(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
B25J15/08 J
(21)【出願番号】P 2022551805
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 GB2021050463
(87)【国際公開番号】W WO2021171006
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217113
【氏名又は名称】高坂 晶子
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェームズ ショウ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント デニス クラーク
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-140189(JP,U)
【文献】特開2018-192557(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0040408(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129110(US,A1)
【文献】特開2017-202561(JP,A)
【文献】特開昭63-237885(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0943240(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部
(12)と、
第1のベース部ジョイント
(20)により前記ベース部
(12)に連結されており、n個の指骨を備えている第1の指
(14)と、
第2のベース部ジョイント
(24)により前記ベース部
(12)に連結されており、n+m個の指骨を備えている第2の指
(16)であって、前記第2の指
(16)の各指骨は、隣接した指骨に指骨ジョイント
(28)によって連結されており、前記第1の指
(14)および
前記第2の指
(16)は、互いに対向可能である、
前記第2の指
(16)と、を備え、
nおよびmは、正の整数であ
り、
n=1かつm=1であり、前記第1の指(14)は、前記ベース部(12)に対して旋回可能な前記第1のベース部ジョイント(20)によって連結されている第1の指骨(18)を備え、前記第2の指(16)は、第1の指骨(22)と、第2の指骨(26)と、前記ベース部(12)と前記第2の指(16)の前記第1の指骨(22)との間の、旋回可能な前記第2のベース部ジョイント(24)と、前記第2の指(16)の前記第1の指骨(22)と前記第2の指骨(26)との間の旋回可能な前記指骨ジョイント(28)と、を備え、
前記ベース部(12)は、前記第2の指(16)の前記第1の指骨(22)に対向する面(40)を備え、前記面(40)は、前記第2のベース部ジョイント(24)と前記指骨ジョイント(28)との距離と長さが同じであることにより、前記第1の指(14)と前記第2の指(16)とが互いに平行な状態において前記第1の指(14)の前記第1の指骨(18)が前記第2の指(16)の前記第2の指骨(26)に隣接する、ロボットグリッパー。
【請求項2】
前記各ジョイント
(20、24、28)は、軸を中心に回転可能であり、前記ロボットグリッパー内の前記
各ジョイント
(20、24、28)は、いずれも、それぞれの軸が互いに平行である、請求項1に記載のロボットグリッパー。
【請求項3】
前記各ジョイント
(20、24、28)は、モーターを備える、請求項
1又は2に記載のロボットグリッパー。
【請求項4】
前記第1の指骨
(18、22)と連携している前記モーター
(46、48)は、前記ベース部
(12)内に配置されている、請求項
3に記載のロボットグリッパー。
【請求項5】
前記第2の指骨
(26)と連携している前記モーター
(50)は、前記
第2の指
(16)内に配置されている、請求項
4に記載のロボットグリッパー。
【請求項6】
前記
ロボットグリッパーは、手首連結部
(32)を介して前記ベース
部(12)に回転可能に連結されているアーム部
(34)を更に備え、
前記モーターは、前記
各ジョイント
(20、24、28)から離れた前記
アーム部(34)内に配置され、
前記モーターは、腱様結合(tendon linkage)により
前記各ジョイント
(20、24、28)に連結されている、請求項
3に記載のロボットグリッパー。
【請求項7】
前記各指(14、16)は、先端部
(42、44)を備え、
前記各指(14、16)は、それぞれ、開構成と、前記
各先端部
(14、16)が接触している摘み構成との間で動くように構成されている、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のロボットグリッパー。
【請求項8】
前記第1の指
(14)および前記第2の指
(16)は、それぞれ、爪突起部
(54、56)を備える、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のロボットグリッパー。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のロボットグリッパーを備えているロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドに関する。本発明の各態様は、ロボットグリッパーおよびロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットハンドおよびグリッパーを備えて構成されるロボット装置(本明細書において、ロボットまたはロボットグリッパーとも呼ばれうる)が、製造業などの産業において知られている。そのようなロボット装置の主要能力は、多くの場合、様々な物体を操作できることである。しかしながら、物体を操作して、物体を平面から持ち上げることが可能な従来のロボットグリッパーは、特に、当該グリッパーを、人間の手の動きを極めて忠実に再現するように設計した場合に、その構造が複雑になる傾向がある。
【0003】
本発明は、上記の課題を軽減または実質的に軽減するロボットグリッパーを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、ベース部と、ベース部ジョイントによりベース部に連結されており、n個の指骨を備えている第1の指と、ベース部ジョイントによりベース部に連結されており、n+m個の指骨を備えている第2の指であって、第2の指の各指骨は、隣接した指骨に指骨ジョイントによって連結されており、第1の指および第2の指は、互いに対向可能である、第2の指とを備え、nおよびmは、正の整数である、ロボットグリッパーが提供される。
【0005】
本発明は、指が非対称な構成を有するロボットグリッパーを提供する。本構成は、例えば、物体を2つの指の間で転がすことにより、)物体を把持し、物体を操作する能力を提供できる点で有利である。本構成により、グリッパーを手のように構成することも可能である。
【0006】
ロボットグリッパーの一構成において、nの値およびmの値を、両方とも等しく1に設定することで、第1の指が旋回可能ジョイントによってベース部に連結されている第1の指骨を備え、第2の指が第1の指骨および第2の指骨を備え、第2の指が、ベースと第1の指骨との間および第1の指骨と第2の指骨との間に旋回可能ジョイントを備えているようにする。本構成により、コンパクトで(合計3つの指骨を備える)、物体を把持し、転がすことができる利便性の高いロボットグリッパーが提供される。
【0007】
ベース部は、ベース部ジョイント間に延びる面を備えてよく、ベース部ジョイント間の距離が第2の指の第1の指骨の長さと実質的に同一であることにより、第1の指と第2の指とが互いに平行な状態になり、第1の指の第1の指骨を第2の指の第2の指骨に隣接させることができる。ロボットグリッパーの構成部品の寸法を適宜設定することにより、これら2つの指を、それぞれの先端が接するように合わせることができる。これにより、ロボットグリッパーにより物体を持ち上げることが更に容易になる。
【0008】
各ジョイントは、軸を中心に回転可能であってよく、ロボットグリッパー内のジョイントは、いずれも、それぞれの軸が互いに平行であってよい。
【0009】
各ジョイントは、モーターを備えてよい。これにより、グリッパーを十分に駆動することができ、ロボットグリッパーの各指を十分に制御することが可能となる。これにより、ロボットグリッパーが取りうる把持姿勢が補助される。
【0010】
第1の指骨と連携するモーターは、ベース部内に配置することができる。第2の指骨と連携するモーターは、当該指内に配置することができる。モーターが当該指内に配置されていることにより、全ての制御要素がグリッパー自体と一体的に構成されたグリッパーが提供されるので、交換用グリッパーを、例えば、手首連結部を介してロボットに取り付ける際の労力を最小限にすることが可能になる。
【0011】
グリッパーは、手首連結部を介してベース部に回転可能に連結されているアーム部を更に備えることができ、各モーターは、ジョイントから離れた手首部内に配置することができ、各モーターは、腱様結合(tendon linkage)によりジョイントに連結されている。モーターをグリッパー内に一体的に構成する代わりに、本構成により、モーターを組み込む必要がないため、グリッパーをコンパクトに構成することができる。
【0012】
各指は、先端部を備えてよく、指は、開構成と、各指の先端部が接触している摘み構成との間で動くように構成されていてよい。グリッパーは、有利には、多くの異なるサイズの物体を把持可能な様々な開構成を取ってよい。
【0013】
第1の指および第2の指は、それぞれ、爪突起部を備えてよい。爪突起部を設けることにより、物体をより容易に持ち上げることができる。
【0014】
グリッパーは、第1の指に対向している1本以上の指であって、それぞれがn+m個の指骨を備えている1本以上の指を更に備えてよい。
【0015】
ロボットグリッパーは、ベース部と;ジョイントによりベース部に連結されている第1の指骨と、ベース部に対して遠位の先端部とを備える第1の指と;ジョイントによりベース部に連結されている第1の指骨と、ベース部に対して遠位の先端部とを備える第2の指であって、第1の指および第2の指は、互いに対向可能であり、第1の指が第2の指に面する内面を備え、第2の指が第1の指に面する内面を備える、第2の指とを備えてよく、指のうち1つの指の先端部は、爪突起部を備え、爪突起部が展開構成と未展開構成との間で展開可能である。
【0016】
ロボットグリッパーは、指の少なくとも1つが展開構成と未展開構成との間で展開可能な爪突起部を備えるように構成されていてよい。爪突起部は、面上の物体、特に小さく、平らな物体を持ち上げ、かつ把持する際に、有利に役立つ。
【0017】
第1の指の先端部は、爪突起部を備えてよく、第2の指の先端部は、爪突起部を備えてよく、各爪突起部は、展開構成と未展開構成との間で展開可能であり、第1および第2の指の爪突起部は、展開構成にあるとき、互いに対向している。好ましくは、両方の指は、物体を把持する際に役立つ爪の特徴を備える。そのような構成において、両方の爪は、物体の両側に係合することができる。
【0018】
未展開構成において、爪突起部は、指の内面と面一となってよい、または指内に後退していてよい。形状によっては、爪突起部は、未展開構成にあるとき、指の面と面一となって、またはさらに指内に後退して配置されるように構成されていてよい。
【0019】
展開構成において、爪突起部は、未展開構成のときよりも、指の内面を超えて更に突出してよい。構成によっては、爪突起部は、未展開構成において、指と面一でなくても、または指内に後退して配置されなくてもよい。この場合、指の爪が展開されたとき、未展開構成のときよりも、指の内面を超えて更に突出して配置される。
【0020】
指の少なくとも1つは、第1の指骨および第2の指骨を備えてよく、先端部は、第2の指骨と一体的に構成されてよい。指が2つ以上の指骨を備える場合、爪突起部は、最後の指骨の先端部に位置するため、有利である。
【0021】
爪突起部を備える指または各指の内面は、未変形形状と変形形状との間で移動可能であってよく、変形位置への内面の移動により、爪突起部が展開されるように構成されていてよい。指の内面を適宜動かすことにより、爪突起部を露出させる爪の構成を設けることができる。そのような爪の構成の1バージョンにおいて、指は、機械部品を必要とすることなく、物体と接触するとき、変形して爪突起部を露出させるように設計されてよい。
【0022】
爪突起部を備える指または各指は、ロボットグリッパーが物体と相互作用するとき、指または各指の爪突起部を延ばすように構成されているカム機構を備えてよい。
【0023】
カム機構は、指または各指の内面に位置付けられてよい。指または各指のカム機構は、ロボットグリッパーのベース部に位置付けられてよい。
【0024】
代替的な構成において、爪突起部を備える指または各指は、溝を備えてよく、その溝内を爪突起部が動くように構成されており、グリッパーは、各爪突起部ごとにリニアアクチュエーターを備え、リニアアクチュエーターは各爪突起部を展開構成と未展開構成との間で動かすように構成されている。
【0025】
グリッパーは、第1の指に対向する更なる指を備えてよく、各指は、爪突起部を備えてよい。
【0026】
ロボットグリッパーは、ベース部と、ジョイントによりベース部に連結されている基節骨を備える第1の指と、ジョイントによりベース部に連結されている基節骨を備える第2の指であって、第1の指および第2の指は、互いに対向可能である、第2の指とを備えてよく、ベース部は、グリッパーが吸引により物体と相互作用できるように構成されている吸盤を備える。
【0027】
ロボットグリッパーは、グリッパーが、既に第1の物体を把持しているとき、第2の物体を操作できる(例えば、第1の物体を降ろさなくても扉または引き出しを開けることができる)ようにする吸盤を備えるように構成されている点で有利である。
【0028】
吸盤は、真空ポンプを備えてよい。吸盤を真空ポンプと連携させ、それにより、適宜、真空を創出および制御できるようにしてよい。真空ポンプは、ベース部内に配置されてよい。
【0029】
吸盤は、吸盤が物体に押し付けられたときに作動されるように構成されている受動吸盤であってよい。真空吸盤の代わりに受動吸盤を使用すれば、真空吸盤を使用した場合と比較して少ない部品で構成することができる。そのような受動吸盤の構成によれば、グリッパー(または連携させたロボット)本体に組み込む必要のある部品が少なくなるため、省スペース化である。
【0030】
ベース部は、掌面、後面、および側面を備えてよく、吸盤が掌面、後面、または側面の1つに配置されている。
【0031】
ロボットグリッパーは、ベース部の同一の面に配置された1つ以上の吸盤を備えてよい。または、(例えば、第2の物体の表面特徴に起因して)1つの吸盤では密閉が適切に形成されない場合には、吸盤を追加で設けて、より良好な密閉を提供するか、または密閉を補ってよい。
【0032】
ロボットグリッパーは、ベース部の異なる面に配置された1つ以上の吸盤を備えてよい。ベース部の異なる面に吸盤を設けることにより、自由度を向上させ、吸盤を使用するために、グリッパーを回転させるまたは再調整する必要性を減らすことができる。
【0033】
本発明の態様によれば、本発明の上記の態様に係るロボットグリッパーを備えるロボットが提供される。
【0034】
ロボットグリッパーに吸盤を設けて構成した場合、ロボットは、ロボットグリッパーに連結されたロボット本体を備えてよく、吸盤は、ロボット本体内に配置した真空ポンプを備えてよい。
【0035】
ロボットグリッパーに吸盤を設けて構成した場合、本発明の一態様によれば、本発明の上記の態様に係るロボットグリッパーまたはロボットを操作する方法が提供される。本方法は、第1の指および第2の指を操作して、第1の物体を把持することと、吸盤が第2の物体と接触するようにグリッパーを動かすことと、吸盤と第2の物体との間に真空密閉を形成することと、グリッパーを動かして、第2の物体を操作することと、第2の物体との真空密閉を解除することと、第1の物体を解放することとを含む。
【0036】
第2の物体が引き出しまたは扉である場合、本方法は、引き出しまたは扉を開けるために、真空密閉が定位置にある間、ロボットグリッパーを動かすことを更に含んでよい。
【0037】
真空密閉を形成することは、吸盤が第2の物体に押し付けられるようにロボットグリッパーを動かすことを含んでよい。
【0038】
真空密閉を解除することは、第2の物体に対して吸盤をねじるように回転するようにロボットグリッパーを動かすことを含んでよい。
【0039】
真空密閉を形成することは、吸盤が第2の物体に接触するようにロボットグリッパーを動かすことと、吸盤に連結されている真空ポンプを作動させることとを含んでよい。
【0040】
本開示に係る上記方法の各ステップの順序は、方法の特定の実施に応じてわずかに変更されてよい。例えば、いくつかのステップは、同時にまたは上述されたものとは異なる順序で生じてよいことが分かる。
【0041】
本出願の範囲内において、前述の段落において、特許請求の範囲において、および/または以下の説明および図面において提示された様々な態様、実施形態、実施例、および代替案、ならびに、特に、その個々の特徴は、単独でまたは任意の組み合わせで理解されてよいことが明示的に意図されている。すなわち、全ての実施形態、および/または任意の実施形態の特徴は、当該特徴が相互に矛盾しない限りにおいて、任意の方法および/または組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、当初はそのように請求されていなくても、任意の他の請求項の任意の特徴に従属するように、および/または任意の他の請求項の任意の特徴を組み込むように、任意の最初に出願された請求項を補正する権利を含み、任意の最初に出願された請求項を変更する、またはそれに応じて任意の新規の請求項を出願する権利を留保する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
以下、本開示の1つ以上の実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照して説明する。
【
図1】本開示の実施形態に係るロボットグリッパーの斜視図である。
【
図2】開構成にある
図1のロボットグリッパーの平面図である。
【
図3】閉構成にある図のロボットグリッパーの平面図である。
【
図4】別の開構成にある
図1のロボットグリッパーの平面図である。
【
図6】
図1のロボットグリッパーの指の先端部の拡大図である。
【
図7】3つの部分に分割された指骨を有するロボットグリッパーの変形例の側面図である。
【
図8】
図7のロボットグリッパーの指骨を示す図である。
【
図9】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図10】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図11】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図12】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図13】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図14】様々な構成で、異なる物体を把持する、
図1のロボットグリッパーを示す図である。
【
図15】本開示の一実施形態に係るロボットグリッパーの指の、未展開構成にある爪突起部を備える指骨を示す図である。
【
図17】本開示の一実施形態に係る爪突起部を有するロボットグリッパーの平面図である。
【
図18】グリッパーが閉じているときの
図17のグリッパーを示す図である。
【
図19】物体を保持している
図17のグリッパーを示す図である。
【
図20】別の物体を保持している
図17のグリッパーを示す図である。
【
図21】別の物体を保持している
図17のグリッパーを示す図である。
【
図22】本開示の一実施形態に係る爪突起部を有するロボットグリッパーの平面図である。
【
図23】本開示の一実施形態に係る受動吸盤を有するロボットグリッパーの平面図である。
【
図24】本開示の一実施形態に係る真空吸盤を有するロボットグリッパーの平面図である。
【
図28】本開示の一実施形態に係るロボットグリッパーを備えるロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本開示の一般的な実施形態および特定の実施形態を説明する。各図において、同様の特徴には同様の符号を付して示す。
【0044】
図1は、本開示の実施形態に係るロボットグリッパー10の斜視図を示す。グリッパー10は、ベース部12と、第1の指14と、第2の指16とを備える。
【0045】
第1の指14は、ジョイント20によりベース部12に連結される第1の指骨、すなわち基節骨18を備える。第2の指14は、(ベース部)ジョイント24によりベース部12に連結される第1の指骨(基節骨)22を備える。第2の指16は、(指骨)ジョイント28により隣接した基節骨22に連結される第2の指骨(末節骨)26を更に備える。第1の指および第2の指(14、16)は、互いに対向可能である。
【0046】
図1に示すロボットグリッパー10に関しては、奇数のジョイント(この場合、3つのジョイント)と、奇数の指骨とがある。対向可能な指に奇数の指骨を有するハンドの存在により、結果として、グリッパーの指が、把持する動作および摘まむ動作、ならびに対向可能な2つの指の間で物体を転がすなどの、より複雑な動作を実行可能にする「手のような」グリッパー10が得られる。
【0047】
より一般的な形態においては、本発明の実施形態に従ったロボットグリッパーは、n個の指骨を備える第1の指と、n+m個の指骨を有する第2の指とを備え、nおよびmは、正の整数である。
図1の例においては、n=1かつm=1だが、他の構成も可能である(例えば、n=2かつm=1の場合、第1の指は、2つの指骨(基節骨および末節骨)を有し、第2の指は、3つの指骨(基節骨、中間の指骨、および末節骨)を有する)ことを理解されたい。この点で、ロボットグリッパーは、非対称である。
【0048】
図1に示すように、指の内面30は、物体の把持を補助するテクスチャ面を備える。この面は、例えば、ゴム引き材料を含みうる。ロボットグリッパーは、手首連結部32を追加的に備え、グリッパー10のロボットアーム(
図1では図示せず)への連結を可能にする。
【0049】
図2は、開「把持」構成の
図1のグリッパー10を側面図で示す。
図2において、グリッパー10は、手首連結部32を介してアーム34に連結されることが追加的に示され、アーム34および連結部32は、軸38を画定している。
【0050】
ベース部12は、「手掌」部36を備え、手掌部は、第1の指/ベース部ジョイント20と第2の指/ベース部ジョイント24との間に伸びるベース部12の面40を備えている。
【0051】
図2から分かるように、手掌部26の面40は、軸38に対して角度θをなす平面を画定する。一実施形態において、角度θは、15度または約15度であり、ロボットグリッパーが、物体を効果的に掴んで摘むことを可能にする。
【0052】
各ジョイント(20、24、28)は、軸を中心に回転可能である。
図2に示すように、各ジョイント(20、24、28)の軸は、互いに平行であり、図の平面に対して垂直である。各ジョイントは、それぞれモーターを備え、ロボットグリッパーを十分に駆動させ、それによりグリッパーが取りうる把持姿勢が補助されるようにする。
【0053】
各ジョイントのモーターは、(以下で
図5に示すように)ジョイントと直接連携されてよい。そのような構成により、手首連結部に連結されているグリッパーを、交換用グリッパー(損傷の場合)または代替的なロボットマニピュレーターと交換することが容易になる。
【0054】
あるいは、各ジョイントのモーターは、グリッパー10から離れて(例えば、アーム34内に)配置されてよく、好適な機械式または油圧式の腱様(tendon)システムを介してジョイントに連結されてよい。この構成は、グリッパー内においてモーターを各ジョイントと共にそのまま配置する場合と比較して、グリッパーをより小型に設計することが可能となる。
【0055】
グリッパーは、手首連結部を中心に回転可能であり、グリッパーは第1の手の位置と第2の手の位置との間で動くことができる。
【0056】
図3を参照すると、
図1および
図2のグリッパーが、閉構成(「摘み」構成)で示され、第1の指および第2の指(14、16)は、互いに平行に配置されている。
【0057】
ベース部12において、第1の指および第2の指(14、16)の基節ジョイント(20、24)間の距離(
図3において「a」と表示)が第2の指16の基節骨22の長さと実質的に同一であることにより、第1の指と第2の指とが互いに平行な状態となり、第1の指14の基節骨18が第2の指16の末節骨26に隣接することが分かる。
【0058】
追加的に、第1の指14の第1の指骨18の距離は、第2の指16の末節骨26の長さと実質的に同一である(
図3において「b」と表示)。結果として、第1の指14の先端部42と、第2の指16の先端部44とが一致して合わさる。
【0059】
図4は、十分な開構成のグリッパー10を示す。ベース部12の面40と、第1の指14の面30とは、直線を画定している。追加的に、第2の指16の第1および第2の指骨(22、26)は、直線を画定する。
図4に示すように、第1の指14/ベース部12の、第2の指16に対する角度はおおよそ90度である。
【0060】
図5は、ロボットグリッパー10の横断面図を示し、グリッパー10の構造体内には、モーター(46、48、50)および制御ユニット52が設けられている。グリッパーの各ジョイントは、それぞれモーターを備える(ジョイント20は、モーター46により駆動され、ジョイント24は、モーター48により駆動され、ジョイント28は、モーター50により駆動される)。制御ユニット52は、モーターの各々に制御信号を送信して、グリッパー10の操作を制御するように構成されている。
【0061】
グリッパー10は、例えばアルミニウムなどの金属フレームを備え、モーターおよび制御ユニットは金属フレームの内部に搭載されている。金属フレームは、任意の好適な材料で被覆され、グリッパー10(例えば、面(30、40)上に滑り止めゴムを有するプラスチック製の外側本体部)を形成してよい。
【0062】
モーター(46、48、50)は、ジョイントに加えられるトルクを測定するように構成されていてよい。接触面(30、40)内にセンサを設け、グリッパー10により操作されている物体等との接触箇所を検知してよい。制御ユニット52は、トルクおよびセンサデータから、把持された物体に加えられた力を判定してよい。
【0063】
図6は、
図3および
図5(「摘み」構成)に示す指(14、16)の先端部(42、44)をより詳細に示す。第1の指14の指骨18は、指骨18の内面に配置されて他方の指16に向かって突出する突起部54(「爪」突起部)を備えることが分かる。同様に、第2の指16の末節骨26は、指骨26の内面に配置されて、指14に向かって突出する突起部56を備える。
【0064】
2つの突起部(54、56)は、概して尖端であり、それにより平面から物体が容易に持ち上げられる。特に、このような爪突起部を設けることにより、例えば、コイン、シート状材料など、このような爪突起部のないロボットグリッパーでは十分につかむことができない薄型の物体をより容易に持ち上げることができる。
【0065】
図7および
図8は、グリッパー10の変形例を示し、指16の末節骨26は、3つの部分、すなわち、中心の指骨部26aおよび側部(26b、26c)に分かれている。指骨26は、ジョイント28を備えるベース部58を備える。中心部26aは、ベース部58に対して固定されている。側部(26b、26c)は、ばね部材60を介してばね付けされ、対向する指14に向かって付勢されるようになっている。
【0066】
図7および
図8は、指16を三叉に設計した変形例を示すことが分かる。当業者であれば、第1の指14の指骨18に代えて、この三叉の構成を代替的に使用可能であることを理解するであろう。あるいは、図示の構成は、指14、指16の両方に組み込まれていてもよい。
【0067】
ばね付きの側部(26b、26c)により、物体の把持が容易になる。
【0068】
図9は、
図1乃至
図6に係るグリッパー10の第1斜視図である。
図9において、指16を手前にして、物体としてのカップ62が把持されている。
図10は、同一の相互作用をグリッパー10の上から見た図である。
図11は、指14を手前にしたグリッパーの第2斜視図を示す。グリッパー10は、
図1および
図2に示す一般的な把持構成にあることが分かる。
【0069】
図12は、
図1乃至
図6に係るグリッパー10の平面図を示す。
図12において、グリッパー10は別の物体としてペン64を把持している。グリッパー10は、
図3および
図5に示す摘み構成にあることが分かる。
図13は、指14を手前にしたグリッパー10の第1斜視図を示す。
図14は、指16を手前にしたグリッパーの第2斜視図を示す。ロボットグリッパーが指骨ジョイント28を介して第2の指16を曲げることで、第2の指骨26は第1の指の指骨18に沿ってペンを転がすことができる。
【0070】
図15および
図16は、本開示の一実施形態に係るロボットグリッパーの指の指骨70の構成を示す。
図15および
図16において、本発明の一実施形態に係るロボットグリッパーは、未展開構成(
図15に示す)から展開構成(
図16に示す)に展開可能な爪突起部を備える。後述するように、
図15および
図16に示す爪突起部の構成は、物体に接触すると爪が未展開構成から展開構成に動く受動的な構成である。この受動的な構成は、
図17乃至
図22に示すような、カム構成またはリニアアクチュエーター構成を使用して爪突起部を展開させる能動的な爪突起部の構成と対照をなす。
【0071】
図15および
図16を再度参照すると、指骨70はベース部72を備え、その内部にジョイント74が設けられている。
図15および
図16の指骨70は、ロボットグリッパーの1つ以上の指に組み込まれてよいことが分かる。例えば、指骨70は、上述した指骨18または指骨26の一方または両方に組み込まれてよい。
【0072】
指骨70は内面76を備え、内面76は、指骨70がロボットグリッパーのある指に設けられたとき、当該グリッパーの別の指に対面する。内面76は可変形部78を備える。可変形部78は、ジョイント74に対して遠位に設けられている。
【0073】
指骨70は、指骨70がロボットグリッパーの指に設けられたとき、当該グリッパーの別の指に向かって突出する爪突起部82を備える先端部80を更に備える。
【0074】
図15において、指骨70は未展開構成にあり、爪突起部82は指骨の内面76を超えて実質的に突出しない。
【0075】
図16において、指骨は、展開構成にある。指骨70/グリッパー10が物体(図示せず)と接触すると、指骨70は展開構成に展開されてよい。物体が可変形部78に接触すると、可変形部78は、指骨70本体の空洞84内に撓曲する。可変形部78の内面の元の位置は、
図16において点線86により示される。この展開構成において、爪突起部82は、可変形部78の内面を更に超えて突出し、小さな物体を(特に、平面において)持ち上げる際の支援を行い、把持力を向上させるために使用できることが分かる。
【0076】
図15および
図16に示す爪の形状によれば、指の可変形部78により爪が設けられるため、更なるモーターまたは他の機械的作動手段を必要とすることなく、把持能力を向上させるため便宜である。
【0077】
図17乃至21は、本開示の実施形態に係る、未展開構成から展開構成に展開可能な爪突起部を備えるロボットグリッパーの指の別の構成を示す。後述するように、
図17乃至
図21に示す爪突起部の構成は、爪突起部にリンクしているカム構成の動きに応じて、爪が未展開構成から展開構成に動く、「能動的な」構成である。これは、上記の
図15および
図16に示すような、物体との接触を使用して指を変形させ、爪突起部を展開させる受動的な爪突起部の構成と対照をなす。
【0078】
参照の便宜上、
図17乃至
図21に係る爪突起部の構成は、
図1乃至
図14のロボットグリッパー10に組み込まれて示される。しかしながら、爪突起部の構成は、任意の好適なロボットグリッパーに組み込まれうることが分かる。さらに、
図17乃至
図21において両方の指(14、16)が爪突起部の構成を備えることが示されるが、当業者であれば、その構成が指のうち一方または他方にのみ存在する場合もあることを理解するであろうことも分かる。
【0079】
図17に示すように、指14は、指骨18の先端部42内に爪突起部90を備える。爪突起部90は、カム構成94に連結されている。カム構成は、旋回軸96に搭載されている。
【0080】
図17に、指16の指骨26の先端部44内の別の爪突起部92を更に示す。爪突起部92は、旋回軸100に搭載されたカム機構98に連結されている。
【0081】
爪突起部90およびカム機構94は、展開構成で示されており、カムの内面102(「物体接触」側)が、指骨18の内面30と実質的に面一となっていることが分かる。展開構成において、爪突起部90は、指骨18の内面30を超えて突出する。
【0082】
爪突起部92およびカム機構98は、未展開構成で示される。この形状において、爪突起部は、指骨26の内面30を超えて、実質的に突出しない(かつ指骨26本体内に完全に後退していてよい)。カム機構98の内面104は、指骨26の内面30より上に持ち上げられる。
【0083】
カム機構94およびカム機構98は、それぞれの旋回軸(96、100)を中心に、未展開構成に向かって付勢されていてよく、カム機構(94、98)は、カム機構が物体と接触すると、それぞれの展開構成へと動くように構成されている。[注:
図17において、カム機構94は展開構成で示されるが、明確化のため、カム機構と接触している物体は示されていない。]
【0084】
図18に示すように、カム機構94およびカム機構98は、相互に作動されてよく、それにより、指14および16が
図18(および
図3)に示す「摘み」構成になるとき、爪突起部90および92を展開させる。
【0085】
図19に示すように、カム機構(94、98)は作動しており、それにより、指14、指16が物体(ペン)62を把持すると、爪突起部90、92を展開させる。
【0086】
図20および
図21は、グリッパー10がより大きな物体としてカップ62を保持している間の、
図17および
図18の爪突起部の構成の平面図および斜視図をそれぞれ示す。
【0087】
図22に、本発明の一実施形態による別の「能動的な」爪突起部の構成として、リニアアクチュエーターを使用して指の突起部を展開させる構成を示す。
【0088】
参照の便宜上、
図22に係る爪突起部の構成は、
図1乃至
図14のロボットグリッパー10に組み込まれて示される。しかしながら、爪突起部の構成は、任意の好適なロボットグリッパーに組み込まれうることが分かる。さらに、
図22において両方の指(14、16)が爪突起部の構成を備えることが示されるが、当業者であれば、その構成が指のうち一方または他方のみに存在する場合もあることを理解するであろうことも分かる。
【0089】
図22において、指14の指骨18は、指骨の本体内に溝106を備える。爪突起部108は、溝106内に配置されており、爪突起部108が溝106内に後退している未展開構成と、爪突起部108が指骨18の内面30を超えて突出する展開構成との間で動いてよい。爪突起部108は、指骨18内に配位置されたリニアアクチュエーター110により展開される。リニアアクチュエーター110は、制御ユニット(例えば、
図5に示す制御ユニット52)から受信する制御信号により、同様に制御されてよい。
【0090】
図22に示す指16は、指骨26内の溝114内に、対応する爪突起部112を示す。リニアアクチュエーター116は、展開構成と未展開構成との間で爪突起部112を展開させるように構成されている。
【0091】
図23乃至
図26は、本開示の一実施形態に係る吸盤を備えるグリッパーを示す。参照の便宜上、
図23乃至
図26に係る吸盤は、
図1乃至
図14のロボットグリッパー10に組み込まれて示される。しかしながら、吸盤は、任意の好適なロボットグリッパーに組み込まれうることが分かる。
【0092】
図23は、
図1乃至
図14との関連で上述したグリッパー10を示す。追加的に、ベース部12には吸盤120が搭載されている。前述のように、ベース部12は、手掌部36を備える。追加的に、ベース部は、側面122および側面124(面122を
図23に示し、面122、面124の両面を
図25に示す)ならびに後面126を備えることが分かる。
図23に示すように、吸盤120は、ベース部12の後面126に搭載されている。
【0093】
図23乃至26には、一つの吸盤120を示すが、グリッパーには複数の吸盤を搭載可能であることが当業者には理解されるであろう。さらに、1つの吸盤または複数の吸盤が、グリッパー10の他の面、例えば、側面122、124に設けられてもよい。
【0094】
図23に示す吸盤120は受動吸盤であり、吸盤が物体に押し付けられると作動する。
図24は、導管132により真空ポンプ130に連結されている真空吸盤128の例を示す。真空ポンプは、ロボットグリッパー10内に、またはグリッパー10の遠隔に(例えば、
図2に示すように、ロボットアーム34内に、または
図24に示すように、ロボットグリッパーを備えるロボット内の任意の好適な場所に)配置されてよいことが分かる。
【0095】
本開示の実施形態に係る吸盤120、128は、グリッパー10がある物品(
図26に示すカップ62など)を把持しているときに、
図26に示すように、扉134などの物体と相互作用させることにより使用することができる。本来であれば、グリッパー10は、扉を開けるのにグリッパーの指14、16を使用する。そのため、もともと把持している物品を降ろす必要があるところ、上記構成によれば、グリッパー10は、物品を戸棚にしまう(例えば、物品を把持し、吸盤を扉134と係合させ、扉を開き、物品を戸棚にしまう)などの各タスクを単一シーケンスで完了することができる。
【0096】
図27は、
図23乃至
図26に示すグリッパー10の使用方法についてのフローチャートである。ステップ200において、第1の指および第2の指(14、16)を操作し、第1の物体を把持する。第1の物体がグリッパー10により把持されたら、ステップ202において、グリッパーを動かし、吸盤を第2の物体と接触可能にする。
【0097】
ステップ204において、吸盤(120、128)と第2の物体との間に真空密閉が形成される。真空密閉は、吸盤を第2の物体に押し付けることにより(受動吸盤の場合)、または真空ポンプ130を使用して吸盤と第2の物体との間に真空を形成することにより、形成されてよい。
【0098】
ステップ206において、グリッパー10を動かして第2の物体を操作する。例えば、第2の物体が引き出しまたは戸棚の扉である場合、グリッパーを動かして引き出し/扉を開閉することができる。
【0099】
ステップ208において、真空密閉を解除する。密閉は、真空ポンプをオフすること、または第2の物体に対してグリッパーをねじるように回転させる制御を行うことのいずれか(または両方の組み合わせ)により、解除できる。
【0100】
ステップ210において、第1の物体を置いた後に解放することができる。
【0101】
図28は、上記の
図1乃至
図26のいずれかに係るアーム24とロボットグリッパー10とを備えるロボット140を示す。
【0102】
添付の特許請求の範囲に規定される本開示の範囲から逸脱することなく、上記の実施例に対しては多くの変更が可能である。