(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】非定常性機械性能の自動分析
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20231225BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20231225BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G05B23/02 X
G01M99/00 Z
G01H17/00 Z
(21)【出願番号】P 2021525314
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 IL2019051217
(87)【国際公開番号】W WO2020095303
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521200244
【氏名又は名称】オギュリィ システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ネグリ、オリ
(72)【発明者】
【氏名】バルスキー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ベン-ハイーム、ガル
(72)【発明者】
【氏名】ヨスコヴィッツ、ザール
(72)【発明者】
【氏名】シャウル、ガル
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533096(JP,A)
【文献】特開2012-009064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0206464(US,A1)
【文献】特開2000-241306(JP,A)
【文献】特開2018-156151(JP,A)
【文献】米国特許第06199018(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0046006(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0005107(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G01M 99/00
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法であって、当該方法は:
少なくとも第1センサーが、
少なくとも1つのモニタリングされている機械であって、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する
前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得することを引き起こすことを有し、前記の少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供し;
少なくとも第2センサーが、前記動作時間フレームの最中に前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得することを引き起こすことを有し、前記の少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供し;
融合された出力を生成するために、前記の少なくとも第1非定常性出力を前記の少なくとも第2非定常性出力と融合させることを有し;
前記の融合された
非定常性出力に基づいて、前記第1および第2非定常性信号のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特徴を抽出することを有し;
前記の抽出することは;
i)前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械であって、定常性の様式で動作する前記の少なくとも1つの機械から融合された定常性出力のトレーニングセットの特徴を抽出するように第1ニューラルネットワークをトレーニングすることを有し;
ii)前記第1ニューラルネットワークの前記トレーニングに続いて、前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械から融合された非定常性出力のトレーニングセットの特徴を抽出するように第2ニューラルネットワークをトレーニングすることを有し、前記第2ニューラルネットワークの前記トレーニングは、前記第2ニューラルネットワークによって抽出される特徴と、前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械からのものであって、かつ、前記第1ニューラルネットワークによって抽出される対応する定常性出力の特徴との間の差を最小化するように前記第2ニューラルネットワークを反復的に適合させることを有し;
iii)前記第2ニューラルネットワークの前記トレーニングに続いて、前記のトレーニングされた第2ニューラルネットワークに前記の融合された非定常性出力を提供することを有し、前記のトレーニングされた第2ニューラルネットワークは、前記第2ニューラルネットワークの前記トレーニングの結果として、前記の融合された非定常性出力からの前記の少なくとも1つの特徴の前記抽出のために動作し;
前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械の調子を確認するために、前記の少なくとも1つの特徴を分析することを有し;かつ、
前記の分析することによって見出された前記調子に基づいて、前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つを実行することを有する、
前記方法。
【請求項2】
前記の少なくとも1つの特徴が、前記
のモニタリングされている機械の前記非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である、請求項1に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項3】
前記の融合させることが、前記の少なくとも第2非定常性出力に基づいて前記の少なくとも第1非定常性出力を修正することを有する、請求項1または請求項2に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項4】
前記の少なくとも第1非定常性信号が前記
のモニタリングされている機械の機械的状態を表し、かつ、前記の少なくとも第2非定常性信号が前記
のモニタリングされている機械の動作的状態を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項5】
前記の融合させることが前記第1および第2非定常性出力にウェーブレット変換を適用することを有し、かつ、前記の修正することが、前記第1および第2非定常性出力のうちの一方の前記ウェーブレット変換を、前記第1および第2非定常性出力のうちの他方の前記ウェーブレット変換のバイナリーマスクと掛け合わせることを有する、請求項3または請求項4に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項6】
前記の融合させることが深層学習を採用する、請求項2に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項7】
前記深層学習が、前記の少なくとも第1および第2非定常性出力を1つ以上の次元を有する1つのベクトルへと結合させるこ
とを有する、請求項6に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項8】
前記の融合させることが、前記の少なくとも第1および第2非定常性出力を、前記第1および第2非定常性出力の交互に繰り返すものを有する織り合わされた配置構成にて結合させることを有し、かつ、前記深層学習が時系列予測のためにRNNネットワークを採用することを有する、請求項6に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法。
【請求項9】
前記の抽出することが、前記の融合された出力から直接前記の少なくとも1つの特徴を抽出することを有する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械が、共同プロセスを実行する一群の機械を有する、請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの機械をモニタリングするためのシステムであって、当該システムは:
第1センサーを有し、該第1センサーは、
少なくとも1つのモニタリングされている機械であって、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する
前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得するように動作し、前記の少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供し;
第2センサーを有し、該第2センサーは、前記動作時間フレームの最中に前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得するように動作し、前記の少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供し;
信号プロセッサーを有し、該信号プロセッサーは、融合された出力を生成するために、前記の少なくとも第1非定常性出力を前記の少なくとも第2非定常性出力と融合させるように動作し;
特徴抽出器を有し、該特徴抽出器は、前記第1および第2非定常性信号のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特徴を抽出するように動作し、かつ、前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械の調子を確認するために、前記の少なくとも1つの特徴を分析するように動作し
、前記特徴抽出器は:
前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械であって、定常性の様式で動作する前記の少なくとも1つの機械から融合された定常性出力のトレーニングセットの特徴を抽出するように先行してトレーニングされた第1ニューラルネットワークを有し;
前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械から融合された非定常性出力のトレーニングセットの特徴を抽出するようにトレーニングされた第2ニューラルネットワークを有し、前記第2ニューラルネットワークは、前記第2ニューラルネットワークによって抽出される特徴と、前記の少なくとも1つのモニタリングされている機械からのものであって、かつ、前記第1ニューラルネットワークによって抽出される対応する定常性出力の特徴との間の差を最小化するように前記第1ニューラルネットワークに対して反復的に適合されることによってトレーニングされており;
前記の融合された非定常性出力は、一旦前記第2ニューラルネットワークがトレーニングされると、前記第2ニューラルネットワークに提供され、前記第2ニューラルネットワークは、前記の融合された非定常性出力から前記の少なくとも1つの特徴を抽出するように動作し;かつ、
機械制御モジュールを有し、該機械制御モジュールは、前記調子に基づいて、前記の少なくとも1つの
モニタリングされている機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つの実行を制御するように動作する、
前記システム。
【請求項12】
前記信号プロセッサーが、前記の少なくとも第2非定常性出力に基づいて前記の少なくとも第1非定常性出力を修正するように動作する、請求項
11に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするためのシステム。
【請求項13】
前記の少なくとも第1非定常性信号が前記
のモニタリングされている機械の機械的状態を表し、かつ、前記の少なくとも第2非定常性信号が前記
のモニタリングされている機械の動作的状態を表す、請求項
11または請求項
12に記載の少なくとも1つの機械をモニタリングするためのシステム。
【請求項14】
前記の少なくとも1つの特徴が前記の融合された出力から直接抽出される、請求項
11~
13のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
ここで、2018年11月9日付けで出願され、かつ、「SYSTEMS AND METHODS FOR AUTOMATED DIAGNOSTICS OF NON-STATIONARY MACHINES(非定常性機械の自動診断のためのシステムおよび方法)」と題する、米国仮特許出願シリアル番号第62/758,054号を参照し、その開示は参照によってここで組み込まれ、かつ、その優先権がここで主張される。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して機械性能の分析に関し、かつ、いっそう具体的には非定常性機械の性能の自動分析に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
本技術分野では、種々のタイプの自動機械分析のためのシステムが知られている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、非定常性の特質(characteristic;特徴)を有する機械の性能の高度に正確な自動分析のための新規なシステムおよび方法を提供し、そのことによって、かかる機械の予防保守および動作パラメーターの最適化を可能にすることを求める。
【0005】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法が提供され、当該方法は、少なくとも第1センサーが、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する少なくとも1つの機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得することを引き起こすことを含み(該少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供する)、少なくとも第2センサーが、動作時間フレームの最中に少なくとも1つの機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得することを引き起こすことを含み(該少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供する)、融合された出力を生成するために、少なくとも第1非定常性出力を少なくとも第2非定常性出力と融合させることを含み、融合された出力に基づいて第1および第2非定常性信号のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特徴(feature;特色)を抽出することを含み、少なくとも1つの機械の調子を確認するために少なくとも1つの特徴を分析することを含み、かつ、分析することによって見出された調子に基づいて少なくとも1つの機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つを実行することを含む。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの特徴は、機械の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である。
【0007】
好ましくは、融合させることは、少なくとも第2非定常性出力に基づいて少なくとも第1非定常性出力を修正することを含む。
【0008】
好ましくは、少なくとも第1非定常性信号は機械の機械的状態を表し、かつ、少なくとも第2非定常性信号は機械の動作的状態を表す。
【0009】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、融合させることは、第1および第2非定常性出力にウェーブレット変換を適用することを含み、かつ、修正することは、第1および第2非定常性出力のうちの一方のウェーブレット変換を、第1および第2非定常性出力のうちの他方のウェーブレット変換のバイナリーマスクと掛け合わせることを含む。
【0010】
追加的または代替的には、融合させることは深層学習を採用する。
【0011】
好ましくは、深層学習は、少なくとも第1および第2非定常性出力を、1つ以上の次元を有する1つのベクトルへと結合させることと、ベクトルを自動的に分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0012】
好ましくは、ニューラルネットワークのトレーニングは、非定常性出力を、モニタリングされている少なくとも1つの機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械からの対応する定常性出力に基づいて分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0013】
代替的には、融合させることは、少なくとも第1および第2非定常性出力を、第1および第2非定常性出力の交互に繰り返すものを含む織り合わされた配置構成(interwоven arrangement)にて結合させることを含み、かつ、深層学習は、時系列予測のためにRNNネットワークを採用することを含む。
【0014】
好ましくは、抽出することは、融合された出力から直接少なくとも1つの特徴を抽出することを含む。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの機械は、共同プロセスを実行する一群の機械を含む。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの機械をモニタリングするための方法がさらに、提供され、当該方法は、少なくとも第1センサーが、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する少なくとも1つの機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得することを引き起こすことを含み(該少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供する)、少なくとも第2センサーが、時間フレームの最中に機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得することを引き起こすことを含み(該少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供する)、第1非定常性信号の少なくとも1つの特徴を抽出するために、少なくとも第2非定常性出力に基づいて少なくとも第1非定常性出力を修正することを含み、機械の調子を確認するために少なくとも1つの特徴を分析することを含み、かつ、分析することによって見出された調子に基づいて機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つを実行することを含む。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの特徴は、機械の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である。
【0018】
好ましくは、少なくとも第1の非定常性信号は機械の機械的状態を表し、かつ、少なくとも第2の非定常性信号は機械の動作的状態を表す。
【0019】
好ましくは、修正することは、第1および第2非定常性出力のうちの一方のウェーブレット変換を、第1および第2非定常性出力のうちの他方のウェーブレット変換のバイナリーマスクと掛け合わせることを含む。
【0020】
追加的または代替的には、修正すること、および、分析することは深層学習を採用する。
【0021】
好ましくは、深層学習は、少なくとも第1および第2非定常性出力を、1つ以上の次元を有する1つのベクトルへと結合させることと、ベクトルを自動的に分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0022】
好ましくは、ニューラルネットワークのトレーニングは、非定常性出力を、モニタリングされている少なくとも1つの機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械からの対応する定常性出力に基づいて分類ようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0023】
代替的には、修正すること、および、分析することは、少なくとも第1および第2非定常性出力を、第1および第2非定常性出力の交互に繰り返すものを含む織り合わされた配置構成にて結合させることと、時系列予測のためにRNNネットワークを採用することを含む。
【0024】
好ましくは、少なくとも1つの機械は、共同プロセスを実行する一群の機械を含む。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの機械をモニタリングするためのシステムがさらに提供され、当該システムは、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する少なくとも1つの機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得するように動作する第1センサーを含んでおり(該少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供する)、動作時間フレームの最中に少なくとも1つの機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得するように動作する少なくとも第2センサーを含み(該少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供する)、融合された出力を生成するために、少なくとも第1非定常性出力を少なくとも第2非定常性出力と融合させるように動作する信号プロセッサーを含み、融合された出力に基づいて第1および第2非定常性信号のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特徴を抽出するように動作し、かつ、少なくとも1つの機械の調子を確認するために少なくとも1つの特徴を分析するように動作する特徴抽出器を含み、かつ、調子に基づいて少なくとも1つの機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つの実行を制御するように動作する機械制御モジュールを含む。
【0026】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの特徴は、機械の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である。
【0027】
好ましくは、信号プロセッサーは、少なくとも第2非定常性出力に基づいて少なくとも第1非定常性出力を修正するように動作する。
【0028】
好ましくは、少なくとも第1の非定常性信号は機械の機械的状態を表し、かつ、少なくとも第2の非定常性信号は機械の動作的状態を表す。
【0029】
好ましくは、信号プロセッサーは、第1および第2非定常性出力にウェーブレット変換を適用し、かつ、第1および第2非定常性出力のうちの一方のウェーブレット変換を、第1および第2非定常性出力のうちの他方のウェーブレット変換のバイナリーマスクと掛け合わせるように動作する。
【0030】
追加的または代替的には、信号プロセッサーは深層学習を採用するように動作する。
【0031】
好ましくは、深層学習は、少なくとも第1および第2非定常性出力を、1つ以上の次元を有する1つのベクトルへと結合させることと、ベクトルを自動的に分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0032】
好ましくは、ニューラルネットワークのトレーニングは、非定常性出力を、モニタリングされている少なくとも1つの機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械からの対応する定常性出力に基づいて分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0033】
代替的には、信号プロセッサーは、少なくとも第1および第2非定常性出力を、第1および第2の非定常性出力の交互に繰り返すものを含む織り合わされた配置構成にて結合させるように動作し、かつ、深層学習は、織り合わされた配置構成に基づく時系列予測のためにRNNネットワークを採用することを含む。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの特徴は、融合された出力から直接抽出される。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つの機械は、共同プロセスを実行するように動作する一群の機械を含む。
【0036】
本発明のまださらに好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの機械をモニタリングするためのシステムもまた提供され、当該システムは、少なくとも1つの動作時間フレームの最中に非定常性の様式で動作する少なくとも1つの機械から少なくとも第1非定常性信号を獲得するように動作する第1センサーを含み(該少なくとも第1センサーは、少なくとも第1非定常性出力を提供する)、時間フレームの最中に機械から少なくとも第2非定常性信号を獲得するように動作する第2センサーを含み(該少なくとも第2センサーは、少なくとも第2非定常性出力を提供する)、少なくとも第2非定常性出力に基づいて少なくとも第1非定常性出力を修正し、修正された第1の非定常性出力の少なくとも1つの特徴を抽出し、かつ、機械の調子を確認するために少なくとも1つの特徴を分析するように動作する信号プロセッサーを含み、かつ、調子に基づいて機械の修理動作、保守動作および動作パラメーターの修正のうちの少なくとも1つの実行を制御するように動作する制御モジュールを含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの特徴は、機械の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である。
【0038】
好ましくは、少なくとも第1非定常性信号は機械の機械的状態を表し、かつ、少なくとも第2非定常性信号は機械の動作的状態を表す。
【0039】
好ましくは、信号プロセッサーは、第1および第2非定常性出力のうちの一方のウェーブレット変換を、第1および第2非定常性出力のうちの他方のウェーブレット変換のバイナリーマスクと掛け合わせるように動作する。
【0040】
追加的または代替的には、信号プロセッサーは深層学習を採用する。
【0041】
好ましくは、深層学習は、少なくとも第1および第2の非定常性出力を、1つ以上の次元を有する1つのベクトルへと結合させることと、ベクトルを自動的に分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0042】
好ましくは、ニューラルネットワークのトレーニングは、非定常性出力を、モニタリングされている少なくとも1つの機械と少なくとも1つの共通する特質を共有する少なくとも1つの機械からの対応する定常性出力に基づいて分類するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを含む。
【0043】
代替的には、信号プロセッサーは、少なくとも第1および第2非定常性出力を、第1および第2の非定常性出力の交互に繰り返すものを含む織り合わされた配置構成にて結合させ、かつ、織り合わされた配置構成に基づく時系列予測のためにRNNネットワークを採用するように動作する。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つの機械は、共同プロセスを実行する一群の機械を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明は、図面とともに考慮される以下の詳細な説明からいっそう完全に理解および把握されるであろう。
【0046】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態にしたがって構築され、かつ、動作する非定常性機械性能の自動分析のためのシステムの、簡略化された一部が絵であり一部がブロックダイアグラムである図である。
【
図2A】
図2A、2Bおよび3は、
図1に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から出る信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図2B】
図2A、2Bおよび3は、
図1に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から出る信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図3】
図2A、2Bおよび3は、
図1に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から出る信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図4】
図4は、本発明の別の好ましい実施形態にしたがって構築され、かつ、動作する非定常性機械性能の自動分析のためのシステムの、簡略化された一部が絵であり一部がブロックダイアグラムである図である。
【
図5A】
図5A、5Bおよび5Cは、
図4に示されているタイプのシステムの一部を形成する機械学習ネットワークのトレーニングおよび動作におけるステップを各々示す簡略化されたチャートである。
【
図5B-C】
図5A、5Bおよび5Cは、
図4に示されたタイプのシステムの一部を形成する機械学習ネットワークのトレーニングおよび動作におけるステップを各々示す簡略化されたチャートである。
【
図6】
図6は、
図1~
図4に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から出る信号の特徴の抽出に伴うステップを示す簡略化されたフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明のまだ別の好ましい実施形態にしたがって構築され、かつ、動作する非定常性機械性能の自動分析のためのシステムの、簡略化された概略図である。
【
図8】
図8、9、10および11は、
図7に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から生じる信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図9】
図8、9、10および11は、
図7に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から生じる信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図10】
図8、9、10および11は、
図7に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から生じる信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図11】
図8、9、10および11は、
図7に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から生じる信号の特徴を示す各々のグラフである。
【
図12A-B】
図12A、12Bおよび12Cは、
図7に示されているタイプのシステムの一部を形成する機械学習ネットワークのトレーニングおよび動作におけるステップを各々示す簡略化されたチャートである。
【
図12C】
図12A、12Bおよび12Cは、
図7に示されているタイプのシステムの一部を形成する機械学習ネットワークのトレーニングおよび動作におけるステップを各々示す簡略化されたチャートである。
【
図13】
図13は、
図7に示されているタイプのシステムにおいて動作する非定常性機械から生じる信号の特徴の分析に伴うステップを複合的に示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで
図1を参照すると、該図は、本発明の好ましい実施形態にしたがって構築され、かつ、動作する非定常性機械性能の自動分析のためのシステムの、簡略化された一部が絵であり一部がブロックダイアグラムである図である。
【0048】
図1に見られるように、非定常性機械(本明細書では、例としてのみ、非定常性の様式で動作するモーター102として具現化される)の性能のモニタリングおよび自動分析のためのシステム100が提供される。モーター102は好ましくは、その動作の最中に非定常性信号を生成する非定常性機械である。本明細書で用いられるとき、用語「非定常性機械」とは、経時的に変化する少なくとも1つの特質を有するプロセスを実行し、したがって、その動作中に非定常性信号を生じさせる機械のことをいう。かかる非定常性機械としては、例として、経時的に入力パワーの周波数および大きさを修正するドライバーによって制御されるサーボモーターのような時間変動入力によって駆動される機械;経時的に変化する駆動パワーを提供するエレベーターおよびクレーンのような移動設備を駆動させるモーター;その動作の最中に負荷変動および摩擦変化に曝されるCNCプロセス機械のような、その出力において時間変動負荷を経験する機械、ならびに、例として、製造ロボットに設置されたモーターのような移動ベース上に搭載された機械が挙げられてもよい。
【0049】
従来の機械モニタリングおよび診断技術は、かかる非定常性機械のモニタリングおよび分析への適合が不十分であり、そのことはそれによって表される非定常性信号特質に起因することが把握される。例として、機械動作の最中に生成される振動信号のスペクトル分析に基づく従来の機械診断は、速度および負荷のような動作パラメーターの変動から生じる非定常性信号のスペクトル成分の時間変動に起因して非定常性信号の分析に適していない。例として、モーター102の場合、モーター102は、非定常性時間変動RPM速度、および、その調波を表すであろう。RPM周波数、および、その調波の振動振幅(該パラメーターは、典型的には機械のコンディションおよび機械の欠陥と相関する)はしたがって、時間変動を表すであろうし、したがって、サンプリングされた信号の従来のスペクトル分析に基づいて正確に抽出され得ない。さらに例として、モーター102は、非定常性時間変動軸受周波数または線周波数を表すであろう。これらの周波数の振動振幅(典型的には機械のコンディションおよび機械の欠陥と相関する)はしたがって、時間変動を表すであろうし、したがって、サンプリングされた信号の従来のスペクトル分析に基づいて正確に抽出され得ない。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のセンサーによる少なくとも1つの動作時間フレームの最中の非定常性機械のモニタリングと、複数のセンサーの各々の非定常性出力を、融合または結合された出力へと融合させることに基づく、非定常性機械のモニタリングならびに自動コンディション分析のための新規なシステムならびに方法が提供される。とりわけ好ましくは、融合させることは、センサーのうちの少なくとも1つによって測定および出力された非定常性信号を、センサーのうちの少なくとも別の1つによって測定および出力された非定常性信号によって修正することを含む。そのように修正することは、正確性の喪失を伴わず、定常性信号の分析に適した従来の信号分析アプローチによって正確に分析されるであろう信号特徴を抽出するために用いられてもよい。信号特徴の分析は、機械の現在の調子をもたらしてもよく、該調子は、機械性能、機械効率、発生中の欠陥および機械の将来の性能の予測に関する情報を含んでもよい。追加的または代替的には、かかる方法は、その他のタイプの分析に適用されてもよい。
【0051】
図1に見られるように、非定常性機械102は好ましくは、複数のセンサー(本明細書では、例として、機械102から生じる振動を測定する第1振動センサー110、および、機械102から生じる磁束を測定する第2磁気センサー112として具現化される)によってモニタリングされる。機械102から生じ、かつ、第1センサー110および第2センサー112によって測定可能な振動ならびに磁束信号は好ましくは、機械102の調子とは無関係に、機械102の動作の本来の非定常性の様式に起因して非定常性信号であることが把握される。
【0052】
振動センサー110および磁気センサー112は例としてのみ示されていること、ならびに、機械102から出る信号をモニタリングするために、追加的または代替的なセンサータイプ(電流センサー、電磁気センサー、音響センサー、温度センサー、圧力センサーおよび流体流量センサーを含むが、それらに限定されない)が用いられてもよいことが把握される。機械102をモニタリングする複数のセンサーは、複数の振動センサーまたは複数の磁気センサーのような同じタイプの信号を測定する複数のセンサーを含んでいてもよく、センサーは互いに異なり、かつ/または、機械102に対して異なる位置に搭載され、機械102から出る同一のタイプの信号を測定するにも関わらず、わずかに異なる出力を生じさせることが、さらに把握される。
【0053】
複数のセンサー(それらによって機械102がモニタリングされる)は接触センサーでも非接触センサーであってもよいことが、追加的に把握される。本発明の特定の実施形態では、移動している非定常性設備にセンサーをしっかりと取り付けることの困難性に起因して、非接触センサーの使用が好ましいであろう。
【0054】
センサー110および112のような複数のセンサーは好ましくは、機械102の同一の少なくとも1つの動作時間フレームの最中に機械102をモニタリングし、センサーの各々の非定常性出力が機械動作の同一の期間(単数)または期間(複数)を表すようになっている。本発明の1つの好ましい実施形態では、機械102をモニタリングするセンサー110および112のような複数のセンサーは、相互に同期してサンプリングされる。サンプリングは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で同期してもよく、fはRPM周波数のような関心のある周波数である。本発明の別の好ましい実施形態では、機械102をモニタリングするセンサー110および112のような複数のセンサーは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で相互に同期してサンプリングされ、fはセンサーサンプリング周波数である。例として、センサー110および112は、20kHzのサンプリング周波数で動作してもよく、したがって、時間フレームdt(その範囲内で、センサーが同期してサンプリングされる)は、0.5μsによって与えられる。本明細書では、同期したサンプリングにおける誤差を1%に制限するために、0.01の値が選択されることが把握される。しかしながら、必要とされる誤差制限に依拠して、その他の値が選択されてもよい。
【0055】
好ましくは、振動センサー110によって提供される第1非定常性出力および磁気センサー112によって提供される第2非定常性出力は、各々のゲインフィルター(GF)114および116へと提供され、該ゲインフィルターは次に、各々の信号をアナログ・デジタル変換器(ADC)118および120へと提供する。ADC118および120によって出力されるデジタル化された信号は好ましくは、CPUのようなメモリーコンポーネント122へと提供され、かつ、任意選択的には、クラウドデータベース124へと提供される。センサー110および112によって獲得された、同期してサンプリングされたデータは、システム100の動作仕様に依拠して、クラウド系システム全体、ローカルハードウェアシステム、または、ローカルな要素およびクラウド系の要素の両方を有するシステムへと移されてもよいことが理解される。GF114および116、ADC118および120ならびにCPU122を含む、本明細書に示されている特定の処理コンポーネントは、例としてのみ詳述されること、ならびに、任意の適切な信号処理コンポーネントが本発明のシステムにおいて採用されてもよいことが、さらに理解される。
【0056】
振動センサー110および磁気センサー112によって各々出力された、好適に同期してサンプリングされた第1および第2非定常性出力は好ましくは、クロスセンサー信号プロセッサー130へと提供され、該信号プロセッサー130は、クラウドデータベース124に含まれていてもよく、ローカル処理要素を有していてもよい。
【0057】
好ましくは、信号プロセッサー130は、少なくとも第1および第2センサー(本明細書では、振動センサー110および振動センサー112として具現化される)によって提供される第1および第2非定常性出力を受け取り、かつ、第2非定常性出力(例えば、磁気センサー112からの出力)に少なくとも基づいて第1非定常性出力(例えば、振動センサー110からの出力)を修正することによって出力を結合させて、第1非定常性出力(この場合、振動出力)の少なくとも1つの特徴を抽出するように動作する。
【0058】
信号プロセッサー130は好ましくは、自動化された様式で動作する。
図1に示されている本発明の1つの好ましい実施形態では、信号プロセッサー130は、非定常性磁気および振動データについてのウェーブレット分析を自動的に実行して、その特徴を抽出してもよい。
図4および5に示され、かつ、以下に記載される本発明の別の好ましい実施形態では、信号プロセッサーは、それに入力される非定常性信号の特徴を抽出するために深層学習を採用してもよい。
【0059】
信号プロセッサー130は、磁気ウェーブレット計算機132および振動ウェーブレット計算機134を含んでいてもよい。磁気ウェーブレット計算機132は好ましくは、磁気センサー112からの非定常性磁気データにウェーブレット変換を適用して、磁気データの特徴を抽出する。振動ウェーブレット計算機134は好ましくは、振動センサー110からの非定常性振動データにウェーブレット変換を適用して、振動データの特徴を抽出する。磁気および振動データのウェーブレット変換は、各々の磁気および振動スペクトル成分の時間依存性をもたらし、そのことによって、機械102によって生成される信号の非定常性の性質の結果としてスペクトル分析に伴う制限を回避する。磁気ウェーブレット計算機132および振動ウェーブレット計算機134によって実行される磁気および振動ウェーブレット計算は、センサー110および112によって獲得される非定常性データからの特徴の抽出のための演算のとりわけ好ましい例であることが把握される。しかしながら、センサー110および112によって獲得される非定常性データの特徴を抽出するための代替的なデータ演算が実装されてもよいことが理解される。
【0060】
図2Aには、例えば磁気ウェーブレット計算機132によって出力されるような、ノイズがフィルタリングされた磁気ウェーブレット画像の簡略化された例が示されている。
図2Aでは、磁気ウェーブレットスケールが較正され、かつ、疑似周波数に関してプロットされることが把握される。
図2Aにおける信号の大きさは、表示の明確性のために標準化された任意の単位スケールに関して示されている。
【0061】
磁気ウェーブレット計算機132によって出力される磁気ウェーブレットは好ましくは、マスク抽出器138へと提供される。マスク抽出器138は好ましくは、画像処理アルゴリズムを採用して、磁気ウェーブレットマスクを抽出し、該磁気ウェーブレットマスクは、磁気ウェーブレット画像全体に基づいているが、特定の周波数の時間依存性のみを有し、その他の周波数はすべてフィルタリングで除去されている。例として、マスク抽出器138によって抽出される磁気ウェーブレットマスクは、RPM周波数の時間依存性のみを含有し、その他の周波数はすべてフィルタリングで除去されていてもよい。マスク抽出器138によって抽出される磁気ウェーブレットマスクは好ましくは、バイナリーウェーブレットマトリックスであり、そこではRPMスケールが疑似周波数へと変換されてもよい。国際公開第2018/198111号公報(本発明と同一の譲受人に譲渡され、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる)には、かかるウェーブレットマスクを作成するために用いられてもよい例示的な好ましいアルゴリズムが記載されている。
図2Bには、例えばマスク抽出器138によって出力されるような、
図2Aの磁気ウェーブレット全体から抽出されるRPM周波数のみを含有するバイナリーウェーブレットマスクの簡略化された例が示されている。
【0062】
さらに例として、磁気抽出器138によって抽出される磁気ウェーブレットマスクは、RPM周波数および線周波数の時間依存性、ならびに、それらの調波のみを含有していてもよい。これらの周波数は、RPM周波数、および、その調波の場合には機械的ガタおよび不均衡のような種々の機械の欠陥に対応していてもよく、線周波数、および、その調波の場合には電気的な欠陥異常のような種々の機械の欠陥に対応していてもよい。
【0063】
マスク抽出器138によって提供されるバイナリー磁気ウェーブレットマスクおよび振動ウェーブレット計算機134によって提供される振動ウェーブレット全体は好ましくは、ウェーブレット乗算器150へと提供される。ウェーブレット乗算器150は好ましくは、バイナリー磁気ウェーブレットマスクを、すべての周波数および振幅を含有する振動ウェーブレット画像全体と掛け合わせるように動作する。磁気ウェーブレットマスクと振動ウェーブレット全体の掛け合わせは、マスクの周波数とは関連しないそれらの周波数を振動ウェーブレット全体からフィルタリングで除去するように作用する。例えば、磁気ウェーブレットマスクがRPM周波数のみを含有する場合、バイナリー磁気ウェーブレットマスクと振動ウェーブレット全体の掛け合わせが、RPM周波数のみを含有する振動ウェーブレット画像をもたらす。
図3には、例えばウェーブレット乗算器150によって生成されるような、RPM周波数のみを含有する振動ウェーブレット画像の簡略化された例が示されている。
【0064】
さらに例として、磁気ウェーブレットマスクがRPMおよび線周波数、ならびに、それらの調波に基づいて生成される場合、マスクは振動ウェーブレット全体と掛け合わされてもよい。この場合、マスクは、逆マスクとして振動ウェーブレット全体に適用されてもよく、RPM周波数および線周波数、ならびに、それらの調波を振動ウェーブレット全体と掛け合わせることによって取得されるもの以外の周波数のみが保持されるようになっている。これらの周波数は、非同期周波数と名付けられてもよく、かつ、軸受周波数、または、その他の機械コンポーネントと関連付けられた周波数と密接に相関する。
【0065】
その後、
【0066】
【0067】
(式中、Mは、マスク抽出器138によって出力される、RPM周波数が1に設定され、その他の周波数はすべてゼロに設定されたバイナリー磁気ウェーブレットマトリックスであり、かつ、Vは、振動ウェーブレット計算機134によって出力される、振動信号の総ウェーブレット変換である)にしたがって、RPM周波数のみを含有する振動ウェーブレット画像について数値的合計が実行されて、振動信号のRPMの大きさが抽出されてもよい。式(1)に表された合計は、特徴抽出器152によって実行されてもよい。式(1)の積Aは、RPM周波数の振動振幅を表す。このパラメーターは、上記で説明されたように、機械のコンディションおよび欠陥と高度に相関する。特徴抽出器152は、線周波数、または、その調波の振動振幅を含む、フィルタリングされた振動ウェーブレット画像から任意の関連する特徴を抽出するように動作してもよいことが把握される。特徴抽出器152によって出力されるRPM周波数の振動振幅は、機械102の調子を確認するために分析されてもよい。かかる分析の結果は、コントローラー154へと提供されてもよく、該分析の結果に基づいて、コントローラー154は自動的に、機械102の動作パラメーターを修正し、機械102について修理動作を開始もしくはスケジューリングし、または、機械102について保守動作を開始もしくはスケジューリングしてもよい。追加的または代替的には、かかる分析の結果は、人間が感知可能な形態で少なくとも1人の人間の専門家へと提示されてもよく、該分析の結果に基づいて、人間の専門家は、機械の状態を評価し、保守、修理または動作パラメーター変更を適宜開始してもよい。追加的または代替的には、抽出された特徴は、例えば特徴追跡アルゴリズムによって経時的に追跡されてもよい。
【0068】
本明細書に記載の信号プロセッサー130の種々の演算は、コンピューター演算であって、それにより第1非定常性信号が第2非定常性信号に基づいて修正されて、第1の非定常性出力の少なくとも1つの特徴が抽出される前記コンピューター演算であることが把握される。本明細書では、例として、第1非定常性振動信号由来の振動ウェーブレット全体が、第2非定常性磁気信号由来のRPMバイナリーマスクによって修正されて、第1振動信号のRPMの大きさが抽出され、該RPMの大きさは、機械の状態を見出すために分析されてもよい。
【0069】
振動信号の特徴を導くための非定常性磁気信号から抽出される特徴による非定常性振動信号の修正は、振動センサー110および磁気センサー112から獲得されるデータの単純な対比分析とは根本的に異なることが、さらに把握される。本発明の好ましい実施形態によれば、磁気センサー112のような1つのタイプのセンサーからのデータの特徴が、振動センサー110のような別のタイプのセンサーからのデータについての較正入力として用いられる。このクロスセンサー較正は、振動および磁気のような種々のタイプの信号はそれ自体定常性ではないが、信号間の関係は、1つのタイプの信号からの特徴が別のタイプの信号を較正するために用いられてもよいようになっているという理解に基づく。
【0070】
本発明は、RPM周波数のような特定の周波数に関するウェーブレット変換の使用への適用に限定されず、むしろ、非定常性信号スペクトル成分の任意の関連部分に関するその他の演算に適用されてもよいことが理解される。さらに、
図1に関して記載された例では、第1信号(例として、振動信号)は第2信号(例として、磁気信号)から抽出される特徴に基づいて修正されるが、逆もまた可能であり、それによって、第2信号(例として、磁気信号)が、第1信号(例として、振動信号)から抽出される特徴に基づいて修正されてもよいことが理解される。
【0071】
磁気ウェーブレット計算機132、振動ウェーブレット計算機134、マスク抽出器138、ウェーブレット乗算器150および特徴抽出器152を含む信号プロセッサー130の種々の自動化された信号処理コンポーネントは、それらの各々の機能の説明の簡易性の目的のために本明細書では個別のコンポーネントとして表されていることが、追加的に理解される。しかしながら、信号プロセッサー130のコンポーネントによって実行される種々の機能は、必ずしも本明細書に記載の順番で実行されず、また、必ずしも本明細書に示されているように個別の分離したモジュールへと細かく分けられない。
【0072】
図4には、信号プロセッサー130の代替的な実施形態が示されている。
図4に見られるように、信号プロセッサー130は、機械学習に基づいて動作する振動-磁気信号フューザー(fuser)450を含む信号プロセッサー430によって置換されてもよい。振動-磁気信号フューザー450は好ましくは、機械学習を採用して、例えば磁気センサー112によって出力される非定常性磁気信号のような少なくとも第2非定常性出力に基づいて、振動センサー110によって出力される非定常性振動信号のような少なくとも第1非定常性出力に基づいて修正することによって、振動センサー110および磁気センサー112の非定常性出力を自動的に融合させて、機械102の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応である第1非定常性出力の少なくとも1つの特徴を抽出するように動作する。振動-磁気信号フューザー450によって抽出される少なくとも1つの特徴はその後、機械102のコンディションをもたらし、かつ、その動作の異常を検出するために、従来の信号分析技術(該従来の信号分析技術は、定常性信号の特徴の分析に適する)によって分析されてもよい。機械102から出る非定常性信号はしたがって、機械102の動作の非定常性の様式にもかかわらず、機械102の動作の定常性のレベルに対して無反応である非定常性出力の少なくとも1つの特徴の抽出に起因して、標準的な信号分析技術に基づいて有利に分析され、かつ、機械102のコンディションは、正確に見出されるであろうことが把握される。
【0073】
図5A~5Cには、振動-磁気信号フューザー450において採用される機械学習技術のとりわけ好ましい実施形態が示されている。しかしながら、振動-磁気信号フューザー450において採用される機械学習技術は、
図5A~Cに示されているものに限定されず、かつ、機械102から出る種々の非定常性信号を自動的に融合させて、そこから非定常性機械102の動作の定常性のレベルに対して無反応である信号特徴を抽出するために実装されてもよい任意の適切な機械学習技術を含んでもよいことが把握される。抽出された信号特徴はその後、従来の信号分析技術を用いて自動的に分析されてもよく、該従来の技術は、定常性信号特徴を分類するように設計されているが、機械102から出る非定常性信号に正確に適用されてもよい。
【0074】
ここで
図5Aを参照すると、振動-磁気信号フューザー450の動作における初期トレーニングステップ500が示されている。初期トレーニングステップ500のための入力として、好ましくは定常性データセット502が提供される。データセット502は好ましくは、複数のセンサーS
1~S
nからのデータを含み、該複数のセンサーは、本明細書では例として、振動センサー110および磁気センサー112として具現化される。しかしながら、データセット502は、電流センサー、電磁気センサー、音響センサー、圧力センサー、流体流量センサーおよび温度センサーのような追加的または代替的なタイプのセンサーからのデータを含んでもよいことが把握される。データセット502は、定常性の様式で動作し、かつ、定常性信号を生成するときに機械102から出るデータを含んでもよい。追加的または代替的には、データセット502は、必ずしも機械102と同一ではないが、それと共通する特質を共有し、かつ、定常性の様式で動作して定常性信号を生成する一群の機械からのデータを含んでもよい。共通する特質を共有する一群の機械(そこからデータセット502が獲得されてもよい)は、機械102を含んでも含まなくてもよい。
【0075】
センサー110および112のような複数のセンサーは好ましくは、機械102の同一の少なくとも1つの動作時間フレームの最中に機械102をモニタリングし、センサーの各々の非定常性出力が機械動作の同一の期間(単数)または期間(複数)を表すようになっている。本発明の1つの好ましい実施形態では、機械102をモニタリングするセンサー110および112のような複数のセンサーは、相互に同期してサンプリングされる。サンプリングは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で同期してもよく、式中、fはRPM周波数のような関心のある周波数である。本発明の別の好ましい実施形態では、機械102をモニタリングするセンサー110および112のような複数のセンサーは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で相互に同期してサンプリングされ、式中、fはセンサーサンプリング周波数である。例として、センサー110および112は、20kHzのサンプリング周波数で動作してもよく、したがって、時間フレームdt(その範囲内で、センサーが同期してサンプリングされる)は0.5μsによって与えられる。本明細書では、同期したサンプリングにおける誤差を1%に制限するために、0.01の値が選択されることが把握される。しかしながら、必要とされる誤差制限に依拠して、その他の値が選択されてもよい。
【0076】
データセット502は好ましくは、第1センサー融合オペレーター510へと提供される。第1センサー融合オペレーター510は好ましくは、本明細書では振動センサー110および磁気センサー112として具現化されたセンサー1~nからのデータを、結合された単一のデータセットへと結合させる。本発明の1つの実施形態によれば、第1センサー融合オペレーター510は、振動および磁気信号を1次元のベクトルへと結合させてもよく、該ベクトルはまた、データの対数関数を含み、第1センサー融合オペレーター510によって出力される結合された信号データセットが、元々のセンサーデータと、その対数関数の両方を含むようになっている。しかしながら、第1センサー融合オペレーター510は、入力センサーデータの対数関数を含むことに限定されず、追加的または代替的には、例えばデータの逆数を見出すこと、またはデータの2乗を見出すことを含む、データについてのその他の数学的演算を実行してもよいことが把握される。さらに、第1センサー融合オペレーター510は、振動および磁気データ、ならびに、それらの対数を合計し、かつ、2次元のベクトル(第2の次元は、センサーの数を表す)を作成すること、または、振動および磁気データについてウェーブレット変換を実行することのような本技術分野で知られたその他の方法にしたがって、複数のセンサーからのデータを融合させるように動作してもよい。
【0077】
センサー融合オペレーター510によって出力される結合された単一のデータセットは好ましくは、第1ニューラルネットワークNN1(本明細書では、参照数字512によって示される)へと入力される。NN1 512は好ましくは、多層認識(MLP)ネットワークとして具現化される。NN1は好ましくは、本明細書ではXsとして示される、それに入力された定常性データの特徴を自動的に抽出するように動作する。NN1によって抽出される特徴は、本明細書では振動センサー110および磁気センサー112として具現化されるセンサー1~nからのデータの融合に基づくことが把握される。とりわけ好ましくは、NN1は、1つの信号のセットから1つ以上の特徴を抽出し、抽出された特徴に基づいて第2の信号のセットを修正し、かつ、その後で、第2の修正された信号のセットから1つ以上の特徴を抽出するように動作してもよい。NN1への対数データの入力は、互いに関してNN1による種々のセンサータイプからのデータの乗除の演算の学習を容易にし、したがって、1つの信号の別の信号による修正を可能にすることが理解される。
【0078】
NN1によって抽出された特徴は好ましくは、参照数字514によって示されている第1分類器である分類器1へと提供される。分類器1は好ましくは、NN1によって出力された情報を分類して、機械(それによって分析された信号が生成された)のコンディションを見出すように動作する。分類器1によって出力された機械のコンディションは好ましくは、損失計算機516へと提供され、該損失計算機516においては損失関数が見出される。損失関数は、任意の適切な損失関数であってよい。損失関数は、例として、交差エントロピー損失関数のような分類器1によって提供される信号特徴の分類と人間の分析者によって提供される信号特徴の分類との間の差を表してもよい。
【0079】
損失関数はその後、逆行性伝播および勾配降下アルゴリズムを用いてNN1内の重み付けを反復的にさらに更新して、いっそう正確に関連する特徴を抽出し、かつ、それらの特徴を分類するようにNN1および分析器1をトレーニングするために、好ましくはNN1および分類器1へとフィードバックされる。この反復プロセスは、損失計算機516によって見出される損失関数が許容可能に低くなる(NN1および分析器1が、人間の専門家のものと対比して、許容可能な正確性のレベルで定常性信号の信号特徴を抽出および分類するようにトレーニングされたと考えられることを意味する)まで継続されてもよい。
【0080】
例として、第1センサー融合オペレーター510によって出力される結合された単一のデータが、長さがLである信号、および、その対数を有する1次元のベクトルである場合、NN1は、いくつかの隠れ層(その正確な数は、信号長さLおよび抽出されるべき特徴の所望の数に依拠する)を含む十分に接続されたネットワークを有してもよい。入力層中のニューロンの数は、Lが40よりはるかに大きいと仮定すると、Lの値に対応し、第2層ではL/4に対応し、第3層ではL/10に対応し、かつ、最終層ではL/40に相当する。ネットワークがセンサーデータ点間の非線形の関係の学習することを可能にするために、層の間にはレルーまたはシグモイド関数のような非線形活性化関数が含まれてもよい。
【0081】
さらに例として、第1センサー融合オペレーター510によって出力される結合された単一のデータセットが、全長L>40である振動および磁気データ、ならびに、それらの対数の2次元のベクターを有する場合、NN1は、例えば5つのカーネルフィルターを有し、最初の2つのカーネルが長さL/20という幅の広い寸法を有して低周波数センサー融合コンテンツを捕捉し、かつ、最後の3つのカーネルが各々のサイズがL/80、L/200およびL/400といういっそう幅の狭い寸法を有して高周波数センサー融合コンテンツを捕捉する、畳み込み(cоnvоlutiоn)ニューラルネットワークCNNによって置換されてもよい。データセットの寸法を減らすために、CNN中の畳み込み層の間に4および2の最大プール化を有するプール化層が含まれてもよい。活性化関数は好ましくは、レルー、シグモイドまたはタンエイチ関数であり、CNNがセンサーデータ間の非線形の関係を学習することを可能にする。畳み込み層に続いて、分類器1は、特徴を分類するために、好ましくはCNNの出力層のサイズに等しいサイズを有する十分に接続されたネットワークを有して提供されてもよい。かかる分類は、機械の動作における特定の欠陥の深刻さを表してもよく、機械の全般的な調子の深刻さを表してもよい。例えば、多クラス分類の場合、最終層にソフトマックス活性化関数が含まれてもよく、二項分類の場合には、シグモイド関数が用いられてもよい。CNNの層の間にバッチ正常化が含まれて、CNNのトレーニングの実行が改善されてもよい。
【0082】
ここで
図5Bを参照すると、好ましくは
図5Aのトレーニングステップ500の後に続く、振動-磁気信号フューザー450の動作における追加のトレーニングステップ520が示されている。
【0083】
図5Bに見られるように、好ましくは、機械102のような所定の機械から出る定常性および非定常性データのペアが提供される。データペアは好ましくは、ランダムにペアリングされた、機械102についての定常性データ(複数のセンサー1~nからの定常性データを含む)、および、機械102からの非定常性データ(複数のセンサー1~nからの非定常性データを含む)を含む。データペアはランダムにペアリングされているが、定常性および非定常性のペアリングされたデータは両方とも、機械の同一の調子(該調子はよくても悪くてもよい)に対応することが必要とされることが把握される。ペアは好ましくは、各ペアの要素が同一の機械の調子に対応するという要件を満たしながら、混合されるようにシャッフルされる。
【0084】
定常性データについて第1トレーニングステップ500を実行するために、かつ、定常性および非定常性データについて第2トレーニングステップ520を実行するために、定常性および非定常性データを区別することが必要であることが把握される。本発明の好ましい実施形態によれば、定常性および非定常性データは、定常性試験に基づいて区別されてもよい。かかる試験は、データラベリングに基づいてデータを定常性または非定常性に分類するようにトレーニングされた機械学習分類器によって実行されてもよい。代替的には、かかる試験は、機械(そこからデータが出た)の動作的状態を分析するように動作する信号処理ベースの分類器によって実行されてもよい。例として、かかる分類器は、磁気信号についてウェーブレット変換を実行して、主周波数ピークが一定であるか一定でないか(したがって、機械的動作の定常性または非定常性の特質を各々示す)を確認するように作動してもよい。さらに例として、かかる分類器は、ゼロ交差アルゴリズムを用いて磁気信号の時間波形を分析して、主周波数ピークが一定であるか一定でないか(したがって、機械的動作の定常性または非定常性の特質を各々示す)を確認するように動作してもよい。
【0085】
定常性データとして分類されたデータは好ましくは、第1センサー融合オペレーター510へと提供され、かつ、非定常性データとして分類されたデータは好ましくは、第2センサー融合オペレーター524へと提供される。第1センサー融合オペレーター510および第2センサー融合オペレーター524は好ましくは、各々、本明細書では振動センサー110および磁気センサー112として具現化されるセンサー1~nからそれに入力されるデータを、結合された単一のデータセットへと結合させる。さらに、センサー融合オペレーター510および524は好ましくは、各々、センサー1~nからのデータの対数関数を計算し、センサー融合オペレーター510および524によって出力される結合された単一のデータセットが、元々のセンサーデータ、および、それらの対数関数の両方を含むようになっている。センサー融合オペレーター510および524は、入力センサーデータの対数関数を計算することに限定されず、追加的または代替的には、例えばデータの逆数を見出すこと、またはデータの2乗を見出すことを含む、データについてのその他の数学的演算を実行してもよいことが把握される。さらに、第1センサー融合オペレーター510および第2センサー融合オペレーター524は、振動および磁気データ、ならびに、それらの対数を合計し、かつ、2次元のベクトル(第2の次元は、センサーの数を表す)を作成すること、または、振動および磁気データについてウェーブレット変換を実行することのような本技術分野で知られたその他の方法にしたがって、複数のセンサーからのデータを融合させるように動作してもよい。
【0086】
好ましくは定常性データに基づいて第1センサー融合オペレーター510によって出力される対数関数を含む結合された単一のデータセットは好ましくは、NN1 512へと提供される。NN1 512は既に、
図5Aに示されている第1トレーニングステップ500におけるそのトレーニングの結果として、第1センサー融合オペレーター510によって出力される定常性データセットから関連する特徴を抽出するようにトレーニングされていることが理解される。NN1によって抽出される定常性データの特徴は、本明細書ではX
sとして示されている。
【0087】
好ましくは非定常性データに基づいて第2センサー融合オペレーター524によって出力される対数関数を含む結合された単一のデータセットは好ましくは、本明細書ではNN2 530として示されている第2NNへと提供される。NN2 530は好ましくは、NN1と概して同一の構成を有するが、NNの層内の重み付けは異なる。NN2は好ましくは、第2センサー融合オペレーター524によって出力される非定常性データセットから関連する特徴を抽出するように動作する。NN2によって抽出される特徴は好ましくは、本明細書では振動センサー110および磁気センサー112として具現化されるセンサー1~nからの非定常性データの融合に基づくことが把握される。NN2への対数データの入力は、互いに関してNN2による種々のセンサータイプからのデータの乗除の演算の学習を容易にすることが理解される。NN2によって抽出される非定常性データセットの特徴は、本明細書ではXnsとして示されている。
【0088】
NN1に関してNN2をトレーニングするために、NN1によって見出される定常性の特徴XsおよびNN2によって見出される非定常性の特徴Xnsは好ましくは、損失計算機532へと提供され、該損失計算機532において定常性および非定常性の特徴の間の差を表す損失関数が見出される。任意の適切な損失関数が、損失計算機532によって計算されてもよい。好ましくは、計算される損失は、(Xs-Xns)2にしたがって計算されるMSE損失である。
【0089】
損失関数はその後、NN2内の重み付けをさらに更新して、自動的に正確に非定常性データセットから特徴(定常性データセットから抽出されるそれらの特徴とは最小限に異なる)を抽出するようにNN2をトレーニングするために、好ましくはNN2へとフィードバックされる。この反復プロセスは、損失計算機532によって見出される損失関数が許容可能に低くなる(NN2が、同一の機械または類似する一群の機械から獲得される定常性信号の信号特徴と対比して、許容可能な正確性のレベルで非定常性信号の信号特徴を抽出するようにトレーニングされたと考えられることを意味する)まで継続されてもよい。
【0090】
ここで
図5Cを参照すると、好ましくは
図5Aおよび5Bに示されているトレーニングステップ500および520に続く、振動-磁気信号フューザー450の動作における動作ステップ540が示されている。
【0091】
図5Cに見られるように、非定常性の様式での機械102の動作の最中、機械102から出る非定常性信号542は、本明細書では例として振動センサー110および磁気センサー112として具現化される複数のセンサーS
1~S
nによって測定される。非定常性信号542は好ましくは、第2センサー融合オペレーター524へと提供され、第2センサー融合オペレーター524は、NN2 530へと結合されたセンサーデータセットを提供する。NN2 530は既に、第2トレーニングステップ520にしたがって非定常性データから特徴を抽出するようにトレーニングされており、該特徴は、同一または類似の機械からの定常性データの特徴と最小限の損失関数だけ異なることが理解される。結果として、融合された非定常性センサー信号からNN2によって抽出される特徴は、これらの非定常性の信号特徴および定常性の信号特徴(それらに基づいて分類器1が第1トレーニングステップ500でトレーニングされた)の共通性に起因して、それらに基づいて機械102のコンディションを分類するために分類器1 514に提供されてもよい。NN2はしたがって、好ましくは、機械102の非定常性動作の定常性のレベルに対して無反応であり、したがって、分類器1が定常性信号の特徴を分類するようにトレーニングされているにも関わらず分類器1によって正確に分類されるであろう最初の非定常性出力の少なくとも1つの特徴を抽出するように動作することが把握される。
【0092】
ステップ540内で分類器1によって実行される分類の結果は、コントローラー154へと提供されてもよく、それらに基づいてコントローラー154は自動的に、機械102の動作パラメーターを修正し、機械102について修理動作を開始もしくはスケジューリングし、または、機械102について保全動作を開始もしくはスケジューリングしてもよい。追加的または代替的には、かかる分類の結果は、人間が感知可能な形態にて少なくとも1人の人間の専門家へと提示されてもよく、それに基づいて、人間の専門家が機械の状態を評価し、かつ、保守、修理または動作パラメーター変更を適宜開始してもよい。分類器1は、例えば軸受摩耗のような機械102における特定の欠陥の分類を可能にするように、第1トレーニングステップ500においてトレーニングされてもよいことが把握される。追加的または代替的には、分類器1は、調子がよいか悪いか、機械102の状態の分類を可能にするように非欠陥特異的な様式でトレーニングされてもよく、機械102の異常動作の性質は、分類器1によって特定されない。
【0093】
図5A~5Cでは、複数のセンサーS
1~S
nからの初期入力信号は、複数のセンサーによって獲得される生データを有してもよく、生データに基づいて処理されたデータを有してもよく、該生データは、ネットワークによるさらなる処理の前に変形することが把握される。
【0094】
ここで
図6を参照すると、該図は、
図1または
図4に示されているタイプのシステム内で動作する非定常性機械から生じる信号の特徴の抽出に伴うステップを示す簡略化されたフローチャートである。
【0095】
図6に見られるように、非定常性機械から生じる信号の特徴の抽出のための方法600は第1ステップ602において始まってもよく、そこでは、非定常性機械からその動作の最中に少なくとも第1および第2の信号のセットが獲得される。
【0096】
第1および第2の信号のセットは好ましくは、機械102の同一の動作の少なくとも1つの時間フレームの最中に獲得され、センサーの各々の非定常性出力が、機械動作の同一の期間(単数)または期間(複数)を表すようになっている。本発明の1つの好ましい実施形態では、複数のセンサーは相互に同期してサンプリングされる。 サンプリングは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で同期してもよく、fはRPM周波数のような関心のある周波数である。本発明の別の好ましい実施形態では、複数のセンサーは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で相互に同期してサンプリングされ、fはセンサーサンプリング周波数である。本明細書では、同期したサンプリングにおける誤差を1%に制限するために、0.01の値が選択されることが把握される。しかしながら、必要とされる誤差制限に依拠して、その他の値が選択されてもよい。
【0097】
第1および第2の信号のセットは好ましくは、それらによってモニタリングされる機械の非定常性動作に起因して、非定常性の特質を有する。
【0098】
第1および第2の信号のセットは各々、振動および磁気信号のような異なるタイプの信号であってもよいことが把握される。代替的には、第1および第2の信号のセットは、両方とも磁気信号または両方とも振動信号のように同じタイプの信号であってもよいが、異なるタイプのセンサーから獲得され、したがって、それらの特定の面において異なる。
【0099】
第2ステップ604においてみられるように、好ましくは、1つ以上の特徴が第1の信号のセットから抽出される。例として、1つ以上の特徴が、磁気センサーによって出力される非定常性磁気信号または振動センサーによって出力される非定常性振動信号から抽出されてもよい。例として、
図1を参照して上記されたように、磁気ウェーブレット変換が非定常性磁気信号に適用されて、非定常性機械のRPMに関する周波数のみを含有するバイナリー磁気ウェーブレットマスクを引き出してもよい。さらに例として、
図4~5Cを参照して上記されたように、NNが、磁気センサーによって出力される非定常性磁気信号または振動センサーによって出力される非定常性振動信号から1つ以上の特徴を自動的に抽出してもよい。
【0100】
第3ステップ606において見られるように、第2の信号のセットは好ましくは、第2ステップ604において第1の信号のセットから抽出された特徴を用いて修正される。第1の信号のセットはしたがって、第2の信号のセットからの特徴のさらなる抽出の前に、第2の信号のセットを変換または較正する。例として、第2ステップ604において引き出されたバイナリー磁気ウェーブレットマスクは、バイナリー磁気ウェーブレットマスクを振動信号に基づく振動ウェーブレットと掛け合わせることによって振動信号を較正して、非定常性機械のRPM周波数に関するもの以外のすべての周波数を振動ウェーブレットからフィルタリングで取り除くために用いられてもよい。さらに例として、NNが、1つのタイプの非定常性信号を、別のタイプの非定常性信号から抽出された特徴に基づいて自動的に修正してもよい。
【0101】
第4ステップ608において見られるように、1つ以上の特徴がその後、好ましくは第3ステップにおいて修正された第2の信号のセットから抽出される。例として、第3ステップ606において引き出された修正済みの振動ウェーブレットにわたって合計が実行されて、RPM周波数の振動振幅が抽出されてもよい。さらに例として、NNは、それによって修正された非定常性信号の特徴を自動的に抽出してもよい。第5ステップ610において見られるように、抽出された1つ以上の特徴は、モニタリングされている非定常性機械の健康状態を見出すために分析されてもよい。方法600によって抽出される1つ以上の特徴は好ましくは、機械の調子を表し、かつ、機械の動作の定常性のレベルに対して無反応であることが把握される。例として、信号特徴がNNによって抽出される場合、抽出された特徴は分類され、機械のコンディションは、非定常性ではなくむしろ定常性の様式で動作する同一または類似の機械から獲得されるデータでトレーニングされた分類器を用いることに基づいて引き出されてもよい。
【0102】
第6ステップ612において見られるように、第5ステップ610において確認された機械の調子に基づいて、機械について修理または保守動作が実行されてもよく、実行されるようにスケジューリングされてもよく、機械の動作パラメーターが変更されてもよい。第6ステップ612は、モニタリングされている機械に連結されたコントローラーによって、自動化された様式で実行されてもよいことが把握される。追加的または代替的には、モニタリングされている機械の調子は、人間が感知可能な形態で人間の専門家へと通信されてもよく、かつ、人間の専門家は、モニタリングされている機械に対する修理、保守または動作変更の指揮に関わってもよい。
【0103】
ここで
図7を参照すると、該図は、本発明の別の好ましい実施形態にしたがって構築され、かつ、動作する非定常性機械性能の自動分析のためのシステムの、簡略化された一部が絵であり一部がブロックダイアグラムである図である。
【0104】
図7に見られるように、本明細書では例として、機械コントローラー704に埋め込まれたプログラミング可能な動作レジームまたはレシピにしたがって動作するロボット機械702またはサーボモーターとして具現化される、非定常性機械の性能のモニタリングおよび自動分析のためのシステム700が提供される。機械702は、入ってくるパワーおよび回転速度のような機械パラメーターのコントローラー704による時間変化修正に起因して非定常性の様式で動作する。
【0105】
従来の機械モニタリングおよび診断システムは、かかる非定常性機械のモニタリングおよび分析には、それによって示される非定常性の信号特質に起因して、十分に適していないことが把握される。本発明の好ましい実施形態によれば、時間変化レシピにしたがって動作する非定常性加工機械のモニタリングおよび自動化されたコンディション分析のために、新規なシステムおよび方法が提供される。かかるコンディション分析は好ましくは、複数のセンサーによる非定常性機械のモニタリングに基いており、レシピ間隔にわたってセンサーの非定常性出力を融合させて、融合された出力を生成し、かつ、融合された出力に基づいて、レシピにしたがって動作する機械のコンディションを反映した信号特徴を抽出する。
【0106】
本発明の特定の実施形態では、レシピ間隔を見出すことに続いて、見出されたレシピ間隔にしたがって複数のセンサーのサンプリング特質を調整することが有利である。信号特徴はその後で抽出されてもよく、レシピ間隔の最中に機械と関連付けられた信号特質が自動的に学習されてもよい。かかる学習は、レシピ間隔の最中に機械性能の基準線モデルを構築するために用いられてもよい。機械によって生成される信号から抽出される後続の信号特徴はその後、機械性能の基準線モデルと対比されて、機械の調子の変化を示す異常および逸脱が検出される。機械の修理、保守または動作パラメーター変更のような適切な訂正手段が、見出された異常に基づいてとられてもよい。
【0107】
図7に見られるように、ロボット702は好ましくは、本明細書では例として第1振動センサー710(例えば、ロボット702のアームを駆動させるモーター711から出る振動を測定する)および第2磁気センサー712(モーター711から出る磁束を測定する)として具現化される複数のセンサーによってモニタリングされる。ロボット702のモーター711から出て、かつ、第1および第2センサー710および712によって測定可能な振動ならびに磁束信号は好ましくは、ロボット702の調子に関わらず、ロボット702の動作の非定常性の様式に起因して非定常性信号であることが把握される。
【0108】
図8および9には、センサー710および712によって測定される、ロボット702のような処理機械によって生成された振動および磁気信号を表す例示的なデータが示されている。
図8は、2つの異なる期間の最中に動作するロボット702のモーター711の4秒の記録の最中の2つの振動波形についてのデータを表している。
図9は、
図8に示されている2つの振動波形と同期して獲得された2つの磁気波形についてのデータを表している。
図8および9の考慮から把握されるように、ロボット702は、
図8および9においてA、BおよびCとして各々示されている3つの動作領域によって特徴付けられたレシピにしたがって動作し、該動作領域はそれぞれ、それらと関連付けられた、増大した振動および磁気信号を有する。レシピ内のこれらの3つの動作領域A、BおよびCは、機械702のコントローラー704によって修正された異なる入力パラメーターに起因して異なる信号を生じさせる。
【0109】
振動および磁気センサー710および712は例としてのみ示されていること、ならびに、機械702の性能をモニタリングするために、電流センサー、電磁気センサー、音響センサーおよび温度センサーを含むがそれらに限定されない追加的または代替的なセンサータイプが用いられてもよいことが把握される。機械702をモニタリングする複数のセンサーは、複数の振動センサーまたは複数の磁気センサーのような同一のタイプの信号を測定する複数のセンサーを含み、センサーは互いに異なり、したがって、機械702の同一のパラメーターを測定するにも関わらず、わずかに異なる出力を生じさせてもよいことがさらに把握される。
【0110】
複数のセンサー(それらによって機械702がモニタリングされる)は、接触センサーであっても非接触センサーであってもよいことが追加的に把握される。本発明の特定の実施形態では、動いている非定常性設備にセンサーをしっかりと取り付けることの困難性に起因して、非接触センサーの使用が好ましいであろう。
【0111】
センサー710および712のような複数のセンサーは好ましくは、機械702の同一の少なくとも1つの動作時間フレームの最中に機械702をモニタリングし、センサーの各々の非定常性出力が、機械動作の同一の期間(単数)または期間(複数)を表すようになっている。本発明の1つの好ましい実施形態では、機械702をモニタリングするセンサー710および712のような複数のセンサーは、相互に同期してサンプリングされる。サンプリングは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で同期してもよく、fはRPM周波数のような関心のある周波数である。本発明の別の好ましい実施形態では、機械702をモニタリングするセンサー710および712のような複数のセンサーは、dt≒0.01/fのオーダーの時間ウィンドウdt内で相互に同期してサンプリングされ、fはセンサーサンプリング周波数である。例として、センサー710および712は20kHzのサンプリング周波数で動作してもよく、したがって、時間フレームdt(その範囲内で、センサーが同期してサンプリングされる)は0.5μsによって与えられる。本明細書では、同期的なサンプリングにおける誤差を1%に制限するために、0.01の値が選択されることが把握される。しかしながら、必要とされる誤差制限に基づいて、その他の値が選択されてもよい。以下で詳述されるように、センサーサンプリング周波数は、レシピ間隔を見出した後でレシピ間隔にしたがって調整されてもよい。
【0112】
好ましくは、振動センサー710によって提供される第1非定常性出力および磁気センサー712によって提供される第2非定常性出力は、各々GF714および716へと提供され、GF714および716は次に、各々の信号をアナログ・デジタル変換器(ADC)718および720へと提供する。ADC718および720によって出力されるデジタル化された信号は好ましくは、CPUのようなメモリーコンポーネント722へと提供され、かつ、任意選択的にはクラウドデータベース724へと提供される。センサー710および712によって獲得された、同期してサンプリングされたデータは、システム700の動作仕様に依拠して、全体がクラウド系のシステム、ローカルハードウェアシステムまたはローカルおよびクラウド系の要素の両方を有するシステムへと移されてもよいことが理解される。GF714および716、ADC718および720ならびにCPUを含む、本明細書に示されている特定の処理コンポーネントは、例としてのみ詳述されること、ならびに、ならびに、任意の適切な信号処理コンポーネントが本発明のシステムにおいて採用されてもよいことが、さらに理解される。
【0113】
各々振動センサー710および磁気センサー712によって出力された、同期してサンプリングされた第1および第2非定常性出力は好ましくは、機械レシピ分析器730へと提供され、該機械レシピ分析器730は、クラウドデータベース724に含まれていてもよく、ローカル処理要素を有していてもよい。
【0114】
好ましくは、機械レシピ分析器730はレシピ間隔ファインダー(finder)760を含み、該レシピ間隔ファインダー760は、ロボット機械702の動作を統括するレシピの間隔を見出すように動作する。レシピ間隔ファインダー760は、センサー710および712の出力における繰り返しの間隔を検出することに基づいてレシピ間隔を見出してもよい。好ましくは、必ずしも必要ではないが、レシピ間隔ファインダー760は、
図1~6を参照して上記されたようにクロスセンサー融合を採用して、機械702によって生成された、融合された磁気および振動信号における繰り返しの信号特徴を見出してもよい。
【0115】
図10には、レシピ間隔を示す
図8の2つの振動データのセットの間のクロス相関レベルが示されている。クロス相関アルゴリズムがいくつかの時間間隔において適用されてもよく、かつ、
【0116】
【0117】
にしたがって回転速度によって重み付けされた相関の大きさに基づいて等級が与えられてもよく、式中、Siは振動または磁気のような任意のタイプのセンサーからのセンサーデータを表し、Stotは2つのセンサーのエネルギーの大きさの積和であり、かつ、WはRPM重み関数である。
【0118】
レシピ間隔ファインダー760は任意選択的には、センサー710および712にフィードバック制御を動作的に提供してもよく、レシピ間隔の確認に続いて、レシピ間隔ファインダー760が、それによって見出されたレシピ間隔にしたがってセンサー710および712のサンプリングパラメーターを再構成するように自動的に動作してもよいようになっている。例として、レシピ間隔の確認に続いて、センサー710および712の一方もしくは両方のサンプリング期間ならびに/または周波数は、全レシピ間隔の最中、レシピ間隔内の定められた期間の最中またはレシピ間隔の多数のサイクルにわたってセンサー710および712がロボット702をモニタリングすることを可能にするように調整されてもよい。
【0119】
レシピ間隔ファインダー760がレシピ間隔を見出すこと、ならびに、センサー710および712のサンプリングパラメーターの任意選択的である適切な対応する調整に続いて、レシピ間隔にわたってセンサー710および712によって獲得されたデータは、レシピ間隔ファインダー760によって見出されたレシピ間隔にわたって獲得された信号内の関心のあるゾーンまたは領域を検出するために処理されてもよい。かかるゾーンは、機械性能をとりわけ表すことに基づいて選択されてもよく、かつ、例として、増大した振動または増大した磁束信号を含むゾーンに対応してもよい。
【0120】
ゾーン検出は、レシピ間隔内のデータにヒルベルト変換を適用すること、および、その包絡関数を分析することに基づいて実行されてもよい。ヒルベルト変換は、個別のセンサーからのデータに適用されてもよく、個別のセンサーからのデータのクロスセンサー処理から抽出されるデータに適用されてもよい。代替的には、ゾーン検出は、ガウス関数を用いた畳み込みマスキングに基づいて実行されて、振動ゾーンと関連付けられた急激な信号の上昇および減衰を捉えてもよい。
図11には、ゾーンに分割された振動信号の例が示されている。
図11に見られるように、破線780は、ゾーン検出のために適用された適合アルゴリズムを表し、かつ、個別のゾーンは縦線782によって描かれている。
【0121】
レシピ間隔にわたってセンサー710および712によって獲得されたデータは好ましくは、その特質ある特徴を抽出し、したがってレシピ間隔にわたってレシピを実行する機械の特質を学習するために分析される。ゾーン検出が実行される場合、信号特徴は、全レシピ間隔にわたってではなく、むしろ特定のゾーンそれぞれについてゾーン毎に計算されてもよい。ゾーンは、例としてゾーンエネルギー、ゾーン期間およびゾーン内のモーメント変動を含むその特質ある特徴に基づいて分類されてもよい。全レシピ間隔にわたる特徴抽出は典型的には、レシピ間隔内動作レジームにおける高変動に起因して特徴を不十分に表す低解像をもたらすので、レシピ間隔の代表的なゾーンへの分割および全レシピ間隔にわたってではなくゾーン毎に信号特徴を見出すことが非常に有利であることが把握される。しかしながら、レシピ間隔のゾーンへの分割は、レシピ間隔内の変動がかかるゾーン分割を不要にする程十分小さなスケールのものであれば、本発明の特定の実施形態では必要とされないであろうことが理解される。
【0122】
追加的または代替的には、レシピ間隔内にセンサー710および712によって獲得されたデータの分析は、その他の機械学習アルゴリズムに基づいてもよい。データから抽出される特徴は、データの確率密度関数モーメント、累積率またはエントロピーのような統計学的特徴;速度および入ってくるパワーのような動作的特徴;主たる波形コンポーネント、波形パワースペクトル、信号エネルギーおよび信号整合特徴のような記号特徴;例えば国際公開第2018/198111号公報に記載されたタイプの信号分析アルゴリズムに基づく機械効率のような機械性能特徴;ならびに、機械温度と対比されてもよい外部温度センサーから獲得された環境温度および流体流動を伴う機械の場合には機械圧力のような外部センサーから獲得されるであろう環境的特徴と関連付けられた特徴を含んでもよい。
【0123】
好ましくはゾーン特徴を含むレシピを実行する機械702と関連付けられた信号特徴は、レシピ学習アルゴリズム790によって学習されてもよい。レシピと関連付けられた信号特徴の自動学習は、例としてコントローラー704からのデータのような外部データの入力によって増強されてもよい。コントローラーデータは、センサー710および712からのデータと相関して、レシピ(それにしたがって機械702が動作する)に関する追加の情報を提供し、かつ、レシピ間隔の検出の精度を改善してもよい。
【0124】
レシピ学習アルゴリズム790がレシピ特質および特徴を見出すことに続いて、機械702によるレシピの遂行の最中のその性能のモデルが構築されてもよい。かかるモデルは、レシピモデル構築部792によって構築されてもよく、かつ、所定のレシピレジーム内の機械性能を表す基準線モデルを構築してもよい。モデルは、クラウドデータベース724のようなデータベースに格納されてもよい。モデルは、異常および逸脱を検出するために、基準(それに対してレシピの遂行の最中に機械702によって生成される後続の信号の特徴が対比されてもよい)として用いられてもよい。例として、機械性能における異常は、異常検出器794によって検出されてもよい。レシピ特質における異常は、例えば機械の劣化に起因するであろう。代替的には、異常は、機械動作への悪意の介入に起因するであろう(例えば、機械レシピを修正するためにコントローラー704に搭載された悪意のセキュリティー違反の場合)。異常検出器794によって検出された異常は出力されてもよく、かつ、これらの異常に基づいて、機械702の調子、または、それへの悪意の介入が見出されてもよい。機械動作パラメーターの変更、機械動作の中断または機械の修理のような適切な訂正手段が、例えば機械制御モジュール796によって自動的に、または、人間の介入に基づいて、その後で実行されてもよい。
【0125】
レシピモデル構築部792によって構築されたモデルは、機械702に連結され、センサー710および712より低いパワーで動作するが、それらと相関する低パワーセンサーからのデータを含んでもよい。かかる低パワー感知は、特定のレシピ間隔内ではなく、むしろ機械702に関して継続的に実行されてもよく、かつ、レシピの遂行の最中の機械性能のモデルからのセンサー読み取りにおけるリアルタイムの異常を検出するために用いられてもよい。かかる異常が見出される場合には、低パワーセンサーは、センサー710および712のような高パワーセンサーを駆動させて、追加のデータ(該追加のデータに基づいて、いっそう進化した異常検出アルゴリズムが異常検出器794によって適用されてもよい)を収集してもよい。
【0126】
レシピ学習アルゴリズム790、レシピモデル構築部792および異常検出器794は、自動的に所定のレシピを遂行する機械702の動作のモデルを構築し、かつ、機械702から出る信号をかかるモデルを対比して、機械702の動作における異常を評価するために用いられる機械学習アルゴリズムの1つの好ましい実施形態に対応する。
【0127】
本発明のとりわけ好ましい実施形態によれば、レシピ学習アルゴリズム790、レシピモデル構築部792および異常検出器794は、深層学習を採用してもよく、かつ、とりわけ好ましくは、長・短期記憶(LSTM)ネットワークのような回帰型NN(RNN)を採用して、機械702によるレシピの遂行の最中にそれから出る非定常性信号における異常を見出してもよい。
【0128】
図12A、12Bおよび12Cには、機械レシピ分析器730内に採用可能なLSTMネットワークの考え得る実装のとりわけ好ましい実施形態が示されている。ここで
図12Aを参照すると、機械702によって生成されたもののような非定常性レシピデータセット8100が、本明細書では経時的に振動信号を有する第1信号セットS
1および経時的に磁気信号を有する第2信号セットS
2として具現化される複数の信号を有することが見られる。振動および磁気信号の時系列は好ましくは、全レシピ間隔をまたぎ、かつ、好ましくはレシピ間隔ファインダー760によって見出された多数のレシピ間隔をまたいでもよいことが把握される。第1および第2信号セットS
1およびS
2は、生センサーデータを有してもよいが、いっそう好ましくは線周波数またはRPMまたはゾーン特徴のような生データから抽出された特徴を有してもよいことがさらに把握される。例えば、第1の信号のセットS
1はモーター711の振動レベルを有してもよく、かつ、第2の信号のセットS
2はモーターの現在の線周波数を有してもよい(必ずしも必要ではないが、好ましくはゾーンにわたって)。モーター711の振動レベルはモーター711の機械的状態を表す一方で、磁気信号に基づくモーター711の線周波数は、モーター速度(したがって、モーターの動作的状態)と直接相関することが把握される。
【0129】
信号セットS1およびS2は好ましくは、センサー融合時系列オペレーター8102へと提供される。センサー融合時系列オペレーター8102は好ましくは、異なるタイプの信号を、時間にしたがって配置された信号タイプの交互に繰り返すものを有する単一の結合された信号へと融合させる。したがって、磁気信号Mi-1が対応する同期した振動信号Vi-1と織り合わされ、それに続いて、磁気信号Miが対応する同期した振動信号Viと織り合わされ、以下同様に続く。信号S1およびS2が各々機械の機械的および動作的状態を表す信号に対応する場合、センサー融合時系列オペレーター8102は、これらの信号を融合させるように動作する。
【0130】
センサー融合時系列オペレーター8102によって出力された、織り合わされたデータセット(機械の機械的状態および機械の動作的状態を表す織り合わされたデータを有してもよい)は好ましくは、LSTMネットワーク8104へと提供される。LSTMネットワーク8104の動作の1つの考え得るモードは、LSTMネットワーク8104の概略図を示す
図12Bを参照して、最も良好に理解されるであろう。
図12Bに見られるように、LSTMネットワーク8104は、織り合わされた磁気および振動信号を受け取る。各ニューロン8105において、LSTMネットワークは、対応するシフトされた信号を予測し、各LSTMニューロンが、融合された時系列における隣接する次のデータ点を予測するように動作するようになっている。
【0131】
予測された信号値はその後、損失関数モジュール8106において、かかる信号の実際の測定値と対比される。損失関数モジュール8106は好ましくは、予測された信号値を実際の対応する測定信号値と対比し、かつ、LSTMネットワーク8104の重みを反復的に更新して、予測された値と実際の値との間の差を最小化するように動作する。LSTMネットワーク8104は、損失関数(該損失関数は、LSTMネットワーク804によって予測された時系列と真実の時系列との間の差を表す)について逆行性伝播および勾配降下アルゴリズムを用いて反復的にトレーニングされる。損失関数モジュール8106は、例としてMSE損失を見出してもよい。
【0132】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、LSTMネットワーク8104は、LSTM自己符号化器であってもよく、該LSTM自己符号化器は、織り合わされたデータセットを符号化し、かつ、信号特徴を損失関数モジュール8106へと出力するように動作する。LSTMネットワーク8104によって出力される信号特徴は好ましくは、この場合、磁気および振動信号として具現化される入力信号の融合、および、それに基づく特徴の抽出に基づく。損失関数モジュール8106は好ましくは、LSTMネットワーク8104によって出力された復号済みの信号特徴を、入力される織り合わされたデータセットと対比するように動作する。復号された信号特徴と織り合わされた入力データセットとの間の差はその後、損失関数が許容可能に小さく、かつ、LSTMネットワーク8104が織り合わされたデータセットを許容可能な精度のレベルで符号化するようにトレーニングされたと考慮されるまで、LSTMネットワーク8104へとフィードバックされ、かつ、符号化器の重みは、逆行性伝播および勾配降下アルゴリズムを用いて反復的に調整される。
【0133】
ここで
図12Cを参照すると、
図12AおよびBに示されているLSTMネットワーク8104のトレーニングに続いて、レシピ間隔内に機械702によってその動作中に生成された磁気信号M
iが、トレーニングされたLSTMネットワーク8104へと提供されてもよい。LSTMネットワーク8104は好ましくは、
図12Aおよび12Bに示されているプロセスにしたがう振動および磁気信号の間の関連付けの学習に基づいて、磁気信号入力に対応する対応振動信号
【0134】
【0135】
を予測するように動作する。
【0136】
予測された振動信号
【0137】
【0138】
は、磁気信号Miと同期して測定される実際の測定された振動信号Viと対比されてもよい。例として、実際の振動信号および予測された振動信号は、異常検出器8108によって対比されてもよく、該異常検出器8108は、異常検出器794のとりわけ好ましい実施形態であってもよい。予測された信号が所定の閾値差より実際の測定された信号と異なる場合、測定された信号は異常であり、かつ、機械702の動作の芳しくない状態を示していると考えられる。
【0139】
所定のレシピにしたがって動作する加工機械の条件付きモニタリングのための本明細書に記載のシステムおよび方法は、単一の機械の場合に限定されないことが把握される。むしろ、本発明は、共通するプロセスに貢献する複数の機械に関して実装されてもよい。かかるプロセスは、平行レシピプロセス(多数の機械が、同一の時点において同一の動作モードを共有する)であってもよく、直列レシピプロセス(機械が直列的に動作し、かつ、1つの機械の出力が、連続的な様式で別のものの入力を形成する)であってもよい。
【0140】
共通するプロセスに貢献する多数の機械の場合、信号は好ましくは、多数の機械それぞれに連結された複数のセンサーによって同期して獲得される。好ましくは、レシピ間隔、レシピゾーンおよびレシピゾーン特質ならびにレシピ基準線モデル(個別の機械についてではなくむしろ、プロセスを実行する機械のすべて、または、いくつかにわたって構築された)を含むレシピ特徴が、単一の機械702の場合において上記されたように抽出される。
【0141】
多数の機械の場合、レシピ間隔を確立するためのクロス相関は概して、単一の機械の場合について上記されたように実行されるが、多数の機械にわたる複数のセンサーについてのものであり、かつ、いっそう具体的には、
【0142】
【0143】
にしたがって、多数の機械に対応して連結された所定のタイプのセンサーについてのものであり、式中、nは振動または磁気のような任意のタイプのセンサーについてのセンサータイプを表し、iは機械インデックスを表し、かつ、jはi+1からinまでの値をとる。その他のパラメーターは、式(2)を参照して上記された通りである。
【0144】
多数の機械についてのかかるプロセスモデルが、プロセス内でロボット702のような各機械について構築された単一の基準線モデルに加えられてもよいことが把握される。このことは、機械性能における異常が識別されるであろう精度を向上させる。なぜなら、個別機械異常検出を増強させるために、多数の機械のプロセス異常検出が用いられてもよいからである。
【0145】
各々が多数の機械のうちの異なる機械に連結された同一のタイプまたは異なるタイプのセンサーは、相関してもよい。かかる相関は、上記されたように、機械によって実行されているプロセスのタイプ、および、そのレシピ間隔を見出して、センサーサンプリングパラメーターを適切に設定するために用いられてもよい。
【0146】
共同してプロセスを実行する多数の機械の動作の分析のためにLSTMネットワークが機械レシピ分析器730内で採用される場合、機械から出る信号は、例として、多数の機械すべてからの磁気信号を有する合計磁気ベクトルおよび多数の機械すべてからの振動信号を有する合計振動ベクトル(該振動信号は、磁気信号に関して同期して獲得される)へと結合されてもよい。振動ベクトルはその後、上記されたように、LSTMネットワーク8104が所定のレシピを実行する一群の機械の信号の特徴を学習し、したがって、そこからの逸脱を検出することを可能にするように、センサー融合時系列オペレーター8102によって磁気ベクトルと織り合わされる。追加的または代替的には、共同してプロセスを実行する多数の機械からの信号は、平均化されてもよく、そうでなければ結合されてもよく、かつ、その後でセンサー融合時系列オペレーター8102によって融合され、かつ、LSTMネットワーク8104へと提供されてもよいことが把握される。
【0147】
ここで
図13を参照すると、該図は、
図7に示されているタイプのシステムにおいて動作する非定常性機械から生じる信号の特徴の抽出に伴うステップを示す簡略化されたフローチャートである。
【0148】
図13に見られるように、レシピにしたがってプロセスを実行する非定常性機械から生じる信号の特徴の抽出は、第1ステップ1302において始まってもよく、該第1ステップでは、信号が、レシピにしたがって動作する少なくとも1つの非定常性機械に連結された複数のセンサーから同期して獲得される。本発明の1つの好ましい実施形態によれば、複数のセンサーは、単一の非定常性機械(そのコントローラーに埋め込まれたレシピを遂行する)に連結されてもよい。本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つの非定常性機械は、連続する、または、平行する様式のいずれかで共通するプロセスに貢献する一群の非定常性機械を有してもよく、かつ、複数のセンサーは、一群の非定常性機械の各機械に連結された複数のセンサーを有してもよい。
【0149】
第2ステップ1304において見られるように、機械または一群の機械によって遂行されているレシピのレシピ間隔が好ましくは見出される。第3ステップ1306において見られるように、複数のセンサーのパラメーターは、第2ステップ1304において見出されたレシピ間隔に基づいて調整されてもよい。例として、センサーサンプリング周波数またはサンプリング期間は、レシピ全体を通して、その範囲内の所定の時点において、または、レシピの多数のサイクルにわたって、センサーが機械または一群の機械をサンプリングすることを可能にするように調整されてもよい。
【0150】
第4ステップ1310において見られるように、見出されたレシピ特質に基づいて、レシピの遂行の最中の機械性能の基準線モデルが構築されてもよい。かかる基準線モデルは、レシピにしたがってプロセスを実行する個別の機械について構築されてもよく、レシピにしたがって共通するプロセスに貢献する一群の機械について構築されてもよく、両方のために構築されてもよいことが把握される。
【0151】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、機械性能のモデルの構築は、異なるセンサーについてのデータ時点の織り合わされた配置構成にて多数のセンサーからのデータを融合させること、および、織り合わされたデータセットをLSTMネットワークへと提供することを含んでもよい(データ点間の関係を学習するために)。
【0152】
第5ステップ1314において見られるように、レシピの遂行の最中の機械性能のモデルの作成に続いて、機械または一群の機械によるレシピの実行の最中に測定される後続の機械信号特質が、それらに関する異常を検出するために基準線モデルと対比されてもよい。かかる異常は、機械の調子または機械のセキュリティーステータスを示してもよい。
【0153】
レシピ特質を学習するために第4ステップ1310においてLSTMネットワークが採用される場合、第5ステップ1314は、1つの時点における1つのタイプのセンサーからの信号(実質的に同一の時点における異なるセンサーから獲得される測定された信号に対応することが期待される)のLSTMネットワークによる予測を伴なってもよい。予測された信号はその後、実際の測定された信号と対比され、かつ、信号間に逸脱がある場合、異常が識別される。
【0154】
第6ステップ1316において見られるように、機械性能における異常が検出された場合、機械または一群の機械に関して、修理または保守活動および機械動作パラメーターの変更(機械の動作の中断を含む)を含むアクションが実行されてもよい。
【0155】
方法1300は、好ましくは自動化され、モニタリングされている機械または一群の機械の動作の非定常性の性質に関わらず、機械性能のモデルが自動的に作成されてもよく、かつ、それに関する機械特質における異常が自動的に検出されてもよいようになっていることが把握される。
【0156】
本発明は、上記で具体的に示され、かつ、記載されたものに限定されないことが当業者によって把握されるであろう。本発明の範囲は、上記された種々の特徴の組み合わせ、および、部分的組み合わせの両方、ならびに、それらの修正(すべて、先行技術にはない)を含む。