(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】オンラインショッピングモールシステム、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20231225BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20231225BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2022031879
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2019139559の分割
【原出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スリヤラート チャンピッチ
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/109907(WO,A1)
【文献】特開2009-163618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインショッピングモールを管理するオンラインショッピングモールシステムであって、
前記オンラインショッピングモールにおいてユーザが第1商品を注文すると、当該ユーザのユーザ識別情報に関連付けて当該第1商品の配送履歴が格納される配送履歴データベースを記憶するデータ記憶手段と、
前記オンラインショッピングモールシステムと提携する配送業者の配送業者システムから、前記第1商品の配送完了日時を受信して前記配送履歴データベースに格納する格納手段と、
前記配送履歴データベースに基づいて、前記オンラインショッピングモールにおける任意の店舗の任意の第2商品の前記ユーザへの配送が完了しやすい配送日時を推定する推定手段と、
前記オンラインショッピングモールで前記ユーザによる前記第2商品の注文が確定する前の画面に、希望配送日時として前記ユーザが指定できるように、前記配送日時を表示させる表示制御手段と、
を含むオンラインショッピングモールシステム。
【請求項2】
前記オンラインショッピングモールシステムは、複数の前記配送業者の各々の前記配送業者システムと連携し、
前記配送履歴データベースには、互いに異なる前記配送業者が配送する複数の前記第1商品の各々の前記配送履歴が格納され、
前記格納手段は、前記複数の配送業者の各々の前記配送業者システムから、当該配送業者が配送する前記第1商品の前記配送完了日時を受信して前記配送履歴データベースに格納し、
前記推定手段は、前記配送履歴データベースに格納された、前記複数の配送業者の各々の前記配送業者システムから受信された前記配送完了日時に基づいて、前記配送日時を推定する、
請求項1に記載のオンラインショッピングモールシステム。
【請求項3】
前記画面は、前記ユーザにより選択された商品に関する情報と、前記注文の完了を指示するための画像と、を含む注文画面であり、
前記表示制御手段は、前記注文画面に、前記希望配送日時として前記ユーザが指定できるように、前記配送日時を表示させる、
請求項1又は2に記載のオンラインショッピングモールシステム。
【請求項4】
前記オンラインショッピングモールシステムは、前記オンラインショッピングモールにおける買い物かごに、前記ユーザにより選択された商品を入れる買い物かご制御手段を更に含み、
前記表示制御手段は、前記注文画面の前に表示される、前記買い物かごに入れられた商品に関する情報が表示される買い物かご画面にも、前記配送日時を表示させる、
請求項3に記載のオンラインショッピングモールシステム。
【請求項5】
前記推定手段は、互いに異なる複数の前記配送日時を推定し、
前記表示制御手段は、前記画面に、前記希望配送日時として前記複数の配送日時の何れかを前記ユーザが指定できるように、前記複数の配送日時を表示させる、
請求項1~4の何れかに記載のオンラインショッピングモールシステム。
【請求項6】
前記推定手段は、前記配送日時ごとに、配送が完了する確率に関するスコアを計算し、
前記表示制御手段は、前記画面において前記スコア順に並ぶように、前記複数の配送日時を表示させる、
請求項5に記載のオンラインショッピングモールシステム。
【請求項7】
オンラインショッピングモールを管理するコンピュータが、
前記オンラインショッピングモールにおいてユーザが第1商品を注文すると、当該ユーザのユーザ識別情報に関連付けて当該第1商品の配送履歴が格納される配送履歴データベースに、前記オンラインショッピングモー
ルと提携する配送業者の配送業者システムから、前記第1商品の配送完了日時を受信して前記配送履歴データベースに格納する格納ステップと、
前記配送履歴データベースに基づいて、前記オンラインショッピングモールにおける任意の店舗の任意の第2商品の前記ユーザへの配送が完了しやすい配送日時を推定する推定ステップと、
前記オンラインショッピングモールで前記ユーザによる前記第2商品の注文が確定する前の画面に、希望配送日時として前記ユーザが指定できるように、前記配送日時を表示させる表示制御ステップと、
を実行する前記オンラインショッピングモールにおける表示制御方法。
【請求項8】
オンラインショッピングモールを管理するコンピュータを、
前記オンラインショッピングモールにおいてユーザが第1商品を注文すると、当該ユーザのユーザ識別情報に関連付けて当該第1商品の配送履歴が格納される配送履歴データベースに、前記オンラインショッピングモー
ルと提携する配送業者の配送業者システムから、前記第1商品の配送完了日時を受信して前記配送履歴データベースに格納する格納手段、
前記配送履歴データベースに基づいて、前記オンラインショッピングモールにおける任意の店舗の任意の第2商品の前記ユーザへの配送が完了しやすい配送日時を推定する推定手段、
前記オンラインショッピングモールで前記ユーザによる前記第2商品の注文が確定する前の画面に、希望配送日時として前記ユーザが指定できるように、前記配送日時を表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム、配送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受取人の不在による再配送を防止し、荷物の配送を効率化するための技術が検討されている。例えば、特許文献1には、購買に係るサービスの利用においてユーザが指定した配送日時は、ユーザが在宅である可能性が高いものとして、ユーザの在宅可能性を判定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ユーザが商品を確実に受け取るためには、商品の注文時に自身の予定を確認したり、注文時に指定した配送日時に自宅にいるように予定を調整したりする必要があり、注文確定時におけるユーザの利便性を高めることはできなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、商品の注文確定時におけるユーザの利便性を高めることが可能な配送システム、配送方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る配送システムは、複数のユーザの各々に対する荷物の配送完了日時が蓄積されたデータベースを参照する参照手段と、商品の注文が受け付けられる場合に、前記データベースに基づいて、前記商品の配送が完了しやすい配送日時を推定する推定手段と、前記推定手段により推定された配送日時に基づいて、前記商品の配送に関する所定の処理を実行する処理実行手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る配送方法は、複数のユーザの各々に対する荷物の配送完了日時が蓄積されたデータベースを参照する参照ステップと、商品の注文が受け付けられる場合に、前記データベースに基づいて、前記商品の配送が完了しやすい配送日時を推定する推定ステップと、前記推定ステップにより推定された配送日時に基づいて、前記商品の配送に関する所定の処理を実行する処理実行ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、複数のユーザの各々に対する荷物の配送完了日時が蓄積されたデータベースを参照する参照手段、商品の注文が受け付けられる場合に、前記データベースに基づいて、前記商品の配送が完了しやすい配送日時を推定する推定手段、前記推定手段により推定された配送日時に基づいて、前記商品の配送に関する所定の処理を実行する処理実行手段、としてコンピュータを機能させる。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記所定の処理は、注文が確定する前の画面に、前記推定手段により推定された配送日時を、希望配送日時として指定可能に表示させる処理である、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記所定の処理は、注文が確定した場合に、前記推定手段により推定された配送日時を、希望配送日時として前記商品に設定する処理である、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記データベースには、ユーザごとに、配送業者が配送先を訪れた訪問日時と、配送が完了したか不在であったかを識別可能な識別情報と、が関連付けられており、前記推定手段は、前記商品が配送されるユーザに関連付けられた前記訪問日時と前記識別情報とに基づいて、前記配送日時を推定する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記配送システムは、前記商品の配送に要する配送時間を取得する取得手段を更に含み、前記推定手段は、前記データベースと、前記取得手段により取得された配送時間と、に基づいて、前記配送日時を推定する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記推定手段は、前記データベースに基づいて、候補日時ごとに、前記商品の配送が完了する確率に関するスコアを計算し、複数の前記候補日時の各々の前記スコアに基づいて、前記複数の候補日時のうちの少なくとも1つを前記配送日時として選択する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記推定手段は、複数の前記配送日時を選択し、前記所定の処理は、注文が確定する前の画面に、前記複数の配送日時の各々を前記スコアの順番に並べ、希望配送日時として指定可能に表示させる処理である、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様によれば、前記推定手段は、前記データベースに基づいて、前記商品が配送されるユーザに対する配送が完了しやすい曜日及び時間帯を特定し、前記曜日及び前記時間帯に基づいて、前記配送日時を推定する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記配送システムは、前記商品が配送されるユーザの予定を取得する取得手段と、前記商品が配送されるユーザの予定がある日時が前記配送日時として指定されることを制限する制限手段と、を更に含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記推定手段は、前記商品が配送されるユーザが複数の配送先を登録している場合に、前記商品の配送先に応じた前記配送時間を推定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、商品の注文確定時におけるユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】配送システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図5】配送システムで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】ユーザデータベースのデータ格納例を示す図である。
【
図7】配送履歴データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図8】店舗データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図9】商品データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図10】配送業者データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図11】配送システムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
【
図12】配送システムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[1.配送システムの全体構成]
以下、本発明に係る配送システムの実施形態の例を説明する。
図1は、配送システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、配送システムSは、サーバ10及びユーザ端末20を含み、これらは、インターネットなどのネットワークNに接続可能である。なお、
図1では、サーバ10及びユーザ端末20の各々を1台ずつ示しているが、これらは複数台あってもよい。
【0021】
サーバ10は、サーバコンピュータである。サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部及び補助記憶部を含む。例えば、主記憶部はRAMなどの揮発性メモリであり、補助記憶部は、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又はハードディスクなどの不揮発性メモリである。通信部13は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0022】
ユーザ端末20は、ユーザが操作するコンピュータである。例えば、ユーザ端末20は、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータ又はウェアラブル端末を含む)、又はパーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。
【0023】
操作部24は、入力デバイスであり、例えば、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はボタン等である。操作部24は、ユーザによる操作内容を制御部21に伝達する。表示部25は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部25は、制御部21の指示に従って画像を表示する。
【0024】
なお、記憶部12,22に記憶されるものとして説明するプログラム及びデータは、ネットワークNを介して供給されるようにしてもよい。また、上記説明した各コンピュータのハードウェア構成は、上記の例に限られず、種々のハードウェアを適用可能である。例えば、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)や外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)が含まれていてもよい。例えば、情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータが読取部や入出力部を介して、各コンピュータに供給されるようにしてもよい。
【0025】
[2.配送システムの概要]
本実施形態では、オンラインショッピングモールにおける店舗の商品をユーザが注文する場面を例に挙げて、配送システムSの処理を説明する。例えば、ユーザがユーザ端末20を操作してサーバ10にアクセスすると、オンラインショッピングモールのトップページがユーザ端末20に表示される。ユーザは、トップページからキーワードやカテゴリなどの任意の検索条件を入力し、所望の商品を検索する。検索結果の中からユーザが任意の商品を選択すると、当該商品の商品画面がユーザ端末20に表示される。
【0026】
図2は、商品画面の一例を示す図である。
図2に示すように、商品画面G1には、ユーザが選択した商品に関する情報が表示され、例えば、商品画像、商品タイトル(商品名)、商品の特徴が記載された説明文、及び商品の価格(単価)といった情報が表示される。また例えば、商品画面G1には、ユーザが商品の数量を入力するための入力フォームF10と、商品を買い物かごに入れるためのボタンB11と、が表示される。
【0027】
ユーザは、ボタンB11を選択することによって、入力フォームF10に入力した数の商品を買い物かごに入れることができる。買い物かごは、ユーザが注文する意思を示した商品のリストである。別の言い方をすれば、買い物かごは、ユーザが注文する予定の商品のリストである。例えば、ユーザがボタンB11を選択して買い物かごに商品を入れると、買い物かごの中身を示す買い物かご画面がユーザ端末20に表示される。
【0028】
図3は、買い物かご画面の一例を示す図である。
図3に示すように、買い物かご画面G2には、ユーザが買い物かごに入れた商品に関する情報が表示され、例えば、商品のサムネイル画像、商品タイトル、及び価格などの情報が表示される。また例えば、買い物かご画面G2には、ユーザが買い物かごに入れた商品の数が入力フォームF20に表示される。ユーザは、入力フォームF20から商品の数量を変更することもできる。
【0029】
本実施形態では、ユーザが買い物かごに入れた商品の配送方法が、買い物かご画面G2に表示される。
図3の例であれば、買い物かご画面G2には、最短の配送日時が設定された「お急ぎ便」と、過去にユーザが商品を受け取った日時の傾向をもとに、商品を受け取れる確率の高い配送日時が設定された「おすすめ便1」及び「おすすめ便2」と、の3つの配送方法が表示される。
【0030】
「お急ぎ便」の配送日時は、店舗が利用可能な全ての配送業者の中で最短の配送可能日時となっている。配送可能日時は、商品を配送可能な日時である。本実施形態では、各配送業者が独自の配送時間を定めており、配送業者ごとに、配送可能日時が計算される。配送時間は、配送に要する時間であり、例えば、荷物を集荷して配送先に配送するまでに必要な時間である。
【0031】
例えば、サーバ10は、配送業者ごとに、商品を配送可能な最短の日時を計算し、配送可能日時として取得する。配送可能日時は、任意の計算式によって計算されてよいが、本実施形態では、現在日時に対し、店舗が発送に要する時間と、配送業者による配送時間と、が加算された日時とする。「お急ぎ便」の配送日時は、複数の配送業者の中で最短の配送可能日時となっている。なお、配送可能日時は、店舗の営業カレンダー、1日における荷物の発送の締め切り時間、及び商品の在庫情報といった他の要素が考慮されてもよい。
【0032】
「お急ぎ便」の配送日時は、過去にユーザが商品を受け取った日時の傾向に関係なく計算される。このため、「お急ぎ便」は、ユーザが商品を受け取れる確率が低い配送日時が設定されることもある。「お急ぎ便」の配送日時は、「おすすめ便1」及び「おすすめ便2」の配送日時よりも早く、
図3の例では「2019年7月25日木曜日の午前中」となっている。
【0033】
一方、「おすすめ便1」と「おすすめ便2」の各々の配送日時は、過去の傾向を考慮して推定された、ユーザが商品を受け取れる確率の高い日時である。例えば、ユーザが商品を受け取れる確率が最も高いのが「金曜日の夜間」であり、確率が2番目に高いのが「土曜日の午前中」だったとすると、
図3に示すように、「おすすめ便1」の配送時間は、「2019年7月26日金曜日の20時-21時」となり、「おすすめ便2」の配送時間は、「2019年7月27日土曜日の午前中」となる。
【0034】
「おすすめ便1」と「おすすめ便2」の配送日時は、「お急ぎ便」の配送日時よりも遅いが、ユーザが商品を受け取りやすい日時となる。
図3の例では、確率が最も高い「おすすめ便1」の配送日時は、確率が2番目に高い「おすすめ便2」の配送日時よりも前であるが、ユーザによっては、「おすすめ便1」の配送日時が「おすすめ便2」の配送日時よりも後になることもある。更に、ユーザが商品を受け取りやすい日時が1つしかない場合には、「おすすめ便」が1つしか表示されないこともある。一方、ユーザが商品を受け取りやすい日時が3つ以上ある場合には、「おすすめ便」が3つ以上表示されることもある。
【0035】
なお、本実施形態では、
図3に示すように、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の各々の送料が無料である場合を説明するが、これらの送料は有料であってもよい。送料が有料の場合、各配送方法で共通の送料が設定されていてもよいし、配送方法に応じた送料が設定されてもよい。買い物かご画面G2には、送料が最安となる配送方法が表示されてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の各々を担当する配送会社名は、買い物かご画面G2に表示されない。このため、どの配送業者が商品を配送するかをユーザに意識させずに、商品を注文させることができるようになっている。
【0037】
ユーザは、買い物かご画面G2から商品画面G1に戻り、ショッピングを続けることもできる。ユーザが他の商品を買い物かごに入れると、当該他の商品の「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の情報も買い物かご画面G2に表示される。一方、ユーザが買い物かご画面G2のボタンB21を選択すると、買い物かごの商品を注文するための注文画面がユーザ端末20に表示される。
【0038】
図4は、注文画面の一例を示す図である。なお、
図4では、図面のスペースの都合上省略しているが、注文画面G3には、ユーザが注文する商品に関する情報が表示され、例えば、商品のサムネイル画像、商品タイトル、及び価格などの情報が表示される。他にも例えば、ユーザが注文する商品の数を変更するための入力フォームなどが表示されてもよい。
【0039】
例えば、注文画面G3には、ユーザが登録した配送先が表示され、ユーザがボタンB30を選択すると、配送先を変更することができる。また例えば、注文画面G3には、買い物かご画面G2と同様に、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の送料と配送日時が表示される。例えば、ユーザは、ボタンB31~B33の何れかを選択し、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、又は「おすすめ便2」の何れかを指定することができる。
【0040】
なお、ユーザがボタンB30を選択して配送先を変更した場合、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の各々の送料と配送日時が変わることがある。この場合、注文画面G3における「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の表示が変わるようにしてもよい。即ち、サーバ10は、変更後の配送先に基づいて、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の各々の送料と配送日時を再計算し、注文画面G3の表示を更新してもよい。
【0041】
また、ユーザは、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の何れかを指定しなければならないわけではなく、例えば、他の配送日時を指定してもよい。また例えば、ユーザは、ボタンB34を選択することによって、自身で配送業者を指定できるようにしてもよい。また、ユーザは、「お急ぎ便」、「おすすめ便1」、及び「おすすめ便2」の何れかを選択したうえで、選択した配送方法の配送日時を変更してもよい。ユーザは、これらの配送日時の都合が悪ければ、それよりも後の日時を指定することができる。
【0042】
ユーザが注文画面G3のボタンB35を選択すると、商品の注文が完了する。商品の注文が完了すると、店舗の担当者は、ユーザが注文した商品を、ユーザが指定した配送方法で発送する。例えば、ユーザが「おすすめ便1」を選択した場合、店舗の担当者は、「おすすめ便1」が示す配送日時に商品が届くように、商品を梱包して伝票を貼り付けて発送する。「おすすめ便1」を担当する配送業者は、店舗を訪れて商品を集荷し、指定された配送日時に配送先を訪れる。ユーザが「お急ぎ便」、「おすすめ便2」、又は他の配送方法を指定した場合も同様にして、商品が配送される。
【0043】
以上のように、配送システムSは、過去にユーザが商品を受け取った日時に基づいて、ユーザが商品を受け取れる確率の高い配送日時を推定し、「おすすめ便1」や「おすすめ便2」のように表示させることによって、注文確定時におけるユーザの利便性を高めるようにしている。以降、配送システムSの詳細を説明する。
【0044】
[3.配送システムにおいて実現される機能]
図5は、配送システムSで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、配送システムSでは、データ記憶部100、参照部101、配送時間取得部102、推定部103、及び処理実行部104が実現される。本実施形態では、これら各機能がサーバ10によって実現される場合を説明する。
【0045】
[3-1.データ記憶部]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。データ記憶部100は、本実施形態で説明する処理を実行するために必要なデータを記憶する。ここでは、データ記憶部100が記憶するデータの一例として、ユーザデータベースDB1、配送履歴データベースDB2、店舗データベースDB3、商品データベースDB4、及び配送業者データベースDB5について説明する。
【0046】
図6は、ユーザデータベースDB1のデータ格納例を示す図である。
図6に示すように、ユーザデータベースDB1は、複数のユーザの各々に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、ユーザデータベースDB1には、ユーザを一意に識別するユーザID、ユーザの基本情報、買い物かご情報、注文履歴情報、及び推定結果情報が格納される。なお、ユーザデータベースDB1には、ユーザのクレジットカード情報又は閲覧履歴情報などの他の情報が格納されていてもよい。
【0047】
ユーザの基本情報は、ユーザが登録した個人情報であり、例えば、氏名、電話番号、メールアドレス、自宅の住所、及び配送先といった情報である。本実施形態では、ユーザは、複数の配送先を登録することができ、例えば、自宅以外にも、友人宅や勤務先などを配送先として登録することもできる。
【0048】
買い物かご情報は、ユーザの買い物かごの中身に関する情報であり、例えば、買い物かごの商品を取り扱う店舗を一意に識別する店舗ID、当該店舗における商品を一意に識別する商品ID、及び商品の数量が格納される。買い物かご情報は、ユーザが買い物かごに商品を入れたり、買い物かごの商品を削除したりすると更新される。商品の注文手続きを完了すると、買い物かご情報から、注文が完了した商品の情報が削除される。
【0049】
注文履歴情報は、ユーザが注文した商品の履歴に関する情報であり、例えば、注文を一意に識別する注文ID、注文を受け付けた店舗の店舗ID、注文された商品の商品ID、注文された商品の数量、及び、注文された商品の配送に関する情報が格納される。例えば、配送に関する情報としては、伝票番号、発送元、及び配送先等が格納される。なお、
図6のデータ格納例では、ユーザごとに1つの注文履歴情報を示しているが、ユーザが注文するたびに注文履歴情報が生成されてユーザデータベースDB1に格納される。このため、ユーザが複数回の注文をしていれば、その回数だけ注文履歴情報が生成されてユーザデータベースDB1に格納される。
【0050】
伝票番号は、配送対象の荷物を一意に識別する識別情報である。本実施形態では、ユーザが注文した商品が荷物として配送されるので、本実施形態で商品について説明している箇所は、荷物と読み替えることができる。伝票番号は、荷物の配送状況を追跡するために用いられるので、追跡番号と呼ばれることもある。例えば、伝票番号は、荷物に貼り付けられる伝票に印刷され、所定桁数の数値から構成される。伝票番号の桁数は、任意であってよく、例えば、数桁~十数桁程度であってよい。伝票番号の桁数は、配送業者に応じて異なってもよい。伝票番号は、数値以外にも、ハイフン等の記号が含まれていてもよい。
【0051】
例えば、店舗の担当者は、注文を受け付けると商品を梱包し、店舗の端末に対し、商品に貼り付ける伝票に印刷された伝票番号を入力する。伝票は、事前に配送業者から店舗に届けられているものとする。サーバ10は、店舗の端末から入力された伝票番号を注文履歴情報に格納する。なお、伝票番号は、店舗側で入力するのではなく、サーバ10側で自動的に割り当ててもよい。この場合、サーバ10は、利用可能な伝票番号をデータベースで管理しており、注文が受け付けられると、当該注文に対し、空いている伝票番号を割り当てる。サーバ10は、店舗に対し、割り当てられた伝票番号を通知し、店舗の担当者は、当該伝票番号が印刷された伝票を、梱包した商品に貼り付けて出荷する。
【0052】
推定結果情報は、推定部103の推定結果を示す情報である。
図6に示すように、本実施形態では、推定結果情報は、推定部103によりユーザが荷物を受け取りやすいと推定された曜日と時間帯の組み合わせを示す。推定結果情報は、ユーザが荷物を受け取りやすい配送日時を計算可能な情報であればよく、例えば、曜日だけが示されてもよいし、時間帯だけが示されてもよい。他にも例えば、推定結果情報は、平日、週末、祝日、昼間、又は夜間といった大まかな時間が示されてもよい。また例えば、曜日と時間帯の組み合わせごとに、後述するスコアが格納されていてもよい。
【0053】
図7は、配送履歴データベースDB2のデータ格納例を示す図である。
図7に示すように、配送履歴データベースDB2は、複数のユーザの各々に対する荷物の配送完了日時が蓄積されたデータベースである。例えば、配送履歴データベースDB2には、ユーザID、伝票番号、訪問日時、訪問回数、及び配送ステータスが格納される。
【0054】
訪問日時は、配送業者が配送先を訪れた日時である。訪問日時は、配送が完了したか否か(不在であったか否か)に関係なく、配送履歴データベースDB2に登録される。訪問回数は、配送業者が配送先を訪問した回数である。別の言い方をすれば、訪問回数は、訪問日時が示す訪問が、ある荷物を配送するための何回目の訪問であったかを示す数値である。
【0055】
配送ステータスは、配送が完了したか不在であったかを識別するための情報である。配送ステータスは、本発明に係る識別情報の一例である。このため、本実施形態で配送ステータスと記載した箇所は識別情報と読み替えることができる。例えば、配送ステータスは、配送が完了したことを示す値、又は、不在であり配送が完了しなかったことを示す値の何れかとなる。配送ステータスが配送完了を示している訪問日時は、配送が完了した配送完了日時である。
【0056】
サーバ10は、複数の配送業者システムの各々から、商品の配送状況を受信し、配送履歴データベースDB2に格納する。例えば、配送業者の担当者は、配送先を訪問したが不在であり、配送が完了しなかった場合には、自身の端末から、配送が完了しなかった旨の操作を行い、伝票番号、訪問日時、訪問回数、及び配送ステータスが配送業者システムに登録される。また例えば、配送業者の担当者は、配送先を訪問し、配送が完了した場合には、自身の端末から、配送が完了した旨の操作を行い、伝票番号、訪問日時、訪問回数、及び配送ステータスが配送業者システムに登録される。
【0057】
配送業者システムは、サーバ10に対し、登録された伝票番号、訪問日時、訪問回数、及び配送ステータスを送信する。サーバ10は、これらの情報を受信すると、配送履歴データベースDB2に格納する。このように、サーバ10と配送業者システムとの間で、配送履歴データベースDB2に格納される情報の整合性が取られている。サーバ10と配送業者システムの間の情報のやり取りは、任意のタイミングで実行されるようにすればよく、例えば、定期的にポーリングが行われてもよいし、配送業者の担当者が端末を操作して配送状況が更新されるたびに、配送業者システムからサーバ10に情報が送信されるようにしてもよい。
【0058】
図8は、店舗データベースDB3のデータ格納例を示す図である。
図8に示すように、店舗データベースDB3は、複数の店舗の各々に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、店舗データベースDB3には、店舗ID、店舗の基本情報、及び店舗の発送情報が格納される。なお、店舗データベースDB3には、店舗の営業カレンダー、又は、1日における荷物の発送の締め切り時間などの他の情報が格納されてもよい。
【0059】
店舗の基本情報は、店舗が登録した情報であり、例えば、店舗名、運営会社、電話番号、メールアドレス、及び店舗の住所といった情報である。店舗の住所以外の場所から商品が発送される場合には、商品の発送元を識別する情報が基本情報として格納されているようにしてもよい。
【0060】
発送情報は、商品の発送に要する時間に関する情報である。発送情報には、商品の注文を受け付けてから商品を発送するまでに必要な時間(リードタイム)が示される。この時間は、店舗によって任意の数値が指定可能であり、例えば、数十分~数時間程度であってもよいし、1日~十日程度であってもよい。店舗は、荷物の梱包に必要な時間等を考慮して、発送情報の値を指定する。本実施形態では、発送元、配送先、及び荷物タイプの組み合わせごとに、荷物の発送に必要な時間が定義されている。
【0061】
発送元は、荷物を発送する場所であり、例えば、店舗がある場所、又は、店舗の倉庫がある場所である。配送先は、荷物を配送する場所であり、例えば、ユーザの自宅、ユーザの勤務先、又はユーザの友人宅などである。
【0062】
本実施形態では、発送元のエリアと、配送先のエリアと、の組み合わせごとに、荷物の発送に必要な時間が定められている。なお、発送元と配送先は、エリアではなく、住所や郵便番号によって表現されてもよいし、緯度経度情報又は座標情報などの他の情報によって表現されてもよい。また、本実施形態では、エリアが日本の都道府県レベルである場合を説明するが、エリアは、市町村レベルであってもよいし、他の単位で定められていてもよい。日本以外の国であれば、州などの別の単位のエリアであってもよい。
【0063】
荷物タイプは、荷物の特徴である。別の言い方をすれば、荷物タイプは、送料と配送日時の少なくとも一方に影響を及ぼす情報である。例えば、荷物タイプは、商品を梱包した時のサイズ、商品の重量、及び商品に指定される特殊な配送方法などである。特殊な配送方法とは、通常よりも送料や配送時間が必要な配送方法であり、例えば、割れ物又は冷凍品などの配送方法である。
【0064】
なお、発送情報は、発送元と発送先の組み合わせに関係なく、全国共通の値であってもよい。また、発送情報は、荷物タイプに関係なく、全てのタイプの荷物で共通の値であってもよい。更に、発送情報は、発送元と発送先の組み合わせと、荷物タイプと、の両方に関係なく、全ての荷物で共通の値であってもよい。
【0065】
図9は、商品データベースDB4のデータ格納例を示す図である。
図9に示すように、商品データベースDB4は、複数の商品の各々に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、商品データベースDB4には、商品を取り扱う店舗の店舗ID、商品の商品ID、及び商品の基本情報が格納される。なお、商品データベースDB4には、商品の在庫情報、又は、送料無料等のプロモーション情報などの他の情報が格納されてもよい。
【0066】
商品の基本情報は、店舗が登録した商品の詳細情報であり、例えば、商品タイトル、商品画像、カテゴリ、説明文、単価、及び荷物タイプなどが格納される。荷物タイプは、複数の分類が用意されており、店舗の担当者は、商品に対して何れかの分類を指定する。例えば、複数段階のサイズの荷物タイプが用意されており、各商品には、何れかのサイズの荷物タイプが指定される。また例えば、複数段階の重量の荷物タイプが用意されており、各商品には、何れかの重量の荷物タイプが指定される。また例えば、複数種類の配送方法の荷物タイプが用意されており、各商品には、何れかの配送方法の荷物タイプが指定される。
【0067】
なお、本実施形態では、店舗IDと商品IDの組み合わせによって、オンラインショッピングモールの中で商品が一意に識別される場合を説明するが、商品IDだけによって、オンラインショッピングモールの中で商品が一意に識別されてもよい。即ち、商品を一意に識別するための情報は、店舗IDと商品IDの組み合わせでなくてもよく、商品IDだけであってもよい。
【0068】
図10は、配送業者データベースDB5のデータ格納例を示す図である。
図10に示すように、配送業者データベースDB5は、複数の配送業者の各々に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、配送業者データベースDB5には、配送業者を一意に識別する配送業者ID、配送業者の基本情報、及び配送情報が格納される。なお、配送業者データベースDB5には、他の情報が格納されてもよい。配送業者の基本情報は、配送業者の基本的な情報であり、例えば、配送業者名、会社の所在地、又は営業所情報といった情報である。
【0069】
配送情報は、商品の配送に要する送料と配送時間の少なくとも一方に関する情報である。本実施形態では、配送情報が送料と配送時間の両方を示す場合を説明するが、配送情報は、送料だけを示してもよいし、配送時間だけを示してもよい。
【0070】
送料は、配送に必要な手数料である。各配送業者の送料は共通であってもよいし、各配送業者が独自の料金体系で送料を定めていてもよい。例えば、サーバ10は、配送業者ごとに、ユーザが買い物かごに入れた商品の送料を計算してもよい。また例えば、送料が無料の商品ではなくても、購入金額の合計が閾値以上である場合には送料が無料になってもよい。
【0071】
配送時間は、配送業者が荷物を集荷してから配送先を訪れるまでに要する時間(リードタイム)である。配送時間は、日数で示されてもよいし、時間で示されてもよい。
【0072】
配送情報に示される送料や配送時間は、配送業者によって指定された値が格納される。例えば、サーバ10は、複数の配送業者の各々から電子メール等を利用して配送情報を受信し、配送業者データベースDB5に格納する。また例えば、配送業者が直接的に配送業者データベースDB5にアクセスし、自身の配送情報を変更してもよい。
【0073】
本実施形態では、複数の配送業者の各々は、発送元と配送先の組み合わせごとに、送料と配送時間の少なくとも一方を定めている。
図10の例では、発送元のエリアと、配送先のエリアと、の組み合わせごとに、送料と配送時間が定められている。例えば、発送元と配送先の距離が長くなるほど、送料が高くなり、配送時間が長くなるように、配送情報が定められている。
【0074】
また、本実施形態では、複数の配送業者の各々は、荷物のタイプごとに、送料と配送時間の少なくとも一方を定めている。
図10の例では、サイズ、重量、又は配送方法といった荷物タイプごとに、送料と配送時間が定められている。荷物タイプは、配送業者ごとに独自の荷物タイプが定められていてもよいし、全ての配送業者で共通の荷物タイプが定められていてもよい。
【0075】
例えば、荷物のサイズが大きいほど、送料が高くなり、配送時間が長くなるように、配送情報が定められている。また例えば、荷物が重いほど、送料が高くなり、配送時間が長くなるように、配送情報が定められている。また例えば、荷物が特殊な配送方法である場合に、荷物が通常の配送方法である場合よりも、送料が高くなり、配送時間が長くなるように、配送情報が定められている。
【0076】
なお、データ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、本実施形態で説明した画面を表示させるためのデータを記憶してもよい。また例えば、データ記憶部100は、配送可能日時を計算するための計算式を記憶してもよい。
【0077】
[3-2.参照部]
参照部101は、制御部11を主として実現される。参照部101は、複数のユーザの各々に対する荷物の配送完了日時が蓄積された配送履歴データベースDB2を参照する。本実施形態では、データ記憶部100に配送履歴データベースDB2が記憶されているので、参照部101は、データ記憶部100に記憶された配送履歴データベースDB2を参照する。
【0078】
参照部101は、配送履歴データベースDB2のうち、処理対象のユーザのレコードを取得する。処理対象のユーザとは、推定部103により配送時間が推定される対象となるユーザである。参照部101は、処理対象のユーザのユーザIDをクエリにして配送履歴データベースDB2を検索し、検索でヒットしたレコードを取得する。
【0079】
[3-3.配送時間取得部]
配送時間取得部102は、制御部11を主として実現される。配送時間取得部102は、商品の配送に要する配送時間を取得する。本実施形態では、データ記憶部100に記憶された配送業者データベースDB5に、配送時間を含む配送情報が格納されているので、配送時間取得部102は、データ記憶部100を参照することによって、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する。
【0080】
ユーザが注文する商品は、新たな荷物ということができる。新たな荷物とは、推定部103により配送日時が推定される荷物である。別の言い方をすれば、新たな荷物は、これからユーザに対して配送される予定又は可能性のある荷物である。本実施形態では、ユーザが買い物かごに入れた商品が新たな荷物に相当する場合を説明する。このため、本実施形態で買い物かごに入れた商品について説明している箇所は、新たな荷物と読み替えることができる。
【0081】
本実施形態では、商品の発送元と配送先の組み合わせごとに配送情報が格納されているので、配送時間取得部102は、商品の発送元と配送先の組み合わせに基づいて、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する。商品の発送元は店舗データベースDB3に格納されており、商品の配送先はユーザデータベースDB1に格納されているので、配送時間取得部102は、これらを参照し、ユーザが選択した商品の発送元と配送先の組み合わせを特定する。配送時間取得部102は、配送業者データベースDB5を参照し、発送元と配送先の組み合わせに関連付けられた、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する。なお、商品の発送元と配送先は、任意の方法によって特定されるようにすればよく、例えば、商品データベースDB4に商品の発送元が格納されていてもよいし、発注時に商品の配送先をユーザに入力させてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、荷物タイプごとに配送情報が格納されているので、配送時間取得部102は、商品の荷物タイプに基づいて、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する。商品の荷物タイプは商品データベースDB4に格納されているので、配送時間取得部102は、商品データベースDB4を参照し、ユーザが選択した商品の荷物タイプを特定する。配送時間取得部102は、配送業者データベースDB5を参照し、商品の荷物タイプに関連付けられた、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する。なお、荷物タイプは、任意の方法によって特定されるようにすればよく、例えば、商品のカテゴリや説明文等の情報に基づいて荷物タイプが推定されるようにしてもよい。
【0083】
なお、本実施形態では、各店舗が、配送業者データベースDB5に配送情報が格納された複数の配送業者の全てと契約している場合を説明するが、一部の配送業者とだけ契約している店舗がある場合には、配送時間取得部102は、当該店舗の商品が選択された場合に、当該店舗と契約している配送業者の配送情報を取得する。どの店舗がどの配送業者と契約しているかについては、店舗データベースDB3に格納しておけばよい。
【0084】
[3-4.推定部]
推定部103は、制御部11を主として実現される。推定部103は、商品の注文が受け付けられる場合に、配送履歴データベースDB2に基づいて、商品の配送が完了しやすい配送日時を推定する。推定部103は、少なくとも1つの配送日時を推定すればよく、配送日時を1つだけ推定してもよいし、複数の配送日時を推定してもよい。
【0085】
商品の注文が受け付けられる場合とは、商品の注文を受け付ける前、又は、商品の注文を受け付けた後の任意のタイミングである。本実施形態では、買い物かご画面G2及び注文画面G3において、「おすすめ便」の情報を表示させるので、買い物かご画面G2及び注文画面G3の各々が表示されるタイミングが商品の注文が受け付けられる場合に相当する。
【0086】
配送が完了しやすい配送日時とは、商品を受け取りやすい配送日時である。別の言い方をすれば、配送が完了しやすい配送日時は、商品を受け取る確率が相対的に高い配送日時、又は、配送先が不在ではない確率が相対的に高い配送日時ということもできる。配送日時は、日付と時間帯で示されてもよいし、時間帯ではなくピンポイントの時刻で示されてもよい。他にも例えば、配送日時は、時間帯ではなく、昼間や夜間といった大まかな時期で示されてもよい。
【0087】
推定部103は、配送履歴データベースDB2のうち、処理対象のユーザのレコードに格納された情報に基づいて、配送日時を推定する。例えば、推定部103は、配送ステータスが配送完了になっているレコードの訪問日時を集計し、配送が完了しやすい配送日時を推定する。
【0088】
本実施形態では、推定部103は、曜日と時間帯の組み合わせごとに、配送ステータスが配送完了の数を集計する。曜日は、日曜日から土曜日までの7つの曜日である。時間帯は、予め定められた一定の幅を有する期間であり、例えば、午前中、12時から14時まで、14時から16時まで、16時から18時まで、18時から20時まで、及び20時から21時までといった任意の時間帯を設定可能である。推定部103は、集計結果に基づいて、配送が完了しやすい曜日と時間帯の組み合わせを特定する。配送が完了しやすい曜日と時間帯の組み合わせは、1通りだけ特定されてもよいし、複数通りの組み合わせが特定されてもよい。
【0089】
推定部103は、上記特定した曜日と時間帯の組み合わせを、推定結果情報としてユーザデータベースDB1に格納する。例えば、推定部103は、配送完了の数が最も多い曜日と時間帯の組み合わせを、推定結果情報として格納する。また例えば、推定部103は、配送完了の数がk(kは2以上の整数)番目までの曜日と時間帯を、推定結果情報として格納する。また例えば、推定部103は配送完了の数が閾値以上の全ての組み合わせを、推定結果情報として格納する。
【0090】
推定部103は、ユーザデータベースDB1の注文履歴情報を参照し、商品が配送されるユーザのユーザIDを取得する。推定部103は、当該ユーザIDに関連付けられた推定結果情報に基づいて、最短の配送可能日時よりも後の曜日と時間帯を、配送日時として推定する。例えば、推定部103は、最短の配送可能日時に最も近い曜日と時間帯を、配送日時として推定してもよいし、その翌週以降の日時(最短の配送可能日時から2番目以降に近い曜日と時間帯)を配送日時として推定してもよい。
【0091】
上記のように、本実施形態では、配送履歴データベースDB2には、ユーザごとに、配送業者が配送先を訪れた訪問日時と、配送が完了したか不在であったかを識別可能な配送ステータスと、が関連付けられており、推定部103は、商品が配送されるユーザに関連付けられた訪問日時と配送ステータスとに基づいて、配送日時を推定することになる。なお、配送履歴データベースDB2に、不在であった場合の訪問日時は格納されないようにしてもよい。この場合、配送履歴データベースDB2には配送完了日時だけが格納されるので、推定部103は、特に配送ステータスを参照することなく、配送日時を推定することができる。
【0092】
また、本実施形態では、推定部103は、配送履歴データベースDB2と、配送時間取得部102により取得された配送時間と、に基づいて、新たな荷物の配送日時を推定する。推定部103は、配送時間取得部102により取得された配送時間に基づいて、最短の配送可能日時を取得し、最短の配送可能日時以降の日時の中から、配送が完了しやすい配送日時を推定する。なお、本実施形態では、先述したように店舗の発送情報も考慮して配送可能日時が計算される場合を説明するが、発送情報は特に考慮されなくてもよい。また、これとは逆に、発送情報だけを考慮して配送可能日時が計算されるようにしてもよく、この場合には、配送情報は特に考慮されない。
【0093】
また、本実施形態では、推定部103は、配送履歴データベースDB2に基づいて、候補日時ごとに、商品の配送が完了する確率に関するスコアを計算し、複数の候補日時の各々のスコアに基づいて、複数の候補日時のうちの少なくとも1つを配送日時として選択する。
【0094】
候補日時とは、配送日時の候補となる日時である。本実施形態では、曜日と時間帯の組み合わせごとに、配送完了のしやすさが推定されるので、この組み合わせは、候補日時の一例である。なお、候補日時は、曜日と時間帯の組み合わせに限られず、平日や週末といったより大まかな単位であってもよいし、時間帯のように一定の幅を有する期間ではなく、ピンポイントの時間であってもよい。
【0095】
スコアは、蓋然性ともよばれる値であり、本実施形態では、配送完了のしやすさを示す数値である。スコアが高いほどユーザが荷物を受け取れる確率が高くなり、スコアが低いほどユーザが荷物を受け取れる確率が低くなる。スコアは、上記説明した配送完了の数の集計結果に基づいて計算される。集計数をそのままスコアとしてもよいし、集計数を所定の計算式に代入することによってスコアが計算されてもよい。スコアが高い候補日時が複数存在する場合には、複数の配送日時が選択されることもある。
【0096】
上記のように、本実施形態では、推定部103は、配送履歴データベースDB2に基づいて、商品が配送されるユーザに対する配送が完了しやすい曜日及び時間帯を特定し、曜日及び時間帯に基づいて、配送日時を推定する。なお、先述したように、推定部103は、曜日と時間帯ではなく、ユーザが荷物を受け取りやすい大まかな時期(平日や週末など)を特定し、配送日時を推定してもよい。
【0097】
また、上記のように、本実施形態では、配送履歴データベースDB2には、複数のユーザの各々により注文された商品の配送完了日時が蓄積されており、推定部103は、複数のユーザの何れかによる注文が受け付けられる場合に、注文される商品の配送日時を推定する。注文が受け付けられる場合とは、注文の受け付けが完了する前後の任意の時点である。例えば、推定部103は、ユーザにより商品が選択された場合に配送日時を推定してもよいし、ユーザによる注文が完了した後に配送日時を推定してもよい。推定部103は、後述する処理実行部104の処理が実行される前に、配送日時を推定すればよい。
【0098】
[3-5.処理実行部]
処理実行部104は、制御部11を主として実現される。推定部103により推定された配送日時に基づいて、商品の配送に関する所定の処理を実行する。
【0099】
所定の処理は、推定部103により推定された配送日時に新たな荷物を配送するための任意の処理であればよく、例えば、ユーザによる配送方法の選択を受け付ける処理、荷物の配送方法を決定する処理、又は配送の伝票を印刷する処理などである。本実施形態では、ユーザが注文する商品が配送されるので、所定の処理は、注文される商品の配送に関する処理ということができる。
【0100】
本実施形態では、所定の処理の一例として、注文が確定する前の画面に、推定部103により推定された配送日時を、希望配送日時として指定可能に表示させる処理を説明する。
【0101】
注文が確定する前の画面とは、サーバ10が商品の注文を受け付ける前に表示される画面である。本実施形態では、商品の注文が確定する前の画面が、買い物かご画面G2及び注文画面G3である場合を説明するが、他の任意の画面に配送日時が表示されてよい。例えば、商品画面G1に配送日時が表示されてもよいし、トップページに表示される商品の広告等に配送日時が表示されてもよい。他にも例えば、商品の閲覧履歴を表示させる画面等に配送日時が表示されてもよい。
【0102】
希望配送日時とは、荷物の配送を希望する日時である。希望配送日時は、荷物に対して設定される配送日時ということもできる。配送業者の担当者は、荷物に設定された希望配送日時に配送先を訪れる。
【0103】
希望配送日時として指定可能に表示させる処理とは、ユーザが希望配送日時を指定するための画像を表示させる処理である。本実施形態では、ボタンB32,B33を選択することによって、推定部103により推定された配送日時が希望配送日時として指定されるので、処理実行部104は、ボタンB32,B33を表示させる。なお、上記の画像は、ボタンB32,B33のようなラジオボタンに限られず、チェックボックスやプルダウンメニューなどの任意の画像であってよい。
【0104】
本実施形態では、処理実行部104がサーバ10において実現される場合を説明するので、処理実行部104は、ユーザ端末20に対し、推定部103により推定された配送日時を表示させるための表示データを送信することによって、配送日時をユーザ端末20に表示させる。表示データは、任意のデータ形式であってよく、例えば、HTMLデータのような画面全体を示すデータであってもよいし、画像データやテキストデータのような画面の一部を示すデータであってもよい。
【0105】
なお、所定の処理は、上記の例に限られず、注文が確定した場合に、推定部103により推定された配送日時を、希望配送日時として商品に設定する処理であってもよい。例えば、ユーザが希望配送日時を指定せずに注文を確定させた場合には、処理実行部104は、注文された商品の希望配送日時として、推定部103により推定された配送日時を自動的に設定する。推定部103により推定された配送日時が複数存在する場合には、スコアが最も高い配送日時が設定されてもよいし、スコアが閾値以上の配送日時のうちの何れかが設定されてもよい。希望配送日時が自動的に設定された場合には、注文が確定した後の画面に、当該希望配送日時が表示されてもよい。
【0106】
また例えば、推定部103により複数の前記配送日時が選択された場合には、所定の処理は、注文が確定する前の画面に、複数の配送日時の各々をスコアの順番に並べ、希望配送日時として指定可能に表示させる処理であってもよい。本実施形態では、
図3及び
図4に示す「おすすめ便1」のスコアは、「おすすめ便2」のスコアよりも高く、上から下に向けて順番に「おすすめ便1」「おすすめ便2」の順に並べられている。なお、配送日時の並び順は、スコアの降順であってもよいし、スコアの照準であってもよい。また、配送日時が並ぶ方向は、上から下、下から上、左から右、又は右から左の何れかであればよい。
【0107】
また例えば、所定の処理は、注文が確定した後の画面において、推定部103により推定された配送日時を、希望配送日時として指定するか否かを問い合わせる処理であってもよい。ユーザにより、希望配送日時として指定する旨が選択された場合には、推定部103により推定された配送日時が、注文された商品の希望配送日時として設定される。このように、商品の注文が確定した後に、希望配送日時が設定されてもよい。
【0108】
[4.本実施形態において実行される処理]
図11及び
図12は、配送システムSにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
図11及び
図12に示す処理は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムに従って動作し、制御部21が記憶部22に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。
図11及び
図12に示す処理は、
図5に示す機能ブロックにより実行される処理の一例である。
【0109】
図11に示すように、まず、制御部21は、サーバ10に対し、商品画面G1の表示要求を送信する(S1)。商品画面G1の表示要求は、所定形式のデータが送信されることによって行われ、表示対象となる商品の店舗IDと商品IDが含まれているものとする。例えば、ユーザが、所定の検索条件に基づいて検索を実行し、検索結果の中から任意の商品を選択すると、ユーザ端末20は、ユーザが選択した商品の表示要求を送信する。なお、ユーザは、サーバ10にログイン済みであり、ユーザ端末20からサーバ10に何らかの情報が送信される場合には、ユーザIDも送信されているものとする。この点は、以降の説明も同様である。
【0110】
サーバ10においては、商品画面G1の表示要求を受信すると、制御部11は、商品データベースDB4に基づいて、商品画面G1の表示データを生成し、ユーザ端末20に対して送信する(S2)。S2においては、制御部11は、商品データベースDB4を参照し、表示要求に含まれる店舗IDと商品IDに関連付けられた商品の基本情報を取得する。制御部11は、取得した基本情報に基づいて、商品画面G1の表示データを生成する。なお、入力フォームF10やボタンB11の画像データや商品画面G1のレイアウトデータ等は、予め記憶部12に記憶されているものとする。
【0111】
ユーザ端末20においては、商品画面G1の表示データを受信すると、制御部21は、受信した表示データに基づいて、商品画面G1を表示部25に表示させる(S3)。S3においては、
図2に示す商品画面G1が表示され、入力フォームF10に対する数量の入力やボタンB11の選択が受け付けられる。
【0112】
制御部21は、操作部24の検出信号に基づいて、ボタンB11が選択されたか否かを判定する(S4)。ボタンB11が選択されたと判定されない場合(S4;N)、本処理は終了する。この場合、ユーザが検索結果等から別の商品を選択した場合には、S1の処理が再び実行される。
【0113】
一方、ボタンB11が選択されたと判定された場合(S4;Y)、制御部21は、表示中の商品画面G1が示す商品を買い物かごに追加するための追加要求を送信する(S5)。追加要求は、所定形式のデータが送信されることによって行われ、買い物かごに追加される商品の店舗ID及び商品IDの組み合わせと、入力フォームF10に入力された数量と、が含まれているものとする。
【0114】
サーバ10においては、買い物かごへの追加要求を受信すると、制御部11は、ユーザが選択した商品を買い物かごに追加する(S6)。S6においては、制御部11は、ユーザデータベースDB1に格納された買い物かご情報のうち、ボタンB11を選択したユーザのユーザIDに関連付けられた買い物かご情報に対し、追加要求に含まれる店舗ID、商品ID、及び数量を追加する。
【0115】
制御部11は、ユーザデータベースDB1と店舗データベースDB3とに基づいて、ユーザが買い物かごに入れた商品の発送元と配送先の組み合わせを特定する(S7)。S7においては、制御部11は、店舗データベースDB3を参照し、ユーザが買い物かごに入れた商品を取り扱う店舗の住所を発送元として特定する。また、制御部11は、ユーザデータベースDB1を参照し、ユーザが登録した配送先を取得する。ユーザが複数の配送先を登録している場合には、最もよく使用される配送先として指定された配送先が取得される。
【0116】
制御部11は、商品データベースDB4に基づいて、買い物かごに追加された商品の荷物タイプを取得する(S8)。S8においては、制御部11は、商品データベースDB4を参照し、ユーザが買い物かごに入れた商品の店舗IDと商品IDに関連付けられた商品の荷物タイプを取得する。
【0117】
制御部11は、配送業者データベースDB5に基づいて、複数の配送業者の各々の配送情報を取得する(S9)。S9においては、制御部11は、配送業者データベースDB5を参照し、配送業者ごとに、S7で特定した組み合わせ及びS8で取得した荷物タイプに関連付けられた配送情報を取得する。
【0118】
制御部11は、S10で取得した配送情報に基づいて、複数の配送業者の中から、配送可能日時が最短の配送業者を特定する(S10)。S10においては、制御部11は、複数の配送業者の各々の配送情報に基づいて配送可能日時を計算して互いに比較し、複数の配送業者の中から、配送可能日時が最短の配送業者を特定する。
【0119】
制御部11は、S10で特定した配送業者の最短の配送可能日時に基づいて、買い物かご画面G2における「お急ぎ便」の表示内容を決定する(S11)。S11においては、制御部11は、S10で特定した配送業者の送料を「お急ぎ便」の送料とし、当該配送業者の配送情報が示す配送時間に基づく配送可能日時を「お急ぎ便」の配送可能日時とする。なお、送料が無料の商品については、配送業者が設定した送料に関係なく、無料となる。
【0120】
制御部11は、配送履歴データベースDB2に基づいて、ユーザに対する配送が完了しやすい曜日及び時間帯を特定する(S12)。S12においては、制御部11は、曜日と時間帯の組み合わせごとに、配送が完了する確率に関するスコアを計算し、スコアが閾値以上の曜日と時間帯を推定結果情報としてユーザデータベースDB1に格納する。なお、商品を買い物かごに追加したタイミングで、配送が完了する確率が高い曜日と時間帯を推定するのではなく、夜間バッチの実行等によって予め推定しておき、推定結果情報が予めユーザデータベースDB1に格納されているようにしてもよい。この場合には、制御部11は、予め格納された推定結果情報を参照すればよい。
【0121】
図12に移り、制御部11は、S11で特定した配送業者の最短の配送可能日時と、S12で特定した曜日及び時間帯と、に基づいて、買い物かご画面G2における「おすすめ便」の表示内容を決定する(S13)。S13においては、制御部11は、S11で特定した配送業者の最短の配送可能日時以降の日時のうち、S12で特定した曜日及び時間帯の日時を、「おすすめ便」の配送日時として決定する。S12で特定した曜日及び時間帯が複数存在する場合には、複数の「おすすめ便」の表示内容が決定される。なお、送料が無料の商品については、配送業者が設定した送料に関係なく、無料となる。また、スコアが閾値以上の曜日及び時間帯が複数存在する場合には、スコア順に並ぶように「おすすめ便」の表示内容が決定される。
【0122】
制御部11は、S11で決定した「お急ぎ便」の表示内容と、S12で決定した「おすすめ便」の表示内容と、に基づいて、買い物かご画面G2の表示データを生成し、ユーザ端末20に送信する(S14)。S14においては、制御部11は、「お急ぎ便」の送料と配送日時と、「おすすめ便」の送料と配送日時と、を含む買い物かご画面G2の表示データを生成する。
【0123】
ユーザ端末20においては、買い物かご画面G2の表示データを受信すると、制御部21は、受信した表示データに基づいて、買い物かご画面G2を表示部25に表示させる(S15)。S15においては、
図3に示す買い物かご画面G2が表示され、入力フォームF20に対する数量の入力やボタンB21の選択が受け付けられる。
【0124】
制御部21は、操作部24の検出信号に基づいて、ボタンB21が選択されたか否かを判定する(S16)。ボタンB21が選択されたと判定されない場合(S16;N)、本処理は終了する。この場合、ユーザが検索結果等から別の商品を選択した場合には、S1の処理が再び実行される。なお、ユーザが買い物かごの中身を表示させるための操作をした場合には、S7以降の処理が再び実行され、その時の状況に応じた送料と配送日時が表示される。
【0125】
一方、ボタンB21が選択された場合(S16;Y)、制御部21は、サーバ10に対し、注文画面G3の表示要求を送信する(S17)。注文画面G3の表示要求には、注文対象となる商品の店舗IDと商品IDの組み合わせが含まれている。
【0126】
サーバ10においては、注文画面G3の表示要求を受信すると、制御部21は、商品データベースDB4に基づいて、注文画面G3の表示データを生成し、ユーザ端末20に対して送信する(S18)。S18においては、制御部11は、「お急ぎ便」又は「おすすめ便」の何れかを選択可能な注文画面G3の表示データを生成する。
【0127】
ユーザ端末20においては、注文画面G3の表示データを受信すると、制御部21は、受信した表示データに基づいて、注文画面G3を表示部25に表示させる(S19)。S19においては、
図4に示す注文画面G3が表示され、ボタンB30~B35に対する選択が受け付けられる。
【0128】
以降、サーバ10とユーザ端末20との間で商品の注文処理が実行され(S20)、本処理は終了する。S20においては、ユーザがボタンB30を選択して配送先を変更した場合には、S7~S13と同様の処理が実行されて、変更後の配送先に応じた送料と配送日時が注文画面G3に表示される。ユーザが注文画面G3から商品の数量を変更した場合にも、S7~S13と同様の処理が実行されて、変更後の数量に応じた送料と配送日時が注文画面G3に表示される。ユーザがボタンB31~B33の何れかを選択した場合には、「お急ぎ便」又は「おすすめ便」の何れかの配送方法が指定される。ユーザがボタンB34を選択した場合には、任意の配送日時が指定される。ユーザがボタンB35を選択した場合には、ユーザが指定した配送方法で注文が受け付けられ、商品の決済処理が実行される。店舗は、ユーザが指定した配送方法に基づいて、ユーザが注文した商品を出荷する。
【0129】
以上説明した配送システムSによれば、商品の注文が受け付けられる場合に、商品の配送が完了しやすい配送日時を推定し、新たな荷物の配送に関する所定の処理を実行することによって、商品を受け取れる確率の高い日時に荷物を配送し、商品注文時のユーザの利便性を高めることができる。例えば、ユーザが商品を注文する際に配送日時を指定する場合、ユーザは受け取れる確率が高い配送日時を指定する傾向にあるが、実際にそのような配送日時を指定しないことがある。これは、ユーザが将来の都合の良い時間帯を把握し、商品の注文の確定前の一連の操作においてこのような配送日時を考えるのに手間がかかるという事情による。この点、配送システムSは、買い物かご画面G2及び注文画面G3に「おすすめ便」の配送日時を表示させるので、ユーザが自身の予定を確認したり調整したりしなくても、商品を受け取れる確率の高い配送日時を指定することができる。
【0130】
更に、スマートフォンのように画面が比較的小さい場合には、ユーザが手動で配送日時を入力するのは手間がかかるので、入力フォームへの入力が面倒であり煩わしいことが多い。例えば、配送日時の候補のリストを表示してユーザが選択する場合、スマートフォンのような小さな画面では、候補の数が多いときにスクロールをする必要があり手間がかかる。このため、リストには、配送が成功する確率が高い配送日時を抽出させたうえで表示させた方が望ましい。この点、配送システムSは、配送日時を個別に手動で入力させず、候補のリストを表示させる場合でも最小限の数の妥当な候補から選択させることにより、注文確定時の配送指示において再配送せずに商品を受け取ることができる。このため、ユーザ自身の予定を確認したり調整したりする行為をしないようにすることができる。配送システムSは、このようなスムーズな注文を可能とするユーザインタフェースを提供し、ユーザの利便性を効果的に高めることができる。
【0131】
また、配送システムSは、注文が確定する前の画面に、推定された配送日時を、希望配送日時として指定可能に表示させる処理を実行することによって、ユーザが商品を注文する前に配送日時を確認させることができる。
【0132】
また、配送システムSは、注文が確定した場合に、推定された配送日時を、希望配送日時として自動的に設定する場合には、ユーザが希望配送日時を指定しなくても、商品を受け取れる確率の高い希望配送日時を設定することができる。
【0133】
また、配送システムSは、商品が配送されるユーザに関連付けられた訪問日時と配送ステータスとに基づいて、配送日時を推定することによって、ユーザが受け取れる確率の高い配送日時の推定精度を高めることができる。
【0134】
また、配送システムSは、配送履歴データベースDB2と、商品の配送に要する配送時間と、に基づいて、商品の配送日時を推定することによって、配送業者が配送先を訪れることができる日時の中から、受け取れる確率の高い配送日時を決定することができる。
【0135】
また、配送システムSは、配送履歴データベースDB2に基づいて、候補日時ごとに、商品の配送が完了する確率に関するスコアを計算し、複数の候補日時のうちの少なくとも1つを配送日時として選択することによって、受け取れる確率の高い配送日時の推定精度を高めることができる。
【0136】
また、配送システムSは、配送日時をスコア順に並べて表示させることによって、商品を受け取れる確率の高い配送日時を直観的に分かりやすく表示させることができる。
【0137】
また、配送システムSは、配送履歴データベースに基づいて、商品が配送されるユーザに対する配送が完了しやすい曜日及び時間帯を特定し、配送日時を推定することによって、例えば、1週間の中で自宅にいる曜日及び時間帯が決まっているユーザに対する再配送の発生を減らすことができる。
【0138】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0139】
(1)例えば、ユーザの予定が事前に分かっている場合には、ユーザの予定が入っている日時は配送日時として設定されないようにしてもよい。例えば、サーバ10が、外部の旅行予約システムと提携しており、ユーザが予約済みの旅行の日程を取得できる場合には、旅行中の日時を除外したうえで、配送日時が推定されてもよい。
【0140】
図13は、変形例における機能ブロック図である。
図13に示すように、本変形例では、実施形態で説明した機能に加えて、予定取得部105と制限部106が実現される。本変形例では、予定取得部105と制限部106の各々は、サーバ10において実現され、制御部11を主として実現される。
【0141】
予定取得部105は、商品が配送されるユーザの予定を取得する。例えば、予定取得部105は、ユーザの予定が入っており荷物を受け取ることができない日時を取得する。ユーザの予定は、データ記憶部100に記憶されていてもよいが、本変形例では、配送システムSの外部システムに記憶されているものとする。予定取得部105は、当該外部システムからユーザの予定を取得する。
【0142】
外部システムは、ユーザに対して任意のサービスを提供するシステムであってよく、例えば、ホテルや航空券の予約を受け付けるシステム、スポーツやコンサートなどのイベントのチケットの予約を受け付けるシステム、又はレストランや美容院などの施設の予約を受け付けるシステムなどであってよい。例えば、ホテルの宿泊日、航空券の利用日、スポーツやコンサートなどのイベントの開催日時、又はレストランや美容院などの施設の予約日時は、ユーザの予定が入っていることになる。
【0143】
制限部106は、商品が配送されるユーザの予定がある日時が配送日時として指定されることを制限する。例えば、制限部106は、ユーザの予定がある日時以外の日時の中から、推定部103に配送日時を推定させる。即ち、制限部106は、ユーザの予定がある日時を除外したうえで、推定部103に配送日時を推定させる。推定部103は、最短の配送可能日以降の日時のうち、ユーザの予定が入っていない日時を、配送日時として推定する。他にも例えば、制限部106は、推定部103により推定された配送日時にユーザの予定が入っている場合には、ユーザ端末20に所定のメッセージ(例えば、「この配送日時には予定が入っています」等)を表示させることによって、ユーザの予定がある日時が配送日時として指定されることを制限してもよい。
【0144】
変形例(1)によれば、商品が配送されるユーザの予定がある日時が前記配送日時として指定されることを制限することによって、ユーザが荷物をより受け取りやすい日時を配送日時にすることができ、再配送の発生を減らすことができる。
【0145】
(2)また例えば、ユーザが複数の配送先を登録している場合、配送先によってユーザがいる時間帯が異なることがある。例えば、ユーザが自宅と勤務先を配送先として登録している場合に、ユーザが、自宅には週末の夜間にいることが多く、勤務先には平日の昼間に多かったとする。この場合、配送先が自宅であれば、週末の夜間の配送日時が「おすすめ便」に設定され、配送先が勤務先であれば、平日の昼間の配送日時が「おすすめ便」に設定されるようにしてもよい。
【0146】
推定部103は、商品が配送されるユーザが複数の配送先を登録している場合に、商品の配送先に応じた配送時間を推定する。実施形態では、ユーザIDごとに、商品を受け取れる確率の高い曜日と時間帯が推定されたが、本変形例では、ユーザIDと配送先の組み合わせごとに、ユーザが荷物を受け取れる確率の高い曜日と時間帯が推定される。このため、同じユーザIDであったとしても配送先が異なれば、推定される曜日と時間帯の組み合わせが異なることもある。曜日と時間帯の推定方法自体は、実施形態で説明した通りであり、配送ステータスが配送完了の訪問日時を集計して推定すればよい。
【0147】
変形例(2)によれば、商品が配送されるユーザが複数の配送先を登録している場合に、商品の配送先に応じた配送時間を推定することによって、再配送の発生を減らすことができる。
【0148】
(3)また例えば、上記変形例を組み合わせてもよい。
【0149】
例えば、ユーザが商品を買い物かごに入れた場合に、商品の送料と配送日時が表示される場合を説明したが、例えば、ユーザがお気に入りに登録した商品の送料と配送日時が表示されてもよい。また例えば、ユーザが検索結果や広告から選択した商品の送料と配送日時が表示されてもよいし、閲覧履歴に入れられた商品の送料と配送日時が表示されてもよい。
【0150】
また例えば、実施形態では、ユーザが配送方法を指定する場合を説明したが、サーバ10側で自動的に配送方法が決定されてもよい。例えば、サーバ10は、特にユーザに「お急ぎ便」又は「おすすめ便」の何れかを指定させずに、これらの何れかを商品の配送方法として決定してもよい。この場合、「お急ぎ便」又は「おすすめ便」を選択可能に表示せず、サーバ10側で決定した配送方法が表示されるようにしてもよい。例えば、ユーザが特に配送方法を指定しなかった場合に、過去の注文履歴においてユーザが指定した配送方法の傾向から、「お急ぎ便」又は「おすすめ便」が自動的に選択されてもよい。
【0151】
また例えば、配送システムSは、荷物の配送が行われる場面に利用すればよく、電子商取引以外の任意のサービスに利用可能である。例えば、配送システムSは、商品ではない荷物の配送が完了しやすい配送日時を推定してもよい。この場合、配送システムSは、配送業者によって管理されるシステムであってもよい。更に、配送システムSは、複数の配送業者の中から配送を担当する配送御者を選択する必要はなく、単一の配送業者の配送日時を決定してもよい。
【0152】
また例えば、主な機能がサーバ10で実現される場合を説明したが、各機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。例えば、サーバ10及びユーザ端末20の各々で機能が分担されてもよい。また例えば、配送システムSが複数のサーバコンピュータを含む場合には、これら複数のサーバコンピュータで機能が分担されてもよい。また例えば、データ記憶部100で記憶されるものとして説明したデータは、サーバ10以外のコンピュータによって記憶されてもよい。
【符号の説明】
【0153】
S 配送システム、N ネットワーク、10 サーバ、11,21 制御部、12,22 記憶部、13,23 通信部、20 ユーザ端末、24 操作部、25 表示部、G1 商品画面、G2 買い物かご画面、G3 注文画面、100 データ記憶部、101
参照部、102 配送時間取得部、103 推定部、104 処理実行部、105 予定取得部、106 制限部、B11,B21,B30,B31,B32,B33,B34,B35 ボタン、DB1 ユーザデータベース、DB2 配送履歴データベース、DB3 店舗データベース、DB4 商品データベース、DB5 配送業者データベース、F10,F20 入力フォーム。