(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】塩化アルミニウム水和物を熱分解して酸化アルミニウムにする工程および設備
(51)【国際特許分類】
C01F 7/306 20220101AFI20231225BHJP
【FI】
C01F7/306
(21)【出願番号】P 2021572846
(86)(22)【出願日】2019-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019065025
(87)【国際公開番号】W WO2020244782
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521535881
【氏名又は名称】メッツォ オウトテック フィンランド オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フォン ガルニエ、 アグネス
(72)【発明者】
【氏名】ペランダー、 リーナス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、 ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥルム、 ペーター
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-055499(JP,A)
【文献】特開昭54-117397(JP,A)
【文献】特表昭59-500811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
120℃ないし400℃の温度に加熱して分解炉内で塩化アルミニウム水和物を部分分解し、その後、該部分分解された塩化アルミニウム水和物を焼成炉内にて850℃ないし1200℃の温度で酸化アルミニウムに焼成することによって、塩化アルミニウム水和物を熱変換して酸化アルミニウムおよび塩化水素ガスにする工程であって、前記塩化アルミニウム水和物は、ミキサ内で塩化アルミニウム水和物と酸化アルミニウムの質量比が1:1ないし10:1で酸化アルミニウムと混合され、結果として生じる混合物は流動床反応炉である分解炉に供給されることを特徴とする工程。
【請求項2】
請求項1に記載の工程において、前記焼成で得られた前記酸化アルミニウムの少なくとも一部は、前記分解に向けた再循環がなされることを特徴とする工程。
【請求項3】
請求項2に記載の工程において、前記再循環される酸化アルミニウムは、前記分解炉内で600℃ないし1100℃の温度であることを特徴とする工程。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の工程において、前記分解で生じた前記酸化アルミニウムの少なくとも一部を再循環させて前記分解に供することを特徴とする工程。
【請求項5】
請求項4に記載の工程において、前記ミキサ内における前記混合で再循環される酸化アルミニウムは、100℃未満の温度であることを特徴とする工程。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の工程において、前記塩化アルミニウム水和物は、前記ミキサに供給される前に砕塊機および/または乾燥機を通り抜けることを特徴とする工程。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の工程において、前記焼成は、流動床炉および/またはロータリーキルン内で遂行されることを特徴とする工程。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の工程において、分解および/または焼成は、循環流動床内で行われることを特徴とする工程。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の工程において、前記分解では蒸気および/もしくは空気が添加され、ならびに/または、前記焼成では空気および/もしくは燃料が添加されることを特徴とする工程。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の工程において、前記
分解および前記焼成でそれぞれ発生するオフガスは、前記分解および前記焼成からオフガス処理に向けた移送が別々に行われることを特徴とする工程。
【請求項11】
請求項10に記載の工程において、前記オフガス処理は、冷却ステップおよび/または洗浄ステップおよび/または吸収ステップを含むことを特徴とする工程。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の工程において、前記混合は、ミキサ内で刃ならびに/またはプラウシェアおよび/もしくはパドルを用いて実行されることを特徴とする工程。
【請求項13】
請求項1ないし
12のいずれかに記載の工程において、前記ミキサ内での滞留時間は1分超であることを特徴とする工程。
【請求項14】
塩化アルミニウム水和物を分解する分解炉と、前記部分分解された塩化アルミニウム水和物を焼成して酸化アルミニウムにする焼成炉とを有する塩化アルミニウム水和物を熱変換して酸化アルミニウムおよび塩化水素ガスにする設備であって、該設備は、刃ならびに/またはプラウシェアおよび/もしくはパドルを含み前記塩化アルミニウム水和物を酸化アルミニウムと混合させるミキサを有し、該ミキサ内で結果として生じる混合物は流動床反応炉である前記分解炉に供給されることを特徴とする設備。
【請求項15】
請求項
14に記載の設備において、前記分解炉は前記材料を第1の温度に加熱することができるように構成され、前記焼成炉は前記材料を第1の温度より高い第2の温度に加熱するように構成されていることを特徴とする設備。
【発明の詳細な説明】
【詳細な説明】
【0001】
本発明は、120℃ないし400℃の温度に加熱して分解炉内の塩化アルミニウム水和物を部分分解し、その後850℃ないし1200℃の温度で焼成炉内の部分分解された塩化アルミニウム水和物を酸化アルミニウムに焼成することによって、塩化アルミニウム水和物を熱変換して酸化アルミニウムおよび塩化水素ガスにする工程およびその関連設備に関するものである。
【0002】
酸化アルミニウムは、高純度のものであっても、多くの場合塩化アルミニウム水和物から生成される。
【0003】
この反応では、塩化アルミニウム水和物はレクタ内でアロサーマル式の加熱がなされ、分解反応
AlCl3・6H2O → 0.5Al2O3+3HCl+4.5H2O
が発生する。
【0004】
副生成物としてHCl富化ガスが生成される一方で、塩化アルミニウム水和物は少なくとも一部が酸化アルミニウムに分解される。このような酸化アルミニウムは、例えば国際公開第83/04017号に記載されているように、より高い反応温度で焼成を実行する第2の反応器に移送される。
【0005】
しかしながら、二段加熱は高エネルギーを要する工程である。ゆえに、最新鋭技術、具体的にはオーストリア国特許第315207号および国際出願番号第PCT/EP2017/082226号から、高温の生成物を第1の分解ステップで再利用することが知られている。これによって、高温の生成物は直接伝熱媒体として、したがって焼成から分解への再生エネルギーとして使用される。
【0006】
しかしながら、このような混合は、熱伝達および物質移動が非常に良好であることを要する。さらに、熱伝達率および物質移動率が良好であることは、エネルギー必要量の削減にも必要となる。
【0007】
他方で、上述した工程に使用可能な反応炉の型式数は極めて限定される。なぜならば、供給物質である塩化アルミニウム六水和物(ACH)はそれ自体、処理が困難と知られている凝集物質だからである。塩化アルミニウム六水和物は、吸湿性があり凝集体を形成しやすい。上流工程から小さな凝集体として移送されてくる場合にはなおさらのことである。さらに、ACHは低温で急速に分解が始まり、湿気に晒されると加水分解する。このような理由により、熱伝達率および物質移動率が良好な反応炉の型式を使用することができず、特に、流動床反応炉を手軽に使用することができなかった。
【0008】
ゆえに、本発明の根底にある課題は、熱伝達率および物質移動率が良好な、とりわけ流動床式の反応炉を使用できるようにすることである。
【0009】
かかる問題は、請求項1に係る工程によって解決される。
【0010】
このような、塩化アルミニウム水和物を熱変換して酸化アルミニウムおよび塩化水素ガスにする工程は、120℃ないし400℃、好ましくは150℃ないし380℃の温度に加熱することによって、分解炉内にある塩化アルミニウム水和物を分解する第1のステップを特徴とする。最も好適なのは、250℃~350℃の範囲である。なぜならば、約350℃の温度で分解反応が終了して、焼成済みのアルミナが得られるからである。さらに、不要な入熱を避けるべく、第2の反応炉内で熱処理を行うことが好ましい。
【0011】
第2のステップ、いわゆる焼成では、部分分解された塩化アルミニウム水和物を850℃ないし1200℃の温度にまで加熱して、所望の生成物を作り出す。
【0012】
本発明の根底にある本質的な着想は、第1のステップの前に塩化アルミニウム水和物をインテンシブミキサ内で酸化アルミニウムと混ぜ合わせることである。塩化アルミニウム水和物と酸化アルミニウムの質量比は、1:1ないし10:1の間、好ましくは2:1ないし6:1の間であり、これは混合物が凝集体を形成することを防止する範囲である。その後、結果として生じる混合物は、好ましくは流動床反応炉である分解炉内に供給される。
【0013】
ミキサは、流動性があり運搬可能性および流動可能性に優れた固体物の供給流を確実に生成する。これが必要とされるのは、ACHは、流動性のある状態ではなく小さな(10mm未満)または大きな凝集体を含有する粘着性粉体として受け取られると見込まれるからである。工程全体において塊体の流動性が十分であることを要し、とりわけ、設備に対して安定して制御可能な供給をすること、および第1の反応炉での処理を確保する。
【0014】
これは、流動床反応炉として構成された分解炉を有する装置にとって、とりわけ重要である。なぜならば、他の方式では流動床を生成できないからである。
【0015】
好適な実施形態では、焼成を経て移送される酸化アルミニウムの少なくとも一部は、分解および/またはミキサに向けた再循環がなされる。これによって、再利用材料を伝熱媒体として使用できることになり、第1の分解ステップで必要とされるエネルギーを削減することができる。特に好適な実施態様は、分解部またはミキサに送入するこのような再利用生成物が、一般に600℃ないし1100℃、好ましくは700℃ないし1000℃、そして最も好ましくは750℃ないし900℃の温度である唯一の熱源であり、外部エネルギーを分解に用いる必要がないものである。
【0016】
ミキサ内での混合は、請求項1に関連して説明される技術的効果、すなわち凝集化の回避が同時に得られる利点がある。しかしながら、高温の材料を用いて混合するときに、HClの含有量が相対的に高い蒸気が生成される。結果として、ミキサ内での激しい混合により、ミキサの下流では、またはミキサ内部を含んださらなるガス浄化が必要とされる。
【0017】
ゆえに、分解炉内では直接的に高温焼成された材料を再利用する一方で、ミキサ内には冷却材が加えられる。これによれば、さらなる再利用導管を要する点では不利になるが、オフガスの後処理は不要になる。
【0018】
再利用材料は、容器または他の任意の種類の貯蔵所を供給源としてもよい。しかしながら、添加される酸化アルミニウムは、工程成果物に由来するものでもあり、分解および/または焼成を経たものを回収することが好ましい。分解からの再利用には、成果物が低温であり、蒸気を生成せず混合物に添加するために広範囲の冷却を必要としないという利点がある。もしも酸化アルミニウムが焼成からの再利用であるならば、直接の再利用ではなく、焼成後に見込まれる少なくとも1つの冷却過程から再利用することが好ましい。
【0019】
それぞれの場合、ミキサ内に添加される酸化アルミニウムは、混合物の送入口において100℃未満、好適には0℃ないし60℃、およびより好適には40℃未満の温度である。そのため、蒸気の生成を確実に防止する。
【0020】
塩化アルミニウムは、結晶化によって生成される。結晶化後に残留HClを除去し、さらに開放面湿分を低減するには、脱水および/または濾過および/または遠心分離が考えられる。このような過程を経て、塊状固形体は、例えばチェーンもしくはベルトコンベヤ、バケットエレベータまたは他の手段を用いて、本発明に係る工程に移送される。中間貯蔵庫を用いてACHを供給するのであれば、凝集化が生じるおそれが高まる。
【0021】
別のまたは補足的な構成では、塩化アルミニウム水和物は砕塊機を通り抜ける。そのため、供給材が大きな塊状体を含有する場合には、塊状体は好適には平均直径30mm未満に粉砕される。このことは、ミキサによる同時粉砕における必要条件が減少するか、または不要になることを意味する。
【0022】
これに関連して、乾燥機も湿分を低減するものと見込まれる。これによっても同様に、凝集体の形成性向は減少する。
【0023】
一般的には、焼成炉は、伝熱性および物質移動性を良好にする流動床反応炉として構成される。しかしながら、安価で扱いやすい利点があるロータリーキルンを用いてもよい。
【0024】
流動床反応炉の使用に関連して、流動床システムのうち、環状流動床システムおよび特に循環流動床システムは、熱伝達率および物質移動率にも優れると述べざるを得ない。ゆえに、これらは最も好適な反応炉型である。
【0025】
流動床に関しては、多種類に及ぶ流動化ガスが使用可能である。原則としては、空気が最も安価で最も利用しやすいガスである。蒸気を少なくとも分解時に流動化ガスとして使用すると、共沸点を上回る混合オフガスが酸回収用に(より安価で)得られるという利点がある。しかしながら、酸の後処理に費用がかかる圧力スイング吸収または湿式洗浄を用いると、蒸気の供給にかかる費用を抑えることができる。
【0026】
さらに、焼成のため燃料を添加して、内燃により必要なエネルギーを供給することができる。気体燃料を用いる場合、その燃料は流動化ガスの一部であってもよい。(気体または液体の)燃料の燃焼が焼成炉内で発生する場合、良好な固体混合ならびに二次的および/または三次の空気浸透を反応炉の中央部分まで確実に行うことによって、必要な燃焼条件を確立することが重要となる。
【0027】
オフガスの処理に関しては、通常は少なくとも90wt%の生成された塩化水素を含有するオフガスは、それぞれの酸濃度が異なるため、分解および焼成からオフガス処理に向けての移送を別々に行うことが好ましい。
【0028】
さらに、オフガスは、好ましくは水を用いて冷却されるべきである。これによって塩酸が生成され、この塩酸は別の過程で処分または使用される。冷却域は、焼成炉に連結することができる。
【0029】
これに関連して、塩酸を冷却から浸出ステップに移送することがとりわけ有効である。なぜならば、このような浸出は、概して塩化アルミニウム水和物を生成する前段階として行われるからである。さらに、(湿式)洗浄を行うことができる。
【0030】
代替的または補足的な実施態様では、オフガス処理は、有効なガス洗浄として、少なくとも1つの吸収ステップを含む。
【0031】
混合は、ミキサ内で刃ならびに/またはプラウシェアおよび/もしくはパドルを用いて実行することが好ましい。これにより、含有凝集体は刃によって粉砕され、他方ではプラウシェアおよび/またはパドルによって完全な混合が確実になされる。典型的なミキサの型式は、2軸パドルミキサまたはプラウシェアミキサである。
【0032】
プラウシェアおよび/またはパドルに加えて刃を有するミキサでは、刃はプラウシェアの少なくとも2倍、好適には5倍超、さらに好適には8倍超、とりわけ好適には10倍超速く回転することが好ましい。これにより、凝集体を十分に粉砕するとともに優れた混合を実現することができる。
【0033】
さらに、ミキサ内で少なくとも1分間、好ましくは1~5分間、最も好ましくは1~3分間の滞留時間をとると、結果物の質が向上する。
【0034】
本発明は請求項15の構成を含む設備にも及び、特に請求項1ないし14のいずれかに記載の工程を実行する。
【0035】
このような、塩化アルミニウム水和物を熱変換して酸化アルミニウムおよび塩化水素ガスにする設備は、塩化アルミニウム水和物を分解する分解炉と、焼成炉とを有する。両反応炉は、相互に隔てられている。請求項に係る設備の本質的な要素は、分解炉の上流側にあると考えられるインテンシブミキサである。その内部では、塩化アルミニウム水和物は酸化アルミニウムとともに、好ましくは塩化アルミニウム水和物と酸化アルミニウムの比が1:1ないし10:1の質量比で混ぜ合わせる。さらに、分解炉は、新規な設備構成の結果として配設可能となる流動床反応炉であり、これによって凝集を確実に防ぐ。
【0036】
分解炉は材料を第1の温度に加熱するように構成される一方で、焼成炉は材料を第1の温度よりも高い第2の温度に加熱するように構成される。
【0037】
本設備に関連して説明したいかなる構成も、本工程に対して適用および/または使用することができ、そしてその逆の適用および/または使用も可能である。当然ながら、これに対応する変形がなされ、対応する便益が提供されることとなる。
【0038】
本発明のさらなる目的、構成、利点および用途は、添付図面についての下記の説明から明白になるであろう。説明および/または描写された構成はすべて、それら自体でまたは任意の組合せで、個々の請求項またはその従属請求項に定義されているかにかかわらず、本発明の対象を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明の根底にある主要な構造を示す。湿潤塩化アルミニウム水和物は、導管111を介してミキサ110に移送され、ミキサ110では、導管112を介してミキサ110に送入される酸化アルミニウムと強く混ぜ合わせる。
【0041】
続いて、固体混合物は導管113を通過して、流動床反応炉として構成されている分解炉120内に送られる。さらに、炉の流動化ガス、好適には蒸気は、導管121を介して移送される。
【0042】
生成されたHCl富化ガスは、必ずではないものの通常はHClを30vol%を超えて含有し、導管123を介してHCl吸収部140に移送される。この吸収場140は、好適には少なくとも2つの領域を構成している。ここで、導管123は好ましくは第1領域に連結される。
【0043】
導管122を介して、通常であれば焼成済みであるAl2O3とAlCl6・6H2Oとの混合物を含有する分解炉120での生成蒸気は、焼成炉130に移送される。その内部には、気体燃料および/または液体燃料が、エネルギー源として導管136を介して送入されることが多い。導管135は、酸素源を焼成炉120内に供給する。導管137を介して、急冷水が加えられる。導管134および138を介して、冷媒、好適には水が、焼成炉130の内外を再循環する。最終成果物である焼成済みのAl2O3は、導管133を介して取り出され、さらに少なくとも1つの冷却場150に送入され、さらに導管152を介して放出される。
【0044】
導管132を介して、多くの場合HClの含有量が7vol%未満であるがこれには限定されないHCl希薄ガスが、HCl吸収室140内、好ましくはその第2領域に移送される。
【0045】
吸収場140が二領域式吸収部として構成されている場合、HCl溶液は導管141を介して回収される一方で、第1のオフガスは導管142を介して回収される。第1領域用のプロセス用水が導管143を介して添加され、導管144を介して回収される。冷却水は導管145によって注入され、導管146を介して回収される。HCl吸収装置140の第2領域からは、導管147を介してオフガスが回収され、その一方で導管148を介してプロセス用水が添加される。冷却水は導管149および151を介して再循環される。
【0046】
エネルギー効率が増大するよう、導管131を介して、焼成炉130から生成物の一部が分解炉120内へ移送されることが好ましい。あるいは、不図示ではあるが、Al2O3の回収を1回だけ行い、この回収による分解炉120内に至る再利用流が分岐するようにしてもよい。
【0047】
本発明の好適な実施態様では、導管112を介してミキサ内に添加される酸化アルミニウムは、下流にある装置からの生成物流の一部である。特に一例として、冷却場150からの生成物の一部は、導管153を介して回収され導管112内に供給されることが示されている。
【0048】
図1には示していないが、補足的または代替的に、分解炉および/または焼成炉130から生成物の一部を回収することができる。導管122、導管131、導管133および導管152などの、中間または最終生成物を移送するいかなる導管にも分岐を設けるよう考慮することもできる。不図示である少なくとも1つの付加的冷却器によって、再循環流の温度を調節することもできる。
【参照符号】
【0049】
110 ミキサ
111~113 導管
120 分解炉
121~123 導管
130 焼成炉
131~138 導管
140 吸収場
141~149 導管
150 冷却場
151~153 導管