(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】誤り訂正装置、符号化装置および通信システム
(51)【国際特許分類】
H03M 13/29 20060101AFI20231225BHJP
H04L 27/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H03M13/29
H04L27/00 B
(21)【出願番号】P 2022081606
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTイノベーティブデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121669
【氏名又は名称】本山 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 靖行
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502095(JP,A)
【文献】特開2007-306469(JP,A)
【文献】特開2004-023691(JP,A)
【文献】特開2018-037749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/29
H04L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多値変調のシンボルデマッピング処理によって復調された受信データのうち送信側で第1の符号化と第2の符号化が行われた第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、
前記復調された受信データのうち送信側で前記第1の符号化と第3の符号化が行われた第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、
前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、
前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられ
る第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、
前記第2の誤り訂正復号部は、
前記第3のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第3のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第4の誤り訂正復号部と、
前記第4のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第4のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第5の誤り訂正復号部の2つを含み、
前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であり、
前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致することを特徴とする誤り訂正装置。
【請求項2】
多値変調のシンボルデマッピング処理によって復調された受信データのうち送信側で第1の符号化と第2の符号化が行われた第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、
前記復調された受信データのうち送信側で前記第1の符号化と第3の符号化が行われた第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、
前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、
前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられたビット列であり、
前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、
前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致し、
前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に前記第1の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第2の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第3の冗長ビットを付加する処理であり、
前記復調された受信データの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とする誤り訂正装置。
【請求項3】
請求項
2記載の誤り訂正装置において、
前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であることを特徴とする誤り訂正装置。
【請求項4】
送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、
前記第2のビット列は、前記第2、第3の符号化部の出力を多値変調する際に、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる
第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、
前記第3の符号化部は、
前記第3のビット列に対して前記第3の符号化を行うように構成された第4の符号化部と、
前記第4のビット列に対して前記第3の符号化を行うように構成された第5の符号化部の2つを含み、
前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であることを特徴とする符号化装置。
【請求項5】
送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、
前記第2のビット列は、前記第2、第3の符号化部の出力を多値変調する際に、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられるビット列であり、
前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、
前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に第1の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に第2の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に第3の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第2、第3の符号化部から出力されるデータの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とする符号化装置。
【請求項6】
請求項5記載の符号化装置において、
前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であることを特徴とする符号化装置。
【請求項7】
送信データの符号化を行うように構成された符号化装置と、前記符号化装置によって符号化されたデータの多値変調を実行するように構成されたシンボルマッピング装置とを備えた送信装置と、
前記送信装置から受信した信号から符号化されたデータを復調するように構成されたシンボルデマッピング装置と、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータの誤り訂正を行うように構成された誤り訂正装置とを備え、
前記符号化装置は、前記送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、
前記誤り訂正装置は、
前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータのうち前記第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、
前記復調されたデータのうち前記第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、
前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、
前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる
第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、
前記第2の誤り訂正復号部は、
前記第3のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第3のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第4の誤り訂正復号部と、
前記第4のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第4のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第5の誤り訂正復号部の2つを含み、
前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であり、
前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
送信データの符号化を行うように構成された符号化装置と、前記符号化装置によって符号化されたデータの多値変調を実行するように構成されたシンボルマッピング装置とを備えた送信装置と、
前記送信装置から受信した信号から符号化されたデータを復調するように構成されたシンボルデマッピング装置と、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータの誤り訂正を行うように構成された誤り訂正装置とを備え、
前記符号化装置は、前記送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、
前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、
前記誤り訂正装置は、
前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータのうち前記第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、
前記復調されたデータのうち前記第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、
前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、
前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられるビット列であり、
前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、
前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致し、
前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に前記第1の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第2の冗長ビットを付加する処理であり、
前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第3の冗長ビットを付加する処理であり、
前記復調された受信データの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおいて、回路規模を抑えつつ誤り訂正能力を向上させることができる誤り訂正装置、符号化装置および通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コヒーレント光通信では、伝送特性の向上のために、伝送途中に生じる歪及び周波数/位相変動をデジタル信号処理によって補償しており、更なる伝送特性向上のために、上記の補償機能に加えて、送受間に誤り訂正装置を設けて伝送特性におけるデータ誤りの低減を図っている。一般的には、送信側でデータに対して誤り訂正用符号化を行い、受信側でその符号化に応じて誤り訂正を行うことで、伝送特性の向上を図っている。
【0003】
また、従来よりデータ伝送の速度を上げる変調方式として例えば16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の多値変調によるディジタル伝送システムが実用化されている。ディジタル多値変調方式で用いられる誤り訂正の技術として、例えば特許文献1、特許文献2に開示された技術が知られている。
【0004】
特許文献1に開示された送信装置と受信装置では、多値変調におけるシンボルに割り当てたビット毎の信頼度に生じる偏りにより、誤り訂正効率が低下するという問題に対して、訂正能力の異なる2種類のFEC(Forward Error Correction)デコード処理を組み合わせることにより、訂正効率を改善するようにしている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、符号化率を求めそれに応じたビットサイズの調整処理を行うためのFEC分配処理が必要であり、このFEC分配処理が複雑であるため、処理時間の増大と回路規模の増大という問題があった。
【0006】
特許文献2に開示された伝送装置では、64QAMの符号化において雑音等の影響で符号誤り発生の頻度が異なるため、1シンボル6ビットの符号のうち誤り発生頻度の高いビットの符号を、誤り訂正能力の高い冗長度を持つ誤り訂正符号で符号化し、誤り発生の頻度が低いビットの符号を、誤り訂正能力の低い冗長度を持つ誤り訂正符号で符号化することにより、誤り訂正能力を向上させるようにしている。
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、受信側で復号する際に、誤り訂正能力の高い訂正符号により復号した符号を、もう一方の誤り訂正能力の低い訂正符号の復号の処理で用いることで処理が複雑となるため、処理時間の増大と回路規模の増大という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開WO2010/146694
【文献】特開2002-064579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、処理時間の増大と回路規模の増大を抑えつつ誤り訂正能力を向上させることができる誤り訂正装置、符号化装置および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の誤り訂正装置は、多値変調のシンボルデマッピング処理によって復調された受信データのうち送信側で第1の符号化と第2の符号化が行われた第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、前記復調された受信データのうち送信側で前記第1の符号化と第3の符号化が行われた第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、前記第2の誤り訂正復号部は、前記第3のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第3のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第4の誤り訂正復号部と、前記第4のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第4のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第5の誤り訂正復号部の2つを含み、前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であり、前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の誤り訂正装置は、多値変調のシンボルデマッピング処理によって復調された受信データのうち送信側で第1の符号化と第2の符号化が行われた第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、前記復調された受信データのうち送信側で前記第1の符号化と第3の符号化が行われた第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられたビット列であり、前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致し、前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に前記第1の冗長ビットを付加する処理であり、前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第2の冗長ビットを付加する処理であり、前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第3の冗長ビットを付加する処理であり、前記復調された受信データの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とするものである。
また、本発明の誤り訂正装置の1構成例において、前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍である。
【0013】
また、本発明の符号化装置は、送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、前記第2のビット列は、前記第2、第3の符号化部の出力を多値変調する際に、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、前記第3の符号化部は、前記第3のビット列に対して前記第3の符号化を行うように構成された第4の符号化部と、前記第4のビット列に対して前記第3の符号化を行うように構成された第5の符号化部の2つを含み、前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の符号化装置は、送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、前記第2のビット列は、前記第2、第3の符号化部の出力を多値変調する際に、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられるビット列であり、前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に第1の冗長ビットを付加する処理であり、前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に第2の冗長ビットを付加する処理であり、前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に第3の冗長ビットを付加する処理であり、前記第2、第3の符号化部から出力されるデータの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とするものである。
また、本発明の符号化装置の1構成例において、前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍である。
【0016】
また、本発明の通信システムは、送信データの符号化を行うように構成された符号化装置と、前記符号化装置によって符号化されたデータの多値変調を実行するように構成されたシンボルマッピング装置とを備えた送信装置と、前記送信装置から受信した信号から符号化されたデータを復調するように構成されたシンボルデマッピング装置と、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータの誤り訂正を行うように構成された誤り訂正装置とを備え、前記符号化装置は、前記送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、前記誤り訂正装置は、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータのうち前記第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、前記復調されたデータのうち前記第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第3のビット列と、前記シンボルに対応する複数ビットのうち、前記第3のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられる第4のビット列の2つに分かれ、前記第2の誤り訂正復号部は、前記第3のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第3のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第4の誤り訂正復号部と、前記第4のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第4のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第5の誤り訂正復号部の2つを含み、前記第3のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の2倍であり、前記第4のビット列に対する前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の4倍であり、前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致することを特徴とするものである。
また、本発明の通信システムは、送信データの符号化を行うように構成された符号化装置と、前記符号化装置によって符号化されたデータの多値変調を実行するように構成されたシンボルマッピング装置とを備えた送信装置と、前記送信装置から受信した信号から符号化されたデータを復調するように構成されたシンボルデマッピング装置と、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータの誤り訂正を行うように構成された誤り訂正装置とを備え、前記符号化装置は、前記送信データに対して第1の符号化を行うように構成された第1の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第1のビット列に対して第2の符号化を行うように構成された第2の符号化部と、前記第1の符号化部によって符号化された送信データのうちの第2のビット列に対して第3の符号化を行うように構成された第3の符号化部とを備え、前記誤り訂正装置は、前記シンボルデマッピング装置によって復調されたデータのうち前記第1のビット列の誤り訂正を、前記第2の符号化によって前記第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行うように構成された第1の誤り訂正復号部と、前記復調されたデータのうち前記第2のビット列の誤り訂正を、前記第3の符号化によって前記第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行うように構成された第2の誤り訂正復号部と、前記誤り訂正が行われた第1、第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、前記第1の符号化によって前記情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行うように構成された第3の誤り訂正復号部とを備え、前記第2のビット列は、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、前記第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられるビット列であり、前記第3の符号化の冗長度は、前記第2の符号化の冗長度の所定数(所定数は0より大きい実数)倍であり、前記第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と前記第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計は、前記第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致し、前記第1の符号化は、前記第1、第2のビット列に含まれる情報ビットに対して列毎に行方向に前記第1の冗長ビットを付加する処理であり、前記第2の符号化は、前記第1のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第2の冗長ビットを付加する処理であり、前記第3の符号化は、前記第2のビット列に含まれる情報ビットとこの情報ビットに付加された前記第1の冗長ビットのそれぞれに対して列方向に前記第3の冗長ビットを付加する処理であり、前記復調された受信データの構成において前記第1の冗長ビットの配列方向と前記第2、第3の冗長ビットの配列方向とが直交していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1の誤り訂正復号部と第2の誤り訂正復号部と第3の誤り訂正復号部を設け、第2のビット列を、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうち、第1のビット列が割り当てられたビットよりも下位側のビットに割り当てられるビット列とし、第3の符号化の冗長度を、第2の符号化の冗長度の所定数倍とし、第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計を、第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致させることにより、処理時間の増大と回路規模の増大を抑えつつ誤り訂正能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施例に係る送信信号処理装置における符号化装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施例に係る受信信号処理装置における誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施例において送信信号処理装置における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施例に係る送信信号処理装置における符号化装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、多値変調方式が16QAMの場合のシンボルの配置例を示す図である。
【
図7】
図7は、多値変調方式が16QAMの場合のシンボルマッピングの1例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2の実施例に係る受信信号処理装置における誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3の実施例において送信信号処理装置における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3の実施例に係る送信信号処理装置における符号化装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施例に係る受信信号処理装置における誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、多値変調方式が64QAMの場合のシンボルの配置例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の第4の実施例において送信信号処理装置における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の第4の実施例に係る送信信号処理装置における符号化装置の構成を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、多値変調方式が64QAMの場合のシンボルマッピングの1例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の第4の実施例に係る受信信号処理装置における誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、本発明の第5の実施例において送信信号処理装置における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の第5の実施例に係る送信信号処理装置における符号化装置の構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、本発明の第5の実施例に係る受信信号処理装置における誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図1は、本実施例に係る符号化装置10および誤り訂正装置20をコヒーレント光通信方式の通信システムに適用した構成例を示している。
【0020】
図1のコヒーレント光通信方式の通信システムにおいて、送信装置6は、送信信号処理装置1と、光送信モジュール3とを備えている。受信装置7は、光受信モジュール4と、受信信号処理装置2とを備えている。送信装置6と受信装置7とは、光ファイバ伝送路5を介して接続されている。送信信号処理装置1は、符号化装置10を備え、受信信号処理装置2は、誤り訂正装置20を備えている。
【0021】
送信信号処理装置1における符号化装置10は、送信データに対して誤り訂正用の符号化を行う。光送信モジュール3は、誤り訂正用の符号化が行われた送信データに基づいて光信号を生成する。一般的なコヒーレント光通信では、水平偏波光信号Xと垂直偏波光信号Yとが合成されて伝送される。変調方式としてQAMを用いた場合、送信データは、水平偏波光信号用データXI,XQと、垂直偏波光信号用データYI,YQとに分けられる。
【0022】
XIは水平偏波光信号用データの、複素平面における水平軸上の座標、XQは水平偏波光信号用データの、複素平面における直交軸上の座標を示す。また、YIは垂直偏波光信号用データの、複素平面における水平軸上の座標、YQは垂直偏波光信号用データの、複素平面における直交軸上の座標を示す。送信データは、搬送波の複素平面上の座標にマッピングされ、光ファイバ伝送路5を経由して受信側に伝送される。
【0023】
光受信モジュール4は、受信した光信号から受信データを生成する。光受信モジュール4は、水平偏波光信号用データXI,XQと、垂直偏波光信号用データYI,YQとを出力する。これらのデータXI,XQ,YI,YQは、受信信号処理装置2においてデジタル信号に変換され、誤り訂正装置20において誤り訂正処理が行われる。
【0024】
図2は本実施例に係る送信信号処理装置1における符号化装置10の構成を示すブロック図である。符号化装置10は、符号化部100-A(第2の符号化部)と、符号化部100-B(第3の符号化部)と、符号化部101(第1の符号化部)とから構成される。
【0025】
符号化部101は、入力された送信データに対して第1の符号化を行う。具体的には、符号化部101は、送信データの情報ビットから、受信側で行なわれる誤り訂正用の第1の冗長ビットを生成して情報ビットと第1の冗長ビットとを出力する。
【0026】
符号化部100-Aは、符号化部101によって符号化された送信データに対して第2の符号化を行う。具体的には、符号化部100-Aは、符号化された送信データに含まれるビット列のうち、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列から、受信側で行われる誤り訂正用の第2の冗長ビットを生成して第1のビット列と第2の冗長ビットとを出力する。第1のビット列には、送信データの情報ビットのみが含まれる場合と、情報ビットと前記の第1の冗長ビットが含まれる場合と、第1の冗長ビットのみが含まれる場合とがある。
【0027】
符号化部100-Bは、符号化部101によって符号化された送信データに対して第3の符号化を行う。具体的には、符号化部100-Bは、符号化された送信データに含まれるビット列のうち、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第2のビット列から、受信側で行われる誤り訂正用の第3の冗長ビットを生成して第2のビット列と第3の冗長ビットとを出力する。第2のビット列には、送信データの情報ビットのみが含まれる場合と、情報ビットと前記の第1の冗長ビットが含まれる場合と、第1の冗長ビットのみが含まれる場合とがある。符号化部100-Bは、符号化部100-Aによる第2の符号化の冗長度に対して第3の符号化の冗長度を所定数(所定数は0より大きい実数で、例えば2)倍とする。
【0028】
こうして、送信データが符号化される。次に、送信信号処理装置1におけるシンボルマッピング装置11は、符号化装置10によって符号化された送信データを、所定のマッピング規則に従って、複素平面上のシンボル(信号点)にマッピングすることにより、送信データの多値変調を実行する。
【0029】
具体的には、シンボルマッピング装置11は、符号化された送信データに含まれる前記第1のビット列と前記第2の冗長ビットとからなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビット(例えば1ビット目と2ビット目)に割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11は、符号化された送信データに含まれる前記第2のビット列と前記第3の冗長ビットとからなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビット(例えば3ビット目と4ビット目)に割り当てる。
【0030】
例えば多値変調方式が16QAMの場合、シンボルに対応する4ビットのうちの上位側2ビットをX偏波のI軸の値、X偏波のQ軸の値としてX偏波のIQ平面の各象限の位置を表すビット列の情報としてマッピングし、シンボルに対応する4ビットのうちの下位側2ビットをIQ平面の各象限内に4か所あるシンボルの中でその位置を表すビット列のI軸の値及びQ軸の値の情報としてマッピングする。これにより、X偏波の光信号用データとして、XI(2ビット),XQ(2ビット)の合計4ビット分のデータを出力する。またY偏波の光信号用データについても、同様に16QAMの多値変調方式によりIQ平面上でシンボルをマッピングすることにより、YI(2ビット)、YQ(2ビット)の合計4ビットの分のデータを出力する。
以下では、X偏波(水平偏波)の光信号用データのマッピング、デマッピングの場合についての実施の例を説明するが、Y偏波(垂直偏波)の光信号用データの場合についても同様に実施の例を考えることができる。
前記のとおり、光送信モジュール3は、シンボルマッピング装置11から出力されたデータに基づいて光信号を生成する。
【0031】
図3は本実施例に係る受信信号処理装置2における誤り訂正装置20の構成を示すブロック図である。誤り訂正装置20は、誤り訂正復号部200-A(第1の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200-B(第2の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部201(第3の誤り訂正復号部)とから構成される。
【0032】
前記のとおり、光受信モジュール4は、受信した光信号から受信データXI,XQ,YI,YQを生成する。
受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置21は、受信データXI,XQのセット(及びYI,YQのセット)から、各々複素平面上のシンボル位置を求め、送信側と同じマッピング規則に従って、シンボルをビット列に変換することにより、情報ビットと第1、第2、第3の冗長ビットとが含まれるビット列を復調するシンボルデマッピング処理を行う。
【0033】
次に、誤り訂正復号部200-Aは、シンボルデマッピング装置21の出力のうち第1のビット列の誤り訂正を、第1のビット列に付加された第2の冗長ビットに基づいて行い、誤り訂正後の第1のビット列を出力する。
【0034】
誤り訂正復号部200-Bは、シンボルデマッピング装置21の出力のうち第2のビット列の誤り訂正を、第2のビット列に付加された第3の冗長ビットに基づいて行い、誤り訂正後の第2のビット列を出力する。
【0035】
誤り訂正復号部201は、誤り訂正復号部200-Aによって誤り訂正が行われた第1のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正と誤り訂正復号部200-Bによって誤り訂正が行われた第2のビット列に含まれる情報ビットの誤り訂正を、これらの情報ビットに付加された第1の冗長ビットに基づいて行う。第1の冗長ビットは、第1のビット列に含まれる情報ビットと第2のビット列に含まれる情報ビットの両方に付加されている場合と、第2のビット列に含まれる情報ビットのみに付加されている場合とがある。こうして、受信データを復号することができる。
【0036】
本実施例では、符号化部100-Aによる第2の符号化の冗長度に対して符号化部100-Bによる第3の符号化の冗長度を所定数倍とすることにより、シンボルに対応する複数ビットのうち下位側ビットに割り当てられる第2のビット列に対する誤り訂正能力を向上させることができる。
【0037】
また、本実施例では、送信データの情報ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列と下位側ビットに割り当てられる第2のビット列に分割して、各々異なる符号化処理と復号処理を行うことにより、誤りを分散できるため、別のインターリーブ等の処理を付加しなくても、バースト誤り訂正能力を向上させることができる。
【0038】
本実施例のように、送信データの情報ビットを第1のビット列と第2のビット列に分割して、第2のビット列の符号長を短くする場合、誤り訂正能力低下の可能性があるが、後段の誤り訂正復号部201によって第1のビット列と第2のビット列に共通の誤り訂正復号処理を行うことにより、誤り訂正効率を向上させることができる。
【0039】
また、本実施例では、誤り訂正復号部200-Aの出力ビット数と誤り訂正復号部200-Bの出力ビット数の合計を、誤り訂正復号部201の入力ビット数と一致させることで、第1のビット列と第2のビット列の分配処理が不要となるので、処理量を削減することができ、誤り訂正処理の高速化、低遅延化、および低電力化を実現することができる。
【0040】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は、第1の実施例の具体例である。本実施例においても通信システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1の符号を用いて説明する。送信信号処理装置1における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を
図4に示す。
【0041】
図4の例では、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列に含まれる情報ビットをD1、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第2のビット列に含まれる情報ビットをD2-1,D2-2、前記の第1の冗長ビットをR1、第2の冗長ビットをR2、第3の冗長ビットをR3-1,R3-2としている。
【0042】
本実施例では、情報ビットD1のブロックの構成を、列方向(
図4横方向)の長さ120ビット、M行の構成としている。行数Mは、1以上の整数である。また、情報ビットD2-1のブロックの構成を、列方向の長さ56ビット、M行の構成とし、情報ビットD2-2のブロックの構成を、列方向の長さ48ビット、M行の構成としている。冗長ビットR1,R2,R3-1,R3-2の長さはそれぞれ8ビットである。
【0043】
図5は本実施例に係る送信信号処理装置1における符号化装置10の構成を示すブロック図である。符号化装置10は、符号化部100a-A(第2の符号化部)と、符号化部100a-B(第3の符号化部)と、符号化部101a(第1の符号化部)とから構成される。
【0044】
符号化部101aは、長さ224ビット×1行の情報ビットD1,D2-1,D2-2から長さ8ビットの冗長ビットR1を生成して、情報ビットD1,D2-1,D2-2と冗長ビットR1とを出力する。符号化部101aは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD1,D2-1,D2-2の行毎に行う。符号化部101aにおける符号長は、(D1,D2-1,D2-2の長さ+R1の長さ)=224+8=232ビットである。
【0045】
次に、符号化部100a-Aは、符号化部101aの出力のうち長さ120ビット×1行の情報ビットD1から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、情報ビットD1と冗長ビットR2とを出力する。符号化部100a-Aは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD1の行毎に行う。
【0046】
一方、符号化部100a-Bは、符号化部101aの出力のうち長さ56ビット×1行の情報ビットD2-1から長さ8ビットの冗長ビットR3-1を生成し、長さ48ビット×1行の情報ビットD2-2と長さ8ビット×1行の冗長ビットR1とから長さ8ビットの冗長ビットR3-2を生成して、情報ビットD2-1と冗長ビットR3-1と情報ビットD2-2と冗長ビットR1,R3-2とを出力する。符号化部100a-Bは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD2-1,D2-2と冗長ビットR1の行毎に行う。
【0047】
符号化部100a-Aにおける符号長は、(D1の長さ+R2の長さ)=120+8=128ビットである。符号化部100a-Bにおける符号長は、(D2-1の長さ+R3-1の長さ)=(D2-2の長さ+R1の長さ+R3-2の長さ)=56+8=64ビットであり、符号化部100a-Aにおける符号長の1/2である。
【0048】
また、冗長ビットR2の冗長度は、(R2の長さ)/(D1の長さ+R2の長さ)=8/128である。冗長ビットR3-1,R3-2の冗長度は、(R3-1の長さ)/(D2-1の長さ+R3-1の長さ)=(R3-2の長さ)/(D2-2の長さ+R1の長さ+R3-2の長さ)=8/64であり、冗長ビットR2の冗長度の2倍である。
【0049】
次に、送信信号処理装置1におけるシンボルマッピング装置11aは、符号化装置10によって符号化された送信データの多値変調を実行する。具体的には、シンボルマッピング装置11aは、符号化された送信データに含まれるD1,R2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビット(例えば1ビット目と2ビット目)に割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11aは、符号化された送信データに含まれるD2-1,R3-1,D2-2,R1,R3-2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビット(例えば3ビット目と4ビット目)に割り当てる。
【0050】
例えば多値変調方式が16QAMの場合、シンボルに対応する4ビットのうちの上位側2ビットをX偏波のI軸の値及びQ軸の値としてIQ平面上における各象限の位置を表すビット列の情報としてマッピングし、シンボルに対応する4ビットのうちの下位側2ビットをX偏波のIQ平面の各象限内に4か所あるシンボルの中でその位置を表すビット列のI軸の値及びQ軸の値の情報としてマッピングする。これにより、シンボルマッピング装置11aは、XI,XQのデータを出力し、またY偏波についても同様にしてYI,YQのデータを出力する。
【0051】
多値変調方式が16QAMの場合のシンボルの配置例を
図6に示す。
図6の例では、シンボルに対応する4ビットのうちの上位から1ビット目をd4、2ビット目をd3、3ビット目をd2、4ビット目をd1としている。
【0052】
図7は多値変調方式が16QAMの場合のシンボルマッピングの1例を示す図である。ビットd4=“0”,d3=“0”の場合、シンボルマッピング装置11aが選択するシンボルは
図7の第1象限31内の4点のいずれかとなる。d4=“1”,d3=“0”の場合、シンボルは第2象限32内の4点のいずれかとなる。d4=“1”,d3=“1”の場合、シンボルは第3象限33内の4点のいずれかとなる。d4=“0”,d3=“1”の場合、シンボルは第4象限34内の4点のいずれかとなる。さらに、ビットd2,d1の値によって象限内の4点のうちいずれか1つが、d4,d3,d2,d1に対応するシンボルとして選択される。
【0053】
図8は本実施例に係る受信信号処理装置2における誤り訂正装置20の構成を示すブロック図である。誤り訂正装置20は、誤り訂正復号部200a-A(第1の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200a-B(第2の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部201a(第3の誤り訂正復号部)とから構成される。
【0054】
受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置21aは、受信データXI,XQ,YI,YQから複素平面上のシンボル位置を求め、送信側と同じマッピング規則に従って、シンボルをビット列に変換することにより、
図4に示した構成のビット列を復調する。
【0055】
次に、誤り訂正復号部200a-Aは、シンボルデマッピング装置21aの出力のうち長さ120ビットの情報ビットD1の誤り訂正を、D1に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。誤り訂正復号部200a-Aは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD1の行毎に行う。
【0056】
誤り訂正復号部200a-Bは、シンボルデマッピング装置21aの出力のうち長さ56ビットの情報ビットD2-1の誤り訂正を、D2-1に付加された冗長ビットR3-1に基づいて行い、さらに長さ48ビットの情報ビットD2-2と長さ8ビットの冗長ビットR1の誤り訂正を、D2-2,R1に付加された冗長ビットR3-2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD2-1,D2-2と冗長ビットR1を出力する。誤り訂正復号部200a-Bは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD2-1,D2-2と冗長ビットR1の行毎に行う。
【0057】
誤り訂正復号部201aは、誤り訂正復号部200a-Aから出力された情報ビットD1と誤り訂正復号部200a-Bから出力された情報ビットD2-1,D2-2の誤り訂正を、D1,D2-1,D2-2に付加された冗長ビットR1に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1,D2-1,D2-2を出力する。誤り訂正復号部201aは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図4に示した情報ビットD1,D2-1,D2-2の行毎に行う。こうして、受信データを復号することができる。
【0058】
16QAMの場合、各シンボルの送信信号座標に対する受信信号座標のずれが正規分布に従う場合、シンボルに対応する4ビットのうちの上位側ビットの誤り率と下位側ビットの誤り率の比は1:2となる。よって、冗長ビットR3-1,R3-2の冗長度と冗長ビットR2の冗長度の比を2:1に近づけることで、シンボルに対応する4ビットのうちの上位側ビットの誤り率と下位側ビットの誤り率とが同程度になるように誤り訂正を行うことができる。
【0059】
本実施例では、誤り訂正復号部200a-Aの出力ビット数(情報ビットD1の長さ120ビット)と誤り訂正復号部200a-Bの出力ビット数(情報ビットD2-1,D2-2の長さ104ビット+冗長ビットR1の長さ8ビット)の合計は、誤り訂正復号部201aの入力ビット数232ビットと一致する。こうして、本実施例では、第1の実施例で説明した効果を得ることができる。
【0060】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、第1の実施例の別の具体例である。本実施例においても通信システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1の符号を用いて説明する。送信信号処理装置1における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を
図9に示す。
【0061】
図4と同様に、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列に含まれる情報ビットをD1、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第2のビット列に含まれる情報ビットをD2-1,D2-2、第2の冗長ビットをR2、第3の冗長ビットをR3-1,R3-2とする。また、情報ビットD1に付加される第1の冗長ビットをR1-1、情報ビットD2-1,D2-2に付加される第1の冗長ビットをR1-2,R1-3とする。
【0062】
本実施例では、情報ビットD1のブロックの構成を、列方向(
図9横方向)の長さ120ビット、M行の構成としている。行数Mは、1以上の整数である。また、情報ビットD2-1,D2-2のブロックの構成を、それぞれ列方向の長さ56ビット、M行の構成としている。冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3の長さをRビット(例えば8ビット)とする。冗長ビットR2,R3-1,R3-2の長さはそれぞれ8ビットである。
【0063】
図10は本実施例に係る送信信号処理装置1における符号化装置10の構成を示すブロック図である。符号化装置10は、符号化部100b-A(第2の符号化部)と、符号化部100b-B(第3の符号化部)と、符号化部101b(第1の符号化部)とから構成される。
【0064】
符号化部101bは、長さ1ビット×M行の情報ビットD1,D2-1,D2-2のそれぞれから長さRビットの冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3を生成して、情報ビットD1,D2-1,D2-2と冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3とを出力する。符号化部101bは、このような符号化処理を
図9に示した情報ビットD1,D2-1,D2-2の列毎に行い、処理結果を行毎に出力する。このとき、符号化部101bは、
図9に示すように情報ビットD1,D2-1,D2-2の列毎に生成した冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3が行方向に沿って配置されるような出力形態でビット列を出力する。符号化部101bが出力するビット列の長さは、(D1,D2-1,D2-2の長さ)=120+56×2=232ビットである。
【0065】
次に、符号化部100b-Aは、符号化部101bから出力された長さ120ビット×1行の情報ビットD1から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、情報ビットD1と冗長ビットR2とを出力する。また、符号化部100b-Aは、情報ビットD1に付加された120列分の冗長ビットR1-1のうち、i番目(iは1~Rの整数)のビット×120列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、冗長ビットR1-1のi番目のビット×120列のビット列と、冗長ビットR2とを出力する。符号化部100b-Aは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図9に示した情報ビットD1の行毎、および冗長ビットR1-1のビット毎に行う。
【0066】
一方、符号化部100b-Bは、符号化部101bから出力された長さ56ビット×1行の情報ビットD2-1,D2-2からそれぞれ長さ8ビットの冗長ビットR3-1,R3-2を生成する。符号化部100b-Bは、情報ビットD2-1と冗長ビットR3-1と情報ビットD2-2と冗長ビットR3-2とを出力する。
【0067】
また、符号化部100b-Bは、情報ビットD2-1に付加された56列分の冗長ビットR1-2のうち、i番目のビット×56列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR3-1を生成し、情報ビットD2-2に付加された56列分の冗長ビットR1-3のうち、i番目のビット×56列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR3-2を生成する。符号化部100b-Bは、冗長ビットR1-2のi番目のビット×56列のビット列と、冗長ビットR3-1と、冗長ビットR1-3のi番目のビット×56列のビット列と、冗長ビットR3-2とを出力する。符号化部100b-Bは、以上のような符号化処理と処理結果の出力を
図9に示した情報ビットD2-1,D2-2の行毎、および冗長ビットR1-2,R1-3のビット毎に行う。
【0068】
符号化部100b-Aにおける符号長は、(D1の長さ+R2の長さ)=120+8=128ビットである。符号化部100b-Bにおける符号長は、(D2-1の長さ+R3-1の長さ)=(D2-2の長さ+R3-2の長さ)=56+8=64ビットであり、符号化部100b-Aにおける符号長の1/2である。
【0069】
また、冗長ビットR2の冗長度は、(R2の長さ)/(D1の長さ+R2の長さ)=8/128である。冗長ビットR3-1,R3-2の冗長度は、(R3-1の長さ)/(D2-1の長さ+R3-1の長さ)=(R3-2の長さ)/(D2-2の長さ+R3-2の長さ)=8/64であり、冗長ビットR2の冗長度の2倍である。
【0070】
次に、送信信号処理装置1におけるシンボルマッピング装置11bは、符号化装置10によって符号化された送信データの多値変調を実行する。具体的には、シンボルマッピング装置11bは、符号化された送信データに含まれるD1,R2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビット(例えば1ビット目と2ビット目)に割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11bは、符号化された送信データに含まれるD2-1,R3-1,D2-2,R3-2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビット(例えば3ビット目と4ビット目)に割り当てる。
【0071】
また、シンボルマッピング装置11bは、120列分の冗長ビットR1-1と冗長ビットR2とから例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11bは、56列分の冗長ビットR1-2と冗長ビットR3-1と56列分の冗長ビットR1-3と冗長ビットR3-2とから例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てる。
【0072】
図11は本実施例に係る受信信号処理装置2における誤り訂正装置20の構成を示すブロック図である。誤り訂正装置20は、誤り訂正復号部200b-A(第1の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200b-B(第2の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部201b(第3の誤り訂正復号部)とから構成される。
【0073】
受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置21bは、受信データXI,XQ,YI,YQから複素平面上のシンボル位置を求め、送信側と同じマッピング規則に従って、シンボルをビット列に変換することにより、
図9に示した構成のビット列を復調する。
【0074】
次に、誤り訂正復号部200b-Aは、シンボルデマッピング装置21bの出力のうち長さ120ビットの情報ビットD1の誤り訂正を、D1に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。また、誤り訂正復号部200b-Aは、情報ビットD1に付加された120列分の冗長ビットR1-1のうち、i番目(iは1~Rの整数)のビット×120列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×120列のビット列を出力する。誤り訂正復号部200b-Aは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図9に示した情報ビットD1の行毎、および冗長ビットR1-1のビット毎に行う。
【0075】
誤り訂正復号部200b-Bは、シンボルデマッピング装置21bの出力のうち長さ56ビットの情報ビットD2-1,D2-2の誤り訂正を、それぞれD2-1,D2-2に付加された冗長ビットR3-1,R3-2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD2-1,D2-2を出力する。
【0076】
また、誤り訂正復号部200b-Bは、情報ビットD2-1に付加された56列分の冗長ビットR1-2のうち、i番目のビット×56列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR3-1に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×56列のビット列を出力する。さらに、誤り訂正復号部200b-Bは、情報ビットD2-2に付加された56列分の冗長ビットR1-3のうち、i番目のビット×56列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR3-2に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×56列のビット列を出力する。誤り訂正復号部200b-Bは、以上のような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図9に示した情報ビットD2-1,D2-2の行毎、および冗長ビットR1-2,R1-3のビット毎に行う。
【0077】
誤り訂正復号部201bは、誤り訂正復号部200b-Aから出力された長さ1ビット×M行の情報ビットD1の誤り訂正を、この1列のD1に付加された行方向の冗長ビットR1-1に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。また、誤り訂正復号部201bは、誤り訂正復号部200b-Bから出力された長さ1ビット×M行の情報ビットD2-1,D2-2の誤り訂正を、それぞれ1列のD2-1,D2-2に付加された行方向の冗長ビットR1-2,R1-3に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD2-1,D2-2を出力する。誤り訂正復号部201bは、このような誤り訂正復号処理を
図9に示した情報ビットD1,D2-1,D2-2の列毎に行い、処理結果を行毎に出力する。こうして、受信データを復号することができる。
【0078】
本実施例では、誤り訂正復号部200b-Aの出力ビット数(情報ビットD1の長さ120ビット)と誤り訂正復号部200b-Bの出力ビット数(情報ビットD2-1,D2-2の長さ112ビット)の合計は、誤り訂正復号部201bの入力ビット数232ビットと一致する。こうして、本実施例では、第1の実施例で説明した効果を得ることができる。
【0079】
また、第2の実施例では、情報ビットD1,D2-1,D2-2に対して列方向に冗長ビットR1を付加し、さらに情報ビットD1,D2-1,D2-2と冗長ビットR1に対して列方向に冗長ビットR2,R3-1,R3-2を付加していた。
【0080】
これに対して、本実施例では、情報ビットD1,D2-1,D2-2に対して行方向に冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3を付加し、さらに情報ビットD1,D2-1,D2-2と冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3に対して列方向に冗長ビットR2,R3-1,R3-2を付加している。本実施例では、冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3の配列方向と冗長ビットR2,R3-1,R3-2の配列方向を直交させることにより、冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3と冗長ビットR2,R3-1,R3-2間で重なる誤りが最大1ビットとなるので、第2の実施例と比較して誤り訂正能力を更に向上させることができる。
【0081】
第2、第3の実施例では、多値変調方式が16QAMの場合について説明しているが、第2、第3の実施例を例えば64QAMに適用してもよい。多値変調方式が64QAMの場合のシンボルの配置例を
図12に示す。
図12の例では、シンボルに対応する6ビットのうちの上位から1ビット目をd6、2ビット目をd5、3ビット目をd4、4ビット目をd3、5ビット目をd2、6ビット目をd1としている。
【0082】
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は、第1の実施例の別の具体例である。本実施例においても通信システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1の符号を用いて説明する。送信信号処理装置1における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を
図13に示す。
【0083】
第2、第3の実施例では、多値変調のシンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列(第2の実施例ではD1、第3の実施例ではD1とそれに付加されるR1)に付加される第2の冗長ビットR2の冗長度に対して、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第2のビット列(第2の実施例ではD2-1,D2-2,R1、第3の実施例ではD2-1とそれに付加されるR1、およびD2-2とそれに付加されるR1)に付加される第3の冗長ビットR3の冗長度を2倍としていた。
【0084】
これに対して、本実施例では、第2のビット列をさらに分割する。具体的には、シンボルに対応する複数ビットのうち中間側ビットに割り当てられるビット列(第3のビット列)と、下位側ビットに割り当てられるビット列(第4のビット列)とに分割する。
【0085】
図13の例では、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列に含まれる情報ビットをD1、シンボルに対応する複数ビットのうちの中間側ビットに割り当てられる第3のビット列に含まれる情報ビットをD3-1,D3-2、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第4のビット列に含まれる情報ビットをD4-1,D4-2,D4-3,D4-4とする。また、第1の冗長ビットをR1、情報ビットD1に付加される第2の冗長ビットをR2、情報ビットD3-1,D3-2に付加される第3の冗長ビットをR4-1,R4-2、情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4に付加される第3の冗長ビットをR5-1,R5-2,R5-3,R5-4とする。ただし、本実施例の場合、冗長ビットR5-4は、情報ビットD4-4と冗長ビットR1に対して付加される。
【0086】
本実施例では、情報ビットD1のブロックの構成を、列方向(
図13横方向)の長さ120ビット、M行の構成としている。行数Mは、1以上の整数である。また、情報ビットD3-1,D3-2のブロックの構成を、それぞれ列方向の長さ56ビット、M行の構成としている。また、情報ビットD4-1~D4-3のブロックの構成を、それぞれ列方向の長さ24ビット、M行の構成とし、情報ビットD4-4のブロックの構成を、列方向の長さ16ビット、M行の構成としている。冗長ビットR1,R2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4の長さはそれぞれ8ビットである。
【0087】
図14は本実施例に係る送信信号処理装置1における符号化装置10の構成を示すブロック図である。符号化装置10は、符号化部100c-A(第2の符号化部)と、符号化部100c-B(第4の符号化部)と、符号化部100c-C(第5の符号化部)と、符号化部101c(第1の符号化部)とから構成される。
【0088】
符号化部101cは、長さ320ビット×1行の情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4から長さ8ビットの冗長ビットR1を生成して、情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4と冗長ビットR1とを出力する。符号化部101cは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の行毎に行う。符号化部101cにおける符号長は、(D1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の長さ+R1の長さ)=320+8=328ビットである。
【0089】
次に、符号化部100c-Aは、符号化部101cの出力のうち長さ120ビット×1行の情報ビットD1から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、情報ビットD1と冗長ビットR2とを出力する。符号化部100c-Aは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD1の行毎に行う。
【0090】
一方、符号化部100c-Bは、符号化部101cの出力のうち長さ56ビット×1行の情報ビットD3-1,D3-2からそれぞれ長さ8ビットの冗長ビットR4-1,R4-2を生成して、情報ビットD3-1と冗長ビットR4-1と情報ビットD3-2と冗長ビットR4-2とを出力する。符号化部100c-Bは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD3-1,D3-2の行毎に行う。
【0091】
符号化部100c-Cは、符号化部101cの出力のうち長さ24ビット×1行の情報ビットD4-1,D4-2,D4-3からそれぞれ長さ8ビットの冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3を生成し、長さ16ビット×1行の情報ビットD4-4と長さ8ビット×1行の冗長ビットR1から長さ8ビットの冗長ビットR5-4を生成して、情報ビットD4-1と冗長ビットR5-1と情報ビットD4-2と冗長ビットR5-2と情報ビットD4-3と冗長ビットR5-3と情報ビットD4-4と冗長ビットR1,R5-4とを出力する。符号化部100c-Cは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD4-1~D4-4と冗長ビットR1の行毎に行う。
【0092】
符号化部100c-Aにおける符号長は、(D1の長さ+R2の長さ)=120+8=128ビットである。符号化部100c-Bにおける符号長は、(D3-1の長さ+R4-1の長さ)=(D3-2の長さ+R4-2の長さ)=56+8=64ビットであり、符号化部100c-Aにおける符号長の1/2である。符号化部100c-Cにおける符号長は、(D4-1の長さ+R5-1の長さ)=(D4-2の長さ+R5-2の長さ)=(D4-3の長さ+R5-3の長さ)=(D4-4の長さ+R1の長さ+R5-4の長さ)=24+8=32ビットであり、符号化部100c-Bにおける符号長の1/2(符号化部100c-Aにおける符号長の1/4)である。
【0093】
また、冗長ビットR2の冗長度は、(R2の長さ)/(D1の長さ+R2の長さ)=8/128である。冗長ビットR4-1,R4-2の冗長度は、(R4-1の長さ)/(D3-1の長さ+R4-1の長さ)=(R4-2の長さ)/(D3-2の長さ+R4-2の長さ)=8/64であり、冗長ビットR2の冗長度の2倍である。冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3,R5-4の冗長度は、(R5-1の長さ)/(D4-1の長さ+R5-1の長さ)=(R5-2の長さ)/(D4-2の長さ+R5-2の長さ)=(R5-3の長さ)/(D4-3の長さ+R5-3の長さ)=(R5-4の長さ)/(D4-4の長さ+R1の長さ+R5-4の長さ)=8/32であり、冗長ビットR4-1,R4-2の冗長度の2倍(冗長ビットR2の冗長度の4倍)である。
【0094】
次に、送信信号処理装置1におけるシンボルマッピング装置11cは、符号化装置10によって符号化された送信データの多値変調を実行する。具体的には、シンボルマッピング装置11cは、符号化された送信データに含まれる情報ビットD1と冗長ビットR2とからなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビット(例えば1ビット目と2ビット目)に割り当てる。また、シンボルマッピング装置11cは、符号化された送信データに含まれる情報ビットD3-1と冗長ビットR4-1と情報ビットD3-2と冗長ビットR4-2とからなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの中間側ビット(例えば3ビット目と4ビット目)に割り当てる。
【0095】
さらに、シンボルマッピング装置11cは、符号化された送信データに含まれる情報ビットD4-1と冗長ビットR5-1と情報ビットD4-2と冗長ビットR5-2と情報ビットD4-3と冗長ビットR5-3と情報ビットD4-4と冗長ビットR1,R5-4とからなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビット(例えば5ビット目と6ビット目)に割り当てる。
【0096】
多値変調方式が64QAMの場合のシンボルの配置例は
図12に示したとおりである。
図15は多値変調方式が64QAMの場合のシンボルマッピングの1例を示す図である。ビットd6=“0”,d5=“0”の場合、シンボルマッピング装置11cが選択するシンボルは
図15の第1象限31内の16点のいずれかとなる。d6=“1”,d5=“0”の場合、シンボルは第2象限32内の16点のいずれかとなる。d6=“1”,d5=“1”の場合、シンボルは第3象限33内の16点のいずれかとなる。d6=“0”,d5=“1”の場合、シンボルは第4象限34内の16点のいずれかとなる。
【0097】
また、ビットd4=“0”,d3=“0”の場合、シンボルマッピング装置11cが選択するシンボルはビットd6,d5によって決まる象限の枠41内の4点のいずれかとなる。d4=“1”,d3=“0”の場合、シンボルはビットd6,d5によって決まる象限の枠42内の4点のいずれかとなる。d4=“1”,d3=“1”の場合、シンボルはビットd6,d5によって決まる象限の枠43内の4点のいずれかとなる。d4=“0”,d3=“1”の場合、シンボルはビットd6,d5によって決まる象限の枠44内の4点のいずれかとなる。さらに、ビットd2,d1の値によって枠41~44内の4点のうちいずれか1つが、d6,d5,d4,d3,d2,d1に対応するシンボルとして選択される。
【0098】
図16は本実施例に係る受信信号処理装置2における誤り訂正装置20の構成を示すブロック図である。誤り訂正装置20は、誤り訂正復号部200c-A(第1の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200c-B(第4の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200c-C(第5の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部201c(第3の誤り訂正復号部)とから構成される。
【0099】
受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置21cは、受信データXI,XQ,YI,YQから複素平面上のシンボル位置を求め、送信側と同じマッピング規則に従って、シンボルをビット列に変換することにより、
図13に示した構成のビット列を復調する。
【0100】
次に、誤り訂正復号部200c-Aは、シンボルデマッピング装置21cの出力のうち長さ120ビットの情報ビットD1の誤り訂正を、D1に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。誤り訂正復号部200c-Aは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD1の行毎に行う。
【0101】
誤り訂正復号部200c-Bは、シンボルデマッピング装置21cの出力のうち長さ56ビットの情報ビットD3-1,D3-2の誤り訂正を、それぞれD3-1,D3-2に付加された冗長ビットR4-1,R4-2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD3-1,D3-2を出力する。誤り訂正復号部200c-Bは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD3-1,D3-2の行毎に行う。
【0102】
誤り訂正復号部200c-Cは、シンボルデマッピング装置21cの出力のうち長さ24ビットの情報ビットD4-1,D4-2,D4-3の誤り訂正を、それぞれD4-1,D4-2,D4-3に付加された冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3に基づいて行い、さらに長さ16ビットの情報ビットD4-4と長さ8ビットの冗長ビットR1の誤り訂正を、D4-4,R1に付加された冗長ビットR5-4に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD4-1~D4-4と冗長ビットR1を出力する。誤り訂正復号部200c-Cは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD4-1~D4-4と冗長ビットR1の行毎に行う。
【0103】
誤り訂正復号部201cは、誤り訂正復号部200c-Aから出力された情報ビットD1と誤り訂正復号部200c-Bから出力された情報ビットD3-1,D3-2と誤り訂正復号部200c-Cから出力された情報ビットD4-1~D4-4の誤り訂正を、D1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4に付加された冗長ビットR1に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4を出力する。誤り訂正復号部201cは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図13に示した情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の行毎に行う。こうして、受信データを復号することができる。
【0104】
64QAMの場合、各シンボルの送信信号座標に対する受信信号座標のずれが正規分布に従う場合、シンボルに対応する6ビットのうちの上位側ビット(上位2ビット)の誤り率と、中間側ビット(中間2ビット)の誤り率と、下位側ビット(下位2ビット)の誤り率との比は1:2:4となる。よって、冗長ビットR5-1,5-2,5-3,5-4の冗長度と冗長ビットR4-1,R4-2の冗長度と冗長ビットR2の冗長度との比を4:2:1に近づけることで、シンボルに対応する6ビットのうちの上位2ビットの誤り率と中間2ビットの誤り率と下位2ビットの誤り率とが同程度になるように誤り訂正を行うことができる。
【0105】
本実施例では、誤り訂正復号部200c-Aの出力ビット数(情報ビットD1の長さ120ビット)と誤り訂正復号部200c-Bの出力ビット数(情報ビットD3-1,D3-2の長さ112ビット)と誤り訂正復号部200c-Cの出力ビット数(情報ビットD4-1~D4-4の長さ88ビット+冗長ビットR1の長さ8ビット)の合計は、誤り訂正復号部201cの入力ビット数328ビットと一致する。こうして、本実施例では、第1の実施例で説明した効果を得ることができる。
【0106】
[第5の実施例]
次に、本発明の第5の実施例について説明する。本実施例は、第1の実施例の別の具体例である。本実施例においても通信システムの構成は第1の実施例と同様であるので、
図1の符号を用いて説明する。送信信号処理装置1における符号化装置によって符号化されたビット列、および受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置によって復調されたビット列の構成を
図17に示す。
【0107】
図13と同様に、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てられる第1のビット列に含まれる情報ビットをD1、シンボルに対応する複数ビットのうちの中間側ビットに割り当てられる第3のビット列に含まれる情報ビットをD3-1,D3-2、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てられる第4のビット列に含まれる情報ビットをD4-1~D4-4とする。情報ビットD1に付加される第1の冗長ビットをR1-1、情報ビットD3-1,D3-2に付加される第1の冗長ビットをR1-2,R1-3、情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4に付加される第1の冗長ビットをR1-4,R1-5,R1-6,R1-7とする。また、情報ビットD1に付加される第2の冗長ビットをR2、情報ビットD3-1,D3-2に付加される第3の冗長ビットをR4-1,R4-2、情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4に付加される第3の冗長ビットをR5-1,R5-2,R5-3,R5-4とする。
【0108】
本実施例では、情報ビットD1のブロックの構成を、列方向(
図17横方向)の長さ120ビット、M行の構成としている。行数Mは、1以上の整数である。また、情報ビットD3-1,D3-2のブロックの構成を、それぞれ列方向の長さ56ビット、M行の構成とし、情報ビットD4-1~D4-4のブロックの構成を、それぞれ列方向の長さ24ビット、M行の構成としている。冗長ビットR1-1~R1-7の長さをRビット(例えば8ビット)とする。冗長ビットR2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4の長さはそれぞれ8ビットである。
【0109】
図18は本実施例に係る送信信号処理装置1における符号化装置10の構成を示すブロック図である。符号化装置10は、符号化部100d-A(第2の符号化部)と、符号化部100d-B(第4の符号化部)と、符号化部100d-C(第5の符号化部)と、符号化部101d(第1の符号化部)とから構成される。
【0110】
符号化部101dは、長さ1ビット×M行の情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1,D4-2,D4-3,D4-4のそれぞれから長さRビットの冗長ビットR1-1,R1-2,R1-3,R1-4,R1-5,R1-6,R1-7を生成して、情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4と冗長ビットR1-1~R1-7とを出力する。符号化部101dは、このような符号化処理を
図17に示した情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の列毎に行い、処理結果を行毎に出力する。このとき、符号化部101dは、
図17に示すように情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の列毎に生成した冗長ビットR1~R7が行方向に沿って配置されるような出力形態でビット列を出力する。符号化部101dが出力するビット列の長さは、(D1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の長さ)=120+56×2+24×4=328ビットである。
【0111】
次に、符号化部100d-Aは、符号化部101dから出力された長さ120ビット×1行の情報ビットD1から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、情報ビットD1と冗長ビットR2とを出力する。また、符号化部100d-Aは、情報ビットD1に付加された120列分の冗長ビットR1-1のうち、i番目(iは1~Rの整数)のビット×120列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR2を生成して、冗長ビットR1-1のi番目のビット×120列のビット列と、冗長ビットR2とを出力する。符号化部100d-Aは、このような符号化処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD1の行毎、および冗長ビットR1-1のビット毎に行う。
【0112】
一方、符号化部100d-Bは、符号化部101dから出力された長さ56ビット×1行の情報ビットD3-1,D3-2からそれぞれ長さ8ビットの冗長ビットR4-1,R4-2を生成する。符号化部100d-Bは、情報ビットD3-1と冗長ビットR4-1と情報ビットD3-2と冗長ビットR4-2とを出力する。
【0113】
また、符号化部100d-Bは、情報ビットD3-1に付加された56列分の冗長ビットR1-2のうち、i番目のビット×56列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-1を生成し、情報ビットD3-2に付加された56列分の冗長ビットR1-3のうち、i番目のビット×56列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-2を生成する。符号化部100d-Bは、冗長ビットR1-2のi番目のビット×56列のビット列と、冗長ビットR4-1と、冗長ビットR1-3のi番目のビット×56列のビット列と、冗長ビットR4-2とを出力する。符号化部100d-Bは、以上のような符号化処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD3-1,D3-2の行毎、および冗長ビットR1-2,R1-3のビット毎に行う。
【0114】
符号化部100d-Cは、符号化部101dから出力された長さ24ビット×1行の情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4からそれぞれ長さ8ビットの冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3,R5-4を生成する。符号化部100d-Bは、情報ビットD4-1と冗長ビットR5-1と情報ビットD4-2と冗長ビットR5-2と情報ビットD4-3と冗長ビットR5-3と情報ビットD4-4と冗長ビットR5-4とを出力する。
【0115】
また、符号化部100d-Cは、情報ビットD4-1に付加された24列分の冗長ビットR1-4のうち、i番目のビット×24列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-1を生成し、情報ビットD4-2に付加された24列分の冗長ビットR1-5のうち、i番目のビット×24列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-2を生成し、情報ビットD4-3に付加された24列分の冗長ビットR1-6のうち、i番目のビット×24列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-3を生成し、情報ビットD4-4に付加された24列分の冗長ビットR1-7のうち、i番目のビット×24列のビット列から長さ8ビットの冗長ビットR4-4を生成する。
【0116】
符号化部100d-Bは、冗長ビットR1-4のi番目のビット×24列のビット列と、冗長ビットR5-1と、冗長ビットR1-5のi番目のビット×24列のビット列と、冗長ビットR5-2と、冗長ビットR1-6のi番目のビット×24列のビット列と、冗長ビットR5-3と、冗長ビットR1-7のi番目のビット×24列のビット列と、冗長ビットR5-4とを出力する。符号化部100d-Cは、以上のような符号化処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4の行毎、および冗長ビットR1-4~R1-7のビット毎に行う。
【0117】
符号化部100d-Aにおける符号長は、(D1の長さ+R2の長さ)=120+8=128ビットである。符号化部100d-Bにおける符号長は、(D3-1の長さ+R4-1の長さ)=(D3-2の長さ)=56+8=64ビットであり、符号化部100d-Aにおける符号長の1/2である。符号化部100d-Cにおける符号長は、(D4-1の長さ+R5-1の長さ)=(D4-2の長さ+R5-2の長さ)=(D4-3の長さ+R5-3の長さ)=(D4-4の長さ+R5-4の長さ)=24+8=32ビットであり、符号化部100d-Bにおける符号長の1/2(符号化部100d-Aにおける符号長の1/4)である。
【0118】
また、冗長ビットR2の冗長度は、(R2の長さ)/(D1の長さ+R2の長さ)=8/128である。冗長ビットR4-1,R4-2の冗長度は、(R4-1の長さ)/(D3-1の長さ+R4-1の長さ)=(R4-2の長さ)/(D3-2の長さ+R4-2の長さ)=8/64であり、冗長ビットR2の冗長度の2倍である。冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3,R5-4の冗長度は、(R5-1の長さ)/(D4-1の長さ+R5-1の長さ)=(R5-2の長さ)/(D4-2の長さ+R5-2の長さ)=(R5-3の長さ)/(D4-3の長さ+R5-3の長さ)=(R5-4の長さ)/(D4-4の長さ+R5-4の長さ)=8/32であり、冗長ビットR4-1,R4-2の冗長度の2倍(冗長ビットR2の冗長度の4倍)である。
【0119】
次に、送信信号処理装置1におけるシンボルマッピング装置11dは、符号化装置10によって符号化された送信データの多値変調を実行する。具体的には、シンボルマッピング装置11dは、符号化された送信データに含まれるD1,R2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビット(例えば1ビット目と2ビット目)に割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11dは、符号化された送信データに含まれるD3-1,R4-1,D3-2,R4-2からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの中間側ビット(例えば3ビット目と4ビット目)に割り当てる。さらに、シンボルマッピング装置11dは、符号化された送信データに含まれるD4-1,R5-1,D4-2,R5-2,D4-3,R5-3,D4-4,R5-4からなるビット列から例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビット(例えば5ビット目と6ビット目)に割り当てる。
【0120】
また、シンボルマッピング装置11dは、120列分の冗長ビットR1-1と冗長ビットR2とから例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの上位側ビットに割り当てる。同時に、シンボルマッピング装置11dは、56列分の冗長ビットR1-2と冗長ビットR4-1と56列分の冗長ビットR1-3と冗長ビットR4-2とから例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの中間側ビットに割り当てる。さらに、シンボルマッピング装置11dは、24列分の冗長ビットR1-4と冗長ビットR5-1と24列分の冗長ビットR1-5と冗長ビットR5-2と24列分の冗長ビットR1-6と冗長ビットR5-3と24列分の冗長ビットR1-7と冗長ビットR5-4とから例えば2ビットずつ順次抽出し、抽出した2ビットを、シンボルに対応する複数ビットのうちの下位側ビットに割り当てる。
【0121】
図19は本実施例に係る受信信号処理装置2における誤り訂正装置20の構成を示すブロック図である。誤り訂正装置20は、誤り訂正復号部200d-A(第1の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200d-B(第4の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部200d-C(第5の誤り訂正復号部)と、誤り訂正復号部201d(第3の誤り訂正復号部)とから構成される。
【0122】
受信信号処理装置2におけるシンボルデマッピング装置21dは、受信データXI,XQ,YI,YQから複素平面上のシンボル位置を求め、送信側と同じマッピング規則に従って、シンボルをビット列に変換することにより、
図17に示した構成のビット列を復調する。
【0123】
次に、誤り訂正復号部200d-Aは、シンボルデマッピング装置21dの出力のうち長さ120ビットの情報ビットD1の誤り訂正を、D1に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。また、誤り訂正復号部200d-Aは、情報ビットD1に付加された120列分の冗長ビットR1-1のうち、i番目(iは1~Rの整数)のビット×120列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR2に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×120列のビット列を出力する。誤り訂正復号部200d-Aは、このような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD1の行毎、および冗長ビットR1-1のビット毎に行う。
【0124】
誤り訂正復号部200d-Bは、シンボルデマッピング装置21dの出力のうち長さ56ビットの情報ビットD3-1,D3-2の誤り訂正を、それぞれD3-1,D3-2に付加された冗長ビットR4-1,R4-2に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD3-1,D3-2を出力する。
【0125】
また、誤り訂正復号部200d-Bは、情報ビットD3-1に付加された56列分の冗長ビットR1-2のうち、i番目のビット×56列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR4-1に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×56列のビット列を出力する。さらに、誤り訂正復号部200d-Bは、情報ビットD3-2に付加された56列分の冗長ビットR1-3のうち、i番目のビット×56列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR4-2に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×56列のビット列を出力する。誤り訂正復号部200d-Bは、以上のような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD3-1,D3-2の行毎、および冗長ビットR1-2,R1-3のビット毎に行う。
【0126】
誤り訂正復号部200d-Cは、シンボルデマッピング装置21dの出力のうち長さ24ビットの情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4の誤り訂正を、それぞれD4-1,D4-2,D4-3,D4-4に付加された冗長ビットR5-1,R5-2,R5-3,R5-4に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4を出力する。
【0127】
また、誤り訂正復号部200d-Cは、情報ビットD4-1に付加された24列分の冗長ビットR1-4のうち、i番目のビット×24列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR5-1に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×24列のビット列を出力する。また、誤り訂正復号部200d-Cは、情報ビットD4-2に付加された24列分の冗長ビットR1-5のうち、i番目のビット×24列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR5-2に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×24列のビット列を出力する。
【0128】
また、誤り訂正復号部200d-Cは、情報ビットD4-3に付加された24列分の冗長ビットR1-6のうち、i番目のビット×24列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR5-3に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×24列のビット列を出力する。さらに、誤り訂正復号部200d-Cは、情報ビットD4-4に付加された24列分の冗長ビットR1-7のうち、i番目のビット×24列のビット列の誤り訂正を、このビット列に付加された冗長ビットR5-4に基づいて行い、誤り訂正したi番目のビット×24列のビット列を出力する。誤り訂正復号部200d-Cは、以上のような誤り訂正復号処理と処理結果の出力を
図17に示した情報ビットD4-1~D4-4の行毎、および冗長ビットR1-4~R1-7のビット毎に行う。
【0129】
誤り訂正復号部201dは、誤り訂正復号部200d-Aから出力された長さ1ビット×M行の情報ビットD1の誤り訂正を、この1列のD1に付加された行方向の冗長ビットR1-1に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD1を出力する。また、誤り訂正復号部201dは、誤り訂正復号部200d-Bから出力された長さ1ビット×M行の情報ビットD3-1,D3-2の誤り訂正を、それぞれ1列のD3-1,D3-2に付加された行方向の冗長ビットR1-2,R1-3に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD3-1,D3-2を出力する。
【0130】
さらに、誤り訂正復号部201dは、誤り訂正復号部200d-Cから出力された長さ1ビット×M行の情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4の誤り訂正を、それぞれ1列のD4-1,D4-2,D4-3,D4-4に付加された行方向の冗長ビットR1-4,R1-5,R1-6,R1-7に基づいて行い、誤り訂正後の情報ビットD4-1,D4-2,D4-3,D4-4を出力する。誤り訂正復号部201dは、以上のような誤り訂正復号処理を
図17に示した情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4の列毎に行い、処理結果を行毎に出力する。こうして、受信データを復号することができる。
【0131】
本実施例では、誤り訂正復号部200d-Aの出力ビット数(情報ビットD1の長さ120ビット)と誤り訂正復号部200d-Bの出力ビット数(情報ビットD3-1,D3-2の長さ112ビット)と誤り訂正復号部200d-Cの出力ビット数(情報ビットD4-1~D4-4の長さ96ビット)の合計は、誤り訂正復号部201dの入力ビット数328ビットと一致する。こうして、本実施例では、第1の実施例で説明した効果を得ることができる。
【0132】
また、第4の実施例では、情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4に対して列方向に冗長ビットR1を付加し、さらに情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4と冗長ビットR1に対して列方向に冗長ビットR2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4を付加していた。
【0133】
これに対して、本実施例では、情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4に対して行方向に冗長ビットR1-1~R1-7を付加し、さらに情報ビットD1,D3-1,D3-2,D4-1~D4-4と冗長ビットR1-1~R1-7に対して列方向に冗長ビットR2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4を付加している。本実施例では、冗長ビットR1-1~R1-7の配列方向と冗長ビットR2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4の配列方向を直交させることにより、冗長ビットR1と冗長ビットR2,R4-1,R4-2,R5-1~R5-4間で重なる誤りが最大1ビットとなるので、第4の実施例と比較して誤り訂正能力を更に向上させることができる。
【0134】
なお、第1~第6の実施例に適用可能な符号化方式としては、例えばLDPC(Low Density Parity Check)符号、リードソロモン符号、BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号、ハミング符号、畳み込み符号、ターボ符号などがある。第1~第6の実施例では、情報ビットの長さが変化しない符号化を例に挙げて説明しているが、第3の符号化の冗長度が、第2の符号化の冗長度の所定数倍で、第1の誤り訂正復号部の出力ビット数と第2の誤り訂正復号部の出力ビット数の合計が、第3の誤り訂正復号部の入力ビット数と一致する場合であれば、情報ビットの長さが変換される符号化に本発明を適用してもよい。
【0135】
第1~第5の実施例で説明した送信信号処理装置1と受信信号処理装置2の各々は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各々の装置のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1~第6の実施例で説明した処理を実行する。また、送信信号処理装置1と受信信号処理装置2の各々の少なくとも一部を例えばASIC(application specific integrated circuit)あるいはFPGA(field-programmable gate array)などのハードウェアロジックで構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、例えばコヒーレント光通信システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1…送信信号処理装置、2…受信信号処理装置、3…光送信モジュール、4…光受信モジュール、5…光ファイバ伝送路、6…送信装置、7…受信装置、10…符号化装置、11,11a~11d…シンボルマッピング装置、21,21a~21d…シンボルデマッピング装置、20…誤り訂正装置、100-A,100a-A~100d-A,100-B,100a-B~100d-B,100c-C,100d-C,101,101a~101d…符号化部、200-A,200a-A~200d-A,200-B,200a-B~200d-B,200c-C,200d-C,201,201a~201d…誤り訂正復号部。