(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】デュアルサプライローサイドゲートドライバ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20231225BHJP
G05F 1/56 20060101ALI20231225BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H02M3/00 K
G05F1/56 310
H02M1/08 A
(21)【出願番号】P 2021524027
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(86)【国際出願番号】 US2019059316
(87)【国際公開番号】W WO2020092864
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-30
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】アフメド エッサム ハシム
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-032410(JP,A)
【文献】実開昭58-105611(JP,U)
【文献】特開2013-172399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
G05F 1/56
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1の電圧入力と第1の電圧出力とを有する第1のレギュレータと、
第2の電圧入力と第2の電圧出力とを有する第2のレギュレータと、
前記第1のレギュレータとスイッチとに結合される第1のドライバ回路であって、前記第1の電圧出力における第1の出力電圧に基づいて前記スイッチを駆動するように構成される、前記第1のドライバ回路と、
前記第2のレギュレータと前記スイッチとに結合される第2のドライバ回路であって、前記第2の電圧出力における第2の出力電圧に基づいて前記スイッチを駆動するように構成される、前記第2のドライバ回路と、
前記第1のドライバ回路と前記第2のドライバ回路とに結合され、制御信号に基づいて前記スイッチを駆動するために前記第1のドライバ回路と前記第2のドライバ回路との一方を選択するように構成される
ドライバコントローラであって、前記第1のドライバ回路に対する第1のゲート駆動信号か前記第2のドライバ回路に対する第2のゲート駆動信号かを提供し、前記第2の電圧入力における第2の入力電圧が閾値よりも大きいことを示す前記制御信号に応答して前記第2のドライバ回路を選択する、ように更に構成される、前記ドライバコントローラと、
前記スイッチに結合されるスイッチノードであって、前記スイッチノードにおけるスイッチノード電圧が
、前記スイッチがオン
・オフされる
かどうかによって決定される、前記スイッチノードと、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2の電圧入力における第2の入力電圧を監視し、前記ドライバコントローラに前記制御信号を提供するように構成される電圧監視回路を更に含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記ドライバコントローラが、前記第2の入力電圧レベルが
前記閾値に等しいかそれより小さいことを前記制御信号が示すとき前記第1のドライバ回路を選択するように更に構成される、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記スイッチノードが負荷に結合されるように構成される、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1のレギュレータの出力ノードと前記第2のレギュレータの出力ノードとの間に結合される抵抗器を更に含む、システム。
【請求項6】
請求項
5に記載のシステムであって、
前記抵抗器に結合され、前記第1及び第2の出力電圧の平均を受け取るように構成される感知スイッチを更に含む、システム。
【請求項7】
回路であって、
第1の電圧入力と第1の電圧出力とを有する第1のレギュレータと、
第2の電圧入力と第2の電圧出力とを有する第2のレギュレータであって、前記第2の電圧入力における第2の入力電圧が前記第1の電圧入力における第1の入力電圧よりも低い、前記第2のレギュレータと、
前記第1の電圧出力に結合される第1のドライバ回路であって、第1のゲート駆動信号出力を有する、前記第1のドライバ回路と、
前記第2の電圧出力に結合される第2のドライバ回路であって、第2のゲート駆動信号出力を有する、前記第2のドライバ回路と、
前記第1のドライバ回路と前記第2のドライバ回路とに結合されるドライバコントローラであって、
前記第1のドライバ回路に対する第1のゲート駆動信号
か前記第2のドライバ回路に対する第2のゲート駆動信号
かを出力
し、
前記第2の電圧入力における第2の入力電圧が閾値よりも大きいことを示す制御信号に応答して前記第2のドライバ回路に前記第2のゲート駆動信号を提供する
、
ように構成される、前記ドライバコントローラと、
を含む、
回路。
【請求項8】
請求項
7に記載の回路であって、
前記第2の入力電圧を監視し、前記ドライバコントローラに
前記制御信号を提供する
、ように構成される電圧監視回路を更に含む、回路。
【請求項9】
請求項
8に記載の回路であって、
前記ドライバコントローラが、前記第2の入力電圧レベルが
前記閾値未満であること
前記制御信号がを示すときに前記第1のゲート駆動信号を提供するために前記第1のドライバ回路を選択するように更に構成される、回路。
【請求項10】
請求項
7に記載の回路であって、
駆動信号ノードに結合されるローサイドスイッチを更に含む、回路。
【請求項11】
請求項
7に記載の回路であって、
前記第1のレギュレータの出力ノードと前記第2のレギュレータの出力ノードとの間に結合される抵抗器と、
前記抵抗器に結合され、前記第1及び第2の回路の平均を受け取るように構成される感知スイッチと、
を更に含む、回路。
【請求項12】
デュアル供給ゲートドライバであって、
第1の入力電圧を受け取るように構成される第1のレギュレータ回路と、
第2の入力電圧を受け取るように構成される第2のレギュレータ回路と、
前記第1のレギュレータ回路の出力に結合される第1のドライバ回路と、
前記第2のレギュレータ回路の出力に結合される第2のドライバ回路と、
前記第1のドライバ回路の出力と前記第2のドライバ回路の出力とに結合される出力と、
前記第2の入力電圧を受信し、制御信号を出力する、ように構成される電圧監視回路と、
前記第1のドライバ回路と前記第2のドライバ回路とに結合されるドライバコントローラ
であって、前記第2の入力電圧が閾値よりも大きいことを前記電圧監視回路からの前記制御信号が示すときに前記第2のドライバ回路を選択して前記デュアル供給ゲートドライバの出力にゲート駆動信号を提供するように構成される、前記ドライバコントローラと、
を含む、デュアル供給ゲートドライバ。
【請求項13】
請求項
12に記載のデュアル供給ゲートドライバであって、
前記ドライバコントローラが、前記電圧監視回路からの制御信号が前記第2の入力電圧レベルが閾値に等しいかそれより小さいことを示すときに前記デュアル供給ゲートドライバの出力にゲート駆動信号を提供するために前記第1のドライバ回路を選択するように構成される、デュアル供給ゲートドライバ。
【請求項14】
請求項
12に記載のデュアル供給ゲートドライバであって、
前記第1のレギュレータ回路が、第1の抵抗器を有し、前記第1の抵抗器が、電流源に結合される制御端子と、前記第1の入力電圧ノードに結合される第1の電流端子と、前記第1のドライバ回路と抵抗器の第1の端部とに結合される第2の電流端子とを有する、デュアル供給ゲートドライバ。
【請求項15】
請求項
14のデュアル供給ゲートドライバであって、
前記第2のレギュレータ回路が、第2の抵抗器を有し、前記第2の抵抗器が、前記電流源に結合される制御端子と、前記第2の入力電圧ノードに結合される第1の電流端子と、前記第2のドライバ回路と前記抵抗器の第2の端部とに結合される第2の電流端子とを有する、デュアル供給ゲートドライバ。
【請求項16】
請求項
12に記載のデュアル供給ゲートドライバであって、
前記第1の入力電圧が前記第2の入力電圧よりも高い、デュアル供給ゲートドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電源や電力コンバータは様々な電子機器システムにおいて用いられている。電力は概して、交流(AC)信号として長い距離にわたって伝送される。AC信号は、それぞれの事業所又は家庭の場所に対して所望に応じて分割及び計量され、たいてい、個々の電子デバイス又は構成要素と共に用いるために直流(DC)に変換される。最近の電子機器システムは、たいてい、異なるDC電圧を用いて動作するように設計されたデバイス又は構成要素を用いる。従って、このようなシステムには、異なったDC‐DCコンバータ、又は広範囲の出力電圧をサポートするDC‐DCコンバータが必要である。
【背景技術】
【0002】
DC‐DCコンバータトポロジーには種々なものがある。利用可能なトポロジーは、用いられる構成要素、扱う電力量、入力電圧、出力電圧、効率、信頼性、サイズ、及び/又は、その他の特性で異なる。一例のDC‐DCコンバータトポロジーは、出力電圧又は補助電源によって駆動される二次的な低電圧の「BIAS」入力を用いる。この選択肢は、付加的な構成要素及び増加したトポロジーサイズを犠牲にして効率を改善する。DC‐DCコンバータトポロジーを改善するための取り組みが現在進められている。
【発明の概要】
【0003】
一例に従って、或るオートモーティブシステムが、第1の入力電圧レベルに基づいて第1の出力電圧を提供するように構成される第1のレギュレータを含む。また、このシステムは、第2の入力電圧レベルに基づいて第2の出力電圧を提供するように構成される第2のレギュレータを含む。また、このシステムは、第1のレギュレータ及びスイッチに結合される第1のドライバ回路を含み、第1のドライバ回路は、第1の出力電圧に基づいてスイッチを駆動するように構成される。また、このシステムは、第2のレギュレータ及びスイッチに結合される第2のドライバ回路を含み、第2のドライバ回路は、第2の出力電圧に基づいてスイッチを駆動するように構成される。また、このシステムは、第1のドライバ回路及び第2のドライバ回路に結合されるドライバコントローラを含み、ドライバコントローラは、制御信号に基づいてスイッチを駆動するために、第1のドライバ回路及び第2のドライバ回路のうちの一方を選択するように構成される。このシステムは、スイッチに結合されるスイッチノードも含み、スイッチノードにおけるスイッチノード電圧が、オンオフされるスイッチの関数である。このシステムは、スイッチノードに結合される負荷も含む。
【0004】
一例に従って、或る回路が、第1の入力電圧レベルに基づいて第1の出力電圧を提供するように構成される第1のレギュレータを含む。この回路はまた、第2の入力電圧レベルに基づいて第2の出力電圧を提供するように構成される第2のレギュレータを含み、第2の入力電圧レベルは第1の入力電圧レベルよりも低い。この回路はまた、第1のレギュレータに結合される第1のドライバ回路を含み、第1のドライバ回路は、第1の出力電圧に基づいて第1のゲート駆動信号を提供するように構成される。この回路はまた、第2のレギュレータに結合される第2のドライバ回路を含み、第2のドライバ回路は、第2の出力電圧に基づいて第2のゲート駆動信号を提供するように構成される。この回路は、第1のドライバ回路及び第2のドライバ回路に結合されるドライバコントローラも含む。この回路はまた、第1のドライバ回路の出力ノードと第2のドライバ回路の出力ノードとに結合される駆動信号ノードを含み、ドライバコントローラは、第1のドライバ回路と第2のドライバ回路との間で選択して、それぞれのゲート駆動信号を駆動信号ノードに提供するように構成される。
【0005】
一例に従って、デュアルサプライゲートドライバが、第1の入力電圧ノードに結合される第1のレギュレータ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第2の入力電圧ノードに結合される第2のレギュレータ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第1のレギュレータ回路の出力ノードに結合される第1のドライバ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第2のレギュレータ回路の出力ノードに結合される第2のドライバ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第1のドライバ回路及び第2のドライバ回路に結合されるドライバコントローラを含む。また、デュアルサプライゲートドライバは、第1のドライバ回路の出力ノードと第2のドライバ回路の出力ノードとに結合される駆動信号ノードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】幾つかの例に従ったシステムを示すブロック図である。
【0007】
【
図2】幾つかの例に従ったバックコンバータシステムを示す概略図である。
【0008】
【
図3】幾つかの例に従ったフライバックコンバータシステムを示す概略図である。
【0009】
【
図4】幾つかの例に従ったローサイドスイッチドライバのための電圧レギュレータを示す概略図である。
【0010】
【
図5】幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバを示す概略図である。
【0011】
【
図6】幾つかの例に従った別のデュアルサプライゲートドライバを示す概略図である。
【0012】
【
図7】幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバのためのコントローラロジックを示す概略図である。
【0013】
【
図8】幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバに関連する種々の波形を示すタイミング図である。
【0014】
【
図9】幾つかの例に従ったドライバ回路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、デュアルサプライゲートドライバトポロジーと、それに関連するシステムについて説明する。幾つかの例において、デュアルサプライゲートドライバが、第1の入力電圧ノードに結合される第1のレギュレータ回路と、第2の入力電圧ノードに結合される第2のレギュレータ回路とを含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第1のレギュレータ回路の出力ノードに結合される第1のドライバ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第2のレギュレータ回路の出力ノードに結合される第2のドライバ回路を含む。デュアルサプライゲートドライバはまた、第1のドライバ回路及び第2のドライバ回路に結合されるドライバコントローラを含む。また、デュアルサプライゲートドライバは、第1のドライバ回路の出力ノードと第2のドライバ回路の出力ノードとに結合される駆動信号ノードを含む。
【0016】
幾つかの例において、デュアルサプライゲートドライバは、スタンドアロンの集積回路(IC)又はチップとして市販されている。他の例において、デュアルサプライゲートドライバは、IC、チップ、マルチダイモジュール(MDM)、又は印刷回路基板(PCB)における他の回路(例えば、コンバータ回路、負荷のパワースイッチ及び/又は感知スイッチ)と組み合わされる。記載されるデュアルサプライゲートドライバトポロジーを用いると、スイッチングコンバータのスイッチのための駆動信号が、(駆動電流を提供するための)外部コンデンサなしに効率的に提供される。幾つかの例において、デュアルサプライゲートドライバは、他のゲートドライバと比較して、効率、小さなサイズ、及び低コストを提供しつつ、スイッチングコンバータのローサイドスイッチを駆動するように提供される。様々なデュアルサプライゲートドライバのオプション及び関連する問題を以下に記載する。
【0017】
図1は、幾つかの例に従ったシステム100を示すブロック図である。図示するように、システム100は、第1のレギュレータ回路102及び第2のレギュレータ回路104を含む。第1のレギュレータ回路102は、第1の入力電圧(V1)を受け取り、V1に基づいて第1の出力電圧(VO1)を提供する。第2のレギュレータ回路104は、第2の入力電圧(V2)を受け取り、V2に基づいて第2の出力電圧(VO2)を提供する。図示するように、VO1は第1のドライバ回路108に提供される。ドライバコントローラ112によって指示されると、第1のドライバ回路108は、VO1に基づく駆動信号をスイッチ114に提供するように構成される。一方、ドライバコントローラ112によって指示されると、第2のドライバ回路110は、VO2に基づく駆動信号をスイッチ114に提供するように構成される。
【0018】
幾つかの例において、ドライバコントローラ112は、電圧監視回路106からの信号124に基づいて駆動信号をスイッチ114に提供するために、第1のドライバ回路108又は第2のドライバ回路110を選択する。また、ドライバコントローラ112がCS1又はCS2をアサートする時期を決定するために、PWMコントローラ(図示せず)からの信号(例えば、
図5のSWITCH ON信号)が用いられる。
図1の例において、電圧監視回路106は、V2を監視するように構成されている。信号124がV2が閾値より大きいことを示す場合、ドライバコントローラ112は、(制御信号「CS2」を用いて)第2のドライバ回路110を選択して、駆動信号をスイッチ114に提供する。一方、信号124が閾値に等しいかそれより小さいことを示す場合、ドライバコントローラ112は、(制御信号「CS1」を用いて)第1のドライバ回路108を選択して、駆動信号をスイッチ114に提供する。
【0019】
図1の例では、駆動信号は、駆動信号ノード122を介してスイッチ114に提供される。幾つかの例において、駆動信号ノード122は、第1のレギュレータ回路102、第2のレギュレータ回路104、電圧監視回路106、第1のドライバ108、第2のドライバ110、及び出力ピン112を含むデュアルサプライゲートドライバIC又はチップのための出力ピンに対応する。
【0020】
スイッチ114のオン/オフ動作は、スイッチノードに対応するノード120における電圧を変化させる。
図1の例では、出力構成要素116がノード120に結合される。出力構成要素116の例には、出力インダクタ及び出力コンデンサが含まれる。出力構成要素116に結合されているのは負荷118であり、負荷118は、スイッチ114の動作に基づく出力電圧(VOUT)によって電力供給される。幾つかの例において、システム100はオートモーティブシステムに対応する。このような場合、第1のレギュレータ回路102は、バッテリー又は調整構成要素(例えば、フィルタ及び/又はレギュレータ)からV1(例えば、5V~40V)を受け取る。一方、V2は、VOUTに基づくバイアス電圧であっても、又は一層低い電圧補助電源であってもよい。幾つかの例において、
図1のデュアルサプライゲートドライバ構成要素は、VOUTがV1よりも小さいローサイドスイッチング動作を指示するためのバックコンバータ又はバックコンバータコントローラの一部である。VOUTレベルの例には、5V、3.3V、1.8V、又は1.2Vが含まれる。必要に応じて、異なる入力電圧要件を持つ異なる負荷に電力供給するために、オートモーティブシステム又は他の電気システムにおいて複数のスイッチングコンバータが用いられる。オートモーティブシステムのための例示的な負荷には、マイクロプロセッサ、センサ、アクチュエータ、ディスプレイ、インフォテイメントインタフェース、及びインテリジェント電力モジュール(IPM)が含まれるが、これらに限定されない。
図1のデュアルサプライゲート駆動トポロジーを用いると、V1のみを用いる他のゲート駆動トポロジー、又は駆動信号生成のために外部コンデンサを用いるものと比較して、小さなチップサイズ及び低コストで駆動信号効率が一層高くなる。
【0021】
図2は、幾つかの例に従ったバックコンバータシステム200を示す概略図である。図示されるように、バックコンバータシステム200は降圧コンバータ回路202を含み、降圧コンバータ回路202は、入力サプライ電圧(VIN)ノード、バイアスノード、スイッチ(SW)ノード、電圧サプライ(VCC)ノード、フィードバック(FB)ノードを備える。より具体的には、降圧コンバータ回路202のSWノードは、出力インダクタ(LOUT)の第1の端部に結合される。LOUTの第2の端部は、出力コンデンサ(COUT)の第1の(例えば、頂部)プレートに結合される。COUTの第2の(例えば、底部)プレートは接地ノードに結合される。
図2の例では、バックコンバータシステム200のためのVOUTが、負荷(図示せず)と、R1及びR2を用いて形成される分圧器とに提供される。R1とR2の間のノード204は、降圧コンバータ回路202のためのFBノードに結合される。降圧コンバータ回路202は、バイアスノードでVOUTも受け取る。
図1のシステム100とは対照的に、
図2のバックコンバータシステム200は、降圧コンバータ回路202のVCCノードに結合される外部コンデンサ(Cl)を含み、VCCはドライバ電源である。
【0022】
図3は、幾つかの例に従ったフライバックコンバータシステム300を示す概略図である。図示されるように、フライバックコンバータシステム300はフライバックコンバータ回路302を含み、フライバックコンバータ回路302は、入力サプライ電圧(VIN)ノード、スイッチ(SW)ノード、バイアスノード、及びVCCノードを備える。より具体的には、スイッチノードは変圧器304に結合される。変圧器304の第1の巻線が、入力サプライ電圧(VIN)とSWノードとの間に結合される。変圧器403の第2の巻線が、別の電圧サプライノード308とダイオードのアノードとの間に結合される。D1のカソードは、出力コンデンサ(COUT)の第1の(例えば、頂部)プレートに結合される。COUTの第2の(例えば、底部)プレートは、電圧サプライノード308及び第2の巻線に結合される。
【0023】
図3の例では、バイアスノードは、変圧器304に誘導結合されるバイアスコイル306を含む回路に結合されている。図示されるように、第3の巻線306は、接地ノードと別のダイオード(D2)のアノードとの間に結合される。D2のカソードはフライバックコンバータ回路302のバイアスノードに結合される。また、コンデンサ(C3)の第1の(例えば、頂部)プレートは、D2のカソードに及びバイアスノードに結合される。C3の第2の(例えば、底部)プレートは接地ノードに結合される。
図1のシステム100とは対照的に、フライバックコンバータシステム300は、フライバックコンバータ回路302のVCCノードに結合される外部コンデンサ(C2)を含む。より具体的には、C2の第1の(例えば、頂部)プレートはフライバックコンバータ300のVCCノードに結合され、C2の第2の(例えば、底部)プレートは接地ノードに結合される。
【0024】
図2の降圧コンバータ200では、バイアス電圧は出力電圧によって駆動される。対照的に、
図3のフライバックコンバータ300ではバイアス電圧はバイアス巻線306によって駆動される。いずれの場合でも、降圧コンバータ回路202又はフライバックコンバータ回路302に提供されるバイアス電圧は、VINからのチップバイアス電流を、効率的に生成される一層低い電圧サプライに分流することによって効率を改善することができる。幾つかの例において、ローサイドスイッチドライバがVCCで動作(run off)し、VCCは、VINか又は利用可能な場合にはバイアス電圧のいずれかから得られるレギュレートされた電源である。バイアス電圧が最小要求電圧を超えると、VCCレギュレータは、バイアス電圧からのすべてのドライバ電流を流す。
【0025】
図4は、幾つかの例に従ったローサイドスイッチドライバのための電圧レギュレータ400を示す概略図である。図示されるように、電圧レギュレータ400は、VINノード408に結合される電流源402を含む。電圧レギュレータ400はまたトランジスタ(M1)を含み、トランジスタ(M1)は、制御端子と、第1の電流端子と、第2の電流端子とを備える。また、電圧レギュレータ400はダイオード(D3)も含み、D3のアノードは電流源402に結合され、D3のカソードはM1の制御端子に結合される。一方、M1の第1の電流端子はVINノード408に結合される。また、M1の第2の電流端子は、コンパレータ404の入力ノードに結合される。コンパレータ404の他方の入力ノードは電圧基準(Ref)であり、コンパレータ404の出力は、D3のカソード及びM1の制御端子に結合される。図示されるように、M1の第2の電流端子は、VCCピン406(例えば、
図2又は
図3のVCCノード)に結合される外部コンデンサ(Cext)によってストアされる電荷によって電力供給されるドライバ回路412にも結合される。図示されるように、ドライバ回路412は一連のインバータ404を含み、Cextによってストアされた電荷はインバータ414に提供される。
【0026】
図4の例において、Cextは、M1を介したVINノード408における、又はトランジスタ(M2)を介したバイアスノード410からの電圧によって充電される。図示されるように、M2は、電流源402とD3のアノードとの間のノード416に結合される制御端子を含む。また、M3の第1の電流端子は、ダイオード(D4)を介してバイアスノード410に結合され、D4のアノードはバイアスノード410に結合され、D4のカソードはM2の第1の電流端子に結合される。M2の第2の電流端子は、ドライバ回路412、VCCピン406、及びCextの第1の(例えば、頂部)プレートに結合される。Cextの第2の(例えば、底部)プレートは接地ノードに結合される。
【0027】
図4の例では、電圧レギュレータ400が、ドライバ回路412とスイッチノード(SW)ピン416との間に結合されるトランジスタ(M3)も含む。図示されるように、M3の制御端子はドライバ回路412の出力に結合される。また、M3の第1の電流端子はSWピン416に結合される。また、M3の第2の電流端子は接地ノードに結合される。
【0028】
幾つかの例において、ドライバ回路412は、VCCで動作するローサイドスイッチドライバであり、VCCは、VIN電圧か又は存在する場合にはBIAS電圧のいずれかから得られるレギュレートされた電源である。BIAS電圧が最小要求電圧を超えると、VCCレギュレータは、BIAS電圧からのすべてのドライバ電流を流す。Cextは、ドライバ412が切り替わり、VCCレールから非常に高いピーク電流をプルするときに、VCCレールが充分にレギュレートされたままであることを確実にするために必要とされる。
【0029】
図5は、幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバ回路500を示す概略図である。図示されるように、デュアルサプライゲートドライバ回路500は、第1のドライバ回路514及び第2のドライバ回路516を含み、第1のドライバ回路514及び第2のドライバ回路516の出力ノードは、駆動信号ノード522に結合される。
図5の例では、パワートランジスタ(M7)が、駆動信号ノード522に結合される制御端子を有する。また、M7の第1の電流端子はスイッチノード(SW)ピン518に結合され、M7の第2の電流端子は接地ノードに結合される。
【0030】
幾つかの例において、デュアルサプライゲートドライバ回路500は単一ICを含み、この単一ICは、ドライバ構成要素(例えば、第1及び第2のドライバ回路514及び516)、ドライバ制御構成要素(例えば、コントローラロジック512及び他の構成要素)、及びパワートランジスタ(例えば、M7)を備える。他の例において、デュアルサプライゲートドライバ回路500について表されている構成要素は、複数のICに対応する(例えば、M7が第1のICの一部であり、一方、ドライバ構成要素及びドライバ制御構成要素が第2のICの一部である等)。
【0031】
図5の例では、デュアルサプライゲートドライバ回路500に対するコントローラロジック512(
図1のドライバコントローラ112の例)の動作は、制御信号(「SWITCH ON」)及びバイアス電圧レベル指示信号(「BIAS_ok」)に基づく。幾つかの例では、BIAS_ok信号はコンパレータ506によって提供され、コンパレータ506の出力は、ノード508におけるBIAS電圧が閾値より大きいときを示す。ノード508におけるBIAS電圧が閾値より大きいとき、コントローラロジック512は、制御信号(「トライステートB」)を用いて第2のドライバ回路516を選択し、ここで、第2のドライバ回路516への入力信号(IN)は、ノード508において利用可能なBIAS電圧に基づく電圧サプライ信号(VCCB)を用いてバッファされる。
図5の例において、VCCBは、ダイオード(D5)を介してノード508に結合される第1の電流端子を有するトランジスタ(M5)を介して提供され、これにより、起動の際ノード508に戻る逆方向経路がブロックされる。D5のダイオード降下が大きすぎる場合、別の選択肢としてD5の両端にスイッチを用いることもでき、その場合、BIAS電圧が充分に高くなるとスイッチは閉じる。D5両端のスイッチがあると、より低いBIAS電圧を用いることができる。より具体的には、D5のアノードがノード508に結合され、D5のカソードはM5の第1の電流端子に結合される。また、M5の第2の電流端子はVCCBノード510に結合される。また、M5の制御端子は、ノード502においてVIN電圧によって電力供給される電流源504に結合される。図示されるように、M5の制御端子は、ツェナーダイオード(Z1)の第1の端部及びコンデンサ(C4)の第1の(例えば、頂部)プレートにも結合される。C4の第2の(例えば、底部)プレート及びZ1の第2の端部は、接地ノードに結合される。
図5の配置では、VCCBノード510における電圧レベルは、ノード508におけるBIAS電圧に基づいており、第2のドライバ回路516に提供される。BIAS電圧が充分に高い場合、コントローラロジック512は、第2のドライバ回路516を用いて、M7のための駆動信号を提供する。
【0032】
ノード508におけるBIAS電圧が閾値に等しいかそれより小さい場合、コントローラロジック512は制御信号(「トライステートA」)を用いて第1のドライバ回路514を選択する。ここで、第1のドライバ回路514への入力信号(IN)は、ノード502で利用可能なVIN電圧に基づいて、電圧サプライ信号(VCCA)を用いてバッファされる。
図5の例では、VCCAは、ノード502に結合される第1の電流端子を有するトランジスタ(M4)を介して提供される。また、M4の第2の電流端子は、VCCAノード509に結合される。また、M4の制御端子は、ノード502におけるVIN電圧によって電力供給される電流源504に結合される。図示されるように、M4の制御端子は、Z1及びC4の第1の(例えば、頂部)プレートにも結合される。少なくとも幾つかの例において、M4は、同じ量の電流を提供するが、M5に対して一層高い電圧を扱うこともできる。C4の第2の(例えば、底部)プレートとZ1の第2の端部は接地ノードに結合される。
図5の配置では、VCCAノード509における電圧レベルは、ノード502におけるVIN電圧に基づいており、第1のドライバ回路514に提供される。BIAS電圧が充分に高くない場合、コントローラロジック512は、第1のドライバ回路514を用いて、M7のための駆動信号を提供する。
図5の配置では、デュアルサプライゲートドライバ回路500は、ローサイドスイッチ駆動動作のために、(BIAS電圧が充分に高いとき電力ドライバ動作のためにBIAS電圧を用いることにより)電力消費を低減させる利点を有する単一のドライバ配置と比較して複雑度が増している。また、デュアルサプライゲートドライバ回路500は、他のドライバ解決策と比較して、(VCCを維持するための)外部コンデンサ及びICをなくす。
【0033】
図5において表されている別の構成要素は、感知トランジスタ(M6)である。図示されるように、M6の制御端子は、VCCAノード509とVCCBノード510との間の抵抗器(R3)に結合される。幾つかの例において、R3は、中央のノードがM6の制御端子に結合される直列結合された2つの抵抗器に対応する。R3を用いる場合、M6の制御端子は、VCCA及びVCCBにおける電圧レベルの平均を受け取る。一方、M6のための第2の電流端子は接地ノードに結合され、M6のための第1の電流端子は感知ノード520に結合される。異なる例において、感知ノード520は、スイッチングコンバータのフィードバック制御及び/又は監視動作のために用いられる信号を提供する。一例において、感知ノード520における信号は、
図1のドライバコントローラ112に結合されるパルス・スイッチ変調(PWM)コントローラに提供される。例えば、PWMコントローラは、ロジック512に提供されるSWITCH_ON信号のデューティサイクル及び/又はタイミングを調節するために感知ノード520における信号を用い得る。
【0034】
図6は、幾つかの例に従った別のデュアルサプライゲートドライバ600を示す概略図である。図示するように、デュアルサプライゲートドライバ回路600は、第1のドライバ回路614及び第2のドライバ回路616を含み、第1のドライバ回路614及び第2のドライバ回路616の出力ノードは、駆動信号ノード620に結合される。
図6の例では、M7が、ローサイドゲートピン618を介して駆動信号ノード620に結合される制御端子を有する。また、M7の第1の電流端子はスイッチノード(SW)ピン622に結合され、M7の第2の電流端子は接地ノードに結合される。
【0035】
幾つかの例において、デュアルサプライゲートドライバ回路600は単一のICを含み、この単一のICは、ドライバ構成要素(例えば、第1及び第2のドライバ回路614及び616)、ドライバ制御構成要素(例えば、コントローラロジック612及び他の構成要素)、及びパワートランジスタ(例えば、M7)を備える。他の例において、デュアルサプライゲートドライバ回路600について表されている構成要素は、複数ICに対応する(例えば、M7が第1のICの一部であり、一方、ドライバ構成要素及びドライバ制御構成要素が第2のICの一部である等)。
【0036】
図6の例において、デュアルサプライゲートドライバ回路600に対するコントローラロジック612の動作(
図1におけるドライバコントローラ112の例)は、制御信号(「SWITCH ON」)とバイアス電圧レベル指示信号(「BIAS_ok」)に基づく。幾つかの例において、BIAS_ok信号はコンパレータ608によって提供され、コンパレータ608の出力は、ノード610におけるBIAS電圧が閾値より大きいときを示す。ノード610におけるBIAS電圧が閾値より大きいとき、コントローラロジック612は、制御信号(「トライステートB」)を用いて第2ドライバ回路616を選択する。ここで、第2ドライバ回路616への入力信号(IN)は、ノード610において利用可能なBIAS電圧に基づいて、電圧サプライ信号(VCCB)を用いてバッファされる。
図6の例では、ノード610に結合される低ドロップアウトレギュレータ(LDO)回路606にVCCBが提供される。
図6の配置では、VCCB電圧は、ノード610におけるBIAS電圧に基づいており、第2のドライバ回路616に提供される。BIAS電圧が充分に高いとき、コントローラロジック612は、第2のドライバ回路616を用いて、M7のための駆動信号を提供する。
【0037】
ノード610におけるBIAS電圧が閾値に等しいかそれより小さい場合、コントローラロジック612は、制御信号(「トライステートA」)を用いて第1のドライバ回路614を選択し、ここで、第1のドライバ回路614への入力信号(IN)は、ノード602において利用可能なVIN電圧に基づいて電圧サプライ信号(VCCA)を用いてバッファされる。
図6の例では、VCCAは、ノード602に結合される別のLDO回路604によって提供される。
図6の配置では、VCCA電圧は、ノード602におけるVIN電圧に基づいており、第1のドライバ回路614に提供される。BIAS電圧が充分に高くない場合、コントローラロジック612は、M7のための駆動信号を提供するために第1のドライバ回路614を用いる。
図6の配置では、デュアルサプライゲートドライバ回路600は、ローサイドスイッチ駆動動作のために(BIAS電圧が充分に高い場合に電力ドライバ動作のためのBIAS電圧を用いることにより)電力消費を低減させる利点を有する単一ドライバ配置に比べて複雑度が増している。
【0038】
図7は、幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバ(例えば、
図5及び
図6のデュアルサプライゲートドライバ回路500又は600)のためのコントローラロジック700を示す概略図である。
図7のコントローラロジック700は、
図1のドライバコントローラ112、
図5のコントローラロジック512、或いは
図6のコントローラロジック612の一例である。図示するように、コントローラロジック700はDラッチ702を含み、D入力ノードがBIAS_ok信号を受け取る。また、Dラッチ702のリセットノードが、インバータ704を介してSWITCH ON信号を受け取る。コントローラロジック700はまた、BIAS_ok信号及びDラッチ702の出力を受け取るANDゲート708を含む。BIAS_ok信号が高であり、Dラッチ702の出力が高であるとき、トライステートA信号が高であり、これによりドライバがディセーブルされる。また、Dラッチ702の出力が低であるとき、インバータ706に起因してトライステートBが高となり、これによりドライバがディセーブルされる。
図7の例では、ANDゲート708及びインバータ706は、20nsの立ち上がり遅延を有する。他の例において、立ち上がり遅延は変化し得る(遅延は、未定義の状態を回避するために、制御信号におけるいくらかの重なりを保証する)。
【0039】
図8は、幾つかの例に従ったデュアルサプライゲートドライバに関連する種々の波形を示すタイミング
図800である。図示するように、タイミング
図800は、バイアス入力波形802、バイアス_ok波形812、トライステートA波形842、トライステートB波形832、Switch_ON波形852、Switch_gate波形862(
図5のノード522におけるM7のためのゲート信号、又は
図6のノード620に対応する)、VIN平均電流波形872、及びバイアス平均電流波形882を含む。なお、Switch_gate波形862を提供するために用いられるドライバ間の切替え(例えば、
図5の第1及び第2のドライバ回路514間の切替え、又は
図6の第1及び第2のドライバ回路614と616間の切替え)の際、Switch_ON波形852に続くSwitch_gate信号への中断がないことに留意されたい。実際には、Switch_gate信号がSwitch_ON信号に比べてわずかに遅れる。
【0040】
タイミング
図800において、波形802及び812によって表されるようにバイアス入力が閾値804に達するとき、BIAS_ok信号の値はインタバル834の間、高になる。また、波形812及び832によって表されるようにBIAS_ok信号が高になるとき、トライステートAは、インタバル834の間、高になる。また、波形812及び842によって表されるようにBIAS_ok信号が高に向かうとき、トライステートBはインタバル844の間、低にとどまる。インタバル834の間、平均VIN電流は、波形832及び872によって表されるように、インタバル874の間ゼロまで低下する。インタバル834の間、波形832及び882によって表されるように、平均電流はインタバル884の間、増加する。時間806において、バイアス入力は閾値804を下回って下がり、波形802及び812によって表されるように、BIAS_ok信号が低となる。タイミング
図800に表されるように、SWITCH_ON波形852は、高値854と低値856との間の遷移を示し、これらの遷移は、タイミング
図800について表される他の値に影響されない。図示されるように、Switch_gate波形862は、SWITCH_ON波形852のパターンに従う。
【0041】
幾つかの例において、BIAS電流最大値はVIN電流最大値より小さい(例えば、数mA低い)。記載されるドライバトポロジーでは、駆動信号(例えば、ローサイド駆動信号)を提供する効率を改善するために、デュアルドライバの選択的使用が実装される。こういった効率の改善は、BIAS電流がVIN電流よりも低いためであり、これを活用して、単一サプライゲートドライバ回路ではなく、デュアルサプライゲートドライバ回路(例えば、
図5及び
図6のデュアルサプライゲートドライバ回路500又は600)における全体的な電力消費を低減させることができる。また、記載されるドライバトポロジーは、本明細書に記載されるデュアルサプライゲートドライバ回路のサイズ及びコストを低減するための駆動動作のための外部コンデンサを回避する。
【0042】
図9は、ドライバ回路900(
図5の第1のドライバ回路514、
図5の第2のドライバ回路516、
図6の第1のドライバ回路614、又は
図6の第2のドライバ回路616の一例)を示す概略図である。図示されるように、ドライバ回路900は、入力ノード902と出力ノード916との間に、直列の複数のインバータ回路903、905、907、及び909を含む。より具体的には、第1のインバータ回路903は、第1の入力サプライノード906と接地ノード908との間に結合される2つのトランジスタM8及びM9を含む。図示されるように、M8の第1の電流端子は、第1の入力サプライノード906に結合され(例えば、1xの入力電圧を受け取るためであり、ここで、xは基準電圧レベルである)、M8の第2の電流端子はM9の第1の電流端子に結合され、M9の第2の電流端子は接地ノード908に結合される。一方、M8及びM9のための制御端子は入力ノード902に結合される。
【0043】
図示されるように、第2のインバータ回路905は、2つのトランジスタM10及びM11を含み、これらは、第2の入力サプライノード910と接地ノード908との間に結合される。より具体的には、M10の第1の電流端子が、第2の入力サプライノード910に結合され(例えば、nxの入力電圧を受け取るためであり、ここで、nは1より大きい整数値であり、xは基準電圧レベルである)、M10の第2の電流端子はM11の第1の電流端子に結合され、M11の第2の電流端子は接地ノード908に結合される。一方、M10及びM11のための制御端子は、第1のインバータ回路903の出力ノード918に結合される。
【0044】
図示されるように、第3のインバータ回路907は、第3の入力サプライノード912と接地ノード908との間に結合される2つのトランジスタM12及びM13を含む。より具体的には、M12の第1の電流端子が、第3の入力サプライノード912に結合され(例えば、n2xの入力電圧を受け取るためであり、ここで、nは1より大きい整数値であり、xは基準電圧レベルである)、M12の第2の電流端子はM13の第1の電流端子に結合され、M13の第2の電流端子は接地ノード908に結合される。一方、M12及びM13のための制御端子は、第2のインバータ回路905の出力ノード920に結合される。
【0045】
図示されるように、第4のインバータ回路909は、2つのトランジスタM14及びM15を含み、これらは、第4の入力サプライノード914と接地ノード908との間に結合される。より具体的には、M14の第1の電流端子が第4の入力サプライノード914に結合され(例えば、n3xの入力電圧を受け取るためであり、ここで、nは1より大きい整数値であり、xは基準電圧レベルである)、M14の第2の電流端子はM15の第1の電流端子に結合され、M15の第2の電流端子は接地ノード908に結合される。一方、M14及びM15のための制御端子は、第3のインバータ回路907の出力ノード922に結合される。図示されるように、第4のインバータ回路909のための出力ノード924は、ドライバ回路916のための出力ノード916に結合される。
【0046】
本明細書において、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な有線又は無線接続のいずれかを意味する。そのため、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は直接接続を介するもの、又は、他のデバイス及び接続を介した間接的接続を介するものであり得る。「~に基づく」という表現は「少なくとも部分的に~に基づく」ことを意味する。従って、XがYに基づく場合、Xは、Y及び任意の数の他の要因の関数とし得る。
【0047】
本発明の特許請求の範囲内で、記載される例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。