(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】真空断熱体及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F16L 59/065 20060101AFI20231225BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
F16L59/065
F25D23/06 X
(21)【出願番号】P 2022537066
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2020118856
(87)【国際公開番号】W WO2021139267
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202010011081.0
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】劉 站站
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】張 鵬
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-127433(JP,A)
【文献】中国実用新案第207741420(CN,U)
【文献】再公表特許第2016/051787(JP,A1)
【文献】特開2012-021615(JP,A)
【文献】特開2007-063055(JP,A)
【文献】国際公開第2008/105068(WO,A1)
【文献】特開平05-242873(JP,A)
【文献】特開2014-162701(JP,A)
【文献】特開2003-203763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/065
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一厚さを有する第一板と、
前記第一板と間隔をあけて設置され、第二厚さを有し、前記第一厚さが前記第二厚さよりも厚い、第二板と、
前記第一板と前記第二板との間に設置され、前記第一板と前記第二板との間を密封して固定する密封部と、
を備え、
前記密封部は、前記第一板と前記第二板と前記密封部との間に真空空間を形成するよう配置さ
れ、
前記第一板は、ステンレス板で製作されたものであり、
前記第二板は、ステンレス板で製作されたものであり、
前記密封部は、石英ガラスで製作されたものであり、
さらに、前記密封部は、前記第一板と前記第二板との間に挟み込まれ、前記第一板と前記第二板とに対してそれぞれ面接触することにより前記第一板と前記第二板との間を密封して固定し、前記第一板と前記第二板との間に挟み込まれる長さが10mm~15mmであり、
前記密封部の前記第一板と前記第二板との間に挟まれた部分の断面形状は長方形であり、
前記密封部と前記第一板及び前記第二板との間にそれぞれ、前記石英ガラス及び前記ステンレス板に緊密に結合可能な弾性を有する密封構造が設けられている、
ことを特徴とする真空断熱体。
【請求項2】
前記第一厚さは、前記第二厚さの1.1倍~1.5倍である、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱体。
【請求項3】
前記第一厚さは、1.1mm~1.6mmであり、
前記第二厚さは、1mm~1.5mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱体。
【請求項4】
前記密封部の厚さは、前記第一板と前記第二板との間の合計距離の60%以上である、
ことを満たしている、ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱体。
【請求項5】
前記密封部と前記第一板及び前記第二板との間に
設けられた前記密封構造は、それぞれニッケルめっき層とはんだ片を設置して前記密封部と前記第一板及び前記第二板とを密封して固定する際に、前記密封部の上下面にそれぞれ前記ニッケルめっき層を形成し、前記ニッケルめっき層と前記第一板及び前記第二板との間に前記はんだ片を設置し、又は
前記密封部と前記第一板及び前記第二板との間に
設けられた前記密封構造は、それぞれ金属片とガラス粉末スラリーを設置して前記密封部と前記第一板及び前記第二板とを密封して固定する際に、前記密封部と前記第一板及び前記第二板との間にそれぞれ前記金属片を設置し、前記密封部と前記金属片との間に前記ガラス粉末スラリーを設置し、又は
前記密封部と前記第一板及び前記第二板との間に
設けられた前記密封構造は、それぞれシリカゲル層を設置して前記密封部と前記第一板及び前記第二板とを密封して固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱体。
【請求項6】
冷蔵庫であって、前記冷蔵庫の箱体の少なくとも一部及び/又は前記冷蔵庫の扉体の少なくとも一部は請求項1~
5のうちの何れか一項に記載の真空断熱体である、ことを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍装置の技術分野に関し、特に、真空断熱体及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の通常の断熱方法には、一般的に、よく採用される形態が二つある。1つはポリウレタンフォーム層を設置するものであり、他の1つは、真空断熱板(即ち、VIP板)にポリウレタンフォーム層を採用するものである。ポリウレタンフォームは、その熱伝導率が高いものの、使用時に厚さを約30cm以上に設定する必要がある。従って、冷蔵庫の内部容積が小さくなってしまう。また、真空断熱板の真空度は、一般的にわずか10-2Paであり、また、使用時はポリウレタンフォーム層に埋め込むことが必要であるため、製造プロセスが複雑になり、同様に、冷蔵庫の内部容積が小さくなってしまう問題も存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、構造的に安定した真空断熱体を提供することを目的とする。
【0004】
本発明は、断熱効果が良好な真空断熱体を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特に、本発明が提供する真空断熱体は、第一厚さを有する第一板と、第一板に対向して間隔をあけて設置され、第二厚さを有し、第一厚さが第二厚さよりも厚い第二板と、第一板と第二板との間に設置され、第一板と第二板との間を密封して固定すると共に、第一板及び第二板と密封部との間に真空空間が形成されているように配置される密封部を含む。
【0006】
選択的に、第一板は、厚さが均一な金属板で製作されたものであり、第二板は、厚さが均一な金属板で製作されたものである。
【0007】
選択的に、第一板は、ステンレス板で製作されたものであり、第二板は、ステンレス板で製作されたものであり、密封部は、石英ガラスで製作されたものである。
【0008】
選択的に、第一厚さは、第二厚さの1.1倍~1.5倍である。
【0009】
選択的に、第一厚さは、1.1mm~1.6mmであり、第二厚さは、1mm~1.5mmである。
【0010】
選択的に、密封部は、第一板と第二板との間に挟み込まれ、第一板と第二板とに対してそれぞれ面接触することにより第一板と第二板との間を密封して固定するものである。
【0011】
選択的に、第一板と第二板との間に挟み込まれた密封部の長さは10mm~15mmである。
【0012】
選択的に、密封部の厚さは以下を満たす。密封部の厚さは、第一板と第二板との間の合計距離の60%以上である。
【0013】
選択的に、密封部は、第一板及び第二板との間にそれぞれニッケルめっき層とはんだ片を設置することにより密封部を第一板と第二板に密封して固定する。このとき、密封部は、上下面にそれぞれニッケルめっき層を形成し、ニッケルめっき層と第一板及び第二板との間にはんだ片を設置する。又は、密封部は、第一板及び第二板との間にそれぞれ金属片とガラス粉末スラリーを設置することにより、密封部を第一板と第二板に密封して固定する。このとき、密封部は、第一板及び第二板との間にそれぞれ金属片を設置し、密封部と金属片との間にガラス粉末スラリーを設置する。又は、密封部と第一板及び第二板との間に、それぞれシリカゲル層を設置することにより密封部を第一板と第二板に密封して固定する。
【0014】
本発明はさらに、冷蔵庫を提供する。ここで、冷蔵庫の箱体の少なくとも一部及び/又は冷蔵庫の扉体の少なくとも一部は、前記真空断熱体である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る真空断熱体は、密封して接続される二層板の間に真空引きを行うことから、対流による熱伝導を小さくすることができる。密封部により二層板を密封して固定することにより、第一板と第二板とを一定の間隔を常に維持し、真空断熱体全体の構造が安定になり、独立した外観の構造を維持することができる。第一板は、第一厚さを有し、第二板は、第二厚さを有し、第一厚さは第二厚さよりも厚い。真空断熱体は、使用時は、一般的に、第一板を外側板、第二板を内側板とする。そして、第一厚さが厚い場合には、真空断熱体の外観の変形が小さくなり、真空断熱体の構造安定性が向上し、第二厚さが薄くなり、真空断熱体の重量が軽くなる。
【0016】
さらに、本発明に係る真空断熱体は、二層板の厚さを限定することにより、真空断熱体が占める空間を削減するだけでなく断熱の効果を保証でき、当該真空断熱体は特にビルトイン式の冷蔵庫に適用され得る。
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。当業者には、本発明の上記及び他の目的、利点や特性がより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面を参照しながら例示的かつ非制限的に、本発明の幾つかの具体的な実施例を詳しく説明する。図面における同じ符号は、同じ又は類似の部分や部品を示す。当業者にとって理解可能なことは、これらの図面は必ずしも同一の縮尺に従って描かれたものではないことである。
【
図1】本発明の一実施例による真空断熱体の断面模式図である。
【
図2】本発明の他の一実施例による真空断熱体の断面模式図である。
【
図3】
図1に示す真空断熱体の密封部と第一板及び第二板とを組み合わせた模式図である。
【
図4】
図1に示す真空断熱体の密封部と第一板及び第二板とを組み合わせた他の模式図である。
【
図5】
図1に示す真空断熱体の密封部と第一板及び第二板とを組み合わせた別の模式図である。
【
図6】
図1に示す真空断熱体の半田片を適用する模式図である。
【
図7】
図1に示す真空断熱体の支持部を配列する模式図である。
【
図8】
図1に示す真空断熱体の第一の部分構造の模式図である。
【
図9】
図1に示す真空断熱体の第二の部分構造の模式図である。
【
図10】
図1に示す真空断熱体の第三の部分構造の模式図である。
【
図11】第一支持部と第二支持部における接触部分の模式図であって、
図10のA部分の部分拡大図である。
【
図12】
図1に示す真空断熱体の第四の部分構造の模式図である。
【
図13】
図1に示す真空断熱体の第五の部分構造の模式図である。
【
図14】
図1に示す真空断熱体の第六の部分構造の模式図である。
【
図15】
図1に示す真空断熱体の第七の部分構造の模式図である。
【
図16】
図1に示す真空断熱体の多層断熱フィルムの構造の模式図である。
【
図17】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の構造の模式図である。
【
図18】本発明の他の一実施例に係る冷蔵庫の構造の模式図である。
【
図20】
図17に示す冷蔵庫の箱体と扉体を組み合わせた模式図であって、
図19のC部分の部分拡大図である。
【
図21】
図17に示す冷蔵庫の箱体、扉体と蝶番部品を組み合わせた模式図であって、
図17のB部分の部分拡大図である。
【
図22】
図21の箱体、扉体及び蝶番部品を分解した構造の模式図である。
【
図22】
図17に示す冷蔵庫の箱体と引き出しを組み合わせた模式図である。
【
図24】
図17に示す冷蔵庫の配線経路と箱体を組み合わせた模式図であって、
図19のD部分の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」や「右」などにより示される方位又は位置関係は、冷蔵庫200の本体を基準にした方位である。
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係る真空断熱体100の断面模式図である。
図2は、本発明の他の一実施例に係る真空断熱体100の断面模式図である。
図1に示すように、本発明の実施例に係る真空断熱体100は、第一板101、第二板102及び密封部103を含む。第一板101は、第一厚さM1を有し、第二板102は、第一板101に対向し、間隔を置いて設置される。第二板102は、第二厚さM2を有し、第一厚さM1は第二厚さM2よりも厚い。密封部103は、第一板101と第二板102との間に設置され、第一板101と第二板102を密封して固定するとともに、第一板101及び第二板102と密封部103との間に真空空間110を限定するように配置される。本発明に係る真空断熱体100は、密封して接続される二層板間に真空引きを行うことにより、対流による熱伝導を小さくすることができる。密封部103を用いて二層板を密封して固定することにより、第一板101と第二板102との間を一定の距離に常に維持させ、真空断熱体100全体の構造を安定にして、独立した外観の構造を維持することができる。当業者が真空断熱体100を調整する構造に直面した場合、第一板101と第二板102を同時に薄くしたり同時に厚くしたりすることが一般的である。しかし、本願の出願人は、第一板101を第一厚さM1に形成し、第二板102に第二厚さM2に形成し、第一厚さM1が第二厚さM2よりも厚いことを提案する。真空断熱体100は、使用時は、第一板101を外側板、第二板102を内側板とすることが一般的である。第一厚さM1が厚い場合には、真空断熱体100の外観の変形が小さくなり、真空断熱体100全体の構造が安定になる。第二厚さM2が薄い場合には、真空断熱体100の重量を軽くすることができる。当該真空断熱体100は、冷蔵冷凍装置、特に、空冷冷蔵庫に適用され得る。本発明に係る真空断熱体100は、その真空空間110の真空度が10
-1~10
-3Paである。
【0021】
本願では、第二板102を第一板101に対向して間隔を置いて設置することは、二つの形態を含む。1つの形態は、第二板102と第一板101の主体面が基本的に平行になるように対向させて設置した場合であり、当該真空断熱体100を水平に置いた場合の縦方向の断面図を
図1に示す。他の1つの形態は、第一板101が、一方の表面側に開口を有する直方体の形状に形成されており、第二板102が開口側に間隔をあけて第一板101に周設された場合であり、開口における横方向の断面図を
図2に示す。
【0022】
幾つかの実施例では、第一厚さM1は、第二厚さM2の1.1倍~1.5倍である。第一厚さM1は、1.1mm~1.6mmであり、第二厚さM2は、1mm~1.5mmである。例えば、第一厚さM1は、1.1mmであり、第二厚さM2は、1mmである。また、例えば、第一厚さM1は、1.5mmであり、第二厚さM2は、1mmである。実際、本発明以前は、断熱効果を保証する問題に直面した場合、当業者は、二層板の厚さを増すことが一般的である。例えば、厚さが10mmよりも厚い板を採用する。出願人は、進歩性を持って二層板の厚さが厚いほど良いわけではないことを見出し、板の厚さを増す設計の手段である場合、真空断熱体100全体は重量が大きすぎるという問題が生じてしまう。そして、真空断熱体100を使用することに悪い影響を与えてしまう。また、真空断熱体100を冷蔵庫200に適用する場合、それにより冷蔵庫200の内部の容積が小さくなってしまうという問題がさらに存在する。そこで、出願人は、通常の設計発想から離れ、進歩性を持って二層板の厚さを限定することを提案することにより、真空断熱体100が占める空間を削減するだけでなく断熱の効果をも保証することができる。
【0023】
幾つかの実施例では、第一板101は、厚さが均一な金属板で製作されたものであり、第二板102は、厚さが均一な金属板で製作されたものである。二層板は、いずれも、金属板で製作されることにより、真空断熱体100の構造を安定させることができる。好ましくは、第一板101はステンレス板で製作されたものであり、第二板102はステンレス板で製作されたものであり、密封部103は石英ガラスで製作されたものである。第一板101と第二板10は、内表面が鏡面又は蒸着されたステンレス板であってもよい。例えば、304ステンレス鋼であってもよい。ステンレス板を用いることは、真空断熱体100の強度を保証できると共に外観が美感になり、放射の熱伝導を低減でき、しかも、腐食や腐蝕による気体漏れを回避することができる。密封部103は、石英ガラスを採用すると、熱伝導率が低く、気体放出性が低い特性があり、真空断熱体100の熱橋熱伝導の問題を解決することができる。
【0024】
幾つかの実施例では、密封部103は、第一板101と第二板102との間に挟み込まれ、第一板101と第二板102とに、それぞれ面接触を形成して第一板101と第二板102を密封して固定する。例えば、
図1に示す真空断熱体100では、密封部103はブロック状の部材である。さらに、例えば、
図2に示す真空断熱体100では、密封部103は、前後方向において一定の厚さを有する長方形の部材である。本発明に係る真空断熱体100は、密封部103を第一板101と第二板102との間に挟み込み、それぞれ面接触を形成して第一板101と第二板102を密封して固定することにより、真空断熱体100全体の構造安定性が向上し、密封して接続されるところは損傷しにくいため、真空空間110は、安定した真空状態を継続的に保持することができる。幾つかの実施例では、密封部103は、第一板101と第二板102との間に挟み込まれる長さが10mm~15mmであり、例えば、10mm、12mm、15mmである。数多くの試験により研究を行ったところ、好ましくは、第一板101と第二板102との間の密封部103の長さ範囲を10mm~15mmに限定すると、密封部103により第一板101と第二板102を密封して密着するように保証できると共に、密封部103が大きすぎることにより真空空間110の容積が小さくなってしまうことを回避することができるので、真空断熱体100の断熱効果は良好である。
【0025】
幾つかの実施例では、密封部103の厚さは以下を満たす。密封部103は、その厚さが第一板101と第二板102との間の合計距離の60%以上である。つまり、密封部103は、一定の厚さを有する部材であり、密封部103の厚さが第一板101と第二板102との間の合計距離の60%以上である場合、真空断熱体100全体の構造安定性が向上する。第一板101と第二板102との距離は、0.5mm~20mmであり、例えば、0.5mm、2mm、5mm、10mm、15mm、20mmである。第一板101と第二板102との距離を0.5mm~20mmに設置することにより、異なる断熱及び製品のニーズを満たすことができる。
【0026】
図1に示すように、密封部103と第一板101及び第二板102との間にそれぞれ、密封構造104を設置することにより、密封部103と第一板101及び第二板102との密封と固定を実現する。密封部103と二層板との間にそれぞれ密封構造104を設置することにより、密封と固定を実現し、密封部103、第一板101及び第二板102をしっかりと密封することができる。
図3は、
図1に示す真空断熱体100の密封部103と第一板101、第二板102とを組み合わせた模式図である。
図4は、
図1に示す真空断熱体100の密封部103と第一板101、第二板102を組み合わせた他の模式図である。
図5は、
図1に示す真空断熱体100の密封部103と第一板101、第二板102を組み合わせた別の模式図である。
【0027】
石英ガラスとステンレス板の熱膨張率は15倍異なるので、密封構造104は、弾性を有するのみならず、石英ガラスやステンレス板と緊密に結合できなければ、石英ガラスとステンレス板を緊密に接続できない。
【0028】
図3に示すように、密封構造104は、ニッケルめっき層141とはんだ片142を含み、密封部103の上下面にそれぞれニッケルめっき層141を形成しており、ニッケルめっき層141と第一板101、第二板102との間にはんだ片142を設置し、ニッケルめっき層141、はんだ片142を溶接することにより、密封部103と第一板101及び第二板102に密封して固定することを実現する。
【0029】
密封部103の上下面にそれぞれニッケルめっき層141を形成し、ニッケルめっき層141と第一板101、第二板102との間にはんだ片142を設置することにより、密封部103と第一板101及び第二板102とを密封して固定することを実現し、密封部103と第一板101、第二板102とを緊密に密封でき、密封の緩みにより気体漏れが発生しまうことを回避することができる。ニッケルめっき層141は、その厚さが1μm~2μmであり、はんだ片142は、その厚さが0.08mm~0.12mmであり、例えば、0.1mmである。ニッケルめっき層141は、厚さが1μm-2μmである場合、吸着力と金属溶接との両方のニーズを両立させることができる。はんだ片142は、厚さが0.08mm~0.12mmである場合、溶接の強度を考慮に入れるだけでなく、熱伝導を回避することもできる。
【0030】
当該真空断熱体100を製造する方法は、密封部103にニッケルめっき処理を行い、密封部103の上表面にニッケルめっき層141を形成するステップと、密封部103を第一板101と第二板102との間に挟み込み、ニッケルめっき層141と第一板101及び第二板102との間にそれぞれはんだ片142を置いて、処理待ち部材を取得するステップと、処理待ち部材に溶接密封の処理と真空引きの処理を行い、真空断熱体100を取得するステップを含む。
【0031】
当該製造方法は、石英ガラスと金属板との熱膨張係数を十分に考慮し、石英ガラス密封部103にニッケルめっき処理を行ってからニッケルめっき層141と第一板101及び第二板102との間にそれぞれはんだ片142を置き、最後に、溶接密封の処理と真空引きの処理を行うことにより、石英ガラスと金属板とを緊密に接続できるように保証し、真空空間110が安定した真空状態を保持し、密封の緩みにより気体漏れが発生してしまうことを回避することができる。
【0032】
密封部103にニッケルめっき処理を行うことは、従来技術に開示され石英ガラスにニッケルめっきを行う方法を採用してもよい。例えば、先に、密封部103の石英ガラスを前処理しておき、次に、化学めっき液により化学めっき処理を行う。ここで、前処理を行うステップは、保護層の除去、脱脂、粗面化、増感、活性化及び熱処理を含む。使用される化学めっき液は、ニッケル化合物、還元剤、緩衝材や錯化剤などからなる混合溶液であり、前処理された裸の密封部103を、調合された化学めっき液に入れて、80℃~90℃の温度条件で一定時間、化学めっきを行ってから、脱イオン水をかけて綺麗に洗うと、密封部103にニッケルめっきが完了する。
【0033】
はんだ片142は、金と銅からなるはんだ片であり、Ag:Cu=72:28であってもよい。
【0034】
処理待ち部材に対する溶接の密封処理と真空引きの処理は、真空炉内で行われる。幾つかの実施例では、処理待ち部材に対する溶接の密封処理と真空引きの処理を行うステップは、先に、処理待ち部材を真空引きし、次に、溶接の密封を行う。他の幾つかの実施例では、処理待ち部材に対する溶接の密封処理と真空引きの処理を行うステップは、さらに処理待ち部材に溶接の密封を行い、次に、真空引きを行う。溶接の密封処理を行う溶接の温度は、750℃~850℃であり、例えば、800℃である。溶接密封の処理の完了後、1min~2minだけ温度を保持してから真空断熱体100を真空炉から取り出す。真空引き処理とは、真空度が10-1~10-3Paになるまで真空引きを行うことを意味する。
【0035】
先に処理待ち部材に真空引きを行ってから溶接密封を行うステップは、第一板101と第二板102との間の空気を密封部103、はんだ片142と第一板101、第二板102との間の隙間から抽出すること、及び、密封部103を第一板101及び第二板102に溶接して密封することを含む。
【0036】
第一板101及び/又は第二板102には、複数の排気孔143が設けられている。各排気孔143には、半田片144が置かれている。
図6は
図1に示す真空断熱体100の半田片144を適用する模式図であり、ここで、左側は排気孔143へ半田片144を入れる模式図であり、右側は真空引きを行った後に半田片144を加熱して溶融した模式図である。半田片144は、本体部1441と突出部1442を有し、本体部1441は排気孔143の外面を覆う。突出部1442は、排気孔143に挿入され、排気孔143との間に隙間を有する。半田片144は、半田材であってもよい。排気孔143は、その直径が約5~10mmであり、1平方メートルあたり3~5個設けられる。先に処理待ち部材を溶接密封してから真空引きを行うことは、密封部103を第一板101と第二板102に溶接して密封し、密封部103、第一板101、第二板102の間に空間を限定すること、空間内の空気を半田片144と排気孔143との間の隙間から抽出すること、加熱により半田片144を溶融させて排気孔143を塞ぐことを含む。
【0037】
図4に示すように、他の一実施例では、密封構造104は、金属片145とガラス粉末スラリー146を含み、密封部103と第一板101、第二板102との間にそれぞれ金属片145を設置し、密封部103と金属片145との間にガラス粉末スラリー146を設置し、ガラス粉末スラリー146の溶融及び金属片145の溶接により、密封部103と第一板101及び第二板102とを密封して固定することを実現する。ガラス粉末スラリー146を用いて密封部103の表面に金属片145を固定してから、金属片145を用いて密封部103と第一板101、第二板102とを密封して固定することを実現することから、密封部103と第一板101、第二板102とを緊密に密封でき、密封の緩みにより気体漏れが発生してしまうことを回避することができる。金属片145は、金属材によるベルトを用いてもよい。金属片145は、石英ガラスとステンレス板との熱膨張係数の差異を補うことができる材料を選択すると良い。金属片145の材質は、例えば、クロム鉄合金、鉄・ニッケル・コバルト合金などのコバール合金を選択してもよい。
【0038】
当該真空断熱体100を製造する方法は、密封部103の上面にそれぞれ金属片145を固定して複合部を取得するステップと、複合部を第一板101と第二板102との間に挟み込み、処理待ち部材を取得するステップと、処理待ち部材に溶接密封の処理と真空引きの処理を行い、真空断熱体を取得する100ステップとを含む。
【0039】
当該真空断熱体100を製造する方法は、先に、密封部103の上表面にそれぞれ金属片145を固定し、次に、複合部を第一板101と第二板102との間に挟み込み、最後に、溶接密封の処理と抽真引きの処理を行うことから、密封部103と第一板101及び第二板102とを緊密に接続するように保証でき、真空空間110に安定した真空状態を保持させ、密封の緩みにより気体漏れが発生してしまうことを回避することができる。
【0040】
複合部は、金属片145にガラス粉末スラリー146を塗布してから、金属片145を密封部103の表面に貼り付けて加熱溶融させたものである。加熱溶融させる温度は、440℃~460℃であり、この温度でスラリーは溶融できるが、ガラスは溶融できない。当該製造方法は、ガラス粉末スラリー146により、コバール合金の金属片145と密封部103を固定してから複合部を第一板101及び第二板102に固定することから、石英ガラスと金属板との熱膨張係数の差異を十分に考慮し、石英ガラスと金属板を緊密に接続するように保証し、真空空間110に、安定した真空状態を保持させ、密封の緩みにより気体漏れが発生してしまうことを回避することができる。
【0041】
同様に、処理待ち部材に溶接密封の処理と真空引きの処理を行うことは、真空炉内で行われる。幾つかの実施例では、処理待ち部材に溶接密封の処理と真空引きの処理を行うステップは、先に、処理待ち部材に真空引きを行ってから溶接密封を行う。他の実施例では、処理待ち部材に溶接密封の処理と真空引きの処理を行うステップは、先に、処理待ち部材に溶接密封を行ってから真空引きを行う。溶接密封の処理を行う溶接温度は、750℃~850℃であり、例えば、800℃である。溶接密封の処理の完了後、1min~2min温度を保持してから真空断熱体100を真空炉から取り出す。真空引きの処理は、真空度が10-1~10-3Paになるまで真空引きを行う。
【0042】
先に処理待ち部材に真空引きを行い、次に、溶接密封を行うステップは、第一板101と第二板102との間の空気を金属片145と第一板101及び第二板102との間の隙間から抽出すること、及び、複合部を第一板101及び第二板102に溶接して密封することを含む。
【0043】
第一板101及び/又は第二板102には、複数の排気孔143が設けられている。
図6に示すように、各排気孔143に半田片144が置かれる。半田片144は、本体部1441と突出部1442を含み、本体部1441は、排気孔143の外面を覆い、突出部1442は、排気孔143に挿入され、排気孔143との間に隙間を有する。半田片144は、半田材であってもよい。排気孔143は、その直径が約5~10mmであり、1平方メートルあたり3~5個設けられる。先に処理待ち部材を溶接して密封し、次に、真空引きを行うステップは、複合部を第一板101及び第二板102に溶接して密封し、複合部と第一板101及び第二板102との間に空間を限定すること、空間内の空気を半田片144と排気孔143との間の隙間から抽出すること、半田片144を加熱溶融させて排気孔143を塞ぐことを含む。
【0044】
図5に示すように、別の実施例では、密封構造104は、シリカゲル層147を含み、密封部103と第一板101及び第二板102との間にそれぞれシリカゲル層147を設置し、シリカゲル層147による粘着により密封部103を第一板101及び第二板102とに密封して固定することを実現する。密封部103を第一板101及び第二板102に密封して固定することは、密封部103を第一板101及び第二板102と緊密に密封でき、密封の緩みにより気体漏れが発生してしまうことを回避することができる。
【0045】
シリカゲルは、速乾性シリカゲルであり、構造接着剤の強度性能とシリカゲルの靱性を有することに加えて、気密性が良好であり、石英ガラスとステンレス板との両者に緊密に結合することができる。幾つかの実施例では、シリカゲル層147は、厚さが0.3mm~0.7mmであり、例えば、0.3mm、0.5mm、0.7mmである。シリカゲル層147は、厚さが0.3mm~0.7mmであると、構造的強度、靱性、断熱性及び気体放出を兼ねることができる。
【0046】
第一板101及び/又は第二板102には、複数の排気孔143が設けられている。
図6に示すように、各排気孔143に半田片144が置かれる。半田片144は、本体部1441と突出部1442を有し、本体部1441は、排気孔143の外面を覆い、突出部1442は、排気孔143に挿入され、排気孔143との間に隙間を有する。半田片144は、半田材であってもよい。排気孔143は、その直径が約5~10mmであり、1平方メートルあたり3~5個設けられる。当該真空断熱体100を製造する方法は、密封部103の上下面に速乾性シリカゲルを塗布してシリカゲル層147を形成するステップと、密封部103を第一板101と第二板102との間に挟み込み、圧合して固定し、密封部103と第一板101及び第二板102との間に空間を限定するステップ(圧合時間は、圧合面積に従って計算してもよいが、一般的に約10minである)と、空間内の空気を半田片144と排気孔143との間の隙間から抽出するステップ(ここで、真空度が10
-1~10
-3Paになるまで真空引きを行う)と、半田片144を加熱溶融させて排気孔143を塞ぐステップを含む。
【0047】
第一板101と第二板102との表層に吸着されている気体の分子については、
図1に示すように、幾つかの実施例において、真空空間110に気体吸収剤148を設置してもよい。放出された気体は、連続的に吸収することができる。気体吸収剤148は、O
2、H
2、N
2、CO
2、COなどを吸収することができる。第一板101と第二板102の表層に吸着された水分(低圧の場合、水の凝固点温度が高いので、凝固して氷になる)について、部品全体の外部に加熱を行い、水分子が十分に昇華して抽出される。同時に、真空空間110に吸湿剤149を置いて、放出された水分を連続的に吸収する。部品の加熱は、120℃~140℃の温度条件で加熱を行う。当業者は、気体吸収剤148と吸湿剤149について、前述の効果を提供することができる従来技術の材料を採用することが可能であることから、ここでは重複して説明しない。
【0048】
図1に示すように、幾つかの実施例では、真空断熱体100は、真空空間110に設置され、第一板101及び/又は第二板102に固定されて第一板101と第二板102との間に支持を提供するように配置される複数の支持部105をさらに含む。真空空間110に複数の支持部105を設置することにより、第一板101と第二板102の支持を提供することから、真空断熱体100全体の強度が高まる。支持部105を第一板101及び/又は第二板102に直接固定するとことにより、支持部105を設置する過程が簡単になり、真空断熱体100を製造するプロセス全体が簡単になる。5*10
-3Paの負圧の条件で変形量を試験すると、本発明に係る真空断熱体100の変形量が0.5mm未満である。本発明では、「変形量」とは第一板101と第二板102との間に距離が減少する量を意味する。
【0049】
第一板101と第二板102との距離は、2mm~20mmであり、例えば、2.5mm、5mm、10mm、15mm、20mmである場合、好ましくは、支持部105は石英ガラス又はポリテトラフルオロエチレンで製作されたものである。石英ガラス又はポリテトラフルオロエチレンは、それらの熱膨張率や気体放出率が低いことから、熱伝導が小さくなり、同時に、強度が高く、真空断熱体100全体の構造が安定となる。支持部105は、より好ましくは、石英ガラスで製作されたものである。石英ガラスは、気体を放出しないため、真空空間110における真空度の保持に役立つ。
【0050】
第一板101と第二板102との間の距離は、0.5mm~2mmであり、例えば、0.5mm、1mm、2mmである。支持部105は、点状のセラミック156又はガラスマイクロビーズ157であってもよい。
図14は、
図1に示す真空断熱体100の第六の部分構造の模式図であり、支持部105は点状のセラミック156である。
図15は、
図1に示す真空断熱体100の第七の部分構造の模式図であり、支持部105はガラスマイクロビーズ157である。
【0051】
本発明は、第一板101と第二板102との異なる距離によって異なる支持部105を設置することを提案する。これは、異なる断熱及び製品のニーズを満たすことができる。点状のセラミック156は、第一板101及び/又は第二板102に点セラミックスラリーで形成されたものである。ガラスマイクロビーズ157は、第一板101及び/又は第二板102に粘着して固定される。ガラスマイクロビーズ157は、シリカゲル158により粘着と固定を行う。なお、
図1と
図2において、符号105は、異なる類型の支持部を示す。
図8、9、10、12、13において、第一板101と第二板102との間の距離は2mmよりも大きく、符号105は、石英ガラス又はポリテトラフルオロエチレンの支持部を示す。
【0052】
図7は、
図1に示す真空断熱体100の支持部105の分布の模式図である。
図8は、
図1に示す真空断熱体100の第一の部分構造の模式図であり、複数の支持部105は、それぞれ第一板101に固定されている。
図9は、
図1に示す真空断熱体100の第二の部分構造の模式図であり、複数の支持部105は、それぞれ第二板102に固定されている。幾つかの実施例では、
図8と
図9に示すように、支持部105と第一板101及び/又は第二板102との間にエポキシ樹脂層又はシリカゲル層155を設置して、支持部105を第一板101及び/又は第二板102に固定することを実現する。石英ガラス又はポリテトラフルオロエチレンにエポキシ樹脂又はシリカゲルを塗布することにより、支持部105を第一板101及び/又は第二板102にしっかりと粘着して固定すると、安定した固定を保証することができる。
図8に示すように、支持部105は、柱状構造である。幾つかの実施例では、支持部105の柱状構造は、その直径が10mm~20mmである。隣接する支持部105間の距離Lは、30mm~50mmである。シミュレーション計算を最適化することにより、支持部105の柱状構造の直径を10mm~20mmに設置し、隣接する支持部105間の距離を30mm~50mmに設置すると、変形量についての要求を満たすことを前提として最小の接触面積を保証し、第一板101と第二板102の熱伝導を低減することができる。
【0053】
図10は、
図1に示す真空断熱体100の第三の部分構造の模式図である。
図11は、第一支持部151と第二支持部152が接触する部分の模式図であって、
図10のA部分の部分拡大図である。幾つかの実施例では、支持部105は、第一支持部151と第二支持部152を含む。第一支持部151は、第一板101に固定される。第二支持部152は、第二板102に固定される。第一支持部151と第二支持部152は、対向して設置され、表面が互いに接触する。支持部105は、対向して設置された第一支持部151と第二支持部152とを含むように配置されることにより、熱抵抗を高めることができる。一実施例では、第一支持部151は、その表面に凹部が形成されており、第二支持部152は、凹部に対応する凸部が形成される。凹部と凸部は、マッチングして突き合わせる。第一支持部151と第二支持部152は、好ましくは、
図11に示すように、複数の点で接触される。第一支持部151と第二支持部152との間に、微視的な点接触が形成されて、熱伝導を低減することができる。
【0054】
真空断熱体100に支持部105を設置する場合、支持部105を固定してから封接と密封を行う。
【0055】
図8~
図13に示すように、幾つかの実施例では、真空断熱体100は、真空空間110に設置され、交互に積み重ねられて設置されるアルミ箔161とガラス繊維フィルム162を含み、真空空間110を介する第一板101と第二板102の熱放射を低減するための多層断熱フィルム106をさらに含む。真空空間110に多層断熱フィルム106を設置することにより、真空空間110を介する第一板101と第二板102の熱放射を低減することができる。多層断熱フィルム106は、交互に積み重ねられて設置されるアルミ箔161とガラス繊維フィルム162を含み、ガラス繊維フィルム162を用いてアルミ箔161を仕切ることにより、アルミ箔161を貼り付けて断熱性能が低下することを回避することができる。アルミ箔161は、その厚さが8μm~10μmであり、ガラス繊維フィルム162は、その厚さが0.4mm~0.6mmである。
図16は、
図1に示す真空断熱体100の多層断熱フィルム106の構造の模式図である。
【0056】
幾つかの実施例では、第一板101と第二板102との間の距離は2mm~20mmであり、例えば、3mm、5mm、10mm、15mm、20mmである。多層断熱フィルム106は、その層の総数が3層~8層であり、例えば、3層、5層、8層である。第一板101と第二板102との距離によって、層の数が異なる多層断熱フィルム106を設置することは、異なる断熱や製品のニーズを満たすことができる。多層断熱フィルム106の最外層は、アルミ箔161又はガラス繊維フィルム162であってもよい。
【0057】
幾つかの実施例では、
図8に示すように、複数の支持部105の一端が第一板101に固定され、他端が第二板102との間に隙間を有する。多層断熱フィルム106は、隙間を通過すると共に、支持部105と多層断熱フィルム106を第一板101と第二板102との間に組み合わせて支持を提供するように配置される。
図9に示すように、複数の支持部105は、一端が第二板102に固定され、他端が第一板101との間に隙間を有する。多層断熱フィルム106は、隙間を通過すると共に、支持部105と多層断熱フィルム106を第一板101と第二板102との間に組み合わせて支持を提供するように配置される。
【0058】
図12は、
図1に示す真空断熱体100の第四の部分構造の模式図であり、ここで、支持部105は、その一部が第一板101に固定され、第一支持部153とも呼ばれる。支持部は、その一部が第二板102に固定され、第二支持部154とも呼ばれる。
図13は、
図1に示す真空断熱体100の第五の部分構造の模式図である。他の幾つかの実施例では、支持部105は第一支持部153と第二支持部154を含む。第一支持部153は、一端が第一板101に固定され、他端が第二板102との間に第一隙間を有する。第二支持部154は、一端が第二板102に固定され、他端が第一板101との間に第二隙間を有する。第一支持部153と第二支持部154は、互い違いの配置となる。多層断熱フィルム106は、第一隙間と第二隙間を通過するように配置される。
図12に示すように、第一支持部153と第二支持部154は、それぞれ、多層断熱フィルム106と共に、第一板101と第二板102との間に組み合わせて支持を提供する。
図13に示すように、第一支持部153、第二支持部154は、それぞれ、多層断熱フィルム106と共に、第一板101と第二板102との間に組み合わせて支持を提供する。
【0059】
真空断熱体100に多層断熱フィルム106を設置する場合には、先に多層断熱フィルム106を設置してから封接と密封を行う。真空断熱体100に多層断熱フィルム106と支持部105を設置する場合、先に支持部105を固定してから多層断熱フィルム106を設置し、最後に、封接と密封を行う。
【0060】
本発明に係る真空断熱体100は、熱伝導、支持や密封の問題を解決し、当該真空断熱体100を実際に生産及び適用することができる。
【0061】
上記のように、当該真空断熱体100を冷蔵庫200に適用することができる。本発明の実施例に係る冷蔵庫200の箱体210の少なくとも一部及び/又は冷蔵庫200の扉体220の少なくとも一部は、前記の真空断熱体100である。
図17は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫200の構造の模式図である。
図18は、本発明の別の実施例の冷蔵庫200の構造の模式図である。
【0062】
幾つかの実施例では、箱体210に物置空間が限定されており、ここで、箱体210の少なくとも一部は真空断熱体100であり、第一板101は箱体210の外部ケース211の少なくとも一部を構成し、第二板102は箱体210の内部ケース212の少なくとも一部を構成し、第二板102における第一板101から離れた内側が物置空間である。当該真空断熱体100により箱体210を形成することにより、冷蔵庫200の壁厚さが薄く保持されると共に冷蔵庫200の保温効果が保証される。しかも、冷蔵庫200の内部容積がそれに応じて増加し、特に、ビルトイン式の冷蔵庫に適用される。また、空間への利用率が大幅に高まり、ユーザー体験が改善する。本発明に係る冷蔵庫200は、さらに、ホームオートメーションの一部として設計して利用されてもよい。幾つかの実施例では、
図1を参照すると、第一板101と第二板102は、平板状の構造であり、箱体210全体は、複数の平板状の真空断熱体100を接合することによって構成される。他の幾つかの実施例では、
図2を参照すると、第一板101は、一方の面側に開口を有する直方体であり、第二板102は、開口側に第一板101に沿って間隔をあけて周設され、箱体210全体は、前側に開口を有する真空断熱体100で形成される。
【0063】
幾つかの実施例では、扉体220の少なくとも一部は真空断熱体100であり、ここで、第一板101は扉体220の外板221の少なくとも一部を構成し、第二板102は扉体220の内板222の少なくとも一部を構成する。好ましくは、扉体220全体は、真空断熱体100である。
【0064】
箱体210と扉体220が共に真空断熱体100である冷蔵庫200を例に挙げて、本発明に係る冷蔵庫200のドアシール260、蝶番部品270、引き出し280及び配線経路500などの構造を詳しく説明する。同時に、説明の便宜上、箱体21を構成する真空断熱体100を第一真空断熱体111と呼び、外部ケース211を第一真空断熱体111の第一板101とし、内部ケース212を第一真空断熱体111の第二板102とし、第一真空断熱体111の密封部103を第一密封部131として説明する。それに対応して、扉体220を構成する真空断熱体100を第二真空断熱体112と呼び、外板221を第二真空断熱体112の第一板101とし、内板222を第二真空断熱体112の第二板102とし、第二真空断熱体112の密封部103を第二密封部132として説明する。
【0065】
図19は、
図17に示す冷蔵庫200の断面模式図である。
図20は、
図17に示す物置部201の箱体210と扉体220を組み合わせた模式図であって、
図19のC部分の部分拡大図である。
図20を参照すると、箱体210は、第一フレーム230をさらに含み、第一真空断熱体111の端部を覆うように配置される。ここで、第一フレーム230の第一真空断熱体111から離れた一方側に、ドアシール260と磁気吸着して密封するための金属板240が設置される。第一フレーム230は、第一真空断熱体111から離れた一方側に溝(図示せず)が設置されており、金属板240は、第一フレーム230と粘着して固定される。金属板240は、ステンレス鋼又は電気メッキ炭素鋼であり、そのサイズはおよそ、幅10mm*厚さ2mmである。速乾性シリカゲルを使用することにより、金属板240と第一フレーム230を粘着して固定してもよい。
【0066】
第一密封部131は、外部ケース211と内部ケース212との間に位置する第一セグメント1311、及び、外部ケース211と内部ケース212の端部を超えた第二セグメント1312を有する。第一フレーム230は、第二セグメント1312と組み合わせ固定され、第一真空断熱体111に固定されるように配置される。第一フレーム230と第二セグメント1312は、好ましくは、係合して固定されることから、構造が簡単であり、取り付けが簡単である利点を有する。箱体210を組み立てる過程は、先に第一密封部131を外部ケース211、内部ケース212に封接して固定し、真空引きを行い、第一真空断熱体111を形成し、次に、金属板240が貼り付けられた第一フレーム230を第一真空断熱体111に係合して固定する。第一セグメント1311の幅は、好ましくは10mm~15mmであり、そして、外部ケース211と内部ケース212に対する第一密封部131の密封が緊密になるように保証するだけでなく、第一密封部131が大きすぎるために真空空間110の容積が減少することを回避することができ、第一真空断熱体111の断熱効果が良好である。第二セグメント1312は、幅が約10mmであり。第一真空断熱体111と第一フレーム230を安定して組立て、熱漏れが少ない。第一フレーム230は、その材質がABS、PP等であってもよい。
【0067】
具体的には、第一フレーム230の第一真空断熱体111に近い内側面は、第二セグメント1312の端部と対応する位置に、溝231が形成され、第二セグメント1312の端部が第一フレーム230の溝231に係合される。また、第二セグメント1312は、外部ケース211の一方側に位置する外側面と内部ケース212の一方側に位置する内側面に、それぞれ、溝1313が形成される。第一フレーム230の第一真空断熱体111に近い内側面は、第二セグメント1312の溝1313と対応する位置に、それぞれ、突起232が形成される。突起232は、第二セグメント1312の溝1313と係合して固定される。溝と突起との二重構造により、フレームと第一真空断熱体111をしっかりと接続するように実現される。第一フレーム230の突起232の末端は、フックとして用いられる鋭い角部が設置され、そして、組み立てを行う時に、第二セグメント1312の溝1313に係合される。同時に、取り付けが完了したら、第一フレーム230と第一真空断熱体111との間に第一フレーム230の突起232を境界として、二つの空間233が形成され、断熱の役割を図り、第一フレーム230における熱漏れを遮断する。
【0068】
第一密封部131の外部ケース211側は、第一密封部131の外側面と見なすことができ、内部ケース212側は、第一密封部131の内側面と見なすことができる。ここで、第一セグメント1311は、外側面が外部ケース211に貼り付けられ、第二セグメント1312は、外側面が外部ケース211の所在する側に向く。第一セグメント1311は、内側面が内部ケース212に貼り付けられ、第二セグメント1312は、内部ケース212の所在する側に向く。理解可能なことは、第一真空断熱体111を箱体210の天井壁として説明すると、第一密封部131の外側面が上面となり、内側面が下面となり、第一真空断熱体111を箱体210の底壁として説明すると、第一密封部131の外側面が下面となり、内側面が上面となる一方、第一真空断熱体111を箱体210の側壁として説明すると、第一密封部131の外側面が物置空間から離れた表面となり、内側面が物置空間と近づく表面となることである。
【0069】
図20を引き続き参照すると、扉体220の外板221の端部を折り曲げ、外板221の端部と内板222の端部とが対向して設置されると共に隙間を有するようにする。扉体220は、第二フレーム250をさらに含み、第二フレーム250は、隙間を介して第二真空断熱体112に固定されるとともに、第二フレーム250における第二真空断熱体112から離れた側にドアシール260を取り付ける。当該扉体220は、構造が巧みであり、外板221を折り曲げることにより、外板221と内板222との間に隙間を形成し、第二フレーム250を、隙間を介して第二真空断熱体112に組み付けて固定することにより、第二フレーム250と第二真空断熱体112とをしっかりと固定できると共に、扉体220の外観を一体的に保持して、ユーザーの感覚的体験を改善することができる。扉体220を組み立てる過程では、先に第二密封部132と外板221、内板222を封接して固定し、真空引きを行い、第二真空断熱体112を形成する。次に、第二フレーム250を第二真空断熱体112に固定し、最後に、ドアシール260を第二フレーム250に固定する。第二密封部132の高さは、好ましくは10mm~15mmであり、そして、外板221と内板222に対する第二密封部132の密封を緊密にするように保証するだけでなく、第二密封部132が大きすぎるために真空空間110の容積が減少することを回避することができ、第二真空断熱体112の断熱効果は良好である。第二フレーム250は、その材質がABS、PP等であってもよい。具体的には、鉛直方向に投影した第二密封部132の端部は、外板221の端部と内板222の端部との間に位置しており、第二フレーム250は第一框部251と第二框部252を有し、第一框部251は、外板221、隙間及び第二密封部132により形成された空間に係合され、第二框部252が第二真空断熱体112から離れた方向へ延びる。第二框部252における第一框部251から離れた側面は凹面であり、収容室2521を形成する。ドアシール260は、収容室2521を介して第二フレーム250に固定される。ドアシール260は、エアーバッグ261、ベース262及び磁気バー263を含み、ここで、ベース262がエアーバッグ261から扉体220へ延びて形成されると共に、収容室2521に収容される。磁気バー263は、エアーバッグ261に設置され、金属板240と組み合わせて、ドアシール260を箱体210上に吸着する。
【0070】
図21は、
図17に示す冷蔵庫200の箱体210、扉体220及び蝶番部品270を組み合わせた模式図であって、
図17のB部分の部分拡大図である。
図22は、
図21の箱体210、扉体220及び蝶番部品270を分解した構造の模式図である。
図21と
図22を参照すると、冷蔵庫200は、蝶番部品270をさらに含む。扉体220は、箱体210の前方側に回転可能に設置される。蝶番部品270は、箱体210と扉体220とを組み合わせることにより、扉体220の回転を実現するように配置される。蝶番部品270は、第一ベース271、第二ベース272及び蝶番板273を含む。第一ベース271は、箱体210に固定され、第二ベース272は、扉体220に固定され、蝶番板273が第一ベース271を介して箱体210に接続されると共に、第二ベース272を介して扉体220に接続され、蝶番板273を介して扉体220の回転を実現する。第一フレーム230は、第一ベース271の位置にノッチ234が対応して形成され、第一ベース271は金属ベースであり、ノッチ234を介して外部ケース211に溶接して固定される。第二ベース272は、金属ベースであり、第二フレーム250に粘着して固定される。
【0071】
図23は、
図17に示す冷蔵庫200の箱体210と引き出し280を組み合わせた模式図である。
図23を参照すると、冷蔵庫200は、少なくとも1つの引き出し280とガイドレール機構290をさらに含む。引き出し280は、物置空間に設置され、食料品を載置するためのものである。ガイドレール機構290は、内部ケース212と引き出し280と協働し、ガイドレール機構290を介して、引き出し280を箱体210に引き出すことができる。ガイドレール機構290は、従来技術における引き出しを前後にスライドすることが任意に実現されるガイドレールの技術を採用してもよい。幾つかの実施例では、ガイドレール機構290は、固定レール291、中央レール292及び可動レール293を含む。固定レール291は、内部ケース212に固定されている。中央レール292は、固定レール291と係合してスライドする。可動レール293は、中央レール292と係合してスライドすると共に、可動レール293が引き出し280と接続される。可動レール293と中央レール292のスライド及び固定レール291における中央レール292のスライドにより、引き出し280の引き出しを行うことができる。固定レール291は、内部ケース212と溶接して固定され、又は、粘着して固定される。幾つかの実施例では、物置空間においては、上から順番に複数の引き出し280が設置されており、物置空間が複数の引き出し280を介して複数の物置領域に仕切られる。
【0072】
図24は、
図17に示す冷蔵庫200の配線経路500と箱体210を組み合わせた模式図であって、
図19のD部分の部分拡大図である。冷蔵庫200は、配線経路500をさらに含み、その内部に電力を供給する配線を設け、箱体210の外部ケース211と内部ケース212を連通する取り付け開口を箱体210に設け、配線経路500を取り付け開口より箱体210に引き込み、箱体210の部品に電力を提供する。配線経路500の箱体210に近い外部に配線端子531を設置し、配線端子531が取り付け開口を貫通する。冷蔵庫200は、固定部材541をさらに含み、固定部材541は、箱体210内の配線端子531と組み合わせるように配置されることから、配線経路500と箱体210とを固定する。配線端子531と固定部材541との組み合わせにより、配線経路500と箱体210の固定を実現できる。その構造は巧みであり、取り付けが簡単であり、しかも、安定性が良好である。配線端子531は、端子ベース5311と端子突起5312を有し、ここで、端子ベース5311の内側面に外部ケース211の外側面を貼り付け、端子突起5312が取り付け開口を貫通し、かつ端部が内部ケース212を超えて延びる。固定部材541は、端子突起5312と組み合わせて固定される。好ましくは、固定部材541と端子突起5312は、ねじにより接続して固定されることから、構造が簡単であり、組み立てが簡便かつ堅固である。配線経路500は、配線端子531と一体的に射出形成すると、組立てのステップを削減し、組み立ての効率が高まる。配線端子531は、その材質がPVCであってもよい。固定部材541は、その材質がABS又はPSであってもよい。配線経路500は、外側に、さらに、保温管550を被覆してもよい。保温管550は、EPU管又はEPE管であってもよい。配線端子531と保温管550とを突き合せる領域の外周に粘着テープをさらに設置して、配線端子531と保温管550を被覆して固定する。外部ケース211と内部ケース212との間には、取り付け開口部の周囲に断熱部203を設置する。断熱部203は、石英ガラスで製作されたものである。石英ガラスは、熱伝導率が低く、気体放出率が低いという特徴があり、取り付け開口における熱伝導を抑制する。断熱部203は、環状部品であり、環状の幅は10±5mmであり、10mm~15mmが好ましい。断熱部203の環状幅を10mm~15mmに限定すると、外部ケース211と内部ケース212を取り付け開口において緊密に密封するように保証するだけでなく、断熱部203が大きすぎることにより真空空間110の容積が減少することを回避し、真空断熱体100の断熱効果は良好である。
【0073】
上記に記載した冷蔵庫200は、冷凍システムと箱体210を集積して一体化する従来の独立式の冷蔵庫であってもよいし、冷凍システムと箱体210とが分離する分体式の冷蔵庫200であってもよい。
【0074】
図17と
図18は、分体式冷蔵庫200を示す。当該冷蔵庫200は、一つ又は複数の物置部201、冷凍モジュール202、送風経路300、風戻り経路400及び配線経路500を含む。物置部201には、物置空間が形成されている。物置部201は、前記の箱体210と扉体220を含み、すなわち、箱体210及び/又は扉体220の少なくとも一部は、前記の真空断熱体100である。冷凍モジュール202は、冷凍モジュール202に入った空気を冷却して、冷却風を形成するためのものである。物置部201と冷凍モジュール202は、分離して設置され、冷却風は、送風経路300を介して、冷凍モジュール202から流れ出して物置部201に流れ込む。風戻り経路400は、物置部201と冷凍モジュール202に連通し、物置部201における空気を冷凍モジュール202に案内して冷却するものである。配線経路500には、電気配線が設置されており、配線経路500の一端が物置部201に引き込まれ、他端が冷凍モジュール202に引き込まれることにより、物置部201と冷凍モジュール202を電気接続することが実現される。当該冷蔵庫200は、冷凍モジュール202と物置部201を分離して設置することにより、冷凍システムのために物置部201を設置できないことが無くなり、冷蔵庫200の内部の容積が大幅に増加する。冷凍モジュール202は、独立して設置されると、必要に応じて、同じ又は異なる一つ又は複数の物置部201を自在に設置してもよい。例えば、
図17に示す冷蔵庫200は、物置部201を含み、
図18に示す冷蔵庫200は、二つの物置部201を含む。物置部201は、その数がさらに二つであってもよいし、例えば、三つ、四つなどであってもよい。異なる物置部201は、異なる位置に設置されてもよいし、異なるサイズを有してもよいし、物置室には異なる温度を有してもよい。そして、ユーザーの異なるニーズに応じて、ユーザー体験が改善する。本発明では、「分離して設置され」とは、本体間に、空間において一定の距離を置いて、電気回路を付加的な部品により接続することを意味する。冷凍モジュール202は、例えば、圧縮冷凍システムを採用してもよい。圧縮冷凍システムは、蒸発器、圧縮機器、放熱フィンやコンデンサーを含む。
図19に示すように、冷凍モジュール202は、蒸発器ボックス600及び圧縮機ボックス700を含む。蒸発器ボックス600には、蒸発器が設置される。圧縮機ボックス700は、蒸発器ボックス600とは別に設置され、蒸発器ボックス600の後方に位置しており、圧縮機ボックス700に圧縮機、放熱フィン及びコンデンサーが設置される。
【0075】
本発明の実施例に係る真空断熱体100は、密封して接続される二層板間に真空引きを行うことにより、対流による熱伝導を低減することができる。第一板101は、第一厚さを有し、第二板102は、第二厚さを有し、第一厚さは第二厚さよりも厚い。真空断熱体100は、使用時は、第一板101を外側板、第二板102を内側板とすることが一般的であり、第一厚さが厚い場合、真空断熱体100に外観の変形が小さくなり、真空断熱体100全体の構造が安定になり、第二厚さが薄い場合、真空断熱体100の重量が軽くなる。
【0076】
さらに、本発明の実施例に係る真空断熱体100は、二層板の厚さを設定することにより、真空断熱体100が占める空間を削減するとともに断熱の効果を保証できることから、当該真空断熱体100は特に、ビルトイン式の冷蔵庫に適用され得る。
【0077】
以上、本明細書において本発明の複数の例示的な実施例を詳しく挙げて説明したが、本発明に係る趣旨や範囲を逸脱しない限り、依然として本発明に開示されている内容に基づいて本発明の原理に合致する数多くの他の変形や補正を直接特定し又は導出することができることを当業者は理解するべきである。したがって、本発明の範囲は、これらの他の全ての変形や補正を含むと理解され、見なされるべきである。