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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び配置情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20231225BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20231225BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G06F3/04847
G06F3/14 360A
G09G5/00 550C
G09G5/00 550D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022159500
(22)【出願日】2022-10-03
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森 英俊
(72)【発明者】
【氏名】肖 利民
(72)【発明者】
【氏名】恩田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】チュオン ゴック フィー
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0034152(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0147271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G06F 3/04847, 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ディスプレイを備えるとともに、前記第1ディスプレイを含む複数のディスプレイに対して表示を行うための拡張表示機能を備える情報処理装置であって、
前記第1ディスプレイに設けられ、配置情報提供装置を着脱可能に装着するための装着部と、
前記第1ディスプレイに対する第2ディスプレイの配置情報を前記配置情報提供装置から取得する配置情報取得部と、
前記配置情報に基づいて拡張表示機能の設定を行う拡張表示設定部と
を備え
前記装着部は、前記第1ディスプレイの背面又は側部に設けられた金属プレートである情報処理装置。
【請求項2】
第1ディスプレイに対して着脱可能に装着するための装着部と、
前記第1ディスプレイとは異なる第2ディスプレイの位置を検出する位置検出部と、
前記第1ディスプレイに装着された場合に、前記第1ディスプレイとの位置関係及び前記第2ディスプレイの検出位置とに基づいて、前記第1ディスプレイに対する前記第2ディスプレイの配置情報を取得する配置情報取得部と、
前記第1ディスプレイを有する情報処理装置に前記配置情報を出力する配置情報出力部と
を備え
前記装着部は、マグネットを備える配置情報提供装置。
【請求項3】
第1ディスプレイに対して着脱可能に装着するための装着部と、
第1ディスプレイとは異なる第2ディスプレイの位置を検出する位置検出部と、
前記第1ディスプレイに装着された場合に、前記第1ディスプレイとの位置関係及び前記第2ディスプレイの検出位置とに基づいて、前記第1ディスプレイに対する前記第2ディスプレイの配置情報を取得する配置情報取得部と、
前記第1ディスプレイを有する情報処理装置に前記配置情報を出力する配置情報出力部と
を備え、
前記位置検出部は、複数のアンテナを有するアレイアンテナを備え、
前記位置検出部は、前記第2ディスプレイから発信された信号を各前記アンテナが受信したときの位相に基づいて前記第2ディスプレイの位置を検出する配置情報提供装置。
【請求項4】
前記第1ディスプレイに装着された場合に、前記第1ディスプレイに対する装着向きを検出する向き検出部を備え、
前記配置情報取得部は、前記第1ディスプレイに対する装着向き及び前記第2ディスプレイの検出位置に基づいて前記配置情報を取得する請求項2又は3に記載の配置情報提供装置。
【請求項5】
前記装着部は、前記第1ディスプレイを備える情報処理装置と電気的に接続するための接続端子であり、前記接続端子を前記情報処理装置が備える外部機器接続端子に差し込むことにより前記情報処理装置に装着され、
前記配置情報出力部は、前記接続端子を通じて前記配置情報を前記情報処理装置に出力する請求項に記載の配置情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び配置情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置に複数のディスプレイを接続し、これらディスプレイに対して画像を表示させる拡張表示機能(マルチディスプレイ機能)が知られている。拡張表示機能を用いることにより、例えば、複数の表示画面をあたかも一つの大表示画面として取り扱うことが可能となり、拡大画像をユーザに提供することができる。また、複数の表示装置に対してそれぞれ異なる画像を表示させることにより、多くの情報を同時にユーザに提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-64347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような拡張表示機能を用いる場合、メインディスプレイとそれ以外のディスプレイとの配置関係を設定する必要がある。従来、このディスプレイの配置設定は、ユーザ自らが拡張表示の設定画面から行う必要があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、拡張表示機能を用いる際の利便性を向上させることのできる情報処理装置及び配置情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、第1ディスプレイを備えるとともに、前記第1ディスプレイを含む複数のディスプレイに対して表示を行うための拡張表示機能を備える情報処理装置であって、前記第1ディスプレイに対する第2ディスプレイの配置情報を配置情報提供装置から取得する配置情報取得部と、前記配置情報に基づいて拡張表示機能の設定を行う拡張表示設定部とを備える情報処理装置である。
【0007】
本発明の第2態様は、第1ディスプレイとは異なる第2ディスプレイの位置を検出する位置検出部と、前記第1ディスプレイとの位置関係及び前記第2ディスプレイの検出位置とに基づいて、前記第1ディスプレイに対する前記第2ディスプレイの配置情報を取得する配置情報取得部と、前記第1ディスプレイを有する情報処理装置に前記配置情報を出力する配置情報出力部とを備える配置情報提供装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、拡張表示機能を用いる際の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の概略外観図である。
図2図1に示したディスプレイの概略背面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置が備えるハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係る配置情報提供装置の概略正面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る配置情報提供装置の概略背面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、配置情報提供装置、及びディスプレイの一配置例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態に係る配置情報提供装置が備えるハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び配置情報提供装置が備える機能の一例を示した機能構成図である。
図9】本発明の一実施形態に係る配置情報提供装置がディスプレイの右側に装着された状態を示した図である。
図10】本発明の一実施形態に係る配置情報提供装置がディスプレイの左側に装着された状態を示した図である。
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び配置情報提供装置によって実行される拡張表示設定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係る拡張表示設定画面の一例を示した図である。
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、配置情報提供装置、及びディスプレイの一配置例を示した図である。
図14】本発明の一実施形態に係る拡張表示設定画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び配置情報提供装置について図面を参照して説明する。以下、本実施形態に係る情報処理装置として、ディスプレイとPC本体とが一体化された一体型デスクトップパソコン、いわゆるAIO(All-in-One)デスクトップPCを例示して説明するが、情報処理装置はこの例に限定されない。情報処理装置は、ディスプレイを備えるパーソナルコンピュータであればよく、例えば、ノートPC等でもよい。また、ディスプレイとPC本体とは、必ずしも一体化されている必要はなく、有線又は無線の通信媒体を介してPC本体とディスプレイとが通信可能な構成とされた情報処理装置であってもよい。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の概略外観図である。図1に示すように、情報処理装置1は、ディスプレイ(第1ディスプレイ)3を備えるとともに、ディスプレイ3を含む複数のディスプレイに対して表示を行うための拡張表示機能を備えている。
【0012】
図2は、図1に示したディスプレイ3の概略背面図である。図2に示されるように、情報処理装置1のディスプレイ3の背面には、後述する配置情報提供装置20を着脱可能に装着するための装着部5が設けられている。例えば、装着部5は、ディスプレイ3の背面であって左右の端部にそれぞれ設けられた金属プレート6を備えている。情報処理装置1は、更に、配置情報提供装置20と電気的に接続するための外部インターフェース(外部機器接続端子)14を備えている。図2では、外部インターフェース14が金属プレート6に設けられている場合を例示しているが、この例に限られない。外部インターフェース14は、金属プレート6が設けられていない箇所に設置されていてもよい。また、情報処理装置1と配置情報提供装置20とが無線で通信を行う場合には、外部インターフェース14は、省略することが可能である。
【0013】
図3は、情報処理装置1が備えるハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図3に示すように、情報処理装置1は、例えば、ディスプレイ3に加えて、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、主記憶装置(Main Memory)12、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)13、外部インターフェース14、通信インターフェース15などを備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。
【0014】
情報処理装置1は、更に、入力デバイス16を備えていてもよい。入力デバイス16は、バスを介してCPU11等と接続されていてもよいし、外部インターフェース14又は通信インターフェース15を介して接続されてもよい。入力デバイス16の一例として、キーボード、タッチパッド、ポインティングデバイスなどが挙げられる。ポインティングデバイスの一例として、マウス、タッチパネル、ペンタブレット、トラックパッド、トラックボールなどが挙げられる。更に、情報処理装置1は、スピーカ、マイク、カメラなどを備えていてもよい。
【0015】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された二次記憶装置13に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置1全体の制御を行うとともに、二次記憶装置13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU11は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0016】
主記憶装置12は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0017】
二次記憶装置13は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置13は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置13の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置13は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置1全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置13は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置13に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0018】
外部インターフェース(外部機器接続端子)14は、外部機器として配置情報提供装置20と接続するためのインターフェースである。外部インターフェース14の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポートが挙げられる。また、他の例として、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)等でデータ通信を行うための接続ポート等が挙げられる。
また、情報処理装置1は、配置情報提供装置20以外の外部機器と接続するための1又は複数の外部インターフェースを更に備えていてもよい。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD、外付けカメラ等が挙げられる。
【0019】
通信インターフェース15は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。例えば、通信インターフェース15は、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、移動通信システム(3G、4G、5G、6G、LTE等)、無線LANなどの回線を通じた通信が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)などの回線を通じた通信が挙げられる。
【0020】
図4は、配置情報提供装置20の概略正面図、図5は、配置情報提供装置20の概略背面図である。図4及び図5に示すように、配置情報提供装置20は、例えば、薄厚の略四角形の外形とされている。配置情報提供装置20は、ディスプレイ3の背面に設けられた金属プレート6に装着される第1領域AR1と、ディスプレイ3に装着された状態で、ディスプレイ3の外側に露出する第2領域AR2とを有している。
【0021】
第1領域AR1には、配置情報提供装置20をディスプレイ3に装着させるための装着部が設けられている。装着部は、例えば、マグネット28を備えている。図4及び図5では、マグネット28が配置情報提供装置20の内部に収容されている例を示しているが、これに限られない。マグネット28は、例えば、第1領域AR1の表面に取り付けられていてもよい。
【0022】
更に、第1領域AR1には、配置情報提供装置20がディスプレイ3に装着された状態で、配置情報提供装置20を情報処理装置1と電気的に接続するための外部インターフェース(接続端子)24が設けられている。この外部インターフェース24は、情報処理装置1が備える外部インターフェース(外部機器接続端子)14に対応するものである。
【0023】
第2領域AR2には、外付けディスプレイとして用いられるディスプレイ50(図6参照)の位置を検出するためのアレイアンテナ26が設けられている。アレイアンテナ26は、複数のアンテナを有している。図4及び図5では、アレイアンテナ26が、配置情報提供装置20の内部に収容されている例を示しているが、これに限られない。アレイアンテナ26は、例えば、第2領域AR2の表面に取り付けられていてもよい。
【0024】
ここで、ディスプレイ(第2ディスプレイ)50の一例として、情報処理装置を採用することが可能である。情報処理装置の一例として、タブレット端末、スマートフォン等が挙げられる。ディスプレイ50には、ディスプレイ50を外部モニタとして使用するためのアプリケーションがインストールされている。更に、ディスプレイ50は、自身の位置を配置情報提供装置20に検出させるための方向検知信号を発信する機能を有している。例えば、ディスプレイ50は、リアルタイム位置情報システム(RTLS:Real-time Location System)におけるタグを搭載しており、位置検出のための方向検知信号を発信する。一例として、Bluetooth(登録商標)5.1に追加された方向検知機能を用いることが可能である。
【0025】
図7は、配置情報提供装置20が備えるハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図7に示すように、配置情報提供装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21、主記憶装置(Main Memory)22、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)23、外部インターフェース24、通信インターフェース25、及びアレイアンテナ26を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。
配置情報提供装置20が備える各構成要素は、公知の構成であり、主な構成は、上述した情報処理装置1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1及び配置情報提供装置20が有する機能の一例について図を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理装置1及び配置情報提供装置20が備える機能の一例を示した機能構成図である。
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置13、23に記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)11、21が主記憶装置12、22に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置13、23に予めインストールされている形態や、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0027】
情報処理装置1は、配置情報取得部31及び拡張表示設定部32を備えている。
配置情報取得部31は、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を配置情報提供装置20から取得する。例えば、配置情報取得部31は、配置情報提供装置20がディスプレイ3に装着された状態で、外部インターフェース14、24を通じて配置情報を配置情報提供装置20から取得する。
拡張表示設定部32は、配置情報提供装置20から取得した配置情報に基づいて拡張表示機能の設定を行う。
【0028】
配置情報提供装置20は、例えば、装着検出部41、装着向き検出部42、位置検出部43、配置情報取得部44、及び配置情報出力部45を備えている。
装着検出部41は、例えば、配置情報提供装置20がディスプレイ3に装着され、外部インターフェース24が情報処理装置1の外部インターフェース14に接続されたことを検出する。
装着向き検出部42は、装着検出部41によって配置情報提供装置20と情報処理装置1との電気的接続が検出された場合に、ディスプレイ3に対する装着方向を検出する。例えば、装着向き検出部42は、加速度センサを備えており、加速度センサの検出結果に基づいて、配置情報提供装置20の装着向きを検出する。例えば、配置情報提供装置20をディスプレイ3の右側に装着した場合(図9参照)と左側に装着した場合(図10参照)とを比較すると、配置情報提供装置20の姿勢は180度変化することとなる。したがって、加速度センサによって、配置情報提供装置20の姿勢(例えば、正位置なのか、逆位置なのか)を検出することにより、ディスプレイ3に対して配置情報提供装置20が右側に装着されているのか、左側に装着しているのかを検出することができる。
【0029】
位置検出部43は、ディスプレイ50の位置を検出する。位置検出部43は、例えば、アレイアンテナ26を構成する各アンテナがディスプレイ50から発信された方向検知信号を受信したときの位相に基づいて、ディスプレイ50の位置を検出する。すなわち、各アンテナと方向検知信号の発信源との距離はそれぞれ異なることから、受信信号の位相は相違することとなる。この位相のずれに基づいて、位置検出部43は、アレイアンテナに対するディスプレイ50の位置を検出する。例えば、AoA(Angle of Arrival)の技術を用いることが可能である。
【0030】
配置情報取得部44は、装着向き検出部42によって検出されたディスプレイ3に対する装着向き及び位置検出部43によって検出されたディスプレイ50の検出位置に基づいて、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を取得する。
配置情報出力部45は、配置情報取得部44によって取得された配置情報を情報処理装置1に出力する。例えば、配置情報出力部45は、外部インターフェース24を介して配置情報を出力する。
【0031】
次に、上記構成を備える本実施形態に係る情報処理装置1及び配置情報提供装置20によって実行される拡張表示設定処理について図11を参照して説明する。図11は、拡張表示設定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。この拡張表示設定処理は、二次記憶装置13、23に記憶されているプログラムをCPU11、21が主記憶装置12、22に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現される。
【0032】
例えば、図9に示すように、配置情報提供装置20がディスプレイ3に装着され、かつ、外部インターフェース14、24を介して配置情報提供装置20が情報処理装置1に電気的に接続されると、配置情報提供装置20は、情報処理装置1との電気的接続を検出し(SA1)、加速度センサの検出結果に基づいて装着向きを検出する(SA2)。続いて、配置情報提供装置20は、ディスプレイ50が発する方向検知信号を受信すると(SA3)、ディスプレイ50の位置を検出する(SA4)。
【0033】
続いて、配置情報提供装置20は、ディスプレイ3に対する装着向き及びディスプレイ50の検出位置に基づいて、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を取得し(SA5)、取得した配置情報を情報処理装置1に出力する(SA6)。
情報処理装置1は、配置情報提供装置20から取得した配置情報に基づいて拡張表示の設定を行う(SA7)。これにより、ディスプレイ50の物理的配置を拡張表示設定に自動的に反映することができ、ディスプレイ50を外部モニタとして使用することが可能となる。
【0034】
例えば、図9に示すようにディスプレイ3、配置情報提供装置20、及びディスプレイ50が配置されていた場合には、図12に示すように、拡張表示設定において、ディスプレイ3の左側手前にディスプレイ50が設定される。また、図13に示すように、ディスプレイ3、配置情報提供装置20、及びディスプレイ50が配置されていた場合には、図14に示すように、拡張表示設定において、ディスプレイ3の中央手前にディスプレイ50が設定される。
【0035】
なお、上述のフローにおいて、情報処理装置1とディスプレイ50との相互通信については説明を省略したが、ディスプレイ50と情報処理装置1との電気的接続については有線、無線を問わず、外部ディスプレイを接続する際に用いられる公知の各種通信技術を採用すればよい。また、ディスプレイ50が情報処理装置1に外部ディスプレイとして電気的に接続された後に、情報処理装置1が配置情報に基づく拡張表示設定を行うこととしてもよい。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1及び配置情報提供装置20によれば、以下の作用効果を奏する。
【0037】
情報処理装置1は、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を配置情報提供装置20から取得する配置情報取得部31と、配置情報に基づいて拡張表示機能の設定を行う拡張表示設定部32とを備える。これにより、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の物理的配置に基づいて自動的に拡張表示機能の設定が行われることとなる。よって、ユーザによる設定操作を不要とすることができ、利便性を高めることができる。
【0038】
配置情報提供装置20は、ディスプレイ3に対して着脱可能に装着するための装着部(例えば、マグネット28)を備えている。これにより、ディスプレイ3に対して配置情報提供装置20を容易にかつ安定的に装着することが可能となる。
【0039】
配置情報提供装置20は、ディスプレイ3に装着された場合に、ディスプレイ3に対する装着向きを検出する装着向き検出部42と、ディスプレイ50の位置を検出する位置検出部43と、配置情報提供装置20のディスプレイ3に対する装着向きとディスプレイ50の位置情報とに基づいて、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を取得する配置情報取得部44と、配置情報を情報処理装置1に出力する配置情報出力部45とを備えている。これにより、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の物理的な配置を自動的に検出し、検出した配置情報を情報処理装置1に速やかに通知することが可能となる。
【0040】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0041】
例えば、本実施形態では、ディスプレイ3の背面に金属プレート6を設けていたが金属プレートの設置位置については特に限定されない。例えば、金属プレート6は、ディスプレイ3の側部に設けられていてもよい。また、本実施形態では、ディスプレイ3の背面の左右に金属プレート6を設けていたが、左右のいずれか一方に設けられることとしてもよい。このように、金属プレート6の設置数についても適宜選定することが可能である。
【0042】
本実施形態では、配置情報提供装置20をディスプレイ3に着脱可能に装着するための装着部として、金属プレート6とマグネット28とを用いていたが、これに限られない。例えば、外部機器接続端子をディスプレイ3の背面又は側部に設け、配置情報提供装置20に接続用端子を設ける。そして、配置情報提供装置20に設けられた接続端子を情報処理装置1が備える外部機器接続端子に差し込むことにより、情報処理装置1に配置情報提供装置20を装着することとしてもよい。この場合、配置情報提供装置20の物理的な接続(装着)と電気的な接続とを一対の接続端子(コネクタ)によって実現することが可能となる。この結果、装置構成を簡素化することができる。外部機器接続端子の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート等が挙げられる。また、他の例として、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)等でデータ通信を行うための接続ポート等が挙げられる。
【0043】
本実施形態では、外部インターフェース14に外部インターフェース24を直接的に接続することで、情報処理装置1と配置情報提供装置20とを電気的に接続したが、これに限られない。例えば、通信ケーブルを介して情報処理装置1と配置情報提供装置20とを接続する態様としてもよい。
【0044】
本実施形態では、配置情報提供装置20の外形を薄厚の略四角形の外形とした場合を例示して説明したが、この例に限られない。配置情報提供装置20の外観は特に限定されず、上述した機能を備えるものであれば足りる。
【0045】
本実施形態では、配置情報提供装置20が情報処理装置1に装着される場合を例示して説明したがこれに限られない。例えば、配置情報提供装置20とディスプレイ3との位置関係が既知であれば、配置情報提供装置20は必ずしもディスプレイ3に装着されている必要はない。
【0046】
本実施形態では、配置情報提供装置20がディスプレイ3に対する装着向きを検出する装着向き検出部42を備えていたが、配置情報提供装置20がディスプレイ3に対する装着向きが固定されている場合には、装着向きは一方向に決定されることから装着向き検出部42を省略することが可能である。
【0047】
本実施形態では、装着向き検出部42の機能を配置情報提供装置20が備えていたが、この機能を情報処理装置1が備えることとしてもよい。例えば、図2に示すように、配置情報提供装置20が接続される外部インターフェース(外部機器接続端子)14を左右にそれぞれ有する場合には、配置情報提供装置20が接続された外部インターフェース14を特定することにより、配置情報提供装置20の装着向きを検出することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 :情報処理装置
3 :ディスプレイ(第1ディスプレイ)
5 :装着部
6 :金属プレート
11 :CPU
12 :主記憶装置
13 :二次記憶装置
14 :外部インターフェース
15 :通信インターフェース
16 :入力デバイス
20 :配置情報提供装置
21 :CPU
22 :主記憶装置
23 :二次記憶装置
24 :外部インターフェース
25 :通信インターフェース
28 :マグネット
31 :配置情報取得部
32 :拡張表示設定部
41 :装着検出部
42 :装着向き検出部
43 :位置検出部
44 :配置情報取得部
45 :配置情報出力部
50 :ディスプレイ(第2ディスプレイ)
【要約】
【課題】拡張表示機能を用いる際の利便性を向上させること。
【解決手段】情報処理装置1は、ディスプレイ3を備えるとともに、ディスプレイ3を含む複数のディスプレイに対して表示を行うための拡張表示機能を備える。配置情報提供装置20は、ディスプレイ50の位置を検出する位置検出部と、ディスプレイ3との位置関係及びディスプレイ50の検出位置とに基づいて、ディスプレイ3に対するディスプレイ50の配置情報を取得する配置情報取得部と、ディスプレイ3を備える情報処理装置に配置情報を出力する配置情報出力部とを備える。情報処理装置1は、配置情報提供装置20から配置情報を取得する配置情報取得部と、配置情報に基づいて拡張表示機能の設定を行う拡張表示設定部とを備える。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
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図14