IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-人体局部洗浄装置 図1
  • 特許-人体局部洗浄装置 図2
  • 特許-人体局部洗浄装置 図3
  • 特許-人体局部洗浄装置 図4
  • 特許-人体局部洗浄装置 図5
  • 特許-人体局部洗浄装置 図6
  • 特許-人体局部洗浄装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】人体局部洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
E03D9/08 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019208893
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021080739
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(72)【発明者】
【氏名】上原 一人
(72)【発明者】
【氏名】片山 透
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-113640(JP,A)
【文献】特開2017-048579(JP,A)
【文献】特開2001-132055(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001323(WO,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0359796(KR,Y1)
【文献】特開2008-106501(JP,A)
【文献】特開2019-073895(JP,A)
【文献】特開2001-128891(JP,A)
【文献】実開昭61-010388(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体噴射可能なノズルユニットと、
前記ノズルユニットを覆うノズルカバーと、
を備え、
前記ノズルカバーは前記ノズルユニットに対して着脱可能であり、
前記ノズルカバーは前記ノズルユニットの一部を覆う形状を有し、
前記一部はノズルユニットの上面を含み、
前記ノズルカバーに形成され前記液体を噴射するための第1噴射穴の径は、前記ノズルユニットに形成され前記液体を噴射するための第2噴射穴より小さく、
前記第1噴射穴の一部は前記第2噴射穴の内部に入り込んでいる、
人体局部洗浄装置。
【請求項2】
前記ノズルユニットには複数種の前記ノズルカバーが着脱可能である、
請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズルカバーは装飾処理が施されている、
請求項1又は2のいずれかに記載の人体局部洗浄装置。
【請求項4】
前記ノズルカバーは防汚処理が施されている、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の人体局部洗浄装置。
【請求項5】
前記ノズルユニットに装着された前記ノズルカバーへ向けて液体を流出させる流出機構
を更に備え、
前記ノズルカバーに施されている前記防汚処理は親水処理である、
請求項に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項6】
前記ノズルユニットは防汚処理が施されている、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の人体局部洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人体局部洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、局部洗浄装置(便座装置)における防汚手段として有機高分子とシリコーン成分とからなる防汚塗膜がある。防汚塗膜は塗膜に含まれるシリコーン成分の有する撥水、防水性が汚れの付着を抑制し、さらに水との接触により塗膜表面で濡れ広がることにより汚れ成分の付着抑制、および汚れ成分の除去を容易にしている。これにより汚れが付着しにくく、また付着した汚れが乾燥しても除去しやすい局部洗浄装置(便座装置)として利用されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-256450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人体局部洗浄装置では局部へ向けて液体を噴射するノズルユニットの汚れを防止する手段を装置の仕様やユーザーの要求に応じて簡便に変更したというニーズがあり、多様な仕様が存在する。
【0005】
しかしながら、製品各々が独自のノズルユニットの形状を有し部品の汎用性が低い状況となっており、製品毎にユーザーの要求する仕様を揃える必要があるためコストが高くなる状況にある。
【0006】
また、一度製品に組付けられた部品は取り外しが困難であり、部品交換が容易に出来ない状況となっている。
【0007】
本発明はこうした実情を鑑みてなされたものであり、ノズルユニットの形態を任意且つ簡便に変更可能な人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、液体を噴出可能なノズルユニットと、ノズルユニットを覆うノズルカバーと、を備えた人体局部洗浄装置であって、ノズルカバーはノズルユニットに対して着脱可能となっているものである。これにより、ノズルユニットの形態を任意且つ簡便に変更することが可能となる。
【0009】
また、ノズルユニットは複数種のノズルカバーに対して着脱可能となっていてもよい。これにより、装置の仕様やユーザーの要求に応じた様々なノズルカバーの選定が可能となる。
【0010】
また、ノズルカバーはノズルユニットの一部を覆う形状を有し、一部はノズルユニットの上面を含むようにしてもよい。これにより、ノズルカバーの交換が容易となる。ノズルユニットの上面は汚れが付着しやすく且つユーザーの目に付きやすい部分である。そこで、上記構成のようにノズルカバーがノズルユニットの全体を覆うのではなく、少なくともノズルユニットの上面を含むノズルユニットの一部を覆う構造とすることにより、コストの増加の抑制をしつつ、汚れの防止や見栄えの向上を効果的に果たすことが可能となる。
【0011】
また、ノズルカバーに形成され液体を噴射するための第1噴射穴の径は、ノズルユニットに形成され液体を噴射するための第2噴射穴より小さく、第1噴射穴の一部は第2噴射穴の内部に入り込んでいてもよい。これにより、ノズルユニットの第2噴射穴の周囲に付着する汚れを防ぐことが可能となる。
【0012】
また、ノズルカバーは装飾処理が施されていてもよい。このように、装飾処理が施されたノズルカバーを用いることによりデザイン性を向上させることができ、外観に対するユーザーの要求に応じることが可能となる。
【0013】
また、ノズルカバーは防汚機能が施されていてもよい。これにより、ノズルカバーに付着する汚れをより効果的に防ぐことが可能となる。
【0014】
また、人体局部洗浄装置はノズルユニットに装着されたノズルカバーへ向けて液体を流出させる流出機構を更に備え、ノズルカバーに施されている防汚処理は親水処理であってもよい。ノズルユニット使用時にノズルカバーへ向けて流出機構から液体を流出させると、ノズルカバーに施された親水処理によりノズルカバー表面に水が濡れ広がり、ノズルカバーへ付着する汚れの抑制、もしくは汚れ成分の除去が容易となる。
【0015】
また、ノズルユニットは防汚処理が施されていてもよい。このように、ノズルカバーだけでなくノズルユニットにも防汚処理を施すことにより、ノズルユニットに付着する汚れをより効果的に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】人体局部洗浄装置が取り付けられた便座の斜視図である。
図2】ノズルユニットとノズルカバーの斜視図である
図3】ノズルユニットにノズルカバーが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図4】ノズルユニットにノズルカバーが取り付けられた状態を示す上面図である。
図5図4における第1係合部と第3係合部のV-V断面図である。
図6図4における噴射穴のVI-VI断面図である。
図7】噴射穴6の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は実施形態の人体局部洗浄装置1が取り付けられた便座の斜視図である。人体局部洗浄装置1は後述するノズルユニット2とノズルカバー3を備え、これらが一体となって便座に取り付けられる。
【0019】
図2はノズルユニット2とノズルカバー3の斜視図である。ノズルユニット2は人体局部を洗浄する液体を噴出するユニット噴射穴4(第2噴射穴)を有している。ノズルカバー3はノズルユニット2に取り付けられた際にユニット噴射穴4に重なるカバー噴射穴5(第1噴射穴)を有している。ユニット噴射穴4とカバー噴射穴5が重なることにより、1つの噴射穴6(図3参照)が形成される。
【0020】
ノズルユニット2とノズルカバー3は着脱可能である。ノズルユニット2は複数種のノズルカバー3と着脱可能であってもよい。本実施形態にかかるノズルカバー3はノズルユニット2の一部(上面)を覆う形状を有する。上面とは、ノズルユニット2を構成する部分のうち人体局部に対面する面である。
【0021】
人体局部洗浄装置1はノズルユニット2とノズルカバー3とを着脱可能にする係合部を備えている。図2に例示する構成における係合部はノズルユニット2に形成された第1係合部7及び第2係合部8と、ノズルカバー3に形成された第3係合部11及び第4係合部12とを有している。第1係合部7はノズルユニット2の根元部(人体局部を洗浄するための液体をノズルユニット2内に流入させる配管9が設置されている側の端部)に形成されている。第2係合部8はノズルユニット2の先端部(ユニット噴射穴4が形成されている側の端部)に形成されている。第3係合部11はノズルカバー3の根元部に形成されている。第4係合部12はノズルカバー4の先端部に形成されている。第1係合部7と第3係合部11が着脱可能に係合し、第2係合部8と第4係合部12が着脱可能に係合する。
【0022】
なお、上記構成は一例であり、係合部の具体的構成はこれに限定されるものではない。例えば、係合部はノズルユニット2の側面に形成されてもよい。また、上記構成はノズルカバー3がノズルユニット2の一部(上面)を覆う形状である場合に好適なものであるが、係合部の具体的構成はノズルカバー3がノズルユニット2にどのように取り付けられるかに応じて適宜設計されるべきものである。例えば、ノズルカバー3がノズルユニット2を全体的に覆う形状である場合には、上記根元部のみに係合部が設けられていてもよい。
【0023】
図3はノズルユニット2にノズルカバー3が取り付けられた状態を示す斜視図である。ノズルカバー3はノズルユニット2の上面を覆っており、人体局部を洗浄する際に汚れがノズルユニット2へ直接付着することを防ぐことが出来る。ノズルカバー3への汚れの付着を抑制する手段としてノズルカバー3の表面に防汚処理が施されてもよい。ノズルカバー3に対する防汚処理は撥水処理でもよく、親水処理でもよい。また、ノズルユニット2への汚れの付着を抑制する効果を更に向上させる手段としてノズルユニット2の表面に防汚処理が施されていてもよい。ノズルユニット2に対する防汚処理は撥水処理でもよく、親水処理でもよい。
【0024】
また、人体局部洗浄装置1の汚れの抑制効果に加え見栄えを向上させる手段として、ノズルカバー3の表面に装飾処理を施してもよい。装飾処理とは、視覚的に美観を起こさせるような処理であり、例えばノズルカバー3の表面に光沢を持たせる光沢化処理、模様を施す処理等であり得る。光沢化処理としては、例えば金属化処理、ガラス化処理等が挙げられる。
【0025】
金属化処理はノズルカバー3の材質に金属成分を含ませる処理でもよく、表層に金属メッキを施す処理でもよく、表層に少なくとも1層の金属層を形成する処理でもよい。また、ガラス化処理はノズルカバー3の材質にガラス成分を含ませる処理でもよく、表面にガラス砥粒を吹き付ける処理でもよく、表層に少なくとも1層のガラス層を形成する処理でもよい。
【0026】
装飾処理には複数種の装飾処理を併用してもよい。
【0027】
また、人体局部洗浄装置1への汚れの付着を抑制する効果を更に向上させる手段として、ノズルユニット2に装着されたノズルカバー3へ向けてノズルカバー3の汚れを除去するための液体を流出させる流出機構を更に備えてもよい。流出機構からノズルカバー3へ向けて流出させた液体でノズルカバー3の表面を覆うことによりノズルカバー3へ付着する汚れの除去を容易にすることができる。この場合、ノズルカバー3又はノズルユニット2に施される防汚処理は親水処理であることが好ましい。
【0028】
図4はノズルユニット2にノズルカバー3が取り付けられた状態を示す上面図である。図5図4における第1係合部7と第3係合部11のV-V断面図である。図6図4における噴射穴6のVI-VI断面図である。図7は噴射穴6の一部拡大断面図である。
【0029】
図6及び図7に示すようにユニット噴射穴4にカバー噴射穴5が重なることにより形成される噴射穴6において、ノズルカバー3の一部がユニット噴射穴4の内部に入り込む。換言すると、カバー噴射穴5の径はユニット噴射穴4の径よりも小さくなっている。これにより、ノズルカバー3がノズルユニット2に取り付けられた際に、ノズルカバー3でユニット噴射穴4の内部の少なくとも一部を覆うことができるため、ユニット噴射穴4の内部や周囲に汚れが蓄積されることを防ぐことが出来る。
【0030】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 人体局部洗浄装置
2 ノズルユニット
3 ノズルカバー
4 ユニット噴射穴
5 カバー噴射穴
6 噴射穴
7 第1係合部
8 第2係合部
9 配管
11 第3係合部
12 第4係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7