(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/197 20200101AFI20231226BHJP
G06F 3/04847 20220101ALI20231226BHJP
【FI】
G06F40/197
G06F3/04847
(21)【出願番号】P 2019191984
(22)【出願日】2019-10-21
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】青木 哲平
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-250276(JP,A)
【文献】特開2000-259615(JP,A)
【文献】国際公開第2006/051963(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 16/00-16/958
G06F 3/01
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のコンテンツを表示要素として含む文書を表示手段に表示させるためのデータであって、コンテンツの編集履歴をそのコンテンツ毎に保持する文書データを取得し、
前記文書中の1つのコンテンツの編集を行った複数のユーザ毎に、前記1つのコンテンツの前記複数のユーザ毎の編集履歴の時点の選択が可能となるように、コンテンツ毎の編集履歴の時点を選択する選択手段を前記表示手段に表示し、
前記1つのコンテンツにおける、前記選択手段により選択された
1つの時点に対応
するコンテンツを、前記文書に含まれる少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点に対応するコンテンツの表示に連動させずに、前記文書中に表示する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記1つのコンテンツと前記少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点をそれぞれ選択可能であり、選択されたそれぞれの編集履歴の時点の前記1つのコンテンツと前記1つの他のコンテンツを前記文書中に表示する請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択手段はスライドバーであり、前記1つのコンテンツの編集履歴の選択は、前記スライドバーの操作に関連づけられて行われることを特徴とする請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記文書に対する所定の処理の指示に応じて、前記選択手段の表示に代えて、前記指示の直前に選択された前記1つのコンテンツに関する情報を表示することを特徴とする請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のコンテンツを表示要素として含む文書を表示手段に表示させるためのデータであって、コンテンツの編集履歴をそのコンテンツ毎に保持する文書データを取得するステップと、
前記文書中の1つのコンテンツの編集を行った複数のユーザ毎に、前記1つのコンテンツの前記複数のユーザ毎の編集履歴の時点の選択が可能となるように、コンテンツ毎の編集履歴の時点を選択する選択手段を前記表示手段に表示するステップと、
前記1つのコンテンツにおける、前記選択手段により選択された
1つの時点に対応
するコンテンツを、前記文書に含まれる少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点に対応するコンテンツの表示に連動させずに、前記文書中に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの文書を複数の編集者がそれぞれ編集できるシステムにおいて、関連づけられるひとまとまりの操作群を単位として編集履歴の再生を行うことにより、文書の編集の履歴を容易に確認できる文書共同編集システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数のコンテンツを表示要素として含む文書のコンテンツが編集された際に、文書に含まれるコンテンツ毎の編集履歴を文書中で表示することが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のコンテンツを表示要素として含む文書を表示手段に表示させるためのデータであって、コンテンツの編集履歴をそのコンテンツ毎に保持する文書データを取得し、
前記文書中の1つのコンテンツの編集を行った複数のユーザ毎に、前記1つのコンテンツの前記複数のユーザ毎の編集履歴の時点の選択が可能となるように、コンテンツ毎の編集履歴の時点を選択する選択手段を前記表示手段に表示し、
前記1つのコンテンツにおける、前記選択手段により選択された1つの時点に対応するコンテンツを、前記文書に含まれる少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点に対応するコンテンツの表示に連動させずに、前記文書中に表示する情報処理装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記プロセッサが、前記1つのコンテンツと前記少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点をそれぞれ選択可能であり、選択されたそれぞれの編集履歴の時点の前記1つのコンテンツと前記1つの他のコンテンツを前記文書中に表示する請求項1記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記選択手段がスライドバーであり、前記1つのコンテンツの編集履歴の選択は、前記スライドバーの操作に関連づけられて行われることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記プロセッサが、前記文書に対する所定の処理の指示に応じて、前記選択手段の表示に代えて、前記指示の直前に選択された前記1つのコンテンツに関する情報を表示することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置である。
【0011】
[プログラム]
請求項5に係る本発明は、複数のコンテンツを表示要素として含む文書を表示手段に表示させるためのデータであって、コンテンツの編集履歴をそのコンテンツ毎に保持する文書データを取得するステップと、
前記文書中の1つのコンテンツの編集を行った複数のユーザ毎に、前記1つのコンテンツの前記複数のユーザ毎の編集履歴の時点の選択が可能となるように、コンテンツ毎の編集履歴の時点を選択する選択手段を前記表示手段に表示するステップと、
前記1つのコンテンツにおける、前記選択手段により選択された1つの時点に対応するコンテンツを、前記文書に含まれる少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点に対応するコンテンツの表示に連動させずに、前記文書中に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、複数のコンテンツを表示要素として含む文書のコンテンツが編集された際に、文書に含まれるコンテンツ毎の編集履歴を文書中で表示することが可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、文書に含まれるコンテンツの編集履歴の時点を選択して表示することが可能な情報処理装置を提供することができる。
さらに、請求項1に係る本発明によれば、文書の構成要素として含まれるコンテンツ毎の編集履歴の時点を、複数のユーザ毎に選択することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、複数のコンテンツを表示要素として含む文書のコンテンツが編集された際に、複数のコンテンツ毎に表示する編集履歴の時点を選択して表示することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、文書の構成要素として含まれるコンテンツ毎の編集履歴の時点を、表示手段に表示されたユーザインタフェースの操作で選択することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、文書に対する所定の処理の指示に応じて、選択手段を非表示とするとともに、選択された編集履歴の時点のコンテンツに関する情報を表示させることができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、複数のコンテンツを表示要素として含む文書のコンテンツが編集された際に、文書に含まれるコンテンツ毎の編集履歴を文書中で表示することが可能なプログラムを提供することができる。
また、請求項5に係る本発明によれば、文書に含まれるコンテンツの編集履歴の時点を選択して表示することが可能なプログラムを提供することができる。
さらに、請求項5に係る本発明によれば、文書の構成要素として含まれるコンテンツ毎の編集履歴の時点を、複数のユーザ毎に選択することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態における説明の際に参照する文書ファイル例を示す図である。
【
図5】管理テーブル記憶部37に記憶されているコンテンツ管理テーブル例を示す図である。
【
図6】
図4に示した文書ファイルに対してユーザAが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
【
図7】
図4に示した文書ファイルに対してユーザBが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
【
図8】
図4に示した文書ファイルに対してユーザCが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
【
図9】ユーザA~Cのそれぞれが行った編集内容をまとめて示す図である。
【
図10】管理テーブル記憶部37内の編集履歴管理テーブル例を示す図である。
【
図11】過去の編集履歴を用いて合成された後の文書ファイル例を示す図である。
【
図12】スライドバーを移動した場合の表示例1を示す図である。
【
図13】スライドバーを移動した場合の表示例2を示す図である。
【
図14】スライドバーを移動した場合の表示例3を示す図である。
【
図15】
図14のような選択を行って印刷指示を行った場合に得られる印刷結果を示す図である。
【
図16】スライドバーを移動した場合の表示例4を示す図である。
【
図17】分岐するスライドバーの表示例を示す図である。
【
図18】ユーザ毎のスライドバーの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【0022】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、
図1に示されるように、インターネット30により相互に接続されたサーバ装置10、および複数の端末装置20により構成される。
【0023】
本実施形態の情報処理システムは、ユーザにより編集が行われた文書をコンピュータで表示するための文書ファイルをデータとして保管するサービスをユーザに提供している。
【0024】
複数の端末装置20は、それぞれ、ユーザA、B、C、Dにより操作され、管理サーバ10において保管されている文書ファイルを取得して自装置の表示手段上に表示し、ユーザによる文書ファイルに対する編集が行われた場合、編集され後の文書ファイルを再度管理サーバ10に保管する処理を行う情報処理装置である。
【0025】
ここで、本実施形態の情報処理システムでは、管理サーバ10に保管された1つの文書ファイルに対して、複数人のユーザがそれぞれ編集を行うことが可能となっている。また、本実施形態の情報処理システムでは、あるユーザにより編集が行われた後の文書ファイルに対して、他のユーザが編集を行うことも可能となっている。
【0026】
そのため、元は1つの文書ファイルであったものが、複数のユーザにより編集されることにより、編集後の複数の文書ファイルが管理サーバ10に保管されることになる。
【0027】
なお、本実施形態において編集が行われる文書は、イラスト画像、写真画像、テキスト等の種類からなる複数のコンテンツを表示要素として含んでいる。そして、各ユーザは、文書内の各コンテンツに対して、追加、削除、変更等の各種編集を行うことが可能となっており、各コンテンツに対してなされた編集内容が文書ファイルに記録されている。
【0028】
次に、本実施形態の情報処理システムにおける管理サーバ10のハードウェア構成を
図2に示す。
【0029】
管理サーバ10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0030】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、管理サーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0031】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態の管理サーバ10は、
図3に示されるように、認証部31と、動作制御部32と、表示制御部33と、データ送受信部34と、合成部35と、文書ファイル格納部36と、管理テーブル記憶部37とを備えている。
【0033】
認証部31は、端末装置20を操作しているユーザの認証を行う。動作制御部32は、管理サーバ10の動作全体を管理している。表示制御部33は、端末装置20に表示する操作画面の制御を行う。データ送受信部34は、インターネット30を介して端末装置20との間で文書ファイル等のデータの送受信を行う。
【0034】
文書ファイル格納部36は、端末装置20において編集が行われた文書の文書ファイルを格納する。
【0035】
管理テーブル記憶部37は、文書ファイル格納部36に格納されている文書ファイルの構成、編集履歴等を管理するためにコンテンツ管理テーブル、編集履歴管理テーブル等の各種管理テーブルを記憶している。このコンテンツ管理テーブル、編集履歴管理テーブルの具体例については後述する。
【0036】
合成部35は、編集が行われた複数の文書の文書ファイルを、文書ファイル中のコンテンツ毎に変更時点が異なる複数のデータを含めた状態で1つの文書ファイルとして合成する。
【0037】
端末装置20は、合成部35により合成された1つの文書ファイルをデータ送受信部34経由にて取得することにより、複数のコンテンツを表示要素として含む文書を表示手段に表示させるためのデータであって、コンテンツの編集履歴をそのコンテンツ毎に保持する文書ファイルを管理サーバ10から取得する。
【0038】
そして、端末装置20は、複数のコンテンツの少なくとも1つのコンテンツの編集履歴の中から1つの時点に対応するコンテンツをユーザに選択させ、選択された1つの時点に対応する少なくとも1つのコンテンツを、文書に含まれる少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点に対応するコンテンツの表示に連動させずに、表示手段に表示した文書中に表示する。
【0039】
なお、端末装置20は、コンテンツ毎の編集履歴の時点を選択する選択手段を表示手段に表示する。また、端末装置20は、編集時点が異なる複数のデータをコンテンツ毎に切り替え可能に表示する。そして、端末装置20は、1つのコンテンツと少なくとも1つの他のコンテンツの編集履歴の時点をそれぞれ選択可能なように文書を表示し、選択されたそれぞれの編集履歴の時点の1つのコンテンツと1つの他のコンテンツを文書中に表示する。
【0040】
そして、端末装置20は、コンテンツ毎に編集時点が異なるデータを選択可能に表示し、選択された編集時点のデータをコンテンツ毎に切り替えて表示する。
【0041】
上記の選択手段の1つの具体例はスライドバーであり、端末装置20では、1つのコンテンツの編集履歴の選択は、このスライドバーの操作に関連づけられて行われる。つまり、端末装置20は、編集時点が異なる複数のデータをスライドバーによりコンテンツ毎に切り替え可能に表示する。
【0042】
また、端末装置20は、文書ファイルの編集を行ったユーザ毎に、1つのコンテンツに対して複数のスライドバーをそれぞれ表示するようにしても良い。つまり、端末装置20は、文書中の1つのコンテンツの編集を行った複数のユーザ毎に、1つのコンテンツの複数のユーザ毎の編集履歴の時点の選択が可能となるように選択手段を表示する。
【0043】
なお、端末装置20は、文書ファイルに対する出力指示が行われた場合、スライドバーが含まれない画像に基づいて出力処理を実行する。
【0044】
次に、本実施形態の情報処理システムにおける動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
まず、以下の説明の際に参照する文書ファイル例を
図4に示す。
図4を参照すると、この文書ファイル例は、イラスト画像のコンテンツ41と、写真画像のコンテンツ42と、テキストのコンテンツ43という3つのコンテンツから構成されている。
【0046】
ここで、コンテンツ41~43には、それぞれ、0001、0002、0003というコンテンツIDが設定されているものとして説明する。さらに、この文書ファイルが管理サーバ10に登録された登録日は2019年9月1日であったものとして説明する。
【0047】
この
図4に示した文書ファイルが管理サーバ10に格納された際の、管理テーブル記憶部37に記憶されているコンテンツ管理テーブル例を
図5に示す。
【0048】
この
図5に示したコンテンツ管理テーブルでは、格納された文書ファイルのコンテンツ毎に、コンテンツID、コンテンツ位置、コンテンツサイズ、コンテンツ種類の情報がそれぞれ記憶されている。ここでコンテンツ位置とは、例えば、文書ファイルの左上を基準位置とした場合の各コンテンツの左上の位置のX座標、Y座標を表したものである。また、コンテンツサイズとは、各コンテンツの縦、横(または高さ、幅)の長さを表したものである。
【0049】
このような文書ファイルが、端末装置20により取得され、それぞれのユーザにおいて編集されて、編集後の文書ファイルが管理サーバ10に再度格納された場合、この文書ファイルの編集履歴は管理テーブル記憶部37内の編集履歴管理テーブルに記憶される。
【0050】
ここで、
図4に示した文書ファイルに対して、ユーザA~Cがそれぞれ異なる内容の編集を行った場合について説明する。
【0051】
まず、ユーザAが行った編集内容について
図6を参照して説明する。
図6は、
図4に示した文書ファイルに対してユーザAが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
図6に示した文書ファイルでは、ユーザAがイラスト画像のコンテンツ41に対して編集を行っている様子が示されている。そして、この編集が2019年9月14日に行われたものとして説明する。
【0052】
次に、ユーザBが行った編集内容について
図7を参照して説明する。
図7は、
図4に示した文書ファイルに対してユーザBが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
図7に示した文書ファイルでは、ユーザBがイラスト画像のコンテンツ41と写真画像のコンテンツ42に対して編集を行っている様子が示されている。そして、この編集が2019年9月24日に行われたものとして説明する。
【0053】
最後に、ユーザCが行った編集内容について
図8を参照して説明する。
図8は、
図4に示した文書ファイルに対してユーザCが編集を行った後の文書ファイル例を示す図である。
図8に示した文書ファイルでは、ユーザCがイラスト画像のコンテンツ41とテキストのコンテンツ43に対して編集を行っている様子が示されている。そして、この編集が2019年10月1日に行われたものとして説明する。
【0054】
このようにユーザA~Cのそれぞれが行った編集内容を
図9にまとめて示す。
図9を参照すると、ユーザA~Cが、編集前の文書ファイルに対して、それぞれ独自に編集を行うことにより、編集内容が異なる新たな3つの文書ファイルが作成されているのが分かる。
【0055】
そして、上記で説明したような編集が行われた際の、管理テーブル記憶部37内の編集履歴管理テーブル例を
図10に示す。
【0056】
この
図10に示した編集履歴管理テーブルでは、文書ファイルに対して行われた編集操作毎に、編集が行われたコンテンツのコンテンツID、編集を行った編集者、編集が行われた日時である編集日時、そのコンテンツの編集後のデータの格納場所を示すリンク先の情報が記憶されている。
【0057】
例えば、この編集履歴管理テーブルでは、ユーザAが、コンテンツIDが0001のコンテンツに対して、2019年9月14日の14時21分に編集を行い、編集後のデータが「\\191.10.1.11\abcd\201909141234」というアドレスに格納されていることが示されている。
【0058】
そして、このような状態においてあるユーザが端末装置20により、管理サーバ10に格納されている文書ファイルの取得要求を行った場合、合成部35は、この編集履歴管理テーブルを参照して、それぞれのコンテンツ毎の過去のデータを含む文書ファイルを合成する。
【0059】
このようにして合成された後の文書ファイル例を
図11に示す。
図11に示した文書ファイルでは、コンテンツ41~43のそれぞれについて、最も遅い編集日のデータが表示されるとともに、それぞれのコンテンツの下方に、このコンテンツの編集履歴を示すスライドバーが表示されている。
【0060】
この合成された後の文書ファイルは、管理サーバ10から文書ファイルの取得要求を行った端末装置20に送信される。その結果、端末装置20は、3つのコンテンツから構成される文書を表示手段に表示させるためのデータであって、3つのコンテンツ毎にそのコンテンツの編集履歴を保持する文書ファイルを取得する。
【0061】
このようにして
図11に示すような文書ファイルが端末装置20の表示手段上に表示される。この文書ファイルにおけるスライドバーには、コンテンツ毎に、文書ファイルが登録された後に行われた編集の編集日が目盛り上に表示されている。そして、ユーザがこのスライドバー上のつまみであるスライダーを移動させて他の編集日の表示位置に移動させると、コンテンツの表示内容が、その編集日時点における内容に切り替わるようになっている。
【0062】
例えば、
図11に示した文書ファイル上におけるコンテンツ41のスライドバーのスライダーを「9/24」と表示された位置まで移動させた場合、コンテンツ41の表示内容が
図12に示すように、2019年9月24日時点の内容に切り替わる。つまり、コンテンツ41の表示内容が、ユーザBが2019年9月24日に編集を行った内容のものに切り替わる。
【0063】
さらに、
図12に示した文書ファイル上におけるコンテンツ41のスライドバーのスライダーを「9/14」と表示された位置まで移動させた場合、コンテンツ41の表示内容が
図13に示すように、2019年9月14日時点の内容に切り替わる。つまり、コンテンツ41の表示内容が、ユーザAが2019年9月14日に編集を行った内容のものに切り替わる。
【0064】
なお、コンテンツ41のスライドバーのスライダーを「2019/9/1」と表示された位置まで移動させた場合、コンテンツ41の表示内容は、
図4に示した編集が行われる前の2019年9月1日時点の内容に切り替わる。
【0065】
そして、このようなコンテンツ41~43の表示内容の切り替えは、それぞれのコンテンツ毎に独立して行うことができるようになっている。
【0066】
例えば、
図14に示した表示例では、コンテンツ41は2019年10月1日時点の内容に、コンテンツ42は2019年9月1日時点の内容に、コンテンツ43は2019年9月14日時点の内容に、それぞれ別々に切り替えられる様子が示されている。
【0067】
このように本実施形態の情報処理システムでは、複数のコンテンツから構成される文書ファイルに対して、文書ファイル全体の編集履歴を保存するのではなく、コンテンツ毎の編集履歴を保存して合成した文書ファイルに含めるようにしている。そのため、
図14に示したように、複数のコンテンツのうちの一部のコンテンツだけを選択して過去のある時点の編集内容を復元することができるようになる。つまり、選択したコンテンツ以外のコンテンツが連動して過去のある時点の編集内容まで一緒に遡って復元してしまことなく、選択したコンテンツのみ過去のある時点の編集内容まで遡って復元するようなことが可能となる。
【0068】
つまり、それぞれのコンテンツ毎に独立して、過去の編集履歴の中から表示させたい時点の編集内容を選択して表示させることが可能となる。そのため、あるコンテンツについては、ユーザAによる編集内容を選択し、他のコンテンツについてはユーザBによる編集内容を選択し、さらに他のコンテンツについてはユーザCによる編集内容を選択するということが可能となる。
【0069】
なお、
図14等において表示されているスライドバーについては、実際に印刷指示を行った際には印刷データに含まれない。そのため、
図14のような選択を行って印刷指示を行った場合には、
図15に示すような印刷結果が得られる。なお、出力指示の直前に選択した各コンテンツの編集履歴の時点がわかるように、スライドバーの表示に代えて、選択した表示時点(編集日時)や編集したユーザを表す情報を表示してもよい。
【0070】
なお、途中の編集においてあるコンテンツ自体が削除されたような場合には、スライドバーのスライダーがその編集日まで移動してきた場合、コンテンツ自体が削除されたことが分かるような表示が行われる。
【0071】
このように削除されたコンテンツの表示例を
図16に示す。
図16に示した表示例では、コンテンツ42のスライドバーのスライダーが「9/10」という文字上に移動した際に、コンテンツ自体が削除されたことが分かるように「削除」という文字とともにコンテンツがあった場所を示す外枠の表示が行われている。
【0072】
なお、文書ファイルの編集方法によっては、あるユーザが編集を行った後の文書ファイルに対して他のユーザが上書き編集を行ったり、あるユーザが編集を行った後の文書ファイルに対してさらに別のユーザが編集を行ったりするような場合がある。このように編集経路が分岐した場合には、編集履歴を直線的に示すことができない。このような場合には、
図17に示すように、スライドバー自体に分岐点を設けて、どの時点の編集がどの時点に対して行われたのかが分かるように表示するようにしても良い。
【0073】
さらに、同一のユーザにより複数回の編集が行われるような場合には、
図18に示すように、スクロールバーをユーザ毎に分けて表示するようにしても良い。
図18に示す文書ファイルでは、文書ファイルのコンテンツ44の下に、ユーザA、ユーザB毎にスクロールバーが表示されている。
【0074】
なお、各コンテンツの編集履歴の時点の選択に、上記実施例ではスライドバーを用いたが、表示時点を選択するユーザインタフェースがあればよく、スライドバーに代えて編集時点をプルダウンメニューで選択したり、編集時点のみ日にちが強調表示されたカレンダーを表示させることもできる。また選択式ではなく、日にちを直接キーボードから入力して指定するようにしてもよい。さらには、各編集時点のコンテンツの表示をサムネイル画像として時系列で並べ、選択できるようにしてもよい。
【0075】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0076】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 管理サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20 端末装置
30 インターネット
31 認証部
32 動作制御部
33 表示制御部
34 データ送受信部
35 合成部
36 文書ファイル格納部
37 管理テーブル記憶部
41~44 コンテンツ