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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】子宮出血を抑制するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/42 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
A61B17/42
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023027339
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2019531864の分割
【原出願日】2017-08-22
(65)【公開番号】P2023062185
(43)【公開日】2023-05-02
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】62/378,889
(32)【優先日】2016-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519062133
【氏名又は名称】アリディア ヘルス,インク.
【氏名又は名称原語表記】ALYDIA HEALTH, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ベア,ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】デーゲンコルブ,アメリア
(72)【発明者】
【氏名】デラ リッパ,サラ
(72)【発明者】
【氏名】セーグニッツ,ジャン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512275(JP,A)
【文献】特表平8-500745(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0261663(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200591(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/42
A61M 1/00
A61M 25/00 ― 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入可能器具であって、
真空源に連結するように構成された連結部と、子宮への挿入のために構成された吸引部とを有するチューブであって、前記吸引部は、相互に分離されている第1のブランチと第2のブランチを有する単一ループを含み、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチは、外壁と、表面突起を有するチャネルとをそれぞれ含む、チューブと、
前記吸引部に流体的に結合されたブリッジであって、当該ブリッジは、その遠位端から延びて、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの前記チャネルへの挿入を介して当該ブリッジを前記吸引部に固定する嵌合突起を有し、各嵌合突起は、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの前記表面突起を補完して、挿入を介して受け入れるキャビティを有する、ブリッジと、
前記吸引部に近位にある前記連結部の長さに沿って配置された複数のディスク状の封止材であって、各ディスク状の封止材の前記直径は、当該複数のディスク状の封止材のうち最大のディスク状の封止材が前記吸引部に最も近くなり、当該複数のディスク状の封止材のうち最小のディスク状の封止材が前記吸引部から最も遠くなるように、段階的に小さくなる、複数のディスク状の封止材と、
を備える挿入可能器具。
【請求項2】
前記連結部及び前記吸引部は、互いに連結されている別個の構成要素である、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項3】
前記連結部及び前記吸引部は一体構造である、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項4】
前記チューブは押出型材として製造される、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項5】
前記押出型材は断面が一定である、請求項4に記載の挿入可能器具。
【請求項6】
前記押出型材は、前記押出型材の前記吸引部の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝を含む、請求項4に記載の挿入可能器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの溝は前記押出型材のエッジ間に配置される、請求項6に記載の挿入可能器具。
【請求項8】
前記ブリッジは、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの遠位端同士をある距離だけ隔てている、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項9】
前記ブリッジの長さによって前記第1のブランチ及び前記第2のブランチは互いに折り重ならない、請求項8に記載の挿入可能器具。
【請求項10】
前記チューブは可撓材料で構成される、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項11】
前記連結部は、前記子宮から生物学的物質を集める容器と結合されるように構成されている、請求項1に記載の挿入可能器具。
【請求項12】
前記容器は、集められた生物学的物質の量を示すように構成されている、請求項11に記載の挿入可能器具。
【請求項13】
挿入可能器具であって、
子宮に挿入するための連結部を有するチューブであって、当該チューブは、相互に分離された第1のブランチ及び第2のブランチを有する単一ループとして形成され、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチは、外壁と、表面突起を有するチャネルとをそれぞれ含む、チューブと、
チューブに流体的に結合されたブリッジであって、当該ブリッジは、その遠位端から延びて、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの前記チャネルへの挿入を介して当該ブリッジを前記チューブに固定する嵌合突起を有し、各嵌合突起は、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの前記表面突起を補完して、挿入を介して受け入れるキャビティを有する、ブリッジと、
前記チューブの長さに沿って配置された複数のディスク状の封止材であって、各ディスク状の封止材の直径は段階的に小さくなる、複数のディスク状の封止材と、
を備える挿入可能器具。
【請求項14】
前記チューブは押出型材として製造される、請求項13に記載の挿入可能器具。
【請求項15】
前記押出型材は断面が一定である、請求項14に記載の挿入可能器具。
【請求項16】
前記押出型材は、前記押出型材の一部の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝を含む、請求項14に記載の挿入可能器具。
【請求項17】
前記少なくとも1つの溝は前記押出型材のエッジ間に配置される、請求項16に記載の挿入可能器具。
【請求項18】
前記ブリッジは、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの遠位端同士をある距離だけ隔てている、請求項13に記載の挿入可能器具。
【請求項19】
前記ブリッジの長さによって前記第1のブランチ及び前記第2のブランチは互いに折り重ならない、請求項18に記載の挿入可能器具。
【請求項20】
前記チューブは可撓材料で構成される、請求項13に記載の挿入可能器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその全内容が本明細書に組み込まれている、2016年8月24日に出願された米国特許仮出願第62/378,889号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
分娩後出血は、分娩後の過剰失血として定義され、世界中で産婦死亡の主因になっており、これによって毎年125,000人を超える母親が死亡している。分娩後出血を抑制できないと、産婦に対して複数回の輸血が必要になる可能性があり、重篤な場合には子宮を完全に摘出しないと死に至る。そこで、そのような分娩後出血を、可能であれば発症時に、抑制することが望ましい。分娩後出血の原因は、事例の約80%が子宮弛緩であり、これは、分娩後に産婦の子宮が収縮できないことである。子宮弛緩の危険因子として、分娩期が長引くこと、妊娠高血圧腎症、複数回の出産経験などがある。そこで、子宮収縮を迅速に引き起こして、子宮出血を軽減するか完全に止めることが可能なシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
挿入可能器具が子宮に挿入可能である。挿入可能器具は、チューブの連結部及び吸引部と、封止材とを含む。チューブの連結部は、作動時に圧力変化を発生させるポンプと連結される。チューブの吸引部は子宮に挿入され、吸引部は第1のループを含み、第1のループは、第1のループの正中線側表面に沿って画定された開口を含む。この開口は、吸引部が子宮に挿入されたきに子宮の内壁から離れるように方向づけられる。封止材は、連結部の長さ方向に、吸引部より近位に配置される。封止材は、挿入可能器具の挿入時に膣管と当接し、膣管と子宮との間に封止を形成する。
【0005】
各図は、あくまで例示を目的として、本発明の様々な実施形態を描いている。当業者であれば以下の説明から容易に理解されるように、本明細書に記載の本発明の原理から逸脱しない限り、本明細書で例示される構造及び方法の代替実施形態が用いられてよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】乃至
図1C】一実施形態による、子宮出血を抑制するシステムを示す図である。
図2】一実施形態による挿入可能器具を示す図である。
図3】一実施形態による、図2の挿入可能器具のチューブを示す図である。
図4A】乃至
図4B】一実施形態による、図3のチューブを形成する押出型材の断面図である。
図5A】乃至
図5B図3のチューブを形成する押出型材の別の実施形態の断面図である。
図6A】乃至
図6B】一実施形態による、図5のチューブにブリッジを取り付ける方法を示す図である。
図7A】乃至
図7E】挿入可能器具の別の実施形態を示す図である。
図8図3のチューブを形成する押出型材の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、一実施形態による、子宮出血を抑制するシステム100を示す。システム100は、産婦が分娩後に、子宮が収縮しない子宮弛緩を発症した場合に起こりうる子宮出血を軽減するか完全に止めるように機能する。子宮出血を抑制することにより、子宮からの失血の総量が実質的に抑えられ、産婦に対して輸血又は子宮摘出を行うことの必要性が低減されうる。図1Aの実施形態では、システム100は、子宮の開口を封止して、子宮内部の圧力を変化させることにより、子宮の収縮を促進する。圧力の変化により、子宮内部に真空が発生し、その結果、子宮壁に均一な機械的刺激が与えられて、組織のタンポナーデ及び収縮運動が促進される。図1Aの実施形態では、システム100は、挿入可能器具105、ポンプ110、及び収集容器115を含む。
【0008】
挿入可能器具105は、子宮に挿入されて、ポンプ110によって与えられる圧力変化を伝達するように構成されている。図1Aの実施形態では、挿入可能器具105は経膣で(膣を通って)送達され、挿入可能器具105の遠位部120が子宮内部に配置され、挿入可能器具105の近位部125は子宮の外側にとどまる。遠位部120は、可撓構造であってよく、子宮の解剖学的構造に順応し、遠位部120が子宮の開口に封止を形成することを可能にする。挿入可能器具105の近位部125は、ポンプ110と連結されている。遠位部120及び近位部125は、子宮とポンプ110と収集容器115との間の(例えば、空気、生物学的物質等の)流体連通を可能にする1つ以上のチャネル及び/又は開口を有してよい。この1つ以上のチャネル及び/又は開口は、子宮とポンプ110との間で真空を転送する。幾つかの実施形態では、挿入可能器具105は、子宮内部への挿入可能器具105の挿入を容易にするシースを有してよく、更に、ポンプ110から子宮への空気流の早すぎる結合を防ぐことが可能である。挿入可能器具105については、図2に関して更に詳しく説明する。
【0009】
ポンプ110は、子宮内部に真空を発生させる圧力変化を発生させる。図1Aの実施形態では、ポンプ110は、挿入可能器具105の近位部125と連結されている。幾つかの実施形態では、連結チューブ130の第1の端部が近位部125に取り付けられており、第2の端部がポンプ110に取り付けられており、これによって、ポンプ110と挿入可能器具105とが連結されている。幾つかの実施形態では、連結チューブ130は方向制御弁135を含み、これは、流体が一方向に流れることを可能にし、流体が逆方向に流れることを防ぐ。
【0010】
ポンプ110は、作動すると空気流を発生させ、この空気流は、挿入可能器具105のチャネル及び/又は開口を通って子宮まで伝達される。一般に、真空ポンプは、封止された空間から分子を取り出して後に不完全真空を残すように構成されている。子宮は挿入可能器具105の遠位部120によって封止される為、ポンプ110による空気流によって子宮内部の圧力が低下し、これによって、子宮内部の圧力が子宮の外側の大気圧より低くなり、結果として負圧が引き起こされる。この負圧によって確実に、空気流が子宮から挿入可能器具105を通ってポンプ110に向かって単一方向に移動する。負圧により子宮内部に真空が発生し、これによって、子宮壁に均一な機械的刺激が与えられて、子宮壁のタンポナーデ、動脈血管収縮、及び収縮運動が促進される。更に、真空が発生することにより、子宮内部の生物学的物質を取り除くことが可能になる。生物学的物質として、血液、組織等があってよい。ポンプ110は、電動式で自動運転されてよく、或いは手動運転されてよい。ポンプ110が手動運転される実施形態では、ポンプ110は、第1の状態では、子宮内部に負圧を発生させることが可能であり、第2の状態では、子宮内部の負圧を維持しながら生物学的物質を収集容器115に引き込むことが可能である。全体を通して「負圧」に言及されているが、幾つかの実施形態では、子宮の収縮を促進する為に子宮内部に正圧を発生させることがある。
【0011】
収集容器115は、子宮から取り除かれた生物学的物質を集める。図1Aの実施形態では、収集容器115は、挿入可能器具105の近位部125と結合されている。収集容器115は、近位部125に組み込まれた連結チューブ140を介して結合されてよい。ポンプ110が作動すると、生物学的物質が子宮から移動して、挿入可能器具105の開口及び/又はチャネルに入り、連結チューブ140を通って、収集容器115に入る。子宮から生物学的物質を集めることにより、ユーザが、子宮出血に起因する失血の量を監視及び測定することが可能になりうる。失血を監視することにより、更に、ユーザは、子宮収縮が発生したかどうか、いつ発生したか、及び/又はどの程度発生したかを判定することが可能になる。幾つかの実施形態では、収集容器115は、連結チューブ130がポンプ110に至る前に配置される直列フィルタとして構成されてよく、これにより、子宮からの生物学的物質を、挿入可能器具105に通してからポンプ110の手前で濾過して取り除くことが可能になる。
【0012】
幾つかの実施形態では、システム100は、分娩後出血を監視及び/又は治療することだけでなく、分娩後出血を防ぐことに使用可能である。例えば、システム100は、分娩後の産婦の子宮収縮を支援することに使用可能である。挿入可能器具105が可撓であることにより、医療提供者(例えば、看護師、内科医、外科医等)が産婦の子宮組織を腹部から触診して、子宮が収縮したかどうか、及び/又はいつ収縮したかを検出することが可能になる。更に、挿入可能器具105が可撓であることにより、他の膣壁又は膣組織の修復外科手術が行われている間に、挿入可能器具105を曲げて配置することが可能である。
【0013】
幾つかの実施形態では、挿入可能器具105は、膣管又は頸管に挿入されて、子宮の外側にとどまるように構成されてよい。上述の様式と同様に、遠位部120は、膣口又は頸部開口と子宮との間に封止を形成する。封止を形成することにより、ポンプ110による空気流によって子宮内部の圧力が下がって子宮の外側の大気圧より低くなり、子宮内部に真空が引き起こされることが可能である。前述のように、これによって、子宮壁に均一な機械的刺激が与えられて、子宮壁のタンポナーデ、動脈血管収縮、及び収縮運動が促進される。この、挿入可能器具105の構成により、子宮出血を抑制する低侵襲的な方法が得られる。
【0014】
図1Bは、別の実施形態による、子宮出血を抑制するシステム100を示す。図1Bの実施形態では、システム100は、挿入可能器具105、ポンプ110、及び収集容器115を含む。図1Bに示されるように、収集容器115は、ポンプ110に直列に連結されている。挿入可能器具105の近位部125は、連結チューブ130を介して収集容器115及びポンプ110と連結されている。この実施形態では、ポンプ110が作動したときに、流体(例えば、空気、生物学的物質等)が連結チューブ130を通ってポンプ110の方向に流れる。生物学的物質は、ポンプ110に到達する前に連結チューブ130から取り除かれて、収集容器115に集められる。
【0015】
図1Cは、別の実施形態による、子宮出血を抑制するシステム100を示す。図1Cの実施形態では、システム100は、挿入可能器具105及びポンプ110を含む。挿入可能器具105の近位部125は、連結チューブ130を介してポンプ110と連結されている。この実施形態では、収集容器115は、ポンプ110と一体化されており、流体(例えば、空気、生物学的物質等)が連結チューブ130を通り抜けてポンプ110に流れ込み、ポンプ110内で、生物学的物質がポンプ110の別の一区画に集められる。この、生物学的物質を集める区画は、ポンプ110から取り外すことが可能であってよい。このことは、医療提供者が、集められた生物学的物質の量を監視することの助けになりうる。
【0016】
図2は、一実施形態による挿入可能器具105を示す。図1Aに関して説明されたように、挿入可能器具105は、子宮に挿入されて、ポンプ110によって与えられる圧力変化を伝達するように構成されている。遠位部120は子宮に挿入されて子宮の開口を封止し、近位部はポンプ110と連結される。図2の実施形態では、挿入可能器具105は、チューブコネクタ205、チューブ210、ブリッジ215、及び封止材220を含む。チューブ210は、連結部225及び吸引部230を含む。挿入可能器具105の各構成要素は、様々な設計であってよく、挿入可能器具105の代替構成を形成する為に交換可能であってよい。
【0017】
チューブコネクタ205は、挿入可能器具105をポンプ110に連結する。幾つかの実施形態では、チューブコネクタ205は、連結チューブ(例えば、連結チューブ130)を介してポンプ110と連結される。図2の実施形態では、チューブコネクタ205はテーパ状であり、これによって、チューブコネクタ205が連結チューブに挿入され、連結チューブへの締り嵌め(例えば、圧力嵌合又は摩擦嵌合)により連結チューブに固定されてよい。図2の実施形態では、チューブコネクタ205は、チューブ210の連結部225の近位端に取り付けられている。チューブコネクタ205は、締り嵌め(例えば、圧力嵌合又は摩擦嵌合)、接着剤、ねじ接合、又は他の任意の適切な固定機構により連結部225に取り付けられてよい。チューブコネクタ205は、剛性又は半剛性プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)又は他の任意の適切な材料で構成されてよい。
【0018】
チューブ210は、空気及び生物学的物質の為の導管として働く。チューブ210は、子宮内部の圧力変化を伝達する為に、空気流をポンプ110から子宮へとつなぐ1つ以上のチャネルを含んでよい。図2の実施形態では、チューブ210は単一チャネルを含み、このチャネルは内側表面に複数の表面機構を有する。チューブ210の代替実施形態について、後で図7B~7Eに関して詳述する。これらの内側表面機構は、チャネルの内側表面から突き出ており、チューブ210を通る空気及び生物学的物質の流れを促進することが可能である。これらの内側表面機構は様々な構成を有してよく、それらについては、後で図4~5に関して詳述する。図2の実施形態では、チューブ210は、連結部225及び吸引部230を含む。
【0019】
連結部225は、空気流をポンプ110からチューブ210の吸引部230に伝達する。チューブコネクタ205は、連結部225の近位端に取り付けられ、連結部225をポンプ110に取り外し可能に固定する。チューブ210のチャネルは、連結部225の長さ方向に延びている。 連結部225の遠位端で、チューブ210が外に枝分かれして吸引部230を形成する。
【0020】
図2の実施形態では、連結部225及び吸引部230は、同じ材料片から一体成形されている(即ち、単体構造を有する)。チューブ210の吸引部230を形成する為に、チューブ210の単一材料片の少なくとも一部が物理的に半分に分割され、これによって、吸引部230の2つのブランチ235a、235bが形成され、チューブ210のチャネルの各ブランチ235の正中線側が露出する。チューブ210のチャネルを露出させることにより、ポンプ110と子宮との間の空気流がつながり、ポンプ110によって与えられる圧力変化をチューブ210が子宮に伝達することが可能になる。更に、挿入可能器具105が挿入されたときに、露出チャネルが子宮の内壁から離れるように方向づけられるように、露出チャネルは、吸引部230の各ブランチ235の正中線側に沿って有利に位置している。この構成により、子宮の組織又は他の組織が、露出チャネルをふさぐことがなく、ポンプ110の作動時に空気流を妨げることがない。幾つかの実施形態では、吸引部230上の露出チャネルの向きが様々であってよい。例えば、露出チャネルは、吸引部230の正中線側表面からの軸外角度で方向づけられてよい。言い換えると、露出チャネルは、正中線側表面のある軸(例えば、2等分軸)に対してある角度で方向づけられてよい。幾つかの実施形態では、露出チャネルは、吸引部230の正中線側表面以外の表面に位置してよい(例えば、吸引部230の側方表面に位置してよい)。これらの実施形態では、2つのブランチ235a、235bを形成する為にチューブ210が分割された後にチャネルが露出しなくてよい。別の実施形態では、吸引部230上の露出チャネルは、これらの何らかの組み合わせであってよい。更に、幾つかの露出チャネルが、子宮からの生物学的物質を通すように構成されなくてよい。幾つかの実施形態では、連結部225及び吸引部230は、互いに連結されている別々の構成要素/材料片であってよい。
【0021】
ブリッジ215は、吸引部230のブランチ235間にまたがっている。ブリッジ215の各端部は、吸引部230のブランチ235の遠位端に取り付けられている。ブリッジ215は、締り嵌め(例えば、摩擦嵌合又は圧力嵌合)、接着剤、ねじ接合、又はこれらの何らかの組み合わせにより、取り付けられてよい。図2の実施形態では、ブリッジ215の長さは、吸引部230のブランチ235間の離隔を維持するのに十分である。幾つかの実施態様、即ち、(例えば、図3に関して後述されるように)ブランチ235が作成される様式では、ブランチ235は、安静状態(即ち、ブランチ235に外力がかかっていない状態)では一体になろうとする自然な傾向がある。しかしながら、この傾向があることで、各ブランチ235上の露出チャネルが安静状態ではふさがれる可能性がある。そこで、ブリッジ215は、ブランチ235同士を離隔させて分離状態にする為に各ブランチ235に力をかける。この構成は、吸引部230のブランチ235が、ポンプ110の作動時に崩れて一体になるのを防ぎ、従って、ポンプ110と子宮との間の空気流を遮るのを防ぐ。更に、ブリッジ215は、吸引部230の正中線側に沿う露出チャネル同士が内側を向いて互いに向かい合う状態が存続するように、吸引部230のブランチ235の並びを維持する。一実施形態では、これを達成すべく形成されるブリッジ215は、丸みのあるエッジを有する、かなり湾曲したボディを有していて、挿入可能器具105が子宮に挿入されたときに子宮内部に無理なく配置されるように、且つ、子宮壁の損傷を防ぐように、方向的に制限されており、同時に、子宮に挿入されたときに、露出チャネル同士が上述のように内側を向いている状態が保たれるように、その向きが維持される。幾つかの実施形態では、ブリッジ215の形状が、長さ、幅、曲率、厚さ等に関して様々であってよい。結果として、子宮内部での配置に備えて、遠位部120の構成が様々であってよく、例えば、円形、楕円形、三角形、又は角状のループ、或いは他の任意の適切な幾何学的形状を形成してよい。ブリッジ215の代替実施形態を、後で図7Eに関して説明する。幾つかの実施形態では、挿入可能器具105はブリッジ215を含まなくてよい。
【0022】
封止材220は、子宮の開口に封止を形成する。封止材220は、図2の実施形態では、吸引部230に隣接する、連結部225の遠位端に配置されたディスクであるが、代替実施形態では、他の要素のサイズ/長さに応じて、連結部225上の様々な位置に配置されてよい。ディスクは、円形、楕円形、又は他の任意の、子宮の開口の封止に適する幾何学的形状であってよい。ディスクは、その周囲に、子宮壁に対する封止材の位置決めに役立ちうるリップを含んでも含まなくてもよい。更に、ディスクは外形が凸状又は凹状であってよい。封止材220は、半可撓プラスチックで構成されてよく、例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の任意の適切な医療グレード材料で構成されてよい。封止材220の可撓材料は、封止材220が子宮の解剖学的構造に順応することを可能にし、これによって、封止材220が、子宮と子宮の外側の環境との間に封止を形成するように、子宮の開口に対して位置決めされることが可能である。子宮を封止することにより、挿入可能器具105が、真空を発生させて子宮内部の負圧を維持することにより子宮の収縮を促進することが可能になる。幾つかの実施形態では、封止材220は、外陰部から頸部、膣管、又は子宮内部にかけての任意の箇所に封止を形成するように構成されてよい。封止材220の別の実施形態は、複数のディスク、カップ、バルーン、スリーブなどであり、これらは、(例えば、本明細書に記載の例示的実施形態のいずれかに関して記載のように)挿入可能器具105の他の構成要素と交換可能であってよい。これらの別の実施形態のそれぞれについて、後で図7A~7Eに関して詳述する。
【0023】
幾つかの実施形態では、挿入可能器具105は、子宮内部への挿入可能器具105の挿入を容易にするシース(図示せず)を含んでよく、更に、ポンプ110から子宮への空気流の早すぎる結合を防ぐことが可能である。シースは、チューブ210、ブリッジ215、及び/又は封止材220、或いはこれらの何らかの組み合わせの一部を覆ってよい。一例として、シースは、チューブ210の一部を囲む平行移動可能な外側チューブ、又は挿入可能器具105の遠位部を囲む取り外し可能なメンブレン、又は他の、同様の構成を有する構造物の形態であってよい。シースは、吸引部230が子宮内部に配置された時点で取り外されてよい。シースを取り外すことにより、同時に子宮内で封止材220が解放又は配置されて、封止が形成されてよい。システム100の使用が完了したら、シースが挿入可能器具105に再度取り付けられてよい。この再取り付け工程により、同時に、封止材200の封止が解除されてよく、ポンプ110と子宮との間の空気流のつながりが遮断されてよい。
【0024】
図3は、一実施形態による、図2の挿入可能器具のチューブ210を示す。図2~3の実施形態では、チューブ210は押出工程で製造されるが、別の実施形態では、チューブ210は別の方法で製造されてよい。押出工程では、材料を所望の断面の押出型に押し通すことにより、所望の断面外形を有する物体が形成される。チューブ210の押出工程に使用可能な材料として、例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の任意の適切な医療グレード材料があってよい。押出型材は、成形された時点で所望の長さにカットされてよい。図3の実施形態では、チューブ210は、半可撓材料が押し出されたものであり、これによって、挿入可能器具が、子宮に挿入されたときに子宮の解剖学的構造に順応することが可能になる。
【0025】
図2~3の実施形態では、押出型材が後処理されて、最終製品であるチューブ210が形成される。図2に関して説明されたように、チューブ210は、連結部225及び吸引部230を含む。チューブ210の吸引部230を形成する為に、押出型材の一部が、少なくとも部分的に、長さ方向に半分に分割される。図3に示されるように、押出型材は、チューブ210の遠位端から押出型材の長さ方向に距離dだけカットされる。距離dは、吸引部230が子宮に無理なく挿入されることを可能にするのに適した長さである。幾つかの実施形態では、押出型は、押出型材が、押出型材に沿って特定の長さにわたって延びる溝をその内側表面又は外側表面に含むように設計されてよい。この溝は、カットの場所を示し、カットを実施する工具に対するガイドとして働くことにより、カット工程を容易にすることが可能である。幾つかの実施形態では、この溝は、押出型材の壁厚が押出型材の他の部分より薄い場所を示している。壁厚を薄くすることにより、カット工程を容易にすることが可能であり、押出型材を手作業で両半分に分けて吸引部230を形成することが可能になりうる。
【0026】
幾つかの実施形態では、チューブ210は、GeoTrans(登録商標)押出工程により製造される。この工程では、押出型は、押出型材の所望の断面が押出型材の長さ方向に変化するように設計されてよい。具体的には、連結部225の所望の断面と、吸引部230の所望の断面とが異なってよい。例えば、連結部225の断面はほぼ円筒形又は楕円形であってよく、これに対して、吸引部230の断面は1つ以上のチャネルを含んでよい。幾つかの実施形態では、押出型材の断面は、その長さ方向に交互パターンで変化してよい。連結部225と吸引部230との間の断面の変化は、過渡的又は急に起こるように設計されてよい。
【0027】
更に、押出型は、チューブ210の断面がチューブ210の内側表面に複数の表面機構を含むように設計されてよい。表面機構の例が図3に示されており、ここでは、吸引部230の各ブランチ235が、チューブ210の内側表面の長さ方向に延びる中央突起を含む。この表面機構は、チューブ210内の空気及び生物学的物質の流れを促進することが可能であり、これについては、後で図4~5に関して詳述する。押出工程でチューブ210を製造することにより、挿入可能器具105の最終製品の形成に必要な後処理が最小限になる。更に、所望の押出型材の為の押出型が製造された時点で、大量の押出型材が高速で(例えば、1日数千個のペースで)生産可能であり、これは特に、押出型が複数の押出型材を同時に成形するように構成されていれば可能である。この生産では、完成した器具の部品点数を減らすことにより、製造の全体コストを大幅に減らすことが可能であり、且つ、器具の全体的な複雑さを大幅に低減することが可能である。更に、挿入可能器具105の設計、具体的には、ブランチ235の分割された状態と、ブランチ235の分離を維持するブリッジ215との設計により、ブランチ235がほとんど屈曲又は湾曲しなくてよいことから、チャネル上の表面機構の設計が非常にフレキシブルになる。
【0028】
図4Aは、一実施形態による、チューブ210を形成する為の押出型材400の断面図を示す。具体的には、チューブ210の吸引部230の、押出型材400の両半分405a、405bが分割されて吸引部230の別々のブランチが形成される前の断面が示されている。図4Aの実施形態では、押出型材400は、外壁410及びチャネル415を含む。外壁410は、チューブ210の外側境界を形成する。外壁410は、空気及び生物学的物質が通り抜けることが可能なチャネル415を取り囲む。図4Aに示されるように、外壁410は厚さがほぼ均一である。外壁410の厚さは、およそ1~2.5ミリメートル(mm)であってよい。外壁410は、外壁の対向するエッジに位置する2つの溝420a、420bを含む。図4Aの実施形態では、溝420a、420bは、外壁410の内側表面及び外側表面に位置しており、これによって、外壁410の厚さが溝420a、420bで狭くなっている。図3に関して説明されたように、溝420a、420bは、チューブ210の吸引部230の別々のブランチを形成する為の両半分405a、405bの分離を容易にする。図4Aの実施形態では、溝420a、420bは、吸引部230において、チューブ210の長さ方向に延びている。幾つかの実施形態では、連結部225は溝420a、420bを含まなくてよく、吸引部230だけが溝420a、420bを含む。この構成により、両半分405a、405bの分離が連結部225まで広がるのを防ぐことが可能である。連結部225において溝420a、420bがチューブ210の長さ方向に延びる実施形態であれば、図4Aに示された断面図は、連結部225の断面も示している。
【0029】
図4Aの実施形態では、チャネル415の表面は、複数の表面機構、即ち、突起425a、425b、及び突起430a、430b、430c、430dを含む。図4Aに示されるように、これらの表面機構は、押出型材400の断面がほぼ対称形であるように配置されている。この構成により、押出型材400が溝420a、420bに沿って分割された時点で、吸引部230の各ブランチが確実に同じ表面機構を含む。突起425a、425bは、チャネル415の中央部分に配置され、互いに向かってチャネル415の中心方向に突出している。突起430a、430bは、それぞれ溝420a、420bの右側に配置され、互いに向かって突き出ており、一方、突起430c、430dは、それぞれ溝420b、420aの左側に配置され、互いに向かって突き出ている。この、突起425、430の構成により、チャネル415は複数のより小さなチャネルに分割されており、これによって、吸引部230の各ブランチにはある特定の特性が与えられる。それについて、図4Bに関して詳述する。
【0030】
図4Bは、一実施形態による、吸引部230のブランチ435aの断面図を示す。具体的には、図示された断面は、押出型材400の両半分405a、405bが分割されて、吸引部230の別々のブランチが形成された後の半分405aの断面である。半分405aは、ブランチ435aを形成している。ブランチ435bは図示されていないが、これは半分405bによって形成されている。図4Bに示されるように、突起425a、430a、430bによってチャネル415は2つのより小さいチャネル440a、440bに分割され、各チャネルはそれぞれ開口445a、445bを有する。図2に関して説明されたように、吸引部230の開口により、子宮とポンプ110との間の流体連通が可能になる。チャネル415をより小さいチャネル440a、440bに分割することにより、ポンプ110からの空気流が分散され、空気及び生物学的物質が移動できる経路の数が増える。従って、1つの経路が生物学的物質によって遮られた場合に、他の経路がアクセス可能な状態で存続して、システム100は実質的に子宮内部の負圧を維持することが可能である。又、チャネル445a、445bが遮られるのを更に防ぐ為に、吸引部230が子宮に挿入された際に外壁410が子宮壁及び開口445a、445bと向き合うように、開口445a、445bは、それぞれのブランチ435の正中線側に位置する。この構成によって、子宮組織又は他の組織が開口445a、445bを遮ることがなくなり、且つ、ポンプ110の作動時に空気流を妨げることがなくなる。
【0031】
図4Bの実施形態では、開口445a、445bは、特定サイズの生物学的物質が開口445a、445bを通ってチャネル440a、440bに入ることを可能にするように構成されており、これらの生物学的物質は、子宮から取り除かれて収集容器115に集められることが可能である。図4Bの実施形態では、各開口445a、445bのサイズは、およそ1~4ミリメートル(mm)である。幾つかの実施形態では、各開口445a、445bのサイズは、2~3.5ミリメートル(mm)である。このサイズの開口は、凝血塊を形成した生物学的物質のかたまりをばらばらにするように更に構成されてよい。開口445a、445bは、これらのかたまりをばらばらにすることによって、ポンプ110からの空気流が遮られるのを防ぎ、生物学的物質が収集容器115に集められるのを可能にすることができる。
【0032】
図5Aは、チューブ210を形成する押出型材の別の実施形態500の断面図を示す。具体的には、チューブ210の吸引部230の、押出型材500の両半分505a、505bが分割されて吸引部230の別々のブランチが形成される前の断面が示されている。押出型材400と同様に、押出型材500は、外壁510及びチャネル515を含む。外壁510は、チューブ210の外側境界を形成する。外壁510は、空気及び生物学的物質が通り抜けることが可能なチャネル515を取り囲む。図5Aに示されるように、外壁510は厚さがほぼ均一である。外壁510の厚さは、およそ1~2.5ミリメートル(mm)であってよい。外壁510は、外壁の対向するエッジに位置する2つの溝520a、520bを含む。溝420a、420bと同様に、溝520a、520bは、チューブ210の吸引部230の別々のブランチを形成する為の両半分505a、505bの分離を容易にする。図5Aの実施形態では、溝520a、520bは、外壁510の内側表面にのみ位置しているが、幾つかの実施形態では、溝520a、520bは、外壁510の内側表面及び外側表面の両方に位置してよい。
【0033】
図5Aの実施形態では、チャネル515の表面は、複数の表面機構、即ち、突起525a、525bを含む。図5Aに示されるように、突起525a、525bは、押出型材500の断面がほぼ対称形であるように配置されている。この構成により、押出型材500が溝520a、520bに沿って分割された時点で、吸引部230の各ブランチが確実に同じ表面機構を含む。突起525a、525bは、チャネル515の中央部分に配置され、互いに向かってチャネル515の中心方向に突き出ている。図5Aの実施形態では、各突起525a、525bの遠位端が、突起のうちの外壁から延びている部分とは別の方向に延びている。図示された実施形態では、この別の方向に延びている部分は、傘に似た形状を形成しており、各突起525は中央支持構造を含み、この支持構造の各側から湾曲アームが延びている。別の実施形態では別の形状が形成されてよく、例えば、T字形突起等が形成されてよい。この、突起525a、525bの、厳密な形状を問わない大まかな構成によって、チャネル515は複数のより小さいチャネルに分割されており、これによって、吸引部230の各ブランチにはある特定の特性が与えられる。それについて、図5Bに関して詳述する。
【0034】
図5Bは、吸引部230のブランチ535aの断面図を示す。具体的には、図示された断面は、押出型材500の両半分505a、505bが分割されて、吸引部230の別々のブランチが形成された後の半分505aの断面である。半分505aは、ブランチ535aを形成している。ブランチ535bは図示されていないが、これは半分505bによって形成されている。図5Bに示されるように、突起525aによってチャネル515は2つのより小さいチャネル540a、540bに分割され、各チャネルはそれぞれの開口545a、545bを有する。図4の実施形態と同様に、チャネル515をより小さいチャネル540a、540bに分割することにより、ポンプ110からの空気流が分散され、空気及び生物学的物質が移動できる経路の数が増える。図5Bの実施形態では、開口545a、545bは、突起525aの構成により、互いに間隔を空けて配置されている。開口545a、545bをある距離だけ離隔させることにより、開口545a、545bが、生物学的物質によって(潜在的には生物学的物質の同じかたまりによって)同時に遮られる可能性を減らすことが可能である。従って、1つの開口が生物学的物質によって遮られた場合に、少なくとも別の開口がアクセス可能な状態で存続して、システム100は実質的に子宮内部の負圧を維持することが可能である。又、チャネル開口545a、545bが遮られるのを更に防ぐ為に、吸引部230が子宮に挿入された際に外壁510が子宮壁及び開口545a、545bと向き合うように、開口545a、545bは、それぞれのブランチ535の正中線側に位置する。この構成によって、子宮組織又は他の組織が開口545a、545bを遮ることがなくなり、且つ、ポンプ110の作動時に空気流を妨げることがなくなる。
【0035】
図4Bの実施形態と同様に、図5Bの実施形態では、開口545a、545bは、特定サイズの生物学的物質が開口545a、545bを通ってチャネル540a、540bに入ることを可能にするように構成されており、これらの生物学的物質は、子宮から取り除かれることが可能であり、幾つかの実施形態では、収集容器115に集められることが可能である。図4Bの実施形態では、各開口545a、545bのサイズは、およそ1~4ミリメートル(mm)である。このサイズの開口は、生物学的物質のかたまり(例えば、組織の凝血塊又は凝集塊)をばらばらにするように更に構成されてよい。開口545a、545bは、これらのかたまりをばらばらにすることによって、ポンプ110からの空気流が遮られるのを防ぎ、生物学的物質が収集容器115に集められるのを可能にすることができる。
【0036】
図6Aは、一実施形態による、ブリッジ215をチューブ210に取り付ける方法を示す。図6Aに示されるように、ブリッジ215の第1の端部が吸引部230のブランチ235aの遠位端に取り付けられ、ブリッジ215の第2の端部が吸引部230のブランチ235bの遠位端に取り付けられる。この、チューブ210の吸引部の構成により、確実に、ブランチ235同士が分離され、子宮への挿入時に分割状態が保たれる。
【0037】
図6Aの実施形態では、ブリッジ215の各端部は、ブリッジ215の端部から延びる嵌合突起605a(605bは図示せず)を含む。ブリッジ215を吸引部230に固定する為に、嵌合突起605a、605bは、それぞれブランチ235b、235aのチャネルに挿入される。嵌合突起605a、605bは、締り嵌め(例えば、摩擦嵌合又は圧力嵌合)、接着剤、ねじ接合、又はこれらの何らかの組み合わせにより挿入されてよい。図6Aの実施形態では、嵌合突起605a、605bは、それぞれブランチ235b、235aと結合されるシリコーンである。
【0038】
図6Bは、一実施形態による、ブリッジ215の第1の端部をブランチ235aに固定する嵌合突起605aを示す。嵌合突起605aは、ブランチ235aのチャネル上に位置する表面機構を補完するキャビティ610を含んでよい。図6Bの実施形態では、キャビティ610の形状は、図5Bに関して説明された表面機構の形状を補完するように設計されている。この構成では、表面機構525aはキャビティ610に挿入されてよく、これにより、ブリッジ215とブランチ235aとの間の取り付けの安定性及び安全性を高めることが可能である。更に、キャビティ610によって、嵌合突起605a、605bをそれぞれブランチ235b、235aに結合するシリコーンの表面積が広くなる。別の実施形態が、図4A及び4Bに示された表面機構、又は他の任意のチャネル表面機構構成の形状を補完するように設計されたキャビティ610を有してよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、ブリッジ215は、チューブ210からの空気流を伝達するように構成されてよい。ブリッジ215は、ブリッジ215の正中線側に沿ってチャネル又は穴を含んでよく、嵌合突起605a、605bは、吸引部230の空気流をブリッジ215に結合するチャネルを含んでよい。この構成により、空気流及び/又は生物学的物質が移動できる経路が増える。
【0040】
図7A~7Eは、挿入可能器具の別の実施形態を示す。図2に関して説明されたように、挿入可能器具は幾つかの構成要素を含み、例えば、チューブコネクタ、連結部及び吸引部を有するチューブ、ブリッジ、及び封止材を含む。各構成要素は様々な設計であってよく、これらについては後で詳述する。更に、これらの構成要素の様々な設計が、挿入可能器具の様々な構成を実現する為に、幾つかの様式で交換可能であってよく、組み合わされてよい。
【0041】
図7Aは、一実施形態による挿入可能器具700を示す。図7Aの実施形態では、挿入可能器具700は、チューブコネクタ205、連結部225及び吸引部230を有するチューブ210、ブリッジ215、及び封止材705を含む。図2に関して説明された封止材の実施形態と同様に、封止材705は、子宮の開口に封止を形成する。封止材705は、吸引部230に隣接する、連結部225の遠位端に配置された3つのディスク710a、710b、710cで構成される。各ディスク710は、半可撓材料で構成されてよく、例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の任意の適切な医療グレード材料で構成されてよく、これにより、各ディスク710は子宮の解剖学的構造に順応することが可能である。各ディスク710の直径は段階的に小さくなっており、最大ディスク710cが吸引部230に最も近く、最小ディスク710aが吸引部230から最も遠い。この構成では、ディスク710の直径を小さくしていくことにより、各ディスク710が子宮壁と当接して、子宮と子宮の外側の環境との間に封止を形成することが可能であるように、子宮の開口に対して配置される封止材705の能力を高めることが可能である。封止材が3つのディスク710を含むことにより、形成される封止の質を高めることが可能であり、封止を維持する上での冗長性を与えることが可能である。別の実施形態が、互いに対して様々な距離で配置されてよい様々な数のディスク(例えば、間隔を大きく空けて配置される2個のディスク、又は小さな間隔で配置される10個のディスク)を含んでよい。
【0042】
図7Bは、一実施形態による挿入可能器具715を示す。図7Bの実施形態では、挿入可能器具700は、チューブコネクタ205、連結部725及び吸引部730を有するチューブ720、及び封止材735を含む。図2に関して説明されたチューブの実施形態と同様に、チューブ720は、空気及び生物学的物質の為の導管として働く。チューブ720は、子宮内部の圧力変化を伝達する為に、空気流をポンプ110から子宮へとつなぐ1つ以上のチャネルを含んでよい。図7Bの実施形態では、チューブ720は、折り込まれて連結部725及び吸引部730を形成する可撓チューブである。チューブ720の、連結部725を形成する各部分同士は、接着剤、又はチューブ720の周囲に固定された1つ以上のオーバモールド部品、又はチューブ720を覆って配置された熱収縮ラップにより接合されてよい。一方、連結部730はループのままである。この構成では、この、チューブ720の構造により、吸引部730のループの正中線側の開口及び/又はチャネルの並びは、子宮への挿入後も確実に子宮壁から離れて向かい合ったままになる。更に、この構成により、チューブのブランチ間の連結要素(例えば、ブリッジ215)が不要になり、これによってチューブ720の製造コストを下げることが可能である。しかしながら、チューブ720が、吸引部730のループを形成する程度に可撓であって、その一方で、吸引部730が潜在的に破損してループの正中線側の開口及び/又はチャネルを遮ることがない程度に剛直であることが可能なように、チューブ720の剛性を適切に決定することが必要である。更に、チューブ720のチャネルの表面の表面機構の設計は、チューブ720の所望の曲率によって制限される場合がある。
【0043】
図7Bの実施形態では、吸引部730は、ループの正中線側に沿って位置する1つ以上の開口738を含み、これらの開口738は、挿入可能器具105が子宮に挿入されたときに子宮の内壁から離れるように方向づけられる。この構成によって、子宮組織又は他の組織が開口738を遮ることがなくなり、且つ、ポンプ110の作動時に空気流を妨げることがなくなる。開口738は、円形、楕円形、多角形、又は他の任意の適切な、空気及び生物学的物質の通り抜けが可能な形状であってよい。幾つかの実施形態では、開口738は、ループの正中線側に沿って延びるチャネルであってよい。
【0044】
封止材735は、子宮の開口に封止を形成する。封止材735は、吸引部730に隣接する、連結部225の遠位端に配置されている。図7Bの実施形態では、封止材735はカップによく似た形状であり、挿入可能器具730が子宮に挿入されたときに、このカップ形状の底部が子宮の開口において子宮壁に当接するように構成されている。封止材735は、半可撓材料で構成されてよく、例えば、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の任意の適切な医療グレード材料で構成されてよく、これにより、封止材735は子宮の解剖学的構造に順応することが可能である。
【0045】
図7Cは、一実施形態による挿入可能器具740を示す。図7Cの実施形態では、挿入可能器具740は、チューブコネクタ205、連結部725及び吸引部730を有するチューブ720、及び封止材220を含む。挿入可能器具740は、図7Bに関して説明されたチューブ構成と、図2に関して説明された封止構成とを組み合わせたものである。
【0046】
図7Dは、一実施形態による挿入可能器具745を示す。挿入可能器具745は、挿入可能器具740の一実施形態である。図7Dの実施形態では、挿入可能器具745は、チューブコネクタ205、連結部725及び吸引部730を有するチューブ720、封止材220、及びシールド750を含む。シールド750は多孔質メッシュであり、特定サイズの粒子であればこのメッシュを通り抜けることが可能である。図7Dの実施形態では、シールド750は、吸引部730を取り囲んで、子宮組織が開口738を遮るのを防ぎ、他の生物学的物質(例えば、血液)の通り抜けを可能にしている。シールド750は、ガーゼ、ナイロン、又は他の適切な、子宮内部に配置可能な材料で構成されてよい。
【0047】
図7Eは、一実施形態による挿入可能器具755を示す。図7Eの実施形態では、挿入可能器具755は、チューブコネクタ205、連結部765及び吸引部770を有するチューブ760、及び封止材775を含む。
【0048】
チューブ760は、空気及び生物学的物質の為の導管として働く。チューブ760は幾何学的形状がチューブ720とよく似ているが、チューブ760は、折り込まれた1つのチューブではなく別々の2つのチューブ780a、780bから作られている。各チューブ780a、780bは、チューブの長さ方向に延びる内部チャネルを含む。図7Eの実施形態では、チューブ780a、780bが互いに隣接して配置されていて、チューブ780a、780bの一部を接合して連結部765を形成することが可能である。これらのチューブの接合は、接着剤、又は連結部765の周囲に固定された1つ以上のオーバモールド部品、又はチューブ連結部765を覆って配置された熱収縮ラップにより行われてよい。チューブ780a、780bの残り部分は、チューブ780aの端部をチューブ780bの端部と嵌合させる為に曲げられて、吸引部770になるループが形成される。チューブ780a、780bの端部同士は、プラグ785でつなげられてよい。図7Eの実施形態では、プラグ785の第1の端部がチューブ780aのチャネルに挿入され、プラグ785の第2の端部がチューブ780bのチャネルに挿入される。プラグ785は、接着剤でチューブ780a、780bの内部に固定されてよい。プラグ785は、チューブ760内を通る空気流及び/又は生物学的物質の為の連続経路を形成する開口又はチャネルを含んでよい。幾つかの実施形態では、プラグ785は、クロスチューブコネクタとしてチューブ780a、780bの端部にぴったりかぶさるように設計されてよい。チューブの吸引部が、連結される別々の2つのブランチを含む実施形態では、チューブの剛性に応じて、且つ、挿入可能器具が子宮に挿入されたときに、各ブランチの開口又はチャネルが遮られないままで、子宮内部で真空が発生することを可能にするように、連結要素がブランチ同士を適切に嵌合させるものとすれば、連結要素(例えば、ブリッジ215又はプラグ785)は、様々な構成を有してよく、且つ任意のサイズであってよい。
【0049】
図7Eの実施形態では、吸引部770は、1つ以上の開口790を含む。開口790は、吸引部770の外側表面をスカイビングすることによって作成される。スカイビング工程では、吸引部770の表面にノッチが彫刻される。開口790は、挿入可能器具105が子宮に挿入されたときに子宮の内壁から離れるように方向づけられるように、ループの正中線側に沿って配置される。この構成によって、子宮組織又は他の組織が開口790を遮ることがなくなり、且つ、ポンプ110の作動時に空気流を妨げることがなくなる。
【0050】
封止材775は、子宮の開口に封止を形成する。図7Eの実施形態では、封止材775は、吸引部770が子宮内部に配置された時点で膨張可能なスリーブ又はバルーンである。封止材775は、平らな状態で挿入されてよく、これにより、適正に配置されてから膨張することが可能である。封止材775は、膣管、頸部、又は子宮の内部に配置されてよい。図7Eの実施形態では、封止材775はチューブ795を含んでよく、チューブ795は、封止材775を膨張させるポンプ110につながってよい。封止材775は、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他の任意の適切な医療グレード材料で構成されてよい。
【0051】
図8は、チューブ210を作成する為の押出型材の別の実施形態800の断面図を示す。具体的には、チューブ210の吸引部230の、押出型材800の両半分805a、805bが分割されて吸引部230の別々のブランチが形成される前の断面が示されている。図8の実施形態では、押出型材800は、外壁810、チャネル815、チャネル820a、820b、及びリング825a、825bを含む。外壁810は、チューブ210の外側境界を形成する。外壁810は、チャネル815、820a、820bを取り囲む。図8に示されるように、外壁810は厚さがほぼ均一である。外壁810の厚さは、およそ1~2.5ミリメートル(mm)であってよい。外壁810は、外壁810の対向するエッジに位置する2つの溝830a、830bを含む。図8の実施形態では、溝830a、830bは、外壁810の内側表面及び外側表面に位置しており、これによって、外壁810の厚さは、溝830a、830bのところで狭くなっている。図3に関して説明されたように、溝830a、830bは、チューブ760の吸引部770の別々のブランチを形成する為の両半分805a、805bの分離を容易にする。図8の実施形態では、両半分805a、805bが分離されて吸引部770のブランチが形成された時点で、これらのブランチは互いに向かって曲げられてループを形成し、第1のブランチの第1の端部が第2のブランチの第1の端部と嵌合する。ブランチの端部同士をまとめて固定する為に、リング825a、825bにピンが挿入されてよい。このピンは、リング825a、825b内に接着されてよい。
【0052】
両半分805a、805bが分離された時点で、チャネル815が露出して、ポンプ110と子宮との間の流体連通が可能になる。チャネル815と各チャネル820a、820bとの間の壁は、生物学的物質がチャネル815に入り、チャネル820a、820bに流れていくことが可能なように、1つ以上の開口(例えば、穴又はチャネル)を含んでよい。この構成では、チャネル820a、820bは排出チャネルとして働く。この構成は、チャネル815が遮られないままであることに役立ちうる。
【0053】
上述の、本発明の各実施形態の説明は、例示を目的として行われており、包括的であること、或いは、本発明を、開示された厳密な形態に限定することを意図していない。当業者であれば理解されるように、上述の開示を踏まえて様々な修正形態や変形形態が可能である。
【0054】
本明細書で用いられた言い回しは、主に読みやすさと教示とを目的として選択されたものであり、本発明対象の境界又は範囲を定める為に選択されたものではない場合がある。従って、本発明の範囲は、この詳細説明によっては限定されず、本明細書に基づく出願に関して発行される全ての特許請求項によって限定されるものとする。従って、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲の例示であって限定ではないものとする。
〔付記1〕
挿入可能器具であって、
チューブの連結部であって、作動時に圧力変化を発生させる真空源と連結された前記連結部と、
前記チューブのうちの、子宮に挿入可能な吸引部であって、
前記吸引部が前記子宮に挿入されたきに前記子宮の内壁から離れるように方向づけられる開口を含む第1のループ
を含む前記吸引部と、
前記連結部の長さ方向に前記吸引部より近位に配置される封止材であって、前記挿入可能器具の挿入時に膣管と当接し、膣口と前記子宮との間に封止を形成する前記封止材と、
を含む挿入可能器具。
〔付記2〕
前記連結部及び前記吸引部は、互いに連結されている別個の構成要素である、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記3〕
前記連結部及び前記吸引部は一体構造である、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記4〕
前記チューブは押出型材として製造される、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記5〕
前記押出型材は断面が一定である、付記4に記載の挿入可能器具。
〔付記6〕
前記押出型材は、チャネルの表面から突き出た表面機構を有する前記チャネルを含む、付記5に記載の挿入可能器具。
〔付記7〕
前記押出型材は、断面が前記押出型材の長さ方向に変化する、付記4に記載の挿入可能器具。
〔付記8〕
前記押出型材は、前記押出型材の前記吸引部の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝を含み、前記少なくとも1つの溝は前記押出型材のエッジ間に配置され、前記押出型材の後処理が、前記押出型材の前記吸引部が2つの部分に分割されるように、前記少なくとも1つの溝に沿って前記押出型材を長さ方向にカットすることを含む、付記4に記載の挿入可能器具。
〔付記9〕
前記チューブは、空気及び生物学的物質が移動するチャネルを含む、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記10〕
前記チャネルの表面が、前記チャネルの前記表面から突き出た表面機構を含み、前記表面機構は前記チャネルを複数のより小さいチャネルに分割する、付記9に記載の挿入可能器具。
〔付記11〕
前記第1のループは複数の開口を含み、各開口は前記複数のより小さいチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルにつながっている、付記10に記載の挿入可能器具。
〔付記12〕
前記複数の開口の各開口の幅又は長さは2~3.5ミリメートル(mm)の範囲内である、付記11に記載の挿入可能器具。
〔付記13〕
前記吸引部の前記開口は、前記第1のループの正中線側表面の一部に沿って延びている1つ以上のチャネルを含む、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記14〕
前記吸引部の前記開口は、前記第1のループの正中線側表面に沿って複数の開口を含む、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記15〕
前記吸引部の前記第1のループは、ブリッジによって連結された、前記チューブの第1のブランチ及び第2のブランチを含み、前記ブリッジは各ブランチの遠位端に取り付けられている、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記16〕
前記ブリッジは、前記第1のブランチ及び前記第2のブランチの遠位端同士をある距離だけ隔てており、前記ブリッジの長さによって前記第1のブランチ及び前記第2のブランチは互いに折り重ならない、付記15に記載の挿入可能器具。
〔付記17〕
前記ブリッジの第1の端部が前記第1のブランチのチャネルに挿入され、前記ブリッジの第2の端部が前記第2のブランチのチャネルに挿入される、付記15に記載の挿入可能器具。
〔付記18〕
前記第1のブランチの遠位端は第1のリングを含み、前記第2のブランチの遠位端は第2のリングを含み、各リングは前記各ブランチの外側表面から突き出ており、各リングは穴を含み、前記第1のリング及び前記第2のリングは、前記各穴同士の位置が揃うように方向づけられており、前記ブリッジはほぼピン形状であり、前記ブリッジの第1の端部が前記第1のリングの前記穴に挿入され、前記ブリッジの前記第2の端部が前記第2のリングの前記穴に挿入され、これによって、前記第1のブランチと前記第2のブランチとが連結される、付記15に記載の挿入可能器具。
〔付記19〕
前記封止材は単一ディスクを含む、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記20〕
前記封止材は複数のディスクを含む、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記21〕
前記封止材はバルーンを含み、前記バルーンは、前記封止材が前記子宮又は膣管の内部に配置された時点で膨張する、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記22〕
前記封止材はカップ状の幾何学的形状を含み、前記封止材は、前記封止材の底面が前記吸引部から離れるように方向づけられるか、前記吸引部に向かうように方向づけられる、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記23〕
前記吸引部を取り囲むシールドを更に含み、前記シールドは、前記第1のループの前記開口が生物学的物質によって遮られるのを防ぐように構成されている、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記24〕
シースを更に含み、前記シースは、少なくとも前記吸引部を覆い、前記吸引部の前記子宮への挿入を容易にする、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記25〕
前記シースは、前記吸引部が前記子宮の内部の所望の位置に着いた後に取り外されてよく、これにより、前記吸引部の前記開口が露出する、付記24に記載の挿入可能器具。
〔付記26〕
前記チューブは可撓材料で構成される、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記27〕
前記連結部は、前記子宮から生物学的物質を集める容器と結合されており、前記容器は、集められた生物学的物質の量を示すように構成されている、付記1に記載の挿入可能器具。
〔付記28〕
前記吸引部の前記開口は、前記第1のループの正中線側表面に沿って画定される、付記1に記載の挿入可能器具。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8