(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】予約処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20231226BHJP
【FI】
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2019166569
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】青木 哲平
(72)【発明者】
【氏名】秋本 奈奈
(72)【発明者】
【氏名】中野 泉美
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/230679(WO,A1)
【文献】特開2001-265862(JP,A)
【文献】国際公開第2013/137077(WO,A1)
【文献】川口 忠信,実践 使えるホームページ 第40回 格安の宿を値段や最寄り駅で検索 列車の座席もネットで予約する,日経PC21 ,日本,日経BP社,2001年04月01日,第6巻 第7号,P.200-204
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体
と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する移動体特定手段と、
前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設
として特定する施設特定手段と、
前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設の予約の依頼を行う依頼手段と、
前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体を予約する処理を行う処理手段と
を備えたことを特徴とする予約処理装置。
【請求項2】
前記移動体特定手段は、
前記出発地から
前記目的地へ移動するための前記移動体の利用を含む複数の移動方法を特定し、
前記施設特定手段は、前記複数の移動方法のうちの2つの移動方法の移行地点
を前記移動ルート中の地点として特定することを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置。
【請求項3】
前記施設特定手段は、前記移行地点における空き時間の長さに応じた態様で前記複数の施設を提案することを特徴とする
請求項2に記載の予約処理装置。
【請求項4】
前記施設特定手段は、前記移行地点における前記空き時間が長いほど、前記複数の施設として多くの施設を提案することを特徴とする
請求項3に記載の予約処理装置。
【請求項5】
前記施設特定手段は、前記移行地点における前記空き時間が閾値以上である場合に、前記複数の施設を提案することを特徴とする
請求項3に記載の予約処理装置。
【請求項6】
前記処理手段は、
前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信するまで、前記移動体の予約を制限する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記移動体の予約を取り消した際の方針に応じて、前記制限する処理を行うことを特徴とする
請求項6に記載の予約処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記制限する処理として、前記移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生しない場合に限り、前記移動体を予約する処理を行うことを特徴とする
請求項7に記載の予約処理装置。
【請求項9】
前記処理手段は、前記制限する処理として、前記移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生する場合は、前記移動体を予約しないようにする処理を行うことを特徴とする
請求項7に記載の予約処理装置。
【請求項10】
前記移動体特定手段は、何れかの施設において予め定められた滞在時間を確保する前記移動体を
、前記目的地到着時刻から当該予め定められた滞在時間を含む空き時間を減算した時刻を用いて、特定することを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置。
【請求項11】
前記施設特定手段は、前記移動体特定手段により前記移動体が特定された後に、複数の施設を各施設における滞在時間に応じて提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を特定することを特徴とする
請求項10に記載の予約処理装置。
【請求項12】
出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体
と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する移動体特定手段と、
前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設
として特定する施設特定手段と、
前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体の予約の依頼を行う依頼手段と、
前記移動体サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設を予約する処理を行う処理手段と
を備えたことを特徴とする予約処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体
と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する機能と、
前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設
として特定する機能と、
前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設の予約の依頼を行う機能と、
前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体を予約する処理を行う機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体
と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する機能と、
前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設
として特定する機能と、
前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体の予約の依頼を行う機能と、
前記移動体サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設を予約する処理を行う機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議開催エージェントは、会議を開催する利用者から会議開催の希望条件が指定されると会議への出席を要請する全利用者の各スケジュール管理エージェントに対して会議開催場所を通知して開催希望日時の範囲における空き時間を問い合わせ、出席要請者のスケジュール管理エージェントは、開催場所までの移動時間を除いた空き時間情報を会議開催エージェントに回答し、会議開催エージェントは、空き時間情報を取得し、出席要請者全員の空き時間情報に基づいて会議開催スケジュールを決定し、会議開催スケジュールを会議開催者に提示して確認すると共に会議開催通知を出席要請者のスケジュール管理エージェントに通知する会議開催及びスケジュール管理支援装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体を利用して施設を訪問するにあたり、施設の予約の依頼を行うことにより施設を予約する場合がある。このような場合に、施設と共に移動体も予約しようとすると、施設の予約の依頼が受け入れられる前に移動体を予約してしまう虞がある。
【0005】
また、移動体を利用して施設を訪問するにあたり、移動体の予約の依頼を行うことにより移動体を予約する場合もある。このような場合に、移動体と共に施設も予約しようとすると、移動体の予約の依頼が受け入れられる前に施設を予約してしまう虞がある。
【0006】
本発明の目的は、施設の予約の依頼が受け入れられる前に移動体を予約してしまうことを抑制することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、移動体の予約の依頼が受け入れられる前に施設を予約してしまうことを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する移動体特定手段と、前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設として特定する施設特定手段と、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設の予約の依頼を行う依頼手段と、前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体を予約する処理を行う処理手段とを備えたことを特徴とする予約処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記移動体特定手段は、前記出発地から前記目的地へ移動するための前記移動体の利用を含む複数の移動方法を特定し、前記施設特定手段は、前記複数の移動方法のうちの2つの移動方法の移行地点を前記移動ルート中の地点として特定することを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記施設特定手段は、前記移行地点における空き時間の長さに応じた態様で前記複数の施設を提案することを特徴とする請求項2に記載の予約処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記施設特定手段は、前記移行地点における前記空き時間が長いほど、前記複数の施設として多くの施設を提案することを特徴とする請求項3に記載の予約処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記施設特定手段は、前記移行地点における前記空き時間が閾値以上である場合に、前記複数の施設を提案することを特徴とする請求項3に記載の予約処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記処理手段は、前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信するまで、前記移動体の予約を制限する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記処理手段は、前記移動体の予約を取り消した際の方針に応じて、前記制限する処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の予約処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記処理手段は、前記制限する処理として、前記移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生しない場合に限り、前記移動体を予約する処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の予約処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記処理手段は、前記制限する処理として、前記移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生する場合は、前記移動体を予約しないようにする処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の予約処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記移動体特定手段は、何れかの施設において予め定められた滞在時間を確保する前記移動体を、前記目的地到着時刻から当該予め定められた滞在時間を含む空き時間を減算した時刻を用いて、特定することを特徴とする請求項1に記載の予約処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記施設特定手段は、前記移動体特定手段により前記移動体が特定された後に、複数の施設を各施設における滞在時間に応じて提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を特定することを特徴とする請求項10に記載の予約処理装置である。
請求項12に記載の発明は、出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する移動体特定手段と、前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設として特定する施設特定手段と、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体の予約の依頼を行う依頼手段と、前記移動体サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設を予約する処理を行う処理手段とを備えたことを特徴とする予約処理装置である。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する機能と、前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設として特定する機能と、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設の予約の依頼を行う機能と、前記施設サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体を予約する処理を行う機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項14に記載の発明は、コンピュータに、出発地、目的地、目的地到着時刻が指定されると、当該出発地、当該目的地、当該目的地到着時刻の情報を用いて、当該出発地から当該目的地までの移動に利用する移動体と、当該出発地から当該目的地への移動ルートとを特定する機能と、前記移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を提案し、当該複数の施設のうちの選択された一の施設を、前記移動体を利用して訪問する施設として特定する機能と、前記移動体の予約を行う移動体サーバへ当該移動体の予約依頼を送信することにより、当該移動体の予約の依頼を行う機能と、前記移動体サーバから前記予約の完了通知を受信した場合に、前記施設の予約を行う施設サーバへ当該施設の予約依頼を送信することにより、当該施設を予約する処理を行う機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前に移動体を予約してしまうことを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、移動体の利用を含む複数の移動方法のうちの2つの移動方法の移行地点に対応する施設の予約の依頼を行うことができる。
請求項3の発明によれば、移行地点における空き時間の長さを考慮して、移行地点に対応する複数の施設から一の施設を選択することができる。
請求項4の発明によれば、移行地点における空き時間が長いほど多くの施設から一の施設を選択することができる。
請求項5の発明によれば、移行地点における空き時間の長さに関係なく複数の施設を提案する場合に比較して、複数の施設から一の施設を選択する際の煩雑さを軽減することができる。
請求項6の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前に移動体を全く予約できないという事態を回避することができる。
請求項7の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前であっても、移動体の予約を取り消した際の方針を考慮して移動体を予約することができる。
請求項8の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前であっても、移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生しなければ移動体を予約することができる。
請求項9の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前に、移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生すれば移動体を予約しないようにすることができる。
請求項10の発明によれば、何れかの施設において予め定められた滞在時間を確保する移動体を予約することができる。
請求項11の発明によれば、予め定められた滞在時間を確保可能な複数の施設から、滞在時間を考慮して一の施設を選択することができる。
請求項12の発明によれば、移動体の予約の依頼が受け入れられる前に施設を予約してしまうことを抑制することができる。
請求項13の発明によれば、施設の予約の依頼が受け入れられる前に移動体を予約してしまうことを抑制することができる。
請求項14の発明によれば、移動体の予約の依頼が受け入れられる前に施設を予約してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態が適用される予約システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本発明の実施の形態における予約サーバのハードウェア構成例を示した図である。
【
図3】(a),(b)は、本発明の実施の形態における予約システムで携帯端末に表示される予約依頼画面の例を示した図である。
【
図4】目的地の訪問前に事前作業を行う場合に携帯端末に表示されるスケジュール画面の例を示した図である。
【
図5】スケジュール画面から起動されて携帯端末に表示されるスケジュール詳細設定画面の例を示した図である。
【
図6】スケジュール詳細設定画面で詳細情報が設定された後のスケジュール画面の例を示した図である。
【
図7】スケジュール画面から起動されて携帯端末に表示される施設選択画面の例を示した図である。
【
図8】施設選択画面から起動されて携帯端末に表示される地図画面の例を示した図である。
【
図9】施設選択画面で施設が選択された場合のスケジュール画面の例を示した図である。
【
図10】本発明の実施の形態における予約システムで施設サーバ側に表示される予約管理画面の例を示した図である。
【
図11】本発明の実施の形態における予約サーバの機能構成例を示したブロック図である。
【
図12】本発明の実施の形態における予約サーバの移動体情報記憶部に記憶された移動体情報の具体例を示した図である。
【
図13】本発明の実施の形態における予約サーバの施設情報記憶部に記憶された施設情報の具体例を示した図である。
【
図14】本発明の実施の形態における予約サーバの動作例を示したフローチャートである。
【
図15】目的地の訪問前に事前作業を行う場合のステップ202の動作例を示したフローチャートである。
【
図16】目的地の訪問前に事前作業を行う場合のステップ203の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[予約システムの全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される予約システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、この予約システム1は、携帯端末10と、予約サーバ20と、移動体サーバ40と、施設サーバ60とを含む。携帯端末10は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によりアクセスポイント70を介して通信回線80と無線接続可能になっている。また、予約サーバ20、移動体サーバ40、施設サーバ60は、通信回線80に接続されている。通信回線80は、例えばインターネットとすればよい。
【0013】
携帯端末10は、予約システム1のユーザが移動体及び施設を予約するために使用する端末装置である。図では、携帯端末10は、1つしか示していないが、複数存在してもよい。携帯端末10には、汎用のブラウザがインストールされており、このブラウザは、予約サーバ20から送られた画面を表示するものとする。携帯端末10は、例えば、スマートフォンによって実現するとよい。
【0014】
予約サーバ20は、移動体サーバ40への移動体予約依頼及び施設サーバ60への施設予約依頼を一括で行い、移動体及び施設の予約完了通知を携帯端末10へ送信するサーバコンピュータである。特に、施設サーバ60への施設予約依頼を行う際、予約サーバ20は、まず、施設サーバ60へ予約状況を問い合わせる。そして、例えば施設のスタッフが予約可能と判断して予約操作を行うことで施設サーバ60から予約完了通知を受けると、予約完了通知を携帯端末10へ送信し、これにより施設の予約が確定することとすればよい。図では、予約サーバ20は、1つしか示していないが、複数存在してもよい。本実施の形態では、予約処理装置の一例として、予約サーバ20を設けている。
【0015】
移動体サーバ40は、移動体の予約を行うサーバコンピュータである。図では、移動体サーバ40は、1つしか示していないが、複数存在してもよい。その場合、移動体サーバ40は、例えば、移動体の種別ごとに存在してもよい。ここで、移動体とは、ユーザが移動する際に利用する移動手段のことを言い、例えば、電車、バス、タクシー、飛行機、船等の交通機関の他、ライドシェア等も含まれる。また、移動体の種別とは、移動体を運行する会社に対応する種別である。例えば、移動体が電車であるとすると、電車を運行する鉄道会社が異なれば、移動体の種別は異なる。尚、通常、移動体を運行する会社ごとに移動体の予約を行うサイトが存在するので、移動体の種別が異なると移動体の予約を行うサイトも異なることになる。
【0016】
施設サーバ60は、施設の予約を行うサーバコンピュータである。図では、施設サーバ60は、1つしか示していないが、複数存在してもよい。その場合、施設サーバ60は、例えば、施設の種別ごとに存在してもよい。ここで、施設とは、ユーザが一時的に滞在する空間のことを言い、例えば、作業ブース、会議室、喫茶店、レストラン、ホテル等が含まれる。施設が作業ブース、会議室、喫茶店、レストランであれば、滞在中に仕事等の作業を行うことが想定され、施設が喫茶店、レストランであれば、滞在中に飲食を行うことが想定され、施設がホテルであれば、滞在中に休憩又は宿泊を行うことが想定される。しかしながら、施設の概念は、滞在中に行う行為によって限定されるものではない。また、施設の種別とは、施設を運営する会社に対応する種別である。例えば、施設が喫茶店であるとすると、喫茶店を運営する会社が異なれば、施設の種別は異なる。尚、通常、施設を運行する会社ごとに施設の予約を行うサイトが存在するので、施設の種別が異なると施設の予約を行うサイトも異なることになる。
【0017】
[予約サーバのハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における予約サーバ20のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、予約サーバ20は、演算手段であるCPU21と、記憶手段であるメインメモリ22及びHDD(Hard Disk Drive)23とを備える。ここで、CPU21は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ22は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD23は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、予約サーバ20は、外部との通信を行うための通信I/F24と、ディスプレイ等の表示デバイス25と、キーボードやマウス等の入力デバイス26とを備える。
【0018】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、このような予約システム1において、予約サーバ20が、施設サーバ60に対して施設の予約の依頼を行い、施設サーバ60にて施設の予約の依頼が受け入れられた場合に、移動体サーバ40に対して移動体を予約する処理を行うものである。或いは、移動体と施設とを入れ換えて、予約サーバ20が、移動体サーバ40に対して移動体の予約の依頼を行い、移動体サーバ40にて移動体の予約の依頼が受け入れられた場合に、施設サーバ60に対して施設を予約する処理を行うものとしてもよい。以下では、前者の場合、つまり、施設の予約の依頼が受け入れられた場合に移動体を予約する処理を行う場合を例にとって説明する。
【0019】
尚、上記で「予約の依頼が受け入れられた」とは、予約が完了したことであってもよいし、その時点で予約は完了していないが後で予約処理を行う旨の回答が行われたことであってもよい。以下では、「予約の依頼が受け入れられた」を予約が完了したことを言うものとして説明する。
【0020】
[本実施の形態の具体例]
図3(a),(b)は、本実施の形態における予約システム1で携帯端末10に表示される予約依頼画面の例を示した図である。
【0021】
このうち、
図3(a)の予約依頼画面110には、出発地を10時に出発して目的地に12時25分に到着する場合の第1の移動ルートを示す表示要素111が表示されている。具体的には、出発地から乗換駅までは在来線で移動し、在来線は出発地を10時に出発して乗換駅に10時32分に到着することが示されている。乗換駅から目的地の最寄駅(以下、単に「最寄駅」という)までは新幹線で移動し、新幹線は乗換駅を11時10分に出発して最寄駅に11時52分に到着することが示されている。最寄駅から目的地まではタクシーで移動し、タクシーは最寄駅を12時に出発して目的地に12時15分に到着することが示されている。
【0022】
また、
図3(a)の予約依頼画面110には、乗換駅での空き時間が38分であることを示す表示要素112、最寄駅での空き時間が8分であることを示す表示要素113、目的地直前での空き時間が10分であることを示す表示要素114も表示されている。第1の移動ルートでは、乗換駅での空き時間が予め定めた時間以上であることを想定しているので、表示要素112が太線で囲んで示すように強調表示されている。そして、乗換駅近辺の複数の施設を示す表示要素115a~115dが表示されている。この状態で、ユーザがカフェAを示す表示要素115aを選択することにより、カフェAの予約依頼を行うためのボタン116と、予約確定後に新幹線及びタクシーの予約依頼が行われることを示すメッセージ117とが表示されている。
【0023】
更に、
図3(a)の予約依頼画面110には、第1の移動ルートの選択を変更するためのボタン118も表示されている。
【0024】
一方、
図3(b)の予約依頼画面120には、出発地を10時に出発して目的地に12時25分に到着する場合の第2の移動ルートを示す表示要素121が表示されている。具体的には、出発地から乗換駅までは在来線で移動し、在来線は出発地を10時に出発して乗換駅に10時32分に到着することが示されている。乗換駅から最寄駅までは新幹線で移動し、新幹線は乗換駅を10時40分に出発して最寄駅に11時17分に到着することが示されている。最寄駅から目的地まではタクシーで移動し、タクシーは最寄駅を11時25分に出発して目的地に11時40分に到着することが示されている。
【0025】
また、
図3(b)の予約依頼画面120には、乗換駅での空き時間が8分であることを示す表示要素122、最寄駅での空き時間が8分であることを示す表示要素123、目的地直前での空き時間が45分であることを示す表示要素124も表示されている。第2の移動ルートでは、目的地直前での空き時間が予め定めた時間以上であることを想定しているので、表示要素124が太線で囲んで示すように強調表示されている。そして、目的地近辺の複数の施設を示す表示要素125a~125dが表示されている。この状態で、ユーザがカフェFを示す表示要素125bを選択することにより、カフェFの予約依頼を行うためのボタン126と、予約確定後に新幹線及びタクシーの予約依頼が行われることを示すメッセージ127とが表示されている。
【0026】
更に、
図3(b)の予約依頼画面120には、第2の移動ルートの選択を変更するためのボタン128も表示されている。
【0027】
ところで、
図3(a),(b)の予約依頼画面では、出発地、目的地、目的地到着時刻を指定することにより移動体を特定することを想定したが、目的地の訪問前又は訪問後に作業を行う必要がある場合に作業時間を指定することによりその作業時間を確保するように移動体を特定することも考えられる。ここで、訪問前の作業としては、訪問してプレゼンテーションを行う場合のプレゼンテーション資料の確認等の作業が例示される。また、訪問後の作業としては、訪問して会議を行った場合の会議の報告書の作成等の作業が例示される。以下、このうち、目的地の訪問前に作業を行う場合の具体例について説明する。
【0028】
図4は、この場合に携帯端末10に表示されるスケジュール画面130の例を示した図である。
【0029】
ユーザが目的地とその目的地への訪問日及び訪問時刻を指定すると、訪問日のスケジュール画面130上の訪問時刻に対応する場所に実施項目として目的地へ訪問する旨が設定される。図では、目的地としてX社が、訪問日として2019年3月10日が、訪問時刻として15時~16時が、それぞれ指定されたものとし、2019年3月10日のスケジュール画面130上の15時~16時に対応する場所に実施項目「X社訪問」を示す表示要素131が表示されている。この状態で、ユーザが表示要素131をクリックすると、スケジュールの詳細情報を設定するスケジュール詳細設定画面が起動される。
【0030】
図5は、この場合に携帯端末10に表示されるスケジュール詳細設定画面140の例を示した図である。
【0031】
このスケジュール詳細設定画面140では、
図4のスケジュール画面130上で設定された訪問時刻及び目的地が、それぞれ、訪問時刻欄141及び目的地欄142に表示される。
【0032】
また、スケジュール詳細設定画面140では、目的地の住所、目的地の最寄駅、訪問時刻の何分前に目的地に到着したいかを示す待機時間が、それぞれ、住所欄143、最寄駅欄144、待機時間欄145に入力される。
【0033】
更に、スケジュール詳細設定画面140では、目的地の訪問前の作業(以下、「事前作業」という)の有無及び目的地の訪問後の作業(以下、「事後作業」という)の有無が、それぞれ、事前作業有無欄146及び事後作業有無欄147に入力される。そして、事前作業有無欄146に「有り」が入力された場合には事前作業を行う目標の時間(以下、「目標事前作業時間」という)が目標事前作業時間欄148に入力され、事後作業有無欄147に「有り」が入力された場合には事後作業を行う目標の時間(以下、「目標事後作業時間」という)が目標事後作業時間欄149に入力される。また、
図5には示していないが、事前作業及び事後作業に対しては、セキュリティレベルを設定するようにしてもよい。セキュリティレベルが高い作業としては、契約書の確認等の作業が例示される。
【0034】
尚、一度詳細情報を入力した後は、目的地を選択することにより、その他の詳細情報が既定値として表示されるようにするとよい。
【0035】
図6は、
図5のスケジュール詳細設定画面140で詳細情報が設定された後のスケジュール画面130の例を示した図である。
【0036】
図5のスケジュール詳細設定画面140で目的地の住所、目的地の最寄駅、待機時間等が設定されると、デフォルト設定されている自社から目的地まで移動する際に利用する移動体及び移動時刻が算出される。その際、余裕時間は、訪問時刻の開始点から減算することにより、目的地到着時刻として用いる。そして、
図4のスケジュール画面130上の移動時刻に対応する場所に実施項目として特定の移動体を利用する旨が追加され、
図6に示したスケジュール画面130のようになる。図では、横浜駅を12時40分に出発して大宮駅に13時40分に到着する電車が移動体として特定されたものとし、スケジュール画面130上の12時40分~13時40分に対応する場所に実施項目「電車で移動(横浜→大宮)」を示す表示要素132が表示されている。
【0037】
ところで、この場合、事前作業有無欄146が「有り」となっていれば、最寄駅到着時刻と目的地到着時刻との間の空き時間は、目標事前作業時間と仮の移動時間との和に仮設定される。ここで、仮の移動時間は、例えば、徒歩時間20分とすればよい。但し、最寄駅から施設へ移動する第1移動時間と、目標事前作業時間と、施設から目的地へ移動する第2移動時間との合計時間が、仮設定された時間よりも短くなる場合は、この短い方の合計時間を空き時間とすればよい。図中、目的地到着時刻から訪問時刻までの待機時間は、実施項目「待機」を示す表示要素133で示している。また、最寄駅到着時刻から目的地到着時刻までの空き時間は、ハッチングされた表示要素134で示している。この状態で、表示要素133をクリックすると、空き時間に事前作業を行う施設を選択するための施設選択画面が起動される。
【0038】
図7は、この場合に携帯端末10に表示される施設選択画面150の例を示した図である。
【0039】
図示するように、施設選択画面150には、施設の第1の候補を示す行151aと、施設の第2の候補を示す行151bと、施設の第3の候補を示す行151cとが表示されている。ここで、行151a~151cは、それぞれ、最寄駅から施設までの第1移動時間と、施設の名称と、施設における事前作業時間と、施設から目的地までの第2移動時間とを含む。
【0040】
図5のスケジュール詳細設定画面140で目標事前作業時間として50分が設定されているので、この図でも目標事前作業時間を50分とし、これに仮の移動時間20分を加算して、空き時間は70分としている。そして、行151aは、第1の候補がカフェFであり、最寄駅からカフェFまでの第1移動時間及びカフェFから目的地までの第2移動時間が何れも6分なので、カフェFでの事前作業時間が58分であることを示している。行151bは、第2の候補がカフェGであり、最寄駅からカフェGまでの第1移動時間及びカフェGから目的地までの第2移動時間が何れも7分なので、カフェGでの事前作業時間が56分であることを示している。行151cは、第3の候補がカフェEであり、最寄駅からカフェEまでの第1移動時間及びカフェEから目的地までの第2移動時間が何れも10分なので、カフェEでの事前作業時間が50分であることを示している。尚、カフェE,F,Gは何れも、最寄駅到着時刻に第1移動時間を加算した時刻と、目的地到着時刻から第2移動時間を減算した時刻との間の時間において予約可能であるものとする。
【0041】
また、ここでは、施設の候補を、事前作業時間が長い順に並べて表示したが、事前作業時間が目標事前作業時間に近い順に並べて表示してもよい。
【0042】
更に、
図5のスケジュール詳細設定画面140で事前作業に対して高いセキュリティレベルが設定された場合には、これと施設のセキュリティレベルとを照合して表示内容を変更してもよい。例えば、セキュリティレベルが予め定められた基準以上の施設のみを候補として表示するようにしてもよい。或いは、施設の候補を示す各行に施設のセキュリティレベルを表示するようにしてもよい。この場合は、施設の候補を施設のセキュリティレベルが高い順に並べて表示してもよい。
【0043】
また、施設選択画面150には、地図ボタン152も表示されている。この地図ボタン152をクリックすると、最寄駅の近辺の地図を含む地図画面が起動される。
【0044】
図8は、この場合に携帯端末10に表示される地図画面160の例を示した図である。
【0045】
ここでは、最寄駅として大宮駅を例にとっているので、最寄駅の近辺の地図として大宮駅の近辺の地図を示している。この地図においては、カフェE,F,Gの場所も示されている。つまり、最寄駅からカフェFまで移動してそこから目的地まで移動する場合の時間が最も短く、最寄駅からカフェGまで移動してそこから目的地まで移動する場合の時間が次に短く、最寄駅からカフェEまで移動してそこから目的地まで移動する場合の時間が最も長いことが直感的に分かるように示されている。
【0046】
図9は、
図7の施設選択画面150で施設が選択された場合のスケジュール画面130の例を示した図である。
【0047】
ユーザが、
図7の施設選択画面150上で、施設の候補の中から1つの候補を選択したとする。すると、
図6のスケジュール画面130上の空き時間を示す表示要素133内に情報が追加され、
図9に示したスケジュール画面130のようになる。図では、ユーザが
図7の施設選択画面150上で行151aをクリックした場合を想定しており、実施項目「徒歩6分」を示す表示要素136、実施項目「カフェF事前作業」を示す表示要素137、実施項目「徒歩6分」を示す表示要素138が表示されている。
【0048】
尚、上記では、目標事前作業時間を確保するように最寄駅に到着する移動体を特定する場合の具体例を示したが、この具体例は、目標事後作業時間を確保するように最寄駅を出発する移動体を特定する場合にも適用される。その場合は、例えば、
図6のハッチングされた表示要素135以降に実施項目「電車で移動」を示す表示要素を追加し、
図6のハッチングされた表示要素135内に実施項目「徒歩」、「事後作業」を示す表示要素を追加する。
【0049】
ところで、
図7において、カフェE,F,Gは何れも、最寄駅到着時刻に第1移動時間を加算した時刻と、目的地到着時刻から第2移動時間を減算した時刻との間の時間において予約可能であると述べたが、施設側でこのような予約の管理を行う予約管理画面についても説明しておく。
【0050】
図10は、施設サーバ60側に表示される予約管理画面610の例を示した図である。予約管理画面610としては、カフェ内の10席を管理する画面を例にとっている。
【0051】
このうち、行611,612でそれぞれ示す席#1,#2は、作業用の席として確保された席である。尚、行611における13時~14時及び15時~16時のハッチングは、席#1がこれらの時間に予約されていることを示している。また、行612における11時~13時及び14時30分~15時30分のハッチングは、席#2がこれらの時間に予約されていることを示している。
【0052】
また、行613で示す席#3は、11時までは網掛けで示すように通常の飲食用の席として確保され、11時以降は作業用の席として確保された席である。尚、行613にはハッチングがないので、席#3は11時以降に予約されていない。
【0053】
更に、行614で示す席#4~#10は、終日、網掛けで示すように通常の飲食用の席として確保された席である。
【0054】
カフェの店員は、予約サーバ20から施設サーバ60へ施設予約依頼があると、この予約管理画面610上で予約状況を参照しながら、指定された時間に予約可能な席があれば席を予約する。これにより、施設サーバ60は、予約完了通知を予約サーバ20へ送信する。
【0055】
尚、ここでは、席#1,#2は終日作業用の席とし、席#3は一日の途中で作業用の席から通常の飲食用の席へと切り替えるようにし、席#4~#10は終日通常の飲食用の席とした。しかしながら、このような席の割り当ては固定させなくてよい。カフェの店員がその日の状況に応じて作業用の席及び通常の飲食用の席の割り当てを柔軟に変更するようにしてもよい。
【0056】
[予約サーバの機能構成]
図11は、本実施の形態における予約サーバ20の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、本実施の形態における予約サーバ20は、受信部31と、移動体管理部32と、移動体情報記憶部33と、施設管理部34と、施設情報記憶部35と、画面生成部36と、送信部37とを備えている。
【0057】
受信部31は、携帯端末10から、出発地、目的地、目的地到着時刻の情報を受信する。ここで、目的地到着時刻としては、
図5のスケジュール詳細設定画面140で設定された訪問時刻の開始点から待機時間を減算して得られた時刻を受信してもよい。或いは、これに加えて、携帯端末10から、最寄駅、目標事前作業時間、目標事後作業時間等の情報を受信してもよい。
【0058】
また、受信部31は、携帯端末10に施設の複数の候補が表示されている場合に、携帯端末10から、その複数の候補から選択された施設を示す施設選択情報を受信する。
【0059】
更に、受信部31は、施設サーバ60から、施設の予約が完了した旨の施設予約完了通知を受信する。
【0060】
移動体管理部32は、受信部31が携帯端末10から出発地、目的地、目的地到着時刻の情報を受信すると、これらの情報に基づいて、出発地から目的地までの移動に利用する移動体を特定する。具体的には、移動体の種別だけでなく、その種別の移動体のうち、出発地を何時に出発して目的地に何時に到着する移動体であるかということまで特定する。また、出発地から目的地までどこを経由して移動する移動体であるかということも特定する。従って、移動体を特定することは、移動ルートを特定することにもなる。本実施の形態では、利用する移動体を特定する移動体特定手段の一例として、移動体管理部32を設けている。尚、ここでいう移動には、移動体の利用による移動だけでなく、徒歩による移動も含む。その意味で、移動体の利用や徒歩は、移動体の利用を含む複数の移動方法の一例である。
【0061】
また、移動体管理部32は、目的地到着時刻から仮の空き時間を減算した時刻を仮の最寄駅到着時刻とし、経路検索アプリのAPI(Application Programming Interface)を利用して、最寄駅までの移動体及び移動ルート並びにその移動体及び移動ルートを利用した場合の実際の最寄駅到着時刻を求めてもよい。これにより、移動体及び移動ルート並びに最寄駅到着時刻は、
図6に示したように携帯端末10のスケジュール画面130に設定される。
【0062】
ここで、仮の空き時間は、例えば1時間等、ユーザが予め設定したものでもよい。
【0063】
或いは、仮の空き時間には、ユーザが指定した目標事前作業時間を含めてもよい。その場合、移動体管理部32は、まず、受信部31が受信した目標事前作業時間に、仮の移動時間を加算して、仮の空き時間を算出する。次に、移動体管理部32は、受信部31が受信した目的地到着時刻から、この仮の空き時間を減算して、仮の最寄駅到着時刻を算出する。次いで、移動体管理部32は、受信部31が受信した出発地から最寄駅まで移動する移動体のうち、この仮の最寄駅到着時刻に最も近い時刻に最寄駅に到着する移動体を特定する。
【0064】
ここで、仮の移動時間とは、最寄駅から施設までの移動時間及び施設から目的地までの移動時間の和として仮設定された時間である。例えば、最寄駅から施設までの移動時間及び施設から目的地までの移動時間を何れも徒歩で10分とすることにより、仮の移動時間は徒歩で20分とすればよい。或いは、地図アプリのAPIを利用して、最寄駅、目的地、施設の位置情報を入力することにより、最寄駅から施設までのより正確な移動時間、施設から目的地までのより正確な移動時間を取得することとしてもよい。
【0065】
また、ここでは、仮の空き時間に目標事前作業時間を含めることとしたが、如何なる行為を行うために滞在する時間を仮の空き時間に含めてもよい。その意味で、目標事前作業時間は、予め定められた滞在時間の一例であり、移動体管理部32は、何れかの施設において予め定められた滞在時間を確保する移動体を特定する移動体特定手段の一例である。
【0066】
また、移動体管理部32は、受信部31が施設サーバ60から施設予約完了通知を受信すると、先に特定した移動体のうち予約可能な種別の移動体の予約を行う移動体サーバ30のアドレス情報を移動体情報記憶部33から取得する。そして、送信部37に対し、このアドレス情報を伝えて、移動体予約依頼を移動体サーバ40へ送信するように指示する。
【0067】
移動体情報記憶部33は、移動体の種別ごとに、その種別の移動体が予約可能かどうかを示す情報と、その種別の移動体の予約を行う際にアクセスする移動体サーバ40のアドレス情報とを含む移動体情報を記憶する。移動体情報の詳細については後述する。
【0068】
施設管理部34は、移動体管理部32が移動体を特定すると、その移動体を利用して移動する途中で訪問する複数の施設を特定する。具体的には、移動体管理部32が特定した移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を特定する。ここで、移動ルート中の地点としては、例えば、出発地、最寄駅、目的地を用いるとよい。或いは、ある移動体の種別から別の移動体の種別へ乗り換える乗換駅がある場合は、この乗換駅を用いてもよい。この場合、乗換駅は、2つの移動方法の移行地点の一例である。また、予め定められた地理的範囲としては、例えば、距離を用いればよく、予め定められた時間的範囲としては、例えば、移動時間を用いればよい。これらは、一般化して、移行地点に対応する複数の施設を特定するものと捉えることができる。
【0069】
そして、この場合、施設管理部34は、移動ルート中の空き時間が長い地点ほど多くの施設を特定するようにしてよい。或いは、移動ルート中の閾値以上の空き時間が生じた地点についてのみ施設を特定するようにしてもよい。これらは、一般化して、移動ルート中の地点における空き時間の長さに応じて施設を特定するものと捉えることができる。
【0070】
また、施設管理部34は、ユーザが指定した利用条件を満たす複数の施設を特定するようにしてもよい。この利用条件としては、施設を利用する時間帯が考えられる。例えば、施設管理部34は、ユーザが指定した目標事前作業時間を確保可能な複数の施設を特定してもよい。その場合、施設管理部34は、まず、各施設について、最寄駅から施設までの第1移動時間を取得し、施設から目的地までの第2移動時間を取得する。ここで、第1移動時間及び第2移動時間は、予め設定することにより取得してもよいし、地図アプリに最寄駅、目的地、施設の位置情報を入力することにより取得してもよい。次に、施設管理部34は、各施設について、最寄駅到着時刻に第1移動時間を加算して施設到着時刻を算出し、目的地到着時刻から第2移動時間を減算して施設出発時刻を算出する。次いで、施設管理部34は、施設到着時刻から施設出発時刻までの事前作業時間に予約されていない複数の施設を特定する。
【0071】
そして、施設管理部34は、このようにして特定した複数の施設の情報を画面生成部36に出力する。本実施の形態では、移動体を利用して訪問する施設を特定する施設特定手段の一例として、施設管理部34を設けている。
【0072】
また、施設管理部34は、受信部31が携帯端末10から施設選択情報を受信すると、この施設選択情報で示された施設の予約を行う施設サーバ60のアドレス情報を施設情報記憶部35から取得する。そして、送信部37に対し、このアドレス情報を伝えて、施設予約依頼を施設サーバ60へ送信するように指示する。本実施の形態では、複数の施設のうちの選択された一の施設を特定する施設特定手段の一例として、施設管理部34を設けている。
【0073】
施設情報記憶部35は、施設ごとに、その施設の位置情報と、その施設の予約を行う際にアクセスする施設サーバ60のアドレス情報とを含む施設情報を記憶する。施設情報の詳細については後述する。
【0074】
画面生成部36は、携帯端末10に表示する画面を生成し、この画面を携帯端末10に送信するよう送信部37に指示する。ここで、画面としては、移動体管理部32が特定した移動体の情報と、施設管理部34が特定した複数の施設の情報とを含む提案画面がある。提案画面は、移動体の情報及び複数の施設の情報の両方を含む1つの画面であってよい。この場合の1つの画面は、例えば、
図3(a),(b)の予約依頼画面110のうちの1つに相当する。或いは、提案画面は、移動体の情報及び複数の施設の情報をそれぞれ含む2つの画面であってもよい。この場合の2つの画面は、例えば、
図6のスケジュール画面130及び
図7の施設選択画面150に相当する。
【0075】
また、画面生成部36は、事前作業時間に予約されていない複数の施設を施設管理部34が特定した場合、事前作業時間の長い順に複数の施設を並べた施設選択画面150を生成するとよい。或いは、事前作業時間が目標事前作業時間に近い順に複数の施設を並べた施設選択画面150を生成してもよい。その意味で、画面生成部36は、何れかの施設において予め定められた滞在時間を確保する移動体が特定された後に、複数の施設を各施設における滞在時間に応じて提案する施設特定手段の一例である。
【0076】
更に、画面生成部36は、第1移動時間と第2移動時間との和が短い順に複数の施設を並べた施設選択画面150を生成してもよい。尚、これは、最寄駅到着時刻から目的地到着時刻までの空き時間が同じ施設の候補間では、事前作業時間が長い順に並べることと等価であるが、最寄駅到着時刻から目的地到着時刻までの空き時間が異なる施設の候補間では、必ずしも事前作業時間が長い順に並べることと等価ではない。
【0077】
更にまた、徒歩、タクシー等の移動体の種別ごとに、移動時間順に、複数の施設を並べた施設選択画面150を生成することとしてもよい。
【0078】
送信部37は、画面生成部36により生成された画面を受け取り、この画面を携帯端末10へ送信する。
【0079】
また、送信部37は、施設管理部34から伝えられたアドレス情報を用いて施設サーバ60にアクセスし、施設予約依頼を施設サーバ60へ送信する。
【0080】
更に、送信部37は、移動体管理部32から伝えられたアドレス情報を用いて移動体サーバ40にアクセスし、移動体予約依頼を移動体サーバ40へ送信する。
【0081】
本実施の形態では、施設の予約の依頼を行う依頼手段の一例として、また、施設の予約の依頼が受け入れられた場合に、移動体を予約する処理を行う処理手段の一例として、送信部37を設けている。
【0082】
ここで、移動体情報記憶部33に記憶された移動体情報について、詳細に説明する。
【0083】
図12は、移動体情報の具体例を示した図である。図示するように、移動体情報は、移動体種別IDと、移動体種別名と、予約可否フラグと、アドレス情報とを対応付けたものとなっている。
【0084】
移動体種別IDは、移動体の種別を識別する識別情報である。移動体種別名は、対応する移動体種別IDで識別される移動体の種別の名称である。
【0085】
予約可否フラグは、対応する移動体種別IDで識別される種別の移動体がその性質上予約可能な種別であるかどうかを示すフラグである。例えば、新幹線は指定席を予約することができ、タクシーは配車を予約することができるので、何れも予約可否フラグは予約可能であることを示す「ON」となっている。一方、在来線は、特急等でないとすると、指定席を予約することはできないので、予約可否フラグは予約可能でないことを示す「OFF」となっている。
【0086】
アドレス情報は、対応する移動体種別IDで識別される種別の移動体がその性質上予約可能である場合に、その移動体の予約を行う移動体サーバ40のアドレスを示す情報である。例えば、新幹線の指定席の予約はアドレス「A2」の移動体サーバ40が行い、タクシーの配車の予約はアドレス「A3」の移動体サーバ40が行うことが示されている。尚、在来線については、特急等でないとすると、指定席を予約することはできないので、アドレス情報は示されていない。
【0087】
また、施設情報記憶部35に記憶された施設情報について、詳細に説明する。
【0088】
図13は、施設情報の具体例を示した図である。図示するように、施設情報は、施設IDと、施設名と、位置情報と、アドレス情報とを対応付けたものとなっている。
【0089】
施設IDは、施設を識別する識別情報である。施設名は、対応する施設IDで識別される施設の名称である。
【0090】
位置情報は、対応する施設IDで識別される施設の位置を示す情報である。ここでは、位置情報を緯度及び経度により示しているが、住所等により示してもよい。
【0091】
アドレス情報は、対応する施設IDで識別される施設の予約を行う施設サーバ60のアドレスを示す情報である。例えば、カフェAの予約はアドレス「A11」の施設サーバ60が行い、カフェEの予約はアドレス「A21」の施設サーバ60が行うことが示されている。
【0092】
[予約サーバの動作]
図14は、予約サーバ20の動作例を示したフローチャートである。
【0093】
図示するように、予約サーバ20では、まず、受信部31が、携帯端末10から、出発地、目的地、目的地到着時刻の情報を受信する(ステップ201)。
【0094】
すると、移動体管理部32が、ステップ201で受信された出発地、目的地、目的地到着時刻の情報に基づいて、移動体を特定する(ステップ202)。具体的には、移動体の種別に加え、出発地を何時に出発して目的地に何時に到着するかを示す移動時刻や、出発地から目的地までどこを経由して移動するかを示す移動ルートも特定する。
【0095】
次に、施設管理部34が、ステップ202で特定された移動ルート中の地点における複数の施設を特定する(ステップ203)。この場合、施設管理部34は、例えば、移動ルート中の地点の位置情報と、施設情報記憶部35に記憶された各施設の位置情報とを照合して、移動ルート中の地点から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にある複数の施設を特定するとよい。また、施設管理部34は、例えば、施設情報記憶部35に記憶された各施設のアドレス情報を用いて問い合わせることにより、その時点で予約可能な複数の施設を特定してもよい。
【0096】
次いで、画面生成部36が、ステップ202で特定された移動体の情報と、ステップ203で特定された複数の施設の情報とを含む提案画面を生成する(ステップ204)。ここで、提案画面は、移動体の情報及び複数の施設の情報の両方を含む1つの画面であってよい。この場合の1つの画面は、例えば、
図3(a),(b)の予約依頼画面110のうちの1つに相当する。尚、
図3(a),(b)は、移動ルートが異なっているので、ステップ203~ステップ204を複数回実行し、そのうちの1回の実行で特定された移動ルート及び複数の施設を含む提案画面が
図3(a)であり、そのうちの他の1回の実行で特定された移動ルート及び複数の施設を含む提案画面が
図3(b)であると考えればよい。また、提案画面は、移動体の情報及び複数の施設の情報をそれぞれ含む2つの画面であってもよい。この場合の2つの画面は、例えば、
図6のスケジュール画面130及び
図7の施設選択画面150に相当する。
【0097】
その後、送信部37が、ステップ204で生成された提案画面を携帯端末10に送信する(ステップ205)。これにより、携帯端末10には、提案画面が表示される。
【0098】
これに応答して、ユーザが提案画面に含まれる複数の施設から希望する施設を選択すると、携帯端末10は、選択された施設を示す施設選択情報を送信する。従って、予約サーバ20では、受信部31が、携帯端末10から施設選択情報を受信したかどうかを判定する(ステップ206)。その結果、施設選択情報を受信したと判定しなければ、受信部31は、ステップ206の処理を繰り返す。一方、施設選択情報を受信したと判定すれば、施設管理部34が、ステップ206で受信された施設選択情報で示された施設の予約を行う施設サーバ60のアドレス情報を取得する(ステップ207)。ここで、施設管理部34は、施設情報記憶部35に記憶された施設情報から、施設選択情報で示された施設に対応するアドレス情報を取得するとよい。そして、送信部37に対し、アドレス情報を伝えて、施設予約依頼の送信を指示する。
【0099】
その後、送信部37が、ステップ207で取得されたアドレス情報の施設サーバ60に施設予約依頼を送信する(ステップ208)。
【0100】
これに応答して、施設サーバ60は、施設の予約を完了すると、その旨を示す施設予約完了通知を返信する。従って、予約サーバ20では、受信部31が、施設サーバ60から施設予約完了通知を受信したかどうかを判定する(ステップ209)。その結果、施設予約完了通知を受信したと判定しなければ、受信部31は、ステップ209の処理を繰り返す。一方、施設予約完了通知を受信したと判定すれば、移動体管理部32が、ステップ202で特定した移動体の予約を行う移動体サーバ40のアドレス情報を取得する(ステップ210)。ここで、移動体管理部32は、移動体情報記憶部33に記憶された移動体情報から、ステップ202で特定した移動体に対応するアドレス情報を取得するとよい。そして、送信部37に対し、アドレス情報を伝えて、移動体予約依頼の送信を指示する。
【0101】
その後、送信部37が、ステップ210で取得されたアドレス情報の移動体サーバ40に移動体予約依頼を送信する(ステップ211)。
【0102】
次に、
図14のステップ203及びステップ204について、目的地の訪問前に事前作業を行うことを前提とした場合の動作を説明する。尚、この場合、動作に先立ち、受信部31は、ステップ201で最寄駅及び目標事前作業時間を受信しているものとする。
【0103】
図15は、目的地の訪問前に事前作業を行う場合のステップ202の動作例を示したフローチャートである。つまり、この動作例は、目標事前作業時間を確保するように移動体を特定する動作例である。
【0104】
図示するように、移動体管理部32は、まず、ステップ201で受信された目標事前作業時間に、仮の移動時間を加算して、仮の空き時間を算出する(ステップ221)。ここで、仮の移動時間とは、最寄駅から施設までの移動時間及び施設から目的地までの移動時間の和として仮設定された時間であり、例えば20分とすればよい。
【0105】
次に、移動体管理部32は、ステップ201で受信された目的地到着時刻から、ステップ221で算出された仮の空き時間を減算して、仮の最寄駅到着時刻を算出する(ステップ222)。
【0106】
その後、移動体管理部32は、ステップ201で受信された出発地から最寄駅までの移動体のうち、ステップ222で算出された仮の最寄駅到着時刻に最も近い時刻に最寄駅に到着する移動体を特定する(ステップ223)。このとき、特定された移動体が実際に最寄駅に到着する最寄駅到着時刻も特定され、この特定された最寄駅到着時刻によって仮の最寄駅到着時刻は置き換えられる。
【0107】
図16は、目的地の訪問前に事前作業を行う場合のステップ203の動作例を示したフローチャートである。つまり、この動作例は、目標事前作業時間を確保可能な複数の施設を特定する動作例である。
【0108】
図示するように、施設管理部34は、まず、1つの施設に着目する(ステップ241)。尚、ここで着目する施設は、例えば最寄駅から予め定められた地理的範囲内又は時間的範囲内にあるという条件により既に絞り込まれたものであってもよい。
【0109】
次に、施設管理部34は、ステップ201で受信された最寄駅から、ステップ241で着目した施設までの第1移動時間を算出する(ステップ242)。そして、ステップ241で着目した施設から、ステップ201で受信された目的地までの第2移動時間を算出する(ステップ243)。ここで、第1移動時間及び第2移動時間は、施設情報記憶部35に記憶された施設情報に含まれる各施設の位置情報と、図示しない地図情報とを用いて、算出するとよい。
【0110】
次いで、施設管理部34は、ステップ223で特定された最寄駅到着時刻に、ステップ242で算出された第1移動時間を加算して、施設到着時刻を算出する(ステップ244)。そして、ステップ201で受信された目的地到着時刻から、ステップ243で算出された第2移動時間を減算して、施設出発時刻を算出する(ステップ245)。
【0111】
この状態で、施設管理部34は、この施設に、ステップ244で算出された施設到着時刻から、ステップ245で算出された施設出発時刻まで空きがあるかどうかを判定する(ステップ246)。その結果、この施設に施設到着時刻から施設出発時刻まで空きがあると判定すれば、施設管理部34は、この施設の情報を、施設出発時刻から施設到着時刻を減算して得られた事前作業時間に対応付けて記憶し(ステップ247)、処理をステップ248へ進める。一方、この施設に施設到着時刻から施設出発時刻まで空きがあると判定しなければ、施設管理部34は、そのまま処理をステップ248へ進める。
【0112】
その後、施設管理部34は、着目していない施設が他にあるかどうかを判定する(ステップ248)。そして、着目していない施設が他にあると判定すれば、処理をステップ241へ戻す。また、着目していない施設が他にあると判定しなければ、ステップ247で事前作業時間に対応付けて情報が記憶された複数の施設を特定する(ステップ249)。
【0113】
そして、この場合、施設管理部34は、特定した複数の施設の情報と共に、各施設に対応付けられていた事前作業時間も画面生成部36に出力する。これにより、画面生成部36は、例えば、複数の施設の情報を事前作業時間の長さに応じて並べた提案画面を生成する。
【0114】
[本実施の形態の変形例]
上記では、予約サーバ20は、施設の予約の依頼が受け入れられた場合に移動体を予約し、施設の予約の依頼が受け入れられるまで移動体を予約することはないものとしたが、これには限らない。予約サーバ20は、施設の予約が受け入れられるまで移動体の予約を制限するものとしてもよい。ここで、移動体の予約を制限することは、キャンセルポリシーに応じて制限することを含む。キャンセルポリシーは、移動体の予約を取り消した際の方針の一例である。例えば、キャンセル料が発生しない移動体や期間については、施設の予約が受け入れられる前であっても、移動体を予約するようにしてよい。これは、移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生しない場合に限り、移動体を予約することの一例である。また、キャンセル料が発生する移動体や期間については、施設の予約が受け入れられる前に、移動体を予約しないようにする。これは、移動体の予約を取り消した際に取り消し料金が発生する場合は、移動体を予約しないようにすることの一例である。
【0115】
これを実現するには、例えば、移動体情報記憶部33に記憶された移動体情報にキャンセル料発生フラグを設けるとよい。キャンセル料発生フラグは、例えば、対応する移動体種別IDで識別される種別の移動体の予約をキャンセルした場合にキャンセル料が発生するかどうかを示すフラグである。キャンセル料発生フラグでは、例えば、キャンセル料が発生することを「ON」で、キャンセル料が発生しないことを「OFF」で示すとよい。そして、キャンセル料が発生する期間を管理するには、キャンセル料発生フラグを時期に応じて変更可能とする構成を採用するとよい。
【0116】
また、
図14のフローチャートにおいては、例えば、まず、ステップ206とステップ207との間に、キャンセル料が発生しない移動体の予約を行うステップを挿入するとよい。具体的には、移動体管理部32がキャンセル料発生フラグが「OFF」の移動体の予約を行う移動体サーバ40のアドレス情報を移動体情報記憶部33に記憶された移動体情報から取得するステップと、送信部37がそのアドレス情報の移動体サーバ40に移動体予約依頼を送信するステップとを挿入するとよい。次に、ステップ210及びステップ211を、キャンセル料が発生する移動体についてのみ行うように変更するとよい。具体的には、ステップ210を、移動体管理部32がキャンセル料発生フラグが「ON」の移動体の予約を行う移動体サーバ40のアドレス情報を取得するように変更するとよい。
【0117】
また、上記では、予約サーバ20は、移動体を特定した後に施設を特定することとしたが、これには限らない。予約サーバ20は、施設を特定した後に移動体を特定することとしてもよい。その場合、例えば、利用する施設の予約が完了したことを示す予約完了通知を受信した後に、出発地からその施設までの移動に利用する移動体と、その施設から目的地までの移動に利用する移動体を特定するものであっても構わない。
【0118】
更に、上記では、予約サーバ20とは別に移動体サーバ40及び施設サーバ60を設けたが、これには限らない。予約サーバ20が移動体サーバ40の機能又は施設サーバ60の機能を有することとしてもよい。予約サーバ20が移動体サーバ40の機能を有する場合には、予約サーバ20が、例えば、各移動体の予約APIを呼び出すことにより、移動体を特定して予約するとよい。また、予約サーバ20が施設サーバ60の機能を有する場合には、予約サーバ20が、例えば、施設の予約APIを呼び出すことにより、複数の施設を特定し、施設選択情報を受け付け、施設予約依頼を送信し、予約完了通知を受信するとよい。
【0119】
[プログラム]
本実施の形態における予約サーバ20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0120】
即ち、本実施の形態を実現する第1のプログラムは、コンピュータに、利用する移動体を特定する機能と、移動体を利用して訪問する施設を特定する機能と、施設の予約の依頼を行う機能と、施設の予約の依頼が受け入れられた場合に、移動体を予約する処理を行う機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0121】
また、本実施の形態を実現する第2のプログラムは、コンピュータに、利用する移動体を特定する機能と、移動体を利用して訪問する施設を特定する機能と、移動体の予約の依頼を行う機能と、移動体の予約の依頼が受け入れられた場合に、施設を予約する処理を行う機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0122】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0123】
10…携帯端末、20…予約サーバ、31…受信部、32…移動体管理部、33…移動体情報記憶部、34…施設管理部、35…施設情報記憶部、36…画面生成部、37…送信部、40…移動体サーバ、60…施設サーバ