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特許7408648容器を重量測定するための重量測定デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】容器を重量測定するための重量測定デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01G 17/04 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
G01G17/04 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021519766
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 IT2019050194
(87)【国際公開番号】W WO2020075204
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】102018000009300
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】594073646
【氏名又は名称】イ.エンメ.ア.インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ガブシ、ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】マッカニャーニ、マウロ
(72)【発明者】
【氏名】マネラ、セルジオ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-219862(JP,A)
【文献】特開2006-021751(JP,A)
【文献】国際公開第2018/082925(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0108034(US,A1)
【文献】特開2018-119951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
つ以上の容器(27)を重量測定するための重量測定デバイスであって、前記容器(27)には側方壁(38)が設けられており、前記側方壁(38)によって、上向き開口部を通じて1つまたは複数の物質が充填されるように構成されているチャンバ(37)が内部に形成されており、前記重量測定デバイスは、重量測定手段(19)と、前記重量測定手段(19)に対し接続され区画(28)を形成する本体(11)とを備え、前記区画(28)は前記容器(27)を一時的に収納するように構成され、前記区画(28)には、導入軸(X)に沿って前記容器(27)を前記区画(28)の内部に導入するための通路間隙を形成する開口(18)が提供され、前記本体(11)は、前記導入軸(X)の周りに対称に配置された複数の保持レバー(14)をさらに備え、前記保持レバー(14)の各々には、前記開口(18)に対応して配置された保持基端(32)と、前記区画(28)の内部において前記導入軸(X)に沿って前記保持基端(32)から離れて配置された末端作動部(33)とが提供され、前記保持レバー(14)の各々は、回転により、非作動位置と保持位置との間において可動であり、前記非作動位置では、前記保持基端(32)が前記区画(28)へと配置される前記容器(27)から離れるように移動しており、前記保持位置では、前記保持基端(32)が、前記区画(28)へと配置される前記容器(27)の前記側方壁(38)に形成されている保持区域(41)にて前記容器(27)と係合しており、前記保持位置では、前記複数の保持レバー(14)によって保持されている前記容器(27)は、自由に充填される前記上向き開口部を有する、デバイス。
【請求項2】
前記非作動位置と前記保持位置との間の移動は、前記導入軸(X)に沿って前記区画(28)へと導入された容器(27)との各末端作動部(33)の干渉によって決定されるそれぞれの前記保持レバー(14)の回転の結果としての各末端作動部(33)の位置の変化によって生じる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記非作動位置では、各保持基端(32)は、前記導入軸(X)に沿った前記容器(27)の移動を可能とするように、前記開口(18)に対し外部にあり、各末端作動部(33)は前記導入軸(X)から第1の距離にあり、一方、前記保持位置では、前記容器(27)を前記導入軸(X)に対し保持するとともに中心に置くように、各保持基端(32)は、前記導入軸(X)に対して対称に前記開口(18)の内部に突出し、各末端作動部(33)は、前記導入軸(X)から前記第1の距離よりも大きい第2の距離にある、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記本体(11)は、前記保持レバー(14)を受けるための通過溝(13)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記保持レバー(14)は、1つの保持レバー(14)とその隣の保持レバー(14)との間に約120°の角度が存在するように、前記導入軸(X)の周りに、対称にかつ等間隔であるように前記本体(11)上に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記保持レバー(14)は、ピン(16)によって前記本体(11)に対し枢動し、前記保持基端(32)および前記末端作動部(33)は、前記対応する保持レバー(14)が前記保持位置または前記非作動位置のいずれかをとるべく運動する枢動軸または支点を前記末端作動部(33)が形成するように、前記ピン(16)に対し反対側に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
つ以上の容器(27)を重量測定するための重量測定方法であって、前記容器(27)には、側方壁(38)が設けられており、前記側方壁(38)によって、上向き開口部を通じて1つまたは複数の物質が充填されるように構成されているチャンバ(37)が内部に形成されており、前記方法は、
前記容器(27)を、導入軸(X)に沿って前記容器(27)を区画(28)の内部に導入するための通路間隙を形成する開口(18)を通じて、重量測定デバイス(10)の本体(11)の前記区画(28)へと導入する、工程と、
前記本体(11)に接続された重量測定手段(19)によって前記容器(27)を重量測定する工程と、を提供し、
前記導入軸(X)の周りに対称に配置された複数の保持レバー(14)によって、前記容器(27)を前記区画(28)に保持するとともに中心に置く工程をさらに提供し、前記保持レバー(14)の各々には、前記開口(18)に対応して配置された保持基端(32)と、前記区画(28)の内部において前記導入軸(X)に沿って前記保持基端(32)から離れて配置された末端作動部(33)とが提供され、前記保持レバー(14)の各々は、非作動位置と保持位置との間において回転し、前記非作動位置では、前記保持基端(32)が前記区画(28)へと配置される前記容器(27)から離れるように移動しており、前記保持位置では、前記保持基端(32)が、前記区画(28)へと配置される前記容器(27)の前記側方壁(38)に形成されている保持区域(41)にて前記容器(27)と係合しており、前記保持位置では、前記複数の保持レバー(14)によって保持されている前記容器(27)は、自由に充填される前記上向き開口部を有する、方法。
【請求項8】
前記保持レバー(14)が前記非作動位置から前記保持位置まで移動するとき、前記保持レバー(14)は前記容器(27)の重量によって回転し、前記容器(27)は、前記区画(28)へと導入されたとき、前記保持レバー(14)の前記保持基端(32)が、前記区画(28)において、前記容器(27)に接触し、前記導入軸(X)に対し前記容器(27)を安定させるとともに前記容器(27)を中心に置くように前記容器(28)を側方に保持するまで、結合端(40)により前記保持レバー(14)の前記末端作動部(33)に対し推し進めるように構成されている、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、容器が空であるときと、また容器が製品または物質により満たされたときとの両方において、1つまたは複数の容器を重量測定するのに適した重量測定デバイスに関する。
【0002】
製品または物質との用語により、任意の液体、半固体、ゼラチンまたは固体組成(後者の場合、粉末状または粒子状であることが可能であり、野菜および/または動物および/または化学物質由来のものであることが可能である)を意味する。
【0003】
重量測定される容器は、プリセット位置において、ラックか類似および/または同種の手段に一時的に収納され、続いて安定化され、個々にまたは組により重量測定されることが可能である。
【0004】
非限定的な例として、本発明に従う、容器を重量測定するための重量測定デバイスは、薬剤、化粧、健康または化学の分野において用いられることが可能である。
【背景技術】
【0005】
薬剤、健康、化学、産業またはより一般的には技術科学の分野において、精密な量の一定の製品を容器に充填する必要があることが多いことが知られている。
特に、化学、薬剤および健康の分野では、フラスコ、試験管、バイアル、ボトル、注射器、カプセルおよびそうしたものなどの容器を、所定の用量に従う製品により充填する必要があることが多く、その用量は、導入された製品の性質および製品によって行われることが意図される機能に起因して、所定の限界値内に含まれるわずかな違いしか許容されない。
【0006】
典型的には、容器は、ラック(「ネスト」)の適切な座部に位置し、容器は、充填システムおよび重量測定システムにおいてそれぞれ行われる充填および/または重量測定動作のためにそのネストから取り出されることが可能であり、重量測定システムは、場合によっては充填システムへと統合されることができる。
【0007】
容器の充填および/または重量測定の動作は、容器をラックから取り出すことなく行われることも可能である。この場合、ラックは、充填ノズルおよび/または重量測定デバイスに対応して、ラック、特に充填されおよび/または重量測定される容器を位置決めすることを可能とする移動手段により扱われる。
【0008】
容器の充填は、充填システムにおいて、処理される製品の種類に関連して、精密な量の製品を容器へと搬送するのに適した充填ノズルが提供された充填マシンによって行われる。
【0009】
目的が、期待された用量に対応したある量の製品を導入することであるため、充填後または充填と同時に、各容器へと導入された製品の重量を確かめることが基本である。
この目的のため、上記の充填システムに関連した、または関連していない、重量測定システムを使用することが知られている。そうした重量測定システムは、容器が空であるとき(風袋)と容器が充填されているとき(総重量)との両方において容器の重量を検出するのに適した、重量検出器またはロードセルを用いる。
【0010】
この種類の重量測定システムは、例えば、本出願人による特許文献1に記載される。
特許文献1は、マニピュレータアームによってロードセルに向かって移動可能な、ラックに配置された適切な収納座部に位置する容器用の重量測定システムを記載する。
【0011】
単一の容器のロードセルに対する位置決め(風袋および総重量の検出のために容器の充填前と充填後との両方)は、容器をラックからおよび収納座部から移動させることなく行われる。
【0012】
重量測定システムは、ロードセルを備えており、少なくとも重量測定動作に必要とされる時間に単一の容器またはその容器の部分を収納するのに適している重量測定デバイスも備える。特許文献1に記載された重量測定デバイスには、重量測定動作に関与する容器の少なくとも部分を収納するための適切な形状の座部が提供される。
【0013】
行われる多数の重量測定動作、すなわち、各容器(風袋および総重量)についての2以上の重量測定を考慮すると、重量測定動作は、必然的に同時に迅速かつ精密である必要がある。
【0014】
しかしながら、ラックの重量測定デバイスに向かう素早い移動、または場合によっては重量測定デバイスから離れる素早い移動に起因して、容器はデバイスにおいて安定させるとともに中心に置くことが困難である。これは、重量測定デバイスにおける容器の位置決めは調節の振動を伴うことと、また必然的にデバイスの座部が、挿入の方向に対して特徴付けられると意図される容器のサイズよりも大きいサイズを有する必要があることと、の両方が原因である。これらの振動は、早急に除去されない場合、正しくない重量測定を生じることがあり、すなわち、振動が減衰する慣性期間後、正しい重量測定を行うことができるまで待機するように、かなりの重量測定回数を生じることがある。
【0015】
さらに、これらの重量測定デバイスは、デバイスにおいて容器を中心に置くことを保証せず、重量測定行程中に座部の内側における容器の垂直方向の配置も保証しない。実際には、容器は、ラックの収納座部上に部分的に置かれることが可能であるか、または容器は重量測定デバイスの座部の壁に部分的に置かれることが可能であり、容器自身の重量の一部が除かれて、正しくない測定を生じる。
【0016】
これに加えて、充填工程および重量測定行程が同一のシステムにおいて行われる場合は、導入される製品の充填ノズルが容器の移動中に容器を損傷させることを防止することと、最終用量の水準を超えて容器の壁を濡らすことを回避することと、の両方のために、容器が完璧に垂直であることが不可欠である。欠点は、容器自身の壁に従順性(コンプライアンス)がなくなることである。このため、例えば、容器が注射器である場合には、容器の壁はキャップに直接接触しているエリアにおいて濡れたままとなり、容器が凍結乾燥されるボトルである場合には、容器の壁は、凍結乾燥動作後に「汚れた」ままとなる。
【0017】
さらに、容器に対する充填ノズルの生じ得る衝撃は、重量測定制御を歪める振動を生じることがある。
したがって、最新技術の欠点のうちの1つ以上を克服することが可能である、容器を重量測定するための重量測定デバイスを完成させる必要がある。
【0018】
本発明の1つの目的は、重量測定動作を加速化できる、容器を重量測定するための重量測定デバイスを提供し、同時に正確かつ精密な測定を得ることである。
本発明の別の目的は、少なくとも重量測定行程中、また場合によっては充填工程中に、容器を安定させるとともに中心に置くことと、容器を垂直位置に維持することとができる、容器を重量測定するための重量測定デバイスを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、非常に様々な形状によって特徴付けられた容器を安定させるとともに中心に置くことができる、容器を重量測定するための重量測定デバイスを提供することである。
【0020】
出願人は、最新技術の欠点を克服するように、またこれらのおよび他の目的および利点を得るように、本発明を考案し、試験し、実施した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】国際公開第2018/019985号
【発明の概要】
【0022】
本発明は、独立請求項において説明され特徴付けられ、一方、独立請求項は本発明または主発明に対する変形の他の特徴を記載する。
ここに記載される実施形態は、薬剤、化学または産業の分野において用いられる、精密かつ一定の量の物質を収容するための、フラスコ、試験管、バイアル、ボトル、注射器、カプセルまたはそうしたものなどの容器を重量測定するための重量測定デバイスに関する。
【0023】
本発明に従う重量測定デバイスは、1つまたは複数の物質を収容するように構成されている1つ以上の容器を重量測定するように構成される。
前記重量測定デバイスは、重量測定手段と、前記重量測定手段に対し接続され、前記容器を一時的に収納するための区画(28)を形成する、本体とを備え、前記区画には、導入軸に沿って前記容器を前記区画の内部に導入するための通路間隙を形成する開口が提供される。
【0024】
前記本体は、前記導入軸の周りに対称に配置された複数の保持レバーをさらに備え、各保持レバーには、前記開口に対応して配置された保持基端と、前記区画の内部において前記導入軸に沿って前記保持基端の下流に配置された末端作動部とが提供される。各保持レバーは、回転により、前記導入軸から離れるようにまた前記導入軸に向かって非作動位置と保持位置との間において可動である。前記非作動位置と前記保持位置とでは、前記保持基端と前記末端作動部とがそれぞれ径方向に前記導入軸から離れた位置と前記導入軸に近い位置との2つの逆の位置にあるか、反対に前記保持基端と前記末端作動部とがそれぞれ径方向に前記導入軸に近い位置と前記導入軸から離れた位置との2つの逆の位置にある。
【0025】
好ましい実施形態では、非作動位置と保持位置との間の保持レバーの移動は、それぞれ区画におよび区画から容器の挿入および取り出しによって作動することが可能である。
ここに記載される実施形態は、本発明に従う、1つまたは複数の物質を収容するように構成されている容器を重量測定するための、重量測定デバイスを用いる方法にも関する。その方法は、
-前記容器を、導入軸に沿って前記容器を前記区画の内部に導入するための通路間隙を形成する開口を通じて前記重量測定デバイスの本体の区画へと導入する、工程と、
-前記本体に接続された重量測定手段によって前記容器を重量測定する工程と、を提供する。
その方法は、
-前記導入軸の周りに対称に配置された複数の保持レバーによって、前記容器を前記区画に保持するとともに中心に置く工程をさらに提供し、前記保持レバーの各々には、前記開口に対応して配置された保持基端と、前記区画の内部において前記導入軸に沿って前記保持基端の下流に配置された末端作動部(33)とが提供される。前記保持レバーの各々は、非作動位置と保持位置との間において、前記導入軸から離れるようにまた前記導入軸に向かって回転し、前記非作動位置と前記保持位置とでは、前記保持基端と前記末端作動部とがそれぞれ径方向に前記導入軸から離れた位置と前記導入軸に近い位置との2つの逆の位置にあるか、反対に前記保持基端と前記末端作動部とがそれぞれ径方向に前記導入軸に近い位置と前記導入軸から離れた位置との2つの逆の位置にある。
【0026】
本発明に係る重量測定デバイスの1つの利点は、その重量測定デバイスが高価でなく嵩張らないことである。
本発明に係る重量測定デバイスの別の利点は、ラック、または容器の異なる処理工程中に容器を支持するように化学薬剤分野において一般に用いられる「ネスト」と組み合わせて容易に用いられることが可能であることである。例えば、本発明に係る重量測定デバイスは、特にラックと同一のサイズを有するかラックのサブセット(一部)と同等であるマトリクスへと統合されることが可能である。
【0027】
本発明に係る重量測定デバイスの別の利点は、重量測定デバイスが組み立てるのに簡単であることである。
本発明に係る重量測定デバイスの、および対応する重量測定方法のさらなる利点は、物質の重量のまたは容器の内部に収容された製品の、精密な、信頼性のある、および迅速な測定を可能とすることである。
【0028】
本開示のこれらのおよび他の態様、特性および利点は、以下の記載、図面および添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解される。統合され本記載の一部を形成する図面は、本発明のいくつかの実施形態と示し、また記載とともに本開示の原理を記載することが意図される。
【0029】
本発明のこれらのまたは他の特性は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられるいくつかの実施形態に関する以下の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】重量測定される容器も見られる、本発明に係る重量測定デバイスの3次元図。
図2図1の重量測定デバイスの側面図。
図3図1の重量測定デバイスの上からの平面図。
図4図1のデバイスを使用する可能な重量測定方法の動作シーケンスを示す図。
図4a図4の拡大詳細図。
図5図1のデバイスを使用する可能な重量測定方法の動作シーケンスを示す図。
図6図1のデバイスを使用する可能な重量測定方法の動作シーケンスを示す図。
図7図1の重量測定デバイスを備える可能な重量測定システムを示す図。
図8図1の重量測定デバイスを備える可能な重量測定システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
理解を容易にするため、可能なところでは、図面における同一の共通の要素を識別するように同一の参照符号が用いられている。1つの実施形態の要素および特性は、便利には、さらなる説明なく他の実施形態へと組み込まれることが可能であることが理解される。
【0032】
これより、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。それらの実施形態の1つまたは複数の例が添付の図面に示される。各例は、本発明の例示のために提供され、本発明の限定として理解されるものではない。例えば、示されるまたは記載される特性は、1つの実施形態の一部であるため、別の実施形態を生成するように、他の実施形態に取り入れられる、または関連することが可能である。本発明は、すべてのそうした修正および変形を含むことが理解される。
【0033】
実施形態を記載する前に、本記載は、その用途において、添付の図面を用いた以下の記載において記載されるコンポーネントの構成および配置の詳細に限定されるものではないことを明確にする必要もある。本記載は、他の実施形態を提供することが可能であり、様々な他の手法により取得されるまたは実行されることが可能である。本明細書において用いられる語法および専門用語は、記載の目的のために過ぎず、限定的であると解されることはないことも明確にする必要がある。
【0034】
添付の図面を用いて記載される実施形態は、添付の図面において参照符号10により全体として示される、容器を重量測定するための重量測定デバイスに関する。
いくつかの実施形態によれば、デバイス10は、1つまたは複数の物質を収容するのに適した1つ以上の容器27を重量測定するように構成される。
【0035】
容器27は、随意では、より詳細に以下に説明される重量測定システム49(図7図8)と相互作用するように適切に扱われる支持要素またはラック26(図4図6)にある。
【0036】
デバイス10は、重量測定手段19と、その重量測定手段19に対し接続され区画(コンパートメント)28を形成する本体11とを備え、区画28は容器27を少なくとも一時的に収納するように構成され、区画28には、区画28の内部に導入軸Xに沿って、容器27を導入するための通路間隙を形成する開口18が提供される。
【0037】
容器との用語により、本明細書および以下の記載において、薬剤、化学または産業の分野において用いられる、精密かつ一定の量の物質を収容するための、フラスコ、試験管、バイアル、ボトル、カートリッジ、注射器、カプセルおよびそうしたものなどの容器を意味する。
【0038】
添付の図面では、容器27は減少した容積と長尺形状を有するバイアルとして構成されているが、しかしながら、重量測定デバイス10および対応する重量測定方法は、例えば上記のものなどの何でも、任意の異なる種類の容器を重量測定するのに適することが明白である。
【0039】
本発明の1つの態様によれば、本体11は、導入軸Xの周りに対称に配置された複数の保持レバー14を備える。保持レバー14の各々には、開口18に対応して配置された保持基端32と、導入軸Xに沿って保持基端32の下流の区画28の内部に配置された末端作動部33とが提供される。各保持レバー14は、回転により、導入軸Xから離れるようにまた導入軸Xに向かって非作動位置と保持位置との間において可動である。非作動位置と保持位置とでは、保持基端32と末端作動部33とがそれぞれ径方向に導入軸Xから離れた位置と導入軸Xに近い位置との2つの逆の位置にあるか径方向に導入軸Xに近い位置と導入軸Xから離れた位置との2つの逆の位置にある。
【0040】
保持レバー14によって容器27を中心に置くとともに保持することは、容器27を区画28へと挿入するための移動によって生じる容器27の慣性挙動を直ちに除去することができ、したがって、容器27に影響を及ぼす振動が直ちに止むため、より精密かつ迅速な重量測定を得る。
【0041】
これに加えて、容器27をデバイス10において中央に置くことは、充填工程中に、生じ得る損傷および生じ得る汚染も防止するように、容器27の壁との充填ノズルの生じ得る衝突を回避する。
【0042】
可能な実施形態に従って、デバイス10は、少なくとも重量測定動作に必要な時間に、1つ以上の容器27を収納するのに適する。
容器27は、所定のおよびほぼ安定した位置にて、ラック26か同様および/または同種の構造にあることが可能である。
【0043】
ラック26は、互いから離れており典型的にはマトリクスにより配置される、複数の座部21を有し、座部21には、間に容器17が位置する複数の壁22が提供される。
容器27の以下の記載では、非限定的な例として、例えば図1および図2に示される種類を参照する。しかしながら、容易に理解されるように、ここに記載される実施形態は、異なるサイズ、形状および特性の容器27にも関することが可能である。
【0044】
容器27は、図4に示されるように、容器27が座部21の内部に配置されるときに座部21の軸と一致する軸Yに沿った長手方向の広がりを有する。
容器27には、1つまたは複数の物質を収容するのに適したチャンバ37の範囲を内部に定める側方壁38が提供される。
【0045】
有利には、充填されることが可能であるように上部に向かって開いたチャンバ37は、チャンバ37の中身を可視とするように、少なくとも側方に、透明材料(例えば、ガラス)から製造された側方壁38によって範囲を定められる。
【0046】
容器27には、容器27がラック26から垂直方向に吊るされるように、襟部とも呼ばれる、ラック26の支持面24に置くように形作られた支持エッジ25が提供される。容器27の長手方向の広がりの軸Yは支持面24に対しほぼ直交し、軸Yはほぼ垂直であり支持面24はほぼ水平であることに留意されたい。
【0047】
好ましくは、容器27は、ある横方向のサイズ、すなわち、座部21のサイズに関連する側方壁38の外径を有する。特に、座部に受けられるように、側方壁38は座部21の直径よりも小さい直径を有する必要があるが、容器27がラックの移動中に揺れ動くのを防止するように、座部の直径に近いことが明白である。
【0048】
さらに、以下により良く説明されるように、ラック26の移動中であるが、とりわけ容器27の重量測定中、側方壁38は座部21の壁22とは接触しない。これは、接触が生じると、重量の測定が正しくなくなることがあるためである。
【0049】
この配置のおかげで、ラック26の垂直方向の移動により、容器27は、少なくとも部分的には座部21から容易に解放され、デバイス10の区画28へと挿入されることが可能である。特に、デバイス10は、重量測定動作によって影響を及ぼされる容器27と隣接する容器27と干渉しないように、また重量測定手段19によって重量測定されることが可能である重量制限を超えないように、ある嵩および形状により製造される。
【0050】
容器27は、支持エッジ25に対して反対側の、チャンバ37の下に位置する結合端40を備えることが可能である。
特に、保持位置では、保持レバー14は、容器27の側方壁38に形成された保持区域41と対応して容器27を保持するように構成される。
【0051】
実際には、有利には、側方壁38は、支持エッジ25および結合端40が変形を受けることが可能であるため、保持レバー14用の支持を安全にし安定させることを可能とする容器27の一部でしかない。例えば、注射器では、キャップのエリアに隣接するエリアは、変形し傾斜することがあり、安定した支持を保持レバー14に提供することができない。
【0052】
いくつかの実施形態に従って、デバイス10の本体11は、少なくとも容器27が区画28の内部に配置されるときに軸Yと平行でありほぼ一致する、導入軸Xに沿った長手方向の進展を有する。
【0053】
区画28は、収納される容器27の形状に関連した形状を有するが、容器27の容易な挿入を可能とするように、設計上より大きいサイズを有する。これは、容器27の保持が保持レバー14によって行われるという事実とともに、デバイス10が、非常に様々な形状によって特徴付けられた容器27を収納することを可能とする。
【0054】
特に、区画28は、少なくとも結合端40および側方壁38の保持区域41を収納するように構成される。
区画28は、述べたように、保持レバー14の少なくとも保持基端32と末端作動部33とを収納することが可能である。
【0055】
いくつかの実施形態に従って、本体11には溝13が提供され、溝13は、軸Xに対し平行な長手方向の広がりを有し、貫通しており、区画28を外側に連通させることができる。溝13は、本体11の外側面30に作られ、保持レバー14を受けるように構成される。
【0056】
特に、保持基端32は、区画28の口部に近接して配置された溝13の区域に受けられ、一方、末端作動部33は、区画28の底部に近接して配置された溝13の部分に受けられる。
【0057】
保持レバー14は、1つの保持レバー14とその隣の保持レバー14との間に約120°の角度が存在するように、導入軸Xの周りに、対称にかつ等間隔である本体11上の配置を有する。
【0058】
しかしながら、薬剤、化学および産業の分野において用いられる通常の容器27に対して様々なサイズの容器27を安定させるとともに中心に置くことができるデバイス10が提供される場合、保持レバー14は、3つ以外の個数にあることと、保持レバー14の可能な非対称の配置が排除されないものの、1つの保持レバー14とその隣の保持レバーとの間に120°とは異なる角度が存在するように配置されることとが可能である。
【0059】
保持レバー14は、外側面30に対し拘束されたピン16によって本体に対し枢動する。保持基端32および末端作動部33は、末端作動部33が枢動軸または支点を形成するように、ピン16に対し反対側に配置される。対応する保持レバー14は、保持位置または非作動位置を交互にとるように枢動軸または支点に対し揺動する。
【0060】
可能な実装では、容器27に対する保持を行うように、少なくとも保持基端32の表面に節を作るまたはゴム加工を施すことが提供される。
デバイス10は、保持レバー14の末端作動部33の部分を支持し保持レバー14の回転を制限することを可能とするように、区画28の底部から区画28の口部に向かって突出する当接要素17も備える。
【0061】
可能な解決策では、当接要素17を使用しないことと、末端作動部33の部分間の直接接触によって、保持レバー14の過度の回転を回避することと、が提供されることが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態に従って、非作動位置から保持位置までの移動は、導入軸Xに沿って区画28へと導入された容器27との、各末端作動部33の干渉によって決定されたそれぞれの保持レバー14の回転の結果としての各末端作動部33の位置の変化によって生じる。
【0063】
保持レバー14は、ある形状およびある質量分布を有し、
-非作動位置(図4)では、各保持基端32は、導入軸Xに沿った容器27の移動を可能とするように、開口18に対し外部にあり、各末端作動部33は導入軸Xから第1の距離にある。
-保持位置(図6)では、各それぞれの保持基端32は、開口18の内部に、導入軸Xに対し対称に突出し、容器27を導入軸Xに対し保持するとともに中心に置き、各末端作動部33は、導入軸Xから第1の距離よりも大きい第2の距離にある。
【0064】
保持レバー14が非作動位置から保持位置まで移動するとき、保持レバー14は容器27の重量によって回転し、容器は、区画28へと導入されたとき、保持レバー14の保持基端32が、容器27に接触し、容器27を安定させるとともに容器27を区画28における導入軸に対し中心に置くように容器を側方に保持するまで、結合端40により保持レバー14の末端作動部33に対し推し進めるのに適する。この場合、末端作動部33は、導入軸Xから第2の距離まで移動する。
【0065】
保持レバー14が保持位置から非作動位置まで移動するとき、区画28から出る容器27は、末端作動部33が導入軸Xの軸から第1の距離に動き(例えば、当接要素17上に置かれる)、容器27が区画28から完全に出るまで、保持レバー14の形状および質量分布に起因して回転可能な保持レバー14から容器27の重量を取り除く。
【0066】
保持レバー14のプロファイルおよび保持レバー14の質量分布は、
-非作動位置では、保持レバー14の質量の中心に対する合力は、保持基端32を導入軸Xから離れるように移動させる、および末端作動部33を導入軸Xから第2の距離に運ぶなど、保持レバー14の回転を生成する。
-保持位置では、保持レバー14の質量の中心に対する合力は、保持基端32を導入軸Xのより近くに運ぶ、および末端作動部33を導入軸Xから第1の距離に運ぶなど、非作動位置における回転に対し反対方向に、保持レバー14の回転を生成する。
【0067】
いくつかの実施形態に従って、デバイス10は、重量測定手段19が固定される支持基部12を備えることが可能である。基部12は、本体11を有する単一の本体に製造されることが可能であるか、続けて本体11に接続されることが可能である。
【0068】
基部12は、重量測定手段19に対し取り付けるように、ねじ44の通路用の穴を有することが可能である。しかしながら、他の種類の機械的取付は、例えば、スナップインまたは圧力機構により、または化学物質、例えば接着剤の補助により、除外されるのではない。
【0069】
デバイス10は、重量測定システム49もしくは充填システム(図示せず)に、またはその両方に関連することが可能である。
図7図8に示される、可能な実施形態では、重量測定システム49(この実施形態では充填ステーションに関連しない)は、ラック26に位置する容器27を重量測定するように構成される。
【0070】
重量測定システム49は、容器27に存在する物質または製品を重量測定するのに適した、1つ以上の重量測定デバイス10が関連する、固定された支持体45を備える。
ラック26は、容器27をデバイス10に対応して重量測定されるようにその都度位置させるように、移動手段29によって3つの軸(A1,A2-図面では2つの軸しか示されず、第3の軸は図面に対し垂直である。)に対し扱われることが可能である。
【0071】
移動手段29は、2つまたは3つの軸上の、ロボット、人間を模した物でもある、または、例えばプログラムに従う可動位置テーブルであることが可能である。
いくつかの可能な解決策では、重量測定される容器27に対応してデバイス10をその都度位置決めするように、図示されないそれぞれの移動手段により、支持体45を3つの軸上において移動させることが可能である。
【0072】
可能な解決策では、測量システム49は、一度に2つ以上の容器27を重量測定するように構成されることが可能である。この場合、例えば、容器27の1つまたは複数の行または列の同時の重量測定を行うように、複数のデバイス10が支持体45上に存在することが可能である。
【0073】
本発明はいくつかの特定の例を参照して記載されているが、当業者は、特許請求の範囲に記載される特性を有し、したがってすべてが特許請求の範囲によって定められる保護の領域に入る、容器を重量測定するための重量測定デバイスの多くの他の均等形態を確実に達成することができることも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8