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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】経口用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20231226BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20231226BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20231226BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20231226BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20231226BHJP
   A23L 29/231 20160101ALN20231226BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K33/00
A61P3/10
A61K47/36
A61K9/08
A61K9/00
A23L2/00 T
A23L2/00 F
A23L2/38 A
A23L29/231
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019144089
(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2020028288
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2018154369
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】矢田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 有作
(72)【発明者】
【氏名】浅野 年紀
(72)【発明者】
【氏名】望月 晃司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健太
(72)【発明者】
【氏名】圓山 智嘉史
(72)【発明者】
【氏名】大山 友希子
(72)【発明者】
【氏名】山口 千春
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/103737(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/033710(WO,A1)
【文献】特表2006-527700(JP,A)
【文献】特開平06-030729(JP,A)
【文献】国際公開第2013/151084(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L,A61K,A61P,C12G
Pubmed,JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸及びLMペクチンを含有し、0.9~2.2のガスボリュームであることを特徴とするGLP-1分泌促進持続用の経口用液体組成物。
【請求項2】
血糖値低下剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
糖尿病の予防または改善剤である請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1の分泌を促進し、その作用を持続させる組成物に関し、血糖値を低下させ、糖尿病の予防または改善に有効な経口用の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界における糖尿病患者数の増加が問題となっている。糖尿病は、ひとたび発症すると治癒することが難しく、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、末期には失明に至ること、透析治療が必要となることがある。さらに、糖尿病は脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進することも知られている。これらの合併症は患者のQOLを著しく低下させるのみでなく、医療経済的にも大きな負担を社会に強いており、今後も社会の高齢化に伴って増大するものと考えられる。この疾患の対策としては、発症の予防・早期発見・合併症の予防が重要である(非特許文献1参照)。
【0003】
糖尿病の基本的治療方針は、糖尿病の病型、病態、年齢、代謝障害や合併症などの程度により異なる。より詳しくは、食事療法、運動療法、薬物療法、生活習慣改善に向けての糖尿病教育が選択される(非特許文献1参照)。
【0004】
食事療法においては、炭水化物50~60%エネルギー、たんぱく質20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とし、身体活動量、合併症の状態、嗜好性などの条件に応じて、適宜、柔軟に対応することが必要とされる(非特許文献1参照)。
【0005】
運動療法の到達目標としては、頻度は出来れば毎日、少なくとも週に3~5回、強度が中等度の有酸素運動を20~60分間行い、計150分以上運動することが一般的には勧められるとされる(非特許文献1参照)。
【0006】
血糖降下薬を用いた薬物療法の適応については、十分な食事療法、運動療法を2~3ヵ月行っても良好な血糖コントロールが得られない場合、血糖降下薬の適応となる(非特許文献1参照)。血糖降下薬の種類としては、糖の尿中への排出を促すSGLT2阻害薬、肝臓における糖新生を抑制するビグアノイド薬、膵臓でのインスリン分泌を促すスルホニル尿素(SU薬)、膵臓に働くインクレチンというホルモンの働きを強めるDPP-4阻害薬、インスリンの分泌を促すGLP-1受容体作動薬などがある。
【0007】
以上のように、糖尿病に対する薬物治療の手段として、血糖降下薬が用いられる事実からも、血糖値を正常に維持することは糖尿病を予防することにおいて非常に重要であると考えられる。その他にも、日本人を対象とした横断的/経年的疫学研究による糖尿病の発症危険因子は、加齢、家族歴、肥満、身体的活動の低下(運動不足)、耐糖能異常(血糖値の上昇)であり、これ以外にも高血圧や高脂血症も独立した危険因子であるとされている。特に肥満は、身体活動の低下や耐糖能異常との関連が大きい因子であるとされており、肥満を予防することは、糖尿病予防や改善において非常に重要であることが明確である。
【0008】
肥満の予防や糖尿病の食事療法において、食事量を減らすことが基本である。しかしながら、食欲を我慢して食事摂取量を減らすことは空腹感に耐えられず、長続きしないことが多い。その結果、リバウンドによる肥満の悪化や糖尿病の病態進展を助長するという問題がある。
消化管ホルモンの一つであるGLP-1は栄養刺激により小腸のL細胞から分泌されることが知られており、インスリンの働きを促進することにより、肝臓の糖新生を抑制し、筋の糖取り込みを促進するなどにより血糖値を低下させる作用などが知られている。一方、胃を拡張することでGLP-1が分泌されるという報告はあるものの(非特許文献2参照)、本法は胃をバルーンで膨らませるという方法であるため、ヒトへの応用が難しいという問題があった。さらに、この方法では、GLP-1分泌持続時間が短く、膨らませた後、5分後に血中GLP-1濃度がピークを示し、15分後には約50%まで低下、20分後にはほぼ定常値に戻ることが示されており、GLP-1濃度を維持させることが難しかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】「糖尿病診療ガイドライン2016」、編・著 日本糖尿病学会、株式会社南江堂、2016年
【文献】Natochin YV et al., Dokl Biol Sci. 2018 Mar;479(1):57-59.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、GLP-1の分泌を促進し、その作用を持続させ、血糖値を低下させることにより、糖尿病の予防または改善に有効な飲食品等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、炭酸等の発泡性を有する成分とペクチンを組み合わせることにより、GLP-1の分泌を促進し、その作用を一定時間持続させ、血糖値を有意に低下させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の態様は、次のとおりである。
(1)発泡性を有する成分及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続作用を有する経口用組成物。
(2)発泡性を有する成分が、炭酸または炭酸水素ナトリウムである(1)に記載の経口用組成物。
(3)炭酸及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続作用を有する経口用液体組成物。
(4)炭酸水素ナトリウム及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続作用を有する経口用固形組成物。
(5)血糖値低下作用を有する(1)~(4)に記載の組成物。
(6)糖尿病の予防または改善剤である(1)~(5)に記載の組成物。
(7)発泡性を有する成分及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続剤。
(8)発泡性を有する成分が、炭酸または炭酸水素ナトリウムである(7)に記載の剤。
(9)炭酸及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続用液剤。
(10)炭酸水素ナトリウム及びペクチンを含有することを特徴とするGLP-1分泌促進持続用固形剤。
(11)血糖値低下剤である(7)~(10)に記載の剤。
(12)糖尿病の予防または改善剤である(7)~(11)に記載の剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、GLP-1の分泌を促進・持続させ、血糖値を有意に低下させることによって、糖尿病の予防または改善に有効な飲食品等を経口用組成物として提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】試験例1におけるマウスの血中GLP-1濃度変化を示したグラフである。
図2】試験例2におけるマウスの血糖値を示したグラフである。
図3】試験例4におけるマウスの血糖値を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の組成物は、発泡性を有する成分及びペクチンを含有し、経口摂取できることを特徴とする。
【0016】
「発泡性を有する成分」とは、水や塩酸に溶解した際に単独もしくは複数成分の組み合わせを問わず、二酸化炭素を発生させる性質を有する成分である。発泡性を有する成分としては、炭酸、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、グルコノデルタラクトン、硫酸アルミニウムカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0017】
発泡性を有する成分の配合量は、炭酸を液剤として用いる場合には飲用に適した水に二酸化炭素を圧入し、そのガスボリュームは0.5~4.0が好ましく、経口用液体組成物の有効服用量は、年齢等に応じて異なるが、通常成人で1回当たり0.1L~0.7Lが好ましい。さらに好ましくは、0.15L~0.5Lである。また、経口用固形組成物として用いる場合の有効服用量についても年齢等に応じて異なるが、通常成人で1回あたり炭酸水素ナトリウムが0.5~3.0gが好ましく、0.5~1.5gがさらに好ましく、酒石酸を炭酸水素ナトリウムに配合して用いることもできる。その際、炭酸水素ナトリウム1重量部に対して、酒石酸を0.6~1.2重量部の範囲で配合することが好ましく、0.8~1.0重量部がさらに好ましい。
【0018】
「ペクチン」とは、α-1,4-結合したポリガラクツロン酸が主成分の水溶性多糖類であり、リンゴや柑橘類から抽出される。本発明のペクチンは、リンゴ由来、柑橘類由来の何れのものであってもよいが、ペクチンの構成糖であってフリーの酸若しくはメチルエステルとして存在するガラクツロン酸がメチルエステルであるものの比率が50%未満の「LMペクチン」であることが必要である。因みに、メチルエステルの比率が50%以上のペクチンをHMペクチンというが、酸性域でゲル化せず、本発明には適さない。
【0019】
ペクチンの配合量は、発泡性を有する成分の種類によって異なり、服用後60分で効果を示すためには炭酸ガスボリューム0.5~4.0に対して0.01質量部~50質量部が好ましく、炭酸ガスボリューム1.6~4.0に対して0.02質量部~16質量部がさらに好ましい。また服用後180分で効果を示すためには炭酸ガスボリューム0.5~4.0に対して0.01質量部~50質量部が好ましく、炭酸ガスボリューム0.9~4.0に対して0.02質量部~28質量部がさらに好ましく、また炭酸ガスボリューム1.6~4.0に対して0.2質量部~16質量部がより好ましい。0.01質量部未満であるとGLP-1の分泌を持続する作用が十分でなく、50質量部を超えるとペクチンが溶解せず、水性の飲料等として提供することが困難となるからである。
【0020】
「GLP-1」とは、小腸下部に存在するL細胞から分泌される消化管ホルモンのことをいう。GLP-1の分泌促進とは、血中のGLP-1濃度が定常値を超えた状態のことをいい、好ましくは1.3倍以上、より好ましくは1.6倍以上である。
【0021】
GLP-1の分泌持続とは、血中GLP-1濃度の最大値が定常値を超えた状態が服用後25分以上継続するものをいい、血中GLP-1濃度の最大値は、好ましくは定常値の1.3倍以上、より好ましくは1.6倍以上を示し、1時間保持されているものが良い。さらに強い効果を期待するためには、血中GLP-1濃度の最大値が定常値の2倍以上で、3時間は保持されているものが良い。25分のところで、定常値である場合には、血糖値の低下作用が十分でなく、糖尿病の予防・改善剤として十分に機能しないが定常値の1.3倍以上であれば、血糖値低下作用を発揮する。
【0022】
「血糖値低下」とは、空腹時、食後を問わず血糖値を低下させることをいう。例えば、空腹時の血糖値の場合、糖尿病診療ガイドラインで規定されている糖尿病型(血糖値126mg/dL以上)を境界型(110~125mg/dL)あるいは正常型(110mg/dL未満)にすることをいう。また、必ずしも、糖尿病型を境界型や正常型にすることだけでなく、境界型を正常型にすることや、境界型の範囲内で血糖値を低下させることが含まれる。
【0023】
一方、食後の血糖値の場合、一般的な食事の摂取に伴う血糖値の上昇を低下させることをいう。
【0024】
「血糖値低下作用」や「糖尿病の予防または改善」は、それを飲食品として提供する場合、機能性表示食品のガイドラインなどに則り「血糖値が気になる方に」とか「食後血糖値の上昇を抑制する」、「高めの空腹時血糖値を正常に近づける」などという機能的な表現によって表される。
【0025】
本発明の経口用組成物は、発泡性を有する成分として炭酸を配合する場合には経口用の液剤(例えば、水性の炭酸飲料)として提供することができ、発泡性を有する成分として炭酸水素ナトリウムを配合する場合には経口用の固形剤(例えば、用時溶解型の粉末)として提供することができる。
【0026】
本発明の経口用組成物には、その効果を損なわない質的及び量的範囲で、他の有効成分を配合することができる。また、公知の添加剤等を配合して、固形剤や内服液剤等の経口用製剤として提供することができる。さらに、経口用製剤とする場合、医薬品、医薬部外品及び食品等として提供することができるが、毎日の摂取や服用のし易さ、保存の便宜等を勘案すると、経口の液剤を食品として提供するのが最も好ましい。
【0027】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
【実施例
【0028】
(実施例1~6)
下表1記載の処方および次の方法に従い炭酸飲料を調製した。まず、全量の10%程度の60℃の精製水にペクチンを溶解し、ペクチン濃縮液を作成した。別途、ペクチンを除く成分を全量の10%程度の水に添加した後、水酸化ナトリウムでpHを調整した基剤溶液を調製した。基剤溶液とペクチン濃縮液を全量後に処方量となる割合で混合し、全量の25%の濃度の飲料原液を調製した。最後にこの飲料原液にそれぞれガスボリュームを調整した炭酸水を加えて全量とし、炭酸ガスボリューム0.9、1.6、2.2の炭酸飲料を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
(比較例1)
下表2記載の処方および次の方法に従い非炭酸飲料を調製した。精製水にクエン酸一水和物、安息香酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを添加、溶解し非炭酸飲料を得た。
【0031】
【表2】
【0032】
(試験例1)マウス血中GLP-1濃度の変化
<方法>
16時間以上絶食したマウスに対し、実施例1並びに比較例1で調製した液剤を経口で40mL/kg投与した。投与から60分後、180分後に、イソフルラン麻酔下で下大静脈血を採取し、血漿中のGLP-1濃度を測定した。
【0033】
<結果>
実施例1で調製した液剤の投与によりコントロール群(比較例1を投与した群)と比較し、血中GLP-1濃度の持続的な上昇が認められた(図1参照)。
【0034】
(試験例2)マウスの血糖値の変化
<方法>
16時間以上絶食したマウスに対し、実施例1並びに比較例1で調製した液剤を経口で40mL/kg投与し、投与から90分後にグルコースを腹腔内に2g/kgで投与した。グルコースの腹腔内投与から30分後における血糖値を測定した。
【0035】
<結果>
実施例1で調製した液剤の投与によりコントロール群(比較例1を投与した群)と比較し、グルコース負荷による血糖値上昇の抑制が認められた(図2参照)。
【0036】
(試験例3)マウス血中GLP-1濃度の変化
<方法>
i)約16時間絶食したマウスに対し、実施例3、4、5並びに比較例1で調製した液剤を経口で40mL/kg投与した。投与から60分後に、イソフルラン麻酔下で下大静脈血を採取し、血漿中のGLP-1濃度を測定した。
ii)約16時間絶食したマウスに対し、実施例2、3、4、6並びに比較例1で調製した液剤を経口で40mL/kg投与した。投与から180分後に、イソフルラン麻酔下で下大静脈血を採取し、血漿中のGLP-1濃度を測定した。
i)、ii)ともに、得られたGLP-1濃度から、以下の式1)に基づいてGLP-1分泌促進率を算出した。
(式1)
GLP-1分泌促進率(%) =(比較例1又は各実施例のGLP-1濃度平均値)/(比較例1のGLP-1濃度平均値)×100
【0037】
<結果>
i)投与60分後の結果を表3に示す。実施例3,4,5で調製した液剤の投与によりコントロール群(比較例1を投与した群)と比較し、血中GLP-1濃度の持続的な上昇が認められた。また、実施例3、4で調製した液剤の投与により、血中GLP-1濃度のより強い上昇が認められた。
ii)投与180分後の結果を表4に示す。実施例2、3、4、6で調製した液剤の投与によりコントロール群(比較例1を投与した群)と比較し、血中GLP-1濃度の持続的な上昇が認められた。また、実施例4で調製した液剤の投与により、血中GLP-1濃度のより強い上昇が認められた。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
(試験例4)マウスの血糖値の変化
<方法>
約16時間絶食したマウスに対し、実施例6並びに比較例1で調製した液剤を経口で40mL/kg投与し、投与から90分後にグルコースを腹腔内に2g/kgで投与した。グルコースの腹腔内投与から60分後における血糖値を測定した。
【0041】
<結果>
実施例6で調製した液剤の投与によりコントロール群(比較例1を投与した群)と比較し、グルコース負荷による血糖値上昇の抑制が認められた(図3参照)。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明により、簡易にGLP-1の分泌を促進・持続させ、血糖値を低下させることができる飲食品等の提供が可能となった。糖尿病を予防または改善する新たな手段の提供を通じて、人々の健康の増進に寄与するとともに、医薬品・食品等の産業の健全な発展が期待される。
図1
図2
図3