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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】水槽の水中観察ユニット
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/60 20170101AFI20231225BHJP
   B63C 11/52 20060101ALI20231225BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20231225BHJP
   A01K 63/06 20060101ALI20231225BHJP
   A01K 61/13 20170101ALI20231225BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A01K61/60
B63C11/52
B63C11/48 Z
A01K63/06 C
A01K61/13
A01K29/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021547526
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 NO2020050032
(87)【国際公開番号】W WO2020167134
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】20190203
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】515022135
【氏名又は名称】スティングレイ・マリン・ソリューションズ・アーエス
【氏名又は名称原語表記】Stingray Marine Solutions AS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】エスベン ベック
(72)【発明者】
【氏名】ゲール インゲ ロデス
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129514(JP,A)
【文献】特開2000-047294(JP,A)
【文献】国際公開第2016/063033(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00 - 63/10
B63C 11/52
B63C 11/48
A01K 63/06
A01K 61/13
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中観察ユニット(6)と、水面ケーブル(1)と、巻上ウィンチ(3)を備える水面ブイ(2)と、を備える魚籠の観察システムであって、
前記水中観察ユニット(6)は、前記水面ブイ(2)の前記巻上ウィンチ(3)からノードケーブル(5)によって吊り下げられ、
前記巻上ウィンチ(3)は、垂直軸線周りに方位角回転するように構成され、
前記ノードケーブル(5)は、ねじり耐性があり、
前記ノードケーブル(5)の上端部は、水平なドラム軸線を有する前記巻上ウィンチ(3)に巻かれており、
前記観察ユニット(6)は、電動で垂直軸線周りに方位角回転するように構成され、
前記水面ブイ(2)は、電動で前記水面ケーブル(1)の主径間(10)に沿って移動するように構成され、前記主径間(10)は、前記魚籠の浮輪(9)を横切って架かるように構成される、魚籠の観察システム。
【請求項2】
前記巻上ウィンチ(3)が、電動で前記水面ブイ(2)に設けられる垂直軸線を有する軸受(32)に取り付けられ、
前記観察ユニット(6)のハウジング(61)が、前記ノードケーブル(5)の下端部において密閉されていることを特徴とする、請求項1に記載の魚籠の観察システム。
【請求項3】
前記巻上ウィンチ(3)が固定化され、
前記観察ユニット(6)のハウジング(61)が、前記ノードケーブル(5)の下端部において垂直軸線を有する軸受(33)に取り付けられている、請求項1に記載の魚籠の観察システム。
【請求項4】
前記水面ケーブル(1)の前記主径間(10)が、浮輪上の第1の点と第2点との間に、
・前記第1の点において前記浮輪に取り付けられ、前記主径間(10)の第1の端部に第1のシャックル(44)が設けられている第1の弾性スタッグライン(41)、及び
・前記第2の点において前記浮輪に取り付けられ、前記主径間(10)の第2の端部に第2のシャックル(45)が設けられている第2の弾性スタッグライン(42)
の手段により伸びていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の魚籠の観察システム。
【請求項5】
前記水面ケーブル(1)が、前記主径間(10)に加え、前記主径間(10)の第2の端部及び前記第2のシャックル(45)を越えて延びて前記水面ブイ(2)に戻る、ケーブル端部(11)における連続延長部分(12)をさらに備える、請求項4に記載の魚籠の観察システム。
【請求項6】
前記連続延長部分(12)が、前記浮輪上の前記第1の点と前記第2の点との間の第3の点まで延びて、
第3の弾性スタッグライン(43)が前記第1の点において前記浮輪に取り付けられ、前記延長部分(12)のほぼ中間点に第3のシャックル(46)が設けられ、前記主径間(10)及び前記延長部分(12)を備える前記水面ケーブル(1)全体が水槽内に伸びる、請求項5に記載の魚籠の観察システム。
【請求項7】
前記水面ブイ(2)が、前記水面ケーブル(1)の前記主径間(10)と係合するように構成される電動駆動輪(21、22)のセットを備え、
前記駆動輪(21、22)が、前記主径間(10)に沿って前記水面ブイ(2)を前記主径間(10)上の所望の位置に移動させるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の魚籠の観察システム。
【請求項8】
前記駆動輪(21、22)のうち少なくとも一方が他方の前記駆動輪(21、22)に対して移動可能であり、かつ前記主径間(10)から取り外し可能であるように構成される、請求項7に記載の魚籠の観察システム。
【請求項9】
前記水面ブイ(2)には少なくとも1つの誘導軌道(24)が設けられ、
前記誘導軌道(24)は、前記主径間(10)を前記駆動輪(21,22)に向かって誘導し、前記主径間(10)に対する前記水面ブイ(2)の方向安定性を実現するように構成される、請求項7又は8に記載の魚籠の観察システム。
【請求項10】
前記観察ユニット6が、ハウジング(61)内又は前記ハウジング(61)において設けられる、
・魚の画像を記録するように構成されるカメラ、
・魚の画像を記録するか、又は魚の位置を決定するように構成される超音波プローブ(65)、
・魚の位置を検出して決定し、魚に付着する生物の位置を検出して決定する、のうちの少なくとも1つを実行するように構成されるレーザー(66)、
・塩分計、酸素飽和度計、音響センサ又は生体センサなどの水文計測器、
の光学ユニット(65,66)うち少なくとも1つを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の魚籠の観察システム。
【請求項11】
少なくとも1つの前記光学ユニット(65,66)が、垂直面及び水平面において制御可能である、請求項10に記載の魚籠の観察システム。
【請求項12】
前記水面ケーブル(1)の第2の端部(11)と前記ノードケーブル(5)の前記上端部(51)との間に信号/電気旋回装置(34)があり、
前記巻上ウィンチ(3)における信号/電気旋回装置(34)における信号/電流伝送に対して構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の魚籠の観察システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽の水中観察ユニットに関するものであり、吊り下げられた観察ユニットは、水面ブイ上の巻上ウィンチによって移動することができ、水面ブイは、浮輪上の2点間で海面を横切って伸びる主径間に沿って移動することができる。より具体的には、ウィンチからのノードケーブルはねじり耐性があり、例えば方位面におけるウィンチの回転による、その垂直軸線周りのケーブルの回転が、観察ユニットを所望の方位角に制御する。観察ユニットを主径間に沿って間接的に移動させることができ、また、ユニットを昇降させてその方位角を制御することができることにより、観察ユニットをタンクのあらゆる場所に非常に柔軟な方法かつ簡単な設備で移動させることができる。システム全体を容易に取り付け、使用し、その後取り外して他のタンクで使用することができる。
【背景技術】
【0002】
水槽内の魚を観察するための多くの技術的解決策が当技術分野で知られている。これらのいくつかは特許文献に記載されている。
【0003】
本出願人は、水槽で使用するために特許文献1、発明の名称「Device and Method for eliminating parasites on fish」を保有している。これは、寄生虫を損傷させるために、パルス、レーザパルスを出射するように構成される光源と通信する制御ユニットと通信するカメラによって達成される。制御ユニットは、定められた座標系内で光学認識システムを制御し、魚の皮膚上にいる寄生虫に典型的なコントラスト差を示す位置を決定し、位置の座標をリアルタイムで更新し、決定した位置の座標が魚の光源のヒット位置の座標と一致するときに光源からの光パルスを誘発するように構成される。このようにして、サケジラミを死滅させ、又は傷つける。
【0004】
特許文献2には、可変浮力フロートに取り付けられる給餌供給源と、可変浮力フロートとマウント構造との間に接続される可撓性要素と、を備え、可撓性要素が可変浮力フロートとマウント構造との間で弧を描いてぶら下がるように構成されている水産養殖給餌器具が記載されている。調節可能な浮力を有する給餌器具により、水中の様々な深さで養殖水生動物に飼料を分配することができる。フロートの浮力は、フロートとマウント構造との間に円弧状に連結された可撓性要素の重量分布を変化させる間に、当該フロートの浮上深さを調整するように調整される。
【0005】
特許文献には、水槽内のカメラ、検出器又は測定設備のための位置決め装置が記載されている。この設備は、タンクの上部周辺を介してウィンチまで延在する2つ以上のロープで吊り下げられている。この設備は、連動して作動するとともに浮輪に取り付けられるウィンチを使用して配置される。
【0006】
特許文献には、水槽内の魚の移動を登録する装置及び方法が記載されており、カメラハウジングはワイヤ及びプーリによって水面上で昇降可能なケーブルに吊り下げられ、タンクの縁部にウィンチが設けられている。
【0007】
特許文献には、魚の大きさを計算するシステム及び方法が開示されている。また、観察システムをタンク内に昇降させるウィンチが開示されている。タンクの柵からタンク中央のブイまで延在するロープに剛性ロッドが吊り下げられている。
【0008】
特許文献には、密閉型エンジンを搭載した水中ウィンチが記載されている。
【0009】
特許文献7、発明の名称「Inspection system for underwater structures and having a positioning device」は、観察器具の位置決め装置を示し、この器具は連続した調整可能な垂直伸縮ロッドによって異なる水深まで上下に移動し、トラックとロールによって誘導されるキャリッジとの結合によって水平方向に移動することができる。観察ユニットは、少なくとも水平空間軸線(RM)周りを回り、光学カメラ軸線(KA)と直角を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】ノルウェー特許第331345号明細書
【文献】国際公開第2016/063033号
【文献】ノルウェー特許第300401号明細書
【文献】ノルウェー特許第330863号明細書
【文献】ノルウェー特許第337305号明細書
【文献】中国特許出願公開第108059102号明細書
【文献】欧州特許第1871658号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の開示では、水中観察設備を確実に方位配置するという課題を解決しない。ノルウェー特許第300401号(特許文献)ではいくつかのウィンチを必要とし、それらを協調的な方法で制御する必要がある。ノルウェー特許第330863号(特許文献)では、垂直軸線周りのいくつかの方向を観察するために、3つの方位角に分布したカメラを必要とする。そのため、設備及びエネルギーの必要量、設備の重量が3倍になるだけでなく、総費用も3倍になる。ノルウェー特許第337305号(特許文献)では、魚の大きさを計算するために、カメラの前を通過する魚に既知の縞模様を投影することを意図している。その欠点は、観察ユニットの方位角の制御が不十分なことである。加えて、水中のハウジングが望ましくない動きをしたり、空気中に延在するワイヤに氷が形成されたりするリスクがある
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、主クレームに定義されるように、水槽の水中観察ユニットであって、
・観察ユニットは、水面ブイにおける巻上ウィンチからノードケーブルで吊り下げられる。
・ノードケーブルは、ねじり耐性がある。
・ノードケーブルの上端部は、水平なドラム軸線を有する巻上ウィンチに巻かれている。
・観察ユニットは、電動で垂直軸線周りに方位角回転するように構成される。
・水面ブイは、電動で水面ケーブルの主径間に沿って移動するように構成され、主径間は、水槽の浮輪の上に伸びるように構成される。
【0013】
本発明のさらなる有益な構成は、従属請求項において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】柵付き浮輪と、水面ケーブルの主径間に沿って移動する水面ブイから吊り下げられ、輪を横切って伸びるコード(タンクが円形であればコード、長方形であれば長方形を横切る線)が形成される観察ユニットと、を有する水槽の斜視図である。水面ケーブルの第2の端部は固定的に取り付けられ、ウィンチが設けられた水面ブイに戻る。水面ケーブルの第1の端部は、タンク縁部の制御ポッドに接続されている。
図2】ウィンチが設けられ、水面ケーブルの主径間に沿って移動するように構成され、巻上ウィンチからねじり耐性ウィンチケーブルに観察ユニットが吊り下げられている水面ブイを示す図である。本発明のこの実施形態では、巻上ウィンチが垂直軸線周りを回転して、ねじれ耐性ノードケーブルが観察ユニットの配向、すなわち方位方向を制御することができる。
図3】水面ケーブル1に沿って移動するように構成される水面ブイ2を示す図である。水面ケーブルの一端部はタンク輪に取り付けられた第2又は第3のスタッグラインからブイに戻る。水面ブイは、水面ケーブルの主径間に沿って移動するように構成されている。駆動輪を閉じて主径間に係合させ、水面ブイを主径間上の所望の位置に再配置する。
図4】水面ケーブル上の水面ブイを示す図であり、駆動輪21、22は開いており、主径間と係合していないので、車輪を主径間から取り外すことができる。
図5】ノードケーブル5とウィンチ3付きブイ2を下方から見た斜視図である。また、軸受32及び旋回装置34も示している。
図6図5と同じ観点から、巻上ウィンチと、ノードケーブル5と、吊り下げられて方位角制御可能な観察ユニット6と、を有するブイを示す図である。図5と類似するように、軸受33及び旋回装置35も示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、水槽の水中観察ユニット6を示し、
・観察ユニットは、水面ブイ2における巻上ウィンチ3からノードケーブル5で吊り下げられる。
・ノードケーブル5は耐ねじれ性がある。
・ノードケーブル5の上端部は、水平なドラム軸線を有する巻上ウィンチ3に巻かれている。
・観察ユニット6は、電動で垂直軸線周りに方位角回転するように構成される。
・水面ブイ2は、電動で水面ケーブル1の主径間10に沿って移動するように構成され、主径間10は、水槽の浮輪9を横切って伸びるように構成される。
【0016】
水面ケーブル1は、タンク9内の海面に浮くか、又はほぼ浮くように構成されているため、このように表記されている。したがって、ケーブルは弱い浮力を受けるか、又は水中で中立であるか、又は弱い負の方向の浮力を受ける。図1及び図2には、誘導軌道24が設けられており、主径間10を駆動輪(図4に示す)に向かって誘導する本発明の一実施形態を示している。このようにして、水面ケーブル1にかかる張力が有利に小さくなり、ケーブルは、ケーブルの管理を簡単にし、シャックル及びスタッグラインによって水面ケーブルを所定の位置に簡単に取り付け及び固定するために、かなり柔軟にすることができる。
【0017】
本発明の実質的な利点は、水面ブイ2及びケーブル1が海面に配置され、水面ブイ2がタンク(浮輪)9の第1の取付点と第2の取付点との間で空気中に延在することのない水面ケーブル1の主径間10に沿って前後に移動できるように構成されているため、氷が形成される機会が限られることである。本明細書において、水面ブイ2は水面に浮いており、それは主にタンク9の各端部の取付具によって吸収され得る縦方向の力(及び漂流力)である。その結果、水面ケーブル1(水中では重量が0又は非常に小さい)は、輪9における取付点である第1の点及び第2の点において大きな張力を受けるのみである。
【0018】
本発明の一実施形態を図1に示す。観察ユニット6がねじれ耐性ノードケーブル5で吊り下げられ、電動観察ユニット6が垂直軸線周りに方位角回転するように構成されているこの実施形態の利点は、観察ユニット6がねじれ耐性ノードケーブル5に安定した制御可能な方位方向で吊り下がっていることである。
【0019】
観察ユニット6をねじれ耐性のないケーブルで吊り下げ、観察ユニット6を所望の方向に回転させるためにスラスタを設けることはよく知られている。このプロセスは不安定であり、制御が困難であり、設定が複雑であり、頻繁に垂直軸線周りに望ましくない旋回回転運動が生じる。
【0020】
観察ユニット6を垂直軸線周りに旋回可能にするには、少なくとも2つの異なる方法がある。巻上ウィンチ3で上昇させるか、又は観察ユニット6のハウジング(図6に示す)で下降させることである。一実施形態では、観察ユニット6は電動で垂直軸線周りに方位角回転するように構成され、巻上ウィンチ3は、電動で水面ブイ2に設けられる垂直軸線を有する軸受(図5に示す)に取り付けられ、観察ユニット6のハウジングは、ノードケーブル5の下端部に対して密閉されている。したがって、巻上ウィンチ3が軸受において方位角回転するとき、方位角的に固着されたハウジングを有するねじれ耐性ノードケーブル5を含む巻上ウィンチ3全体が一体となって回転し、観察ユニット6は、既知の所望の方位方向、すなわちコンパスの所望の点を観察することができる。ハウジング61内の他の機構及び/又は電子機器は、垂直面における観察ユニット6の傾斜を制御することができる。この実施形態の実質的な利点は、巻上ウィンチ3自体が方位角回転可能であること、及び観察ユニット6のハウジングがノードケーブル5の最下部に堅固にかつ密閉されて取り付けられていることである。図2を参照すると、この実施形態がもたらす重要な利点は、水面おける静水圧がより低いことである。さらに、ハウジング内に信号/電流旋回装置(図6に示す)を有する軸受(同じく図6に示す)におけるノードケーブル5の下端部52における防水電流/信号伝送と比較したとき、ウィンチ3のドラムに巻かれたノードケーブル5の上端部51に対する電流/信号旋回装置(図5に示す)における電流/信号伝送のためのノードケーブル5の上端部51間の接続を効率的に加圧密閉することが容易になる。前者の場合、静水圧が水面付近の場合よりも著しく高く、より水に曝される。
【0021】
図2に示す代替実施形態では、方位機構が低く構成され、観察ユニット6が電動で垂直軸線周りに方位角回転するように構成され、巻上ウィンチ3が固定化され、観察ユニット6のハウジングがノードケーブル5の下端部52において垂直軸線を有する軸受に取り付けられている。次いで、ノードケーブル5の下端部51に電流/信号伝送を有する図6の防水旋回装置に加えて、ノードケーブル5上でハウジングを回転させるように構成されるエンジンが設けられている。
【0022】
一実施形態(図1に示す)では、水面ケーブル1の主径間10は、2つの弾性スタッグライン41、42によって、浮輪9上の第1点と第2点との間に伸びている。第1の弾性スタッグライン41は、第1の点において浮輪9に取り付けられ、主径間10の第1の端部に第1のシャックル44が設けられている。第2の弾性スタッグライン42は、第2の点において浮輪9に取り付けられ、主径間10の第2の端部に第2のシャックル45が設けられている。
【0023】
一実施形態では、第2のシャックル45は、水面ケーブル1に沿って移動可能に構成され、主径間10が横切る構造物が円形であるか長方形であるかに応じて主径間10の長さを所望の長さに調整することができる。次いで、水面ケーブル1の主径間10は、円形タンクの直径までコードとして伸び、又は長方形タンクを横切る所望の線として伸びる。
【0024】
一実施形態では、水面ケーブル1の第1の端部13は、第1のシャックル44を越えて延び、タンク輪9の制御ポッド7に導入されて接続されることになる。図1参照。
【0025】
さらに図1及び図2を参照すると、一実施形態では、水面ケーブル1は、主径間10に加え、主径間10の第2の端部及び第2のシャックル45を越えて延びて水面ブイ2に戻る、ケーブル端部11における連続延長部分12も備える。この構成の実質的な利点は、水面ブイ2が水面ケーブル1の主径間10に沿って移動し、電気エネルギーの供給、電気信号の伝送及び可能な光接続のすべてが同じケーブルを介して行われることである。
【0026】
この種のシステムでは、水面ブイ2が水面ケーブル1の第2の端部11に固定的に取り付けられ、当該水面ブイ2が同じケーブル1に沿って移動する間に、制御ポッド7から同じ水面ケーブル1を介してエネルギー及び信号を受け取ることが可能である。
【0027】
水面ケーブル1の「第1の端部」と表記する部分の長さは、タンクのオペレータが制御ポッド7と第1のシャックル44との間で所望の長さに調整することができ、これにより適切な長さの延長部分12を構成し、ブイ2が主径間10全体に沿って自由に移動することができる。したがって、一実施形態では、第1のシャックル44及び第2のシャックル45は、水面ケーブル1に沿って摺動可能であり、主径間10を区切り、水面ケーブル1上の位置が決定すると固定されるように構成される。
【0028】
一実施形態では、連続延長部分12は、浮輪9上の第1の点と第2の点との間の第3の点まで伸びて、第3の弾性スタッグライン43が第1の点において浮輪9に取り付けられ、延長部分12のほぼ中間点に第3のシャックル46が設けられ、これにより主径間10及び延長部分12を備える水面ケーブル1全体が水槽内に伸びる。図1参照。
【0029】
この実施形態では、タンク内に伸びる単一の水面ケーブル1が必要である。水面ブイ2が移動する主径間10を構成するコードを伸ばすケーブルと同じケーブルであればよく、水面ブイ2は、水面ケーブルの第2の端部11を介してガルバニック及び光学的に接触する。加えて、エネルギー供給及び光信号又は電気信号伝送を水面ブイから確実に行うためのバッテリ操作又は同様の脆弱なソリューションは必要ない。
【0030】
提示した観察ユニット6は、異なる水槽に容易に移動することができる。タンク縁部に設備を永久的に取り付ける必要はない。代わりに、第1のスタッグライン41、第2のスタッグライン42及び第3のスタッグライン43を所望の位置でタンク縁部に取り付ける。制御ポッド7はデッキ上に保持され、好ましくはクレーンによって水面ブイ2が持ち上げられ、主径間10上の駆動輪41、42と係合する。水面ケーブル1及び水面ブイ2からのすべての力は、タンク縁部に弾性的に接続されるシャックル44~46を介して伝達する。これにより、設備を現場間で非常に容易に移動させることができ、シャックル及びスタッグラインのみによってタンクにおけるブイの位置を微調整することが可能になる。さらに、水面ブイ2の大部分が水中にあるため、氷の形成も問題にならない。これはウィンチ3、ノードケーブル5及び観察ユニット6についても同様であるが、水面ケーブル1は海面に沿って伸びている。
【0031】
本発明の一実施形態では、水面ケーブル1の他端部11からブイ2のハウジング内に、制御ポッド7と電動輪(図4に示す)との間にエネルギー及び信号接続が設けられて、水面ブイ2を主径間10に沿って前後に移動させる。また、ウィンチ3を電動化し及び巻上ウィンチ3の垂直軸線周りの回転の方位制御を電動操作するためのエネルギー及び信号接続が設けられる。
【0032】
したがって再び図1を参照すると、図1に示す制御ポッド7は、以下のために水面ケーブル1を介してタンクにエネルギー及び制御信号を供給する。
・タンクの海面に沿って伸びる主径間10に沿って水面ブイ2を所望の位置に移動させる。
・巻上ウィンチ3を操作して観察ユニット6を所望の深さまで昇降させたり、又は完全に巻き上げたりする。
・観察ユニット6を所望の方位方向に回転させる。
・ノードケーブル5を介したエネルギー及び制御信号により、観察ユニット6内の設備及び光源を操作する。
・ノードケーブル5を介したエネルギー及び制御信号により、設備及び光源を垂直面内に配向させる。
【0033】
図3及び図4に関して、一実施形態では、水面ブイ2は、水面ケーブル1の主径間10と係合するように構成される電動駆動輪21、22を備え、駆動輪21、22は、主径間10に沿って水面ブイ2を主径間10上の所望の位置に移動させるように構成されている。駆動輪は、主径間10に当接する2つの駆動ベルトとして構成することができる。主径間10上の駆動輪のグリップは、特にこれらが駆動ベルトとして構成されているため、水面ブイの方位方向をある程度安定させる。
【0034】
一実施形態では、駆動輪21、22のうち少なくとも一方は、他方の駆動輪21、22に対して移動可能であり、かつ主径間10から取り外し可能であるように構成される。
【0035】
一実施形態では、水面ブイ2には少なくとも1つの誘導軌道24(図3及び4にも示している)が設けられ、誘導軌道24は、主径間10を駆動輪21、22に向かって誘導し、主径間10に対する水面ブイ2の方向安定性を実現するように構成されている。一実施形態では、誘導軌道24は、水面ブイ2の頂部を横切って、好ましくは海面の真上又は海面に延在する。図示の実施形態では、水面ブイは主に垂直方向に円筒形であり、やや平坦な頂部を有する。図示の実施形態は、誘導軌道24及び駆動輪21、22間に氷が形成されるのを概ね回避する。なぜなら、これらは波によって頻繁に洗浄され、氷が形成されそうな場合には、水面ブイ2を主径間10に沿ってゆっくりと移動させることができるからである。
【0036】
図6の実施形態では、観察ユニット6は、ハウジング61内又はハウジングにおいて設けられる以下の光学ユニット65、66のうちの少なくとも1つを備える。
・魚の画像を記録するように構成されるカメラ(図6では見えない)。
・魚の画像を記録するか、又は魚の位置を決定するように構成される超音波プローブ65。
・魚を照射し、魚の位置を検出して決定し、魚に付着する生物の位置を検出して決定し、魚に付着する微生物を照射して殺す、のうち少なくとも1つを実行するように構成されるレーザー66。
・魚を照らすように構成される光源(図6では見えない)、例えばLED光源。
・塩分計、酸素飽和度計、音響センサ、生体センサなどの水文計測器(図6では見えない)。
【0037】
一実施形態では、少なくとも1つの光学ユニット65、66は、垂直面及び水平面において制御可能である。
【0038】
このような設備を観察ユニット6に設置することにより、観察ユニットをタンク内の所望の位置に、かつこの位置で所望の深さに制御することができ、得られた所望の位置からタンクの全容積に完全にアクセスするようにセンサを所望の方向に向けることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6