(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電子機器受け入れ用ケース
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231225BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G06F1/16 312P
G06F1/16 312Q
H05K5/03 A
H05K5/03 B
(21)【出願番号】P 2022120397
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 善淳
(72)【発明者】
【氏名】呉 冠龍
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3005187(JP,U)
【文献】特開2005-116620(JP,A)
【文献】特開2005-317693(JP,A)
【文献】特開2002-298099(JP,A)
【文献】特開平10-293625(JP,A)
【文献】実開昭54-120308(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースであって、
前記電子機器を受け入れるように構成された収容空間、および前記収容空間と連通した開口を有するハウジング、
前記ハウジングにスライド可能に連結されたヒンジ、
ロック部材、および
上側、下側、および外面を有し、前記上側は、前記ロック部材によって前記ハウジングに取り外し可能に連結され、前記下側は、前記ヒンジに回動可能に連結されたカバーを含み、
前記ロック部材が前記上側を前記ハウジングに取り付け、前記ヒンジが前記ハウジングに対して第1の位置にあるとき、前記カバーは環境空間と前記収容空間との間に配置され、前記外面は前記環境空間に面し、
前記ロック部材が解放され、前記ヒンジが前記ハウジングに対して前記第1の位置から第2の位置に移動したとき、前記カバーは前記環境空間と前記収容空間の間の位置を離れ、前記外面は前記環境空間に面
し、
前記ハウジングは突縁を含み、前記開口は前記突縁と前記収容空間との間に配置され、前記ロック部材が解放され、前記ヒンジが前記ハウジングに対して前記第1の位置から前記第2の位置に移動した後、前記カバーは前記開口に向かって回転し、前記カバーの内面は前記突縁と接触し、
孔は前記突縁に形成され、前記カバーは係合部を有し、前記ロック部材が解放され、前記ヒンジが前記ハウジングに対して前記第1の位置から前記第2の位置に移動したとき、前記係合部は前記孔に挿入されるケース。
【請求項2】
前記ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、前記収容空間は、前記上壁と前記底壁との間に形成され、前記突縁は、前記底壁から延在されて、前記開口を超えて、
前記上壁と前記底壁との間の距離は、前記上壁と前記突縁との間の距離より小さい請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、前記収容空間は、前記上壁と前記底壁との間に形成され、前記突縁は、前記底壁から延在されて、前記開口を超えて、
前記底壁は、前記上壁に面する上面を有し、前記ロック部材が解除され、前記ヒンジが前記ハウジングに対して前記第1の位置から前記第2の位置に移動したとき、前記カバーの前記外面が前記底壁の前記上面と位置合わせされる請求項1に記載のケース。
【請求項4】
前記ハウジングはガイドスロットを含み、前記ヒンジは前記ガイドスロットにスライド可能に配置され、
前記ハウジングは、底壁をさらに含み、前記ガイドスロットの長手方向軸は、前記底壁の上面に対して傾斜される請求項1に記載のケース。
【請求項5】
前記ハウジングはガイドスロットを含み、前記ヒンジは前記ガイドスロットにスライド可能に配置され、
前記開口は前記ガイドスロットと前記収容空間の間にある請求項1に記載のケース。
【請求項6】
前記ハウジングはレールを含み、前記ケースは前記レールにスライド可能に連結されたスライダーをさらに含み、前記ヒンジは前記スライダーに取り付けられ、
前記ヒンジが前記ハウジングに対して前記第1の位置にあるとき、前記スライダーは前記開口から突出しない請求項1に記載のケース。
【請求項7】
前記ケースは、前記外面に取り付けられたラベルをさらに含む請求項1に記載のケース。
【請求項8】
少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースであって、
前記電子機器を受け入れるように構成された収容空間、前記収容空間と連通され、突縁と前記収容空間との間に配置された開口、および突縁を有するハウジング、
カバー、および
前記カバーに配置されたラベルを含み、前記カバーが閉位置にあるとき、前記カバーは前記開口を覆い、前記ラベルは環境空間から露出され、前記カバーが前記閉位置から開位置へ移動して回転した
後、前記カバーは前記開口に向かって回転し、前記カバーは前記突縁と接触しており、前記収容空間は前記開口を介して前記環境空間と連通され、前記ラベルは前記環境空間から露出されるケース。
【請求項9】
孔は前記突縁に形成され、前記カバーは係合部を有し、前記カバーが前記開位置にあるとき、前記係合部は前記孔に挿入される請求項
8に記載のケース。
【請求項10】
前記ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、前記収容空間は、前記上壁と前記底壁との間に形成され、前記突縁は、前記底壁に接続され、
前記上壁と前記底壁との間の距離は、前記上壁と前記突縁との間の距離より小さい請求項
8に記載のケース。
【請求項11】
前記ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、前記収容空間は、前記上壁と前記底壁との間に形成され、前記突縁は、前記底壁に接続され、
前記ラベルは前記カバーの外面に取り付けられ、前記底壁は前記上壁に面する上面を有し、前記カバーが前記開位置にあるとき、前記カバーの前記外面は前記底壁の前記上面と位置合わせされる請求項
8に記載のケース。
【請求項12】
前記ケースはヒンジをさらに含み、前記カバーは前記ヒンジを介して前記ハウジングに回動可能に連結され、
前記ヒンジおよび前記突縁は、前記ハウジングの同じ側に隣接する請求項
8に記載のケース。
【請求項13】
前記ケースはヒンジをさらに含み、前記カバーは前記ヒンジを介して前記ハウジングに回動可能に連結され、
前記ヒンジは、移動方向に前記ハウジングに対して移動可能であり、前記ハウジングは、底壁をさらに含み、前記移動方向は、前記底壁の上面に対して傾斜している請求項
8に記載のケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースに関するものであり、特に、少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの電子システム(データセンター、サーバー、コンピューターなど)では、電子機器を保護するために、それらがケース内に配置される必要がある。電子機器の位置を特定するために、いくつかの電子システムでは、電子機器の情報と状態がハウジングのドアに表記(mark)されている。さらに、ユーザーが電子システムを維持するとき、維持後にドアのラベルに操作を記録することができる。
【0003】
しかしながら、ドアが開けられたとき、ユーザーは電子機器の維持とその情報や状態の確認を同時に行って、その操作をラベルに書き込むことができない。従って、前述の問題にどのように対処するかが重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアが開けられたときに、電子機器の情報と状態の確認、およびその操作をラベルに書き込むことができるケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の製品の欠陥に対処するために、本発明の実施形態は、ハウジング、ヒンジ、ロック部材、およびカバーを含む少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースを提供する。ハウジングは、収容空間、および収容空間と連通した開口を有し、収容空間は、電子機器を受け入れるように構成される。ヒンジは、ハウジングにスライド可能に連結される。カバーは、上側、下側、および外面を有し、上側は、ロック部材によってハウジングに取り外し可能に連結され、下側は、ヒンジに回動可能に連結される。ロック部材が上側をハウジングに取り付け、ヒンジがハウジングに対して第1の位置にあるとき、カバーは環境空間と収容空間との間に配置され、外面は環境空間に面する。ロック部材が解放され、ヒンジがハウジングに対して第1の位置から第2の位置に移動したとき、カバーは環境空間と収容空間の間の位置を離れ、外面は環境空間に面する。
【0006】
いくつかの実施形態では、ハウジングは突縁を含み、開口は突縁と収容空間との間に配置される。ロック部材が解放され、ヒンジがハウジングに対して第1の位置から第2の位置に移動したとき、カバーの内面は突縁と接触している。
【0007】
いくつかの実施形態では、孔は突縁に形成され、カバーは係合部を有する。ロック部材が解放され、ヒンジがハウジングに対して第1の位置から第2の位置に移動したとき、係合部は孔に挿入される。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、収容空間は、上壁と底壁との間に形成され、突縁は、底壁に結合される。いくつかの実施形態では、上壁と底壁との間の距離は、上壁と突縁との間の距離より小さい。ロック部材が解除され、ヒンジがハウジングに対して第1の位置から第2の位置に移動したとき、カバーの外面が底壁の上面と位置合わせされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ハウジングはガイドスロットを含み、ヒンジはガイドスロットにスライド可能に配置される。ガイドスロットの長手方向軸は、底壁の上面に対して傾斜し、開口はガイドスロットと収容空間の間にある。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハウジングはレールを含み、ケースはレールにスライド可能に連結されたスライダーをさらに含み、ヒンジはスライダーに取り付けられる。ヒンジがハウジングに対して第1の位置にあるとき、スライダーは開口から突出しない。
【0011】
いくつかの実施形態では、ケースは、外面に取り付けられたラベルをさらに含む。
【0012】
ハウジング、カバー、およびラベルを含む、少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースも提供される。ハウジングは、収容空間、収容空間と連通した開口、および突縁を有し、開口は突縁と収容空間の間に配置される。ラベルはカバーに配置される。カバーが閉位置にあるとき、カバーは開口を覆い、ラベルは環境空間から露出される。カバーが閉位置から開位置へ移動して回転したとき、カバーは突縁と接触しており、収容空間は開口を介して環境空間と連通され、ラベルは環境空間から露出される。
【0013】
いくつかの実施形態では、孔は突縁に形成され、カバーは係合部を有する。カバーが開位置にあるとき、係合部は孔に挿入される。
【0014】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、上壁および底壁をさらに含み、収容空間は、上壁と底壁との間に形成され、突縁は、底壁に結合される。
【0015】
いくつかの実施形態では、上壁と底壁との間の距離は、上壁と突縁との間の距離より小さい。ラベルはカバーの外面に取り付けられ、底壁は上壁に面する上面を有する。カバーが開位置にあるとき、カバーの外面は底壁の上面と位置合わせされる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ケースはヒンジをさらに含み、カバーはヒンジを介してハウジングに回動可能に連結される。ヒンジおよび突縁は、ハウジングの同じ側に隣接する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ヒンジは、移動方向にハウジングに対して移動可能であり、ハウジングは、底壁をさらに含み、移動方向は、底壁の上面に対して傾斜している。
【0018】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明から、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるケースの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施形態によるハウジングの概略図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施形態によるハウジングの部分拡大図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によるカバーの概略図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態によるカバーが閉位置にあるケースの概略図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態によるカバーが引っ張られ、ヒンジが第1の位置から第2の位置に移動するケースの概略図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態によるカバーが開位置にあるケースの概略図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明のもう1つの実施形態によるカバーが閉位置にあるケースの概略図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のもう1つの実施形態によるカバーが開位置にあるケースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースの実施形態の製造および使用が、以下で詳細に説明される。しかしながら、本実施形態は、さまざまな特定の状況において具現化され得る多くの適用可能な発明の概念を提供する。説明された実施形態は、実施形態を作成および使用する方法を例示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0021】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、本開示の関連技術および本開示の背景または文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、本発明の実施形態によるケースCの概略図である。ケースCは、1つ以上の電子機器E、例えばプロセッサ、ストレージデバイス(例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、および/またはメモリ)、温度コントローラ(例えば、空冷デバイスおよび/または液冷デバイス)、送信デバイス(例えば、ネットワークブリッジおよび/またはルーター)、および/または電源を受け入れるように構成されている。ケースCは、データセンター、サーバー、またはコンピューターに用いられることができるが、これに限定されない。
【0023】
図1に示されるように、ケースCは、主に、ハウジング100、カバー200、少なくとも1つのヒンジ300、少なくとも1つのロック部材400、およびラベル500を含む。前述の部材メンバーの構造およびそれらの間の関係については、以下に説明される。
【0024】
図1および
図2Aに示すように、ハウジング100は、上壁110、底壁120、複数の側壁130、少なくとも1つのガイド部140、および少なくとも1つのロック部150を含む。上壁110は、底壁120に実質的に平行であり、上壁110および底壁120は、側壁130に実質的に垂直であり、側壁130は、上壁110を底壁120に連結する。従って、中空ボックスは、上壁110、底壁120、および側壁130によって形成されることができる。換言すれば、収容空間101は、上壁110と底壁120との間に形成され、上壁110、底壁120、および側壁130によって囲まれることができる。
【0025】
電子機器Eは、収容空間101内に取り外し可能に配置されることができる。収容空間101は、開口102を介して環境空間Sと連通しているため、電子機器Eが、開口102を介して収容空間101に入る、または離れることができる。
【0026】
ガイド部140は、側壁130の1つに連結され、開口102から突出し、ガイドスロット141は、ガイド部140に形成される。この実施形態では、ガイドスロット141は、ハウジング100の底面側に隣接する。従って、Z軸において、上壁110とガイドスロット141間の距離は、底壁120とガイドスロット141との間の距離より大きい。
【0027】
ロック部150は、側壁130または上壁110の1つに連結され、ハウジング100の上側に隣接する。従って、上壁110とロック部150との間の距離は、底壁120とロック部150との間の距離より小さい。
【0028】
図2Bおよび
図2Cに示すように、この実施形態では、ハウジング100は、突縁160をさらに含む。突縁160は、底壁120から延在されて、開口102を超え、これにより、開口102が突縁160と収容空間101との間に配置される。突縁160に1つ以上の孔161が形成されることができる。この実施形態では、上壁110と底壁120との間の距離D1は、上壁110と突縁160との間の距離D2より小さく、ガイドスロット141の長手方向軸AXは、底壁120の上面121に対して傾斜している。
【0029】
図1および
図3に示すように、カバー200は、本体210、少なくとも1つの回動部220、および少なくとも1つの係合部230を含む。本体210は、上側211、および上側211の反対側にある下側212を有し、回動部220は、下側212に隣接する位置で本体210に連結され、係合部230は、上側211で本体210に連結される。この実施形態では、本体210はプレート構造を含み、回動部220および係合部230は、本体210に垂直な方向に沿って実質的に延在する。
【0030】
カバー200の回動部220は、ヒンジ300に回動可能に連結され、ヒンジ300は、ガイドスロット141にスライド可能に連結される。従って、カバー200は、ハウジング100に対して移動可能および回転可能である。
【0031】
ロック部400は、上側211に隣接する位置で、カバー200の本体210に連結されることができる。例えば、ロック部材400は、カバー200をハウジング100に取り付けるための、カバー200上にあるフロートねじ(float screw)、磁石、または他の構造(複数可)であることができるが、これに限定されない。
【0032】
本体210は、外面213および外面213と反対側にある内面214も有する。ラベル500は、外面213に取り付けられる。対応する部分の電子機器Eのタイプおよび/または電子機器Eのメンテナンス記録はラベル500に示されることができる。いくつかの実施形態では、ラベル500は、印刷された紙またはディスプレイモジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、ラベル500は、スクリーン印刷によって外面213上に形成されることができる。
【0033】
この実施形態では、回動部220の延在方向と係合部230の延在方向は反対である。詳細には、回動部220は外面213から突出することができ、係合部230は内面214から突出することができる。
【0034】
前述のケースCの使用方法が以下に説明される。
図4Aおよび
図4Bに示すように、カバー200が閉位置にあるとき、ヒンジ300はガイドスロット141の第1の位置にあり、ロック部材400は、本体210をロック部150に取り付けて、 カバー200の上側211をハウジング100のロック部150に取り付けるようにする。従って、カバー200が、環境空間Sと収容空間101の間に配置され、開口102を覆うため、異物(塵埃など)が収容空間101に侵入するのを防ぐことができる。この実施形態では、カバー200の上側211と下側212との間の距離は、Z軸における開口102の高さと実質的に同じであり、これにより、カバー200は、カバー200が閉位置にあるとき、開口102を完全に覆うことができる。
【0035】
カバー200が閉位置にあるとき、カバー200の外面213は環境空間Sに面していることから、ラベル500は環境空間Sから露出されることができる。従って、ユーザーは、カバー200を開くことなく、対応する位置にある電子機器Eの情報を直接得ることができる。
【0036】
図5Aおよび
図5Bに示すように、ユーザーが収容空間101内の電子機器Eを維持、交換、または取り外したいとき、ユーザーは、ロック部材400を解除して、カバー200を引っ張ることができ、ヒンジ300は、第1の位置から第2の位置へ開口102から離れる移動方向にガイドスロット141に沿って移動することができる。言い換えれば、第1の位置は、第2の位置と開口102との間に配置される。ヒンジ300が第2の位置にあるとき、カバー200は開口102を覆わなくなる。
【0037】
続いて、
図6Aおよび
図6Bに示すように、カバー200の上側211は、開口102に向かって回転することができるため、カバー200が開位置に回転でき、内面214が突縁160と接触することができる。従って、カバー200は、開口102の前に水平に配置されることができる。カバー200の外面213は依然として環境空間Sに面しており、ラベル500は依然として環境空間Sから露出されているため、電子機器Eの情報は直接得られることができ、ユーザーはラベル500に新しい記録を直接書き込むことができる。上壁110と底壁120との間の距離D1は、上壁110と突縁160との間の距離D2よりも小さいため、電子機器Eは、突縁160によってブロックされることなく、収容空間101から引き出されることができる。この実施形態では、カバー200が開位置にあるとき、カバー200の外面213は、底壁120の上面112と位置合わせされる。
【0038】
また、この実施形態では、カバー200が開位置にあるとき、係合部230は、カバー200をより正確に配置するように、突縁160の孔161に挿入されることができる。
【0039】
ユーザーがカバー200を開位置から閉位置に移動したいとき、ユーザーは、
図6Bに示された方向と反対の方向にカバー200を回転させることができ、カバー200を押してヒンジ300を第2の位置から第1の位置に推し進め、ロック部材400を用いてカバー200をハウジング100に取り付ける。
【0040】
図7Aおよび
図7Bに示すように、本発明のもう1つの実施形態では、ハウジング100は、環境空間Sに向かって延在し、開口102から突出するガイド部140を含まない。反対に、ハウジング100はレール170を有し、ケースCは、レール170にスライド可能に連結されたスライダー600をさらに含む。ヒンジ300は、スライダー600に取り付けられることができる。従って、カバー200が閉位置にあるとき、スライダー600はレール170に受け入れられ、ヒンジ300は第1の位置にある。スライダー600は開口102から突出しないため、ケースCの小型化を達成することができる。
【0041】
ユーザーが電子機器Eを維持、交換、または取り外したいとき、スライダー600は、ハウジング100に対して移動して、ヒンジ300を第1の位置から第2の位置に移動させることができ、カバー200は、開位置まで回転することができる(
図7B)。
【0042】
要約すると、本発明の実施形態は、ハウジング、ヒンジ、ロック部材、およびカバーを含む、少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースを提供する。ハウジングは、収容空間、および収容空間と連通した開口を有し、収容空間は、電子機器を受け入れるように構成される。ヒンジは、ハウジングにスライド可能に連結される。カバーは、上側、下側、および外面を有し、上側は、ロック部材によってハウジングに取り外し可能に連結され、下側は、ヒンジに回動可能に連結される。ロック部材が上側をハウジングに取り付け、ヒンジがハウジングに対して第1の位置にあるとき、カバーは環境空間と収容空間との間に配置され、外面は環境空間に面する。ロック部材が解放され、ヒンジがハウジングに対して第1の位置から第2の位置に移動したとき、カバーは環境空間と収容空間の間の位置を離れ、外面は環境空間に面する。
【0043】
ハウジング、カバー、およびラベルを含む、少なくとも1つの電子機器を受け入れるためのケースも提供される。ハウジングは、収容空間、収容空間と連通した開口、および突縁を有し、開口は突縁と収容空間の間に配置される。ラベルはカバーに配置される。カバーが閉位置にあるとき、カバーは開口を覆い、ラベルは環境空間から露出される。カバーが閉位置から開位置へ移動して回転したとき、カバーは突縁と接触しており、収容空間は開口を介して環境空間と連通され、ラベルは環境空間から露出される。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態およびそれらの利点が詳細に記載されているが、添付の請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本明細書において種々の変更、置換、および代替をすることができることを理解すべきである。例えば、本明細書で述べられる特徴、機能、プロセス、および材料の多くが本開示の範囲を逸脱することなく変更できることが当業者にとっては容易に理解されるだろう。また、本出願の範囲は、本明細書中に述べられたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示の開示から容易に理解するように、本明細書で述べられた対応する実施形態と、実質的に同様の機能を実行するか、または実質的に同様の結果を達成する、現存の、または後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップが本開示に従って利用され得る。よって、添付の特許請求の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを含むように意図される。また、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変更および同様の配置を包含するように、最も広義な解釈が与えられるべきである。
【0045】
本開示は、実施例の方法を用いて、且つ実施形態の観点から記述されてきたが、本開示は開示された実施形態に限定するものではないということを理解されたい。逆に、(当業者には明らかであるように)種々の変更及び同様の配置を含むように意図される。よって、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変更および類似の配置を包含するように、最も広義な解釈が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0046】
100 ハウジング
101 収容空間
102 開口
110 上壁
120 底壁
121 上面
130 側壁
140 ガイド部
141 ガイドスロット
150 ロック部
160 突縁
161 孔
170 レール
200 カバー
210 本体
211 上側
212 下側
213 外面
214 内面
220 回動部
230 係合部
300 ヒンジ
400 ロック部材
500 ラベル
600 スライダー
AX 長手方向軸
C ケース
E 電子機器
D1 上壁と底壁との間の距離
D2 上壁と突縁との間の距離
S 環境空間
A-A 線
B-B 線
C-C 線
D-D 線
X、Y、Z 座標