1及び第2の電極14、16のそれぞれは、触媒、より好ましくは酸化触媒を含む。使用できる酸化触媒の例には、白金、パラジウム、金属酸化物、遷移金属大環状化合物、およびカルゴゲナイドが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、第1及び第2の電極14、16のそれぞれに含まれる酸化触媒は、白金/パラジウム触媒である。
【0021】
周囲環境からの周囲空気は、MEAスタック9を介して第2のチャンバ22に導入される。より具体的には、周囲空気と排気ガスとの間の酸素分圧差の下で、周囲空気内に含まれる酸素は、アノード16に入り、そこで、そこに含まれる触媒によって酸化される。得られた酸素イオンは、放出された電子が外部負荷19又はエネルギー貯蔵装置17などの外部回路に同時に放出されるときに、イオン伝導性膜18を介して伝導される。この回路はカソード14で完了し、外部回路からの電子がイオン伝導性膜18を介して伝導される酸素イオンと結合して、それぞれの反応電位での一酸化炭素及び未反応の炭化水素との酸化反応を行う。
【0022】
具体的には、部分的に燃焼した(すなわち、残りの未燃の)炭化水素は、MEAスタック9を介して伝導された酸素と反応し、二酸化炭素及び水に変換され、第1のチャンバ12で生成され、第2のチャンバ22に導入された一酸化炭素は、以下の反応により、MEAスタック9を介して伝導された酸素と反応し、二酸化炭素を生成する:
2CO+O→2CO
炭化水素+O→HO+CO
【0023】
第2のチャンバ22における酸化反応に加えて、電力はまた、周囲空気と排気ガスとの間の酸素分圧差の下で、変換器20によって生成される。ネルンストポテンシャルの下で引き出される電力は、MEAスタック9を介して変換器20に導入される追加の酸素のために、排気流中の酸素含有量の増加をもたらす。より具体的には、未反応の燃焼生成物の電気化学反応ポテンシャルに加えて、排気の高温及び周囲空気中の酸素の酸素分圧に対するその低い酸素分圧は、ネルンストの式に従って電圧を生成する:
【数1】
【0024】
ここで、Rはガス定数(8.31J/mol-K)、Tはセルの動作温度、Fはファラデー定数(96,487C/mol)である。高温の排気ガスは、周囲空気の酸素の膨張熱源であり、それは、分圧差の下で、MEAスタック9を通って第2のチャンバ22に伝導される。
【0025】
例えば、酸素は、周囲大気の20%であり、空気中の酸素分圧は、2.94psiである。他方、内燃機関などからの排気ガス流は、通常、約0.5%の酸素を含み、酸素の分圧は、0.0735psiである。従って、周囲空気と一般的なエンジン排気流との間の酸素分圧の結果として生じる比率は、40である。図1に示すように、2,000rpmで動作する代表的なエンジンの排気流の温度は500℃である。従って、ネルンストの式によって計算された、MEAスタック9の結果として生じる開回路電圧は、123mVである。得られた電気エネルギーは、外部負荷19に直接供給されてもよく、又は必要になるまでエネルギー貯蔵装置17内に貯蔵されてもよい。
【0026】
図3を参照すると、本発明による、排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器30、すなわち触媒変換器システム30のさらなる実施形態が示されている。変換器システム30は、ピストン型内燃機関42、第1のチャンバ25及びMEAスタック24を含む。内燃機関は、任意の従来のエンジンであり得、内燃機関42によって生成された排気ガス28が通過する排気ガスマニホールド44を含む。内燃機関42によって生成される排気ガス28は、部分的に燃焼された燃料(すなわち、炭化水素)、一酸化炭素、亜酸化窒素(NO)、二酸化炭素及び残留酸素を含む。変換器システム30は、排気ガス流28から廃棄物エネルギーを回収することができる三元型触媒変換器として機能する。
【0027】
第1のチャンバ25は、好ましくは還元触媒、より好ましくは細かく分割されたロジウム金属を含む。そのようなものとして、第1のチャンバ25は、接触還元チャンバ25であり、主に、排気ガス中の炭化水素及び水を元素水素及び一酸化炭素に還元し、窒素酸化物を窒素、二酸化炭素及び水に還元するように機能する。
【0028】
従って、触媒還元チャンバ25を出る排気ガス流36は、水、一酸化炭素、残りの燃料、及び、部分的に燃焼した炭化水素、窒素及び二酸化炭素を含む。利用可能な酸素が一酸化炭素又は炭化水素と反応するため、理想的には、微量の酸素のみが残る。次に、触媒還元チャンバ25を出る排気ガス流36は、MEAスタック24を通過する。
【0029】
MEAスタック24は、本質的に、排気ガス流36を酸化するための酸化反応チャンバとして機能する。MEAスタック24は、第1及び第2の電極30、32の間に挟まれた酸素イオン伝導性膜31を含む。第1及び第2の電極30、32のそれぞれは、触媒、好ましくは酸化触媒、より好ましくは白金/パラジウム触媒を含む。膜31は、本質的に、周囲空気と排気ガス流36との間の酸素イオン伝導性障壁として機能し、第1の電極30は、排気ガス流36の流れ内に配置され、それと接触し、第2の電極32は、周囲空気に曝される。周囲空気と排気ガス流36との間の酸素分圧差の下で、酸素は、第2の電極32に入り、そこで酸化触媒によって酸化される。得られた酸素イオンは、放出された電子が外部負荷19の外部に伝導され、外部負荷19を通過するときに、膜31を介して伝導される。図2の実施形態に関して上で論じたように、この回路は、第1の電極30で完了し、ここで、外部回路からの電子は、それぞれの反応電位で一酸化炭素及び未反応炭化水素との酸化反応(そこに含まれる酸化触媒による)のために、膜31を介して伝導される酸素イオンと結合して、水及び増加した量の二酸化炭素を含む混合物38を生成する。
【0030】
従って、触媒還元チャンバ25及びMEAスタック24は、エンジン排気ガス流中の反応生成物の酸化及び還元を促進することにより、触媒変換器の要件を満たす。周囲空気/排気ガスの酸素圧力差の下でMEAスタック24を通って伝導される過剰な酸素のために、酸素含有量も増加する。MEAスタック24を介した酸素の伝導によって生成された電気エネルギーは、外部負荷に直接供給されてもよく、又は必要になるまでエネルギー貯蔵装置17内に貯蔵されてもよい。
【0031】
図4を参照すると、本発明による排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器の別の実施形態が示されている。変換器70は、ピストン型内燃機関72及び第1のチャンバ75に加えて、MEAスタックアセンブリ73の形態で有用な電圧及び電流レベルで電力を生成するために、MEAスタックの直列及び並列電気接続を含むアセンブリを備える。図3の実施形態と同様に、内燃機関は、エンジン72によって生成された排気ガス78が通過する排気ガスマニホールド74を含む。内燃機関72によって生成される排気ガス78は、部分的に燃焼された燃料(すなわち、炭化水素)、一酸化炭素、亜酸化窒素(NO)、二酸化炭素及び残留酸素を含む。第1のチャンバ75は、還元触媒、好ましくは細かく分割されたロジウムを含み、主に排気ガス78中の炭化水素及び水を元素水素及び一酸化炭素に還元し、窒素酸化物を窒素、二酸化炭素及び水に還元するように機能する。
【0032】
従って、触媒還元チャンバ75を出る排気ガス流76は、水、一酸化炭素、残りの燃料、及び部分的に燃焼した炭化水素、窒素、及び二酸化炭素を含む。利用可能な酸素が一酸化炭素又は炭化水素と反応するため、理想的には、微量の酸素のみが残る。次に、触媒還元チャンバ75を出る排気ガス流76は、MEAスタックアセンブリ73を通過する。
【0033】
この実施形態では、MEAスタックアセンブリ73は、複数のセクション、好ましくは3つのセクション57a、57b及び57cで構成される。セクション57a、57b、57cは、好ましくは、コネクタ59によって直列に電気的に接続されて、より高い正味出力電圧をもたらす。セクション57aの拡大図は、図4Aに示され、セクション57b及び57cは、セクション57aと同一である。図4Aを参照すると、MEAスタックアセンブリ73の各セクション57a、57b、57cは、互いに並列に負の端子53に電気的に接続された第1の複数の電極58と、互いに並列に正の端子51に電気的に接続された第2の複数の電極54とを含む。膜52は、第1及び第2の電極58、54の各対の間に配置される。第1及び第2の電極58、54のそれぞれは、触媒、好ましくは白金/パラジウム触媒を含む。第1の複数の電極58は、周囲空気に曝され、第2の複数の電極54は、排気ガスと接触している。
【0034】
周囲空気/排気ガスの酸素圧力差のために、周囲空気からの酸素は、第1の複数の電極58に入る。入ってくる酸素は、第1の電極58のそれぞれに含まれる触媒によって酸化され、電子は、負の端子53に放出され、酸素イオン56は、それぞれの膜52を通ってそれぞれの第2の電極54に伝導される。次に、図2及び図3に関して上記で説明されたものと同じ方法において、電子は、負及び正の端子53及び51を介して外部回路を通って、最終的には、それぞれの第2の電極54に送られ、そこで、一酸化炭素及び未反応の炭化水素との酸化反応のために、第2の電極54内に含まれる触媒によって、それぞれの反応電位で酸素イオンと結合する。従って、第2の電極54は、エンジン排気ガス流中の生成物の酸化反応を促進することにより、触媒変換器の要件を満たす。そのようなものとして、部分的に燃焼した燃料(例えば、炭化水素)及び一酸化炭素は、MEAスタックアセンブリ73を介して伝導される酸素と反応して、水及び増加した量の二酸化炭素を含む混合物78を生成する。
【0035】
図2に関して上記されるように、酸化反応に加えて、電力は、ネルンストの式に従って、周囲空気から得られる豊富な酸素と枯渇した酸素含有量のエンジン排気ガス流との間の酸素分圧差からも生成される。分圧差下での変換器を介した酸素の膨張は、直接的に電気を生成し、排気流中の酸素含有量の増加をもたらす。MEAスタックアセンブリ73によって生成された電気エネルギーは、外部負荷19に直接供給されてもよく、又は必要になるまでエネルギー貯蔵装置(図4には示されていない)内に貯蔵されてもよい。
【0036】
図5を参照すると、本発明による排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器の別の実施形態が示されている。変換器は、タービンエンジン90の一部であり、タービンエンジン90からエネルギーを抽出するように構成されている。タービンエンジン90は、吸気セクション60、タービン空気圧縮機セクション62、燃焼室66、触媒還元セクション(図示しないが、図3に示される触媒還元セクション25と同様)、及び、パワータービンセクション64を含む。圧縮機セクション62からの燃料及び圧縮空気の一部は、燃料が燃焼される燃焼室66に供給される。残りの圧縮空気は、燃焼室66の外側の周りを流れる。
【0037】
燃焼室66内の排気は、炭化水素燃料/酸素燃焼反応からの水(HO)及び二酸化炭素(CO)を含む。さらに、周囲の吸気中の窒素及び酸素は、燃焼室66内において高温で反応して、亜酸化窒素(NO)を生成する。一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)などの不完全な燃料燃焼生成物もまた、燃焼室66のエンジン排気中に存在する。燃焼プロセスにより、排気ガスから実質的に酸素が枯渇する。
【0038】
変換器は、MEAスタックアセンブリ、より具体的には、第1及び第2のMEAスタック68を含む。第1及び第2のMEAスタック68は、燃焼室66の壁、特に点火後領域に配置されている。MEAスタック68のうちの1つの拡大図が図5Aに示されている。MEAスタック68のそれぞれは、一対の電極61、63の間に挟まれたイオン伝導性膜65を含む。MEAスタック68のそれぞれは、第1の電極61がタービンエンジンの燃焼排気ガスに曝され、第2の電極63が圧縮空気流に曝されるように配置されている。
【0039】
MEAスタック68のそれぞれの膜65は、周囲空気と排気ガス流との間の酸素イオン伝導性障壁である。第1及び第2の電極61及び63のそれぞれは、触媒、好ましくは酸化触媒、より好ましくは白金/パラジウム触媒を含む。圧縮空気と排気ガスとの間の酸素分圧差の下で、酸素は、第2の電極63に入り、そこで酸化され、結果として生じる酸素イオンは、膜65を通って伝導され、放出された電子は、負荷(図5に示されない)を通して外部に伝導される。この回路は、第1の電極61で完了し、ここで、外部回路からの電子は、それぞれの反応電位で一酸化炭素及び排気流中の未反応炭化水素との酸化反応のために酸素イオンと結合して、水と増加した二酸化炭素の含有量を含む混合物を生成する。MEAスタック68のそれぞれの第1の電極61は、エンジン排気流中の反応生成物の酸化を促進することにより、触媒変換器の要件を満たす。
【0040】
酸化反応に加えて、電力は、ネルンストの式に従って、周囲空気から得られる豊富な酸素と枯渇した酸素含有量のエンジン排気流との間の酸素分圧差からも生成される。分圧差下での変換器を介した酸素の膨張は、直接的に電気を生成し、燃焼室66を出るガス中の酸素含有量の増加をもたらす。
【0041】
図6を参照すると、本発明による排気ガス又は廃熱用のエネルギー回収変換器の別の実施形態が示されている。変換器は、スクラムジェットエンジンの一部であり、スクラムジェットエンジンからエネルギーを抽出するように構成されている。スクラムジェットエンジンは、空気入口セクション70、アイソレータセクション72、燃焼器セクション76及びノズルセクション74を含む。変換器はまた、MEAアセンブリ、すなわち、第1及び第2のMEAスタック78を含む。MEAスタック78は、燃焼セクション76を通る流れを、燃料燃焼領域及び空気フロースルー領域に部分的に分離する。燃料及びアイソレータセクション72からの空気の一部は、燃料燃焼領域に供給される。空気の残りの部分は、MEAスタック78のそれぞれの反対側を通過し、その結果、各スタック78の第1の電極71は、燃焼ガスに曝され、各スタック78の第2の電極73は、アイソレータセクション72から直接提供される、酸素に富む空気流に曝される。
【0042】
各MEAスタック78の第1及び第2の電極71、73の間に配置された膜75は、第2の電極73に曝された酸素に富む空気流を、第1の電極71に曝された酸素枯渇後燃焼ガス流から分離する酸素イオン伝導性障壁である。第1及び第2の電極71、73のそれぞれは、触媒、好ましくは酸化触媒、より好ましくは白金/パラジウム触媒を含む。アイソレータセクション72からの空気と排気ガスとの間の酸素分圧差の下で、酸素は、第2の電極73に入り、そこに含まれる触媒によってその中で酸化され、結果として生じる酸素イオンは、イオン伝導性膜75を通って第1の電極71に伝導され、放出された電子は、負荷(図6には示されていない)を介して外部に伝導される。この回路は、第1の電極71で完了し、ここで、外部回路からの電子は、それぞれの反応電位で燃焼ガス流中の一酸化炭素及び未反応炭化水素との酸化反応のために、イオン伝導性膜75を介して伝導される酸素イオンと結合する。変換器は、図3から図5に関して上記したように、触媒還元セクション及び排気ガス組成物を含む。
【0043】
第1の電極71は、エンジン排気流中の反応生成物の酸化を促進することにより、触媒変換器の要件を満たす。そのようなものとして、部分的に燃焼した燃料(例えば、炭化水素)及び一酸化炭素は、MEAを介して伝導される酸素と反応して、水及び増加した二酸化炭素含有量を含む混合物を生成する。
【0044】
ネルンストの式に従って、酸化反応に加えて、電力は、周囲の空気から得られる豊富な酸素と枯渇した酸素含有量の燃料燃焼生成物との間の酸素分圧差からも生成される。分圧差下での変換器を介した酸素の膨張は、直接的に電気を生成する。
【0045】
上記の変換器/システムのいずれも、工業施設に処理熱を供給するのに適している可能性がある。例示的な施設は、生の鉱石、木材、又は紙の乾燥プロセスから金属を処理及び分離するために熱が必要とされる施設であろう。基本的に、工業用処理施設は、プロセス熱源として燃料を燃焼させる過程で、酸素に富むガスから酸素が枯渇したガスを生成する。余熱と不完全燃焼生成物は、しばしば無駄になる。
【0046】
当業者は、その広範な発明概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内の変更をカバーすることを意図していることが理解される。
【符号の説明】
【0047】
9 MEAスタック
11 廃熱流
12 第1のチャンバ
14 第1の電極
15 炭化水素の流れ
16 第2の電極
17 エネルギー貯蔵装置
18 イオン伝導性膜
19 外部負荷
20 変換器
22 第2のチャンバ
24 MEAスタック
25 第1のチャンバ
28 排気ガス
30 第1の電極
31 酸素イオン伝導性膜
32 第2の電極
36 排気ガス流
38 混合物
42 ピストン型内燃機関
44 排気ガスマニホールド
51 正の端子
52 膜
53 負の端子
54 第2の電極
56 酸素イオン
57a セクション
57b セクション
57c セクション
58 第1の電極
59 第2の電極
60 吸気セクション
61 電極
62 タービン空気圧縮機セクション
63 電極
64 パワータービンセクション
65 イオン伝導性膜
66 燃焼室
68 MEAスタック
70 空気入口セクション
71 第1の電極
72 アイソレータセクション
73 第2の電極
74 ノズルセクション
75 イオン伝導性膜
76 燃焼器セクション
78 排気ガス
90 タービンエンジン
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図5A
図6