IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-媒体処理装置 図1
  • 特許-媒体処理装置 図2
  • 特許-媒体処理装置 図3
  • 特許-媒体処理装置 図4
  • 特許-媒体処理装置 図5
  • 特許-媒体処理装置 図6
  • 特許-媒体処理装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 7/08 20060101AFI20231226BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G07F7/08 L
G06K7/10 264
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019206742
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021081823
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸川 信介
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153148(JP,A)
【文献】特開2012-181567(JP,A)
【文献】特開2016-170746(JP,A)
【文献】特開2004-206436(JP,A)
【文献】特開2006-048455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 7/08
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体に対する処理を指定する入力手段を備えた表示操作部と、を備え、
前記載置部と前記表示操作部とを、平面視において水平方向に並べて配置した、媒体処理装置であって、
前記載置部と前記表示操作部との間に、平面視において前記水平方向に直交する高さ方向に延びる側壁部を備え、
前記側壁部は、前記載置部と前記表示操作部との間に切り欠き部を形成した形状である、媒体処理装置。
【請求項2】
前記載置部と前記表示操作部とを、隣接させて配置した、請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記載置部は、洞穴形状である、請求項1または請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記載置部は撮像部を備える、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記撮像部は前記載置部の天井部に配置されている、請求項4に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記載置部はトレイ形状である、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記切り欠き部は、高さ方向の長さが、前記水平方向に並んでいる前記載置部の高さと同じである、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶している媒体を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信媒体に対する情報の読み取り、または書き込みにかかる処理を行う装置があった。例えば、特許文献1における記録媒体処理装置の外表面には洞穴形状の凹部が形成されている。記憶媒体処理装置は、該凹部内に無線通信媒体を配置するための載置台を有している。記憶媒体処理処置は、利用者が載置台に載置した無線通信媒体に対して、情報の読み取り、または書き込みにかかる処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-284361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者は、無線通信媒体を載置台に載置し、この無線通信媒体に対する処理を指定する入力操作を行い、指定した処理が完了すると、無線通信媒体を載置台から取り出す。この一連の動きを、利用者にスムーズに行わせることができれば、操作性の向上が図れる。すなわち、操作性の向上のために、利用者がこの一連の動きをスムーズに行える装置が要望されている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、操作性を向上させた媒体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例によれば、媒体を載置する載置部と、載置部に載置された媒体に対する処理を指定する入力手段を備えた表示操作部とを備える。載置部と表示操作部とは、平面視において水平方向に並べて配置されている。
【0007】
この構成では、利用者は、媒体を載置部に載置し、この媒体に対する処理を指定する入力操作を行い、指定した処理が完了すると、媒体を載置部から取り出すという一連の動きにおいて、垂直方向における手の移動、および視線の移動を抑えられる。これにより、利用者がこの一連の動きをスムーズに行えるので、利用者の操作性が向上する。
【0008】
本開示の一例によれば、載置部と表示操作部とを隣接させて配置している。
【0009】
この構成では、利用者は載置部と表示操作部との垂直方向における手の移動、および視線の移動を抑えられる。すなわち、利用者の操作性がさらに向上する。
【0010】
本開示の一例によれば、載置部は、洞穴形状である。載置部と表示操作部との間には、移動する利用者の手が通るように、切り欠き部が形成されている。
【0011】
この構成では、載置部と表示操作部との間に側壁を有さないため、垂直方向における手の移動、および視線の移動をさらに抑えることができ、利用者の操作性がさらに向上する。
【0012】
本開示の一例によれば、載置部は撮像部を備える。
【0013】
この構成では、画像、文字列等が記載された媒体を読み取ることができる。
【0014】
本開示の一例によれば、撮像部は載置部の天井部に配置されている。
【0015】
この構成では、外乱光の影響を抑えることができ、画像、文字列等を容易に読み取ることができる。
【0016】
本開示の一例によれば、載置部はトレイ形状である。
【0017】
この構成では、載置部に載置した媒体の位置決めを容易に行うことができ、また媒体の落下を軽減できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、操作性を向上させた媒体処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る媒体処理装置の外観斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。
図3】第1の実施形態に係る媒体処理装置の一部を拡大した図である。
図4】従来の媒体処理装置の一部を拡大した図である。
図5】第2の実施形態に係る媒体処理装置の外観斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。
図7】第3の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
【0021】
・適用例
また、本実施形態に係る媒体処理装置の適用例について説明する。図2は、媒体処理装置の平面概要図である。
【0022】
図2に示すように、媒体処理装置10は、載置部110、媒体を載置する載置台115、表示操作部120を備える。載置部110には、無線通信媒体を載置する載置台115が設けられている。媒体処理装置10は、載置台115に載置された無線通信媒体と無線通信を行い、この無線通信媒体が記憶する情報の読み取り、および無線通信媒体に対する情報の書き込み等にかかる処理を実行する処理部(不図示)を備えている。
【0023】
まず、載置部110の構成について説明する。載置部110は、媒体処理装置10の内側に窪む洞穴形状である。
【0024】
載置部110には、載置台115が形成されている。処理部(不図示)は、利用者が載置台115に無線通信媒体を載置することによって、該無線通信媒体に保存されている情報を読み取る。
【0025】
次に、表示操作部120の構成について説明する。表示操作部120は、媒体処理装置10に対する利用者の入力操作を受け付ける。表示操作部120は、表示器、および該表示器の画面上に貼付したタッチパネルを有する。
【0026】
載置部110と表示操作部120は、水平方向に並んで配置されている。すなわち、載置部110における載置台115と、表示操作部120とが、媒体処理装置10を平面視した際に、略同じ高さになるように配置されている。より具体的には、載置部110に設けられた載置台115と、表示操作部120の表示器の下端B1とが、媒体処理装置10を平面視した際に、略同じ高さになるように配置されている。なお、載置部110に設けられた載置台115は、表示操作部120の表示器の下端B1と上端T1との間の高さであればよく、略同じ高さに限定されるものではない。
【0027】
利用者は、上述の媒体処理装置10を次のように利用する。なお、ここでは、媒体処理装置10は、利用者が所有する無線通信媒体に対して、所望の金額情報をチャージする例を用いて説明する。
【0028】
利用者は、載置台115に無線通信媒体をかざす、または載置する。このことによって、載置台115は、無線通信媒体に保存されている情報を読み出す。載置台115は、該情報を表示操作部120に出力する。利用者は、表示操作部120を参照し、無線通信媒体に保存されている情報を確認する。
【0029】
次に、利用者は、所望の金額をチャージするために、表示操作部120を操作する。すなわち、利用者は載置部110から表示操作部120へ操作を移行するために、手を移動させる。利用者は、このとき、垂直方向における手、および視線の移動量が抑えられる。したがって、利用者は、無線通信媒体を載置台115に載置し、表示操作部120でこの無線通信媒体に対する処理を指定する入力操作を行うための動きをスムーズに行える。
【0030】
また、利用者が表示操作部120を用いて、チャージしたい金額情報を指定し、入金を完了する。利用者は、載置部110から無線通信媒体を取り出すために、表示操作部120から載置部110へ手を移動させる。このときも、利用者は、表示操作部120から載置部110への動きをスムーズに行える。
【0031】
このような構成によって、利用者が、載置部110と表示操作部120との間における操作時には、垂直方向への手の移動を抑えることができる。このことによって、利用者の操作範囲は、最小限に抑えられる。すなわち、利用者が媒体処理装置10を操作する際の利便性が向上する。
【0032】
・構成例1
本発明の第1の実施形態に媒体処理装置について、図を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係る媒体処理装置の外観斜視図である。図2は第1の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。図3は第1の実施形態に係る媒体処理装置の一部を拡大した図である。図4は従来の媒体処理装置の一部を拡大した図である。
【0033】
図1図2に示すように、媒体処理装置10は、載置部110、載置台115、表示操作部120、紙幣投入口130、硬貨投入口140を備える。載置部110と表示操作部120との間には、側壁部160を備えている。
【0034】
載置部110は、洞穴形状であり、媒体処理装置10を平面視した時に、該媒体処理装置10の内側に窪む形状である。より具体的には、載置部110は、底面部、底面部に対向する天井部を備えている。
【0035】
載置部110の底面部には、載置台115が備えられている。載置台115に備えられている処理部(不図示)は、利用者が載置台115に無線通信媒体を載置する、または近接させることによって、該無線通信媒体に保存されている情報を読み取る。
【0036】
また、載置台115は、所定の深さを有するトレイ形状である。このことによって、載置台115に無線通信媒体を載置した際の位置決めを容易に行うことができ、さらに載置台115が平坦な形状であるよりも無線通信媒体を容易に固定することができる。すなわち、無線通信媒体の落下が軽減される。
【0037】
載置台115に備えられている処理部(不図示)は、無線通信媒体と近距離無線通信を行う。近距離無線通信とは、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near field communication)、赤外線通信、Felica(登録商標)等の通信距離が数十メートル以内のものである。以下に示す例では、近距離無線通信の例としてNFCを用いて説明する。
【0038】
なお、無線通信媒体とは、例えば、非接触ICカードやスマートフォン等であり、近距離無線通信を行うことが可能な媒体であれば、種類は問わない。
【0039】
表示操作部120は、媒体処理装置10に対する利用者の入力操作を受け付ける。表示操作部120は、表示器、および該表示器の画面上に貼付したタッチパネルを有する。表示操作部120は、表示器における画面表示も制御する。
【0040】
載置部110と表示操作部120は、水平方向に並んで配置されている。より具体的には、載置部110における載置台115と、表示操作部120の下端B1とが、媒体処理装置10を平面視した際に、略同じ高さになるように配置されている。なお、載置部110に設けられた載置台115は、表示操作部120の表示器の下端B1と上端T1との間の高さであればよい。
【0041】
利用者が媒体処理装置10を用いて、非接触ICカード200(無線通信媒体)に現金をチャージする例について説明する。この際、利用者は紙幣投入口130に紙幣、硬貨投入口140に硬貨を投入することによって、非接触ICカード200に現金をチャージする。
【0042】
利用者は、載置台115に非接触ICカード200を載置する。載置台115に備えられている処理部(不図示)は、非接触ICカード200と通信を行う。載置台115は、非接触ICカード200に保存されている情報を読み出す。処理部(不図示)は、該情報を表示操作部120に出力する。利用者は、表示操作部120を参照し、非接触ICカード200に保存されている情報を確認する。なお、この際の非接触ICカード200には、金額情報、例えば1000円等の情報が保存されている。
【0043】
次に、利用者は、所望のチャージしたい金額(以下、チャージ金額)を指定するために、表示操作部120を操作する。この際、利用者は載置部110から表示操作部120へ手を移動させる。
【0044】
利用者は、このとき、垂直方向における手、および視線の移動量が抑えられる。したがって、利用者は、無線通信媒体を載置台115に載置し、表示操作部120で非接触ICカード200に対する処理を指定する入力操作を行うための動きをスムーズに行える。
【0045】
利用者は、表示操作部120で指定したチャージ金額に基づいて、紙幣投入口130、または硬貨投入口140に現金を投入する。媒体処理装置10は、入金を受け付け、処理部(不図示)を介して非接触ICカード200に金額情報の書き込みを実行する。媒体処理装置10は、金額情報の書き込みが完了した旨を表示操作部120に出力する。
【0046】
利用者は表示操作部120の金額情報の書き込みが完了した旨を確認し、非接触ICカード200の取り出しを行う。この際、利用者は表示操作部120から載置部110へ手を移動させる。この場合であっても、上述のとおり、載置部110と表示操作部120とが水平方向に並んで配置されていることによって、利用者は表示操作部120から載置部110に対する手の移動をスムーズに行うことができる。
【0047】
このような構成によって、利用者が、載置部110と表示操作部120を操作する場合には、垂直方向への手の移動を抑えることができる。また、利用者は視線の移動を抑えられる。すなわち、利用者の操作範囲を最小限に抑えることができるため、利用者の利便性が向上する。
【0048】
図3図4を用いて、本発明の構成と従来構成の差異について説明する。図3は第1の実施形態に係る媒体処理装置10の一部を拡大した図であり、図4は従来の媒体処理装置15の一部を拡大した図である。
【0049】
図4に示す従来構成の媒体処理装置15は、載置部111が表示操作部125と水平方向に並ばない構成である。言い換えれば、媒体処理装置15を正面視した際に、載置部111は表示操作部125の下部に配置されている。
【0050】
このとき、利用者は載置部111から表示操作部125へ水平方向、および垂直方向に手を移動させる。言い換えれば、利用者は、媒体処理装置15の下部から上部へと大きく手を移動させる必要がある。よって、本発明の媒体処理装置10と比較して、手の移動距離が長くなる。また、利用者は、視線も水平方向、および垂直方向に大きく移動させる。
【0051】
しかしながら、図3に示す本発明の構成であれば、載置部110から表示操作部120への利用者の手の移動距離において垂直方向への手の移動を抑えることができる。すなわち、利用者が非接触ICカード200の載置、および取り出す際に、非接触ICカード200を把持しやすくなり、床面等への落下を軽減できる。したがって、利用者が媒体処理装置10を操作する際の利便性が向上する。
【0052】
さらに、本発明の構成における利用者の視線の移動についても垂直方向への移動を抑えることができる。一方、従来構成における利用者の視線の移動は、手の移動距離と同様に、媒体処理装置15の下部から上部(水平方向、および垂直方向)へと移動させる必要がある。すなわち、本発明の構成における媒体処理装置10の利用者の視線の移動は少なくでき、操作性を向上させた媒体処理装置10が実現できる。
【0053】
・構成例2
本発明の第2の実施形態に媒体処理装置について、図を参照して説明する。図5は第2の実施形態に係る媒体処理装置の外観斜視図である。図6は第2の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。
【0054】
第2の実施形態においては、第1の実施形態と比較して、載置部110Aの形状において異なる。その他の点については、第1の実施形態と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0055】
図5図6に示すように、媒体処理装置10Aは、載置部110A、載置台115、表示操作部120、紙幣投入口130、硬貨投入口140を備える。載置部110Aと表示操作部120との間には、側壁部160Aが形成されている。
【0056】
媒体処理装置10Aは、側壁部160Aに切り欠き部NPを備える。切り欠き部NPとは、載置部110Aが表示操作部120との間の位置において、載置部110Aの高さ方向の長さ分、側壁部160Aの一部が形成されていない部分である。
【0057】
このように構成することによって、利用者は、載置部110A(載置台115)に非接触ICカード200を載置、および取り出す際に十分なスペースを確保できる。より具体的な例としては、利用者が右手を用いて、非接触ICカード200を載置部110Aに載置、または取り出す場合、利用者の親指が載置部110Aの側壁部160Aにぶつかることが軽減される。すなわち、利用者は載置部110Aの側壁部160Aを意識する必要がないため、利便性がさらに向上する。
【0058】
このような構成であっても、利用者は、垂直方向における手、および視線の移動量が抑えられる。したがって、利用者は、無線通信媒体を載置台115に載置し、表示操作部120で非接触ICカード200に対する処理を指定する入力操作を行うための動きをスムーズに行える。
【0059】
なお、媒体処理装置10Aの高さ方向において、切り欠き部NPは、少なくとも利用者の手の平の幅、または厚みよりも長い形状、言い換えれば利用者の手が通る形状であればよい。
【0060】
・構成例3
本発明の第3の実施形態に媒体処理装置について、図を参照して説明する。図7は第3の実施形態に係る媒体処理装置の平面概要図である。
【0061】
第3の実施形態においては、第2の実施形態と比較して、載置部110Bに撮像部150が備えられている点において異なる。その他の点については、第2の実施形態と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0062】
図7に示すように、媒体処理装置10Bは、載置部110B、載置台115、表示操作部120、紙幣投入口130、硬貨投入口140、撮像部150を備える。載置部110Bと表示操作部120との間には、側壁部160Aが形成されている。
【0063】
撮像部150は、載置部110Bの天井部に備えられている。撮像部150は、載置台115に載置された、QRコード(登録商標)、または切符、定期券等に印字されている券面の文字列を読み取る。この際、載置部110Bは、洞穴形状であることから、外部からの風、または光の影響が軽減される。さらに、撮像部150が天井部に形成されていることにより、外乱の影響が抑制され、QRコード(登録商標)、または文字列を容易に読み取ることができる。
【0064】
撮像部150がQRコード(登録商標)を撮像する場合には、表示操作部120にはQRコード(登録商標)から読み取った情報が表示される。また、撮像部150が文字列を撮像する場合には、表示操作部120には文字列が表示される。
【0065】
なお、撮像部150は、撮像対象がQRコード(登録商標)であるか、または文字列であるかを自動的に判断する構成であってもよい。この場合、利用者は、媒体処理装置10Bに対して撮像対象が、QRコード(登録商標)であるか、または文字列であるかを特定する必要はない。また、撮像部150を複数設ける必要がないため、媒体処理装置10Bの利便性が向上する。
【0066】
利用者が媒体処理装置10Bを用いて、QRコード(登録商標)が印字された予約券によって、切符を購入する例について説明する。この際、利用者は紙幣投入口130に紙幣、硬貨投入口140に硬貨を投入することによって切符を購入する。
【0067】
利用者は、載置部110BにQRコード(登録商標)が表示されたスマートフォンを載置する。このことによって、撮像部150は、QRコード(登録商標)を読み取る。媒体処理装置10Bは、QRコード(登録商標)から読み取った情報(以下、予約情報)を表示操作部120に出力する。利用者は、表示操作部120を参照し、予約内容を確認する。
【0068】
次に、利用者は、予約情報の確定を実行するために、表示操作部120を操作する。この際、利用者は載置部110Bから表示操作部120へ手を移動させる。
【0069】
この際、上述のとおり、載置部110Bと表示操作部120とが水平方向に並んで配置され、かつ載置部110Bが切り欠き部NPを有することによって、利用者は載置部110Bから表示操作部120に対する手の移動をスムーズに行うことができる。
【0070】
利用者は、表示操作部120で指定した予約情報に基づいて、紙幣投入口130、または硬貨投入口140に投入する。媒体処理装置10Bは、入金を受け付け、切符の発券を実行する。媒体処理装置10Bは、切符の発券が完了した旨を表示操作部120に出力する。
【0071】
利用者は表示操作部120の切符の発券が完了した旨を確認し、載置部110Bからスマートフォンを取り出す。この際、利用者は表示操作部120から載置部110Bへ手を移動させる。
【0072】
このような構成であっても、利用者が、載置部110Bと表示操作部120との間における操作時には、垂直方向への手の移動を抑えることができるため、利用者の操作範囲を最小限に抑えることができる。また、利用者は視線の移動を抑えられる。
【0073】
さらに、上述のとおり、側壁部160Aが切り欠き部NPを有するように配置されていることによって、利用者は、載置部110Bにスマートフォンを載置、および取り出す際に十分なスペースを確保できる。すなわち、利用者は表示操作部120から載置部110Bに対する手の移動をスムーズに行うことができる。
【0074】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
【0075】
<付記>
媒体(200)を載置する載置部(110)と、
前記載置部(110)に載置された前記媒体(200)に対する処理を指定する入力手段を備えた表示操作部(120)と、を備え、
前記載置部(110)と前記表示操作部(120)とを、平面視において水平方向に並べて配置した、媒体処理装置(10)。
【符号の説明】
【0076】
B1…下端
T1…上端
10、10A、10B、15…媒体処理装置
110、110A、110B、111…載置部
115…載置台
120、125…表示操作部
130…紙幣投入口
140…硬貨投入口
150…撮像部
160、160A…側壁部
200…ICカード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7